画像投影システム、画像投影装置及びプログラム
【課題】通信経路にかかる負荷を軽減し、他の端末装置から送信された画像データの編集操作を可能とすることで、複数人による共同作業や情報の共有を円滑に行う画像投影システムの提供。
【解決手段】画像投影装置は、各端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と取得した画像データを合成する画像処理部と合成した画像データに基づく画像を投影する画像投影部と画像操作命令を取得したとき操作対象の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信する操作命令処理部とを備え、端末装置は、データファイルを記憶する記憶部とデータファイルに基づく画像データを生成する画像生成部と画像が所定表示領域にあるときその画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と画像投影装置から画像操作命令を受信したとき画像操作命令に応じてデータファイルを編集する編集部とを備えた画像投影システム。
【解決手段】画像投影装置は、各端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と取得した画像データを合成する画像処理部と合成した画像データに基づく画像を投影する画像投影部と画像操作命令を取得したとき操作対象の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信する操作命令処理部とを備え、端末装置は、データファイルを記憶する記憶部とデータファイルに基づく画像データを生成する画像生成部と画像が所定表示領域にあるときその画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と画像投影装置から画像操作命令を受信したとき画像操作命令に応じてデータファイルを編集する編集部とを備えた画像投影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投影システムと、これに用いられる画像投影装置及びプログラムに関するものであり、特に、複数人による共同作業や情報の共有を効率的に行うことのできる画像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像投影装置として、例えば、コンピュータ装置等から画像情報を入力して液晶表示素子に当該画像を表示し、この液晶表示素子に光を照射して投影スクリーン上に拡大投影するプロジェクタなどが広く使用されている。
【0003】
この種のプロジェクタは、複数人が参加して行われる会議等において多く使用されており、かかるプロジェクタを用いることにより、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら議論を進めていくことができる。
【0004】
また、一方で、複数の端末装置をネットワークなどの通信経路で接続することにより、会議等における情報の共有や共同作業を効率的に行うことが多くなされている。例えば、特許文献1には、図33に示すように、サーバと複数の端末装置とにより構成される会議支援システムにおいて、サーバ510が、複数の端末装置520a〜520cから送信された各画像データ530a〜530cを合成し、当該合成した画像データ540を前記複数の端末装置520a〜520cに送信して、当該画像データ540に基づく画像を各端末装置520a〜520cの画面に表示させることにより、各参加者が同一の画像を見ながら議論を行うことができる会議支援システム500が開示されている。
【特許文献1】特開2006−31359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような会議支援システムを構成する端末装置又はサーバにプロジェクタを接続することによって、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら、かつ、必要に応じて各参加者が自分の端末装置の画像の編集を行いながら議論を進めていくことが可能となる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、サーバが、複数の端末装置の夫々に合成した画像情報を送信するため、ネットワークなどの通信経路を介してサーバと接続する端末装置の数が増えた場合、送信する画像情報の情報量が端末装置の数に比例して増加し、通信経路に大きな負荷がかかることとなり、会議等における情報の共有を円滑に行うことができなかった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の発明では、各端末装置が保有する画像の編集は、その画像を生成する端末装置の操作部を操作して行わなければならないため、複数の参加者により行われる共同作業を円滑に行うことはできなかった。
【0008】
そこで、本発明は、ネットワークにかかる負荷を軽減し、画像の編集をその画像を生成する端末装置以外でも可能とすることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことのできる画像投影システムと、これに用いられる画像投影装置及びプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムにおいて、前記画像投影装置は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して取得する画像取得部と、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備え、前記端末装置は、データファイルを記憶する記憶部と、前記データファイルに基づいた画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と、前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じて前記データファイルを編集する編集部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、前記所定表示領域として、前記表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像投影装置で投影されている前記端末装置の所定表示領域にある画像を操作するための操作部と、前記操作部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像投影装置で投影されている画像を指示するための指示部を備え、前記操作命令送信部は、前記指示部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、前記画像投影装置の画像処理部は、前記端末装置から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データと共に合成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、前記端末装置の制御部は、前記画像生成部によって前記編集後のデータファイルに基づいて前記所定表示領域にある画像データが生成される毎に、前記所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記画像投影装置の画像処理部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、前記画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記画像投影装置の前記画像取得部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データうち、前記画像投影部によって投影される画像の画像データを前記端末装置へ要求し、前記端末装置の所定領域画像送信部は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像のうち前記要求された画像の画像データを前記画像投影装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記端末装置の前記所定領域画像送信部は、前記画像データに加え、この画像データに関連する情報である画像属性情報を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、前記画像投影装置の前記画像取得部は、前記通信経路を介して前記画像属性情報を取得し、前記画像投影装置の前記画像処理部は、前記画像属性情報に基づいて、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記画像投影装置の前記操作命令処理部は、前記取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、前記画像取得部で取得した前記画像属性情報に基づいて判断することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備えたことを特徴とする画像投影装置とした。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、アプリケーションプログラムによりデータファイルに基づいて生成される画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための手段、前記操作手段が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じた前記データファイルの編集を前記アプリケーションプログラムに実行させる手段、として機能させることを特徴とするプログラムとした。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、10、11に記載の発明によれば、画像投影装置の画像処理部により合成した画像データに基づく画像を、画像投影装置の画像投影部によりスクリーン等の大画面上に投影することにより、各端末装置に合成した画像の画像データを送信する必要がないため、通信経路にかかる負荷を軽減することができ、その結果、多くの端末装置が画像投影装置と接続した場合であっても、複数人による情報の共有を円滑に行うことができる。
【0021】
さらに、画像投影装置は、画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を送信し、この画像操作命令に応じて端末装置がデータファイルを編集することとしたため、画像の編集をその画像を生成する端末装置以外の装置からでも可能になり、複数人による共同作業を円滑に行うことができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、端末装置に、表示部の表示領域とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置の利用者は、所定表示領域と所定表示領域以外の領域とを明確に区別することができるため、意図しない画像が投影表示されることを防止することができる。また、表示部の表示領域の画像は画像投影装置で投影表示されないので、この表示部の表示領域を端末装置の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、他の端末装置の所定表示領域にある画像を操作することができ、さらに、当該画像の操作は、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信することによって行われるため、端末装置の利用者は、その端末装置を操作することにより、他の端末装置の画像を操作することができ、その結果、複数人により行われる共同作業を円滑に行うことができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、端末装置の使用者は、画像投影装置によって投影されている領域のうち、自分がどこを指示しているのかを把握することができ、複数人による共同作業を容易に行うことが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、画像投影装置で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、画像投影装置の画像処理部は、各端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを階層レベル順に重畳合成するので、画像投影装置を高解像度化又は高画角化しなくても、その投影表示された画像が見にくくならず、その結果、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、端末装置の所定領域画像送信部は、所定表示領域にある画像の画像データのうち、画像投影装置の画像処理部により複数の画像データと合成された際に、画像投影部によって投影されない部分の画像の画像データを画像投影装置に送信しないため、画像投影装置に余分な画像データが送信されず、送信される画像データのデータサイズを小さくすることができ、その結果、通信経路にかかる負担を軽減させることができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、画像投影装置は、画像属性情報に基づいて画像データの合成を行うことが可能となるため、例えば、画像属性情報を画像の位置及びサイズの情報とすることにより、その情報に基づいて各画像データに配置して投影表示することができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、画像属性情報に基づいて判断することとしたため、操作対象の画像の画像データを判断するための情報をその操作毎に各端末装置に対して別途要求する必要がなく、通信経路にかかる負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[1.画像投影システムの概要]
以下に、本発明の実施の形態における画像投影システムについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態における画像投影システムの全体的なシステム構成を示す図であり、図2は本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置の概略構成図であり、図3は本実施形態における画像投影システムに用いられる端末装置の概略構成図である。
【0031】
本実施形態にかかる画像投影システムSは、図1に示すように、画像投影装置1と、この画像投影装置1と通信経路3を介して接続された複数の端末装置(ここでは端末装置2a,2b)とにより構成されるものであり、複数の端末装置2a,2bで実行されるアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と呼ぶこともある。)によって生成される画像のうち、各端末装置2a,2bの所定表示領域にある画像の画像データを一つの画像データとして合成するとともに、合成した画像データに基づく画像をスクリーン等の大画面上に投影するシステムである。また、この画像投影システムSは、任意の端末装置又はリモコン装置(図示せず)から画像投影装置1を介して他の端末装置へ、画像投影装置で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を送信することにより、この画像操作命令に基づき、大画面上に投影されている画像のうち、自分の端末装置で実行されているアプリケーションによって生成される画像だけでなく、他の端末装置で実行されているアプリケーションによって生成される画像も編集可能としている。
【0032】
なお、本実施形態においては、画像投影装置1に2台の端末装置が接続されている場合について説明するが、画像投影装置1に接続される端末装置の数はこれに限ったものではない。また、以下において、端末装置2a,2bの任意の一つを表す場合には端末装置2と表現することがある。
【0033】
本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、画像投影装置1は、図2に示すように、画像取得部10と、画像処理部11と、画像投影部12と、操作命令処理部13と、記憶部14とを備えている。また、端末装置2は、図3に示すように、記憶部20と、画像生成部21と、所定領域画像送信部22と、編集部23と、表示部24と、仮想表示領域設定部25と、操作部26と、操作命令送信部27と、指示部28とを備えている。
【0034】
本実施形態にかかる画像投影システムSの全体的な動作は、主に、画像投影装置1と端末装置2との接続を行うための接続動作、各端末装置2から取得した複数の画像データを合成し、この合成した画像データを投影するための投影動作、端末装置2からの要求に応じて任意のデータファイルを編集するための編集動作の順に行われる。以下に、本実施形態にかかる画像投影システムSの全体的な動作の流れの一例を、図4〜6を参照して概略的に説明する。
【0035】
先ず、接続動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の画像投影システムSにおける接続動作の一例を示すシーケンス図である。なお、この動作は、端末装置2a及び端末装置2bにおいてそれぞれ行われるものである。
【0036】
図4に示すように、先ず、端末装置2の使用者が、操作部26を用いて端末装置2に対して起動操作を行うと(ステップS01)、端末装置2は、操作命令送信部27より画像投影装置1に対して接続要求信号を送信する(ステップS02)。次に、画像投影装置1は、接続要求信号を受信すると、複数の端末装置2から取得する画像データの解像度を統一させるため、画像取得部10より端末装置2に対して画像投影装置1で設定されている解像度の情報を送信する(ステップS03)。
【0037】
次に、端末装置2は、受信した解像度の情報に基づき、所定表示領域として仮想表示領域を作成する(ステップS04)。この仮想表示領域は、図1に示すように、端末装置2a,2bでは、それぞれの表示部24の表示領域40a,40bに隣接した仮想的な表示領域45a,45bであり、仮想表示領域設定部25により設定されるものである。以下、表示領域40a,40bの任意の一つを現す場合には表示領域40と表現し、仮想表示領域45a,45bの任意の一つを表す場合には仮想表示領域45と表現することがある。
【0038】
なお、本実施形態では、上記のように仮想表示領域45を所定表示領域として設定しているが、この所定表示領域は、例えば、端末装置2に設けられた表示部24の表示領域の一部に設けてもよい。
【0039】
ステップS04において仮想表示領域45を作成すると、端末装置2は、操作命令送信部27より画像投影装置1に対して起動作業が完了したことを通知する(ステップS05)。そして、当該通知を受信した画像投影装置1が、操作命令処理部13より端末装置2に対して接続が完了したことを通知することにより(ステップS06)、画像投影装置1と端末装置2との接続処理が完了する。
【0040】
次に、投影動作について、図5を用いて説明する。図5は本実施形態の画像投影システムSにおける投影動作の一例を示すシーケンス図である。
【0041】
図5に示すように、使用者Aにより端末装置2aの有するアプリケーションプログラムの実行操作が行われると(ステップS07)、端末装置2aは、操作対象となったアプリケーションプログラムを実行し、このアプリケーションのデータファイルに応じた画像データを生成する(ステップS08)。なお、アプリケーションプログラムの実行操作は、使用者Aが操作部26を用いて行うものである。
【0042】
ここで、データファイルとは、端末装置2の有する表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションにより実行されるアプリケーションの保存データファイルであり、各端末装置2の有する記憶部20に記憶されている。
【0043】
また、このアプリケーションプログラムは、端末装置2において、画像生成部21及び編集部23として機能するものである。すなわち、アプリケーションプログラムは、端末装置2の使用者が操作部26を用いてデータファイルの実行操作を行うと、画像生成部21として、記憶部20に記憶されたデータファイルに基づく画像(例えば、図1において、端末装置2aにより生成された画像30a〜30d、端末装置2bにより生成された画像30e〜30g)のデータを生成する。さらに、端末装置2の使用者が操作部26や指示部28を用いて、画像生成部21により生成した画像データに対して所定の操作を行う等により、アプリケーションプログラムは、編集部23として、当該操作に基づいてデータファイルの編集を行う。
【0044】
このように、端末装置2aは、画像生成部21によりデータファイルに基づく画像データが生成されると、次に、生成した画像データに基づく画像を表示部24により表示する(ステップS09)。
【0045】
また、端末装置2bにおいても、上記ステップS07〜S09までの処理が行われる。ここで、図5においてステップS10〜S12までの処理は、ステップS07〜S09までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0046】
次に、使用者Aの操作により、端末装置2aで実行されているアプリケーションによって生成される画像を仮想表示領域45aに位置させると(ステップS13)、端末装置2aは、仮想表示領域45aにある画像を検出し(ステップS14)、当該検出結果に基づき画像属性情報を更新する(ステップS15)。この画像属性情報とは、仮想表示領域45にある画像に関する情報であり、仮想表示領域45にある各画像を識別するための識別情報(ウィンドウID)の他、当該画像の位置やサイズ等の情報であり、詳しくは後述する。
【0047】
なお、使用者による、表示部24の表示領域40に表示された画像を仮想表示領域45に位置させる操作としては、後述する操作部26を用いて当該画像を仮想表示領域45に移動させる他、表示領域40に表示される画像の所定位置(例えば、キャプションバー)に所定のボタンを設け、使用者が操作部26を用いてこのボタンを押下することにより、当該画像が仮想表示領域45に移動するようにしてもよい。
【0048】
画像属性情報が更新されると、端末装置2aは、画像投影装置1に対して更新された画像属性情報を送信する(ステップS16)。ここで、ステップS14〜S16までの処理は、所定領域画像送信部22により行われるものである。
【0049】
また、端末装置2bにおいても、上記ステップS13〜S16までの処理が行われる。ここで、図5においてステップS17〜S20までの処理は、ステップS13〜S16までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0050】
次に、画像投影装置1は、各端末装置2から画像属性情報を受信すると、画像属性情報管理テーブルの情報を更新する(ステップS21)。画像属性情報管理テーブルとは、複数の端末装置2から取得した複数の画像データに関する画像属性情報を管理するためのテーブルであり、画像投影装置1に設けられた記憶部14の所定の領域に記憶される。ここで、この画像属性情報の受信、及び画像属性情報管理テーブルの更新は、画像取得部10により行われるものである。
【0051】
次に、画像投影装置1は、画像属性情報管理テーブルの情報に基づいて端末装置2a、2bに対して画像データ要求情報を送信する(ステップS22、S23)。この画像データ要求情報とは、仮想表示領域45にある画像の画像データのうち、画像投影装置1の画像投影部12によって投影される画像の画像データを端末装置2に要求するものである。すなわち、仮想表示領域45bにある画像が画像投影装置1の画像処理部11によって他の画像と重畳合成された際に、他の画像に隠れない部分(画像として視認できる部分)の画像の画像データのみを送信するよう指示するものである。画像投影装置1は、この画像データ要求情報を画像取得部10より送信する。
【0052】
そして、各端末装置2a,2bは、この画像データ要求情報に基づいて、仮想表示領域45a,45bにある画像の一部又は全部の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1に送信する(ステップS24、S25)。かかる画像データの送信は、所定領域画像送信部22により行われるものである。
【0053】
最後に、画像データを受信した画像投影装置1は、各端末装置2a,2bから取得した画像データを画像属性情報管理テーブルの情報に基づいて合成し、さらに、この合成した画像データに基づいた画像(以下、「合成画像」と称することもある)を画像投影部12により投影する(ステップS26)。ここで、各端末装置2a,2bから取得した画像データの合成は、画像処理部11により行われるものである。
【0054】
すなわち、例えば、図1に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aに画像30c、画像30dが位置しており、端末装置2bの仮想表示領域45bに画像30f、画像30gが位置している場合、画像投影装置1は、画像取得部10により、端末装置2aから取得した画像30c,画像30dの画像データと端末装置2bから取得した画像30f,画像30gの画像データとを取得し、さらに、画像処理部11によりこれらの画像データを合成し、合成した画像データに基づく合成画像50を画像投影部12により投影する。なお、画像30cは、仮想表示領域45a及びこの仮想表示領域45a以外の領域40aの両方の領域に亘って位置しているが、この場合、画像投影装置1は、画像30cのうち、仮想表示領域45aに位置している部分の画像の画像データのみを取得する。
