説明

画像表示装置、映像信号供給装置、表示方法および表示プログラム

【課題】複数台のパソコンの映像信号を同一画面上に表示させると共に、複数台のパソコンを一組の入力デバイスで操作できるようにする。
【解決手段】モニタに2台のパソコンが接続されると共に、キーボード及びマウスなどの入力デバイスが接続される。2台のパソコンから供給された映像信号は、夫々バッファを介して複数画面分の映像信号を格納可能なメモリに書き込まれる。読み出し開始アドレスから1画面分のアドレス範囲が指定されて映像信号が読み出され、複数の映像信号が表示部に、表示領域を分けて同時に表示される。さらに、操作スイッチの操作や入力デバイスの操作に基づくカーソルが分けられた表示領域のうち何れにあるかで、対応する側のパソコンが選択され、選択された側のパソコンに入力デバイスの出力が供給される。1台のモニタに複数台のパソコン画面を同時に表示できると共に、一組の入力デバイスで複数台のパソコンを制御できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、複数台のコンピュータ装置が接続可能で、接続された複数台のコンピュータ装置による表示画面を一つの画面上に表示できると共に、接続された複数台のコンピュータ装置の制御を共通の入力装置によって行うことができるようにした画像表示装置、映像信号供給装置、表示方法および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ装置は、外部にモニタ装置を接続すると共に、キーボードやマウスといった入力デバイスを接続して用いるようにされたものが多い。ユーザは、モニタ装置の表示に基づき、入力デバイスを操作して、アプリケーションソフトウェアによるデータ処理などを行う。
【0003】
処理の内容や、ユーザの都合によっては、複数台のコンピュータ装置を並列的に起動して操作するようなことも考えられる。この場合、モニタ装置の設置場所などを考慮すると、1台のモニタ装置に対して複数台のコンピュータ装置を接続することが望ましい。
【0004】
第1図は、従来技術により、1台のモニタ装置500に2台のコンピュータ装置501Aおよび501Bを接続するようにした例である。なお、以下では、コンピュータ装置は、パーソナルコンピュータ(パソコンと略称する)であるとして説明する。モニタ装置500は、2系統の映像信号が入力可能とされている。モニタ装置の第1の映像入力端子(図示しない)に、パソコン本体501Aから出力された映像信号502Aが入力される。同様に、モニタ装置500の第2の映像入力端子(図示しない)に、パソコン本体501Bから出力された映像信号502Bが入力される。
【0005】
モニタ装置500において、第1および第2の映像入力端子から入力された映像信号に基づく表示が表示部507に対してなされる。また、モニタ装置500は、前面に操作スイッチ505が設けられる。例えば、操作スイッチ505を操作することで、モニタ装置500の設定が表示されるOSD(On Screen Display)画面506を、表示部507の所定領域に表示させることができる。また、操作スイッチ505を所定に操作することで、モニタ装置500の設定値、例えばコントラスト、明るさ、色相などの値を変更することができる。変更された値に基づきモニタ装置500における表示画質が変更されると共に、OSD画面506の表示が更新される。
【0006】
パソコン本体501Aには、パソコン本体501Aに対してユーザからの指示を入力するための入力デバイスとして、キーボード503Aおよびマウス504Aとが接続される。キーボード503Aは、入力されたキー情報をパソコン本体501Aに送信する。マウス504Aは、マウス504Aの(X,Y)方向それぞれの移動量と、ボタン操作情報をパソコン本体501Aに送信する。パソコン本体501Aでは、例えばマウス504Aから供給されたマウス移動量をモニタ装置500の表示部507上での座標に変換し、カーソルをその座標に表示させるような映像信号が生成される。このカーソルを表示する映像信号は、映像信号502Aに重畳されてモニタ装置500に供給され、カーソル508
の表示がなされる。
【0007】
なお、パソコン本体501Bについても同様に、キーボード503Bおよびマウス504Bが接続され、キー情報、ならびに、マウス移動量およびボタン操作情報がパソコン本体501Bに送信される。カーソル508の表示も、パソコン本体501Aの場合と同様にして行われる。
【0008】
第1図に示される従来の使用例では、パソコン本体501Aによる映像信号502Aと、パソコン本体501Bによる映像信号502Bとの切り替えは、例えば操作スイッチ505を操作することによって、スタティックに行われる。第2図は、上述したモニタ装置500の一例の構成を示す。パソコン本体501Aから出力された映像信号502Aおよびパソコン本体501Bから出力された映像信号502Bは、それぞれビデオスイッチ512の一方および他方の入力端に入力される。ビデオスイッチ512は、後述するCPU511により制御され、一方および他方の入力端に入力された映像信号が選択される。選択された映像信号は、ビデオスイッチ512から出力され、ビデオミックス回路514の一方の入力端に供給される。
【0009】
このモニタ装置500は、CPU511を有する。操作スイッチ505の操作に応じた信号がCPU511に供給される。操作スイッチ505の操作が、パソコン本体501Aおよびパソコン本体501Bとの切り替えを指示するものであれは、CPU511からビデオスイッチ512に対して、入力を切り替えるような制御信号が供給される。
【0010】
また、操作スイッチ505における操作がOSD画面506の表示を指示するような操作であれば、OSD画面506を表示することを指示するコマンドがCPU511からキャラクタジェネレータ513に供給される。キャラクタジェネレータ513は、供給されたコマンドに基づき、OSD画面506を表示するための映像信号を生成する。生成される映像信号は、例えばRGB信号である。この映像信号は、ビデオミックス回路514の他方の入力端に供給される。
【0011】
ビデオミックス回路514では、OSD画面506が表示部507の所定領域に表示されるように、所定のタイミングで一方および他方の入力端に供給された映像信号を切り替えて出力する。ビデオミックス回路514から出力された映像信号は、表示制御回路515を介して、例えばCRT(Cathode RayTube)やLCD(Liquid Crystal Display)および対応する駆動回路からなる画像表示デバイス516に供給される。
【0012】
画像表示デバイス516では、供給された映像信号の周波数や解像度に従って、表示部507に対する表示を行う。例えば、供給された映像信号に含まれる水平同期信号および垂直同期信号を検出し、水平周波数や垂直周波数などを求める。
【0013】
なお、操作スイッチ505を操作してモニタ装置500の設定が変更されると、変更された設定に基づく制御信号がCPU511から表示制御回路515に対して供給される。この制御信号に基づき、表示制御回路515に供給された映像信号が処理され、画像表示デバイス516における表示画質などの調整がなされる。
【0014】
このように、モニタ装置500に対してパソコン本体501Aおよび501Bが接続されることで、ユーザは、操作スイッチ505を所定に操作することで、パソコン本体501Aと501Bとを適宜に切り替えて操作することが可能になる。パソコン本体501A側が選択されている場合には、ユーザは、モニタ装置500の表示を見ながら、マウス504Aやキーボード503Aによりパソコン本体501Aを操作することができる。パソコン本体501Bが選択されている場合にも同様に、モニタ装置500の表示を見ながら、マウス504Bやキーボード503Bによりパソコン本体501Bを操作することができる。
【0015】
さらに、第3図に一例が示されるように、モニタ装置500に接続された複数台のパソコン本体501Aと501B間とをネットワーク520で接続することで、パソコン本体501と501Bとの間でデータ通信を行うようにできる。例えば、ファイルをパソコン本体501Aからパソコン本体501Bに、ネットワーク520を介して転送することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従来では、1台のモニタ装置に複数台のコンピュータ装置が接続可能とされていても、接続された複数台のコンピュータ装置からの映像信号を切り替えるビデオスイッチが、上述したようにスタティックなものであり、また、複数のコンピュータ装置から入力される映像信号の周波数が異なり非同期なものであった。そのため、従来では、複数のコンピュータ装置の映像信号を、1台のモニタ装置に同時に表示することができなかったという問題点があった。
【0017】
すなわち、従来では、例えば2台のコンピュータ装置の映像信号を同時に表示するには、コンピュータ装置にそれぞれ対応する2台のモニタ装置を用いるしかないという問題点があった。
【0018】
また、従来では、複数台のコンピュータ装置を操作する際には、キーボードやマウスといった入力デバイスが複数組、必要であった。そのため、スペース的な面や、作業性といった面で効率的ではなかったという問題点があった。
【0019】
さらに、1台のモニタ装置に接続される複数台のコンピュータ装置から供給される映像信号は、信号フォーマットがそれぞれ異なり互いに非同期である場合が多い。このような場合、特に画像表示デバイスとしてCRTを用いたモニタ装置500において、供給された複数の映像信号の切り替え時には、供給された映像信号に関するシステム判別などの時間を要していた。このため、従来では、複数の映像信号を瞬時に切り替えることができないという問題点があった。
【0020】
さらにまた、モニタ装置500に対して2台のパソコン501Aおよび501Bが接続されていても、モニタ装置500では、何方か一方のパソコンからの画像信号しか表示できないので、ユーザは、操作スイッチ505を操作するなどして、パソコン501Aおよび501Bのうち何方か一方を手動で選択し切り替えて使用しなければならない。そのため、例えば、第3図のようにパソコン本体501Aと501Bとがネットワーク520で接続されていても、パソコン501Aおよび501Bの2台に跨ってファイル操作を行おうとすると、操作の手順が煩雑となり、2台のパソコンの切替の手間がかかるために操作性が悪く、不便であるという問題点があった。
【0021】
OS(Operation System)によっては、2つの異なるパソコンに跨ったファイル操作を行うためには、2つのパソコンから共通にアクセスできる、共有フォルダを介してデータやりとりをする必要がある。例えば、パソコン501A上のファイルをパソコン501B側のアプリケーションで開く場合、先ず、操作スイッチ505により信号502Aを選択し、画面にパソコン501Aによる画面を表示させ、所望のファイルを共有フォルダに移動あるいはコピーする。次に、操作スイッチ505より信号502Bを選択し、モニタ500の画面に、パソコン501Bによる画面を表示させる。そして、上述の共有フォルダを開き、そのフォルダ中の所望のファイルを選択して、パソコン501Bのアプリケーションから開く。このように、従来技術では、パソコン501Aとパソコ
ン501Bとの間でのデータ転送処理でも、処理が煩雑になってしまうという問題点があった。
【0022】
したがって、この発明の目的は、複数台のコンピュータ装置から出力された映像信号を同一画面上に表示させると共に、複数台のコンピュータ装置を一組の入力デバイスで操作できるようにした画像表示装置および方法を提供することにある。
【0023】
また、この発明の他の目的は、複数系統が供給された映像信号を瞬時に切り替えることが可能な画像表示装置および方法を提供することにある。また、この発明のさらに他の目的は、複数台のコンピュータ装置が接続可能とされ、モニタ装置の表示を手動で切り替えることなく、接続された複数台のコンピュータ装置の間でのデータ伝送を行うことができる画像表示装置、映像信号供給装置、表示方法および表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、映像を表示する表示手段と、表示手段の表示に対応して位置の指定を行う入力デバイスと、複数の映像を表示手段に対して同時に表示させる表示制御手段と、入力デバイスによって指定された表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、表示手段に表示される複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御手段とを有する画像表示装置である。
【0025】
また、請求項7に記載の発明は、映像を表示する表示手段へ映像信号を供給する映像信号供給手段と、表示手段の表示に対応して位置の指定を行う入力デバイスが接続される入力デバイス接続手段と、複数の映像を表示手段に対して同時に表示させる表示制御手段と、入力デバイスによって指定された表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、表示手段に表示される複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御手段とを有する映像信号供給装置である。
【0026】
また、請求項8に記載の発明は、表示手段に対して複数の映像を同時に表示させる表示ステップと、表示手段の表示に対応してユーザーが位置の指定を行う入力ステップと、入力ステップによって指定された表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、表示手段に表示される複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御ステップとからなる表示方法である。
【0027】
また、請求項9に記載の発明は、表示手段に対して複数の映像を同時に表示させる表示ステップと、表示手段の表示に対応してユーザーが位置の指定を行う入力ステップと、入力ステップによって指定された表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、表示手段に表示される複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御ステップとからなる表示プログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、画像表示装置に入力デバイスが設けられ、複数の映像を同時に表示した際の画面のスクロールを入力デバイスを用いて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】第1図は、従来技術によって1台のモニタ装置に2台のコンピュータ装置を接続するようにした例を示す略線図である。
【図2】第2図は、従来技術によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】第3図は、2つの入力が設けられたモニタ装置の従来技術による使用例を示す略線図である。
【図4】第4図は、実施の第1の形態によるモニタ装置である。1の一例の使用形態を概略的に示す略線図である。
【図5】第5図は、実施の一形態によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図6】第6図は、ビデオメモリインターフェイスの一例の構成を示すブロック図である。
【図7】第7図は、フレームメモリの一例のアドレス空間を示す略線図である。
【図8】第8図は、表示部の表示の例を示す略線図である。
【図9】第9図は、表示部の表示の例を示す略線図である。
【図10】第10図は、表示部の表示の例を示す略線図である。
【図11】第11図は、実施の第1の形態による表示制御の一例の処理を示すフローチャートである。
【図12】第12図は、実施の第2の形態による表示制御の一例の処理を示すフローチャートである。
【図13】第13図は、カーソルのX座標に基づく処理について説明するための略線図である。
【図14】第14図は、OSD画面の一例の表示を示す略線図である。
【図15】第15図は、実施の第3の形態によるモニタ装置の使用形態を概略的に示す略線図である。
【図16】第16図は、実施の第3の形態によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図17】第17図は、画像処理装置の構成をより詳細に示すブロック図である。
【図18】第18図は、表示部の一例の表示を示す略線図である。
【図19】第19図は、パソコン間でのファイルの移動処理を示す一例のフローチャートである。
【図20】第20図は、パソコン間でのファイルのコピーを行う際の処理の一例のフローチャートである。
【図21】第21図は、表示部に対する複数台のコンピュータ装置による表示画面の様々な表示方法についてより具体的に示す略線図である。
【図22】第22図は、表示部に対する複数台のコンピュータ装置による表示画面の様々な表示方法についてより具体的に示す略線図である。
【図23】第23図は、表示部に対する複数台のコンピュータ装置による表示画面の様々な表示方法についてより具体的に示す略線図である。
【図24】第24図は、表示部に対する複数台のコンピュータ装置による表示画面の様々な表示方法についてより具体的に示す略線図である。
【図25】第25図は、実施の第3の形態の第1の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図26】第26図は、実施の第3の形態の第2の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図27】第27図は、実施の第4の形態によるモニタ装置の使用形態を概略的に示す略線図である。
【図28】第28図は、実施の第4の形態によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図、
【図29】第29図は、実施の第4の形態の第1の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図30】第30図は、実施の第4の形態の第2の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図31】第31図は、実施の第5の形態によるモニタ装置の使用形態を概略的に示す略線図である。
