画像読取装置および画像形成装置
【課題】 ガラス基板内や有機EL発光層内に閉じ込められている光を外部へ誘導し、光取り出し効率を向上させる装置を提供する。
【解決手段】 画像読取装置は、光を照射するための光源と、照射された光により画像を読み取る読取手段とを備える。この装置は、その光源が、ガラス基板51と、ガラス基板51の一方の面に設けられる有機電界発光層53と、ガラス基板の他方の面に設けられ、ガラス基板51および有機電界発光層53内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光学シート60やマイクロレンズアレイからなる光誘導層とを含む。この装置は、光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なることを特徴とする。
【解決手段】 画像読取装置は、光を照射するための光源と、照射された光により画像を読み取る読取手段とを備える。この装置は、その光源が、ガラス基板51と、ガラス基板51の一方の面に設けられる有機電界発光層53と、ガラス基板の他方の面に設けられ、ガラス基板51および有機電界発光層53内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光学シート60やマイクロレンズアレイからなる光誘導層とを含む。この装置は、光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射して画像を読み取る画像読取装置およびその画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を送信したり、画像を記録するために、イメージスキャナといった画像読取装置が使用されている。イメージスキャナは、外光を遮断するための原稿台カバーと、その原稿台カバーの下に配置される透明なプラスチックまたはガラスからなる原稿台と、原稿台上に置かれた原稿へ光を照射する光源と、原稿情報を電気信号に変換する撮像素子とを備えている。
【0003】
イメージスキャナには、反射型と透過型とがあり、反射型は、原稿台側に光源があり、撮像素子は、原稿に反射した反射光を読み取り、電気信号に変換する。一方、透過型は、原稿台カバーに光源があり、撮像素子は、原稿を透過した透過光を読み取り、電気信号に変換する。
【0004】
このイメージスキャナの光源としては、キセノンランプやハロゲンランプ等が使用されているが、これらのランプは、消費電力が大きく、発熱が大きいことから、装置全体の温度を上昇させ、この温度上昇は、ピントのずれを生じさせ、良好な画像を得ることができないという問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、消費電力が少なく、発熱も少ないLEDが提案されているが、LEDは、点光源であり、光の拡散や集光を生じることから、光源として使用する場合には、LEDを一列に並べ、導光体を通して光を照射する構成としたり、配列したLEDの前に長尺のレンズ系を配置する構成として、集光度を高くしている。しかしながら、LEDは、光学系の大型化や部品点数の増加に伴う調整やコストの課題が存在する。
【0006】
そこで、LEDに代わる光源として、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)が提案されている。例えば、有機ELのシート状発光源を備え、シート状発光源は配線の密度が長手方向の中心付近と周辺付近とで異なり、その中心付近より周辺付近の方を高くすることにより、縮小光学系となる結像レンズを用いた場合、ラインセンサ上の結像光量が画角に応じて変化する読取光学系においてもラインセンサ上の結像素子を画角に応じず均等に保つことができるように構成された照明ユニットが提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術は、被照射物情報を結像レンズにより、ラインセンサ上に縮小結像して読み取る縮小光学系において、レンズの画角に起因する光量の変化を補正するために、有機EL層の陽極層および陰極層の配線密度をシート状発光源の長手方向における中心付近と周辺付近とで変え、照明ユニットの中心部と周辺部で注入する電流量を制御することにより、照明ユニットの中心部と周辺部のそれぞれの照明光量を変化させている。これでは、配線密度の差異に応じて電流ムラが生じ、電流の差異に応じて発光量の差異が発生し、光量ムラが発生するという問題があった。
【0008】
また、電流の差異に基づく電流ムラから発光面の発熱温度に差異が生じ、発光面の温度差異に応じて発光量の差異が発生し、光量ムラが発生するという問題もあった。
【0009】
さらに、光量アップのために注入する電流を増加させると、発光面の温度が上昇し、発光面の温度が高い部分に熱が集中し、熱暴走が起き、熱により発光面が破壊されるという問題もあった。
【0010】
一方、有機EL発光層から発光した光は、ガラス基板と空気との境界面で全反射により全ての光が外部には出てこない。有機EL内で発生した光に対し、外部に出てくる光の割合を光取り出し効率といい、この光取り出し効率は、現在のところ約10〜20%という極めて低い値である。
【0011】
このため、ガラス基板内や有機EL発光層内に閉じ込められている光を外部へ誘導し、光取り出し効率を向上させることができる構造が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題に鑑み、光を照射するための光源と、照射された光により画像を読み取る読取手段とを備える画像読取装置において、光源を、ガラス基板と、そのガラス基板の一方の面に設けられる有機電界発光層と、ガラス基板の他方の面に設けられ、ガラス基板および有機電界発光層内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光誘導層とを含む構成とする。そして、光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なるように構成する。
【0013】
光誘導層を設けることで、外部へ光を取り出すことができ、その光取り出し効率を主走査方向の中央部と両端部で変えることで、高効率で光を取り出すことが可能となる。有機電界発光層は、特別な形状ではなく、主走査方向の中央部と両端部で副走査方向への長さが同じ長方形とすることができ、この場合、中央部と両端部で発光面積が同じで、配線密度も一定であることから、電流や熱の差異による光量ムラを防止することができる。
【0014】
上記の光取り出し効率は、中央部より両端部の方が大きいことが好ましい。ラインセンサ上の結像光量が画角に応じて変化する縮小光学系においても、ラインセンサ上の結像光量を画角に応じず、均等に保つことができるからである。
【0015】
また、中央部と両端部の光取り出し効率が、読取手段が備える光を電気信号に変換するための光電変換素子(CCD)表面における光量が主走査方向全体において均一になるように調整されることが好ましい。これは、レンズのCOS4条則に従う主走査方向の両端部の光量低下を防止することができるからである。
【0016】
光誘電層は、例えば、ガラス基板の他方の面に貼付され、主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列する光学シートにより形成することができる。また、光誘導層は、ガラス基板の他方の面に貼付される複数のマイクロレンズにより構成されるマイクロレンズアレイにより形成することも可能である。
【0017】
また、光源を載置して移動させるための搬送手段をさらに備えることができる。これにより、原稿を移動させる必要がなくなり、小型で低消費電力のブック原稿を読み取る画像読取装置を実現することができる。
