説明

画素間隔のスペクトル分析を介した透かしのデコーディング

【課題】画像のスペクトル分析によりデコーディングされる透かしに関する方法、装置及びシステムを提供する。
【解決手段】画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドと関連し、透かしは、画素間隔調節によりエンコードされ、a)画像出力装置で表現された画像を走査することと、b)前記エンコードされた透かしを含んだ前記走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定することと、c)スペクトル分析を適用して前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定することと、d)前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて前記画像セグメントをデコーディングし、前記符号化された透かしを判定することとから構成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多くの印刷アプリケーション及び市場では、ハードコピー印刷物において、ジョブの信頼性又はセキュリティ上の情報をエンコードした透かしが要求される。市場や国によっては、セキュリティ対策が詐欺を防ぐために必須である。多くの異なるデジタル透かしの技術があり、その多くは、ドキュメントの修正又は特定処理によって実行される。「見えない」透かしの周知の現行方式は、画像レンダリング独立性であり、プリンタ識別及び時間/日付をエンコードした、イエロードット法(yellow dots method)の使用である。しかし、いくつかのマーキング処理は、ブラックトナーの現像が抑制されて印刷物の黒色領域においてイエロードットが可視化する結果を招くので、イエロードットを使用することができない。とりわけ、セキュリティエンコーディング法の欠落は、政府機関のようにセキュリティ対策が要求される市場において克服するべき問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
画像レンダリング独立性であり、レーザープリンタなどの画像出力装置において隠れた透かしによりセキュリティデータをエンコードする、代替法の開発が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
(A1)本開示の一実施形態において、画像出力装置で表現される画像中のエンコードされた透かしをデコーディングする方法が提供され、画像出力装置は、画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドと関連し、透かしは、画素間隔調節によりエンコードされる。当該方法は、a)画像出力装置で表現された画像を走査し、b)エンコードされた透かしを含んだ走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定し、c)スペクトル分析を適用して1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定し、d)1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて画像セグメントをデコーディングし、符号化された透かしを判定することを含む。
【0004】
(A2)本開示の別の実施形態において、画像出力装置と動作上関連して画素間隔調節を制御する画素クロックを含んだ(A1)の実施形態が提供される。
【0005】
(A3)本開示の別の実施形態において、画素グリッドが長方形である(A1)の実施形態が提供される。
【0006】
(A4)本開示の別の実施形態において、公称クロスプロセス周波数成分を含む画像のハーフトーン表現を用いて画像が表現されると共に、透かしが、ハーフトーン表現のクロスプロセス周波数を調節することによりエンコードされ、画像出力装置を使用したハーフトーン表現の表示内で透かしをエンコードする、(A1)の実施形態が提供される。
【0007】
(A5)本開示の別の実施形態において、透かしが、バイナリデータにエンコードされ且つハーフトーン公称クロスプロセス周波数を調節してバイナリデータをエンコードすることによりエンコードされる、(A4)の実施形態が提供される。
【0008】
(A6)本開示の別の実施形態において、透かしバイナリデータが1つ以上の透かし符号化周波数プロファイルへ変換され、1つ以上のプロファイルが、画像出力装置における1つ以上の各クロスプロセス走査線を駆動する、(A5)の実施形態が提供される。
【0009】
(A7)本開示の別の実施形態において、透かし符号化周波数プロファイルが、画像出力装置と動作上関連した画素クロックと連動して画素間隔を制御する、(A6)の実施形態が提供される。
【0010】
(A8)本開示の別の実施形態において、画像出力装置に関連したクロスプロセス非線形性補正プロファイル及び1つ以上の透かし符号化周波数プロファイルを使用してクロスプロセス走査線を駆動することをさらに含んだ(A6)の実施形態が提供される。
【0011】
(A9)本開示の別の実施形態において、ハーフトーン公称クロスプロセス周波数が0.5%以下で調節される、(A5)の実施形態が提供される。
【0012】
