説明

画像表示装置及びソート方法

【課題】 ユーザをあまり待たせることなく日付ソート表示を行うこと。
【解決手段】 画像及び該画像の撮影日時情報を含む画像ファイルを記憶する第1の記憶手段210と、所定の操作が行われる操作手段300と、操作手段300で操作が発生しないタイミングであるか否かを判定するタイミング判定手段111と、操作手段300で操作が発生しないタイミングであると判定したときに第1の記憶手段210に記憶されている画像ファイルから撮影日時情報を取得する撮影日時情報取得手段112と、撮影日時情報取得手段112によって取得された撮影日時情報を画像ファイルと関連付けて記憶する第2の記憶手段220と、画像ファイル内の画像を表示する表示手段240と、第2の記憶手段220に記憶された撮影日時情報に基づいて、第1の記憶手段210に記憶された画像ファイル内の画像をソートして表示手段240に表示させる制御を行う表示制御手段116を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置及びソート方法に係り、特に日付ソート表示機能を有する画像表示装置及び日付ソートを行うソート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体を撮影して得られた画像を表示するLCD(Liquid Crystal Display)を有した電子カメラが普及してきた。
【0003】
また、電子カメラで被写体を撮影して得られた画像を、大容量の記憶手段に蓄積しておき、あとで所望の画像を表示するようにした画像プレーヤも提供されている。
【0004】
ところで、画像ファイルとしてはExif(Exchangeable image file)形式の画像ファイルが普及してきた。これにより異なる種類の装置間(例えば、電子カメラとパーソナルコンピュータとの間、電子カメラとプリンタとの間、電子カメラと画像プレーヤとの間など)で画像ファイルを容易に交換できるようになってきた。このようなExif形式の画像ファイルでは、画像に付加されたタグと呼ばれる付加情報の中に撮影日時情報が含まれている。
【0005】
なお、特許文献1には、記憶された多数のファイルの中から所望のファイルを検索して読み出す作業を容易にできるようにするため、ファイル名のリストを表示する際にファイルの日付順に整列して表示するようにしたものが記載されている。
【特許文献1】特開2004−258957号公報(特に図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の画像を日付順に整列して表示させる機能(日付ソート表示機能)を有した電子カメラが求められている。詳細には、例えば、Exif形式の画像ファイル内のタグに含まれている撮影日時情報に基づいて日付ソート表示を行う。
【0007】
しかし、Exif形式の画像ファイル内のタグに含まれている撮影日時情報に基づいて日付ソート表示を行うためには、一般に、全ての画像ファイルについてひとつずつ画像ファイル内のタグを解析する必要があり、画像ファイルの数が多くなるほど撮影日時情報の取得にかかる総時間が長くなって、ユーザの操作により各画像ファイルのタグ解析を始めてから撮影日時順に整列された画像が表示されるまで、ユーザを長時間待たせることになる。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ユーザをあまり待たせることなく日付ソートを行うことができる画像表示装置及びソート方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像及び該画像の撮影日時情報を含む画像ファイルを記憶する第1の記憶手段と、所定の操作が行われる操作手段と、前記操作手段で操作が発生しないタイミングであるか否かを判定するタイミング判定手段と、前記操作手段で操作が発生しないタイミングであると判定したときに前記第1の記憶手段に記憶されている前記画像ファイルから前記撮影日時情報を取得する撮影日時情報取得手段と、前記撮影日時情報取得手段によって取得された前記撮影日時情報を前記画像ファイルと関連付けて記憶する第2の記憶手段と、前記画像ファイル内の画像を表示する表示手段と、前記第2の記憶手段に記憶された前記撮影日時情報に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像ファイル内の前記画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段を備えたことを特徴とする画像表示装置を提供する。
【0010】
