説明

番組ガイド方法、受信装置及び画像表示装置

【課題】単語同士の類似性を考慮して、ユーザーの視聴履歴に応じた柔軟な番組推薦を行うことを可能にした番組ガイド方法、受信装置及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】デジタルテレビ放送の内、ユーザーが視聴又は録画した番組のEPG情報を履歴情報として視聴・録画番組履歴データベース(DB)20に格納し、視聴・録画番組履歴データベース20の履歴情報から名詞を含む情報を取り出してその出現頻度により好みベクトルを生成し、デジタルテレビ放送のEPGの表示範囲の番組毎に、名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成する。そして、番組ベクトルに所定の処理を施して参照ベクトルとして自己組織化マップに入力して特徴マップを生成し、好みベクトルに所定の処理を施して自己組織化マップに入力し、特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に配置された番組を推薦番組として案内する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルテレビ放送の番組ガイド方法、受信装置及びその受信装置を備えた表示装置に関し、特に、視聴又は録画した番組のEPG情報に基づいて推薦番組を案内するための処理に関する。
【背景技術】
【0002】
近年CS放送やデジタル放送等の普及によりTVの多チャンネル化が進んでいる。そのため、ユーザーが興味を持っている番組を探し出すだけでも結構手間がかかる。そのため、よく見る番組と類似した番組を検索する手段が求められている。例えば、検索手段として、ユーザーの入力から、自動的にキーワードを抽出し検索をするシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−290840号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の従来の検索方法(特許文献1)では、単語の出現頻度でキーワードの抽出が行われるため、単語同士の類似性が考慮されないという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、単語同士の類似性を考慮して、ユーザーの視聴履歴に応じた柔軟な番組推薦を行うことを可能にした番組ガイド方法、受信装置及びその受信装置を備えた画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る番組ガイド方法は、視聴又は録画した番組のEPG(Electric Program Guide:電子番組表)情報を蓄積し、該蓄積されたEPG情報と、EPGに表示される番組のEPG情報との距離を自己組織化マップ(Self Organized map:以下SOMと略称することもある)を用いて計測し、相対的に距離が近い番組を推薦番組として案内する。本発明においては、自己組織化マップを用いて蓄積されたEPG情報と、EPGに表示される番組のEPG情報との距離を求めることにより、相互の情報の類似性を考慮した推薦番組の案内を可能にしており、ジャンルにとらわれず、ユーザーの視聴履歴に応じて柔軟な番組推薦を行うことができる。
【0006】
本発明に係る番組ガイド方法は、デジタルテレビ放送の内、ユーザーが視聴又は録画した番組のEPG情報を履歴情報として記憶手段に格納する工程と、前記記憶手段に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、前記情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成する工程と、デジタルテレビ放送のEPGの表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成する工程と、前記番組ベクトルに第1の所定の処理を施して参照ベクトルとして自己組織化マップに入力して特徴マップを生成する工程と、前記好みベクトルに第2の所定の処理を施して自己組織化マップに入力し、前記特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として案内する工程とを備えたものである。