【0018】
本発明では、上記の画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができる。画像形成装置は、コピー装置、FAX装置、複合機等とすることができ、上記の画像読取装置を備えることで、画像品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態のカラー画像読取装置の全体構成図。
【図2】本実施形態のカラー画像読取装置の制御系の構成を示した図。
【図3】SBU、VIOB、SCUの詳細構成を示した図。
【図4】VIOB上に搭載された信号処理回路の概略ブロック図。
【図5】有機EL光源の形状の一例を示した図。
【図6】有機EL光源の構成を示した断面図。
【図7】光学シートが貼り付けられた光源を例示した図。
【図8】複数のマイクロレンズが貼り付けられた光源を例示した図。
【図9】一般的なスキャナの縮小光学系のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図10】メカシェーディング板を設け、主走査方向中央部の光量をカットし、CCD受光面での光量を均一にする場合のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図11】キセノンランプの肩上げ配光した場合のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図12】主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えるように光学シートが貼り付けられた光源を例示した図。
【図13】主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えるように複数のマイクロレンズが貼り付けられた光源を例示した図。
【図14】図12に示す光学シートまたは図13に示すマイクロレンズアレイの配置とした場合の有機EL光量の配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態のカラー画像読取装置の全体構成図である。このカラー画像読取装置は、スキャナ本体と、ARDF(自動両面原稿搬送装置)とから構成されている。
【0021】
スキャナ本体は、原稿が載せられる原稿台ガラス10と、光源としての照明ランプ11と、第1ミラー12とを備える。照明ランプ11と第1ミラー12は、搬送手段としての第1キャリッジ13に搭載され、原稿台下側を移動しながら走査を行うように構成されている。
【0022】
スキャナ本体は、搬送手段としての第2キャリッジ14上に搭載される第2ミラー15および第3ミラー16と、レンズ17と、CCDが搭載されたSBU18とを備える。原稿からの反射光は、上記の第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16により走査され、レンズ17により集束され、SBU18に照射されることにより電気信号に光電変換される。
【0023】
また、スキャナ本体は、スキャナモータ19を備えており、第1キャリッジ13および第2キャリッジ14を、キャリッジホーム位置から最大走査領域方向へ移動可能にしている。最大走査領域方向とは、原稿台の長辺方向である。
【0024】
ARDFは、原稿を載せるための原稿ガイド20を備える原稿台21と、呼び出しコロ22と、給紙ベルト23と、搬送コロ24と、分離コロ25と、第1搬送ローラ26と、DF用原稿ガラス27と、反射ガイド板28と、第2搬送ローラ29と、排紙ローラ30と、レジストセンサ31と、分岐爪32と、反転ローラ33と、反転テーブル34とから構成されている。
【0025】
片面原稿読み取りが選択された場合には、ARDFは、呼び出しコロ22により原稿を取り込み、搬送コロ24の回転により給紙ベルト23上を、原稿を移動させ、分離コロ25により原稿を1枚ずつに分離し、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読み取り位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へと送り込まれ、原稿が排出される。DF用原稿ガラス27の前段には、レジストセンサ31が設けられていて、読み取り位置へ原稿が搬送される際の原稿の先端や後端のタイミングを検知することができる。
【0026】
一方、両面原稿読み取りが選択された場合には、まず、上記と同様にして片面の原稿読み取りを実施する。片面原稿読み取りでは、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込まれると、原稿は排紙されるが、両面原稿読み取りでは、その原稿を排紙せず、分岐爪32が下方へ切り替えられ、反転ローラ33により反転テーブル34上へ移送される。原稿の後端が排紙ローラ30を通り抜けた後、分岐爪32が上方へ切り替えられ、一旦反転ローラ33が停止する。
【0027】
原稿の裏面の読み取りを実施する場合、一旦停止していた反転ローラ33を上記とは反対に回転させ、原稿を反転テーブル34から第1搬送ローラ26へ搬送する。そして、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読み取り位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り、原稿を排出する。原稿は、読み取り位置を通過する際、読み取り位置近傍に停止している照明ランプ11から出射される光が照射され、その反射光が、第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16により走査され、レンズ17により集束され、SBU18に照射されることにより電気信号に光電変換される。
【0028】
ARDFが備える呼び出しコロ22、給紙ベルト23、搬送コロ24、分離コロ25といった給紙機構は、図示しない給紙モータにより駆動され、第1搬送ローラ26、第2搬送ローラ29、排紙ローラ30、反転ローラ33といった搬送機構は、図示しない搬送モータにより駆動される。
【0029】
ARDFは、さらに、原稿を検知するために、原稿台21に原稿がセットされているか否かを検知するセットセンサ35と、原稿サイズを検知するための幅サイズ検知基板36と、原稿長さを検知するための原稿長さ第1センサ37および第2センサ38と、原稿の後端を検知するための原稿後端センサ39とが設けられている。
【0030】
また、スキャナ本体には、スキャナ本体とARDFとを含むカラー画像読取装置の動作制御を行うSCU40が設けられている。
【0031】
図2は、本実施形態のカラー画像読取装置の制御系の構成を示した図で、図3は、SBU、VIOB、SCUの詳細構成を示した図である。図1では、照明ランプ11から出射された光が原稿に反射し、第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16で反射され、レンズ17で集束され、SUB18に照射されることにより電気信号に光電変換されるところまで説明した。SUB18上のCCD100に入光した原稿の反射光は、CCD100内で光の強度に応じた電圧値をもつアナログ信号に変換され、奇数ビットと偶数ビットとに分かれて出力される。このSBU18から出力されるアナログ信号は、VIOB41上でアナログ処理回路101により暗電位部分が除去され、奇数ビットと偶数ビットとが合成され、所定の振幅にゲイン調整された後、A/Dコンバータ102へ入力される。A/Dコンバータ102では、そのゲイン調整されたアナログ信号がデジタル信号化される。
【0032】
