説明

画像表示装置、及び画像表示方法、プログラム

【課題】複数画像の中から意図する画像を容易に探し出すことが可能となる画像表示装置、及び画像表示方法等を提供する。
【解決手段】
複数コマの複数画像から、先頭コマと最終コマとを含むコマ間隔が等間隔の3コマ分の画像を抽出し、抽出した画像101〜103を表示画面上に並べて表示する。隣接する2つの画像102,103が選択された状態(d)で下層側への階層移動操作が行われたら、選択されていた2つの画像102,103を両端とする、コマ間隔が等間隔の3コマ分の画像101〜103を新たに表示させる(g)。所望する画像が位置する範囲を段階的に絞ることにより、所望する画像を効率的に探し出すことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像から所望の画像を検索して表示する画像表示装置、及びその画像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時間軸に沿って連続する複数の静止画(以下、単に画像という。)からなる動画の再生に際して、所定間隔毎の静止画をビデオインデックスとして動画と同時に画面表示させることにより、再生中の動画について時間の流れと過去や未来の時間軸方向の状況を容易に把握できるようにする画像表示方法が、下記特許文献1等に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願平5−289650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記画像表示方法は、動画の再生途中に早送りや巻き戻しといった時間軸方向の再生操作を行う場合においては有効であるが、例えばデジタルカメラ等において連続撮影された多量(数十枚)の画像からなる連写画像(連続画像)の中から所望の画像を探す場合には、仮に上述した画像表示方法を用いたとしても、意図する画像、たとえば時間軸上で任意の位置にある任意の画像を容易に探し出すことはできないという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、複数画像の中から意図する画像を容易に探し出すことが可能となる画像表示装置、及び画像表示方法と、それらの実現に使用されるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1の発明にあっては、複数の画像を所定の順番で記録する記録手段と、前記画像を表示する表示手段と、前記記録手段に所定の順番で記録された前記複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された規定数の抽出画像を前記表示手段の表示画面上に並べて表示させる表示制御手段と、前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段と、を備えたものとした。
【0007】
また、請求項2の発明にあっては、前記抽出手段で抽出する画像は、前記抽出範囲の両端の画像と、先端の画像より所定画像数毎に抽出した画像と、であるものとした。
【0008】
また、請求項3の発明にあっては、前記表示制御手段は、前記表示画面上に並べて表示されている規定数の抽出画像のうち画像選択操作により選択された任意の1つの抽出画像を拡大表示操作に応じて前記表示手段に拡大表示させるものとした。
【0009】
また、請求項4の発明にあっては、前記表示制御手段は、前記拡大表示操作に応じて前記抽出画像を前記表示手段に拡大表示させている状態で、画像変更操作がある毎に、拡大表示対象の画像を所定方向にコマ送りで変更するものとした。
【0010】
また、請求項5の発明にあっては、前記抽出手段により動作開始当初の抽出範囲は、前記所定の複数画像の全範囲であるものとした。
【0011】
また、請求項6の発明にあっては、前記抽出範囲変更手段は、所定の第一の抽出範囲変更操作に応じて前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を段階的に拡大するように変更すると共に、所定の第2の抽出範囲変更操作に応じて前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を段階的に縮小するように変更するものとした。
【0012】
また、請求項7の発明にあっては、前記表示制御手段は、前記表示手段の表示画面上に、表示中の画像の前記所定の複数画像における規定数の抽出した画像の位置を示す位置表示バーを表示させるものとした。
【0013】
また、請求項8の発明にあっては、一連の連写画像を撮影して前記記録手段に記録する連続撮像手段を更に備え、前記抽出手段で順番に並べる前記所定の複数画像は、前記記録手段に記録された複数の画像のうち、所定の前記一連の連写画像であるものとした。
【0014】
また、請求項9の発明にあっては、記録手段に所定の順番で記録された複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出工程と、抽出した規定数の抽出画像を表示手段の表示画面上に並べて表示する表示工程と、前記規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示手段の表示画面上に並べて表示した規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択させることにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更し、変更後の新たな抽出範囲から規定数の画像を抽出する再抽出工程とを含む方法とした。
【0015】
また、請求項10の発明にあっては、画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置が有すコンピュータを、前記記録手段に所定の順番で記録された前記複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出手段と、この抽出手段により抽出された規定数の抽出画像を前記表示手段の表示画面上に並べて表示させる表示制御手段と、前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段ととして機能させるプログラムとした。
【0016】
また、請求項11の発明にあっては、画像を表示する表示手段と、順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出する第1の抽出手段と、この第1の抽出手段により抽出された規定数の代表画像を前記表示手段の表示画面上に第1の方向に並べて表示させる第1の表示制御手段と、前記複数画像から、前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に第1の方向に並べて表示されている規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出する第2の抽出手段と、この第2の抽出手段により抽出された規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に前記表示手段の表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示させる第2の表示制御手段とを備えたものとした。
