説明

画像記録装置及び画像記録装置の制御方法

【課題】コストを増大させることなく、多様な幅の記録媒体の第1面および第2面への画像記録や後処理を共通のソフトウェアにて簡便かつ的確に実現する。
【解決手段】記録媒体61の表側の第1面に第1面画像g1を記録する第1画像記録部20の上流側には、A側端検出部10−1およびB側端部検出部10−2からなる第1記録媒体端部読み取り部10を配置し、記録媒体61の裏面の第2面に第2面画像g2を記録する第2画像記録部30の上流側には、A側端検出部10−1と反対側の側端部Bを検出する単一の第2記録媒体端部読み取り部11を配置し、表側の第1面画像g1の記録の記録開始位置S1と、裏側の第2面画像g2の記録の裏面記録開始位置S2がメモリ空間やX−Y座標系で一致する構成とすることで、記録媒体61の側端部の検出のためのセンサ数を減らすとともに、第1面と第2面で制御ソフトウェアを共通化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像記録技術に関し、特に搬送される連続記録媒体の端部を検出して画像記録位置を補正する制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
紙等の記録媒体に対して画像を記録する画像記録装置の一つとしては、記録媒体に記録処理(記録データの記録)する、例えばインクジェット方式のフルライン型カラープリンタが知られている。インクジェット方式のフルライン型カラープリンタには、記録媒体が搬送される搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に、インク吐出のための複数のノズルを形成した記録ヘッドが、搬送方向(副走査方向)に離間してインク色毎に配設されている。
【0003】
このような画像記録装置では、搬送系により保持搬送される記録媒体に、記録ヘッドの複数ノズルよりインク滴を吐出して記録処理を行なう。このような画像記録装置では、予め一定のサイズにカットされたカットシート状の記録媒体と、産業用途として多用されるロール紙などの連続シート媒体が使用される。
【0004】
一般に、連続シートに記録処理を行なう画像記録装置は、上位装置から記録指示を受け取ると、受け取った記録指示に含まれる記録データや記録処理枚数指示に基づき連続シート上へ記録処理を行う。このような画像記録装置は、連続シートの表面である第1面と裏面である第2面とでそれぞれ別の記録ヘッドで記録できるように構成されており、記録ヘッドはシートが搬送される際に発生する搬送位置のズレに影響されないように、記録領域幅よりも大きくなるように配設される。また、このような画像記録装置は、用紙端部位置を検出することによって、上述した搬送位置のズレが発生した場合であっても、記録領域外に間違えて吐出することなくインクを吐出するよう配慮されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、このような制御技術として、画像記録部を挟んで用紙搬送方向の上流と下流側に用紙端部検出用のセンサを設け、上流側のセンサよりさらに上流に、用紙の一側端が押し当てられる用紙幅方向位置補正手段を設けることで、用紙のズレ量を検出し用紙位置の補正を行う御技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−291497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1の用紙幅検出方法では、第2面である裏面に印刷できるように記録ヘッドを配設した場合、第2面用として新たに記録ヘッドの上流と下流に用紙端を検出するためのセンサが必要となり、コストが増える上に、用紙の片側にセンサが設置される構成であるため、定型用紙または予め用紙幅が設定されている用紙以外の用紙を使用した場合は記録領域からはみ出して画像記録をしてしまう。
【0008】
本発明の目的は、記録媒体の第1面および第2面の少なくとも一方への画像記録機能および、その下流側での第1および第2面の少なくとも一方への後処理機能を備えた画像記録装置において、コストを増大させることなく、多様な幅の記録媒体の第1面および第2面への画像記録や後処理を共通のソフトウェアにて簡便かつ的確に実現することが可能な画像記録技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点は、記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記記録媒体の第1面に対して第1画像を記録する第1画像記録部と、
前記第1画像記録部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、前記記録媒体の一方の側端部の位置を検出する側端位置検出手段および前記記録媒体の幅を検出する幅検出手段を含み、前記第1面における前記第1画像の記録開始位置を決定するための第1記録媒体端部検出手段と、
前記第1画像記録部の下流側に配置され、前記第1面の前記第1画像の記録位置に合わせた所望の後処理を行う後処理手段と、
前記後処理手段と前記第1画像記録部の間における前記記録媒体の搬送経路に設けられ、前記後処理が前記第1面と表裏をなす第2面に行われる場合には、前記側端位置検出手段と反対側の前記記録媒体の側端部を検出する位置に配置され、前記後処理が前記第1画像と同じ前記第1面に行われる場合には、前記側端位置検出手段と同じ側の前記記録媒体の側端部を検出する位置に配置される第2記録媒体端部検出手段と、
を具備した画像記録装置を提供する。
本発明の第2の観点は、記録媒体を搬送する搬送機構と、前記記録媒体の第1面に対して第1画像を記録する第1画像記録部と、前記第1画像記録部の下流側に配置され、前記第1面の前記第1画像の記録位置に合わせた所望の後処理を行う後処理手段と、を具備した画像記録装置の制御方法において、
前記第1画像記録部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側において、前記記録媒体の一方の側端部の位置および前記記録媒体の幅を検出することにより、前記第1面における前記第1画像の記録開始位置を決定する第1検出ステップと、