デジタル信号化されたそのアナログ信号は、デジタル画像信号として、シェーディング部103で画像ムラをなくすシェーディング補正が行われ、VIOB41からSCU40上のIPU104でγ補正やMTF補正等の画像処理が行われる。その後、同期信号画像クロックとともにビデオ信号として、SDRAM106を管理するメモリコントローラ105に入力され、そのSDRAM106に格納される。
【0033】
SDRAM106に格納された画像データは、外部I/Fドライバ107へ送られ、PCやプリンタ等の外部出力装置120へ転送される。外部I/Fドライバ107としては、SCSI、IEEE1394、LAN等のドライバや、ローカルVideo信号等のドライバがある。
【0034】
SCU40上には、CPU108、ROM109、RAM110、NVRAM111、モータドライバ112が実装されており、CPU108は、スキャナ本体のスキャナモータ19や、ARDFの給紙/反転モータ42、搬送モータ43のタイミング制御も行っている。ADU44は、ARDFに用いられる電装部品の電力供給を中継する機能を有している。SCU40上のCPU108に接続されている入力ポートは、VIOB41を介して本体操作パネル(SOP)45に接続されている。SOP45上には、スタートスイッチや停止スイッチ等が実装され、各スイッチが押下されると、入力ポートを介してCPU108が、スイッチがONにされたことを検知する。
【0035】
図2および図3には、その他複数のセンサやコントローラ等が示されているが、ここでは本発明に関係するセンサやコントローラ等について説明し、その他については説明を省略する。
【0036】
図4は、信号処理基板VIOB41上に搭載された信号処理回路の概略ブロック図である。CCD100は、偶数(EVEN)および奇数(ODD)の画素の2系統のアナログ信号を出力し、アナログ処理部131へ出力する。アナログ処理部131は、各信号の増幅回路としてアンプ132、133を備えており、入力されたアナログ信号をゲイン分増幅し、オフセット調整部134においてオフセットを調整した後、出力する。
【0037】
アナログ処理部131の出力側には、A/D変換手段としてのA/Dコンバータ137、138を備えるデジタル処理部136が設けられている。このデジタル処理部136は、さらに、A/Dコンバータ137、138により各々変換されたデジタル信号が入力される信号補正部139を備えている。この信号補正部139は、シェーディング補正処理、その他の各種デジタル補正処理を行うものであり、補正処理後のデジタル画像データを後段の画像処理部(IPU)104へ出力する。
【0038】
なお、信号補正部139で補正されたデジタル信号は、D/Aコンバータへも送られ、アナログ信号へ変換された後、リファレンス信号としてアンプ132、133、オフセット調整部134へ送られ、また、リファレンス部においてA/Dコンバータ137、138の基準電圧が生成され、A/Dコンバータ137、138へ入力される。
【0039】
図5は、有機EL光源50の形状の一例を示した図である。上記最大走査領域方向と垂直な方向である主走査方向に対応する長手方向の大きさは、有効読み取り幅であるA3幅(297mm)以上、またはA4幅(210mm)以上として設定する。光源は、長手方向へ長くされ、上記最大走査領域方向と同じ方向の幅が一定の長方形に形成されたものとされる。なお、厚さも一定である。このような形状とすることで、配線密度が一定となり、電流や熱の差異による光量ムラを防止することができる。
【0040】
図6は、有機EL光源50の構成を示した断面図である。有機EL光源50は、ガラス基板51上に透明電極52が設けられ、その上に有機EL発光層53が設けられ、さらに上に電極54が設けられ、これらを覆うように封止膜55が設けられた構造とされている。透明電極52は、ITO(酸化インジウム錫)とすることができ、透明電極52と有機EL発光層53との間には、透明電極52上に有機正孔注入層、有機正孔輸送層をさらに設けることができ、また、有機EL発光層53と電極54との間には、有機電子注入層、有機電子輸送層を設けることができる。また、電極54は、アルミニウム、銀、マグネシウム合金、カルシウム等の金属電極で、その電極54と封止膜55との間に、伝熱材を含むことができ、封止膜55の外側には、放熱材を設けることができる。
【0041】
有機EL光源50の発光方式としては、ガラス基板51側から光が放射される方式であるボトムエミッションと、封止膜55側から光が放射される方式であるトップエミッションとがある。
【0042】
一般に、ガラスと空気では、ガラスを通る光の波長は短く、空気を通る光の波長は長いことから、空気側からガラスへと入射される光は、全反射することはないが、ガラス側から空気へと入射される光は、全反射することがありうる。この場合、ガラスと空気との境界線に対するガラス側から入射される光の入射角が約41°を超えると、全反射する。全反射した光は、ガラス内で全反射を繰り返し、ガラス内に閉じ込められる。これでは、光の取り出し効率が低下してしまう。そこで、ガラス基板51に、以下に例示するシートやアレイを貼り付けることで、全反射により閉じ込められる光を所望の方向に取り出すように構成する。
【0043】
光を外部へ誘導する光取り出し構造の例として、図7に光取り出し光学シートを用いる場合を示し、図8にマイクロレンズアレイを用いる場合を示す。図7では、有機EL発光層53が設けられたガラス基板51の表面の裏側に光取り出し光学シート60が接着剤により貼り付けられている。この光学シート60は、先鋭な山と谷が繰り返される、表面にプリズムパターンが形成されたシートとされ、ガラス面と空気との境界線で全反射により、ガラス基板内に閉じ込められる光を外部の所望の方向に取り出すことができる構造とされている。接着剤は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール等の透明な接着剤を用いることができる。
【0044】
図8では、有機EL発光層53が設けられたガラス基板51の裏側に複数のマイクロレンズ70が貼り付けられている。このマイクロレンズ70も、先鋭ではないものの、山と谷が繰り返される凹凸を有する形状とされ、ガラス面と空気との境界線で全反射により、ガラス基板内に閉じ込められる光を外部の所望の方向に取り出すことができる構造とされている。これも、上述した接着剤を用いて貼付することができる。
【0045】
ここで、一般的なスキャナの縮小光学系のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を、図9に示す。図9(a)に示すように、キセノンランプの配光を、主走査方向で100%フラット配光とすると、結像レンズを通した光は、図9(b)に示すように、COS(コサイン)4乗則に従って主走査方向の両端部の光量が小さくなる。
【0046】
COS4乗則は、入射角と照度との関係を示すもので、レンズに入射する光の入射角が光軸に対してθである場合、入射後の光の照度が、入射前の光の照度のコサインの四乗に比例した率で低下することを示した式で表される。
【0047】
そこで、図10に示すように、メカシェーディング板を設け、主走査方向中央部の光量をカットし、CCD受光面での光量を均一にする方法がある。このメカシェーディング板は、中央部の開口が幅狭とされ、両端部へいくにつれて開口の幅が広くなっている。このような形状により、中央部の光量を、両端部に比較してカットすることができる。
【0048】
図10(a)に示すように、主走査方向に100%フラット配光で出力すると、図10(b)に示すように、結像レンズを通した光は、主走査方向の両端部の光量が中央部に比較して小さくなるという問題は生じないものの、全体的に光量がカットされ、そのカットされた光量は、ロスとなるため、CCD受光面における光量が低下するという問題がある。