この発明によれば、ユーザの操作が発生しないタイミングで予め各画像ファイルから撮影日時情報が取得され、日付ソート表示を行う際には各画像ファイルから予め取得された撮影日時情報に基づいて画像がソートして表示されるので、日付ソート表示が行われる際にはタグ解析の所要時間が省略されて、その日付ソート表示が行われることになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記表示制御手段は、前記画像ファイルから取得された前記撮影日時情報が前記第2の記憶手段に記憶されているときには、前記第2の記憶手段に記憶された前記撮影日時情報に基づいて前記画像ファイル内の画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行う一方で、前記画像ファイルから取得された前記撮影日時情報が前記第2の記憶手段に記憶されていないときには、前記画像ファイルに対応するFAT(File Allocation Table)のタイムスタンプに基づいて前記画像ファイル内の画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴とする画像表示装置を提供する。
【0012】
この発明によれば、各画像ファイルから撮影日時情報を未取得のタイミングであっても、タグ解析の所要時間が省略されて、FATのタイムスタンプに基づいて日付ソート表示が行われることになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、被写体を撮像する撮像手段を備えた電子カメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置を提供する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、画像及び該画像の撮影日時情報を含む画像ファイルに関するソートを行うソート方法において、所定の操作手段で操作が発生しないタイミングであるか否かを判定するステップと、前記操作手段で操作が発生しないタイミングであると判定したときに所定の第1の記憶手段に記憶されている前記画像ファイルから前記撮影日時情報を取得するステップと、取得した前記撮影日時情報を前記画像ファイルと関連付けて所定の第2の記憶手段に保存するステップと、前記第2の記憶手段に保存された前記撮影日時情報に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像ファイルに関するソートを行うステップを含むことを特徴とするソート方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザを待たせることなく日付ソートを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0017】
[全体構成]
図1は、本発明に係る画像表示装置の一実施形態としての電子カメラ1の全体構成を示すブロック図である。
【0018】
図1において、中央処理装置(CPU)10は、所定のプログラムに従って、電子カメラ1の全体の動作を統括して制御するものである。
【0019】
RTC(Real Time Clock)101は、現在日時を計時するものである。
【0020】
タイマ102は、CPU10の指示に従って、所定の時間間隔の計時を行うものである。本実施形態では、特に、ユーザの操作が発生する時間間隔を計時する。
【0021】
メモリ12は、バッテリバックアップにより不揮発性を有したRAM(Random Access Memory)を含んで構成されている。このメモリ12は、画像を含む後述の画像ファイルを記憶する内部の画像ファイル記憶手段として用いられる。また、メモリ12は、画像ファイルを管理するための後述の管理テーブルを記憶する。また、メモリ12は、CPU10によって行われる各種処理用の作業領域として利用される。また、メモリ12は、CPU10によって実行されるプログラムや、そのプログラムの動作に必要な各種の固定データを記憶するROM(Read Only Memory)を含んで構成されている。
【0022】
電源ボタン18は、電源部19のオン状態及びオフ状態の切り替える指示を入力するボタンである。本実施形態では、電源ボタン18でオン状態からオフ状態(電源オフ)に切り替える操作が行われたときには、その切り替え操作を示す信号がCPU10に入力され、CPU10の指示により電源部19から電子カメラ1の各部への電源供給が停止されるようになっている。
【0023】
電源部19は、電子カメラ1の外部から充電可能な電池(充電電池)を含んで構成されている。
【0024】
記録メディア21は、例えばメモリカードからなり、電子カメラ1に挿抜可能になっている。この記録メディア21は、画像を含む後述の画像ファイルを記憶する。
【0025】
挿抜検出センサ29は、電子カメラ1に記録メディア21が挿入された状態であるか、抜き取られた状態であるかを検出するものである。このようなセンサは、機械的に記録メディア21の挿抜状態を検出するようなものであってもよく、電気的に記録メディア21の挿抜状態を検出するものであってもよい。
【0026】
メディアコントロール回路22は、記録メディア21へのデータの書き込み(記録)、及び、記録メディア21からのデータの読み込みを行う際に、記録メディア21に適した所定の信号変換を行うものである。
【0027】
