説明

画像情報転送装置、画像情報転送方法及び画像情報転送プログラム

【課題】 画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することのできる画像情報転送装置、画像情報転送方法及び画像情報転送プログラムを得る。
【解決手段】 第1判定部50によって複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、第2判定部52によってAP(アプリケーション・プログラム)60が画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、第1判定部50によって複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ第2判定部52によってAP60が画像データを複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、出力制御部54によって、複合機10から出力された画像データを所定のタイミングでページ毎にAP60に出力するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像情報転送装置、画像情報転送方法及び画像情報転送プログラムに係り、より詳しくは、画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在される画像情報転送装置、画像情報転送方法及び画像情報転送プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ(以下、「PC」という。)、ワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)等のコンピュータ上で所定の画像処理を行うためにインストールされて実行されるアプリケーション・プログラム(以下、「AP」という。)は、TWAIN(Technology Without Any Interested Name)仕様等の汎用のデバイス・ドライバを介して、スキャナ装置によって読み取られた画像を示す画像データを取り込むことができる。
【0003】
ところで、APの能力は製品によって様々であり、汎用のデバイス・ドライバをサポートしているといっても、例えば、家庭用のフラット・ベッド型のスキャナ装置を想定しているAPと、オフィス用の高速読み取りスキャナ装置を想定しているAPとでは、能力の違いがある。
【0004】
従来、このAPの能力の違いに起因して、APで複数ページの画像データを取り込む際に、全てのページでカラーモードや解像度等のパラメータが一致していないと取り込みに失敗することがあった。
【0005】
この問題を解決するために適用できる技術として、従来、原稿の一方の面がカラー画像で他方の面がグレー画像の両面読み取り時においても、全てのアプリケーションで処理可能な読み取り画像を得ることができるようにすることを目的として、シート両面の画像を読み取る画像読取装置から出力されたシートの一方の面のカラー読み取り画像及びシートの他方の面のグレースケール読み取り画像を入力する画像入力手段と、画像入力手段に入力されたグレースケール読み取り画像を形式的にカラー画像に変換してカラー形式画像として合成するカラー化処理手段と、カラー読み取り画像及びカラー形式画像を処理する処理手段とを備えた技術があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
すなわち、この技術は、スキャナ装置等の画像読取装置で読み取った画像をAPで処理可能なフォーマットに変換して転送することにより、APによる取り込みの失敗を回避するものである。
【特許文献1】特開2002−112002公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の読み取った画像をAPで処理可能なフォーマットに変換する技術では、画像に対してフォーマット変換を行う必要があるため、当該画像の画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招いてしまう、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することのできる画像情報転送装置、画像情報転送方法及び画像情報転送プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像情報転送装置は、画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在される画像情報転送装置であって、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定する第1判定手段と、前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第2判定手段と、前記第1判定手段により前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定手段により前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する出力制御手段と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載の画像情報転送装置は、画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在されるものとして構成されている。なお、上記出力装置には、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像情報を複数ページ連続して出力する機能を有する情報処理装置が含まれる。また、ここでいう画像処理装置とは、画像情報を用いた所定の処理を行う画像処理プログラムがインストールされ、当該処理を実行する機能を有するPC、ワークステーション、PDA等の情報処理装置を意味する。また、上記画像処理プログラムには、市販されている汎用のAPの他、インストールされる装置に専用の画像処理プログラム等が含まれる。
【0011】
ここで、本発明では、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かが第1判定手段によって判定されると共に、前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かが第2判定手段によって判定される。
【0012】
そして、本発明では、前記第1判定手段により前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定(肯定判定)され、かつ前記第2判定手段により前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定(否定判定)された場合、出力制御手段によって前記出力装置から出力された画像情報が所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力されるように制御される。
【0013】
