説明

異常な細胞増殖を治療する方法

本発明は、異常な細胞増殖を有する被検体に、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、または、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグからなる群より選択される化合物;(b)ピリミジン誘導体、または、前記ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ;および、(c)増殖抑制剤、キナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、増殖因子阻害剤、cox−I阻害剤、cox−II阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝産物、抗生物質の挿入薬、増殖因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調整物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン、抗アンドロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む被検体における異常な細胞増殖を治療する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常な細胞増殖を有する被検体に、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体からなる群より選択される化合物、または、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグ;(b)ピリミジン誘導体、または、前記ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ;および、(c)抗癌剤を投与することを含む被検体における異常な細胞増殖を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、(i)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、または、インドロピロカルバゾール誘導体、(ii)ピリミジン誘導体、および、(iii)その他の抗癌剤の組み合わせによる、異常な細胞増殖、例えば癌、具体的には固形癌の治療に関する。
【0003】
欧州と米国において、疾病率および死亡率の主な原因は結腸直腸癌であり、毎年、約300,000人の新規症例が生じ、200,000人が死亡している(P.Boyle,Some Recent Developments in the Epidemiology of Colorectal Cancer,Management of Colorectal Cancerの19〜34頁,Bleiberg,H.,Rougier P.,Wilke H.J.編(Martin Dunitz,ロンドン 1998);および、Midgley R.S.,Kerr D.J.,Systemic Adjuvant Chemotherapy for Colorectal Cancer,Management of Colorectal Cancerの126〜27頁,Bleiberg,H.,Rougier P.,Wilke H.J.編(Martin Dunitz,ロンドン 1998)を参照)。約50パーセントの患者が外科手術だけで治癒するが、残りの半分は、最終的には転移性疾患のために死亡すると予想され、そのうち約25パーセントの患者は、診断の時点で転移の証拠を示す。
【0004】
5−FUは、静脈内(IV)投与されるフッ素化ピリミジン細胞毒性薬であり、これは、チミジル酸生成酵素(DNA合成に必要なチミジンヌクレオチドの生産に必要な酵素)の機能を阻害する。5−FUは、多数の腫瘍型の治療において活性を有するが、最も一般的には、結腸直腸癌、上部消化管の悪性腫瘍および乳癌の治療で提供されている。結腸直腸癌の治療において、5−FUは、通例、チミジル酸生成酵素との親和性を促進するように作用することによって、5−FUの有効性を改善する生体調節物質のロイコボリン(LV)と共に投与される(Grem JL.5−Fluoropyrimidines.In:Cancer Chemotherapy and Biotherapy:Principles and Practice,第2版,Chabner BA and Longo DL編,Lippincott−Raven Publishers,Philadelphia;149〜211頁,1996)。従来、経口での生物学的利用能は一貫性がないために、5−FUのIV投与が必要であった(Hahn RG,Moertel CG,Schutt AJ等.A double−blind comparison of intensive course 5−fluorouracil by oral vs IV route in the treatment of colorectal carcinoma.Cancer 35:1031〜1035,1975)。
【0005】
5−FUと同様に、CPT−11(塩酸イリノテカン、塩酸イリノテカン水和物、カンプトサール(Camptosar(R)))はカンプトテシンの半合成誘導体であり、広範
な細胞毒性を有する。CPT−11は、主として結腸直腸癌の治療に使用するために開発されてきた。CPT−11は、IV投与されるプロドラッグであり、ヒト肝臓、腫瘍およびその他の組織でカルボキシルエステラーゼによってより活性な親油性の代謝産物SN−38に代謝される(Tsuji T,Kaneda N,Kado K等.CPT−11 converting enzyme from rat serum:purification and some properties.J Pharmacobiodyn 1992;14:341〜349)。SN−38は、DNA複製および転写において重要な役割を果たす核の酵素であるトポイソメラーゼIの阻害剤として機能する(Pommier Y,Tanizawa A,Kohn KW.Mechanisms of topoisomerase I inhibition by anticancer drugs.In:Liu LF編.Advances in Pharmacology.ニューヨーク:アカデミック・プレス(Academic Press);29B:73〜92,1994)。この酵素は通常、DNAの一本鎖に一過性の破断を生じさせ、新しいDNA鎖の合成または二重らせん周辺のRNAによって引き起こされるねじれひずみを解くように機能する。SN−38は、このトポイソメラーゼI−DNA複合体を標的とし、それを安定化させ、親となるDNAの再アニーリングを阻害する。細胞分裂中に複製フォークと安定化された複合体が衝突すると、二本鎖DNAの破断と腫瘍細胞死が起こる。
【0006】
5−FUに耐性を有する結腸直腸癌患者において、単剤CPT−11を、2種の大規模な第III相ランダム化試験で試験したところ、支持療法のみと比較して長い生存と優れた生活の質が得られ(D.Cunningham,S.Pyrhonen,R D.James等,The Lancet,352(9138):1413〜1418(1998))、さらに、5−FU/FAを用いた最良の輸液による処方計画と比較しても、生活の質を悪化させることなくさらなる延命が実現される(P.Rougier,E.van Cutsem等;The Lancet,352(9138):1407〜1418(1998))。それゆえに、CPT−11は、転移性結腸直腸癌(MCRC)における先行の5−FU治療が失敗した後の参考的な治療である。
【0007】
5−FU/LVとCPT−11との組み合わせは、腫瘍の反応率を著しく改善でき、腫瘍が進行する時間を延長させ、生存を延長させるというランダム化臨床試験のデータに基づいて、この組み合わせは、結腸直腸癌の治療として登録されている。
【0008】
細胞周期に特異的な物質(例えばフルオロピリミジンまたはイリノテカン)の経口投与は、これらのタイプの物質のIV投与の魅力的な代替法である。経口製剤は、連続的なIV輸液を必要とすることなく、活発に細胞周期を繰り返す悪性細胞に対して最も傷つきやすい期間に長期的な薬物暴露を達成することができる。経口製剤は、患者における利便性という利点、および、持続性の薬物投与のより安価な手段を提供することが可能である。
【0009】
5−FUの不十分な経口での生物学的利用能を克服するために用いられてきた方法は、優れた生物学的利用能を有し、最終的に5−FUに変換されるプロドラッグの投与を含む。このような新規の経口フルオロピリミジンカルバメートとして、カペシタビン(N4−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、ゼローダ(Xeloda(R)))がある。これは消化管から容易に吸収され、腫瘍組織において5−FUに選択的に変換される。経口投与の後に、カペシタビンは、消化管から肝臓へそのまま通過し、そこで、カルボキシルエステラーゼによって5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(5’−DFCR)に変換され、続いて肝臓および腫瘍組織でシチジンデアミナーゼによって5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(5’−DFUR)に変換され、最終的に腫瘍組織においてチミジンホスホリラーゼ(dThdPase)によって5−FUに変換される。
【0010】
カペシタビンの推奨された第II相の単剤の用量は、3週間毎に、14日間の2500mg/m2/日である[Mackean M.Planting A,Twelves,J等.Phase I and pharmacologic study of intermittent twice−daily oral therapy with capecitabine in patients with advanced and/or metastatic cancer.J Clin Oncol 16(9):2977〜2985,1998;Van Cutsem E,Findlay M,Osterwalder B等.Capecitabine,an oral fluoropyrimidine carbamate with substantial activity in advanced colorectal cancer:Results of a randomized phase II study.J Clin Oncol 18(6):1337〜1345,2000]。2種の第III相試験によれば、カペシタビンは、進行中の結腸癌において5−FUに匹敵する活性を有することが示された。欧州(N=602)と米国(N=605)で、これまで治療されていない転移性結腸直腸癌患者に対して2種の試験を行い、単剤のカペシタビン(3週間毎に14日間の2500mg/m2/日)と、IVの5−FU/LV(メイヨー・クリニック(Mayo clinic)の処方計画)とを比較した(Twelves C,Harper P,Van Cutsem E等.A phase III trial(SO14796)of Xeloda(capecitabine)in previously untreated advanced/metastatic colorectal cancer.Proc Am Soc Clin Oncol 1999;18:263a(アブストラクト1010);Cox J,Pazdur R,Thibault A等.A phase III trial of Xeloda(capecitabine)in previously untreated advanced/metastatic colorectal cancer.Proc Am Soc Clin Oncol 1999;18:265a(アブストラクト1016))。全反応率は、IV5−FU/LV治療群に比べて(それぞれ11%および14%)、カペシタビン治療群において著しく増加した(両方の試験で21%)(それぞれp=0.014および0.03)。両方の試験における治療群の間で、応答期間と腫瘍の進行時間は類似していた。その上、両方の試験におけるカペシタビンおよびIVの5−FU/LV治療群でも、全体の生存は類似していた(Xeloda.Hoffman−LaRoche Limited,Mississauge,Ontario.Product Monograph:2000年7月5日)。米国の試験では、生存の中央値は、IVの5−FU/LVで治療した患者が13.4ヶ月であるのに比べて、カペシタビンで治療した患者は12.5ヶ月であった(p=0.24)。欧州での試験では、生存の中央値は、カペシタビンが13.3ヶ月であるのに比べて、IVの5−FU/LV患者では12.5ヶ月であった(p=0.30)。カペシタビン治療群で報告される最も一般的なグレード3〜4の毒性は、手足症候群(17%)と下痢(14%)であった。
【0011】
カペシタビンの使用に伴うその他の毒性としては、骨髄抑制、一過性のビリルビン過剰血症、疲労、脱水、吐き気、嘔吐、口内炎、腹痛、便秘、鼻血、皮膚炎、食欲低下、発熱、感覚異常、頭痛、眩暈、不眠、目への刺激、筋肉痛、および、浮腫が挙げられる。
【0012】
経口イリノテカンを開発するための初期の研究は、CranGrape(R)液50mLを混合したIVイリノテカン製剤の第I相試験から開始した。試験治療剤は、28人の患者に対して、3週間毎に5日間、1日1回経口投与された(Drengler RL,Kuhn JG,Schaaf LJ等.Phase I and pharmacokinetic trial of oral irinotecan administered daily for 5 days every 3 weeks in patients with solid tumors.J Clin Oncol(17):685〜696,1999)。IVイリノテカンと同様に、グレード4の遅延性の下痢は、用量を制限することが証明された。患者の同齢集団が小さいにもかかわらず、用量制限性の下痢の程度に年齢に関連した変動が生じる可能性があるようである;65歳未満の患者における80mg/m2/日の用量、および、65歳以上の患者における66mg/m2/日の用量で、この用量規制毒性(DLT)を経験する患者の比率は過剰であった。それゆえに、経口イリノテカンに関する最大許容用量(MTD)と推奨された第II相の開始用量は、65歳未満の患者では66mg/m2/日、65歳以上の患者では50mg/m2/日と考察された。数種の客観的な腫瘍応答が結腸直腸癌の患者で観察され、イリノテカンの経口投与は、抗腫瘍活性を提供することができることが証明された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
経口投与されたIVイリノテカンの予備試験に続いて(プロトコールM/6475/0032)、完成品のイリノテカンの粉末充填カプセル(PFC)製剤を用いた、4種の第I相の単剤の用量設定試験を行った;2種の試験は、欧州でアベンティス(Aventis)により行われ(プロトコールCPTX117およびCPTX118)、2種の試験は、米国でファルマシア(Pharmacia,現在はファイザー社(Pfizer Inc.)の一部)によって行われた(プロトコール139および155)。プロトコール117および139は、3週間ごとに5日間のスケジュールを試験するものであり、プロトコール118および155は、3週間ごとに14日間のスケジュールを試験するものである。これらの試験により、イリノテカンは経口投与可能であることが見出され、さらに、経口投与されるIV溶液またはPFC製剤のいずれかで投与される場合、第I相試験で、許容できる安全性プロファイルと抗腫瘍活性が示された。しかしながら、このようなPFC製剤は、特に、製造に携わる作業者を望ましくない薬物への毒物暴露に晒す可能性がある製造方法中の取り扱いの懸念のために、あまり望ましくない。その上、PFCは、患者やPFCカプセル(または破損したカプセル、または、流出した薬物)と接触する他の未治療の個体(例えば他の家族、医者および薬剤師)の薬物の取り扱いミス(例えばPFCカプセルの破損)に起因する薬物に関する害を及ぼすより高い危険性を患者に生じさせるという懸念がある。出願人は、これらの問題を解決する経口イリノテカンのための新しい製剤を開発した。この新しい製剤は、経口イリノテカンの半固体マトリックス(SSM)製剤であり、PFS製剤と類似した症状発現前の生物学的利用能を示し、さらに、改善された取り扱い性を提供する。加えて、出願人は、進行中の固形癌を有する患者において、カペシタビンと、経口イリノテカン(SSM)との組み合わせが有効な治療であることを見出した。
【0014】
イリノテカンの経口製剤は、その他の物質、例えばピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)およびその他の抗癌剤との併用療法のためのあらゆる経口での癌治療計画の開発において、特に有用性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、異常な細胞増殖を有する被検体に、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体からなる群より選択される化合物、または、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグ;(b)ピリミジン誘導体、または、前記ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ;および、(c)増殖抑制剤、キナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、増殖因子阻害剤、cox−I阻害剤、cox−II阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝産物、抗生物質の挿入薬、増殖因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調整物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン、および、抗アンドロゲンからなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む被検体における異常な細胞増殖を治療する方法に関する。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体は、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、イリノテカン、イリノテカン塩、SN−38、CPT−11、トポテカン、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグからなる群より選択され、さらに、前記インドロピロカルバゾール誘導体は、エドテカリンである。
【0017】
好ましい実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、イリノテカン、SN−38、トポテカン、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグからなる群より選択される。
【0018】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、イリノテカンである。
本発明のより好ましいその他の実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、イリノテカンの製薬上許容できる塩である。
本発明のさらにより好ましい実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、塩酸イリノテカンである。
本発明のさらにより好ましいその他の実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、塩酸イリノテカン三水和物である。
もっとも好ましい実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、CPT−11である。
【0019】
本発明のその他の実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、SN−38、および、それらのプロドラッグである。
本発明の一実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、経口投与される。
本発明のその他の実施形態において、前記カンプトテシン誘導体は、トポテカンである。
【0020】
本発明の好ましい一実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、ゲムシタビン、多用途抗葉酸剤(アリムタ,MTA)、および、カペシタビンからなる群より選択される。
本発明の好ましい一実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、ゲムシタビン、および、カペシタビンからなる群より選択される。
【0021】
本発明のより好ましい実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、ゲムシタビンである。
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、カペシタビンである。
本発明の一実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、経口投与される。
本発明の一実施形態において、前記カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグは、経口投与される。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、pan erbB2阻害剤、CTLA4モノクローナル抗体、IGF1Rモノクローナル抗体、CD40モノクローナル抗体、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、PD−0325901、アロマシン(Aromasin(R))(エクセムスタン(exemstane))、エレンス(Ellence(R))(エピルビシン)、ザインカード(Zinecard(R))(デクスラゾキサン)、タルセバ(TarcevaTM)(エルロチニブHCl)、イレッサ(IressaTM)(ゲンフィチニブ(genfitinib))、アバスチン(AvastinTM)(ベバシズマブ)、エルビタックス(ErbituxTM)(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(herceptin(R))、オムニターグ(Omnitarg)、ベクサー(Bexxar)、ゼバリン、リツキサン、パニツムマブ、タキソール(Taxol(R))(パクリタキセル)、アドリアマイシン(R)(ドキソルビシン)、セレブレックス(CelebrexTM)(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ(deracoxib)、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ(paracoxib)、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、アルコキシア(エトリコキシブ)、および、放射線からなる群より選択される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、および、PD−0325901からなる群より選択される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、GW−572016、および、CP−724,714からなる群より選択される。
【0025】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、および、PD−0325901からなる群より選択される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、アロマシン(R)(エクセムスタン)、エレンス(R)(エピルビシン)、ザインカード(R)(デクスラゾキサン)、タルセバTM(エルロチニブHCl)、イレッサTM(ゲンフィチニブ(genfitinib))、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、ベクサー、ゼバリン、リツキサン、パニツムマブ、タキソール(R)(パクリタキセル)、アドリアマイシン(R)(ドキソルビシン)、セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、アルコキシア(エトリコキシブ)、および、放射線である。
【0027】
本発明のより好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、オムニターグ、グリーベック(Gleevec(R))(メシル酸イマチニブ)、および、イレッサTM(ゲンフィチニブ(genfitinib))である。
【0028】
本発明のより好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、アロマシン(R)(エクセムスタン)、エレンス(R)(エピルビシン)、ザインカード(R)(デクスラゾキサン)、タキソール(R)(パクリタキセル)、および、アドリアマイシン(R)(ドキソルビシン)である。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、セレブレックス(R)(セレコキシブ)、パレコキシブ、パラコキシブ、Vioxx(R)(ロフェコキシブ)、ベクストラ(R)(バルデコキシブ)、および、アルコキシアTM(エトリコキシブ)である。
【0030】
本発明のより好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、オムニターグ、および、ハーセプチン(R)からなる群より選択される。
