説明

画像読取装置

【課題】画像読取装置において、出力タイプが異なるCISのいずれが設けられたとしても、製造コストを抑えながら、CISからメモリに記憶される各画素データを画素配列順に読み出し、画像への各種処理を正確に実行する。
【解決手段】画像読取装置1は、CIS2から出力される各画素データをCIS2の出力タイプに応じたアドレスに記憶するメモリ3と、記憶制御回路4とを備える。記憶制御回路4は、CIS2の出力タイプ情報を基に、メモリ3から画素データを読み出す方法を変える。これにより、出力タイプが異なるCIS2のいずれが設けられたとしても、メモリ3から各画素データを画素配列順に読み出すことができ、画像への各種処理を正確に実行できる。しかも、画像処理を正確に行えるようにするために、製造の際、CIS2の出力タイプ毎に、CIS2に対応した記憶制御回路を用意する必要がなくなり、従って、部品の共通化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿の画像をCIS(Contact Image Sensor)により読み取り、その読み取った画像データをメモリに格納し、画像補正処理等の際に、メモリから画像データを読み出して、画像に各種の処理を施す画像読取装置が知られている。
【0003】
CISは、1方向に配列された複数の受光素子を有しており、各受光素子に対して相対移動する原稿の画像を、受光素子により1ラインずつ読み取り、各受光素子の受光量を画像の各画素データとする。画像読取装置は、CISから出力された各画素データをメモリに書き込む。
【0004】
このようなCISには、画素データの出力方式が異なるリニア出力タイプと分離出力タイプが在る。リニア出力タイプは、各画素データを画素配列順に出力する。分離出力タイプは、各画素を、基準画素から数えて奇数番目に配置された画素から成る奇数画素グループと、基準画素から数えて偶数番目に配置された画素から成る偶数画素グループとに分離して、それら分離されたグループ毎に画素データを画素配列順に出力する。
【0005】
上記画像読取装置においては、いずれの出力タイプのCISを用いるかによって、メモリ内の画素データの書き込み位置が異なる。従って、従来の画像読取装置においては、製造時に、CISの出力タイプ毎に、CISに対応して画素データを画素配列順に読み出す画像読出し回路を用意して組み込み、これにより、出荷後、画素データを画素配列順に読み出して、画像への各種処理を正確に実行できるようにしている。しかしながら、製造時に、CISの出力タイプ別に、CISに対応した画像読出し回路を準備する必要があり、製造コストが増加してしまう。
【0006】
ところで、CISの出力方式に応じて、メモリにおいてCISによる読取画像データの書き込みアドレスを制御する画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、画像読取装置ではないが、読み取った画像を複数のブロックに分割し、各ブロックの画像を並行に出力可能なCIS(例えば、特許文献2参照)や、解像度に応じた読取速度が実現可能であり、かつ、高速なCIS(例えば、特許文献3参照)が知られている。しかしながら、特許文献1〜3に記載の技術では、上記の問題を解決することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−191362号公報
【特許文献2】特開平6−189080号公報
【特許文献3】特開平11−234473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、出力タイプが異なるCISのいずれが設けられたとしても、製造コストを抑えながら、CISから記憶手段に記憶される各画素データを画素配列順に読み出すことができ、画像への各種処理を正確に実行することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の画像読取装置は、1方向に配列された複数の受光素子を有し、該複数の受光素子に対して相対移動する原稿の画像を該受光素子により1ラインずつ読み取り、各受光素子の受光量を該画像の各画素データとするCIS(Contact Image