説明

画面データ作成方法

【課題】多言語での文字プロパティ設定を容易かつ効率的に行うこと。
【解決手段】本画面データ作成方法は、作画ツールの編集画面P上に呼び出すHMI部品のプロパティ設定ウインドウWに文字プロパティの設定に用いる言語を多言語の中から任意に選択することが可能な言語種類選択部W2を配置し、この言語種類選択部W2に対するツール操作により多言語の中から任意の1つの言語を選択し、この選択した言語による文字で文字プロパティ入力領域W3,W4に文字入力を行なうことにより、当該選択した1つの言語による文字(操作入力文字)でのプロパティ設定と共に、上記選択しなかった他の多言語による文字でかつ文字入力していない文字(非操作入力文字)による文字プロパティ設定を同時に行う方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多言語対応表示器の表示画面に表示するデータ(画面データ)を作成する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)と表示器(プログラマブル表示器も含む)と外部PC(パーソナルコンピュータ)とを備えた制御システムにおいては、PLCにより外部機器をシーケンス制御し、表示器により外部機器の状況を表示したり外部機器を操作したりすることができ、また、外部PCはこれらPLCや表示器をプロトコル通信により制御することができるようになっている。
【0003】
このような制御システムにおいて、表示器は、工場設備内の操作盤、スイッチ、表示灯等の外部機器の表示機能を備えることができる他、外部機器の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値を入力する端末としての機能を備えている(特許文献1参照)。そのため、表示器の画面上に外部機器の制御や操作のためこれらに対応してメータ、グラフ、スイッチ等の各種HMI(ヒューマン・マシーン・インタフェース)部品が表示されている。
【0004】
このような表示器画面は、外部PCを画面作成装置(作画ツール)としてそれに内蔵する画面作成ソフトウエア(作画ソフト)あるいはインストールした作画ソフトを用いて外部PCの表示部に編集画面を表示し、その編集画面上でユーザが独自に編集作成することができる。
【0005】
編集画面にはユーザーインタフェースとして背景画像上に表示するHMI部品がある。編集画面には編集に用いる部品(HMI部品を構成する円、四角、直線等)がリストされている部品リスト領域、リスト領域内の部品を雛形として表示させるテンプレート領域、テンプレート領域に表示されている部品(雛形)を編集してHMI部品を作成する作画編集領域等を有しており、作成者は部品リスト領域にリストされている部品をテンプレート領域内に複数選択し、次いで、複数選択した部品それぞれを編集領域上に表示し該編集領域上で形状やサイズや配置等の適宜の加工操作を行ってHMI部品を作成できるようになっている。このようなHMI部品は単独の部品や、複数の部品の組み合わせで構成されている。このようなHMI部品はその操作に対応したプロパティを設定することが行われる。このプロパティには、部品形状、部品色、表示フォント等の他、テキスト文字等がある。テキスト文字は例えばプッシュボタンであればそのプッシュボタン上の「オン」や「オフ」表示にプロパティを与える文字である。
【0006】
このプロパティを設定する場合、編集画面上にプロパティ設定のダイアログウインドウを呼び出し、このウインドウでプロパティを設定する。編集画面上で表示器画面の作成が終了すると、作画ツールから表示器に表示器画面データが一括転送されてダウンロードされる。
【0007】
ところで、このHMI部品に表示する文字は、当該表示器を使用する国や地域に対応した言語で表記する必要がある。そのため、文字プロパティ設定では、その表示器を利用する国や地域に対応した言語による文字で行うが、1言語対応の表示器は当該言語使用地域等では使用可能でも他言語使用地域では使用に不便である。そのため言語使用地域に応じてHMI部品に表示する文字の言語を切り替えることができるような多言語対応表示器は既に市場に提案されている。
【0008】
