説明

番号解決システム、番号解決方法およびキャリアENUMサーバ

【課題】ISUPを用いた相互接続と、SIPによるIP相互接続とが混在する環境において、ENUMプロトコルの拡張を行うことなく、着信先のキャリアを特定し、そのキャリアと接続するPOIを選択する。
【解決手段】キャリアENUMサーバ10は、発キャリアのSIPサーバ20からURIの問い合わせを受けると、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合は、SIP−URIにNRNを付して応答情報を生成し、SIPサーバ20に送信する。SIPサーバ20のPOI選択部213は、URIのドメイン部またはNRNにより着キャリアを特定する。また、POI選択部213は、URIの形式から、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有すると判定し、契約情報に基づきいずれかのPOIを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、E.164番号(ITU-TのE.164勧告で規定される、国番号を含む最大15桁の国際公衆電気通信番号。例えば、「+81-3-3333-4444」)を管理する複数のキャリア網(通信事業者のネットワーク)の相互接続における、番号解決システム、番号解決方法およびキャリアENUM(Telephone Number Mapping)サーバに関する。特に、個々のキャリア網間の相互接続に利用する呼制御プロトコルとして、従来からPSTN(Public Switched Telephone Networks)で用いられているISUP(Integrated Services Digital Network User Part)を利用した相互接続形態と、IP(Internet Protocol)網で用いられるSIP(Session Initiation Protocol)を利用した相互接続形態とが混在する環境における、番号解決システム、番号解決方法およびキャリアENUMサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
キャリア網内の装置(SIPサーバ等)が、電話番号とURI(Uniform Resource Identifiers)との対応付けを行うENUMサーバとの通信に用いるENUMプロトコルでは、DNS(Domain Name System)プロトコルの仕組みを利用し、SIPサーバ等がE.164番号をドメイン変換した形式でENUMサーバに問い合わせを行う。そして、ENUMサーバからの応答により、着信先となるE.164番号が付与されたサーバのアドレスやサービス情報を、SIPサーバが取得する仕組みであり、IETF(Internet Engineering Task Force) RFC 3761で規定される(非特許文献1参照)。
【0003】
図9は、SIPサーバからENUMサーバへの問い合わせの処理の流れを示すシーケンス図である。
図9に示すように、まず、SIPサーバは、VoIP(Voice over Internet Protocol)端末から、着信先電話番号(例えば、0422-59-1111)が付されSIP信号(INVITE)を受信する(S1)。
【0004】
そして、SIPサーバは、着信先電話番号をENUMプロトコルのドメイン形式で、ENUMサーバに問い合わせる(S2)。具体的には、SIPサーバは、そのINVITEに含まれる着信先電話番号(0422-59-1111のE.164番号)を逆順にして、ドットで区切り、e164.arpaを付けた形式でENUMサーバへ送信する。
【0005】
ENUMサーバは、着信先番号とURIとを対応付けたリソースレコードを検索し、着信先電話番号に対応するSIP−URIを通知する(S3)。
このようにすることで、SIPサーバは、着信先電話番号に対応したSIP−URIを、ENUMサーバから取得することができる。
【0006】
以上説明したような、IETFで検討されていた従来のENUMは、ユーザ端末からアクセス可能なものであり、「ユーザENUM」と呼ばれる。これに対し、セキュリティ確保などを目的としたキャリア網におけるENUMとして、一般のユーザ端末からはアクセス不可能な、キャリア網内の装置限定で利用するENUM(以下、「キャリアENUM」と呼ぶ。)に関する仕様がGSMA IR.67等で規定されている(非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】“The E.164 to Uniform Resource Identifiers (URI) Dynamic Delegation Discovery System (DDDS) Application (ENUM),”IETF, RFC 3761, April 2004
【非特許文献2】“DNS/ENUM Guidelines for Service Providers & GRX/IPX Providers,”GSM Association IR.67, March 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、E.164番号を管理する電話網を保有するキャリアでは、ユーザ端末収容の形態として、従来のPSTN収容からIP電話網収容への移行が急速に進んでいるが、キャリア間の接続に関しては、依然として従来のPSTNで利用していた呼制御プロトコルであるISUPを利用した相互接続が多い状況である。しかし、今後はキャリアの運用コスト削減やサービス拡充等を目的として、キャリアの電話網間の相互接続もIP接続に移行していくことが容易に想定される。
【0009】
国内のすべてのキャリアが呼制御プロトコルとしてSIPを用いたIP相互接続に完全に移行するまでの過渡期では、既存のISUPを用いた相互接続と、SIPによるIP相互接続とが混在する複雑な形態となる。この過渡期では、相互接続点(POI:Point Of Interface)の種別として、既存のISUPを用いた相互接続点(以下、「STM(Synchronous Transfer Mode)−POI」と呼ぶ)のみ保有するキャリア、SIPを用いた相互接続点(以下、「IP−POI」と呼ぶ)のみ保有するキャリア、この双方を保有するキャリアの3種類に分類される。
【0010】
そのため、同じ電話番号(同じキャリア)に対する接続であっても、あるキャリアはIP−POIを介して接続するが、別のキャリアではSTM−POIを介して接続するなど、発キャリア毎に利用するPOI種別が異なることが発生する。従って、発キャリアが適切にPOI種別を選択するための情報を取得するか、接続先のPOIを指定する仕組みが必要であるが、キャリアENUMの代表例であるGSMA IR.67等では、このようなPOI種別の通知や、POIを指定する仕組みが規定されていない。
【0011】
また、日本ではE.164番号は、総務省から市外局番単位などの番号帯単位でキャリアに対して割り当てが行われているため、従来は、番号帯により接続先キャリアが容易に特定できた。しかしながら、電話番号を変更せずにキャリアを変更する番号ポータビリティが導入されたことにより、番号帯から単純に着信先のキャリアを特定することができない場合がある。そのため、効率的に電話番号から着信先のキャリアを特定する仕組みが必要となる。
【0012】