【0049】
そこで、図11(a)に示すように、キセノンランプの配光を100%フラット配光にするのではなく、中央部を100%とし、主走査方向の両端部を向上させ、CCD受光面での光量を均一にすることを考える。これは、キセノンランプの肩上げ配光と呼ばれる方法である。このようにすることで、図11に示すように、光量が全体的にカットされることはなく、中央部も、両端部も同じ光量で受光することができる。
【0050】
この方法は、主走査方向の両端部と中央部で電極の配線密度を変えることで実現することができるが、投入されるエネルギーが両端部と中央部とで異なることから、温度の差異等が発生し、照度低下率等の特性が両端部と中央部とで異なるという問題がある。
【0051】
そこで、電極の配線密度を変えるのではなく、上述した光取り出し構造を修正し、エネルギーロスや光量低下率の差異を発生させないようにする。
【0052】
図12および図13に示すように、主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えた光取り出し光学シート60またはマイクロレンズアレイを用いる。具体的には、光取り出し効率を主走査方向の両端部で大きくするために、図12(a)、(b)および図13(a)、(b)に示すように、光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の密度をその両端部において密にし、中央部では小さくするために、その中央部におけるその光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の密度を粗にする。光学シート60またはマイクロレンズ70のサイズがすべて同じ大きさである場合は、このように密または粗にすることで実現することができるが、図12(c)および図13(c)に示すように、大きさを変更することができる場合には、光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の大きさを両端部において大きくし、中央部で小さくすることにより実現することができる。
【0053】
図14は、図12または図13に示すような光学シート60またはマイクロレンズ70の配置とした場合の有機EL光量の配光とCCD受光面光量との関係を示した図である。中央部の光量を100%とし、両端部の光量を120%とすると、CCD受光面での光量が均一となる。有機EL光源50の形状は、図5に示す主走査方向に長く、幅一定の長方形で、厚さも一定で、発光量は全面均一としているので、両端部と中央部で温度差が生じ、光量低下率の差異が発生することはない。また、光取り出し効率を、両端部と中央部とで変えているため、光量カットによる光エネルギーロスが発生することもない。
【0054】
ちなみに、図12に示す構造は、光学シート60がガラス基板51に接する主面と他の2面とにより構成され、主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列したものとされ、主面に対する2面の角度(プリズム角)を調整することにより、光を所望の方向へ誘導することができる。また、両端部と中央部とで光学シートの数が異なり、両端部で密、中央部で粗となっているため、CCD受光面での光量が均一となる。
【0055】
図13に示す構造は、マイクロレンズアレイがガラス基板51に接する主面と他の曲面とにより構成される複数のマイクロレンズ70により構成され、主面に対する曲面の角度を調整することにより、光を所望の方向へ誘導することができる。また、この場合も、両端部と中央部とでレンズの数が異なり、両端部で密、中央部で粗となっているため、CCD受光面での光量が均一となる。
【0056】
このような構成とした光源を、図1に示す第1キャリッジ13に載置し、その光源が原稿面を走査して照明することにより、原稿読み取りにおける光取り出し効率を改善することができ、従来のキセノンランプやLED等の光源に比較して小型で低消費電力の画像読取装置を提供することが可能となる。
【0057】
画像読取装置としては、スキャナ装置を挙げることができる。本発明では、画像読取装置に加え、この画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができるものである。画像形成装置としては、コピー機、FAX装置のほか、スキャナ機能、コピー機能、FAX機能および印刷機能を備える複合機(MFP)を挙げることができる。この画像形成装置は、画像読取装置から出力された画像データを印刷用データへ変換し、印刷出力する。
【0058】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
10…原稿台ガラス、11…照明ランプ、12…第1ミラー、13…第1キャリッジ、14…第2キャリッジ、15…第2ミラー、16…第3ミラー、17…レンズ、18…SBU、19…スキャナモータ、20…原稿ガイド、21…原稿台、22…呼び出しコロ、23…給紙ベルト、24…搬送コロ、25…分離コロ、26…第1搬送ローラ、27…DF用原稿ガラス、28…反射ガイド板、29…第2搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…レジストセンサ、32…分岐爪、33…反転ローラ、34…反転テーブル、35…セットセンサ、36…幅サイズ検知基板、37…原稿長さ第1センサ、38…原稿長さ第2センサ、39…原稿後端センサ、40…SCU、41…VIOB、42…給紙/反転モータ、43…搬送モータ、44…ADU、45…SOP、50…有機EL光源、51…ガラス基板、52…透明電極、53…有機EL発光層、54…電極、55…封止膜、60…光学シート、70…マイクロレンズ、100…CCD、101…アナログ処理回路、102…A/Dコンバータ、103…シェーディング部、104…IPU、105…メモリコントローラ、106…SDRAM、107…外部I/F、108…CPU、109…ROM、110…RAM、111…NVRAM、112…モータドライバ、120…外部出力装置、131…アナログ処理部、132、133…アンプ、134…オフセット調整部、136…デジタル処理部、137、138…A/Dコンバータ、139…信号補正部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2009−53241号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を照射して画像を読み取る画像読取装置およびその画像読取装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿を送信したり、画像を記録するために、イメージスキャナといった画像読取装置が使用されている。イメージスキャナは、外光を遮断するための原稿台カバーと、その原稿台カバーの下に配置される透明なプラスチックまたはガラスからなる原稿台と、原稿台上に置かれた原稿へ光を照射する光源と、原稿情報を電気信号に変換する撮像素子とを備えている。
【0003】
イメージスキャナには、反射型と透過型とがあり、反射型は、原稿台側に光源があり、撮像素子は、原稿に反射した反射光を読み取り、電気信号に変換する。一方、透過型は、原稿台カバーに光源があり、撮像素子は、原稿を透過した透過光を読み取り、電気信号に変換する。
【0004】