すなわち、画像処理装置が画像情報を正確に取り込めない原因が、画像情報が複数ページ連続して入力されていることにある場合が多い。例えば、画像処理プログラムがADF(Auto Document Feeder、自動原稿送り装置)による画像入力に対応していない場合や、ADFには対応していても、カラー画像及び白黒画像の連続取り込みには対応していない場合等である。
【0014】
この点に着目して、本発明では、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御するようにしており、これによって画像に対してフォーマット変換を行う場合のような画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができるようにしている。
【0015】
このように、請求項1に記載の画像情報転送装置によれば、出力装置が画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、画像処理装置が画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、出力装置が画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定し、かつ画像処理装置が画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定した場合、出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に画像処理装置に出力するように制御しているので、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができる。
【0016】
なお、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力するテスト画像入力手段と、前記テスト画像入力手段によるテスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得する取得手段と、を更に備え、前記第2判定手段は、前記取得手段によって取得された前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定するものとしてもよい。
【0017】
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記画像処理装置を、1ページ分の画像情報の入力毎に画像情報の入力要求情報を出力するものとし、前記所定のタイミングを、前記画像処理装置から前記入力要求情報が出力されたタイミングとするものとしてもよい。
【0018】
また、本発明は、請求項4に記載の発明のように、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを示す出力能力情報を予め記憶した記憶手段を更に備え、前記第1判定手段は、前記出力能力情報を前記記憶手段から読み出し、当該出力能力情報に応じて前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定するものとしてもよい。
【0019】
なお、上記記憶手段には、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の半導体記憶素子、スマート・メディア(SmartMedia(登録商標))、xDピクチャーカード(xD-Picture Card)、コンパクト・フラッシュ(CompactFlash)、ATA(AT Attachment)カード、マイクロドライブ、フロッピィディスク、CD−R(Compact Disc-Recordable)、CD−RW(Compact Disc-ReWritable)、光磁気ディスク等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバ・コンピュータ等に設けられた外部記憶装置が含まれる。
【0020】
更に、本発明は、請求項5に記載の発明のように、前記第1判定手段は、前記出力装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定し、前記第2判定手段は、前記画像処理装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、前記出力制御手段は、前記第1判定手段により前記出力装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定手段により前記画像処理装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御するものとしてもよい。
【0021】
一方、上記目的を達成するために、請求項6記載の画像情報転送方法は、画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間の画像情報転送方法であって、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定し、かつ前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定した場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御するものである。
【0022】
従って、請求項6記載の画像情報転送方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができる。
【0023】
なお、本発明は、請求項7に記載の発明のように、前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力し、当該テスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得し、取得した前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定するものとしてもよい。
【0024】
一方、上記目的を達成するために、請求項8記載の画像情報転送プログラムは、画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在された状態で実行される画像情報転送プログラムであって、前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定する第1判定ステップと、前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第2判定ステップと、前記第1判定ステップにより前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定ステップにより前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する出力制御ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0025】
従って、請求項8記載の画像情報転送プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができる。
【0026】
