説明

番組送出サーバシステム、ビデオサーバおよび素材収録方法

【課題】符号化処理系統に過剰な負荷が発生せず、短時間に現用・予備の両系統の書込記憶、及びプレビューを済ますことが可能な冗長構成の番組送出サーバシステム、ビデオサーバ、および素材収録方法を提供する。
【解決手段】現用系のビデオサーバ1Aは、記憶したコンテンツの圧縮符号化データを記憶装置Saから読出してバスBdからDECDnをバイパスして出力し、マイグレーションネットワークMNを介して予備系のビデオサーバ1Bへファイル転送する。ビデオサーバ1Bは、転送されたファイルをENCE1をバイパスしてバスBeを通して記憶装置Sbへ書込記憶する。そして、ビデオサーバ1Bの記憶装置Sbから読出したファイルを復号したベースバンドビデオ信号をディスプレイMdでプレビューする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局で用いる番組送出サーバシステムおよび素材収録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局では、オンエア停止の事故を防ぐため送信系統を2重構成にした冗長化を行っている。放送番組のコンテンツ(素材)を収録してオンエアに備える番組送出サーバシステムも、ビデオサーバが現用系と予備系とに2重化されている。予め現用と、予備系との2つのビデオサーバには、放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化した圧縮符号化データをファイルにした同じコンテンツファイルが記憶蓄積(収録)される。
【0003】
しかしながら、この様な2重化を行っても両ビデオサーバでコンテンツファイルが正しく収録され、途中で異常画面が発生していないかを調べる為にオンエアに先立ちオペレータが両サーバへ収録されたコンテンツを目視確認しなければならない。
【0004】
その為には、現用、予備系のビデオサーバに記憶された両方のコンテンツファイルが正しく収録されていること全体を通して確認するために、放送時間の2倍の確認時間が掛かる。その確認時間を節約することを目的として現用系サーバで収録されコンテンツファイルを再生して確認する代わりに、現用系サーバに収録した圧縮符号化データのコンテンツファイルそのまま予備系サーバにファイル転送して書込記憶を済ませるマイグレーションと呼ばれるファイル転送コピーを行う。
【0005】
そして、予備系サーバが記憶蓄積、即ち収録しているコンテンツファイルを読出し、目視確認することにより異常が無いかを1回の確認で済ませる方法が有る(例えば、特許文献1。)。
【0006】
図6は、従来のマイグレーションによる番組送出サーバシステムにおける番組収録方法を説明する機能ブロック図である。
【0007】
図6において従来のマイグレーションを実施する番組送出サーバシステムは、それぞれ現用系、予備系の構成で、a系ビデオサーバ1a、b系ビデオサーバ1b、スイッチャOXa、OXbと、入力される複数の放送番組信号のベースバンドビデオ信号についてビデオサーバの出力先を選択して切換るルーティングスイッチャRXと、ビデオサーバが収録したコンテンツファイルから復号した所要の放送番組のベースバンドビデオ信号を選択出力するプレビュースイッチャPXと、プレビュースイッチャPXが出力する映像をモニタするディスプレイMdと、マイグレーションを行う場合に現用系と予備系の両ビデオサーバ間でコンテンツファイルの転送データを伝送するファイル転送ネットワークTnと、放送番組信号(ベースバンドビデオ信号)の入力、出力、コンテンツファイルのコピー(マイグレーション)等の制御コマンドを入力したり両ビデオサーバ始め番組送出サーバシステムの動作制御、監視をする主制御装置mcと、主制御装置mcとの間でコマンドや応答信号を入出力する制御網cnとを備える。
【0008】
a、b系ビデオサーバは、基本的には同じ構成であり、ルーティングスイッチャRXから入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化して符号化ビデオデータに変換する符号化装置(エンコーダ、以下、ENCと略す。)e1〜en、圧縮符号化データをバスBXから入力し、コンテンツファイルとして記憶する記憶装置Sa、また記憶装置Saから読出したコンテンツファイルの圧縮符号化データをバスBXを介して入力し、通常のベースバンドビデオ信号に復号して出力する復号装置(デコーダ、以下、DECと省略する)d1〜dqを備えている。
【0009】
また、ENC、DECが接続される両サーバのバスBXは、記憶装置Sa(または、Sb)との間の書込と読出しデータが共に伝送される共通バスとなってENC、DECは、CPUCa(または、Cb)の制御によりバスBXを介して記憶装置Sa(または、Sb)との間でコンテンツファイルの圧縮符号化データを入出力する。
【0010】
主制御装置mcから、a系を現用系としてマイグレーションをしながら収録するマイグレーションコマンド、例えば、放送番組「XX」から作成するファイルについてa系を現用系とし、更に予備系のb系へ転送して記憶蓄積する「Store XX a to b」が制御網cnを介して各構成へ出力される。
【0011】
a系ビデオサーバ1aのCPUcaは、マイグレーションコマンドを受信すると、ルーティングスイッチRXで選択された接続先から放送番組「XX」のベースバンドビデオ信号が現用系のa系のENCe1へ入力され、そこでベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データのファイルにして記憶装置Saへ書き込む制御を行う。
【0012】
なお、上記説明では、マイグレーションコマンドにどのENCを入力系統とするかの記載が行われていないが、両サーバのCPUがバスを監視し、未使用中のENCを割り当てることにより自動的にENCが割り当てられる。また、予め、ENCの使用割当をスケジューリングすることにより、当該コマンドにENCの識別情報を加える等の方法により指定しても良い。
【0013】