【0017】
また、請求項12の発明にあっては、前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に表示されている規定数の代表画像、及び前記第2の表示制御手段により前記表示画面上に表示されている規定数の詳細画像の中から選択操作によって選択された画像を、前記規定数の代表画像及び前記規定数の詳細画像と共に前記表示画面上に拡大表示させる第3の表示制御手段を備えたものとした。
【0018】
また、請求項13の発明にあっては、前記第1の抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記第1の抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段を備えたものとした。
【0019】
また、請求項14の発明にあっては、前記表示手段の表示画面上に、前記第3の表示制御手段により拡大表示されている画像の前記複数画像におけるコマ位置を示す位置表示バーを表示させる第4の表示制御手段を備えたものとした。
【0020】
また、請求項15の発明にあっては、被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段により撮像された被写体の連続画像である複数画像を記録する画像記録手段とを備え、前記第1の抽出手段は、前記画像記録手段に記録されている前記複数画像から前記規定数の代表画像を抽出するものとした。
【0021】
また、請求項15の発明にあっては、順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出し、抽出した規定数の代表画像を表示画面上に第1の方向に並べて表示する第1の工程と、前記複数画像から、前記第1の工程で表示画面上に第1の方向に並べて表示した規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出し、抽出した規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示する第2の工程とを含む方法とした。
【0022】
また、請求項16の発明にあっては、画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置が有すコンピュータを、順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出する第1の抽出手段と、この第1の抽出手段により抽出された規定数の代表画像を前記表示手段の表示画面上に第1の方向に並べて表示させる第1の表示制御手段と、前記複数画像から、前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に第1の方向に並べて表示されている規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出する第2の抽出手段と、この第2の抽出手段により抽出された規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に前記表示手段の表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示させる第2の表示制御手段として機能させるプログラムとした。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数画像の中から意図する画像を容易に探し出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の各実施形態に共通するデジタルカメラのブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図3】図2に続くフローチャートである。
【図4】同実施形態で表示される検索画面の一例を示す図である。
【図5】同検索画面における選択カーソルの動きを示した図である。
【図6】同検索画面における表示内容の変化を例示した図である。
【図7】同検索画面と画像拡大画面との関係を示した図である。
【図8】第2の実施形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図9】同実施形態で表示される検索画面、及びその変化を示す図である。
【図10】第3の実施形態におけるデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。
【図11】同実施形態で表示される検索画面、及びその変化を示す図である。
【図12】各実施形態に共通する位置表示バーの変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1は、各実施形態に共通するデジタルカメラ1の電気的構成の概略を示したブロック図である。なお、このデジタルカメラ1は、AE(自動露出)、AF(オートフォーカス)等の一般的な機能を備えている。また、基本モードとして、静止画撮影及び動画撮影を行うための撮影モードと、撮影モードで記録した静止画像や動画像を再生するための再生モードを有するとともに、撮影モードにおいて、シャッターキーが押されている間に静止画像を、高速(数枚/秒)で連続撮影し、記録する高速連写機能を備えている。
【0027】
以下説明すると、基本モードである撮影モードにおいては、モータ(M)11の駆動によりレンズ光学系12の合焦位置や絞り位置が移動される。このレンズ光学系12の撮影光軸後方には、撮像素子であるCCD13が配置される。
【0028】
このCCD13は、例えばRGBの原色系のカラーフィルタを形成しており、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動されるもので、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0029】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路18で画素補間処理、γ補正処理、及びマトリックス演算を含むカラープロセス処理が行われて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
【0030】
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合同期信号、メモリ書き込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ19内部のバッファに書き込み、DRAMインタフェース(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送を行う。
【0031】
制御部22は、CPUと、CPUで実行される各種の動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、デジタルカメラ1全体を制御する。本実施形態において、上記ROMには、後述する再生モードの下位モードである検索表示モードが設定されているときCPUに後述する処理を行わせることによりCPUを本発明の抽出手段、表示制御手段、抽出範囲変更手段として機能させるための動作プログラムが記憶されている。