(A10)本開示の別の実施形態において、透かしが、画像出力装置におけるクロスプロセス方向及び画像出力装置におけるプロセス方向の1つ以上にエンコードされる、(A1)の実施形態が提供される。
【0013】
(A11)本開示の別の実施形態において、画像出力装置が、ROSベースのプリンタ、インクジェットプリンタ、及びディスプレイのいずれかである、(A1)の実施形態が提供される。
【0014】
(A12)本開示の別の実施形態において、印刷装置が記載される。当該印刷装置は、媒体基板に画像を表現する画像出力デバイスと、画像出力デバイスで表現する画像の描写を受信するよう構成されたコントローラと、を備え、このコントローラは、媒体基板に表現される画像内のエンコードされた透かしをデコードする命令を実行するよう構成され、画像出力デバイスは、画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドを伴い、透かしは、画素間隔調節によりエンコードされる。命令は、a)画像出力デバイスで表現された画像を走査し、b)エンコードされた透かしを含んだ走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定し、c)スペクトル分析を適用して1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定し、d)1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて画像セグメントをデコーディングし、符号化された透かしを判定することを含む。
【0015】
(A13)本開示の別の実施形態において、画素クロックが画像出力デバイスと動作上関連して画素間隔調節を制御する(A12)の実施形態が提供される。
【0016】
(A14)本開示の別の実施形態において、画素グリッドが長方形である(A12)の実施形態が提供される。
【0017】
(A15)本開示の別の実施形態において、公称クロスプロセス周波数成分を含む画像のハーフトーン表現を用いて画像が表現されると共に、透かしが、ハーフトーン表現のクロスプロセス周波数を調節することによりエンコードされ、画像出力デバイスを使用したハーフトーン表現の表示内で透かしをエンコードする、(A12)の実施形態が提供される。
【0018】
(A16)本開示の別の実施形態において、透かしが、バイナリデータにエンコードされ且つハーフトーン公称クロスプロセス周波数を調節してバイナリデータをエンコードすることによりエンコードされる、(A15)の実施形態が提供される。
【0019】
(A17)本開示の別の実施形態において、透かしバイナリデータが1つ以上の透かし符号化周波数プロファイルへ変換され、1つ以上のプロファイルが、画像出力デバイスにおける1つ以上の各クロスプロセス走査線を駆動する、(A16)の実施形態が提供される。
【0020】
(A18)本開示の別の実施形態において、透かし符号化周波数プロファイルが、画像出力デバイスと動作上関連した画素クロックと連動して画素間隔を制御する、(A17)の実施形態が提供される。
【0021】
(A19)本開示の別の実施形態において、画像出力デバイスに関連したクロスプロセス非線形性補正プロファイル及び1つ以上の透かし符号化周波数プロファイルを使用してクロスプロセス走査線を駆動することをさらに含んだ(A17)の実施形態が提供される。
【0022】
(A20)本開示の別の実施形態において、ハーフトーン公称クロスプロセス周波数が0.5%以下で調節される、(A16)の実施形態が提供される。
【0023】
(A21)本開示の別の実施形態において、透かしが、画像出力デバイスにおけるクロスプロセス方向及び画像出力デバイスにおけるプロセス方向の1つ以上にエンコードされる、(A12)の実施形態が提供される。
【0024】
(A22)本開示の別の実施形態において、画像出力デバイスが、ROSベースのプリンタ、インクジェットプリンタ、及びディスプレイのいずれかである、(A12)の実施形態が提供される。
【0025】
(A23)本開示のさらに別の実施形態において、コンピュータにより実行される命令を記憶した、コンピュータで使用可能なデータキャリアを含む、コンピュータプログラム製品が記載される。命令は、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、画像出力装置で表現される画像内の透かしをデコードする方法を実行させ、画像出力装置は、画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドを伴い、透かしは、画素間隔によりエンコードされる。方法は、a)画像出力装置で表現された画像を走査し、b)エンコードされた透かしを含んだ走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定し、c)スペクトル分析を適用して1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定し、d)1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて画像セグメントをデコーディングし、符号化された透かしを判定することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】公称周波数のクロック周波数及び0.5%高い周波数にそれぞれ応じた2つのハーフトーン周波数ピークを示すYulear−Walkerスペクトル分析を示す図である。