Sensor)と、前記CISにより読み取られた各ラインの画像データを記憶するための記憶手段と、前記CISにより読み取られ該CISから出力される各ラインの画像データを前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記記憶手段に記憶されている各ラインの画像データを読み出す画像読出し手段と、前記画像読出し手段により読み出された各ラインの画像データを基に各種処理を実行可能な処理手段と、を備え、前記記憶制御手段は、前記CISからの各画素データの出力順と各画素データのアドレスの順序とが同じになるように各画素データを前記記憶手段に記憶させる画像読取装置において、前記CISは、前記各画素データを画素配列順に出力する第1の出力タイプであるか、又は、前記各画素を、基準画素から数えて奇数番目に配置された画素から成る奇数画素グループと、該基準画素から数えて偶数番目に配置された画素から成る偶数画素グループとに分離して、それら分離されたグループ毎に画素データを画素配列順に出力する第2の出力タイプであり、前記CISが前記第1の出力タイプと前記第2の出力タイプのいずれであるかをユーザが入力するためのタイプ判別手段と、を備え、前記記憶制御手段は、前記タイプ判別手段により前記CISが第1の出力タイプであると判別されたときには、前記記憶手段の予め設定された第1のスタートアドレスから順に前記各画素データを記憶させ、前記タイプ判別手段により前記CISが第2の出力タイプであると判別されたときには、該CISから出力される各画素データが前記奇数画素グループと前記偶数画素グループのいずれであるかを判別し、前記奇数画素グループと判別された画素データを、前記記憶手段の予め設定された第2のスタートアドレスから順に記憶させ、前記偶数画素グループと判別された画素データを、該記憶手段の予め設定された第3のスタートアドレスから順に記憶させ、前記画像読出し手段は、前記タイプ判別手段により前記CISが第1の出力タイプであると判別されたときには、前記第1のスタートアドレスから順に画素データを読み出すことにより、各画素データを画素配列順に読み出し、前記タイプ判別手段により前記CISが第2の出力タイプであると判別されたときには、前記第2のスタートアドレスと前記第3のスタートアドレスとから順に、前記奇数画素グループの画素データと前記偶数画素グループの画素データとを交互に読み出すことにより、各画素データを画素配列順に読み出すことを特徴とする。
【0010】
この発明において、前記CISは、前記受光素子の受光量の分解能が予め定められた複数種類のいずれかであり、前記分解能が前記複数種類のいずれであるかを入力するための分解能入力手段と、前記画像読出し手段から前記処理手段に伝送される前記画素データを一時的に記憶する画素記憶手段と、前記画素記憶手段に前記画素データが格納される毎に該画素記憶手段のポインタをインクリメントするポインタインクリメント手段と、をさらに備え、前記ポインタインクリメント手段は、前記分解能入力手段により入力される分解能情報を基に、前記ポインタのインクリメントの回数を調整することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、CISが、読み取った各画素データを異なった方式で出力する出力タイプのいずれであったとしても、画像読出し手段は、タイプ判別手段により判別されたCISの出力タイプ情報を基に、CISから出力され記憶手段に記憶される各画素データを画素配列順に読み出すことができ、画像への各種処理を正確に実行することができる。しかも、画像処理を正確に行えるようにするために、製造の際、CISの出力タイプ毎に、CISに対応した画像読出し手段を用意する必要がなくなり、従って、部品の共通化を図ることができ、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の電気的ブロック図。
【図2】上記装置においてメモリに格納された画素データを読み出す処理の一部の手順を示すフローチャート。
【図3】上記の残りの手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る画像読取装置について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の画像読取装置の構成を示す。この画像読取装置1は、原稿の画像を読み取るスキャナ等に適用される。画像読取装置1は、上記画像を読み取るCIS(Contact Image Sensor)2と、CIS2により読み取られた画像データを記憶するためのメモリ3(記憶手段)と、CIS2により読み取られた画像データをメモリ3に記憶させ、かつ、メモリ3から適宜、画像データを読み出す記憶制御回路4(記憶制御手段、画像読出し手段)とを備える。記憶制御回路4は、CIS2の後述する出力タイプ及び分解能の種類に応じて、データ読出し処理の内容を変更する。
【0014】
