説明

画像検査方法、画像検査プログラムおよび画像検査装置

【課題】属性データと画像データの関連付けが容易に、かつ誤りなく行われ、作業の効率化を可能とする。
【解決手段】検査対象部位を撮影する撮影装置3と、被検査体6に貼付され、前記被検査体6の情報である属性データを格納するRFIDタグ1と、前記RFIDタグ1に記憶されている前記属性データを読み取るリーダ2と、を含んでなり、画像検査装置(PC)4は、前記リーダ2を介して、前記RFIDタグに格納されている前記属性データを取得し、前記撮影装置3を介して、前記被検査体6の検査を行う箇所である検査対象部位の画像データを取得し、前記取得した属性データと、前記取得した画像データとを対応付けて記憶することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸透探傷試験(Liquid Penetrant Test:PT)、磁紛探傷試験(Magnetic Particle Test:MT)および目視検査(Visual Test:VT)に代表されるような非破壊表面検査における画像検査方法、画像検査プログラムおよび画像検査装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PT、MTおよびVTに代表されるような、非破壊表面検査に関して、検査結果の判定は、通常現品の確認をすることで行われ、検査結果は、認定検査員が各々の産業分野で規定される規格・基準などで定められるクライテリアに従い、規定以上の大きさである欠陥の有無を目視確認の方法で判定し、検査の合否を判断する手順で行われる。
しかしながら、現行の検査手順では、検査員が検査結果を判断した後は、被検査体の観察面は処理されてしまい記録として残されず、ほとんどの場合、良・否などの検査結果のみが検査報告書に記載されることとなる。
【0003】
このような問題を解決するために、昨今では、非破壊表面検査の検査結果の証拠として、被検査体の検査対象部位の画像(主に、静止画像)を取得し、検査記録として保管し、被検査体から離れた場所にいる検査員が、取得した画像を基に検査結果を判定するような検査プロセスに対するニーズが高まりつつある。
【0004】
しかしながら、前記したニーズを満足するためには、発電プラント機器・配管の溶接部の非破壊検査の例でいうと、プラント名称、系統名称、機器・配管固有管理番号、溶接部などの検査対象部の管理番号、検査対象部の設計条件およびプラント運転条件などの被検査体に関する属性データを、該当する画像データに関連付けることが必要である。
このような技術において、画像データを取得後、この画像データを整理する段階で画像データごとに、属性データを関連付けるといった手順が必要である。
【0005】
このような非破壊表面検査における画像データを利用した技術として、以下のような技術が開示されている。すなわち、撮像手段で撮像した画像を基に、撮像手段の色表現および解像度をチェックし、さらにスケールバーを検査対象物に装着して、色表現および解像度をチェックした撮像手段を用いて、検査対象物を撮像する。そして、撮像した結果得られたデジタルデータをPC(Personal Computer)に転送する。そして、転送されたデジタルデータに対し、取得した日時および場所の情報を関連付けて記憶することを特徴とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−75361号公報(請求項1、請求項6および請求項9、段落0054)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、日時および場所の情報を関連付ける具体的な方法に関する記載がない。一般的に、日時および場所の情報を含む属性データは、ユーザによる手入力でPCに入力される。具体的には、予め被検査体の検査対象部位に固有の番号が記載されたテープを巻きつけ、撮影することにより、撮影によって取得した画像データを識別可能な状態にしておく。その後、ユーザが、画像データに撮影されているテープに記載された番号を参照しながら、該当する検査対象部位に関する属性データを入力することによって、属性データが画像データに関連付けられる。
【0007】
このようなユーザの手入力による属性データの入力と、画像データとの関連付けは、作業工数が多くかかる上、誤って別の属性データを画像データに関連付けてしまうおそれがある。
また、撮影時に、毎回被検査体の検査対象部位にテープを巻きつける作業に関しても、作業工程を増大させる要因となるとともに、消耗品であるテープを大量に準備する必要があり、作業の効率化およびコストの点から改善が望まれている。
【0008】