a系ビデオサーバ1aには、ENCe1〜ENCenが備えられ、そこで例えば、放送番組XXのベースバンドビデオ信号の圧縮符号化データがバスBXを介して記憶装置Saへ書き込まれ、例えば、内部名称としてファイルFaとし記憶収録される。
【0014】
記憶装置Saに書き込まれたファイルFaは、保存データ量を少なくするため圧縮符号化されているが、これをベースバンドビデオ信号へ復号して予備系のb系のビデオサーバ1bに送信して、再符号化すると信号品質が劣化する。
【0015】
従って、マイグレーション収録をする場合には圧縮符号化データである番組素材データのファイルFaをそのまま読出して予備系のビデオサーバへ出力する。
【0016】
即ち、a系ビデオサーバのCPUCaは、記憶装置Saに書込まれたファイルFaのデータを直ちに読出して出力する、「追いかけ再生」を実施し、記憶装置Saから圧縮符号化データを読出し、ファイルFaの転送ファイルのデータとしてバスBXに出力し、予備系であるb系ビデオサーバ1bへ、ファイル転送ネットワークTnとI/FI1とを介して送信する制御を行う。
【0017】
I/FI1(または、IFIn)は、このマイグレーションされるファイルFaを伝送するファイル転送ネットワークTnを介して入出力するためのインタフェース機能である。例えば、ファイル転送ネットワークTnがTCP−IP手順を用いるのであれば、読出したコンテンツファイルを例えば、FTP手順で送受信するパケット化、カプセリングする処理を行う。
【0018】
予備系のb系ビデオサーバ1bでは、CPUcbがバスBXを監視し、制御網cnを介して、マイグレーションコマンドを受信すると、I/FI1からの入力を待機する。そして、ファイル転送ネットワークTnからカプセリングされたファイルFaを受信すると、b系ビデオサーバ1bのIFI1でカプセリングをほどき、ENCを通さずにバイパスされた転送ファイルデータをファイルFbとしてバスbeを介して記憶装置Sbへ書込み収録する。ここで、エラーが発生しなければファイルデータFaとFbとは同一であるので、両方のビデオサーバをオペレータが操作する場合は、元の放送番組名の「XX」というコンテンツファイル名で収録、管理される。
【0019】
こうしてマイグレーション処理により記憶、収録されたコンテンツファイルの圧縮符号化データは、主制御装置cn、または、図示されない外部の自動番組送出制御手段等からの制御により、両ビデオサーバの記憶装置から所定のタイミングで読み出される。そして、それぞれのDECでベースバンドビデオ信号に復号され、スイッチャOXa、OXbで選択されて外部へ向けて現用系及び予備系ビデオサーバからオンエア用のベースバンドビデオ信号として送出されることになる。
【0020】
上記のマイグレーション収録が終了すると、オンエアに先駆けてオペレータは、主制御装置cnのキーボード等の操作入力手段によりプレビューコマンド(例えば、「view:XX」:b)を入力することにより、ファイルFbから復号されたプレビューしたい放送番組「XX」のベースバンドビデオ信号が、b系ビデオサーバ1bから出力され、そしてプレビュースイッチャPXを経てディスプレイMdから映像を目視確認される。
【0021】
両系統の記憶、収録が正常で有れば、この映像には、異常が認められないので、正常に予備系へもコピー、蓄積が実施されて収録が完了したと判定され、確認作業が終了する。
【0022】
もし、異常が確認されると、「view:XX」:a)を入力することによりa系のビデオサーバ1Aから同じコンテンツファイルであるファイルFaを復号したビデオ信号を目視確認してその異常の有無を調べることにより、異常の発生系統がa系か、b系かを特定する。実際には、この様なファイルコピーでは誤りが発生しないか、発生したとしても自動訂正されるのでオペレータは、1回の確認作業で終了する場合が殆どである。
【0023】
しかしながら、このマイグレーション方法であると、現用系サーバでは、書込み後直ぐに読み出す「追いかけ再生」処理を行うためENC出力の書込記憶処理のみを行う場合に比べ、読出しと送出処理が更に行われるためバスBXが2倍以上のデータ伝送量に増えてしまい、負荷が高くなる問題が有った。
【0024】
その結果、同時に複数の番組編集を行いたい場合にも処理チャネル数が制限されてしまう問題、更には、番組送出に関わる読出し処理も圧迫される問題が生じる。特に、DECでは、復号してオンエアする番組信号が連続したデータフローであるベースバンドビデオ信号であることが必要であるが、その安定した復号をする為には、マイグレーションを行う際、現用系サーバのバスBXの負荷を高くならないように低く保つ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2007−74686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
従来、現用系、予備系のビデオサーバにマイグレーション方法を用いてコンテンツを書込記憶すると、データを書込直後に読出す追いかけ再生をするため、記憶装置が接続されているバスの負荷が2倍以上に増える問題があった。本発明は上記問題を解決するためになされたもので、マイグレーション処理を行っても内部バスの過剰な負荷発生を防ぎ、短時間に現用・予備の両系統の書込記憶、及びプレビューを済ますことが可能な冗長系を構成する番組送出サーバシステム、ビデオサーバ、および素材収録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記目的を達成するために、本発明の番組送出サーバシステムは、それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化装置と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号装置と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムにおいて、前記両ビデオサーバの間で前記圧縮符号化データを伝送する符号化データ伝送手段と、前記符号化装置が出力するデータを自らの記憶装置に書込み記憶するデータとして伝送する書込み専用の書