なお、本発明は、請求項9に記載の発明のように、前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力するテスト画像入力ステップと、前記テスト画像入力ステップによるテスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得する取得ステップと、を更に有し、前記第2判定ステップは、前記取得ステップによって取得された前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、出力装置が画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、画像処理装置が画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、出力装置が画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定し、かつ画像処理装置が画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定した場合、出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に画像処理装置に出力するように制御しているので、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
(全体構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステム1の概略的な構成を示す図である。
【0030】
図1に示すネットワークシステム1は、プリント機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能を兼ね備えた複数の複合機10と、PC30とを備え、複合機10とPC30とはネットワーク5を介して相互に接続されている。なお、ネットワーク5には、図示しないが、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ装置、メールサーバなどがそれぞれ接続されてもよい。
【0031】
(複合機の詳細構成)
図2は、複合機10の構成を示すブロック図である。
【0032】
複合機10は、原稿に記録された画像を読み取るスキャナ部11と、感光体に静電潜像を記録し、静電潜像をモノクロトナーまたはカラートナーを用いて現像し、現像した画像を記録紙に転写して出力するプリンタ部12と、公衆回線と接続され、公衆回線を介してファクシミリ電文の送受信(以下、「FAX送信」、「FAX受信」という。)を行うファクシミリ(以下「FAX」という。)部13とを備えている。
【0033】
複合機10は、さらに、装置全体を制御するコントローラ14と、スキャナ部11で読み取られた画像データやネットワーク5を介して受信したデータ、或いはFAX受信電文のデータ等を記憶するメモリ15と、アイコンを有する操作画面を表示すると共にアイコンへの接触に応じて操作情報を入力する表示パネル16と、データを入出力するための入出力ポート17と、ネットワークに接続された機器と通信を行う通信制御ユニット18とを備えている。なお、FAX受信データも、原稿をスキャニングするなどして得られたページ毎のイメージを示す画像データである。
【0034】
スキャナ部11、プリンタ部12、FAX部13、コントローラ14、メモリ15、表示パネル16及び入出力ポート17は、バスを介して相互に接続されている。また、入出力ポート17は、通信制御ユニット18を介してネットワーク5に接続されている。なお、スキャナ部11は、FAX部13の一部として組み込まれてもよい。
【0035】
また、複合機10では、メモリ15の所定記憶領域が複数の親展BOX15B(図1参照)として仕切られており、各親展BOX15Bは、BOX番号(例えばBOX番号1〜300)により管理されている。複合機10は、スキャナ部11でスキャニングして得られた画像データ(以下、「スキャン画像データ」という。)やFAX部13で受信したFAX受信データにファイル名を付けて、親展BOX15Bに保存することができる。
【0036】
なお、本実施の形態に係る複合機10は、スキャン画像データを親展BOX15Bにファイル名を付けて保存する「スキャン画像保存モード」と、スキャン画像データを親展BOX15Bに保存することなく、メモリ15の他の記憶領域に一時的に記憶した後にネットワーク5に接続された機器にリアルタイムで出力する「スキャン画像直接出力モード」の、スキャン画像データに関する2つのモードが用意されており、表示パネル16に対する指示操作によって何れかの一方のモードを選択的に設定することができる。
【0037】
同様に、本実施の形態に係る複合機10は、FAX受信データを親展BOX15Bにファイル名を付けて保存する「FAX受信データ保存モード」と、FAX受信データを親展BOX15Bに保存することなく、メモリ15の他の記憶領域に一時的に記憶した後にネットワーク5に接続された機器にリアルタイムで出力する「FAX受信データ直接出力モード」の、FAX受信データに関する2つのモードが用意されており、表示パネル16に対する指示操作によって何れかの一方のモードを選択的に設定することができる。
【0038】
(PCの詳細構成)
図3は、PC30の構成を示すブロック図である。
【0039】
PC30は、装置全体を制御するCPU(中央処理装置)31、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM32、CPU31の制御プログラム等を記憶するROM33、各種画面や情報を表示するディスプレイ34、及びCD−ROMドライブ35を備えている。
【0040】
また、PC30は、複合機10からデータを取り込むためのプログラム(以下、「デバイス・ドライバ」という。)を始めとする各種のプログラムPが予め記録されていると共に、複合機10から取り込んだデータ等を記憶したり、記憶されているデータ等を読み出すハードディスクドライブ36を備えている。また、PC30は、さらに、文章や記号等を入力するキーボード37、ポインティング・デバイスであるマウス38、これらが接続されたインタフェース39、入出力ポート40及び通信制御ユニット41を備えている。
【0041】
CPU31、RAM32、ROM33、インタフェース39及び入出力ポート40は、ネットワーク5に接続された複合機10等の他の機器と通信を行う通信制御ユニット41に接続されている。
【0042】
(PCの機能構成)
ところで、本実施の形態に係るPC30は、PC30にインストールされると共に、外部装置(本実施の形態では、複合機10)から入力された画像データを用いて所定の処理を実行する画像処理プログラムとしてのAPに対する外部装置からの画像データの転送状態を、当該APの画像データの入力能力に応じて自動的に切り替える転送切替機能を有している。
【0043】
図4は、上記のハードウェア資源を利用して当該転送切替機能を実行するためのPC30の機能的な構成を示すブロック図である。
【0044】
同図に示すように、転送切替機能を実行するために、PC30は、画像データの入力対象とする複合機10の画像データの出力モードを判定する第1判定部50と、AP60の画像データの入力能力を判定する第2判定部52と、複合機10から入力された画像データのAP60への転送状態を第1判定部50及び第2判定部52の判定結果に応じて切り替える出力制御部54と、を備えている。なお、これらの各部の機能は、ハードディスクドライブ36に格納されているデバイス・ドライバをCPU31により実行することで構築される。