【図2】本開示の実施形態によるクロック周波数変化による透かしエンコーディングに関するページレイアウトの概略図である。
【図3】1ページを通して予め画定された位置にランダム又は周期的に繰り返される透かしのブロックの図である。
【図4】透かしエンコーディング用の周波数プロファイルへの、透かしビットストリームの変換を説明するプロセスフローチャートである。
【図5】1ページ中の所定の長さ、幅及び位置をもつ走査画像の単一帯を示す図である。
【図6】行と列の形態で繰り返された透かしを示す図である。
【図7】画像内容依存の透かし位置を示す図であり、これにより、画像のハーフトーンエリアが認識され、この認識されたエリアが、繰り返された透かしブロックで満たされている。
【図8】クロック周波数変化による透かしエンコーディングの実施形態のフローチャートである。
【図9】ハーフトーンドット(又はドットセンター)における周波数変化の影響を示す図である(周波数の相異は説明のため誇張されている)。
【図10】本開示の実施形態に係る、1と0でエンコードされた2つの隣接セクションから検出された周波数ピークを示す図である。
【図11】本開示の実施形態に係る、透かしビットストリームのデコーディングプロセスのフローチャートである。
【図12】走査画像の21セグメントから周波数ピークが検出された、デコードされたビットパターンに関する結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示の一態様によれば、画像における画素の画素間隔を調節することにより、例えば、画素クロック周波数調節により、セキュリティデータをエンコードするようにした、透かしを入れる方法、システム及び装置が提供されるがこれに限定されない。例えば、クロック周波数が公称値から外れた場合、それに応じて画素は、クロスプロセス方向において頻出度が上がるか又は下がり、印刷されたハーフトーン周波数を変化させる。公称値からの少々の逸脱に関し、画素配置の逸脱に起因するIQ(画像品質)の不良は隠されるが、走査されたハーフトーンのスペクトル分析を通して検出可能である。したがって、提供される方法は、ハーフトーン周波数変化を含む画素クロック周波数制御により、隠された透かしをエンコードする。本開示の実施形態は、可変画素クロックを有するシステム以上の追加ハードウエアが不要である。特に、0.5%以下の画素クロック周波数変化では可視欠陥が認識され得ない一方、画素間隔調節した透かしは、0.5%の画素クロック変化で十分にデコードされ得る。本開示の方法及びシステムは、1ページに適用され得る安全透かし技術のツールボックスの一部であり得る。
【0028】
本開示の別の態様によれば、例えば、走査されたハーフトーン印刷物のスペクトル分析による、クロックマークデコーディングの方法、システム、及び装置が提供される。当該方法は、次のステップを含む。
1)分析すべき走査画像セグメントを決定し、
2)走査画像セグメントにスペクトル分析を適用してそのハーフトーン周波数を抽出し、
3)セグメント間のハーフトーン周波数シフトを検出し、その情報を使用してクロックマークをデコードし、
4)エンコーディングプロセスで使用された冗長性を用いて、デコードされたビットストリームを検証する。
【0029】
この方法は、実際の印刷物を使用してテスト済みであり、IQ不良が認識されることなく、0.5%の周波数変化でエンコードされたクロックマークをデコードできる。この方法は、可変画素クロック(例えば、1989年8月22日発行のCurryによる米国特許第4,860,237号「Scan Linearity Correction」参照)を有するシステム以上の追加ハードウエアを必要としない。
【0030】
前述したように、本開示は、一実施形態によれば、画素クロック周波数調節によりセキュリティデータをエンコードする、透かしを入れる方法を提供する。画素クロック周波数が公称値から外れると、これに応じて画素は、クロスプロセス方向において頻出度が上がるか又は下がり、印刷されたハーフトーン周波数を変化させる。公称値からの少々の逸脱に関し、画素配置の逸脱に起因するIQ不良は隠されるが、走査されたハーフトーンのスペクトル分析を通して検出可能である。したがって、本開示の方法は、ハーフトーン周波数変化を含む画素クロック周波数制御により、隠された透かしをエンコードする。この方法は次のステップを含む。
1)キャリブレーション−可視欠陥を起こすことなくクロスプロセス及びプロセス方向にエンコード可能な最大ビット数を決定し、
2)透かし変換−バイナリ透かしデータを1クロック周波数プロファイル又は異なる走査線を駆動する複数のプロファイルへ変換し、
3)透かしプロファイルの補正プロファイル結合−エンコードされた周波数プロファイルを、いずれか必要な走査非線形性補正プロファイルと結合し、
4)印刷−結合したプロファイルを使用して画素クロックを駆動し、レーザーを駆動する。
【0031】
特に、この方法は、可変画素クロックを有するシステム以上の追加ハードウエアが不要である。
【0032】
さらに、本開示は、走査されたハーフトーン印刷物のスペクトル分析による透かし検出方法を提供する。この方法は次のステップを含む。
1)分析すべき走査画像セグメントを決定し、
2)走査画像セグメントにスペクトル分析を適用してそのハーフトーン周波数を抽出し、
