説明

画像送信装置

【課題】送信の度にキー入力等によるメール定型文の編集をしなくても,送信する種々の画像データに適したメール定型文を容易に選択することが可能な画像送信装置を提供すること。
【解決手段】本発明の複合機1は,読み取り部11と,読み取った画像の属性を取得する画像属性取得部51と,複数のメール定型文およびそのタイトルを属性と対応づけて記憶する定型文記憶部61と,定型文記憶部61に記憶されたメール定型文のタイトルを表示する表示部25と,取得した属性に対応づけられているメール定型文のタイトルを,それ以外のメール定型文のタイトルから区別して表示するように,表示部25を制御する表示制御部53と,タイトルが表示されたメール定型文から,使用するものを選択する操作をユーザに行わせる選択操作部26と,読み取り部で生成した画像データを,選択されたメール定型文とともに装置外へ送信する送信部55とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,読み取った画像を電子メールとして送信可能な画像送信装置に関する。さらに詳細には,画像を電子メール形式で送信する場合に,画像データにメール定型文を付加して送信することができる画像送信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より,画像をスキャナで読み取って,公衆電話回線を介して送信するFAX装置が使用されている。さらに,読み取った画像を画像データに変換して画像ファイルとし,電子メール形式としてインターネット回線等を介して送信する装置も使用されている。画像を電子メール形式で送信する場合には,画像ファイルのみでなく送り状に相当するメール定型文を付加して送信することが多く行われる。
【0003】
このような画像送信装置において,メール定型文を付加するためのユーザの負担を軽減するために,様々な工夫がなされている。例えば,送信元や送信先を示すデータをあらかじめ記憶させておき,短縮キー等による選択入力によってメール定型文を選択できるようにしたものがある。また,送信メールアドレスの入力だけで,あらかじめ決められた形式のメール定型文を自動的に作成して送信するファクシミリ装置が開示されている(例えば,特許文献1参照。)。
【0004】
上記の技術では,決められた形式のメール定型文以外のものを使用しようとすると,キー入力等によってメール定型文の編集を行う必要がある。一般にこのような装置では,装置の大型化を避ける傾向から表示画面はあまり大きいものではない。また,入力キーもあまり充実していないことが多い。そのため,メール定型文の編集作業はあまり容易とは言えなかった。このことから,従来より,なるべく多くの種類のメール定型文をあらかじめ用意して,ユーザに選択させるようにしている。
【特許文献1】特開2003−283749号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来の技術では,いろいろな種類の画像データに柔軟に対応しようとすればするほど,記憶させるメール定型文の種類が増える。あまり大きくない表示画面では,当然すべての選択肢を表示することは困難になる。従って,スクロール等によって対応することになる。しかし,ユーザにとって,スクロール等によって現在の表示画面上に表示されなくなったメール定型文をすべて覚えていることは難しい。そのため,多種類のメール定型文の中から適切なものを選択することは容易とは言えなかった。
【0006】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,送信の度にキー入力等によるメール定型文の編集をしなくても,送信する種々の画像データに適したメール定型文を容易に選択することが可能な画像送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像送信装置は,原稿の画像を読み取って画像データを生成する読み取り部と,読み取り部で読み取った画像の属性を取得する画像属性取得部と,複数のメール定型文およびそのタイトルを,画像属性取得部で取得されうる属性と対応づけて記憶する定型文記憶部と,定型文記憶部に記憶されたメール定型文のタイトルを表示する表示部と,画像属性取得部で取得した属性に対応づけられているメール定型文のタイトルを,それ以外のメール定型文のタイトルから区別して表示するように,表示部を制御する表示制御部と,表示部にタイトルが表示されたメール定型文から,使用するものを選択する操作をユーザに行わせる選択操作部と,読み取り部で生成した画像データを,選択操作部で選択されたメール定型文とともに電子メールにより装置外へ送信する送信部とを有するものである。
【0008】
本発明の画像送信装置によれば,画像属性取得部によって読み取った画像の属性が取得される。さらに,その属性に対応づけられているメール定型文のタイトルが,他のものから区別して表示される。従って,ユーザは,属性に対応づけられた定型文を送信したい場合には,区別して表示されているものから選択すればよい。すなわち,あらかじめ選択肢がある程度絞られていることとなるので,選択は容易である。
【0009】
また,タイトルによって表示されることから,小さい表示部であってもある程度の数の選択肢を表示できるので,さらに選択は容易である。なお,タイトルは,メール定型文とは別に記憶されるものとは限らない。例えば,記憶されているメール定型文の一部を自動的にタイトルとして扱うものであってもよい。その場合には,定型文記憶部には少なくともメール定型文が記憶されていればよい。
【0010】
なお,画像の属性に対応づけられたもの以外のメール定型文を選択したいユーザは,区別して表示されているもの以外から選択することもできる。すなわち,選択の幅を小さくしたものではないので,ユーザのその時々の必要性に応じて自由な選択が可能である。従って,送信の度にキー入力等によるメール定型文の編集をしなくても,送信する種々の画像データに適したメール定型文を選択することが可能となっている。