このイメージスキャナの光源としては、キセノンランプやハロゲンランプ等が使用されているが、これらのランプは、消費電力が大きく、発熱が大きいことから、装置全体の温度を上昇させ、この温度上昇は、ピントのずれを生じさせ、良好な画像を得ることができないという問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、消費電力が少なく、発熱も少ないLEDが提案されているが、LEDは、点光源であり、光の拡散や集光を生じることから、光源として使用する場合には、LEDを一列に並べ、導光体を通して光を照射する構成としたり、配列したLEDの前に長尺のレンズ系を配置する構成として、集光度を高くしている。しかしながら、LEDは、光学系の大型化や部品点数の増加に伴う調整やコストの課題が存在する。
【0006】
そこで、LEDに代わる光源として、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)が提案されている。例えば、有機ELのシート状発光源を備え、シート状発光源は配線の密度が長手方向の中心付近と周辺付近とで異なり、その中心付近より周辺付近の方を高くすることにより、縮小光学系となる結像レンズを用いた場合、ラインセンサ上の結像光量が画角に応じて変化する読取光学系においてもラインセンサ上の結像素子を画角に応じず均等に保つことができるように構成された照明ユニットが提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術は、被照射物情報を結像レンズにより、ラインセンサ上に縮小結像して読み取る縮小光学系において、レンズの画角に起因する光量の変化を補正するために、有機EL層の陽極層および陰極層の配線密度をシート状発光源の長手方向における中心付近と周辺付近とで変え、照明ユニットの中心部と周辺部で注入する電流量を制御することにより、照明ユニットの中心部と周辺部のそれぞれの照明光量を変化させている。これでは、配線密度の差異に応じて電流ムラが生じ、電流の差異に応じて発光量の差異が発生し、光量ムラが発生するという問題があった。
【0008】
また、電流の差異に基づく電流ムラから発光面の発熱温度に差異が生じ、発光面の温度差異に応じて発光量の差異が発生し、光量ムラが発生するという問題もあった。
【0009】
さらに、光量アップのために注入する電流を増加させると、発光面の温度が上昇し、発光面の温度が高い部分に熱が集中し、熱暴走が起き、熱により発光面が破壊されるという問題もあった。
【0010】
一方、有機EL発光層から発光した光は、ガラス基板と空気との境界面で全反射により全ての光が外部には出てこない。有機EL内で発生した光に対し、外部に出てくる光の割合を光取り出し効率といい、この光取り出し効率は、現在のところ約10〜20%という極めて低い値である。
【0011】
このため、ガラス基板内や有機EL発光層内に閉じ込められている光を外部へ誘導し、光取り出し効率を向上させることができる構造が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題に鑑み、光を照射するための光源と、照射された光により画像を読み取る読取手段とを備える画像読取装置において、光源を、ガラス基板と、そのガラス基板の一方の面に設けられる有機電界発光層と、ガラス基板の他方の面に設けられ、ガラス基板および有機電界発光層内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光誘導層とを含む構成とする。そして、光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なるように構成する。
【0013】
光誘導層を設けることで、外部へ光を取り出すことができ、その光取り出し効率を主走査方向の中央部と両端部で変えることで、高効率で光を取り出すことが可能となる。有機電界発光層は、特別な形状ではなく、主走査方向の中央部と両端部で副走査方向への長さが同じ長方形とすることができ、この場合、中央部と両端部で発光面積が同じで、配線密度も一定であることから、電流や熱の差異による光量ムラを防止することができる。
【0014】
上記の光取り出し効率は、中央部より両端部の方が大きいことが好ましい。ラインセンサ上の結像光量が画角に応じて変化する縮小光学系においても、ラインセンサ上の結像光量を画角に応じず、均等に保つことができるからである。
【0015】
また、中央部と両端部の光取り出し効率が、読取手段が備える光を電気信号に変換するための光電変換素子(CCD)表面における光量が主走査方向全体において均一になるように調整されることが好ましい。これは、レンズのCOS4条則に従う主走査方向の両端部の光量低下を防止することができるからである。
【0016】
光誘電層は、例えば、ガラス基板の他方の面に貼付され、主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列する光学シートにより形成することができる。また、光誘導層は、ガラス基板の他方の面に貼付される複数のマイクロレンズにより構成されるマイクロレンズアレイにより形成することも可能である。
【0017】
また、光源を載置して移動させるための搬送手段をさらに備えることができる。これにより、原稿を移動させる必要がなくなり、小型で低消費電力のブック原稿を読み取る画像読取装置を実現することができる。
【0018】
本発明では、上記の画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができる。画像形成装置は、コピー装置、FAX装置、複合機等とすることができ、上記の画像読取装置を備えることで、画像品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態のカラー画像読取装置の全体構成図。
【図2】本実施形態のカラー画像読取装置の制御系の構成を示した図。
【図3】SBU、VIOB、SCUの詳細構成を示した図。
【図4】VIOB上に搭載された信号処理回路の概略ブロック図。
【図5】有機EL光源の形状の一例を示した図。
【図6】有機EL光源の構成を示した断面図。
【図7】光学シートが貼り付けられた光源を例示した図。
【図8】複数のマイクロレンズが貼り付けられた光源を例示した図。
【図9】一般的なスキャナの縮小光学系のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図10】メカシェーディング板を設け、主走査方向中央部の光量をカットし、CCD受光面での光量を均一にする場合のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図11】キセノンランプの肩上げ配光した場合のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【図12】主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えるように光学シートが貼り付けられた光源を例示した図。
【図13】主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えるように複数のマイクロレンズが貼り付けられた光源を例示した図。
【図14】図12に示す光学シートまたは図13に示すマイクロレンズアレイの配置とした場合の有機EL光量の配光とCCD受光面光量との関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態のカラー画像読取装置の全体構成図である。このカラー画像読取装置は、スキャナ本体と、ARDF(自動両面原稿搬送装置)とから構成されている。
【0021】
スキャナ本体は、原稿が載せられる原稿台ガラス10と、光源としての照明ランプ11と、第1ミラー12とを備える。照明ランプ11と第1ミラー12は、搬送手段としての第1キャリッジ13に搭載され、原稿台下側を移動しながら走査を行うように構成されている。
【0022】