この多言語対応表示器に対応した表示器画面を作成する場合、同一のHMI部品に対しては文字プロパティ設定を言語の種類分だけ行う必要があり、HMI部品に文字表記することができるように表示器画面を作成する必要がある。1つの画面データに対して言語の種類に応じた数の画面データを作成する必要があり、画面作成に手間がかかる。また、多言語対応の画面作成には言語に精通した画面作成者を必要とする。例えば作画ツールの編集画面上のHMI部品が例えばプッシュボタンであり、このプッシュボタンに文字プロパティを設定する場合、文字プロパティ設定ダイアログのウインドウを呼び出し、そのウインドウにおける「Language」メニューで日本語を選択し、テキスト文字入力領域に日本語で「オン」「オフ」設定する。次に、例えば英語圏に対応させるため、同様の操作手順で「Language」メニューで英語を選択し、次いでテキスト文字入力領域に英語で「on」「off」設定する。というように言語に対応して上記プロパティ設定操作を繰り返し実行する。このようなプロパティ設定は、日本語以外の言語を知らない編集画面作成者の場合、他の言語の操作入力を行うことができず、他言語に精通する画面作成者に拠る必要があり、手間が非常にかかる。
【特許文献1】特開2000−194472号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明により解決すべき課題は、作画ツールの編集画面上で画面データを作成する場合において、編集画面上に貼り付けるHMI部品に多言語の文字プロパティ設定を1つの言語の文字プロパティ設定のみで実行可能となして、多言語に精通しなくても多言語の文字プロパティ設定を容易かつ効率的に実行することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の画面データ作成方法は、作画ツールの編集画面上でHMI部品を配置した画面を作成する画面データ作成方法において、上記作画ツールの編集画面上に呼び出すHMI部品のプロパティ設定ウインドウに、文字プロパティの設定に用いる言語を多言語の中から任意に選択することが可能な言語種類選択部を配置し、この言語種類選択部に対するツール操作により多言語の中から任意の1つの言語を選択し、この選択した言語による文字で文字プロパティ入力領域に文字入力を行なうことにより、当該選択した1つの言語による文字(操作入力文字)でのプロパティ設定と共に、上記選択しなかった他の多言語による文字でかつ上記操作入力文字とプロパティ設定上で対応する文字でかつ操作入力していない文字を非操作入力文字とし該非操作入力文字による文字プロパティ設定を同時に行うことを特徴とするものである。
【0011】
本発明によると、プロパティ設定ウインドウの言語種類選択部をマウスクリックして多言語メニューを開き、その多言語メニューに表示されている多言語の中から画面作成者が知っている任意の1つの言語を選択し、その任意の1つの言語による文字(操作入力文字)で文字プロパティ入力領域に操作入力してHMI部品の文字プロパティを設定すると、多言語メニューの中で選択されなかった他の多言語による文字(非操作入力文字)については文字プロパティ入力領域に操作入力しなくても、自動的にHMI部品の文字プロパティに設定することができるので、画面作成者は多言語のすべてに精通しなくてもその多言語の中から任意の1つの言語による文字で文字プロパティ入力領域に操作入力するだけで、他の多言語による文字で文字プロパティ設定を行うことが可能となり、多言語による文字プロパティ設定を容易かつ効率的に実行することが可能となる。
【0012】
本発明においては、上記作画ツールに多言語辞書(同じ文字プロパティを与える文字を多言語により一覧表とし作画ツールでソフトウエア上で検索可能にした辞書テーブル)のソフトをインストールし、当該作画ツールは、上記任意の1つの言語によりプロパティ入力領域に入力した文字(入力文字)に対応する他の言語の文字(検索文字)を上記多言語辞書から検索し、上記検索文字を上記非操作入力文字とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、多言語に精通しなくても多言語の文字プロパティ設定を容易かつ効率的に実行することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態に係るプロパティ設定方法を詳細に説明する。