【0011】
さらに本発明では,読み取り部で生成された画像データに基づいて属性を判別する判別部を有し,画像属性取得部は,判別部で判別された属性を,読み取り部で生成された画像データの画像の属性として取得するものであることが望ましい。
このようなものであれば,送信しようとする画像が読み取り部で読み取られることにより,その属性が判別される。従って,画像の属性は,送信しようとする画像に応じて取得される。
【0012】
さらに本発明では,画像の属性に対応する文字を記憶する属性文字記憶部を有し,判別部は,属性文字記憶部に記憶されている文字が画像データ中に認識された場合に,その文字に対応する属性を,その画像データの画像の属性として判別するものであり,定型文記憶部は,属性文字記憶部に記憶されている文字に対応する属性に対応づけられたメール定型文として,当該文字を含むものを記憶するものであることが望ましい。
【0013】
このようなものであれば,例えば,送信しようとする画像に特有の文字がその画像中に含まれている場合には,その文字に対応する内容を含むメール定型文とすることができる。従って,画像ファイルを開く前に受信者に注意を促すことができる。例えば,社外秘の画像を送る場合に,メール定型文中にそのことの記載があれば,受信者は画像ファイルを開く前に画像が社外秘であることを知ることができる。
【0014】
さらに本発明では,判別部で判別されうる画像の属性に「複数の画像がある」が含まれ,定型文記憶部は,判別部で複数の画像データがあると判別された場合に用いるための,「複数の画像がある」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,複数の画像があることを示す文言を含むものを記憶するものであることが望ましい。
このようなものであれば,画像ファイルを開く前に複数の画像があることを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0015】
さらに本発明では,判別部で判別されうる画像の属性に「データ量が大きい」が含まれ,定型文記憶部は,判別部で画像データのデータ量があらかじめ決められたデータ量以上であると判別された場合に用いるための,「データ量が大きい」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,画像のデータ量が大きいことを示す文言を含むものを記憶するものであることが望ましい。
このようなものであれば,画像ファイルを開く前に画像ファイルのデータ量が大きいことを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0016】
さらに本発明では,判別部で判別されうる画像の属性に「モノクロ画像である」と「カラー画像である」とが含まれ,定型文記憶部は,判別部で画像データがモノクロ画像データであると判別された場合に用いるための,「モノクロ画像である」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,モノクロ画像であることを示す文言を含むものを記憶するとともに,判別部で画像データがカラー画像データであると判別された場合に用いるための,「カラー画像である」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,カラー画像であることを示す文言を含むものを記憶するものであることが望ましい。
このようなものであれば,画像ファイルを開く前にモノクロ画像であるかカラー画像であるかを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0017】
さらに本発明では,読み取り部における画像の読み取り条件を設定する読み取り条件設定部を有し,画像属性取得部は,読み取り条件設定部で設定された読み取り条件を,画像の属性として取得するものであることが望ましい。
このようなものであれば,画像ファイルを開く前に通常とは異なる読み取り条件で読み込まれた画像ファイルであることを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0018】
さらに本発明では,読み取り条件設定部で設定されうる読み取り条件に解像度が含まれ,定型文記憶部は,あらかじめ定めた解像度より高い解像度である属性に対応づけられたメール定型文として,その画像の重要度が高いことを示す文言を含むものを記憶するものであることが望ましい。
このようなものであれば,画像ファイルを開く前に重要度が高いと送信者が思っている画像ファイルであることを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0019】
さらに本発明では,読み取り部で生成された画像データのデータ量があらかじめ定めた値を超えたときに,解像度を低下させてその画像データのデータ量をあらかじめ定めた値以内にする解像度低下部を有し,画像属性取得部は,「解像度低下部による処理が行われた」を解像度低下部による処理が行われた画像データの画像の属性として取得するものであり,定型文記憶部は,解像度低下部による処理が行われた場合に用いるための,「解像度低下部による処理が行われた」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,画像のデータ量が大きいことを示す文言を含むものを記憶するものであることが望ましい。
【0020】
このようなものであれば,画像ファイルを開く前にデータ量が大きい画像ファイルであることを電子メールの受信者に知らせることができるメール定型文を,容易に選択することができる。
【0021】
