説明

異なる符号化フォーマットで送信されたビデオ・データおよびプログラム・ガイドを取り出して処理するためのシステム

【課題】 放送用可変符号化フォーマットで符号化された入力データから取り出したビデオ・データおよびプログラム・ガイド情報の取り込みおよび処理を行うこと。
【解決手段】 アンテナ15は複数の異なるフォーマット1つで符号化され、複数の送信チャンネルの1つで送信されるビデオ情報を表すデジタル・ビットストリームを受信する。プロセッサ17,55,20,25,30,50は、複数のチャンネル・マップを含むプログラム・ガイド情報を識別および取り出す。チャンネル・マップは、送信チャンネルにビデオ・チャンネル出力を関連付け、符号化フォーマットを関連付ける。適応的なデコーダ35,40,45はビットストリームを復号化し、プログラム・ガイド情報に応答してビデオ・チャンネル出力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタル信号処理の分野、さらに詳しくは放送用可変符号化フォーマットで符号化された入力データから取り出したビデオ・データおよびプログラム・ガイド情報の取り込みおよび処理に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ処理および記憶用途において、デジタル・ビデオ・データは公知の規格の要件に適合するように符号化されるのが普通である。こうした広く認められている規格のひとつにMPEG2(Moving Pictures Expert Group:動画エキスパート・グループ)画像符号化規格があり、以下「MPEG規格」と称する。MPEG規格はシステム符号化セクション(ISO/IEC13818−1、1994年6月10日)とビデオ符号化セクション(ISO/IEC13818−2、1995年1月20日)とから構成され、以下ではそれぞれ「MPEGシステム規格」および「MPEGビデオ規格」と称する。MPEG規格で符号化したビデオ・データは、代表的に多数のプログラム・チャンネルのデータ内容(たとえばケーブル・テレビジョンのチャンネル1〜125に対応する内容)を含むパケット化したデータストリームの形を取る。デコーダでパケット化されたデータストリームを復号して、表示のために選択したプログラム・チャンネルのビデオ・データの内容を復元するためには、たとえば、選択したプログラム・チャンネルを含む個々のパケットを識別し組み立てる(assemble)必要がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】MPEG規格・システム符号化セクション(ISO/IEC13818−1、1994年6月10日)
【非特許文献2】MPEG規格・ビデオ符号化セクション(ISO/IEC13818−2、1995年1月20日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
選択したプログラム・チャンネルの内容を復元するためには、選択したプログラムを構成する個別のデータパケットを識別し組み立てる際にプログラム・ガイド(Program Guide)の情報を用いる。この目的で、ビデオでコーダへ入力されるプログラム・データストリームからプログラム・ガイドを取り出す。プログラム・ガイド・データは、選択したプログラムを復号するのに十分なマスター・プログラム・ガイド(MPG)に形成される。一旦形成してしまえば、MPGを用いて選択したプログラムを復号する、または選択したプログラムのデータ内容と一緒に別の応用装置(application device)へ送信することができる。しかし、ある種のビデオ送信システムでは、放送用可変符号化フォーマットで符号化されたプログラム・ガイド・データからMPGを取り出して形成する必要がある。
【0005】
可変ブロードキャスト符号化フォーマットは、無線地上波ビデオ放送システムにおいて、放送信号の耐雑音性(noise immunity)拡張レベルを選択的に提供するために使用されている。しかし、耐雑音性の拡張を提供する放送用符号化フォーマットも送信バンド幅の増大を必要とする。放送用可変符号化フォーマットを使用するシステムの一例としては、「見通し距離(line−of−sight)」送信システムを使用する専用のマルチポイント・マイクロ波配信システム(Multipoint Microwave Distribution System:MMDS)が挙げられる。このようなシステムでは、高度な耐雑音性を放送信号に提供する符号化フォーマットがエラー訂正符号化の大きなオーバヘッドも受けているので、結果として大きな送信バンド幅を必要とする。同様に、一定の送信バンド幅では、高度の耐雑音性を放送信号に提供することで実現可能な情報スループットが減少する。更に、使用される符号化フォーマットは、大気または地表の形状に関連する受信条件の変化に対応するため時間的にまたは地域的に変更されることがある。
【0006】
放送用変調ならびにエラー訂正符号化フォーマットと、これに関連した必要な送信バンド幅の変化は可変符号化フォーマットの復号と、互換MPGの取り出しとの双方でビデオ受信機に問題を引き起す。これらの問題は本発明によるシステムによって解決されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
放送用可変符号化フォーマットの使用でプログラム・データ内容に利用できる送信バンド幅の変動が起こる。本発明の発明者らは、放送用可変符号化フォーマットを使用して送信されるプログラム・チャンネル番号を符号化フォーマットとの関連で変更できることを認識した。更に、プログラム・チャンネル番号は時間経過また放送地域の双方にあわせて変更できる。
【0008】
本発明者らは、受信システムが放送用可変符号化フォーマットならびに可変プログラム・チャンネル番号に対応して受信できることが望ましいことも更に認識した。これにより放送システムの信号の耐雑音性を特定の放送地域の要件に適合させることができる。受信機はたとえば丘陵などにより受信条件が障害を受けるような特定の放送地域で放送信号の高い耐雑音性を提供するように構成することができる。
【0009】
開示した受信システムは、a)送信されるチャンネルの番号および周波数アロケーション、b)信号符号化方式たとえばトレリス(trellis)符号化または非トレリス符号化、c)変調フォーマットたとえば64または256エレメントのシンボル・コンステレーションを使用するフォーマット、において可変の放送信号に自動的適応的にチューニングする。