前記課題に鑑みて、本発明は、属性データと画像データの関連付けが容易に、かつ誤りなく行われ、作業の効率化が可能な画像検査方法、画像検査プログラムおよび画像検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題に鑑みて、本発明は、検査対象部位を撮影する撮影装置と、被検査体に貼付され、前記被検査体の情報である属性データを格納するRFIDタグと、前記RFIDタグに記憶されている前記属性データを読み取るリーダと、を含んでなり、前記画像検査装置は、前記リーダを介して、前記RFIDタグに格納されている前記属性データを取得し、前記撮影装置を介して、前記被検査体の検査を行う箇所である検査対象部位の画像データを取得し、前記取得した属性データと、前記取得した画像データとを対応付けて記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、属性データと画像データの関連付けが容易に、かつ誤りなく行われ、作業の効率化が可能な画像検査方法、画像検査プログラムおよび画像検査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
[システム構成]
図1は、本実施形態に係る画像検査システムの構成例を示す図である。
画像検査システムは、検査される対象物である被検査体6と、この被検査体6に貼付され、被検査体6の情報を格納するRFID(Radio Frequency Identification)タグ1、被検査体6において検査の対象となる部位である検査対象部位61に貼付されたRFIDタグ1に記憶されている属性データを読み取って、PC(請求項における画像検査装置)4に送信するリーダ2、検査対象部位61を撮影し、撮影した結果取得された画像データをPC4に送信する撮影装置3、リーダ2から送信された属性データと、撮影装置3から送信された画像データとを関連付ける処理などを行うPC4および被検査体6のCAD(Computer Aided Design)データなどが格納されているデータベース(Database:DB)5を含んで構成される。
【0013】
(リーダの構成)
リーダ2は、RFIDタグ1から、電波によって送信される属性データを受信することによって、属性データを読み取り、この属性データを処理部22に送るデータ読取部23、現在時刻のカウントを行い、時刻の情報である時刻データを処理部22に送るタイマ21、読み取った属性データと時刻データとを関連付けるなどの処理を行う処理部22および時刻データと関連付けられた属性データをPC4に送信する送受信部24を含んで構成される。
【0014】
(撮影装置の構成)
撮影装置3は、撮影を行うことによって検査対象部位61の画像データを取得する画像取得部32、現在時刻のカウントを行い、時刻の情報である時刻データを処理部33に送るタイマ34、取得した画像データと時刻データを関連付けるなどの処理を行う処理部33および時刻データと関連付けられた画像データをPC4に送信する送受信部35を含んで構成される。
また、撮影装置3は、撮影方向が予め設定されている基準座標に対し、水平方向、鉛直方向にどの程度ずれているかを測定する水準器31を設けてもよい。
なお、本実施形態において、撮影装置3は、動画像または静止画像を取得する装置であり、具体的には、例えばデジタルカメラなどである。
【0015】
(PCの構成)
PC4は、リーダ2および撮影装置3から、属性データおよび画像データを受信する送受信部41、DB5から取得したCADデータを基に属性データを生成し、生成した属性データをRFIDタグ1の記憶部111(図2参照)に入力などを行い、さらに受信した画像データに、リーダ2から受信した属性データを付与するなどの処理を行う処理部42(請求項における処理手段および属性データ生成手段)、画像データの補正などの処理を行う画像処理部44、取得した画像データの解像度が目視相当であるか否かを判定する指標であるMTF(Modulation Transfer Function)値を算出するMTF値算出部45、算出されたMTF値を基に、受信した画像データの解像度が目視相当であるか否かを判定するMTF値判定部46および画像データなどを格納する記憶部43を含んで構成される。
リーダ2または撮影装置3と、PC4との接続は、有線でもよいし、無線でもよい。
【0016】
なお、本実施形態では、PC4の処理部42が、CADデータを基に属性データを生成し、RFIDタグ1の記憶部111(図2参照)に生成した属性データを入力する機能を有するとしたが、これに限らず、RFIDタグ入力装置をさらに設け、このRFIDタグ入力装置が属性データの生成およびRFIDタグ1の記憶部111(図2参照)への入力を行ってもよい。
【0017】
[RFIDタグの構成]
図2は、本実施形態に係るRFIDタグの外観を示す図である。
ICチップ11は、アンテナ12とともに柔軟素材の基板上に設置される。アンテナ12は、伸縮型のものを使用し、様々な形状の被検査体表面に固定できるものとする。
ICチップ11には、属性データを記憶する記憶部111、送受信の制御を行う制御部112および属性データをアンテナ12に送ることで、属性データをリーダ2に対して電波として送信する送受信部113が備えられている。
なお、ICチップ11の部分を黒色とすることで、後記するように常にRFIDタグ1の黒色部が撮影範囲の両サイドにくるように調節すれば、複数の画像を撮影する際にも、相互の画像取得倍率が大きく変化することなく撮影できる。
【0018】
[属性データ]