【0055】
このように、画像投影装置の画像処理部により合成した画像データに基づく画像を、画像投影装置の画像投影部によりスクリーン等の大画面上に投影することにより、各端末装置に合成した画像の画像データを送信する必要がないため、通信経路にかかる負荷を軽減することができ、その結果、多くの端末装置が画像投影装置と接続した場合であっても、上記複数人による情報の共有を円滑に行うことができる。
【0056】
また、本実施形態にかかる端末装置2では、仮想表示領域45にある画像の画像データの全てを送信するのではなく、画像投影装置1の画像処理部11によって、他の端末装置2の画像データと合成されたときに、当該他の画像データによって隠れる部分の画像データは送信しないようにしている。すなわち、例えば、図1に示すように、端末装置2aの有する画像30c,30dの画像データと端末装置2b有する画像30f、30gの画像データとを合成することにより生成された合成画像50が投影領域60に投影されている場合、画像30dは画像30f及び画像30gにより隠れて投影されていない部分があるため、端末装置2bの所定領域画像送信部22は、画像30dの画像データのうち、合成することより画像30f、画像30gにより隠れることとなる部分の画像の画像データは送信せず、画像投影装置1の投影領域60に投影されることとなる部分の画像の画像データのみを画像投影装置1に送信することとしている。
【0057】
このように、端末装置2の所定領域画像送信部22は、仮想表示領域45にある画像の画像データのうち、画像投影装置1の画像処理部11により複数の画像データと合成された際に、画像投影部12によって投影されない部分の画像の画像データを画像投影装置1に送信しないため、画像投影装置1に余分な画像データが送信されず、送信される画像データのデータサイズを小さくすることができ、その結果、通信経路3にかかる負担を軽減させることができる。
【0058】
また、上記のように、本実施形態における画像投影システムSでは、端末装置2の所定領域画像送信部22は、画像データに関連する情報である画像属性情報を通信経路3を介して画像投影装置1へ送信し、画像投影装置1の画像取得部10は、通信経路3を介して画像属性情報を取得し、画像投影装置1の画像処理部11は、画像属性情報に基づいて、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成することとしている。かかる構成とすることにより、画像投影装置1は、画像属性情報に基づいて画像データの合成を行うことが可能となるため、例えば、画像属性情報を画像の位置及びサイズの情報とすることにより、その情報に基づいて各画像データに配置して投影表示することができる。
【0059】
なお、本実施形態において、端末装置2の制御部は、画像生成部によって編集後のデータファイルに基づいて仮想表示領域45にある画像データが生成される毎に、仮想表示領域45にある画像の画像データを画像投影装置1へ送信することとしている。
【0060】
すなわち、図5に示すように、ステップS15において画像属性情報の更新がなされる毎に、更新された画像属性情報を画像投影装置1に送信することで、端末装置2の使用者が所定の操作を行ってから、ステップS24において画像データを画像投影装置1に送信するまでの処理をスムーズに行うことできる。換言すれば、画像投影装置1で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、端末装置2に、表示部24の表示領域40とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域45を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置2の利用者は、所定表示領域と所定表示領域以外の領域とを明確に区別することができるため、意図しない画像が投影表示されることを防止することができる。また、表示部24の表示領域40の画像は画像投影装置1で投影表示されないので、この表示部24の表示領域40を端末装置2の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【0062】
ところで、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、端末装置2からの要求に応じて任意のデータファイルを編集することを可能としている。すなわち、本実施形態において、画像投影装置1は、画像投影部12で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を他の端末装置などから取得したとき、操作命令処理部13により、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像送信情報を送信し、端末装置2は、画像操作命令を受信したとき、編集部23によりこの画像操作命令に応じてデータファイルを編集することとしている。
【0063】
以下、この編集動作について、図6を用いてさらに詳細に説明する。図6は、本実施形態の画像投影システムSにおける編集動作の一例を示すシーケンス図である。
【0064】
図6に示すように、端末装置2aの使用者Aにより、画像投影装置1で投影されている画像50のうち、端末装置2bの仮想表示領域45bにある画像に対して所定の操作入力(例えば、画像の移動)が行われると(ステップS27)、端末装置2aは、当該操作に基づく画像操作命令を取得する(ステップS28)。ここで、画像投影装置1で投影されている、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の操作は、使用者が操作部26や指示部28を用いて行うものである。
【0065】
次に、端末装置2aは、使用者Aによる当該操作が端末装置2aで実行されるのを防ぐため、当該画像操作入力を破棄し(ステップS29)、画像操作命令を通信経路3を介して画像投影装置1に送信する(ステップS30)。ここで、画像操作入力の破棄、及び画像操作命令の送信は、端末装置2の操作命令送信部27により行われるものである。
【0066】
次に、端末装置2aから画像操作命令を受信すると、画像投影装置1は操作命令処理部13により、この画像操作命令を、送信すべき端末装置2毎に当該画像操作命令を振り分ける処理を行う(ステップS31)。ここでは、この画像操作命令は、端末装置2bに送信されるように振り分けられる。
【0067】
また、画像投影装置1は、受信した画像操作命令、及び画像取得部10で取得した画像属性情報に基づいて、各端末装置2の仮想表示領域45にある各画像に割り当てられている階層レベルを更新する(ステップS32)。すなわち、画像投影装置1は、画像操作命令及び画像属性情報により、どの画像が操作されたのかを判定し、画像属性情報管理テーブルに管理されている当該画像の階層レベルを最上層に設定するとともに、他の画像の階層レベルを順次繰り下げる処理を行う。ここで、この階層レベルの更新は、画像処理部11により行われるものである。
【0068】
このように、本実施形態においては、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うこととしている。
【0069】
すなわち、図1に示すように、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像30c、30d、30f、30gにそれぞれ階層レベルを割り当て、下層から、画像30c→画像30d→画像30g→画像30fの順に重畳合成し、当該合成した画像データに基づいた画像(合成画像50)を投影する。
【0070】
かかる構成とすることにより、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを階層レベル順に重畳合成するので、画像投影装置1を高解像度化又は高画角化しなくても、その投影表示された画像が見にくくならず、その結果、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0071】
そして、画像投影装置1は操作命令処理部13により、ステップS30で端末装置2aから受信した画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2bに送信し(ステップS33)、当該画像操作命令を受信した端末装置2bは、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して(ステップS34)、この再生した操作入力に応じて、アプリケーションは編集部として実行中のデータファイルの編集を行う(ステップS35)。
【0072】
このように、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、画像投影装置1は、画像投影部12で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を通信経路3を介して送信し、端末装置2は、画像投影装置1から画像操作命令を通信経路3を介して受信したとき、この画像操作命令に応じてデータファイルを編集することとしたため、自分の端末装置2が有する画像のみならず、他の端末装置2から送信された画像の編集を行うことができ、複数人による共同作業を円滑に行うことができる。
【0073】
なお、本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、端末装置2は、画像投影装置1で投影されている画像を指示するための指示部28を備え、操作命令送信部27は、指示部28が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を画像投影装置1へ送信し、画像投影装置1の画像処理部11は、端末装置2から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成することとしている。
【0074】
すなわち、例えば、図1に示すように、画像投影装置1で投影されている画像として、各端末装置2から取得した画像データに基づく合成画像50の他、画像指示命令に基づくポインタ画像P1,P2を投影する。
【0075】
かかる構成とすることにより、端末装置2の使用者が、画像投影装置1によって投影されている領域のうちどこを指示しているのかを把握させることができる。
【0076】
[2.画像投影システムの具体的構成]
(画像投影装置1の構成について)
次に、画像投影装置1の構成について説明する。図7は本実施形態における画像投影装置1の構成図であり、図8は本実施形態における画像投影装置1に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図であり、図9は本実施形態における画像投影装置1の投影領域60に規定された座標を説明するための図であり、図10は本実施形態における画像投影装置1に記憶される接続情報管理テーブルの一例であり、図11は本実施形態における画像投影装置1に記憶されるポインタ情報管理テーブルの一例であり、図12は本実施形態における画像投影装置1の画像処理の一例を示す図である。
【0077】
画像投影装置1は、図7に示すように、各種操作を行うための操作パネル101と、設定情報やデータファイルなどを保持するための不揮発性メモリである記憶部102と、端末装置2と通信するためのインターフェイス104と、外部から映像信号を入力する映像信号入力回路105と、映像信号入力回路105を介して入力される映像信号やインターフェイス104を介して取得した画像データに所定の処理を施す画像処理回路106と、この画像処理回路106から出力される画像信号に基づいた画像を投影する画像投影部107と、画像投影装置1全体を制御する制御部108とを備えており、これらはハウジングに内蔵される。
【0078】
操作パネル101は、画像投影装置1において使用者が操作パネル101を操作することによって、その操作内容に応じた制御を制御部108が実行する。
【0079】
記憶部102は、フラッシュメモリ(flash memory)などから構成され、画像投影装置1に設定されている解像度の情報、ポインタ画像の画像データ、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを記憶する他、当該画像の位置情報、サイズ情報等を管理する画像属性情報管理テーブルを記憶する画像属性情報記憶領域110、画像投影装置1に接続している端末装置2の接続状況を管理する接続情報管理テーブルを記憶する接続情報記憶領域111、ポインタの位置情報等を記憶するポインタ情報管理テーブルを記憶するポインタ情報記憶領域112を有する。
【0080】
インターフェイス104は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部108によって用いられる。なお、インターフェイス104としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0081】
映像信号入力回路105は、コンポジット映像信号(例えばNTSC映像信号)やコンポーネント映像信号(例えばRGB信号)などの映像信号を入力する。
【0082】
画像処理回路106は、制御部108による制御に基づいて、映像信号入力回路105に入力された映像信号或いはインターフェイス104を介して取得した画像データに対して、複数の画像データの合成等の加工を行う。このように加工されて生成された画像信号は、画像投影部107に入力される。
【0083】
画像投影部107は、ランプ駆動回路120と、光源121と、照明光学系122と、透過型液晶パネル123(以下、「LCD123」とする。)と、結像光学系124と、LCD駆動回路125と、ピント調整回路126とを備えている。
【0084】
光源121は、ランプなどから構成され、制御部108によって制御されたランプ駆動回路120から出力される信号に基づいて、点灯駆動されて発光する。光源121で発光された光は、照明光学系122によって、照明光としてLCD123に照射される。
【0085】
LCD123は、LCD駆動回路125によって駆動され、その表示面に映像を表示する。このように表示された映像は、照明光学系122からの照明光によって、光としてLCD123から出射される。続いて、この出射光は、結像光学系124及びハウジングの投影用開口部(図示せず)を通って、スクリーン(投射面)に投影される。このように、LCD123に表示される画像がスクリーンに投影される構成となっている。なお、ピント調整回路126によって、スクリーンに投影する画像のピントを調整することができる。
【0086】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがROMに予め格納されたプログラムを読み出して実行することによって、画像投影装置1を、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを取得する画像取得部、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する画像処理部、画像投影部107で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信する操作命令処理部等として機能させる。
【0087】
制御部108は画像取得部として、インターフェイス104を介して端末装置2から、当該端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ或いは画像操作命令を取得する。なお、画像操作命令は、図示しないリモコン装置から取得することもできる。
【0088】
また、制御部108は、画像処理回路106と共に画像処理部として機能することにより、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する。この画像処理部による画像データの合成は、記憶部102に記憶された画像属性情報管理テーブル、及び接続情報管理テーブルに基づいて実行される。
【0089】
ここで、画像属性情報管理テーブルについて、図8を参照して説明する。
【0090】
図8に示すように、画像属性情報管理テーブルには、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像を送信した端末装置2(オーナーPC)の名称、当該画像を表示すべき位置及びサイズに関する情報、画像データのファイル名に関する情報、及び画像処理部により複数の画像データを合成する際に、各画像データを重ね合わせる順番(階層レベル)に関する情報が、当該画像を識別するための情報(ウィンドウID)と関連付けて記憶されている。
【0091】
各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の位置及びサイズに関する情報は、画像投影装置1で投影される投影領域60に規定されている座標により表される。すなわち、本実施形態における画像投影装置1は、図9に示すように、投影領域60の縦方向をX方向、横方向をY方向とし、その左上部の頂点を原点として規定している。そして、画像の位置情報は、仮想表示領域45にある各画像の左上部の頂点の座標の情報であり、画像のサイズ情報は、当該画像の幅(W)及び高さ(H)を座標の数値で表した情報であって、この位置情報とサイズ情報とにより、仮想表示領域45にある画像を画像投影装置1で投影される投影領域60のどの位置にどのサイズで投影するかを決定することができる。例えば、図9において、画像30fは、その左上部の頂点が座標(400,30)の位置となり、画像のサイズは、幅(W)が460、高さ(H)が310となる。
【0092】
また、画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)の名称は、図10に示す接続情報管理テーブルと関連付けられている。この接続情報管理テーブルには、図10に示すように、画像投影装置1に接続している端末装置2の名称が、接続状況(画像投影装置1と接続中か非接続中かの別)及び各端末装置2に割り振られたIPアドレスと関連付けられて記憶されている。
【0093】
また、制御部108は、画像処理部として、端末装置2の操作命令送信部により送信された画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成する。ここで、このポインタ画像の合成は、ポインタ情報管理テーブルの情報に基づき実行されるものである。
【0094】
ポインタ情報管理テーブルは、図11(a)に示すように、画像投影装置1に接続されている端末装置2に割り当てられるポインタ画像の画像ファイル名、及び画像投影装置1で投影される投影領域60におけるポインタ画像の位置情報が、端末装置2の名称と関連付けられて記憶されている。なお、図11(b)は、画像投影装置1に接続している端末装置2cの操作部、或いは指示部が仮想表示領域45にない場合(表示部による表示領域40にある場合)のポインタ情報管理テーブルの一例である。
【0095】
ここで、本実施形態では、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うこととしている。すなわち、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する際、画像属性情報管理テーブルに記憶されている階層レベルの情報を参照し、この階層レベルが高い順に画像を重ね合わせて出来たような画像の画像データを生成する。
【0096】
例えば、図12(a)の右図における各端末装置2a〜2dの各仮想表示領域45a〜45dにある画像30c,30d,30f〜kが、下層から上層まで順に画像30c,30d,30h,30i,30k,30j,30g,30fの階層レベルであるときには、図12(a)の左図に示すように、投影領域60にこれらの画像がこの図に示すように重ね合わされて表示される。
【0097】
なお、画像処理部による複数の画像データの合成方法としては、上述のように、投影領域60全体に各端末装置2から取得した画像データを重ね合わせて表示させる方法の他、図12(b)に示すように、投影領域60を端末装置2ごとに分割して表示することとしてもよい。かかる構成とすることにより、端末装置2の使用者は、画像投影装置1で投影されている画像がどの端末装置2から取得されたものであるかを容易に把握することができるため、複数人で行う共同作業等を効率よく行うことができる。
【0098】
また、制御部108は、インターフェイス104と共に操作命令処理部として機能することにより、画像投影部107で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信する。
【0099】
ここで、本実施形態においては、画像操作命令を端末装置2へ送信する際、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データ、及び当該画像操作命令を送信すべき端末装置2を、画像取得部で取得した画像属性情報に基づいて判断することとしている。
【0100】
かかる構成とすることにより、操作対象の画像の画像データを判断するための情報をその操作毎に各端末装置2に対して別途要求する必要がなく、通信経路3にかかる負担を軽減させることができる。
【0101】
(端末装置2の構成について)
次に、端末装置2の構成について説明する。図13は、本実施形態における端末装置2の構成図である。
【0102】
本実施形態における端末装置2は、一般のパーソナルコンピュータ或いは専用端末を適用することができ、図13に示すように、表示部であるLCD200、LCD200を駆動するためのグラフィックスコントローラ201と、各種データ等を記憶するハードディスク装置202と、通信経路3を介して画像投影装置1との間で通信を行うためのインターフェイス203と、USBデバイスとデータの入出力を行うためのUSBバスコントローラ204、これに接続する接続ポートとしてのUSBコネクタ205と、使用者の操作により所定の情報を入力可能なキーボード206及びマウス207(指示部、操作部に相当)と、端末装置2全体を制御する制御部208とを備えて構成され、これらの各種要素は第1のバス209、第2のバス210を介して相互に接続される。なお、図中、211は、第1のバス209と第2のバス210との間のデータの授受を行うためのバスコントローラである。
【0103】
ハードディスク装置202は、記憶部として機能するものであり、このハードディスク装置202には、端末装置2のオペレーティングシステム(OS)プログラム、文書作成ソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションプログラムの他、このアプリケーションプログラムにより作製されるデータファイルが格納されている。また、上記アプリケーションプログラムとは別に、本実施形態における画像投影システムS用の処理プログラムとしての画像共有プログラムが格納されている。
【0104】
なお、この画像共有プログラムは、例えば、通信経路3に接続されたサーバ(図示せず)から、インターフェイス203を介して、制御部208のハードディスク装置202にダウンロードされるようにしてもよく、又CD−ROM等の記録媒体に記録されてから記録媒体ドライブ(図示せず)を介して、制御部208のハードディスク装置202に読み込まれるようにしてもよい。
【0105】
インターフェイス203は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部208によって用いられる。なお、インターフェイス203としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0106】
制御部208は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがハードディスク装置202に格納された画像共有プログラムを読み出して実行することによって、端末装置2を、所定領域画像送信部、仮想表示領域設定部、操作命令送信部として機能させる。
【0107】
また、制御部208は、CPUがハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを読み出して実行することによって、画像生成部、編集部として機能させる。
【0108】
制御部208のCPUは、ハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを実行して画像生成部として機能し、データファイルに基づいた画像データを生成する。生成された画像データは、表示部としてのLCD200及びグラフィックスコントローラ201によって、当該画像データに基づく画像としてLCD200に表示される。
【0109】
制御部208は、インターフェイス203と共に所定領域画像送信部として機能することによって、画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が仮想表示領域45にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1へ送信する。ここで、本実施形態における所定表示領域は、表示部の表示領域40に隣接するように設定された仮想表示領域45であり、この仮想表示領域45は、制御部208のCPUがハードディスク装置202に記憶された画像共有プログラムを実行して仮想表示領域設定部として機能することで設定される。
【0110】
ここで、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、画像生成部によって編集後のデータファイルに基づいて仮想表示領域45にある画像データが生成される毎に、仮想表示領域45にある画像の画像データを画像投影装置1へ送信することとしている。