このような背景を鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、ISUPを用いた相互接続と、SIPによるIP相互接続とが混在する環境において、ENUMプロトコルの拡張を行うことなく、着信先のキャリアを特定し、そのキャリアと接続するPOIを選択することができる、番号解決システム、番号解決方法およびキャリアENUMサーバを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバと、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUM(Telephone Number Mapping)サーバとを備える番号解決システムであって、前記キャリアENUMサーバが、前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコードを記憶している記憶部と、前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM(Synchronous Transfer Mode)−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRN(Network Routing Number)を含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するURI通知部とを備え、前記SIPサーバが、前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報を記憶している記憶部と、前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号を付して、前記着キャリアのURIを前記キャリアENUMサーバに要求するURI要求部と、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部または前記NRNから前記着キャリアを特定し、前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択するPOI選択部と、を備えることを特徴とする番号解決システムとした。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバと、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUMサーバとを備える番号解決システムの番号解決方法であって、前記SIPサーバが、前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号を付して、前記着キャリアのURIを前記キャリアENUMサーバに要求するステップを実行し、前記キャリアENUMサーバが、前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコードが記憶されている記憶部を備えており、前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRNを含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、前記SIPサーバが、前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報が記憶されている記憶部を備えており、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部または前記NRNから前記着キャリアを特定するステップと、前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択するステップと、を実行することを特徴とする番号解決方法とした。
【0015】
このように、キャリアENUMサーバのURI通知部は、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合に、NRNを含むSIP−URI形式のURIを応答情報としてSIPサーバに送信する。そして、SIPサーバは、NRNを含むSIP−URI形式のURIのドメイン部またはNRNから着キャリアを特定し、URIの形式が、NRNを含むSIP−URIであることにより、着キャリアが、IP−POIとSTM−POIの双方を保有すると判定し、契約情報を参照していずれかのPOIを選択する。
よって、SIPサーバは、キャリアENUMサーバからの応答情報に付されたURIに基づき、受信した呼制御信号の着キャリアを特定し、その着キャリアが保有するPOIのPOI種別を選択することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記キャリアENUMサーバのURI通知部が、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、前記SIPサーバのPOI選択部が、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部から前記着キャリアを特定し、前記URIの形式が、前記NRNを含まないSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有すると判定することを特徴とする請求項1に記載の番号解決システムとした。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、前記キャリアENUMサーバが、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、前記SIPサーバが、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部から前記着キャリアを特定するステップと、前記URIの形式が、前記NRNを含まないSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有すると判定するステップと、を実行することを特徴とする請求項4に記載の番号解決方法とした。
【0018】
このように、キャリアENUMサーバのURI通知部は、着キャリアがIP−POIのみを保有する場合に、NRNを含まないSIP−URI形式のURIを応答情報としてSIPサーバに送信する。そして、SIPサーバは、NRNを含まないSIP−URI形式のURIのドメイン部から着キャリアを特定し、URIの形式が、NRNを含まないSIP−URIであることにより、着キャリアが、IP−POIのみを保有すると判定する。
よって、SIPサーバは、キャリアENUMサーバからの応答情報に付されたURIに基づき、受信した呼制御信号の着キャリアを特定し、その着キャリアのPOI種別をIP−POIとして選択することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記キャリアENUMサーバのURI通知部が、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、前記SIPサーバのPOI選択部が、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを取得し、前記NRNから前記着キャリアを特定し、前記URIの形式が、前記TEL−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有すると判定することを特徴とする請求項2に記載の番号解決システムとした。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、前記キャリアENUMサーバが、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、前記SIPサーバが、前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを取得し、前記NRNから前記着キャリアを特定するステップと、前記URIの形式が、前記TEL−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有すると判定するステップと、を実行することを特徴とする請求項5に記載の番号解決方法とした。