【0031】
本発明のより好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、タルセバTM(エルロチニブHCl)、および、アバスチンTM(ベバシズマブ)からなる群より選択される。
【0032】
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、タルセバTM(エルロチニブHCl)である。
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248である。
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、アバスチンTM(ベバシズマブ)である。
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、セツキシマブTM(エルビタックス、または、C225)である。
本発明のもっとも好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、放射線である。
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、ガンマ線である。
【0033】
本発明のより好ましい一実施形態において、14GYの放射線が投与される。
本発明のより好ましいその他の実施形態において、10GYの放射線が投与される。
本発明のより好ましいその他の実施形態において、7GYの放射線が投与される。
【0034】
本発明の好ましい一実施形態において、前記化合物(a)、(b)および(c)は、治療サイクルの間、同時に、部分的に同時に、別々に、または、連続的に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、化合物(a)、(b)および(c)は、治療サイクルの間、同時に、または、部分的に同時に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、化合物(a)、(b)および(c)は、治療サイクルの間、別々に、または、連続的に投与される。
【0035】
本発明の一実施形態において、異常な細胞増殖は、中皮腫、肝胆(肝管および胆管)癌、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)癌、乳癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、陰門癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、または、前述の癌1種もしくはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される癌である。
【0036】
本発明のより好ましい一実施形態において、異常な細胞増殖は、乳房、肺(NSCLCおよびSCLC)、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)、膵臓の、肝胆(肝管および胆管)、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、および、悪性黒色腫からなる群より選択される癌である。
【0037】
本発明のさらにより好ましい一実施形態において、異常な細胞増殖は、乳房、肺(NSCLCおよびSCLC)、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、および、悪性黒色腫からなる群より選択される癌である。
【0038】
本発明のもっとも好ましい一実施形態において、異常な細胞増殖は、乳癌、ならびに、非小細胞肺癌および小細胞肺癌からなる群より選択される。
【0039】
本発明の一実施形態において、異常な細胞増殖は、転移性癌、または、初期癌である。
【0040】
本発明のその他の実施形態において、治療は、ネオアジュバントの設定、アジュバントの設定、または、転移性疾患の設定で施される。
【0041】
本発明の一実施形態は、被検体における癌を治療する方法に向けられ、本方法は、前記癌を有する被検体に、経口CPT−11、カペシタビン、および、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、pan erbB2阻害剤、CTLA4モノクローナル抗体、IGF1Rモノクローナル抗体、CD40モノクローナル抗体、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、PD−0325901、アロマシン(R)(エクセムスタン)、エレンス(R)(エピルビシン)、ザインカード(R)(デクスラゾキサン)、タルセバTM(エルロチニブHCl)、イレッサTM(ゲンフィチニブ(genfitinib))、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、オムニターグ、ベクサー、ゼバリン、リツキサン、パニツムマブ、タキソール(R)(パクリタキセル)、アドリアマイシン(R)(ドキソルビシン)、セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、アルコキシア(エトリコキシブ)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、GW572016、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、セレブレックス(R)(セレコキシブ)、パレコキシブ、パラコキシブ、ハーセプチン(R)、オムニターグ、Vioxx(R)、(ロフェコキシブ)、ベクストラ(R)(バルデコキシブ)、アルコキシアTM(エトリコキシブ)、および、放射線からなる群より選択される。
【0043】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、GW572016、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、および、放射線からなる群より選択される。
【0044】
本発明のさらにより好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、タルセバTM(エルロチニブHCl)、ハーセプチン(R)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、および、放射線からなる群より選択される。
【0045】
本発明のさらにより好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、SU−11248、タルセバTM(エルロチニブHCl)、および、放射線からなる群より選択される。
【0046】
本発明のより好ましい一実施形態において、3週間サイクルの1〜5日目に40〜50mg/m2の経口CPT−11が投与され、3週間サイクルの6〜14日目に800〜1250mg/m2のカペシタビンが投与される。
【0047】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記サイクルの第三週は、薬物が投与されない。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11は、1日1回投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、1日2回投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、1日2回経口投与される。
【0048】
本発明のより好ましい一実施形態においては、被検体における癌を治療する方法に関し、本方法は、前記癌を有する被検体に、CPT−11、カペシタビンおよび放射線を投与することを含む。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記CPT−11は、経口投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、経口投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記CPT−11、カペシタビンおよび放射線は、あらゆる順番で、連続的に、または、別々に投与される。
【0049】
本発明のより好ましいその他の実施形態において、3週間サイクルの1〜5日目に40〜50mg/m2の経口CPT−11が投与され、3週間サイクルの6〜14日目に800〜1000mg/m2のカペシタビンが投与される。
【0050】
本発明の一実施形態においては、癌を有する哺乳動物を治療する方法に関し、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、(ii)治療有効量のピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、(iii)治療有効量の抗癌剤を、いずれかの順番で、連続的に、または、別々に投与することを含む。
【0051】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、処方計画、サイクル、スケジュールまたはクール中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0052】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、あらゆる順番で、処方計画中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0053】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、サイクル中に、あらゆる順番で、別々に、または、連続的に投与される。
【0054】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、スケジュール中に、あらゆる順番で、別々に、または、連続的に投与される。
【0055】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、クール中に、あらゆる順番で、別々に、または、連続的に投与される。
【0056】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、あらゆる順番で、別々に投与される。
【0057】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、ピリミジン誘導体、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ、および、抗癌剤は、あらゆる順番で連続的に投与される。
【0058】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンおよび経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、ならびに、抗癌剤の組み合わせは、前記癌を治療するのに治療上有効である。
【0059】
本発明の好ましい一実施形態において、所定量の40〜50mg/m2の経口CPT−11が、1日1回投与される。
【0060】
本発明のより好ましい一実施形態において、所定量の40〜45mg/m2の経口CPT−11が、1日1回投与される。
【0061】
本発明のもっとも好ましい実施形態において、所定量の40mg/m2の経口CPT−11が、1日1回投与される。
【0062】
本発明のもっとも好ましいその他の実施形態において、所定量の50mg/m2の経口CPT−11が、1日1回投与される。
【0063】
本発明の好ましい一実施形態において、所定量の800〜1250mg/m2のカペシタビンが、1日2回投与される。
【0064】
本発明のより好ましい実施形態において、所定量の800〜1000mg/m2のカペシタビンが、1日2回投与される。
【0065】
本発明のもっとも好ましい実施形態において、所定量の800mg/m2のカペシタビンが、1日2回投与される。
【0066】
本発明のもっとも好ましいその他の実施形態において、所定量の1000mg/m2のカペシタビンが、1日2回投与される。
【0067】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、処方計画、サイクル、スケジュールまたはクール中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0068】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、処方計画中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0069】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、サイクル中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0070】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、スケジュール中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0071】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、および、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、クール中に、別々に、または、連続的に投与される。
【0072】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、別々に投与される。
【0073】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、連続的に投与される。
【0074】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、処方計画、サイクル、スケジュールまたはクール中に、部分的に同時に、または、同時に投与される。
【0075】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、処方計画中に、部分的に同時に、または、同時に投与される。
【0076】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、サイクル中に、部分的に同時に、または、同時に投与される。
【0077】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、スケジュール中に、部分的に同時に、または、同時に投与される。
【0078】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、および、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、クール中に、部分的に同時に、または、同時に投与される。
【0079】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、部分的に同時に投与される。
【0080】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシンまたは経口カンプトテシン誘導体、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤は、同時に投与される。
【0081】
本発明の好ましい一実施形態において、前記サイクルは、1またはそれ以上の治療サイクルである。
【0082】
本発明の好ましい一実施形態において、1またはそれ以上の治療サイクルはそれぞれ、少なくとも3週間の期間である。
【0083】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11は、サイクル中の5日間投与される。
【0084】
本発明の好ましい一実施形態において、前記サイクル中の5日間の経口CPT−11投与は、連続している。
【0085】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11は、治療サイクル中の1日目〜5日目の間投与される。
【0086】
本発明の好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、治療サイクル中の9日間投与される。
【0087】
本発明の好ましい一実施形態において、前記治療サイクル中の9日間のカペシタビン投与は、連続している。
【0088】
本発明の好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、治療サイクル中の6日目〜14日目の間投与される。
【0089】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口カンプトテシン誘導体は、カプセル封入された半固体マトリックス製剤として投与される。
【0090】
本発明の好ましい一実施形態において、前記カプセル封入された半固体マトリックス製剤は、カプセル中である。
【0091】
本発明の好ましい一実施形態において、前記カプセル封入された半固体マトリックス製剤で投与された経口カンプトテシン誘導体は、CPT−11である。
【0092】
本発明のより好ましい一実施形態において、前記半固体マトリックス製剤は、ゲルイヤー(Geluire)、および、レシチンを含む。
【0093】
本発明の好ましい一実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、経口の投薬形態として投与される。
【0094】
本発明の好ましい一実施形態において、前記ピリミジン誘導体は、カペシタビンである。
【0095】
本発明の好ましい一実施形態において、前記治療サイクルの少なくとも第3週は、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、イリノテカン、イリノテカン塩、SN−38、CPT−11、および、トポテカン、および、ピリミジン誘導体、および、抗癌剤からなる群より選択される経口カンプトテシン、および、経口カンプトテシン誘導体の薬物が投与されない。
【0096】
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0097】
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、あらゆる順番で、連続的に投与される。
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、あらゆる順番で、別々に投与される。
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、部分的に同時に投与される。
好ましい一実施形態において、本発明の方法は、同時に投与される。
【0098】
より好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、pan erbB2阻害剤、CTLA4モノクローナル抗体、IGF1Rモノクローナル抗体、CD40モノクローナル抗体、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、PD−0325901、アロマシン(R)(エクセムスタン)、エレンス(R)(エピルビシン)、ザインカード(R)(デクスラゾキサン)、タルセバTM(エルロチニブHCl)、イレッサTM(ゲンフィチニブ(genfitinib))、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、オムニターグ、ベクサー、ゼバリン、リツキサン、パニツムマブ、タキソール(R)(パクリタキセル)、アドリアマイシン(R)(ドキソルビシン)、セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、アルコキシア(エトリコキシブ)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0099】
より好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量のSU−11248、CP−547,632、CP−868,596、GW572016、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、セレブレックス(R)(セレコキシブ)、パラコキシブ、ハーセプチン(R)、オムニターグ、Vioxx(R)、(ロフェコキシブ)、ベクストラ(R)(バルデコキシブ)、アルコキシアTM(エトリコキシブ)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0100】
より好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の、SU−11248、GW572016、タルセバTM(エルロチニブHCl)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)、ハーセプチン(R)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0101】
より好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の、SU−11248、タルセバTM(エルロチニブHCl)、ハーセプチン(R)、アバスチンTM(ベバシズマブ)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0102】
さらにより好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の、SU−11248、タルセバTM(エルロチニブHCl)、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を、連続的に、別々に、部分的に同時に、または、同時に投与することを含む。
【0103】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の抗癌剤SU−11248を、連続的に、または、別々に、いずれかの順番で投与することを含む。
【0104】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の抗癌剤タルセバTM(エルロチニブHCl)を、連続的に、または、別々に、いずれかの順番で投与することを含む。
【0105】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の抗癌剤アバスチンTM(ベバシズマブ)を、連続的に、または、別々に、いずれかの順番で投与することを含む。
【0106】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)治療有効量の経口CPT−11、(ii)治療有効量のカペシタビン、および、(iii)治療有効量の抗癌剤エルビタックスTM(セツキシマブ、または、C225)を、連続的に、または、別々に、いずれかの順番で投与することを含む。
【0107】
好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)CPT−11、(ii)カペシタビン、および、(iii)セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、および、アルコキシア(エトリコキシブ)からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0108】
より好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)CPT−11、(ii)カペシタビン、および、(iii)セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、MK−663(エトリコキシブ)、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、および、Vioxx(ロフェコキシブ)からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0109】
さらにより好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)CPT−11、(ii)カペシタビン、および、(iii)セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、および、Vioxx(ロフェコキシブ)からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0110】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)CPT−11、(ii)カペシタビン、および、(iii)パレコキシブ、ベクストラ(バルデコキシブ)、および、パラコキシブからなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0111】
もっとも好ましい実施形態において、本発明の方法は、癌を有する哺乳動物を治療することを含み、本方法は、このような治療が必要な前記哺乳動物に、(i)CPT−11、(ii)カペシタビン、および、(iii)セレブレックスTM(セレコキシブ)、および、Vioxx(ロフェコキシブ)からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む。
【0112】