【図32】第32図は、実施の第5の形態によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図33】第33図は、実施の第5の形態の第1の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図34】第34図は、実施の第5の形態の第2の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図35】第35図は、実施の第6の形態によるモニタ装置の使用形態を概略的に示す略線図である。
【図36】第36図は、実施の第6の形態によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図37】第37図は、実施の第6の形態の第1の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【図38】第38図は、実施の第6の形態の第2の変形例によるモニタ装置の一例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、この発明の実施の第1の形態を、図面を参照しながら説明する。第4図は、この実施の第1の形態によるモニタ装置1の一例の使用形態を概略的に示す。モニタ装置1に対して2台のコンピュータ装置2Aおよび2Bが接続される。なお、以下では、コンピュータ装置がパーソナルコンピュータ(パソコンと略称する)であるものとして説明する。パソコン2Aおよび2Bから出力された映像信号4Aおよび4Bがそれぞれモニタ装置1に供給される。モニタ装置1では、これら映像信号4Aおよび4Bによる表示は、表示部6の表示領域7Aおよび7Bにそれぞれ表示することができる。
【0031】
また、モニタ装置1に対して、入力デバイスとしてキーボード3およびマウス14が接続され、2台のパソコン2Aおよび2Bがキーボード3およびマウス14を共通して用いることができるようにされている。すなわち、キーボード3から出力されたキー情報10、ならびに、マウス14から出力されたマウス移動量およびボタン操作情報11(以下、「マウス移動量およびボタン操作情報」を、「マウス情報」と総称する)は、モニタ装置1を介して、パソコン2Aおよび2Bのうち選択された側に、入力操作信号5Aあるいは5Bとして供給される。
【0032】
さらに、モニタ装置1は、OSD(On Screen Display)機能を有しており、前面に設けられた操作スイッチ8を操作することにより、OSD画面9が表示される。OSD画面9の表示に基づき、操作スイッチ8の所定の操作を行うことで、モニタ装置1の設定を変更することができる。第4図の例では、OSD画面9として、表示部6に表示される画像のコントラストを調整するコントロール画面が表示されている。操作スイッチ8の所定の操作によりコントラストの設定値が変更され、表示部6の表示画像のコントラストが変化されると共に、コントロール画面が更新される。
【0033】
なお、第4図では、モニタ装置1は、2台のパソコン2Aおよび2Bを接続するように説明しているが、さらに多数のパソコンを接続するように構成することも可能である。
【0034】
第5図は、この実施の第1の形態によるモニタ装置1の一例の構成を示す。複数台のパソコン2A、2B、・・・、2n(図示しない)のそれぞれから供給された映像信号4A、4B、・・・、4nがビデオメモリインターフェイス21に供給される。ビデオメモリインターフェイス21は、供給された映像信号4A、4B、・・・、4nを、それぞれ所定のアドレスを割り当ててフレームメモリ22に格納する。
【0035】
なお、以下では、繁雑さを避けるために、モニタ装置1に接続されるパソコンは、パソコン2Aおよび2Bの2台とし、フレームメモリ22には、映像信号4Aおよび4Bが格納されるものとして説明する。
【0036】
ビデオメモリインターフェイス21は、後述するCPU(Central Processing Unit)20からのコマンドに基づいて読み出しアドレスを制御して、フレームメモリ22から1画面分の映像信号を読み出す。読み出された映像信号は、ビデオミックス回路24の一方の入力端に供給される。
【0037】
一方、キーボード3およびマウス14から出力されたキー情報10およびマウス情報11は、それぞれCPU20に供給される。キー情報10およびマウス情報11は、CPU20でパソコン2Aおよび2Bの2台のうちアクティブであるとされたパソコンに対して、選択的に出力される(信号5A、5B)パソコン2Aおよび2Bのうち、どちらをアクティブにするかは、例えば、モニタ装置1の前面に設けられた操作スイッチ8を用いて選択するようにできる。
【0038】
また、操作スイッチ8の操作に応じて出力された制御信号12がCPU20に供給される。CPU20で、この制御信号12に基づき、OSD画面9を表示する旨のコマンドが発行される。発行されたコマンドは、OSDキャラクタジェネレータ23に供給される。OSDキャラクタジェネレータ23では、供給された
【0039】
コマンドに基づきOSD画面9を表示するための、例えばRGB信号からなる映像信号を生成する。この映像信号は、上述したビデオミックス回路24の他方の入力端に供給される。
【0040】
ビデオミックス回路24では、一方および他方の入力端に供給された映像信号を、表示部6の所定領域にOSD画面9が表示されるように所定のタイミングで切り替えて出力する。ビデオミックス回路24の出力は、表示制御回路25を介して、例えばCRT(Cathode Ray Tube)からなる画像表示デバイス26に供給される。画像表示デバイス26では、供給された映像信号に基づき、表示部6に対する画像表示を行う。なお、表示デバイス26としてLCD(Liquid Crystal Display)を用いることもできる。
【0041】
なお、CPU20では、供給された制御信号12に基づき、表示制御回路25が画像表示デバイス26を制御するためのコマンドを発行する。このコマンドは、表示制御回路25に供給され、表示制御回路25により、画像表示デバイスに供給される映像信号に対してコマンドに基づいた処理がなされる。
【0042】
また、図示しないが、CPU20は、実際にはワークメモリやROM(Read Only Memory)などを接続して用いられる。CPU20は、例えば、ROMに予め記憶された所定のプログラムに基づき、モニタ装置1の各部を制御する。
【0043】
第6図は、ビデオメモリインターフェイス21の一例の構成を示す。ビデオメモリインターフェイス21は、このモニタ装置1に入力可能な映像信号の本数に対応し、複数の入力FIFO(First−In First−Out)メモリ80A、80B、・・・、80nを有する。以下では、入力される映像信号が2系統であって、入力FIFOメモリ80Aおよび80Bを有するものとして説明する。ビデオメモリインターフェイス21に供給された2系統の映像信号4Aおよび4Bは、入力FIFOメモリ80Aおよび80Bにそれぞれ一旦溜め込まれる。
【0044】
入力FIFOメモリ80Aおよび80Bから、映像信号4Aおよび4Bが読み出され、メモリインターフェイス81に供給される。メモリインターフェイス81に供給された映像信号4Aおよび4Bは、CPU20によって発行されるコマンドに従いメモリインターフェイス81によりアドレス制御され、フレームメモリ22に格納される。同様にして、フレームメモリ22から、メモリインターフェイス81によりアドレス制御され1画面分の映像信号が読み出される。フレームメモリ22から読み出された1画面分の映像信号は、出力FIFOメモリ82に一旦溜め込まれてから出力される。
【0045】
フレームメモリ22の入出力に、FIFOメモリ80A、80Bおよび82を用いているため、入出力のクロック変換が可能となり、入力された映像信号のフォーマット変換を自在に行うことができる。
【0046】
第7図は、フレームメモリ22の一例のアドレス空間を示し、フレームメモリ22から映像信号を読み出す際のアドレス指定の例を示す。フレームメモリ22は、複数フレーム分の映像信号を格納可能な容量を有する。モニタ装置1に2台のパソコン2Aおよび2Bが接続されるこの例では、フレームメモリ22は、少なくとも2フレーム分、すなわち2画面分の映像信号を格納可能な容量を有する。
【0047】
フレームメモリ22のアドレス空間30は、例えば、画像表示と対応できる2次元配列とされている。第7図の例では、映像信号の垂直方向が横方向すなわち列方向に配列され、映像信号の水平方向が縦方向すなわち行方向に配列される。また、映像信号は、例えば第7図に示すメモリ空間の右上隅を、第1の映像信号の表示画面の左上隅に対応するアドレスとして、列方向に2画面分が並べられて配列される。したがって、行方向に映像信号を読み出していくことで、第1および第2の映像信号を連続的に読み出すことができる。
【0048】
フレームメモリ22に、パソコン2Aからの映像信号4Aおよびパソコン2Bからの映像信号4Bを、上述の第1および第2の映像信号としてそれぞれ格納する。映像信号4Aが第7図に示すアドレス空間31Aに格納され、映像信号4Bがアドレス空間31Bに格納される。アドレス空間30において、行方向に1水平周期(1H)分のアドレス範囲を指定することで、1画面分の表示を行う映像信号を読み出すことができる。
【0049】
読み出しを行うアドレス範囲の始点を変更することで、出力される映像信号を瞬時に変更することができる。第8図〜第10図は、表示部6の表示の例を示す。第8図〜第10図は、フレームメモリ22から映像信号を読み出す際の、アドレス空間30における読み出しアドレス範囲指定の方法を異ならせて示してある。映像信号の読み出しの際のアドレス範囲の始点を変更することで、これら第8図〜第10図に示されるように、表示部6の表示領域7Aおよび7Bの表示面積が変化する。
【0050】
第8図Aおよび第8図Bは、それぞれ映像信号4Aおよび4Bを単独で表示させる例を示す。フレームメモリ22において、行方向のアドレス範囲を、上述した第7図のアドレスM1を読み出し開始アドレスとして、行方向に1H分指定することで、アドレス空間31Aのみから読み出しを行うことができる。そのときの表示部6への表示は、第8図Aに一例が示されるように、映像信号4Aによる表示領域7Aのみとなる。同様にして、第7図のアドレスM2を読み出し開始アドレスとして、行方向に1H分、アドレス範囲を指定することで、アドレス空間31Bのみから読み出しを行うことができ、第8図Bに一例が示されるように、表示部6への表示は、映像信号4Bによる表示領域7Bのみとなる。
【0051】
なお、パソコン2Aおよび2Bから出力される映像信号2Aおよび2Bには、それぞれ動作されるアプリケーションソフトウェアなどにより、映像信号2Aおよび2Bの本来の座標上の所定位置にカーソル表示を行うための映像信号が重畳されている。第8図Aおよび第8図Bにおいて、パソコン2Aおよび2Bから出力された映像信号4Aおよび4Bに重畳されたカーソル50Aおよび50Bがそれぞれの表示領域中に表示されている。
【0052】
第9図は、表示部6に、映像信号4Aによる表示領域7Aと、映像信号4Bによる表示領域7Bとを同時に表示させる例である。読み出し開始アドレスを、アドレス空間31Aの範囲内のアドレスMとして、行方向に1H分、アドレス範囲を指定することで、映像信号4Aおよび4Bを1画面分の映像信号中に混在させて読み出すことが可能である。読み出し開始アドレスであるアドレスMを、アドレス空間31A内で移動させることで、表示部6に占める表示領域7Aおよび7Bの割合を、第9図A、第9図Bおよび第9図Cのように変化させることができる。
【0053】
読み出し開始アドレスMを連続的に変化させることで、第9図A、第9図Bおよび第9図Cの各図に示されるような表示を連続的に切り替えることができる。これにより、表示領域7Aおよび表示領域7Bの境界をスクロールさせるような表示も可能となる。
【0054】
なお、第9図のように2つの映像信号4Aおよび4Bを同一画面内に表示する場合にも、各々の映像信号4Aおよび4における表示を固定的とすることができる。例えば、カーソル50Aおよび50Bは、元の映像信号4Aおよび4Bにおいて表示されていた位置と相対的に同一位置に表示される。
【0055】
また、フレームメモリ22のアドレス空間30へのアクセス方法によっては、第10図に一例が示されるような、一方の表示領域(この例では表示領域7A)の中に他方の表示領域(この例では表示領域7B)を表示させることも可能である。このときには、表示領域7Bの表示は、縮小表示や部分的な表示としてもよい。例えば、表示領域7Aおよび7Bの表示範囲に応じて、アドレス空間31Aおよび31Bのアドレス指定を切り替えることで、第7図の表示を行うことができる。
【0056】
第11図は、上述のような表示制御を行うための一例の処理を示すフローチャートである。なお、この第11図および第12図、ならびに、後述する第13図において、パソコン2Aおよび2Bを、それぞれPC1およびPC2と表記する。
【0057】
このフローチャートの処理を実行するに先んじて、初期状態として、映像信号4Aおよび4Bのうち一方が表示部6に対して全画面表示されているものとする。この例では、映像信号4Aが全画面表示されており、パソコン2Aがキーボード3およびマウス14によって操作可能な、アクティブな状態にされているものとする。その状態において、例えば、モニタ装置1の操作スイッチ8の操作に基づき、表示部6に一方の映像信号のみが表示される1画面モードから、2つの映像信号4Aおよび4Bが同時に表示される2画面モードへと、モニタ装置1の表示モードを切り替えるコマンドがCPU20によって発行される。コマンドが発行されると、第11図のフローチャートによる処理が開始される。なお、2画面モードに切り替えるコマンドは、キーボード3やマウス14による入力に基づき行うようにしてもよい。
【0058】
最初のステップS10で、モニタ装置1に接続されているパソコン2Aおよび2Bのうち、どちらのパソコンが現在アクティブにされているかが認識される。例えば、キーボード3からのキー情報10やマウス14からのマウス情報11が、パソコン2Aおよび2Bのうちのどちらに供給されるように選択されているかで判断することができる。
【0059】
第11図の例では、次のステップS11で、パソコン2Aがアクティブなパソコンであるかどうかが判断される。若し、パソコン2Aがアクティブなパソコンであると判断されれば、処理はステップS12に移行する。一方、パソコン2Aがアクティブではない、すなわち、パソコン2Bがアクティブなパソコンであると判断されれば、処理はステップS13に移行する。
【0060】
ステップS12およびS13では、それぞれフレームメモリ22における読み出し開始アドレスが設定される。パソコン2Aがアクティブである場合のステップS12では、読み出し開始アドレスMが述した第7図に示されるアドレスM1に設定される。一方、パソコン2Bがアクティブである場合のステップS13では、読み出し開始アドレスMが第7図に示されるアドレスM2に設定される。
【0061】
ステップS12およびS13で読み出し開始アドレスがM設定されると、処理はステップS14に移行する。ステップS14では、フレームメモリ22において、設定された開始アドレスMから、1フレーム分の映像信号が読み出される。例えば、読み出し開始アドレスMがアドレスM1に設定されていれば、アドレス空間30が列方向に、上述の第7図におけるアドレスM1からアドレスM2の手前までが読み出される。
【0062】
ここで、画面のスクロールを行うスクロールコマンドがON状態であるかどうかがステップS15で判断される。若し、ON状態となっていなければ、処理は後述するステップS19に移行する。
【0063】
スクロールコマンドがON状態になっていると、モニタ装置1において、パソコン2Aによる表示領域7Aおよびパソコン2Bによる表示領域7Bを、隣り合ったまま例えば左右に移動させて表示させることが可能となる。スクロールコマンドのON状態/OFF状態の切り替えは、例えば、モニタ装置1の前面に設けられた操作スイッチ8を用いて行うことができる。画面のスクロールの制御も、操作スイッチ8を用いて行うようにできる。もちろん、キーボード3やマウス14を用いてスクロールコマンドのON/OFF状態の切り替えや画面のスクロール制御を行うようにもできる。
【0064】
一方、ステップS15でスクロールコマンドがON状態となっていると判断されれば、処理はステップS16に移行し、画面スクロールがどちらの方向に対してなされているかが判断される。右方向へのスクロールであれば、処理はステップS17に移行し、左方向へのスクロールであれば、処理はステップS18に移行する。
【0065】
ステップS17およびS18では、スクロールの方向に従い読み出し開始アドレスMの変更を行う。右方向にスクロールがなされていれば、ステップS17で、設定されていたアドレスMに対してスクロール量に応じたアドレスMscrlが加算される。一方、左方向にスクロールがなされていれば、ステップS18で、設定されていたアドレスMに対してスクロール量に応じたアドレスMscrlが減算される。
【0066】
ステップS17およびS18で、上述のように読み出し開始アドレスMが変更されると、処理はステップS19に移行される。ステップS19では、読み出し開始アドレスMと上述したアドレスM1およびM2との大小関係が判定される。若し、アドレスMがアドレスM1を越え、且つ、アドレスM2未満であるときには(M1<M<M2)、処理はステップS21に移行する。
【0067】
一方、読み出し開始アドレスMが上述の範囲外であるときは、処理はステップS20に移行する。ステップS20では、読み出し開始アドレスMの値にリミットがかけられる。すなわち、変更された読み出し開始アドレスMの値がアドレスM1以下の値であるときには、読み出し開始アドレスMの値がアドレスM1に設定される。一方、変更された読み出し開始アドレスMの値がアドレスM2以上であれば、読み出し開始アドレスMの値がアドレスM2に設定される。このように、変更された読み出し開始アドレスMの値に制限を加え、スクロールが表示領域7Aの右端あるいは表示領域7Bの左端まで達した場合に、それ以上スクロール動作を行わないようにする。
【0068】
次のステップS21では、パソコン2Aおよび2Bのうち、アクティブとされた側が変更されたかどうかが判断される。若し、変更されたと判断されれば、処理はステップS22に移行する。ステップS22では、アクティブなパソコンが変更される。すなわち、CPU20において、入力されたキー情報10およびマウス情報11の出力先がアクティブなパソコンである側に変更される。
【0069】
さらに、次のステップS23では、2画面モードがOFFにされているかどうかが判断される。若し、2画面モードがOFFにされていれば、一連の処理が終了される。例えば、フレームメモリ22に対する読み出し開始アドレスMが、そのときアクティブにされているパソコンの側に応じて、アドレスM1あるいはM2に固定的に設定される。