3)セグメント間のハーフトーン周波数シフトを検出し、その情報を使用してクロックマークをデコードし、
4)エンコーディングプロセスで使用された冗長性を用いて、デコードされたビットストリームを検証する。
【0033】
クロックマークは、既存のハードウエア能力を利用するという利点をもつ。本開示は、有効なクロックマークデコーディング方法を提供する。
【0034】
可変周波数画素クロックは、ROSベースのプリンタにおいて走査スポットの一定でない速度を補償するために使用されてきた(Curryの米国特許第4,860,237号参照)。不均一な速度は、ROS光学システムの歪みに起因し、補償しなければ、クロスプロセス画素配置のエラーを招き得る。これらアジャスタブルクロックは、非線形クロックやアナモフィッククロックと呼ばれることが多い。クロックは、予定した画素配置及び幅を画定するクロックプロファイルにより駆動される。クロック周波数が公称値から変化すると、これに応じて画素は、互いに近づき又は遠のき、すなわち、画素間隔が変わる。従来、この画素調節は、光学系の歪みを補償するために適用され、その結果、画素が、印刷物上で均等なサイズと間隔になる。
【0035】
本開示の一実施形態によれば、画素クロック周波数調節は、画素配置及び画素間隔が調節されるように、いずれか必要なROS歪み補償に追加して実行され、ハーフトーン周波数の調節を導く。公称値からの変化が小さければ、この周波数変更に起因するIQ不良は隠される。
【0036】
本例の方法は次のステップを含む。
1)キャリブレーション−可視欠陥を起こすことなくクロスプロセス及びプロセス方向にエンコード可能な最大ビット数を決定し、
2)透かし変換−バイナリ透かしデータを、走査線を駆動する1クロック周波数プロファイル又は異なる走査線を駆動する複数のプロファイルへ変換し、
3)透かしプロファイルの補正プロファイル結合−エンコードされた周波数プロファイルを、いずれか必要な走査非線形性補正プロファイルと結合し、
4)印刷−結合したプロファイルを使用して画素クロックを駆動し、レーザーを駆動する。
1)キャリブレーション−可視欠陥を起こすことなくクロスプロセス及びプロセス方向にエンコード可能な最大ビット数を決定する。
【0037】
理想的に、キャリブレーションプロセスは、透かし印刷が生成されるであろう、所定のプリンタ、ハーフトーン、及び設定について実行される。最大IQ及びエンコーディング容量に関し、キャリブレーションは、透かしを受けることになる各特定の画像に対し実行される。あるいは、同じか又は同類の印刷プロセスによる以前の印刷からの経験値が、指標として役立ち、詳細なキャリブレーションの代わりとなる。以下に、1つの印刷設備に使用されるキャリブレーション法の一例が示される。
【0038】
検討下の画像マーキングシステムでは、クロスプロセス方向に異なるインターバル(0.5″,1″,及び2″)をもって、公称周波数から違うレベル(例えば0.3%,0.5%,及び1%)で画素クロック周波数を変化させても、50%カバー範囲で一連の一様なフルページハーフトーンパターンが発生された。周波数変化の理想的なレベルは、図1に示すような異なるクロック周波数に対応したハーフトーン周波数ピークを明確に識別可能である一方、ハードコピー印刷物で可視IQ不良がないレベルである。図1に示すように、画像は、クロスプロセス方向に1″インターバルで公称周波数より0.5%高くセットされたクロック周波数で印刷された。図1は、2つのハーフトーン周波数ピークが、ハードコピー印刷物における可視IQ不良を伴うことなく正確に弁別することができるよう十分に、互いに分離されたことを示している。したがって、プロセス方向の全域が、透かしの1ビットをエンコードするために使用可能である。特に、クロスプロセス方向にエンコード可能であるビット数は、デコーディングスキーム、クロック周波数を変化させる応答時間、プリンタ/スキャナノイズ、画像内容、ハーフトーン周波数及びタイプ、公称周波数及び0.5%高い周波数の周波数といった種々の要因のそれぞれに依存する。
【0039】
ここに開示するエンコーディング方法はハーフトーン化した領域に依存するので、ハーフトーンでない領域は、エンコードされた情報を提供するために使用するべきでない。例えば、一実施形態によれば、画像は、ハーフトーン領域と非ハーフトーン画像に前処理され、ハーフトーン領域だけがエンコーディングに使用される。
【0040】
単一ページ中にエンコード可能なビット数を増加させるために、クロスプロセス方向の透かしエンコーディングに加えて、プロセス方向にも透かしビットをエンコード可能である。すなわち、異なるクロックプロファイルが、異なるプロセス方向画像セグメントに対し使用され得る。現行方式において、各画像セグメントは50走査線からなり、20〜30セグメントが組み込み冗長性用の同じ透かしでエンコードされ、デコーディング精度を向上させる。各画像セグメントの長さは、印刷ノイズと要求されるエンコーディング容量との兼ね合いで決定される。例えば、ハードコピー印刷物が大変ノイジーである場合、より長いプロセス方向画像セグメントがノイズを低減するために使用可能であるのに対し、低ノイズコンディションであれば、長さを短くしてエンコーディング容量を増加させられる。
最大エンコードビット=floor[(用紙長−縁)/(要求最小長×要求冗長性)]
×帯数(例えば、floor(用紙幅−縁)/要求最小幅)