また、画像読取装置1は、記憶制御回路4により読み出された画像データに所定の処理を施すことにより、画像のガンマ補正を行うガンマ補正回路5(処理手段)と、記憶制御回路4からガンマ補正回路5へのデータ伝送経路中に設けられ、画像データを一時的に記憶するFIFO(First in, First Out)回路6(画素記憶手段)とを備える。さらに、画像読取装置1は、CIS2の分解能の種類を入力するための入力回路7(分解能入力手段)と、上記各回路を制御し、かつCIS2の出力タイプを判別するマイクロプロセッサ8(タイプ判別手段)とを備える。
【0015】
CIS2は、1方向に配列された複数の受光素子を有するラインセンサである。このラインセンサは、複数の受光素子に対して相対移動する原稿の画像を一定期間毎又は一定移動距離毎に、受光素子により1ラインずつ読み取り、各受光素子の受光量を、読み取った画像の各画素データとし、各画素データをライン毎に画素配列順に出力する。上記受光素子の配列方向は、原稿の副走査方向と同じである。上記受光素子と原稿とを相対的に移動させるため、CIS2が原稿の主走査方向に移動可能に構成されていてもよいし、画像読取装置1に、原稿を上記受光素子の配列方向と直交する方向に移動させる移動機構が設けられていてもよい。
【0016】
CIS2は、画素データの出力方式が異なるリニア出力タイプと分離出力タイプのいずれでもよい。リニア出力タイプ(第1の出力タイプ)は、各画素データを画素配列順に出力する。分離出力タイプ(第2の出力タイプ)は、各画素を、基準画素から数えて奇数番目に配置された画素(以下、奇数画素という)から成る奇数画素グループと、基準画素から数えて偶数番目に配置された画素(以下、偶数画素という)から成る偶数画素グループとに分離して、それら分離されたグループ毎に画素データを画素配列順に出力する。画像読取装置1は、CIS2がいずれの出力タイプであっても、CIS2と通信可能に構成されている。CIS2は、分離出力タイプの場合、まず奇数画素グループの画素データを送出し、次に偶数画素グループの画素データを送出する。また、CIS2は、各受光素子の受光量の分解能が予め定められた複数種類のいずれかであり、画像読取装置1は、それら複数種類の分解能のいずれにも対応可能に構成されている。本実施形態のCIS2の分解能は、例えば8ビットと16ビット(実際に使用されるのは12ビットの画素データ)の2種類のいずれかである。
【0017】
メモリ3は、CIS2により読み取られた各ラインの画像データを記憶可能なSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等により構成される。メモリ3の記憶単位は例えば8ビットである。
【0018】
記憶制御回路4は、DMA I/F(Direct Memory Access Interface)等により構成される。記憶制御回路4は、CIS2から出力される各ラインの画像データをメモリ3に記憶させる。各ラインの画像データは、1ラインの画素データ列から成っている。記憶制御回路4は、ライン毎に、CIS2からの各画素データの出力順と各画素データのアドレスの順序とが同じになるように各画素データをメモリ3に記憶させる。
【0019】
また、記憶制御回路4(ポインタインクリメント手段)は、FIFO回路6に画素データが格納される毎にFIFO回路6のポインタをインクリメントする機能を有する。
【0020】
FIFO回路6は、記憶制御回路4からガンマ補正回路5に転送される画素データを一時的に記憶するバッファリング方式のフロー制御回路により構成される。このフロー制御回路は、転送される画素データを、ガンマ補正回路5が処理可能な状態になるまで記憶し、その後、ガンマ補正回路5に出力する。この出力順は、画素データがFIFO回路6に入力された順と同じ順序である。FIFO回路6の記憶単位は例えば8ビットにする。
【0021】
入力回路7は、CIS2の各受光素子の分解能が上記複数種類のいずれであるかを入力するためのインタフェース等により構成されており、本実施形態では、上記分解能が8ビットと16ビットの2種類のいずれであるかを入力可能とされている。入力回路7は、例えば、そのような入力のためのトグルスイッチ、波形スイッチ、又はスライドスイッチ等の2極スイッチを有する。上記分解能についての入力情報に基づき、記憶制御回路4は、FIFO回路6のポインタのインクリメントの回数を調整する。具体的には、記憶制御回路4は、上記分解能が8ビットと入力されたとき、インクリメントの回数を1回とし、上記分解能が16ビットと入力されたとき、インクリメントの回数を2回とする。入力回路7は、上記分解能の種類だけでなく、他の情報も入力可能であってもよい。
【0022】