【0010】
本発明の原理によれば、システムは複数の異なるフォーマットのひとつで符号化され複数の送信チャンネルのひとつに送信されたビデオ情報を表わすデジタル・ビットストリームを受信する。
【0011】
本システムは、複数のチャンネル・マップを含むプログラム・ガイド情報を識別し、取り出す(capturing)ためのプロセッサを含む。チャンネル・マップは、送信チャンネルをビデオ・チャンネル出力と関連付ける。またチャンネル・マップは、符号化フォーマットと関連付けられる。本システムは、またプログラム・ガイド・情報に応答してビデオ・チャンネル出力を供給するようにビットストリームを復号化するための適応的なデコーダを含む。
【0012】
本発明の特徴において、プロセッサは、送信チャンネルと、プログラム・ガイド・情報からの所望のビデオ・チャンネル出力と関連付けられた放送用符号化フォーマットとを判定する。また適応的なデコーダは、判定されたフォーマットに応答して所望のビデオ・チャンネル出力を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の原理による、表示のための放送用可変符号化フォーマットの信号を復調および復号するための装置のブロック図である。
【図2】放送用可変符号化フォーマットの信号にフォワード・エラー訂正デコーダ・システムをチューニングための処理の流れ図である。
【図3】多数の物理的送信チャンネル(PTC)を含む入力信号からマスター・プログラム・ガイド(MPG)を取り出すための処理の流れ図である。
【図4】多数の物理的送信チャンネル(PTC)を含む入力信号から表示用に選択したビデオ・チャンネルまたはプログラム・ガイド情報を提供するための処理の流れ図である。
【図5】プログラム・ガイド情報を形成し放送用可変符号化フォーマットにて送信のためビデオプログラム・データストリームにプログラム・ガイド情報を組み込む処理の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は放送用可変符号化フォーマットの信号を復調および復号して表示するための、本発明の原理による受信機システムのブロック図である。受信機システムは、a)送信されるチャンネルの番号および周波数アロケーション、b)信号符号化方式たとえばトレリス符号化または非トレリス符号化、c)変調フォーマットたとえば64または256エレメントのシンボル・コンステレーションを使用するフォーマット、において可変の放送信号に自動的適応的にチューニングする。符号化形式および変調フォーマットを表わすパラメータは、放送用可変符号化フォーマットの受信および復号を容易にする目的で送信された信号内のプログラム・ガイド情報に好適に組み込まれる。
【0015】
放送用可変符号化フォーマットを適応的に受信する図1の受信機システムの能力によって、放送システムの信号耐雑音性を特定の放送地域の要件にあわせることができる。たとえば、受信機は、丘陵などにより受信条件が障害を受けるような特定の放送地域で放送信号の高い耐雑音性を提供するように構成することができる。このようなモードにおいて、たとえば受信機は雑音感度の低い変調フォーマットたとえば64エレメント(256エレメントより好ましい)およびトレリス符号化データを使用するように構成できる。しかし、耐雑音符号化の拡張では大きな信号バンド幅が必要となるので、プログラム・データ内容に利用できるバンド幅が小さくなり、したがって、少ないプログラム・チャンネルしか送信できない。結果的に、図1の受信機も送信されるチャンネルの個数と周波数割り当ての変化に対応する。
【0016】
開示したシステムはMPEG互換の放送用可変符号化フォーマット信号を受信するためのシステムとして説明するが、これは単なる例示である。本発明の原理は、送信チャンネルの個数または周波数アロケーションの変動するようなシステム、または符号化方式または変調フォーマットが変化するようなシステムに応用できる。このようなシステムには、たとえば、他の方式の符号化データストリームやプログラム・ガイド情報を伝送する他の方法が関係する非MPEG互換システムを含むことがある。更に、開示したシステムは放送プログラムを処理するように説明しているがこれは単なる例示である。術語「プログラム」は、たとえば、電話メッセージ、コンピュータ・プログラム、インターネット上のデータまたはその他の通信などのパケット化データの何らかの形(form)を表わすために用いている。
【0017】
図1のビデオ受信機システム12において、ビデオ・データにより変調されたキャリアはアンテナ15で受信されてユニット20で処理される。得られたデジタル出力信号は復調器25によって復調される。ユニット25からの復調出力は、デコーダ30によってオプショナルに差動復号(differentially decoded)されてマルチプレクサ(muxes)35および45を経由しさらにトレリス・デコーダ40によって任意のトレリス復号され、マルチプレクサ45を経由してユニット50へ提供される。オプショナルトレリス復号されたマルチプレクサ45からの出力は、バイト長データ・セグメントにマッピングされ、ユニット50で非インターリーブ化およびリードソロモン・エラー訂正される。ユニット50からの訂正済み出力データは、ヘッダ情報の分析に基づいた方式にしたがってデータを分離し後続のビデオ・データ圧縮解除で使用される同期およびエラー指示情報を提供するMPEG互換トランスポート・プロセッサ55によって処理される。プロセッサ55からの圧縮ビデオおよびオーディオ出力データはMPEGデコーダ60によって圧縮解除され、オーディオ・プロセッサ70およびビデオ・プロセッサ65へのオーディオおよびビデオ出力データを提供する。プロセッサ65および70はユニット75による再生に適するようにオーディオならびにビデオ信号をフォーマットする。
【0018】