前記後処理手段と前記第1画像記録部の間における前記記録媒体の搬送経路において、前記後処理が前記第1面と表裏をなす第2面に行われる場合には、前記第1検出ステップと反対側の前記記録媒体の側端部を検出し、前記後処理が前記第1画像と同じ前記第1面に行われる場合には、前記第1検出ステップと同じ側の前記記録媒体の側端部を検出する第2検出ステップと、
を含む画像記録装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、記録媒体の第1面および第2面の少なくとも一方への画像記録機能および、その下流側での第1および第2面の少なくとも一方への後処理機能を備えた画像記録装置において、コストを増大させることなく、多様な幅の記録媒体の第1面および第2面への画像記録や後処理を共通のソフトウェアにて簡便かつ的確に実現することが可能な画像記録技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像記録装置の構成の一例を概念的に例示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像記録装置の制御系を除く配置構成を模式的に示した略展開側面図である。
【図3A】本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
【図3B】本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【図4】比較例としての画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の別の設置位置を説明するための展開平面図である。
【図5A】本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における第1画像記録制御部、第2画像記録制御部内の制御方法の共通化を説明する概念図である。
【図5B】比較例の画像記録装置における第1画像記録制御部、第2画像記録制御部内の制御方法を対照して説明する概念図である。
【図5C】本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置におけるマスク制御を説明する概念図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置の変形例を示す展開平面図である。
【図7A】本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
【図7B】本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【図8A】本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体における第1面と第2面における記録処理や後処理のソフトウェアの共通化を説明する概念図である。
【図8B】本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における後処理機構に記録媒体端部読み取り部を設置する場合の設置位置を説明する展開平面図である。
【図9A】本発明の実施の形態3に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
【図9B】本発明の実施形態3に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係わる画像記録装置における用紙幅の検出方法を説明する概念図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係わる画像記録装置における後処理機構に記録媒体端部読み取り部を設置する場合の設置位置を説明する展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
なお、以下の各実施の形態の説明では、Xを主走査方向、Yを搬送方向、ZをX及びYに垂直な方向とする。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像記録装置の構成の一例を概念的に例示したブロック図である。また、図2は、本発明の実施の形態1に係る画像記録装置の制御系を除く配置構成を模式的に示した略展開側面図である。
【0014】
本実施の形態に係る画像記録装置1は、制御部2と、第1記録媒体端部読み取り部10(第1記録媒体端部検出手段)と、第2記録媒体端部読み取り部11(第2記録媒体端部検出手段)と、第1画像記録部20と、第2画像記録部30(後処理手段)と、搬送機構40と、を少なくとも備えて構成されている。
【0015】
制御部2は、例えば制御機能および演算機能を有するMPU(Micro Processor Unit:演算処理装置)と制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)やMPUのワークメモリとなるRAM(Random Access Memory)等とからなる処理回路と、画像記録装置1の制御に関する設定値等を記憶しておく不挿発性メモリを少なくとも有する。制御部2は、第1画像記録制御部3と、第2画像記録制御部4と、を少なくとも備える。また、制御部2では、制御プログラムを例えばROMに予め記憶させておく構成とし、この制御プログラムをMPUに読み出させて実行させることにより、第1画像記録制御部3と、第2画像記録制御部4として機能するようにする。
【0016】
上位装置60は、本実施の形態に係る画像記録装置1の外部機器として、例えばLAN(Local Area Network)等を介して接続される。この上位装置60は、本実施の形態に係る画像記録装置1に画像記録を行わせるユーザによって操作されるコンピュータに相当するものであり、本実施の形態に係る画像記録装置1に対し、ジョブ情報J0を与えて画像記録開始を通知する。
【0017】
ジョブ情報J0は、記録媒体61に対する記録データd0と、第1面61aおよび第2面61bの各々に対するジョブ情報J1、ジョブ情報J2を含む。
【0018】
制御部2は、画像記録開始指示を上位装置60から受け取ると、記録データd0を、記録媒体61の表面(第1面61a)である第1面画像g1の記録用の記録データd1と裏面(第2面61b)である第2面画像g2の記録用の記録データd2とに分割する。