TVモニタインタフェース23は、NTSC(National Television Standards Committee)形式又はPAL(Phase Alternation by Line)形式のビデオ信号を外部のTVモニタ3(テレビモニタ)に出力するためのインタフェースである。
【0028】
LCDモニタ24は、カラー表示可能なLCD(液晶ディスプレイ)で構成されている。LCDモニタ24は、記録メディア21に記録されている画像を再生表示する手段として利用される。このLCD24は、画像を再生表示する際、CPU10の制御により、後に詳述される日付ソート表示などの各種の態様で画像を表示する。
【0029】
また、LCDモニタ24は、ユーザインタフェース用の表示画面として利用され、必要に応じてメニューや選択項目、設定内容などの情報が表示される。また、LCDモニタ24は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用される。
【0030】
スピーカ25は、音を出力するものである。また、マイク26は、音を入力するものである。
【0031】
ストロボ27は、キセノンガスに電圧をかけて閃光を発する発光装置(「エレクトリックフラッシュ」ともいう)である。
【0032】
AF補助光発光部28は、例えばLED(発光ダイオード)からなり、オートフォーカスの際に補助光を発するものである。
【0033】
操作部30は、ユーザが各種の指示を入力するための操作手段であり、モード設定ボタン31、シャッタボタン32、メニュー/OKボタン33、十字ボタン34(「矢印ボタン」と呼ぶこともある)、表示ボタン35などの各種のボタン(「キー」と呼ぶこともある)を含んで構成されている。
【0034】
モード設定ボタン31は、被写体を撮影して画像データを所定の記録メディア21に記録するための撮影モード、記録メディア21に記録された画像データを再生するための再生モード、その他のモードの設定指示を入力するための操作手段である。シャッタボタン32は、撮影準備指示や撮影開始指示を入力するための操作手段である。メニュー/OKボタン33は、LCDモニタ24又はTVモニタ3の画面上にメニューを表示させるメニュー表示指示、及び、各種の機能を実行させる機能実行指示などを入力するための操作手段である。十字ボタン34は、メニュー内の項目の選択や画像の選択などのために、上、下、左、右の4方向の指示を入力するための操作手段である。表示ボタン35は、LCDモニタ24又はTVモニタ3の画面上に画像を表示する旨の指示やその画像の表示態様の切替指示を入力するための操作手段である。
【0035】
モード設定ボタン31、シャッタボタン32、メニュー/OKボタン33、十字ボタン34、表示ボタン35などのボタンからの信号はCPU10に入力され、その入力信号に基づいてCPU10は電子カメラ1の各部を制御して、撮影処理、画像再生処理、画像データ送信処理などの各種の処理の制御を行うようになっている。
【0036】
モード設定ボタン31によって撮影モードが選択されると、CCD46を含む撮影に関する部分(撮影部)に電源部19から電源が供給され、撮影可能な状態になる。
【0037】
レンズユニット40は、光学レンズ及びアイリスを含む光学ユニットである。レンズユニット40は、CPU10によって制御される、レンズ駆動用及び絞り駆動用のモータ42及びドライバ44によって電動駆動される。これにより、ズーム制御、フォーカス制御およびアイリス制御が行われる。
【0038】
レンズユニット40を通過した光は、CCD46(撮像素子)の受光面に結像される。CCD46の受光面には多数のフォトダイオードが二次元的に配列されており、各フォトダイオードに対応して赤(R)、緑(G)、青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。また、CCD46は、電荷蓄積時間(シャッタスピード)を制御する、いわゆる電子シャッタ機能を有している。CPU10は、CCD46での電荷蓄積時間を制御する。CCD46の受光面に結像された被写体像は、各フォトダイオードによって入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。各フォトダイオードに蓄積された信号電荷は、電圧信号(R,G,B各色別の画像信号)として順次読み出される。
【0039】
CCD46から取り出されたR,G,B各色別の画像信号は、アナログ処理部(CDS/AMP回路)52に送られ、ここで画素ごとにサンプリングホールド(相関二重サンプリング処理)され、増幅された後、A/D変換器54に与えられ、アナログからデジタルに変換される。A/D変換器54から出力された画像信号は、画像信号処理回路56に入力される。画像信号処理回路56は、画像信号をCPU10の指示に従って処理する。具体的には、画像信号処理回路56は、同時化回路(CCD46のカラーフィルタの配列の空間的なずれなどに起因する画像信号のズレを補正して画像信号を同時式に変換する回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、YC信号生成回路などを含む画像信号処理手段として機能し、CPU10からの指示に従ってメモリ12を用いながら所定の画像信号処理を行う。画像信号処理回56の処理により得られた画像データはメモリ12に一時記憶される。