【0032】
制御部22は、上記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース20を介してDRAM21より読み出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書き込む。
【0033】
デジタルビデオエンコーダ25は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ23を介してVRAM24より定期的に読み出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部26に出力する。
【0034】
表示部26は、デジタルカメラ1の図示しない本体の背面に配置されている液晶表示器、及びその駆動回路から構成され、デジタルビデオエンコーダ25からのビデオ信号に基づいた画像表示を行う。そして、撮影モード時には、その時点でVRAMコントローラ23から取り込んでいる画像情報に基づく画像をスルー画像としてリアルタイムに表示することにより、電子ビューファインダとして機能する。
【0035】
表示部26に上記スルー画像が表示されている状態で、静止画撮影を行いたいタイミングでシャッタキーを操作すると、トリガ信号を発生する。
【0036】
制御部22は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD13から取り込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送を取り止め、あらためて適正な露出条件に従った絞り値及びシャッタ速度でCCD13を走査駆動して1画面分の起動及び色差信号を得てDRAM21へ転送し、その後にこの経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
【0037】
この記録保存の状態では、制御部22がDRAM21に書き込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース20を介してY,Cb,Crのコンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読み出して画像処理部27に書き込み、この画像処理部27でJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)規格に従ったADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0038】
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとして該画像処理部27から読み出し、このデジタルカメラ1の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード28に書き込む。
【0039】
また、制御部22は、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード28への全圧縮データの書き込み終了に伴い、CCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
【0040】
また、制御部22には、キー入力部29、音声処理部30、及びストロボ駆動部31が接続されている。
【0041】
キー入力部29は、電源キー、シャッタキーや、モードスイッチ、メニューキー、十字キー及びセットキー等から構成され、それらのキー操作に伴う信号は直接制御部22へ送出される。上記十字キーは、表示部26に必要に応じて表示される各種の設定画面や、操作画面において上下左右の各方向の指示に使用されるキーであり、後述する検索表示モードにおいても使用される。
【0042】
音声処理部30は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の録音時にはマイクロホン部(MIC)32より入力された音声信号をデジタル化し、所定のデータファイル形式、例えばMP3(MPEG−1 audio layer 3)規格にしたがってデータ圧縮して音声データファイルを作成してメモリカード28へ送出する一方、音声の再生時にはメモリカード28から送られてきた音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、上述したデジタルカメラ1の本体背面側に設けられるスピーカ部(SP)33を駆動して、拡声放音させる。
【0043】
ストロボ駆動部31は、静止画像撮影時に図示しないストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部22からの制御に基づいてストロボ発光部34を閃光駆動する。
【0044】
また、動画像の撮影時においては、1回目のシャッタキーが操作された時点で、上述した静止画データを画像処理部27でデータ圧縮した静止画データファイルのメモリカード28への記録を開始して、以後所定のフレームレート、例えば30[フレーム/秒]でこれを連続して実行し、2回目にシャッタキーが操作されるか、または所定の制限時間、例えば30秒が経過した時点でそれら一連の静止画データファイルを一括してモーションJPEGのデータファイル(AVIファイル)として設定し直す。
【0045】
また、基本モードである再生モード時には、制御部22がメモリカード28に記録されている画像データを選択的に読み出し、画像処理部27で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データをDRAMインタフェース20を介してDRAM21に保持させた上で、このDRAM21の保持内容をVRAMコントローラ23を介してVRAM24に記憶させ、このVRAM24より定期的に画像データを読み出してビデオ信号を発生し、上記表示部26で再生出力させる。
【0046】
選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合、選択した動画像ファイルを構成する個々の静止画データの再生を時間的に連続して実行し、すべての静止画データの再生を終了した時点で、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画データのみを用いて再生表示する。
【0047】
次に、以上の構成からなる第1の実施形態における本発明に係る動作について説明する。図2及び図3は、デジタルカメラ1において、ユーザーにより再生モードの下位モードである検索表示モードが設定されているときの制御部22の処理手順を示したフローチャートである。検索表示モードは、主として前述した高速連写機能により撮影された連写画像(連続画像)の中から所望の画像を探す場合を想定し設けられている動作モードであるが、単写画像の中から所望の画像を探すのに用いても良い。
【0048】