さらに本発明では,送信先のメールアドレスと名称とを記憶する送信先記憶部と,送信先記憶部にメールアドレスと名称とが記憶されている送信先をユーザの操作により選択する送信先選択部とを有し,画像属性取得部は,送信先選択部で選択された送信先の名称を,画像の属性として取得するものであり,定型文記憶部は,画像の属性としての送信先の名称に対応づけられたメール定型文として,その名称を宛名として含むものを記憶するものであり,送信部は,画像データおよびメール定型文を送信先選択部で選択された送信先のメールアドレスへ送信することが望ましい。
このようなものであれば,メール定型文に宛名が記載される。また,ユーザはメールアドレスまたはその名称から送信先を選択することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の画像送信装置によれば,送信の度にキー入力等によるメール定型文の編集をしなくても,送信する種々の画像データに適したメール定型文を容易に選択することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,FAX機,コピー機,プリンタ等の機能を備えた複合機に本発明を適用したものである。
【0024】
<装置の全体構成>
本形態の複合機1は,図1に示すように,読み取り部11,操作表示部12,排紙トレイ13,本体部14を有している。読み取り部11は,原稿が載置されることにより,原稿の画像を読み取って画像データを生成するためのものである。この読み取り部11は,原稿ガラス等を有する原稿載置面21,原稿載置面21を開閉可能な原稿カバー22,その上に配置された原稿トレイ23を有している。また,原稿載置面21の下部には,光学的に原稿の画像を読み取るための構成が配置されている。原稿を読み取るための構成は一般的なものでよい。
【0025】
操作表示部12は,ユーザに情報を提供するとともに,ユーザが操作して指示入力を行うためのものである。操作表示部12には,例えば登録されたFAX番号等に対応づけられた短縮入力キー24,各種の情報を表示する表示部25,ユーザが表示部25の表示を見ながら指示入力するための選択操作部26,テンキー27等が設けられている。本形態では,表示部25はあまり大きいものではなく,4〜10行程度の文字列を表示できるものである。あるいは,表示と選択入力との両機能を有するタッチパネル等を備えていてもよい。
【0026】
排紙トレイ13は,コピー,プリント等が実施された場合に,印刷済みの用紙を載置するためのものである。本形態の複合機1では本体部14中に,画像形成部28が含まれている。なお,画像形成部28の構成は,一般的なものでよく,ここでは説明を省略する。
【0027】
<装置の制御的構成>
次に,本形態の複合機1の制御系の構成を,図2のブロック図を参照して説明する。本形態の複合機1は,図2に示すように,CPU31,ROM32,RAM33,ハードディスク34等を有している。ROM32には,複合機1を制御するための各種制御プログラムや各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
【0028】
ハードディスク34には,各種のメール定型文,短縮入力キー24に割り当てられる各登録送信先のFAX番号,表示部25に表示される各種の文字列のデータ等が記憶されている。CPU31は,ROM32から各種のプログラムを読み出し,RAM33やハードディスク34に記憶されているデータを用いて,複合機1の制御を行う。
【0029】
さらに,本形態では,公衆電話回線網41との通信を行う回線制御部42,インターネット43との通信を行うルータ44,パーソナルコンピュータ45との通信を行うLANI/F46をも有している。公衆電話回線網41の先には,他のファクシミリ装置47等が接続されている。インターネット43の先には,他のサーバ48等が接続されている。これにより,複合機1は,公衆電話回線網41を介してのFAX送受信や,インターネット43を介しての電子メールの送受信を行うことができる。
【0030】
また,複合機1は,LANI/F46を介してパーソナルコンピュータ45から,印刷用の画像データを受信したり,メール定型文データの作成・修正・削除等の指示を受ける。ここでは,1台のパーソナルコンピュータ45のみを図示しているが,複数台が接続されていてもよい。また,ルータ44とインターネット43との間に,ローカルサーバが設けられていても良い。
【0031】
<処理構成>
次に,ROM32に記憶されている各種プログラムにより実現される,CPU31の各制御機能を説明する。ROM32には,画像属性取得プログラム,文字認識プログラム,判別プログラム,表示制御プログラム,送信先選択プログラム,送信プログラム,読み取り条件設定プログラム,解像度低下プログラム等が記憶されている。これらのプログラムによりCPU31は,図3に示す各制御処理部51〜58として機能する。なお,ROM32には,上記の他,画像データに基づいて画像形成部28で画像を形成するための各種の画像処理プログラムも記憶されている。
【0032】
画像属性取得部51は,読み取り部11で読み取った画像の属性を取得するためのものである。判別部52は,読み取り部11で生成された画像データに基づいて,その画像の属性を判別するためのものである。表示制御部53は,表示部25の表示を制御するためのものである。本形態では,表示制御部53は,取得された属性に対応づけられているメール定型文のタイトルをそれ以外のタイトルから区別して,表示部25に表示させることをも行う。なお,タイトルは,メール定型文とは別に用意されるものとは限らず,メール定型文の一部であってもよい。
【0033】
送信先選択部54は,短縮入力キー24または選択操作部26等によってユーザが選択した送信先に対応するメールアドレスを,メール送信先として選択するためのものである。送信部55は,ルータ44を介して外部へデータ送信するためのものである。本形態では,送信部55は,選択操作部26等によってユーザが選択したメール定型文を画像データに付加したデータを,電子メールとして,送信先選択部54によって選択されたメールアドレスに送信するようルータ44に指示することをも行う。