【0111】
かかる構成とすることにより、画像投影装置1で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0112】
なお、この画像データを送信する場合は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャして得られるBMP(Bit Map)データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)データに変換する。このように、画像投影装置1に送信する画像データを圧縮することにより、通信経路3への負荷を軽減させることができる。
【0113】
また、制御部208は、編集部として機能することにより、画像投影装置1から画像操作命令を通信経路3を介して受信したとき、この画像操作命令から操作入力を再生し、この操作入力に応じてデータファイルを編集する。この画像操作命令の受信は、インターフェイス203により行われる。
【0114】
また、制御部208は、インターフェイス203と共に操作命令送信部として機能することにより、ポインタが仮想表示領域45に位置している場合に、キーボード206又はマウス207により所定の操作/指示が行われると、その操作/指示に応じた画像操作命令を画像投影装置1へ送信する。この際、上記操作/指示が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、制御部208は、操作入力情報、或いは指示情報を破棄した後に当該画像操作命令を画像投影装置1に送信する。なお、ここで「操作」とは、自装置又は他の端末装置のアプリケーションで実行中のデータファイルを編集するための命令であり、「指示」とは、画像投影装置1が投影している画像を指し示すポインタ画像を表示又はその移動のための命令である。
【0115】
このようにキーボード206やマウス207を操作部として用いることにより、画像投影装置1で投影されている他の端末装置2の仮想表示領域45にある画像を操作、編集することができ、また、マウス207を指示部として用いることにより、さらに、端末装置2の使用者が、画像投影装置1によって投影されている領域のうちどこを指示しているのかを把握させることができる。さらに、当該画像の操作、指示は、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信することによって行われるため、通信経路3に大きな負荷をかけることなく画像の操作を行うことができる。
【0116】
(画像投影装置の具体的動作について)
次に、画像投影装置1の具体的動作の一例について、図14〜図21を参照して説明する。図14は、本実施形態における画像投影装置1のメイン処理フローチャートである。
【0117】
図14に示すように、画像投影装置1の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、画像投影装置1の制御部108は、接続処理を行う(ステップS100)。この接続処理は、画像投影装置1が端末装置2と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図15におけるステップS200〜S205までの処理であり、後述する。
【0118】
次に、制御部108は、端末装置2から画像属性情報を受信したか否かを判定する(ステップS110)。この処理において、端末装置2から画像属性情報を受信したと判定すると(ステップS110:Yes)、制御部108は、画像属性情報更新処理を行う(ステップS120)。この画像属性情報更新処理は、端末装置2から送信される情報に応じて画像属性情報管理テーブルの更新等を行うものである。この処理は、図16におけるステップS300〜S308までの処理であり、後述する。
【0119】
ステップS120の画像属性情報更新処理を終了すると、制御部108は、表示領域算出処理を行う(ステップS130)。この表示領域算出処理は、画像投影装置1で投影される各画像の、投影領域60における表示領域を算出するものである。この処理は、図17におけるステップS400〜403までの処理であり、後述する。
【0120】
また、ステップS110において、端末装置2から画像属性情報を受信していないとき(ステップS110:No)、制御部108は、ポインタ情報を受信したか否かを判定する(ステップS140)。この処理において、ポインタ情報を受信したと判定すると(ステップS140:Yes)、制御部108は、ポインタ情報更新処理として、端末装置2から送信されるポインタ情報に基づいてポインタ情報管理テーブルの更新を行う(ステップS150)。
【0121】
ステップS130、ステップS150の処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を行う(ステップS160)。この画像投影処理は、複数の端末装置2から取得した画像データ、及びポインタ画像の合成を行うものである。この処理は、図19におけるステップS600〜S612までの処理であり、後述する。
【0122】
次に、制御部108は、端末装置2から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS170)。この処理において、端末装置2から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS170:Yes)、制御部108は、操作命令振り分け処理を行う(ステップS180)。この操作命令振り分け処理は、端末装置2から受信した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信するものである。この処理は、図20におけるステップS700〜S702までの処理であり、後述する。
【0123】
ステップS180の処理を終了したとき、或いはステップS170において、端末装置2から画像操作命令を受信していないとき(ステップS170:No)、制御部108は、電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS190)、電源がOFFされていないとき(ステップS190:No)、処理をステップS100に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS190:Yes)、制御部108は、メイン処理を終了する。
【0124】
次に、ステップS100における接続処理について、図15を参照して具体的に説明する。図15は、本実施形態における画像投影装置1の接続処理フローチャートである。
【0125】
図15に示すように、接続処理を開始すると、画像投影装置1の制御部108は、端末装置2から接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS200)。この処理において、端末装置2から接続要求信号を受信したと判定すると(ステップS200:Yes)、当該接続要求信号を送信した端末装置2に対して、画像投影装置1の記憶部102に記憶されている解像度の情報を通知する(ステップS201)。これにより、各端末装置2の仮想表示領域設定部で作成される仮想表示領域45の解像度を統一させることができ、画像投影装置1で投影される画像の見栄えを良くすることができる。
【0126】
次に、制御部108は、端末装置2から起動完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS202)。この処理において、端末装置2から起動完了通知を受信したと判定すると(ステップS202:Yes)、制御部108は、接続情報管理テーブルを更新する(ステップS203)。すなわち、制御部108は、接続情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2のIPアドレス及び接続状態に関する情報を当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0127】
次に、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルを更新する(ステップS204)。すなわち、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2に割り当てられたポインタ画像の画像ファイル名及びポインタの位置情報を、当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0128】
なお、このポインタ情報管理テーブルに端末装置2の情報が新たに追加された場合において、ポインタの位置は、端末装置2の表示部の表示領域40に表示されるため、ポインタ情報管理テーブルの位置情報の欄には、「none」と表示される。また、本実施形態において、各端末装置2に割り当てられるポインタ画像は、ステップS204の処理において自動的に割り当てられるようにしているが、各自に選択させるようにしてもよい。
【0129】
次に、制御部108は、接続処理が完了したことを端末装置2に対して通知する(ステップS205)。この処理が終了したとき、或いはステップS200において、端末装置2から接続要求信号を受信していないとき(ステップS200:No)、制御部108は、接続処理を終了する。
【0130】
次に、ステップS120における画像属性情報更新処理について、図16を用いて具体的に説明する。図16は、本実施形態における画像投影装置1の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【0131】
図16に示すように、画像属性情報更新処理を開始すると、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS300)。この処理において、画像属性情報の新規追加が行われたと判定すると(ステップS300:Yes)、制御部108は、仮想表示領域45に新たに位置することとなった画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルに新たに追加し(ステップS301)、さらに、当該画像の画像データの保存領域を確保する(ステップS302)。
【0132】
ステップS302の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、画像属性情報管理テーブルで管理されている各画像の階層レベルの情報を更新する(ステップS303)。すなわち、制御部108は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像については、現在割り当てられている階層レベルよりも一つ下の階層に順次繰り下げて更新される(例えば、階層レベルが「2」に設定されていた画像は、「3」に更新される)。仮想表示領域45に新たに追加された画像が最前面に表示されるようになるため、複数人による共同作業をスムーズに行うことができる。
【0133】
ステップS300において、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされていないと判定すると(ステップS300:No)、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の削除フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS304)。この処理において、画像属性情報の削除がなされたと判定すると(ステップS304:Yes)、制御部108は、削除対象となっている画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルから削除するとともに(ステップS305)、他の画像の階層レベルを更新する(ステップS306)。
【0134】
ステップS304において、画像属性情報が削除されたと判定しないとき(ステップS304:No)、制御部108は、端末装置2から受信した画像属性情報に基づいて画像属性情報の更新を行う(ステップS307)。そして、ステップS307の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、更新した画像属性情報に基づく画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像の階層レベルを順次繰り下げる(ステップS308)。
【0135】
ステップS303、S306、S308の処理が終了したとき、制御部108は、画像属性情報更新処理を終了する。
【0136】
次に、ステップS130における表示領域算出処理について、図17を用いて説明する。図17は、本実施形態における画像投影装置1の表示領域算出処理フローチャートである。
【0137】
図17に示すように、表示領域算出処理を開始すると、制御部108は、ステップS120における画像属性情報更新処理がなされたか否かを判定する(ステップS400)。この処理において、画像属性情報更新処理がなされたと判定すると(ステップS400:Yes)、制御部108は、画像属性情報管理テーブルから各端末装置2の画像属性情報を取得する(ステップS401)。
【0138】
次に、制御部108は、取得した画像属性情報に基づいて、画像投影装置1の投影領域60に表示すべき表示領域を各画像ごとに算出する(ステップS402)。すなわち、本実施形態においては、各端末装置2に画像データの送信を要求する前に、画像投影装置1の投影領域60に表示される各画像の表示領域を算出することとしている。このように、各画像の表示領域を事前に算出することにより、後述する画像投影処理において端末装置2に画像データの送信を要求する際、例えば、図18に示すように、画像30gのうち、各画像を合成した際に投影領域60に表示されない部分35の画像データは送信しないように指示することができるため、余計な画像データを送信することがなく、通信経路3に余分な負担をかけることがない。
【0139】
なお、ステップS402の処理において、表示領域の算出は、階層の低い画像から順次行われる。このようにすることにより、計算量を減らすことができるため、処理速度を上げることができる。
【0140】
次に、制御部108は、全ての画像の表示領域を算出したか否かを判定する(ステップS403)。ここで、本実施形態においては、上述のように、最下層の階層レベルに設定されている画像から順に表示領域の計算をしていくため、上記判定は、最上層の階層レベルに設定されている画像の表示領域の算出が行われたか否かにより判定される。この処理において、全ての画像の表示領域を算出したと判定しないとき(ステップS403:No)、制御部108は、処理をステップS402に移行する。一方、ステップS403において全ての画像の表示領域を算出したと判定したとき(ステップS403:Yes)、或いはステップS400において画像属性情報更新処理がなされたと判定しないとき(ステップS400:No)、制御部108は、表示領域算出処理を終了する。
【0141】
次に、ステップS160における画像投影処理について図19を用いて具体的に説明する。図19は、本実施形態における画像投影装置1の画像投影処理フローチャートである。
【0142】
図19に示すように、画像投影処理を開始すると、制御部108は、ステップS130における表示領域算出処理が行われたか否かを判定する(ステップS600)。この処理において、表示領域算出処理が行われたと判定すると(ステップS600:Yes)、制御部108は、処理をステップS601に移行する。
【0143】
ステップS601において、制御部108は、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れるか否かを判定する。この判定は、ステップS130の表示領域算出処理における算出結果に基づいて行われる。この処理において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定しないとき(ステップS601:Yes)、制御部108は、端末装置2に対して画像データの全てを送信するよう画像送信要求信号を送信する(ステップS602)。
【0144】
一方、ステップS601において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定すると(ステップS601:No)、制御部108は、表示領域算出処理において算出された結果に基づいて、画像を表示すべき表示領域を複数の矩形領域に分割する(ステップS603)。すなわち、例えば、図20に示すように、画像30gのうち一部の画像35が隠れて表示されない場合、制御部108は、この画像30gのうち画像投影装置1で表示される部分を矩形領域38aと38bとに分割する。そして、制御部108は、端末装置2に対して矩形領域毎に画像データの送信を要求する画像データ要求信号を送信する(ステップS604)。
【0145】
ステップS602、S604の処理が終了すると、制御部108は、端末装置2から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS605)。この処理において、端末装置2から画像データを受信したと判定すると(ステップS605:Yes)、制御部108は、受信した画像データの伸長を行う(ステップS606)。これは、後述するように、端末装置2から送信される画像データは、圧縮された状態で送信されるためである。
【0146】
次に、制御部108は、画像属性情報更新処理において確保した画像データの保存領域に受信した画像データを保存し(ステップS607)、当該画像データを指定された表示領域に貼り付ける(ステップS608)。次に、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの貼り付けが全てなされたか否かを判定する(ステップS609)。この処理において、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定すると(ステップS609:Yes)、制御部108は、処理をステップS612に移行し、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定しないとき(ステップS609:No)、処理をステップS601に移行する。すなわち、ステップS601〜S608までの処理は、各画像データごとに行われるものであり、ステップS608において、各画像データを表示領域に貼り付けていくことにより、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの合成が行われる。
【0147】
一方、ステップS600において、表示領域の算出がなされたと判定しないとき(ステップS600:No)、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルが更新されたか否かを判定する(ステップS610)。この処理において、ポインタ情報管理テーブルが更新されたと判定すると(ステップS610:Yes)、制御部108は、更新されたポインタ情報に基づいて、ポインタ画像の画像データを画像投影装置1の投影領域60に投影される画像の画像データと合成し(ステップS611)、処理をステップS612に移行する。
【0148】
ステップS612において、制御部108は、ステップS608の処理において合成された画像データ、或いはステップS611の処理において合成された画像データに基づく画像を画像投影部107より投影する(ステップS612)。ステップS612の処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を終了する。
【0149】
次に、ステップS180における操作命令振り分け処理について、図21を用いて具体的に説明する。図21は、本実施形態における画像投影装置1の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0150】
図21に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のポインタの位置情報を取得する(ステップS700)。次に、制御部108は、取得したポインタの位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS701)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS702)。この処理を終了すると、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0151】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図22〜図27を参照して説明する。図22は、本実施形態における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0152】
図22に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS1000)。この接続処理は、画像投影装置1と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図23におけるステップS1100〜S1104までの処理であり、後述する。
【0153】
ステップS1000における接続処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1010の画像属性情報送信処理に移行する。この画像属性情報送信処理は、仮想表示領域45にある画像に対してなされた操作に応じて画像属性情報通知データを作成し、この画像属性情報通知データを画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図24におけるステップS1200〜S1209までの処理である、後述する。
【0154】
ステップS1010における画像属性情報送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1020の操作命令送信処理に移行する。この操作命令送信処理は、キーボード206又はマウス207により、画像投影装置1で投影されている画像が操作又は指示されたときに、この操作又は指示に基づく画像操作命令を画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図25におけるステップS1300〜S1305までの処理である、後述する。
【0155】
ステップS1020における操作命令送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1030の画像データ送信処理に移行する。この画像データ送信処理は、画像投影装置1から送信される画像送信要求に基づいて、画像投影装置1に対して画像データの送信を行うものである。この処理は、図26におけるステップS1400〜S1402までの処理である、後述する。
【0156】
ステップS1030における画像データ送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1040の操作命令再生処理に移行する。この操作命令再生処理は、画像投影装置1から送信される画像操作命令に基づいて、仮想表示領域45にある画像のデータファイルの編集を行うものである。この処理は、図27におけるステップS1500〜S1502までの処理である、後述する。
【0157】
ステップS1040における接続処理が終了すると、制御部208は、画像投影装置1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS1050)。この処理において、画像投影装置1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS1050:No)、制御部208は、処理をステップS1010に移行する。一方、画像投影装置1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS1050:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0158】
次に、ステップS1000における接続処理について、図23を用いて具体的に説明する。図23は、本実施形態における端末装置2の接続処理フローチャートである。
【0159】
図23に示すように、接続処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1に対して接続要求信号を送信する(ステップS1100)。
【0160】
次に、制御部208は、画像投影装置1から解像度の情報を受信したか否かを判定する(ステップS1101)。この処理において、画像投影装置1から解像度の情報を受信したと判定すると(ステップS1101:Yes)、制御部208は、LCD200による表示領域に隣接した仮想表示領域45を作成する(ステップS1102)。この際、作成される仮想表示領域45の解像度は、ステップS1101で画像投影装置1から受信した解像度の情報に基づき設定される。
【0161】
ステップS1102の処理が終了すると、制御部208は、起動準備が完了したことを画像投影装置1に通知する(ステップS1103)。そして、制御部208は、画像投影装置1から接続完了通知を受信したか否かを判定し(ステップS1104)、画像投影装置1から接続完了通知を通知したと判定すると(ステップS1104:Yes)、制御部208は、接続処理を終了する。
【0162】