【0021】
このように、キャリアENUMサーバのURI通知部は、着キャリアがSTM−POIのみを保有する場合に、NRNを含むTEL−URI形式のURIを応答情報としてSIPサーバに送信する。そして、SIPサーバは、NRNを含むTEL−URI形式のURIのNRNから着キャリアを特定し、URIの形式が、TEL−URIであることにより、着キャリアが、STM−POIのみを保有すると判定する。
よって、SIPサーバは、キャリアENUMサーバからの応答情報に付されたURIに基づき、受信した呼制御信号の着キャリアを特定し、その着キャリアのPOI種別をSTM−POIとして選択することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバに接続され、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUMサーバであって、前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコード、および、前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報を記憶している記憶部と、前記SIPサーバに前記応答情報を送信するURI通知部と、前記着キャリアのPOIを選択するPOI選択部とを備え、前記URI通知部が、前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRNを含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記生成したNRNを含むSIP−URI形式のURIをPOI選択部に出力し、前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、前記POI選択部が、前記URI通知部から、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、 前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択し、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURI、または、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信することを特徴とするキャリアENUMサーバとした。
【0023】
このように、キャリアENUMサーバのURI通知部は、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合に、NRNを含むSIP−URI形式のURIをPOI選択部に出力し、POI選択部は、URIの形式が、NRNを含むSIP−URIであることにより、着キャリアが、IP−POIとSTM−POIの双方を保有すると判定し、契約情報を参照していずれかのPOIを選択して、NRNを含まないSIP−URI形式のURI、または、NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、応答情報としてSIPサーバに送信できる。
また、URI通知部は、着キャリアがIP−POIのみを保有する場合に、NRNを含まないSIP−URI形式のURIを応答情報としてSIPサーバに送信できる。
さらに、URI通知部は、着キャリアがSTM−POIのみを保有する場合に、NRNを含むTEL−URI形式のURIを応答情報としてSIPサーバに送信できる。
よって、キャリアENUMサーバは、SIPサーバに、応答情報に付されたURIに基づき、受信した呼制御信号の着キャリアを特定させ、その着キャリアが保有するPOIのPOI種別を選択させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ISUPを用いた相互接続と、SIPによるIP相互接続とが混在する環境において、ENUMプロトコルの拡張を行うことなく、着信先のキャリアを特定し、そのキャリアと接続するPOIを選択する、番号解決システム、番号解決方法およびキャリアENUMサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る番号解決システムで前提とするキャリア網間の相互接続の形態を説明するための図である。
【図2】本実施形態に係るキャリアENUMサーバが応答するURI形式を説明するための図である。
【図3】本実施形態に係る番号解決システムの構成を例示するブロック図である。
【図4】本実施形態に係るPOI選択部が行うPOI選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態に係るキャリア間の相互接続の第1の形態(IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。
【図6】本実施形態に係るキャリア間の相互接続の第1の形態(IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。
【図7】本実施形態に係るキャリア間の相互接続の第2の形態(IP−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。
【図8】本実施形態に係るキャリア間の相互接続の第3の形態(STM−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。
【図9】従来技術におけるSIPサーバからENUMサーバへの問い合わせの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
(キャリア網間の相互接続形態)
まず、本実施形態において前提となる、キャリア網間の相互接続の3つの形態について、図1を用いて説明する。
【0028】
図1(a)は、キャリア網間が、IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続される形態を示している(以下、「第1の形態」とよぶ)。キャリアAとキャリアBとは、IP−POIおよびSTM−POIを保有しており、キャリア間の協議に基づき、通信に利用するどちらかのPOIを決定し相互接続している。
【0029】
図1(b)は、キャリア網間が、IP−POIのみで相互接続される形態を示している(以下、「第2の形態」とよぶ)。キャリアCは少なくともIP−POIを保有しており、キャリア間の協議に基づき、IP−POIのみで相互接続している。
【0030】
図1(c)は、キャリア網間が、STM−POIのみで相互接続される形態を示している(以下、「第3の形態」とよぶ)。キャリアDは少なくともSTM−POIを保有しており、キャリア間の協議に基づき、STM−POIのみで相互接続している。
【0031】
(キャリアENUMサーバの応答形式)
本実施形態に係る番号解決システム1の処理の流れは、例えば、図1(a)に示すように、VoIP端末が発信者となりSIP信号(呼制御信号)をキャリアA内のSIPサーバ(図1で不図示)に送信する。そして、図9に示した従来のSIPサーバからENUMサーバへの問い合わせの処理の流れと同様に、キャリアA内のSIPサーバからキャリアENUMサーバへ、着信先番号に基づきURIの問い合わせが行われる。
本発明では、キャリアENUMサーバによるSIPサーバからの問い合わせに対する応答において、その応答であるURIの形式に所定の規則を設定し、応答を受けたキャリア網のSIPサーバがそのURIの形式から着信先のキャリア網が保有するPOIの種別であるIP−POI、STM−POIの情報を取得し、POIの選択が行えるようにするものである。
以下、キャリアENUMサーバが行う、発キャリア網のSIPサーバへのURIを通知する応答形式について説明する。
【0032】