より好ましい実施形態において、本発明は、被検体における癌を治療する方法に関し、本方法は、前記癌を有する被検体に、経口CPT−11、および、カペシタビンを連続的に投与することを含み、ここにおいて、3週間サイクルの1〜5日目に40〜50mg/m2の経口CPT−11が投与され、3週間サイクルの6〜14日目に800〜1250mg/m2のカペシタビンが投与され、抗癌剤は、3週間サイクル中に、その前に、または、その後に投与される。
【0113】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11は、1日1回投与される。
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11は、1日2回投与される。
その他の本発明の好ましい実施形態において、前記経口CPT−11は、1日3回投与される。
【0114】
本発明の好ましい一実施形態において、前記カペシタビンは、1日2回投与される。
その他の本発明の好ましい実施形態において、前記カペシタビンは、1日3回投与される。
本発明の一実施形態において、前記抗癌剤は、1日1回投与される。
本発明の好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、1日2回投与される。
その他の本発明の好ましい実施形態において、前記抗癌剤は、1日3回投与される。
【0115】
本発明の好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11、カペシタビン、および、抗癌剤は、処方計画、サイクル、スケジュールまたはクール中に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11、カペシタビン、および、抗癌剤は、処方計画中に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11、カペシタビン、および、抗癌剤は、サイクル中に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11、カペシタビン、および、抗癌剤は、スケジュール中に投与される。
本発明のより好ましい一実施形態において、前記経口CPT−11、カペシタビン、および、抗癌剤は、クール中に投与される。
【0116】
本発明の好ましい一実施形態において、薬物サイクルの期間が3週間である場合、サイクルの第3週は、薬物が投与されない。
【0117】
本発明のその他の実施形態においては、癌の治療に有用な有効量の経口カンプトテシン、経口カンプトテシン誘導体、または、インドロピロカルバゾール誘導体および抗癌剤と組み合わせて、有効量のピリミジン誘導体を含む治療用医薬組成物に関する。
【0118】
その他の形態において、本発明の方法は、組み合わせの投与方法に向けられる。より具体的には、併用療法の活性物質は、いずれかの順番で連続的に投与される。活性物質が連続的に投与される場合、当業者であれば当然ながら、第一の物質から所定時間後に、第二の物質を投与することができ、さらに、第二の物質から所定時間後に、第三の物質を投与することができることを理解するだろう。具体的な遅延期間は、活性物質の具体的な薬物動態学的なパラメーターおよび製剤のパラメーターに依存する。
【0119】
本発明のその他の形態は、組み合わせた用量の最小化である。個々の活性物質に関する用量の処方計画では望ましくない副作用が生じる可能性があるケースが多々あり、場合によっては薬物療法の中止に至る可能性もある。本発明の具体的な好ましい一実施形態は、用量を、癌を治療するのに必要な最小限の用量に減少させることである。従って、好ましい一実施形態は、活性物質の量が物質単独の場合の有効な用量よりも少ない、組み合わせの投与である。本発明のその他の実施形態は、それぞれの物質単独の活性を上回る活性を有する、組み合わせの投与である。好ましい組み合わせは、組み合わせると、それぞれの物質単独と比較して相乗的になるものである。好ましくは、組み合わせに、さらに追加することである。
【0120】
本発明はまた、異常な細胞増殖を治療するためのキットに関し、本キットは、上記で定義された組み合わせ、および、全ての成分を投与するための書面の説明書を含む。具体的な形態において、書面の説明書には、特定の経口カンプトテシンおよびカンプトテシン誘導体、ならびに、その投与方法が説明されている。本発明のキットのその他の具体的な形態において、書面の説明書には、ピリミジン誘導体が記載されており、その投与方法が説明されている。本発明のキットのその他の具体的な形態において、書面の説明書には、抗癌剤が記載されており、その投与方法が説明されている。前記キットの一実施形態において、前記異常な細胞増殖は癌であり、例えば、これらに限定されないが、中皮腫、肝胆(肝管および胆管)癌、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)癌、乳癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、陰門癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、または、前述の癌1種もしくはそれ以上の組み合わせが挙げられる。
【0121】
前記キットのその他の実施形態において、前記異常な細胞増殖は、良性の増殖性疾患であり、例えば、これらに限定されないが、乾癬、良性の前立腺肥大、または、再狭窄が挙げられる。
【0122】
本明細書で用いられる成句「製薬上許容できる塩」は、特に他の指定がない限り、本発明の化合物中に存在する可能性がある酸性または塩基性の基の塩を含む。塩基性の性質を有する本発明の化合物は、様々な無機および有機酸と多種多様の塩を形成することができる。このような塩基性化合物の製薬上許容できる酸付加塩を製造するのに使用可能な酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち薬理学的に許容できるアニオンを含む塩を形成するものであり、このような非毒性の酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコナート、グロクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、および、パモ酸[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)]の塩が挙げられる。塩基性部分(例えばアミノ基)を含む本発明の化合物は、上述の酸に加えて、様々なアミノ酸と製薬上許容できる塩を形成する可能性がある。
【0123】
本発明の組み合わせの、酸性の性質を有する活性化合物は、様々な薬理学的に許容できるカチオンと塩基性塩を形成することができる。このような塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩が挙げられ、具体的には、本発明の化合物のカルシウム、マグネシウム、ナトリウムおよびカリウム塩である。
【0124】
本発明の組み合わせの活性化合物に含まれる所定の官能基は、生物学的に等価な基(親の基と類似した空間的または電子的な必要条件を有するが、異なる、または改善された物理化学的特性またはその他の特性を示す基)で置換することができる。適切な例は当業者周知であり、例えば、これらに限定されないが、Patini等,Chem.Rev,1996,96,3147〜3176およびそこで引用された文献で説明されている部分が挙げられる。
【0125】
本発明の化合物は不斉中心を有するため、様々な鏡像異性体およびジアステレオマーの形態で存在する。本発明は、本発明の化合物のあらゆる鏡像異性体および立体異性体ならびにそれらの混合物の使用に関し、さらに、それらが使用可能な、または、それらを含む、あらゆる医薬組成物および治療方法に関する。また、本発明の組み合わせの化合物も、互変異性体として存在していてもよい。本発明は、このようなあらゆる互変異性体およびそれらの混合物の使用に関する。
【0126】
また、本発明の主題は、同位体で標識された化合物、ならびに、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物およびプロドラッグも含み、ここにおいて、この同位体で標識された化合物は、1またはそれ以上の原子が、通常それらが有する原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されていることを除いて、本明細書で説明されている活性化合物に関して列挙されたものと同一である。本発明の化合物に包含させることができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素同位体が挙げられ、例えばそれぞれ、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18Fおよび36Clである。上述の同位体および/またはその他の原子のその他の同位体を含む、本発明の化合物、それらのプロドラッグ、および、前記化合物または前記プロドラッグの製薬上許容できる塩は、本発明の範囲である。本発明の所定の同位体で標識された化合物、例えば放射性同位体(例えば3Hおよび14C)が包含されている本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布分析において有用である。トリチウム化した同位体、すなわち3H、および、炭素−14同位体、すなわち14Cが、それらの製造および検出の容易さのために特に好ましい。その上、より重い同位体(例えば重水素、すなわち2H)での置換により、より大きい代謝的安定性によって生じる所定の治療上の利点(例えばインビボでの半減期の増加、または、必要用量の減少)を得ることが可能なため、いくつかの環境では好ましい場合がある。本発明の組み合わせの同位体で標識された活性化合物、および、それらのプロドラッグは、一般的に、当業者周知の手法で製造することができる。
【0127】
本発明はまた、本発明の組み合わせの活性化合物のプロドラッグを含む医薬組成物、および、それらを投与することによる癌を治療する方法も包含する。遊離のアミノ、アミド、ヒドロキシまたはカルボン酸基を有する活性化合物は、プロドラッグに変換することができる。プロドラッグとしては、アミノ酸残基または2またはそれ以上の(例えば、2、3または4個の)アミノ酸残基からなるポリペプチド鎖が、アミドまたはエステル結合を介して、活性化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシまたはカルボン酸基に共有結合で連結している化合物が挙げられる。このようなアミノ酸残基としては、これらに限定されないが、一般的に三文字記号で示される20種の天然に存在するアミノ酸が挙げられ、さらにまた、4−ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン(demosine)、イソデモシン(isodemosine)、3−メチルヒスチジン、ノルバリン、ベータ−アラニン、ガンマ−アミノ酪酸、シトルリンホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、および、メチオニンスルホンも挙げられる。また、プロドラッグのさらなるタイプも包含される。例えば、遊離のカルボキシル基は、アミドまたはアルキルエステルとして誘導体化することができる。遊離のヒドロキシ基は、例えば、これらに限定されないが、ヘミコハク酸エステル、リン酸エステル、ジメチルアミノアセタート、および、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニルなど(例えばAdvanced Drug Delivery Reviews,1996,19,115で概説されている)の基を用いて誘導体化してもよい。また、ヒドロキシ基の炭酸エステルのプロドラッグ、スルホン酸エステルおよび硫酸エステルと同様に、ヒドロキシおよびアミノ基のカルバメートのプロドラッグも含まれる。また、アシル基が、例えばエーテル、アミンおよびカルボン酸官能基など(これらに限定されない)の基で場合により置換されたアルキルエステルであり得る場合、または、アシル基が上述のようなアミノ酸エステルである場合、ヒドロキシ基の(アシルオキシ)メチル、および、(アシルオキシ)エチルエーテルとしての誘導体化も包含される。このタイプのプロドラッグは、J.Med.Chem.1996,39,10で説明されている。また、遊離アミンは、アミド、スルホンアミドまたはホスホンアミドとしても誘導体化することができる。これらのあらゆるプロドラッグの部分は、例えばエーテル、アミンおよびカルボン酸官能基など(これらに限定されない)の基を包含していてもよい。
【0128】
相乗効果および相乗的な、という用語は、2種またはそれ以上の作用因子または活性物質を組み合わせることにより、少なくとも、いずれかの物質単独の活性よりも高いことを意味し、好ましくは、少なくとも、それらの作用が加算されていることを意味する。より好ましくは、相乗効果は、加算された作用よりも大きいことである。最も好ましくは、相乗効果は、さらに加算されることである。用語「加算(された)」は、2種またはそれ以上の作用因子または物質を組み合わせた結果、各作用因子または物質の合計よりも大きいこと、好ましくは、組み合わせの加算された作用より少なくとも10パーセント大きいことことを意味するものとして使用される。用語「さらに加算されること」は、2種またはそれ以上の作用因子を組み合わせた結果、組み合わせの加算より少なくとも25パーセント大きいことを意味するものとして用いられる。
【0129】
発明の詳細な説明
本発明は、異常な細胞増殖を有する被検体に、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体からなる群より選択される化合物、または、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグ;(b)ピリミジン誘導体、または、前記ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ;および、(c)増殖抑制剤、キナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、増殖因子阻害剤、cox−I阻害剤、cox−II阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝産物、抗生物質の挿入薬、増殖因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調整物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン、および、抗アンドロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む被検体における異常な細胞増殖を治療する方法に関する。
【0130】
放射線は、多種多様な様式で投与することができる。例えば、放射線としては、電磁放射または粒子放射の性質のものが可能である。本発明の実施において有用な電磁放射としては、これらに限定されないが、X線およびガンマ線が挙げられる。好ましい実施形態において、本発明の実施において超高圧X線(X線>=4MeV)を用いてもよい。本発明の実施において有用な粒子放射としては、これらに限定されないが、電子ビーム、陽子ビーム、中性子ビーム、アルファ粒子および負のパイ中間子が挙げられる。放射線は、従来の放射線治療装置および方法を用いて、さらに術中および定位の方法によって送達してもよい。本発明の実施での使用に適した放射線処理に関するさらなる考察は、Steven A.Leibel等,Textbook of Radiation Oncology(1998)(publ.W.B.Saunders Company)で、特に第13章と第14章で見出すことができる。また、放射線は、標的化された送達のようなその他の方法で送達してもよく、例えば、放射性「シード」、または、標的化された放射性の結合体の全身への送達によって送達してもよい。J.Padawer等,Combined Treatment with Radioestradiol lucanthone in Mouse C3HBA Mammary Adenocarcinoma and with Estradiol lucanthone in an Estrogen Bioassay,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.7:347〜357(1981)。本発明の実施において、その他の放射線の送達方法を用いてもよい。
【0131】
望ましい治療容積まで送達された放射線の量は、様々であってよい。好ましい実施形態において、放射線は、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体からなる群より選択される化合物、または、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグ;および、(b)ピリミジン誘導体、または、前記ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグと組み合わせて、癌の進行停止または退縮を引き起こすのに有効な量で投与してもよい。
【0132】
より好ましい実施形態において、放射線は、少なくとも約1グレイ(Gy)フラクションを、治療容積まで少なくとも1日おきに1回投与され、さらにより好ましくは、放射線は、少なくとも約2グレイ(Gy)フラクションを、治療容積まで少なくとも1日1回投与され、さらにより好ましくは、放射線は、少なくとも約2グレイ(Gy)フラクションを、治療容積まで少なくとも1日1回、1週間あたり5日連続で投与される。
【0133】
より好ましい実施形態において、放射線は、3Gyフラクションを、治療容積まで、一日おきに1週間あたり3回投与される。
【0134】
さらにその他のより好ましい実施形態において、総計で少なくとも約20Gy、さらにより好ましくは少なくとも約30Gy、最も好ましくは少なくとも約60Gyの放射線が、それらを必要とする宿主に投与される。
【0135】
本発明のより好ましい一実施形態において、14Gyの放射線が投与される。
本発明のより好ましいその他の実施形態において、10Gyの放射線が投与される。
本発明のより好ましいその他の実施形態において、7Gyの放射線が投与される。
もっとも好ましい実施形態において、宿主が転移癌について治療される場合、放射線は宿主の全脳に投与される。
【0136】
一実施形態において、前記カンプトテシンは、中国原産の木であるカンレンボク(Camptotheca acuminate)から得られた植物性アルカロイドである。
【0137】
本発明の一実施形態において、前記抗癌剤は、キナーゼ阻害剤、panキナーゼ阻害剤、または、増殖因子阻害剤である。
【0138】
好ましいpanキナーゼ阻害剤としては、米国特許第6,573,293号(ファイザー社,ニューヨーク,米国)で説明されているSU−11248が挙げられる。
【0139】
抗血管新生薬としては、これらに限定されないが、以下の物質、例えばEGF阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、TIE2阻害剤、IGF1R阻害剤、COX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、MMP−2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤、および、MMP−9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)阻害剤が挙げられる。
【0140】
好ましいVEGF阻害剤としては、例えば、ジェネンテック社(Genentech,Inc.,サウスサンフランシスコ,カリフォルニア州)のアバスチン(ベバシズマブ)、抗VEGFモノクローナル抗体が挙げられる。
【0141】
さらなるVEGF阻害剤としては、CP−547,632(ファイザー社,ニューヨーク,米国)、AG13736(ファイザー社)、ZD−6474(アストラゼネカ(AstraZeneca))、AEE788(ノバルティス(Novartis))、AZD−2171)、VEGFトラップ(VEGF Trap)(リジェネロン(Regeneron)/アベンティス)、バタラニブ(Vatalanib)(また、PTK−787、ZK−222584としても知られている:ノバルティス&シエーリング社(Novartis&Schering AG))、マクジェン(ペガプタニブオクタナトリウム、NX−1838、EYE−001、ファイザー社/ギリアード(Gilead)/アイテック(Eyetech))、IM862(米国ワシントン州カークランドのサイトラン(Cytran Inc.));および、アンギオザイム(angiozyme)、リボザイム由来の合成リボザイム(ボルダー,コロラド州)、および、カイロン(Chiron)(エミリービル,カリフォルニア州)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の実施において有用なVEGF阻害剤は、米国特許第6,534,524号、および、6,235,764号で開示されており、これらはいずれも、それらの全体が本明細書に包含される。
【0142】
特に好ましいVEGF阻害剤としては、CP−547,632、AG13736、バタラニブ、マクジェン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0143】
さらなるVEGF阻害剤は、例えばWO99/24440(1999年5月20日に公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日に出願)、WO95/21613(1995年8月17日に公開)、WO99/61422(1999年12月2日に公開)、米国特許第6,534,524号(AG13736を開示)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日に発行)、WO98/50356(1998年11月12日に公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日に発行)、米国特許第5,886,020号(1999年3月23日に発行)、米国特許第5,792,783号(1998年8月11日に発行)、米国特許第6,653,308号(2003年11月25日に発行)、WO99/10349(1999年3月4日に公開)、WO97/32856(1997年9月12日に公開)、WO97/22596(1997年6月26日に公開)、WO98/54093(1998年12月3日に公開)、WO98/02438(1998年1月22日に公開)、WO99/16755(1999年4月8日に公開)、および、WO98/02437(1998年1月22日に公開)で説明されており、これらはいずれも、参照によりそれらの全体が本明細書の開示に含まれる。
【0144】
本発明の化合物と共に用いてもよいその他の増殖抑制剤としては、酵素ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤、および、受容体チロシンキナーゼPDGFrの阻害剤が挙げられ、例えば、以下の米国特許出願で開示され、特許請求されている化合物が挙げられ:09/221946(1998年12月28日に出願);09/454058(1999年12月2日に出願);09/501163(2000年2月9日に出願);09/539930(2000年3月31日に出願);09/202796(1997年5月22日に出願);09/384339(1999年8月26日に出願);さらに、09/383755(1999年8月26日に出願);および、以下の米国仮特許出願で開示され、特許請求されている化合物が挙げられる:60/168207(1999年11月30日に出願);60/170119(1999年12月10日に出願);60/177718(2000年1月21日に出願);60/168217(1999年11月30日に出願)、および、60/200834(2000年5月1日に出願)。前述の特許出願および仮特許出願はそれぞれ、参照によりそれらの全体が本明細書の開示に含まれる。
【0145】
PDGRr阻害剤としては、これらに限定されないが、国際特許出願公報番号WO01/40217(2001年7月7日に公開)、および、国際特許出願公報番号WO2004/020431(2004年3月11日に公開)(これらの内容は、それらの全体が本明細書に包含される)で開示されたものが挙げられる。
【0146】
好ましいPDGFr阻害剤としては、ファイザーのCP−673,451、および、CP−868,596、および、その製薬上許容できる塩が挙げられる。
【0147】
好ましいGARF阻害剤としては、ファイザーのAG−2037(ペリトレキソール(pelitrexol)、および、その製薬上許容できる塩が挙げられる。本発明の実施において有用なGARF阻害剤が、米国特許第5,608,082号(その全体が本明細書に包含される)で開示されている。
【0148】
有用なCOX−II阻害剤の例としては、セレブレックスTM(セレコキシブ)、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、MK−663(エトリコキシブ)、COX−189(ルミラコキシブ)、BMS347070、RS57067、NS−398、ベクストラ(バルデコキシブ)、パラコキシブ、Vioxx(ロフェコキシブ)、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、および、アルコキシア(エトリコキシブ)が挙げられる。加えて、COX−II阻害剤が、米国特許出願番号10/801,446、および、10/801,429で開示されている(これらの内容は、それらの全体が本明細書に包含される)。
【0149】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤はセレコキシブであり、例えば米国特許第5,466,823号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。セレコキシブの構造を以下に示す:
【化1】