【0040】
メモリ12に一時記憶された画像データは、画像再生処理回路62を介してLCDドライブ回路64に入力され、LCDドライブ回路64によってLCDモニタ24の駆動信号が生成されて、LCDモニタ24からカラーの画像として出力される。
【0041】
LCDモニタ24により撮影画角を確認した撮影者によりシャッタボタン32が押されると、画像信号処理回路56によってホワイトバランス補正などの所定の画像処理が施された画像信号は、圧縮・伸長処理回路58によって所定のフォーマットで圧縮された後、メディアコントロール回路22を介して記録メディア21に画像データとして記録される。
【0042】
なお、CPU10の制御により、オートフォーカス時にAF補助光発光部28から補助光を発する場合には、AF補助光発光回路78からAF補助光発光部28に対してAF補助光発光用の所定の電流が与えられる。また、CPU10の制御により、被写体の撮影時にストロボ27から閃光を発する場合には、ストロボ発光回路77からストロボ27に対してストロボ発光用の所定の電圧が与えられる。
【0043】
また、モード設定ボタン31により再生モードが選択されると、圧縮されて記録メディア21に記録されていた画像データが、メディアコントロール回路22を介して読み出される。読み出された画像データは、圧縮・伸長処理回路58によって伸長され、画像再生処理回路62及びLCDドライブ回路64を介してLCDモニタ24に表示される。
【0044】
TVモニタ3がTVモニタインタフェース23に接続されている場合、メモリ12から読み出された画像データは、画像再生処理回路62を介してビデオエンコード回路63に入力され、ビデオエンコード回路63によってTVモニタ3用のビデオ信号にエンコードされて、TVモニタインタフェース23からカラーのビデオ信号として出力される。
【0045】
なお、動画の撮影時には、マイク26の出力信号(音声信号)は、音声処理回路76によって所定の音声処理を施され、音声データとして圧縮・伸長回路58に入力される。圧縮・伸長回路58によって圧縮された音声データは、画像データとともに記録メディア21に記録される。
【0046】
また、動画の再生時には、記録メディア21に画像データとともに記録されていた音声データは、圧縮・伸長回路58によって伸長される。圧縮・伸長回路58によって伸長された音声データは、音声信号として音声処理回路76に入力され、音声処理回路76によって所定の音声処理が施された後、音声再生処理回路75に入力されて、スピーカ25から音声が出力される。
【0047】
[電子カメラの外観]
図2、図3及び図4は、電子カメラ1の外観の一例を示す正面図、背面図、及び、上面図である。
【0048】
図2に示されるように、電子カメラ1の正面(前面)には、被写体からの反射光が入射されるようにレンズユニット40の一部である光学レンズ401が配置されている。また、電子カメラ1の正面には、被写体の撮影時に被写体に閃光が照射されるようにストロボ27が配置されている。また、電子カメラ1の正面には、オートフォーカス時に被写体に補助光が照射されるようにAF補助光発光部28、及び、マイク26が配置されている。
【0049】
図3に示されるように、電子カメラ1の背面には、LCDモニタ24(液晶ディスプレイ)、再生モードの設定指示が入力される再生モード設定ボタン311(図1のモード設定ボタン31の一部を構成している)、メニュー/OKボタン33、十字ボタン34(矢印ボタン)、画像を表示する旨の指示やその画像の表示態様の切替指示を行う表示ボタン35、広角ズームや望遠ズームを設定するズームボタン36、及び、フィルムを使い分ける感覚で撮影を楽しめるように感度等の切り替え指示が入力されるフォトモードボタン37が設けられている。
【0050】
図4に示されるように、電子カメラ1の上面(頭面)には、電源ボタン18、撮影モード(静止画撮影モード及び動画撮影モード)の設定指示が入力されるモードレバー312、及び、シャッタボタン32が配置されている。
【0051】
なお、底面図を省略したが、電子カメラ1の底面には、スピーカ25が配置されている。また、電子カメラ1の底面には、記録メディア21を取り外し可能に装着するための挿入口が設けられている。また、電子カメラ1の底面には、電池を挿入する挿入口が設けられている。
【0052】
また、側面図を省略したが、電子カメラ1の一側面には、TVモニタインタフェース23が設けられている。
【0053】
[画像ファイルの構成]
図5は、Exif形式の画像ファイル91の概略構成を示す。図5に示される画像ファイル91は、画像911にタグ912が付加されて構成されている。タグ912には、画像911が撮影された日時を示す撮影日時情報が含まれている。なお、図5では図示を省略したが、縮小画像としてのサムネイル画像が画像ファイル91に含まれている場合がある。