スキャナ本体は、搬送手段としての第2キャリッジ14上に搭載される第2ミラー15および第3ミラー16と、レンズ17と、CCDが搭載されたSBU18とを備える。原稿からの反射光は、上記の第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16により走査され、レンズ17により集束され、SBU18に照射されることにより電気信号に光電変換される。
【0023】
また、スキャナ本体は、スキャナモータ19を備えており、第1キャリッジ13および第2キャリッジ14を、キャリッジホーム位置から最大走査領域方向へ移動可能にしている。最大走査領域方向とは、原稿台の長辺方向である。
【0024】
ARDFは、原稿を載せるための原稿ガイド20を備える原稿台21と、呼び出しコロ22と、給紙ベルト23と、搬送コロ24と、分離コロ25と、第1搬送ローラ26と、DF用原稿ガラス27と、反射ガイド板28と、第2搬送ローラ29と、排紙ローラ30と、レジストセンサ31と、分岐爪32と、反転ローラ33と、反転テーブル34とから構成されている。
【0025】
片面原稿読み取りが選択された場合には、ARDFは、呼び出しコロ22により原稿を取り込み、搬送コロ24の回転により給紙ベルト23上を、原稿を移動させ、分離コロ25により原稿を1枚ずつに分離し、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読み取り位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へと送り込まれ、原稿が排出される。DF用原稿ガラス27の前段には、レジストセンサ31が設けられていて、読み取り位置へ原稿が搬送される際の原稿の先端や後端のタイミングを検知することができる。
【0026】
一方、両面原稿読み取りが選択された場合には、まず、上記と同様にして片面の原稿読み取りを実施する。片面原稿読み取りでは、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り込まれると、原稿は排紙されるが、両面原稿読み取りでは、その原稿を排紙せず、分岐爪32が下方へ切り替えられ、反転ローラ33により反転テーブル34上へ移送される。原稿の後端が排紙ローラ30を通り抜けた後、分岐爪32が上方へ切り替えられ、一旦反転ローラ33が停止する。
【0027】
原稿の裏面の読み取りを実施する場合、一旦停止していた反転ローラ33を上記とは反対に回転させ、原稿を反転テーブル34から第1搬送ローラ26へ搬送する。そして、第1搬送ローラ26によりDF用原稿ガラス27と反射ガイド板28との間の読み取り位置を経て、第2搬送ローラ29および排紙ローラ30へ送り、原稿を排出する。原稿は、読み取り位置を通過する際、読み取り位置近傍に停止している照明ランプ11から出射される光が照射され、その反射光が、第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16により走査され、レンズ17により集束され、SBU18に照射されることにより電気信号に光電変換される。
【0028】
ARDFが備える呼び出しコロ22、給紙ベルト23、搬送コロ24、分離コロ25といった給紙機構は、図示しない給紙モータにより駆動され、第1搬送ローラ26、第2搬送ローラ29、排紙ローラ30、反転ローラ33といった搬送機構は、図示しない搬送モータにより駆動される。
【0029】
ARDFは、さらに、原稿を検知するために、原稿台21に原稿がセットされているか否かを検知するセットセンサ35と、原稿サイズを検知するための幅サイズ検知基板36と、原稿長さを検知するための原稿長さ第1センサ37および第2センサ38と、原稿の後端を検知するための原稿後端センサ39とが設けられている。
【0030】
また、スキャナ本体には、スキャナ本体とARDFとを含むカラー画像読取装置の動作制御を行うSCU40が設けられている。
【0031】
図2は、本実施形態のカラー画像読取装置の制御系の構成を示した図で、図3は、SBU、VIOB、SCUの詳細構成を示した図である。図1では、照明ランプ11から出射された光が原稿に反射し、第1ミラー12、第2ミラー15および第3ミラー16で反射され、レンズ17で集束され、SUB18に照射されることにより電気信号に光電変換されるところまで説明した。SUB18上のCCD100に入光した原稿の反射光は、CCD100内で光の強度に応じた電圧値をもつアナログ信号に変換され、奇数ビットと偶数ビットとに分かれて出力される。このSBU18から出力されるアナログ信号は、VIOB41上でアナログ処理回路101により暗電位部分が除去され、奇数ビットと偶数ビットとが合成され、所定の振幅にゲイン調整された後、A/Dコンバータ102へ入力される。A/Dコンバータ102では、そのゲイン調整されたアナログ信号がデジタル信号化される。
【0032】
デジタル信号化されたそのアナログ信号は、デジタル画像信号として、シェーディング部103で画像ムラをなくすシェーディング補正が行われ、VIOB41からSCU40上のIPU104でγ補正やMTF補正等の画像処理が行われる。その後、同期信号画像クロックとともにビデオ信号として、SDRAM106を管理するメモリコントローラ105に入力され、そのSDRAM106に格納される。
【0033】
SDRAM106に格納された画像データは、外部I/Fドライバ107へ送られ、PCやプリンタ等の外部出力装置120へ転送される。外部I/Fドライバ107としては、SCSI、IEEE1394、LAN等のドライバや、ローカルVideo信号等のドライバがある。
【0034】
SCU40上には、CPU108、ROM109、RAM110、NVRAM111、モータドライバ112が実装されており、CPU108は、スキャナ本体のスキャナモータ19や、ARDFの給紙/反転モータ42、搬送モータ43のタイミング制御も行っている。ADU44は、ARDFに用いられる電装部品の電力供給を中継する機能を有している。SCU40上のCPU108に接続されている入力ポートは、VIOB41を介して本体操作パネル(SOP)45に接続されている。SOP45上には、スタートスイッチや停止スイッチ等が実装され、各スイッチが押下されると、入力ポートを介してCPU108が、スイッチがONにされたことを検知する。
【0035】
図2および図3には、その他複数のセンサやコントローラ等が示されているが、ここでは本発明に関係するセンサやコントローラ等について説明し、その他については説明を省略する。
【0036】
図4は、信号処理基板VIOB41上に搭載された信号処理回路の概略ブロック図である。CCD100は、偶数(EVEN)および奇数(ODD)の画素の2系統のアナログ信号を出力し、アナログ処理部131へ出力する。アナログ処理部131は、各信号の増幅回路としてアンプ132、133を備えており、入力されたアナログ信号をゲイン分増幅し、オフセット調整部134においてオフセットを調整した後、出力する。
【0037】
アナログ処理部131の出力側には、A/D変換手段としてのA/Dコンバータ137、138を備えるデジタル処理部136が設けられている。このデジタル処理部136は、さらに、A/Dコンバータ137、138により各々変換されたデジタル信号が入力される信号補正部139を備えている。この信号補正部139は、シェーディング補正処理、その他の各種デジタル補正処理を行うものであり、補正処理後のデジタル画像データを後段の画像処理部(IPU)104へ出力する。
【0038】
なお、信号補正部139で補正されたデジタル信号は、D/Aコンバータへも送られ、アナログ信号へ変換された後、リファレンス信号としてアンプ132、133、オフセット調整部134へ送られ、また、リファレンス部においてA/Dコンバータ137、138の基準電圧が生成され、A/Dコンバータ137、138へ入力される。