次に、図1を参照しつつ、図3に沿って本実施形態に係る属性データの構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る属性データの構成例を示す図である。
本実施形態では、被検査体6を、原子力プラントにおける配管6とし、当該配管6に関する非破壊表面検査で用いる属性データを想定しているが、これに限らず、他のプラントにおける被検査体6の非破壊表面検査に関する属性データであってもよい。
属性データは、(1)該当する被検査体6が存在する工場施設であるプラントの名称であるプラント名称、(2)プラント内のどの建屋に該当する被検査体6が存在するかを示す建屋名称、(3)配管6の系統の名称である系統名称、(4)配管6の番号であるラインNo.、(5)配管6の口径、(6)配管6の肉厚、(7)配管6の設計温度、(8)配管6の設計圧力、(9)検査番号、(10)配管6の材料などから構成される。
【0019】
[属性データ生成・入力処理]
次に、図1を参照しつつ、図4に沿って本実施形態におけるRFIDタグ1の属性データの入力処理の流れを説明する。
図4は、本実施形態におけるRFIDタグの属性データの入力処理の流れを示す図である。
最初に、PC4の処理部42は、被検査体6に関する3D−CADデータが保持されているDB5を、建屋名称、ラインNO.、検査番号などの情報を基に、検索を行い、格納されている3D−CADデータから、検査対象部位61に関する3D−CADデータを取得する(S101)。
そして、処理部42は、取得した3D−CADデータを基に、属性データを生成する(S102)。
具体的には、例えば3D−CADデータに格納されている各寸法のデータを基に、属性データを生成する。
次に、処理部42は、生成した属性データを、RFIDタグ1の記憶部111に入力し(S103)、RFIDタグ1の記憶部111は、属性データを記憶する(S104)。
【0020】
なお、本実施形態では、属性データは、3D−CADデータから生成するとしたが、これに限らず、2D−CADデータなど、被検査体6に関するデータが格納されているものであればよい。
また、本実施形態では、属性-データの生成と生成した属性データのRFIDタグ1への入力をPC4が行ったが、これに限らず、例えば図示しないRFIDタグ入力装置が、これらの作業を行ってもよい。
【0021】
[全体処理]
次に、図1を参照しつつ、図5Aおよび図5Bに沿って本実施形態における非破壊検査方法の処理の流れを説明する。
図5Aおよび図5Bは、本実施形態における非破壊検査方法の処理の流れを示す図である。
まず、処理に先立ち、属性データを読み取った時刻である読取時刻と、撮影を行った時刻である撮影時刻とを比較し、これらの時刻の相違が予め設定しておいた所定の時間内であれば、画像データに属性データを付与するための時間を、図示しない入力部を介して、PC4に入力しておく。
RFIDタグ1の貼付された被検査体6に対して、例えば、PTの場合は、検査対象部に現像液を吹き付け、適切な現像時間を確保するなど、目視観察の行える状態に準備を整える(S201)。
次に、PC4、撮影装置3およびリーダ2が起動され(S202)、ユーザによって、撮影範囲が指定される(S203)。
【0022】
前記したように、撮影装置3の撮影範囲の指定時に、常にRFIDタグ1の黒色部が撮影範囲の両サイドにくるように調節すれば、複数の画像を撮影する際にも、相互の画像取得倍率が大きく変化することがなく撮影することができる。
また、RFIDタグ1が黒色部を有していない場合は、黒色部を有する耐熱性のシールなどを被検査体6に貼付し、このシールの黒色部が撮影範囲の両サイドにくるように調節してもよい。
【0023】
次に、被検査体6に目視基準ゲージが、ユーザによって配置される(S204)。これは、目視基準ゲージに加工されているラインペア画像を基に、画像データ取得後、解像度評価を実施するための手順である。
【0024】
そして、撮影装置3による撮影と、リーダ2によるRFIDタグ1内の属性データの読み取りとが連動して行われる。
具体的には、検査員Aが、リーダ2を持つことによって検査対象部位61の属性データを取得し、検査員Bは、撮影装置3で検査対象部位61を撮影する。
【0025】
(属性データの読取)
まず、検査員Aは、目的とする検査対象部位61に貼付してあるRFIDタグ1に、リーダ2を近づける。RFIDタグ1からの電波を受信できる距離に、リーダ2がRFIDタグ1に近づくと、リーダ2のデータ読取部23は、RFIDタグ1の記憶部111に格納されている属性データを、RFIDタグ1の制御部112、送受信部113およびアンテナ12を介して読み取る(S205)。
【0026】
RFIDタグ1の電源の入り方と、属性データの送信の方法は、使用しているRFIDタグ1が電池搭載型(アクティブ型)か、電池非搭載型(パッシブ型)かで、以下のように変わる。
アクティブ型のRFIDタグ1である場合、ユーザによって電源をONにされ、その後は常に電波を放射しているため、リーダ2が交信可能範囲内に入ると、自動的にリーダ2が属性データを取得する。そして、ユーザ操作によってRFIDタグ1の電源がOFFになる。
