画像検査方法および画像検査装置
【課題】高精度の検査を実現する。
【解決手段】画像検査装置は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成部402と、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成部404と、検査対象を撮影するCCDカメラ3と、検査対象を撮影して得られた検査画像と上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段(位置合わせ部406、膨張収縮処理部407、欠陥箇所抽出部408、判定部409)とを備える。
【解決手段】画像検査装置は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成部402と、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成部404と、検査対象を撮影するCCDカメラ3と、検査対象を撮影して得られた検査画像と上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段(位置合わせ部406、膨張収縮処理部407、欠陥箇所抽出部408、判定部409)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばセンサチップなどの微細チップの表面に形成された回路パターンのような検査対象の欠陥(割れ、剥離、変形等の形状欠陥や異物の存在等)を画像で検査する画像検査方法および画像検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロマシニング技術を応用して作成されるセンサチップなどの微細チップは、例えば1〜2mm程度の角辺で、一枚のシリコンウェハ上に多数のチップが作成される。各チップ上には、様々な回路パターンが形成され、そのパターンは高集積化と微細化の傾向にある。このようなパターンの欠陥を検出することは、チップの良否を判定する上での重要な要素となっている。パターンの欠陥は、そのチップ上に付着したゴミなどの異物、パターンの割れ、変形、剥離など多岐に亘るとともに、検査対象のチップが微小であり数も多いため、目視では欠陥の検出が困難である。したがって、このような欠陥を自動的に検出する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された従来の検査装置では、検査対象となるチップ表面の回路パターンをCCDカメラ等で撮像し、その撮像した画像(検査画像)と予め用意した基準画像とを比較して、パターンの欠陥を検出するようにしていた。
【0004】
図12(A)、図12(B)は従来の検査装置における基準画像の作成方法を説明するための図である。図12(A)は複数枚の正常画像の画素毎の輝度値Lを示し、図12(B)は基準画像の画素毎の輝度値Lrefを示している。基準画像の作成方法は、まず30枚程度の正常なチップを撮像して、30枚程度の正常画像を用意し、これらの画像の全画素について輝度値を算出し、全正常画像について画素毎の輝度値の平均値を求める。これにより、平均画像、すなわち各画素が当該画素について算出された輝度平均値を有する基準画像が得られる(図12(B))。
【0005】
さらに、全正常画像の画素毎の輝度値の標準偏差を算出し、この標準偏差を定数倍した値を当該画素の上限閾値および下限閾値とする。これにより、各画素が当該画素について算出された上限閾値を有する上限閾値画像と、各画素が当該画素について算出された下限閾値を有する下限閾値画像が得られる。図13において、Luは上限閾値画像の画素毎の輝度値を示し、Ldは下限閾値画像の画素毎の輝度値を示している。
そして、従来の検査装置では、検査画像の各画素の輝度値が当該画素の上限閾値以下でかつ下限閾値以上である場合に、検査対象のチップを良品としていた。
【0006】
【特許文献1】特開2002−195958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された従来の検査装置では、複数枚の正常画像の平均画像を基準画像としているため、基準画像のパターンエッジ箇所(図12(B)のE1)が平滑化され、検査画像に比べて輪郭がぼけるので、パターンの欠陥を過剰に抽出する原因となり、誤判定が発生する可能性があった。
【0008】
また、特許文献1に開示された従来の検査装置では、画素毎の輝度値の標準偏差を定数倍した値を、当該画素の上限閾値および下限閾値としているが、複数枚の正常画像の位置合わせの誤差やパターンの公差等の要因でパターンエッジ箇所(図13のE2)の閾値が過大となり、上限閾値はより大きな値に、下限閾値はより小さな値になってしまう。このため、上限閾値と下限閾値の間隔が大きく広がり、本来不良品と判定すべき輝度がこの広い間隔の中に収まってしまうので、不良品を良品と判断する原因となり、誤判定が発生する可能性があった。
【0009】
さらに、特許文献1に開示された検査装置では、複数枚の正常画像を選定するのに時間がかかるという問題点があった。正常画像を選定するには、CCDカメラで撮像したチップの画像をモニターで確認して、良品か不良品かを判断し、良品を正常画像として採用するので、選定に時間がかかる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高精度の検査を実現することができる画像検査方法および画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像検査方法は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手順と、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手順と、検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例において、前記基準画像作成手順は、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手順を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例において、前記検査手順は、前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手順と、前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手順とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の画像検査装置は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手段と、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手段と、検査対象を撮影する撮影手段と、検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例は、さらに、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例において、前記検査手段は、前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手段と、前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手段とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め良品と判定された1枚の正常画像を基準画像として採用することにより、従来の検査装置のように複数枚の正常画像の平均画像を基準画像とする場合に比べて、基準画像の輪郭のぼけ等の不正常を改善することができる。