ENUMプロトコルの仕様上、ENUMサーバでは、E.164番号の問い合わせを受けると、TEL−URIとSIP−URIのどちらの形式でも応答可能である。本実施形態に係るキャリアENUMサーバが応答するURI形式を、図2を参照して説明する。
【0033】
本実施形態に係るキャリアENUMサーバは、以下に示す規則に基づくURI形式で応答する。
【0034】
(規則A)着信先E.164番号を収容するキャリア(着キャリア)がIP−POIを保有する場合
着信先情報を示すURI形式として、IP−POIを保有するキャリアの場合は、SIP−URIの形式で応答する(例えば、IP−POIのみを保有するキャリアの場合は、図2の「IP−POIあり」で「STM−POI」なし参照)。なお、IP−POIを保有しないキャリアの場合は、ドメイン部がないTEL−URIの形式で応答する。
(規則B)着信先E.164番号を収容するキャリア(着キャリア)がSTM−POIを保有する場合
着信先情報を示すURI方式として、STM−POIを保有するキャリアの場合は、NRN(Network Routing Number)を、IETF RFC 4694で規定されるnpdiおよびrnパラメータを用いて付与する。なお、NRNは、着キャリア、およびその着キャリアが保有するSTM−POIを識別可能なルーチング番号(E.164形式)のことを意味する。
規則Aより、IP−POIを保有する場合は、SIP−URIとなる。IP−POIを保有し、かつ、STM−POIを着キャリアが保有する場合には、そのSIP−URIのuserinfo部にNRNを付与する(図2の「IP−POIあり」で「STM−POIあり」参照)。また、SIP−POIを保有せず、STM−POIのみを保有する場合は、TEL−URIにNRNを付与する(図2の「IP−POIなし」で「STM−POIあり」参照)。
【0035】
このようにすることで、キャリアENUMサーバは、着キャリアが、IP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合、IP−POIのみを保有する場合、STM−POIのみを保有する3つの場合それぞれについて、URI形式を図2に示す形式に設定して、SIPサーバに応答することができる。SIPサーバは、受信したURIの形式から、着キャリアが、3つの形式のどれに当たるかを判定することで、着キャリアが保有するPOI形式の情報を得ることができる。
【0036】
(番号解決システムの各装置の構成)
次に、本実施形態に係る番号解決システム1を構成する各装置について、図3を参照して、詳細に説明する。
【0037】
<キャリアENUMサーバ>
キャリアENUMサーバ10は、SIPサーバ20からの問い合わせを受け付け、着信先電話番号に対応するURIを、そのSIPサーバ20に応答情報として送信する。このキャリアENUMサーバ10に対しては、図1に示したキャリア網間の相互接続形態のいずれにおいても、各キャリアのIP網内の装置(SIPサーバ20等)からアクセス可能であるが、ユーザENUMサーバとは異なり、E.164番号が付与されたVoIP端末やアナログ端末からは、セキュリティ確保のため、アクセス不可能である。本実施形態において、このキャリアENUMサーバ10は、複数のキャリアで共有するサーバとして配備されるものとして説明するが、各キャリア網内に配備するようにしてもよい。
【0038】
このキャリアENUMサーバ10は、図3に示すように、制御部11と、入出力部12と、メモリ部13と、記憶部14とを含んで構成される。
【0039】
入出力部12は、他の装置等との間の情報の入出力を行う。例えば、入出力部12は、キャリア網内のSIPサーバ20から、着信先電話番号に対応するURIの問い合わせを受信し、その返答としてのURIの情報を、応答情報としてそのSIPサーバ20へ送信する。この入出力部12は、通信回線を介して情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力装置やモニタ等の出力装置等との間で入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
【0040】
制御部11は、キャリアENUMサーバ10全体の制御を司り、情報受信部111と、URI通知部112と、情報送信部113とを含んで構成される。なお、この制御部11は、例えば、キャリアENUMサーバ10の記憶部14に格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)がメモリ部13であるRAM(Random Access Memory)に展開し実行することで実現される。
【0041】
情報受信部111は、入出力部12を介して、キャリア網内のSIPサーバ等から、着信先電話番号に対応するURIの問い合わせ等を取得し、URI通知部112に引き渡す。
【0042】
URI通知部112は、取得した着信先電話番号に基づき、記憶部14内のリソースレコード100を検索し、着信先電話番号に対応したURIを取得する。
このリソースレコード100には、着信先電話番号に対応したURIが、着キャリアがIP−POIのみを保有する場合は、SIP−URI形式で記憶され、着キャリアがSTM−POIのみを保有する場合には、TEL−URI形式で記憶される。また、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合は、NRNを含んだSIP−URI形式で記憶される。
【0043】
URI通知部112は、取得した着信先電話番号に基づき、リソースレコード100を検索すると、前記した(規則A)および(規則B)に基づき、図2に示したURI形式で、SIPサーバ20に応答情報を送信する。
具体的には、URI通知部112は、リソースレコード100を検索し、着キャリアが、IP−POIおよびSTM−POIを保有するキャリアの場合は、(規則A)に基づき、SIP−URI形式で応答し、さらに、(規則B)に基づき、そのSIP−URIのuserinfo部にNRNを付与した形式で(図2の「IP−POIあり」で「STM−POI」あり参照)、SIPサーバ20に応答する。
URI通知部112は、リソースレコード100を検索し、着キャリアがIP−POIのみの場合は、(規則A)に基づき、SIP−URI形式でSIPサーバ20に応答する(図2の「IP−POIあり」で「STM−POI」なし参照)。
また、URI通知部112は、リソースレコード100を検索し、着キャリアがSTM−POIのみの場合は、(規則B)に基づき、TEL−URI形式で、さらにNRNをnpdiおよびrnパラメータを用いて付与した形式で(図2の「IP−POIなし」で「STM−POIあり」参照)、SIPサーバ20に応答する。
【0044】
情報送信部113は、入出力部12を介して、SIPサーバ20に対し、URI通知部112が生成したURIの応答情報を送信する。
【0045】
次に、記憶部14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなり、着信電話番号とURIとを対応付けたリソースレコード100を記憶している。
【0046】
メモリ部13は、RAM等の一次記憶装置からなり、制御部11によるデータ処理に必要な情報を一次的に記憶している。
【0047】
<SIPサーバ>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る発キャリア網内のSIPサーバ20について説明する。SIPサーバ20は、VoIP端末からのSIP信号(INVITE)、または、PSTN網経由でアナログ端末からの接続要求信号を不図示のゲートウェイ装置により変換して得られたSIP信号(INVITE)を受信し、そのSIP信号(呼制御信号)に付された着信先電話番号に対応したURIをキャリアENUMサーバ10に問い合わせる。そして、SIPサーバ20は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報としてURIを受け取り、着キャリアとその着キャリアが保有するPOI種別を判定し、SIP信号を転送する処理を行う。