本発明においては、記憶手段に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、その情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成し、また、デジタルテレビ放送のEPGの表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成し、その番組ベクトルに第1の所定の処理を施したものを参照ベクトルとして自己組織化マップに入力して特徴マップを生成するとともに、好みベクトルに第2の所定の処理を施して自己組織化マップに入力し、特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として案内するようにしたので、好みベクトルに類似した番組ベクトルを抽出することができ、ジャンルにとらわれず、ユーザーの視聴履歴に応じて柔軟な番組推薦を行うことができる。
【0007】
本発明に係る番組ガイド方法は、前記第1の所定の処理として、全番組の番組ベクトルの各情報を統一し、且つ各情報の出現頻度を統一して表現し、再構成された番組ベクトルを生成し、前記第1の所定の処理として、前記好みベクトルを前記再構成された番組ベクトルと同じ表現形式に作り直して再構成された好みベクトルを生成する。
【0008】
本発明に係る受信装置は、デジタルテレビ放送を受信し、少なくとも選択されたチャンネル及びEPGに関する情報を出力するチューナー部と、前記情報からEPG情報を抽出して取得するEPG取得部と、該EPG取得部により取得されたEPG情報の内、前記チューナー部において選択されたチャンネルの番組のEPG情報を履歴情報として格納する記憶手段と、デジタルテレビ放送のEPGを表示する際に、その表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成し、更に、全番組の番組ベクトルの各情報を統一し、且つ各情報の出現頻度を統一して表現し、再構成された番組ベクトルを生成する番組ベクトル演算手段と、前記記憶手段に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、前記情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成し、更に、前記好みベクトルを前記再構成された番組ベクトルと同じ表現形式に作り直して再構成された好みベクトルを生成する好みベクトル演算手段と、前記再構成された番組ベクトルを参照ベクトルとして自己組織化マップに入力し、特徴マップを生成する特徴マップ生成手段と、前記再構成された好みベクトルを自己組織化マップに入力し、前記特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として出力する推薦番組検索部とを備えたものである。
【0009】
本発明に係る受信装置は、前記記憶手段に記憶された履歴情報を予め設定された規則に従って削除して更新する履歴情報忘却処理部を更に備えたものである。本発明においては、前記記憶手段に記憶された履歴情報を更新して最新の視聴履歴が得られるようにしているので、嗜好が変わったり、或いは番組自体が変わったりした場合においても対応できる。
【0010】
本発明に係る受信装置において、前記記憶手段には視聴ユーザーごとに履歴情報が格納され又は全てのユーザーの履歴情報が一括して格納される。本発明においては、例えば視聴ユーザーごとに履歴情報が蓄積することにより、個人の嗜好に対応した推薦番組を案内することができる。或いは、全てのユーザーの履歴情報を一括して蓄積することにより例えば家族の嗜好に対応した推薦番組を案内することができる。
【0011】
本発明に係る受信装置において、前記番組ベクトル演算手段は名詞及び/又は人名に基づいた番組ベクトルを生成し、参照ベクトルとして前記特徴マップ生成部に出力する。
【0012】
本発明に係る画像表示装置は、上記の受信装置と、前記EPG取得部により取得されたEPG情報と前記推薦番組検索部より出力された推薦番組の情報とに基づいてEPG画像を生成するEPG画像生成部と、該EPG画像生成部により生成されたEPG画像を、前記推薦番組を強調させながら表示する表示部とを備えたものである。
【0013】
本発明に係る画像表示装置は、前記チューナー部において選択されたチャンネルの映像と、前記EPG画像生成部により生成されたEPG画像とを合成して前記表示部に表示させる映像合成部を更に備えたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施形態1.