例:標準用紙ストック(例えば14″×8.5″用紙)の場合、36レベルの冗長性(非常に保守的)で、
最大エンコードビット=floor[(8.5″−1″)/(1/12″×36)]×floor(14−1)/1″〜39ビット。
【0041】
典型的なセキュリティエンコーディングの場合、16〜32ビットで足り得る。セクション幅は周波数解像度に制約されるが、帯長及び冗長性は、要求ビット数が最大エンコーディングビットより少ない場合、より良い信号対雑音比(ノイジー画像、画像内容依存、・・・)のためにさらに最適化され得る。
2)透かし変換−バイナリ透かしデータを、走査線を駆動する1クロック周波数プロファイル又は異なる走査線を駆動する複数のプロファイルへ変換する。
【0042】
透かしをエンコードするために、図2に示すように、ページは複数の帯(例えばプロセス方向に1/12″幅)にまず分けられる。図2中の各セグメントは、それぞれ、公称クロック周波数で描画された領域を表す水平方向ハッチのセクションと、わずかに高い/低いクロック周波数(例えば0.5%以下高い/低い)クロック周波数で描画された領域を表す垂直ハッチのセクションで、透かしの1又は0(単一ビット)を表す。要求ビット数によっては、ビットの帯が複数の帯により表されることが要求され得る。例えば図3は、エンコードされた走査線の3グループを要する、エンコードされた透かしを示す。
【0043】
透かしビットストリームの長さ(すなわち、クロスプロセス方向に可能なエンコーディングビットより長い)に応じて、入ってくるビットストリームは、好ましくはセグメント中に同数のビットをもつ、複数ビットセグメントに分けられる。それぞれのセグメントについて、バイナリビットが図4に示す周波数プロファイルに変換される。この周波数プロファイルでは、0が公称周波数に相当し、1が公称値より高い/低い周波数に相当する。複数のセグメントが複数のプロファイルに変換され、画像描画がプロセス方向下流へ進むように、異なる画像セグメントのための画素クロックを駆動するべく使用される。図4中の右下の画像は、エンコードされた画像の一例であり、周波数変化を非常に高く設定して、エンコードされた情報を明示してある。この概略画像は、ハーフトーン印刷が、異なるクロック周波数領域で異なる濃度を示すように、非常に高い周波数変化を使用した透かし画像の走査から実際に構成されている。現実的には、周波数変化は低く保たれ(例えば0.5%以下)、高低のクロック周波数領域間でIQの違いは見えないはずである。
3)透かしプロファイルの補正プロファイル結合−エンコードされた周波数プロファイルを、いずれか必要な走査非線形性補正プロファイルと結合する。
【0044】
画素クロックがクロスプロセス方向の画素配置を制御/補正するためにも使用されるので、透かしエンコードされたプロファイルは、走査非線形性補正に使用される周波数プロファイルと結合する必要があり、これによりROSを駆動する最終プロファイルを発生する。そして、我々の提案する周波数調節は、ROS非線形性の補償に使用されるクロック周波数の緩慢、滑らかな変化「の上に乗って」いる。
4)印刷−結合したプロファイルを使用して画素クロックを駆動し、レーザーを駆動する。
実験及び結果
【0045】
ここに開示した方法は、レーザー印刷システムでテスト済みである。50%カバー範囲でフルページハーフトーンが透かしをエンコードするために使用された。クロック周波数は、14″×8.5″用紙にビットストリーム00110011001をエンコードするため2″ごとに0.3%、0.5%、1%及び3%で変化させた。IQ不良は、0.5%以下の周波数変化で認識されなかった。画像は続いて600dpi解像度でオフライン走査され、透かしがスペクトル分析により検出された。
【0046】
図6を参照すると、本開示に係るエンコーディング方法の別の実施形態が示されている。図示のように、単一のエンコードされた帯が透かし情報を提供するために使用され、エンコードされた帯は、画像全域に渡り繰り返されて冗長性を提供する。言い換えると、冗長なエンコードされた帯が、よりロバストなエンコーディングシステムを提供するために使用される。
【0047】
図7を参照すると、本開示に係るエンコーディング方法の別の実施形態が示されている。ここでは、エンコードされたブロックが複数のエンコードされた帯を提供し、透かしに関連付けられたバイナリデータを表現する。ロバストシステムを提供するために、エンコードされたブロックは、表現された画像内で数回繰り返される。
【0048】
図8は、本開示に係る、画像出力装置で表現する画像中に透かしをエンコーディングする方法の一例のフローチャートである。
【0049】
最初に、透かしを表すバイナリエンコードされた信号が発生される。
【0050】
次いで、この方法は、要求エンコーディング容量のエンコードされた信号を決定する(80)。言い換えると、透かしのエンコードに要求されるビット数が決まる。
【0051】
次に、1ビットを表す所定のセグメント幅に基づいて、この方法は、透かしをエンコードするのに必要なセグメント数を決定する(82)。これは、透かしをエンコードするのに必要な帯数の決定につながる。
【0052】
次に、要求された帯数及び関連した帯長に基づいて、この方法は、任意でロバスト性を提供する冗長帯を含む、エンコードされた帯を発生する(84)。
【0053】
最後に、画素クロック周波数プロファイルが、エンコードされた帯の関数として発生される(86)。これが、透かし及び関連した画像を表現するための画素クロックを駆動するべく使用される。
