画像読み取り装置およびプログラム
【課題】副走査方向において読み取り濃度むらが生じにくい画像読み取り装置等を提供する。
【解決手段】原稿に対して光を照射する照射手段と、原稿から反射された光を受光する受光手段と、照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準板90A,90Bと、白色基準板90A,90Bにより反射され受光手段により受光された光の光量に基づき照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部100と、を備えることを特徴とする画像読み取りユニット1。
【解決手段】原稿に対して光を照射する照射手段と、原稿から反射された光を受光する受光手段と、照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準板90A,90Bと、白色基準板90A,90Bにより反射され受光手段により受光された光の光量に基づき照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部100と、を備えることを特徴とする画像読み取りユニット1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ、コンピュータ入力用のスキャナ等として、画像が形成された用紙の画像情報を読み取る画像読み取り装置が用いられている。この種の画像読み取り装置では、用紙の搬送路に配される光源から光を照射し、用紙から反射した反射光をイメージセンサにて受光することで、用紙上の画像を読み取っている。
【0003】
特許文献1には、主走査方向に並べられた複数の光源と、光源から出射され原稿台上の原稿から反射された光から画像を読み取り画像信号を出力する読取素子と、複数の光源を駆動する光源駆動部と、光源制御部と備える。光源制御部は、原稿の画像の読み取り時に、第1モードまたは第1モードよりも副走査方向への光源の移動速度が低速な第2モードを含む動作モードに応じて光源駆動部を制御する光源制御部であって、動作モードが第2モードである場合、第1モード時に比べて点灯される光源の数を低減するように光源駆動部を制御する原稿読取ユニットが開示されている。
また特許文献2には、複数の白色LEDで構成され、該複数の白色LEDの点灯によって原稿を照明する光源と、光源によって照明された原稿からの反射光を受け、主走査方向に走査しながら原稿画像を読み取って電気信号に変換する光電変換素子とを備えた画像読取装置において、光源の点灯時間を検出し、この検出された点灯時間に応じて、光源の点灯を制御する画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−276644号公報
【特許文献2】特開2007−110624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくい画像読み取り装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、原稿に対して光を照射する照射手段と、前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部と、を備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、複数の前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、前記原稿と前記照射手段との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読み取り装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記照射手段の点灯時間を調整することで当該照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像読み取り装置である。
請求項5に記載の発明は、原稿を載せるとともに、前記照射手段から当該原稿に照射される光および当該原稿から反射される光を透過する原稿台を更に備え、前記移動手段は、前記照射手段を案内部材により案内することで前記原稿台に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読み取り装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、原稿に対して光を照射する照射手段と、前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成する処理部と、を備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
【0009】
請求項7に記載の発明は、前記照射手段の制御を行なう制御部を更に備え、前記制御部は、前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させることにより前記読み取り濃度差を補正する制御を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置である。
請求項8に記載の発明は、前記処理部は、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から主走査方向における読み取り濃度差を補正するための補正係数を更に作成することを特徴とする請求項6または7に記載の画像読み取り装置である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、原稿から反射された光を受光する受光手段を制御する機能と、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材に対して光を照射し、当該白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる照射手段を制御する機能と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくい画像読み取り装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、読み取った画像の解像度の悪化を抑制しつつ、副走査方向における読み取り濃度差を抑制できる。
請求項3の発明によれば、原稿と照射手段との距離が変化しても副走査方向における読み取り濃度差を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、照射手段にLEDを使用した場合でも、読み取られる画像の色味が変化しにくくなる。
請求項5の発明によれば、原稿台と案内部材との距離が変化することに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正することができる
請求項6の発明によれば、副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成することができる画像読み取り装置を提供することができる。
請求項7の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、読み取った画像の解像度の悪化を抑制しつつ、副走査方向における読み取り濃度差を抑制できる。
請求項8の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、主走査方向における読み取り濃度差についてもより簡単に補正することができる。
請求項9の発明によれば、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくくする制御をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態の画像読み取りユニットの構成例を示す図である。
【図2】読み取りユニットに設けられる読み取り光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態の画像読み取りユニットの機能構成について説明したブロック図である。
【図4】読み取り装置を図1のIV方向から見た図である。
【図5】図4で説明を行なった白色基準板を用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第1の例について説明したフローチャートである。
【図6】(a)〜(b)は、白色基準板と白色基準板を用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。
【図7】図4で説明を行なった白色基準板を用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第2の例について説明したフローチャートである。
【図8】本実施の形態の白色基準板の他の例について説明した図である。
【図9】他の例による白色基準板を用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。
【図10】(a)〜(b)は、発光部の発光素子としてLEDを使用した場合の色味の変化を示した図である。
【図11】受光素子列を動作させるCCD制御信号、LEDを点灯させる点灯信号、およびLEDを消灯させるWAIT信号について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<画像読み取りユニットの説明>
図1は、本実施の形態の画像読み取りユニット1の構成例を示す図である。同図に示す画像読み取りユニット1は、原稿の画像を読み取る画像読み取り装置の一例である。そして固定された原稿の画像を読み取ることが可能であるとともに、搬送される原稿の画像を読み取ることも可能となっている。この画像読み取りユニット1は、原稿の画像を読み取ることで画像データ(画像情報)を生成する読み取り装置50と、積載された原稿束から原稿を1枚ずつ捌き、原稿を読み取り装置50に順次搬送する原稿送り装置10とを備えている。また画像読み取りユニット1は、画像読み取りユニット1全体の制御等の処理を行う制御部100と、読み込まれた画像データを処理する処理部の一例としての信号処理部200とを備える。また、図には、厳密には画像読み取りユニット1を構成するものではないが、信号処理部200からの出力に対して出力用の画像処理を施す画像処理部300と、画像読み取りユニット1を含むシステム全体を制御するシステム制御部400と、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部500も示している。