次に、ステップS1010における画像属性情報送信処理について、図24を用いて具体的に説明する。図24は、本実施形態における端末装置2の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【0163】
図24に示すように、画像属性情報送信処理を開始すると、制御部208は、仮想表示領域45に画像が追加されたか否かを判定する(ステップS1200)。この判定は、使用者がマウス207を用いて、LCD200の表示領域にある画像に対して所定の操作がなされたか否かにより判定される。ここで、所定の操作とは、LCD200の表示領域にある画像を仮想表示領域45に移動させる、或いは当該画像に設けられている所定のボタンを押下することにより行われる。この処理において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定すると(ステップS1200:Yes),制御部208は、処理をステップS1201に移行する。
【0164】
ステップS1201において、制御部208は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の画像属性情報を取得し(ステップS1201)、画像属性情報の追加フラグをセットする(ステップS1202)。
【0165】
ステップS1200において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定しないとき(ステップS1200:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動したか、又は削除されたか否かを判定する(ステップS1203)。この処理において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定すると(ステップS1203:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45から移動又は削除された画像のウィンドウIDを取得し(ステップS1204)、画像属性情報の削除フラグをセットする(ステップS1205)。
【0166】
ステップS1203において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定しないとき(ステップS1203:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたか否かを判定する(ステップS1206)。この判定は、仮想表示領域45にある画像の位置やサイズが変更されたか否かにより判定される。この処理において、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたと判定すると(ステップS1206:Yes)、制御部208は、当該更新された画像属性情報を取得する(ステップS1207)。
【0167】
ステップS1202、S1205、S1207の処理が終了したとき、制御部208は、各処理の結果に応じた画像属性情報通知データを作成し(ステップS1208)、画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1209)。すなわち、仮想表示領域45に新たに画像が追加された場合は、追加された画像の画像属性情報のうち、当該画像のウィンドウID、位置情報、サイズ情報、画像データのファイル名の情報、及び画像属性情報の追加フラグデータを含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動されたとき、或いは削除されたときは、移動、或いは削除された画像のウィンドウID、及び画像属性情報の削除フラグデータを含むウィン情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、画像属性情報が更新されたときは、更新された画像の画像属性情報を含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。
【0168】
ステップS1209の処理が終了したとき、或いはステップS1206において、画像属性情報が更新されたと判定しないとき(ステップS1206:No)、制御部208は、画像属性情報送信処理を終了する。
【0169】
次に、ステップS1020における操作命令送信処理について図25を用いて具体的に説明する。図25は、本実施形態における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0170】
図25に示すように、操作命令送信処理を開始すると、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によって画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS1300)。この処理において、操作入力が行われたと判定すると(ステップS1300:Yes)、制御部208は、この操作入力に基づく操作入力情報を取得とともに(ステップS1301)、当該操作入力に基づく操作が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、操作入力情報を破棄する(ステップS1302)。
【0171】
次に、制御部208は、画像投影装置1の投影領域60に表示されているポインタの位置情報を取得し(ステップS1303)、このポインタの位置情報と操作入力情報とを含む画像操作命令を生成して(ステップS1304)、この画像操作命令を画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1305)。
【0172】
ステップS1305の処理を終了したとき、或いはステップS1300において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたと判定しないとき(ステップS1300:No)、制御部208は、操作命令送信処理を終了する。
【0173】
次に、ステップS1030における画像データ送信処理について、図26を用いて具体的に説明する。図26は、本実施形態における画像データ送信処理フローチャートである。
【0174】
図26に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から仮想表示領域45にある画像の画像データの送信要求があったか否かを判定する(ステップS1400)。この判定は、画像投影装置1から、画像データ送信要求信号を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像データの送信要求があったと判定すると(ステップS1400:Yes)、制御部208は、受信した画像データ送信要求に基づき、仮想表示領域45にある画像の一部又は全部の画像データをキャプチャし、当該キャプチャした画像データをBMP(Bit MaP)形式からJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に変換することにより当該画像データを圧縮して(ステップS1401)、この圧縮した画像データを画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1402)。ステップS1402の処理を終了したとき、或いはステップS1400において、画像投影装置1から画像データの送信要求があったと判定しないとき(ステップS1400:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0175】
次に、ステップS1040における操作命令再生処理について、図27を用いて具体的に説明する。図27は、本実施形態における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0176】
図27に示すように、操作命令再生処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS1500)。この処理において、画像投影装置1から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS1500:Yes)、制御部208は、受信した画像操作命令を再生することにより(ステップS1501)、操作の対象となるデータファイルに応じたアプリケーションプログラムに対して、当該画像操作命令に基づく編集操作を実行させる(ステップS1502)。
【0177】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0178】
例えば、本実施形態においては、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像データを画像投影装置1に送信するタイミングは、画像投影装置1により管理されているが、この画像データを送信するタイミングを各端末装置2が管理するようにしてもよい。
【0179】
画像データの送信タイミングを端末装置2が管理する場合、図26に示す端末装置2の画像データ送信処理を、以下のようなに変更すればよい。
【0180】
例えば、端末装置2の制御部208が、仮想表示領域にある画像に変更があったか否かを判定し、変更があった場合にのみ画像データを送信するようにしてもよい。
【0181】
すなわち、図28に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったか否かを判定する(ステップS1460)。この判定は、画像操作命令を受信したか否か、或いは、端末装置2のOSプログラムから再描画メッセージ(例えば、WM_PAINTメッセージ等)を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったと判定すると(ステップS1460:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャする(ステップS1461)。次に、制御部208は、キャプチャした画像データを圧縮し(ステップS1462)、圧縮した画像データを画像投影装置1に通信経路3を介して送信する(ステップS1463)。そして、ステップS1463の処理を終了したとき、或いは、ステップS1460において前回送信した画像データから変更があったと判定しないとき(ステップS1460:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0182】
また、上記変形例において、前回送信した画像データから変更があったときに、画像データの全てを送信するのではなく、前回送信した画像データとの差分の画像データのみを送信するようにしてもよい。
【0183】
すなわち、図29に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャする(ステップS1450)。
【0184】
次に、制御部208は、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったか否かを判定する(ステップS1451)。この処理において、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったと判定すると(ステップS1451:Yes)、制御部208は、前回送信した画像の画像データと今回キャプチャした画像の画像データとの差分を抽出し、差分の画像データを保存する(ステップS1452)。そして、この差分の画像データを圧縮し(ステップS1453)、圧縮した画像データを画像投影装置1に送信する(ステップS1454)。そして、この処理を終了したとき、或いは、ステップS1451において前回送信した画像データから変更があったと判定しないとき(ステップS1451:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0185】
ここで、上記のように画像データの送信タイミングを端末装置2が管理する場合は、画像投影装置1の画像投影処理におけるステップS601〜S609までの処理を次のように変更するとよい。
【0186】
すなわち、図30に示すように、図19のステップS600において、表示領域が算出されたと判定すると(ステップS600:Yes)画像投影装置1の制御部108は、端末装置2から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS671)。この処理において、端末装置2から画像データを受信したと判定すると(ステップS671:Yes)、処理をステップS672に移行する。ステップS672〜S674までの処理は、図19におけるステップS606〜S608までの処理と同一であるため、説明を省略する。そして、ステップS674の処理を終了したとき、或いはステップS671において、端末装置2から画像データを受信したと判定しないとき(ステップS671:No)、制御部108は、処理をステップS612に移行する。
【0187】
また、図19におけるステップS601〜S609までの処理は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを全てを取得し、各画像データに割り当てられた表示領域に当該画像データを貼り付けるようにしているが、画像投影装置1で投影される際に最前面で表示される画像の画像データのみを取得するようにしてもよい。
【0188】
すなわち、図31に示すように、ステップS600において、表示領域が算出されたと判定すると(ステップS600:Yes)、制御部108は、画像属性情報管理テーブルを参照し、各画像データに割り当てられた階層レベルが「1」であるか否かを判定する(ステップS651)。この処理において、階層レベルが「1」であると判定しないとき(ステップS651:No)、制御部108は、処理をステップS657に移行する。
【0189】
一方、階層レベルが「1」であると判定すると(ステップS651:Yes)、制御部108は、階層レベルが「1」に設定されている画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)に対して、画像データ送信要求信号を送信し(ステップS652)、処理をステップS654に移行する。ここでステップS654〜S656までの処理は、図19におけるステップS606〜S608までの処理と同一であるため、説明を省略する。
【0190】
ステップS656の処理を終了すると、制御部108は、画像属性情報管理テーブルに管理されている画像データの階層レベルを全て参照したか否かを判定する(ステップS657)。この処理において、全ての画像データの階層レベルを参照したと判定しないとき(ステップS657:No)、制御部108は、処理をステップS651に移行する。一方、ステップS657において、全ての画像データの階層レベルを参照したと判定すると(ステップS657:Yes)、制御部108は、処理を図19のステップS612に移行する。
【0191】
また、本実施形態においては、端末装置2の画像データ処理において、端末装置2の制御部208は、画像投影装置1から送信される画像データの送信要求に基づいて画像データの送信を行うこととしているが、各端末装置2の仮想表示領域45にある複数の画像のうち、最前面に表示されている画像の画像データのみを画像投影装置1に送信することとしてもよい。
【0192】
すなわち、図32に示すように、画像データ送信処理を開始すると、端末装置2の制御部208は、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1470)。この処理において、一定時間が経過したと判定すると(ステップS1470:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45にある複数の画像のうち、最前面にある画像のみをキャプチャする(ステップS1471)。次に、制御部208は、キャプチャした画像データを圧縮し(ステップS1472)、圧縮した画像データを画像投影装置1に通信経路3を介して送信する(ステップS1473)。そして、ステップS1473の処理を終了したとき、或いは、ステップS1470において一定時間が経過したと判定しないとき(ステップS1470:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本実施形態における画像投影システムの全体的なシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置の概略構成図である。
【図3】本実施形態における画像投影システムに用いられる端末装置の概略構成図である。
【図4】本実施形態の画像投影システムにおける接続動作の一例を示すシーケンス図である
【図5】本実施形態の画像投影システムにおける投影動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態の画像投影システムにおける編集動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態における画像投影装置の構成図である。
【図8】本実施形態における画像投影装置に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施形態における画像投影装置の投影領域に規定された座標を説明するための図である。
【図10】本実施形態における画像投影装置に記憶される接続情報管理テーブルの一例である。
【図11】本実施形態における画像投影装置に記憶されるポインタ情報管理テーブルの一例である。
【図12−a】本実施形態における画像投影装置の画像処理の一例を示す図である。
【図12−b】本実施形態における画像投影装置の画像処理の一例を示す図である。
【図13】本実施形態における端末装置の構成図である。
【図14】本実施形態における画像投影装置のメイン処理フローチャートである。
【図15】本実施形態における画像投影装置の接続処理フローチャートである。
【図16】本実施形態における画像投影装置の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【図17】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理フローチャートである。
【図18】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理において算出される各画像データの表示領域の概略図である。
【図19】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理フローチャートである。
【図20】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理において、画像データの表示領域が矩形領域に分割される際の分割の態様の一例を示した説明図である。
【図21】本実施形態における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図22】本実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図23】本実施形態における端末装置の接続処理フローチャートである。
【図24】本実施形態における端末装置の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【図25】本実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図26】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理フローチャートである。
【図27】本実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図28】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図29】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図30】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理の変形例を示すフローチャートである。
【図31】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理の変形例を示すフローチャートである。
【図32】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図33】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0194】
S 画像投影システム
1 画像投影装置
2 端末装置
3 通信経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像投影システムと、これに用いられる画像投影装置及びプログラムに関するものであり、特に、複数人による共同作業や情報の共有を効率的に行うことのできる画像投影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像投影装置として、例えば、コンピュータ装置等から画像情報を入力して液晶表示素子に当該画像を表示し、この液晶表示素子に光を照射して投影スクリーン上に拡大投影するプロジェクタなどが広く使用されている。
【0003】
この種のプロジェクタは、複数人が参加して行われる会議等において多く使用されており、かかるプロジェクタを用いることにより、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら議論を進めていくことができる。
【0004】
また、一方で、複数の端末装置をネットワークなどの通信経路で接続することにより、会議等における情報の共有や共同作業を効率的に行うことが多くなされている。例えば、特許文献1には、図33に示すように、サーバと複数の端末装置とにより構成される会議支援システムにおいて、サーバ510が、複数の端末装置520a〜520cから送信された各画像データ530a〜530cを合成し、当該合成した画像データ540を前記複数の端末装置520a〜520cに送信して、当該画像データ540に基づく画像を各端末装置520a〜520cの画面に表示させることにより、各参加者が同一の画像を見ながら議論を行うことができる会議支援システム500が開示されている。
【特許文献1】特開2006−31359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような会議支援システムを構成する端末装置又はサーバにプロジェクタを接続することによって、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら、かつ、必要に応じて各参加者が自分の端末装置の画像の編集を行いながら議論を進めていくことが可能となる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、サーバが、複数の端末装置の夫々に合成した画像情報を送信するため、ネットワークなどの通信経路を介してサーバと接続する端末装置の数が増えた場合、送信する画像情報の情報量が端末装置の数に比例して増加し、通信経路に大きな負荷がかかることとなり、会議等における情報の共有を円滑に行うことができなかった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の発明では、各端末装置が保有する画像の編集は、その画像を生成する端末装置の操作部を操作して行わなければならないため、複数の参加者により行われる共同作業を円滑に行うことはできなかった。
【0008】
そこで、本発明は、ネットワークにかかる負荷を軽減し、画像の編集をその画像を生成する端末装置以外でも可能とすることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことのできる画像投影システムと、これに用いられる画像投影装置及びプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムにおいて、前記画像投影装置は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して取得する画像取得部と、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備え、前記端末装置は、データファイルを記憶する記憶部と、前記データファイルに基づいた画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と、前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じて前記データファイルを編集する編集部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、前記所定表示領域として、前記表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備える
ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像投影装置で投影されている前記端末装置の所定表示領域にある画像を操作するための操作部と、前記操作部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記端末装置は、前記画像投影装置で投影されている画像を指示するための指示部を備え、前記操作命令送信部は、前記指示部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、前記画像投影装置の画像処理部は、前記端末装置から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データと共に合成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の発明において、前記端末装置の制御部は、前記画像生成部によって前記編集後のデータファイルに基づいて前記所定表示領域にある画像データが生成される毎に、前記所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記画像投影装置の画像処理部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、前記画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記画像投影装置の前記画像取得部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データうち、前記画像投影部によって投影される画像の画像データを前記端末装置へ要求し、前記端末装置の所定領域画像送信部は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像のうち前記要求された画像の画像データを前記画像投影装置へ送信することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記端末装置の前記所定領域画像送信部は、前記画像データに加え、この画像データに関連する情報である画像属性情報を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、前記画像投影装置の前記画像取得部は、前記通信経路を介して前記画像属性情報を取得し、前記画像投影装置の前記画像処理部は、前記画像属性情報に基づいて、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成することを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記画像投影装置の前記操作命令処理部は、前記取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、前記画像取得部で取得した前記画像属性情報に基づいて判断することを特徴とする。
【0018】
また、請求項10に記載の発明は、複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備えたことを特徴とする画像投影装置とした。
【0019】
また、請求項11に記載の発明は、アプリケーションプログラムによりデータファイルに基づいて生成される画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための手段、前記操作手段が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じた前記データファイルの編集を前記アプリケーションプログラムに実行させる手段、として機能させることを特徴とするプログラムとした。
【発明の効果】
【0020】
請求項1、10、11に記載の発明によれば、画像投影装置の画像処理部により合成した画像データに基づく画像を、画像投影装置の画像投影部によりスクリーン等の大画面上に投影することにより、各端末装置に合成した画像の画像データを送信する必要がないため、通信経路にかかる負荷を軽減することができ、その結果、多くの端末装置が画像投影装置と接続した場合であっても、複数人による情報の共有を円滑に行うことができる。
【0021】
さらに、画像投影装置は、画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を送信し、この画像操作命令に応じて端末装置がデータファイルを編集することとしたため、画像の編集をその画像を生成する端末装置以外の装置からでも可能になり、複数人による共同作業を円滑に行うことができる。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、端末装置に、表示部の表示領域とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置の利用者は、所定表示領域と所定表示領域以外の領域とを明確に区別することができるため、意図しない画像が投影表示されることを防止することができる。また、表示部の表示領域の画像は画像投影装置で投影表示されないので、この表示部の表示領域を端末装置の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、他の端末装置の所定表示領域にある画像を操作することができ、さらに、当該画像の操作は、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信することによって行われるため、端末装置の利用者は、その端末装置を操作することにより、他の端末装置の画像を操作することができ、その結果、複数人により行われる共同作業を円滑に行うことができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、端末装置の使用者は、画像投影装置によって投影されている領域のうち、自分がどこを指示しているのかを把握することができ、複数人による共同作業を容易に行うことが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、画像投影装置で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、画像投影装置の画像処理部は、各端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを階層レベル順に重畳合成するので、画像投影装置を高解像度化又は高画角化しなくても、その投影表示された画像が見にくくならず、その結果、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、端末装置の所定領域画像送信部は、所定表示領域にある画像の画像データのうち、画像投影装置の画像処理部により複数の画像データと合成された際に、画像投影部によって投影されない部分の画像の画像データを画像投影装置に送信しないため、画像投影装置に余分な画像データが送信されず、送信される画像データのデータサイズを小さくすることができ、その結果、通信経路にかかる負担を軽減させることができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、画像投影装置は、画像属性情報に基づいて画像データの合成を行うことが可能となるため、例えば、画像属性情報を画像の位置及びサイズの情報とすることにより、その情報に基づいて各画像データに配置して投影表示することができる。
【0029】
請求項9に記載の発明によれば、取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、画像属性情報に基づいて判断することとしたため、操作対象の画像の画像データを判断するための情報をその操作毎に各端末装置に対して別途要求する必要がなく、通信経路にかかる負担を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[1.画像投影システムの概要]
以下に、本発明の実施の形態における画像投影システムについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態における画像投影システムの全体的なシステム構成を示す図であり、図2は本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置の概略構成図であり、図3は本実施形態における画像投影システムに用いられる端末装置の概略構成図である。
【0031】
本実施形態にかかる画像投影システムSは、図1に示すように、画像投影装置1と、この画像投影装置1と通信経路3を介して接続された複数の端末装置(ここでは端末装置2a,2b)とにより構成されるものであり、複数の端末装置2a,2bで実行されるアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と呼ぶこともある。)によって生成される画像のうち、各端末装置2a,2bの所定表示領域にある画像の画像データを一つの画像データとして合成するとともに、合成した画像データに基づく画像をスクリーン等の大画面上に投影するシステムである。また、この画像投影システムSは、任意の端末装置又はリモコン装置(図示せず)から画像投影装置1を介して他の端末装置へ、画像投影装置で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を送信することにより、この画像操作命令に基づき、大画面上に投影されている画像のうち、自分の端末装置で実行されているアプリケーションによって生成される画像だけでなく、他の端末装置で実行されているアプリケーションによって生成される画像も編集可能としている。
【0032】
なお、本実施形態においては、画像投影装置1に2台の端末装置が接続されている場合について説明するが、画像投影装置1に接続される端末装置の数はこれに限ったものではない。また、以下において、端末装置2a,2bの任意の一つを表す場合には端末装置2と表現することがある。
【0033】
本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、画像投影装置1は、図2に示すように、画像取得部10と、画像処理部11と、画像投影部12と、操作命令処理部13と、記憶部14とを備えている。また、端末装置2は、図3に示すように、記憶部20と、画像生成部21と、所定領域画像送信部22と、編集部23と、表示部24と、仮想表示領域設定部25と、操作部26と、操作命令送信部27と、指示部28とを備えている。
【0034】
本実施形態にかかる画像投影システムSの全体的な動作は、主に、画像投影装置1と端末装置2との接続を行うための接続動作、各端末装置2から取得した複数の画像データを合成し、この合成した画像データを投影するための投影動作、端末装置2からの要求に応じて任意のデータファイルを編集するための編集動作の順に行われる。以下に、本実施形態にかかる画像投影システムSの全体的な動作の流れの一例を、図4〜6を参照して概略的に説明する。
【0035】
先ず、接続動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の画像投影システムSにおける接続動作の一例を示すシーケンス図である。なお、この動作は、端末装置2a及び端末装置2bにおいてそれぞれ行われるものである。
【0036】
図4に示すように、先ず、端末装置2の使用者が、操作部26を用いて端末装置2に対して起動操作を行うと(ステップS01)、端末装置2は、操作命令送信部27より画像投影装置1に対して接続要求信号を送信する(ステップS02)。次に、画像投影装置1は、接続要求信号を受信すると、複数の端末装置2から取得する画像データの解像度を統一させるため、画像取得部10より端末装置2に対して画像投影装置1で設定されている解像度の情報を送信する(ステップS03)。
【0037】
次に、端末装置2は、受信した解像度の情報に基づき、所定表示領域として仮想表示領域を作成する(ステップS04)。この仮想表示領域は、図1に示すように、端末装置2a,2bでは、それぞれの表示部24の表示領域40a,40bに隣接した仮想的な表示領域45a,45bであり、仮想表示領域設定部25により設定されるものである。以下、表示領域40a,40bの任意の一つを現す場合には表示領域40と表現し、仮想表示領域45a,45bの任意の一つを表す場合には仮想表示領域45と表現することがある。
【0038】
なお、本実施形態では、上記のように仮想表示領域45を所定表示領域として設定しているが、この所定表示領域は、例えば、端末装置2に設けられた表示部24の表示領域の一部に設けてもよい。
【0039】
ステップS04において仮想表示領域45を作成すると、端末装置2は、操作命令送信部27より画像投影装置1に対して起動作業が完了したことを通知する(ステップS05)。そして、当該通知を受信した画像投影装置1が、操作命令処理部13より端末装置2に対して接続が完了したことを通知することにより(ステップS06)、画像投影装置1と端末装置2との接続処理が完了する。
【0040】
次に、投影動作について、図5を用いて説明する。図5は本実施形態の画像投影システムSにおける投影動作の一例を示すシーケンス図である。
【0041】
図5に示すように、使用者Aにより端末装置2aの有するアプリケーションプログラムの実行操作が行われると(ステップS07)、端末装置2aは、操作対象となったアプリケーションプログラムを実行し、このアプリケーションのデータファイルに応じた画像データを生成する(ステップS08)。なお、アプリケーションプログラムの実行操作は、使用者Aが操作部26を用いて行うものである。
【0042】
ここで、データファイルとは、端末装置2の有する表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションにより実行されるアプリケーションの保存データファイルであり、各端末装置2の有する記憶部20に記憶されている。
【0043】
また、このアプリケーションプログラムは、端末装置2において、画像生成部21及び編集部23として機能するものである。すなわち、アプリケーションプログラムは、端末装置2の使用者が操作部26を用いてデータファイルの実行操作を行うと、画像生成部21として、記憶部20に記憶されたデータファイルに基づく画像(例えば、図1において、端末装置2aにより生成された画像30a〜30d、端末装置2bにより生成された画像30e〜30g)のデータを生成する。さらに、端末装置2の使用者が操作部26や指示部28を用いて、画像生成部21により生成した画像データに対して所定の操作を行う等により、アプリケーションプログラムは、編集部23として、当該操作に基づいてデータファイルの編集を行う。
【0044】
このように、端末装置2aは、画像生成部21によりデータファイルに基づく画像データが生成されると、次に、生成した画像データに基づく画像を表示部24により表示する(ステップS09)。
【0045】
また、端末装置2bにおいても、上記ステップS07〜S09までの処理が行われる。ここで、図5においてステップS10〜S12までの処理は、ステップS07〜S09までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0046】
次に、使用者Aの操作により、端末装置2aで実行されているアプリケーションによって生成される画像を仮想表示領域45aに位置させると(ステップS13)、端末装置2aは、仮想表示領域45aにある画像を検出し(ステップS14)、当該検出結果に基づき画像属性情報を更新する(ステップS15)。この画像属性情報とは、仮想表示領域45にある画像に関する情報であり、仮想表示領域45にある各画像を識別するための識別情報(ウィンドウID)の他、当該画像の位置やサイズ等の情報であり、詳しくは後述する。
【0047】
なお、使用者による、表示部24の表示領域40に表示された画像を仮想表示領域45に位置させる操作としては、後述する操作部26を用いて当該画像を仮想表示領域45に移動させる他、表示領域40に表示される画像の所定位置(例えば、キャプションバー)に所定のボタンを設け、使用者が操作部26を用いてこのボタンを押下することにより、当該画像が仮想表示領域45に移動するようにしてもよい。
【0048】
画像属性情報が更新されると、端末装置2aは、画像投影装置1に対して更新された画像属性情報を送信する(ステップS16)。ここで、ステップS14〜S16までの処理は、所定領域画像送信部22により行われるものである。
【0049】
また、端末装置2bにおいても、上記ステップS13〜S16までの処理が行われる。ここで、図5においてステップS17〜S20までの処理は、ステップS13〜S16までの処理と同様であるため、その説明は省略する。
【0050】
次に、画像投影装置1は、各端末装置2から画像属性情報を受信すると、画像属性情報管理テーブルの情報を更新する(ステップS21)。画像属性情報管理テーブルとは、複数の端末装置2から取得した複数の画像データに関する画像属性情報を管理するためのテーブルであり、画像投影装置1に設けられた記憶部14の所定の領域に記憶される。ここで、この画像属性情報の受信、及び画像属性情報管理テーブルの更新は、画像取得部10により行われるものである。
【0051】
次に、画像投影装置1は、画像属性情報管理テーブルの情報に基づいて端末装置2a、2bに対して画像データ要求情報を送信する(ステップS22、S23)。この画像データ要求情報とは、仮想表示領域45にある画像の画像データのうち、画像投影装置1の画像投影部12によって投影される画像の画像データを端末装置2に要求するものである。すなわち、仮想表示領域45bにある画像が画像投影装置1の画像処理部11によって他の画像と重畳合成された際に、他の画像に隠れない部分(画像として視認できる部分)の画像の画像データのみを送信するよう指示するものである。画像投影装置1は、この画像データ要求情報を画像取得部10より送信する。
【0052】
そして、各端末装置2a,2bは、この画像データ要求情報に基づいて、仮想表示領域45a,45bにある画像の一部又は全部の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1に送信する(ステップS24、S25)。かかる画像データの送信は、所定領域画像送信部22により行われるものである。
【0053】
最後に、画像データを受信した画像投影装置1は、各端末装置2a,2bから取得した画像データを画像属性情報管理テーブルの情報に基づいて合成し、さらに、この合成した画像データに基づいた画像(以下、「合成画像」と称することもある)を画像投影部12により投影する(ステップS26)。ここで、各端末装置2a,2bから取得した画像データの合成は、画像処理部11により行われるものである。
【0054】
すなわち、例えば、図1に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aに画像30c、画像30dが位置しており、端末装置2bの仮想表示領域45bに画像30f、画像30gが位置している場合、画像投影装置1は、画像取得部10により、端末装置2aから取得した画像30c,画像30dの画像データと端末装置2bから取得した画像30f,画像30gの画像データとを取得し、さらに、画像処理部11によりこれらの画像データを合成し、合成した画像データに基づく合成画像50を画像投影部12により投影する。なお、画像30cは、仮想表示領域45a及びこの仮想表示領域45a以外の領域40aの両方の領域に亘って位置しているが、この場合、画像投影装置1は、画像30cのうち、仮想表示領域45aに位置している部分の画像の画像データのみを取得する。
【0055】
このように、画像投影装置の画像処理部により合成した画像データに基づく画像を、画像投影装置の画像投影部によりスクリーン等の大画面上に投影することにより、各端末装置に合成した画像の画像データを送信する必要がないため、通信経路にかかる負荷を軽減することができ、その結果、多くの端末装置が画像投影装置と接続した場合であっても、上記複数人による情報の共有を円滑に行うことができる。
【0056】
また、本実施形態にかかる端末装置2では、仮想表示領域45にある画像の画像データの全てを送信するのではなく、画像投影装置1の画像処理部11によって、他の端末装置2の画像データと合成されたときに、当該他の画像データによって隠れる部分の画像データは送信しないようにしている。すなわち、例えば、図1に示すように、端末装置2aの有する画像30c,30dの画像データと端末装置2b有する画像30f、30gの画像データとを合成することにより生成された合成画像50が投影領域60に投影されている場合、画像30dは画像30f及び画像30gにより隠れて投影されていない部分があるため、端末装置2bの所定領域画像送信部22は、画像30dの画像データのうち、合成することより画像30f、画像30gにより隠れることとなる部分の画像の画像データは送信せず、画像投影装置1の投影領域60に投影されることとなる部分の画像の画像データのみを画像投影装置1に送信することとしている。
【0057】
このように、端末装置2の所定領域画像送信部22は、仮想表示領域45にある画像の画像データのうち、画像投影装置1の画像処理部11により複数の画像データと合成された際に、画像投影部12によって投影されない部分の画像の画像データを画像投影装置1に送信しないため、画像投影装置1に余分な画像データが送信されず、送信される画像データのデータサイズを小さくすることができ、その結果、通信経路3にかかる負担を軽減させることができる。
【0058】
また、上記のように、本実施形態における画像投影システムSでは、端末装置2の所定領域画像送信部22は、画像データに関連する情報である画像属性情報を通信経路3を介して画像投影装置1へ送信し、画像投影装置1の画像取得部10は、通信経路3を介して画像属性情報を取得し、画像投影装置1の画像処理部11は、画像属性情報に基づいて、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成することとしている。かかる構成とすることにより、画像投影装置1は、画像属性情報に基づいて画像データの合成を行うことが可能となるため、例えば、画像属性情報を画像の位置及びサイズの情報とすることにより、その情報に基づいて各画像データに配置して投影表示することができる。
【0059】
なお、本実施形態において、端末装置2の制御部は、画像生成部によって編集後のデータファイルに基づいて仮想表示領域45にある画像データが生成される毎に、仮想表示領域45にある画像の画像データを画像投影装置1へ送信することとしている。
【0060】
すなわち、図5に示すように、ステップS15において画像属性情報の更新がなされる毎に、更新された画像属性情報を画像投影装置1に送信することで、端末装置2の使用者が所定の操作を行ってから、ステップS24において画像データを画像投影装置1に送信するまでの処理をスムーズに行うことできる。換言すれば、画像投影装置1で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、端末装置2に、表示部24の表示領域40とは別個に所定表示領域としての仮想表示領域45を設けることにより、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことができる。例えば、端末装置2の利用者は、所定表示領域と所定表示領域以外の領域とを明確に区別することができるため、意図しない画像が投影表示されることを防止することができる。また、表示部24の表示領域40の画像は画像投影装置1で投影表示されないので、この表示部24の表示領域40を端末装置2の利用者だけの作業スペースとして利用することができる。
【0062】
ところで、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、端末装置2からの要求に応じて任意のデータファイルを編集することを可能としている。すなわち、本実施形態において、画像投影装置1は、画像投影部12で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を他の端末装置などから取得したとき、操作命令処理部13により、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像送信情報を送信し、端末装置2は、画像操作命令を受信したとき、編集部23によりこの画像操作命令に応じてデータファイルを編集することとしている。
【0063】
以下、この編集動作について、図6を用いてさらに詳細に説明する。図6は、本実施形態の画像投影システムSにおける編集動作の一例を示すシーケンス図である。
【0064】
図6に示すように、端末装置2aの使用者Aにより、画像投影装置1で投影されている画像50のうち、端末装置2bの仮想表示領域45bにある画像に対して所定の操作入力(例えば、画像の移動)が行われると(ステップS27)、端末装置2aは、当該操作に基づく画像操作命令を取得する(ステップS28)。ここで、画像投影装置1で投影されている、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の操作は、使用者が操作部26や指示部28を用いて行うものである。
【0065】
次に、端末装置2aは、使用者Aによる当該操作が端末装置2aで実行されるのを防ぐため、当該画像操作入力を破棄し(ステップS29)、画像操作命令を通信経路3を介して画像投影装置1に送信する(ステップS30)。ここで、画像操作入力の破棄、及び画像操作命令の送信は、端末装置2の操作命令送信部27により行われるものである。
【0066】
次に、端末装置2aから画像操作命令を受信すると、画像投影装置1は操作命令処理部13により、この画像操作命令を、送信すべき端末装置2毎に当該画像操作命令を振り分ける処理を行う(ステップS31)。ここでは、この画像操作命令は、端末装置2bに送信されるように振り分けられる。
【0067】