込バスと、自らの記憶装置から読出されるデータを前記復号装置へ伝送する読出し専用の読出バスと、前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化した圧縮符号化データに変換して前記書込バスへ出力する前記符号化装置と、自らの記憶装置へ前記書込バスから入力される前記圧縮符号化データを書込・記憶して収録する制御と、前記記憶した圧縮符号化データを直ちに読出して前記読出しバスに出力する制御と、前記読出しバスから前記復号装置に入力する圧縮符号化データを復号せずバイパスして前記符号化データ伝送手段に出力して予備系のビデオサーバに向けて送信する制御とを行うCPUと、前記読出しバスから入力するデータを前記バイパスして前記出力する復号バイパス手段を有する前記復号装置とを備える現用系ビデオサーバと、前記同様の書込バスおよび読出バスと、前記符号化装置に前記符号化データ伝送手段から受信する前記圧縮符号化データを符号化せずバイパスして前記書込バスに出力することにより自らの記憶装置へ書込・記憶して収録する制御とを行うCPUと、前記受信する圧縮符号化データを前記バイパスして前記書込バスに出力する符号化バイパス手段を有する前記符号化装置とを、備える予備系ビデオサーバとを具備することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の番組送出システムのビデオサーバは、それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化装置と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号装置と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムのビデオサーバにおいて、ビデオサーバは、前記ベースバンドビデオ信号が圧縮符号化された圧縮符号化データが書込、記憶または読出される記憶装置と、前記ベースバンドビデオ信号を入力して圧縮符号化データに変換して出力する符号化機能と、外部からの制御により、入力されるデータを圧縮符号化せずそのまま出力する符号化バイパス機能とを備える符号化装置と、前記圧縮符号化データを入力してベースバンドビデオ信号のベースバンドビデオ信号に復号して出力する復号機能と、外部からの制御により、入力される圧縮符号化データをバイパスして出力する復号バイパス機能とを備える復号装置と、前記符号化手段から入力される圧縮符号化データを前記記憶装置へ書込データとして出力する書込専用の書込バスと、前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号装置へ出力する読出し専用の読出バスと、外部からの制御情報入力手段を有し、自装置が、前記制御情報入力手段により現用ビデオサーバに設定され、上記収録を行う場合、前記符号化装置が前記ベースバンドビデオ信号を入力して圧縮符号化した圧縮符号化データを前記書込バスを介して前記記憶装置に書込記憶し、前記書込記憶した前記圧縮符号化データを直ちに前記読み出しバスを介して前記復号装置へ入力すると共に前記復号装置から前記符号化データを復号せずそのまま出力する制御を行い、一方自装置が、予備ビデオサーバに設定され、上記収録を行う場合、前記符号化装置が入力される圧縮符号化データをバイパスして前記書込バスを介して前記記憶装置に書込記憶する制御を行うCPUとを具備することを特徴とする。
【0029】
更にまた、本発明の番組送出サーバシステムの素材収録方法は、それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化手段と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号手段と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバと、前記両ビデオサーバの間で前記圧縮符号化データを伝送する符号化データ伝送手段とを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムの素材収録方法において、両ビデオサーバの各前記記憶装置は、前記符号化装置が出力するデータを自らの記憶装置に書込み記憶するデータとして出力する書込み専用の書込バスと、自らの記憶装置から読出されるデータを前記復号装置へ出力する読出し専用の読出バスとに接続され、現用系のビデオサーバの前記符号化装置は、前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化した圧縮符号化データに変換して前記書込バスへ出力し、現用系のビデオサーバの記憶装置へ前記書込バスから入力される前記圧縮符号化データを書込・記憶することにより収録し、前記記憶した圧縮符号化データを直ちに読出して前記読出しバスに出力し、前記現用系の復号手段は、前記読出しバスから出力された圧縮符号化データを復号せずにバイパスして前記符号化データ伝送手段へ出力することにより前記予備系ビデオサーバへ向けて送信し、前記符号化データ伝送手段から前記圧縮符号化データを受信する前記予備系の符号化装置は、受信した圧縮符号化データをバイパスして前記書込バスへ出力し、前記予備系の記憶装置は、前記書込バスへ出力された符号化データを入力して書込記憶することにより収録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、放送番組を収録するビデオサーバの記憶装置にコンテンツのデータを書込記憶中にも符号化処理系統に過剰な負荷が発生せず、短時間に現用・予備の両系統の書込記憶、及びプレビューを済ますことが可能な番組送出サーバシステム、ビデオサーバ、および素材収録方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例に係わる従来の番組送出サーバシステムにおける記録蓄積方法を説明する機能ブロック図。
【図2】ビデオサーバのマイグレーション時の符号化と復号化処理に関わる動作を説明する機能ブロック図。