【0015】
図1を参照して、同図には、パーソナルコンピュータ(外部PC)1と、表示器2と、プログラマブルコントローラ(PLC)3と、外部機器4とが示されている。これらにより工場に設備された複数の外部機器4を制御する制御システムが構築される。外部PC1としてはデスクトップ1a、キーボード1b(入力部)およびマウス1c(入力部)を装備した通常の制御システム用PCを用いることができる。外部PC1は、そのデスクトップ1aに、図示略のCPU、ハードディスクドライブ、インタフェース部、および表示部を備えている。このCPUによりメモリやハードディスクドライブに格納されたプログラムにしたがって当該外部PC1の各部の動作を制御する他、表示器2との間の通信も制御し、ハードディスクドライブにより、OS、各種ドライバ、アプリケーションプログラム等を記憶し、インタフェース部により、表示器2との間で通信を行うことができるようになっている。
【0016】
表示器2はHMI機器としてのプログラマブル表示器やパネルコンピュータのような表示器である。この表示器は、ドット表示画面、操作用入力スイッチ、PLC3とのインターフェース、画面上での操作入力のような制御のためのプログラムメモリなどを備えた操作用表示器であり、グラフィック表示を行うため、操作盤、スイッチ、表示灯などの表示機能を備えることができる他、外部機器の稼働状況や作業指示のような管理のための各種のモニタ、機器に対する設定値をタッチパネルを介して入力する端末としての機能を備えている。表示器2は上記機能の実行のための表示プログラムがインストールされている。このインストールは外部PC1から行うことができる。表示器2は、その表示プログラムに従い、表示動作を行うようになっている。表示器2は、外部機器4を制御するPLC3に接続される。表示器2は、その表示画面2a上に、外部機器4の操作状況を表示したり外部機器4を操作したりする部品2b等が表示されている。各部品2bは様々な形状、カラー、文字、フォント、等の各種プロパティが設定されている。この部品2bは、外部機器4と操作者とのインタフェースを形成するHMI部品である。このHMI部品2bは外部機器4に対応している。PLC3にはシーケンスプログラムがインストールされている。このシーケンスプログラムは外部PC1によりインストールすることができる。PLC3はそのシーケンスプログラムに従い、外部機器4に対して所要の制御動作を行うようになっている。外部機器4にはセンサ、リレー、その他の機器がある。外部機器4からPLC3には外部機器4の状況を示すデータが入力される。PLC3はそのデータを表示器2に、また、表示器2を介して、外部PC1に送信することができる。
【0017】
以上において、外部PC1は、上記制御システムにおけるホストコンピュータとしての機能以外に、表示器2の表示画面の設計を行う作画ツールとして機能することができる。なお、作画ツールを外部PC1ではなく別途のパーソナルコンピュータで構成し、この作画ツールで作画した画面データを表示器2に転送するようにしてもよい。また、表示器2に作画ソフトを記憶させておき、外部PC1にその作画ソフトをインストールすることができるようにしてもよい。
【0018】
表示画面の設計にはHMI部品2bの配置、プロパティの設定、プロパティの変更等が含まれる。外部PC1は、表示設計に際しては、内蔵の画面作成ソフトウエア(作画ソフト)や記録媒体5からインストールされた作画ソフトにより行うことができる。この作画ソフトはスイッチ、ランプ、テンキー、メータ表示器、グラフ表示器などのHMI部品、タグ設定機能、描画機能、テキスト入力機能などを用いて所望の画面を構成するためのソフトである。上記HMI部品は単一機能だけでなく複数機能を備えた複合部品、例えば複合スイッチ、カウンタ、タイマ等もある。これら部品は編集領域にドラッグ&ドロップ等の操作で配置することができるようライブラリ形式で登録されている。外部PC1で作成した画面データは表示器2に転送される。この場合、外部PC1で作成された画面データは、表示器2が解読可能なデータ形式として表示器2に転送される。
【0019】