制御部2は、この記録データd1,d2を、それぞれ第1面画像メモリ3aおよび第2面画像メモリ4aへ転送を開始するとともに、第1画像記録制御部3と第2画像記録制御部4の各々に対してジョブ情報J1およびジョブ情報J2を通知する。
【0019】
第1画像記録制御部3は、上位から通知されるジョブ情報J1と、第1記録媒体端部読み取り部10から搬送される記録媒体61の用紙端部位置情報10eと、搬送情報生成部41から通知される搬送情報41aと、から記録媒体61の主走査方向(幅方向)の記録位置と副走査方向(搬送方向)の記録位置を決定するとともに使用する記録色と記録ヘッドを選択し、第1画像記録部20に対して画像記録を指示する。
【0020】
第1画像記録部20は、第1画像記録制御部3からの記録指示を受信すると第1面画像メモリ3aから記録データd1の読み出し処理を行うとともに、第1記録ヘッド駆動部21に第1記録ヘッド部22を駆動させて、読み出した記録データd1による第1面画像g1のドットイメージに基づいたインクの吐出を行わせることで、記録媒体61の第1面61aへの第1面画像g1の記録を行う。
【0021】
第2画像記録制御部4は、上位から通知されるジョブ情報J2と第2記録媒体端部読み取り部11から搬送される記録媒体61の用紙端部位置情報11eと搬送情報生成部41から通知される搬送情報41aから記録媒体61の主走査方向の記録位置と副走査方向の記録位置を決定するとともに使用する記録色と記録ヘッドを選択し、第2画像記録部30に対して画像記録を指示する。
【0022】
第2画像記録部30は、第2画像記録制御部4からの記録指示を受信すると第2面画像メモリ4aから記録データd2の読み出し処理を行うとともに、第2記録ヘッド駆動部31に第2記録ヘッド部32を駆動させて、読み出した記録データd2のドットイメージに基づいたインクの吐出を行わせることで、記録媒体61の第2面61b(第1面61aの裏面)への第2面画像g2の記録を行う。
【0023】
図2に例示されるように、搬送機構40は、記録媒体61を搬送する媒体搬送部であり、搬送情報生成部41と、搬送駆動部42と、第1媒体担持体43(搬送機構)と、第2媒体担持体44(搬送機構)と、ガイドローラ45とにより構成される。
【0024】
第1媒体担持体43は、第1画像記録部20における第1記録ヘッド部22のインク吐出口に対向した位置に設けられている。また、第1媒体担持体43は、アルミ製のドラムであり、記録媒体61を所定の巻き付け角で巻回可能に構成されている。
【0025】
さらに、第1媒体担持体43の回転軸には、搬送情報生成部41が設けられている。搬送情報生成部41は、第1媒体担持体43の回転に従って回転し、第1媒体担持体43の回転位置に相当する検出パルスが搬送情報41aとして出力される。この検出パルスは搬送情報41aとして、第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4に入力され、記録制御パルスとして第1画像記録部20および第2画像記録部30に入力される。
【0026】
なお、本実施の形態の画像記録装置1における搬送情報生成部41は、例えば、ロータリーエンコーダによって構成されている。
【0027】
第2媒体担持体44は、第2画像記録部30における第2記録ヘッド部32のインク吐出口に対向した位置に設けられている。また、第2媒体担持体44は、第1媒体担持体43と同様の構成であり、記録媒体61が所定の巻き付け角で巻回可能に構成されている。さらに、第2媒体担持体44の回転軸には、モータ等からなる搬送駆動部42が設けられている。
【0028】
ここで、搬送機構40による搬送動作と第1画像記録部20および第2画像記録部30による画像記録動作について、図2に基づき説明する。
記録媒体供給部46は、記録媒体61を回転可能に保持し、第1媒体担持体43へ記録媒体61を巻き出す巻出し部として配置されている。
【0029】
なお、本実施の形態において、記録媒体供給部46には、記録媒体61として、ロール紙が保持されていることとする。
記録媒体供給部46には、不図示の磁性粉体(パウダ)を利用するパウダクラッチが配設され、記録媒体61の搬送方向とは逆方向に一定のバックテンションを与える機能を有している。
【0030】
制御部2が、搬送機構40に配設された搬送駆動部42を駆動することにより、第2媒体担持体44が回転する。
これにより、記録媒体供給部46から供給された記録媒体61は、ガイドローラ45−1を経由し、さらに、第1媒体担持体43で巻回保持した上で第1画像記録部20のインク吐出口に対向する位置へ搬送される。
【0031】
第1画像記録制御部3は、第1媒体担持体43の回転量に対応したパルスを搬送情報41aとして搬送情報生成部41から取得し、第1画像記録部20による吐出タイミングを制御することにより、第1面61aへの第1面画像g1の記録処理を行う。
【0032】
さらに、第1画像記録部20により第1面61aへの画像記録が行われた記録媒体61は、ガイドローラ45−2、ガイドローラ45−3、およびガイドローラ45−4を経由し第2媒体担持体44で巻回保持され、第2画像記録部30のインク吐出口に対向する位置へ搬送される。
【0033】
第2画像記録制御部4は、第1媒体担持体43の回転量に対応したパルスを搬送情報41aとして搬送情報生成部41から取得し、第2画像記録部30による吐出タイミングを制御することにより、第2面61bへの第2面画像g2の記録処理を行う。
【0034】
次に、第2画像記録部30により第2面61bへの画像記録が行われた記録媒体61は、ガイドローラ45−5、ガイドローラ45−6、ガイドローラ45−7を経由し、不図示の後処理機構へ送出された後、装置外へ排出される。
【0035】
記録媒体61は、第1媒体担持体43の巻き始めのテンションと、巻き終わりのテンションにより、第1媒体担持体43に外周面から垂直抗力が発生する。
従って、記録媒体61は、第1媒体担持体43と記録媒体61との間の摩擦係数によって、第1媒体担持体43に保持される。
【0036】
記録媒体61は、第2媒体担持体44の巻き始めのテンションと、巻き終わりのテンションにより、第2媒体担持体44に外周面から垂直抗力発生する。