ビデオ受信機ユーザはビデオ・チャンネルまたは画面上のメニューたとえばプログラム・ガイドのどちらかを、視聴のために遠隔操作ユニット(図面を簡略化するために図示していない)を用いて選択する。システム・コントローラ17は遠隔操作ユニットから提供された選択情報を用いて図1のエレメントを適切に設定し、差動または非差動符号、トレリスまたは非トレリス符号を含む入力信号符号化方式、および64または256エレメント・シンボル・コンステレーションを含む入力信号変調フォーマットを受信、復調、復号する。図1のエレメント20,25,30,40,50,55は、これらのエレメント内部の制御レジスタ値を設定することにより、また双方向データ兼制御信号バスCを用いてマルチプレクサ35と45経由で信号パスを選択することにより、入力信号方式が個別に設定される。ユニット20,25,30,40,50によって実現される復調器およびデコーダ機能は、個々が既知のものであり、たとえば参考文献のリー、メッサーシュミット著“デジタル通信”(Digital Communication, Lee and Messerschmidt(Kluwer Academic Press, Boston, MA, USA, 1988))に一般的に説明されている。
【0019】
図1を詳細に調べると、アンテナ15で受信されたビデオ・データで変調されているキャリアは入力プロセッサ20でデジタル形式に変換され処理される。入力プロセッサ20は無線周波数(RF)チューナと中間周波数(IF)ミキサーおよび増幅段を含み、更に処理するのに適したもっと周波数の低いバンドへ入力ビデオ信号をダウンコンバートする。この例示したシステムでは、アンテナで受信した入力信号が33個の物理送信チャンネル(Physical Transmission Channels)(PTC0〜32)を含む。各物理送信チャンネル(PTC)は、6MHzのバンド幅を割り当ててあり、たとえばケーブルテレビ・チャンネル2〜7に対応する6ビデオ・チャンネルまでを含む。
【0020】
例示の目的で、ビデオ受信機ユーザが遠隔操作ユニット(図面を簡略化するために図示していない)を用いて視聴のためのビデオチャンネル(SC)を選択するものと仮定する。システム・コントローラ17は遠隔操作ユニットから提供された選択情報を用いてシステム12のエレメントを適切に設定し、選択されたビデオ・チャンネルSCに対応するPTCを受信する。ダウンコンバージョンに続けて、ユニット20からの選択されたPTCについての出力信号はバンド幅6MHzで119〜405MHzの範囲に中心周波数を有する。
【0021】
コントローラ17はユニット20の無線周波数(RF)チューナおよび中間周波数(IF)ミキサーおよび増幅段を設定して選択されたPTCを受信する。選択されたPTCについてのダウンコンバートした周波数出力はユニット25で復調される。復調器25の主な機能は、キャリア周波数の復元およびトラッキング、送信データ・クロック周波数の復元、およびビデオ・データそれ自体の復元である。
【0022】
ユニット25のキャリア復元ループはユニット20からの出力を処理してベースバンド・ビデオ情報を復元する。ユニット20からのデータはシンボルのシーケンスを表わすバイナリ・データストリームであって、各シンボルは割り当てられたデジタル値で表わされている。一組のシンボルは、既知のようにシンボル・コンステレーションと呼ばれる一組のポイントとして複合プレーン内で表現できる。システム12へ入力される放送用可変信号フォーマットは、64または256ポイントのどちらかの直角振幅変調(QAM)シンボル・コンステレーションを使用する。ユニット25のキャリア復元ループ機能は、既知のように、送信チャンネルによって導入されたキャリア周波数における位相および周波数ジッタと、低雑音ブロック(LNB)ダウンコンバータ内の発振器の不安定とに起因するシンボル・ポイント・オフセットおよびシンボル・ポイント・ローテーションを補償する。
【0023】
ユニット25のキャリア復元ループは選択したPTCの送信されたキャリア周波数と取り出したそれとの間の周波数エラーにより導入されたシンボル・ポイント・ローテーションを表わすキャリア・オフセット値を導出する。導出したキャリア・オフセット値はユニット25のキャリア復元ループで使用されてこの周波数エラーによって導入されたシンボル・ローテーションを補償する。例示した実施例においてキャリア・オフセット値は別のPTCの間で有意に変化しない。結果としてひとつのPTCについてキャリア・オフセット値が導出されると、システム・コントローラ17に記憶されてユニット25のキャリア復元ループに適用され他のPTCへのシステム12の再チューニングを高速化する。異なるPTCへビデオ受信機システム12を再チューニングするのに必要とされる時間は、ユニット25のキャリア復元ループに記憶されたキャリア・オフセット値を適用することで、オフセット値が復元ループのコンバージェンスを加速することから減少する。キャリア・ループ・コンバージェンスに影響を及ぼす周波数ドリフトおよびその他の変動を補償するために、コントローラ17はキャリア・オフセット値を定期的に導出し更新する。システム12はこれ以外にも、キャリア復元ループの補償で使用するため各々のPTCに特定のキャリア・オフセット値を導出するように設定できる。
【0024】
ユニット25の復調器は送信チャンネルの揺動を補償するためと、既知のようにシンボル間の干渉を減少させるため、キャリア復元ループと組み合せて使用するイコライザ機能も内蔵している。更に、ユニット25内のスライサはキャリア復元ループからの訂正出力に一連の決定閾値を適用して、復調器25へ入力されるデータのシンボル・シーケンスを復元する。スライサは設定制御信号Cに応答して64ポイントまたは256ポイントどちらかのQAMシンボル・コンステレーションのためシステム・コントローラ17により設定される。ユニット25からの復元されたビデオ・データ出力は差動デコーダ30へ提供される。
【0025】
ユニット25は送信クロックに応答し、プロセッサ20、復調器25、および差動デコーダ30の動作のタイミングを取るために用いられるサンプリングおよび同期クロックも復元する。クロックは既知の原理にしたがって、スライサ入力および出力データの比較に基づく位相およびタイミング・エラー信号を導き出すことによりユニット25内部で導出される。導出したエラー信号はフィルタされ、また電圧制御水晶発振回路の制御入力に印加されてクロックを発生する。これ以外にも、シンボル・レートの2倍より大きなクロック周波数をサンプリング・クロックとして用いることができる。
【0026】
復調器25の出力はユニット30によりオプショナルに差動復号してマルチプレクサ35へ渡される。差動符号化/復号化は導出キャリアおよび復元シンボル・コンステレーションにおける潜在的な位相の不安定に関連した問題を克服するために用いられる周知の技術である。
【0027】