【0034】
読み取り条件設定部56は,読み取り部11による画像の読み取り条件を設定するためのものである。例えば,選択操作部26等からユーザによって読み取り条件が選択された場合には,その選択された読み取り条件を読み取り部11に設定する。解像度低下部57は,読み取り部11で生成された画像データのデータ量が,あらかじめ定めた量を超えたとき,解像度を低下させるためのものである。これにより,送信時の画像データのデータ量をあらかじめ定めた量以内となるようにする。
【0035】
文字認識部58は,画像データ中に含まれている文字画像を文字として認識するためのものである。例えば,画像データ中のあらかじめ決められた領域に文字が含まれているかを判別し,含まれている場合はその文字を認識するものとすればよい。
【0036】
上記の各処理が実行される際には,ハードディスク34に記憶されている各種の情報が読み出されて使用される。ハードディスク34には,図3に示すように,定型文記憶部61が設けられている。定型文記憶部61には,タイトル記憶部62と属性記憶部63とが含まれている。さらに,ハードディスク34には,属性文字記憶部64,送信先記憶部65,ユーザ名記憶部66の各記憶領域が設けられている。
【0037】
<各記憶領域の内容>
次に,ハードディスク34の各記憶領域の内容の例を,図4〜図9を参照して説明する。まず,定型文記憶部61のタイトル記憶部62には,図4に示す表のように,「タイトル」,「件名」,「本文」の各データが,それぞれ「番号」に対応づけられて記憶されている。「件名」と「本文」とがメール定型文に相当する。「タイトル」は,例えば,「本店:売上報告用」,「本店:重要書類送付用」等のように,定型文の内容や用途を短く表現したものである。
【0038】
「件名」は,電子メールの件名欄に書き込まれる文字列である。件名が不要の場合は,「件名」は空欄となっている。「件名」の内容は,「タイトル」と同じものであってもよい。「本文」は送付状に相当する部分の文字列である。例えば,「番号」が1番のものについては,「本店:売上報告用」という「タイトル」に対応させて,「本文」には「本店様 本日の売上は添付の書類をご覧ください。よろしくお願いします。」という文字列が記憶されている。なお,図中では,各欄の内容を部分的に省略して示している。
【0039】
このタイトル記憶部62の内容は,後述するように,各ユーザによって登録されるものである。登録の際にユーザは,その定型文が,画像データのどの属性に対応づけられたものであるかを設定することができる。その対応関係を記憶するものが属性記憶部63である。属性記憶部63の記憶内容の例を,図5の表に示す。属性記憶部63には,「属性」と「定型文の番号」とが互いに対応づけられて記憶されている。
【0040】
この「定型文の番号」欄の数字は,図4に示したタイトル記憶部62中の「番号」欄の数字に対応している。これにより,「属性」と「定型文」(「件名」と「本文」とを含む)とが対応づけられている。また,各「属性」に対応して,複数の「定型文の番号」が記憶されていることが多い。
【0041】
電子メール送信時には,この「タイトル」の欄の内容が表示部25に表示される。ユーザは,表示された「タイトル」から適切なものを,選択操作部26等の入力によって選択する。これにより,選択された「タイトル」に対応する「件名」が,電子メールの件名として選択される。また,選択された「タイトル」に対応する「本文」が,メール定型文として選択される。
【0042】
本形態の複合機1は,表示部25に「タイトル」を表示する際に,画像データの属性を取得して参照する。そのために,属性記憶部63の「属性」欄には,図5に示すように,各種の属性が記憶されている。そのうちには,例えば,送信する画像のデータの特徴に対応づけられているものがある。そのような例としては,「複数画像」,「大容量」,「カラー」,「多枚数」等のものがある。これらの属性は読み取り部11で画像を読み取って生成された画像データに基づいて,判別部52によって判別される。
【0043】
例えば,画像データが複数の画像を含むものである場合には,その画像の属性として「複数画像」が取得される。「複数画像」の属性に対応づけられている定型文の番号に対応する定型文は,例えば,「添付ファイルは複数部あります。それぞれについて確認をお願いします。」との文字列が,図4中の「本文」欄に含まれているものである。
【0044】
「大容量」の属性は,1枚の画像データの容量が大きいものに対応づけられる。これは一般に,空白部分が少ない画像や写真画像などの場合であり,細部まで確認すべき画像の場合であることが多い。そこで,「大容量」に対応する定型文としては,「大容量の画像を添付しています。さらに高解像度の画像が必要な場合は,担当までご連絡ください。」等が含まれたものとすればよい。
【0045】
また例えば,画像データがカラー画像である場合には,その画像の属性として「カラー」が取得される。「カラー」の属性に対応づけられている定型文の番号に対応する定型文は,例えば,「カラー画像を添付します。」との文字列が,図4中の「本文」欄に含まれているものである。「カラー」の属性が取得されなかった画像については,「モノクロ」の属性が取得されるようにしてもよい。そして,その場合には例えば,「モノクロ画像を添付します。」との文字列が,図4中の「本文」欄に含まれている定型文に対応づけられる。
【0046】
また,読み込まれた画像の枚数が多い(例えば3枚以上)の場合の画像の属性として,「多枚数」を用意しておいてもよい。これに対応する定型文としては,「添付画像の枚数が多いため,ページに抜けがないかのチェックをお願いします。」等が含まれたものとする。なお,図4では,定型文記憶部61中のタイトル記憶部62を1つのみ示しているが,後述するように,ユーザごとに使い分けるようにしてもよい。