【0045】
第1判定部50は、画像データの取り込み対象とする複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するモードとされているか否かを判定し、判定結果を出力制御部54に出力する。
【0046】
なお、本実施の形態に係る第1判定部50では、AP60によって取り込み対象とされている画像データがスキャン画像データである場合、複合機10に対して設定されている上記スキャン画像データに関するモードを問い合せ、これによって取得されたモードがスキャン画像直接出力モードである場合に、画像データを複数ページ連続して出力するモードとされているものと判定する。また、本実施の形態に係る第1判定部50では、AP60によって取り込み対象とされている画像データがFAX受信データである場合、複合機10に対して設定されている上記FAX受信データに関するモードを問い合せ、これによって取得されたモードがFAX受信データ直接出力モードである場合に、画像データを複数ページ連続して出力するモードとされているものと判定する。
【0047】
一方、第2判定部52は、AP60が画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、判定結果を出力制御部54に出力する。
【0048】
なお、本実施の形態に係る第2判定部52では、AP60から画像データを複数ページ連続して入力できるか否かの入力能力を示す情報を読み出し、当該情報に応じて上記判定を行う。すなわち、本実施の形態に係るAP60は、自身の画像データの入力能力を示す情報が記憶されたものとして構成されている。但し、この形態に限定されるものではなく、例えば、ユーザによって当該入力能力を示す情報をAPに関連付けた状態でハードディスクドライブ36等によって予め記憶しておき、当該情報を読み出して判定する形態や、APを、画像データの取得の指示情報を出力する際に入力能力を示す情報も出力するものとし、当該情報に応じて判定する形態等とすることもできる。
【0049】
更に、出力制御部54は、第1判定部50により複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するモードとされていると判定され、かつ第2判定部52によりAP60が画像データを複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合に、複合機10から出力された画像データを所定のタイミングでページ毎にAP60に出力するように制御する。なお、本実施の形態では、上記所定のタイミングとして、AP60から画像データの読み込み指示が入力されたタイミングとしているが、これに限定されず、例えば、AP60において画像データの連続的な取り込みが失敗しない最低限のインターバル期間として予め定められた期間(一例として、1秒間)毎のタイミング等とすることもできる。
【0050】
なお、第1判定部50が本発明の第1判定手段に、第2判定部52が本発明の第2判定手段に、出力制御部54が本発明の出力制御手段に、各々相当する。
【0051】
(PCの動作)
ところで、本実施の形態に係るPC30では、転送切替機能をソフトウェアの実行によって実現するものとされている。
【0052】
次に、図5及び図6を参照して、転送切替機能の実行時におけるPC30の作用を詳細に説明する。なお、図5は、PC30にインストールされている画像処理プログラムとしてのAPから画像データの取り込みの実行指示が入力された際にPC30のCPU31によって実行される画像情報転送処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは、ハードディスクドライブ36に格納されているデバイス・ドライバの一部として構成されている。また、図6は、図5に示される画像情報転送処理プログラムの実行時における複合機10と、デバイス・ドライバと、AP(アプリケーション・プログラム)と、ディスプレイ34、キーボード37等のPC30のハードウェア資源と、の各々の間の情報の流れを示す線図である。更に、ここでは、APがスキャン画像データを取り込むものである場合について説明する。
【0053】
まず、図5のステップ100では、複合機10に対して設定されている上記スキャン画像データに関するモードを問い合せる。これに応じて、複合機10は、当該モードを示す情報(ここでは、「スキャン画像保存モード」又は「スキャン画像直接出力モード」を示す情報)を入力してくるので、次のステップ102では、当該情報の受信待ちを行う。
【0054】
次のステップ104では、APから入力された画像データの取り込みの実行指示に応じた画像データの取り込み指示を複合機10に出力する。これに応じて、複合機10は、当該指示に応じた画像データの取り込みを行い、スキャン画像保存モードが設定されている場合はスキャン画像データを親展BOX15Bにファイル名を付けて保存し、スキャン画像直接出力モードが設定されている場合はスキャン画像データを親展BOX15Bに保存することなく、メモリ15の他の記憶領域に一時的に記憶した後にPC30にリアルタイムで出力する。
【0055】
そこで、次のステップ106では、上記ステップ102において受信した情報によって示されるモードに応じた画像データ取得処理を実行する。すなわち、複合機10においてスキャン画像保存モードが設定されている場合は、複合機10のメモリ15における親展BOX15Bから読み出すことによってスキャン画像データを取得し、複合機10においてスキャン画像直接出力モードが設定されている場合は、複合機10からリアルタイムで入力されてくるスキャン画像データを順次取得する。なお、ここで取得したスキャン画像データは、ハードディスクドライブ36の所定記憶領域に記憶する。
【0056】
次のステップ108では、上記ステップ102において受信した情報によって示されるモードがスキャン画像直接出力モードであるか否かを判定することにより、複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するモードとなっているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ110に移行する。
【0057】
ステップ110では、APから画像データを複数ページ連続して入力できるか否かの入力能力を示す情報を読み出し、次のステップ112にて、読み出した情報に基づいてAPが画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ114に移行する。
【0058】
なお、上記ステップ108において否定判定となった場合は、上記ステップ110及びステップ112の処理を実行することなくステップ114に移行する。
【0059】
ところで、本実施の形態に係るAPは、一例として図7に示されるユーザ指示要求UI(ユーザ・インタフェース)画面をディスプレイ34に表示して、ユーザに対して1ページ毎に画像の読み込み指示を入力させ、ユーザにより当該読み込み指示が行われたタイミング(同図における「読込み」ボタンがマウス38にてポインティング指定されたタイミング)で、デバイス・ドライバに対する画像の読み込み指示を1ページ毎に行うものとされている。