【0039】
図5は、有機EL光源50の形状の一例を示した図である。上記最大走査領域方向と垂直な方向である主走査方向に対応する長手方向の大きさは、有効読み取り幅であるA3幅(297mm)以上、またはA4幅(210mm)以上として設定する。光源は、長手方向へ長くされ、上記最大走査領域方向と同じ方向の幅が一定の長方形に形成されたものとされる。なお、厚さも一定である。このような形状とすることで、配線密度が一定となり、電流や熱の差異による光量ムラを防止することができる。
【0040】
図6は、有機EL光源50の構成を示した断面図である。有機EL光源50は、ガラス基板51上に透明電極52が設けられ、その上に有機EL発光層53が設けられ、さらに上に電極54が設けられ、これらを覆うように封止膜55が設けられた構造とされている。透明電極52は、ITO(酸化インジウム錫)とすることができ、透明電極52と有機EL発光層53との間には、透明電極52上に有機正孔注入層、有機正孔輸送層をさらに設けることができ、また、有機EL発光層53と電極54との間には、有機電子注入層、有機電子輸送層を設けることができる。また、電極54は、アルミニウム、銀、マグネシウム合金、カルシウム等の金属電極で、その電極54と封止膜55との間に、伝熱材を含むことができ、封止膜55の外側には、放熱材を設けることができる。
【0041】
有機EL光源50の発光方式としては、ガラス基板51側から光が放射される方式であるボトムエミッションと、封止膜55側から光が放射される方式であるトップエミッションとがある。
【0042】
一般に、ガラスと空気では、ガラスを通る光の波長は短く、空気を通る光の波長は長いことから、空気側からガラスへと入射される光は、全反射することはないが、ガラス側から空気へと入射される光は、全反射することがありうる。この場合、ガラスと空気との境界線に対するガラス側から入射される光の入射角が約41°を超えると、全反射する。全反射した光は、ガラス内で全反射を繰り返し、ガラス内に閉じ込められる。これでは、光の取り出し効率が低下してしまう。そこで、ガラス基板51に、以下に例示するシートやアレイを貼り付けることで、全反射により閉じ込められる光を所望の方向に取り出すように構成する。
【0043】
光を外部へ誘導する光取り出し構造の例として、図7に光取り出し光学シートを用いる場合を示し、図8にマイクロレンズアレイを用いる場合を示す。図7では、有機EL発光層53が設けられたガラス基板51の表面の裏側に光取り出し光学シート60が接着剤により貼り付けられている。この光学シート60は、先鋭な山と谷が繰り返される、表面にプリズムパターンが形成されたシートとされ、ガラス面と空気との境界線で全反射により、ガラス基板内に閉じ込められる光を外部の所望の方向に取り出すことができる構造とされている。接着剤は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール等の透明な接着剤を用いることができる。
【0044】
図8では、有機EL発光層53が設けられたガラス基板51の裏側に複数のマイクロレンズ70が貼り付けられている。このマイクロレンズ70も、先鋭ではないものの、山と谷が繰り返される凹凸を有する形状とされ、ガラス面と空気との境界線で全反射により、ガラス基板内に閉じ込められる光を外部の所望の方向に取り出すことができる構造とされている。これも、上述した接着剤を用いて貼付することができる。
【0045】
ここで、一般的なスキャナの縮小光学系のキセノンランプの配光とCCD受光面光量との関係を、図9に示す。図9(a)に示すように、キセノンランプの配光を、主走査方向で100%フラット配光とすると、結像レンズを通した光は、図9(b)に示すように、COS(コサイン)4乗則に従って主走査方向の両端部の光量が小さくなる。
【0046】
COS4乗則は、入射角と照度との関係を示すもので、レンズに入射する光の入射角が光軸に対してθである場合、入射後の光の照度が、入射前の光の照度のコサインの四乗に比例した率で低下することを示した式で表される。
【0047】
そこで、図10に示すように、メカシェーディング板を設け、主走査方向中央部の光量をカットし、CCD受光面での光量を均一にする方法がある。このメカシェーディング板は、中央部の開口が幅狭とされ、両端部へいくにつれて開口の幅が広くなっている。このような形状により、中央部の光量を、両端部に比較してカットすることができる。
【0048】
図10(a)に示すように、主走査方向に100%フラット配光で出力すると、図10(b)に示すように、結像レンズを通した光は、主走査方向の両端部の光量が中央部に比較して小さくなるという問題は生じないものの、全体的に光量がカットされ、そのカットされた光量は、ロスとなるため、CCD受光面における光量が低下するという問題がある。
【0049】
そこで、図11(a)に示すように、キセノンランプの配光を100%フラット配光にするのではなく、中央部を100%とし、主走査方向の両端部を向上させ、CCD受光面での光量を均一にすることを考える。これは、キセノンランプの肩上げ配光と呼ばれる方法である。このようにすることで、図11に示すように、光量が全体的にカットされることはなく、中央部も、両端部も同じ光量で受光することができる。
【0050】
この方法は、主走査方向の両端部と中央部で電極の配線密度を変えることで実現することができるが、投入されるエネルギーが両端部と中央部とで異なることから、温度の差異等が発生し、照度低下率等の特性が両端部と中央部とで異なるという問題がある。
【0051】
そこで、電極の配線密度を変えるのではなく、上述した光取り出し構造を修正し、エネルギーロスや光量低下率の差異を発生させないようにする。
【0052】
図12および図13に示すように、主走査方向の両端部と中央部で光取り出し効率を変えた光取り出し光学シート60またはマイクロレンズアレイを用いる。具体的には、光取り出し効率を主走査方向の両端部で大きくするために、図12(a)、(b)および図13(a)、(b)に示すように、光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の密度をその両端部において密にし、中央部では小さくするために、その中央部におけるその光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の密度を粗にする。光学シート60またはマイクロレンズ70のサイズがすべて同じ大きさである場合は、このように密または粗にすることで実現することができるが、図12(c)および図13(c)に示すように、大きさを変更することができる場合には、光学シート60またはマイクロレンズ70の凸部の大きさを両端部において大きくし、中央部で小さくすることにより実現することができる。
【0053】
図14は、図12または図13に示すような光学シート60またはマイクロレンズ70の配置とした場合の有機EL光量の配光とCCD受光面光量との関係を示した図である。中央部の光量を100%とし、両端部の光量を120%とすると、CCD受光面での光量が均一となる。有機EL光源50の形状は、図5に示す主走査方向に長く、幅一定の長方形で、厚さも一定で、発光量は全面均一としているので、両端部と中央部で温度差が生じ、光量低下率の差異が発生することはない。また、光取り出し効率を、両端部と中央部とで変えているため、光量カットによる光エネルギーロスが発生することもない。
【0054】