図1は本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示したブロック図である。このデジタル放送受信装置は、アンテナ10、チューナー部11、デマルチプレクサ部12、音声復号部13、映像復号部14、EPG取得部15、音声出力部16、EPG画像生成部17、映像合成部18、及び表示部19を備えている。このデジタル放送受信装置は、更に、視聴・録画番組履歴データベース(DB)20、好みベクトル生成部21、好みベクトル再構成部22、番組ベクトル生成部23、番組ベクトル記憶データベース(DB)24、番組ベクトル再構成部25、特徴マップ生成部26、推薦番組検索部27及び履歴情報忘却処理部28を備えている。上記の各部は制御部29によりそれぞれ制御され、制御部29は例えばリモートコントローラ30からの操作信号に基づいて上記の各部を制御する。なお、好みベクトル生成部21及び好みベクトル再構成部22は本発明の好みベクトル演算手段31に相当し、番組ベクトル生成部23、番組ベクトル記憶データベース24及び番組ベクトル再構成部25は本発明の番組ベクトル演算手段32に相当する。
【0015】
図1のデジタル放送受信装置において、ユーザーがリモートコントローラ30を操作して見たいチャンネルを選択すると、制御部29によりそのチャンネルに相当する選局信号が発生し、チューナー部11には選局信号に対応したチャンネルが設定される。アンテナ10は、周波数変換器を備えており、例えばCS(Communication Satellite)から送られてくるデジタル放送信号を受信して、周波数変換した信号をチューナー部11に出力する。チューナー部11は、復調回路、逆インタリーブ回路、誤り訂正回路等を備えており、映像・音声データを含む高周波デジタル変調信号のうちから特定周波数の信号を取り出す処理をする。すなわち、デジタル放送の複数のトランスポンダのなかから一つを選択する処理を行う。デマルチプレクサ部(DEMUX)12は、前記トランスポート・ストリームを、例えばMPEG2(Moving Picture Experts Group2)のビデオストリーム、オーディオストリーム、及びPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離し、オーディオストリームを音声復号部13に出力し、ビデオストリームを映像復号部14に出力し、PSI/SIをEPG取得部15にそれぞれ出力する。
【0016】
音声復号部13はオーディオデコーダ等を内蔵しており、入力された符号化信号を復号して音声信号(音声データ)を生成して音声出力部16に出力する。音声出力部16は、その音声信号をD/A変換し、例えば右(R)音のアナログ信号及び左(L)音のアナログ信号を生成して増幅し、内蔵するスピーカーに出力することにより音声が得られる。
【0017】
映像復号部14はビデオデコーダ等を内蔵しており、入力された可変長符号を復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御等を行って映像合成部18に出力する。映像合成部18は映像復号部14からのTV映像の映像信号とEPG画像生成部17からのEPG表示画面の映像信号を合成して表示部19に表示させる映像信号を生成する回路である。表示部19は、映像合成部18からの映像信号を処理して例えばTV映像とEPGとが合成された映像を表示する。
【0018】
また、EPG取得部15は、デマルチプレクサ部(DEMUX)12からのPSI/SIに基づいてEPG情報を取得し、それを例えば上記のEPG画像生成部17に出力する。EPG画像生成部17では、EPG情報を取得して上述のEPG表示画面の映像信号を生成して映像合成部17に出力し、上述のように表示部19にEPGを表示させる。
【0019】
以上の説明は従来のデジタル放送受信装置と同様であるが、本実施形態1の特徴を以下に説明する。
EPG取得部15は、チューナー部11で選択されたチャンネルのEPG情報を視聴・録画番組履歴データベース20に格納するとともに、表示部19に表示可能なEPGのEPG情報を番組ベクトル生成部23に出力する。視聴・録画番組履歴データベース20には、このように視聴又は録画された番組のEPG情報が格納されるが、EPG情報としては、例えばジャンル名、番組名、番組記述、出演者等が格納される。このとき、視聴・録画番組履歴データベース20にはユーザー毎にデータを格納してもよいし、全ユーザーの履歴を纏めて格納してもよい。なお、ユーザー単位は全ユーザーの何れに対応してEPG情報を格納するかの区別は、例えばリモートコントローラ30に設定ボタンを取り付けておくことにより対応することができる。