従って、記録媒体61は、第2媒体担持体44と記録媒体61との間の摩擦係数によって、第2媒体担持体44に保持される。
【0037】
次に、実施の形態1に関わる第1記録媒体端部読み取り部10(10−1、10−2)、第2記録媒体端部読み取り部11の取り付け位置11Aと、それ以外の取り付け位置11Bによる第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4の制御方法の違いについて図3A、図3B、図4、図5A、図5B、図5C、図6を用いて説明する。
【0038】
図3Aは、本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
図3Bは、本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【0039】
図4は、比較例としての画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の別の設置位置を説明するための展開平面図である。
図5Aは、本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置における第1画像記録制御部、第2画像記録制御部内の制御方法の共通化を説明する概念図である。
【0040】
図5Bは、比較例の画像記録装置における第1画像記録制御部、第2画像記録制御部内の制御方法を対照して説明する概念図である。
図5Cは、本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置におけるマスク制御を説明する概念図である。
【0041】
上述のように、第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4は、制御部2のMPUがROMに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより機能する。
【0042】
図3Aおよび図3Bは、実施の形態1に関わる記録媒体61を給紙部分から排紙部分まで展開した場合、第1画像記録部20、第1記録媒体端部読み取り部10、第2画像記録部30、第2記録媒体端部読み取り部11の記録媒体61に対応する位置関係を示しており、図3Aは展開平面、図3Bは展開側面を示している。
【0043】
第1画像記録部20は、第1面61aを画像記録するように取付けられており、第1記録媒体端部読み取り部10は第1面61aの両側の用紙端(側端部A側、側端部B側)を検出可能な位置に取付けられている。
【0044】
すなわち、本実施の形態の場合、第1記録媒体端部読み取り部10を構成する一方のA側端検出部10−1(側端位置検出手段)は、記録媒体61の側端部Aを基準位置として検出するために設けられている。他方のB側端部検出部10−2(幅検出手段)は、記録媒体61の側端部Bを検出し、記録媒体61の用紙幅Wを決定するために設けられている。
【0045】
また、本実施の形態の場合、第2画像記録部30は、第2面61bに第2面画像g2を記録するように取付けられており、第2記録媒体端部読み取り部11は第2面61bの側端部B側の用紙端を検出可能な位置に取り付けられ、第2面61bにおける第2面画像g2の記録の際の基準位置を与える。
【0046】
第1画像記録部20は、ここでは例えば4色(K,C,M,Y)の第1記録ヘッド部22からなり、各色ヘッド部はそれぞれ6個のヘッドにより構成されている。
【0047】
例えば、K色は記録ヘッド部22−1−1〜22−1−6、C色は22−2−1〜22−2−6、M色は22−3−1〜22−3−6、Y色は22−4−1〜22−4−6により構成されている。
【0048】
ここで第1記録ヘッド部22では、一例として、複数の短尺ヘッドを端部が副走査方向からみて吐出口の位置が一部重なり合うように主走査方向に配列することによって、記録媒体61の用紙幅Wよりも十分な長い1色分のラインヘッドが構成されている。
【0049】
すなわち、第1記録ヘッド部22の符号である22−n−mにおいて、nは各色に対応したラインヘッドの番号を示し、mは、個々のラインヘッド(22−n)を構成する個々の短尺ヘッドを示している。以下の説明では、記録ヘッド部22−n−mのように言及する。また、個々の吐出口の位置は、吐出口位置22−n−m−pのように言及する。
後述の第2画像記録部30の場合も同様である。
【0050】
第1画像記録制御部3は、搬送方向上流側に設置された第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1、B側端部検出部10−2の情報から用紙幅を検出し、吐出する記録ヘッド部22−nを選択し、記録範囲(作動させる吐出口の主走査方向の範囲)を決定する。第1画像記録部20は第1画像記録制御部3の指示に基づき記録媒体61の第1面61a側に記録を行なう。
【0051】
また、第2画像記録制御部4は、搬送方向上流側に設置された第2記録媒体端部読み取り部11から記録媒体61の側端部B側の用紙端部を検出すると、第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1、B側端部検出部10−2で取得していた用紙幅Wの情報とに基づいて吐出する記録ヘッド32−nを選択し、記録範囲を決定する。第2画像記録部30は、第2画像記録制御部4の指示に基づき、記録媒体61の第2面61b側に記録を行なう。これにより、本実施の形態1に係わる画像記録装置では、定型用紙以外の記録媒体61においても記録領域外にインクを吐出することなく画像記録を実現する。
【0052】
図4には、本実施の形態1の画像記録装置1の構成と比較対照のため、本実施の形態とは第2記録媒体端部読み取り部11の配置位置が異なる構成が示されている。すなわち、この比較例の図4の構成では、第2記録媒体端部読み取り部11が第2面61bのA側を検出可能な位置(取り付け位置11A)に取り付けられている点のみ、上述の図3Aおよび図3Bと異なる。
【0053】
図5Aは、本実施の形態のように図3Aおよび図3Bでの位置に第2記録媒体端部読み取り部11を取り付けた場合、図5Bは、比較例の図4の位置に第2記録媒体端部読み取り部11を取り付けた場合の第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4の制御方法を示している。