【0015】
原稿送り装置10は、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿積載部11、この原稿積載部11の下方に設けられ、読み取りが終了した原稿を積載する排紙積載部12を備える。また、原稿送り装置10は、原稿積載部11の原稿を取り出して搬送する用紙搬送ロール13を備える。さらに、用紙搬送ロール13の原稿搬送方向下流側には、フィードロールおよびリタードロールによって用紙を一枚ずつに捌く捌き機構14が設けられる。原稿が搬送される第1搬送路31には、原稿搬送方向上流側から順に、プレレジロール15、レジロール16、プラテンロール17、およびアウトロール18が設けられる。
【0016】
プレレジロール15は、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールに向けて搬送すると共に原稿のループ形成を行う。レジロール16は、回転を一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、後述する読み取り装置50に対してレジストレーション(ずれ)調整を施しながら原稿を供給する。プラテンロール17は、読み取り装置50にて読み込み中の原稿搬送をアシストする。アウトロール18は、読み取り装置50にて読み込まれた原稿をさらに下流に搬送する。また、アウトロール18よりも原稿搬送方向下流側には、原稿を排紙積載部12に導くための第2搬送路32が設けられる。この第2搬送路32には、排出ロール19が設けられる。
【0017】
さらに、この原稿送り装置10では、原稿の両面に形成された画像を1プロセスで読み取ることができるよう、アウトロール18の出口側とプレレジロール15の入口側との間に第3搬送路33が設けられている。なお、上述した排出ロール19は、原稿を第3搬送路33に反転搬送する機能も有している。
さらにまた、この原稿送り装置10には、原稿の両面読み取りを行った際、その排出時に原稿を再度反転させて排紙積載部12に排出するための第4搬送路34が設けられている。この第4搬送路34は、第2搬送路32の上部側に設けられている。そして、上述した排出ロール19は、原稿を第4搬送路34に反転搬送する機能も有している。
【0018】
一方、読み取り装置50は、上述した原稿送り装置10を開閉可能に支持すると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム60によって支える。また、原稿送り装置10によって搬送される原稿の画像読み取りを行っている。この読み取り装置50は、筐体を形成する装置フレーム60、原稿を載せるとともに、後述する発光部71から原稿に照射される光および原稿から反射される光を透過する原稿台の一例である第1プラテンガラス52A、原稿送り装置10によって搬送される原稿を読み取るための光の開口部を有する第2プラテンガラス52Bを備えている。ここで、第2プラテンガラス52Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。
【0019】
また、読み取り装置50には、装置フレーム60の内側に配置される読み取りユニット70と、装置フレーム60の内側において読み取りユニット70を副走査方向SSおよびその逆方向に案内するガイドシャフト81と、読み取りユニット70をガイドシャフト81に沿って移動させる駆動モータ82と、白色の色校正を行ない、副走査方向SSの複数箇所で読み取り可能な白色基準部材の一例である白色基準板90A,90Bとを備えている。また、読み取り装置50は、一端側が装置フレーム60に取り付けられるとともに他端側が読み取りユニット70に取り付けられ、読み取りユニット70との間で電力や信号のやりとりを行うケーブルユニット83とを備えている。ここで、読み取りユニット70の副走査方向SSの下流側端部には、読み取りユニット70に設けられる受光側基板76bが位置している。本実施の形態では、ガイドシャフト81と駆動モータ82を、後述する発光部71を副走査方向に移動させる移動手段として捉えることができる。またこのときこの移動手段は、発光部71を案内部材としてのガイドシャフト81により案内することで第1プラテンガラス52Aに沿って移動させる。
【0020】
読み取りユニット70は、通常、第2プラテンガラス52Bの下部の基準位置P1に位置している。そして画像を読み込む原稿を静止させた状態で第1プラテンガラス52A上に載せた場合は、読み取りユニット70は、原稿の読み取り動作に伴って副走査方向SSに向けて移動することで副走査方向SSの最下流側となる終了位置P2に到達し、その後基準位置P1まで戻る。一方、原稿送り装置10によって搬送される原稿を読み取るときは、読み取りユニット70は、基準位置P1に静止したまま原稿を読み取る。
なお、以下の説明においては、図中手前側から奥側に向かう方向を主走査方向FSと呼ぶ。
【0021】
図2は、読み取りユニット70に設けられる読み取り光学系の構成の一例を示す図である。
この読み取り光学系は、可視光で発光し、原稿に対して光を照射する照射手段の一例としての発光部71と、発光部71から出力される光を第1プラテンガラス52Aや第2プラテンガラス52B(以下、「第1プラテンガラス52A等」という。)の側および後述する反射体73に導く導光体72と、発光部71から導光体72を介して出力された光の一部を、第1プラテンガラス52A等の側に向けて反射する反射体73とを備えている。また、この読み取り光学系は、発光部71から出力され、第1プラテンガラス52A等を介して原稿Mに照射され、この原稿Mから反射して第1プラテンガラス52A等を通過した反射光を、順次反射する第1ミラー74a、第2ミラー74b、第3ミラー74c、第4ミラー74dおよび第5ミラー74eを備えている。さらに、読み取り光学系は、第5ミラー74eにて反射された光を集光するレンズ75と、レンズ75にて集光されることで結像された光を受光する受光部76とを備えている。本実施の形態の読み取り光学系では、原稿Mからの反射光の経路を交差させる所謂折り畳み光学系を用いることで、読み取りユニット70の小型化を図っている。本実施の形態では、受光部76は、原稿から反射された光を受光する受光手段の一例として捉えることができる。
【0022】
発光部71は、複数の発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode))を主走査方向FSに並べて配置した発光素子列71aと、発光素子列71aが実装されるとともに読み取りユニット70に固定される発光側基板71bとを有する。
【0023】
また、受光部76は、複数の受光素子を主走査方向FSに並べて配置した受光素子列(例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ)76aと、受光素子列76aが実装されるとともに読み取りユニット70に固定される受光側基板76bとを有する。この受光側基板76bは、図1にも示したように、読み取りユニット70における副走査方向SSの下流側端部に位置している。
【0024】
本実施の形態では受光素子列76aは、R(Red:赤色)、G(Green:緑色)、B(Blue:青色)の各色に対応するCCDが、3列に配列し、原稿に記録された画像をRGBの各色で測定することが可能となっている。つまり3ラインカラーCCDとなっている。そして受光素子列76aにより受光した光は、光電変換されて電荷となり、この電荷が検出されて電気信号としての画像データとなる。なお受光素子列76aは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色のカラーCCDであるため、それぞれの色に対応した画像データであるR信号、G信号、B信号が生成される。
【0025】
<画像読み取りユニットの機能構成の説明>
次に本実施の形態の画像読み取りユニット1の機能構成について説明を行なう。
図3は、本実施の形態の画像読み取りユニット1の機能構成について説明したブロック図である。
図3では、画像読み取りユニット1のうち、制御部100、信号処理部200、駆動モータ82、発光部71、受光部76を示している。更に図3では、画像読み取りユニット1の一部ではないが、画像処理部300、システム制御部400、画像形成部500の機能構成例も併せて示している。
【0026】
制御部100は、図1で説明したように画像読み取りユニット1の画像読み取り動作における各部の制御を行う。図3では、制御部100は、駆動モータ82、発光部71、受光部76、信号処理部200を制御する。つまり制御部100は、駆動モータ82を制御することで読み取りユニット70(図1参照)を副走査方向SSおよびその逆方向に移動させる。また制御部100は、発光部71を制御して予め定められた光量で光を原稿に照射する。そして制御部100は、受光部76を制御し、受光部76により生成された画像データであるR信号、G信号、B信号を信号処理部200に送信させる。また制御部100は、信号処理部200の各部を制御してR信号、G信号、B信号を処理し、処理されたR信号、G信号、B信号を画像処理部300に送信する。
【0027】
信号処理部200は、サンプルホールド部201と、ゲイン調整部202と、オフセット調整部203と、A/D変換部204と、シェーディング補正部205と、補正データ生成部206と、色変換部207と、白データ/黒データ保持部208とを備える。
【0028】
サンプルホールド部201は、受光部76から出力されたアナログ画像信号であるR信号、G信号、B信号をサンプリングする。
ゲイン調整部202は、発光部71の点灯状態で白色基準板90A,90B(図1参照)から反射した光に基づいて受光部76から出力された電圧がA/D変換部204の最高入力電圧に近い値となるように調整する。
オフセット調整部203は、発光部71の消灯状態で受光部76から出力された電圧がA/D変換部204の最低入力電圧に近い値となるように調整する。
A/D変換部204は、オフセット調整部203から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
【0029】
シェーディング補正部205は、A/D変換部204から出力されたデジタル画像信号に対し、シェーディングデータを用いて、主走査方向の読み取り濃度差の補正を施す。