【0020】
推薦番組を検索する場合には、まず、好みベクトル生成手段1が好みベクトルを生成する。視聴・録画番組履歴データベース20によりEPG情報を取得し、EPG情報の内容から名詞を切り出し、各名詞の出現頻度を求める。また、出演者のように、明らかに人名が格納されているとわかる項目に関しては、名詞とは別に人名として出現頻度を求める。これら名詞出現頻度と人名出現頻度をまとめて好みベクトルと呼ぶ。
【0021】
[表1]好みベクトルの例
[名詞] [人名]
野球 10 解説者A 5
野球チームa 9 解説者B 4
野球チームb 5 解説者C 1
野球チームc 2 アナウンサーA 5
野球チームd 1 アナウンサーB 4
野球チームe 1 アナウンサーC 1
野球チームf 1
野球チームg 1
【0022】
また、番組ベクトル生成部23は、EPG取得部15から表示範囲のEPG情報を取得し、番組ごとに、好みベクトル生成部21の場合と同様に、名詞・人名を切り出して出現頻度を求める。そうして、番組ごとに番組ベクトルを生成し、番組ベクトル記憶データベース24に格納する。
【0023】
[表2]番組ベクトルの例(名詞のみ)
ベクトルA ベクトルB ベクトルC ベクトルD
野球 1 サッカー 1 テニス 1 相撲 1
野球チームa 1 大阪 2 シングルス 1 大阪 1
野球チームb 1 女子 1 優勝 1
大阪 1 ファイナル 1
なお、ベクトルA、ベクトルB、ベクトルC及びベクトルDはそれぞれ異なった番組を意味する。なお、ベクトルBにおいて、「大阪 2」とあるが、これは大坂のチーム同士が試合をする場合の例である。
【0024】
上記のように番組ベクトルの要素は番組ごとに大きく異なる。そのため、比較するには番組ベクトルの要素を再構成する必要がある。そこで、番組ベクトル再構成部25は、番組ベクトル記憶データベース24から番組ベクトルを読み込んで、全ての番組ベクトルに存在する名詞・人名全てを要素として持つ番組ベクトルに再構成することとする。また、頻度を正規化するために、各ベクトルごとに最大値が1となるように正規化する。
【0025】
[表3]再構成した番組ベクトルの例(名詞のみ)
ベクトルA ベクトルB ベクトルC ベクトルD
野球 1 0 0 0
野球チームa 1 0 0 0
野球チームb 1 0 0 0
サッカー 0 0.5 0 0
大阪 1 1 0 1
テニス 0 0 1 0
シングルス 0 0 1 0
女子 0 0 1 0
ファイナル 0 0 1 0
相撲 0 0 0 1
優勝 0 0 0 1
【0026】
また、好みベクトルの要素も番組ベクトルとは大きく異なるため、番組ベクトルも再構成する必要がある。そこで、好みベクトル再構成部22は、好みベクトルの要素を上記のの番組ベクトルと合わせる。正規化の仕方も同様である。
【0027】
[表4]好みベクトルの例(名詞のみ)
野球 1
野球チームa 0.9
野球チームb 0.5
サッカー 0
大阪 0
テニス 0
シングルス 0
女子 0
ファイナル 0
相撲 0
優勝 0
【0028】
次に、特徴マップ生成部26は、上記の番組ベクトルに基づいて特徴マップを作成する。特徴マップの作成にはSOMを用いる。SOMは相互結合ニューラルネットワークの一種であり、多次元のベクトルを低次元のベクトルへ写像すると同時に、ベクトル間の類似度が高いものほど距離が近くなるように写像することができる。そのため、人間の視覚で理解しやすい特徴マップを作成することができる。ここでは、好みベクトル11次元のベクトルを2次元の特徴マップへ写像する。
【0029】
図2は特徴マップの例を示した図である。同図のA、B、C、Dは番組ベクトルの配置を示しており、ベクトル間の類似度が高いものほど距離が近く、類似度が低いものほど距離が遠くなるように配置されている。
【0030】
推薦番組検索部27は、好みベクトル再構成部22により再構成された好みベクトルをSOMに入力する。そうすると、特徴マップ(図2)上で好みベクトルに最も近いニューロンが発火する。この発火点から最近傍又は一定距離内の番組を検索し、その番組を推薦番組とする。この例では、番組ベクトルAの傍で発火し、他のベクトルに対しては比較的遠いことから、番組Aを推薦番組とする。推薦番組検索部27は、この番組ベクトルAを推薦番組としてEPG画像生成部17に出力する。EPG画像生成部17は、EPG取得部15からの番組の内、推薦番組が強調表示されるように信号処理を施して映像合成部18を介して表示部19に出力し、推薦番組が強調された番組が表示される。この例では番組Aが強調表示される。この強調表示によってユーザーが推薦番組を容易に把握することができる。なお、推薦番組の強調表示は、例えば該当する番組のタイトルを他の番組の色とは異なる色で表示したり、点滅表示をしたりすることにより行うことができる。