【0048】
このSIPサーバ20は、図3に示すように、制御部21と、入出力部22と、メモリ部23と、記憶部24とを含んで構成される。
【0049】
入出力部22は、VoIP端末やキャリア網内の他の装置、キャリアENUMサーバ10等との間の情報の入出力を行う。例えば、入出力部22は、VoIP端末からSIP信号(呼制御信号)を受信し、キャリアENUMサーバ10にURIの問い合わせの情報を送信し、その返答としての応答情報を受信する。この入出力部22は、通信回線を介して情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力装置やモニタ等の出力装置等との間で入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
【0050】
制御部21は、SIPサーバ20全体の制御を司り、情報受信部211と、URI要求部212と、POI選択部213と、転送処理部214と、情報送信部215とを含んで構成される。なお、この制御部21は、例えば、SIPサーバ20の記憶部24に格納されたプログラムをCPUがメモリ部23であるRAMに展開し実行することで実現される。
【0051】
情報受信部211は、入出力部22を介して、VoIP端末等からSIP信号を受信し、URI要求部212に引き渡す。また、情報受信部211は、キャリアENUMサーバ10からのURIが付された応答情報を受信すると、POI選択部213に引き渡す。
【0052】
URI要求部212は、VoIP端末等からSIP信号(INVITE)を受信すると、そのSIP信号に付された着信先電話番号を用いて、対応するURIをキャリアENUMサーバ10へ、情報送信部215を介して問い合わせる。なお、着信先電話番号は、SIP信号の例えば、Request-URIに設定されている着信先の電話番号を用いて問い合わせる。
【0053】
POI選択部213は、キャリアENUMサーバ10から、情報受信部211を介して応答情報を取得し、その受信した応答情報に付されたURIから着キャリアを特定し、またその応答情報のURIの形式から着キャリアのPOI種別を判定する。
【0054】
POI選択部213によるPOI種別の判定は、図2に示したURIの形式に基づき行われる。POI選択部213は、取得したURIがTEL−URI形式である場合は、着キャリアのPOI種別を、STM−POIであると選択する。また、POI選択部213は、取得したURIがSIP−URI形式である場合は、NRNが付されているか否かを判定し、NRNが付されていなければ、着キャリアのPOI種別をIP−POIと選択する。一方、SIP−URI形式でありNRNが付されていれば、着キャリアのPOI種別をIP−POIとSTM−POIの双方であると判定する。なお、詳細は後記する(図4参照)。
【0055】
また、POI選択部213は、着キャリアのPOI種別をIP−POIとSTM−POIの双方であると判定した場合に、記憶部24内の契約情報テーブル(契約情報)200を参照して、発着キャリア間との契約に従い、どちらか一方のPOIを選択する。
なお、この契約情報テーブル200は、着キャリアがIP−POIとSTM−POIの双方を保有する場合に、どちらのPOIを用いて相互接続を行うか、予め契約により定めた内容が記憶されている。
【0056】
転送処理部214は、POI選択部213が、キャリアENUMサーバ10からのURIに基づき選択した着キャリアのPOIを介して、SIP信号を着キャリアに送信する。
【0057】
情報送信部215は、入出力部22を介して、キャリアENUMサーバ10に対し、URI要求部212からのURIの問い合わせ情報を送信する。また、情報送信部215は、転送処理部214の処理によりSIP信号を、POI選択部213が選択したPOIを介して、着キャリアに送信する。
【0058】
次に、記憶部24は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなり、契約情報テーブル(契約情報)200等を記憶している。
【0059】
メモリ部23は、RAM等の一次記憶装置からなり、制御部21によるデータ処理に必要な情報を一次的に記憶している。
【0060】
なお、図3に示した本実施形態に係る番号解決システム1においては、発キャリア網内のSIPサーバ20に、POI選択部213および契約情報テーブル200を備える構成として説明した。しかし、この構成に限定されず、後記する図6において説明するように、このPOI選択部213および契約情報テーブル200を、キャリアENUMサーバ10が備えるようにしてもよい。その場合、SIPサーバ20の転送処理部214は、キャリアENUMサーバ10から、NRNが付されていないSIP−URI形式のURIか、TEL−URI形式のURIかのどちらか一方を受け取り、そのURIに示される着キャリアのPOIを介してSIP信号を転送する。
【0061】
(番号解決システムの動作)
次に、本実施形態に係る番号解決システム1が行う番号解決処理について詳細に説明する。まず、本実施形態に係るPOI選択部213が行うPOI選択処理について説明し、続いて、図1に示したキャリア網間の3つの形態の相互接続ごとに、全体の処理の流れを説明する。
【0062】
<POI選択処理>
図4は、本実施形態に係るPOI選択部213が行うPOI選択処理の流れを示すフローチャートである(適宜、図2参照)。なお、ここでは、図3に示すように、SIPサーバ20の制御部21内にPOI選択部213が備えられ、同じくSIPサーバ20内の記憶部24に契約情報テーブル200が記憶されているものとして説明する。
【0063】
まず、SIPサーバ20のPOI選択部213は、キャリアENUMサーバ10からURIが付された応答情報を、情報受信部211を介して取得する(ステップS101)。
【0064】
次に、POI選択部213は、取得したURIがSIP−URI形式か否かを判定する(ステップS102)。ここで、POI選択部213は、取得したURIがSIP−URI形式ではない、つまり、TEL−URI形式と判定した場合には(ステップS102→No)、着キャリアはSTM−POIのみを保有すると判定し、STM−POIを選択する(ステップS103)。
【0065】
一方、POI選択部213は、取得したURIがSIP−URI形式であると判定した場合には(ステップS102→Yes)、次に、npdi,rnパラメータを含むか否かを判定する(ステップS104)。
【0066】
そして、POI選択部213は、npdi,rnパラメータを含まないと判定した場合は(ステップS104→No)、着キャリアはIP−POIのみを保有すると判定し、IP−POIを選択する(ステップS105)。
【0067】
一方、POI選択部213は、npdi,rnパラメータを含むと判定した場合は(ステップS104→Yes)、着キャリアは、IP−POIおよびSTM−POIの双方を保有すると判定する(ステップS106)。そして、POI選択部213は、記憶部24内の契約情報テーブル200を参照し、着キャリアとの契約により、IP−POIが設定されている場合には(ステップS107→Yes)、着キャリアとの接続にIP−POIを選択する(ステップS108)。一方、POI選択部213は、着キャリアとの契約により、IP−POIが設定されていない場合、つまり、STM−POIが設定されている場合には(ステップS107→No)、着キャリアとの接続にSTM−POIを選択する(ステップS109)。
【0068】