マイクロプロセッサ8には、CIS2により出力された画素データが入力され、マイクロプロセッサ8は、その入力された画素データを記憶制御回路4に転送する。記憶制御回路4は、この転送された画素データをメモリ3に格納する。また、マイクロプロセッサ8は、CIS2がリニア出力タイプと分離出力タイプのいずれであるかを判別する。この判別処理は、例えば、マイクロプロセッサ8においてCIS2からの画素データ入力用に設けた端子のうち、実際に画素データが入力された端子数に応じて行われる。その端子数が1つであればCIS2はリニア出力タイプと判別され、上記端子数が2つであれば分離出力タイプと判別される。
【0023】
次に、記憶制御回路4におけるメモリ3へのデータ書込み処理について説明する。記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8によりCIS2がリニア出力タイプであると判別されたときには、メモリ3の予め設定された第1スタートアドレスから順に各画素データを記憶させる。CIS2により読み取られたライン画像が複数である場合、最初に読み取られたライン画像の画素データ列は、上記のように格納される。そして、次以降に読み取られたライン画像の画素データ列は、最初のライン画像が格納されたアドレス領域の続きに連続して、ラインの読取り順と同じアドレス順で格納される。
【0024】
記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8によりCIS2が分離出力タイプであると判別されたときには、CIS2から出力される各画素データが奇数画素グループと偶数画素グループのいずれであるかを判別する。この判別処理においては、例えば、予め設定されたCIS2の画素数、又は入力回路7から入力されるCIS2の画素数に基づいて奇数画素の個数が算出される。そして、CIS2から出力される画素データの個数がカウントされ、そのカウント数が上記の算出された奇数画素の個数と等しくなるまでは、出力される画素データが奇数画素のデータであると判別され、その後に出力される画素データについては偶数画素のデータと判別される。
【0025】
そして、記憶制御回路4は、奇数画素グループと判別された画素データを、メモリ3の予め設定された第2スタートアドレスから順に記憶させ、偶数画素グループと判別された画素データを、メモリ3の予め設定された第3スタートアドレスから順に記憶させる。CIS2により読み取られたライン画像が複数である場合、最初に読み取られたライン画像の奇数画素グループと偶数画素グループとは、上記のように格納される。そして、次以降に読み取られたライン画像の奇数画素グループと偶数画素グループとは、それぞれ、最初のライン画像の奇数画素グループと偶数画素グループとがそれぞれ格納されたアドレス領域の続きに連続して、ラインの読取り順と同じアドレス順で格納される。上記第1スタートアドレス、第2スタートアドレス、及び第3スタートアドレスは、入力回路7により設定可能であり、第1スタートアドレスと第2スタートアドレスとは同じでもよい。第3スタートアドレスは、第2スタートアドレスよりもアドレス値が大きく設定される。
【0026】
次に、記憶制御回路4におけるメモリ3からの画素データ読出し処理について説明する。記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8によりCIS2がリニア出力タイプであると判別されたときには、第1スタートアドレスから順に画素データを読み出し、それにより、各画素データをライン順に、かつライン毎の画素配列順に読み出す。記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8によりCIS2が分離出力タイプであると判別されたときには、第2スタートアドレスと第3スタートアドレスとから順に、奇数画素グループの画素データと偶数画素グループの画素データとを交互に読み出し、それにより、各画素データをライン順に、かつライン毎の画素配列順に読み出す。そして、記憶制御回路4は、読み出された画素データを順次、FIFO回路6に書き込む。
【0027】
図2及び図3は、上記画素データ読出し処理の詳細な手順の一例を示す。図2に示されるように、記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8によりCIS2がリニア出力タイプであると判別されたとき(S101でYes)、メモリ3のポインタを第1スタートアドレスに設定する(S102)。
【0028】