【0047】
次に,そのほかの属性の例を説明する。他の属性として,画像中に文字認識部58によって属性文字が認識された場合に対応づけられたものがある。例えば,図6に示すように,スタンプの押された書類等では,「重要」や「緊急」等の文字列が送信用の画像中にあるものがある。これらが属性文字である。そして,属性文字記憶部64には,図7の表に示すように,属性文字81と属性82とが互いに対応づけられて記憶されている。この属性文字記憶部64に記憶される属性文字81としては,重要,緊急,社外秘などの文字列がある。
【0048】
本形態では,読み取った画像に対して文字認識部58によって文字認識を行い,その画像データ中に含まれる文字を抽出する。例えば,図6に示す原稿71では,左上に「重要」と記載された文字欄72が含まれている。文字認識部58は,この原稿71から読み取った画像データに対して文字認識を行うことにより,「重要」の文字列を取得することができる。そして,取得された文字列が,属性文字記憶部64の属性文字81欄に含まれているものであるかを判断する。
【0049】
認識された文字列が,属性文字81欄に含まれているものであった場合,その文字列が記憶されている属性文字81欄に対応づけられている属性82を取得する。例えば,画像データに「重要」の文字列が含まれていると認識された場合には,その画像の属性文字として「重要」が取得される。そして,属性文字記憶部64が参照され,「重要」という属性文字81に対応づけられて記憶されている「重要」の属性が取得される。
【0050】
この「重要」という属性は,図5に示したように,属性記憶部63の「属性」欄にも記憶されている。そして,本形態では,「重要」の属性に対応づけられている「定型文の番号」に対応する定型文には,例えば,「重要な書類のため,確認後,連絡をお願いします。」の文字列が含まれている。属性文字の例としては,「重要」の他に,「社外秘」,「緊急」,「転送」等がある。例えば「社外秘」に対応する定型文は,「添付の書類は機密書類のため,取扱にご注意ください。」の文字列が含まれたものとする。
【0051】
また,画像に属性文字が含まれている場合の定型文では,件名欄にも属性文字を付加したものとしてもよい。例えば,「重要」の属性に対応づけられた定型文として,その件名に「[重要]書類の送付」の文字列を使用するものがあってもよい。なお,画像中に属性文字が含まれているかどうかの判断は,読み込んだ画像データについて文字認識を行うことによってできる。例えば,あらかじめ決められた領域内のみ,あるいはあらかじめ決められた大きさ以上の大きさの文字のみ文字認識を行うようにしてもよい。また,この文字認識は,読み込んだ画像のうち1枚目についてのみ行うこととしてもよい。
【0052】
またさらに,他の画像の属性として,図5の「属性」欄に示すように,「解像度低下」というものがある。例えば,ユーザが細密送信しようとしたにもかかわらず,自動的に通常解像度に変更されて送信されている場合などに対応するものである。この解像度の変更は,読み取り部11で生成した画像データのデータ量があらかじめ定めた値を超えたときに複合機1の解像度低下部57によって実行される。
【0053】
この属性に対応する定型文の例としては,「注意:添付画像は複合機により,自動的に画質を変換(高→中)して送信されました。高解像度の画像が必要な場合は,担当者までご連絡ください。」というものがある。なお,この場合は普通,「大容量」の属性にも対応づけられる。
【0054】
送信先記憶部65は,図8の表に示すように,送信先の名称83とメールアドレス84とが互いに対応づけられて記憶されている領域である。送信先の名称83は,短縮入力キー24に対応して記憶されているものと同じものであってもよい。メールアドレス84は,本形態の複合機1が,電子メール送信時に送信先として使用するメールアドレスである。
【0055】
また,送信先記憶部65に記憶されている送信先の名称83は,図5の「属性」欄に示すように,属性としても取得される。取得された送信先の名称83に対応づけられている定型文には,その名称を宛名として含む。例えば,図4中の1番の「本文」欄には,「本店営業部御中」との宛名を含む本文が記憶されている。
【0056】
ユーザ名記憶部66は,多数のユーザで1台の複合機1を共有している場合に,送信者を認識するために用いられる。定型文記憶部61のタイトル記憶部62中に,ユーザごとに図4のような表を設けて,送信者に対応して使い分けるのである。そのために,タイトル記憶部62の各表にはそれぞれ符号が付けられる。この符号はユーザIDそのものであってもよい。ユーザ名記憶部66は,図9に示すように,ユーザID85とタイトル記憶部符号86とが互いに対応づけられて記憶されている。
【0057】
画像送信をしようとするユーザが,複合機1に自分のユーザIDを入力することにより,タイトル記憶部符号86が参照される。そして,タイトル記憶部62のうち,タイトル記憶部符号86に対応づけられている図4のような表が参照されるので,そのユーザが独自に用意したタイトル記憶部62を参照することができる。また,どのユーザでも使用できる表や,特定のグループに所属するユーザであれば誰でも使用できる表等を用意してもよい。
【0058】
<電子メール送信手順>
次に,本形態の複合機1による電子メール送信処理の手順について,フローチャートを参照して説明する。まず,図10を参照して,ユーザの行う手順を含んだ電子メール送信手順の全体の流れを説明する。ユーザは,送信しようとする画像の原稿を用意して,複合機1の読み取り部11にセットする。その後,図10に示す手順が開始される。
【0059】