【0150】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤はバルデコキシブであり、例えば米国特許第5,633,272号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。バルデコキシブの構造を以下に示す:
【化2】

【0151】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、パレコキシブであり、例えば米国特許第5,932,598号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。パレコキシブの構造を以下に示す:
【化3】

【0152】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、デラコキシブであり、例えば米国特許第5,521,207号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。デラコキシブの構造を以下に示す:
【化4】

【0153】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、SD−8381であり、例えば米国特許第6,034,256号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。SD−8381の構造を以下に示す:
【化5】

【0154】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、ABT−963であり、例えば国際公報番号WO2002/24719(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。ABT−963の構造を以下に示す:
【化6】

【0155】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、以下で示すようなロフェコキシブである:
【化7】

【0156】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、MK−663(エトリコキシブ)であり、例えば国際公報番号WO1998/03484(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。エトリコキシブの構造を以下に示す:
【化8】

【0157】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、COX−189(ルミラコキシブ)であり、例えば国際公報番号WO1999/11605(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。ルミラコキシブの構造を以下に示す:
【化9】

【0158】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、BMS−347070であり、例えば米国特許第6,180,651号(これらの内容は、その全体が参照により本明細書に包含される)で開示されている。BMS−347070の構造を以下に示す:
【化10】

【0159】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、NS−398(CAS123653−11−2)である。NS−398(CAS123653−11−2)の構造を以下に示す:
【化11】

【0160】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、RS 57067(CAS17932−91−3)である。RS−57067(CAS17932−91−3)の構造を以下に示す:
【化12】

【0161】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロールである。4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロールの構造を以下に示す:
【化13】

【0162】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロールである。2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロールの構造を以下に示す:
【化14】