【図3】番組送出サーバシステムのマイグレーション処理における動作を説明するフローチャート。
【図4】マイグレーションネットワークがルーティングスイッチャRXとプレビュースイッチャPXとを用いて構成される場合の番組送出サーバシステムの接続図。
【図5】プレビュースイッチャPXを利用してマイグレーションネットワークを構成する番組送出サーバシステムの系統図。
【図6】従来の番組送出サーバシステムにおける記録蓄積方法を説明する機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0033】
図1は、本発明の実施例に関わる番組送出サーバシステムのコンテンツの記録蓄積方法を説明する機能ブロック図である。
【0034】
図1においてマイグレーションを実施する従来の番組送出サーバシステムは、それぞれ現用系、予備系の構成で、A系ビデオサーバ1A、B系ビデオサーバ1B、スイッチャOXa、OXbと、入力される複数の放送番組のベースバンドビデオ信号についてビデオサーバへの出力先を選択して切り替えるルーティングスイッチャRXと、ビデオサーバから出力されるベースバンドビデオ信号を選択出力するプレビュースイッチャPXと、プレビュースイッチャPXが出力するビデオ信号を入力してモニタ表示するディスプレイMdと、マイグレーションを行う場合に現用系と予備系との両サーバ間で圧縮符号化データを伝送するマイグレーションネットワークMNと、コンテンツの入力、出力、コピー(マイグレーション)等の制御コマンドを入力したり両ビデオサーバ始め番組送出サーバシステムの動作制御、監視をする主制御装置mcと、主制御装置mcとの間で番組送出システムを構成する機器、装置の動作を制御するコマンドやその応答信号等を伝送する制御網cnとを備える。
【0035】
ここでベースバンドビデオ信号は、A/D変換された非圧縮映像信号に音声/字幕等がエンベッデッドされている信号を意味する。また、ビデオサーバの記憶装置Sa、Sbに記憶されるデータは、ベースバンドビデオ信号を圧縮符号化した圧縮符号化データをコンテンツファイルとして収録(記憶蓄積)される。
【0036】
制御網cnは、図示しないが主制御装置mc、ビデオサーバ1A、1BのCPUCa、Cb、また各スイッチャ等が備える通信インタフェースを介してコマンドや応答信号等を伝送する制御情報伝送手段である。
【0037】
また、主制御装置mcは、キーボードや、マウス、モニタ装置等の入出力手段を備え、予め設定された動作プログラムでシステムの動作制御を行う他、オペレータが入出力手段により、コマンドやデータの入力、また動作モニタをすることが出来る。
【0038】
各ビデオサーバ1A、1Bは、主制御装置mcから上記制御網cnを介して、現用系、または予備系となるかの設定が行われ、また、図示されない入出力手段を備えることにより予め一方が現用系、他方が予備系であるかの設定をされても良い。
【0039】
システム動作については、従来例と類似、共通する部分については、符号等の読み替えにより容易に推測できるので重複を避けるため説明を省略する。
【0040】
A、B系ビデオサーバは、基本的には同じ構成であり、ルーティングスイッチャRXから入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化装置(エンコーダ、以下ENCと略す。)E1〜Em、圧縮符号化データをバスBeを介して入力して記憶する記憶装置Sa、また記憶装置Saから読出した符号化データをバスBdを介して入力し、ベースバンドビデオ信号に復号して出力する復号装置(以下、DECと省略する)D1〜Dqを備えている。
【0041】
両サーバのバスBeとバスBdは、それぞれが、符号化、書込に関わるENCを接続・収容するバス、と読出し・復号化に関わるDECを収容するバスである。そしてCPUCa(または、Cb)は、各バスに接続されるENC、DECの動作を共通して監視、制御出来るように統合接続されている。
【0042】
従来のビデオサーバでは、ENCとDECが共通のバスBXに接続されているが、本発明の実施例のビデオサーバは、記憶装置Sa(またはSb)へのデータ書込バスBeに複数のENC出力が接続され、読出しバスに複数のDECが接続されて、書込バスと読出しバスとが分離した構成をとる。
【0043】
圧縮符号化を行う場合、映像により圧縮率が変動する圧縮符号化データは、離散的なタイミングで記憶装置Sa(または、Sb)に書込まれる。その結果、従来のビデオサーバで実効される追いかけ再生は、書込、読出しのタイミング調整をとりながら行わねばならず、CPUが行うデータのバス入出力に関わるバッファ制御動作も複雑になり、先述の通りバスの負荷が2倍以上になる。
【0044】
これに比べ分離したバス構造の場合、例えば、ベースバンドビデオ信号から1GOP(Group of Pictures)を圧縮符号化して書き込むのに要する時間以上遅延したタイミング以降、一定間隔で記憶しているデータを記憶装置Saから読出して予備系のビデオサーバへ送出すれば良い。
【0045】
またDECへの出力についてもオーバフローしない様な単純なバッファ処理のみで済ませることが出来、一定のペースで安定な復号が可能になり連続したビット列であるベースバンドビデオ信号もコンスタントに出力出来る。
【0046】
ビデオサーバ1A、1BのCPUCa、Cbは、制御網cnとの間で、図示されない通信インタフェースによりサーバの動作監視に関わるデータや情報を入出力し、例えば、主制御装置mcからのコマンドによりマイグレーション処理を実効している。
【0047】
ビデオサーバ1A、1Bのどちらが現用系となるかは、主制御装置mcからのマスタ(M:現用)/スレーブ(S:予備)設定により決められる。各ビデオサーバ1A、1BのCPUCa、Cbは、制御網cnからこの設定を受信してビデオサーバの現用系か、予備系であるかの動作を実行する制御を行う。
【0048】
A、B両系ともDEC D1〜DEC Dmは、オンエア(OA)の為に復号されたベースバンドビデオ信号が出力され、オンエアする信号を選択するスイッチャOXa、OXbへ接続される。
【0049】
