説明

画像形成装置

【課題】このような問題を鑑みて、画像形成された面に重畳して画像形成することを防ぐ。
【解決手段】画像形成されたか否かを示す有無情報を保持する情報保持媒体が付加された記録媒体に対して画像形成する画像形成手段と、前記有無情報を読み取り、記録媒体に画像形成されたか否かを検出する読取手段と、画像形成についての画像形成条件を取得する取得手段と、前記読取手段の検出結果と、前記取得手段が取得した前記画像形成条件に基づいて、前記画像形成手段により画像形成させるか否かを判断する第1判断手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、用紙にRFIDを付して、当該RFIDに記録された情報に応じて、印刷を行なう画像形成装置が提案されている。当該RFIDに記録されている情報とは、用紙の種類や厚さ、用紙のサイズ、用紙の色、用紙のメーカ、用紙の製造年月日などである(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ユーザの誤りなどで、既に印刷された用紙を給紙カセットにセットする場合がある。この場合には、特許文献1記載の技術では、印刷された面に重畳して印刷する場合があり、無駄な印刷をしてしまうという問題がある。
【0004】
本発明では、このような問題を鑑みて、既に画像形成されている面に重畳して画像形成することを防ぐ画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、画像形成されたか否かを示す有無情報を保持する情報保持媒体が付加された記録媒体に対して画像形成する画像形成手段と、前記有無情報を読み取り、記録媒体に画像形成されたか否かを検出する読取手段と、画像形成についての画像形成条件を取得する取得手段と、前記読取手段の検出結果と、前記取得手段が取得した前記画像形成条件に基づいて、前記画像形成手段により画像形成させるか否かを判断する第1判断手段と、を有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の画像形成装置であれば、既に画像形成されている面に重畳して画像形成することを防ぐことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施例の画像形成装置のハードウェア構成例を示す図。
【図2】本実施例の画像形成装置の機能構成例を示す図。
【図3】本実施例の両面ユニットの機能構成例を示す図。
【図4】本実施例の記録媒体の一例を示す図。
【図5】本実施例の収容手段の一例を示す図。
【図6】本実施例の制御手段の一例を示す図。
【図7】本実施例の画像形成装置の処理フローの一例を示す図。
【図8】本実施例の無効用紙用出力先などの一例を示した図。
【図9】別の実施形態の制御手段の一例を示す図。
【図10】別の実施形態の制御手段の一例を示す図。
【図11】別の実施形態の画像形成装置の処理フローの一例を示す図。
【図12】本実施例の情報保持媒体などの機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
まず、用語について説明する。画像形成装置とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。また、記録媒体は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。画像形成とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与すること、液滴(インク)を記録媒体に着弾させることをいう。また、以下の説明では、記録媒体を「用紙」とし、画像形成を「印刷」として説明する。また、以下の説明では、各実施形態において、機能構成例、処理フロー、の説明では、同じ処理については、同じ参照番号、同じステップ番号を付加し、重複説明を省略する。
[ハードウェア構成]
図1に、本実施例の画像形成装置100のハードウェア構成を示す。図1に示すようには、本実施例の画像形成装置100は、制御手段110、主記憶手段120、補助記憶手段130、外部記憶装置I/F手段140、ネットワークI/F手段160、操作手段170、表示手段180、エンジン手段190を含む。
【0009】
制御手段110は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行う。また、制御手段110は、主記憶手段120に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、外部からデータを受け取り、演算、加工した上で、当該データを出力する。