【0031】
また、視聴・録画番組履歴データベース20の内容は一定期間ごとに再構築するのが好ましい。例えば、シリーズもののドラマの場合には3ヶ月毎に新番組となる。その度にユーザーの興味の度合いは変化する。そこで、履歴情報忘却処理部28は、一定期間ごとに過去の視聴・録画情報を忘却する。例えば、視聴・録画をしてから一定期間たったEPG情報を忘れるようにする。こうすることで、最近興味のある番組を的確に推薦することができる。或いは、所定期間頻度が増加しなかった番組や、日付に重み係数を付けておいて(日付が古くなる程重み係数を小さくする)重み係数が小さくなった番組を削除したりする。また、番組を削除する際にはその番組数を設定しておいて削除する。
【0032】
以上のように本実施形態1においては、視聴・録画番組履歴データベース20に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、その情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成し、また、デジタルテレビ放送のEPGの表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成し、その番組ベクトルに所定の処理を施したものを参照ベクトルとして自己組織化マップに入力して特徴マップを生成するとともに、好みベクトルに所定の処理を施して自己組織化マップに入力し、特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として案内するようにしたので、好みベクトルに類似した番組ベクトルを抽出することができ、ジャンルにとらわれず、ユーザーの視聴履歴に応じて柔軟な番組推薦を行うことができる。
【0033】
また、本実施形態1においては、履歴情報忘却処理部28が視聴・録画番組履歴データベース20に格納された履歴情報を予め設定された規則に従って削除して更新するようにしたので、嗜好が変わったり、或いは番組の傾向が変わったりした場合においても対応できる。
【0034】
また、本実施形態1において、履歴情報忘却処理部28には視聴ユーザーごとに履歴情報が格納され又は全てのユーザーの履歴情報が一括して格納されるので、例えば視聴ユーザーごとに履歴情報が蓄積することにより、個人の嗜好に対応した推薦番組を案内することができる。或いは、全てのユーザーの履歴情報を一括して蓄積することにより例えば家族の嗜好に対応した推薦番組を案内することができる。
【0035】
実施形態2.
なお、上記の実施形態1ではアンテナ10によりテレビ番組の映像信号等を取り込む例について説明したが、例えば光ケーブル等のケーブルにより取り込んでもよい。
また、上記の実施形態1は画像表示装置としてデジタル放送受信装置の例について説明したが、例えば音声出力部16、表示部19等を備えない受信装置としても本発明は成立し、例えばそのような受信装置をビデオレコーダーに内蔵させて、視聴ユーザーの録画の履歴情報によりその嗜好に対応した推薦番組が得られるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態1に係るデジタル放送受信装置の構成を示したブロック図である。
【図2】特徴マップの例を示した図である。
【符号の説明】
【0037】
10 アンテナ、11 チューナー部、12 デマルチプレクサ部、13 音声復号部、14 映像復号部、15 EPG取得部、16 EPG画像生成部、16 音声出力部、17 EPG画像生成部、18 映像合成部、19 表示部、20 録画番組履歴データベース(DB)、21 好みベクトル生成部、22 好みベクトル再構成部、23 番組ベクトル生成部、24 番組ベクトル記憶データベース(DB)、25 番組ベクトル再構成部、26 特徴マップ生成部、27 推薦番組検索部、28 履歴情報忘却処理部、29 制御部、30 リモートコントローラ、31 好みベクトル演算手段、32 番組ベクトル演算手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴又は録画した番組のEPG情報を蓄積し、該蓄積されたEPG情報と、EPGに表示される番組のEPG情報との距離を自己組織化マップを用いて計測し、相対的に距離が近い番組を推奨番組として案内することを特徴とする番組ガイド方法。