なお、POI選択部213は、取得したURIがTEL−URL形式の場合は、NRN(例えば、+81111112222)から、着キャリアおよびその着キャリアが保有するSTM−POIを識別可能なルーチング番号の情報を取得する。また、POI選択部213は、取得したURIがSIP−URI形式の場合は、SIP−URIのドメイン部(@以降の文字列)かNRNにより着キャリアを特定する。
【0069】
このようにすることで、POI選択部213は、キャリアENUMサーバ10から取得した応答情報に付されたURIに基づき、着キャリアと、その着キャリアが保有するPOIを選択してSIP信号を送信することができる。
【0070】
(各形態における番号解決システムの処理)
次に、図1に示した第1〜第3の形態のキャリア間の相互接続における番号解決処理について、図5〜図8を参照して説明する。図5および図6は、第1の形態(IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。図7は、第2の形態(IP−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。また、図8は、第3の形態(STM−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明するための図である。
【0071】
<第1の形態の番号解決処理>
まず、図5および図6を参照して、第1の形態における番号解決処理を説明する。図5と図6の違いは、図5では、POI選択部213および契約情報テーブル200を発キャリアのIP網内のSIPサーバ20が備え、図6では、POI選択部213および契約情報テーブル200をキャリアENUMサーバ10が備えている点である。
【0072】
最初に図5を参照して、POI選択部213および契約情報テーブル200をSIPサーバ20が備える場合での、第1の形態(IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続)のキャリア間の相互接続における番号解決処理を説明する。
【0073】
まず、発側のキャリア網(キャリアA)のSIPサーバ20は、VoIP端末5からSIP信号(INVITE)を受信すると、SIPサーバ20のURI要求部212が、SIP信号のRequest-URIに設定される着信先電話番号をENUMプロトコルのドメイン形式で、キャリアENUMサーバ10に問い合わせる(ステップS10)。なお、ここで使用されるドメインは、例えば、非特許文献2のGSMA IR.67のキャリアENUMで規定される「.e164enum.net」等を用いる。
【0074】
次に、キャリアENUMサーバ10(URI通知部112)は、問い合わせのあった着信先電話番号について、リソースレコード100を検索する。そして、URI通知部112は、その検索結果に基づき、上記において説明した(規則A)および(規則B)に従い、URIをSIP−URI形式またはTEL−URI形式にして応答情報としてSIPサーバ20に送信する(ステップS11)。
ここでは、URI通知部112は、検索結果として、着キャリアであるキャリアBが、IP−POIとSTM−POIの双方を保有するため、URIとして、「sip:+81111111111;npdi;rn=+81111112222@carrier_B」を応答情報として送信したものとする。
【0075】
SIPサーバ20のPOI選択部213は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報を取得し、URIの形式が、SIP−URI形式かそれともTEL−URI形式か、そして、SIP−URI形式の場合に、NRN(npdi,rnパラメータ)を含むか否かを判定する(図4のPOI選択処理参照)。
【0076】
そして、POI選択部213は、応答情報として取得したURIが、SIP−URI形式であり、NRN(npdi,rnパラメータ)を含むため(NRNありのため)、着キャリアとなるキャリアBが、IP−POI、STM−POIの双方を保有していると判定する(ステップS12)。なお、POI選択部213は、着キャリアを、取得したURIのドメイン部(carrier_B)、または、NRN(npdi,rnパラメータ)の値(+81111112222)からキャリアBであると特定する。
【0077】
続いて、POI選択部213は、記憶部24内の契約情報テーブル200を参照し、キャリアAとキャリアBとの間の契約により、IP−POIを用いて接続することを選択する(ステップS13)。
【0078】
次に、SIPサーバ20の転送処理部214が、POI選択部213が選択したPOIであるIP−POIを介して、着キャリア(キャリアB)にSIP信号を送信する。
【0079】
このようにすることで、SIPサーバ20は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報に付されたURIに基づき、受信したSIP信号の着キャリアとそのPOI種別を選択して、SIP信号を送信することができる。
【0080】
次に、図6を参照して、POI選択部213および契約情報テーブル200をキャリアENUMサーバ10が備える場合での、第1の形態(IP−POIとSTM−POIの双方で相互接続)のキャリア間の相互接続における番号解決処理を説明する。
【0081】
まず、発側のキャリア網(キャリアA)のSIPサーバ20は、VoIP端末5からSIP信号(INVITE)を受信すると、SIPサーバ20のURI要求部212が、SIP信号のRequest-URIに設定される着信先電話番号をENUMプロトコルのドメイン形式(「.e164enum.net」等)で、キャリアENUMサーバ10に問い合わせる(ステップS20)。
【0082】
次に、キャリアENUMサーバ10のURI通知部112は、問い合わせのあった着信先電話番号について、リソースレコード100を検索する(ステップS21)。そして、URI通知部112は、(規則A)および(規則B)に従い、URIをSIP−URI形式またはTEL−URI形式にする。ここでは、URI通知部112は、検索結果として、着キャリアであるキャリアBが、IP−POIとSTM−POIの双方を保有するため、URIとして、「sip:+81111111111;npdi;rn=+81111112222@carrier_B」を生成し、POI選択部213に引き渡す。
【0083】
POI選択部213は、取得したURIの形式が、SIP−URI形式かそれともTEL−URI形式か、そして、SIP−URI形式の場合に、NRN(npdi,rnパラメータ)を含むか否かを判定する(図4のPOI選択処理参照)。
【0084】
そして、POI選択部213は、取得したURIが、SIP−URI形式であり、NRN(npdi,rnパラメータ)ありのため、着キャリアとなるキャリアBが、IP−POI、STM−POIの双方を保有していると判定する(ステップS22)。
【0085】
続いて、POI選択部213は、記憶部14内の契約情報テーブル200を参照し、キャリアAとキャリアBとの間の契約により、IP−POIを用いて接続することを選択する(ステップS23)。そして、URI通知部112は、POI選択部213のPOI選択の結果に基づき、URIを「sip:81111111111@carrier_B」に変更して応答情報をSIPサーバ20へ送信する。
【0086】
次に、SIPサーバ20の転送処理部214が、応答情報に含まれるURIを取得し、そのURIに基づき、IP−POIを介して、着キャリア(キャリアB)にSIP信号を送信する。
【0087】
このようにすることで、POI選択部213および契約情報テーブル200をキャリアENUMサーバ10側で保持する場合でも、SIPサーバ20は、受信したSIP信号の着キャリアとそのPOI種別を取得して、SIP信号を送信することができる。
【0088】
<第2の形態の番号解決処理>