【0010】
主記憶手段120は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などであり、制御手段110が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0011】
補助記憶手段130は、HDD(Hard Disk Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。外部記憶装置I/F手段140は、USB(Universal Serial Bus)などのデータ伝送路を介して接続された記憶媒体150(例えば、フラッシュメモリなど)と画像形成装置100とのインタフェースである。
【0012】
また、記憶媒体150に、所定のプログラムを格納し、この記憶媒体150に格納されたプログラムは外部記憶装置I/F手段140を介して画像形成装置100にインストールされ、インストールされた所定のプログラムは画像形成装置により実行可能となる。
【0013】
ネットワークI/F手段160は、有線及び/又は無線回線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワークを介して接続された外部装置200(例えば、PC)と画像形成装置100とのインタフェースである。ユーザは外部装置200から、様々な設定を行なうことができる。「様々な設定を行なう」とは、「画像形成条件(後述する)を入力する」ということである。
【0014】
操作手段170や表示手段180は、キースイッチ(ハードキー)とタッチパネル機能(GUIのソフトウェアキーを含む:Graphical User Interface)を備えたLCD(Liquid Crystal Display)とから構成され、画像形成装置100が有する機能を利用する際のUI(User Interface)として機能する。操作手段170と表示手段180をまとめて、設定手段175とする。ユーザは設定手段175から、様々な設定を行なうことができる(画像形成条件を入力する。)。
【0015】
エンジン手段190は、用紙に印刷を行なう画像形成手段210や読取書込手段510(後述する)などを駆動させる。また、本実施例の画像形成装置100が、インクジェット記録方式であれば、画像形成手段210は、記録ヘッドであり、電子写真方式であれば、画像形成手段210は、感光体ドラムなどである。
[画像形成装置の機能構成例]
また、本実施例の画像形成装置100は、用紙の両面に印刷可能である。ユーザが用紙の両面への印刷を所望する場合には、設定手段175または外部装置200から設定を行なう。図2に、画像形成装置100が含む、本体1001と、両面ユニット1002の機能構成例を示す。図2を用いて、両面印刷される場合の流れを簡単に説明する。図2の例では、ユーザにより用紙が収容(セット)される2つの収容手段17、18が具備されている。制御手段110により、収容手段17または収容手段18に収容されている用紙は画像形成手段210まで供給される。画像形成手段210は、当該供給された用紙に対して片面印刷を行なう。そして、制御手段110は、片面印刷された用紙を両面ユニット1002まで搬送して、当該両面ユニット1002で用紙の向きを逆向けにする。そして、画像形成手段210は、逆向けにされた用紙に対して、再び印刷を行なう。これにより、両面印刷が完了し、当該両面印刷が行なわれた用紙は、ユーザが設定した出力先(出力トレイ)に排出させる。
【0016】
図3に両面ユニット1002の拡大図を示す。入口孔3は、本体1001から、表面に印刷された用紙が入力される。用紙検知センサ4、5は、入口孔3近辺に設置されており、入口孔3に入力された用紙を検知する。また、用紙検知センサ4、5で検知された用紙は、経路6を通過する。反転ローラ7は、用紙の向きを反転させる。反転経路8は、反転ローラ7により用紙の向きが反転される際に、当該用紙が通る経路である。
【0017】
そして、最供給路9には、搬送ローラ10により、再度、画像形成手段210(本体1001)に戻るまで、用紙が通る経路である。また、両面ユニット1002から本体1001へは、再供給口14からローラ11により出力される。また、再供給口14付近には、用紙を検知する用紙検知センサ12、13が設けられる。そして、用紙検知センサ12、13は、再供給口14から出力される用紙を検知する。その後、排出口115から両面印刷された用紙は、排出される。
[用紙について]