入力回路7により、CIS2の各受光素子の分解能が8ビットである旨が入力された場合(S103でYes)、記憶制御回路4は、メモリ3のポインタにより指定されるアドレスの画素データを読み出し(S104)、その読み出された画素データを、FIFO回路6においてポインタにより指定される記憶領域に書き込む(S105)。
【0029】
そして、記憶制御回路4は、メモリ3のポインタを1回、インクリメントし(S106)、FIFO回路6のポインタを1回、インクリメントする(S107)。全画素データの読出しが終了していなければ(S108でNo)、S104〜S107の処理が繰り返され、第1スタートアドレスから順に画素データが読み出される。
【0030】
入力回路7により、CIS2の各受光素子の分解能が16ビットである旨が入力された場合(S103でNo、S109でYes)、記憶制御回路4は、メモリ3のポインタにより指定されるアドレスと次のアドレスの画素データを読み出し(S110)、その読み出された画素データを、FIFO回路6においてポインタにより指定される記憶領域に書き込む(S111)。
【0031】
記憶制御回路4は、メモリ3のポインタを2回、インクリメントし(S112)、FIFO回路6のポインタを2回、インクリメントする(S113)全画素データの読出しが終了していなければ(S114でNo)、S110〜S113の処理が繰り返される。
【0032】
図3に示されるように、マイクロプロセッサ8によりCIS2が分離出力タイプであると判別されたとき(S101でNo、S201でYes)、記憶制御回路4は、メモリ3のポインタを第2スタートアドレスに設定する(S202)。入力回路7により、CIS2の各受光素子の分解能が8ビットである旨が入力された場合(S203でYes)、S104、S105、S107と同内容の処理を実行する(S204〜S206)。
【0033】
記憶制御回路4は、全画素データの読出しが終了していなければ(S207でNo)、メモリ3において、現在のポインタが指定しているアドレスに、第3スタートアドレスと第2スタートアドレスとのアドレス差を加えたアドレスを算出し(S208)、その算出したアドレスにポインタを移動させる(S209)。その後、S104〜S107と同じ内容の処理が実行される(S210〜S213)。
【0034】
記憶制御回路4は、全画素データの読出しが終了していなければ(S214でNo)、メモリ3において、現在のポインタが指定するアドレスから上記アドレス差を減じたアドレスを算出し(S215)、その算出したアドレスにポインタを移動し(S216)、S204の処理に戻る。
【0035】
入力回路7により、CIS2の各受光素子の分解能が16ビットである旨が入力された場合(S203でNo、S217でYes)、S110、S111、S113と同内容の処理を実行する(S218〜S220)。
【0036】
記憶制御回路4は、全画素データの読出しが終了していなければ(S221でNo)、S208、S209、S110〜S113と同内容の処理を行う(S222〜S227)。その後、記憶制御回路4は、全画素データの読出しが終了していなければ(S228でNo)、S215、S216と同内容の処理を実施し(S229、S230)、S218以降の処理を再び実行する。
【0037】
本実施形態においては、CIS2が、読み取った各画素データを出力する方式がリニア出力タイプと分離出力タイプのいずれであったとしても、記憶制御回路4は、マイクロプロセッサ8により判別されるCIS2の出力タイプ情報を基に、CIS2から出力されメモリ3に記憶される各画素データを画素配列順に読み出すことができる。従って、ガンマ補正回路5による画像へのガンマ補正を正確に実行することができる。しかも、ガンマ補正処理を正確に行えるようにするために、製造時に、CIS2の出力タイプ毎に、CIS2に対応した記憶制御回路を用意する必要がなくなり、従って、部品の共通化を図ることができ、製造コストを抑えることができる。
【0038】
また、CIS2の各受光素子の受光量の分解能が8ビットと16ビットのいずれであっても、記憶制御回路4は、入力回路7から入力される分解能情報を基に、各受光素子の受光量に対応する各画素データを画素単位で、FIFO回路6を介してガンマ補正回路5に正確に伝送することができる。従って、ガンマ補正回路5によるガンマ補正の正確さを向上することができる。しかも、ガンマ補正処理を正確に行えるようにするために、製造時に、分解能が異なるCIS2毎に、CIS2に対応した記憶制御回路を用意する必要がなくなり、従って、部品の共通化を図ることができる。