【0054】
図3Aおよび図3Bの位置に第2記録媒体端部読み取り部11を取り付けた本実施の形態の場合は、図5Aのように第1面61a、第2面61bどちらも画像記録開始位置すなわち画像イメージ(第1面画像g1、第2面画像g2)に対するX方向のオフセットが、基準位置X0に対して同じ位置となる。
【0055】
すなわち、第1面画像メモリ3aおよび第2面画像メモリ4aのメモリ空間に展開される第1面画像g1の記録データd1および第2面画像g2の記録データd2の各々に対するアクセス制御が同一となる。この結果、第1画像記録制御部3および第2画像記録制御部4を実現する制御プログラムは機能や動作が共通な一つの制御プログラムとすることが可能となる。
【0056】
その理由は、本実施の形態では、第1面61aにおいて側端部Aを基準位置として検出するように配置され第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1と、当該第1面61aと表裏が逆な第2面61bにおいて第1面61aとは反対側の側端部Bを基準位置として検出するように第2記録媒体端部読み取り部11を取り付け位置11Bに配置しているからである。
【0057】
一方、後述のように、図4の比較例の場合には、図5Bのように、画像イメージ(第1面画像g1、第2面画像g2)に対するX方向のオフセットと基準位置X0が反対になる。このため、第1面画像メモリ3aおよび第2面画像メモリ4aに対するアクセス制御等が互いに異なり、第1画像記録制御部3および第2画像記録制御部4等の各々を実現するために互いに異なる制御プログラムが必要になる。
【0058】
図5Cは、マスク制御等において、第1画像記録制御部3がどのように第1記録ヘッド部22を選択するのか示している。まず予め設定された第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1の基準位置X0をメモリに記憶しておく。第1画像記録制御部3は、第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1が検出した画素位置10−1−edgeに対応する記録ヘッド部22−2−1の吐出口位置22−2−1−1からXoffsetだけ離れた位置にある吐出口位置22−2−1−4より内側の第1記録ヘッド部22の領域を用いて画像記録するように吐出制御を行なう。このように第1面画像g1や第2面画像g2の記録に必要な範囲の吐出口を選択的に動作させる制御はマスク制御と呼ばれる。
【0059】
本実施の形態の制御部2における記録媒体61の第1面61aおよび第2面61bの各々に対する第1面画像g1および第2面画像g2の位置合わせは、一例として、以下の手順で行われる。
【0060】
(ステップ101)
まず、第1記録媒体端部読み取り部10のA側端検出部10−1で記録媒体61の基準位置となる側端部Aの検出位置P1を認識し、反対側のB側端部検出部10−2によって側端部Bの検出位置P2を認識して、検出位置P1とP2の距離として記録媒体61の用紙幅Wを算出する。
【0061】
(ステップ102)
上位装置60からのジョブ情報J1により、第1面61aにおける第1面画像g1の記録範囲幅Hと側端部Aからのオフセット(Xoffset)を取得する。
【0062】
(ステップ103)
搬送情報生成部41からの搬送情報41aと、上述のステップ101、ステップ102より、第1面画像g1の記録開始位置S1を算出し(第1検出ステップ)、記録媒体61の第1面61aにおける第1面画像g1の記録を実施する。
【0063】
(ステップ104)
下流側の第2画像記録部30では、搬送情報生成部41からの搬送情報41aと、第2記録媒体端部読み取り部11(取り付け位置11B)で基準位置として認識された側端部Bの検出位置P3と、ジョブ情報J2(用紙幅Wと、記録範囲幅Hと、オフセットX)より、第2面61bにおける第2面画像g2の裏面記録開始位置S2を算出し(第2検出ステップ)、この裏面記録開始位置S2より第2面61bに対する第2面画像g2の記録を開始する。
【0064】
以上により、本実施の形態の画像記録装置1では、記録媒体61の第1面61a(表面)と第2面61b(裏面)の各々における第1面画像g1と第2面画像g2の記録位置を一致させることが可能となる。
【0065】
一方、比較例の図4の取り付け位置11Aに第2記録媒体端部読み取り部11を取り付けた場合は、図5Bのように第1面61a、第2面61bで画像イメージ(第1面画像g1、第2面画像g2)に対するX方向と基準位置が逆になる。
【0066】
比較例の図4において、第1面61aのX方向のオフセットと基準位置を第2面61b側にあわせることもできるが、一般的なメモリ空間のアドレスイメージと座標方向が逆になってしまうため、制御部2のソフトウェアの制御が複雑になってしまう上に、上位装置60のプリンタドライバ等から送信される画像データとジョブ情報もこの座標空間で制御することを考慮して、記録データd1、記録データd2も別々に生成しなければならない。
【0067】
そこで、本実施の形態の画像記録装置1では、A側端検出部10−1と反対側の図3A、図3Bの取り付け位置11Bの位置に第2記録媒体端部読み取り部11を取り付けて、側端部Bを検出して第2面61b側の処理の基準位置とし、記録媒体61の第1面61aおよび第2面61bの各々における第1面画像g1および第2面画像g2の記録における制御方法、および記録媒体端部検出方法を同じにすることで、マスク制御等を行う第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4等を実現するための制御プログラムを単純に共通にすることができる。
【0068】
図6は、本発明の実施の形態1に係わる画像記録装置の変形例を示す展開平面図である。
本実施の形態1の記録媒体61のような連続紙を使った画像記録装置1は、画像記録後の媒体に後処理機構50をオプションで設置する場合がある。
【0069】