また、DEC Dn〜DEC Dqは、従来、プレビュー用に復号したコンテンツのベースバンドビデオ信号を出力するもので、その復号された信号はプレビュースイッチャPXへ接続される。主制御装置mcからのプレビューコマンドに従って、DECがアクティベートされ、プレビュースイッチャPXはその接続先DEC出力をディスプレイMdに接続する。
【0050】
本発明の実施例のビデオサーバ1A、1Bでは、これらのDEC Dn〜DEC Dqは、復号信号(ベースバンドビデオ信号)を出力する端子に加えて記憶装置Sa(Sb)から読み出される圧縮符号化データをバスBdを介してそのまま復号処理せず転送ファイルデータとして出力するバイパスするバイパス出力端子を備えており、その出力端子から出力される信号はマイグレーションネットワークMNに入力されている。
【0051】
また、ビデオサーバ1A、1Bでは、ENC E1〜Emも入力端子が従来と同様にベースバンドビデオ信号を入力する端子に加えて、自分へ向けて入力されたファイル転送データ(圧縮符号化データ)をそのまま符号化処理しないでバスBeを介して記憶装置Sb(Sa)へ入力するためのバイパス入力端子を備えている。
【0052】
これらのENCの一部は、そのバイパス入力端子がマイグレーションネットワークMNに接続され、例えば、ビデオサーバ1BのENCE1はマイグレーションネットワークMNを介して現用系のビデオサーバ1Aの例えば、DECDnからの圧縮符号化データを入力する。
【0053】
図2は、本実施例の番組送出サーバシステムのビデオサーバのマイグレーション時の符号化と復号化処理に関わる動作を説明する機能ブロック図である。
【0054】
図3は、番組送出サーバシステムのマイグレーション処理における動作を説明するフローチャートである。以下、図1〜図3を参照して番組送出サーバシステムのマイグレーションを利用した番組収録方法の処理手順を説明する。
【0055】
図2において、DECは、圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号してスイッチャとの入出力が可能なインタフェースでベースバンド出力端子P1から出力する復号部deと、圧縮符号化データである転送ファイルデータをI/O(入出力インタフェース)11でマイグレーションネットワークとの入出力が可能なインタフェースにして、バイパス端子P2から出力する機能を備えている。
【0056】
また、ENCは、ルーティングスイッチャからベースバンド入力端子P3から入力するベースバンドビデオ信号を符号部edが圧縮符号化した圧縮符号化データにしてバスBeを介して記憶装置へ向けて出力するとともにマイグレーションネットワークMNから転送ファイルデータをバイパス入力端子P4で入力する機能を備えている。
【0057】
図2において、現用系であるA系ビデオサーバ1Aでは、図1の制御網cnから図示されない通信インタフェースを経て主制御装置mcから送信された番組送出サーバシステムにおける現用設定のコマンドを受信したCPUCaは、DECに現用系、即ち、マスター(M)となる指定を行う。またB系のビデオサーバ1Bでは、CPUCbが予備系となるコマンドを受信しDECに予備系、即ちスレーブ(S)となる指定をする(図3のステップs1)。
【0058】
そして、主制御装置mcから同様にマイグレーションコマンド、例えば、「Store XX AtoB」をビデオサーバ1A、1Bが受信すると(ステップs2)、放送番組「XX」のマイグレーション収録を開始する。即ち、現用系のA系ビデオサーバ1Aでは、CPUCaが、図1のルーティングスイッチャから入力される放送番組「XX」のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換し、書き込みBeを経由してバス記憶装置Saに入力して書込記憶を開始する(ステップs3)。
【0059】
また、予備系のB系ビデオサーバ1Bでは、CPUCbにより、I/O11をアクティベート(オン)し、マイグレーションネットワークMNから入力される圧縮符号化データをENCの符号部14で符号処理を行なわないようバイパスしてバスBeへ出力する準備をし(ステップs4)、入力されるコンテンツデータを待つ。
【0060】
そしてA系ビデオサーバ1AのCPUCaは、書込記憶処理が開始されると、続いて現用系サーバの記憶装置Saから、放送番組「XX」の圧縮符号化データのコンテンツファイルFaをバスBdから読出し、ここでは、DECDnのI/O11をオンにしてマイグレーションネットワークMNに出力する(ステップs5)。
【0061】
I/O11は、マイグレーションネットワークMNとの間の信号入出力インタフェースであり、マイグレーションネットワークMNがIP網であれば、入力するコンテンツファイル、即ち圧縮符号化データをネットワークへ出力するカプセリング処理を行い、例えば、FTP手順によりファイル転送を行う。
【0062】
A系、B系のビデオサーバ1A、1Bでマイグレーションに用いられるDECDn,ENCE1のI/O11のアクティベートは、予め、オペレータによってDECDn,ENCE1のアドレスが指定され、マイグレーションコマンドに付加されて両ビデオサーバへ通知される。各ビデオサーバのCPUは、このアドレスを判読してI/O11に書き込むことによりマイグレーションネットワークMNを介してENCE1とDECDnとの間の通信接続、即ちファイル転送が可能になる。
【0063】
また、別の方法として、両ビデオサーバのCPUCa、Cbにより空き状態のDECDnとENCE1が探し出され、その識別情報によりそれらのI/O11がCPUCa、Cbにより指定される方法を採っても良い。
【0064】
そして、マイグレーションネットワークMNを経て指定された現用系のA系ビデオサーバ1AのDECDnから予備系のB系ビデオサーバ1BのENCE1のI/O11へカプセル化されたコンテンツファイルFaが入力される(ステップs5)。
【0065】
B系ビデオサーバ1BのENCE1のI/O11は、ファイル転送により入力されたファイルFaのデータのカプセリングをほどいて転送ファイルデータを元の圧縮符号化データに戻す。そして、圧縮符号化データをENCE1の符号部14をバイパスしてバスBeへ出力する(ステップs7)。