以下説明すると、図2に示したようにも検索表示モードにおいて制御部22は、検索表示モードが実行されると、まずユーザーが撮影した複数の一連の連写画像や単写画像などの撮影時順に並べて記憶されている複数の保存画像の中から、所望の画像群(例えば一連の連写画像、つまり複数コマの静止画像)を選択すると、この所望の画像群(例えば一連の連写画像、つまり複数コマの静止画像)に対する表示画像の抽出範囲と、その抽出範囲内における表示画像の抽出位置とを初期化する(ステップSA1)。係る初期化に際しては、前記抽出範囲(コマ範囲)として連写画像の先頭コマから最終コマまでの(全コマ範囲)を設定し、かつ抽出位置として先頭コマを設定する。この時、コマを並べる順番は、撮影を行なった順番であるとするが、状況によってはその逆でも良いし、撮影順ではない項目、例えば撮影画像サイズ順に区分して、その各区分中で、撮影順に画像を並べるように構成しても良い。また、ここでは所定の一連の連写画像より抽出範囲を選択するように構成したが、このようでなくとも構わず、例えば連写ではなく単写で一枚一枚撮影した画像を撮影順に並べたものから抽出範囲を選択するものであっても良いし、又はその逆に並べたものから選択するものであっても良い。
【0049】
次に、上記連写画像から、上記の抽出範囲を対象として、コマ間隔(撮影時間間隔)が等間隔となる3コマの画像を抽出し、より具体的には該当する3コマの画像の静止画データをメモリカード28から読み出し、その3コマの画像を表示部26の画面上に撮影順に並べてサムネイル表示する(ステップSA2)。本実施形態では、上記3コマの画像が本発明における規定数の抽出画像である。
【0050】
なお、3コマの画像は前述した連写画像の先頭コマと最終コマとを含むものであり、それらの抽出に際しては、連写画像の総コマ数に基づき中間に位置する画像のコマ位置が演算される。その際、完全に同一のコマ間隔が確保できないときには、先頭コマから所定間隔毎にコマ位置を抽出して設定するようにしても良いし、中間に位置する画像のコマ位置を適宜調整しても良い。
【0051】
さらに、同一画面上に、上記3コマの画像の連写画像内におけるコマ位置を示す位置表示バーを表示させる(ステップSA3)。
【0052】
図4は、上記ステップSA2,SA3による表示される表示画面、すなわち検索画面G1の例を示した図であって、連写画像の全コマ数が20コマである場合の例である。なお、以下の説明においては、これを前提として説明を進める。
【0053】
そして、図示したように、上記ステップSA2においては先頭画像101と、最終画像103と、中間に位置する画像102とを抽出し、それらを横方向に並べて表示する。なお、図中の「No.0」、「No.10」、「No.20」は、上記各画像(以下、表示画像という。)のコマ番号、つまり連写画像内でのコマ位置である。また、ステップSA2では、表示画像101,102,103のうちの任意の1画像又は2画像を選択するための選択カーソル201も表示させる。なお、処理開始当初の選択カーソル201は、図4に示したように、コマ番号が最も若い左端の表示画像101を選択した状態にある。
【0054】
また、前述した位置表示バー104は、前記3コマの表示画像101,102,103の上方側にて延在するスケールバー104aと、その延在域を全コマ範囲として表示画像101,102,103のコマ位置を示す3つのポインタ104bとから構成される。
【0055】
引き続き、上述した検索画面G1を表示した後、制御部22はユーザーによる前述した十字キーの操作内容に応じて、以下の処理を行う。
【0056】
まず、左右いずれかの方向の指示操作があった場合には(ステップSA4でYES)、処理開始当初のように、その時点で任意の画像を拡大表示しておらず、かつ選択カーソル201が指示方向の端に位置していなければ(ステップSA5,SA7が共にNO)、前述した選択カーソル201を画像選択状態から範囲選択状態、逆に範囲選択状態から画像選択状態に変更したうえで指示された方向へ移動する(ステップSA8)。
【0057】
すなわち本実施形態では、前記選択カーソル201を、図5に示したように、表示画像101,102,103のうちの任意の1画像を囲む画像選択状態(同図の(a)、(c)、(e)に示した状態)と、任意の2画像を囲む範囲選択状態(同図の(b)、(d)に示した状態)とに交互に変化させながら移動する。つまり左右いずれかの方向を指示するだけで、ユーザーが任意の1画像を選択する画像選択操作と、任意の隣接する2画像を選択する範囲選択操作とを行うことができるようになっている。
【0058】
そして、ステップSA8で選択カーソル201を移動した後には、いったんステップSA4へ戻る。
【0059】
また、前述したステップSA7の判別結果がYESであって、その時点で選択カーソル201が例えば図5(a)、(b)に示したように指示方向の端にあるときには、いったん、連写画像に対する抽出範囲における指示方向側の端画像(処理開始当初では1コマ目、若しくは20コマ目)を検索画面G1に表示しているか否かを判別する(ステップSA9)。そして、処理開始当初のように上記の端画像を表示しているときには(ステップSA9でYES)、そのまま前述したステップSA4へ戻る。この場合、例えば図5(a)、(b)の状態が維持される。
【0060】
一方、前述したステップSA4の判別結果がNOであり、左右方向の指示操作がなければ、引き続き下方向や上方向の指示操作の有無を確認し、いずれの操作もなければ(ステップSA11,SA15が共にNO)、そのまま前述したステップSA4へ戻る。
【0061】
また、下方向の指示操作があった場合には(ステップSA11がYES)、その時点において選択カーソル201が2画像選択状態であるか否かを判別し、2画像選択状態であれば(ステップSA12でYES)、表示画像の抽出範囲を選択中の2つの表示画像の各々のコマ位置を両端とするコマ範囲に変更した後(ステップSA13)、前述したステップSA2へ戻る。
【0062】
そして、ステップSA2においては、変更後の抽出範囲、つまりそれ以前よりも狭い抽出範囲から新たにコマ間隔が等間隔となる3コマの画像を抽出し、それらを撮影順に並べてサムネイル表示するとともに、それに応じて位置表示バー104のポインタ104bの位置を修正する。これにより、それまでの検索画面G1を、コマ間隔がそれ以前より狭い新たな3つの表示画像101,102,103が並んだ下層の検索画面G1に更新する。
【0063】
図6は、任意の時点における検索画面G1の表示内容の例を示した図であり、同図で(a)〜(c)が処理開始当初における1層目の検索画面G1、(d)〜(f)が2層目の検索画面G1、(d)〜(f)が3層目の検索画面G1である。つまり、ユーザーは、選択カーソル201を任意の2画像を囲んだ範囲選択状態として下方向の指示操作を行うことにより、検索画面G1を例えば(a)、(d)、(g)の順に検索画面G1を変化させることができる。
【0064】
また、前述した処理を繰り返す間に、左右いずれかの方向の指示操作があった時点において、選択カーソル201が指示方向の端に位置している状態で(ステップSA7でYES)、検索画面G1に、連写画像に対する抽出範囲における指示方向側の端画像が表示されていなかった場合には(ステップSA9でNO)、前述した表示画像の抽出位置を現在の表示画像101,102,103のコマ間隔分だけ指示方向へ移動(設定変更)した後(ステップSA10)、前述したステップSA2へ戻る。
【0065】
そして、ステップSA2においては、移動後の抽出位置から新たにコマ間隔が等間隔となる3コマの画像、つまりコマ位置が上記コマ間隔分だけ1つずれた画像を抽出し、それらを撮影順に並べてサムネイル表示するとともに、それに応じて位置表示バー104のポインタ104bの位置を修正する。つまり、同一階層の検索画面G1においてコマ間隔を維持したままで表示画像101,102,103をスクロールさせる。