この後処理としては、例えば、第1面61aの第1面画像g1の記録位置に合わせたミシン目の形成等が考えられ、この後処理の場合も、ミシン目の形成パターンを画像と見なせば、第1面画像g1の記録位置に応じて記録媒体61に対する後処理の処理範囲を制御するために上述のような記録データd1に相当する制御データを用いたマスク制御等に類似の制御が必要となる。
【0070】
図6の例では、記録媒体61の搬送方向における第1画像記録部20の下流側に、後処理機構部50−1(後処理手段)、後処理機構部50−2(後処理手段)、後処理機構部50−3(後処理手段)を順に配置した構成となっている。
なお、後処理機構部50−1は、上述の第2画像記録部30であってもよい。
【0071】
後処理機構部50−1および後処理機構部50−2は、記録媒体61の第2面61bの側に後処理を行う後処理機構51−1、後処理機構51−2が設けられている。
【0072】
この後処理機構51−1および後処理機構51−2の場合、上述の第2画像記録部30と同様に、後処理記録媒体端部読み取り部11−1(第2記録媒体端部検出手段)および後処理記録媒体端部読み取り部11−2(第3記録媒体端部検出手段)は、側端部B側を検出する取り付け位置11Bの位置に配置される。
【0073】
これにより、上述の第2画像記録部30の第2記録媒体端部読み取り部11と同様に、後処理機構51−1および後処理機構51−2の制御データを、画像記録と同様に第2面画像メモリ4aに展開する場合、第1面61aの側の第1面画像メモリ3aとアクセス制御を共通化でき、制御方法、記録媒体端部検出方法を同じにすることで制御プログラムを同様に単純にすることができる。
【0074】
一方、後処理機構部50−3は、後処理機構51−3が、第1面61a側に処理を行うように配置されているため、後処理記録媒体端部読み取り部11−3(第3記録媒体端部検出手段)は、上述の後処理記録媒体端部読み取り部11−1、後処理記録媒体端部読み取り部11−2とは反対の、取り付け位置11Aの位置に配置して側端部Aを基準位置として検出する構成とする。
【0075】
これにより、第1面61aに対して後処理を行う後処理機構51−3を制御するために第1面画像メモリ3aに格納される制御テータのアクセス制御を、上述の第1画像記録部20の記録データd1のアクセス制御と共通化でき、制御方法、記録媒体端部検出方法を同じにすることで制御プログラムを同様に単純にすることができる。
【0076】
以上、説明したように、本実施の形態に係る画像記録装置1によれば、第2面61bの記録媒体端部読み取り部を画像記録開始方向が第1面61aと第2面61bとで搬送方向に同じ方向になるような位置に設置することで、第2面61bの記録媒体端部読み取り部を1つにし、両面における画像記録制御方法を統一することで、ハードウェアのコストを抑えるとともに制御プログラムを単純化することができる画像記録装置1およびその制御方法を提供することができる。
【0077】
また、本実施の形態1によれば、記録媒体61の表側の第1面61aに記録される第1面画像g1と、裏側の第2面61bに記録される第2面画像g2の高精度な位置合わせが可能となり、高品位の両面画像記録が可能となる。
【0078】
さらに、本実施の形態1の変形例によれば、画像記録と後処理を組み合わせる場合には、記録媒体61の第1面61aに記録された第1面画像g1と、記録媒体61の第2面61bまたは第1面61aに対する後処理の位置合わせ精度を向上させて、記録媒体61に対する高品位の両面処理を実現できる。
【0079】
すなわち、本実施の形態1によれば、定型用紙以外の記録媒体61でも第1記録媒体端部読み取り部10で用紙幅Wを検出することで記録領域外にインクを吐出することなく、また、第1面61aの用紙端部を検出する第1記録媒体端部読み取り部10よりも第2面61bの用紙端部を検出する第2記録媒体端部読み取り部11のセンサ数を少なくしても、記録制御や後処理制御用のソフトウェアが共通となり安価な画像記録装置1を提供することができる。
【0080】
(実施の形態2)
図7Aは、本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
図7Bは、本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【0081】
図8Aは、本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における記録媒体における第1面と第2面における記録処理や後処理のソフトウェアの共通化を説明する概念図である。

【0082】
図8Bは、本発明の実施の形態2に係わる画像記録装置における後処理機構に記録媒体端部読み取り部を設置する場合の設置位置を説明する展開平面図である。
【0083】
この実施の形態2の画像記録装置1においては、第1記録媒体端部読み取り部10のセンサは、記録媒体61の側端部Aを検出するA側端検出部10−1のみとし、他方のB側端部検出部10−2の代わりに記録媒体突き当て部材47を設置する。この記録媒体突き当て部材47とA側端検出部10−1との位置関係は予め定められているので、A側端検出部10−1の検出結果より用紙幅Wを検出して、第1画像記録制御部3及び第2画像記録制御部4におけるマスク制御を実現する点が、上述の実施の形態1と異なる。
【0084】
従って、共通する構成要素については共通の符号を付して重複した説明は割愛する。
本実施の形態2の場合も、第2記録媒体端部読み取り部11を設置する位置が、図7A、図7Bに例示されるように、側端部Aを検出するA側端検出部10−1と反対に、記録媒体61の側端部B側を検出するように設置する取り付け位置11Bとなっている。
【0085】
これにより、図8Aのように、第1面画像メモリ3aや第2面画像メモリ4aのメモリ空間や、X−Y座標系での記録データd1および記録データd2の取り扱いが共通となり、第1画像記録制御部3および第2画像記録制御部4等を実現するための画像記録制御ソフトウェアを共通化することが可能となる。
【0086】
また、本実施の形態2では、第1記録媒体端部読み取り部10は、A側端検出部10−1と記録媒体突き当て部材47で構成され、側端部Aの基準位置の他に、用紙幅Wも同時に検出する。