【0066】
バスBeを監視しているCPUCbは、バスBeへ入力される圧縮符号化データを再び予備系の記憶装置SbへファイルFbとして書込み記憶する制御を行う(ステップs8)。両ビデオサーバに書き込み記憶された圧縮符号化データは、コンテンツファイルXXとして収録されるなど以降の処理は、従来の場合と同様である。
【0067】
例えば、収録内容をプレビュー(目視確認)するデフォルト動作は、予備系ビデオサーバ1Bに記憶されたファイルFbが、例えば主制御装置mcからのプレビューコマンド等により記憶装置Sbから読出され復号された放送番組「XX」のベースバンドビデオ信号がプレビュースイッチャPXを経てディスプレイMdに入力され、その表示映像がオペレータによりプレビューされる。
【0068】
以上のマイグレーション処理による冗長化素材送出サーバシステムの素材収録方法は、書込バスと読出しバスと分離したバス構成を有することにより前述の様に現用系のビデオサーバ1Aの符号化処理系統に負担を与えることが無い。
【0069】
予備系記憶装置Sbに書込記憶されたコンテンツファイルXX、即ち圧縮符号化データが正常か否かを即時に確認出来るよう予備系記憶装置Sbのデフォルトが追いかけ再生に設定されている場合、CPUCbは、DECを収容するバスBdを介して予備系であるB系ビデオサーバのDECDnが圧縮符号化データの復号処理を開始する。
【0070】
この場合、圧縮符号化データの読出しは、バスBdを介して行われるので予備系においても書込処理中のENCを収容しているバスBeと独立した処理になり、バスBeに負担を掛けず、符号化側、復号化側で負荷が分散してプレビュー処理も実施される。
【0071】
現用系のビデオサーバにおいても、記憶蓄積データを即座に目視確認するよう追いかけ再生が設定されていても、ENC収容とDEC収容とを別のバスで行うことにより、前述のように一旦収録を終了後改めて確認する場合と同様に符号化側、また、復号側のバスでも負担にならない。
【0072】
本発明は、上記の主旨の範囲内で、構成、組合せ、処理手順が変更されるものであっても適用される。
【0073】
例えば、図2におけるマイグレーションでは、現用系と予備系のビデオサーバとをIP網に依るマイグレーションネットワークにより接続しているが、ネットワークを用いずに直接信号線を接続しても良い。
【0074】
即ち、マイグレーションするDECとENCとの接続先を予め決めておき、例えば、DECDnのバイパス出力端子P2とENCE1のP4とを信号線となる渡りケーブルで固定接続しておくもので有っても良い。この場合、マイグレーションを行わない通常の書込や読出しを行う場合、DECDnのP2、ENCE1のP4は、CPUCa、CbによりそれぞれI/O11がオフ(切断)に設定されるので渡りケーブルにより信号は伝送されない。
【0075】
また、図4は、マイグレーションネットワークがルーティングスイッチャRXとプレビュースイッチャPXとを用いて構成される場合の番組送出サーバシステムの接続図である。
【0076】
即ち、図4において現用系のA系ビデオサーバ1Aの記憶装置Saからバイパスされた圧縮符号化データは、プレビュースイッチャPXの入力端子へ接続され、その出力がルーティングスイッチャRXの入力端子へ接続される。そして、その選択出力が、予備系であるB系ビデオサーバ1BのENCEnへ向けて出力される。
【0077】
これらのスイッチャの接続先設定は、マイグレーションコマンドの送信に合わせて主制御装置mcから行われる。
【0078】
この場合、図2の場合と異なり、A系ビデオサーバ1A及びB系ビデオサーバ1BのDECの出力端子、または、ENCの入力端子は1つである。そして、DEC、ENCの内部では、出力端子、または入力端子を流れる信号種がベースバンドビデオ信号か、バイパスした符号化ビデオ信号であるかをCPUCa、CbのM/S(マスタ/スレーブ)指定に従って切り替えるスイッチSo、Siが設けられている。
【0079】
主制御装置mcからのマイグレーションコマンドを受信した各ビデオサーバのCPUは、自分が現用系、即ち、マスタで有る場合は、DECのSoを符号化ビデオ信号をバイパスして出力し、自分が予備系、スレーブで有る場合は、ENCのSiを同様にバイパスして予備系の記憶装置Sbへ出力する様にスイッチSoを設定する。
【0080】
また、ENC、DECには、各スイッチャPX、RXのルートを経由するベースバンドビデオ信号と同様に圧縮符号化データが伝送出来るようにするインタフェース回路としてI/O11が設けられている。
【0081】
この方法では、マイグレーションネットワークMNを放送局内でデジタル素材信号を伝送するネットワークを利用して実現でき、ENC、DECの選択の自由度が高く取れる利点が有る。
【0082】
図5は、プレビュースイッチャPXを利用してマイグレーションネットワークを構成する番組送出サーバシステムの系統図である。
【0083】
図5のシステム構成は、図2、図4に示される構成を折衷した構成である。動作詳細は、図4における例から容易に推測出来るので説明は省略するが、図4におけるENC、DECの各スイッチSi、Soと、ルーティングスイッチャRXとを用いない構成にしている。そしてプレビュースイッチャPXの切替機能を利用して現用系のA系ビデオサーバ1AのDECのバイパス出力端子から出力される圧縮符号化データを予備系のB系ビデオサーバ1BのENCのバイパス入力端子へ供給している。
【0084】
図4に示す方法に比べ、装置構成が単純になる利点があるが、ルーティングスイッチを用いないので、接続先となる予備系のビデオサーバでは、複数のDECのうちからマイグレーションに用いるDECを予め設定しておく必要がある。
【符号の説明】
【0085】
1A、1B A系ビデオサーバ、B系ビデオサーバ
11 I/O(入出力インタフェース)
12 復号部
14 符号部
OXa、OXb オンエア(OA)スイッチャ
Be 書込バス
Bd 読出しバス
Fa、Fb ファイル
MN マイグレーションネットワーク
RX ルーティングスイッチャ
PX プレビュースイッチャ