また、本発明では、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成することにより、パターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みを抑えることができる。その結果、本発明では、検査対象の欠陥箇所を過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。また、本発明では、基準画像を作成するために1枚の正常画像を選定すればよいので、従来の検査装置のように複数枚の正常画像を選定する場合に比べて、基準画像の作成時間を短縮することができる。
【0014】
また、本発明では、基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換することにより、基準画像のノイズ成分を除去することができるので、正常画像に存在する小さな異常箇所が基準画像に反映されることはなく、より適切な基準画像を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
画像検査装置は、検査対象のウェハ1を載せるXYZテーブル2と、ウェハ1のチップを撮像する撮影手段となるCCDカメラ3と、CCDカメラ3で撮影された検査画像を処理してチップの良否判定を行う画像処理装置4と、検査結果等を表示する表示装置5と、キーボードやマウス等の入力装置6とから構成される。
【0016】
画像処理装置4は、A/D変換器400と、記憶部401と、基準画像作成部402と、ノイズ除去部403と、閾値画像作成部404と、検査画像作成部405と、位置合わせ部406と、膨張収縮処理部407と、欠陥箇所抽出部408と、判定部409と、撮像制御部410と、表示制御部411と、操作入力部412とを有する。位置合わせ部406と膨張収縮処理部407と欠陥箇所抽出部408と判定部409とは、検査手段を構成している。
【0017】
図2は図1の画像検査装置の動作を示すフローチャートである。まず、基準画像作成部402は、予め良品と判定されたチップの正常画像を基準画像として採用し(図2ステップS1)、閾値画像作成部404は、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成し(ステップS2)、検査手段は、チップを撮影して得られた検査画像と上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較してチップの良否判定を行う(ステップS3)。
【0018】
以下、図2の各処理について詳細に説明する。まず、基準画像の作成方法について説明する。図3は本実施の形態の画像検査装置による基準画像の作成方法を示すフローチャートである。
基準画像作成部402は、撮像制御部410を介してXYZテーブル2とCCDカメラ3を制御し、CCDカメラ3にウェハ1の中心近傍のチップの画像を撮影させる(図3ステップS100)。CCDカメラ3によって得られた画像信号は、A/D変換器400によって画像データに変換され、記憶部401に格納される。
【0019】
続いて、表示制御部411は、基準画像作成部402の指示により、記憶部401に格納されたチップ画像を表示装置5に表示させる(ステップS101)。
【0020】
画像検査装置のオペレータは、表示装置5に表示されたチップ画像を見て、大きな異常箇所がないかどうかを確認する(ステップS102)。特に細かいパターンについては後述するノイズ除去が困難なので、細かいパターンに異常箇所がないかどうかを確認する。明らかな異常箇所が存在する場合には(ステップS102において判定NO)、基準画像として不適切なので、オペレータは入力装置6を操作して、「不良品」を示す判定結果を入力する。操作入力部412を介して判定結果を受け取った基準画像作成部402は、ステップS100に戻って別のチップを撮影する。大きな異常箇所がない場合、オペレータは入力装置6を操作して、「良品」を示す判定結果を入力する。これで、基準画像の選定が終了したことになる。
【0021】
次に、ノイズ除去部403は、選定された基準画像に存在する小さな異常箇所(ノイズ成分)を除去する(ステップS103)。図4は基準画像のノイズ除去処理を説明するための図である。ノイズ除去処理は、基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換(マスキング処理)するようにしたものである。
【0022】
図4(A)の例では、基準画像50の箇所Aに、例えばパターンの厚さ不足等の原因により輝度値が局所的に低下しているノイズ成分が存在する。そこで、箇所Aの画像データを、ノイズ成分を含まない箇所Bの画像データで置換することにより、図4(B)に示すように箇所Aのノイズ成分を除去することができる。ノイズ成分を含まない箇所Bとしては、箇所Aの本来の輝度値と同じ明るさを有する箇所(図4(A)の例では箇所Aに隣接する箇所)を選定すればよい。ノイズ成分を含む箇所およびノイズ成分を含まない箇所の指定は、オペレータが入力装置6を操作して行う。以上で、基準画像の作成が終了する。作成された基準画像は、記憶部401に格納される。
【0023】
なお、図3では、チップの画像を1枚ずつ撮影しているが、これに限るものではなく、複数枚のチップの画像を同時に撮影し、これらの撮影した画像の中から基準画像を選定するようにしてもよい。
【0024】
次に、上限閾値画像および下限閾値画像の作成方法について説明する。図5は本実施の形態の画像検査装置による閾値画像の作成方法を示すフローチャートである。
閾値画像作成部404は、基準画像の全画素の輝度値を検出する(ステップS200)。続いて、閾値画像作成部404は、予め設定された上限閾値(例えば+10)を記憶部401から取得し(ステップS201)、基準画像の各画素の輝度値に上限閾値を加算することにより、上限閾値画像を作成する(ステップS202)。基準画像の画素iの輝度値をLref(i)、上限閾値をTHuとすると、上限閾値画像の画素iの輝度値Lu(i)は次式のようになる。
Lu(i)=Lref(i)+THu ・・・(1)
【0025】
また、閾値画像作成部404は、予め設定された下限閾値(例えば−10)を記憶部401から取得し(ステップS203)、基準画像の各画素の輝度値に下限閾値を加算することにより、下限閾値画像を作成する(ステップS204)。下限閾値をTHdとすると、下限閾値画像の画素iの輝度値Ld(i)は次式のようになる。
Ld(i)=Lref(i)+THd ・・・(2)
【0026】