【0060】
そこで、ステップ114(図5参照。)では、APからの上記読み込み指示を示す情報の受信待ちを行い、次のステップ116では、上記ステップ106の画像データ取得処理によって記憶された画像データを1ページ分だけハードディスクドライブ36から読み出してAPに出力する。
【0061】
次のステップ118では、上記ステップ106の画像データ取得処理によってハードディスクドライブ36に記憶された全ページ分の画像データのAPへの出力が終了したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ114に戻り、肯定判定となった時点で本画像情報転送処理プログラムを終了する。なお、上記ステップ114〜ステップ118の処理を繰り返して実行する際には、APに対してページ順に画像データを出力するようにする。
【0062】
一方、上記ステップ112において肯定判定となった場合は、複合機10が画像データを複数ページ連続して出力するモードとなっており、かつAPが画像データを複数ページ連続して入力できるものとされている場合であるので、ステップ120に移行して、上記ステップ106の画像データ取得処理によって記憶された全ての画像データをハードディスクドライブ36から読み出してAPに連続的に出力し、その後に本画像情報転送処理プログラムを終了する。
【0063】
上記画像情報転送処理プログラムのステップ108の処理が本発明の第1判定ステップに、ステップ112の処理が本発明の第2判定ステップに、ステップ114〜ステップ118の処理が本発明の出力制御ステップに、各々相当する。
【0064】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、出力装置(複合機10)が画像情報(画像データ)を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、画像処理プログラム(AP)が画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、出力装置が画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定し、かつ画像処理プログラムが画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定した場合、出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に画像処理プログラムに出力するように制御しているので、画質の劣化や、画像取り込み時間の長時間化を招くことなく、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を回避することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、前記画像処理プログラムを、1ページ分の画像情報の入力毎に画像情報の入力要求情報(読み込み指示を示す情報)を出力するものとし、前記所定のタイミングを、前記画像処理プログラムから前記入力要求情報が出力されたタイミングとしているので、当該画像処理プログラムによって確実に取り込むことのできるタイミングで画像情報を出力することになり、画像処理プログラムに対する画像情報の取り込みの失敗を確実に回避することができる。
【0066】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、APから画像データを複数ページ連続して入力できるか否かの入力能力を示す情報を読み出すことによって当該APが画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する場合の形態例について説明したが、本第2の実施の形態では、事前に所定のテスト画像データを複数ページ連続してAPに入力し、これが失敗を生じることなく入力できたか否かをユーザに判定させて判定結果を入力させることによって当該APが画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する場合の形態例について説明する。なお、ネットワークシステム1のハードウェア的な構成は上記第1の実施の形態における構成(図1〜図3)と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0067】
まず、図8を参照して、本第2の実施の形態に係る転送切替機能を実行するためのPC30の機能的な構成について説明する。なお、同図における図4と同一の構成要素については図4と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0068】
図8に示すように、転送切替機能を実行するために、本第2の実施の形態に係るPC30は、図4に示した構成要素に加え、AP60に対して予め定められたテスト画像データを連続的に入力するテスト画像入力部56と、当該テスト画像データのAP60への入力が失敗を生じることなく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得する取得部58と、を更に備えている。なお、これらの各部の機能も、ハードディスクドライブ36に格納されているデバイス・ドライバをCPU31により実行することで構築される。
【0069】
テスト画像入力部56は、AP60に所定のテスト画像データを複数ページ連続して入力する。これに応じて、本実施の形態に係るAP60は、入力されたテスト画像データによって示される複数ページ分の画像をディスプレイ34に表示する。ここで、テスト画像データのAP60への入力が失敗した場合には、ディスプレイ34に表示される画像に何らかの欠陥が生じることになる。そこで、本第2の実施の形態に係るPC30では、当該欠陥の有無をユーザに対して視覚的に判定させ、当該判定の結果を示す情報(テスト結果情報)を入力させて、これを取得部58により取得する。
【0070】
次に、図9及び図10を参照して、テスト結果情報を取得する際のPC30の作用を詳細に説明する。なお、図9は、PC30に画像処理プログラムとしてのAPがインストールされた後、ユーザによってテスト画像データによる当該APのテストの実行指示が入力された際にPC30のCPU31によって実行されるアプリケーション能力取得処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは、ハードディスクドライブ36に格納されているデバイス・ドライバの一部として構成されている。また、図10は、図9に示されるアプリケーション能力取得処理プログラムの実行時におけるデバイス・ドライバと、AP(アプリケーション・プログラム)と、ディスプレイ34、キーボード37等のPC30のハードウェア資源と、の各々の間の情報の流れを示す線図である。更に、ここでは、APにおける入力能力のテストの対象として、画像データのカラーモードの如何に関わらず、APが画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第1のテストと、APが画像データを各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第2のテストの、2種類のテストを行う場合について説明する。