次に、図7を参照して、図1に示した第2の形態(IP−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明する。なお、POI選択部213および契約情報テーブル200は、SIPサーバ20が備えるものとする。
【0089】
まず、発側のキャリア網(キャリアA)のSIPサーバ20は、VoIP端末5からSIP信号(INVITE)を受信すると、SIPサーバ20のURI要求部212が、SIP信号のRequest-URIに設定される着信先電話番号をENUMプロトコルのドメイン形式(「.e164enum.net」等)で、キャリアENUMサーバ10に問い合わせる(ステップS30)。
【0090】
次に、キャリアENUMサーバ10(URI通知部112)は、問い合わせのあった着信先電話番号について、リソースレコード100を検索する。そして、URI通知部112は、その検索結果に基づき、上記において説明した(規則A)および(規則B)に従い、URIをSIP−URI形式またはTEL−URI形式にして応答情報としてSIPサーバ20に送信する(ステップS31)。
ここでは、URI通知部112は、検索結果として、着キャリアであるキャリアCが、IP−POIのみを保有するため、URIとして、「sip:+81111111111@carrier_C」を応答情報として送信したものとする。
【0091】
SIPサーバ20のPOI選択部213は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報を取得し、URIの形式が、SIP−URI形式かそれともTEL−URI形式か、そして、SIP−URI形式の場合に、NRN(npdi,rnパラメータ)を含むか否かを判定する(図4のPOI選択処理参照)。
【0092】
そして、POI選択部213は、応答情報として取得したURIが、SIP−URI形式であり、NRN(npdi,rnパラメータ)なしのため、着キャリアとなるキャリアCが、IP−POIのみを保有していると判定する(ステップS32)。なお、POI選択部213は、着キャリアを、取得したURIのドメイン部(carrier_C)からキャリアCであると特定する。
【0093】
続いて、SIPサーバ20の転送処理部214が、POI選択部213が選択したPOIであるIP−POIを介して、着キャリア(キャリアC)にSIP信号を送信する。
【0094】
このようにすることで、SIPサーバ20は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報に付されたURIに基づき、受信したSIP信号の着キャリア(キャリアC)とそのPOI種別(IP−POI)を取得して、SIP信号を送信することができる。
【0095】
<第3の形態の番号解決処理>
次に、図8を参照して、図1に示した第3の形態(STM−POIのみで相互接続)における番号解決処理を説明する。
【0096】
まず、発側のキャリア網(キャリアA)のSIPサーバ20は、VoIP端末5からSIP信号(INVITE)を受信すると、SIPサーバ20のURI要求部212が、SIP信号のRequest-URIに設定される着信先電話番号をENUMプロトコルのドメイン形式(「.e164enum.net」等)で、キャリアENUMサーバ10に問い合わせる(ステップS40)。
【0097】
次に、キャリアENUMサーバ10(URI通知部112)は、問い合わせのあった着信先電話番号について、リソースレコード100を検索する。そして、URI通知部112は、その検索結果に基づき、上記において説明した(規則A)および(規則B)に従い、URIをSIP−URI形式またはTEL−URI形式にして応答情報としてSIPサーバ20に送信する(ステップS41)。
ここでは、URI通知部112は、検索結果として、着キャリアであるキャリアDが、STM−POIのみを保有するため、URIとして、「tel:+81333333333;npdi;rn=+81333331111」を応答情報として送信したものとする。
【0098】
SIPサーバ20のPOI選択部213は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報を取得し、URIの形式が、SIP−URI形式かそれともTEL−URI形式か、そして、SIP−URI形式の場合に、NRN(npdi,rnパラメータ)を含むか否かを判定する(図4のPOI選択処理参照)。
【0099】
そして、POI選択部213は、応答情報として取得したURIが、TEL−URI形式であり、NRN(npdi,rnパラメータ)の値「+81333331111」からキャリアDを特定し、そのキャリアDがSTM−POIのみを保有していると判定する(ステップS42)。
【0100】
続いて、SIPサーバ20の転送処理部214が、POI選択部213が選択したPOIであるSTM−POIを介して、着キャリア(キャリアD)にSIP信号を送信する。
【0101】
このようにすることで、SIPサーバ20は、キャリアENUMサーバ10からの応答情報に付されたURIに基づき、受信したSIP信号の着キャリア(キャリアD)とそのPOI種別(STM−POI)を取得して、PSTN網を介してSIP信号を送信することができる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る番号解決システム1、番号解決方法およびキャリアENUMサーバ10によれば、既存のISUPを用いた相互接続と、SIPによるIP相互接続とが混在する環境において、キャリアENUMサーバ10を用いて、着信先のキャリアに関するPOI種別情報と、キャリア情報とを同時に発キャリア網に通知し、SIP信号をルーチングさせることができる。
また、キャリアENUMサーバ10からの応答におけるURIに規則を設け、その規則に基づきPOI種別を選択するPOI選択部213を設けることで、IPでの相互接続の過渡期においても、ENUMプロトコルの拡張を行わずに、キャリアENUMサーバ10の運用を実行し、円滑なIP接続への移行が可能となる。
【符号の説明】
【0103】
1 番号解決システム
5 VoIP端末
10 キャリアENUMサーバ
11,21 制御部
12,22 入出力部
13,23 メモリ部
14,24 記憶部
20 SIPサーバ
100 リソースレコード
111,211 情報受信部
112 URI通知部
113,215 情報送信部
200 契約情報テーブル(契約情報)
212 URI要求部
213 POI選択部
214 転送処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバと、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUM(Telephone Number Mapping)サーバとを備える番号解決システムであって、
前記キャリアENUMサーバは、
前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコードを記憶している記憶部と、
前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM(Synchronous Transfer Mode)−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRN(Network Routing Number)を含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するURI通知部とを備え、
前記SIPサーバは、
前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報を記憶している記憶部と、