また、図8Bのように、第1画像記録部20と同じ第1面61aに対して後処理を行う後処理機構51−3を備えた後処理機構部50−3の場合には、側端部Aを検出する取り付け位置11Aの位置に後処理記録媒体端部読み取り部11−3を配置することで、やはり、図8Aの効果を実現できる。
【0087】
(実施の形態3)
実施の形態3においては、記録媒体突き当て部材47(幅検出手段)の設置位置が、上述の実施の形態2と異なる。
図9Aは、本発明の他の実施の形態に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開平面図である。
図9Bは、本発明の他の実施の形態に係わる画像記録装置における記録媒体端部読み取り部の設置位置を説明する展開側面図である。
【0088】
図10は、本発明の他の実施の形態に係わる画像記録装置における用紙幅の検出方法を説明する概念図である。
【0089】
図11は、本発明の他の実施の形態に係わる画像記録装置における後処理機構に記録媒体端部読み取り部を設置する場合の設置位置を説明する展開平面図である。
【0090】
本実施の形態3の場合も、第2記録媒体端部読み取り部11を設置する位置が、図9A、図9Bに例示されるように、側端部Aを検出するA側端検出部10−1と反対に、記録媒体61の側端部B側を検出するように設置する取り付け位置11Bとなっている。
【0091】
これにより、形態3の場合も、図8Aのように、第1面画像メモリ3aや第2面画像メモリ4aのメモリ空間や、X−Y座標系での記録データd1および記録データd2の取り扱いが共通となり、第1画像記録制御部3および第2画像記録制御部4等を実現するための画像記録制御ソフトウェアを共通化することが可能となる。
【0092】
図10は、実施の形態3の第1記録媒体端部読み取り部10において用紙幅Wを検出する方法を示しており、給紙側に記録媒体突き当て部材47を設け、記録媒体61の側端部Aを記録媒体突き当て部材47に突き当てることで、第1記録媒体端部読み取り部10で検出した端部位置との幅方向のズレ量X10と、記録媒体61の斜行している角度θを求めることが可能となる。
【0093】
さらに、記録媒体突き当て部材47における側端部Aの当接位置と、記録媒体61の搬送方向における第2記録媒体端部読み取り部11の設置位置との距離Lと、角度θに基づいて、第2記録媒体端部読み取り部11の位置での幅方向のズレ量X11を算出することができる。
【0094】
また、記録媒体突き当て部材47に突き当てた位置と第2記録媒体端部読み取り部11の検出位置から斜行した記録媒体61の用紙幅Wsを求めることができるので、ここから、用紙幅WはWs−X11で算出して第1画像記録制御部3、第2画像記録制御部4は記録媒体61に対するマスク制御を行なう。
【0095】
また、図11に例示されるように、記録媒体61のような連続紙を使った画像記録装置は、画像記録後の記録媒体61に対して所望の後処理を行うために後処理機構50をオプションで設置する場合がある。
なお、図11は、B側端部検出部10−2の代わりに記録媒体突き当て部材47を設けた点以外は、上述の図6と同様である。
【0096】
この実施の形態3において、後処理機構部50−1、後処理機構部50−2、後処理機構部50−3を設けた変形例の場合も、上述の実施の形態1及び2の図6と同様に、第1面61aと反対側の第2面61bに後処理を行う後処理機構51−1および後処理機構51−2を設けた場合には、側端部Bの側を検出する取り付け位置11Bの位置に後処理記録媒体端部読み取り部11−1、後処理記録媒体端部読み取り部11−2を配置することで、図8Aのように、制御ソフトウェアによるマスク制御等を第1面61aと第2面61bで共通化できる利点が得られる。
【0097】
すなわち、制御方法、記録媒体端部検出方法を第1面61aの画像記録と、第2面61bに対する後処理とで同じにすることで画像記録や後処理の制御プログラムを同様に単純にすることができる。
【0098】
また、第1画像記録部20と同じ第1面61aに対して後処理を行う後処理機構51−3を備えた後処理機構部50−3の場合には、側端部Aを検出する取り付け位置11Aの位置に後処理記録媒体端部読み取り部11−3を配置することで、やはり、図8Aの効果を実現できる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、記録媒体61の表面の第1面61aに記録される第1面画像g1と、裏の第2面61bまたは第1面61aに行わせる後処理との高精度な位置合わせが可能となり、記録媒体61における高品位の両面処理が可能となる。
【0100】
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0101】
例えば、本発明の上述の各実施の形態の説明では、記録媒体端部読み取り部を、記録ヘッドや後処理機構に対して、記録媒体61の搬送方向で上流側に設置した例を示したが、搬送方向の下流側に記録媒体端部読み取り部を配置する構成でもかまわない。
【0102】
(付記1)
記録媒体の第1面に対する第1画像の画像記録位置より当該記録媒体の搬送方向の下流側に少なくとも一つの後処理機構を配置し、前記第1面の前記第1画像の位置に合わせて後処理を行なう画像記録装置の制御方法において、
前記第1面と表裏をなす第2面に対して前記後処理を行なう前記後処理機構を配置する場合、または、前記第1面に前記後処理を行う前記後処理機構を配置する場合に、当該後処理機構の前記後処理の開始位置が、前記搬送方向および前記記録媒体の幅方向からなる座標軸に対して前記第1画像の記録開始位置と同一となるように、前記記録媒体の側端位置を検出する側端位置検出手段を配置することを特徴とする画像記録装置の制御方法。
【符号の説明】
【0103】
1 画像記録装置
2 制御部
3 第1画像記録制御部
3a 第1面画像メモリ
4 第2画像記録制御部
4a 第2面画像メモリ
10 第1記録媒体端部読み取り部
10−1 A側端検出部
10−2 B側端部検出部
10e 用紙端部位置情報
11 第2記録媒体端部読み取り部
11−1 後処理記録媒体端部読み取り部
11−2 後処理記録媒体端部読み取り部
11−3 後処理記録媒体端部読み取り部
11A 取り付け位置
11B 取り付け位置
11e 用紙端部位置情報
20 第1画像記録部
21 第1記録ヘッド駆動部
22 第1記録ヘッド部
30 第2画像記録部