【0163】
好ましい一実施形態において、前記抗癌剤は、メロキシカムである。メロキシカムの構造を以下に示す:
【化15】

【0164】
その他の抗癌剤として有用な阻害剤としては、アスピリン、および、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)が挙げられ、これらは、プロスタグランジン(シクロオキシゲナーゼIおよびII)を生産する酵素を阻害し、プロスタグランジンのレベルをより低くするものであり、このような阻害剤としては、これらに限定されないが、以下の、サルサレート(アミジェシック(Amigesic))、 ジフルニサル(ドロビッド)、 イブプロフェン(モトリン)、 ケトプロフェン(オルヂス)、 ナブメトン(レラフェン(Relafen))、ピロキシカム(フェルデン)、ナプロキセン(アレブ、ナプロシン)、ジクロフェナク(ボルタレン)、インドメタシン(インダシン(Indocin))、スリンダック(クリノリル)、トルメチン(トレクチン)、エトドラク(ロディン(Lodine))、ケトロラック(トラドール)、オキサプロジン(デイプロ(Daypro))、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0165】
好ましいCOX−I阻害剤としては、イブプロフェン(モトリン)、ニュープリン(nuprin)、ナプロキセン(アレブ)、インドメタシン(インダシン)、ナブメトン(レラフェン)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0166】
標的化された物質としては、EGFr阻害剤、例えばイレッサ(ゲフィチニブ、アストラゼネカ)、タルセバ(エルロチニブ、または、OSI−774、OSIファーマシューティカルズ社(OSI Pharmaceuticals Inc.))、エルビタックス(セツキシマブ、イムクローン・ファーマシューティカルズ社(Imclone Pharmaceuticals,Inc.))、EMD−7200(メルク社(Merck AG))、ABX−EGF(アムジェン社(Amgen Inc.)、および、アブジェニックス社(Abgenix Inc.))、HR3(キューバ政府)、IgA抗体(エルランゲン−ニュルンベルク大学(University of Erlangen−Nuremberg))、TP−38(IVAX)、EGFR融合タンパク質、EGF−ワクチン、抗EGFrイムノリポソーム(エルメス・バイオサイエンシズ社(Hermes Biosciences Inc.))、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0167】
好ましいEGFr阻害剤としては、イレッサ、セツキシマブ、タルセバ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0168】
本発明はまた、pan erb受容体阻害剤、または、ErbB2受容体阻害剤、例えばCP−724,714(ファイザー社)、CI−1033(カネルチニブ(canertinib)、ファイザー社)、ハーセプチン(トラスツズマブ、ジェネンテック社(Genentech Inc.))、オミターグ(Omitarg)(2C4、パーツズマブ、ジェネンテック社)、TAK−165(武田(Takeda))、GW−572016(ロナファルニブ(lonafarnib)、グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline))、GW−282974(グラクソ・スミスクライン)、EKB−569(ワイス(Wyeth))、PKI−166(ノバルティス)、dHER2(HER2ワクチン、コリクサおよびグラクソ・スミスクライン)、APC8024(HER2ワクチン、デンドレオン(Dendreon))、抗HER2/neu二重特異性抗体(デコフ・キャンサー・センター(Decof Cancer Center))、B7.her2.IgG3(アジェンシス(Agensys))、AS HER2(放射線生物医学研究所(Research Institute for Rad Biology&Medicine))、三官能性の二重特異性抗体(ミュンヘン大学(University of Munich))、および、mAB AR−209(アロネックス・ファーマシューティカルズ社(Aronex Pharmaceuticals Inc))、および、mAB 2B−1(カイロン)、およびそれらの組み合わせから選択される抗癌剤に関する。
【0169】
好ましいerb選択的抗癌剤としては、ハーセプチン、TAK−165、CP−724,714、ABX−EGF、HER3、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0170】
好ましいpan erbb受容体阻害剤としては、GW572016、CI−1033、EKB−569、および、オミターグ、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0171】
さらなるerbB2阻害剤としては、WO98/02434(1998年1月22日に公開)、WO99/35146(1999年7月15日に公開)、WO99/35132(1999年7月15日に公開)、WO98/02437(1998年1月22日に公開)、WO97/13760(1997年4月17日に公開)、WO95/19970(1995年7月27日に公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日に発行)、および、米国特許第5,877,305号(1999年3月2日に発行)(これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に包含される)で説明されているものが挙げられる。また、本発明において有用なErbB2受容体阻害剤は、米国特許第6,465,449号、および、6,284,764号、および、国際出願番号WO2001/98277(これらはそれぞれ、参照によりそれらの全体が本明細書に包含される)でも説明されている。
【0172】
加えて、その他の抗癌剤は、以下の物質、BAY−43−9006(オニックス・ファーマシューティカルズ社(Onyx Pharmaceuticals Inc.))、ジェナセンス(Genasense)(オーグメロセン(augmerosen)、ジェンタ(Genta))、パニツムマブ(アブジェニックス/アムジェン)、ゼバリン(シエーリング)、ベクサー(コリクサ/グラクソ・スミスクライン)、アバレリクス、アリムタ、EPO 906(ノバルティス)、ディスコデルモライド(discodermolide)(XAA−296)、ABT−510(アボット(Abbott))、ネオバスタット(エテルナ(Aeterna))、エンザスタウリン(イーライリリー(Eli Lilly))、コンブレスタチン(Combrestatin)A4P(オキシジーン(Oxigene))、ZD−6126(アストラゼネカ)、フラボピリドール(flavopiridol)(アベンティス)、CYC−202(サイクラセル(Cyclacel))、AVE−8062(アベンティス)、DMXAA(ロシュ(Roche)/アンチソーマ(Antisoma))、チミタック(Thymitaq)(エクシマイアス(Eximias))、テモダール(テモゾロマイド、シェリング・プラウ(Schering Plough))、および、レビリミド(Revilimd)(セレジーン(Celegene))、およびそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0173】
その他の抗癌剤は、以下の物質、CyPat(酢酸シプロテロン)、ヒステレリン(Histerelin)(酢酸ヒストレリン)、プレナイキス(Plenaixis)(アバレリクス・デポ)、アトラセンタン(ABT−627)、サトラプラチン(JM−216)、サロミド(サリドマイド)、セラトープ(Theratope)、テミリフェン(Temilifene)(DPPE)、ABI−007(パクリタキセル)、エビスタ(ラロキシフェン)、アタメスタン(Atamestane)(バイオメド−777(Biomed−777))、ジオタックス(Xyotax)(ポリグルタミン酸パクリタキセル)、ターゲチン(Targetin)(ベクサロチン(bexarotine))、およびそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0174】
加えて、その他の抗癌剤は、以下の物質、トリザオン(Trizaone)(チラパザミン(tirapazamine))、アポシン(Aposyn)(エキシスリンド(exisulind))、ネバスタット(Nevastat)(AE−941)、セプレン(Ceplene)(ヒスタミン二塩酸塩)、オラセチン(Orathecin)(ルビテカン(rubitecan))、ビルリジン(Virulizin)、ガストリミューン(Gastrimmune)(G17DT)、DX−8951f(メシル酸エキサテカン)、オンコナーゼ(Onconase)(ランピルナーゼ(ranpirnase))、BEC2(ミツモアブ(mitumoab))、エクシトリン(Xcytrin)(モテキサフィン(motexafin)ガドリニウム)、およびそれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0175】
さらなる抗癌剤は、以下の物質、シーバック(CeaVac)(CEA)、ノイトレキシン(NeuTrexin)(グルクロン酸トリメトレサート(trimetresate))、およびそれらの組み合わせから選択してもよい。
【0176】
さらなる抗癌剤は、以下の物質、オバレックス(OvaRex)(オレゴボマブ(oregovomab))、オシデム(Osidem)(IDM−1)、および、それらの組み合わせから選択してもよい。
【0177】
さらなる抗癌剤は、以下の物質、アドベキシン(Advexin)(ING201)、チラゾン(Tirazone)(チラパザミン(tirapazamine))、および、それらの組み合わせから選択してもよい。
【0178】
さらなる抗癌剤は、以下の物質、RSR13(エファプロキシラール(efaproxiral))、コタラ(Cotara)(131I chTNT1/b)、NBI−3001(IL−4)、およびそれらの組み合わせから選択してもよい。
【0179】
さらなる抗癌剤は、以下の物質、カンバキシン(Canvaxin)、GMKワクチン、オンコファージ(Oncophage)(HSPPC−96)、PEGインテロンA(PEG Interon A)、タキソプレキシン(Taxoprexin)(DHA/パクリタキセル(paciltaxel))、およびそれらの組み合わせから選択してもよい。
【0180】
その他の好ましい抗癌剤としては、ファイザーのMEK1/2阻害剤PD325901、アレイ・バイオファーム(Array Biopharm)のMEK阻害剤ARRY−142886、ブリストル・マイヤーズ(Bristol Myers)のCDK2阻害剤BMS−387,032、ファイザーのCDK阻害剤PD0332991、および、アストラゼネカのAXD−5438、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0181】
加えて、mTOR阻害剤も利用可能であり、例えばCCI−779(ワイス)、および、ラパマイシン誘導体RAD001(ノバルティス)、および、AP−23573(Ariad)、HDAC阻害剤SAHA(メルク社(Merck Inc.)/アトン・ファーマシューティカルズ(Aton Pharmaceuticals))、およびそれらの組み合わせである。
【0182】
さらなる抗癌剤としては、オーロラ2(aurora 2)阻害剤VX−680(バーテックス(Vertex))、Chk1/2阻害剤XL844(エキシリキス(Exilixis))が挙げられる。
【0183】
本発明において、以下の細胞毒性物質、例えば、エピルビシン(エレンス)、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル、ザインカード(デクスラゾキサン)、リツキシマブ(リツキサン)メシル酸イマチニブ(グリーベック)、および、それらの組み合わせからなる群より選択される1種またはそれ以上を利用してもよい。
【0184】
本発明はまた、本発明の化合物と、ホルモン療法との併用も考慮しており、このようなホルモン療法としては、これらに限定されないが、エキセメスタン(アロマシン、ファイザー社)、リュープロレリン(リュープロン、または、リュープリン、TAP/アボット/武田)、アナストロゾール(アリミデクス、アストラゼネカ)、ゴセレリン(ゾラデックス、アストラゼネカ)、ドキセルカルシフェロール、ファドロゾール、フォルメスタン、クエン酸タモキシフェン(タモキシフェン、ノルバデックス、アストラゼネカ)、カソデックス(アストラゼネカ)、アバレリクス(プリーシス(Praecis))、トレルスター、および、それらの組み合わせが挙げられる。
【0185】
本発明はまた、ホルモン療法剤に関し、例えば、これらに限定されないが、抗エストロゲン、例えばフルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、レトロゾール(フェマラ、ノバルティス)、抗アンドロゲン、例えばビカルタミド、フルタミド、ミフェプリストン、ニルタミド、カソデックス(R)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド、ビカルタミド)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0186】
さらに本発明は、単独の本発明の化合物、または、1またはそれ以上の支持療法製品、例えば、フィルグラスチム(ニューポジェン(Neupogen))、オンダンセトロン(ゾフラン)、フラグミン、プロクリット、アロキシ(Aloxi)、エメンド(Emend)、または、それらの組み合わせからなる群より選択される製品と組み合わせた本発明の化合物を提供する。
【0187】
特に好ましい細胞毒性物質としては、カンプトサール、エルビタックス、イレッサ、グリーベック、タキソテール、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0188】
抗癌剤として、以下のトポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン、イリノテカンHCl(カンプトサール)、エドテカリン、オラセチン(スーパージェン(Supergen))、エキサテカン(第一(Daiichi))、BN−80915(ロシュ)、およびそれらの組み合わせを利用してもよい。
【0189】
特に好ましいトポイソメラーゼII阻害剤としては、エピルビシン(エレンス)が挙げられる。
【0190】
本発明の化合物は、抗癌剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗生物質、植物由来の抗癌剤、カンプトテシン誘導体、チロシンキナーゼ阻害剤、抗体、インターフェロン、および/または、生体応答調整物質と併用してもよい。
【0191】
アルキル化剤としては、これらに限定されないが、ナイトロジェンマスタードN−酸化物、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、ブスルファン、ミトブロニトール、カルボコン、チオテパ、ラニムスチン、ニムスチン、テモゾロマイド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジクオン(apaziquone)、ブロスタリシン(brostallicin)、ベンダムスチン、カルムスチン、エストラムスチン、フォテムスチン(fotemustine)、グルフォスファミド、イフォスファミド、KW−2170、マフォスファミド(mafosfamide)、および、ミトラクトールが挙げられ;白金が配位したアルキル化化合物としては、これらに限定されないが、シスプラチン、パラプラチン(カルボプラチン)、エプタプラチン(eptaplatin)、ロバプラチン(lobaplatin)、ネダプラチン、エロキサチン(オキサリプラチン、サノフィ(Sanofi))、または、サトルプラチン(satrplatin)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0192】
特に好ましいアルキル化剤としては、エロキサチン(オキサリプラチン)が挙げられる。
【0193】
代謝拮抗物質としては、これらに限定されないが、メトトレキセート、6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、5−フルオロウラシル(5−FU)(単独で、または、ロイコボリンと組み合わせて)、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン、シタラビンオクホスファート、エノシタビン、S−1、アリムタ(ペメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム、LY231514、MTA)、ジェムザール(ゲムシタビン、イーライリリー)、フルダラビン、5−アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、デシタビン、エフロールニチン、エチニルシチジン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素、TS−1、メルファラン、ネララビン、ノラトレキセド(nolatrexed)、オクホスファート、ペメトレキセド(premetrexed)二ナトリウム、ペントスタチン、ペリトレキソール、ラルチトレキセド、トライアピン(triapine)、トリメトレキセート、ビダラビン、ビンクリスチン、ビノレルビン;または、例えば、欧州特許出願番号239362で開示された好ましい抗代謝産物の1種、例えばN−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0194】
抗生物質としては、これらに限定されないが、抗生物質の挿入薬:アクラルビシン、アクチノマイシンD、アムルビシン、アナマイシン(annamycin)、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン(elsamitrucin)、エピルビシン、ガラルビシン(galarubicin)、イダルビシン、マイトマイシンC、ネモルビシン(nemorubicin)、ネオカルチノスタチン、ペプロマイシン、ピラルビシン、レベッカマイシン(rebeccamycin)、スチマラマー、ストレプトゾシン、バルルビシン、ジノスタチン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0195】
植物由来の抗腫瘍物質としては、例えば、有糸分裂阻害剤、例えばビンブラスチン、ドセタキセル(タキソテール)、パクリタキセル、およびそれらの組み合わせから選択されるものが挙げられる。