【0054】
図9は、本開示に係るハーフトーンドットにおける周波数変化の影響を説明するために提供される、誇張したハーフトーンドット構造を示す。
【0055】
前述したように、本開示の一実施形態によれば、いずれか必要な補償に加えて画素クロック周波数調節が画像に適用され、画素位置及び画素間隔が調節されて、画像中に透かしをエンコーディングするハーフトーン周波数の調節が導入される。したがって、走査されたハーフトーン印刷物から、セグメント間のハーフトーン周波数変化を検出すれば、エンコードされた隠れたクロックマークがデコード可能である。
【0056】
「Geometric distortion signatures for printer identification」, O. Bulan, J. Mao, and G. Sharma, in Proc. IEEE International Conference Acoustics Speech and Signal Processing, April 19−24, 2009, Taipei, Taiwan, pages 1401−1404において、Sharma及びBulanは、プリンタ識別手段として印刷画像歪みを試験した。彼らはROSのしなりのような既存の歪みに依存してプリンタを識別した。この識別は、数モデルのプリンタからなる小グループにおいて他から1つのプリンタを区別することに主に向けられていた。
【0057】
画素間調節による透かしエンコーディング方法の提供に加えて、本開示は、走査されたハーフトーン化印刷物のスペクトル分析により、エンコードされた透かしをデコーディングする方法を提供する。本開示の方法は実際の印刷物を用いてテスト済みであり、この方法は、前述したように、IQ不良が認識されない、0.5%周波数変化でエンコードされたクロックマークを、デコード可能である。この方法は、可変画素クロック(1989年8月22日発行、Curryによる米国特許第4,860,237号「Scan Linearity Correction」参照)を有するシステム以上の追加ハードウエアを必要としない。
【0058】
この方法は、次の4ステップを含む。
1)分析すべき走査画像セグメントを決定し、
2)走査画像セグメントにスペクトル分析を適用してそのハーフトーン周波数を抽出し、
3)セグメント間のハーフトーン周波数シフトを検出し、その情報を使用してクロックマークをデコードし、
4)エンコーディングプロセスで使用された冗長性を用いて、デコードされたビットストリームを検証する。
1)分析すべき走査画像セグメントを決定する。
【0059】
最初に、エンコードされたデータを含む、走査された画像セグメントを分離する必要がある。デコーディング方法の一例によれば、画像セグメント幅及び長さは、エンコーディング方法に関連した所定のデータから既知である。さらに、帯全体の幅及び長さは、図5に示すように所定のデータから既知である。
【0060】
一実施形態によれば、帯は用紙の縁を基準とする。セグメンテーションは、既知の範囲を使用するページ上にグリッドを形成することにより達成される。後続の周波数分析は、帯長が比較的広く(1″とほぼ等しい)、イエロードットエンコーディング同様、少数のビットをエンコーディングするアプリケーションに対し多量の冗長性が使用可能であることから、数ミリのエラーに対してロバストであるべきである。
【0061】
他の実施形態によれば、基準マークが印刷物上の何処かに配置され、セグメンテーショングリッドが正確に位置決めされ得る。基準マークは、種々の形態であり、限定するものではないが、Yドット、Kドット、画像エッジ、又は、境界線など画像中の既知のランドマークが含まれる。
【0062】
他の実施形態によれば、第1の帯の基準開始位置を示す印刷物上に印された情報の欠落がある場合の方法が提供される。殊に、このシチュエーションはよりチャレンジングである。この状況に向けられた一つの方法は、グリッド位置の変化に対し、以下に提案される方法のように、スペクトル分析を実行することである。いくつかの画像セグメントに関し最良の周波数分離を生むグリッド位置は、また、以下に示すグリッドセグメンテーション及び綿密なスペクトル分析に使用される。
2)走査画像セグメントにスペクトル分析を適用してそのハーフトーン周波数を抽出する。
【0063】
スペクトル分析は、各画像セグメントに適用され、セグメントごとに周波数ピークを検出する。エンコーディングプロセスにおいて画像品質不良を避けるため、高低ハーフトーン周波数は、どちらかと言えば小幅(例えば公称値の0.5%から1%)に抑えられる。この小幅の故に、Yulear−Walker法のように高い周波数解像度をもつスペクトル分析法を使用することが好ましい。Yulear−Walker法が各画像セグメントに適用され、予め定義された周波数範囲内で周波数ピークを検出する。その範囲は、公称ハーフトーン周波数の周囲であるべきで、画素クロック周波数変化に従う予定された周波数シフトを含む(例えば、f±Δfで、fは画素クロックが公称周波数であるときのハーフトーン周波数、Δfは、3〜5cpiなどの範囲である)。
【0064】