【0070】
一方、ステップS23で、2画面モードがONとされていると判断されれば、処理はステップS14に戻される。そして、上述のステップS17あるいはS18で変更された読み出し開始アドレスMに従い、フレームメモリ22から映像信号が読み出される。上述のステップS14からステップS23までの処理は、2画面モードがONとされている間、例えば1フレームの周期で巡回的に行われる。
【0071】
上述のフローチャートのステップS14以降の処理を、第7図および第9図を用いてより具体的に説明する。画面スクロールがONとされ、既にスクロールが行われ、読み出し開始アドレスM例えば第7図中のアドレス40とされているものとする。ステップS14で、このアドレスMから1フレーム分の映像信号が読み出される。すなわち、読み出し終了アドレスは、第7図中のアドレス41となる。
【0072】
このときの表示部6の表示は、例えば第9図Aのようになっている。読み出し開始アドレスMが表示部2における表示の左端に相当し、読み出し開始アドレスMからアドレスM2までが表示領域7Aに対応し、パソコン2Aの映像信号4Aによる画像が表示される。また、アドレスM2からアドレス41までが表示領域7Bに対応し、パソコン2Bの映像信号4Bによる画像が表示される。
【0073】
ここで、画面スクロールがONであって、上述のステップS17あるいはS18で読み出し開始アドレスMが変更されるとする。スクロールが右スクロールであって、ステップS17で読み出し開始アドレスMにスクロール量Mscrlが加算されると、読み出し開始アドレスMは、第7図中のアドレス42とされる。そこから1フレーム分の映像信号が読み出される。したがって、第9図Bに一例が示されるように、表示部6の表示領域がアドレス空間30に対して右方向に移動される。
【0074】
一方、スクロールが左スクロールであって、ステップS18で読み出し開始アドレスMからスクロール量Mscrlが減算されると、読み出し開始アドレスMは、第7図中のアドレス43とされる。そこから1フレーム分の映像信号が読み出される。したがって、第9図Cに一例が示されるように、表示部6の表示領域がアドレス空間30に対して左方向に移動される。
【0075】
次に、この発明の実施の第2の形態について説明する。この実施の第2の形態では、パソコン2Aおよび2Bの2台からのアクティブなパソコンの選択や、2台のパソコンによる2画面を同時に表示した際の画面のスクロールコマンドの発行を、マウス14を用いて行うようにしている。この実施の第2の形態では、第4図〜第7図を用いて上述した、実施の第1の形態におけるシステム構成をそのまま適用させることができる。ここでは、繁雑さを避けるために、上述した実施の第1の形態と共通する部分については、詳細な説明を省略する。
【0076】
第12図は、この実施の第2の形態による処理の一例のフローチャートである。モニタ装置1は、例えば操作スイッチ8の操作に基づき、表示モードが2画面モードとされているものとする。2画面モードへの移行は、パソコン2Aおよび2Bの所定のソフトウェア処理に基づき行うようにしてもよい。さらに、説明のため、既に後述する処理に基づき画面のスクロールが行われ、表示部6に対して表示領域7Aおよび7Bが同時に表示されているものとする。
【0077】
最初のステップS30で、モニタ装置1に接続されているパソコン2Aおよび2Bのうち、どちらのパソコンが現在アクティブにされているかが認識される。例えば、キーボード3からのキー情報10やマウス14からのマウス情報11が、パソコン2Aおよび2Bのうちのどちらに供給されるように選択されているかで判断することができる。ここでは、パソコン2Aがアクティブなパソコンであるとする。
【0078】
第12図の例では、次のステップS31で、パソコン2Aがアクティブなパソコンであるかどうかが判断される。若し、パソコン2Aがアクティブなパソコンであると判断されれば、処理はステップS32に移行する。一方、パソコン2Aがアクティブではない、すなわち、パソコン2Bがアクティブなパソコンであると判断されれば、処理はステップS34に移行する。
【0079】
ステップS32およびS34において、それぞれ、パソコン2Aおよびパソコン2BにおけるカーソルのX座標に基づく判断がなされる。ステップS32では、カーソルのX座標が表示領域7Aにおける最大値Xpc1maxであるかどうかが判断される。カーソルのX座標がX=Xpc1maxであれば、カーソルは、表示領域7Aの右端、すなわち、表示領域7Aおよび7Bの境界部に表示されていることになる。
【0080】
若し、ステップS32においてカーソルのX座標がX=Xpc1maxであると判断されれば、処理はステップS33に移行し、アクティブなパソコンおよびカーソルの制御がパソコン2Aからパソコン2Bへと変更される。そして、処理はステップS36に移行される。
【0081】
一方、上述のステップS32においてカーソルのX座標がX=Xpc1maxでないと判断されれば、現在のカーソル座標が現在アクティブになっているパソコン2Aのカーソル座標であるとして、処理はそのままステップS36に移行される。
【0082】
同様に、ステップS34では、カーソルのX座標が表示領域7Bにおける最小値(X=0)であるかが判断される。カーソルのX座標がX=0であれば、カーソルは、表示領域7Bの左端、すなわち、表示領域7および7Aの境界部に表示されていることになる。若し、ステップS34においてカーソルのX座標がX=0であると判断されれば、処理はステップS35に移行し、アクティブなパソコンおよびカーソルの制御がパソコン2Bからパソコン2Aへと変更される。そして、処理はステップS36に移行される。
【0083】
第13図を用いて、上述したカーソルのX座標に基づく処理について説明する。なお、第13図において、パソコン2A(PC1)およびパソコン2B(PC2)における座標を、それぞれ座標PC1(X,Y)および座標PC2(X,Y)と表記する。また、表示部6上での座標、すなわち、表示部6における絶対的な座標を、座標(x,y)と表記する。
【0084】
表示部6において、左上隅の座標を座標(0,0)、その対角の座標を座標(xmax,ymax)とする。表示部6に対して表示領域7Aおよび7Bが第13図に示されるように表示されているとき、表示領域7Aの右端と表示領域7Bの左端とが接して境界部60をなす。したがって、表示部6における境界部60上の任意の点61Bの座標は、パソコン2A上の座標では(Xpc1max,Y)であり、パソコン2B上の座標では座標(0,Y)である。
【0085】
一例として、初期状態でパソコン2Bがアクティブとされており、カーソルが初期位置61Aに表示されている場合を考える。カーソルを初期位置61Aから位置61Cに移動させると、カーソルは、境界部60を跨ぐことになる。カーソルが境界部60を表示領域7Bから7Aへと跨ぐ瞬間(位置61B)は、現在アクティブとされているパソコン2Bにおいて、カーソルのX座標がX=0となる。したがって、ステップS31でアクティブなパソコンがパソコン2Bであるとされて処理がステップS34に移行し、ステップS34でカーソルのX座標がX=0であると判断される。すると、ステップS35で、アクティブなパソコンがパソコン2Bからパソコン2Aへと変更されると共に、カーソルの制御がパソコン2Bからパソコン2Aへと変更され、カーソルの座標がパソコン2A上の座標で制御されることになる。
【0086】
このように、カーソルのX座標を境界部60を越えて移動させることで、パソコン2Aおよび2Bによる制御を切り替えることができる。
【0087】
第12図のフローチャートの説明に戻り、ステップS36で、表示部6におけるカーソルの座標(x,y)が取得され、次のステップS37で、取得されたカーソル座標(x,y)のx座標に基づく判断がなされる。ステップS37において、カーソル座標(x,y)のx座標が、x=0であれば処理はステップS38に移行し、左スクロールを行うようなコマンドがCPU20において発行される。また、x座標がx=xmaxであれば、処理はステップS39に移行し、右スクロールを行うようなコマンドがCPU20において発行される。
【0088】
第13図の例では、カーソルが位置61Dにあれば、ステップS37において表示部6上のx座標がX=0であると判断され、ステップS38で左スクロールを行うようなコマンドが発行される。このコマンドに従いフレームメモリ22における読み出し開始アドレスMが変更され、表示部6に表示されている画面が左方向に移動される。
【0089】
CPU20で発行されたこれらのコマンドは、ビデオメモリインターフェイス21に供給され、上述の実施の第1の形態と同様に、フレームメモリ22における読み出し開始アドレスMが所定に変更され、画面のスクロールが行われる。したがって、例えばマウス14を操作し、カーソルを表示部6における左端あるいは右端に位置させることで、カーソルが位置する方向へ画面をスクロールさせることができる。
【0090】
ステップS38およびS39でコマンドが発行されスクロールが行われると、一連の処理が終了される。また、ステップS37で、カーソルの座標が上述の何れの値でもないときは、そのまま一連の処理が終了される。
【0091】
なお、表示部6には、上述したように、OSD画面9を表示させることができる。第14図は、OSD画面9の一例の表示を示す。このとき、OSD画面9が表示される領域に対して、OSDによる操作を行うための専用のカーソル71を表示させるようにできる。カーソル71を表示させる映像信号は、例えば、CPU20のコマンドにより、OSD画面9を表示させる映像信号と共にキャラクタジェネレータ23で生成され、ビデオミックス回路24でパソコン2A,2Bからの映像信号に重畳される。カーソル71の映像信号を生成するための専用のキャラクタジェネレータを別途、設けることもできる。
【0092】
OSD画面9において、領域72A、72Bおよび72Cは、入力有効領域であって、領域内にカーソル表示の座標が存在するときに、例えばマウス14のボタン操作による入力が可能となる。OSD画面9としてコントラスト調整画面が表示されているこの例では、カーソルが領域72Aにあるときにボタン操作を行うと画面のコントラスト値を下降させ、領域72Bにあるときにボタン操作を行うと画面のコントラスト値を上昇させるようなコマンドがCPU20によって発行される。このコマンドは、CPU20から表示制御回路25に供給され画像表示デバイス26による表示が制御される。また、コントラスト値が表示される表示領域73の表示が更新される。
【0093】
なお、領域72Cは、OSD画面9を表示するモードを終了するための入力を行う領域である。第13図の例では、OSD画面9は、表示部6における座標(x0,y0)を基準とした所定大の領域に表示されている。カーソルがこの領域内にあることが検出されると、カーソルのこの領域内の座標(xc ,yc )が求められ、求められた座標に基づきカーソルが入力有効領域内にあるかどうかが判断され、さらに、入力有効領域内にあるとされた場合に、例えばマウス14におけるボタン操作が行われたかどうかが判断される。判断結果に基づきCPU20によりコマンドが発行されることで、モニタ装置1の諸設定が制御される。
【0094】
パソコン2Aおよび2Bによる映像信号4Aおよび4Bの表示、ならびに、パソコン2Aおよび2Bに対するキーボード3やマウス14からの入力の供給を制御するだけでなく、モニタ装置1の機能の制御も、キーボード3やマウス14を用いて一括して行うことができる。
【0095】
なお、上述では、カーソルの移動や各種の指示の入力をマウス14を用いて行うように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、キーボード3を用いて各種の指示を行うようにできる。キーボード3を用いる場合には、キーボード3の所定のキーにカーソルを移動させる機能を割り振り、別のキーにマウス14におけるボタン操作に対応する機能を割り振る、といったことが考えられる。キーボード3のキーのそれぞれに、指定可能な機能をそれぞれ割り振ることもできる。
【0096】
次に、この発明の実施の第3の形態について説明する。この実施の第3の形態では、モニタ装置に接続された複数台のコンピュータ装置間での通信が可能とされており、複数台のコンピュータ装置間でのデータ転送などを、モニタ装置の表示を見ながら行うことができるようにされている。
【0097】
第15図は、この実施の第3の形態によるモニタ装置109の使用形態を概略的に示す。モニタ装置109に対して、2台のコンピュータ装置117Aおよび117Bが接続される。なお、以下では、コンピュータ装置がパーソナルコンピュータ(パソコンと略称する)であるものとして説明する。パソコン117Aおよび117Bから出力された画像信号113Aおよび113Bは、画像信号経路124Aおよび124Bをそれぞれ介してモニタ装置109に供給される。画像信号113Aおよび113Bによる画像は、モニタ装置109の表示部150の表示領域125Aおよび125Bにそれぞれ表示することができる。
【0098】
また、パソコン117Aおよび117Bとモニタ装置109とが制御信号経路123Aおよび123Bでそれぞれ接続される。パソコン117Aおよび117Bは、この制御信号経路123Aおよび123Bを介して、モニタ装置109とそれぞれ通信を行い、制御信号およびデータのやりとりを行うことができる。制御信号経路123Aおよび123Bとしては、RS−232Cといったシリアル通信、パラレルポートを利用した通信およびUSB(Universal Serial Bus)などの、様々なインターフェイスを適用することができる。さらに、PS/2(Personal System 2)のような、キーボードやマウスをパソコンに接続するために従来から一般的に用いられてるインターフェイスを、制御信号経路123Aおよび123Bのインターフェイスとして適
用させることもできる。
【0099】
モニタ装置109に対して、例えばキーボード110およびマウス111からなる入力デバイス112が接続される。入力デバイス112としては、これらに限らず、例えばジョイスティックやリモートコントロールコマンダ、タブレットなどを用いることもできる。
【0100】
キーボード110は、押下されたキーに対応した制御信号(以下、キー情報と称する)を出力する。マウス111は、マウスの移動量を例えば(X,Y)座標値として出力する。また、マウス111は、マウス111に設けられたボタンの押下に対応して制御信号を出力する。以下では、マウス111から出力されるマウス移動量情報およびボタン押下情報をまとめて、マウス情報と称する。また、ユーザによる操作に対応して入力デバイス112から出力される信号を、まとめて、入力操作信号と称する。例えば、入力デバイス112から出力される、上述したキー情報とマウス情報とをまとめて、入力操作信号と称する。入力操作信号は、モニタ装置109に供給され、パソコン117Aおよび117Bの選択された側に、制御信号115Aおよび115Bとして送信される。
【0101】
モニタ装置109の前面には、例えば複数のスイッチからなる操作部107が設けられる。操作部107を所定に操作することによって、例えば、表示部150に対してOSDを表示させることができる。ユーザは、このOSDの表示に基づき操作部107を操作することで、モニタ装置109の各機能を制御することができるようにされている。例えば、操作部107を操作することで、表示部150の表示画質などの調整を行うことができる。
【0102】
一方、パソコン117Aおよび117Bは、データ伝送路120によって接続され、データ伝送路120を介して、互いにデータ119の通信を行うことができる。データ伝送路120は、例えばRS−232Cなどのシリアルインターフェイスを用いることができる。また、パソコン117Aおよび117Bをイーサネット(登録商標)などで接続してLAN(Local Area Network)を構成し、これをデータ伝送路120として用いることもできる。これに限らず、赤外線信号を用いたデータ通信によってデータ伝送路120を構成することもできる。パソコン117Aおよび117Bは、データ伝送路120を介してデータ119のやりとりを行うことができる。勿論、パソコン117Aおよび117B間でのコマンドのやりとりも、データ伝送路120を介して行うことが
できる。
【0103】
第16図は、実施の第3の形態によるモニタ装置109の一例の構成を示す。表示デバイス101は、例えばCRTやLCDおよび対応する駆動回路からなり、表示部150への表示を行う。パソコン117Aおよび117Bから出力され画像信号経路124Aおよび124Bを介してそれぞれ供給されたた画像信号113Aおよび113Bは、周波数計測部143および画像処理部102に各々供給される。周波数計測部143では、供給された画像信号113Aおよび113Bの水平同期信号および垂直同期信号の周波数をそれぞれ計測する。周波数計測部143による計測結果は、制御部103に供給される。
【0104】
なお、以下では、水平同期信号の周波数および垂直同期信号の周波数を、まとめて同期周波数と称する。
【0105】
制御部103は、例えばCPUやCPUのワークメモリ、ROMなどからなる。制御部103は、例えばROMに予め記憶された所定のプログラムに基づき、モニタ装置109の各部の制御を行う。
【0106】
制御部103では、周波数計測部143から供給された、画像信号113Aおよび113Bそれぞれの同期周波数に基づき表示デバイス101の駆動回路と画像処理部102とを制御し、表示部150に対して画像信号113Aおよび113Bそれぞれの同期周波数に適した表示が行われるようにする。
【0107】
モニタ装置109の前面に設けられた操作部107を操作することにより、操作に応じた制御信号が操作部107から制御部103に供給される。制御部103では、この制御信号に基づきOSD生成部108に対して、表示部150に上述したOSDを行うための画像信号を生成するように、指示を出す。この指示に基づきOSD生成部108で生成された画像信号は、画像処理部102に供給され、画像信号113Aおよび113Bと合成され、表示デバイス101に供給される。
【0108】
モニタ装置109には、内部バス132が設けられ、内部バス132に、制御部103、通信部104A、通信部104Bおよび入力部106が接続される。入力部106は、上述したキーボード110およびマウス111などの入力デバイス112から供給された入力操作信号のインターフェイスである。入力デバイス112から出力された入力操作信号、例えば、キーボード110から出力されたキー情報や、マウス111から出力されたマウス情報は、入力部106に受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。
【0109】