【0066】
例えば2層目の検索画面G1の表示中に、図6(a)の状態でコマ番号「10」の表示画像103が選択されていた場合には、表示画像101,102,103を同図(e)の状態にスクロールさせ、また、3層目の検索画面G1の表示中に、図6(g)の状態でコマ番号「10」の表示画像103が選択されていた場合には、表示画像101,102,103を同図(h)の状態にスクロールさせる。なお、図6において(e)は、同図(d)の状態で右方向の指示操作が2回あったときの状態、同図(h)は、同図(g)の状態で右方向の指示操作が4回あったときの状態である。
【0067】
一方、下方向の指示操作があった時点で選択カーソル201が1画像を囲んだ画像選択状態にあるときには(ステップSA12でNO)、選択カーソル201によって選択されている表示画像を拡大表示する(ステップSA14)。なお、その際には、前述した位置表示バー104も同時に表示させる。すなわち、表示部26に前述した図7同図(a)に示したように1層目の検索画面G1が表示されていたときには、同図(b)のような画像拡大画面G2を表示させる。
【0068】
そして、係る画像拡大画面G2の表示中に左右いずれかの方向の指示操作があった場合には(ステップSA4,SA5が共にYES)、その指示方向に応じて拡大表示する画像を、コマ位置が前の画像に変更したり、コマ位置が後の画像に変更したりする(ステップSA6)。すなわち、図7(b)の画像拡大画面G2を表示しているときには、その中の拡大表示画像301を同図(c)や同図(d)に示したように切り替える。つまり前後いずれかの方向にコマ送りする。なお、フローチャートには示さないが、拡大表示画像301が前述した抽出位置における指示方向側の端のコマ位置(ここでは、1コマ目か20コマ目)の画像である場合については、ステップSA14の処理はスキップして、そのままステップSA4へ戻る。
【0069】
さらに、前述したステップSA15の判別結果がYESであって、上方向の指示操作があったときには(ステップSA15でYES)、その時点でいずれかの画像を拡大表示している、つまり画像拡大画面G2を表示している場合には(ステップSA16でYES)、ステップSA3へ戻り、その時点で設定されている抽出範囲、及び抽出位置に従い検索画面G1を表示する。つまり、直前に表示していたいずれかの階層の検索画面G1を表示する。
【0070】
また、画像拡大画面G2を表示していない場合、つまりいずれかの階層の検索画面G1を表示している場合には(ステップSA16でNO)、表示画像の抽出範囲、抽出位置を、1段階上層の検索画面G1で使用した値に変更した後(ステップSA17)、ステップSA3へ戻る。これにより、上層の検索画面G1を表示する。なお、1段階上層の検索画面G1で使用した抽出範囲、抽出位置については、例えば検索画面G1を1層目から2層目に切り替えた時点、及び2層目から3層目に切り替えた時点において予め記憶しておくようにする。
【0071】
以上のように、前記検索表示モードでは、連写画像の中から所望する画像を探すとき、検索画面G1における検索階層を1層目(図6(a)〜(c))から2層目(図6(d)〜(f))、さらに3層目(図6(g)〜(i))と言ったように、順次下層側へ切り替えることにより、表示画像101,102,103のコマ間隔を狭くすることができる。同時に、各階層の検索画面G1において、次の階層(下層)での表示画像101,102,103を抽出するコマ範囲を選択することができる。したがって、所望する画像が位置する範囲を段階的に絞ることにより、その画像を効率的に探し出すことができる。
【0072】
また、検索画面G1において、必要に応じて検索階層を1段階毎に上層へ切り替えることもできるため、それによっても、所望する画像をより効率的に探し出すことができる。
【0073】
また、検索階層に関係なく、必要に応じて任意の表示画像101,102,103の拡大画像を表示させる、つまり画像拡大画面G2を表示させることができる。そのため、各階層の検索画面G1においてコマ範囲を選択するときには、表示画像の詳細を確認して上で、より適切なコマ範囲を選択することができる。したがって、所望する画像をより効率的に探し出すことができる。
【0074】
また、画像拡大画面G2においては、拡大表示させた表示画像を必要に応じてコマ送りで変更できるため、それによっても、所望する画像をより効率的に探し出すことができる。
【0075】
ここで、以上の説明においては、ステップSA1において当初設定する表示画像の抽出範囲を連写画像の全コマ範囲としたが、必ずしも全コマ範囲としなくともよい。また、当初の抽出範囲を、ユーザーが手動で任意に又は選択的に設定できる構成としてもよい。なお、全コマ範囲でない場合には、処理開始当初に表示される検索画面G1においても、表示画像101,102,103がスクロール可能となる。また、その場合には、上層側への検索階層の切り替えを、抽出範囲が全コマ範囲となるまで可能な構成としてもよい。
【0076】
また、画像拡大画面G2においては、選択カーソル201を、左右方向の指示操作に応じて、画像選択状態と範囲選択状態とに交互に変化させながら移動させるようにしたが(図5)、これに限らず、所定のキー操作に応じて選択カーソル201を画像選択状態と範囲選択状態とに切り替え可能としておき、左右方向の指示操作があったときには、いずれかの状態のままで移動させるだけの構成としてもよい。
【0077】
また、画像拡大画面G2でサムネイル表示させる画像を3コマ分としたが、それ以上のコマ数の画像を表示させてもよい。また、その場合における各画像の表示形態は、撮影順が分かれば任意で構わない。さらに、その場合には、所定のキー操作で、隣接していない一組の画像を選択可能とし、かつそれらのコマ位置を両端とするコマ範囲を抽出範囲として下層側への検索階層の切り替えを可能としてもよい。
【0078】
また、検索画面G1や画像拡大画面G2における位置表示バー104の表示は任意であり、いずれか一方のみに表示させたり、その表示を廃止したりしても構わない。
【0079】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、図1示したデジタルカメラ1に、制御部22が後述する処理を行うことにより、第1の実施形態と異なる図9に示したような検索画面G11を表示させる検索表示モードが設けられ、制御部22のCPUが本発明の第1の抽出手段、第2の抽出手段、第1〜第4の表示制御手段として機能するものである、
【0080】
図8は、本実施形態において検索表示モードが設定されているときの制御部22の処理手順を示したフローチャートである。
【0081】
以下説明すると、検索表示モードにおいて制御部22は、まずユーザーにより予め選択されている連写画像(複数コマの静止画像)から、同一のコマ間隔(撮影時間間隔)を有する5コマの画像(以下、インデックス画像という。)を抽出する。より具体的には該当する5コマのインデックス画像の静止画データをメモリカード28から読み出す(ステップSB1)。本実施形態では、上記5コマのインデックス画像が本発明における規定数の抽出画像である。
【0082】