表示器2ではこの画面データをフラッシュメモリなどのメモリに記憶可能なファイル形式で記憶し、画面を表示するときに、必要に応じて読み出す。また、表示器2は画面データをバックアップファイルとして保存するために、メモリに記憶された画面データをバックアップ用のファイル形式に変換して、表示器2に着脱可能な記録媒体に記憶することができる。この記録媒体としては例えばメモリカードが好適である。表示器2は、PLC3の稼働時に、PLC3との間でやり取りされるデータに基づいて、外部機器4の動作状態に応じて画面上に各部品や図形を表示する。
【0020】
外部PC1には上記作画ソフトに加えて多言語辞書ソフトが内蔵もしくはインストールされている。多言語辞書ソフトは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROMのようなメディアの形態でパッケージソフトとして、制御システムの業種に応じて提供してもよい。
【0021】
図2に上記多言語辞書を示す。この多言語辞書は、HMI部品の文字プロパティを特定する文字を多言語により一覧表化したソフトウエアの辞書テーブルである。この多言語辞書は、上記制御システムにおいてHMI部品の操作や状況等(制御内容)に対応した各制御用の文字として日本語で「オン」「オフ」「開始」「停止」…であり、その各制御用文字それぞれに対応して英語で「ON」「OFF」「START」「STOP」…であり、以下、中国語、韓国語、その他の国、地域の言語に対応した制御用文字の一覧表である。この多言語辞書テーブルによれば、同一の制御内容に対して各言語それぞれの文字列を相互に関連付けし、いずれかの言語による文字で文字プロパティ設定すると他の言語による文字の検索を可能とし、当該他の言語による文字でのプロパティ設定が可能になっている。
【0022】
図3は、外部PC1の編集画面Pを示す。この編集画面Pには部品リスト領域P1、テンプレート領域P2、作画編集領域P3、プレビューウインドウP4が配置されている。作画編集領域P3には、表示器2に表示されるHMI部品2bを配置した画面が示されている。この画面には各種のHMI部品2bが表示されている。
【0023】
図4は、編集画面P上にプロパティ設定ダイアログのウインドウWを呼び出した状態を示し、図5は、図4のプロパティ設定ダイアログウインドウWを拡大して示す。このウインドウWはHMI部品2bのうちプッシュボタンのプロパティを一例として設定するウインドウである。このウインドウWには、プッシュボタン名「Name」、シミュレーション「Simulate」、表示フレーム「DisplayFrame」、多言語設定選択部「MultiLanguage」、言語種類選択部「InputLanguage」、記述「Description」、タグネームデータベース「TagNameDatabase」、ラベル「Label」、位置「Positon」、テキストサイズ「TextSize」、オブジェクトスタイル「ObjectStyle」、オンテキスト「ONText」、オフテキスト「OFFText」、オブジェクトタイプ「ObjectType」、等が英語表記されている。なお、プレビューウインドウにはプロパティ設定するプッシュボタンが表示されている。オンテキスト「ONText」、オフテキスト「OFFText」には、このプッシュボタンの文字プロパティの文字(Text)を入力する文字プロパティ入力領域、ColorとしてTextカラー「Text」、背景カラー「Background」、テキストサイズ「TextSize」、アライメント「Align」、等がある。
【0024】
実施の形態に関わる箇所は、多言語設定選択部W1、言語種類選択部W2、および、オンテキストとオフテキストそれぞれの文字プロパティ入力領域W3,W4である。多言語設定選択部W1にマウス等のクリックやキーボード操作(ユーザ操作)によりチェックしてイベント入力をすると、多言語設定になり、多言語辞書に登録のすべての国の言語を選択するようになる。また、言語種類選択部W2のユーザ操作(マウスクリック等)により、円1で引き出して示すように各国の国名(多言語)一覧がメニュー表示され、この多言語の中から任意に1つの言語にユーザ操作によりチェックを入れて選択することができる。そして、この言語による文字を操作入力文字として文字プロパティ入力領域W3,W4にユーザ操作で文字入力することができ、選択しなかった他の言語による文字もユーザ操作で入力しなくても非操作入力文字として全てプロパティ設定を行うことができる。