一実施形態によれば、ハーフトーンは、45°に近い170cpiの基本周波数を含むわずかに非直交性のスクリーンで使用される。画素列は≒170cpi/√2=120.2cpiでこのハーフトーンを区切る。この形態を用いた実験においてYulear−Walker分析の周波数範囲は、±15cpi(必要なものより大きい)であった。図10は、a1及びa0のエンコードされたビットパターンを用いた帯の2セグメントからのスペクトルを示す。50走査線及び各2セクションからなる帯は1″幅であった。同図は、Yulear−Walkerスペクトル分析が2つの周波数ピークを明確に分離可能であることを示す。
【0065】
スペクトル分析は、各セクション内で1つ以上の各種方法において適用可能である。例えば、クロスプロセス軸で周波数成分(基本、調波、区切り周波数、・・・)を伴うハーフトーンの場合、一次元分析をセグメント内の各走査線に適用することができ、全走査線から検出されたピーク位置を平均することができる。Yulear−Walker法のような、スペクトル分析のためのいくつかの空間技術は、位相の不連続に対し比較的鈍感である。この鈍感性は、頭尾法においてセグメント内の走査線を互いにつなげることによって形成された、より長いデータシーケンスでの分析実行を可能にする。実験は、接続された走査線が、ピーク位置の解像度を向上可能であることを示している。Yulear−Walkerスペクトル分析の代わり又は追加として、Fourier分析など他のスペクトル技術を、ピーク位置決定のために使用することができる。1つ以上の方法が使用される場合、いくつかの重み付け手法で推定位置を平均することができる。
【0066】
二次元周波数分析もまた、基本周波数又は調波、又はその両方を探索するために、二次元セグメントで使用され得る。同様の周波数分析が、スペクトル中の対象となる成分をあなたが探索するカラーハーフトーンで実行可能である。基本及び調波に加えて、ビート周波数も、カラーハーフトーン中に生じ得るし、周波数ピーク識別に使用され得る。ここに開示するエンコーディング及びデコーディング方法はハーフトーン化領域に従うので、非ハーフトーン領域はデコードされる情報を提供するために使用するべきではない。別の実施形態によれば、周波数分析が実行され、その結果は、予定周波数の1つが発見されない場合には使用されない。別の実施形態によれば、画像は、ハーフトーン領域及び非ハーフトーン領域に予備処理され、ハーフトーン領域のみが周波数ピーク検出に使用される。
3)セグメント間のハーフトーン周波数シフトを検出し、その情報を使用してクロックマークをデコードする。
【0067】
クロックマークをデコードするために、検出された周波数位置をバイナリビットに変換する必要がある。1つのアプローチは、検出されたピーク位置を高低の予定ピーク位置と比較することである。両ピークをシフトさせ得る、用紙収縮のような印刷プロセスにおける歪みを考慮して、所定セグメントに関するピークを予定ピークの近くに割り当てる。キャリブレーションを実行して、理想的なデジタル周波数と所定の印刷済み媒体で生じる周波数との差を把握する。高又は低周波数を、選択された周知方式に従って0又は1に割り当てることができる。代案が、0又は1としたセグメント間の周波数シフトと反対の非シフトをデコードすることである。この代案方法は、次の同論理のエンコーディング方法に従う。
【0068】
プロセス全体は、次に、図11に示すように、画像内の全帯に対し繰り返される。いくつかの帯は、冗長情報でエンコードされるであろうし、それら帯は、透かしをデコードするため互いにグループ化されるであろう。
【0069】
最初に、プロセスは、走査画像から予め画定された長さで帯を取得する(110)。続いてプロセスは、帯が用紙エッジ又はいずれかの非ハーフトーン領域を含むか否かを決定する(112)。帯が透かしエンコーディングに適していれば、プロセスは114へ進み、帯がクロスプロセス方向でセグメントに区分され、スペクトル分析が116で実行される。スペクトル分析から、ピーク位置が検出され(118)、プロセスは、帯からの全セグメントに対し繰り返される(120)。122において、ピーク位置は続いて、透かしの印を決定するために使用される。画像全体が処理された場合(124)、プロセスは、冗長帯を探索してデコードされた透かしを検証し(126)、最終的にデコードされた透かしが示される。
4)エンコーディングプロセスで使用された冗長性を用いて、デコードされたビットストリームを検証する。
【0070】
画像内容、セグメンテーションのミスアライメント、マーキングプロセスでのノイズ、及び限定されたセクション幅に起因した周波数解像度の限界のために、検出されたピーク位置は、同じエンコードビットであっても、セクション間で一致せず、又は、全部喪失していることがある。したがって、エンコーディングプロセス中に多量の冗長性を組み込み、冗長性を、デコードされたビットストリーム全体における信頼性を向上させるために使用する必要がある。重み付けが個々のデコードされたビットの推定における信頼性によって割り当てられる、ビットレベルの多数決選択(より多数の最終ビット値0又は1のセット)又は重み付け多数決などの技術が使用可能である。
実験及び結果
【0071】
実施した実験に係るエンコードしたビットパターンは、0011001100110である。
【0072】
ハーフトーンは、公称上、
【数1】

120.2cpiの周波数でx軸と交差する。その公称の低及び高周波数が公称値から±0.5%変化することでそれぞれ119.6及び120.8cpiを生じた。用紙収縮及びその他の物理的歪みに起因して、120.4cpiのしきい値が、検出された低及び高周波数セグメントを区分するために使用された。図12は、セグメントの25列及びセグメント平均の行を示す。