【0054】
[管理テーブルの構成]
図6は、画像ファイル91の管理情報としてメモリ12に記憶された管理テーブル93を示す。図6に示される管理テーブル93は、CPU10の制御により、画像ファイルごとに、ファイル名932と撮影日時情報933とが互いに関連付けられて形成されている。
【0055】
このような図6に示す管理テーブル93とは別に、FAT(File Allocation Table)が電子カメラ1に組み込まれた周知のファイルシステムによって形成されている。FATは、画像ファイルを含むどのファイルがどこに保存されているかを一覧表にして示す管理情報である。このFATは、一般に、ファイル名932及びファイルのタイムスタンプを含んでいる。ここで、タイムスタンプは、一般に、ファイルの作成日時又は更新日時を示している。このようなFATは、管理対象のファイルが記憶されている記憶手段に形成されている。したがって、記録メディア21に記憶された画像ファイルについては、記録メディア21にFATが形成され、メモリ12に記憶された画像ファイルについてはメモリ12にFATが形成される。
【0056】
[画像表示装置の機能的構成]
図7は、画像表示装置の一例として図1に示した電子カメラ1の日付ソート表示に関連する部分について、機能的構成の概略を示すブロック図である。
【0057】
第1の記憶手段210は、図5に示されるExif形式の画像ファイル91を記憶する。第1の記憶手段210は、多数の画像ファイル(例えば500個の画像ファイル)を保存可能な大容量のものであって、不揮発性であることが好ましい。また、第1の記憶手段210は、画像ファイル91とともに、周知のファイルシステムによって形成されたFATを記憶する。
【0058】
第2の記憶手段220は、図6に示される管理テーブル93を記憶する。第2の記憶手段220は、高速で読み書き可能なものが好ましい。また、不揮発性であることが好ましい。
【0059】
操作手段300は、ユーザが操作をするものである。
【0060】
タイミング判定手段111は、操作手段300でユーザの操作が発生しないタイミングであるか否かを判定することにより、第1の記憶手段210に記憶されている画像ファイル91から撮影日時情報を取得して第2の記憶手段220に保存するタイミング(キャッシュタイミング)を判定する。
【0061】
タイミング判定手段111による撮影日時情報のキャッシュタイミングの判定態様には各種ある。
【0062】
第1に、電源ボタン18による電源オフ操作時、その電源オフ操作以後の撮影日時情報のキャッシュに要する時間(キャッシュ所要時間)内にはユーザの操作は発生しないと判定する。すなわち、撮影日時情報のキャッシュ処理を開始するタイミングであると判定する。
【0063】
第2に、電源部19の充電開始時、その充電開始以後のキャッシュ所要時間内にはユーザの操作は発生しないと判定する。すなわち、撮影日時情報のキャッシュ処理を開始するタイミングであると判定する。
【0064】
第3に、操作手段300で操作が行われる時間間隔(操作時間間隔)の計時をタイマ102に指示し、タイマ102によって計時された操作時間間隔が予め決められた一定時間を超えた時(すなわちタイムアウトした時)、そのタイムアウト以後もキャッシュ所要時間内にはユーザの操作が発生しないと判定する。すなわち、ユーザ操作が一定時間以上ないときには、撮影日時情報のキャッシュ処理を開始するタイミングであると判定する。
【0065】
第4に、RTC101で計時されている現在日時に基づいて、例えば深夜には、ユーザの操作は発生しないと判定する。すなわち、撮影日時情報のキャッシュ処理を開始するタイミングであると判定する。
【0066】
本実施形態では、第1乃至第4の判定態様を全て行うようになっているが、このような全ての判定態様を行う場合に特に限定されない。
【0067】
撮影日時情報取得手段112は、タイミング判定手段111によって判定されたキャッシュタイミングで、第1の記憶手段210に記憶されている複数の画像ファイル91から撮影日時情報を取得して画像ファイル91と関連付けて第2の記憶手段220に保存する。すなわち、撮影日時情報のキャッシュ処理を行う。
【0068】
具体的には、第1の記憶手段210に記憶されている全ての画像ファイル91について、画像ファイル91のタグ912に含まれている撮影日時情報を、その画像ファイル91のタグ912から抽出して、図6に示される管理テーブル93を第2の記憶手段220に形成する。図6に示す管理テーブル93は、画像ファイル91から取得された撮影日時情報933が、FAT内に管理されている画像ファイル91のファイル名932と関連付けられて、形成されている。
【0069】
表示手段240は、画像ファイル91内の画像911を表示するものである。
【0070】
表示制御手段116は、画像ファイル91内の画像911を表示手段240に表示させる制御を行うものである。