以上で、閾値画像の作成が終了する。作成された上限閾値画像および下限閾値画像は、記憶部401に格納される。図6に基準画像、上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す。上限閾値THuおよび下限閾値THdは、パターンの欠陥を過不足なく抽出できるように予め設定しておけばよい。具体的には、ロット内の輝度バラツキを予め測定し、測定した輝度バラツキに基づいて上限閾値THuおよび下限閾値THdを設定すればよい。
【0027】
次に、ウェハ1のチップの検査方法について説明する。図7は本実施の形態の画像検査装置によるチップの検査方法を示すフローチャートである。
検査画像作成部405は、撮像制御部410を介してXYZテーブル2とCCDカメラ3を制御し、CCDカメラ3にウェハ1のチップの画像を撮影させる(図7ステップS300)。CCDカメラ3によって得られた画像信号は、A/D変換器400によって検査画像の画像データに変換され、記憶部401に格納される。こうして、検査画像が作成される。
【0028】
次に、位置合わせ部406は、記憶部401に格納された上限閾値画像および下限閾値画像と検査画像との位置合わせを行う(ステップS301)。この位置合わせ処理において、位置合わせ部406は、上限閾値画像および下限閾値画像に存在する所定の位置決めマーク(あるいは位置決めマークに相当するパターン)の位置が、対応する検査画像に存在する位置決めマーク(あるいは位置決めマークに相当するパターン)の位置と一致するように、検査画像を移動、回転させればよい。上限閾値画像および下限閾値画像を移動、回転させてもよいことは言うまでもない。
【0029】
続いて、膨張収縮処理部407は、上限閾値画像に8近傍の膨張処理を施し(ステップS302)、下限閾値画像に8近傍の収縮処理を施す(ステップS303)。図8は8近傍の画素を説明するための図、図9は上限閾値画像の膨張処理を説明するための図である。図8、図9の枡目は画素を表し、図9の枡目中の数値は画素の輝度を表している。
【0030】
8近傍とは、図8に示すように注目画素90に隣接する8つの近傍の画素を表す。上限閾値画像の膨張処理は、注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較し、最大値を近傍画素の輝度値とする処理である。図9(A)の中央の注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較した結果として、明るい領域が膨張しているように見える(図9(B))。
一方、下限閾値画像の収縮処理は、注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較し、最小値を近傍画素の輝度値とする処理である。収縮処理を行うと、結果として明るい領域が収縮しているように見える。
【0031】
上限閾値画像の膨張処理および下限閾値画像の収縮処理を行う理由は、位置合わせの1画素分の誤差を吸収し、後述する比較処理を行う際に位置合わせの誤差が結果に影響を与えないようにするためである。
なお、ステップS302,S303の処理では、閾値画像の全域にわたって1画素分の処理を行っているが、画像の領域によっては位置ずれがより大きいと考えられる場合には、特定の箇所についてのみ、より大きい膨張量と収縮量で処理を行うようにしてもよい。
【0032】
次に、欠陥箇所抽出部408は、膨張処理後の上限閾値画像および収縮処理後の下限閾値画像と検査画像とを比較し、欠陥箇所を抽出する(ステップS304)。この比較処理において、欠陥箇所抽出部408は、膨張処理後の上限閾値画像と検査画像とを対応する画素毎に比較すると共に、収縮処理後の下限閾値画像と検査画像とを対応する画素毎に比較し、検査画像の画素の輝度値が上限閾値画像の画素の輝度値を上回るか、あるいは下限閾値画像の画素の輝度値を下回る場合に、検査画像の当該画素を「1」(白色)とし、検査画像の画素の輝度値が上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ下限閾値画像の画素の輝度値以上である場合に、検査画像の当該画素を「0」(黒色)とする。これにより、欠陥箇所が白色で、欠陥がない箇所が黒色となる2値化画像が得られる。この2値化画像は、記憶部401に格納される。
【0033】
判定部409は、2値化画像の白書画素のエッジを追跡するラベリング処理によって、白色画素が連続した領域を一括りにしてまとめる処理を行い、この領域の面積、すなわち画素数を計測する(ステップS305)。
判定部409は、ステップS305の計測結果を所定の判定基準と比較し、画素数が判定基準を超えている領域があるかどうかを判定する(ステップS306)。判定部409は、画素数が判定基準を超えている領域があれば、検査画像のチップを不良品として判定し、全ての領域の画素数が判定基準内であれば、検査画像のチップを良品として判定する。
【0034】
続いて、判定部409は、結果画像を生成する。表示制御部411は、判定部409の指示により、結果画像を表示装置5に表示させる(ステップS307)。結果画像は、欠陥箇所を目視で容易に把握できるように、検査画像上に欠陥箇所を例えば円で囲んで表示すると同時に、判定結果(良品/不良品)を表示するものである。
そして、判定部409は、ウェハ1の全てのチップを検査したかどうかを判定する(ステップS308)。ウェハ1に検査していないチップが存在する場合には、ステップS300に戻る。全てのチップについてステップS300〜S307の処理が終わった時点で、検査が終了する。
【0035】
以上のように、本実施の形態では、予め良品と判定された1枚の正常画像を基準画像として採用することにより、従来の検査装置のように複数枚の正常画像の平均画像を基準画像とする場合に比べて、基準画像の輪郭のぼけ等の不正常を改善することができる。また、本実施の形態では、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成することにより、パターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みを抑えることができる。その結果、本実施の形態では、検査対象の欠陥箇所を過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、基準画像を作成するために1枚の正常画像を選定すればよいので、従来の検査装置のように複数枚の正常画像を選定する場合に比べて、基準画像の作成時間を短縮することができる。また、本実施の形態では、基準画像のノイズ成分を除去することができるので、正常画像に存在する小さな異常箇所が基準画像に反映されることはなく、より適切な基準画像を作成することができる。
【0037】
図10は特許文献1に開示された従来の検査装置と本実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像を比較した図であり、図10(A)は検査画像の1例を示す図、図10(B)は従来の検査装置で作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示す図、図10(C)は本実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示す図である。図10(B)、図10(C)は、図10(A)の検査画像のI−I’線の位置について作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示している。Lrefは基準画像の輝度値、Luは上限閾値画像の輝度値、Ldは下限閾値画像の輝度値である。