【0039】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、原稿画像の各ラインの画像データにデータ処理を施し、ガンマ処理以外の他の処理を原稿画像に実行可能な処理回路を設けてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 画像読取装置
2 CIS
3 メモリ(記憶手段)
4 記憶制御回路(記憶制御手段、画像読出し手段、ポインタインクリメント手段)
5 ガンマ補正回路(処理手段)
6 FIFO回路(画素記憶手段)
7 入力回路(分解能入力手段)
8 マイクロプロセッサ(タイプ判別手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1方向に配列された複数の受光素子を有し、該複数の受光素子に対して相対移動する原稿の画像を該受光素子により1ラインずつ読み取り、各受光素子の受光量を該画像の各画素データとするCIS(Contact Image Sensor)と、
前記CISにより読み取られた各ラインの画像データを記憶するための記憶手段と、
前記CISにより読み取られ該CISから出力される各ラインの画像データを前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されている各ラインの画像データを読み出す画像読出し手段と、
前記画像読出し手段により読み出された各ラインの画像データを基に各種処理を実行可能な処理手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記CISからの各画素データの出力順と各画素データのアドレスの順序とが同じになるように各画素データを前記記憶手段に記憶させる画像読取装置において、
前記CISは、前記各画素データを画素配列順に出力する第1の出力タイプであるか、又は、前記各画素を、基準画素から数えて奇数番目に配置された画素から成る奇数画素グループと、該基準画素から数えて偶数番目に配置された画素から成る偶数画素グループとに分離して、それら分離されたグループ毎に画素データを画素配列順に出力する第2の出力タイプであり、
前記CISが前記第1の出力タイプと前記第2の出力タイプのいずれであるかを判別するタイプ判別手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、
前記タイプ判別手段により前記CISが第1の出力タイプであると判別されたときには、前記記憶手段の予め設定された第1のスタートアドレスから順に前記各画素データを記憶させ、
前記タイプ判別手段により前記CISが第2の出力タイプであると判別されたときには、該CISから出力される各画素データが前記奇数画素グループと前記偶数画素グループのいずれであるかを判別し、前記奇数画素グループと判別された画素データを、前記記憶手段の予め設定された第2のスタートアドレスから順に記憶させ、前記偶数画素グループと判別された画素データを、該記憶手段の予め設定された第3のスタートアドレスから順に記憶させ、
前記画像読出し手段は、
前記タイプ判別手段により前記CISが第1の出力タイプであると判別されたときには、前記第1のスタートアドレスから順に画素データを読み出すことにより、各画素データを画素配列順に読み出し、
前記タイプ判別手段により前記CISが第2の出力タイプであると判別されたときには、前記第2のスタートアドレスと前記第3のスタートアドレスとから順に、前記奇数画素グループの画素データと前記偶数画素グループの画素データとを交互に読み出すことにより、各画素データを画素配列順に読み出すことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記CISは、前記受光素子の受光量の分解能が予め定められた複数種類のいずれかであり、
前記分解能が前記複数種類のいずれであるかを入力するための分解能入力手段と、
前記画像読出し手段から前記処理手段に伝送される前記画素データを一時的に記憶する画素記憶手段と、
前記画素記憶手段に前記画素データが格納される毎に該画素記憶手段のポインタをインクリメントするポインタインクリメント手段と、をさらに備え、
前記ポインタインクリメント手段は、前記分解能入力手段により入力される分解能情報を基に、前記ポインタのインクリメントの回数を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−95010(P2012−95010A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239092(P2010−239092)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】