次に用紙について説明する。図4に、本実施例の画像形成装置100で用いられる用紙500の一例を示す。図4の例では、用紙500の右上に情報保持媒体502が付加される。ここで、情報保持媒体502とは、既に用紙に印刷されているか否かを示す有無情報を保持する媒体であり、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)が用いられる。以下では、情報保持媒体502をRFID502として説明する。また、用紙500のうち、RFID502が付加される位置は、右上に限らず、どこでも良い。
【0018】
有無情報とは、当該有無情報を保持しているRFID502が付加されている用紙500の片面、または、両面に印刷されているか否かを示す情報である。つまり、有無情報とは、(i)両面に印刷されていること(ii)片面に印刷されていること、(iii)両面ともに印刷されていないこと、のうち何れかを示すものである。
【0019】
図5に、収容手段17近傍の拡大図を示す。収容手段18の構成も略同一である。上述のように、収容手段17、18には、複数の用紙500が収容されている。印刷される際には、制御手段110が、エンジン手段190を駆動させることで、ローラ172を回転させ、当該収容されている用紙を、画像形成手段210(図2など参照)に供給する。そして、画像形成手段210は、当該供給された用紙に対して、印刷を行なう。
【0020】
また、本実施例の画像形成送装置100の収容手段17、18それぞれの上方には、読取書込手段510が設置されている。読取書込手段510は、用紙500が画像形成送手段210に供給される前に、当該用紙500に付加されているRFID502の有無情報を読み取り、用紙500の両面または片面に印刷されているか否かを検出するものである。また、読取書込手段510は、供給される前に有無情報を書き込むものである。読取書込手段510は、リーダライタ装置を用いればよい。
【0021】
ここで、「読取書込手段510が用紙500に印刷されているか否かを検出すること」について更に詳細に説明すると、(i)既に両面に印刷されていること(ii)既に片面に印刷されていること、(iii)両面ともに印刷されていないこと、のうち何れかであるかを検出することである。
【0022】
また、収容手段17や18には、用紙が積層して収容されているが、読取書込手段510は、1つの給紙手段において、最も早く印刷される用紙の有無情報を読み取ることが好ましい。ここで、図5の例では、最も早く印刷される用紙とは、積層されている用紙のうち、最上に位置する用紙である。また、読取書込手段510が、RFID502から有無情報を読み取る際には、複数の用紙それぞれに付加されている複数のRFID502から、有無情報を読み取る場合がある。この場合には、読取書込手段510は、読み取られた複数の有無情報それぞれについての複数の電圧のうち、最も電圧値が大きい有無情報を、最上に位置する用紙の有無情報として取得する。何故なら、最上に位置する用紙のRFID502と読取書込手段510との距離は、他の用紙のRFID502と読取書込手段510との距離よりも短いために、有無情報についての電圧値が大きくなるためである。
【0023】
なお、図5では図面簡略化のために、一番上の用紙500のみに、RFID502が付加されているように記載されているが、実際は、全ての用紙500に対して、RFID502は付加されている。
[具体的な処理の流れ]
次に、本実施例の画像形成装置100の具体的な処理の流れについて説明する。図6に実施形態1の制御手段110の機能構成例を示す。図7に、実施形態1の画像形成装置100の処理フローを示す。
【0024】
まず、ユーザは、例えば、複写したい原稿を画像形成装置100にセットすると共に、画像形成条件を入力する(設定を行なう)。制御手段110は、画像形成条件が入力されたか否かを判断する(ステップS2)。ここで画像形成条件には、片面印刷か両面印刷か示す情報、および、通常モードか裏面印刷モードかを示す情報が含まれている。通常モードとは、片面印刷する場合に、裏面に何ら印刷されていない用紙の表面に片面印刷を行なうモードをいう。裏面印刷モードとは、片面印刷する場合に、用紙コスト削減のために、裏面に何らかの画像が既に印刷されている用紙の表面に片面印刷を行なうモードである。また、画像形成条件に含まれるその他の情報として、印刷枚数や、カラー印刷かモノクロ印刷か、などが含まれている。
【0025】