【0038】
図10(B)と図10(C)の比較から明らかなように、本実施の形態によれば、基準画像の輪郭のぼけ(パターンエッジ箇所の鈍り)が改善され、またパターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みが抑えられていることが分かる。
【0039】
図11は特許文献1に開示された従来の検査装置と本実施の形態の画像検査装置の欠陥箇所抽出結果を比較した図である。図11(A)はパターンの線状の欠陥121が発生しているチップの検査画像、図11(B)は図11(A)の検査画像から従来の検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果、図11(C)は図11(A)の検査画像から本実施の形態の画像検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果である。
【0040】
図11(D)は基板の欠損122が発生しているチップの検査画像、図11(E)は図11(D)の検査画像から従来の検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果、図11(F)は図11(D)の検査画像から本実施の形態の画像検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果である。
【0041】
欠陥箇所抽出結果の比較から明らかなように、本実施の形態によれば、背景とのコントラスト差がより小さい欠陥箇所も抽出することができ、欠陥箇所の輪郭もよりはっきりしていることが分かる。
【0042】
なお、図7では、チップの画像を1枚ずつ撮影しているが、これに限るものではなく、複数枚のチップの検査画像を同時に撮影し、これらの検査画像を順番にもしくは並行して検査してもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、ウェハに形成されたセンサチップを検査対象としているが、これに限るものではなく、本発明は、ロット内で輝度バラツキが安定(輝度バラツキ<抽出したい欠陥と背景との輝度差)しているものであれば様々な検査対象に適用可能である。
【0043】
なお、本実施の形態の画像処理装置4は、CPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて本発明の画像検査方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って本実施の形態で説明したような処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、微細な検査対象の欠陥を画像で検査する技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像検査装置による基準画像の作成方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における基準画像のノイズ除去処理を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像検査装置による閾値画像の作成方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における基準画像、上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像検査装置によるチップの検査方法を示すフローチャートである。
【図8】膨張処理および収縮処理における8近傍の画素を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態における上限閾値画像の膨張処理を説明するための図である。
【図10】従来の検査装置と本発明の実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像を比較した図である。
【図11】従来の検査装置と本発明の実施の形態の画像検査装置の欠陥箇所抽出結果を比較した図である。
【図12】従来の検査装置における基準画像の作成方法を説明するための図である。
【図13】従来の検査装置における上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…ウェハ、2…XYZテーブル、3…CCDカメラ、4…画像処理装置、5…表示装置、6…入力装置、400…A/D変換器、401…記憶部、402…基準画像作成部、403…ノイズ除去部、404…閾値画像作成部、405…検査画像作成部、406…位置合わせ部、407…膨張収縮処理部、408…欠陥箇所抽出部、409…判定部、410…撮像制御部、411…表示制御部、412…操作入力部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばセンサチップなどの微細チップの表面に形成された回路パターンのような検査対象の欠陥(割れ、剥離、変形等の形状欠陥や異物の存在等)を画像で検査する画像検査方法および画像検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロマシニング技術を応用して作成されるセンサチップなどの微細チップは、例えば1〜2mm程度の角辺で、一枚のシリコンウェハ上に多数のチップが作成される。各チップ上には、様々な回路パターンが形成され、そのパターンは高集積化と微細化の傾向にある。このようなパターンの欠陥を検出することは、チップの良否を判定する上での重要な要素となっている。パターンの欠陥は、そのチップ上に付着したゴミなどの異物、パターンの割れ、変形、剥離など多岐に亘るとともに、検査対象のチップが微小であり数も多いため、目視では欠陥の検出が困難である。したがって、このような欠陥を自動的に検出する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された従来の検査装置では、検査対象となるチップ表面の回路パターンをCCDカメラ等で撮像し、その撮像した画像(検査画像)と予め用意した基準画像とを比較して、パターンの欠陥を検出するようにしていた。
【0004】
図12(A)、図12(B)は従来の検査装置における基準画像の作成方法を説明するための図である。図12(A)は複数枚の正常画像の画素毎の輝度値Lを示し、図12(B)は基準画像の画素毎の輝度値Lrefを示している。基準画像の作成方法は、まず30枚程度の正常なチップを撮像して、30枚程度の正常画像を用意し、これらの画像の全画素について輝度値を算出し、全正常画像について画素毎の輝度値の平均値を求める。これにより、平均画像、すなわち各画素が当該画素について算出された輝度平均値を有する基準画像が得られる(図12(B))。
【0005】
さらに、全正常画像の画素毎の輝度値の標準偏差を算出し、この標準偏差を定数倍した値を当該画素の上限閾値および下限閾値とする。これにより、各画素が当該画素について算出された上限閾値を有する上限閾値画像と、各画素が当該画素について算出された下限閾値を有する下限閾値画像が得られる。図13において、Luは上限閾値画像の画素毎の輝度値を示し、Ldは下限閾値画像の画素毎の輝度値を示している。