コントローラ17は入力データ内部のパラメータから入力データをトレリス復号するか、または反復初期化処理の一部としてトレリス復号を恣意的に(arbitrarily)選択するかを決定する。この初期化処理はビデオ受信機システム12を適切に設定して、図2との関連で後述するように、受信した入力データを取り出し復号するために使用する。コントローラ17がトレリス復号モードを選択する場合、デコーダ30からの差動復号されたデータか、またはユニット25からの復調データのどちらかが、マルチプレクサ35を経由して、トレリス・デコーダ40へ渡される。デコーダ40はマルチプレクサ35から受信したデータ・シンボルから、エンコーダによってトレリス符号化されたと思われるもっとも対応しそうなビットのシーケンスを決定し、これによって対応する送信データ・シンボルを識別する。得られた復元されたもとのデータはマルチプレクサ45経由でユニット50へ提供される。しかし、コントローラ17が非トレリス復号モードを選択した場合、デコーダ30からの差動復号したデータまたはユニット25からの復調データのどちらかがデコーダ40をバイパスしてマルチプレクサ35、45経由でユニット50へ提供される。
【0028】
マルチプレクサ45からの出力はユニット50によりバイト長データ・セグメントにマッピングされ、既知の原理にしたがってデインタリーブ化されリードソロモン・エラー訂正される。更に、ユニット50はフォワード・エラー訂正(Forward Error Correction:FEC)の有効性またはロック指示をコントローラ17に提供する。リードソロモン・エラー訂正は周知のフォワード・エラー訂正の方式である。FECロック指示は、リードソロモン・エラー訂正が訂正しようとするデータに同期していることと有効出力を提供していることを伝える。
【0029】
ユニット50からの訂正出力データはMPEG互換トランスポート・プロセッサ55によって処理される。特定のプログラム・チャンネル内容、またはプログラム・ガイド情報のどちらかを含む個々のパケットはこれらのパケット識別子(PID)によって識別される。プロセッサ55はヘッダ情報内部に含まれるパケット識別子の分析に基づく方式にしたがってデータを分離し、後続のビデオ・データ圧縮解除で使用される同期およびエラー指示情報を提供する。
【0030】
選択したプログラム・チャンネルを含む個々のパケットはマスター・プログラム・ガイド(MPG)に含まれるPIDを用いて識別され組み立てられる。しかし、MPGパケットを識別するPIDはあらかじめ決定されており、コントローラ17の内部メモリに記憶されている。したがって、ビデオ受信機システム12がトランスポート・プロセッサ55へ有効データを発生していることを、ユニット50で提供されるFECロック指示から、コントローラ17が決定した後、全てのPTCに存在するMPGは追加PID情報なしに取り出すことができる。制御信号Cを用いて、コントローラ17はトランスポート・プロセッサ55がMPGを含むデータパケットを選択するように設定する。プロセッサ55はマルチプレクサ45により提供された到着パケットのPIDと、コントローラ17によりユニット55内部の制御レジスタにあらかじめロードされているPIDとを照合する。コントローラ17はプロセッサ55により識別され取り出されたMPGパケットをアクセスして組み立てることにより完全なMPGを取得する。
【0031】
プロセッサ55との関連において、コントローラ17が個々のプログラムを含むデータパケットを識別できるようにするMPGの情報は、チャンネル・マップと呼ばれる。更に、MPGは全てのPTCと異なる放送用符号化フォーマットについて個々のプログラムを含むパケットの識別ができるようにするチャンネル・マップ情報を含む。異なるチャンネルのマッピングは、利用できる物理的送信チャンネル(PTC)の最大数が特定の符号化フォーマットで利用できる送信バンド幅により決定されるため、異なる放送用符号化フォーマットに関連する。すでに説明したように、大きな信号耐雑音性を提供する符号化フォーマットを用いることで、プログラム内容の送信に利用できるバンド幅が小さくなる。チャンネルのマッピングを変化させると、異なる放送地域間で送信されるプログラム内容を変化させることができたり、または通常の放送運用で変更、即ちサービスの追加または削除ができるようになる。
【0032】
コントローラ17は取得したMPGのチャンネル・マップ情報を用いてユーザが視聴するために選択したビデオ・チャンネルSCを含むパケットを識別する。プロセッサ55はマルチプレクサ45により提供された到着パケットのPIDと、コントローラ17によりユニット55内部の制御レジスタにあらかじめロードされているビデオ・チャンネルSCのPID値とを照合する。このようにして、プロセッサ55はビデオ・チャンネルSCパケットを取り出し、それらを選択されたビデオ・チャンネルSCプログラム内容を表わす圧縮ビデオおよびオーディオ・データを含むMPEG互換データストリームに構成する。
【0033】
プロセッサ55からの圧縮ビデオおよびオーディオ出力データはMPEGデコーダ60により圧縮解除されて、オーディオ・プロセッサ70とビデオ・プロセッサ65へオーディオおよびビデオ出力データを提供する。プロセッサ65、70はユニット75による再生に適するようにオーディオおよびビデオ信号をフォーマットする。プロセッサ55によるMPG出力を含むMPEG互換データストリームは他にも記憶装置(図面を簡略化するために図示していない)へ記憶のために提供し得る。
【0034】
コントローラ17は入力プロセッサ20、復調器25、差動デコーダ30、およびトレリス・デコーダ40をチューニングし設定して、図1との関連においてすでに説明したように放送用可変符号化フォーマットの信号を受信するために図2の処理を用いる。図2の処理は自動対応的にシステム12をチューニングし、a)送信されるチャンネルの番号および周波数アロケーション、b)信号符号化方式たとえばトレリス符号化または非トレリス符号化、または差動または非差動符号化された方式、c)変調フォーマットたとえば64または256エレメントのシンボル・コンステレーションを使用するフォーマット、において可変の信号を受信する。図2の処理は、ユニット50(図1)によって提供されるFECロック指示が、ロックを完了していないことを通知する場合に用いられる。このような条件は、たとえば最初の電源投入またはエンコーダにおいて放送用符号化フォーマットが変化した後で、発生することがある。図2の代表的な処理では、システム12への入力データは、差動符号化とトレリス符号化がどちらも行われているか、または差動符号化とトレリス符号化が両方とも行われていないか、のいずれかである。