なお、5コマのインデックス画像には連写画像の先頭コマと最終コマの画像が含まれる。また、各インデックス画像の間に、完全に同一のコマ間隔が確保できないときには、1又は複数部分のコマ間隔を適宜調整する。
【0083】
しかる後、図9(a)に示したように、抽出した5コマのインデックス画像401〜405を、表示部26の画面上辺に沿って撮影順に横方向に並べてサムネイル表示させる(ステップSB2)。
【0084】
引き続き、各インデックス画像401〜405における表示位置が1番目と2番目の画像の間における連続した4コマの画像(以下、詳細画像という。)を抽出し(ステップSB3)、抽出した4コマの詳細画像501〜504を、表示部26の画面左辺側に位置する1番目のインデックス画像401の下に、撮影順に縦方向に並べてサムネイル表示させる(ステップSB4)。
【0085】
さらに、1番目のインデックス画像401の拡大画像401aを、上辺がインデックス画像401〜405に接し、また左辺が詳細画像501〜504に接して表示し、かつインデックス画像401〜405の上辺側に、連写画像内における1番目のインデックス画像401(拡大画像401a)のコマ位置を示す位置表示バー104を表示する(ステップSB5)。すなわち、本実施形態の位置表示バー104は、第1の実施形態の場合と異なり、スケールバー104aと、1番目のインデックス画像401のコマ位置を示す単一のポインタ104bのみから構成される。
【0086】
図9(a)は、以上の処理により表示される表示画面、すなわち検索画面G11の例を示した図であって、連写画像の全コマ数が20コマである場合の例である。なお、以下の説明においては、これを前提として説明を進める。また、図中の「No.0」〜「No.5」、「No.10」、「No.15」、「No.20」は、各インデックス画像401〜405と書く詳細画像501〜505のコマ番号、つまり連写画像内でのコマ位置である。
【0087】
引き続き、上述した検索画面G11を表示した後、制御部22はユーザーによる前述した十字キーの操作待ちを行うとともに、その操作内容に応じて以下の処理を行う。
【0088】
まず、左右いずれかの方向の指示操作があった場合には(ステップSB6でYES)、各インデックス画像401〜405の表示位置を指示方向に向け循環方式で1画像分移動させる(ステップSB7)。例えば左方向の指示があった場合には、図9(b)に示したように、同図(a)における2番目〜5番目のインデックス画像402〜405の画像を1番目〜4番目の位置に移動させ、かつ1番目のインデックス画像401の画像を5番目の位置に移動させる。
【0089】
しかる後、ステップSB5へ戻り、前記拡大画像401aを、新たに1番目のインデックス画像401となったコマ番号の画像の拡大画像に更新する。上記例では拡大画像401aとして、コマ番号が「No.5」の画像の拡大画像を表示させる。同時に、それと対応して位置表示バー104のポインタ104bを移動させる。
【0090】
また、上下いずれかの方向の指示操作があった場合には(ステップSB8でYES)、1番目のインデックス画像401と各詳細画像501〜505とを、指示方向に循環方式で1画像分移動させる(ステップSB9)。例えば上方向の指示があった場合には、図9(c)に示したように、同図(a)における1番目の詳細画像501の画像を1番目のインデックス画像401の位置へ移動させ、同時に2番目〜4番目の詳細画像502〜504の画像を1番目〜3番目に移動させるとともに、1番目のインデックス画像401の画像を、4番目の詳細画像504の位置に移動させる。
【0091】
しかる後、ステップSB5へ戻り、前記拡大画像401aを、新たに1番目のインデックス画像401となったコマ番号の画像の拡大画像に更新する。上記例では拡大画像401aとして、コマ番号が「No.1」の画像の拡大画像を表示させる。同時に、それと対応して位置表示バー104のポインタ104bを移動させる。これ以後、前述したSB5〜SB9の処理を繰り返す。
【0092】
以上のことから、本実施形態の検索表示モードでは前述した検索画面G11を表示することにより、連写画像の中から所望する画像を探すときには、まず、コマ間隔が等しい(又は、ほぼ等しい)5コマのインデックス画像401〜405によって連写画像の概略的を確認することができる。次に、任意のインデックス画像401〜405を代表とする所定のコマ範囲を左右方向の指示操作により選択し、選択中のコマ範囲の全ての画像を4コマの詳細画像501〜504によって確認することができる。そして、選択中のコマ範囲の各々の画像を上下方向の指示操作によって順に選択すれば、各々の画像の拡大画像401aにより選択中の画像の詳細を確認することができる。したがって、所望する画像を効率的に探し出すことができる。
【0093】
なお、本実施形態においては、当初インデックス画像401〜405として表示する5コマの画像を、連写画像の先頭コマと最終コマが含まれる同一のコマ間隔(撮影時間間隔)を有する画像とした、つまり抽出範囲を連写画像の全コマ範囲としたが、必ずしも全コマ範囲としなくともよい。すなわち、第1の実施形態で述べたように、当初の抽出範囲を、ユーザーが手動で任意に又は選択的に設定できる構成としてもよい。
【0094】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、図1示したデジタルカメラ1に、ユーザーが、第1の実施形態で説明した検索画面G1、つまりサムネイルが横方向に並ぶ横方向の検索画像G1(図4参照)と、第2の実施形態で説明した検索画面G11、つまりサムネイルが縦横方向に並ぶ縦横方向の検索画像G11(図9参照)とを切り替えることができる検索表示モードが設けられたものである。
【0095】
図10は、本実施形態において検索表示モードが設定されているときの制御部22の処理手順を示したフローチャートである。
【0096】
以下説明すると、検索表示モードにおいて制御部22は、ユーザーにより予め選択されている連写画像を対象として、横方向の検索画像G1の表示を開始する。そして、横方向の検索画像G1の表示中には、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ユーザーのキー操作に応じて前述した表示画像101,102,103を適宜更新する(ステップSC1)。
【0097】
また、その間に、ユーザーにより所定のキーによる画面切替操作があった場合には(ステップSC2でNO)、その時点における前述した表示画像101,102,103におけるコマ間隔、及びその抽出位置を引き継いだ状態で、縦横方向の検索画像G11の表示を開始する。例えば図11に示したように、同図(a)のような横方向の検索画像G1を表示している状態で画面切替操作があった場合には、選択カーソル201の位置に関係なく、それを同図(b)のような縦方向の検索画像G11に切り替える。
【0098】
以後、縦横方向の検索画像G11の表示中には、第2の実施形態と同様の処理を行うことにより、ユーザーのキー操作に応じて、インデックス画像401〜405、及び詳細画像501〜502を適宜更新する(ステップSC3)。なお、その間においては、インデックス画像401〜405として表示すべき画像が5コマ以上存在する場合、例えば図11の例のように7コマ存在する場合には、左右いずれかの方向の指示操作に応じて7コマ全ての画像を表示対象として循環方式でスクロール表示させる。
