説明

画像記録装置

【課題】画像記録装置内の画像を記録する記録媒体には、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)のいずれか一方のみが用いられており、それぞれの特徴に応じていずれかが選択されるのみであり、どうしてもそれぞれ苦手な場面が存在した。
【解決手段】本発明によると、記録媒体にHDDとSSDを併用し、それぞれの特徴を生かして、通常記録時にはHDDに、アラーム記録時にはSSDに記録することで、より安全性が高く効率的な画像記録を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラにより撮像された画像を記録し、状況に応じて記録する記録媒体を切り替える画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像監視システムは、ホテルやビル、コンビニエンスストア金融機関、ダムまたは道路等といった様々な公共施設等において、犯罪抑止や事故防止等の目的で設置されている。従来の一般的な画像監視システムでは、カメラ等で監視対象エリアを撮像し、撮像された画像を管理事務所や警備室等の監視センタに伝送し、監視者が、伝送されてくる画像により監視対象を監視し、目的や必要に応じて注意や警告をしたり、画像を記録・保存したりするものであった。
【0003】
近年、監視カメラの画像をデジタル化し、インターネットに代表されるネットワークを介して、画像を伝送し監視を行うネットワーク型の画像監視形態が普及してきている。特に金融機関や商店等においては、監視画像を記録しておき、記録画像を問題発生時に遡って観返すという監視形態が求められている。
【0004】
記録型監視には、例えば、人物がドアを通ったときだけ記録する、あるエリアで物体の動きがあったときだけ記録する、といったイベントが発生したときだけ記録するアラーム記録がある。
【0005】
なお、特許文献1には、カメラで取得した画像を記録する通常記録と、何らかの異常を検知すると記録を開始する又は記録レートを上げるアラーム記録とを使い分ける画像記録装置ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−028754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した様な従来の画像記録装置においては、画像記録装置内の画像を記録する記録媒体には、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)のいずれか一方のみが用いられており、それぞれの特徴に応じていずれかが選択されるのみであり、どうしてもそれぞれ苦手な場面が存在した。例えば、HDDはSSDに比べて、書込み/読み出し速度が遅く、大型で重く、耐衝撃性が弱く、高低温下での動作に不安があり、SSDはHDDに比べて、書き換え回数に制限があり、記録容量当たりの価格が高い。
【0008】
この様な課題を鑑み、本発明は、記録媒体にHDDとSSDを併用し、それぞれの短所を補いつつ長所を生かして画像を記録する画像記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像記録装置は、外部と信号をやり取りする通信部と、アラーム信号を認識するアラーム検知部と、前記アラーム信号がない場合に、取得した画像を記録する第一の記録媒体と、前記アラーム検知部によりアラームが検知された場合に、取得した画像を記録する第二の記録媒体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、記録媒体にHDDとSSDを併用し、それぞれの特徴を生かして、通常記録時にはHDDに、アラーム記録時にはSSDに記録することで、より安全性が高く効率的な画像記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】画像監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の画像記録装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
HDDは、書き換え可能回数が多く容量当たりの価格が安いため、頻繁に書込みが発生する状況やデータ量が大きい情報を記録するのに適しているため、本発明では通常記録に用いる。一方、SSDは、書き込み/読み出し速度が速く、小型・軽量で、耐衝撃性が高く、高低温下での動作が安定しているため、読み出し速度が要求されたり重要なデータを記録したりするのに適しており、本発明ではアラーム記録に用いる。
【0013】
まず、図1を用いて画像監視システムの全体構成を説明する。1は監視対象エリアを撮像して画像信号を出力するカメラ、2はカメラからの画像信号やセンサからのアラーム信号をデジタル化しエンコードしてネットワークに配信するエンコーダ、3は例えばドアセンサや動体検知センサ、赤外線センサ、熱センサ等の監視対象エリアにおける変化や異常等のイベントがあった際にアラーム信号を出力するセンサ、4は機器から発信されたデータを伝送するネットワークケーブルや無線LAN(Local Area Network)、公衆回線等のネットワーク、5はネットワークI/Fと画像コーデック、画像表示機能を内蔵したPC、6はHDDおよびSSDを有し、ネットワークより伝送された画像等のデータを記録する画像記録装置、7は例えばドアセンサや動体検知センサ、赤外線センサ、熱センサ等の監視対象エリアにおける変化や異常等のイベントがあった際にアラーム信号を出力するセンサである。