Md ディスプレイ
MN マイグレーションネットワーク
mc 主制御装置
Ca,Cb CPU
cn 制御網
de 復号部
ed 符号部
D1〜Dq DEC(復号装置、デコーダ)
E1〜En ENC(符号化装置、エンコーダ)
Sa、Sb 記憶装置
Si,So スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化装置と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号装置と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムにおいて、
前記両ビデオサーバの間で前記圧縮符号化データを伝送する符号化データ伝送手段と、
前記符号化装置が出力するデータを自らの記憶装置に書込み記憶するデータとして伝送する書込み専用の書込バスと、自らの記憶装置から読出されるデータを前記復号装置へ伝送する読出し専用の読出バスと、前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換して前記書込バスへ出力する前記符号化装置と、自らの記憶装置へ前記書込バスから入力される前記圧縮符号化データを書込・記憶して収録する制御と、前記記憶した圧縮符号化データを直ちに読出して前記読出しバスに出力する制御と、前記読出しバスから前記復号装置に入力する圧縮符号化データを復号せずバイパスして前記符号化データ伝送手段に出力して予備系のビデオサーバに向けて送信する制御とを行うCPUと、前記読出しバスから入力するデータを前記バイパスして前記出力する復号バイパス手段を有する前記復号装置とを備える現用系ビデオサーバと、
前記同様の書込バスおよび読出バスと、前記符号化装置に前記符号化データ伝送手段から受信する前記圧縮符号化データを符号化せずバイパスして前記書込バスに出力することにより自らの記憶装置へ書込・記憶して収録する制御とを行うCPUと、前記受信する圧縮符号化データを前記バイパスして前記書込バスに出力する符号化バイパス手段を有する前記符号化装置とを、備える予備系ビデオサーバとを
具備することを特徴とする番組送出サーバシステム。
【請求項2】
前記番組送出サーバシステムは、
更に主制御装置と、前記主制御装置と両前記ビデオサーバのCPUとの間で情報を伝送する制御情報伝達手段と、前記復号装置から出力されるベースバンドビデオ信号を受信して表示するモニタ表示手段とを備え、
前記主制御装置から前記制御情報伝達手段を介して放送番組コンテンツを収録した内容を目視確認するデフォルトのプレビューコマンドが両ビデオサーバへ送信された場合、
前記予備系のビデオサーバのCPUが、前記符号化データ伝送手段を介して受信し自らの記憶装置へ書込・記憶された前記圧縮符号化データを自らの記憶装置から読出し、前記同様の読出しバスを経て前記復号装置に入力して復号化したベースバンドビデオ信号を出力する制御を行い、
前記モニタ表示装置は、前記予備系ビデオサーバの前記復号装置から出力されるベースバンドビデオ信号を入力して表示することを特徴とする請求項1記載の番組送出サーバシステム。
【請求項3】
前記番組送出サーバシステムは、
更に主制御装置と、前記主制御装置と両前記ビデオサーバのCPUとの間で情報を伝送する制御情報伝達手段と、前記主制御装置に制御されて両ビデオサーバそれぞれの符号化装置の入力接続先と復号装置の出力接続先とを切り替えるスイッチャ手段とを備え、
前記主制御装置は、前記収録を行う場合、
前記両ビデオサーバの一方を現用系、他方を予備系のサーバとして設定して前記収録を行うマイグレーションコマンドを前記制御情報伝達手段により前記両ビデオサーバへ送信すると共に、
前記スイッチャ手段に対して前記現用系のビデオサーバの復号装置が前記バイパスして出力する前記圧縮符号化データの出力端子の接続先を前記予備系ビデオサーバの符号化装置の入力端子へ接続する制御を行うことにより前記符号化データ伝送手段を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の番組送出サーバシステム。
【請求項4】
それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化装置と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号装置と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムのビデオサーバにおいて、
ビデオサーバは、
前記ベースバンドビデオ信号が圧縮符号化された圧縮符号化データが書込、記憶または読出される記憶装置と、
前記ベースバンドビデオ信号を入力して圧縮符号化データに変換して出力する符号化機能と、外部からの制御により、入力されるデータを圧縮符号化せずそのまま出力する符号化バイパス機能とを備える符号化装置と、
前記圧縮符号化データを入力してベースバンドビデオ信号のベースバンドビデオ信号に復号して出力する復号機能と、外部からの制御により、入力される圧縮符号化データをバイパスして出力する復号バイパス機能とを備える復号装置と、
前記符号化手段から入力される圧縮符号化データを前記記憶装置へ書込データとして出力する書込専用の書込バスと、
前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号装置へ出力する読出し専用の読出バスと、
外部からの制御情報入力手段を有し、
自装置が、前記制御情報入力手段により現用ビデオサーバに設定され、上記収録を行う場合、
前記符号化装置が前記ベースバンドビデオ信号を入力して圧縮符号化した圧縮符号化データを前記書込バスを介して前記記憶装置に書込記憶し、
前記書込記憶した前記圧縮符号化データを直ちに前記読み出しバスを介して前記復号装置へ入力すると共に前記復号装置から前記符号化データを復号せずそのまま出力する制御を行い、
一方自装置が、予備ビデオサーバに設定され、上記収録を行う場合、
前記符号化装置が入力される圧縮符号化データをバイパスして前記書込バスを介して前記記憶装置に書込記憶する制御を行うCPUとを