【0025】
多言語設定せずに、言語種類選択部W2のみユーザ操作すると、円2で引き出して示す各国の国名一覧メニューから選択した国名の言語を操作言語として選択することができる。この場合、言語種類選択部W2で多言語の中から任意の1つまたは2つ以上の言語にユーザ操作でチェックを入れて選択することができる。2つ以上の言語にユーザ操作でチェックを入れて選択する場合では、その選択したいずれの言語でも文字入力することができる。言語種類選択部W2ではいずれの選択した言語が表示されるが、実施の形態では「日本語」としている。
【0026】
以上から、例えば、文字プロパティ設定ダイアログにおいて、多言語設定選択部W1をユーザ操作し、次いで、言語種類選択部W2で日本語をユーザ操作で選択すると、多言語対応となり、文字プロパティを日本語で設定するだけで、多言語すべての文字での文字プロパティの設定が行われる。
【0027】
図5では文字プロパティ入力領域W3には文字「オン」、文字プロパティ入力領域W4には文字「オフ」のプロパティを日本語で設定する状態を示す。プレビューウインドウに表示されているプッシュボタンには「オフ」の文字が表示されている。
【0028】
以上の多言語設定は外部PC1内ではすべてソフトウエア処理で行われるものである。実施の形態の概念理解に供するためにそのソフトウエア処理に対応したフローチャートで示すことができるが、実施の形態では図6にハードウェア的なブロック構成を示し、このブロック構成に従い説明することにする。図6は外部PC1を作画ツールとして多言語対応処理の画面データ作成のためのブロック図である。多言語設定選択部W1は、マウスクリックによりCPUに対して多言語設定が選択されたことを示す多言語設定信号を送信し、また、言語種類選択部W2は、マウスクリックによりCPUに対して文字プロパティの設定に例えば日本語が選択されたことを示す日本語選択信号を送信する。表示部の編集画面Pでは、CPUからの各種の表示制御信号に従い、編集画面Pやこの編集画面P上にプロパティ設定ダイアログウインドウWを表示することができる。画面データ生成部W5は、CPUからの表示部の編集画面W上での編集操作に対応して画面データを生成する。画面データ記憶部W6は、DRAM、FEPROM、SRAM、VRAMなどからなり、CPUからの記憶制御信号に従い画面データ生成部W5で生成した画面データを記憶する。W7は多言語辞書テーブルである。
【0029】
以上の構成において、例えば編集画面の作画編集領域で編集されている画面データは画面データ生成部W5で生成処理されている。そして、文字プロパティ設定において、多言語設定選択部W1から多言語設定信号がCPUに与えられ、かつ、言語種類選択部W2で日本語が選択されたときのCPUの動作を以下に説明する。図7は図2の多言語辞書テーブルW7を再掲すると共により詳しく説明するためのものである。この多言語辞書テーブルW7はCPUがこのテーブルにアクセスするためのXY座標を有し座標y0においてx0,x1,x2,…xnには言語名データが記憶されている。次に、座標y1においてx0,x1,x2,…xnには日本語の文字で「オン」、日本語の「オン」の文字に対応する英語の文字、日本語の「オン」の文字に対応する中国語の文字、日本語の「オン」の文字に対応する韓国語の文字が、…が順次に記入されている。座標y2においてx0,x1,x2,…xnには日本語の文字で「オフ」、日本語の「オフ」の文字に対応する英語の文字、日本語の「オフ」の文字に対応する中国語の文字、日本語の「オフ」の文字に対応する韓国語の文字、…が、順次に記入されている。
【0030】
そして、多言語設定選択部W1が選択され、言語種類選択部W2で例えば日本語が選択され、次いで、オフテキスト「OffText」の文字プロパティ入力領域W4に日本語の文字で「オフ」が操作入力されると、CPUは、多言語辞書テーブルW7にアクセスして、日本語の文字で「オフ」を検索する。そして、座標y2においてx0に日本語の文字で「オフ」を検索すると、続けて、x2,…,xnそれぞれにおける日本語の「オフ」の文字に対応する英語の文字、日本語の「オフ」の文字に対応する中国語の文字、日本語の「オフ」の文字に対応する韓国語の文字、…を順次検索する。次いで、CPUは画面データ生成部W5に対して、表示部編集画面Pに現在表示している文字プロパティ設定ダイアログのウインドウWに表示している文字プロパティを多言語ですべて設定する。画面データ生成部W5はそのプッシュボタンの文字プロパティに対応する画面データを多言語の数分だけ自動生成する。
