説明

画像音声再生装置

【課題】記憶媒体の容量を増やすことなくスクリーンセーバーで様々な画像を表示させることができる画像音声再生装置を提供することである。
【解決手段】記録媒体に記録された画像及び音声を再生するとともに、サーバ装置12と電気通信可能な画像音声再生装置10において、記録媒体の再生が一時停止状態又は停止状態であって、かつ所定時間静止画を出力している状態である場合、スクリーンセーバーを起動し、サーバ装置12から少なくとも画像を受信してストリーミング再生する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録された画像及び音声を再生するとともに、サーバ装置と電気通信可能な画像音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコンをはじめ、光ディスクやハードディスクなどの記録媒体に記録された画像及び音声を再生する画像音声再生装置や記録媒体に録画もする画像音声記録再生装置にも、スクリーンセーバーを搭載しているものがある。画像音声再生装置や画像音声記録再生装置においては、通常、スクリーンセーバーで使用する画像は、装置のフラッシュメモリに記憶されるなど、装置内に格納されている。
【0003】
本来、スクリーンセーバーの役割は画面の焼き付き防止であったが、液晶表示装置が主流となった現在ではその役割は薄れ、代わりにアクセサリーとしての役割が大きくなっている。そのため、スクリーンセーバーの様々な活用法が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、利用者端末は、端末立上げ時などに、コンテンツ配信元のURLとリンク情報のリストである再生リストを再生リスト管理サーバから取り寄せて保持し、利用者操作が一定時間以上停滞したことを検出すると、前記再生リストを参照してコンテンツ配信サーバからコンテンツの配信を受け、該コンテンツをスクリーンセーバー的に表示する構成が開示されている。
【0005】
また特許文献2には、インターネット上にあるサーバ内に、広告等一般情報をスクリーンセーバー形式のデータに変換してデータベース化し、無料配布アクセスプログラムによりインターネット通信回線網を利用しサーバにアクセスをして、ユーザ(閲覧者)のパソコン等の情報端末機器画面上に広告等一般情報をスクリーンセーバーとして表示をする広告配信システムが開示されている。
【0006】
また特許文献3には、ユーザがDVDの再生画像から好きな動画像を選択し、その選択した動画像をスクリーンセーバー用の画像に設定することができる画像音声再生装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−127128号公報
【特許文献2】特開2002−163556号公報
【特許文献3】実用新案登録第3092607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の特許文献1〜3も含め、アクセサリーとしての役割を果たすためには、ユーザを満足させるために様々な画像を表示させる必要がある。しかしながら、パソコンに比べて記憶容量が限られている画像音声再生装置においては、スクリーンセーバーのために様々な画像を保持しておくことは現実的でなく、単純な図形程度の画像を保持しておき表示させるのが一般的であった。
【0009】
本発明は、記憶媒体の容量を増やすことなくスクリーンセーバーで様々な画像を表示させることができる画像音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体に記録された画像及び音声を再生するとともに、サーバ装置と電気通信可能な画像音声再生装置において、記録媒体の再生が一時停止状態又は停止状態であって、かつ所定時間静止画を出力している状態である場合、スクリーンセーバーを起動し、前記サーバ装置から少なくとも画像を受信してストリーミング再生することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、スクリーンセーバーとして、サーバ装置から画像を受信してストリーミング再生する。
【0012】
上記の画像音声再生装置において、ユーザの満足度を向上させる観点から、前記クリーンセーバーを起動した場合、前記サーバ装置から音声も受信してストリーミング再生するようにしてもよい。
【0013】
また上記の画像音声再生装置において、サーバ装置に接続できない場合を想定して、スクリーンセーバー用の画像を保持し、前記サーバ装置に接続できない場合、前記スクリーンセーバーは前記スクリーンセーバー用の画像を出力することが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、サーバ装置から画像を受信してストリーミング再生することにより、画像音声再生装置では記憶媒体の容量を増やすことなく、スクリーンセーバーで様々な画像を表示させることができる。また、スクリーンセーバーがアクセサリーとしての役割を果たし、ユーザを満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のHDD一体型光ディスク装置の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。