【請求項2】
デジタルテレビ放送の内、ユーザーが視聴又は録画した番組のEPG情報を履歴情報として記憶手段に格納する工程と、
前記記憶手段に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、前記情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成する工程と、
デジタルテレビ放送のEPGの表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成する工程と、
前記番組ベクトルに第1の所定の処理を施して参照ベクトルとして自己組織化マップに入力して特徴マップを生成する工程と、
前記好みベクトルに第2の所定の処理を施して自己組織化マップに入力し、前記特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として案内する工程と
を備えたことを特徴とする番組ガイド方法。
【請求項3】
前記第1の所定の処理として、全番組の番組ベクトルの各情報を統一し、且つ各情報の出現頻度を統一して表現し、再構成された番組ベクトルを生成し、前記第2の所定の処理として、前記好みベクトルを前記再構成された番組ベクトルと同じ表現形式に作り直して再構成された好みベクトルを生成する
ことを特徴とする請求項2記載の番組ガイド方法。
【請求項4】
デジタルテレビ放送を受信し、少なくとも選択されたチャンネル及びEPGに関する情報を出力するチューナー部と、
前記情報からEPG情報を抽出して取得するEPG取得部と、
該EPG取得部により取得されたEPG情報の内、前記チューナー部において選択されたチャネルの番組のEPG情報を履歴情報として格納する記憶手段と、
デジタルテレビ放送のEPGを表示する際に、その表示範囲の番組毎に、少なくとも名詞を含む情報の出現頻度を求めて番組ベクトルを生成し、更に、全番組の番組ベクトルの各情報を統一し、且つ各情報の出現頻度を統一して表現し、再構成された番組ベクトルを生成する番組ベクトル演算手段と、
前記記憶手段に格納された番組の履歴情報から少なくとも名詞を含む情報を取り出し、前記情報の出現頻度を求めて好みベクトルを生成し、更に、前記好みベクトルを前記再構成された番組ベクトルと同じ表現形式に作り直して再構成された好みベクトルを生成する好みベクトル演算手段と、
前記再構成された番組ベクトルを参照ベクトルとして自己組織化マップに入力し、特徴マップを生成する特徴マップ生成手段と、
前記再構成された好みベクトルを自己組織化マップに入力し、前記特徴マップの内、発火したニューロンの近傍に位置する番組を推薦番組として出力する推奨番組検索部と
を備えたことを特徴とする受信装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶された履歴情報を予め設定された規則に従って削除して更新する履歴情報忘却処理部を
備えたことを特徴とする請求項4記載の受信装置。
【請求項6】
前記記憶手段には視聴ユーザーごとに履歴情報が格納され又は全てのユーザーの履歴情報が一括して格納されることを特徴とする請求項4又は5記載の受信装置。
【請求項7】
前記番組ベクトル演算手段は名詞及び/又は人名に基づいた番組ベクトルを生成し、参照ベクトルとして前記特徴マップ生成部に出力する請求項4〜6の何れかに記載の受信装置。
【請求項8】
請求項4〜7の何れかに記載の受信装置と、
前記EPG取得部により取得されたEPG情報と前記推奨番組検索部より出力された推奨番組の情報とに基づいてEPG画像を生成するEPG画像生成部と、
該EPG画像生成部により生成されたEPG画像を、前記推奨番組を強調させながら表示する表示部と
を備えた画像表示装置。
【請求項9】
前記チューナー部において選択されたチャンネルの映像と、前記EPG画像生成部により生成されたEPG画像とを合成して前記表示部に表示させる映像合成部
を備えたことを特徴とする請求項8記載の画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−202023(P2007−202023A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20669(P2006−20669)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】