【0196】
細胞毒性のトポイソメラーゼ阻害物質としては、アクラルビシン(aclarubicn)、アモナフィド(amonafide)、ベロテカン(belotecan)、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、ジフロモテカン(diflomotecan)、イリノテカンHCl(カンプトサール)、エドテカリン、エピルビシン(エレンス)、エトポシド、エキサテカン、ジマテカン(gimatecan)、ルートテカン(lurtotecan)、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピクサントロン(pixantrone)、ルビテカン、ソブゾキサン、SN−38、タフルポシド(tafluposide)、トポテカン、および、それらの組み合わせからなる群より選択される1種またはそれ以上の物質が挙げられる。
【0197】
好ましい細胞毒性のトポイソメラーゼ阻害物質としては、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカンHCl(カンプトサール)、エドテカリン、エピルビシン(エレンス)、エトポシド、SN−38、トポテカン、および、それらの組み合わせからなる群より選択される1種またはそれ以上の物質が挙げられる。
【0198】
免疫学的な物質としては、インターフェロン、および、多数のその他の免疫増強剤が挙げられる。インターフェロンとしては、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロン、アルファ−2b、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ−1a、インターフェロンガンマ−1b(アクチミューン(Actimmune))、または、インターフェロンガンマ−n1、およびそれらの組み合わせが挙げられる。その他の物質としては、フィルグラスチム、レンチナン、シゾフィラン(sizofilan)、テラシス(TheraCys)、ウベニメクス、WF−10、アルデスロイキン(aldesleukin)、アレムトツマブ(alemtuzumab)、BAM−002、ダカルバジン、ダクリズマブ、デニロイキン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、イブリツモマブ、イミキモド、レノグラスチム、レンチナン、黒色腫ワクチン(コリクサ)、モルグラモスチム(molgramostim)、オンコVAX−CL(OncoVAX−CL)、サルグラモスチム、タソネルミン(tasonermin)、テクロイキン(tecleukin)、チマラシン(thymalasin)、トシツモマブ、ビルリジン、Z−100、エプラツズマブ、ミツモマブ(mitumomab)、オレゴボマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)(Y−muHMFG1)、プロベンジ(Provenge)(デンドレオン)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0199】
生体応答調整物質は、生物の防御機構または生体反応(例えば組織細胞の生存、成長または分化)を、それらが抗腫瘍活性を有するように改変する物質である。このような物質としては、クレスチン、レンチナン、シゾフィラン、ピシバニール、ウベニメクス、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0200】
その他の抗癌剤としては、アリトレチノイン、アンプリゲン(ampligen)、アトラセンタンベキサロテン、ボルテゾミブ、ボセンタン、カルシトリオール、エキシスリンド、フィナステリド、フォテムスチン、イバンドロン酸、ミルテホシン(miltefosine)、ミトキサントロン、l−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペガスパルガーゼ(pegaspargase)、ペントスタチン、タザロトン(tazarotne)、テルシタ(Telcyta)(TLK−286、テリック社(Telik Inc.))、ベルケード(ボルテマジブ(bortemazib)、ミレニアム(Millenium))、トレチノイン、および、それらの組み合わせが挙げられる。
【0201】
その他の抗血管新生性の化合物としては、アシトレチン、フェンレチニド(fenretinide)、サリドマイド、ゾレドロン酸、アンギオスタチン、アプリジン(aplidine)、シレングチド(cilengtide)、コンブレタスタチンA−4、エンドスタチン、ハロフジノン、レビマスタット(rebimastat)、レモバブ(removab)、レブリミド、スクアラミン、ウクライン、バイタクシン(Vitaxin)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0202】
白金が配位した化合物としては、これらに限定されないが、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、および、それらの組み合わせが挙げられる。
【0203】
カンプトテシン誘導体としては、これらに限定されないが、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン、トポテカン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0204】
その他の抗癌剤としては、ミトキサントロン、l−アスパラギナーゼ、プロカルバジン、ダカルバジン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、トレチノイン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0205】
また、抗腫瘍性の免疫反応を強化できる抗癌剤、例えばCTLA4(細胞障害性リンパ球抗原4)抗体、および、CTLA4をブロックすることができるその他の物質も利用可能であり、例えば、MDX−010(メダレックス(Medarex))、および、米国特許第6,682,736号で開示されたCTLA4化合物;および、増殖抑制剤、例えばその他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、例えばファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤である。本発明で用いることができるさらなる具体的なCTLA4抗体としては、米国仮出願60/113,647(1998年12月23日に出願)、米国特許第6,682,736号(これらはいずれも、参照によりそれらの全体が本明細書に包含される)で説明されているものが挙げられる。
【0206】
本発明で用いることができる具体的なIGF1R抗体としては、国際特許出願番号WO2002/053596(参照によりその全体が本明細書に包含される)で説明されているものが挙げられる。
【0207】
本発明で用いることができる具体的なCD40抗体としては、国際特許出願番号WO2003/040170(参照によりその全体が本明細書に包含される)で説明されているものが挙げられる。
【0208】
抗癌剤として、遺伝子治療剤も使用可能であり、例えば、放射線治療に応答してTNFアルファを発現するTNFエレード(TNFerade)(ジーンベック(GeneVec))である。
【0209】
有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、WO96/33172(1996年10月24日に公開)、WO96/27583(1996年3月7日に公開)、欧州特許出願番号97304971.1(1997年7月8日に出願)、欧州特許出願番号99308617.2(1999年10月29日に出願)、WO98/07697(1998年2月26日に公開)、WO98/03516(1998年1月29日に公開)、WO98/34918(1998年8月13日に公開)、WO98/34915(1998年8月13日に公開)、WO98/33768(1998年8月6日に公開)、WO98/30566(1998年7月16日に公開)、欧州特許公報第606,046号(1994年7月13日に公開)、欧州特許公報第931,788号(1999年7月28日に公開)、WO90/05719(1990年5月31日に公開)、WO99/52910(1999年10月21日に公開)、WO99/52889(1999年10月21日に公開)、WO99/29667(1999年6月17日に公開)、PCT国際出願番号PCT/IB98/01113(1998年7月21日に出願)、欧州特許出願番号99302232.1(1999年3月25日に出願)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日に出願)、米国仮出願番号60/148,464(1999年8月12日に出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日に発行)、米国特許第5,861,510号(1999年1月19日に発行)、および、欧州特許公報第780,386号(1997年6月25日に公開)、(これらはいずれも、参照によりそれらの全体が本明細書に包含される)で説明されている。
【0210】
好ましいMMP−2およびMMP−9阻害剤は、MMP−1を阻害する活性がわずかか、または、そのような活性がないものである。より好ましくは、その他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわちMMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、および、MMP−13)に対して、MMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものである。
【0211】
本発明の化合物と組み合わせて有用なMMP阻害剤のいくつかの具体的な例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830、および、以下のリストで列挙された化合物、ならびに、前記化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物およびプロドラッグである:
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;
4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;
3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;
3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および、
3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド。
【0212】
また、様々なその他の化合物(例えばスチレン誘導体)もチロシンキナーゼ阻害特性を有することが示されており、チロシンキナーゼ阻害剤のうちいくつかは、erbB2受容体阻害剤と同定されている。さらに近年、5つの欧州特許公報、すなわちEP0566226A1(1993年10月20日に公開)、EP0602851A1(1994年6月22日に公開)、EP0635507A1(1995年1月25日に公開)、EP0635498A1(1995年1月25日に公開)、および、EP0520722A1(1992年12月30日に公開)が、それらのチロシンキナーゼ阻害特性に起因する抗癌特性を有する特定の二環式誘導体、具体的にはキナゾリン誘導体に言及している。また、国際特許出願WO92/20642(1992年11月26日に公開)が、異常な細胞増殖の阻害において有用なチロシンキナーゼ阻害剤としての、特定のビス−モノおよび二環式アリール、ならびに、ヘテロアリール化合物に言及している。また、国際特許出願WO96/16960(1996年6月6日に公開)、WO96/09294(1996年3月6日に公開)、WO97/30034(1997年8月21日に公開)、WO98/02434(1998年1月22日に公開)、WO98/02437(1998年1月22日に公開)、および、WO98/02438(1998年1月22日に公開)も、同目的で有用なチロシンキナーゼ阻害剤としての、置換された二環式ヘテロ芳香族誘導体に言及している。抗癌化合物に言及しているその他の特許出願は、国際特許出願WO00/44728(2000年8月3日に公開)、EP1029853A1(2000年8月23日に公開)、および、WO01/98277(2001年12月12日に公開)(これらはいずれも、この参照によりそれらの全体が明細書に包含される)である。
【0213】
本発明は、一つには、イリノテカン[1,4’−ビピペリジン]−1’−カルボン酸−(4S)−4,11−ジエチル−3,4,12,14−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−3,14−ジオキソ−1H−ピラノ[3’,4’:6,7]−インドリジノ[1,2−b]キノリン−9−イルエステル(CAS RN 97682−44−5)に関し、これは、もともと中国原産の木であるカンレンボク(Camptotheca acuminata)に存在する化合物から誘導された、カンプトテシン類似体およびトポイソメラーゼ−I阻害剤である。イリノテカンは、米国特許第4,604,463号、欧州特許第835,257号、または、S.Sawada等,Chem.Pharm.Bull.39,1446(1991)で開示された手順に従って製造することができる。塩酸イリノテカン三水和物は、CPT−11として臨床的に調査されており、市販の化合物(カンプトサール(R);ファイザー社、および、カンプト(R)、アベンティス)である。イリノテカンおよびその他のカンプトテシン類似体は、特有の作用機序を有する細胞毒性の化学療法剤の新しいクラスの代表である。これらの薬物は、酵素トポイソメラーゼI(DNA転写、複製および修復において重要な役割を果たす核の酵素)と特異的に相互作用し、トポイソメラーゼI阻害剤として知られている。
【0214】
イリノテカンは、親油性代謝産物SN−38の水溶性の前駆体として役立つ。SN−38は、イリノテカンから、カンプトテシン成分とジピペリジノ側鎖との間のカルバメート結合をカルボキシルエステラーゼによって切断することによって形成される。インビボにおいて親となる薬物からSN−38へ変換される最初の部位は、カルボキシルエステラーゼが豊富な肝臓と考えられている。しかしながら、変換は、その他の正常な組織や腫瘍部位でも起こる可能性がある。イリノテカンまたはその代謝産物SN−38の作用機序は、DNA合成中に生じた二本鎖DNA損傷によるものであり、この場合、複製酵素が、トポイソメラーゼI、DNAおよびイリノテカンまたはSN−38のいずれかによって形成された三元複合系と相互作用して、鎖の切断部が再連結しないようにする。哺乳動物細胞は、これらの二本鎖の切断部を効率的に修復できない。インビトロでの細胞毒性分析によれば、イリノテカンと比較したSN−38の効力は、2〜2000倍の範囲で変動することが示される。しかしながら、SN−38に関する血漿中濃度対時間時間曲線下面積(AUC)値は、イリノテカンの2%〜8%であり、SN−38は、95%が血漿タンパク質に結合し、それに対して、イリノテカンは、約50%が血漿タンパク質に結合した。従って、イリノテカンの活性に対するSN−38の正確な寄与率は未知であるが、SN−38は、主としてインビボでのイリノテカン活性に関与する物質と考えられる。
【0215】
イリノテカンとSN−38はいずれも、活性なラクトン型と不活性なヒドロキシ酸アニオン型で存在する。2つの形態間には、酸性pHではラクトンの形成が促進され、一方でより塩基性pHではヒドロキシ酸アニオン型に有利なようなpH依存性の平衡が存在する。
【0216】
塩酸イリノテカン三水和物(カンプトサール(R))のIV製剤は、5−FUベースの治療の後に病気が再発または進行した結腸または直腸の転移性癌を有する被検体の治療のために、多くの国々ですでに市販されている。加えて、イリノテカンのIV製剤は、結腸または直腸の転移性癌を有する被検体のための、5−FUおよびロイコボリンと組み合わせて、第一選択の治療の成分として示されている。
【0217】
経口イリノテカンのSSM製剤の製造は、国際特許出願番号WO2001/30351(2001年5月3日に公開)で詳細に説明されており、イリノテカンの経口送達のためのその代わりの製剤は、米国特許第6,569,453号で説明されている。これらはいずれも、参照によりそれらの全体が本明細書に含まれる。経口塩酸イリノテカン三水和物は、好ましくは、カプセル中の半固体マトリックス(SSM)製剤の形態に製剤化され、5mg、20mgまたは50mgの活性医薬物質を含む;不活性成分としては、レシチンが挙げられ、ラウリルマクロゴールグリセリドが好ましい形態である。5mgおよび20mgカプセルの外観は、サイズ2の、不透明な白色の蓋と黄色がかったろう質の素材を含む本体とからなるリキャップス(Licaps(R))タイプの自己ロックするハードゼラチンカプセルである。50mgカプセルの外観は、サイズ0の、不透明な白色の蓋と、黄色がかったろう質の素材を含む本体とを含むリキャップス(R)タイプの自己ロックするハードゼラチンカプセルである。このカプセルを、子供が操作できない不正開封防止機能の付いたプラスチック製ねじ蓋を有する高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルに入れた。
【0218】
本発明はまた、経口カンプトテシンの使用に関する。
【0219】
より具体的には、本発明は、カンプトテシン誘導体を使用する抗癌治療に関し、このような誘導体としては、これらに限定されないが、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、イリノテカン、イリノテカン塩、SN−38、CPT−11、および、トポテカン、および、インドロピロカルバゾール誘導体、および、ピリミジン誘導体が挙げられる。
【0220】
ピリミジン誘導体としては、これらに限定されないが、ウラシル、チミン、シトシン、メチルシトシン、および、チアミンを含む化合物が挙げられる。このようなピリミジン誘導体の例は、カペシタビン、ゲムシタビン(ジェムザール)、および、複数を標的化した抗葉酸剤(MTA)(また、ペメトレキセドとしても知られている)である。
【0221】
好ましい一実施形態において、前記インドロピロカルバゾール誘導体は、経口投与される。インドロピロカルバゾール誘導体は、以下の米国特許第5,589,365号、5,437,996号、5,643,760号、5,591,842号、および、5,668,271号(これらはいずれも、参照によりそれらの全体が明細書に包含される)で説明されている。
【0222】
好ましい一実施形態において、前記インドロピロカルバゾール誘導体は、以下に示すエドテカリン、および、それらの製薬上許容できる塩である:
【化16】