【0035】
図2のステップ100で開始した後、図1との関連ですでに説明した方法でステップ105においてキャリア・オフセット値が取り出される。キャリア・オフセット値は初期PTC、たとえばPTC=0について導出され、コントローラ17によってステップ105でユニット25のキャリア復元ループに印加される。ステップ110では、第1のPTC(PTC=0)で開始してPTCのひとつにFECロックが完了するまで、各PTCについて図2の処理ステップ115〜150を反復実行するようにコントローラ17がプログラムされる。
【0036】
ステップ115において、コントローラ17は復調器25を64QAM変調フォーマット・シンボル・コンステレーションに設定し、差動デコーダ30とトレリス・デコーダ40をバイパスしてユニット50へ復調器25からの出力を提供するようにマルチプレクサ35および45を設定する。ステップ120において、ユニット50によりFECロックが行われなかったことをコントローラ17が判定すると、コントローラ17はステップ125を実行して復調器25を64QAM変調フォーマットに設定する。更に、コントローラ17はステップ125において、デコーダ30とデコーダ40を設定して復調器25からの出力を差動復号およびトレリス復号し、差動復号およびトレリス復号したデータをマルチプレクサ35および45経由でユニット50へ提供する。
【0037】
ステップ130において、ユニット50によりFECロックが行われなかったことをコントローラ17で判定すると、コントローラ17はステップ135を実行して、256QAM変調フォーマット・シンボル・コンステレーションに復調器25を設定する。また、ステップ135において、コントローラ17はデコーダ30およびデコーダ40をバイパスして復調器25からの出力データをユニット50へ提供するようにマルチプレクサ35および45を設定する。ステップ140で、FECロックがユニット50によって行われなかったことをコントローラ17が判定した場合、コントローラ17はステップ145を実行して復調器25を256QAM変調フォーマットに設定する。更に、コントローラ17はステップ145で、デコーダ30およびデコーダ40を設定して復調器25からの出力データを差動復号およびトレリス復号して、マルチプレクサ35および45を経由して差動復号およびトレリス復号されたデータをユニット50へ提供する。
【0038】
PTCの各々(PTC0〜32)についてステップ115〜150を反復した後で、ユニット50がFECロックを行わなかったことをステップ150でコントローラ17が判定すると、コントローラ17は、ステップ155で、ユーザへシステムエラーの表示を提供する。これはパネルライトの点灯か、または再生装置75での初期設定画面表示、または電話線で伝送するエラーメッセージまたは別の種類の障害表示の形をとることができる。しかし、ユニット50がステップ120,130,140、または150でPTCのいずれかについてFECロックを行う場合、コントローラ17はステップ160を実行する。ステップ160では、コントローラ17はFECロックが得られたPTCについてキャリア・オフセット値、変調フォーマット(64または256QAMのどちらか)、および符号化方式(トレリスまたは非トレリス符号化)を内部メモリに記憶する。ステップ155または160の完了後、図2の処理はステップ165で終了する。
【0039】
コントローラ17は図3の処理を用いて多数の物理送信チャンネル(PTC)を含む入力信号からマスター・プログラム・ガイド(MPG)を取り出す。図3の処理は図2の処理の後で特定のPTCへシステム12をチューニングするために使用される。しかし、図3の処理は新規MPGの取り出しが望まれる場合、たとえばエンコーダでの放送用符号化フォーマット変更後などにも用いることができる。
【0040】
図3のステップ200で開始した後、コントローラ17はMPGデータパケットについてマルチプレクサ45(図1)からのデータ出力をサーチする。図1との関連ですでに説明したように、コントローラ17は、ステップ205で、プロセッサ55内部の内部レジスタにMPGのPID値をあらかじめロードしておく。プロセッサ55はMPGのPID値をマルチプレクサ45からのデータパケット入力のPID値と照合し、識別したMPGデータパケットを取り出す。ステップ210でのMPGデータパケットの検出に続けて、コントローラ17は、ステップ240で、プロセッサ55により取り込まれたMPGパケットを内部メモリへ転送する。コントローラ17は完全で、有効、かつエラーのないMPGが取り出され、復号され、内部メモリで組み立てられるまで、ステップ240の処理を継続する。コントローラ17がステップ245において、完全で、有効、かつエラーのないMPGを取り出したことを判定すると、図3の処理の実行が完了してステップ260で終了する。
【0041】
ステップ245で、完全で有効かつエラーのないMPGが取り出されなかったとコントローラ17が判定すると、コントローラ17はステップ215で次のPTCを受信する、たとえば現在のPTCが0の場合にはPTC番号1を受信するようにシステム12を設定する。また、ステップ210でプロセッサ55によりMPGデータパケットが検出されない場合、コントローラ17は同様にステップ215において次のPTCを受信するようにシステム12を設定する。しかし、ステップ220において、利用できる全部のPTCをサーチしたが成功しなかったとコントローラ17が判定した場合、コントローラ17はステップ230でシステムエラーをユーザへ表示する。これはパネルライトの点灯か、または再生装置75での初期設定画面表示、または電話線で伝送するエラーメッセージまたは別の種類の障害表示の形をとることができる。
【0042】
ステップ220において、利用できる全部のPTCをサーチしていないとコントローラ17で判定した場合、コントローラ17はステップ225において、ステップ215(図3)で選択したPTCについて、すでに説明した図2のチューニング処理をステップ115(図2)から実行する。図2の処理のこの部分はステップ215(図3)で選択したPTCへシステム12をチューニングするために用いられる。ステップ225で、新規PTCへシステム12をチューニングした後、コントローラ17はステップ205から始まるMPGを取り出すための図3の処理を反復する。図3の処理の実行は、ステップ230でのエラー表示の生成の後で、またはステップ245でMPGの取り出しに成功した後のどちらかで、ステップ260で完了し終了する。