ちなみに、図12に示す構造は、光学シート60がガラス基板51に接する主面と他の2面とにより構成され、主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列したものとされ、主面に対する2面の角度(プリズム角)を調整することにより、光を所望の方向へ誘導することができる。また、両端部と中央部とで光学シートの数が異なり、両端部で密、中央部で粗となっているため、CCD受光面での光量が均一となる。
【0055】
図13に示す構造は、マイクロレンズアレイがガラス基板51に接する主面と他の曲面とにより構成される複数のマイクロレンズ70により構成され、主面に対する曲面の角度を調整することにより、光を所望の方向へ誘導することができる。また、この場合も、両端部と中央部とでレンズの数が異なり、両端部で密、中央部で粗となっているため、CCD受光面での光量が均一となる。
【0056】
このような構成とした光源を、図1に示す第1キャリッジ13に載置し、その光源が原稿面を走査して照明することにより、原稿読み取りにおける光取り出し効率を改善することができ、従来のキセノンランプやLED等の光源に比較して小型で低消費電力の画像読取装置を提供することが可能となる。
【0057】
画像読取装置としては、スキャナ装置を挙げることができる。本発明では、画像読取装置に加え、この画像読取装置を備える画像形成装置も提供することができるものである。画像形成装置としては、コピー機、FAX装置のほか、スキャナ機能、コピー機能、FAX機能および印刷機能を備える複合機(MFP)を挙げることができる。この画像形成装置は、画像読取装置から出力された画像データを印刷用データへ変換し、印刷出力する。
【0058】
これまで本発明を上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
10…原稿台ガラス、11…照明ランプ、12…第1ミラー、13…第1キャリッジ、14…第2キャリッジ、15…第2ミラー、16…第3ミラー、17…レンズ、18…SBU、19…スキャナモータ、20…原稿ガイド、21…原稿台、22…呼び出しコロ、23…給紙ベルト、24…搬送コロ、25…分離コロ、26…第1搬送ローラ、27…DF用原稿ガラス、28…反射ガイド板、29…第2搬送ローラ、30…排紙ローラ、31…レジストセンサ、32…分岐爪、33…反転ローラ、34…反転テーブル、35…セットセンサ、36…幅サイズ検知基板、37…原稿長さ第1センサ、38…原稿長さ第2センサ、39…原稿後端センサ、40…SCU、41…VIOB、42…給紙/反転モータ、43…搬送モータ、44…ADU、45…SOP、50…有機EL光源、51…ガラス基板、52…透明電極、53…有機EL発光層、54…電極、55…封止膜、60…光学シート、70…マイクロレンズ、100…CCD、101…アナログ処理回路、102…A/Dコンバータ、103…シェーディング部、104…IPU、105…メモリコントローラ、106…SDRAM、107…外部I/F、108…CPU、109…ROM、110…RAM、111…NVRAM、112…モータドライバ、120…外部出力装置、131…アナログ処理部、132、133…アンプ、134…オフセット調整部、136…デジタル処理部、137、138…A/Dコンバータ、139…信号補正部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【特許文献1】特開2009−53241号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射するための光源と、照射された前記光により画像を読み取る読取手段とを備える画像読取装置であって、
前記光源が、ガラス基板と、前記ガラス基板の一方の面に設けられる有機電界発光層と、前記ガラス基板の他方の面に設けられ、前記ガラス基板および前記有機電界発光層内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光誘導層とを含み、
前記光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なることを特徴とする、画像読取装置。
【請求項2】
前記光取り出し効率は、前記中央部より前記両端部の方が大きいことを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記中央部と前記両端部の前記光取り出し効率が、前記読取手段が備える光を電気信号に変換するための光電変換素子(CCD)表面における光量が前記主走査方向全体において均一になるように調整されることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光誘電層は、前記ガラス基板の他方の面に貼付され、前記主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列する光学シートにより形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記光誘導層は、前記ガラス基板の他方の面に貼付される複数のマイクロレンズにより構成されるマイクロレンズアレイにより形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記光源を載置して移動させるための搬送手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読取装置を備える、画像形成装置。
【請求項1】
光を照射するための光源と、照射された前記光により画像を読み取る読取手段とを備える画像読取装置であって、
前記光源が、ガラス基板と、前記ガラス基板の一方の面に設けられる有機電界発光層と、前記ガラス基板の他方の面に設けられ、前記ガラス基板および前記有機電界発光層内に閉じ込められる光を外部へ誘導する光誘導層とを含み、
前記光誘導層により取り出される光の光取り出し効率が、主走査方向の中央部と両端部とで異なることを特徴とする、画像読取装置。
【請求項2】
前記光取り出し効率は、前記中央部より前記両端部の方が大きいことを特徴とする、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記中央部と前記両端部の前記光取り出し効率が、前記読取手段が備える光を電気信号に変換するための光電変換素子(CCD)表面における光量が前記主走査方向全体において均一になるように調整されることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光誘電層は、前記ガラス基板の他方の面に貼付され、前記主走査方向に延びる断面が三角形とされた複数のプリズムが配列する光学シートにより形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記光誘導層は、前記ガラス基板の他方の面に貼付される複数のマイクロレンズにより構成されるマイクロレンズアレイにより形成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記光源を載置して移動させるための搬送手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読取装置を備える、画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−71607(P2011−71607A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218791(P2009−218791)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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