補正データ生成部206は、詳しくは後述するが、副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを作成する。
色変換部207は、シェーディング補正部205から出力されたデジタル画像信号を予め定められたLUT(Look Up Table)に基づいて変換し、変換後のデジタル画像信号を画像処理部300に出力する。
白データ/黒データ保持部208は、シェーディング補正部205や補正データ生成部206で用いるために取得された白基準データ及び黒基準データを保持する。
これら信号処理部200が行なう各機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を設けることにより実現することができる。
【0030】
尚、画像処理部300、システム制御部400、及び画像形成部500については、図1を参照して説明したので、ここでの説明は省略する。
【0031】
<白色基準板の説明>
次に本実施の形態の白色基準板90A,90Bについて詳細に説明する。
図4は、読み取り装置50を図1のIV方向から見た図である。
図4において第1プラテンガラス52Aと、第2プラテンガラス52Bと、白色基準板90A,90Bとが図示されている。そして白色基準板90A,90Bは、白色のフィルム等からなる長尺状の部材であり、例えば、両面テープ等を用いて、固定されている。また白色基準板90A,90Bは、副走査方向に予め定められた距離で離間して配される。本実施の形態では白色基準板90A,90Bは、第1プラテンガラス52Aを挟み、その長尺方向が主走査方向とほぼ平行になるように配される。
【0032】
この白色基準板90A,90Bを用いることで、本実施の形態では、まずシェーディング補正を行なうことができる。即ち、発光部71(図2参照)の主走査方向に対する光量分布のばらつきや主走査方向に対する読み取り濃度差の補正を行なうことができる。
具体的には、まず発光部71の発光素子毎、即ち画素毎の光量を取得する。そして例えば、主走査方向に配列する発光素子列を5つのブロックに分割し、それぞれのブロックに属する発光素子の光量の平均を算出する。そして算出された5つのブロックの平均光量を基にして補正係数を算出する。つまりこの場合5つのブロック毎に5つの補正係数が算出される。そして原稿を読み取る際に取得された画像データに、この補正係数を乗算することでシェーディング補正を行なうことができる。
【0033】
また本実施の形態では、副走査方向における読み取り濃度差を補正するのに白色基準板90A,90Bを用いる。
つまり本実施の形態のように読み取りユニット70は、ガイドシャフト81により案内され、第1プラテンガラス52Aに沿って移動する。ただし読み取りユニット70を第1プラテンガラス52Aと厳密に平行に移動させることは困難な場合がある。即ちガイドシャフト81が第1プラテンガラス52Aと平行であるとは限らず、これによりガイドシャフト81が第1プラテンガラス52Aに対し傾いた状態で原稿の読み取りが行なわれるときがある。このとき読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は、副走査方向において一定とはならず、読み取りユニット70が副走査方向に移動すると、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は、変化する。そして読み取りユニット70が副走査方向に移動するにつれて、この距離が長くなった場合は原稿から反射された光の光量は減少し、明るさが暗い画像として読み取られる。一方、読み取りユニット70が副走査方向に移動するにつれて、この距離が短くなった場合は、原稿から反射された光の光量は増加し、明るさが明るい画像として読み取られる。つまり読み取られる画像に副走査方向で読み取り濃度差が生じる。読み取られる画像の明るさは、原稿と読み取りユニット70の間の距離の2乗に反比例して変化する。
そこで本実施の形態では、以下の構成を採ることで読み取られる画像に副走査方向で読み取り濃度差が生じる現象を抑制している。
【0034】
<白色基準板により副走査方向の読み取り濃度差を補正する方法の説明>
図5は、図4で説明を行なった白色基準板90A,90Bを用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第1の例について説明したフローチャートである。
まず制御部100が、駆動モータ82(図1参照)を制御し、読み取りユニット70(図1参照)を1つ目の白色基準板90Aの位置に移動させる(ステップ101)。次に制御部100は、読み取りユニット70により白色基準板90Aの予め定められた箇所を読み取り、光量データとしての画像データを取得する(ステップ102)。更に制御部100は、読み取りユニット70を2つ目の白色基準板90Bの位置に移動させる(ステップ103)。そして同様に読み取りユニット70により白色基準板90Bの予め定められた箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ104)。そして信号処理部200の補正データ生成部206(図3参照)において、白色基準板90Aから取得した画像データと白色基準板90Bから取得した画像データから副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを算出する(ステップ105)。ここで白色基準板90Aと白色基準板90Bの間の読み取り濃度の変化は、一次関数で表すことができる。
【0035】
図6(a)〜(b)は、白色基準板90Aと白色基準板90Bを用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。ここで横軸は、例えば、図4における白色基準板90A上のa1の箇所、および白色基準板90B上のb1の箇所を表わしている。そして縦軸は、光量を表わす。そしてa1の箇所において読み取った光量L1とb1の箇所において読み取った光量L2を直線で結んだ場合を図示している。
ここで図6(a)は、白色基準板90Aから白色基準板90Bに進むにつれて読み取られる光量が減少している(L1>L2)。即ち、読み取りユニット70が白色基準板90Aから白色基準板90Bの方向に移動するにつれて、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は長くなり、読み取られる画像の明るさが暗くなる状態になっている。
一方、図6(b)は、白色基準板90Aから白色基準板90Bに進むにつれて読み取られる光量が増加している(L1<L2)。即ち、読み取りユニット70が白色基準板90Aから白色基準板90Bの方向に移動するにつれて、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は短くなり、読み取られる画像の明るさが明るくなる状態になっている。
【0036】
図6(a)〜(b)に示すような直線は一次関数で表わすことができるため、本実施の形態では、この一次関数を導出して、さらにこれを基にして副走査方向の各箇所の補正データを算出する。つまり本実施の形態では、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報である補正データを算出する。
【0037】
この補正データを基にして制御部100は、発光部71(図2参照)の光量を制御する。つまり読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離が長くなることにより、明るさが暗い画像として読み取られる箇所については、発光部71の光量を相対的に増加させる。一方、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離が短くなることにより、明るさが明るい画像として読み取られる箇所については、発光部71の光量を相対的に減少させる。即ち本実施の形態において、制御部100は、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光の光量に基づき発光部71から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう。更に具体的には、制御部100は、複数の白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させる。本実施の形態の場合、制御部100は、原稿Mと発光部71との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させると言い換えてもよい。
【0038】
これにより第1プラテンガラス52Aがガイドシャフト81に対し傾いた状態で原稿の読み取りを行なっても、これにより生じる副走査方向の読み取り濃度差を補正することができ、副走査方向の読み取り濃度差が生じるのを抑制できる。
【0039】
図7は、図4で説明を行なった白色基準板90A,90Bを用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第2の例について説明したフローチャートである。
まず制御部100が、読み取りユニット70を1つ目の白色基準板90Aの位置に移動させる(ステップ201)。次に制御部100は、読み取りユニット70により白色基準板90Aの主走査方向の予め定められた複数の箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ202)。本実施の形態では、この箇所を例えば、5箇所とし、図4において、それぞれa1,a2,a3,a4,a5として図示している。そしてこれにより白色基準板90Aを主走査方向に複数の予め定められたブロックに分割したと考えた場合において、このブロック毎の光量データとしての画像データを取得できる。この光量データは、シェーディング補正部205(図3参照)でシェーディング補正を行なうのに使用される。次に制御部100は、読み取りユニット70を2つ目の白色基準板90Bの位置に移動させる(ステップ203)。そして同様に読み取りユニット70により白色基準板90Bの主走査方向の予め定められた複数の箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ204)。なお図4において、この箇所をそれぞれb1,b2,b3,b4,b5として図示している。更に制御部100は、白色基準板90Aから取得した画像データと白色基準板90Bから取得した画像データから副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを算出する(ステップ205)。