【0043】
コントローラ17は図4の処理を用いて多数の物理送信チャンネル(PTC)と可変変調および符号化フォーマットを含む入力信号から表示のために選択したビデオ・チャンネルまたはプログラム・ガイド情報を提供する。図4の処理はたとえば図3の処理によってMPGの取得後に用いられる。
【0044】
図4のステップ300で開始した後、コントローラ17は、ステップ305で、遠隔操作ユニットから提供された選択情報から、ユーザがビデオ・チャンネルまたはプログラム・ガイドの視聴を要求したかを判定する。ビデオ・チャンネル(SC)が選択された場合、コントローラ17はステップ310でどのPTCで選択されたチャンネルSCが送信されているかをそれまでに記憶してあるMPG情報を用いて判定する。ステップ315において、システム12が現在チューニングされているPTCと選択されたチャンネルのPTCが異なるかどうかコントローラ17で判定する。選択されたチャンネルのPTCが現在のPTCとは異なる場合、コントローラ17は、ステップ320で、要求されたPTCのキャリア・オフセット値、変調フォーマット(64または256QAMのどちらか)、および符号化方式(トレリスまたは非トレリス符号化のどちらか)でシステム12を設定する。要求されたPTCの変調フォーマットおよび符号化方式は記憶されているMPGデータ内のパラメータからコントローラ17によって決定される。要求されたPTCのキャリア・オフセット値は、図2の取り出し処理でそれまでに決定された記憶されているオフセット・データからコントローラ17によって得られる。
【0045】
ステップ325において、コントローラ17はすでに説明した図2のチューニング処理をステップ115(図2)から実行する。図2の処理のこの部分は、ステップ310(図3)で決定され、また選択されたビデオ・チャンネルSCが送信されているビデオPTCへシステム12をチューニングするために用いられる。しかし、ステップ315において、選択されたビデオ・チャンネルSCのPTCが現在システム12のチューニングされているPTCと同一である場合、コントローラ17はステップ320〜325をバイパスしてステップ330から処理を継続する。
【0046】
ステップ330において、コントローラ17はMPGデータを用いてユーザが視聴するために選択したビデオ・チャンネルSCを含むパケットを識別する。図1との関連で説明したように、プロセッサ55はマルチプレクサ45によって提供された到着パケットのPIDと、コントローラ17によってプロセッサ55内部の制御レジスタにあらかじめロードされているビデオ・チャンネルSCのPID値とを照合する。このようにして、コントローラ17により制御されているプロセッサ55は、ステップ335で、ビデオ・チャンネルSCのパケットを取り出して、選択したビデオ・チャンネルSCプログラム内容を表わす圧縮ビデオおよびオーディオ・データを含むMPEG互換データストリームに形成する。
【0047】
ステップ365において、プロセッサ55からの圧縮ビデオおよびオーディオ出力データは、コントローラ17により指示された通り、MPEGデコーダ60により圧縮解除されてオーディオおよびビデオ・データをオーディオ・プロセッサ70およびビデオ・プロセッサ65へ提供する。更に、ステップ365では、プロセッサ65と70はユニット75による再生に適するようにオーディオおよびビデオ信号をフォーマットする。図4の処理はステップ370で終了する。
【0048】
しかし、ステップ305において、ビデオ受信機ユーザによる視聴のためにプログラム・ガイドが要求される場合、コントローラ17はステップ350で特別プログラム・ガイド(SPG)またはMPGが要求されたかを判定する。MPGは全てのPTCで送信されており選択されたビデオ・チャンネルのプログラムまたはSPGを含むパケットを識別し組み立てるために要求された全ての情報を含む。これとは対照的に、SPGはオプションのガイドであり限定数のPTCたとえばPTC=0だけで送信される。更に、数個の異なるSPGが存在することがあり個別のSPGは選択されたビデオ・チャンネルだけについての情報を含むことがある。
【0049】
図4の代表的な処理において、SPGはPTC0で送信されている。したがって、ステップ350においてSPGが視聴のために要求された場合、コントローラ17はステップ360において要求されたPTCを0にセットし、すでに説明したように図4の処理の実行をステップ315から継続する。しかし、ステップ350において、MPGが視聴のために要求される場合、コントローラ17はステップ355で内部メモリにそれまでに記憶してあるMPGデータを取り出し、プロセッサ55との関連で、MPGを表わすデータストリームを形成する。プロセッサ55により提供された得られたMPGを表わすデータストリームは、圧縮ビデオおよびオーディオ・データを含むMPEG互換データストリームである。ステップ365において、プロセッサ55からの圧縮ビデオおよびオーディオ出力データはMPEGデコーダ60により圧縮解除されてオーディオ・プロセッサ70およびビデオ・プロセッサ65へオーディオおよびビデオ出力データを提供する。更に、ステップ365において、プロセッサ65および70はユニット75による再生に適するようにオーディオおよびビデオ信号をフォーマットする。
【0050】
本発明の原理は本明細書で説明しているようにMPGを含むデータストリームの形成、符号化および送信にも適用される。本発明の原理はPTC全部についてと異なる放送用符号化フォーマットについて、個別のプログラムを含むパケットの識別ができるようにするチャンネル・マップ情報を含むMPGの形成に適用される。本発明の原理は変調フォーマットおよび符号化方式を表わすパラメータを含むMPGの形成にも同様に適用される。
【0051】
本発明の原理にしたがって形成されたデータストリームは、たとえばビデオ・サーバ、または電話回線経由のPC型通信を含む各種の用途において通信のために用いることができる。本発明の原理にしたがってMPGを含むように形成されたビデオプログラム・データストリームは記憶媒体上に記録されて、他のサーバ、PC、または受信機へ送信または再放送される。更に、ビデオ・プログラムはたとえばトレリス符号化または非トレリス符号化された形で記憶することができる。
【0052】