また、画像投影装置1は、受信した画像操作命令、及び画像取得部10で取得した画像属性情報に基づいて、各端末装置2の仮想表示領域45にある各画像に割り当てられている階層レベルを更新する(ステップS32)。すなわち、画像投影装置1は、画像操作命令及び画像属性情報により、どの画像が操作されたのかを判定し、画像属性情報管理テーブルに管理されている当該画像の階層レベルを最上層に設定するとともに、他の画像の階層レベルを順次繰り下げる処理を行う。ここで、この階層レベルの更新は、画像処理部11により行われるものである。
【0068】
このように、本実施形態においては、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うこととしている。
【0069】
すなわち、図1に示すように、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像30c、30d、30f、30gにそれぞれ階層レベルを割り当て、下層から、画像30c→画像30d→画像30g→画像30fの順に重畳合成し、当該合成した画像データに基づいた画像(合成画像50)を投影する。
【0070】
かかる構成とすることにより、画像投影装置1の画像処理部11は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを階層レベル順に重畳合成するので、画像投影装置1を高解像度化又は高画角化しなくても、その投影表示された画像が見にくくならず、その結果、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0071】
そして、画像投影装置1は操作命令処理部13により、ステップS30で端末装置2aから受信した画像操作命令を通信経路3を介して端末装置2bに送信し(ステップS33)、当該画像操作命令を受信した端末装置2bは、この画像操作命令に基づく操作入力を再生して(ステップS34)、この再生した操作入力に応じて、アプリケーションは編集部として実行中のデータファイルの編集を行う(ステップS35)。
【0072】
このように、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、画像投影装置1は、画像投影部12で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を通信経路3を介して送信し、端末装置2は、画像投影装置1から画像操作命令を通信経路3を介して受信したとき、この画像操作命令に応じてデータファイルを編集することとしたため、自分の端末装置2が有する画像のみならず、他の端末装置2から送信された画像の編集を行うことができ、複数人による共同作業を円滑に行うことができる。
【0073】
なお、本実施形態にかかる画像投影システムSにおいて、端末装置2は、画像投影装置1で投影されている画像を指示するための指示部28を備え、操作命令送信部27は、指示部28が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を画像投影装置1へ送信し、画像投影装置1の画像処理部11は、端末装置2から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成することとしている。
【0074】
すなわち、例えば、図1に示すように、画像投影装置1で投影されている画像として、各端末装置2から取得した画像データに基づく合成画像50の他、画像指示命令に基づくポインタ画像P1,P2を投影する。
【0075】
かかる構成とすることにより、端末装置2の使用者が、画像投影装置1によって投影されている領域のうちどこを指示しているのかを把握させることができる。
【0076】
[2.画像投影システムの具体的構成]
(画像投影装置1の構成について)
次に、画像投影装置1の構成について説明する。図7は本実施形態における画像投影装置1の構成図であり、図8は本実施形態における画像投影装置1に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図であり、図9は本実施形態における画像投影装置1の投影領域60に規定された座標を説明するための図であり、図10は本実施形態における画像投影装置1に記憶される接続情報管理テーブルの一例であり、図11は本実施形態における画像投影装置1に記憶されるポインタ情報管理テーブルの一例であり、図12は本実施形態における画像投影装置1の画像処理の一例を示す図である。
【0077】
画像投影装置1は、図7に示すように、各種操作を行うための操作パネル101と、設定情報やデータファイルなどを保持するための不揮発性メモリである記憶部102と、端末装置2と通信するためのインターフェイス104と、外部から映像信号を入力する映像信号入力回路105と、映像信号入力回路105を介して入力される映像信号やインターフェイス104を介して取得した画像データに所定の処理を施す画像処理回路106と、この画像処理回路106から出力される画像信号に基づいた画像を投影する画像投影部107と、画像投影装置1全体を制御する制御部108とを備えており、これらはハウジングに内蔵される。
【0078】
操作パネル101は、画像投影装置1において使用者が操作パネル101を操作することによって、その操作内容に応じた制御を制御部108が実行する。
【0079】
記憶部102は、フラッシュメモリ(flash memory)などから構成され、画像投影装置1に設定されている解像度の情報、ポインタ画像の画像データ、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを記憶する他、当該画像の位置情報、サイズ情報等を管理する画像属性情報管理テーブルを記憶する画像属性情報記憶領域110、画像投影装置1に接続している端末装置2の接続状況を管理する接続情報管理テーブルを記憶する接続情報記憶領域111、ポインタの位置情報等を記憶するポインタ情報管理テーブルを記憶するポインタ情報記憶領域112を有する。
【0080】
インターフェイス104は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部108によって用いられる。なお、インターフェイス104としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0081】
映像信号入力回路105は、コンポジット映像信号(例えばNTSC映像信号)やコンポーネント映像信号(例えばRGB信号)などの映像信号を入力する。
【0082】
画像処理回路106は、制御部108による制御に基づいて、映像信号入力回路105に入力された映像信号或いはインターフェイス104を介して取得した画像データに対して、複数の画像データの合成等の加工を行う。このように加工されて生成された画像信号は、画像投影部107に入力される。
【0083】
画像投影部107は、ランプ駆動回路120と、光源121と、照明光学系122と、透過型液晶パネル123(以下、「LCD123」とする。)と、結像光学系124と、LCD駆動回路125と、ピント調整回路126とを備えている。
【0084】
光源121は、ランプなどから構成され、制御部108によって制御されたランプ駆動回路120から出力される信号に基づいて、点灯駆動されて発光する。光源121で発光された光は、照明光学系122によって、照明光としてLCD123に照射される。
【0085】
LCD123は、LCD駆動回路125によって駆動され、その表示面に映像を表示する。このように表示された映像は、照明光学系122からの照明光によって、光としてLCD123から出射される。続いて、この出射光は、結像光学系124及びハウジングの投影用開口部(図示せず)を通って、スクリーン(投射面)に投影される。このように、LCD123に表示される画像がスクリーンに投影される構成となっている。なお、ピント調整回路126によって、スクリーンに投影する画像のピントを調整することができる。
【0086】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがROMに予め格納されたプログラムを読み出して実行することによって、画像投影装置1を、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを取得する画像取得部、端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する画像処理部、画像投影部107で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信する操作命令処理部等として機能させる。
【0087】
制御部108は画像取得部として、インターフェイス104を介して端末装置2から、当該端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ或いは画像操作命令を取得する。なお、画像操作命令は、図示しないリモコン装置から取得することもできる。
【0088】
また、制御部108は、画像処理回路106と共に画像処理部として機能することにより、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する。この画像処理部による画像データの合成は、記憶部102に記憶された画像属性情報管理テーブル、及び接続情報管理テーブルに基づいて実行される。
【0089】
ここで、画像属性情報管理テーブルについて、図8を参照して説明する。
【0090】
図8に示すように、画像属性情報管理テーブルには、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像を送信した端末装置2(オーナーPC)の名称、当該画像を表示すべき位置及びサイズに関する情報、画像データのファイル名に関する情報、及び画像処理部により複数の画像データを合成する際に、各画像データを重ね合わせる順番(階層レベル)に関する情報が、当該画像を識別するための情報(ウィンドウID)と関連付けて記憶されている。
【0091】
各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の位置及びサイズに関する情報は、画像投影装置1で投影される投影領域60に規定されている座標により表される。すなわち、本実施形態における画像投影装置1は、図9に示すように、投影領域60の縦方向をX方向、横方向をY方向とし、その左上部の頂点を原点として規定している。そして、画像の位置情報は、仮想表示領域45にある各画像の左上部の頂点の座標の情報であり、画像のサイズ情報は、当該画像の幅(W)及び高さ(H)を座標の数値で表した情報であって、この位置情報とサイズ情報とにより、仮想表示領域45にある画像を画像投影装置1で投影される投影領域60のどの位置にどのサイズで投影するかを決定することができる。例えば、図9において、画像30fは、その左上部の頂点が座標(400,30)の位置となり、画像のサイズは、幅(W)が460、高さ(H)が310となる。
【0092】
また、画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)の名称は、図10に示す接続情報管理テーブルと関連付けられている。この接続情報管理テーブルには、図10に示すように、画像投影装置1に接続している端末装置2の名称が、接続状況(画像投影装置1と接続中か非接続中かの別)及び各端末装置2に割り振られたIPアドレスと関連付けられて記憶されている。
【0093】
また、制御部108は、画像処理部として、端末装置2の操作命令送信部により送信された画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成する。ここで、このポインタ画像の合成は、ポインタ情報管理テーブルの情報に基づき実行されるものである。
【0094】
ポインタ情報管理テーブルは、図11(a)に示すように、画像投影装置1に接続されている端末装置2に割り当てられるポインタ画像の画像ファイル名、及び画像投影装置1で投影される投影領域60におけるポインタ画像の位置情報が、端末装置2の名称と関連付けられて記憶されている。なお、図11(b)は、画像投影装置1に接続している端末装置2cの操作部、或いは指示部が仮想表示領域45にない場合(表示部による表示領域40にある場合)のポインタ情報管理テーブルの一例である。
【0095】
ここで、本実施形態では、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うこととしている。すなわち、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する際、画像属性情報管理テーブルに記憶されている階層レベルの情報を参照し、この階層レベルが高い順に画像を重ね合わせて出来たような画像の画像データを生成する。
【0096】
例えば、図12(a)の右図における各端末装置2a〜2dの各仮想表示領域45a〜45dにある画像30c,30d,30f〜kが、下層から上層まで順に画像30c,30d,30h,30i,30k,30j,30g,30fの階層レベルであるときには、図12(a)の左図に示すように、投影領域60にこれらの画像がこの図に示すように重ね合わされて表示される。
【0097】
なお、画像処理部による複数の画像データの合成方法としては、上述のように、投影領域60全体に各端末装置2から取得した画像データを重ね合わせて表示させる方法の他、図12(b)に示すように、投影領域60を端末装置2ごとに分割して表示することとしてもよい。かかる構成とすることにより、端末装置2の使用者は、画像投影装置1で投影されている画像がどの端末装置2から取得されたものであるかを容易に把握することができるため、複数人で行う共同作業等を効率よく行うことができる。
【0098】
また、制御部108は、インターフェイス104と共に操作命令処理部として機能することにより、画像投影部107で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信する。
【0099】
ここで、本実施形態においては、画像操作命令を端末装置2へ送信する際、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データ、及び当該画像操作命令を送信すべき端末装置2を、画像取得部で取得した画像属性情報に基づいて判断することとしている。
【0100】
かかる構成とすることにより、操作対象の画像の画像データを判断するための情報をその操作毎に各端末装置2に対して別途要求する必要がなく、通信経路3にかかる負担を軽減させることができる。
【0101】
(端末装置2の構成について)
次に、端末装置2の構成について説明する。図13は、本実施形態における端末装置2の構成図である。
【0102】
本実施形態における端末装置2は、一般のパーソナルコンピュータ或いは専用端末を適用することができ、図13に示すように、表示部であるLCD200、LCD200を駆動するためのグラフィックスコントローラ201と、各種データ等を記憶するハードディスク装置202と、通信経路3を介して画像投影装置1との間で通信を行うためのインターフェイス203と、USBデバイスとデータの入出力を行うためのUSBバスコントローラ204、これに接続する接続ポートとしてのUSBコネクタ205と、使用者の操作により所定の情報を入力可能なキーボード206及びマウス207(指示部、操作部に相当)と、端末装置2全体を制御する制御部208とを備えて構成され、これらの各種要素は第1のバス209、第2のバス210を介して相互に接続される。なお、図中、211は、第1のバス209と第2のバス210との間のデータの授受を行うためのバスコントローラである。
【0103】
ハードディスク装置202は、記憶部として機能するものであり、このハードディスク装置202には、端末装置2のオペレーティングシステム(OS)プログラム、文書作成ソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションプログラムの他、このアプリケーションプログラムにより作製されるデータファイルが格納されている。また、上記アプリケーションプログラムとは別に、本実施形態における画像投影システムS用の処理プログラムとしての画像共有プログラムが格納されている。
【0104】
なお、この画像共有プログラムは、例えば、通信経路3に接続されたサーバ(図示せず)から、インターフェイス203を介して、制御部208のハードディスク装置202にダウンロードされるようにしてもよく、又CD−ROM等の記録媒体に記録されてから記録媒体ドライブ(図示せず)を介して、制御部208のハードディスク装置202に読み込まれるようにしてもよい。
【0105】
インターフェイス203は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部208によって用いられる。なお、インターフェイス203としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0106】
制御部208は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがハードディスク装置202に格納された画像共有プログラムを読み出して実行することによって、端末装置2を、所定領域画像送信部、仮想表示領域設定部、操作命令送信部として機能させる。
【0107】
また、制御部208は、CPUがハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを読み出して実行することによって、画像生成部、編集部として機能させる。
【0108】
制御部208のCPUは、ハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを実行して画像生成部として機能し、データファイルに基づいた画像データを生成する。生成された画像データは、表示部としてのLCD200及びグラフィックスコントローラ201によって、当該画像データに基づく画像としてLCD200に表示される。
【0109】
制御部208は、インターフェイス203と共に所定領域画像送信部として機能することによって、画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が仮想表示領域45にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを通信経路3を介して画像投影装置1へ送信する。ここで、本実施形態における所定表示領域は、表示部の表示領域40に隣接するように設定された仮想表示領域45であり、この仮想表示領域45は、制御部208のCPUがハードディスク装置202に記憶された画像共有プログラムを実行して仮想表示領域設定部として機能することで設定される。
【0110】
ここで、本実施形態にかかる画像投影システムSでは、画像生成部によって編集後のデータファイルに基づいて仮想表示領域45にある画像データが生成される毎に、仮想表示領域45にある画像の画像データを画像投影装置1へ送信することとしている。
【0111】
かかる構成とすることにより、画像投影装置1で投影されている画像をリアルタイムで更新することができるため、複数人による情報の共有や共同作業を円滑に行うことが可能となる。
【0112】
なお、この画像データを送信する場合は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャして得られるBMP(Bit Map)データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)データに変換する。このように、画像投影装置1に送信する画像データを圧縮することにより、通信経路3への負荷を軽減させることができる。
【0113】
また、制御部208は、編集部として機能することにより、画像投影装置1から画像操作命令を通信経路3を介して受信したとき、この画像操作命令から操作入力を再生し、この操作入力に応じてデータファイルを編集する。この画像操作命令の受信は、インターフェイス203により行われる。
【0114】
また、制御部208は、インターフェイス203と共に操作命令送信部として機能することにより、ポインタが仮想表示領域45に位置している場合に、キーボード206又はマウス207により所定の操作/指示が行われると、その操作/指示に応じた画像操作命令を画像投影装置1へ送信する。この際、上記操作/指示が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、制御部208は、操作入力情報、或いは指示情報を破棄した後に当該画像操作命令を画像投影装置1に送信する。なお、ここで「操作」とは、自装置又は他の端末装置のアプリケーションで実行中のデータファイルを編集するための命令であり、「指示」とは、画像投影装置1が投影している画像を指し示すポインタ画像を表示又はその移動のための命令である。
【0115】
このようにキーボード206やマウス207を操作部として用いることにより、画像投影装置1で投影されている他の端末装置2の仮想表示領域45にある画像を操作、編集することができ、また、マウス207を指示部として用いることにより、さらに、端末装置2の使用者が、画像投影装置1によって投影されている領域のうちどこを指示しているのかを把握させることができる。さらに、当該画像の操作、指示は、操作対象の画像の画像データを送信した端末装置へ画像操作命令を送信することによって行われるため、通信経路3に大きな負荷をかけることなく画像の操作を行うことができる。
【0116】
(画像投影装置の具体的動作について)
次に、画像投影装置1の具体的動作の一例について、図14〜図21を参照して説明する。図14は、本実施形態における画像投影装置1のメイン処理フローチャートである。
【0117】
図14に示すように、画像投影装置1の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、画像投影装置1の制御部108は、接続処理を行う(ステップS100)。この接続処理は、画像投影装置1が端末装置2と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図15におけるステップS200〜S205までの処理であり、後述する。
【0118】
次に、制御部108は、端末装置2から画像属性情報を受信したか否かを判定する(ステップS110)。この処理において、端末装置2から画像属性情報を受信したと判定すると(ステップS110:Yes)、制御部108は、画像属性情報更新処理を行う(ステップS120)。この画像属性情報更新処理は、端末装置2から送信される情報に応じて画像属性情報管理テーブルの更新等を行うものである。この処理は、図16におけるステップS300〜S308までの処理であり、後述する。
【0119】
ステップS120の画像属性情報更新処理を終了すると、制御部108は、表示領域算出処理を行う(ステップS130)。この表示領域算出処理は、画像投影装置1で投影される各画像の、投影領域60における表示領域を算出するものである。この処理は、図17におけるステップS400〜403までの処理であり、後述する。
【0120】
また、ステップS110において、端末装置2から画像属性情報を受信していないとき(ステップS110:No)、制御部108は、ポインタ情報を受信したか否かを判定する(ステップS140)。この処理において、ポインタ情報を受信したと判定すると(ステップS140:Yes)、制御部108は、ポインタ情報更新処理として、端末装置2から送信されるポインタ情報に基づいてポインタ情報管理テーブルの更新を行う(ステップS150)。
【0121】
ステップS130、ステップS150の処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を行う(ステップS160)。この画像投影処理は、複数の端末装置2から取得した画像データ、及びポインタ画像の合成を行うものである。この処理は、図19におけるステップS600〜S612までの処理であり、後述する。
【0122】
次に、制御部108は、端末装置2から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS170)。この処理において、端末装置2から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS170:Yes)、制御部108は、操作命令振り分け処理を行う(ステップS180)。この操作命令振り分け処理は、端末装置2から受信した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信するものである。この処理は、図20におけるステップS700〜S702までの処理であり、後述する。
【0123】
ステップS180の処理を終了したとき、或いはステップS170において、端末装置2から画像操作命令を受信していないとき(ステップS170:No)、制御部108は、電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS190)、電源がOFFされていないとき(ステップS190:No)、処理をステップS100に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS190:Yes)、制御部108は、メイン処理を終了する。
【0124】
次に、ステップS100における接続処理について、図15を参照して具体的に説明する。図15は、本実施形態における画像投影装置1の接続処理フローチャートである。
【0125】