【0040】
なおこのときシェーディング補正に使用するために取得した画像データを利用することもできる。つまり前述したようにシェーディング補正を行なう際には、例えば、主走査方向を5つのブロックに分割し、それぞれのブロック毎に平均光量を算出する。これは、白色基準板90Aを使用した場合は、a1,a2,a3,a4,a5の箇所で読み取った画像データとして扱うことができる。また、白色基準板90Bを使用した場合は、b1,b2,b3,b4,b5の箇所で読み取った画像データとして扱うことができる。
【0041】
この場合、主走査方向も考慮に入れた副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データが取得できる。つまり副走査方向の読み取り濃度差は、主走査方向に対して一様であるとは限らない。そのため図4においてa1−b1間において読み取った光量変化が、例えば、図6(a)のようになり、a5−b5間において読み取った光量変化が、例えば、図6(b)のようになる場合も有り得る。そのため例えば、a1−b1間、a2−b2間、a3−b3間、a4−b4間、a5−b5間において読み取った光量変化も考慮し、補正データを算出する。なおこの場合、これらの箇所の間の箇所については、補間を行なうことで補正データを算出できる。このようにして補正データを算出することで副走査方向の読み取り濃度差が主走査方向において変化した場合でも対応することができる。なおこの補間は、例えば、図6(a)〜(b)を基にして導出された一次関数が有する傾きや切片のパラメータを加重平均することで行なうことができる。
【0042】
なお本実施の形態では、上述のように主走査方向の読み取り濃度差の補正(シェーディング補正)は、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光から補正係数を算出し、原稿Mを読み取ることで取得した画像データを補正係数を用いることで補正する。一方、副走査方向の読み取り濃度差の補正は、発光部71の光量を変化させる制御を行なうことで補正する。つまり副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データは、発光部71の光量を表わすデータである。これは、副走査方向で主走査方向と同様の方法を用いると、S(Signal)/N(Noise)比のS成分が相対的に弱まりやすく、読み取られる画像の解像度が悪化しやすくなるためである。
【0043】
なお上述した例では、白色基準板は2つ使用していたが、3つ以上使用してもよく、また1つで行なうこともできる。
図8は、本実施の形態の白色基準板の他の例について説明した図である。
図8において示した白色基準板90Cは、主走査方向の端部に1つだけ配されている。そして主走査方向が短尺方向となるとともに副走査方向が長尺方向となる矩形形状をしている。そしてこの場合は、例えば、それぞれc1,c2,c3,c4,c5の5箇所について読み取りを行ない、光量データを取得する。
【0044】
図9は、白色基準板90Cを用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。ここで横軸は、例えば、図9におけるc1,c2,c3,c4,c5の箇所を表わしている。そして縦軸は、光量を表わす。そしてc1,c2,c3,c4,c5の箇所において読み取った光量をそれぞれ直線で結んだ場合を図示している。
白色基準板90Cを用いることで、副走査方向に対し、より小さな間隔毎に、光量データを取得することができる。そのため副走査方向の読み取り濃度差の補正をより正確に行なうことができる。なお図4で説明した白色基準板90A,90Bと図9で説明した白色基準板90Cとを併用してもよい。
【0045】
<発光部から照射する光の光量を変化させる方法の説明>
本実施の形態では、上述の通り、副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させる。そして本実施の形態では、照射する光の明るさを変化させることで光量を変化させるのではなく、発光部71の点灯時間を調整することで発光部71から照射する光の光量を変化させる。これは特に発光部71の発光素子としてLEDを使用する場合、光の明るさを変化させると、色味が変化することがあるためである。
【0046】
図10(a)〜(b)は、発光部71の発光素子としてLEDを使用した場合の色味の変化を示した図である。
図10(a)において本実施の形態で使用する白色のLEDのCIE表色系での色度座標をW点にて示している。また図10(b)は、図10(a)のW点付近の拡大図である。図10(b)では、LEDの明るさを明るくしたときの色度の変化を示している。ここでW1点がLEDの明るさを明るくする前の色度座標であり、W2点がLEDの明るさを明るくした後の色度座標である。これによりLEDを明るくすると色度座標が左下方向に移動する。この場合LEDは青白い色に色味が変化する。つまりこの種類のLEDの場合、青色で発光した光を黄色に変換する蛍光体を利用し、青色と黄色の混色により白色に発光させるものが一般的である。そしてLEDの明るさを変化させるとこの青色と黄色のバランスが変化するため発光色の色味が変化する。そしてこれに起因して読み取られる画像の色味が変化する。
【0047】
そこで本実施の形態では、LEDの明るさは変化させず、LEDの点灯時間を調整することで発光部71から照射する光の光量を変化させている。
図11は、受光素子列76aを動作させるCCD制御(CCD−LS)信号、LEDを点灯させるLED−ON信号、およびLEDを消灯させるLED−WAIT信号について説明した図である。
図11において時間t1において、CCD−LS信号がOFFからONになり、さらに時間t2においてCCD−LS信号がOFFからONになる。即ちこのt1−t2間の時間において、受光素子列76aが光を蓄積する。言い換えればこの時間は、受光素子列76aの主走査方向1ライン分の光の蓄積期間である。
そして時間t1−t2間においてLEDは、点灯を開始し、そして予め定められた時間点灯した後に消灯する。本実施の形態では、時間t1でLED−ON信号が、OFFからONになり、これによりLEDは点灯を開始する。そして時間t3でLED−WAIT信号がOFFからONになり、これによりLEDは消灯する。即ちこの例では、LEDの点灯時間は、t1−t3間の時間となる。この点灯時間は、補正データ生成部206により生成された補正データに従い決定される。そして制御部100がLED−ON信号およびLED−WAIT信号を発光部71に送信することでLEDの点灯時間の制御を行なう。
上述のような制御を行なうことで、読み取られる画像の色味がより変化しにくくなる。
【0048】
<プログラムの説明>
なおこれまで説明を行なった制御部100が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、制御部100に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、制御部100の各機能を実現するプログラムを実行し、上述した制御を行なうことで、これらの各機能を実現させる。
【0049】
よって制御部100が行なう処理は、コンピュータに、原稿から反射された光を受光する受光部76を制御する機能と、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準板90A,90B(90C)に対して光を照射し、白色基準板90A,90B(90C)により反射され受光部76により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる発光部71を制御する機能と、発光部71を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…画像読み取りユニット、52A…第1プラテンガラス、52B…第2プラテンガラス、70…読み取りユニット、71…発光部、76…受光部、81…ガイドシャフト、82…駆動モータ、90A,90B,90C…白色基準板、100…制御部、200…信号処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読み取り装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ、コンピュータ入力用のスキャナ等として、画像が形成された用紙の画像情報を読み取る画像読み取り装置が用いられている。この種の画像読み取り装置では、用紙の搬送路に配される光源から光を照射し、用紙から反射した反射光をイメージセンサにて受光することで、用紙上の画像を読み取っている。
【0003】
特許文献1には、主走査方向に並べられた複数の光源と、光源から出射され原稿台上の原稿から反射された光から画像を読み取り画像信号を出力する読取素子と、複数の光源を駆動する光源駆動部と、光源制御部と備える。光源制御部は、原稿の画像の読み取り時に、第1モードまたは第1モードよりも副走査方向への光源の移動速度が低速な第2モードを含む動作モードに応じて光源駆動部を制御する光源制御部であって、動作モードが第2モードである場合、第1モード時に比べて点灯される光源の数を低減するように光源駆動部を制御する原稿読取ユニットが開示されている。
また特許文献2には、複数の白色LEDで構成され、該複数の白色LEDの点灯によって原稿を照明する光源と、光源によって照明された原稿からの反射光を受け、主走査方向に走査しながら原稿画像を読み取って電気信号に変換する光電変換素子とを備えた画像読取装置において、光源の点灯時間を検出し、この検出された点灯時間に応じて、光源の点灯を制御する画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−276644号公報
【特許文献2】特開2007−110624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくい画像読み取り装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、原稿に対して光を照射する照射手段と、前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部と、を備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、複数の前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御部は、前記原稿と前記照射手段との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読み取り装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御部は、前記照射手段の点灯時間を調整することで当該照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像読み取り装置である。