【0223】
以下の米国特許第5,804,564号、および、5,922,860号は、エドテカリンおよびそれらの製造方法を説明している(上述の特許はいずれも参照によりそれらの全体が明細書に包含される)。
【0224】
欧州特許EP137,145(本明細書に包含される)は、式:
【化17】

で示されるカンプトテシン誘導体を説明しており、式中、具体的には、R1は、水素、ハロゲンまたはアルキルであり、Xは塩素原子であるか、または、NR23であり、ここにおいて、R2およびR3は、同一または異なって、水素原子、場合により置換されたアルキルラジカル、場合により置換されたカルボサイクルまたは複素環、または、アルキルラジカル(場合により置換された)を示していてもよく、それらが結合している窒素原子と共に、場合によりO、Sおよび/またはNR4(R4は、水素原子またはアルキルラジカルである)から選択されるその他のヘテロ原子を含む複素環を形成し、ここにおいて、基X−CO−O−は、環Aの9位、10位または11位に位置する。
【0225】
これらのカンプトテシン誘導体は、トポイソメラーゼIを阻害する抗癌剤であり、なかでも、イリノテカン(式中、X−CO−O−は、[4−(1−ピペリジノ−1−ピペリジノ]カルボニルオキシである)が、固形癌、特に結腸直腸癌の治療において特に有効な活性の根源である。
【0226】
また、欧州特許出願EP74,256は、その他のカンプトテシン誘導体も説明しており、これもまた、抗癌剤、特に、上記で示した構造に類似した構造の誘導体であり、式中、X−CO−O−が、ラジカル−X’R’で置換されており、ここにおいて、X’は、OまたはSであり、R’は、水素原子、または、アルキルもしくはアシルラジカルであることが述べられている。
【0227】
また、その他のカンプトテシン誘導体も、例えば、特許または特許出願EP56,692、EP88,642、EP296,612、EP321,122、EP325,247、EP540,099、EP737,686、WO90/03169、WO96/37496、WO96/38146、WO96/38449、WO97/00876、米国特許第7,104,894号、JP57116,015、JP57116,074、JP59005,188、JP60019,790、JP01249,777、JP01246,287、および、JP9112070、または、Canc.Res.,38(1997)Abst.1526または95(サンディエゴ−4月12〜16日),Canc.Res.,55(3):603〜609(1995)、または、AFMC Int.Med.Chem.Symp.(1997)Abst.PB−55(ソウル−7月27日〜8月1日)で説明されている。
【0228】
カンプトテシン誘導体は、通常、注射で投与され、より具体的には、滅菌溶液または乳濁液の形態での静脈内で投与される。しかしながら、カンプトテシン誘導体はまた、固体または液体組成物の形態で経口投与することもできる。
【0229】
5−FUの経口での生物学的利用能の低さを克服するために用いられてきた方法は、優れた生物学的利用能を有し、最終的に5−FUに変換されるプロドラッグの投与を含む。カペシタビンは、主にチミジル酸生成酵素の阻害剤として作用するとみなされているフルオロピリミジン代謝拮抗物質である。市販のカペシタビン(N4−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン、ゼローダ(R))は、活性医薬物質150mgまたは500mgを含む両凸の長方形のフィルムコーティング錠剤として供給される;不活性成分としては、ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、および、水が挙げられる。150mg錠剤の外観は、片側にゼローダ、その反対側に150と彫刻された薄桃色の錠剤である。500mg錠剤の外観は、片側にゼローダ、その反対側に500と彫刻された桃色の錠剤である。薄桃色または桃色のフィルムコーティングは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タルク、二酸化チタン、および、合成の黄色および赤色酸化鉄を含む。このようなカプセルは、ガラス製ボトルに入れられると予想される。
【0230】
カペシタビンは、抗腫瘍活性を有するフルオロピリミジンカルバメートである。これは、体内で5−フルオロウラシルに変換される、5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(5’−DFUR)の経口投与プロドラッグである。カペシタビンは、結腸直腸、乳房ならびに頭頚部癌(例えば、5−FUに耐性を有するものなど)において活性であることが実証されている。
【0231】
カペシタビンの化学名は、5’−デオキシ−5−フルオロ−N−[(ペンチルオキシ)−カルボニル]−シチジンであり、359.35の分子量を有する。カペシタビンは、以下の構造式を有する:
【化18】