まずユーザは,用意した原稿を読み込ませる解像度またはカラーの設定を行う場合には,選択操作部26を使用して,解像度またはカラーの設定を行う旨の指示を入力する。これにより,複合機1は,ユーザの入力を受け付け,読み取り部11にセットされた原稿を読み取る解像度およびカラーの設定を行う(S101)。例えば,解像度の設定が指示された場合には,表示部25に図11に示すように表示する。ユーザは,選択操作部26を使用して解像度の設定を行うことができる。なお,デフォルトの解像度で読み込ませる場合には,このステップをとばしてもよい。また,原稿をカラーで読み込ませる場合には,ユーザは,選択操作部26を使用して,カラー読み込みの指示を入力する。
【0060】
次に,複合機1は,表示部25に電子メール送信先の設定を行うよう促す表示を行い,ユーザの入力を受ける。ユーザによって電子メール送信先の入力を受けると,複合機1は,電子メール送信先の設定を行う(S102)。ユーザは,短縮入力キー24やテンキー27等を使用して,電子メール送信先を設定することができる。複合機1は,入力された電子メール送信先が,短縮入力キー24による指示である場合には,送信先記憶部65を参照して,メールアドレスを取得する。さらに,対応する送信先の名称83を属性として取得する。メールアドレスの入力を受けた場合には,そのまま送信先アドレスとして設定する。
【0061】
次に,ユーザによって選択操作部26を介して読み取り開始の指示を受けると,複合機1は,読み取り部11による原稿の読み取りを開始する(S103)。複合機1は,ステップS101で設定された解像度の設定およびカラーか否かの指示等に基づいて,読み取り部11にセットされている原稿の画像を読み取る。本形態の複合機1では,このとき使用された読み取り条件を,それぞれ属性として取得する。生成された画像データは,RAM33等に一旦保管する。
【0062】
画像の読み取りが終了すると,複合機1は,図12に示すように,取得された属性を使用してメール定型文のタイトルを表示部25に表示し,ユーザに選択を促す。そして,ユーザによるメール定型文の選択入力を,選択操作部26を介して受ける(S104)。このステップにおける複合機1の動作については,後に図13を参照して説明する。なお,メール定型文の選択が特に必要でないユーザは,このステップをとばして,次のメール送信指示を入力してもよい。この場合には,デフォルトのメール定型文,例えば「画像を送信します。」のみがメール定型文となる。
【0063】
次に,ユーザによって選択操作部26を使用して電子メール送信指示が入力されると,複合機1は,電子メールを送信する(S105)。すなわち,複合機1は,ステップS104で選択されたメール定型文を一旦保管した画像データに付加して,ステップS102で設定された送信先メールアドレスへ送信する。これで,電子メール送信手順は終了である。ユーザは,セットした原稿を持って立ち去る。
【0064】
<メール定型文の選択>
次に,図10のステップS104において,ユーザによるメール定型文の選択を受けるステップでの複合機1の処理について説明する。このとき複合機1によって行われるメール定型文の選択処理のフローチャートを図13に示す。まず,複合機1は,表示部25にユーザIDの入力を促す表示を行い,ユーザによるIDの入力を待つ(S201)。ユーザはテンキー27等を使用して,ユーザIDの入力を行う。ユーザが,個人用のタイトル記憶部62を使用する必要はないと判断した場合には,この手順をスキップすることもできる。
【0065】
ユーザによってユーザIDの入力を受けた場合には(S201:あり),複合機1は,ユーザ名記憶部66を参照して,タイトル記憶部62からそのユーザIDに対応づけられたものを抽出する。ユーザによってユーザIDの入力がスキップされた場合には(S201:なし),デフォルトのタイトル記憶部62を参照用として選択する。なお,このステップS201の処理は,図10のステップS102の電子メール送信先の設定と前後して行うようにしてもよい。
【0066】
次に,複合機1は,判別部52によって,図10のステップS103で生成した画像データに基づいてその属性を判別して取得する(S203)。そのために,画像の属性の取得,属性文字の取得,読み取り条件の取得等の処理を行う。これらの処理の順序はどのようなものでもよい。これらの処理によって,読み取った画像の属性が取得される。複数個の属性が取得される場合もある。また,図10のステップS102で設定された送信先の情報も属性の1つとして取得される。
【0067】
次に,複合機1は,メール定型文の抽出を行う(S204)。そのために,図5に示す属性記憶部63の「属性」欄を参照して,判別部52によって判別されたそれぞれの属性に対応づけられた「定型文の番号」を読み出す。この「定型文の番号」に対応する定型文が,ここで抽出されるメール定型文である。この段階では,たいてい,複数個のメール定型文が抽出される。画像の属性がなにもない場合には,「属性」欄の「無し」に対応づけられた定型文の番号が抽出される。
【0068】
次に,複合機1は,S204で抽出されたメール定型文の表示優先順を決定する(S205)。もし,S204で抽出されたメール定型文が1つのみであれば,この手順はスキップされる。抽出されたメール定型文が複数個であれば,属性記憶部63で抽出された「定型文の番号」の数の多い順に,優先と判断される。
【0069】
例えば,本店営業部へ当てた重要書類であると判別された画像データでは,図5に示す属性記憶部63の「属性」として,「重要」と「本店営業部」とが抽出される。これらに対応する「定型文の番号」は,「重要」が「1,3,4,…」であり,「本店営業部」が「1,2,…」である。従って,定型文としては,その「番号」が「1,2,3,4,…」のものが抽出される。このうち,抽出された番号の多いものは,「1」であり,これが優先的に表示されるものとして選択される。
【0070】
なお,単に「定型文の番号」の数の多い順とする代わりに,属性に重みを付けて優先順を判断するようにしてもよい。次に,複合機1は,上記のように抽出された定型文の「タイトル」を,S205で決定された優先順に従って,表示部25に表示する(S206)。そして,表示した定型文をメール定型文として送信するかどうかを,ユーザに選択させる。