プログラムがトレリス符号化された形で記憶される場合、変調および符号化方式データを含み記憶されるプログラム・ガイド情報がプログラムの取り出しおよび再放送時に後続の受信機によるプログラムの復調および復号を容易にする。プログラムが非トレリス符号化された形で記憶される場合、記憶媒体からプログラムを取り出す時に、サーバはプログラム・ガイドで伝送される変調および符号化方式データにしたがってプログラムを変調またトレリス符号化することができる。プログラムは他の受信機へ再送信されて、受信機でプログラム・ガイド情報の変調および符号化方式データを用いてプログラムの復調および復号を容易にすることができる。同様に、ビデオ・サーバ型の、プログラムの再放送に関係する用途などでは、サーバはプログラム・ガイド情報にしたがって送信用にプログラム・データを再変調することがある。
【0053】
図5はプログラム・ガイド情報を形成するためと放送用可変符号化フォーマットでの送信用にビデオプログラム・データストリーム内にプログラム・ガイド情報を取り込むための処理の流れ図を示す。図5のステップ400で開始した後、ステップ405では、PTCの各々の送信で使用すべき変調フォーマットおよび符号化方式を表わすパラメータが生成される。ステップ410において、チャンネル・マップが生成されて、PTCの各々で送信しようとする個々のビデオ・プログラムとこれに付随するオーディオ・データを含むデータパケットを識別する。ステップ415では、ステップ405で生成された変調フォーマットと符号化方式を表わすパラメータがチャンネル・マップ内に組み込まれることで、PTCと特定の放送用符号化フォーマットおよび特定のビデオ・プログラムを連係させる。プログラム・ガイド・フォーマットは各種の方式とすることができる。たとえば、MPEGシステム規格のセクション2.4.4で指定されているプログラム特有の情報(Program Specific Information:PSI)要件に適合させたり、米国先進テレビジョンシステム委員会(ATSC)で準備したHDTV送信用デジタル・テレビジョン規格、1995年4月12日、の高品位テレビジョン(HDTV)信号規格に適合させることができる。これ以外にも、特定システムの専用またはカスタム要件にしたがって形成することができる。
【0054】
ステップ420では、チャンネル・マップと変調フォーマットおよび符号化方式パラメータを含むプログラム・ガイド情報が形成される。プログラム・ガイド情報はステップ425で選択したビデオプログラム・データストリームに組み込まれてビデオ出力プログラムを形成する。ステップ430では、ビデオ出力プログラム・データは更に、別の装置たとえば受信機、ビデオ・サーバ、またはたとえば記憶媒体上に記録するための記憶装置などへの送信に適するように処理される。ステップ430で実行される処理はデータ圧縮リードソロモン符号化、インターリーブ化、スクランブル処理、オプションのトレリス符号化、差動符号化、および変調などの周知の符号化機能を含む。処理はステップ435で完了し終了する。
【0055】
図1のアーキテクチャは排他的ではない。同じ目的を実現するために他のアーキテクチャを本発明の原理にしたがって導き出すこともできる。更に、図1のシステム12のエレメントの機能と図2〜図5の処理ステップは、全体がまたは一部が、マイクロプロセッサのプログラムされた命令内に実装できる。更に、本発明の原理はMPEGまたはMPEG非互換の電子プログラム・ガイドのあらゆる形態に適用されるものである。更に、開示したシステムでは放送用可変QAM変調フォーマットおよびトレリスまたは非トレリス符号化データを受信するが、これは単なる例示である。本発明の原理は、任意のトレリス符号化だけではなく他の種類の信号符号化やQAMだけではなくパルス振幅変調(PAM)の態様を含む他の変調フォーマットを受信するシステムに応用することができる。
【符号の説明】
【0056】
20 入力プロセッサ
25 復調器
30 差動デコーダ
35 マルチプレクサ
40 トレリス・デコーダ
45 マルチプレクサ
17 コントローラ
50 バイト・マッパ/デインタリーバ/リードソロモン・デコーダ
55 トランスポート・プロセッサ
60 オーディオ/ビデオ・デコーダ
65 ビデオ・プロセッサ
70 オーディオ・プロセッサ
75 ビデオ/オーディオ再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なるフォーマットの1つで符号化され複数の送信チャンネルの1つで送信されたビデオ情報を表すデジタル・ビットストリームを受信するためのシステムにおいて、
チャンネル・マップが送信チャンネルにビデオ・チャンネル出力を関連付け、当該チャンネル・マップが符号化フォーマットと関連付けられた複数のチャンネル・マップを含むプログラム・ガイド情報を前記ビットストリームに応答して取り出すプロセッサと、
前記ビットストリームを復号化して、前記プログラム・ガイド情報に応答して前記ビデオ・チャンネル出力を供給する適応的なデコーダと、
を備える装置。
【請求項2】
前記プログラム・ガイド情報は、複数の前記送信チャンネル上に送信されたものである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記チャンネル・マップは、送信チャンネルの第1番目の番号に第1の符号化フォーマットを関連付ける第1のチャンネル・マップと、送信チャンネルの別の第2番目の番号に第2の符号化フォーマットを関連付ける第2のチャンネル・マップとを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のチャンネル・マップの送信チャンネルは、前記第2のチャンネル・マップの送信チャンネルと比べて別の周波数アロケーションを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プログラム・ガイド情報は、符号化方式を指示するパラメータを含み、前記適応的なデコーダは、前記パラメータに応答して設定される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プログラム・ガイド情報は、情報フォーマットを示すパラメータを含み、前記適応的なデコーダは、前記パラメータに応答して設定される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記適応的なデコーダは、前記プログラム・ガイド情報に応答して、第1の送信チャンネルを関連付けた第1のキャリア・オフセット値と第2の送信チャンネルを関連付けた別の第2のキャリア・オフセット値とに設定される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