【0099】
また、縦横方向の検索画像G11の表示中に画面切替操作があった場合には(ステップSC4でYES)、ステップSC1へ戻り、再び横方向の検索画像G1を表示させる。
【0100】
一方、縦横方向の検索画像G11の表示中に画像決定操作があったときには(ステップSC5でYES)、その時点における前述した拡大画像401aを、図11(c)に示したように全画面表示させる(ステップSC6)。以後、全画面表示の終了指示(例えば、画像決定操作と同一のキー操作)があるまで(ステップSC7でNO)、上記の全画面表示を継続して行い、終了指示があったら(ステップSC7でYES)、その時点でステップSC3へ戻り、直前の状態の検索画面G11を表示させる。以後、上述した処理を繰り返す。
【0101】
以上のように本実施形態によれば、第1の実施形態における検索画面G1と同様に、検索画面G11にインデックス画像401〜405として表示する5コマの画像の抽出範囲(同時にコマ間隔)を、ユーザーが必要に応じ、所望のコマ位置方向に向かって段階的に絞ることができる。したがって、前述した第2の実施形態に比べると、連写画像の中から所望する画像を探すとき、それをより一層効率的に探し出すことができる。
【0102】
なお、本実施形態においては、横方向の検索画像G1を縦横方向の検索画像G11に切り替えるとき、横方向の検索画像G1の表示画像101,102,103におけるコマ間隔、及びその抽出位置を引き継ぐようにしたが、コマ間隔のみを引き継ぐようにしてもよい。
【0103】
また、以上述べた第1〜第3の実施形態においては、前述した検索画面G1,11に、そこにサムネイル表示している表示画像101,102,103(図4)や、拡大画像401a(図9)、インデックス画像401〜405(図11)の連写画像におけるコマ位置を示す位置表示バー104を表示させたが、それに代えて、例えば図12(a)に示した位置表示バー601や、同図(b)に示した位置表示バー602を表示させてもよい。
【0104】
すなわち図12は位置表示バーの変形例を示した図であって、同図(a)の位置表示バー601は、スケールバー104aを太くし、その内部に、前述したポインタ104bに加え、連写画像におけるボリュームの変化や、前のコマの画像との相関関係(明るさや、動きの違い等)の強度の変化を示す折れ線グラフ601aを配置した構成である。
【0105】
係る位置表示バー601を用いれば、上記ポインタ104bによる時間軸に関する情報以外にも、連写画像における一連の画像の撮影環境の変化や、一連の画像それ自体の変化といった参考情報をユーザーに提供することができる。したがって、ユーザーが前述した検索画面G1,11によって検索対象とすべきコマ範囲を選択する際の利便性を向上させることができる。
【0106】
また、図12(b)の位置表示バー602は、スケールバー104aの内部に、上述した折れ線グラフ601aに加えて、ボリュームや相関関係の強度の閾値を示す補助線601bをさらに設けるとともに、閾値を超えた部分、つまり連写画像における特異点に相当するコマ位置(又はコマ範囲)Aを黒塗りによって示した構成である。係る位置表示バー602を用いた場合には、前記位置表示バー601を用いる場合に比べると、ユーザーが前述した検索画面G1,11によって検索対象とすべきコマ範囲を選択する際の利便性を、より一層向上させることができる。
【0107】
なお、図12には、前述した折れ線グラフ601aや補助線601bを、スケールバー104aの内部にポインタ104bと共に表示させる位置表示バー601,602を示したが、折れ線グラフ601aや補助線601bは、第1〜第3の実施形態で示した位置表示バー104の上下に並べて表示させても構わない。
【0108】
また、以上述べた第1〜第3の実施形態においては、検索表示モードが、主として前述した高速連写機能により撮影された連写画像(連続画像)の中から所望の画像を探す場合を想定し設けられている動作モードであり、ユーザーが連写画像から所望とする画像を検索する場合について説明したが、前述した検索表示モードは、連写画像以外にも動画像から所望の画像を探す場合においても用いることができる。そして、その場合であっても、ユーザーは、検索表示モードを使用することにより所望する画像を効率的に探し出すことができる。
【0109】
また、ここでは本発明をデジタルカメラ、特に高速連写機能を有するデジタルカメラに適用する場合について説明したが、これに限らず本発明は、撮影により取得された画像を表示する機能を有するものであれば、撮影機能を備えたPDAやデジタルビデオカメラやカメラ付き携帯電話装置、さらには撮影機能を有していない一般的な構成を備えたパーソナルコンピュータ等の他の装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 デジタルカメラ
12 レンズ光学系
13 CCD
22 制御部
26 表示部
27 画像処理部
28 メモリカード
29 キー入力部
101〜103 表示画像
104 位置表示バー
104a スケールバー
104b ポインタ
201 選択カーソル
301 拡大表示画像
401〜405 インデックス画像
401a 拡大画像
501〜502 詳細画像
601 位置表示バー
601a 線グラフ
601b 補助線
602 位置表示バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を所定の順番で記録する記録手段と、
前記画像を表示する表示手段と、
前記記録手段に所定の順番で記録された前記複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された規定数の抽出画像を前記表示手段の表示画面上に並べて表示させる表示制御手段と、
前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記抽出手段で抽出する画像は、前記抽出範囲の両端の画像と、先端の画像より所定画像数毎に抽出した画像と、である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記表示画面上に並べて表示されている規定数の抽出画像のうち画像選択操作により選択された任意の1つの抽出画像を拡大表示操作に応じて前記表示手段に拡大表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記拡大表示操作に応じて前記抽出画像を前記表示手段に拡大表示させている状態で、画像変更操作がある毎に、拡大表示対象の画像を所定方向にコマ送りで変更することを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記抽出手段により動作開始当初の抽出範囲は、前記所定の複数画像の全範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記抽出範囲変更手段は、所定の第一の抽出範囲変更操作に応じて前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を段階的に拡大するように変更すると共に、所定の第2の抽出範囲変更操作に応じて前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を段階的に縮小するように変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示手段の表示画面上に、表示中の画像の前記所定の複数画像における規定数の抽出した画像の位置を示す位置表示バーを表示させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