そして、従来の検査装置では、検査画像の各画素の輝度値が当該画素の上限閾値以下でかつ下限閾値以上である場合に、検査対象のチップを良品としていた。
【0006】
【特許文献1】特開2002−195958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された従来の検査装置では、複数枚の正常画像の平均画像を基準画像としているため、基準画像のパターンエッジ箇所(図12(B)のE1)が平滑化され、検査画像に比べて輪郭がぼけるので、パターンの欠陥を過剰に抽出する原因となり、誤判定が発生する可能性があった。
【0008】
また、特許文献1に開示された従来の検査装置では、画素毎の輝度値の標準偏差を定数倍した値を、当該画素の上限閾値および下限閾値としているが、複数枚の正常画像の位置合わせの誤差やパターンの公差等の要因でパターンエッジ箇所(図13のE2)の閾値が過大となり、上限閾値はより大きな値に、下限閾値はより小さな値になってしまう。このため、上限閾値と下限閾値の間隔が大きく広がり、本来不良品と判定すべき輝度がこの広い間隔の中に収まってしまうので、不良品を良品と判断する原因となり、誤判定が発生する可能性があった。
【0009】
さらに、特許文献1に開示された検査装置では、複数枚の正常画像を選定するのに時間がかかるという問題点があった。正常画像を選定するには、CCDカメラで撮像したチップの画像をモニターで確認して、良品か不良品かを判断し、良品を正常画像として採用するので、選定に時間がかかる。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高精度の検査を実現することができる画像検査方法および画像検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像検査方法は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手順と、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手順と、検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手順とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例において、前記基準画像作成手順は、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手順を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査方法の1構成例において、前記検査手順は、前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手順と、前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手順とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の画像検査装置は、予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手段と、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手段と、検査対象を撮影する撮影手段と、検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例は、さらに、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の画像検査装置の1構成例において、前記検査手段は、前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手段と、前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手段とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予め良品と判定された1枚の正常画像を基準画像として採用することにより、従来の検査装置のように複数枚の正常画像の平均画像を基準画像とする場合に比べて、基準画像の輪郭のぼけ等の不正常を改善することができる。また、本発明では、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成することにより、パターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みを抑えることができる。その結果、本発明では、検査対象の欠陥箇所を過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。また、本発明では、基準画像を作成するために1枚の正常画像を選定すればよいので、従来の検査装置のように複数枚の正常画像を選定する場合に比べて、基準画像の作成時間を短縮することができる。
【0014】
また、本発明では、基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換することにより、基準画像のノイズ成分を除去することができるので、正常画像に存在する小さな異常箇所が基準画像に反映されることはなく、より適切な基準画像を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
画像検査装置は、検査対象のウェハ1を載せるXYZテーブル2と、ウェハ1のチップを撮像する撮影手段となるCCDカメラ3と、CCDカメラ3で撮影された検査画像を処理してチップの良否判定を行う画像処理装置4と、検査結果等を表示する表示装置5と、キーボードやマウス等の入力装置6とから構成される。
【0016】
画像処理装置4は、A/D変換器400と、記憶部401と、基準画像作成部402と、ノイズ除去部403と、閾値画像作成部404と、検査画像作成部405と、位置合わせ部406と、膨張収縮処理部407と、欠陥箇所抽出部408と、判定部409と、撮像制御部410と、表示制御部411と、操作入力部412とを有する。位置合わせ部406と膨張収縮処理部407と欠陥箇所抽出部408と判定部409とは、検査手段を構成している。
【0017】
図2は図1の画像検査装置の動作を示すフローチャートである。まず、基準画像作成部402は、予め良品と判定されたチップの正常画像を基準画像として採用し(図2ステップS1)、閾値画像作成部404は、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成し(ステップS2)、検査手段は、チップを撮影して得られた検査画像と上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較してチップの良否判定を行う(ステップS3)。
【0018】
以下、図2の各処理について詳細に説明する。まず、基準画像の作成方法について説明する。図3は本実施の形態の画像検査装置による基準画像の作成方法を示すフローチャートである。