パッシブ型のRFIDタグ1の場合は、リーダ2が交信可能範囲内に入ると、リーダ2からの電波を受信し、この電波のエネルギーによりRFIDタグ1の電源がONになり、RFIDタグ1の送信部が、属性データをリーダ2に対して送信する。そして、リーダ2が、交信可能範囲から外れることで、RFIDタグ1の電源はOFFになる。
【0027】
データ読取部23は、読み取った属性データを処理部22に送り、処理部22は、属性データを取得すると同時に、タイマ21から現在時刻などの時刻データを取得し(S206)、取得した時刻データを属性データに付与する(S207)。
そして、処理部22は、時刻データを付与した属性データを、送受信部24に送り、送受信部24は、PC4に当該属性データを送信する(S208)。
【0028】
(画像データ取得)
RFIDタグ1からの電波をリーダ2が受信できる距離に、リーダ2がRFIDタグ1に近づいたとき、検査員Bによって撮影装置3のシャッタが押されることにより、撮影装置3の画像取得部32は、検査対象部位61の画像データを取得する、すなわち検査対象部位61を撮影する(S209)。
【0029】
この際、撮影装置本体に内蔵された水準器31により、撮影方向が予め設定されている基準座標(3D−CADデータ上のX,Y,Z方向座標軸)に対し、水平方向(X方向、Y方向)、鉛直方向(Z方向)にどの程度ずれているかを検出し、この検出結果をデジタルデータとして取得し、処理部33が、ステップS209で取得した画像データに付与してもよい。
また、撮影に際して、一つの画像内に検査対象部位61全体が入りきらない場合、複数枚に分けて画像を取得してもよい。
【0030】
そして、画像取得部32は、取得した画像データを処理部33に送り、処理部33は、画像データを取得すると同時に、タイマ34から現在時刻などの時刻データを取得し(S210)、取得した時刻データを撮影時刻データとして画像データに付与する(S211)。
次に、処理部33は、時刻データを付与された画像データを送受信部35に送り、送受信部35は、当該画像データをPC4に送信する(S212)。
【0031】
[属性データの付与]
PC4の送受信部41は、属性データと画像データとを受信し(S213)、処理部42に送る。処理部42は、読取時刻と撮影時刻とを基に、画像データに属性データを付与し(S214)、記憶部43に送る。ここで、「読取時刻と撮影時刻とを基に、画像データに属性データを付与する」とは、例えば読取時刻と、撮影時刻とを比較し、これらの時刻の相違が予め設定しておいた、所定の時間内であれば、画像データに属性データを付与し、それ以外なら破棄するなどである。
【0032】
以降の説明は、図5Bを参照して説明する。
記憶部43は、属性データを付与された画像データをユーザの指定する属性データ区分(溶接番号など)毎に分類して記憶する(S215)。
なお、本実施形態では、画像データを記憶部43に記憶させたが、これに限らず、DB5に記憶させてもよい。
なお、ステップS214およびステップS215は、必須ではない。
【0033】
(画像データの補正)
次に、PC4は、画像処理機能を有したソフトウェアを起動することによって、画像処理部44を起動させる。起動した画像処理部44は、記憶部43から属性データを付与された画像データを取得する(S216)。
なお、本実施形態では、属性データを付与された画像データは、一旦記憶部43に記憶されてから、画像処理部44が取得しているが、これに限らず、処理部42から直接属性データを付与された画像データを取得してもよい。
そして、画像処理部44は、画像データの補正を行い(S217)、補正された画像データをMTF値算出部45に送る。
【0034】
具体的には、画像データにおける画像の両サイドに撮影されたRFIDタグ1の黒色部(PC4)、または前記したような黒色部を有する耐熱シールの2つの像を基に、上下左右および回転などの画像のずれが補正される。また、複数枚の画像データを連結させる必要がある場合には、前記黒色部を画像に重ね合わせるための指標として利用してもよい。
【0035】
(解像度判定)
その後、ステップS216で取得した画像データ中の目視基準ゲージのラインペア画像を基に、MTF値算出部45がMTF値を算出する(S218)。ここで、MTF値とは、取得した画像データの解像度が目視相当であるか否かを判定する指標である。
次に、MTF値判定部46が、算出したMTF値が、20%より大きい値であるか否かを判定する(S219)。
MTF値が、20%よりも大きな値であったとき(S219→Yes)、MTF値判定部46によって、ステップS214で属性データを付与された画像データは、解像度が目視相当であると判定され、処理部42が、当該画像データを、検査用の画像データ、すなわち検査対象画像として記憶部43に保存される(S220)。
なお、本実施形態では、画像データを記憶部43に記憶させたが、これに限らず、DB5に記憶させてもよい。