通信部104Aおよび104Bは、それぞれパソコン117Aおよび117Bと制御部103との通信を制御する。例えば、入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106に受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給された入力操作信号を、通信部104Aおよび104Bのうちそれぞれに接続されたパソコン117Aおよび117Bが選択された側に、内部バス132を介して供給する。
【0110】
一例としてパソコン117Aが選択されている場合、制御部103から内部バス132を介して通信部104Aに供給された入力操作信号は、通信部104Aから制御信号経路123Aを介して、制御信号115Aとしてパソコン117Aに供給される。同様にして、パソコン117Bが選択されている場合も、入力操作信号が通信部4Bから制御信号経路123Bを介して、制御信号115Bとしてパソコン117Bに供給される。
【0111】
なお、上述では、入力デバイス112から出力された入力操作信号が制御部103を介して通信部104Aおよび104Bに供給されるとしたが、これはこの例に限られない。入力操作信号は、入力部106から内部バス132を介し、通信部104Aおよび104Bに直接的に供給されるようにしてもよい。入力操作信号を通信部104Aおよび104Bの何方へ供給するかの制御は、制御部103によってなされる。
【0112】
なお、上述では、制御部103、通信部104Aおよび104Bならびに入力部106が内部バス132で接続されているが、これは、この例に限定されない。すなわち、内部バス132を用いずに、通信部104A、104Bおよび入力部106を、それぞれ直接的に制御部103に接続することができる。この場合には、通信部104A、104Bおよび入力部106との信号のやりとりは、全て、一旦制御部103を介して行われることになる。
【0113】
第17図は、画像処理部102の構成をより詳細に示す。2系統の画像信号を入力可能なこの例では、2つの画像信号入力部160Aおよび160Bを有する。画像信号入力部160Aおよび160Bは、それぞれ、A/D変換部などの画像信号インターフェイスや入力バッファなどから構成される。画像信号113Aおよび113Bは、画像信号入力部160Aおよび160Bにそれぞれ供給され、所定のディジタル画像信号113A’および113B’に変換され、メモリ書き込み制御部162に供給される。ディジタル画像信号113A’および113B’は、メモリ書き込み制御部162において、制御部103から供給された制御信号によってアドレス制御されてメモリ163に書き込まれる。
【0114】
メモリ163は、例えば、少なくとも1フレーム分の画像信号を格納可能なフレームメモリであって、メモリ書き込み制御部162で、ディジタル画像信号113A’の一部とディジタル画像信号113B’の一部とを水平方向で所定に切り替えながらメモリ163に書き込むように制御する。これにより、上述の第15図に示されるように、画像信号113Aの表示領域125Aと、画像信号113Bの表示領域125Bとが同一の表示部150に、水平方向に並べられて表示される。メモリ163に書き込まれたディジタル画像信号は、出力部164に制御されて読み出され、表示デバイス101に供給される。
【0115】
メモリ書き込み制御部162により、ディジタル画像信号113A’の一部とディジタル画像信号113B’の一部とを水平方向で切り替えるタイミングを制御することで、表示部150に対する表示領域125Aおよび125Bの表示面積の割合を変えることができる。また、ディジタル画像信号113A’の一部とディジタル画像信号113B’の一部とを垂直方向で切り替えることにより、表示部150を縦方向に分割して表示領域125Aおよび125Bを表示することができる。なお、メモリ163は、上述した第7図に示されるような構成としてもよい。
【0116】
また、OSD生成部108で生成された画像信号は、例えば、制御部103の制御に基づきメモリ書き込み制御部162によってアドレス制御され、メモリ163の所定のアドレスに書き込まれる。これにより、表示部150において、画像信号113Aおよび113Bによる画面とOSDによる画面とが合成されて表示される。
【0117】
上述のような構成において、この実施の第3の形態では、2台のパソコン117Aおよび117Bの制御を1つの入力デバイス112で行えるようにすると共に、パソコン117Aおよび117B間でのデータのやりとりを、表示部150の表示に基づきシームレスに行うことができるようにしている。
【0118】
第18図は、この実施の第3の形態による表示部150の一例の表示を示し、実施の第3の形態によるデータ操作の方法について概略的に説明する。なお、この第18図に示される表示の例は、後述する実施の第4、第5および第6の形態に共通的なものである。第18図の例では、表示領域125Aには、パソコン117Aの画面の右側が表示されており、表示領域125Aに対して水平方向に、連続的に並べられて配される表示領域125Bは、パソコン117Bの画面の左側が表示されている。パソコン117Aおよび117Bでは、データ(ファイル)およびプログラムのそれぞれや、ファイルおよびプログラムを階層的に格納するフォルダ(ディレクトリ)は、表示部150においてアイコンと称される識別画像で表示される。
【0119】
ここで、パソコン117A上に存在するファイル「sample.doc」をパソコン117Aからパソコン117Bに移動する処理を考える。なお、「パソコン117A上に存在する」とは、そのファイルがパソコン117Aのハードディスクやメモリなどの記憶媒体上に存在することを意味する。また、当初は、パソコン117Aが操作対象として選択されており、キーボード110やマウス111などの入力デバイス112からの入力操作信号は、パソコン117Aに供給されているものとする。選択されたパソコン117Aからの画像信号113Aによる表示領域125Aには、マウス111からの座標情報に基づき、対応する位置にマウスカーソル171が表示される。
【0120】
第18図に示される表示領域125Aに、ファイル「sample.doc」を示すアイコン170が表示されている。ユーザにより、マウスカーソル171が移動させようとするファイルを示すアイコン170に重なるように、マウス111が操作される。マウスカーソル171がアイコン170に重なったところで、ユーザによりマウス111のボタンが押されると、ボタン情報がパソコン117Aに供給され、パソコン117Aにおいてアイコン170が示すファイルが選択状態になったとされる。ユーザにより、マウス111のボタンが押されながらマウスカーソル171が表示領域125Aから表示領域125Bへ移動するようにマウス111が移動される。
【0121】
マウスカーソル171が表示領域125Aから表示領域125Bへと移動されると、操作対象として選択されるパソコンがパソコン117Aからパソコン117Bへと切り替えられ、入力デバイス112からの入力操作信号がパソコン117Bに供給される。アイコン170が表示領域125B内に表示され、ユーザにより所望の位置まで移動され、ユーザによってマウス111のボタンが離される。マウス111のボタンが離されると、アイコン170が示すファイルをパソコン117Aからパソコン117Bに転送すると共に、パソコン117A上の当該ファイルを削除する旨、指示が出される。ユーザは、パソコン117Aからパソコン117Bへのファイルの移動を、1つのマウス111を用いてシームレスに行うことができる。
【0122】
なお、上述で、マウスカーソル171をアイコン170に重ね、アイコン170を選択状態にしたままマウス111を移動させてアイコン170を移動させることを、ドラッグと称する。また、アイコン170の移動先でマウス111のボタンを離してアイコン170をマウス111の操作から解放することを、ドロップと称する。また、これら一連の操作をまとめて、ドラッグ&ドロップと称する。
【0123】
第19図は、上述のパソコン117Aからパソコン117Bへのファイルの移動処理を示す一例のフローチャートである。先ず、このフローチャートの処理に先んじて、パソコン117Aおよび117Bによる画像の大きさが制御部103にそれぞれ取得される。画像の大きさは、周波数計測部143によって計測された、パソコン117Aおよび117Bから出力された画像信号113Aおよび113Bの水平および垂直方向の周波数に基づき求めることができる。画像の大きさは、例えば、水平および垂直方向のドット数として表される。
【0124】
モニタ装置109の電源投入時のマウスカーソル171の表示位置は、パソコン側の電源投入時の表示位置と対応するように、予め設定しておく。これらパソコン117Aおよび117Bの画像サイズや電源投入時のマウスカーソルの表示位置などの情報は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。なお、パソコン117Aによる画像信号113Aの表示領域125Aは、表示部150の左側に配され、パソコン117Bによる画像信号113Bの表示領域125Bは、表示部150の右側に配されるものとする。
【0125】
最初のステップS110で、ファイルの移動元となるパソコン(パソコン117Aとする)において、移動するファイルが選択される。ファイルの選択は、上述したように、例えばマウス111を操作して、マウスカーソル171を選択するファイルを示すアイコン170に重ね、マウス111のボタンを押下することでなされる。マウス111のボタン情報は、入力部106に受信され、制御部103を介して通信部104Aに供給される。ボタン情報は、通信部104Aから制御信号経路123Aを介してパソコン117Aに送られる。
【0126】
なお、これに限らず、入力部106で受信されたマウス111のボタン情報は、内部バス132を介して直接的に通信部104Aに供給されるようにもできる。内部バス132によるルートの制御は、制御部103によってなされる。ファイルが選択されたら、次のステップS111で、ドラッグ操作が行われ、選択されたファイルが画面上で移動される。すなわち、マウス111のボタンを押下したまま、マウスカーソル171が所望の位置に表示されるように、マウス111が移動される。
【0127】
ステップS112では、マウス111から出力されたマウス移動量の情報に基づき、移動されたマウスカーソル171が、パソコン117Aから出力された画像信号113Aによる表示領域125Aの右端に到達したかどうかが制御部103で判断される。若し、マウスカーソル171が表示領域125Aの右端に到達したと判断されれば、次のステップS113で、マウスカーソル171がさらに右側に移動されたかどうかが判断される。若し、ステップS113で、マウスカーソル171が表示領域125Aの右端を越えてさらに右側に移動されたと判断されれば、処理は次のステップS114に移行する。
【0128】
ステップS114では、マウスカーソル171が表示領域125Aの右端を越える際の、マウスカーソル171の座標と、表示領域125Aの右端を越えてからのマウス111の移動量とが例えば制御部103が有するメモリ手段に記憶される。これらの情報は、パソコン117Aにおいて記憶しておくようにしてもよい。
【0129】
次のステップS115で、制御部103の制御により、入力デバイス112の出力先がパソコン117Aからパソコン117Bへと切り替えられる。したがって、マウス111の移動により発生したマウス移動量データは、入力部106により受信され、制御部103を介して通信部104Bに通知され、パソコン117Bに送られる。それと共に、入力デバイス112からの出力がパソコン117Aへは送られないように制御される。したがって、ユーザの操作は、パソコン117Aからパソコン117Bへと移行することになる。
【0130】
そして、その次のステップS116で、モニタ装置109の制御部103からパソコン117Aに対して制御信号経路123Aを介して制御信号115Aが送られ、移動元のパソコン117Aの画面、すなわち、表示領域125Aからマウスカーソル171および移動されるファイルを示すアイコン170が消去される。
【0131】
なお、マウス111の移動が無いことを示す制御信号をパソコン117Aに送る必要があるときには、上述のステップS115以降、制御部103からパソコン117Aに対して、その旨示す制御信号が送られる。また、必要に応じて、制御を切り替える前のパソコンと切り替えた後のパソコンとを区別可能なように、その旨制御部103で記憶しておくようにもできる。
【0132】
ステップS117で、移動するファイルのファイル名がパソコン117Aからパソコン117Bへと通知される。移動元のパソコン117Aに所定に付されたパソコン名も、ここで、パソコン117Bに送られる。これらファイル名やパソコン名の転送は、データ伝送路120を介して行われる。また、パソコン117Aで選択されたファイルを示すアイコン170をパソコン117Bに送る必要があるときには、次のステップS118で、パソコン117Aからパソコン117Bへ、アイコン170のデータがデータ伝送路120を介して送られる。パソコン117B上に、パソコン117Aから移動させようとしているファイルに対応するアイコンが存在するときには、この処理は省略することができる。
【0133】
この実施の第3の形態では、ファイル名のパソコン117Aからパソコン117Bへの通知は、データ伝送路120を介してなされる。
【0134】
次のステップS119で、パソコン117Bによる表示画面である表示領域125Bに対して、マウスカーソル171と移動させるファイルを示すアイコン170とが表示される。制御部103からパソコン117Bに対して、制御信号経路123Bを介して、マウスカーソル171とアイコン170とを所定の位置に表示するように、命令が送られる。
【0135】
表示の位置は、上述したステップS114で記憶されたカーソル座標とマウス移動量とに基づき求めることができる。例えば、マウスカーソル171が表示領城125Aの右端に到達した際のY座標と対応する、表示領域125Bの左端のY座標に対して、マウス移動量の加減算を行うことで、表示領域125Bにおいてマウスカーソル171が表示されるべき座標が求められる。アイコン170も、マウスカーソル171と同一の座標に重畳させて表示させることができる。
【0136】
なお、上述では、制御部103からパソコン117Bに対して送られた命令に基づき、マウスカーソル171およびアイコン170の表示が行われるように説明したが、これはこの例に限られない。上述のステップS117の処理を行った時点で、パソコン117Bにおいて独自に、マウスカーソル171およびアイコン170の表示を行うようにしてもよい。
【0137】
ステップS119で、ファイルの移動先のパソコン117Bの表示領域125Bにマウスカーソル171およびアイコン170が表示されると、次のステップS120で、移動されるファイルを示すアイコン170の、表示領域125B内での移動が行われる。これは、マウス111のボタンを押したままマウス111が移動される、ドラッグ操作によってなされる。ステップS121では、マウス111のボタンが離されてアイコン170がドロップされたかどうかが判断される。
【0138】
若し、ステップS121で、ドロップ操作がなされたと判断されると、処理はステップS122に移行し、ファイルの移動元であるパソコン117Aから移動先のパソコンであるパソコン117Bへ、データ伝送路120を介してファイルが移動される。例えば、上述したステップS117でパソコン117Aからパソコン117Bへ通知されたファイル名に基づき、パソコン117Bからパソコン117Aに対して、データ伝送路120を介してファイルの転送が要求される。パソコン117Aでは、この要求に基づき、指定されたファイルをデータ伝送路120を介してパソコン117Bに転送する。
【0139】
これに限らず、ファイルの転送命令は、制御部103から制御信号経路123Aを介して、パソコン117Aに対して転送先などを指示してもよい。なお、この第19図のフローチャートにおいて、ステップS114〜ステップS119の処理の順番は、上述に限られない。所望の動作が得られれば、他の順番であってもよい。また、上述では、移動するファイルの選択、ファイルの移動およびファイルの移動の確定操作は、マウス111によるドラッグ&ドロップ操作により行っている。これはこの例に限らず、他の操作によって行ってもよい。例えば、キーボード110のキー操作によって、上述のファイル移動を指示することができる。さらに、操作部107の操作により、上述のファイル移動の指示を行うことも可能である。
【0140】
第20図は、キーボード110やマウス111を用いて、パソコン117Aからパソコン117Bへ、ファイルのコピーを行う際の処理の一例のフローチャートである。最初のステップS130で、ファイルのコピー元となるパソコン(パソコン117Aとする)において、コピーするファイルが選択される。ファイルの選択は、上述の移動の場合と同様に、例えばマウス111を操作して、マウスカーソル171を選択するファイルを示すアイコン170に重ね、マウス111のボタンを押下することでなされる。マウス111のボタン情報は、入力部106に受信され、制御部103を介して通信部104Aに供給される。ボタン情報は、通信部104Aから制御信号経路123Aを介してパソコン117Aに送られる。
【0141】
なお、これに限らず、入力部106で受信されたマウス111のボタン情報は、内部バス132を介して直接的に通信部104Aに供給されるようにもできる。内部バス132による伝送路の制御は、制御部103によってなされる。コピーするファイルが選択されると、次のステップS131で、ユーザの指示によりコピー命令が発行される。例えば、キーボード110に対してなされた、コピー操作を表す特定の入力に応じた信号が入力部106に受信され、制御部103に供給されてコピー命令として認識される。認識されたコピー命令は、制御部103の制御により内部バス132を介して通信部104Aに供給される。通信部104Aに供給されたコピー命令は、制御信号経路123Aを介してパソコン117Aに送られる。これにより、選択されたファイルがコピー元ファイルとして、パソコン117A内に記憶される。
【0142】
ここで、キーボード110のキー入力に基づくキー情報を、制御部103を介さないで直接的に通信部104Aに供給し、パソコン117Aに送るようにしてもよい。パソコン117Aでは、送られたキー情報に基づきコピー命令を認識する。このとき、制御部103によるコピー命令の認識はなされるが、制御部103からパソコン117Aに対して制御信号を送信する必要は、無い。
【0143】
