説明

異なる外径を有する2本の円筒管の密封連結装置

本発明は2つの隣接する円筒管の密封連結装置に関わり、その種の装置が切頭周囲スリーブ(2)及び前記スリーブの見掛けの外径を減少できるクランピング手段で構成される。前記周囲スリーブ(2)がスリット(6)を形成するため中央に沿って縦方向に切られ、ネック部片(9)によって前記周囲スリーブに連結される2つの中心がくり抜かれたくさび(8)と、異なる外径を有する複数の管を接続するために制御された仕方で変形され得る底部と、対向する側に前記スリーブが管にクランプされる際に三角くさびが収容される2つの三角ハウジング(7)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの隣接した類似の或いは異なる外径の円筒管の密封連結を保証することができる装置に関わるものである。
【0002】
このシステムは、主に自動車産業において、具体的には排気管の組立てに応用され、同一或いは異なる外径をもつ2つの直線形円筒管の完全に密封された連結を可能にしている。
【背景技術】
【0003】
排気管の全長についての連結は、容易に解決可能な解決策があるように思われたが、そうではなく、かかる組立てが強い振動を受けることを考慮すれば、優れた密封をもたなければならない。溶接を介した連結は高価であり修理を複雑にする。
【0004】
数多くのクランプが公知であり、スペイン国特許第ES2234620号に記載されたクランプの事件など提起された問題点を解決しようと試み、同号はクランピング要素を形成する、開かれたスリーブ及び先の尖った形態による端部を備えた内部周囲スリーブを開示している。或いはフランス国特許第FR2662486号は、スリーブ及び連結されようとする管に適用されようとする傾斜端部を備えた内部周囲スリーブを備える装置を開示しているが、これらは外径における僅かな相違を特色としている。これにも関わらず、管の外径における相違或いは管自体が、それぞれ自動車で生じる振動に耐える能力に関わって連結を脆弱にし、また結果として両方の事件で漏れを発生させている。この同一発明者の実用新案公開第U200601359号には、連結されようとする管をクランプできる周囲スリーブで構成される本発明のシステムに非常に類似したシステムを開示しており、本発明の周囲スリーブはより大きい分離の縦方向端部スリット内に伸長する中央傾斜型スリットを特徴とし、よって中央傾斜型スリットの端部が接触状態にあるとき、縦方向端部スリットの端部は分離された状態で留まる。このようなシステムは密封を大いに改善するが、密封領域に取り付けられる2つの管の間で変形や相違を完全に吸収する際に問題点が生じる。米国特許公開第2004222633号は、呼び径及び同一径による管での漏れを防ぐためにそのハウジング内に嵌合する2つのくさびを備えたアダプターリングを特徴とするクランプを開示している。このシステムは、くさびとそのハウジングとの間の接触面領域が損なわれて漏れを発生させるために、異なる外径の2つの管を連結しようとする際に、密封を保証することがなく、また漏れを防げない欠点をもっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、外径の相違を特徴とする2つの隣接する円筒管の連結のための装置を提供することであり、かかる装置は振動への耐性を有し、また密封領域において変形を生じない密封を保証するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による装置は、連結されようとする管をクランプでき、また2つの中心(空洞)三角くさびをもつ縦方向スリットで構成される特別な仕様を有する周囲スリーブを備えている。その内部には、スリーブがクランプされる際、くさびの底部のネック部片を介してスリーブに連結される部材をもたず、対向する側に三角くさびを受ける2つの三角ハウジングを有する。くさび連結がそのハウジング内部で行われる際、その接触領域で密封が作られ、くさびのネック部片が結合されようとする管の外径における相違に適用するよう変形する。周囲スリーブのこのような特別な仕様が、くさびハウジングとの接触領域の膨らみ或いは変形の完全な防止を可能にする。
【発明の効果】
【0007】
この方法によれば、密封は管の外径における僅かな変化を完全に保証され、また外径の相違或いは変形がくさびの三角底部の変形によって充分に吸収されるため、密封領域の変形は完全に阻止される。
【0008】
前述の説明を完結するために且つ本発明の特徴をより良く理解することに向けて補佐する目的で、好ましい実施形態の詳細な説明は本件明細書に添付する一連の図面に基づいて実行されまた以下にガイドラインとして及び限定されない仕方で厳密に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】周囲スリーブに嵌合された環状クランプを備えた本発明の装置の組立て正面図。
【図2】図1の線II−IIに沿った断面図。
【図3】クランプ後の図1の線II−IIに沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記図面によれば、参照番号は以下の部分及び要素に対応している。
1.環状クランプ
2.切頂周囲スリーブ
3.ナット
4.ネジ
6.縦方向スリット
7.くさびハウジング
8.くさび
9.くさびのネック部片
10.アーム
11.縦方向フラップ
13.ヘッド部片
14.リブ