図15に示すように、接続処理を開始すると、画像投影装置1の制御部108は、端末装置2から接続要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS200)。この処理において、端末装置2から接続要求信号を受信したと判定すると(ステップS200:Yes)、当該接続要求信号を送信した端末装置2に対して、画像投影装置1の記憶部102に記憶されている解像度の情報を通知する(ステップS201)。これにより、各端末装置2の仮想表示領域設定部で作成される仮想表示領域45の解像度を統一させることができ、画像投影装置1で投影される画像の見栄えを良くすることができる。
【0126】
次に、制御部108は、端末装置2から起動完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS202)。この処理において、端末装置2から起動完了通知を受信したと判定すると(ステップS202:Yes)、制御部108は、接続情報管理テーブルを更新する(ステップS203)。すなわち、制御部108は、接続情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2のIPアドレス及び接続状態に関する情報を当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0127】
次に、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルを更新する(ステップS204)。すなわち、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルに、画像投影装置1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2に割り当てられたポインタ画像の画像ファイル名及びポインタの位置情報を、当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。
【0128】
なお、このポインタ情報管理テーブルに端末装置2の情報が新たに追加された場合において、ポインタの位置は、端末装置2の表示部の表示領域40に表示されるため、ポインタ情報管理テーブルの位置情報の欄には、「none」と表示される。また、本実施形態において、各端末装置2に割り当てられるポインタ画像は、ステップS204の処理において自動的に割り当てられるようにしているが、各自に選択させるようにしてもよい。
【0129】
次に、制御部108は、接続処理が完了したことを端末装置2に対して通知する(ステップS205)。この処理が終了したとき、或いはステップS200において、端末装置2から接続要求信号を受信していないとき(ステップS200:No)、制御部108は、接続処理を終了する。
【0130】
次に、ステップS120における画像属性情報更新処理について、図16を用いて具体的に説明する。図16は、本実施形態における画像投影装置1の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【0131】
図16に示すように、画像属性情報更新処理を開始すると、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS300)。この処理において、画像属性情報の新規追加が行われたと判定すると(ステップS300:Yes)、制御部108は、仮想表示領域45に新たに位置することとなった画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルに新たに追加し(ステップS301)、さらに、当該画像の画像データの保存領域を確保する(ステップS302)。
【0132】
ステップS302の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、画像属性情報管理テーブルで管理されている各画像の階層レベルの情報を更新する(ステップS303)。すなわち、制御部108は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像については、現在割り当てられている階層レベルよりも一つ下の階層に順次繰り下げて更新される(例えば、階層レベルが「2」に設定されていた画像は、「3」に更新される)。仮想表示領域45に新たに追加された画像が最前面に表示されるようになるため、複数人による共同作業をスムーズに行うことができる。
【0133】
ステップS300において、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の追加フラグがセットされていないと判定すると(ステップS300:No)、制御部108は、端末装置2から送信される画像属性情報に画像属性情報の削除フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS304)。この処理において、画像属性情報の削除がなされたと判定すると(ステップS304:Yes)、制御部108は、削除対象となっている画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルから削除するとともに(ステップS305)、他の画像の階層レベルを更新する(ステップS306)。
【0134】
ステップS304において、画像属性情報が削除されたと判定しないとき(ステップS304:No)、制御部108は、端末装置2から受信した画像属性情報に基づいて画像属性情報の更新を行う(ステップS307)。そして、ステップS307の処理を終了すると、制御部108は、階層レベル更新処理として、更新した画像属性情報に基づく画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像の階層レベルを順次繰り下げる(ステップS308)。
【0135】
ステップS303、S306、S308の処理が終了したとき、制御部108は、画像属性情報更新処理を終了する。
【0136】
次に、ステップS130における表示領域算出処理について、図17を用いて説明する。図17は、本実施形態における画像投影装置1の表示領域算出処理フローチャートである。
【0137】
図17に示すように、表示領域算出処理を開始すると、制御部108は、ステップS120における画像属性情報更新処理がなされたか否かを判定する(ステップS400)。この処理において、画像属性情報更新処理がなされたと判定すると(ステップS400:Yes)、制御部108は、画像属性情報管理テーブルから各端末装置2の画像属性情報を取得する(ステップS401)。
【0138】
次に、制御部108は、取得した画像属性情報に基づいて、画像投影装置1の投影領域60に表示すべき表示領域を各画像ごとに算出する(ステップS402)。すなわち、本実施形態においては、各端末装置2に画像データの送信を要求する前に、画像投影装置1の投影領域60に表示される各画像の表示領域を算出することとしている。このように、各画像の表示領域を事前に算出することにより、後述する画像投影処理において端末装置2に画像データの送信を要求する際、例えば、図18に示すように、画像30gのうち、各画像を合成した際に投影領域60に表示されない部分35の画像データは送信しないように指示することができるため、余計な画像データを送信することがなく、通信経路3に余分な負担をかけることがない。
【0139】
なお、ステップS402の処理において、表示領域の算出は、階層の低い画像から順次行われる。このようにすることにより、計算量を減らすことができるため、処理速度を上げることができる。
【0140】
次に、制御部108は、全ての画像の表示領域を算出したか否かを判定する(ステップS403)。ここで、本実施形態においては、上述のように、最下層の階層レベルに設定されている画像から順に表示領域の計算をしていくため、上記判定は、最上層の階層レベルに設定されている画像の表示領域の算出が行われたか否かにより判定される。この処理において、全ての画像の表示領域を算出したと判定しないとき(ステップS403:No)、制御部108は、処理をステップS402に移行する。一方、ステップS403において全ての画像の表示領域を算出したと判定したとき(ステップS403:Yes)、或いはステップS400において画像属性情報更新処理がなされたと判定しないとき(ステップS400:No)、制御部108は、表示領域算出処理を終了する。
【0141】
次に、ステップS160における画像投影処理について図19を用いて具体的に説明する。図19は、本実施形態における画像投影装置1の画像投影処理フローチャートである。
【0142】
図19に示すように、画像投影処理を開始すると、制御部108は、ステップS130における表示領域算出処理が行われたか否かを判定する(ステップS600)。この処理において、表示領域算出処理が行われたと判定すると(ステップS600:Yes)、制御部108は、処理をステップS601に移行する。
【0143】
ステップS601において、制御部108は、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れるか否かを判定する。この判定は、ステップS130の表示領域算出処理における算出結果に基づいて行われる。この処理において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定しないとき(ステップS601:Yes)、制御部108は、端末装置2に対して画像データの全てを送信するよう画像送信要求信号を送信する(ステップS602)。
【0144】
一方、ステップS601において、画像投影装置1に投影される画像の一部が隠れると判定すると(ステップS601:No)、制御部108は、表示領域算出処理において算出された結果に基づいて、画像を表示すべき表示領域を複数の矩形領域に分割する(ステップS603)。すなわち、例えば、図20に示すように、画像30gのうち一部の画像35が隠れて表示されない場合、制御部108は、この画像30gのうち画像投影装置1で表示される部分を矩形領域38aと38bとに分割する。そして、制御部108は、端末装置2に対して矩形領域毎に画像データの送信を要求する画像データ要求信号を送信する(ステップS604)。
【0145】
ステップS602、S604の処理が終了すると、制御部108は、端末装置2から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS605)。この処理において、端末装置2から画像データを受信したと判定すると(ステップS605:Yes)、制御部108は、受信した画像データの伸長を行う(ステップS606)。これは、後述するように、端末装置2から送信される画像データは、圧縮された状態で送信されるためである。
【0146】
次に、制御部108は、画像属性情報更新処理において確保した画像データの保存領域に受信した画像データを保存し(ステップS607)、当該画像データを指定された表示領域に貼り付ける(ステップS608)。次に、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの貼り付けが全てなされたか否かを判定する(ステップS609)。この処理において、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定すると(ステップS609:Yes)、制御部108は、処理をステップS612に移行し、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定しないとき(ステップS609:No)、処理をステップS601に移行する。すなわち、ステップS601〜S608までの処理は、各画像データごとに行われるものであり、ステップS608において、各画像データを表示領域に貼り付けていくことにより、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの合成が行われる。
【0147】
一方、ステップS600において、表示領域の算出がなされたと判定しないとき(ステップS600:No)、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルが更新されたか否かを判定する(ステップS610)。この処理において、ポインタ情報管理テーブルが更新されたと判定すると(ステップS610:Yes)、制御部108は、更新されたポインタ情報に基づいて、ポインタ画像の画像データを画像投影装置1の投影領域60に投影される画像の画像データと合成し(ステップS611)、処理をステップS612に移行する。
【0148】
ステップS612において、制御部108は、ステップS608の処理において合成された画像データ、或いはステップS611の処理において合成された画像データに基づく画像を画像投影部107より投影する(ステップS612)。ステップS612の処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を終了する。
【0149】
次に、ステップS180における操作命令振り分け処理について、図21を用いて具体的に説明する。図21は、本実施形態における画像投影装置1の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0150】
図21に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、ポインタ情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のポインタの位置情報を取得する(ステップS700)。次に、制御部108は、取得したポインタの位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS701)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS702)。この処理を終了すると、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0151】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図22〜図27を参照して説明する。図22は、本実施形態における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0152】
図22に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS1000)。この接続処理は、画像投影装置1と通信経路3を介して接続するための処理である。この処理は、図23におけるステップS1100〜S1104までの処理であり、後述する。
【0153】
ステップS1000における接続処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1010の画像属性情報送信処理に移行する。この画像属性情報送信処理は、仮想表示領域45にある画像に対してなされた操作に応じて画像属性情報通知データを作成し、この画像属性情報通知データを画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図24におけるステップS1200〜S1209までの処理である、後述する。
【0154】
ステップS1010における画像属性情報送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1020の操作命令送信処理に移行する。この操作命令送信処理は、キーボード206又はマウス207により、画像投影装置1で投影されている画像が操作又は指示されたときに、この操作又は指示に基づく画像操作命令を画像投影装置1に対して送信するものである。この処理は、図25におけるステップS1300〜S1305までの処理である、後述する。
【0155】
ステップS1020における操作命令送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1030の画像データ送信処理に移行する。この画像データ送信処理は、画像投影装置1から送信される画像送信要求に基づいて、画像投影装置1に対して画像データの送信を行うものである。この処理は、図26におけるステップS1400〜S1402までの処理である、後述する。
【0156】
ステップS1030における画像データ送信処理が終了すると、制御部208は、処理をステップS1040の操作命令再生処理に移行する。この操作命令再生処理は、画像投影装置1から送信される画像操作命令に基づいて、仮想表示領域45にある画像のデータファイルの編集を行うものである。この処理は、図27におけるステップS1500〜S1502までの処理である、後述する。
【0157】
ステップS1040における接続処理が終了すると、制御部208は、画像投影装置1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS1050)。この処理において、画像投影装置1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS1050:No)、制御部208は、処理をステップS1010に移行する。一方、画像投影装置1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS1050:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0158】
次に、ステップS1000における接続処理について、図23を用いて具体的に説明する。図23は、本実施形態における端末装置2の接続処理フローチャートである。
【0159】
図23に示すように、接続処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1に対して接続要求信号を送信する(ステップS1100)。
【0160】
次に、制御部208は、画像投影装置1から解像度の情報を受信したか否かを判定する(ステップS1101)。この処理において、画像投影装置1から解像度の情報を受信したと判定すると(ステップS1101:Yes)、制御部208は、LCD200による表示領域に隣接した仮想表示領域45を作成する(ステップS1102)。この際、作成される仮想表示領域45の解像度は、ステップS1101で画像投影装置1から受信した解像度の情報に基づき設定される。
【0161】
ステップS1102の処理が終了すると、制御部208は、起動準備が完了したことを画像投影装置1に通知する(ステップS1103)。そして、制御部208は、画像投影装置1から接続完了通知を受信したか否かを判定し(ステップS1104)、画像投影装置1から接続完了通知を通知したと判定すると(ステップS1104:Yes)、制御部208は、接続処理を終了する。
【0162】
次に、ステップS1010における画像属性情報送信処理について、図24を用いて具体的に説明する。図24は、本実施形態における端末装置2の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【0163】
図24に示すように、画像属性情報送信処理を開始すると、制御部208は、仮想表示領域45に画像が追加されたか否かを判定する(ステップS1200)。この判定は、使用者がマウス207を用いて、LCD200の表示領域にある画像に対して所定の操作がなされたか否かにより判定される。ここで、所定の操作とは、LCD200の表示領域にある画像を仮想表示領域45に移動させる、或いは当該画像に設けられている所定のボタンを押下することにより行われる。この処理において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定すると(ステップS1200:Yes),制御部208は、処理をステップS1201に移行する。
【0164】
ステップS1201において、制御部208は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の画像属性情報を取得し(ステップS1201)、画像属性情報の追加フラグをセットする(ステップS1202)。
【0165】
ステップS1200において、仮想表示領域45に画像が追加されたと判定しないとき(ステップS1200:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動したか、又は削除されたか否かを判定する(ステップS1203)。この処理において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定すると(ステップS1203:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45から移動又は削除された画像のウィンドウIDを取得し(ステップS1204)、画像属性情報の削除フラグをセットする(ステップS1205)。
【0166】
ステップS1203において、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動した、又は削除されたと判定しないとき(ステップS1203:No)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたか否かを判定する(ステップS1206)。この判定は、仮想表示領域45にある画像の位置やサイズが変更されたか否かにより判定される。この処理において、仮想表示領域45にある画像の画像属性情報が更新されたと判定すると(ステップS1206:Yes)、制御部208は、当該更新された画像属性情報を取得する(ステップS1207)。
【0167】
ステップS1202、S1205、S1207の処理が終了したとき、制御部208は、各処理の結果に応じた画像属性情報通知データを作成し(ステップS1208)、画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1209)。すなわち、仮想表示領域45に新たに画像が追加された場合は、追加された画像の画像属性情報のうち、当該画像のウィンドウID、位置情報、サイズ情報、画像データのファイル名の情報、及び画像属性情報の追加フラグデータを含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動されたとき、或いは削除されたときは、移動、或いは削除された画像のウィンドウID、及び画像属性情報の削除フラグデータを含むウィン情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。また、画像属性情報が更新されたときは、更新された画像の画像属性情報を含む画像属性情報通知データを作成し、画像投影装置1に送信する。
【0168】
ステップS1209の処理が終了したとき、或いはステップS1206において、画像属性情報が更新されたと判定しないとき(ステップS1206:No)、制御部208は、画像属性情報送信処理を終了する。
【0169】
次に、ステップS1020における操作命令送信処理について図25を用いて具体的に説明する。図25は、本実施形態における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0170】
図25に示すように、操作命令送信処理を開始すると、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によって画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS1300)。この処理において、操作入力が行われたと判定すると(ステップS1300:Yes)、制御部208は、この操作入力に基づく操作入力情報を取得とともに(ステップS1301)、当該操作入力に基づく操作が自分の端末装置2で実行されることを防ぐために、操作入力情報を破棄する(ステップS1302)。
【0171】
次に、制御部208は、画像投影装置1の投影領域60に表示されているポインタの位置情報を取得し(ステップS1303)、このポインタの位置情報と操作入力情報とを含む画像操作命令を生成して(ステップS1304)、この画像操作命令を画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1305)。
【0172】
ステップS1305の処理を終了したとき、或いはステップS1300において、画像投影装置1で投影されている画像に対して操作入力が行われたと判定しないとき(ステップS1300:No)、制御部208は、操作命令送信処理を終了する。
【0173】
次に、ステップS1030における画像データ送信処理について、図26を用いて具体的に説明する。図26は、本実施形態における画像データ送信処理フローチャートである。
【0174】
図26に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から仮想表示領域45にある画像の画像データの送信要求があったか否かを判定する(ステップS1400)。この判定は、画像投影装置1から、画像データ送信要求信号を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像データの送信要求があったと判定すると(ステップS1400:Yes)、制御部208は、受信した画像データ送信要求に基づき、仮想表示領域45にある画像の一部又は全部の画像データをキャプチャし、当該キャプチャした画像データをBMP(Bit MaP)形式からJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式に変換することにより当該画像データを圧縮して(ステップS1401)、この圧縮した画像データを画像投影装置1に対して通信経路3を介して送信する(ステップS1402)。ステップS1402の処理を終了したとき、或いはステップS1400において、画像投影装置1から画像データの送信要求があったと判定しないとき(ステップS1400:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0175】