基準画像作成部402は、撮像制御部410を介してXYZテーブル2とCCDカメラ3を制御し、CCDカメラ3にウェハ1の中心近傍のチップの画像を撮影させる(図3ステップS100)。CCDカメラ3によって得られた画像信号は、A/D変換器400によって画像データに変換され、記憶部401に格納される。
【0019】
続いて、表示制御部411は、基準画像作成部402の指示により、記憶部401に格納されたチップ画像を表示装置5に表示させる(ステップS101)。
【0020】
画像検査装置のオペレータは、表示装置5に表示されたチップ画像を見て、大きな異常箇所がないかどうかを確認する(ステップS102)。特に細かいパターンについては後述するノイズ除去が困難なので、細かいパターンに異常箇所がないかどうかを確認する。明らかな異常箇所が存在する場合には(ステップS102において判定NO)、基準画像として不適切なので、オペレータは入力装置6を操作して、「不良品」を示す判定結果を入力する。操作入力部412を介して判定結果を受け取った基準画像作成部402は、ステップS100に戻って別のチップを撮影する。大きな異常箇所がない場合、オペレータは入力装置6を操作して、「良品」を示す判定結果を入力する。これで、基準画像の選定が終了したことになる。
【0021】
次に、ノイズ除去部403は、選定された基準画像に存在する小さな異常箇所(ノイズ成分)を除去する(ステップS103)。図4は基準画像のノイズ除去処理を説明するための図である。ノイズ除去処理は、基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換(マスキング処理)するようにしたものである。
【0022】
図4(A)の例では、基準画像50の箇所Aに、例えばパターンの厚さ不足等の原因により輝度値が局所的に低下しているノイズ成分が存在する。そこで、箇所Aの画像データを、ノイズ成分を含まない箇所Bの画像データで置換することにより、図4(B)に示すように箇所Aのノイズ成分を除去することができる。ノイズ成分を含まない箇所Bとしては、箇所Aの本来の輝度値と同じ明るさを有する箇所(図4(A)の例では箇所Aに隣接する箇所)を選定すればよい。ノイズ成分を含む箇所およびノイズ成分を含まない箇所の指定は、オペレータが入力装置6を操作して行う。以上で、基準画像の作成が終了する。作成された基準画像は、記憶部401に格納される。
【0023】
なお、図3では、チップの画像を1枚ずつ撮影しているが、これに限るものではなく、複数枚のチップの画像を同時に撮影し、これらの撮影した画像の中から基準画像を選定するようにしてもよい。
【0024】
次に、上限閾値画像および下限閾値画像の作成方法について説明する。図5は本実施の形態の画像検査装置による閾値画像の作成方法を示すフローチャートである。
閾値画像作成部404は、基準画像の全画素の輝度値を検出する(ステップS200)。続いて、閾値画像作成部404は、予め設定された上限閾値(例えば+10)を記憶部401から取得し(ステップS201)、基準画像の各画素の輝度値に上限閾値を加算することにより、上限閾値画像を作成する(ステップS202)。基準画像の画素iの輝度値をLref(i)、上限閾値をTHuとすると、上限閾値画像の画素iの輝度値Lu(i)は次式のようになる。
Lu(i)=Lref(i)+THu ・・・(1)
【0025】
また、閾値画像作成部404は、予め設定された下限閾値(例えば−10)を記憶部401から取得し(ステップS203)、基準画像の各画素の輝度値に下限閾値を加算することにより、下限閾値画像を作成する(ステップS204)。下限閾値をTHdとすると、下限閾値画像の画素iの輝度値Ld(i)は次式のようになる。
Ld(i)=Lref(i)+THd ・・・(2)
【0026】
以上で、閾値画像の作成が終了する。作成された上限閾値画像および下限閾値画像は、記憶部401に格納される。図6に基準画像、上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す。上限閾値THuおよび下限閾値THdは、パターンの欠陥を過不足なく抽出できるように予め設定しておけばよい。具体的には、ロット内の輝度バラツキを予め測定し、測定した輝度バラツキに基づいて上限閾値THuおよび下限閾値THdを設定すればよい。
【0027】
次に、ウェハ1のチップの検査方法について説明する。図7は本実施の形態の画像検査装置によるチップの検査方法を示すフローチャートである。
検査画像作成部405は、撮像制御部410を介してXYZテーブル2とCCDカメラ3を制御し、CCDカメラ3にウェハ1のチップの画像を撮影させる(図7ステップS300)。CCDカメラ3によって得られた画像信号は、A/D変換器400によって検査画像の画像データに変換され、記憶部401に格納される。こうして、検査画像が作成される。
【0028】
次に、位置合わせ部406は、記憶部401に格納された上限閾値画像および下限閾値画像と検査画像との位置合わせを行う(ステップS301)。この位置合わせ処理において、位置合わせ部406は、上限閾値画像および下限閾値画像に存在する所定の位置決めマーク(あるいは位置決めマークに相当するパターン)の位置が、対応する検査画像に存在する位置決めマーク(あるいは位置決めマークに相当するパターン)の位置と一致するように、検査画像を移動、回転させればよい。上限閾値画像および下限閾値画像を移動、回転させてもよいことは言うまでもない。
【0029】
続いて、膨張収縮処理部407は、上限閾値画像に8近傍の膨張処理を施し(ステップS302)、下限閾値画像に8近傍の収縮処理を施す(ステップS303)。図8は8近傍の画素を説明するための図、図9は上限閾値画像の膨張処理を説明するための図である。図8、図9の枡目は画素を表し、図9の枡目中の数値は画素の輝度を表している。
【0030】
8近傍とは、図8に示すように注目画素90に隣接する8つの近傍の画素を表す。上限閾値画像の膨張処理は、注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較し、最大値を近傍画素の輝度値とする処理である。図9(A)の中央の注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較した結果として、明るい領域が膨張しているように見える(図9(B))。
一方、下限閾値画像の収縮処理は、注目画素の輝度値を近傍画素の輝度値と比較し、最小値を近傍画素の輝度値とする処理である。収縮処理を行うと、結果として明るい領域が収縮しているように見える。
【0031】
上限閾値画像の膨張処理および下限閾値画像の収縮処理を行う理由は、位置合わせの1画素分の誤差を吸収し、後述する比較処理を行う際に位置合わせの誤差が結果に影響を与えないようにするためである。
なお、ステップS302,S303の処理では、閾値画像の全域にわたって1画素分の処理を行っているが、画像の領域によっては位置ずれがより大きいと考えられる場合には、特定の箇所についてのみ、より大きい膨張量と収縮量で処理を行うようにしてもよい。
【0032】