【0071】
まず、図9のステップ200では、ハードディスクドライブ36に第1のテスト用に予め記憶されている複数ページ分のテスト画像データを読み出し、これを複数ページの画像データの連続取り込み時と同様のタイミングで連続的にAPに対して出力する。これに応じて、APは、入力されたテスト画像データによって示される複数ページ分のテスト画像をディスプレイ34に一覧表示する。
【0072】
次のステップ202では、表示されたテスト画像の状態が良好であるか否かの判定結果の指示入力をユーザに促す画像を、APによってテスト画像が表示された状態のディスプレイ34の空き領域に表示する。
【0073】
以上の処理の結果、ディスプレイ34には、一例として図11に示されるような表示結果入力画面が表示されることになる。この場合、ユーザは、ディスプレイ34に表示されているテスト画像が各ページとも問題なく表示されている場合は「はい」ボタンを、何らかの欠陥がある場合には「いいえ」ボタンを、各々マウス38によってポインティング指定する。
【0074】
そこで、次のステップ204では、ユーザからの何れかのボタンの指定待ちを行い、次のステップ206にて、ユーザによって指定されたボタンに応じたテスト画像の表示状態に対する判定結果を、画像データを複数ページ連続して入力できるものであるか否かを示す第1のテストのテスト結果情報としてハードディスクドライブ36の所定記憶領域に記憶する。
【0075】
次のステップ208では、ハードディスクドライブ36に第2のテスト用に予め記憶されている複数ページ分のテスト画像データ(一例として、カラー画像と白黒画像が1ページ毎に交互に配置された画像データ)を読み出し、これを複数ページの画像データの連続取り込み時と同様のタイミングで連続的にAPに対して出力する。これに応じて、APは、入力されたテスト画像データによって示される複数ページ分のテスト画像をディスプレイ34に一覧表示する。
【0076】
次のステップ210では、表示されたテスト画像の状態が良好であるか否かの判定結果の指示入力をユーザに促す画像を、APによってテスト画像が表示された状態のディスプレイ34の空き領域に表示する。
【0077】
以上の処理の結果、ディスプレイ34には、一例として図11に示したものと同様の表示結果入力画面が表示されることになる。但し、ここで問題が生じることなく表示されるテスト画像は、カラー画像と白黒画像が交互に並べられたものとなる。この場合も、ユーザは、ディスプレイ34に表示されているテスト画像が各ページとも問題なく表示されている場合は「はい」ボタンを、何らかの欠陥がある場合には「いいえ」ボタンを、各々マウス38によってポインティング指定する。
【0078】
そこで、次のステップ212では、ユーザからの何れかのボタンの指定待ちを行い、次のステップ214にて、ユーザによって指定されたボタンに応じたテスト画像の表示状態に対する判定結果を、画像データをカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものであるか否かを示す第2のテストのテスト結果情報としてハードディスクドライブ36の所定記憶領域に記憶し、その後に本アプリケーション能力取得処理プログラムを終了する。
【0079】
なお、図12には、上記アプリケーション能力取得処理プログラムの実行によって、ハードディスクドライブ36の所定記憶領域に記憶された、複数(同図では、2つ)のAPについてのテスト結果情報が模式的に示されている。当該テスト結果情報を参照することにより、APの画像データの入力能力を確実に把握することができる。
【0080】
本第2の実施の形態に係るPC30では、何れかのAPから画像データの取り込みの実行指示が入力された際に、図5に示したものと略同様の画像情報転送処理プログラムがCPU31によって実行される。但し、同図におけるステップ110の処理が、上記第1の実施の形態では、AP自身から当該APの入力能力を示す情報を読み出すものであるのに対し、本第2の実施の形態では、上述したアプリケーション能力取得処理プログラムの実行によって記憶された当該APに対応するテスト結果情報を、入力能力を示す情報としてハードディスクドライブ36から読み出すものとされている点のみが異なる。
【0081】
上記アプリケーション能力取得処理プログラムのステップ200及びステップ208の処理が本発明のテスト画像入力ステップに、ステップ204及びステップ212の処理が本発明の取得ステップに、各々相当する。
【0082】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態による効果に加えて、画像処理プログラム(AP)に所定のテスト画像情報(テスト画像データ)を複数ページ連続して入力し、当該テスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得して、当該テスト結果情報に応じて前記画像処理プログラムが画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定しているので、画像処理プログラムによる画像情報の入力能力を正確に判定することができ、この結果として、画像処理プログラムによる画像情報の取り込みの失敗を、より確実に回避することができる。
【0083】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0085】
例えば、上記各実施の形態では、複合機10における画像データの出力モードの判定対象として、画像データを複数ページ連続して出力するものとされているか否かの判定を適用し、APによる入力能力の判定対象として、画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かの判定を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複合機10における画像データの出力モードの判定対象として、各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で画像データを複数ページ連続して出力するものとされているか否かの判定を適用し、APによる入力能力の判定対象として、各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で画像データを複数ページ連続して入力できるものとされているか否かの判定を適用する形態とすることもできる。
【0086】
この場合、複合機10を、スキャン画像データを各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で出力する機能を有するものとし、画像情報転送処理プログラム(図5参照。)のステップ108において、複合機10がスキャン画像データを各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で出力するモードとなっているか否かを判定するものとし、更に、同プログラムのステップ112において、APがスキャン画像データを各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定するものとする。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