31 第2記録ヘッド駆動部
32 第2記録ヘッド部
40 搬送機構
41 搬送情報生成部
41a 搬送情報
42 搬送駆動部
43 第1媒体担持体
44 第2媒体担持体
45 ガイドローラ
46 記録媒体供給部
47 記録媒体突き当て部材
50 後処理機構
50−1 後処理機構部
50−2 後処理機構部
50−3 後処理機構部
51−1 後処理機構
51−2 後処理機構
51−3 後処理機構
60 上位装置
61 記録媒体
61a 第1面
61b 第2面
H 記録範囲幅
P1 検出位置
P2 検出位置
P3 検出位置
S1 記録開始位置
S2 裏面記録開始位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記記録媒体の第1面に対して第1画像を記録する第1画像記録部と、
前記第1画像記録部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、前記記録媒体の一方の側端部の位置を検出する側端位置検出手段および前記記録媒体の幅を検出する幅検出手段を含み、前記第1面における前記第1画像の記録開始位置を決定するための第1記録媒体端部検出手段と、
前記第1画像記録部の下流側に配置され、前記第1面の前記第1画像の記録位置に合わせた所望の後処理を行う後処理手段と、
前記後処理手段と前記第1画像記録部の間における前記記録媒体の搬送経路に設けられ、前記後処理が前記第1面と表裏をなす第2面に行われる場合には、前記側端位置検出手段と反対側の前記記録媒体の側端部を検出する位置に配置され、前記後処理が前記第1画像と同じ前記第1面に行われる場合には、前記側端位置検出手段と同じ側の前記記録媒体の側端部を検出する位置に配置される第2記録媒体端部検出手段と、
を具備したことを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像記録装置において、
前記第1記録媒体端部検出手段を構成する前記側端位置検出手段は、前記記録媒体の一方の第1側端部に交差するように配置された第1ラインセンサであり、前記幅検出手段は、前記記録媒体の他方の第2側端に交差するように配置された第2ラインセンサであり、
前記後処理手段の上流側に設けられた前記第2記録媒体端部検出手段は、前記第1側端部または前記第2側端部に交差するように配置された第3ラインセンサである、
ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像記録装置において、
前記第1記録媒体端部検出手段を構成する前記側端位置検出手段は、前記記録媒体の一方の第1側端部に交差するように配置された第1ラインセンサであり、前記幅検出手段は、前記記録媒体の前記第1側端又は前記第2側端に接して前記記録媒体の幅方向の変位を規制するように配置された記録媒体突き当て部材であり、
前記後処理手段の上流側に設けられた前記第2記録媒体端部検出手段は、前記第1側端部または前記第2側端部に交差するように配置された第3ラインセンサである、
ことを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像記録装置において、
前記後処理手段は、前記記録媒体の前記第1面と表裏をなす前記第2面に前記後処理として第2画像を記録する第2画像記録部であることを特徴とする画像記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像記録装置において、
前記後処理手段は、
前記記録媒体の前記第1面と表裏をなす前記第2面に前記後処理として第2画像を記録する第2画像記録部と、
前記第2画像記録部の下流側に配置され、前記第1画像および前記第2画像の記録以外の処理を前記記録媒体に対して行う少なくとも一つの後処理機構と、
を含むことを特徴とする画像記録装置。
【請求項6】
記録媒体を搬送する搬送機構と、前記記録媒体の第1面に対して第1画像を記録する第1画像記録部と、前記第1画像記録部の下流側に配置され、前記第1面の前記第1画像の記録位置に合わせた所望の後処理を行う後処理手段と、を具備した画像記録装置の制御方法において、
前記第1画像記録部よりも前記記録媒体の搬送方向の上流側において、前記記録媒体の一方の側端部の位置および前記記録媒体の幅を検出することにより、前記第1面における前記第1画像の記録開始位置を決定する第1検出ステップと、
前記後処理手段と前記第1画像記録部の間における前記記録媒体の搬送経路において、前記後処理が前記第1面と表裏をなす第2面に行われる場合には、前記第1検出ステップと反対側の前記記録媒体の側端部を検出し、前記後処理が前記第1画像と同じ前記第1面に行われる場合には、前記第1検出ステップと同じ側の前記記録媒体の側端部を検出する第2検出ステップと、
を含むことを特徴とする画像記録装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載の画像記録装置の制御方法において、
前記第1検出ステップでは、前記記録媒体の一方の第1側端部に交差するように配置された第1ラインセンサを用いて前記記録媒体の前記側端部の位置を検出し、前記記録媒体の他方の第2側端に交差するように配置された第2ラインセンサを用いて前記記録媒体の前記幅を検出し、
前記第2検出ステップでは、前記第1側端部または前記第2側端部に交差するように配置された第3ラインセンサを用いて前記記録媒体の前記側端部の位置を検出することを特徴とする画像記録装置の制御方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の画像記録装置の制御方法において、
前記後処理手段は、前記記録媒体の前記第1面と表裏をなす前記第2面に前記後処理として第2画像を記録する第2画像記録部であることを特徴とする画像記録装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−56290(P2012−56290A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204629(P2010−204629)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】