複数の異なるフォーマットの1つで符号化され複数の送信チャンネルの1つで送信されたビデオ情報を表すデジタル・ビットストリームを受信するためのシステムにおいて、
プログラム・ガイド情報を取り出し、送信チャンネルと、所望のビデオ・チャンネル出力を関連付けた放送用符号化フォーマットとを決定するプロセッサと、
前記ビットストリームを復号化し、前記決定された放送用符号化フォーマットに応答して前記所望のビデオ・チャンネル出力を供給する適応的なデコーダと、
を備える装置。
【請求項9】
前記適応的なデコーダは、前記プログラム・ガイド情報におけるパラメータを指示する放送用符号化フォーマットに応答して前記決定された放送用符号化フォーマットを復号化するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記デコーダは、前記指示に応答してトレリスまたは非トレリス復号化するように構成される、請求項5または9に記載の装置。
【請求項11】
前記デコーダは、前記指示に応答してエラー訂正復号化するように構成される、請求項5または9に記載の装置。
【請求項12】
前記デコーダは、前記指示に応答して変調フォーマット・シンボル・コンステレーション・サイズを復号化するように構成される、請求項6または9に記載の装置。
【請求項13】
前記適応的なデコーダは、キャリア・オフセット値に属する送信チャンネルに設定される、請求項1または8に記載の装置。
【請求項14】
前記ビデオ・チャンネル出力は、前記送信チャンネル上に送信された複数のビデオ・チャンネル出力から選択される、請求項1または8に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記送信チャンネル符号化フォーマットを受信するようにチューニングし、そして前記所望のビデオ・チャンネル出力を含むデータパケットを取り出す、請求項8に記載の装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記プログラム・ガイド情報に応答して符号化方式を受信するようにチューニングする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記符号化方式は、トレリスまたは非トレリス符号化を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記符号化方式は、エラー訂正符号化を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記プログラム・ガイド情報に応答して変調フォーマットを受信するようにチューニングする、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記プログラム・ガイド情報に応答して変調フォーマット・シンボル・コンステレーション・サイズを受信するようにチューニングする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記プログラム・ガイド情報を使用する前記所望のビデオ・チャンネル出力データパケットを識別する請求項15に記載の装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記送信チャンネル上に送信された複数のビデオ・チャンネル出力から前記ビデオ・チャンネル出力を選択する、請求項15に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、送信チャンネルに符号化フォーマットを関連付けるチャンネル・マップから前記送信チャンネルを決定する、請求項15に記載の装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、復調器を構成する、請求項15に記載の装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、復号器を構成する、請求項15に記載の装置。
【請求項26】
複数の異なったフォーマットの1つに符号化され、複数の送信チャンネルの1つに送信されたビデオ情報を表すデジタル・ビットストリームを復号化する方法であって、
チャンネル・マップが送信チャンネルにビデオ・チャンネル出力を関連付け、当該チャンネル・マップが符号化フォーマットと関連付けられた複数のチャンネル・マップを含むプログラム・ガイド情報を識別するステップと、
前記プログラム・ガイド情報を取り出すステップと、前記ビットストリームを適応的に復号化して、前記プログラム・ガイド情報に応答して前記ビデオ・チャンネル出力を供給するステップと、
を含む、前記方法。
【請求項27】
複数の異なったフォーマットの1つに符号化され、複数の送信チャンネルの1つに送信されたビデオ情報を表すデジタル・ビットストリームを復号化する方法であって、
プログラム・ガイド情報を取り出すステップと、
前記プログラム・ガイド情報から、送信チャンネルと、所望のビデオ・チャンネル出力を関連付けた放送用符号化フォーマットとを決定するステップと、
前記ビットストリームを適応的に復号化し、前記決定された放送用符号化フォーマットに応答して前記所望のビデオ・チャンネル出力を供給するステップと、
を含む、前記方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−34248(P2013−34248A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246979(P2012−246979)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【分割の表示】特願2011−117145(P2011−117145)の分割
【原出願日】平成9年8月1日(1997.8.1)
【出願人】(391000818)トムソン コンシユーマ エレクトロニクス インコーポレイテツド (166)
【氏名又は名称原語表記】THOMSON CONSUMER ELECTRONICS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】