【0071】
表示手段240の画像の表示態様には各種ある。第1に、1画面上に1コマの画像のみを再生表示する1コマ再生、第2に、1画面上に複数のコマ(例えば9コマ)の画像を再生表示する複数コマ再生、第3に、撮影日ごとに画像を再生表示する日付再生がある。
【0072】
また、表示制御手段116は、上記の日付再生において、ソート手段117を用いて日付ソート表示を制御する。具体的には、画像ファイル91から取得された撮影日時情報933が第2の記憶手段220に記憶されているときには、第2の記憶手段220に記憶された撮影日時情報933に基づいて複数の画像ファイル91内の画像911を整列して表示手段240に表示させる制御を行う一方で、画像ファイル91から取得された撮影日時情報933が第2の記憶手段220に記憶されていないときには、各画像ファイル91に対応するFATのタイムスタンプに基づいて複数の画像ファイル91内の画像911を整列して表示手段240に表示させる制御を行う。
【0073】
ソート手段117は、表示制御手段116の指示に従って日付ソートを実行する。第1に、第2の記憶手段220に記憶された撮影日時情報933に基づいて撮影日時情報順にソートを行う態様がある。第2に、FATのタイムスタンプに基づいてタイムスタンプ順に日付ソートを行う態様がある。
【0074】
なお、タイミング判定手段111は、撮影日時情報のキャッシュタイミングを判定するのみでなく、第2の記憶手段220に記憶されている撮影日時情報をクリアするタイミング(クリアタイミング)も判定するようになっている。例えば、挿抜検出センサ29によって記録メディア21が抜かれたことが検出されたときには、タイミング判定手段111は、撮影日時情報のクリアタイミングであると判定し、撮影日時情報クリア手段113によって第2の記憶手段220内の撮影日時情報がクリアされる。例えば、図6に示される管理テーブル93が第2の記憶手段220からクリアされる。また、新たな画像が撮影されて、第1の記憶手段210に新たな画像ファイル91が書き込まれたときにも、撮影日時情報のクリアタイミングであると判定される。
【0075】
図7に示した機能的構成の電子カメラ1の構成要素と、図1〜図4に示した具体的構成の電子カメラ1の構成要素との対応関係について簡単に説明しておく。
【0076】
第1の記憶手段210は、図1の記録メディア21及びメモリ12によって構成されている。第2の記憶手段220は、図1のメモリ12によって構成されている。操作手段300は、図1〜図4に示したモード設定ボタン31、シャッタボタン32、メニュー/OKボタン33、十字ボタン34及び表示ボタン35を含む操作部30によって構成されている。タイミング判定手段111、撮影日時情報取得手段112、撮影日時情報クリア手段113、表示制御手段116及びソート手段117は、主として図1のCPU10によって構成されている。表示手段240は、主として図1のLCDモニタ24によって構成されている。
【0077】
[処理の流れ]
撮影日時情報キャッシュ処理及び日付ソート表示処理の流れを説明する。
【0078】
図8は、撮影日時情報キャッシュ処理の一例の流れを示すフローチャートである。この撮影日時情報キャッシュ処理は、所定のプログラムに従って、CPU10により実行される。
【0079】
図8において、まず、ユーザの操作が発生しないタイミングであるか否かを判定する(S12)。
【0080】
ユーザの操作が発生するタイミングであると判定したときには、ユーザの操作が発生しないタイミングと判定されるまで待機する一方で、ユーザの操作が発生しないタイミングであると判定したときには、第1の記憶手段210に記憶されている全ての画像ファイル91について、Exif形式のタグ912を解析し(S14)、そのタグ912の解析結果に基づいて、全ての画像ファイル91について撮影日時情報933を取得する(S16)。
【0081】
そして、画像ファイル91から取得された撮影日時情報933を、各画像ファイル91と関連付けて、第2の記憶手段220に保存する(S18)。具体的には、図6に示す管理テーブル93を、第2の記憶手段220上に形成する。
【0082】
図9は、表示ボタン35によって日付再生が指示されたときに行われる日付ソート表示処理の一例の流れを示すフローチャートである。この日付ソート表示処理は、所定のプログラムに従って、CPU10により実行される。
【0083】
図9において、まず、第2の記憶手段220に撮影日時情報933が保存されているか否かを判定する(S22)。具体的には、図6に示す管理テーブル93が第2の記憶手段220に存在するか否か(又は管理テーブル93が有効であるか否か)を判定する。
【0084】
第2の記憶手段220に撮影日時情報が保存されている場合には、第2の記憶手段220に格納されている撮影日時情報933に基づいて日付ソートを実行する(S24)。その一方で、第2の記憶手段220に撮影日時情報933が保存されていない場合には、FAT(File Allocation Table)のタイムスタンプに基づいて日付ソートを実行する(S26)。そして画像を整列してLCDモニタ24(又はTVモニタ3)に表示する(S28)。