【図2】本発明のHDD一体型光ディスク装置のスクリーンセーバー起動までの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明のHDD一体型光ディスク装置のスクリーンセーバーの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、画像音声再生装置の一例として、ハードディスクドライブ(HDD)一体型光ディスク装置を用いて説明する。図1は、HDD一体型光ディスク装置10の構成及びその周辺機器を示すブロック図である。HDD一体型光ディスク装置10には、テレビ等の表示装置11と、インターネット14を介して各種データを配信するサーバ装置12とが接続されている。またHDD一体型光ディスク装置10は、リモコン13によって操作可能である。以下では、光ディスクとしてBD(Blu-ray Disc)を例に説明する。
【0017】
HDD一体型光ディスク装置10は、アンテナ15で受信したテレビ放送信号を復調、デジタル化するチューナ16と、チューナ16やサーバ装置12から受け取った画像音声データをMPEG2等に準拠して圧縮符号化したり、HDD記録再生部18又はBD/DVD記録再生部19で再生された圧縮された画像データを伸長復号したりする画像音声圧縮伸長部17と、画像音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された画像音声データをHDDに記録したり、HDDに記録されたデータを再生したりするHDD記録再生部18と、画像音声圧縮伸長部17から受け取った圧縮された画像音声データを挿入されたBDに記録したり、BDに記録されたデータを再生したりするBD/DVD記録再生部19と、各種設定値を表示装置11の一部に表示しながら設定できるようにするOSD(On Screen Display)部20と、OSD部20からの画像信号を表示装置11へ出力する画像出力部21と、画像音声圧縮伸長部17からの音声信号を表示装置11へ出力する音声出力部22と、ROMやRAMからなるメモリ23と、リモコン13からの信号を受信するリモコン受信部24と、インターネット14に接続されるネットワークI/F25と、HDD一体型光ディスク装置10の各部を制御する制御部26とを備えている。
【0018】
また、制御部26は、記録媒体(HDD、BD、DVDなど)の再生が一時停止状態又は停止状態であって、かつ所定時間静止画を出力している状態である場合、スクリーンセーバーを起動し、サーバ装置12から画像を受信してストリーミング再生する制御も行う。なお、画像と一緒に音声も受信してストリーミング再生するようにしてもよい。
【0019】
上記の記録媒体の再生が一時停止状態であって所定時間静止画を出力している状態とは、例えば、ユーザがBDなどを視聴している際にリモコン13の一時停止キーを操作した場合に、HDD一体型光ディスク装置10が再生を一時停止してその時点の再生画像を静止させて表示装置11に表示させている状態が所定時間継続している状態である。
【0020】
また、上記の記録媒体の再生が停止状態であって所定時間静止画を出力している状態とは、例えば、記録媒体が再生されておらず、メニュー画面などの静止画を表示した状態でユーザの操作が所定時間ない状態である。
【0021】
上記のスクリーンセーバーのプログラム自体はメモリ23に格納されており、それを実行することでスクリーンセーバーが起動する。スクリーンセーバーの動作としては、予め指定されているサーバ装置12にアクセスしてスクリーンセーバー用の画像を要求し、それに応答したサーバ装置12から配信されてくる画像(及び音声)を受信して画像音声圧縮伸長部17に送ることでストリーミング再生し、表示装置11へ出力する。
【0022】
サーバ装置12から配信されるデータ形式は、HDD一体型光ディスク装置10で再生できる形式であれば特に限定はなく、MPEG、AVIなどを採用することができる。
【0023】
サーバ装置12は、ここではインターネット14を介してHDD一体型光ディスク装置10の製造者等が提供している外部のサーバ装置を想定しているが、サーバ装置12の設置場所や通信手段に特に限定はなく、例えば、家庭内のパソコンをサーバ装置としてLAN接続するようにしてもよい。この場合、予めユーザがそのパソコンをサーバ装置12としてHDD一体型光ディスク装置10に登録する必要がある。
【0024】
また、HDD一体型光ディスク装置10は、メモリ23又はHDDにスクリーンセーバー用の単純な画像(及び音声)を保持しておいてもよい。その際、画像(及び音声)はメモリ23又はHDDの容量を圧迫しない程度の小さなサイズのものとする。そして、制御部26は、スクリーンセーバーの起動時にサーバ装置12に接続できない場合に、保持しているスクリーンセーバー用の画像(及び音声)を出力するように制御する。
【0025】
以下、スクリーンセーバーに関する動作の一例を説明する。図2は、HDD一体型光ディスク装置10のスクリーンセーバー起動までの動作を示すフローチャートである。まず、ステップS10において、記録媒体(HDD、BD、DVDなど)の再生が一時停止状態又は停止状態であるか否かを判別する。
【0026】