また、制御手段110は、画像形成条件が入力されるまで待機する(ステップS2のNo)。制御手段110が、画像形成条件が入力されたと判断すると(ステップS2のYes)、ステップS4、S6に移行する。ステップS4では、取得手段602は、ユーザにより入力された画像形成条件を取得する。また、ステップS6では、読取書込手段510(図5参照)は、RFID502から、有無情報を取得する。ステップS4、S6の処理については、どちらを先に行なってもよく、また並列的に行なってもよい。
【0026】
ステップS4、ステップS6の処理(画像形成条件の取得処理、有無情報の読み取り処理が終了すると、第1判断手段604は、読取書込手段510による検出結果(既に印刷されているか否かを示す情報)と、画像形成条件とに基づいて、印刷するか否かを判断する(ステップS8)。ここで、第1判断手段604の判断の詳細について説明する。
【0027】
まず、第1判断手段604により、印刷させると判断される場合というのは、(a)有無情報が用紙の両面に印刷されていないことを示す情報である場合(b)画像形成条件が片面印刷を行なうことを示す場合であり、ユーザにより裏面印刷モードが設定された場合であり、有無情報が片面印刷が既にされていることを示す情報である場合、である。(a)または(b)に該当する場合には、第1判断手段604は、印刷すると判断し(ステップS10のYes)、第1判断手段604は、当該RFID502が付加されている用紙を画像形成手段210に供給し、画像形成手段210に印刷させる(ステップS12)。なお、(b)の場合というのは、印刷されていない面に対して画像形成手段210により印刷されるように、収容手段17から供給させる必要がある。
【0028】
また、以下の説明では、(a)または(b)に該当する場合の用紙を「有効用紙」という。第1判断手段604が、(a)または(b)であると判断することを「第1判断手段604が有効用紙を検出する。」という。また、ステップS10でYesと判断される場合というのは、第1判断手段604が有効用紙を検出した場合ともいう。
【0029】
一方、第1判断手段604により、印刷しないと判断される場合というのは、(c)有無情報が用紙の両面に印刷されていることを示す場合、(d)画像形成条件が両面印刷を行なうことを示す場合であり、かつ、有無情報が既に片面印刷されていることを示す情報である場合、である。これら(c)または(d)に該当する場合には、第1判断手段604は、印刷しない、と判断し(ステップS10のNo)、印刷を行なわない(ステップS14)。以下の説明では、(c)または(d)に該当する場合の用紙を「無効用紙」という。読取書込手段510が、(c)または(d)であると判断することを「第1判断手段604が無効用紙を検出する。」という。後述する図9記載の出力先制御手段606は、無効用紙を予め定められた無効用紙用出力先に出力する。無効用紙用出力先の詳細については、実施形態2で説明する。また、ステップS10でNoと判断される場合というのは、第1判断手段604が無効用紙を検出した場合ともいえる。
【0030】
また、無効用紙を無効用紙用出力先に排出させる場合には、ユーザにその旨を伝える警告を行なうようにしてもよい。当該警告とは、例えば、音声でも伝えてもよく、表示手段180に表示させるようにしてもよく、当該警告を用紙に印刷して出力するようにしてもよい。
【0031】
また、ステップS14の印刷不実行の処理については、同一の収容手段において、供給手段610(図10参照)が、有効用紙が検出されるまで、無効用紙を排出し続け、第1判断手段604が有効用紙を検出できれば、当該有効用紙を画像形成手段210に供給し、印刷を行なわせるようにしてもよい。
[書込み処理について]
次に、読取書込手段510の書込み処理について説明する。当該書込み処理については、ステップS6(有無情報の読み取り)で行なうことが好ましい。当該書込み処理は、ステップS2で入力された、用紙の片面に印刷させるか用紙の両面に印刷させるか、を示す画像形成条件を有無情報としてRFID502に反映させる処理である。取得手段602は、ステップS2で入力された画像形成条件(用紙の片面に印刷させるか用紙の両面に印刷させるか)を取得し、有無情報として、RFID502に書き込む。
【0032】
例えば、入力された画像形成条件が、両面印刷させるものであれば、用紙が画像形成手段210に供給される前に、読取書込手段510は、両面印刷する旨の有無情報をRFID502に書き込む。その後、収容手段17から、画像形成手段210に供給されて、画像形成手段210や両面ユニット2により、両面印刷されて排出される。
【0033】