【0085】
以上、表示ボタン35によって日付再生が指示されたときに日付ソート(S24又はS26)を実行する場合を例に説明した。このように、ユーザの操作が発生しないタイミングで撮影日時情報のキャッシュ処理が予め行われていれば、表示ボタン35が押されて日付再生が指示されたときに日付ソートを実行しても、ユーザの待ち時間は無視できるほど短くなる。このような場合に本発明は特に限定されず、ユーザの待ち時間をさらに短縮するため、表示ボタン35が押される前に日付ソート(S24又はS26)も予め実行するようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、ユーザの操作が発生しないと判定されたタイミングで、日付ソート態様の判断(S22)及び日付ソート(S24又はS26)も実行し、表示ボタン35によって日付再生が指示されたときには、表示(S28)のみを行うようにしてもよい。
【0086】
画像ファイルに関する日付ソート(S24又はS26)の具体的な処理については、周知のソート方法を用いて行う。このような周知のソート方法には各種ある。画像ファイル91自体を第1の記憶手段210内で整列させてもよいが、そのように画像ファイル91自体を整列する必要はなく、一般に、日付(日時)の順に画像を瞬時に取り出すための情報を生成する。例えば、撮影日時情報933に基づく日付ソートでは、図6に示す管理テーブル93の内容(ファイル名932及び撮影日時情報933)を撮影日時情報順に整列させる。例えば、FATに基づく日付ソートでは、FATのタイムスタンプ順にファイル名を整列させてなる情報を生成する。
【0087】
[日付ソート表示の例]
画像が再生表示された画面(再生画面)の具体例について以下説明する。
【0088】
図10は、1コマ再生画面81、9コマ再生画面82、及び、日付再生画面83の例を示す。
【0089】
まず、電子カメラ1のLCDモニタ24には、ユーザの操作に従って、図10の1コマ再生画面81が表示されているものとする。例えば、ユーザが表示ボタン35を1回押した後、十字ボタン34を操作して、そのユーザが選択した画像(選択画像801)がLCDモニタ24に表示されているものとする。図10の1コマ再生画面81には、具体的には、「2005年12月31日」に撮影された1コマの選択画像801が表示されている。
【0090】
このように1コマの選択画面801が1コマ再生画面81が表示されている状態で、ユーザが表示ボタン35を再び押すと、1コマ再生画面81が9コマ再生画面82に切り替わる。図10の9コマ再生画面82は、1コマ再生画面81において予めユーザが選択した選択画像801を含む9コマまでの画像が表示されたものである。なお、9コマ再生画面82において、選択画像801のフレームがハイライト表示されている。
【0091】
このように9コマ再生画面82が表示されている状態で、ユーザが再び表示ボタン35を押すと、図9を用いて説明した日付ソート表示処理が実行され、9コマ再生画面82が日付再生画面83に切り替わる。図10の日付再生画面83は、選択画像801を含むその選択画像801と同日に撮影された複数の画像が表示されたものである。なお、日付再生画面83において、選択画像801のフレームがハイライト表示されている。
【0092】
図11は、日付再生画面83において行う日付選択の説明に用いる日付再生画面83a、83b、83c、83dである。
【0093】
図11に示す第1の日付再生画面83aは、図10に示した日付再生画面83と同一の画面である。ここで、ユーザが十字ボタン34を左方向に操作すると、矢印マークがハイライト表示された第2の日付再生画面83bが表示され、さらに、ユーザが十字ボタン34を左方向に操作すると、撮影日の一覧のフレームがハイライト表示された第3の日付再生画面83cが表示される。ここで、ユーザが十字ボタン34を下方向に操作すると、日付が切り替わるとともに、画像が切り替わる。図11に示す例では、「2005年12月31日」に撮影された複数の画像が表示された日付再生画面83cから、「2006年7月11日」に撮影された複数の画像が表示された日付再生画面83dに切り替わる。
【0094】
なお、本発明に係る画像表示装置は、デジタルスチルカメラに特に限定されるものではなく、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯端末(例えば携帯電話やゲーム機)などの各種の電子カメラに適用してもよいことは言うまでもない。また、本発明に係る画像表示装置は、被写体を撮像する撮像手段を備えた電子カメラに特に限定されるものではなく、撮像手段の有無に関わらず、被写体が撮像されている画像(撮像画像)を通信や記録媒体などを介して取得する取得手段を少なくとも備えた画像表示装置(例えば、画像プレーヤ、画像ビューワなど)であってもよい。