前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号を付して、前記着キャリアのURIを前記キャリアENUMサーバに要求するURI要求部と、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部または前記NRNから前記着キャリアを特定し、
前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択するPOI選択部と、
を備えることを特徴とする番号解決システム。
【請求項2】
前記キャリアENUMサーバのURI通知部は、
前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、
前記SIPサーバのPOI選択部は、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部から前記着キャリアを特定し、
前記URIの形式が、前記NRNを含まないSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有すると判定すること
を特徴とする請求項1に記載の番号解決システム。
【請求項3】
前記キャリアENUMサーバのURI通知部は、
前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、
前記SIPサーバのPOI選択部は、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを取得し、前記NRNから前記着キャリアを特定し、
前記URIの形式が、前記TEL−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有すると判定すること
を特徴とする請求項2に記載の番号解決システム。
【請求項4】
呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバと、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUMサーバとを備える番号解決システムの番号解決方法であって、
前記SIPサーバは、
前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号を付して、前記着キャリアのURIを前記キャリアENUMサーバに要求するステップを実行し、
前記キャリアENUMサーバは、
前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコードが記憶されている記憶部を備えており、
前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRNを含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、
前記SIPサーバは、
前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報が記憶されている記憶部を備えており、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部または前記NRNから前記着キャリアを特定するステップと、
前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択するステップと、を実行すること
を特徴とする番号解決方法。
【請求項5】
前記キャリアENUMサーバは、
前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、
前記SIPサーバは、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを取得し、前記URIのドメイン部から前記着キャリアを特定するステップと、
前記URIの形式が、前記NRNを含まないSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有すると判定するステップと、を実行すること
を特徴とする請求項4に記載の番号解決方法。
【請求項6】
前記キャリアENUMサーバは、
前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信するステップを実行し、
前記SIPサーバは、
前記キャリアENUMサーバからの前記応答情報により、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを取得し、前記NRNから前記着キャリアを特定するステップと、
前記URIの形式が、前記TEL−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有すると判定するステップと、を実行すること
を特徴とする請求項5に記載の番号解決方法。
【請求項7】
呼制御信号を送受信する発キャリアおよび着キャリアが、IP網とPSTNとを備え、前記発キャリアの前記IP網内のSIPサーバに接続され、前記SIPサーバからの要求により着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを検索し応答情報として前記SIPサーバへ送信するキャリアENUMサーバであって、
前記呼制御信号に含まれる前記着信先電話番号に対応する前記着キャリアのURIを格納するリソースレコード、および、前記発キャリアと前記着キャリアとが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方で接続可能な場合に、いずれのPOIを利用するかを示す契約情報を記憶している記憶部と、前記SIPサーバに前記応答情報を送信するURI通知部と、前記着キャリアのPOIを選択するPOI選択部とを備え、
前記URI通知部は、
前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、IP−POIとSTM−POIとの双方を保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記着キャリアを特定するためのNRNを含むSIP−URI形式のURIを生成し、前記生成したNRNを含むSIP−URI形式のURIをPOI選択部に出力し、
前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記IP−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、
前記SIPサーバから前記着信先電話番号が付された要求を受け付け、前記リソースレコードを検索し、前記着キャリアが、前記STM−POIのみを保有して前記発キャリアと相互接続する場合に、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信し、
前記POI選択部は、
前記URI通知部から、前記NRNを含むSIP−URI形式のURIを取得し、 前記URIの形式が、前記NRNを含むSIP−URI形式であることにより、前記着キャリアが、前記IP−POIと前記STM−POIとの双方を保有すると判定し、前記IP−POIまたは前記STM−POIのいずれかを、前記契約情報を参照して選択し、前記NRNを含まないSIP−URI形式のURI、または、前記NRNを含むTEL−URI形式のURIを生成し、前記応答情報として前記SIPサーバに送信すること
を特徴とするキャリアENUMサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−253575(P2012−253575A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124712(P2011−124712)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】