次に、欠陥箇所抽出部408は、膨張処理後の上限閾値画像および収縮処理後の下限閾値画像と検査画像とを比較し、欠陥箇所を抽出する(ステップS304)。この比較処理において、欠陥箇所抽出部408は、膨張処理後の上限閾値画像と検査画像とを対応する画素毎に比較すると共に、収縮処理後の下限閾値画像と検査画像とを対応する画素毎に比較し、検査画像の画素の輝度値が上限閾値画像の画素の輝度値を上回るか、あるいは下限閾値画像の画素の輝度値を下回る場合に、検査画像の当該画素を「1」(白色)とし、検査画像の画素の輝度値が上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ下限閾値画像の画素の輝度値以上である場合に、検査画像の当該画素を「0」(黒色)とする。これにより、欠陥箇所が白色で、欠陥がない箇所が黒色となる2値化画像が得られる。この2値化画像は、記憶部401に格納される。
【0033】
判定部409は、2値化画像の白書画素のエッジを追跡するラベリング処理によって、白色画素が連続した領域を一括りにしてまとめる処理を行い、この領域の面積、すなわち画素数を計測する(ステップS305)。
判定部409は、ステップS305の計測結果を所定の判定基準と比較し、画素数が判定基準を超えている領域があるかどうかを判定する(ステップS306)。判定部409は、画素数が判定基準を超えている領域があれば、検査画像のチップを不良品として判定し、全ての領域の画素数が判定基準内であれば、検査画像のチップを良品として判定する。
【0034】
続いて、判定部409は、結果画像を生成する。表示制御部411は、判定部409の指示により、結果画像を表示装置5に表示させる(ステップS307)。結果画像は、欠陥箇所を目視で容易に把握できるように、検査画像上に欠陥箇所を例えば円で囲んで表示すると同時に、判定結果(良品/不良品)を表示するものである。
そして、判定部409は、ウェハ1の全てのチップを検査したかどうかを判定する(ステップS308)。ウェハ1に検査していないチップが存在する場合には、ステップS300に戻る。全てのチップについてステップS300〜S307の処理が終わった時点で、検査が終了する。
【0035】
以上のように、本実施の形態では、予め良品と判定された1枚の正常画像を基準画像として採用することにより、従来の検査装置のように複数枚の正常画像の平均画像を基準画像とする場合に比べて、基準画像の輪郭のぼけ等の不正常を改善することができる。また、本実施の形態では、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成することにより、パターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みを抑えることができる。その結果、本実施の形態では、検査対象の欠陥箇所を過不足なく抽出することができ、高精度の検査を実現することができる。
【0036】
また、本実施の形態では、基準画像を作成するために1枚の正常画像を選定すればよいので、従来の検査装置のように複数枚の正常画像を選定する場合に比べて、基準画像の作成時間を短縮することができる。また、本実施の形態では、基準画像のノイズ成分を除去することができるので、正常画像に存在する小さな異常箇所が基準画像に反映されることはなく、より適切な基準画像を作成することができる。
【0037】
図10は特許文献1に開示された従来の検査装置と本実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像を比較した図であり、図10(A)は検査画像の1例を示す図、図10(B)は従来の検査装置で作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示す図、図10(C)は本実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示す図である。図10(B)、図10(C)は、図10(A)の検査画像のI−I’線の位置について作成した基準画像および閾値画像の輝度値を示している。Lrefは基準画像の輝度値、Luは上限閾値画像の輝度値、Ldは下限閾値画像の輝度値である。
【0038】
図10(B)と図10(C)の比較から明らかなように、本実施の形態によれば、基準画像の輪郭のぼけ(パターンエッジ箇所の鈍り)が改善され、またパターンエッジ箇所における上限閾値および下限閾値の過剰な歪みが抑えられていることが分かる。
【0039】
図11は特許文献1に開示された従来の検査装置と本実施の形態の画像検査装置の欠陥箇所抽出結果を比較した図である。図11(A)はパターンの線状の欠陥121が発生しているチップの検査画像、図11(B)は図11(A)の検査画像から従来の検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果、図11(C)は図11(A)の検査画像から本実施の形態の画像検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果である。
【0040】
図11(D)は基板の欠損122が発生しているチップの検査画像、図11(E)は図11(D)の検査画像から従来の検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果、図11(F)は図11(D)の検査画像から本実施の形態の画像検査装置によって求めた欠陥箇所抽出結果である。
【0041】
欠陥箇所抽出結果の比較から明らかなように、本実施の形態によれば、背景とのコントラスト差がより小さい欠陥箇所も抽出することができ、欠陥箇所の輪郭もよりはっきりしていることが分かる。
【0042】
なお、図7では、チップの画像を1枚ずつ撮影しているが、これに限るものではなく、複数枚のチップの検査画像を同時に撮影し、これらの検査画像を順番にもしくは並行して検査してもよいことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、ウェハに形成されたセンサチップを検査対象としているが、これに限るものではなく、本発明は、ロット内で輝度バラツキが安定(輝度バラツキ<抽出したい欠陥と背景との輝度差)しているものであれば様々な検査対象に適用可能である。
【0043】
なお、本実施の形態の画像処理装置4は、CPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて本発明の画像検査方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。CPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って本実施の形態で説明したような処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、微細な検査対象の欠陥を画像で検査する技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像検査装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像検査装置による基準画像の作成方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における基準画像のノイズ除去処理を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像検査装置による閾値画像の作成方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における基準画像、上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る画像検査装置によるチップの検査方法を示すフローチャートである。