次に、ステップS1040における操作命令再生処理について、図27を用いて具体的に説明する。図27は、本実施形態における端末装置2の操作命令送信処理フローチャートである。
【0176】
図27に示すように、操作命令再生処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS1500)。この処理において、画像投影装置1から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS1500:Yes)、制御部208は、受信した画像操作命令を再生することにより(ステップS1501)、操作の対象となるデータファイルに応じたアプリケーションプログラムに対して、当該画像操作命令に基づく編集操作を実行させる(ステップS1502)。
【0177】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0178】
例えば、本実施形態においては、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像データを画像投影装置1に送信するタイミングは、画像投影装置1により管理されているが、この画像データを送信するタイミングを各端末装置2が管理するようにしてもよい。
【0179】
画像データの送信タイミングを端末装置2が管理する場合、図26に示す端末装置2の画像データ送信処理を、以下のようなに変更すればよい。
【0180】
例えば、端末装置2の制御部208が、仮想表示領域にある画像に変更があったか否かを判定し、変更があった場合にのみ画像データを送信するようにしてもよい。
【0181】
すなわち、図28に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったか否かを判定する(ステップS1460)。この判定は、画像操作命令を受信したか否か、或いは、端末装置2のOSプログラムから再描画メッセージ(例えば、WM_PAINTメッセージ等)を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったと判定すると(ステップS1460:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャする(ステップS1461)。次に、制御部208は、キャプチャした画像データを圧縮し(ステップS1462)、圧縮した画像データを画像投影装置1に通信経路3を介して送信する(ステップS1463)。そして、ステップS1463の処理を終了したとき、或いは、ステップS1460において前回送信した画像データから変更があったと判定しないとき(ステップS1460:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0182】
また、上記変形例において、前回送信した画像データから変更があったときに、画像データの全てを送信するのではなく、前回送信した画像データとの差分の画像データのみを送信するようにしてもよい。
【0183】
すなわち、図29に示すように、画像データ送信処理を開始すると、制御部208は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャする(ステップS1450)。
【0184】
次に、制御部208は、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったか否かを判定する(ステップS1451)。この処理において、画像投影装置1に前回送信した画像データから変更があったと判定すると(ステップS1451:Yes)、制御部208は、前回送信した画像の画像データと今回キャプチャした画像の画像データとの差分を抽出し、差分の画像データを保存する(ステップS1452)。そして、この差分の画像データを圧縮し(ステップS1453)、圧縮した画像データを画像投影装置1に送信する(ステップS1454)。そして、この処理を終了したとき、或いは、ステップS1451において前回送信した画像データから変更があったと判定しないとき(ステップS1451:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【0185】
ここで、上記のように画像データの送信タイミングを端末装置2が管理する場合は、画像投影装置1の画像投影処理におけるステップS601〜S609までの処理を次のように変更するとよい。
【0186】
すなわち、図30に示すように、図19のステップS600において、表示領域が算出されたと判定すると(ステップS600:Yes)画像投影装置1の制御部108は、端末装置2から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS671)。この処理において、端末装置2から画像データを受信したと判定すると(ステップS671:Yes)、処理をステップS672に移行する。ステップS672〜S674までの処理は、図19におけるステップS606〜S608までの処理と同一であるため、説明を省略する。そして、ステップS674の処理を終了したとき、或いはステップS671において、端末装置2から画像データを受信したと判定しないとき(ステップS671:No)、制御部108は、処理をステップS612に移行する。
【0187】
また、図19におけるステップS601〜S609までの処理は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを全てを取得し、各画像データに割り当てられた表示領域に当該画像データを貼り付けるようにしているが、画像投影装置1で投影される際に最前面で表示される画像の画像データのみを取得するようにしてもよい。
【0188】
すなわち、図31に示すように、ステップS600において、表示領域が算出されたと判定すると(ステップS600:Yes)、制御部108は、画像属性情報管理テーブルを参照し、各画像データに割り当てられた階層レベルが「1」であるか否かを判定する(ステップS651)。この処理において、階層レベルが「1」であると判定しないとき(ステップS651:No)、制御部108は、処理をステップS657に移行する。
【0189】
一方、階層レベルが「1」であると判定すると(ステップS651:Yes)、制御部108は、階層レベルが「1」に設定されている画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)に対して、画像データ送信要求信号を送信し(ステップS652)、処理をステップS654に移行する。ここでステップS654〜S656までの処理は、図19におけるステップS606〜S608までの処理と同一であるため、説明を省略する。
【0190】
ステップS656の処理を終了すると、制御部108は、画像属性情報管理テーブルに管理されている画像データの階層レベルを全て参照したか否かを判定する(ステップS657)。この処理において、全ての画像データの階層レベルを参照したと判定しないとき(ステップS657:No)、制御部108は、処理をステップS651に移行する。一方、ステップS657において、全ての画像データの階層レベルを参照したと判定すると(ステップS657:Yes)、制御部108は、処理を図19のステップS612に移行する。
【0191】
また、本実施形態においては、端末装置2の画像データ処理において、端末装置2の制御部208は、画像投影装置1から送信される画像データの送信要求に基づいて画像データの送信を行うこととしているが、各端末装置2の仮想表示領域45にある複数の画像のうち、最前面に表示されている画像の画像データのみを画像投影装置1に送信することとしてもよい。
【0192】
すなわち、図32に示すように、画像データ送信処理を開始すると、端末装置2の制御部208は、一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1470)。この処理において、一定時間が経過したと判定すると(ステップS1470:Yes)、制御部208は、仮想表示領域45にある複数の画像のうち、最前面にある画像のみをキャプチャする(ステップS1471)。次に、制御部208は、キャプチャした画像データを圧縮し(ステップS1472)、圧縮した画像データを画像投影装置1に通信経路3を介して送信する(ステップS1473)。そして、ステップS1473の処理を終了したとき、或いは、ステップS1470において一定時間が経過したと判定しないとき(ステップS1470:No)、制御部208は、画像データ送信処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本実施形態における画像投影システムの全体的なシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態における画像投影システムに用いられる画像投影装置の概略構成図である。
【図3】本実施形態における画像投影システムに用いられる端末装置の概略構成図である。
【図4】本実施形態の画像投影システムにおける接続動作の一例を示すシーケンス図である
【図5】本実施形態の画像投影システムにおける投影動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態の画像投影システムにおける編集動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態における画像投影装置の構成図である。
【図8】本実施形態における画像投影装置に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図9】本実施形態における画像投影装置の投影領域に規定された座標を説明するための図である。
【図10】本実施形態における画像投影装置に記憶される接続情報管理テーブルの一例である。
【図11】本実施形態における画像投影装置に記憶されるポインタ情報管理テーブルの一例である。
【図12−a】本実施形態における画像投影装置の画像処理の一例を示す図である。
【図12−b】本実施形態における画像投影装置の画像処理の一例を示す図である。
【図13】本実施形態における端末装置の構成図である。
【図14】本実施形態における画像投影装置のメイン処理フローチャートである。
【図15】本実施形態における画像投影装置の接続処理フローチャートである。
【図16】本実施形態における画像投影装置の画像属性情報更新処理フローチャートである。
【図17】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理フローチャートである。
【図18】本実施形態における画像投影装置の表示領域算出処理において算出される各画像データの表示領域の概略図である。
【図19】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理フローチャートである。
【図20】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理において、画像データの表示領域が矩形領域に分割される際の分割の態様の一例を示した説明図である。
【図21】本実施形態における画像投影装置の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図22】本実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図23】本実施形態における端末装置の接続処理フローチャートである。
【図24】本実施形態における端末装置の画像属性情報送信処理フローチャートである。
【図25】本実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図26】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理フローチャートである。
【図27】本実施形態における端末装置の操作命令送信処理フローチャートである。
【図28】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図29】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図30】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理の変形例を示すフローチャートである。
【図31】本実施形態における画像投影装置の画像投影処理の変形例を示すフローチャートである。
【図32】本実施形態における端末装置の画像データ送信処理の変形例を示すフローチャートである。
【図33】従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0194】
S 画像投影システム
1 画像投影装置
2 端末装置
3 通信経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムにおいて、
前記画像投影装置は、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して取得する画像取得部と、
前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、
前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備え、
前記端末装置は、
データファイルを記憶する記憶部と、
前記データファイルに基づいた画像データを生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と、
前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じて前記データファイルを編集する編集部と、を備えたことを特徴とする画像投影システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、
前記所定表示領域として、前記表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像投影システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
前記画像投影装置で投影されている前記端末装置の所定表示領域にある画像を操作するための操作部と、
前記操作部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像投影システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記画像投影装置で投影されている画像を指示するための指示部を備え、
前記操作命令送信部は、前記指示部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、
前記画像投影装置の画像処理部は、前記端末装置から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データと共に合成することを特徴とする請求項3に記載の画像投影システム。
【請求項5】
前記端末装置の制御部は、
前記画像生成部によって前記編集後のデータファイルに基づいて前記所定表示領域にある画像データが生成される毎に、前記所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項6】
前記画像投影装置の画像処理部は、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、前記画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項7】
前記画像投影装置の前記画像取得部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データうち、前記画像投影部によって投影される画像の画像データを前記端末装置へ要求し、
前記端末装置の所定領域画像送信部は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像のうち前記要求された画像の画像データを前記画像投影装置へ送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像投影システム。
【請求項8】
前記端末装置の前記所定領域画像送信部は、前記画像データに加え、この画像データに関連する情報である画像属性情報を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、
前記画像投影装置の前記画像取得部は、前記通信経路を介して前記画像属性情報を取得し、
前記画像投影装置の前記画像処理部は、前記画像属性情報に基づいて、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項9】
前記画像投影装置の前記操作命令処理部は、前記取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、前記画像取得部で取得した前記画像属性情報に基づいて判断することを特徴とする請求項8に記載の画像投影システム。
【請求項10】
複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、
前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、
前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備えた
ことを特徴とする画像投影装置。
【請求項11】
コンピュータを、
アプリケーションプログラムによりデータファイルに基づいて生成される画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、
前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための手段、
前記操作手段が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、
前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じた前記データファイルの編集を前記アプリケーションプログラムに実行させる手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置とを備えた画像投影システムにおいて、
前記画像投影装置は、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して取得する画像取得部と、
前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、
前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備え、
前記端末装置は、
データファイルを記憶する記憶部と、
前記データファイルに基づいた画像データを生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する所定領域画像送信部と、
前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じて前記データファイルを編集する編集部と、を備えたことを特徴とする画像投影システム。
【請求項2】
前記端末装置は、
前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像を表示可能な表示部と、
前記所定表示領域として、前記表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像投影システム。
【請求項3】
前記端末装置は、
前記画像投影装置で投影されている前記端末装置の所定表示領域にある画像を操作するための操作部と、
前記操作部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する操作命令送信部と、を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像投影システム。
【請求項4】
前記端末装置は、
前記画像投影装置で投影されている画像を指示するための指示部を備え、
前記操作命令送信部は、前記指示部が所定操作されたときに、その操作に応じた画像指示命令を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、
前記画像投影装置の画像処理部は、前記端末装置から画像指示命令を受信したとき、この画像指示命令に基づいた位置にポインタ画像を、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データと共に合成することを特徴とする請求項3に記載の画像投影システム。
【請求項5】
前記端末装置の制御部は、
前記画像生成部によって前記編集後のデータファイルに基づいて前記所定表示領域にある画像データが生成される毎に、前記所定表示領域にある画像の画像データを前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項6】
前記画像投影装置の画像処理部は、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、前記画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項7】
前記画像投影装置の前記画像取得部は、各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データうち、前記画像投影部によって投影される画像の画像データを前記端末装置へ要求し、
前記端末装置の所定領域画像送信部は、前記画像生成部で生成した画像データに基づく画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像のうち前記要求された画像の画像データを前記画像投影装置へ送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の画像投影システム。
【請求項8】
前記端末装置の前記所定領域画像送信部は、前記画像データに加え、この画像データに関連する情報である画像属性情報を前記通信経路を介して前記画像投影装置へ送信し、
前記画像投影装置の前記画像取得部は、前記通信経路を介して前記画像属性情報を取得し、
前記画像投影装置の前記画像処理部は、前記画像属性情報に基づいて、前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像投影システム。
【請求項9】
前記画像投影装置の前記操作命令処理部は、前記取得した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを、前記画像取得部で取得した前記画像属性情報に基づいて判断することを特徴とする請求項8に記載の画像投影システム。
【請求項10】
複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを通信経路を介して取得し、この画像データに基づいた画像を投影する画像投影装置において、
各前記端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを取得する画像取得部と、
前記複数の端末装置の所定表示領域にある画像の画像データを合成する画像処理部と、
前記画像処理部で合成した画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記画像投影部で投影している画像のうちの所定画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置へ、この画像操作命令を前記通信経路を介して送信する操作命令処理部と、を備えた
ことを特徴とする画像投影装置。
【請求項11】
コンピュータを、
アプリケーションプログラムによりデータファイルに基づいて生成される画像の位置が所定表示領域にあるときに、その画像の一部又は全部の画像データを画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、
前記画像投影装置で投影されている画像を操作するための手段、
前記操作手段が所定操作されたときに、その操作に応じた画像操作命令を前記画像投影装置へ前記通信経路を介して送信する手段、
前記画像投影装置から前記画像操作命令を前記通信経路を介して受信したとき、この画像操作命令に応じた前記データファイルの編集を前記アプリケーションプログラムに実行させる手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−a】
【図12−b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−a】
【図12−b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2009−80663(P2009−80663A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249624(P2007−249624)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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