また、この場合の変形例として、例えば、ページ毎に異なる画素数の画像が混在する場合に対応する形態や、定形のA4サイズ、A3サイズ、B4サイズといった異なる用紙サイズの画像が混在する場合に対応する形態、用紙サイズ、カラーモード共に同一だが異なる解像度の画像が混在する場合(例えば、A3サイズの用紙が3ページ分のものであるが、1ページ目が200dpi、2ページ目が300dpi、3ページ目が400dpiである場合)に対応する形態等を例示することができる。これらの場合にも、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0088】
また、例えば、上記第2の実施の形態では、アプリケーション能力取得処理プログラムをユーザの実行指示に応じて実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、テスト結果情報が記憶されていないAP、すなわち、未知のAPが検出された場合に実行する形態とすることもできる。この場合、ユーザからの実行指示を行う必要がなくなるので、利便性を向上することができる。
【0089】
また、上記第2の実施の形態では、アプリケーション能力取得処理プログラムのステップ202の処理において、一例として図11に示される画面をAPによってテスト画面が表示された状態のディスプレイ34の空き領域に表示した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、APによって表示される画面の上に小さく表示する形態とすることもできる。
【0090】
また、上記各実施の形態では、画像情報転送処理プログラムにおいて、APに対して全ページの画像データを送信する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ユーザからの画像データの送信の中止を指示する指示入力があった場合に当該画像データの送信を中止する形態とすることもできる。この場合の形態例としては、図7に示されるユーザ指示要求UI画面に「キャンセル」ボタンを設け、当該「キャンセル」ボタンがマウス38にてポインティング指定されたタイミングで画像データのAPへの送信を中止する形態を例示することができる。この場合、画像データの転送を途中で中止することも可能となり、利便性を向上することができる。
【0091】
また、例えば、上記各実施の形態では、画像情報転送処理プログラムにおいて処理対象とする画像データとしてスキャン画像データを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、FAX受信データを適用する形態とすることもできる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0092】
また、例えば、上記各実施の形態では、複合機10において設定されている出力モードを当該複合機10に問い合わせることによって取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複合機10による画像データの出力モードが固定である場合等には、例えば、ハードディスクドライブ36の所定記憶領域に当該出力モードを示す情報を予め記憶しておき、これを読み出すことによって取得する形態とすることもできる。この場合、ハードディスクドライブ36が本発明の記憶手段に、上記出力モードを示す情報が本発明の出力能力情報に、各々相当することになる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0093】
また、本実施の形態では、本発明を複合機10とPC30がネットワーク5を介して接続されたネットワークシステム1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複合機10に代えて汎用のスキャナ装置を適用し、当該スキャナ装置とPC30との間の画像データの送受をTWAIN仕様のデバイス・ドライバを介して行うシステムに本発明を適用する形態とすることもできる。この場合、上記TWAIN仕様のデバイス・ドライバが上記各実施の形態におけるデバイス・ドライバに相当することになる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、上記各実施の形態では、転送切替機能をソフトウェアによって実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該機能をハードウェアにより実現する形態とすることもできる。この場合の形態例としては、PC30に、一例として図4に示した第1判定部50、第2判定部52、及び出力制御部54と同様に作用する機能デバイスを設ける形態や、これらの機能デバイスに加えて、一例として図8に示したテスト画像入力部56及び取得部58と同様に作用する機能デバイスを設ける形態等を例示できる。この場合は、上記各実施の形態に比較して、転送切替機能の高速化が期待できる。
【0095】
また、上記各実施の形態で示したネットワークシステム1のハードウェア構成(図1〜図3参照。)は一例であり、必要に応じて構成要素を追加したり、不要な構成要素を削減したりすることができることは言うまでもない。
【0096】
更に、上記各実施の形態で示した各種処理プログラムの処理の流れ(図5、図9参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができることも言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】実施の形態に係るネットワークシステムの概略構成図である。
【図2】実施の形態に係る複合機の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態に係るPCの詳細構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係る画像情報転送処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る画像情報転送処理プログラムの実行時における複合機と、デバイス・ドライバと、APと、PC30のハードウェア資源と、の各々の間の情報の流れを示す線図である。
【図7】実施の形態に係るユーザ指示要求UIの表示状態例を示す概略図である。
【図8】第2の実施の形態に係るPCの機能構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施の形態に係るアプリケーション能力取得処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係るアプリケーション能力取得処理プログラムの実行時におけるデバイス・ドライバと、APと、PC30のハードウェア資源と、の各々の間の情報の流れを示す線図である。