次のステップS132では、操作の対象となるパソコンがパソコン117Aからパソコン117Bへと切り替えられる。例えば、キーボード110からの所定のキー入力によって、操作対象の切り替え命令が発行される。切り替え命令は、入力部106に受信され、制御部103に供給される。制御部103では、切り替え命令に基づき内部バス132、通信部104Aおよび104Bを制御して、入力デバイス112から出力された入力操作信号の送信先を、パソコン117Aからパソコン117Bへと切り替える。これにより、ユーザの操作の対象は、このステップS132以降、パソコン117Aからパソコン117Bへと移行される。
【0144】
ステップS132による切り替え命令は、制御部103から通信部104Aを経てパソコン117Aに送信され、パソコン117Aにおいても認識されるようにしてもよい。また、マウス111の移動が無いことを示すために、パソコン117Aに対して制御信号を送信する必要がある場合は、このステップS132以降、制御部103から通信部104Aを経て、マウス111の移動が無いことを示す制御信号がパソコン117Aに対して送られる。さらに、必要に応じて、切り替える以前および以後のパソコンの区別が付くように、制御部103内で記憶しておくことができる。
【0145】
ステップS133では、上述のステップS132の操作対象のパソコンの切り替えに伴い、表示領域125Aに表示されたマウスカーソル171が消去される。上述した、入力部106から供給された切り替え命令に基づく切り替え処理に伴い、マウスカーソル消去命令が制御部103から通信部104Aに供給され、通信部104Aからパソコン117Aに対してマウスカーソル消去命令が送信される。パソコン117Aでは、この命令に従い、マウスカーソル171の表示を止める。
【0146】
なお、マウスカーソル171の表示の消去は、上述のステップS132で切り替え命令をパソコン117A内で認識している場合は、切り替え命令のパソコン117Aでの認識の際にパソコン117Aにおいてマウスカーソル171を消去するように処理することもできる。この場合には、制御部103からパソコン117Aに対してマウスカーソル消去命令を送る必要がない。また、パソコン117Aあるいは制御部103において、マウスカーソル171を消去する際のマウスカーソル171の座標を記憶しておくことができる。こうすることで、再度、操作対象がパソコン117Aに切り替えられたときに、以前に表示されていた位置と同じ位置に、マウスカーソル171を表示されることができる。このとき、座標を制御部103に記憶する場合には、例えば、画像信号113Aの同期周波数に基づき、表示部150の絶対的な座標としてマウスカーソル171の座標が計算され、記憶される。
【0147】
次のステップS134では、操作対象が切り替えられた、コピー先のパソコン117Bによる表示領域125Bに、マウスカーソル171が表示される。それと共に、上述のステップS130で選択されたファイルを示すアイコン170が、表示領域125B内のマウスカーソル171の表示座標に対応した位置に表示される。表示領域125Bにおけるマウスカーソル171の表示座標は、例えば制御部103から通信部104Bに供給され、パソコン117Bに送られる。これに限らず、パソコン117Bにおいて予め記憶された座標を用いて、マウスカーソル171を表示するようにしてもよい。
【0148】
ここまでの処理で、操作対象がファイルのコピー先のパソコン117Bに切り替えられ、キーボード110やマウス111によるパソコン117Bの操作が可能になっている。ステップS135では、マウス111の操作に従い、マウスカーソル171が表示領域125B内を移動される。すなわち、マウス111のボタンが押下されたままマウス111が移動される、ドラッグ操作が行われる。マウス111の移動量を示す情報は、入力部106に受信され、制御部103を介して通信部104Bに供給され、通信部104Bからパソコン117Bに対して送信される。
【0149】
ステップS136では、コピーしたファイルをコピー先に貼り付けることを指示するペースト命令、すなわち、コピーしたファイルをコピー先のパソコンのメモリやハードディスクといった記憶媒体上に記憶させる命令が発行されたかどうかが判断される。若し、ペースト命令が発行されたと判断されれば、処理は次のステップS137に移行し、コピー元からコピー先へと、コピーするように選択されたファイルが転送される。
【0150】
ペースト命令は、例えば、キーボード110に対する特定の入力によって発行される。キーボード110に対してなされた、ペースト操作を表す特定の入力に応じた信号が入力部106に受信され、制御部103に供給されてペースト命令として認識される。認識されたペースト命令は、制御部103の制御により内部バス132を介して通信部104Bに供給される。通信部104Bに供給されたペースト命令は、制御信号経路24を介してパソコン117Bに送られる。これにより、パソコン117Bによる表示領域125Bの所望の位置が、コピーを行うファイルを示すアイコン170のコピー先の表示位置としてパソコン117Bに記憶される。
【0151】
ここで、キーボード110のキー入力に基づくキー情報を、制御部103を介さないで直接的に通信部4Bに供給し、パソコン117Bに送るようにしてもよい。パソコン117Bでは、送られたキー情報に基づきコピー命令を認識する。このとき、制御部103によるコピー命令の認識はなされるが、制御部103からパソコン117Bに対して制御信号を送信する必要は、無い。
【0152】
ファイル転送は、例えば上述したステップS136によるペースト命令が制御部103で判断されている場合には、制御部103からパソコン117Aに対して、選択されたファイルの転送先がパソコン117Bであることが、制御信号経路123Aを介して通知されると共に、制御部103からパソコン117Bに対して、ペースト命令の対象とされるファイルの送り元がパソコン117Aであることが、制御信号経路123Bを介して通知される。
【0153】
また、上述のペースト命令をパソコン117Bに供給し、パソコン117Bにおいて直接的にペースト処理を制御することができる。このときには、例えば、パソコン117Bからパソコン117Aに対して、選択されたファイルの転送がデータ伝送経路20を介して要求され、この要求に基づき、パソコン117Aからパソコン117Bに対して選択されたファイルの転送が行われる。
【0154】
なお、上述では、コピー命令、ペースト命令および操作の対象とされるパソコンの切り替え命令といった各種命令が、キーボード110の所定のキー入力によりなされると説明したが、これはこの例に限定されない。例えばモニタ装置109の操作部107によってこれらの命令を発行できるようにしてもよい。また、マウス111のボタンの所定の操作により、これらの命令を発行するようにもできる。
【0155】
また、上述では、ファイルのコピー、ペーストおよびパソコン117Aと117Bとの切り替えを行う例について説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、現行のOSにおいて、アプリケーションを示すアイコン170’上に、そのアプリケーションに対応したデータを示すアイコン170をドラッグ操作によって重ねることで、そのアプリケーションを、当該データを読み込んだ状態で実行させることができるようにされたものがある。
【0156】
このようなOSにおいて、上述の処理を応用することで、例えばパソコン117B上に存在するアプリケーションを、パソコン117A上に存在するデータを読み込ませて実行させるようにできる。すなわち、表示領域125Aに表示されている、データを示すアイコン170がドラッグ操作され、表示領域125Aから表示領域125Bへ移動される。また、このアイコン170の表示領域125Aから表示領域125Bへの移動に伴い、操作対象のパソコンがパソコン117Aからパソコン117Bへ切り替えられる。
【0157】
表示領域125Bにおいて、データを示すアイコン170が、目的のアプリケーションを示すアイコン170’に重なったら、マウス111のボタンが離されてデータを示すアイコン170がアプリケーションを示すアイコン170’上にドロップされる。ドロップ操作が行われると、そのアイコン170が示すデータがパソコン117Aからパソコン117Bへと転送され、パソコン117B上の当該アプリケーションに対して渡され、当該アプリケーションは、そのデータを読み込んだ状態で起動される。
【0158】
上述した第18図では、それぞれパソコン117Aおよび117Bによる表示領域125Aおよび125Bが、モニタ装置109の表示部150が水平方向に分割されて形成されているが、表示領域125Aおよび125Bの表示部150に対する配置は、この例に限定されない。例えば、表示領域125Aおよび125Bは、表示部150を垂直方向に分割して形成してもよい。これら分割された表示領域125Aおよび125Bの表示面積の割合を、上述の実施の第1の形態で説明したようにして、例えばマウス111を移動させるといった、所定の操作で可変とすることも可能である。また、表示領域125Aおよび125Bをそれぞれ所定に縮小して、表示部150内に敷き詰めるように表示することもできる。
【0159】
一方、モニタ装置109は、上述の第16図に示されるように、OSD生成部108を有しており、表示部150の表示にOSDによる表示を重畳して表示させることができる。このOSDを利用して、パソコン117Aおよび117Bやモニタ装置109、入力デバイス112の制御状態を表示することもできる。
【0160】
第21図〜第24図を用いて、上述したような、表示部150に対する表示領域125Aおよび125Bの様々な表示方法について、より具体的に説明する。第21図は、表示部150が水平方向に分割されて、表示領域125Aおよび125Bが形成されている例である。また、この例では、OSD生成部108により生成されたOSD画面151が表示部150の所定位置に表示されている。OSD画面151には、コンピュータ117Aおよび117Bの動作が概略的に示され、この第21図の例では、ファイルをパソコン117Aからパソコン117Bへとコピーしている最中であることが示される。
【0161】
第21図において、パソコン117Aの画像信号113Aによる全表示画像152と、パソコン117Bの画像信号113Bによる全表示領域とが水平方向に並べられている。書き込み制御部132によって、画像信号113Aを水平方向で位置Aのタイミングから画像152の右端までメモリ163に書き込み、画像信号を水平方向で画像153の左端から位置Bのタイミングでメモリ163に書き込むように制御する。これにより、表示部150に対して水平方向に所定の比率で、表示領域125Aおよび125Bの表示を行うことができる。
【0162】
位置Aおよび位置Bのタイミングを、例えばマウス111の座標に基づき変更することで、表示部150に対する表示領域125Aおよび125Bの表示の比率を変えることができ、表示部150に表示される画面をスクロールさせることができる。例えば、表示領域125Bの右端でマウスカーソル171をさらに右方向に移動させると、表示領域125Bの比率が大きくされ、表示領域125Aの左端でマウスカーソル171がさらに左方向に移動されると、表示領域125Aの比率が大きくされるように制御することが考えられる。
【0163】
なお、表示領域125Aおよび125Bの表示の比率の変更は、上述のOSD画面151とモニタ装置109の前面に設けられた操作部107を用いて行うことも可能である。
【0164】
第22図は、表示部150を垂直方向に分割する例である。この場合には、画像152と153とが垂直方向に並べられる。書き込み制御部132によって、画像信号113Aを垂直方向で位置Cのタイミングから画像152の下端までメモリ163に書き込み、画像信号113Bを垂直方向で画像153の上端から位置Dのタイミングまでメモリ163に書き込むように制御する。これにより、表示部150に対して垂直方向に所定の比率で、表示領域125Aおよび125Bの表示を行うことができる。
【0165】
この第22図の例でも、上述の第21図の場合と同様に、マウス111の移動などにより、表示部125に対する表示領域125Aおよび125Bの表示の比率を変えることができる。この場合には、マウスカーソル171を表示部150の上端でさらに上方向に移動させることで表示領域125Aの比率が大きくなり、マウスカーソル171を表示部150の下端でさらに下方向に移動させることで、表示領域125Bの比率を大きくすることができる。
【0166】
第23図は、パソコン117Aの画像信号113Aによる全画像152を所定に縮小した画像152’と、パソコン117Bの画像信号113Bによる全画像153を所定に縮小した画像153’とを、表示部150に敷き詰めるように表示させる例である。書き込み制御部132において、供給されたディジタル画像信号113A’および113B’をそれぞれ所定に縮小し、メモリ163の所定番地にマッピングして書き込むように制御することで、このような表示を実現することができる。ディジタル画像信号113A’および113B’は、書き込み制御部132で、例えば所定に画素を間引かれることで、縮小される。
【0167】
この表示部150に敷き詰める表示形態では、画像152’および153’を、一部が重なったように表示させることができる。この場合、例えば、パソコン117Aが操作の対象となっているときには、パソコン117Aに対応する画像152’を画像153’の上に重なるように表示させ、パソコン117Bが操作の対象になっているときには、パソコン117Bに対応する画像153’を画像152’の上に重なるように表示させることができる。
【0168】
また、この場合、画像152’と画像153’との間で、表示の大きさを異ならせるようにできる。操作の対象になっているパソコンに対応する側の画像を、他方よりも大きく表示することなどが考えられる。さらに、表示部150の表示領域が十分に大きければ、画像152’および153’を、縮小しないで共に表示させることもできる。
【0169】
第24図Aおよび第24図Bは、それぞれ表示部150に対してパソコン117Aおよび117Bによる全画像152および153を全画面表示させた例を示す。これは、書き込み制御部132によって、パソコン117Aによるディジタル画像信号113A’およびパソコン117Bによるディジタル画像信号113B’のうち、操作の対象とされているパソコン側の信号をメモリ163に書き込む。キーボード110やマウス111などの所定の操作に基づき、操作の対象となるパソコンを切り替えるようにする。また、この第24図の例では、OSD画面151に、全画面表示である旨と、操作の対象とされ表示が選択されているパソコンが示されている。
【0170】
なお、メモリ163を2フレーム分のディジタル画像信号113A’、113B’を書き込める容量とし、第21図〜第24図のような表示制御を、上述の実施の第1の形態で第7図を用いて説明したようにして行ってもよい。
【0171】
次に、この発明の実施の第3の形態の、第1の変形例について説明する。第25図は、この実施の第3の形態の第1の変形例によるモニタ装置109’の一例の構成を示す。なお、この第25図において、上述の第16図と共通する部分ついては同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0172】
この実施の第3の形態の第1の変形例では、入力デバイス112から入力部106に送られた入力操作信号は、セレクタ133を介して通信部104Aおよび104Bに供給される。セレクタ133は、制御部103からの制御信号に従い、入力された入力操作信号を通信部104Aおよび104Bの何方に供給するかを選択する。一方、入力部106から出力された入力操作信号は、セレクタ133に供給されると共に、制御部103にも供給される。したがって、セレクタ133は、入力操作信号に基づく制御部103の制御によって切り替えられる。
【0173】
また、この実施の第3の形態の第1の変形例によれば、内部バス132に対して、制御部103、通信部104Aおよび104Bの他に、画像処理部102および周波数計測部143が接続されている。これは、この例に限らず、上述の実施の第3の形態のように、内部バス132に対して制御部103、通信部104Aおよび104Bを接続すると共に、制御部103と画像処理部102とを直接的に接続するようにしてもよい。同様に、上述の実施の第3の形態において、この第1の変形例のようなバス構成をとることもできる。なお、これは、後述する実施のだ3の形態の第2の変形例や、実施の第4、第5および第6の形態、ならびに、それぞれの変形例でも同様に適用できる。
【0174】
この構成では、入力部106により受信された、ファイルの移動やコピーといったファイル操作などの、制御部103を介する必要がある信号のみを、内部バス132を介して制御部103に供給し、それ以外の、制御部103を介する必要の無い信号を、直接的に通信部104Aおよび104Bに供給することができる。したがって、制御部103を介する必要の無い信号、例えばユーザの入力デバイス112の操作による操作命令の大部分を、内部バス132を介さずに、外部に伝送することができる。そのため、内部バス132のトラフィックを大幅に低減することができる。
【0175】
次に、この発明の実施の第3の形態の、第2の変形例について説明する。第26図は、この実施の第3の形態の第2の変形例によるモニタ装置109”の一例の構成を示す。この第2の変形例は、上述の実施の第3の形態に対して、3台、4台、あるいはそれ以上といった、さらに多数のパソコンを接続できるように拡張したものである。
【0176】
内部バス132に対して、パソコンと制御部103との通信を制御するインターフェイスである、通信部104A、104B、・・・、104nが接続される。パソコン117A、117B、・・・、117nのそれぞれは、制御信号経路124A、124B、・・・、124nを介して通信部104A、104B、・・・、104nに接続される。キーボード110やマウス111、ジョイスティック、リモートコントロールコマンダなどによる入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106に受信される。入力部106に受信された入力操作信号は、例えば制御部103により内部バス132のルートを制御され、パソコン117A、117B、・・・、117nのうち選択された供給先に対応する制御信号115A、115B、・・・、115nとして供給される。
【0177】