【0031】
すなわち、プッシュボタンの文字プロパティ設定に関しては、多言語で設定した画面データが画面作成者の多言語に対応した手間がかかる操作入力によらずに自動的に簡単に生成される。
【0032】
こうして表示部の編集画面Pで表示器画面の作成が終了すると、CPUは画面データ生成部W5で生成した画面データを画面データ記憶部W6に記憶させる。画面データ記憶部W6には、多言語対応のHMI部品それぞれの表示器画面データが記憶される。
【0033】
こうしてすべての画面データの生成が終了するとCPUは画面データ記憶部W6に記憶している画面データを表示器2に転送する。表示器2では、図示略の多言語対応操作部を備えており、当該表示器2を利用する地域が例えば英語圏であれば、多言語対応で英語を選択することにより、表示器2内蔵のCPUにおいてはHMI部品の例えばプッシュボタンにその英語圏に対応して「off」の文字を当該プッシュボタンのプロパティとして表示器画面上に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は外部PC、表示器、PLCおよび外部機器を含む制御システムを示す図である。
【図2】図2は多言語辞書テーブルを示す図である。
【図3】図3は外部PCを作画ツールとしてその編集画面を示す図である。
【図4】図4は図3の編集画面にプロパティ設定ダイアログを呼び出した状態を示す図である。
【図5】図5は図4のプロパティ設定ダイアログウインドウを拡大して示す図である。
【図6】図6は多言語による文字プロパティ設定の説明に供するブロック図である。
【図7】図7は図2の多言語辞書テーブルを再掲したもので多言語による文字プロパティ設定のより詳しい説明に供する多言語辞書テーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 外部PC
2 表示器
2b HMI部品
3 PLC
4 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作画ツールの編集画面上でHMI部品を配置した画面を作成する画面データ作成方法において、上記作画ツールの編集画面上に呼び出すHMI部品のプロパティ設定ウインドウに、文字プロパティの設定に用いる言語を多言語の中から任意に選択することが可能な言語種類選択部を配置し、この言語種類選択部に対するツール操作により多言語の中から任意の1つの言語を選択し、この選択した言語による文字で文字プロパティ入力領域に文字入力を行なうことにより、当該選択した1つの言語による文字(操作入力文字)でのプロパティ設定と共に、上記選択しなかった他の多言語による文字でかつ上記操作入力文字とプロパティ設定上で対応する文字でかつ操作入力していない文字を非操作入力文字とし該非操作入力文字による文字プロパティ設定を同時に行う、ことを特徴とする画面データ作成方法。
【請求項2】
上記作画ツールに多言語辞書(同じ文字プロパティを与える文字を多言語により一覧表とし作画ツールでソフトウエア上で検索可能にしたテーブル)のソフトをインストールし、当該作画ツールは、上記任意の1つの言語によりプロパティ入力領域に入力した文字(入力文字)に対応する他の言語の文字(検索文字)を上記多言語辞書から検索し、上記検索文字を上記非操作入力文字とする、ことを特徴とする請求項1に記載の画面データ作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−280092(P2007−280092A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106123(P2006−106123)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(501088257)株式会社ウィン・システム (37)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】