【図11】第2の実施の形態に係る表示結果入力画面の表示状態例を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態に係る入力能力情報の記憶状態例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0098】
1 ネットワークシステム
10 複合機(出力装置)
11 スキャナ部
13 FAX部
30 PC
31 CPU(第1判定手段、第2判定手段、出力制御手段、テスト画像入力手段、取得手段)
34 ディスプレイ
36 ハードディスクドライブ(記憶手段)
50 第1判定部(第1判定手段)
52 第2判定部(第2判定手段)
54 出力制御部(出力制御手段)
56 テスト画像入力部(テスト画像入力手段)
58 取得部(取得手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在される画像情報転送装置であって、
前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定する第1判定手段と、
前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第2判定手段と、
前記第1判定手段により前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定手段により前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する出力制御手段と、
を備えた画像情報転送装置。
【請求項2】
前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力するテスト画像入力手段と、
前記テスト画像入力手段によるテスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得する取得手段と、
を更に備え、
前記第2判定手段は、前記取得手段によって取得された前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する
請求項1記載の画像情報転送装置。
【請求項3】
前記画像処理装置を、1ページ分の画像情報の入力毎に画像情報の入力要求情報を出力するものとし、
前記所定のタイミングを、前記画像処理装置から前記入力要求情報が出力されたタイミングとした
請求項1又は請求項2記載の画像情報転送装置。
【請求項4】
前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを示す出力能力情報を予め記憶した記憶手段を更に備え、
前記第1判定手段は、前記出力能力情報を前記記憶手段から読み出し、当該出力能力情報に応じて前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定する
請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像情報転送装置。
【請求項5】
前記第1判定手段は、前記出力装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定し、
前記第2判定手段は、前記画像処理装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、
前記出力制御手段は、前記第1判定手段により前記出力装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定手段により前記画像処理装置が前記画像情報を各ページ間でカラー画像と白黒画像が混在した状態で複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する
請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像情報転送装置。
【請求項6】
画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間の画像情報転送方法であって、
前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定すると共に、前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定し、
前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定し、かつ前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定した場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する、
画像情報転送方法。
【請求項7】
前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力し、
当該テスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得し、
取得した前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する、
請求項6記載の画像情報転送方法。
【請求項8】
画像情報を出力する出力装置と前記画像情報を入力して当該画像情報を用いた所定の処理を実行する画像処理装置との間に介在された状態で実行される画像情報転送プログラムであって、
前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされているか否かを判定する第1判定ステップと、
前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する第2判定ステップと、
前記第1判定ステップにより前記出力装置が前記画像情報を複数ページ連続して出力するものとされていると判定され、かつ前記第2判定ステップにより前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされていないと判定された場合、前記出力装置から出力された画像情報を所定のタイミングでページ毎に前記画像処理装置に出力するように制御する出力制御ステップと、
をコンピュータに実行させる画像情報転送プログラム。
【請求項9】
前記画像処理装置に所定のテスト画像情報を複数ページ連続して入力するテスト画像入力ステップと、
前記テスト画像入力ステップによるテスト画像情報の入力が正しく行えたか否かを示すテスト結果情報を取得する取得ステップと、
を更に有し、
前記第2判定ステップは、前記取得ステップによって取得された前記テスト結果情報に応じて前記画像処理装置が前記画像情報を複数ページ連続して入力できるものとされているか否かを判定する
請求項8記載の画像情報転送プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−19953(P2006−19953A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194583(P2004−194583)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
2.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】