具備することを特徴とする番組送出サーバシステムのビデオサーバ。
【請求項5】
前記符号化装置は、
前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化する為の符号化入力端子と、入力される前記圧縮符号化データに前記圧縮符号化を行わずバイパスしてそのまま出力するバイパス入力端子とを備え、
前記復号装置は、
前記入力される前記圧縮符号化データを復号したベースバンドビデオ信号を出力する復号出力端子と、前記復号をしないでバイパスされた圧縮符号化データを出力するバイパス出力端子とを備える
ことを特徴とする請求項4記載の番組送出サーバシステムのビデオサーバ。
【請求項6】
それぞれが、入力される放送番組のベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化手段と、前記圧縮符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号手段と、前記各装置を監視制御するCPUとを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバと、前記両ビデオサーバの間で前記圧縮符号化データを伝送する符号化データ伝送手段とを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムの素材収録方法において、
両ビデオサーバの各前記記憶装置は、前記符号化装置が出力するデータを自らの記憶装置に書込み記憶するデータとして出力する書込み専用の書込バスと、自らの記憶装置から読出されるデータを前記復号装置へ出力する読出し専用の読出バスとに接続され、
現用系のビデオサーバの前記符号化装置は、前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化した圧縮符号化データを前記書込バスへ出力し、現用系のビデオサーバの記憶装置へ前記書込バスから入力される前記圧縮符号化データを書込・記憶することにより収録し、前記記憶した圧縮符号化データを直ちに読出して前記読出しバスに出力し、
前記現用系の復号手段は、前記読出しバスから出力された圧縮符号化データを復号せずにバイパスして前記符号化データ伝送手段へ出力することにより前記予備系ビデオサーバへ向けて送信し、
前記符号化データ伝送手段から前記圧縮符号化データを受信する前記予備系の符号化装置は、受信した圧縮符号化データをバイパスして前記書込バスへ出力し、
前記予備系の記憶装置は、前記書込バスへ出力された符号化データを入力して書込記憶することにより収録することを特徴とする
番組送出サーバシステムの素材収録方法。
【請求項7】
主制御装置と、スイッチャ手段と、それぞれが、入力される放送番組のコンテンツデータのベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換する符号化手段と、前記符号化データを記憶して収録する記憶装置と、前記圧縮符号化データをベースバンドビデオ信号に復号する復号手段とを有する一方が現用系、他方が予備系となるビデオサーバと、制御情報伝達手段とを備え、各々のビデオサーバが前記記憶装置から読出した前記圧縮符号化データを前記復号して送出する2重系統の番組送出サーバシステムの素材収録方法において、
主制御装置は、前記収録を行う場合、
前記両ビデオサーバの一方を現用系、他方を予備系のサーバとして設定して前記収録を行うマイグレーションコマンドを前記制御情報伝達手段により前記両ビデオサーバへ送信すると共に、前記スイッチャ手段に対して前記現用系のビデオサーバの復号装置が前記バイパスして出力する前記圧縮符号化データの出力端子の接続先を前記予備系のビデオサーバの符号化装置の入力端子へ接続する制御を行うことにより現用系と予備系とのビデオサーバの間で圧縮符号化データを伝送する符号化データ伝送手段を形成し、
両ビデオサーバの各前記記憶装置は、前記符号化装置が出力するデータを自らの記憶装置に書込み記憶するデータとして出力する書込み専用の書込バスと、自らの記憶装置から読出されるデータを前記復号装置へ伝送する読出し専用の読出バスとに接続され、
前記現用系のビデオサーバの前記符号化装置は、前記入力されるベースバンドビデオ信号を圧縮符号化データに変換して前記書込バスへ出力し、現用系のビデオサーバの記憶装置は、前記書込バスから入力される前圧縮記符号化データを書込・記憶することにより収録し、前記記憶した圧縮符号化データを直ちに読出して前記読出しバスに出力し、前記現用系のビデオサーバの復号手段は、前記読出しバスから出力された圧縮符号化データをそのままバイパスして前記符号化データ伝送手段へ出力することにより前記予備系のビデオサーバへ向けて送信し、
前記符号化データ伝送手段から前記圧縮符号化データを受信する前記予備系のビデオサーバの符号化装置は、受信した圧縮符号化データをそのままバイパスして前記書込バスへ出力し、
前記予備系のビデオサーバの記憶装置は、前記書込バスへ出力された圧縮符号化データを入力して書込記憶することにより収録することを特徴とする
番組送出サーバシステムの素材収録方法。
【請求項8】
前記番組送出サーバシステムは、
モニタ表示手段で前記放送番組コンテンツの収録結果をオペレータが目視確認する場合、
デフォルトとして前記予備系のビデオサーバの記憶装置へ書込・記憶された圧縮符号化データが、予備系のビデオサーバの前記読出バスを介して前記復号装置に入力され、
前記復号装置が前記入力された圧縮符号化データを復号化したベースバンドビデオ信号を前記モニタ表示手段へ出力することを特徴とする請求項6または7に記載の番組送出サーバシステムの素材収録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−29937(P2011−29937A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173749(P2009−173749)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】