【0014】
ここで、本実例ではカメラとエンコーダを分離して記載するが、カメラとエンコーダが一体化したWEBカメラを用いても同様の効果を奏することができる。また、センサ3は、エンコーダ以外にも、ネットワークに直接接続されていても良いし、センサ7の様に画像記録装置6に接続されていても良く、カメラ2やエンコーダ4、画像記録装置6の筺体に人物が押下するためのアラーム記録ボタンとして設けられても良い。また、ネットワーク4にはルータやハブ等のネットワーク機器も含まれることとし、ネットワーク4に接続された各装置は、このネットワークを介して互いに通信し合うことができるものとする。
【0015】
カメラ1は監視対象エリアを撮像して画像信号を出力し、エンコーダ2へ入力する。センサ3は監視対象エリアにおける変化や異常等を検知し、アラーム信号をエンコーダ2へ出力する。エンコーダ2は、画像信号やアラーム信号をデジタル化し、MPEG−4(Moving Picture Experts Group phase 4)やMJPEG(Motion Joint Photographic Experts
Group)等の規格を用いて画像圧縮してエンコードし、ネットワーク4へ出力する。PC5は、ネットワークから伝送された画像データを受信し、画像表示が可能な形式にデコードし、モニタに表示する。また、マウスやキーボード等の操作I/Fを用いて、GUI上で、ネットワーク4を通じて画像記録配信装置に対し再生や早送り、各種設定等の操作を行う。画像記録装置6は、ネットワークから伝送された画像データを受信し、記録する。
【0016】
次に図2を用いて画像記録装置6内部の構成について詳細に説明する。
601はネットワーク4と画像記録装置6との間で様々な新号をやり取りするネットワークインターフェース(以下、IF)、602はセンサ7からの信号を受信するアラームIF、603は画像記録装置6全体を制御する制御部、604は画像に種々の画像処理を施したり画像解析したりする画像処理部、605は通常記録時の画像を記録するHDD、606はアラーム記録時の画像を記録するSSDである。
【0017】
ネットワークIF601はネットワーク4を介して送信されてきた画像データを受信し、画像処理部604へ出力する。画像処理部604は必要に応じて画像処理を施し、制御部603の制御により、アラームがない場合はHDD605へ出力し、アラームがある場合はSSD606へ出力する。通常記録の場合、HDD605は通常画像を記録し、アラーム記録である場合、SSD606はアラーム画像を記録する。
【0018】
ここで、アラームの有無を判断するためにはいくつかの種類がある。まず1つは、センサ3の発報又はカメラ1やエンコーダ2による画像解析による動体検知によりアラーム信号が画像信号に付加されて送信してくる場合であり、この場合には画像記録装置6内の例えばネットワークIF601や制御部603や画像処理部604により画像信号とアラーム信号を分離してアラームを検知する。2つめは、画像記録装置6に直接接続されたセンサ7によりアラーム信号を受信する場合であり、アラームIF602にアラーム信号入力され、アラーム信号を検知する。3つめは、画像処理部604の画像解析により動体検知等の異常を検知する場合であり、入力された画像を画像処理部604が画像解析してアラーム信号を出力する。
【0019】
以上に説明した様に、本発明によれば、記録媒体にHDDとSSDを併用し、それぞれの特徴を生かして、通常記録時にはHDDに、アラーム記録時にはSSDに記録することで、より安全性が高く効率的な画像記録を実現することができる。
【0020】
要するに本発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、本実施例ではSSDで説明したが、大容量の外付け等のフラッシュメモリ等を用いても良い。。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、各実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0021】
1:カメラ、2:エンコーダ、3,7:センサ、4:ネットワーク、5:PC、6:画像記録装置、601:ネットワークIF、602:アラームIF、603:制御部、604:画像処理部、605:HDD、606:SSD。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と信号をやり取りする通信部と、
アラーム信号を認識するアラーム検知部と、
前記アラーム信号がない場合に、取得した画像を記録する第一の記録媒体と、
前記アラーム検知部によりアラームが検知された場合に、取得した画像を記録する第二の記録媒体と、
を備えることを特徴とする画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−227627(P2012−227627A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91611(P2011−91611)
【出願日】平成23年4月16日(2011.4.16)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】