請求項5に記載の発明は、原稿を載せるとともに、前記照射手段から当該原稿に照射される光および当該原稿から反射される光を透過する原稿台を更に備え、前記移動手段は、前記照射手段を案内部材により案内することで前記原稿台に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読み取り装置である。
【0008】
請求項6に記載の発明は、原稿に対して光を照射する照射手段と、前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成する処理部と、を備えることを特徴とする画像読み取り装置である。
【0009】
請求項7に記載の発明は、前記照射手段の制御を行なう制御部を更に備え、前記制御部は、前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させることにより前記読み取り濃度差を補正する制御を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置である。
請求項8に記載の発明は、前記処理部は、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から主走査方向における読み取り濃度差を補正するための補正係数を更に作成することを特徴とする請求項6または7に記載の画像読み取り装置である。
【0010】
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、原稿から反射された光を受光する受光手段を制御する機能と、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材に対して光を照射し、当該白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる照射手段を制御する機能と、前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくい画像読み取り装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、読み取った画像の解像度の悪化を抑制しつつ、副走査方向における読み取り濃度差を抑制できる。
請求項3の発明によれば、原稿と照射手段との距離が変化しても副走査方向における読み取り濃度差を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、照射手段にLEDを使用した場合でも、読み取られる画像の色味が変化しにくくなる。
請求項5の発明によれば、原稿台と案内部材との距離が変化することに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正することができる
請求項6の発明によれば、副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成することができる画像読み取り装置を提供することができる。
請求項7の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、読み取った画像の解像度の悪化を抑制しつつ、副走査方向における読み取り濃度差を抑制できる。
請求項8の発明によれば、本構成を採用しない場合に比較して、主走査方向における読み取り濃度差についてもより簡単に補正することができる。
請求項9の発明によれば、読み取った画像の副走査方向において濃度むらが生じにくくする制御をコンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態の画像読み取りユニットの構成例を示す図である。
【図2】読み取りユニットに設けられる読み取り光学系の構成の一例を示す図である。
【図3】本実施の形態の画像読み取りユニットの機能構成について説明したブロック図である。
【図4】読み取り装置を図1のIV方向から見た図である。
【図5】図4で説明を行なった白色基準板を用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第1の例について説明したフローチャートである。
【図6】(a)〜(b)は、白色基準板と白色基準板を用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。
【図7】図4で説明を行なった白色基準板を用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第2の例について説明したフローチャートである。
【図8】本実施の形態の白色基準板の他の例について説明した図である。
【図9】他の例による白色基準板を用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。
【図10】(a)〜(b)は、発光部の発光素子としてLEDを使用した場合の色味の変化を示した図である。
【図11】受光素子列を動作させるCCD制御信号、LEDを点灯させる点灯信号、およびLEDを消灯させるWAIT信号について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<画像読み取りユニットの説明>
図1は、本実施の形態の画像読み取りユニット1の構成例を示す図である。同図に示す画像読み取りユニット1は、原稿の画像を読み取る画像読み取り装置の一例である。そして固定された原稿の画像を読み取ることが可能であるとともに、搬送される原稿の画像を読み取ることも可能となっている。この画像読み取りユニット1は、原稿の画像を読み取ることで画像データ(画像情報)を生成する読み取り装置50と、積載された原稿束から原稿を1枚ずつ捌き、原稿を読み取り装置50に順次搬送する原稿送り装置10とを備えている。また画像読み取りユニット1は、画像読み取りユニット1全体の制御等の処理を行う制御部100と、読み込まれた画像データを処理する処理部の一例としての信号処理部200とを備える。また、図には、厳密には画像読み取りユニット1を構成するものではないが、信号処理部200からの出力に対して出力用の画像処理を施す画像処理部300と、画像読み取りユニット1を含むシステム全体を制御するシステム制御部400と、紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部500も示している。
【0015】
原稿送り装置10は、複数枚の原稿からなる原稿束を積載する原稿積載部11、この原稿積載部11の下方に設けられ、読み取りが終了した原稿を積載する排紙積載部12を備える。また、原稿送り装置10は、原稿積載部11の原稿を取り出して搬送する用紙搬送ロール13を備える。さらに、用紙搬送ロール13の原稿搬送方向下流側には、フィードロールおよびリタードロールによって用紙を一枚ずつに捌く捌き機構14が設けられる。原稿が搬送される第1搬送路31には、原稿搬送方向上流側から順に、プレレジロール15、レジロール16、プラテンロール17、およびアウトロール18が設けられる。
【0016】
プレレジロール15は、一枚ずつに捌かれた原稿を下流側のロールに向けて搬送すると共に原稿のループ形成を行う。レジロール16は、回転を一旦停止した後にタイミングを合わせて回転を再開し、後述する読み取り装置50に対してレジストレーション(ずれ)調整を施しながら原稿を供給する。プラテンロール17は、読み取り装置50にて読み込み中の原稿搬送をアシストする。アウトロール18は、読み取り装置50にて読み込まれた原稿をさらに下流に搬送する。また、アウトロール18よりも原稿搬送方向下流側には、原稿を排紙積載部12に導くための第2搬送路32が設けられる。この第2搬送路32には、排出ロール19が設けられる。
【0017】
さらに、この原稿送り装置10では、原稿の両面に形成された画像を1プロセスで読み取ることができるよう、アウトロール18の出口側とプレレジロール15の入口側との間に第3搬送路33が設けられている。なお、上述した排出ロール19は、原稿を第3搬送路33に反転搬送する機能も有している。
さらにまた、この原稿送り装置10には、原稿の両面読み取りを行った際、その排出時に原稿を再度反転させて排紙積載部12に排出するための第4搬送路34が設けられている。この第4搬送路34は、第2搬送路32の上部側に設けられている。そして、上述した排出ロール19は、原稿を第4搬送路34に反転搬送する機能も有している。
【0018】
一方、読み取り装置50は、上述した原稿送り装置10を開閉可能に支持すると共に、この原稿送り装置10を装置フレーム60によって支える。また、原稿送り装置10によって搬送される原稿の画像読み取りを行っている。この読み取り装置50は、筐体を形成する装置フレーム60、原稿を載せるとともに、後述する発光部71から原稿に照射される光および原稿から反射される光を透過する原稿台の一例である第1プラテンガラス52A、原稿送り装置10によって搬送される原稿を読み取るための光の開口部を有する第2プラテンガラス52Bを備えている。ここで、第2プラテンガラス52Bは、例えば長尺の板状構造をなす透明なガラスプレートで構成される。
【0019】
また、読み取り装置50には、装置フレーム60の内側に配置される読み取りユニット70と、装置フレーム60の内側において読み取りユニット70を副走査方向SSおよびその逆方向に案内するガイドシャフト81と、読み取りユニット70をガイドシャフト81に沿って移動させる駆動モータ82と、白色の色校正を行ない、副走査方向SSの複数箇所で読み取り可能な白色基準部材の一例である白色基準板90A,90Bとを備えている。また、読み取り装置50は、一端側が装置フレーム60に取り付けられるとともに他端側が読み取りユニット70に取り付けられ、読み取りユニット70との間で電力や信号のやりとりを行うケーブルユニット83とを備えている。ここで、読み取りユニット70の副走査方向SSの下流側端部には、読み取りユニット70に設けられる受光側基板76bが位置している。本実施の形態では、ガイドシャフト81と駆動モータ82を、後述する発光部71を副走査方向に移動させる移動手段として捉えることができる。またこのときこの移動手段は、発光部71を案内部材としてのガイドシャフト81により案内することで第1プラテンガラス52Aに沿って移動させる。