そして、ユーザの誤りなどにより、当該両面印刷された用紙が、収容手段17にセットされて、次回以降の印刷が行なわれようとする場合がある。このような場合でも、ステップS6で、読取書込手段510は、既に両面印刷されている旨の有無情報を読み取ることで(上記(c)の場合に該当)、当該両面印刷されている用紙については、印刷されずに無効用紙用出力先に排出される(ステップS14)。
【0034】
また、入力された画像形成条件が、片面印刷させるものであれば、読取書込手段510は、片面印刷する旨の有無情報をRFID502に書き込む。その後、当該書き込まれたRFID502が付加された用紙は、画像形成手段210に供給されて、画像形成手段210により、片面印刷されて排出される。そして、ユーザの誤りなどにより、当該片面印刷された用紙が、収容手段17にセットされて、次回以降の印刷が行なわれようとする場合がある。このような場合でも、読取書込手段510により、既に片面印刷されている旨の有無情報を読み取り、上記(b)の場合では、印刷が実行され(ステップS12)、上記(d)の場合では、印刷が実行されない(ステップS14)。
【0035】
この実施形態1の画像形成装置によれば、読取書込手段510は、RFID502に保持された有無情報を読み取り、印刷しようとしている用紙が両面とも印刷されていないか、既に片面に印刷されているか、既に両面に印刷されているかを検出する。そして、第1判断手段604は、ユーザにより入力された画像形成条件と、読み取られた有無情報とに基づき、印刷を行なうか否かを判断する。従って、例えば、ユーザが誤って、印刷済みの用紙を収容手段17にセットした場合であっても、既に印刷された画像の上から、重畳して印刷するという無駄な印刷を防ぐことが出来る。
<実施形態2>
次に、実施形態2の画像形成装置100−2について説明する。実施形態2では、無効用紙用出力先を更に詳細にしたものである。図8に、実施形態2の無効用紙用出力先の一例について示す。また、図9に、実施形態2の制御手段110の機能構成例を示す。図8に示すように、実施形態2の画像形成装置100−2は、複数の出力先(出力トレイ)があるとする。図8の例では、出力先は710、720の2つであるとする。
【0036】
実施形態2では、図8に示すように、出力先制御手段606は、第1判断手段604により印刷させないと判断された用紙(無効用紙520)を無効用紙用出力先720(出力トレイ720)に出力する。また、出力先制御手段606は、画像形成手段210に印刷された用紙(有効用紙510)を有効用紙用出力先710(出力トレイ710)に出力する。当該無効用紙用出力先720と当該有効用紙用出力先710とは異なるものである。
【0037】
上述のように、無効用紙520とは、両面または片面に既に印刷されている用紙であり、ユーザが所望する画像が印刷された用紙ではない。一方、有効用紙510とは、ユーザが所望する画像が印刷された用紙である。もし、有効用紙510と無効用紙520とが同じ出力先である場合には、ユーザは有効用紙510と無効用紙520との仕分け作業を行う必要がある。
【0038】
そこで、この実施形態2の画像形成装置100−2のように、有効用紙510の出力先と無効用紙520の出力先を異ならせることで、ユーザによる仕分け作業の手間を省くことが出来る。
【0039】
また、ユーザは、複数の出力先の中から、無効用紙用出力先720と有効用紙用出力先710のうち少なくとも一方を設定できるようにしてもよい。当該設定は、設定手段175または外部装置200により行なわれる。これにより、ユーザに対しての自由度が向上し、使い勝手が良くなる。
<実施形態3>
次に、実施形態3の画像形成装置について説明する。実施形態1では、「ステップS14の印刷不実行の処理については、同一の収容手段において、有効用紙が検出されるまで、無効用紙を排出し続け、第1判断手段604が有効用紙を検出できれば、当該有効用紙に対して印刷を行なうようにしてもよい。」と説明した。この実施形態3では、1つの収容手段において、無効用紙が検出された場合であっても、他の手法により、印刷を実行させる。
【0040】
図10に実施形態3の画像形成装置100−3の制御手段110の機能構成例を示す。また、図11に、実施形態3の画像形成装置100−3の処理フローを示す。図10の例では、図6と比較して、第2判断手段608、供給手段610、警告手段612が追加されている点で異なる。また、図11の例では、図7と比較して、ステップS14が、ステップS32、S33、S34に代替されている点で異なる。
【0041】