【0071】
このとき,複合機1は,決定された優先順に従って,優先度の高いものを低いものと区別して表示する。ここでは,優先度の高いものから順に表示する。従って,優先度の高いものは初めから表示される。優先度の低いものは,スクロールして表示させないと表示されない。この表示の例が図12に示したものである。
【0072】
また,より多くの属性に適合し,画像データの特性をよく表しているメール定型文に対応するタイトルを,他のものから区別して表示する。区別して表示する方法としては,順序の他にもタイトル欄の一部にマークを付加する方法や,太字・囲み線・カラー等で強調して表示する方法等がある。また,優先度を複数段階に設け,段階ごとにさらに区別して表示してもよい。なお,スクロール等によってユーザが他の選択肢の表示を要求する場合には,優先度の高いもの以外の定型文のタイトルも順に表示する。
【0073】
そして,ユーザによって選択操作部26の操作でそのうちの1つが選択されるまで,複合機1は待機する(S207)。ユーザによってタイトルの1つが選択されたら,そのタイトルに対応するメール定型文を,画像データに添付して送信すればよい。図4に示すように,選択された「タイトル」に対応づけられている定型文の「件名」をメールの件名として設定する。また,「本文」をメール定型文として設定する。
【0074】
これで,メール定型文の選択処理の説明を終了する。なお,ユーザによってメール定型文の選択手順をスキップして送信ボタンが押された場合には,より優先順位の高いものをメール定型文として自動的に選択するようにしてもよい。
【0075】
<定型文の作成と登録>
次に,定型文記憶部61に記憶されている各種の定型文の作成と登録の方法について簡単に説明する。この作業は,複合機1ではなく,これと接続されているパーソナルコンピュータ45等を用いて行う(図2参照)。登録作業の際には,例えば,図14に示すように,パーソナルコンピュータ45の表示画面にメール定型文と各種の属性とが表示される。ユーザは,メール定型文の修正や追加,タイトルの修正,各属性の設定の変更等を行い,メール定型文の登録や修正を行うことができる。これにより,メール定型文とそれに対応する各属性とを組み合わせて登録することができる。
【0076】
また,定型文の記憶に際しては,例えばパラグラフ等に分割して記憶させるようにしてもよい。各定型文で共通の部分は,共有のエリアに記憶させるようにすれば,記憶領域の節約となる。
【0077】
以上詳細に説明したように,本形態の複合機1によれば,読み取り部11で読み取った画像の属性が画像属性取得部51によって取得される。そして,取得された属性に対応づけられている定型文が定型文記憶部61から選択される。さらに,この選択された定型文を指すタイトルが,他のものと区別して表示部25に表示される。ユーザは表示部25の表示を見て,適切なものを選択して指示入力するだけでよい。従って,送信する画像の属性によく適合している定型文を選択することは容易である。これにより,送信の度にキー入力等によるメール定型文の編集をしなくても,送信する種々の画像データに適したメール定型文を容易に選択することができる。
【0078】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,記載したタイトル,属性,定型文等はいずれも例示であり,これ以外にも自由に設定可能である。また,タイトルと件名は同じ内容のものとすることもできる。また,タイトルとして,定型文の一部を用いることもできる。その場合には,定型文記憶部には少なくともメール定型文が記憶されていれば,「メール定型文およびそのタイトルを記憶する」を充足する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本形態の複合機を示す外観図である。
【図2】本形態の複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本形態の複合機の制御構成を示す説明図である。
【図4】タイトル記憶部のデータ構成の例を示す説明図である。
【図5】属性記憶部のデータ構成の例を示す説明図である。
【図6】画像データの例を示す説明図である。
【図7】属性文字記憶部のデータ構成の例を示す説明図である。
【図8】送信先記憶部のデータ構成の例を示す説明図である。
【図9】ユーザ名記憶部のデータ構成の例を示す説明図である。
【図10】ユーザによって行われる電子メール送信手順を示すフローチャートである。
【図11】解像度を設定する際の表示例を示す説明図である。
【図12】メール定型文の選択を促す際の表示例を示す説明図である。
【図13】メール定型文の選択処理を示すフローチャートである。
【図14】定型文の登録時の表示画面の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0080】
1 複合機
11 読み取り部
12 操作表示部
25 表示部
26 選択操作部
51 画像属性取得部
52 判別部
53 表示制御部
54 送信先選択部
55 送信部
56 読み取り条件設定部
57 解像度低下部
61 定型文記憶部
64 属性文字記憶部
65 送信先記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取って画像データを生成する読み取り部と,
前記読み取り部で読み取った画像の属性を取得する画像属性取得部と,
複数のメール定型文およびそのタイトルを,前記画像属性取得部で取得されうる属性と対応づけて記憶する定型文記憶部と,
前記定型文記憶部に記憶されたメール定型文のタイトルを表示する表示部と,
前記画像属性取得部で取得した属性に対応づけられているメール定型文のタイトルを,それ以外のメール定型文のタイトルから区別して表示するように,前記表示部を制御する表示制御部と,