ステップS10において再生が一時停止状態又は停止状態である場合は、ステップS11へ進んで静止画を出力している状態であるか否かを判別する。ステップS11において静止画を出力している状態の場合は、ステップS12へ進んで計時を開始し、その静止画の状態の継続時間を計測する。一方、ステップS11において静止画を出力していない場合は、ステップS10に戻る。
【0027】
ステップS12からはステップS13へ進んで計測時間が所定時間(例えば、3分間)経過したか否かを判別する。ステップS13において所定時間経過している場合は、ステップS14へ進んでスクリーンセーバーを起動する。
【0028】
一方、ステップS13において所定時間経過していない場合は、ステップS15へ進んでユーザによる操作があったか否かを判別する。ユーザによってリモコン13が何らかの操作をされれば、計時を終了してステップS10に戻る。一方、ステップS15において操作がない場合は、ステップS13に戻る。スクリーンセーバーの動作については、次に図3を用いて説明する。
【0029】
図3は、HDD一体型光ディスク装置10のスクリーンセーバーの動作を示すフローチャートである。図2のステップS14でスクリーンセーバーが起動すると、ステップS20においてインターネット14に接続されているか否かを判別する。ステップS20においてインターネット14に接続されている場合は、ステップS21へ進んでサーバ装置12にアクセスしてスクリーンセーバー用の画像を要求する。
【0030】
そして、ステップS22へ進んでサーバ装置12から接続許可の応答があり、スクリーンセーバー用の画像を受信できる状態になったか否かを判別する。ステップS22において接続、受信できる状態になれば、ステップS23へ進んで画像データの受信を開始し、ストリーミング再生して表示装置11へ出力する。
【0031】
これにより、HDD一体型光ディスク装置10では記憶媒体の容量を増やすことなく、スクリーンセーバーで動画を表示させることができる。
【0032】
次にステップS24へ進んで画像データの受信が途切れたか否かを判別する。ステップS24において画像データの受信が途切れた場合は、バッファ中の画像データがなくなればストリーミング再生が途切れるので、ステップS20に戻る。一方、ステップS24において画像データの受信が途切れていない場合は、ステップS25へ進んでユーザによる操作があったか否かを判別する。ユーザによってリモコン13が何らかの操作をされれば、サーバ装置12との接続を断ち、スクリーンセーバーを終了し、ユーザの操作を実行する。一方、ステップS25において操作がない場合は、ステップS24に戻る。
【0033】
ところで、ステップS20においてインターネット14に接続されていない場合、又はステップS22において接続、受信できる状態にない場合は、ステップS26へ進んで、メモリ23又はHDDに保持しているスクリーンセーバー用の画像を出力し、ステップS25へ進む。
【0034】
これにより、サーバ装置12と接続できない場合でも、スクリーンセーバーを実行することができる。
【0035】
なお本発明において、サーバ装置12はスクリーンセーバー用の画像を複数保持していてもよい。この場合、サーバ装置12が任意にどの画像を配信するか決定してもよいし、HDD一体型光ディスク装置10が何れかの画像を選択してもよい。HDD一体型光ディスク装置10が選択する場合は、HDD一体型光ディスク装置10が予めサーバ装置12から画像のリストをダウンロードしておき、ユーザが予めメニュー画面などにおいてそのリストから所望の画像を選択しておけばよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、光ディスクやハードディスクなどの記録媒体に記録された画像及び音声を再生する画像音声再生装置や記録媒体に録画もする画像音声記録再生装置に利用することができる。例えば、BD・DVDプレーヤ、BD・DVDレコーダ、HDDレコーダ、HDD一体型BD・DVDレコーダなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0037】
10 HDD一体型光ディスク装置(画像音声再生装置)
12 サーバ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された画像及び音声を再生するとともに、サーバ装置と電気通信可能な画像音声再生装置において、
記録媒体の再生が一時停止状態又は停止状態であって、かつ所定時間静止画を出力している状態である場合、
スクリーンセーバーを起動し、前記サーバ装置から少なくとも画像を受信してストリーミング再生することを特徴とする画像音声再生装置。
【請求項2】
前記クリーンセーバーを起動した場合、前記サーバ装置から音声も受信してストリーミング再生することを特徴とする請求項1記載の画像音声再生装置。
【請求項3】
スクリーンセーバー用の画像を保持し、
前記サーバ装置に接続できない場合、前記スクリーンセーバーは前記スクリーンセーバー用の画像を出力することを特徴とする請求項1又は2記載の画像音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−142526(P2011−142526A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2468(P2010−2468)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】