図11を用いて説明すると、第1判断手段604により、用紙に印刷させないと判断された場合(つまり、第1判断手段604により、無効用紙が検出された場合(ステップS10のNo))には、当該無効用紙が収容されていた収容手段(ここでは、図3に示す収容手段17とし、無効用紙収容手段17という。)には、無効用紙しか収容されていない可能性が高い。そこで、第2判断手段608は、有効用紙収容手段があるか否かを判断する(ステップS32)。有効用紙収容手段とは、無効用紙収容手段17とは別の収容手段であり、有効用紙が収容されている収容手段である。
【0042】
有効用紙収容手段があるか否かの判断の第1の手法として、第1判断手段604は、他の収容手段に収容されている最上にある用紙が、有効用紙であるか否かを判断する。そして、第1判断手段604が、最上の用紙は有効用紙であると判断すると、当該用紙が収容されている収容手段が有効用紙収容手段であると判断する。以下では、有効用紙収容手段を有効用紙収容手段18とする。
【0043】
また、図5の説明において、読取書込手段510が、複数の用紙それぞれに付加されている複数のRFID502から、複数の有無情報を読み取る場合があると説明した。この場合には、有効用紙収容手段があるか否かの判断の第2の手法を用いることが出来る。当該第2の手法として、当該複数の有無情報から、第1判断手段604が、収容手段に少なくとも1枚の有効用紙が収容されているか否かを判断する。そして、当該少なくとも1枚の有効用紙が収容されている収容手段があると判断されれば、第2判断手段608は、当該少なくとも1枚の有効用紙が収容されている収容手段を有効用紙収容手段18として、有効用紙収容手段が存在すると判断する。
【0044】
そして、第2判断手段608により、有効用紙給紙手段18があると判断されると(ステップS32のYes)、供給手段610は、供給元として、無効用紙収容手段17から、有効用紙収容手段18に変更する。そして、供給手段610は、有効用紙収容手段18に収容されている用紙を画像形成手段210に供給して、印刷させる(ステップS33)。
【0045】
また、第2の手法により、第2判断手段608が、有効用紙収容手段があると判断した場合には、当該有効用紙収容手段には、有効用紙が収容されているものの、最上の用紙が有効用紙であるか否かは不明である。従って、供給手段610は、有効用紙が検出されるまで、無効用紙を排出し続け、第1判断手段604が有効用紙を検出できれば、当該有効用紙を画像形成手段210に供給し、印刷を行なう。
【0046】
また、ユーザにより、設定手段175(図1参照)または外部装置200から、無効用紙が検出された場合に変更される供給元を自由に設定できるようにしてもよい。これにより、ユーザに対しての自由度が向上し、使い勝手が良くなる。
【0047】
この実施形態3の画像形成装置100−3によれば、無効用紙が検出された場合には、第2判断手段608が、有効用紙収容手段があるか否かを判断する(ステップS32)。有効用紙収容手段があると判断されると(ステップS32のYes)、供給手段610は、有効用紙収容手段に収容されている用紙を画像形成手段210に供給させて、印刷させる。従って、印刷処理を止めずに継続して行なうことができる。
<実施形態4>
次に実施形態4について説明する。実施形態4では、図10、図11を用いて、有効用紙収容手段がない場合(ステップS32のNo)について説明する。有効用紙収容手段がない場合とは、収容手段が1つ(無効用紙収容手段のみ)しかない場合や、複数の主要手段全てが無効用紙収容手段である場合などである。
【0048】
第2判断手段608により、有効用紙収容手段がないと判断されると(ステップS32のNo)、警告手段612は、ユーザに他の収容手段がない旨を警告する(ステップS34)。ここで、警告とは、表示手段180に警告メッセージを表示させたり、警告メッセージを音声出力したり、用紙に当該警告メッセージを印刷して出力する等である。警告メッセージは、警告手段612により生成される。当該警告メッセージにより、ユーザに対して、他の収容手段がないため、有効用紙を収容手段にセットするように促す。
【0049】
当該警告メッセージを認識したユーザは、有効用紙を収容手段にセットする。そうすると、再び、印刷処理を開始することが出来る。
【0050】
この実施形態4の画像形成装置100−4によれば、有効用紙収容手段がない場合には、その旨をユーザに警告して、有効用紙を収容手段にセットするように促す。従って、有効用紙が無い場合でも、印刷処理を止めることなく、続行させることが出来る。
<RFID502などの機能構成例>