前記表示部にタイトルが表示されたメール定型文から,使用するものを選択する操作をユーザに行わせる選択操作部と,
前記読み取り部で生成した画像データを,前記選択操作部で選択されたメール定型文とともに電子メールにより装置外へ送信する送信部とを有することを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像送信装置において,
前記読み取り部で生成された画像データに基づいて属性を判別する判別部を有し,
前記画像属性取得部は,前記判別部で判別された属性を,前記読み取り部で生成された画像データの画像の属性として取得するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像送信装置において,
画像の属性に対応する文字を記憶する属性文字記憶部を有し,
前記判別部は,前記属性文字記憶部に記憶されている文字が画像データ中に認識された場合に,その文字に対応する属性を,その画像データの画像の属性として判別するものであり,
前記定型文記憶部は,前記属性文字記憶部に記憶されている文字に対応する属性に対応づけられたメール定型文として,当該文字を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像送信装置において,
前記判別部で判別されうる画像の属性に「複数の画像がある」が含まれ,
前記定型文記憶部は,前記判別部で複数の画像データがあると判別された場合に用いるための,「複数の画像がある」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,複数の画像があることを示す文言を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項5】
請求項2から請求項4までのいずれか1つに記載の画像送信装置において,
前記判別部で判別されうる画像の属性に「データ量が大きい」が含まれ,
前記定型文記憶部は,前記判別部で画像データのデータ量があらかじめ決められたデータ量以上であると判別された場合に用いるための,「データ量が大きい」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,画像のデータ量が大きいことを示す文言を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5までのいずれか1つに記載の画像送信装置において,
前記判別部で判別されうる画像の属性に「モノクロ画像である」と「カラー画像である」とが含まれ,
前記定型文記憶部は,
前記判別部で画像データがモノクロ画像データであると判別された場合に用いるための,「モノクロ画像である」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,モノクロ画像であることを示す文言を含むものを記憶するとともに,
前記判別部で画像データがカラー画像データであると判別された場合に用いるための,「カラー画像である」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,カラー画像であることを示す文言を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の画像送信装置において,
前記読み取り部における画像の読み取り条件を設定する読み取り条件設定部を有し,
前記画像属性取得部は,前記読み取り条件設定部で設定された読み取り条件を,画像の属性として取得するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像送信装置において,
前記読み取り条件設定部で設定されうる読み取り条件に解像度が含まれ,
前記定型文記憶部は,あらかじめ定めた解像度より高い解像度である属性に対応づけられたメール定型文として,その画像の重要度が高いことを示す文言を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像送信装置において,
前記読み取り部で生成された画像データのデータ量があらかじめ定めた値を超えたときに,解像度を低下させてその画像データのデータ量をあらかじめ定めた値以内にする解像度低下部を有し,
前記画像属性取得部は,「解像度低下部による処理が行われた」を前記解像度低下部による処理が行われた画像データの画像の属性として取得するものであり,
前記定型文記憶部は,前記解像度低下部による処理が行われた場合に用いるための,「解像度低下部による処理が行われた」という画像の属性に対応づけられたメール定型文として,画像のデータ量が大きいことを示す文言を含むものを記憶するものであることを特徴とする画像送信装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか1つに記載の画像送信装置において,
送信先のメールアドレスと名称とを記憶する送信先記憶部と,
前記送信先記憶部にメールアドレスと名称とが記憶されている送信先をユーザの操作により選択する送信先選択部とを有し,
前記画像属性取得部は,前記送信先選択部で選択された送信先の名称を,画像の属性として取得するものであり,
前記定型文記憶部は,画像の属性としての送信先の名称に対応づけられたメール定型文として,その名称を宛名として含むものを記憶するものであり,
前記送信部は,画像データおよびメール定型文を前記送信先選択部で選択された送信先のメールアドレスへ送信することを特徴とする画像送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−206956(P2009−206956A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48292(P2008−48292)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】