一方、画像処理部102および周波数計測部143は、多数のパソコン117A、117B、・・・、117nからそれぞれ供給される画像信号113A、113B、・・・、113nの処理が可能とされている。例えば、図示は省略するが、画像処理部102は、画像信号113A、113B、・・・、113nのそれぞれに対応できるように、画像入力部160A、160B、・・・、160nを有する。メモリ書き込み制御部162では、画像入力部160A、160B、・・・、160nから供給されたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を、例えば水平方向の所定のタイミングで切り替えてメモリ163に書き込む。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を所定に間引きして、メモリ163上にマッピングし、ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’による表示を、表示部150に敷き詰めるような表示としてもよい。
【0178】
メモリ163に書き込まれたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、出力部54で読み出されて表示デバイス101に供給される。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、それぞれ表示デバイス101の表示部150に、表示領域125A、125B、・・・、125nとして表示される。
【0179】
なお、パソコン117A、117B、・・・、117nは、データ伝送路120によりそれぞれ接続され、互いに通信を行うことができる。このように、3台、4台、あるいはそれ以上といった、多数のパソコンが接続可能とされている場合でも、例えば上述の第19図に示したフローチャートに従い、マウスカーソル171の座標およびマウス移動量と、表示領域125A、125B、・・・、125nとの位置関係に基づき制御対象とするパソコンを切り替え、データ伝送路120を介してのファイルのコピーや移動などを行うことができる。
【0180】
次に、この発明の実施の第4の形態について説明する。第27図は、この実施の第4の形態によるモニタ装置190の使用形態を概略的に示す。なお、この第27図において、上述の第15図と共通する部分には同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0181】
この実施の第4の形態では、第15図を用いて上述した第3の形態による制御信号経路123Aおよび123Bに対して、パソコン117Aおよび117Bそれぞれが、双方向の通信が可能とされる制御信号経路230Aおよび230Bでモニタ装置190と接続されている。すなわち、この実施の第4の形態においてモニタ装置190に設けられる通信部400Aおよび400B(後述する)は、外部との双方向の通信を制御することができるようにされている。これにより、モニタ装置190は、パソコン117Aからの画像信号113Aによる同期周波数情報と、パソコン117Bからの画像信号113Bによる同期周波数情報とを、パソコン117Aおよび117Bから出力される制御信号350Aおよび350Bから、それぞれ直接的に得ることができる。したがって、モニタ装置190において、上述のモニタ装置109に設けられていた周波数計測部143を省略することができる。
【0182】
制御信号経路230Aおよび230Bのインターフェイスとしては、パソコン117Aおよび117Bにおいて双方向通信が行えるようなものであれば、様々なインターフェイスが適用可能である。例えば、USBやIEEE1394をこの制御信号経路230Aおよび230Bのインターフェイスとして用いることができる。またこれに限らず、RS−232Cといったシリアルインターフェイスやパラレルポートをこのインターフェイスとして用いることができる。さらに、PS/2やIrDA(Infrared Data Association)をこのインターフェイスとして用いることもできる。
【0183】
第28図は、実施の第4の形態によるモニタ装置190の一例の構成を示す。なお、この第28図において、上述の第16図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。内部バス132に対して制御部103および入力部106が接続されると共に、外部と双方向で通信を行う機能を有する通信部400Aおよび400Bがそれぞれ接続される。パソコン117Aおよび117Bから制御信号が送信され、それぞれ制御信号経路230Aおよび230Bを介して通信部400Aおよび400Bに供給される。通信部400Aおよび400Bに供給されたこれらの制御信号は、内部バス132を介して制御部103に供給される。例えば、パソコン117Aおよび117Bから、それぞれ同期周波数の情報が制御信号350Aおよび350Bとして送信される。通信部400Aおよび400Bでは、これら制御信号350Aおよび350Bを受信し、受信された信号を制御部103に供給する。
【0184】
制御部103では、供給されたこれらの信号から同期周波数情報を抜き出し、抜き出された同期周波数情報に基づきパソコン117Aからの画像信号113Aによる画像と、パソコン117Bからの画像信号113Bによる画像とが表示部150に適切に表示されるように、画像処理部102を制御する。
【0185】
通信部400Aおよび400Bにより、制御信号経路230Aおよび230Bでの双方向通信を行うようにすることで、第27図に一例が示されるように、パソコン117Aおよび117Bからの画像信号113Aおよび113Bの同期周波数を計測する手段を設けなくとも、表示部150に対する2つの画像信号による表示を適切に行うことができる。
【0186】
なお、上述では、制御部103、通信部400Aおよび400Bならびに入力部106が内部バス132で接続されているが、これは、この例に限定されない。すなわち、内部バス132を用いずに、通信部400A、400Bおよび入力部106を、それぞれ直接的に制御部103に接続することができる。この場合には、通信部400A、400Bおよび入力部106との信号のやりとりは、全て、一旦制御部103を介して行われることになる。
【0187】
第29図は、この実施の第4の形態の第1の変形例によるモニタ装置190’の一例の構成を示す。第29図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第1の変形例による構成(第25図参照)に対応するものであり、入力部106から出力された入力操作信号がセレクタ133を介して通信部400Aおよび400Bに供給される。なお、第29図において、上述の第25図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0188】
セレクタ133は、上述と同様に、制御部103からの制御信号に従い、入力された入力操作信号を通信部400Aおよび400Bの何方に供給するかを選択する。一方、入力部106から出力された入力操作信号は、セレクタ133に供給されると共に、制御部103にも供給される。セレクタ133は、入力操作信号に基づく制御部103の制御によって切り替えられる。
【0189】
一方、パソコン117Aおよび117Bからそれぞれ送信された制御信号350Aおよび350Bは、通信部400Aおよび400Bにより受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。
【0190】
この実施の第4の形態の第1の変形例の構成によれば、上述と同様に、この構成では、入力部106により受信された、ファイルの移動やコピーといったフイル操作などの、制御部103を介する必要がある信号のみを、内部バス132を介して制御部103に供給し、それ以外の、制御部103を介する必要の無い信号を、直接的に通信部400Aおよび400Bに供給することができる。したがって、制御部2を介する必要の無い信号、例えばユーザの入力デバイス112の操作による操作命令の大部分を、内部バス132を介さずに、外部に伝送することができる。そのため、内部バス132のトラフィックを大幅に低減することができる。
【0191】
第30図は、この発明の実施の第4の形態の第2の変形例によるモニタ装置190”の一例の構成を示す。この第30図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第2の変形例による構成(第26図参照)に対応するものであり、モニタ装置190”が、3台、4台、あるいはそれ以上といった、さらに多数のパソコンを接続できるように拡張されたものである。なお、この第30図において、上述の第26図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0192】
内部バス132に対して、パソコンと制御部103との通信を制御するインターフェイスである、通信部400A、400B、・・・、400nが接続される。通信部400A、400B、・・・、400nは、それぞれ接続された外部の機器との間で双方向の通信が可能とされている。パソコン117A、117B、・・・、117nのそれぞれは、制御信号経路230A、230B、・・・、230nによって通信部400A、400B、・・・、400nに接続される。キーボード110やマウス111、ジョイスティック、リモートコントロールコマンダなどによる入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106に受信される。入力部106に受信された入力操作信号は、例えば制御部103により内部バス132のルートを制御され、パソコン117A、117B、・・・、117nのうち選択された供給先に対応する制御信号350A、350B、・・・、350nとして供給される。
【0193】
一方、画像処理部102は、多数のパソコン117A、117B、・・・、117nから画像信号経路124A、124B、・・・、124nを介してそれぞれ供給される画像信号113A、113B、・・・、113nの処理が可能とされている。例えば、図示は省略するが、画像処理部102は、画像信号113A、113B、・・・、113nのそれぞれに対応できるように、画像入力部160A、160B、・・・、160nを有する。
【0194】
また、パソコン117A、117B、・・・、117nから制御信号経路230A、230B、・・・、230nを介して、同期周波数の情報が送られる。この同期周波数情報は、通信部400A、400B、・・・、4nに受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給されたこれらの同期周波数情報に基づき画像処理部102に制御信号を供給し、メモリ書き込み制御部162で画像入力部160A、160B、・・・、160nから供給されたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を、例えば水平方向の所定のタイミングで切り替えてメモリ163に書き込むように制御する。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を所定に間引きして、メモリ163上にマッピングし、ディジタル画像信号1
13A’、113B’、・・・、113n’による表示を、表示部150に敷き
詰めるような表示としてもよい。
【0195】
メモリ163に書き込まれたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、出力部54で読み出されて表示デバイス101に供給される。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、それぞれ表示デバイス101の表示部150に、表示領域125A、125B、・・・、125nとして表示される。
【0196】
このように、3台、4台、あるいはそれ以上のパソコンをモニタ装置190に接続する場合でも、制御信号経路230A、230B、・・・、230nを介して双方向通信を行い、接続されたパソコン117A、117B、・・・、117nのそれぞれから同期周波数情報を送信することにより、モニタ装置190”に対して周波数計測手段を設ける必要が無くなる。
【0197】
なお、上述の実施の第4の形態、ならびに、実施の第4の形態の第1および第2の変形例におけるパソコン117Aおよび117Bによる表示画面150に対する表示は、第21図〜第24図を用いて上述した実施の第3の形態による例を適用することができる。同様に、この実施の第4の形態におけるパソコン117Aおよび117B間でのファイルのコピーおよび移動の処理は、第19図および第20図を用いて上述した実施の第3の形態による方法を適用することができる。
【0198】
次に、この発明の実施の第5の形態について説明する。第31図は、この実施の第5の形態によるモニタ装置191の使用形態を概略的に示す。なお、この第31図において、上述の第15図と共通する部分には同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0199】
この実施の第5の形態では、パソコン117Aおよび117Bとモニタ装置191とをそれぞれ接続する制御信号経路231Aおよび231Bを用いて、入力部106から出力された入力操作信号をパソコン117Aおよび117Bのうち操作の対象とされている側に供給すると共に、制御信号351Aおよび351Bのやりとりを行う。さらに、制御信号経路231Aおよび231Bを用いて、パソコン117Aと17Bとの間で、データ119のやりとりを行うようにしている。すなわち、パソコン117Aからパソコン117Bに対して転送されるデータ119は、制御信号経路231Aを介してモニタ装置191に供給され、モニタ装置191から制御信号経路231Bを介してパソコン117Bに対して送信される。
【0200】
第32図は、この実施の第5の形態によるモニタ装置191の一例の構成を示す。なお、この第32図において、上述の第16図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。通信部401Aおよび401Bは、外部との双方向の通信が可能とされた通信インターフェイスである。パソコン117Aと通信部401Aとが制御信号経路231Aによって接続される。パソコン117Bと通信部401Bとが制御信号経路231Bによって接続される。入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106で受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。例えば入力操作信号中のマウス情報から求められるマウスカーソルの位置情報に基づき、パソコン117Aおよび117Bのうち操作対象となる側を判定する。ここでは、パソコン117Aが操作対象であるとする。判定結果に基づき、入力操作信号が内部バス132を介して通信部401Aに供給され、制御信号経路231Aを介して、操作対象であるパソコン117Aに送信される。
【0201】
一方、パソコン117Aから送信されたデータ119は、制御信号経路231Aを介して通信部401Aに受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給されたデータ119がパソコン117Bに送信すべきデータであると判断された場合には、このデータ119を内部バス132を介して通信部401Bに供給する。通信部401Bに供給されたこのデータ119は、制御信号経路231Bを介してパソコン117Bに送信される。パソコン117Bからパソコン117Aへのデータ通信も、同様にしてなされる。
【0202】
なお、第32図の構成において、パソコン117Aおよび117Bのそれぞれから同期周波数情報が出力され、この同期周波数情報が制御信号経路231Aおよび231Bを介して通信部401Aおよび401Bが受信できるようにすれば、周波数計測部143を省略することができる。例えば、同期周波数情報は、パソコン側のシステム情報をモニタ装置191からパソコン117Aおよび117Bに対して、制御信号経路231Aおよび231Bを介して要求し、パソコン117Aおよび117Bから送信されたシステム情報に基づき得ることができる。これは、以下に述べるこの実施の第5の形態の第1および第2の変形例にも、同様に適用できる。
【0203】
このように、パソコン117Aおよび117Bそれぞれとモニタ装置191とを接続する、制御信号経路231Aおよび231Bを用いて、モニタ装置191を介してパソコン117Aおよび117Bとの間でデータ通信を行うようにしても、実施の第3の形態で上述した、パソコン117Aおよび117B間でのファイルの移動およびコピーは、同様に行うことができる。
【0204】
一例として、移動されるファイルのファイル名がパソコン117Aから制御信号経路231Aを介して通信部401Aに送信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、入力デバイス112から入力部106を介して供給された入力操作信号に基づき、例えばパソコン117Bによる表示領域25B内で当該ファイルに対するドロップ操作が行われるなどして、当該ファイルをパソコン117Bに移動する指示がなされたと判断されると、パソコン117Aから供給されたファイル名に基づき、当該ファイルをパソコン117Bに送信する旨をパソコン117Aに対して指示する。この指示に基づきパソコン117Aからモニタ装置191に対して送信されたファイルは、通信部401Aにより受信され内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部
103に供給されたファイルは、内部バス132を介して通信部401Bに供給され、通信部401Bからパソコン117Bに対して送信される。
【0205】
すなわち、移動されるファイルは、第32図に示されるデータ119のように、制御信号経路231Aおよび231Bを介し、モニタ装置191を経由して、パソコン117Aおよび117B間をやりとりされる。
【0206】
なお、上述では、通信部401Aに受信されたファイルは、内部バス132を介して一旦制御部103に供給されるとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、制御部103により内部バス132を所定に制御することで、通信部401Aに受信されたファイルを内部バス132を介して直接的に通信部401Bに供給し、パソコン117Bに送信するようにしてもよい。
【0207】
制御信号経路231Aおよび231Bとしては、双方向通信を行えるようにされた通信インターフェイスであれば、様々なものが適用できる。例えば、USBやIEEE1394をこの制御信号経路231Aおよび231Bのインターフェイスとして用いることができる。これに限らず、RS−232Cといったシリアルインターフェイスや、パラレルポートをこの制御信号経路231Aおよび231Bのインターフェイス、として用いることができる。さらに、PS/2やIrDAなども、この制御信号経路231Aおよび231Bのインターフェイスとして用いることができる。