【図8】膨張処理および収縮処理における8近傍の画素を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態における上限閾値画像の膨張処理を説明するための図である。
【図10】従来の検査装置と本発明の実施の形態の画像検査装置で作成した基準画像および閾値画像を比較した図である。
【図11】従来の検査装置と本発明の実施の形態の画像検査装置の欠陥箇所抽出結果を比較した図である。
【図12】従来の検査装置における基準画像の作成方法を説明するための図である。
【図13】従来の検査装置における上限閾値画像および下限閾値画像の輝度値の1例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1…ウェハ、2…XYZテーブル、3…CCDカメラ、4…画像処理装置、5…表示装置、6…入力装置、400…A/D変換器、401…記憶部、402…基準画像作成部、403…ノイズ除去部、404…閾値画像作成部、405…検査画像作成部、406…位置合わせ部、407…膨張収縮処理部、408…欠陥箇所抽出部、409…判定部、410…撮像制御部、411…表示制御部、412…操作入力部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手順と、
前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手順と、
検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手順とを備えることを特徴とする画像検査方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像検査方法において、
前記基準画像作成手順は、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手順を含むことを特徴とする画像検査方法。
【請求項3】
請求項1記載の画像検査方法において、
前記検査手順は、
前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手順と、
前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手順とを含むことを特徴とする画像検査方法。
【請求項4】
予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手段と、
前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手段と、
検査対象を撮影する撮影手段と、
検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段とを備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像検査装置において、
さらに、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手段を備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像検査装置において、
前記検査手段は、
前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手段と、
前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手段とを含むことを特徴とする画像検査装置。
【請求項1】
予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手順と、
前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手順と、
検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手順とを備えることを特徴とする画像検査方法。
【請求項2】
請求項1記載の画像検査方法において、
前記基準画像作成手順は、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手順を含むことを特徴とする画像検査方法。
【請求項3】
請求項1記載の画像検査方法において、
前記検査手順は、
前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手順と、
前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手順とを含むことを特徴とする画像検査方法。
【請求項4】
予め良品と判定された検査対象の正常画像を基準画像として採用する基準画像作成手段と、
前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された上限閾値を加算して上限閾値画像を作成すると共に、前記基準画像の各画素の輝度値に予め設定された下限閾値を加算して下限閾値画像を作成する閾値画像作成手段と、
検査対象を撮影する撮影手段と、
検査対象を撮影して得られた検査画像と前記上限閾値画像および下限閾値画像とを画素毎に比較して検査対象の良否判定を行う検査手段とを備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の画像検査装置において、
さらに、前記基準画像のノイズ成分を含む箇所の画像データを、ノイズ成分を含まない箇所の画像データで置換するノイズ除去手段を備えることを特徴とする画像検査装置。
【請求項6】
請求項4記載の画像検査装置において、
前記検査手段は、
前記検査画像の画素のうち、前記上限閾値画像の画素よりも高い輝度値を有する画素および前記下限閾値画像の画素よりも低い輝度値を有する画素を第1の輝度値の画素とし、前記上限閾値画像の画素の輝度値以下かつ前記下限閾値画像の画素の輝度値以上の画素を第2の輝度値の画素として2値化画像を生成する欠陥箇所抽出手段と、
前記2値化画像について所定の判定基準に基づいて検査を行い、検査対象の良否判定を行う判定手段とを含むことを特徴とする画像検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図12】
【図13】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−91360(P2010−91360A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260431(P2008−260431)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
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