【0095】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行ってよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の画像表示装置の一例としての電子カメラの全体構成と示すブロック図である。
【図2】電子カメラの外観の一例を示す正面図である。
【図3】電子カメラの外観の一例を示す背面図である。
【図4】電子カメラの外観の一例を示す上面図である。
【図5】Exif形式の画像ファイルの説明に用いる説明図である。
【図6】撮影日時情報が画像ファイルに関連付けられた管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図7】電子カメラの要部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】撮影日時情報のキャッシュ処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【図9】日付ソート表示処理の一例の流れを示すフローチャートである。
【図10】電子カメラにおける表示画面の例であって、1コマ再生画面、9コマ再生画面、及び、日付再生画面の例を示す説明図である。
【図11】電子カメラにおける日付選択の説明に用いる説明図である。
【符号の説明】
【0097】
1…電子カメラ(画像表示装置)、10…CPU、12…メモリ(第1の記憶手段210、第2の記憶手段220)、18…電源ボタン、19…電源、21…記録メディア(第1の記憶手段210)、24…LCDモニタ(表示手段240)、30…操作部(操作手段300)、31…モード設定ボタン、32…シャッタボタン、33…メニュー/OKボタン、34…十字ボタン、35…表示ボタン、46…CCD(撮像素子)、101…RTC(リアルタイムクロック)、102…タイマ、111…タイミング判定手段、112…撮影日時情報取得手段、116…表示制御手段、117…ソート手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像及び該画像の撮影日時情報を含む画像ファイルを記憶する第1の記憶手段と、
所定の操作が行われる操作手段と、
前記操作手段で操作が発生しないタイミングであるか否かを判定するタイミング判定手段と、
前記操作手段で操作が発生しないタイミングであると判定したときに前記第1の記憶手段に記憶されている前記画像ファイルから前記撮影日時情報を取得する撮影日時情報取得手段と、
前記撮影日時情報取得手段によって取得された前記撮影日時情報を前記画像ファイルと関連付けて記憶する第2の記憶手段と、
前記画像ファイル内の画像を表示する表示手段と、
前記第2の記憶手段に記憶された前記撮影日時情報に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像ファイル内の前記画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記画像ファイルから取得された前記撮影日時情報が前記第2の記憶手段に記憶されているときには、前記第2の記憶手段に記憶された前記撮影日時情報に基づいて前記画像ファイル内の画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行う一方で、前記画像ファイルから取得された前記撮影日時情報が前記第2の記憶手段に記憶されていないときには、前記画像ファイルに対応するFAT(File Allocation Table)のタイムスタンプに基づいて前記画像ファイル内の画像をソートして前記表示手段に表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
被写体を撮像する撮像手段を備えた電子カメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
画像及び該画像の撮影日時情報を含む画像ファイルに関するソートを行うソート方法において、
所定の操作手段で操作が発生しないタイミングであるか否かを判定するステップと、
前記操作手段で操作が発生しないタイミングであると判定したときに所定の第1の記憶手段に記憶されている前記画像ファイルから前記撮影日時情報を取得するステップと、
取得した前記撮影日時情報を前記画像ファイルと関連付けて所定の第2の記憶手段に保存するステップと、
前記第2の記憶手段に保存された前記撮影日時情報に基づいて、前記第1の記憶手段に記憶された前記画像ファイルに関するソートを行うステップと、
を含むことを特徴とするソート方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−345296(P2006−345296A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169765(P2005−169765)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】