【0208】
なお、上述では、制御部103、通信部401Aおよび401Bならびに入力部106が内部バス132で接続されているが、これは、この例に限定されない。すなわち、内部バス132を用いずに、通信部401A、401Bおよび入力部106を、それぞれ直接的に制御部103に接続することができる。この場合には、通信部401A、401Bおよび入力部106との信号のやりとりは、全て、一旦制御部103を介して行われることになる。
【0209】
第33図は、この実施の第5の形態の第1の変形例によるモニタ装置191’の一例の構成を示す。第33図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第1の変形例による構成(第25図参照)に対応するものであり、入力部106から出力された入力操作信号がセレクタ133を介して通信部401Aおよび401Bに供給される。なお、この第33図において、上述の第16図と共通する部分ついては同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0210】
この実施の第5の形態の第1の変形例では、入力デバイス112から入力部106に送られた入力操作信号は、セレクタ133を介して通信部401Aおよび401Bに供給される。セレクタ133は、制御部103からの制御信号に従い、入力された入力操作信号を通信部401Aおよび401Bの何方に供給するかを選択する。一方、入力部106から出力された入力操作信号は、セレクタ133に供給されると共に、制御部103にも供給される。したがって、セレクタ133は、入力操作信号に基づく制御部103の制御によって切り替えられる。
【0211】
入力デバイス112から出力され、入力部106に受信された入力操作信号は、内部バス132を介して制御部103に供給されると共に、セレクタ133に供給される。制御部103では、内部バス132を介して供給された入力操作信号の、例えばマウスカーソル171の位置情報に基づき、パソコン117Aおよび117Bのうち、操作対象とされるパソコンが判定される。この判定結果に基づき制御部103によりセレクタ133が制御され、セレクタ133に供給された入力操作信号が、通信部401Aおよび401Bのうち、操作対象とされたパソコンに対応する側に供給される。入力操作信号は、通信部401Aから制御信号経路231Aを介してパソコン117Aへ、あるいは、通信部401Bから制御信号経路231Bを介してパソコン117Bへ供給される。
【0212】
一方、パソコン117Aとパソコン117Bとの間で通信されるデータ119は、例えばパソコン117Aから送信され通信部401Aで受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103に受信されたデータ119は、制御部103から内部バス132を介して通信部401Bに供給され、通信部401Bからパソコン117Bに送信される。あるいは、データ119は、制御部103に供給されずに、制御部103の内部バス132の制御に基づき、通信部401Aから内部バス132を介して通信部401Bへ直接的に供給されるようにしてもよい。
【0213】
この構成では、入力部106により受信された、ファイルの移動やコピーといったファイル操作などの、制御部103を介する必要がある信号のみを内部バス132を介して制御部103に供給し、それ以外の、制御部103を介する必要の無い信号を直接的に通信部401Aおよび401Bに供給することができる。したがって、制御部103を介する必要の無い信号、例えばユーザの入力デバイス112の操作による操作命令の大部分を、内部バス132を介さずに、外部に伝送することができる。そのため、内部バス132のトラフィックを大幅に低減することができる。
【0214】
次に、この発明の実施の第5の形態の、第2の変形例について説明する。第34図は、この実施の第5の形態の第2の変形例によるモニタ装置191”の一例の構成を示す。この第2の変形例は、この第34図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第2の変形例による構成(第26図参照)に対応するものであり、モニタ装置191”が3台、4台、あるいはそれ以上といった、さらに多数のパソコンを接続できるように拡張されたものである。なお、この第34図において、上述の第26図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0215】
画像処理部102および周波数計測部143は、多数のパソコン117A、117B、・・・、117nからそれぞれ供給される画像信号113A、113B、・・・、113nの処理が可能とされている。例えば、図示は省略するが、画像処理部102は、画像信号113A、113B、・・・、113nのそれぞれに対応できるように、画像入力部160A、160B、・・・、160nを有する。メモリ書き込み制御部162では、画像入力部160A、160B、・・・、160nから供給されたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を、例えば水平方向の所定のタイミングで切り替えてメモリ163に書き込む。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を所定に間引きして、メモリ163上にマッピングし、ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’による表示を、表示部150に敷き詰めるような表示としてもよい。
【0216】
メモリ163に書き込まれたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、出力部54で読み出されて表示デバイス101に供給される。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、それぞれ表示デバイス101の表示部150に、表示領域125A、125B、・・・、125nとして表示される。
【0217】
一方、外部と双方向の通信が可能とされた通信部401A、401B、・・・、401nが内部バス132に対してそれぞれ接続される。パソコン117A、117B、・・・、117nのそれぞれは、制御信号経路231A、231B、・・・、231nを介して通信部401A、401B、・・・、401nに接続される。
【0218】
キーボード110やマウス111、ジョイスティック、リモートコントロールコマンダなどによる入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106に受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給された入力操作信号に基づき操作対象のパソコンを判断し、通信部401A、401B、・・・、401nのうち操作対象のパソコンに対応するものに入力部106からの入力操作信号が供給されるように、内部バス132のルートを制御する。
【0219】
パソコン間でのファイルの移動やコピーといった、ファイル転送が行われる場合も、同様にして、制御部103により内部バス132のルートが制御される。例えば、パソコン117Aからパソコン117Bにファイルの移動を行う場合、移動元のパソコン117Aから移動先のパソコン117Bに移動するファイルが転送されるように、内部バス132のルートが制御される。
【0220】
このように、3台、4台、あるいはそれ以上といった、多数のパソコンが接続可能とされている場合でも、例えば上述の第19図に示したフローチャートに従い、マウスカーソル171の座標およびマウス移動量と、表示領域125A、125B、・・・、125nとの位置関係に基づき制御対象とするパソコンを切り替え、異なるパソコン間でのファイルのコピーや移動などを行うことができる。なお、この実施の第5の形態では、パソコンから出力された画像信号を供給する接続線と、パソコンとモニタ装置との間で通信を行うための接続線とをそれぞれ独立しているものとして説明しているが、これはこの例に限定されない。これら画像信号のための接続線と通信のための接続線とを、一体的に構成することも可能である。
【0221】
なお、上述の実施の第5の形態、ならびに、実施の第5の形態の第1および第2の変形例におけるパソコン117Aおよび117Bによる表示画面50に対する表示は、第21図〜第24図を用いて上述した実施の第3の形態による例を適用することができる。同様に、この実施の第4の形態におけるパソコン117Aおよび117B間でのファイルのコピーおよび移動の処理は、第19図および第20図を用いて上述した実施の第3の形態による方法を適用することができる。次に、この発明の実施の第6の形態について説明する。この実施の第6の形態では、上述した実施の第5の形態に対して、パソコンからモニタ装置に画像信号を供給する経路と、パソコンとモニタ装置との間で通信を行う経路とを、1つの経路に統合している。すなわち、パソコンから出力される画像信号と、パソコンとモニタ装置との間で通信される制御信号およびデータとが一体的に構成された経路中を伝送される。
【0222】
第35図は、この実施の第6の形態によるモニタ装置192の使用形態を概略的に示す。なお、この第35図において、上述の第15図と共通する部分には同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。この実施の第6の形態では、パソコン117Aとモニタ装置192とが1本の信号経路232Aで接続される。同様に、パソコン117Bとモニタ装置192とが1本の信号経路232Bで接続される。
【0223】
パソコン117Aおよび117Bから出力された画像信号113Aおよび113Bは、それぞれ信号経路232Aおよび232Bを介してモニタ装置192に供給される。一方、キーボード110およびマウス111や、ジョイスティック、リモートコントロールコマンダなどからなる入力デバイス112から出力された入力操作信号が、モニタ装置192に供給される。モニタ装置192に供給された入力操作信号は、パソコン117Aおよび117Bのうち、操作対象として判定された側に、対応する信号経路232Aあるいは232Bを介して供給される。
【0224】
また、例えばパソコン117Aからパソコン117Bへの、ファイル移動といったデータ転送が指示されたときには、転送されるデータ119は、パソコン117Aから送信され信号経路232Aを介してモニタ装置192に供給され、モニタ装置192から信号経路232Bを介してパソコン117Bに送信される。信号経路232Aおよび232Bは、例えばVESA(Video Electronics Standard Associasion)の策定した、P&D(Plug&Display)規格と称されるインターフェイスを用いることができる。これは、35ピンのコネクタを用いて、1本のケーブルにディジタルRGB信号、DDC(Display Data Channnel)、USBおよびIEEE1394をまとめたものである。また、これに限らず、JEIDA(Japan Electronic Industry Development Associasion)の策定したDISM(Digital Interface Standard for Monitor)規格と称されるインターフェイスを用いることもできる。DISMは、一例として、13〜40ピンのコネクタに、ディジタルRGB信号、DDCおよびUSBとをまとめたものである。
【0225】
また、データの伝送速度が十分高速なインターフェイスであれば、画像信号と制御信号およびデータとを、単一の経路で伝送することもできる。第36図は、この実施の第6の形態によるモニタ装置192の一例の構成図を示す。なお、この第36図において、上述した第16図と共通する部分に同一の番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0226】
パソコン117Aと通信部402Aとが信号経路232Aによって接続される。パソコン117Aから出力された画像信号が信号経路232Aに送信される。また、パソコン117Aから出力された制御信号352Aやデータ119が、信号経路232Aに対して送信される。信号経路232Aを介して送信されたこれらの信号は、通信部402Aに受信される。通信部402Aでは、受信された信号から画像信号113Aおよび制御信号352Aならびにデータ119がそれぞれ取り出される。同様に、パソコン117Bから信号経路232Bに対して送信された画像信号および制御信号352Bならびにデータ119は、通信部402Bに受信され、受信された信号から画像信号113Bおよび制御信号352Bが取り出される。
【0227】
通信部402Aで取り出された画像信号113Aおよび通信部402Bで取り出された画像信号113Bは、それぞれ画像処理部102に供給される。また、画像信号113Aおよび113Bの同期周波数が周波数計測部143で計測され、計測された同期周波数が内部バス132を介して制御部103に供給され同期周波数情報が取得される。画像処理部102では、供給された画像信号113Aおよび113Bに対して、制御部103の制御に基づき既に述べたような所定の処理を施し、表示デバイス101に供給し、例えば表示領域125Aおよび125Bの表示を行う。
【0228】
一方、通信部402Aおよび402Bでそれぞれ取り出された制御信号352Aおよび352B、ならびに、データ119は、それぞれ内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給された制御信号352Aおよび352B、ならびに、データ119が適切な転送先に転送されるように、内部バス132のルートを制御する。
【0229】
例えば、パソコン117A上の所定のファイルをパソコン117Bに移動させる場合、パソコン117Aから、当該ファイルであるデータ119が送信され通信部402Aに受信される。受信されたデータ119は、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103は、このデータ119を内部バス132を介して通信部402Bに供給する。通信部402Bに供給されたデータ119は、通信部402Bにより、信号経路232Bを介してパソコン117Bに送信される。
【0230】
また、入力デバイス112から出力され入力部106に供給された入力操作信号は、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、例えば入力操作信号に含まれるマウス情報に基づくマウスカーソル171の表示位置により、パソコン117Aおよび117Bのうち操作対象とされるパソコンを判定する。一例としてパソコン117Aが操作対象とされていると判定されれば、供給された入力操作信号を、内部バス132を介して通信部402Aに供給する。通信部402Aでは、供給された入力操作信号を、信号経路232Aを介してパソコン117Aに送信する。
【0231】
なお、上述では、パソコン117Aおよび117Bから供給された制御信号352Aおよび352B、データ119、ならびに、入力デバイス112から供給された入力操作信号は、内部バス132を介して、一旦、制御部103に供給されるように説明しているが、これはこの例に限られない。制御部103により内部バス132のルートを制御することで、例えば制御信号352Aおよび352B、ならびに、データ119のやりとりを、通信部402Aおよび402Bの間で直接的に行うようにしてもよい。同様に、入力操作信号も、内部バス132の制御により、制御部103を介さずに直接的に通信部402Aおよび402Bに供給するようにしてもよい。
【0232】
また、上述では、周波数計測部143により、通信部402Aおよび402Bで取り出された画像信号113Aおよび113Bの同期周波数を計測することで、同期周波数情報を得ているが、これはこの例に限定されない。同期周波数情報を、パソコン117Aおよび117Bから制御信号352Aおよび352Bに乗せて送信することで、周波数計測部143を省略することができる。すなわち、制御信号352Aおよび352Bに乗せられて送信された同期周波数情報は、通信部402Aおよび402Bで取り出され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給された制御信号352Aおよび352Bから同期周波数情報を抽出し、抽出された同期周波数情報に基づき画像処理部102による画像信号113Aおよび113Bの処理を制御する。これは、以下に述べるこの実施の第6の形態の第1および第2の変形例にも、同様に適用できる。
【0233】
なお、上述では、制御部103、通信部402Aおよび402Bならびに入力部106が内部バス132で接続されているが、これは、この例に限定されない。すなわち、内部バス132を用いずに、通信部402A、402Bおよび入力部106を、それぞれ直接的に制御部103に接続することができる。この場合には、通信部402A、402Bおよび入力部106との信号のやりとりは、全て、一旦制御部103を介して行われることになる。
【0234】
第37図は、この実施の第6の形態の第1の変形例によるモニタ装置192’の一例の構成を示す。第37図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第1の変形例による構成(第25図参照)に対応するものであり、入力部106から出力された入力操作信号がセレクタ133を介して通信部402Aおよび402Bに供給される。なお、この第37図において、上述の第16図と共通する部分ついては同一の番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0235】
この第1の変形例では、入力デバイス112から入力部106に送られた入力操作信号は、セレクタ133を介して通信部402Aおよび402Bに供給される。セレクタ133は、制御部103からの制御信号に従い、入力された入力操作信号を通信部402Aおよび402Bの何方に供給するかを選択する。一方、入力部106から出力された入力操作信号は、セレクタ133に供給されると共に、制御部103にも供給される。したがって、セレクタ133は、入力操作信号に基づく制御部103の制御によって切り替えられる。
【0236】