一連の連写画像を撮影して前記記録手段に記録する連続撮像手段を更に備え、
前記抽出手段で順番に並べる前記所定の複数画像は、前記記録手段に記録された複数の画像のうち、所定の前記一連の連写画像である
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
記録手段に所定の順番で記録された複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出工程と、
抽出した規定数の抽出画像を表示手段の表示画面上に並べて表示する表示工程と、
前記規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示手段の表示画面上に並べて表示した規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択させることにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更し、変更後の新たな抽出範囲から規定数の画像を抽出する再抽出工程と
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項10】
画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置が有すコンピュータを、
前記記録手段に所定の順番で記録された前記複数の画像から、そのうちの2つの画像間を抽出範囲として、規定数の画像を抽出する抽出手段と、
この抽出手段により抽出された規定数の抽出画像を前記表示手段の表示画面上に並べて表示させる表示制御手段と、
前記抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段と
として機能させるプログラム。
【請求項11】
画像を表示する表示手段と、
順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出する第1の抽出手段と、
この第1の抽出手段により抽出された規定数の代表画像を前記表示手段の表示画面上に第1の方向に並べて表示させる第1の表示制御手段と、
前記複数画像から、前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に第1の方向に並べて表示されている規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出する第2の抽出手段と、
この第2の抽出手段により抽出された規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に前記表示手段の表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示させる第2の表示制御手段と
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項12】
前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に表示されている規定数の代表画像、及び前記第2の表示制御手段により前記表示画面上に表示されている規定数の詳細画像の中から選択操作によって選択された画像を、前記規定数の代表画像及び前記規定数の詳細画像と共に前記表示画面上に拡大表示させる第3の表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記第1の抽出手段による規定数の抽出画像の抽出範囲を、前記表示制御手段で表示させた前記規定数の抽出画像中から画像選択操作により2つの画像を選択することにより、その2つの選択画像間の各画像を新たな抽出範囲に変更して前記新たな抽出範囲から規定数の画像を前記第1の抽出手段に抽出させる抽出範囲変更手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記表示手段の表示画面上に、前記第3の表示制御手段により拡大表示されている画像の前記複数画像におけるコマ位置を示す位置表示バーを表示させる第4の表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項12又は13に記載の画像表示装置。
【請求項15】
被写体を撮像する撮像手段と、
この撮像手段により撮像された被写体の連続画像である複数画像を記録する画像記録手段と
を備え、
前記第1の抽出手段は、前記画像記録手段に記録されている前記複数画像から前記規定数の代表画像を抽出することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項16】
順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出し、抽出した規定数の代表画像を表示画面上に第1の方向に並べて表示する第1の工程と、
前記複数画像から、前記第1の工程で表示画面上に第1の方向に並べて表示した規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出し、抽出した規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示する第2の工程と
を含むことを特徴とする画像表示方法。
【請求項17】
画像を表示する表示手段を備えた画像表示装置が有すコンピュータを、
順番に並べられた複数コマの複数画像から、所定のコマ範囲を抽出範囲として、そのコマ範囲の先頭及び後尾の画像を含むとともに各々の間に所定のコマ間隔が確保された規定数の代表画像を抽出する第1の抽出手段と、
この第1の抽出手段により抽出された規定数の代表画像を前記表示手段の表示画面上に第1の方向に並べて表示させる第1の表示制御手段と、
前記複数画像から、前記第1の表示制御手段により前記表示画面上に第1の方向に並べて表示されている規定数の代表画像のうちで選択操作により選択された任意の代表画像と当該代表画像に隣接する他の代表画像との間におけるコマ位置が連続した規定数の詳細画像を抽出する第2の抽出手段と、
この第2の抽出手段により抽出された規定数の詳細画像を、前記規定数の代表画像と共に前記表示手段の表示画面上に前記第1の方向とは異なる第2の方向に並べて表示させる第2の表示制御手段と
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−216215(P2012−216215A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113992(P2012−113992)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2006−268298(P2006−268298)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】