【0073】
しきい値を平均に適用することで、エンコードされたビットパターンを生じる。
【0074】
ビットパターンを検出する代替方法が、隣接セグメント間の周波数差のしきい値をセットアップすることである。隣接セグメント間の周波数差が所定のしきい値を上回れば、ビットパターンは0と1の間で変化し、そうでなければ、ビットパターンは1又は0として留まる。この実験の場合、平均周波数の約0.25%である0.3cpiのしきい値が、ほとんどの領域にふさわしい選択である。多義的な決定を招き得る列の場合、上述のように平均に依存可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力装置で表現される画像中のエンコードされた透かしをデコーディングする方法であって、前記画像出力装置は、画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドと関連し、前記透かしは、画素間隔調節によりエンコードされ、
a)前記画像出力装置で表現された画像を走査することと、
b)前記エンコードされた透かしを含んだ前記走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定することと、
c)スペクトル分析を適用して前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定することと、
d)前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて前記画像セグメントをデコーディングし、前記符号化された透かしを判定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記画像出力装置と動作上関連して前記画素間隔調節を制御する画素クロックを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記画素グリッドが長方形である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
公称クロスプロセス周波数成分を含む画像のハーフトーン表現を用いて画像が表現されると共に、前記透かしが、前記ハーフトーン表現のクロスプロセス周波数を調節することによりエンコードされ、前記画像出力装置を使用した前記ハーフトーン表現の表示内で前記透かしをエンコードする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記透かしが、バイナリデータにエンコードされ且つ前記ハーフトーン公称クロスプロセス周波数を調節して前記バイナリデータをエンコードすることによりエンコードされる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
媒体基板に画像を表現する画像出力デバイスと、
前記画像出力デバイスで表現する画像の描写を受信するように構成されたコントローラであって、前記媒体基板に表現される画像内のエンコードされた透かしをデコードする命令を実行するよう構成された前記コントローラと、を含み、
前記画像出力デバイスは、画像を表現するための、第1方向に実質的に等間隔とした第1の所定数の画素及び第2方向に実質的に等間隔とした第2の所定数の画素を含む画素グリッドと関連し、前記透かしは、画素間隔調節によりエンコードされ、前記命令は、
a)前記画像出力デバイスで表現された画像を走査することと、
b)前記エンコードされた透かしを含んだ前記走査画像に関して1つ以上の画像セグメントを決定することと、
c)スペクトル分析を適用して前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関して画素間隔を判定することと、
d)前記1つ以上の画像セグメントのそれぞれに関し判定された画素間隔に基づいて前記画像セグメントをデコーディングし、前記符号化された透かしを判定することと
を含む、印刷装置。
【請求項7】
画素クロックが前記画像出力デバイスと動作上関連して前記画素間隔調節を制御する、請求項6記載の印刷装置。
【請求項8】
前記画素グリッドが長方形である、請求項6記載の印刷装置。
【請求項9】
公称クロスプロセス周波数成分を含む画像のハーフトーン表現を用いて画像が表現されると共に、前記透かしが、前記ハーフトーン表現のクロスプロセス周波数を調節することによりエンコードされ、前記画像出力デバイスを使用した前記ハーフトーン表現の表示内で前記透かしをエンコードする、請求項6記載の印刷装置。
【請求項10】
前記透かしが、バイナリデータにエンコードされ且つ前記ハーフトーン公称クロスプロセス周波数を調節して前記バイナリデータをエンコードすることによりエンコードされる、請求項9記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−129991(P2012−129991A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258263(P2011−258263)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】