入力デバイス112から出力され、入力部106に受信された入力操作信号は、内部バス132を介して制御部103に供給されると共に、セレクタ133に供給される。制御部103では、内部バス132を介して供給された入力操作信号の、例えばマウスカーソル171の位置情報に基づき、パソコン117Aおよび117Bのうち、操作対象とされるパソコンが選択される。この選択結果に基づき、制御部103によりセレクタ133が制御され、セレクタ133に供給された入力操作信号が通信部402Aおよび402Bのうち、操作対象として選択されたパソコンに対応する側に供給される。入力操作信号は、通信部402Aからパソコン117Aへ、あるいは、通信部402Bからパソコン117Bへ給される。
【0237】
一方、パソコン117Aとパソコン117Bとの間でデータ119のやりとりを行う場合には、例えば転送されるデータ119が画像信号113Aと共にパソコンから出力され、信号経路232Aに対して送信される。この信号は、通信部402Aで受信される。通信部402Aでは、受信された信号からデータ119を取り出し、取り出されたデータ119が内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103に供給されたデータ119は、制御部103から内部バス132を介して通信部402Bに供給され、通信部402Bからパソコン117Bに送信される。あるいは、通信部402Aで受信された信号から取り出されたデータ119は、制御部103に供給されずに、制御部103の内部バス132の制御に基づき、通信部402Aから内部バス132を介して通信部402Bへ直接的に供給されるようにしてもよい。
【0238】
この構成では、入力部106により受信された、ファイルの移動やコピーといったファイル操作などの、制御部103を介する必要がある信号のみを、内部バス132を介して制御部103に供給し、それ以外の、制御部103を介する必要の無い信号を、直接的に通信部402Aおよび402Bに供給することができる。したがって、制御部103を介する必要の無い信号、例えばユーザの入力デバイス112の操作による操作命令の大部分を、内部バス132を介さずに、外部に伝送することができる。そのため、内部バス132のトラフィックを大幅に低減することができる。
【0239】
次に、この発明の実施の第6の形態の、第2の変形例について説明する。第38図は、この実施の第6の形態の第2の変形例によるモニタ装置192”の一例の構成を示す。この第38図に示される構成は、上述した実施の第3の形態の第2の変形例による構成(第26図参照)に対応するものであり、モニタ装置192”が、3台、4台、あるいはそれ以上といった、さらに多数のパソコンを接続できるように拡張されたものである。なお、この第38図において、上述の第26図と共通する部分については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0240】
パソコン117A、117B、・・・・、117nは、モニタ装置192内の通信部402A、402B、・・・、402nに、それぞれ信号経路232AA、232AB、・・・、232Anで以て接続される。通信部402A、402B、・・・、402nは、外部との双方向の通信が可能とされている。パソコン117A、117B、・・・、117nから出力された画像信号113A、113B、・・・、113nは、それぞれ信号経路232A、232B、・・・、232nに送信され、通信部402A、402B、・・・、402nに受信される。通信部402A、402B、・・・、402nでは、信号経路232A、232B、・・・、232nを介して受信された信号から画像信号113A、113B、・・・、113nを取り出す。通信部402A、402B、・・・、402nで受信された信号から取り出された画像信号113A、113B、・・・、113nは、それぞれ画像処理部102に供給される。また、画像信号113A、113B、・・・、113nは、周波数計測部143に供給される。
【0241】
画像処理部102および周波数計測部143は、多数のパソコン117A、117B、・・・、117nからそれぞれ供給される画像信号113A、113B、・・・、113nの処理が可能とされている。例えば、図示は省略するが、画像処理部102は、画像信号113A、113B、・・・、113nのそれぞれに対応できるように、画像入力部160A、160B、・・・、160nを有する。メモリ書き込み制御部162では、画像入力部160A、160B、・・・、160nから供給されたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を、例えば水平方向の所定のタイミングで切り替えてメモリ163に書き込む。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’を所定に間引きして、メモリ163上にマッピングし、ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’による表示を、表示部150に敷き詰めるような表示としてもよい。
【0242】
メモリ163に書き込まれたディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、出力部54で読み出されて表示デバイス101に供給される。ディジタル画像信号113A’、113B’、・・・、113n’は、それぞれ表示デバイス101の表示部150に、表示領域125A、125B、・・・、125nとして表示される。
【0243】
一方、キーボード110やマウス111、ジョイスティック、リモートコントロールコマンダなどによる入力デバイス112から出力された入力操作信号は、入力部106に受信され、内部バス132を介して制御部103に供給される。制御部103では、供給された入力操作信号に基づき操作対象のパソコンを選択し、通信部402A、402B、・・・、402nのうち操作対象のパソコンに対応するものに入力部106からの入力操作信号が供給されるように、内部バス132のルートを制御する。
【0244】
パソコン間でのファイルの移動やコピーといった、ファイル転送が行われる場合も、同様にして、制御部103により内部バス132のルートが制御される。例えば、パソコン117Aからパソコン117Bにファイルの移動を行う場合、移動元のパソコン117Aから移動先のパソコン117Bに移動するファイルが転送されるように、内部バス132のルートが制御される。このように、3台、4台、あるいはそれ以上といった、多数のパソコンが接続可能とされている場合でも、例えば上述の第19図に示したフローチャートに従い、マウスカーソル171の座標およびマウス移動量と、表示領域125A、125B、・・・、125nとの位置関係に基づき制御対象とするパソコンを切り替え、異なるパソコン間でのファイルのコピーや移動などを行うことができる。
【0245】
なお、上述の実施の第6の形態、ならびに、実施の第6の形態の第1および第2の変形例におけるパソコン117Aおよび117Bによる表示画面50に対する表示は、第21図〜第24図を用いて上述した実施の第3の形態による例を適用することができる。同様に、この実施の第4の形態におけるパソコン117Aおよび117B間でのファイルのコピーおよび移動の処理は、第19図および第20図を用いて上述した実施の第3の形態による方法を適用することができる。上述では、この発明によるモニタ装置に対して、複数台のコンピュータ装置を接続するように説明しているが、これはこの例に限定されない。例えば、この発明によるモニタ装置に、コンピュータ装置とSTB(Set Top Box)とを接続するようにしてもよい。STBは、CPUやメモリなどからなる制御部と、外部との通信を制御する通信部、および、表示を制御する表示制御部とを有する。STBは、例えばテレビジョン受像器などに接続され、接続されたテレビジョン受像器に対して、ディジタル放送や画像放送の受信やデータ通信機能など、様々な機能を提供するものである。
【0246】
この発明によるモニタ装置に対してコンピュータ装置とSTBとを接続することで、モニタ装置にコンピュータ装置による表示とSTBによる表示とを同時に行い、1組の入力デバイスでこれらの機器間でのデータ転送を制御することができる。
【0247】
すなわち、現在、ディジタル放送において音楽配信やデータ配信を行うことが提案されている。例えば、STBでディジタル放送が受信され、配信された音楽データなどがSTBに取り込まれる。STBに接続された、この発明によるモニタ装置のSTB画面領域に、配信され取り込まれた音楽データを示すアイコンが表示される。このアイコンを、この発明によるモニタ装置の画面上で、ドラッグ&ドロップ操作により、STB画面領域からコンピュータ装置による画面領域へと移動させることで、STBからコンピュータ装置へ、配信された音楽データが転送されるようにできる。したがって、STBによって受信されたデータを、コンピュータ装置にダウンロードすることが可能になる。
【0248】
なお、接続される機器は、STBに限られない。例えば、ディジタルビデオレコーダ、DVD(Digital Versatile Disk)プレーヤや、DVD−RAM(Random Access Memory)レコーダなどの機器を、コンピュータ装置と共に、この発明によるモニタ装置に接続するようにできる。接続される機器側から供給される所定の表示画面を、コンピュータ装置の表示画面と共に表示する。接続されたこれらの機器とコンピュータ装置との間でのデータ転送が可能とされる。
【0249】
また、上述では、入力デバイス112と入力部106との通信は、入力デバイス112から入力部106への一方向であったが、これはこの例に限られず、入力デバイス112と入力部106との間で双方向通信を行うようにできる。この場合、例えば入力デバイス112としてのキーボード110にLED(Light Emitting Diode)や簡易的なLCDなどからなる表示装置を設け、モニタ装置によるパソコン117Aおよび117Bなどの制御状態をこの表示装置に表示させることができる。
【0250】
以上説明したように、この発明の実施の第1の形態によれば、モニタ装置1にフレームメモリが設けられると共に、フレームメモリの入出力をFIFOを介して行っているため、周波数や解像度などの企画が異なる映像信号の入力に対して、複数画面の同時表示が可能となる効果がある。
【0251】
また、フレームメモリに複数画面分の映像信号が格納され、フレームメモリの読み出し開始アドレスを変更することで、複数画面のスクロール表示が可能になる効果がある。さらに、この発明の実施の第2の形態によれば、モニタ装置にキーボードやマウスの入力インターフェイスが設けられる。そのため、キーボードによるキー情報、マウスによるマウス移動量やボタン操作情報などは、モニタ装置に対して供給されると共に、モニタ装置を介して接続される複数台のパソコンに送られる。したがって、複数台のパソコンにおいて、キーボードおよびマウスを共有して用いることができる効果がある。
【0252】
そのため、複数台のパソコンを同時に用いる際でも、複数台のパソコンのそれぞれに対して入力手段を用意する必要がないため、非常に省スペースで済むという効果がある。
【0253】
さらにまた、この発明の実施の第2の形態によれば、モニタ装置においてキーボードによるキー情報、マウスによるマウス移動量やボタン操作情報を取得することができるため、2画面表示の切り替えや、アクティブなパソコンの切り替えをカーソルを用いて行うことができる効果がある。
【0254】
また、この発明の実施の第3の形態によれば、モニタ装置に対して複数台のコンピュータ装置が接続可能とされると共に、キーボードやマウスといった入力デバイスがモニタ装置に接続可能とされる。モニタ装置には、接続された複数台のコンピュータ装置による表示画面が同時に表示される。また、モニタ装置では、入力デバイスの出力に基づき、接続された複数台のコンピュータ装置から操作対象とされているコンピュータ装置を選択し、入力デバイスの出力を選択された側のコンピュータ装置に供給するようにしている。さらに、入力デバイスの出力に基づき、複数台のコンピュータ装置間でのデータ転送を指示するようにしている。
【0255】
そのため、この発明の実施の第3の形態が適用されたモニタ装置を用いることで、ユーザは、1組の入力デバイスを用いて意識的な操作を行うことなく複数台のコンピュータ装置を切り替えることができ、且つ、複数台のコンピュータ装置の動作状況を同時に見ながら複数台のコンピュータ間での操作を行うことができるという効果がある。
【0256】
また、1つの画面に複数台のコンピュータ装置による表示画面が同時に表示され、1組の入力デバイスにより、複数台のコンピュータ装置による表示画面間で、アイコン操作などを自在に行うことができるようにされている。そのため、ユーザは、複数台のコンピュータ装置間での操作をシームレスに行うことができ、コンピュータ装置の切り替えに伴う手間が無く、操作性が向上されるという効果がある。
【0257】
さらに、1つの画面に複数台のコンピュータ装置による表示画面が同時に表示され、1組の入力デバイスにより、複数台のコンピュータ装置による表示画面間で、アイコン操作などを自在に行うことができるようにされているため、ユーザは、複数台のコンピュータ装置を恰も1台のコンピュータ装置のように操作することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0258】
1 モニタ装置
2A、2B パソコン
3 キーボード
4 マウス
6 表示部
7A、7B 表示領域
21 ビデオメモリインターフェイス
22 フレームメモリ
101 表示デバイス
102 画像処理部
103 制御部
104A、104B 通信部
119 データ
120 データ伝送路
162 メモリ書き込み制御部
163 メモリ
400A、400B 通信部
401A、401B 通信部
402A、402B 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示手段と、
上記表示手段の表示に対応して位置の指定を行う入力デバイスと、
複数の映像を上記表示手段に対して同時に表示させる表示制御手段と、
上記入力デバイスによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御手段と
を有する画像表示装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記入力デバイスによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置が上記表示手段の表示領域の端に対応する位置である時、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御手段である
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する際に、上記境界の移動とともに上記表示手段上の上記複数の映像の表示をスクロールさせるよう制御する
請求項2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
上記複数の映像は複数のデータ処理装置からそれぞれ供給された複数の映像であり、
上記入力デバイスから供給された制御信号を上記複数のデータ処理装置に出力する出力制御手段をさらに有し、
上記制御手段は、上記入力デバイスによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置が上記表示手段に表示されている上記複数の映像のうち、どの映像を示しているかの判断結果に基づき、上記制御信号を、上記複数のデータ処理装置のうち上記入力デバイスが示している映像に対応したデータ処理装置に選択的に供給する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項5】
上記表示制御手段は、
上記複数のデータ処理装置から供給された上記複数の映像信号のそれぞれを格納するメモリ手段と、上記メモリ手段から上記表示手段の1画面分の映像信号を読み出し、上記表示手段に供給する読み出し制御手段を有する
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項6】
上記表示制御手段は、上記メモリ手段に上記複数の映像信号のそれぞれが互いにアドレス配置を連続的にされて格納されるように制御すると共に、上記読み出し制御手段が上記メモリ手段に対して上記表示手段の1画面分の映像信号に対応する連続的なアドレス範囲を指定して上記メモリ手段から映像信号を読み出すように制御する
請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
映像を表示する表示手段へ映像信号を供給する映像信号供給手段と、
上記表示手段の表示に対応して位置の指定を行う入力デバイスが接続される入力デバイス接続手段と、
複数の映像を上記表示手段に対して同時に表示させる表示制御手段と、
上記入力デバイスによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御手段と
を有する映像信号供給装置。
【請求項8】
表示手段に対して複数の映像を同時に表示させる表示ステップと、
上記表示手段の表示に対応してユーザーが位置の指定を行う入力ステップと、
上記入力ステップによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御ステップと
からなる表示方法。
【請求項9】
表示手段に対して複数の映像を同時に表示させる表示ステップと、
上記表示手段の表示に対応してユーザーが位置の指定を行う入力ステップと、
上記入力ステップによって指定された上記表示手段上の表示に対応する位置に基づいて、上記表示手段に表示される上記複数の映像の境界を移動させるよう制御する制御ステップと
からなる表示プログラム。

【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図27】
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【図31】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−154382(P2011−154382A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53716(P2011−53716)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【分割の表示】特願2001−552184(P2001−552184)の分割
【原出願日】平成13年1月10日(2001.1.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】