21.突起部
【0011】
図1及び2で見られるように、本発明の密封連結装置は、それぞれのくさびがネック部片9によって周囲スリーブに連結される2つの中心がくり抜かれたくさび8を備えた縦方向スリット6を備えている周囲スリーブ2と、対向する側にスリーブが管にクランプされる際に三角くさびが収容される2つの三角ハウジング7と、で構成されている。同様にスリーブは、外側部分に正確な位置決めを保証するために組立てを容易にする2つの隆起部21を備えている。この周囲スリーブ2の上に、ナット3を受けることができるネジ4を通して通過させる穿孔を設けた2つの対面U字型アーム10を備えている環状クランプ1が適用されている。アーム10のうちの1つは、ネジ4のヘッド部片13に水平な領域を有する理由により、ネジ4の回転を停止するようにされたリブ14を備えている。環状クランプ1の全長は、それが少なくとも周囲スリーブ2の2つのくさびハウジング7を覆うほどである。
【0012】
一旦周囲スリーブ2が嵌合されようとする管に装着されて、環状クランプ1が図1で示された位置すなわち隆起部21がアーム10によって構成された長方形の対角線に留まるように配置されると、ナット3は緊締され、有利には自動ロックであってもよい、また連結されようとする円筒管に周囲スリーブ2のクランピングが起こるべきときには、くさび8がそれらのハウジング7に嵌合するまで周囲スリーブ2の見掛けの外径を減少する。当然、管と管の間の外径の可能な相違は、くさび底部の制御変形によって接触領域が作られるものであり、接触領域はくさびと変更不能に留まるそのハウジングとの間で密封を保証するものである。図3参照。
【0013】
周囲スリーブ2は、自動車で引き起こされる振動に対するクランピングの安定性を改善するために環状クランプ1よりも相当に長い全長を備えている。
【0014】
本発明の本質的な性質に関わる利用上の特殊な条件及び利用可能な製造上の手段に至る構成を応用するための所定の変更及び変形は、当事者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの隣接する円筒管の密封連結装置において、
切頭周囲スリーブ(2)及び前記スリーブの見掛けの外径を減少できるクランピング手段を有し、
前記周囲スリーブ(2)が、スリット(6)を形成するため中央に沿って縦方向に切られ、ネック部片(9)によって前記周囲スリーブに連結される2つの中心がくり抜かれたくさび(8)と、異なる外径を有する複数の管を接続するために制御された仕方で変形され得る底部と、さらに、対向する側に前記スリーブが管にクランプされる際に三角くさびが収容される2つの三角ハウジング(7)と、を備えていることを特徴とする2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項2】
前記クランピング手段が、ナット(3)を受けることができるネジ(4)を通す対面アーム(10)を備えた環状クランプ(1)を備えることを特徴とする請求項1に記載の2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項3】
前記環状クランプ(1)の前記アーム(10)が、U字型断面を備えることを特徴とする請求項2に記載の2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項4】
前記ネジ(4)の回転を阻止するように、前記ネジ(4)が、前記環状クランプ(1)の前記アーム(10)の1つに配置されたリブ(14)内に達する水平領域を設けたヘッド部片(13)を備えることを特徴とする請求項2に記載の2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項5】
前記ナット(3)が、自動ロック式ナットであることを特徴とする請求項2に記載の2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項6】
前記環状クランプ(1)に関わる前記周囲スリーブ(2)の所定位置が保証されるように、前記周囲スリーブ(2)が、前記環状クランプ(1)の前記アーム(10)で画定される長方形の対角線の端部に配置された2つの隆起部(21)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の2つの円筒管の密封連結装置。
【請求項7】
前記環状クランプ(1)が、2つのくさびハウジング(7)に相対する領域を少なくとも覆うまで、前記周囲スリーブ(2)を超えて伸長する縦方向フラップ(11)を備えることを特徴とする請求項2に記載の2つの円筒管の密封連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−508492(P2010−508492A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535756(P2009−535756)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【国際出願番号】PCT/ES2007/000502
【国際公開番号】WO2008/056007
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(509127701)メタルルヒカス パブル,ソシエダ リミターダ (1)
【Fターム(参考)】