【0020】
読み取りユニット70は、通常、第2プラテンガラス52Bの下部の基準位置P1に位置している。そして画像を読み込む原稿を静止させた状態で第1プラテンガラス52A上に載せた場合は、読み取りユニット70は、原稿の読み取り動作に伴って副走査方向SSに向けて移動することで副走査方向SSの最下流側となる終了位置P2に到達し、その後基準位置P1まで戻る。一方、原稿送り装置10によって搬送される原稿を読み取るときは、読み取りユニット70は、基準位置P1に静止したまま原稿を読み取る。
なお、以下の説明においては、図中手前側から奥側に向かう方向を主走査方向FSと呼ぶ。
【0021】
図2は、読み取りユニット70に設けられる読み取り光学系の構成の一例を示す図である。
この読み取り光学系は、可視光で発光し、原稿に対して光を照射する照射手段の一例としての発光部71と、発光部71から出力される光を第1プラテンガラス52Aや第2プラテンガラス52B(以下、「第1プラテンガラス52A等」という。)の側および後述する反射体73に導く導光体72と、発光部71から導光体72を介して出力された光の一部を、第1プラテンガラス52A等の側に向けて反射する反射体73とを備えている。また、この読み取り光学系は、発光部71から出力され、第1プラテンガラス52A等を介して原稿Mに照射され、この原稿Mから反射して第1プラテンガラス52A等を通過した反射光を、順次反射する第1ミラー74a、第2ミラー74b、第3ミラー74c、第4ミラー74dおよび第5ミラー74eを備えている。さらに、読み取り光学系は、第5ミラー74eにて反射された光を集光するレンズ75と、レンズ75にて集光されることで結像された光を受光する受光部76とを備えている。本実施の形態の読み取り光学系では、原稿Mからの反射光の経路を交差させる所謂折り畳み光学系を用いることで、読み取りユニット70の小型化を図っている。本実施の形態では、受光部76は、原稿から反射された光を受光する受光手段の一例として捉えることができる。
【0022】
発光部71は、複数の発光素子(例えばLED(Light Emitting Diode))を主走査方向FSに並べて配置した発光素子列71aと、発光素子列71aが実装されるとともに読み取りユニット70に固定される発光側基板71bとを有する。
【0023】
また、受光部76は、複数の受光素子を主走査方向FSに並べて配置した受光素子列(例えばCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ)76aと、受光素子列76aが実装されるとともに読み取りユニット70に固定される受光側基板76bとを有する。この受光側基板76bは、図1にも示したように、読み取りユニット70における副走査方向SSの下流側端部に位置している。
【0024】
本実施の形態では受光素子列76aは、R(Red:赤色)、G(Green:緑色)、B(Blue:青色)の各色に対応するCCDが、3列に配列し、原稿に記録された画像をRGBの各色で測定することが可能となっている。つまり3ラインカラーCCDとなっている。そして受光素子列76aにより受光した光は、光電変換されて電荷となり、この電荷が検出されて電気信号としての画像データとなる。なお受光素子列76aは、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色のカラーCCDであるため、それぞれの色に対応した画像データであるR信号、G信号、B信号が生成される。
【0025】
<画像読み取りユニットの機能構成の説明>
次に本実施の形態の画像読み取りユニット1の機能構成について説明を行なう。
図3は、本実施の形態の画像読み取りユニット1の機能構成について説明したブロック図である。
図3では、画像読み取りユニット1のうち、制御部100、信号処理部200、駆動モータ82、発光部71、受光部76を示している。更に図3では、画像読み取りユニット1の一部ではないが、画像処理部300、システム制御部400、画像形成部500の機能構成例も併せて示している。
【0026】
制御部100は、図1で説明したように画像読み取りユニット1の画像読み取り動作における各部の制御を行う。図3では、制御部100は、駆動モータ82、発光部71、受光部76、信号処理部200を制御する。つまり制御部100は、駆動モータ82を制御することで読み取りユニット70(図1参照)を副走査方向SSおよびその逆方向に移動させる。また制御部100は、発光部71を制御して予め定められた光量で光を原稿に照射する。そして制御部100は、受光部76を制御し、受光部76により生成された画像データであるR信号、G信号、B信号を信号処理部200に送信させる。また制御部100は、信号処理部200の各部を制御してR信号、G信号、B信号を処理し、処理されたR信号、G信号、B信号を画像処理部300に送信する。
【0027】
信号処理部200は、サンプルホールド部201と、ゲイン調整部202と、オフセット調整部203と、A/D変換部204と、シェーディング補正部205と、補正データ生成部206と、色変換部207と、白データ/黒データ保持部208とを備える。
【0028】
サンプルホールド部201は、受光部76から出力されたアナログ画像信号であるR信号、G信号、B信号をサンプリングする。
ゲイン調整部202は、発光部71の点灯状態で白色基準板90A,90B(図1参照)から反射した光に基づいて受光部76から出力された電圧がA/D変換部204の最高入力電圧に近い値となるように調整する。
オフセット調整部203は、発光部71の消灯状態で受光部76から出力された電圧がA/D変換部204の最低入力電圧に近い値となるように調整する。
A/D変換部204は、オフセット調整部203から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。
【0029】
シェーディング補正部205は、A/D変換部204から出力されたデジタル画像信号に対し、シェーディングデータを用いて、主走査方向の読み取り濃度差の補正を施す。
補正データ生成部206は、詳しくは後述するが、副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを作成する。
色変換部207は、シェーディング補正部205から出力されたデジタル画像信号を予め定められたLUT(Look Up Table)に基づいて変換し、変換後のデジタル画像信号を画像処理部300に出力する。
白データ/黒データ保持部208は、シェーディング補正部205や補正データ生成部206で用いるために取得された白基準データ及び黒基準データを保持する。
これら信号処理部200が行なう各機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を設けることにより実現することができる。
【0030】
尚、画像処理部300、システム制御部400、及び画像形成部500については、図1を参照して説明したので、ここでの説明は省略する。
【0031】
<白色基準板の説明>
次に本実施の形態の白色基準板90A,90Bについて詳細に説明する。
図4は、読み取り装置50を図1のIV方向から見た図である。
図4において第1プラテンガラス52Aと、第2プラテンガラス52Bと、白色基準板90A,90Bとが図示されている。そして白色基準板90A,90Bは、白色のフィルム等からなる長尺状の部材であり、例えば、両面テープ等を用いて、固定されている。また白色基準板90A,90Bは、副走査方向に予め定められた距離で離間して配される。本実施の形態では白色基準板90A,90Bは、第1プラテンガラス52Aを挟み、その長尺方向が主走査方向とほぼ平行になるように配される。
【0032】
この白色基準板90A,90Bを用いることで、本実施の形態では、まずシェーディング補正を行なうことができる。即ち、発光部71(図2参照)の主走査方向に対する光量分布のばらつきや主走査方向に対する読み取り濃度差の補正を行なうことができる。
具体的には、まず発光部71の発光素子毎、即ち画素毎の光量を取得する。そして例えば、主走査方向に配列する発光素子列を5つのブロックに分割し、それぞれのブロックに属する発光素子の光量の平均を算出する。そして算出された5つのブロックの平均光量を基にして補正係数を算出する。つまりこの場合5つのブロック毎に5つの補正係数が算出される。そして原稿を読み取る際に取得された画像データに、この補正係数を乗算することでシェーディング補正を行なうことができる。
【0033】
また本実施の形態では、副走査方向における読み取り濃度差を補正するのに白色基準板90A,90Bを用いる。
つまり本実施の形態のように読み取りユニット70は、ガイドシャフト81により案内され、第1プラテンガラス52Aに沿って移動する。ただし読み取りユニット70を第1プラテンガラス52Aと厳密に平行に移動させることは困難な場合がある。即ちガイドシャフト81が第1プラテンガラス52Aと平行であるとは限らず、これによりガイドシャフト81が第1プラテンガラス52Aに対し傾いた状態で原稿の読み取りが行なわれるときがある。このとき読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は、副走査方向において一定とはならず、読み取りユニット70が副走査方向に移動すると、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は、変化する。そして読み取りユニット70が副走査方向に移動するにつれて、この距離が長くなった場合は原稿から反射された光の光量は減少し、明るさが暗い画像として読み取られる。一方、読み取りユニット70が副走査方向に移動するにつれて、この距離が短くなった場合は、原稿から反射された光の光量は増加し、明るさが明るい画像として読み取られる。つまり読み取られる画像に副走査方向で読み取り濃度差が生じる。読み取られる画像の明るさは、原稿と読み取りユニット70の間の距離の2乗に反比例して変化する。
そこで本実施の形態では、以下の構成を採ることで読み取られる画像に副走査方向で読み取り濃度差が生じる現象を抑制している。
【0034】
<白色基準板により副走査方向の読み取り濃度差を補正する方法の説明>