次に、RFID502などの機能構成例について説明する。図12に、RFID502などの機能構成例を示す。図12に示すように、RFID502は、不揮発性メモリ820、RFID側非接触通信回路821、送信用アンテナ822、受信用アンテナ823等を含む。このRFID側非接触通信回路821は、さらに受信回路824、復調回路825、制御回路826、変調回路827、送信ドライバ828、電源回路829等を含む。また、読取書込手段510は、RFID側非接触通信回路821と略同一の構成となっている。また、電源回路829は、受信用アンテナ823の電磁波を整流することにより電源を供給するものである。
【0051】
本体側の制御手段110から出力された信号は、読取書込手段510で伝送用の所定信号に変調され、送信用アンテナからRFID502の受信用アンテナ823に対して送信される。RFID502の受信用アンテナ823で受信した受信信号を受信回路824で増幅して復調回路825に送る。復調回路825は、伝送用の所定信号に復調した後、制御回路826に送る。
【0052】
制御回路826は、当該復調された所定信号が書込み信号(不揮発性メモリ820に記憶させる信号)であれば、不揮発性メモリ820に送信する。また、制御回路826は、読取書込手段510から受信した信号が読取信号(不揮発性メモリ820に記憶された情報を送信する信号)であれば、不揮発性メモリ820の情報を変調回路827に送信する。変調回路827では、伝送用の所定信号に変調し、送信用アンテナ822に送る。読取書込手段510では、受信用アンテナで受けた受信信号を受信回路(824に相当)で増幅し、復調回路(825に相当)に送る。復調回路は、伝送用の所定信号に復調した後、制御回路(826に相当)に送られ、制御手段110に送信される。
【符号の説明】
【0053】
100 画像形成装置
210 画像形成手段
500 記録媒体
502 情報保持媒体
510 読取書込手段
602 取得手段
604 第1判断手段
606 出力先制御手段
608 供給手段
610 警告手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2005−035144号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既に画像形成されているか否かを示す有無情報を保持する情報保持媒体が付加された記録媒体に対して画像形成する画像形成手段と、
前記有無情報を読み取り、記録媒体に画像形成されたか否かを検出する読取手段と、
画像形成についての画像形成条件を取得する取得手段と、
前記読取手段の検出結果と、前記取得手段が取得した前記画像形成条件に基づいて、前記画像形成手段により記録媒体に画像形成させるか否かを判断する第1判断手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1判断手段により画像形成させないと判断された記録媒体の出力先と、前記画像形成手段に画像形成された記録媒体の出力先と、は異なることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1判断手段により画像形成させないと判断された記録媒体の出力先は設定可能であることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
記録媒体が収容される、複数の収容手段と、
前記第1判断手段が、前記画像形成手段により記録媒体に画像形成させないと判断した場合に、前記第1判断手段が、前記画像形成手段により画像形成させると判断した記録媒体が収容されている他の収容手段があるか否かを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記他の収容手段があると判断されると、当該別の収容手段に収容されている記録媒体を前記画像形成手段に供給する供給手段と、を有することを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の収容手段から、前記別の収容手段は設定可能であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2判断手段により前記別の収容手段がないと判断されると、当該別の収容手段がない旨を警告する警告手段を有することを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−56449(P2013−56449A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195395(P2011−195395)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】