なお、ステップS220の判定において、MTF値が20%以下だった場合(S219→No)、この画像データは、MTF値判定部46によって、検査用の画像データとしては、その解像度が目視相当に満たない不十分なものと判断され、処理部42が、当該画像データを破棄する(S221)。
【0036】
このような手順により記憶された画像データは、遠隔診断検査、検査報告書作成、またはDB5へ送られ、記憶されることで蓄積データとして利用される。
画像データは、ステップS214の処理により属性データを付与されているため、この属性データを基に3D−CADデータと連携することによって、3D−CADデータの検査対象箇所を選択した際に、該当する検査対象画像を表示し、表示される画像によって、検査対象箇所をユーザが確認できる機能などへの有効利用が可能となる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、RFIDタグ1から読み込んだ属性データと画像データの関連付けをPC4にて行うため、属性データと画像データの関連付けが容易、かつ誤りなく行われ、作業の効率化が可能となる。
また、CADデータを基に、属性データを生成するため、属性データの誤りを軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る画像検査システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係るRFIDタグの外観を示す図である。
【図3】本実施形態に係る属性データの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態におけるRFIDタグの属性データの入力処理の流れを示す図である。
【図5A】本実施形態における非破壊検査方法の処理の流れを示す図である(その1)。
【図5B】本実施形態における非破壊検査方法の処理の流れを示す図である(その2)。
【符号の説明】
【0039】
1 RFIDタグ
2 リーダ
3 撮影装置
6 被検査体
11 ICチップ
12 アンテナ
21,34 タイマ
22,33,42 処理部
23 データ読取部
24,35,41,113 送受信部
31 水準器
32 画像取得部
43,111 記憶部
44 画像処理部
45 MTF値算出部
46 MTF値判定部
61 検査対象部位
112 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象部位を撮影する撮影装置と、被検査体に貼付され、前記被検査体の情報である属性データを格納するRFIDタグと、前記RFIDタグに記憶されている前記属性データを読み取るリーダと、を含んでなる画像検査システムに用いられる画像検査装置における画像検査方法であって、
前記画像検査装置は、
前記リーダを介して、前記RFIDタグに格納されている前記属性データを取得し、
前記撮影装置を介して、前記被検査体の検査を行う箇所である検査対象部位の画像データを取得し、
前記取得した属性データと、前記取得した画像データとを対応付けて記憶することを特徴とする画像検査方法。
【請求項2】
前記属性データは、CADデータを基に、生成されることを特徴とする請求項1に記載の画像検査方法。
【請求項3】
前記画像検査装置は、
前記画像データを取得する手順の後、
前記取得した画像データを基に、MTF値を算出し、
前記MTF値が、前記所定の値よりも大きな値であったとき、
前記属性データと、前記取得した画像データとを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像検査方法。
【請求項4】
前記画像検査装置は、
前記撮影装置を介して取得した、前記撮影装置の傾きのデジタルデータを前記画像データに付与することを特徴とする請求項1に記載の画像検査方法。
【請求項5】
前記画像検査装置は、前記属性データを付与された画像データを、前記属性データに基づいて記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像検査方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像検査方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする画像検査プログラム。
【請求項7】
検査対象部位を撮影する撮影装置と、被検査体に貼付され、前記被検査体の情報である属性データを格納するRFIDタグと、前記RFIDタグに記憶されている前記属性データを読み取るリーダと、を含んでなる画像検査システムに用いられる画像検査装置であって、
前記リーダを介して、前記RFIDタグに格納されている前記属性データを取得する手段、
前記撮影装置を介して、前記被検査体の検査を行う箇所である検査対象部位の画像データを取得する手段、
前記取得した属性データと、前記取得した画像データとを対応付けて記憶する手段を備えてなることを特徴とする画像検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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