図5は、図4で説明を行なった白色基準板90A,90Bを用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第1の例について説明したフローチャートである。
まず制御部100が、駆動モータ82(図1参照)を制御し、読み取りユニット70(図1参照)を1つ目の白色基準板90Aの位置に移動させる(ステップ101)。次に制御部100は、読み取りユニット70により白色基準板90Aの予め定められた箇所を読み取り、光量データとしての画像データを取得する(ステップ102)。更に制御部100は、読み取りユニット70を2つ目の白色基準板90Bの位置に移動させる(ステップ103)。そして同様に読み取りユニット70により白色基準板90Bの予め定められた箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ104)。そして信号処理部200の補正データ生成部206(図3参照)において、白色基準板90Aから取得した画像データと白色基準板90Bから取得した画像データから副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを算出する(ステップ105)。ここで白色基準板90Aと白色基準板90Bの間の読み取り濃度の変化は、一次関数で表すことができる。
【0035】
図6(a)〜(b)は、白色基準板90Aと白色基準板90Bを用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。ここで横軸は、例えば、図4における白色基準板90A上のa1の箇所、および白色基準板90B上のb1の箇所を表わしている。そして縦軸は、光量を表わす。そしてa1の箇所において読み取った光量L1とb1の箇所において読み取った光量L2を直線で結んだ場合を図示している。
ここで図6(a)は、白色基準板90Aから白色基準板90Bに進むにつれて読み取られる光量が減少している(L1>L2)。即ち、読み取りユニット70が白色基準板90Aから白色基準板90Bの方向に移動するにつれて、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は長くなり、読み取られる画像の明るさが暗くなる状態になっている。
一方、図6(b)は、白色基準板90Aから白色基準板90Bに進むにつれて読み取られる光量が増加している(L1<L2)。即ち、読み取りユニット70が白色基準板90Aから白色基準板90Bの方向に移動するにつれて、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離は短くなり、読み取られる画像の明るさが明るくなる状態になっている。
【0036】
図6(a)〜(b)に示すような直線は一次関数で表わすことができるため、本実施の形態では、この一次関数を導出して、さらにこれを基にして副走査方向の各箇所の補正データを算出する。つまり本実施の形態では、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報である補正データを算出する。
【0037】
この補正データを基にして制御部100は、発光部71(図2参照)の光量を制御する。つまり読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離が長くなることにより、明るさが暗い画像として読み取られる箇所については、発光部71の光量を相対的に増加させる。一方、読み取りユニット70と第1プラテンガラス52Aとの距離が短くなることにより、明るさが明るい画像として読み取られる箇所については、発光部71の光量を相対的に減少させる。即ち本実施の形態において、制御部100は、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光の光量に基づき発光部71から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう。更に具体的には、制御部100は、複数の白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させる。本実施の形態の場合、制御部100は、原稿Mと発光部71との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させると言い換えてもよい。
【0038】
これにより第1プラテンガラス52Aがガイドシャフト81に対し傾いた状態で原稿の読み取りを行なっても、これにより生じる副走査方向の読み取り濃度差を補正することができ、副走査方向の読み取り濃度差が生じるのを抑制できる。
【0039】
図7は、図4で説明を行なった白色基準板90A,90Bを用いて副走査方向の読み取り濃度差を補正する手順の第2の例について説明したフローチャートである。
まず制御部100が、読み取りユニット70を1つ目の白色基準板90Aの位置に移動させる(ステップ201)。次に制御部100は、読み取りユニット70により白色基準板90Aの主走査方向の予め定められた複数の箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ202)。本実施の形態では、この箇所を例えば、5箇所とし、図4において、それぞれa1,a2,a3,a4,a5として図示している。そしてこれにより白色基準板90Aを主走査方向に複数の予め定められたブロックに分割したと考えた場合において、このブロック毎の光量データとしての画像データを取得できる。この光量データは、シェーディング補正部205(図3参照)でシェーディング補正を行なうのに使用される。次に制御部100は、読み取りユニット70を2つ目の白色基準板90Bの位置に移動させる(ステップ203)。そして同様に読み取りユニット70により白色基準板90Bの主走査方向の予め定められた複数の箇所を読み取り、画像データを取得する(ステップ204)。なお図4において、この箇所をそれぞれb1,b2,b3,b4,b5として図示している。更に制御部100は、白色基準板90Aから取得した画像データと白色基準板90Bから取得した画像データから副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データを算出する(ステップ205)。
【0040】
なおこのときシェーディング補正に使用するために取得した画像データを利用することもできる。つまり前述したようにシェーディング補正を行なう際には、例えば、主走査方向を5つのブロックに分割し、それぞれのブロック毎に平均光量を算出する。これは、白色基準板90Aを使用した場合は、a1,a2,a3,a4,a5の箇所で読み取った画像データとして扱うことができる。また、白色基準板90Bを使用した場合は、b1,b2,b3,b4,b5の箇所で読み取った画像データとして扱うことができる。
【0041】
この場合、主走査方向も考慮に入れた副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データが取得できる。つまり副走査方向の読み取り濃度差は、主走査方向に対して一様であるとは限らない。そのため図4においてa1−b1間において読み取った光量変化が、例えば、図6(a)のようになり、a5−b5間において読み取った光量変化が、例えば、図6(b)のようになる場合も有り得る。そのため例えば、a1−b1間、a2−b2間、a3−b3間、a4−b4間、a5−b5間において読み取った光量変化も考慮し、補正データを算出する。なおこの場合、これらの箇所の間の箇所については、補間を行なうことで補正データを算出できる。このようにして補正データを算出することで副走査方向の読み取り濃度差が主走査方向において変化した場合でも対応することができる。なおこの補間は、例えば、図6(a)〜(b)を基にして導出された一次関数が有する傾きや切片のパラメータを加重平均することで行なうことができる。
【0042】
なお本実施の形態では、上述のように主走査方向の読み取り濃度差の補正(シェーディング補正)は、白色基準板90A,90Bにより反射され受光部76により受光された光から補正係数を算出し、原稿Mを読み取ることで取得した画像データを補正係数を用いることで補正する。一方、副走査方向の読み取り濃度差の補正は、発光部71の光量を変化させる制御を行なうことで補正する。つまり副走査方向の読み取り濃度差を補正するための補正データは、発光部71の光量を表わすデータである。これは、副走査方向で主走査方向と同様の方法を用いると、S(Signal)/N(Noise)比のS成分が相対的に弱まりやすく、読み取られる画像の解像度が悪化しやすくなるためである。
【0043】
なお上述した例では、白色基準板は2つ使用していたが、3つ以上使用してもよく、また1つで行なうこともできる。
図8は、本実施の形態の白色基準板の他の例について説明した図である。
図8において示した白色基準板90Cは、主走査方向の端部に1つだけ配されている。そして主走査方向が短尺方向となるとともに副走査方向が長尺方向となる矩形形状をしている。そしてこの場合は、例えば、それぞれc1,c2,c3,c4,c5の5箇所について読み取りを行ない、光量データを取得する。
【0044】
図9は、白色基準板90Cを用いた場合に読み取られる光量の変化を説明した図である。ここで横軸は、例えば、図9におけるc1,c2,c3,c4,c5の箇所を表わしている。そして縦軸は、光量を表わす。そしてc1,c2,c3,c4,c5の箇所において読み取った光量をそれぞれ直線で結んだ場合を図示している。
白色基準板90Cを用いることで、副走査方向に対し、より小さな間隔毎に、光量データを取得することができる。そのため副走査方向の読み取り濃度差の補正をより正確に行なうことができる。なお図4で説明した白色基準板90A,90Bと図9で説明した白色基準板90Cとを併用してもよい。
【0045】
<発光部から照射する光の光量を変化させる方法の説明>
本実施の形態では、上述の通り、副走査方向における読み取り濃度差を補正するように発光部71から照射する光の光量を変化させる。そして本実施の形態では、照射する光の明るさを変化させることで光量を変化させるのではなく、発光部71の点灯時間を調整することで発光部71から照射する光の光量を変化させる。これは特に発光部71の発光素子としてLEDを使用する場合、光の明るさを変化させると、色味が変化することがあるためである。
【0046】
図10(a)〜(b)は、発光部71の発光素子としてLEDを使用した場合の色味の変化を示した図である。
図10(a)において本実施の形態で使用する白色のLEDのCIE表色系での色度座標をW点にて示している。また図10(b)は、図10(a)のW点付近の拡大図である。図10(b)では、LEDの明るさを明るくしたときの色度の変化を示している。ここでW1点がLEDの明るさを明るくする前の色度座標であり、W2点がLEDの明るさを明るくした後の色度座標である。これによりLEDを明るくすると色度座標が左下方向に移動する。この場合LEDは青白い色に色味が変化する。つまりこの種類のLEDの場合、青色で発光した光を黄色に変換する蛍光体を利用し、青色と黄色の混色により白色に発光させるものが一般的である。そしてLEDの明るさを変化させるとこの青色と黄色のバランスが変化するため発光色の色味が変化する。そしてこれに起因して読み取られる画像の色味が変化する。
【0047】
そこで本実施の形態では、LEDの明るさは変化させず、LEDの点灯時間を調整することで発光部71から照射する光の光量を変化させている。
図11は、受光素子列76aを動作させるCCD制御(CCD−LS)信号、LEDを点灯させるLED−ON信号、およびLEDを消灯させるLED−WAIT信号について説明した図である。
図11において時間t1において、CCD−LS信号がOFFからONになり、さらに時間t2においてCCD−LS信号がOFFからONになる。即ちこのt1−t2間の時間において、受光素子列76aが光を蓄積する。言い換えればこの時間は、受光素子列76aの主走査方向1ライン分の光の蓄積期間である。
そして時間t1−t2間においてLEDは、点灯を開始し、そして予め定められた時間点灯した後に消灯する。本実施の形態では、時間t1でLED−ON信号が、OFFからONになり、これによりLEDは点灯を開始する。そして時間t3でLED−WAIT信号がOFFからONになり、これによりLEDは消灯する。即ちこの例では、LEDの点灯時間は、t1−t3間の時間となる。この点灯時間は、補正データ生成部206により生成された補正データに従い決定される。そして制御部100がLED−ON信号およびLED−WAIT信号を発光部71に送信することでLEDの点灯時間の制御を行なう。
上述のような制御を行なうことで、読み取られる画像の色味がより変化しにくくなる。
【0048】
<プログラムの説明>
なおこれまで説明を行なった制御部100が行なう処理は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。即ち、制御部100に設けられた制御用コンピュータ内部の図示しないCPUが、制御部100の各機能を実現するプログラムを実行し、上述した制御を行なうことで、これらの各機能を実現させる。
【0049】
よって制御部100が行なう処理は、コンピュータに、原稿から反射された光を受光する受光部76を制御する機能と、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準板90A,90B(90C)に対して光を照射し、白色基準板90A,90B(90C)により反射され受光部76により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる発光部71を制御する機能と、発光部71を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、を実現させるプログラムとして捉えることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…画像読み取りユニット、52A…第1プラテンガラス、52B…第2プラテンガラス、70…読み取りユニット、71…発光部、76…受光部、81…ガイドシャフト、82…駆動モータ、90A,90B,90C…白色基準板、100…制御部、200…信号処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に対して光を照射する照射手段と、
前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、
白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、
前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記原稿と前記照射手段との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記照射手段の点灯時間を調整することで当該照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
原稿を載せるとともに、前記照射手段から当該原稿に照射される光および当該原稿から反射される光を透過する原稿台を更に備え、
前記移動手段は、前記照射手段を案内部材により案内することで前記原稿台に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
原稿に対して光を照射する照射手段と、
前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、
白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、
前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成する処理部と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項7】
前記照射手段の制御を行なう制御部を更に備え、
前記制御部は、前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させることにより前記読み取り濃度差を補正する制御を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から主走査方向における読み取り濃度差を補正するための補正係数を更に作成することを特徴とする請求項6または7に記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
コンピュータに、
原稿から反射された光を受光する受光手段を制御する機能と、
副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材に対して光を照射し、当該白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる照射手段を制御する機能と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項1】
原稿に対して光を照射する照射手段と、
前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、
白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、
前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させる制御を行なう制御部と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量差から導出される副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記原稿と前記照射手段との距離が異なることに起因する副走査方向における読み取り濃度差を補正するように前記照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記照射手段の点灯時間を調整することで当該照射手段から照射する光の光量を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
原稿を載せるとともに、前記照射手段から当該原稿に照射される光および当該原稿から反射される光を透過する原稿台を更に備え、
前記移動手段は、前記照射手段を案内部材により案内することで前記原稿台に沿って移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読み取り装置。
【請求項6】
原稿に対して光を照射する照射手段と、
前記原稿から反射された光を受光する受光手段と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段と、
白色の色校正を行ない、副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材と、
前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から副走査方向における読み取り濃度差を補正するための情報を作成する処理部と、
を備えることを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項7】
前記照射手段の制御を行なう制御部を更に備え、
前記制御部は、前記照射手段から照射する光の光量を副走査方向で変化させることにより前記読み取り濃度差を補正する制御を行なうことを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光から主走査方向における読み取り濃度差を補正するための補正係数を更に作成することを特徴とする請求項6または7に記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
コンピュータに、
原稿から反射された光を受光する受光手段を制御する機能と、
副走査方向の複数箇所で読み取り可能な白色基準部材に対して光を照射し、当該白色基準部材により反射され前記受光手段により受光された光の光量に基づき照射する光の光量を副走査方向で変化させる照射手段を制御する機能と、
前記照射手段を副走査方向に移動させる移動手段を制御する機能と、
を実現させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−70242(P2013−70242A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207386(P2011−207386)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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