【0232】
カペシタビンは、健康な組織と比較して、腫瘍組織において高濃度の酵素チミジンホスホリラーゼを利用することによって5−FUを腫瘍選択的に生成するという、特有の活性化メカニズムを有する。これは、消化管で容易に吸収され、腫瘍組織において5−FUに選択的に変換される。経口投与後に、カペシタビンは、消化管から肝臓に無傷で通過し、そこで、カルボキシルエステラーゼによって5’−デオキシ−5−フルオロシチジン(5’−DFCR)に変換され、続いて肝臓および腫瘍組織中のシチジンデアミナーゼによって5’−デオキシ−5−フルオロウリジン(5’−DFUR)に変換され、最終的に、腫瘍組織においてチミジンホスホリラーゼ(dThdPase)によって5−FUに変換される。
【0233】
ゼローダ(R)(カペシタビン、ロシュ・ラボラトリーズ社(Roche Laboratories,Inc.),ナトリー,ニュージャージー州07110)は、単独のフルオロピリミジン療法での治療が好ましい場合、転移性結腸直腸癌を有する患者の第一選択の治療であることが示されている。併用化学療法は、5−FU/LVと比較して延命効果を示す。また、転移性乳癌を有する患者の、先行のアントラサイクリンを含む化学療法が失敗した後の治療のためのドセタキセルを併用するゼローダ(R)も承認されている。また
、ゼローダ(R)は、パクリタキセルとアントラサイクリン療法との両方に耐性を有する転移性乳癌患者(例えば、投与された累積的な用量が400mg/m2のドキソルビシン等価体の患者)の治療のためとも述べられている。耐性は、治療中の進行性の病気(初期応答を有する、または、有さない)、または、アントラサイクリンを含むアジュバントの処方計画での治療を完了して6ヶ月以内の再発と定義される。
【0234】
好ましい一実施形態において、前記治療サイクルは、少なくとも4週間であり、より好ましい実施形態において、前記治療サイクルは、少なくとも3週間である。
【0235】
半固体マトリックス(SSM)として薬物がカプセル封入されているイリノテカンの新しい経口製剤が、ファイザーにより開発されている。このSSMカプセルは、製造および取り扱い中の安全性が改善されているために、好ましい製剤である。このSSM製剤は、意図しない被検体(例えば癌を治療される患者の家族、薬剤師および医者)への意図しない細胞毒性薬の暴露を回避する。
【0236】
この新しいSSMカプセル製剤の生物学的利用能、および、先の第I相試験で用いられたPFC製剤を、イヌで比較した。クロスオーバーデザインで4匹のイヌに各製剤50mgを投与した。血液サンプルを回収し、HPLCを用いて総イリノテカン濃度を解析した。2種の製剤を投与した後の平均血漿濃度−時間プロットが、類似していることがわかった。イリノテカンの生物学的利用能は、イヌで研究した場合、新しいSSMカプセルとPFC製剤とで同等であった。
【0237】
フルオロピリミジン、5−フルオロウラシル(5−FU)、および、トポイソメラーゼI阻害剤、CPT−11はいずれも、静脈内(IV)投与される場合、広範囲の腫瘍活性を有する有効な抗腫瘍薬であることが既知である。これらの薬物は、転移性結腸直腸癌治療におけるケアの基準となりつつある。
【0238】
フルオロピリミジンまたはCPT−11のような細胞周期に特異的な物質の経口投与は、これらのタイプの物質のIV投与に代わる魅力的な代替法である。経口製剤は、連続的なIV輸液を必要とすることなく、活発に循環する悪性細胞に対して長期的な薬物暴露を達成することができる。経口製剤は、患者における利便性という利点、および、持続性の薬物投与のより安価な手段を提供することが可能である。
【0239】
本発明の好ましい一実施形態において、カンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)の経口製剤は、その他の経口化学療法剤を併用するある種の治療設定において好ましい可能性がある長期的な投与の便利な方法を可能にする。例えば、経口イリノテカンとカペシタビンとの併用は、イリノテカンのIV投与と長期的な5−FUに対する便利な代替法を提供する。本発明は、3週間毎に、1日1回×5(1〜5日)で投与される経口イリノテカン(半固体マトリックス)製剤、続いて毎日×9(6〜14日目)で投与されるカペシタビンBIDのMTDおよびDLT決定に関する。加えて、このような併用の全安全性プロファイルを研究したところ、このような併用は、抗腫瘍活性を示すことが見出された。
【0240】
特に他の指定がない限り、この開示は、以下に示す定義を用いる。
【0241】
用語「癌」としては、これらに限定されないが、以下の癌:中皮腫、肝胆(肝管および胆管)癌、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)癌、乳癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、陰門癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系の新生物(CNS)、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、または、前述の癌1種もしくはそれ以上の組み合わせが挙げられる。
【0242】
成句「製薬上許容できる」は、確実な医療的判断の範囲内で、患者の組織との接触に使用するのに適しており、不適当な毒性、刺激性、アレルギー性応答などがなく、適度なベネフィット・リスク比に見合っており、それらの目的とする使用に有効な物質を意味する。
【0243】
「リガンド」は、特に、受容体に結合する低分子物質を意味するものとして用いられる。本発明におけるリガンドの重要なクラスは、式1で示される、上皮増殖因子ファミリーにおける受容体に結合するクラスである。リガンドは、受容体機能の阻害剤であってもよく、活性化因子作用のアンタゴニストであり得る。
【0244】
当業界で一般的な所定の略語が自由に用いられており、文脈中で理解されるべきである。なかでも、薬物動態学(PK)、薬力学(PD)、ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン/ストレプトマイシン(pen/strep)、ロズウェルパーク記念研究所(Roswell Park Memorial Institute)(RPMI)、経口(per os;PO)、1日1回(QD)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、PK解析における分析物の最大濃度(Cmax)、および、PK解析における分析物の平均濃度(Cave)などが挙げられる。
【0245】
本明細書で用いられる放射線という用語は、放射線療法、または、電離放射線を用いた放射線治療を意味する。放射線治療は、固形癌(例えば脳または乳癌)に局所的に用いてもよいし、または、血液およびリンパ系の癌を治療するのに用いてもよい。
【0246】
用語「治療」は、上記で定義されたような「治療する」行為を意味する。
用語「〜を治療すること」は、このような用語が適用される障害または状態を元に戻すこと、緩和すること、進行を阻害すること、または、予防することを意味し、または、このような障害または状態の1またはそれ以上の症状を予防することを意味する。
【0247】
本明細書で用いられる「異常な細胞増殖」は、特に他の指定がない限り、正常な調節メカニズムとは無関係に起こる細胞増殖を意味する(例えば、接触の阻害の損失)。この例としては、(1)突然変異したチロシンキナーゼの発現または受容体チロシンキナーゼの過剰発現によって増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼ活性化が起こっているその他の増殖性疾患の良性および悪性細胞;(4)受容体チロシンキナーゼによって増殖するあらゆる腫瘍;(5)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化によって増殖するあらゆる腫瘍;および、(6)異常なセリン/スレオニンキナーゼ活性化が起こっているその他の増殖性疾患の良性および悪性細胞の異常な増殖が挙げられる。
【0248】
本明細書において、「治療有効量」は、特に他の指定がない限り、望ましい治療効果を達成するのに必要な投与される薬物の量を意味する。
本明細書において、用語「連続的な」は、特に他の規定がない限り、規則正しい配列または順番を特徴とすることを意味する。
本明細書において、用語「〜を分離する」は、特に他の規定がない限り、あるものを他方から離すことを意味する。
本明細書において、用語「同時に」は、特に他の規定がない限り、同じ時間に発生すること、または、なされることを意味し、すなわち、本発明の化合物が、同じ時間に投与されることを意味する。
【0249】
本明細書において、用語「部分的に同時に」は、特に他の規定がない限り、治療計画、サイクル、スケジュールまたはクールの期間中の同じ時間に、本発明の化合物が投与されることを意味する。例えば、部分的に同時の投与の非限定的な例としては、治療計画の1〜5日目にCPT−11とカペシタビンの投与、続いて、6〜14日目にカペシタビンの連続投与、続いて、さらに数日のタルセバの投与が挙げられる。
【0250】
本明細書において、用語「連続的(な)」は、特に他の規定がない限り、徐放性のデポー剤または注射による連続的な輸液を意味する。
【0251】
本明細書において、用語「処方計画」は、特に他の規定がない限り、用量、スケジュールおよび治療期間(例えば、具体的なサイクル数)を明示した治療計画または処方計画、または、不特定のサイクル数、処方計画の期間(例えば、被検体が治癒する、または、それらの病気が進歩するまで)に関する治療計画または処方計画を意味する。
【0252】
本明細書において、用語「サイクル」は、特に他の規定がない限り、被検体に薬物が投与される期間(例えば日)、それに加えて、それに続く治療サイクルが被検体に施されるまでの薬物が投与されない日(休止日)を意味する。サイクルの例は、以下の通りである:イリノテカンの投与が1〜5日目に1日1回、それに続いてカペシタビンの投与が6〜14日目に1日2回、続いて薬物が投与されない日が(休止日)15〜21日目。試験薬物を用いた治療のサイクルは、イリノテカン単剤、または、イリノテカン/カペシタビンの治療クール、加えて、患者が毒性から回復するのに必要な所要時間を含み、さらに、期間は3〜5週間と予想される。従って、治療サイクルは、そのサイクルにおけるイリノテカン投与の第一日目から、サイクル開始時から22日目または29日目または36日目まで、または、新しい治療サイクルを施すのに十分な程度に有害反応から回復するまでのうちいずれか遅いほうの時点までの期間と定義される。これらの状態が起こらなくても、試験療法のさらなるサイクルを開始させた場合、その前のサイクルは完了したとみなされる。
【0253】
本明細書において、用語「スケジュール」は、特に他の規定がない限り、具体的な回数(サイクル)の間、または、被検体が治癒する、または、それらの病気が進歩するまで、のいずれかの期間、各治療サイクルのそれぞれの日に化学療法薬が投与される、計画された順序、用量および頻度を意味する。
【0254】
本明細書において、用語「クール」は、特に他の規定がない限り、薬物が投与される各治療サイクル中の日々を意味する。治療クールの例としては、1〜5日目のイリノテカンの投与(治療の1クール)、それに続いて6〜14日目のカペシタビン投与(治療の1クール)、それに続いて15〜21日目の薬物を投与しない日(1クール)が挙げられる。
【0255】
用語「シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤」および「COX−2選択的阻害剤」は、同じ意味で用いられ、酵素シクロオキシゲナーゼのCOX−2アイソフォームを選択的に阻害する治療化合物を意味する。実際には、COX−2の選択性は、試験が行われる条件と試験される阻害剤に応じて様々である。しかしながら、この特許の目的では、COX−2選択性は、COX−1の阻害に関するインビトロでのIC50値を、COX−2の阻害に関するIC50値で割った比率として測定することができる。COX−2選択的阻害剤は、COX−2のIC50に対するCOX−1のIC50の比率が、1より大きい、さらなる形態では5より大きい、その他の形態では10より大きい、さらにその他の形態では50より大きい、さらにその他の形態では100より大きいあらゆる阻害剤である。COX−1およびCOX−2のIC50値を決定するのに有用なインビトロでの試験は、米国特許第6,034,256号(参照により本明細書に包含される)で提供されている。
【0256】
用語「プロドラッグ」は、被検体の体内の代謝または単純な化学的プロセスによって治療化合物に変換することができる化学物質を意味する。例えば、COX−2阻害剤のプロドラッグのクラスが、米国特許第5,932,598号(参照により本明細書に包含される)で説明されている。
【0257】
以下の表1に、本願で用いられる略語の定義を示す。
【表1】

【0258】
本発明の併用される調製物の構成成分は、別々に、または、連続的に、あらゆる順番で投与することができる。すなわち、本発明は、薬物を併用することによる有益な作用を提供すると予想される処方計画で、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)、および、ピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)を連続的な様式で投与することを包含することを目的とし、同様に、組み合わせの構成物質の両方に起因する有益な作用を受けるのに十分な期間、これらの物質を共投与することを包含することを目的とする。
【0259】
それゆえに、その他の本発明の目的は、患者の癌を治療するために連続使用するための医薬品を製造するための、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)、および、ピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)の使用である。
【0260】
本発明に係る併用される調製物の構成成分は、医学上許容できるあらゆる許容できる方式で患者に投与することができ、このような方式としては、経口、非経口、または、例えばインプラントのような局所領域の治療アプローチを用いることが挙げられる。
【0261】
経口投与は、併用される調製物の構成成分を、例えば、錠剤、カプセル、ロゼンジ、懸濁液、溶液、乳濁液、粉末、シロップなどの適切な経口用の形態で投与することを含む。
【0262】
非経口投与は、併用される調製物の構成成分を、皮下、静脈内、または、筋肉内注射で投与することを含む。インプラントとしては、動脈内のインプラント、例えば肝臓内動脈のインプラントが挙げられる。
【0263】
好ましくは、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)は、経口投与のための製薬上許容できる製剤の形態で経口投与してもよく、これは、より大きい利便性、さらに場合によってはより低いコストの、活発に循環する悪性細胞に対する長期的な薬物暴露のための手段を提供することができる。一般的に、本発明に係る経口投与のための製薬上許容できる製剤は、製薬上許容できるキャリアーまたは希釈剤と組み合わせた、治療有効量のカンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)を含んでいてもよい。経口製剤の例としては、固体経口製剤、例えば錠剤、カプセル、粉末および顆粒、ならびに、液体経口製剤、例えば溶液および懸濁液が挙げられ、これらは、従来の文献、または、当業者周知の一般的な技術に従って製造することができる。
【0264】
本発明に係る適切な経口の投薬形態は、例えばファルマシア&アップジョンS.p.A(Pharmacia&Upjohn S.p.A.)、国際特許出願WO01/10443(2000年7月11日に出願)、テバ社(Teva Pharm.Ind.LTD)の米国特許出願第20020147208号(2001年12月20日に出願)、および、ファルマシア・イタリア(Pharmacia Italia S.p.A.)の国際特許出願WO01/30351(2000年10月2日に出願)で説明されているように製造してもよい。
【0265】
好ましくは、ピリミジン誘導体は、経口投与してもよい。
【0266】
本発明の方法において、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)、および、ピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)は、いずれかの順番で連続的に投与してもよい。当然のことながら、実際の好ましい方法と投与の順番は、選択された用量に影響があるいくつかの因子のなかでも、特に、利用しようとする具体的なイリノテカン製剤、利用しようとする具体的なレビミド(revimid)製剤、治療を受ける患者の年齢、重量および臨床症状、ならびに、治療を施す臨床医または開業医の経験および判断に従って様々であると予想される。一般的に、用量は、腫瘍の成長を遅延させる、好ましくは退縮させる、また好ましくは、癌の完全な退縮も引き起こすのに十分であると予想される。治療有効量の薬剤は、臨床医またはその他の資格を有するオブザーバーが認めるような客観的に識別できる改善を提供するものである。典型的には、患者における腫瘍の退縮が、腫瘍の直径を参考にして測定される。腫瘍の直径が減少することが、退縮を示す。また、退縮は、治療を止めた後に腫瘍が再発しないことによっても示される。
【0267】
本発明に係る方法において、カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)の量は、ピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)の量と共に、癌の治療に関して治療上有効な量を構成する。
【0268】
本発明のさらなる形態は、このような治療が必要な患者の癌を治療する方法を提供することであり、本方法は、前記患者に、治療有効量のカンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体(例えばイリノテカン)、および、その製薬上許容できる塩(例えばCPT−11)を、所定量のピリミジン誘導体(例えばカペシタビン)と共に投与することを含む。
【0269】
投与計画は、好ましくは患者の状態と応答に合わせるべきであり、さらに、状態の変化に応じて調節する必要がある場合がある。
【0270】
ここで、カンプトテシン誘導体(CPT−11)とピリミジン誘導体との連続投与が、固形癌(例えば卵巣、NSCLCおよび結腸直腸癌)の治療において特に有効であることが見出された。本発明で用いることができるピリミジン誘導体としては、ゲムシタビン、MTA、および、カペシタビンが挙げられる。好ましくは、用いられるピリミジン誘導体は、カペシタビンである。
【0271】
ゲムシタビン(ジェムザール)は、抗腫瘍活性を示す。臨床用途のために、ゲムシタビンの塩、2’−デオキシ−2’,2’−ジフルオロシチジン一塩酸塩が非小細胞肺癌(NSCLC)のような固形癌を治療するための静脈注射用溶液として提供される。ゲムシタビンは、細胞分裂の相への特異性を示し、主として、DNA合成(S期)中の細胞を死滅させ、さらにまた、G1期/S期の境界を通過する細胞の進行もブロックする。ゲムシタビンは、細胞内でヌクレオシドキナーゼによって活性な二リン酸(dFdCDP)および三リン酸(dFdCTP)ヌクレオシドに代謝される。ゲムシタビンの細胞病変効果は、DNA合成の阻害を引き起こす二リン酸および三リン酸ヌクレオシドの2つの作用の組み合わせに起因する。まず第一に、ゲムシタビン二リン酸は、DNA合成のためのデオキシヌクレオシド三リン酸を生成する反応の触媒に関与するリボヌクレオチドレダクターゼを阻害する。二リン酸ヌクレオシドによるこの酵素の阻害により、dCTPなどのデオキシヌクレオチド濃度の減少が起こる。第二に、ゲムシタビン三リン酸は、DNAへの取り込みに関してdCTPと競合する。dCTPの細胞内濃度の減少(上記二リン酸の作用による)により、DNAへのゲムシタビン三リン酸の取り込みが強化される(自己的な相乗作用)。ゲムシタビンヌクレオチドがDNAに組み込まれた後、DNAに組み込まれる追加のヌクレオチドはわずか1個である。この追加の後、さらにDNA合成の阻害が起こる。
【0272】
ゲムシタビンは、第II相試験において、CPT−11と組み合わせて膵臓癌の治療剤として見込みがあることが示されている。
【0273】
MTA(複数を標的化した抗葉酸剤)は、代謝拮抗物質であり、葉酸拮抗剤、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤、および、チミジル酸生成酵素阻害剤が挙げられる。これらは、静脈注射用溶液として使用するために提供されており、さらに、マウスにおいて腫瘍成長を阻害することが見出されている。現在のところ、これらは、非小細胞肺癌、中皮腫、黒色腫、膀胱癌、乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌、および、その他の固形癌を治療するためにヒトで試験されている。
【0274】
単剤のイリノテカン、または、カペシタビンと組み合わせを用いると、治療サイクルの間いつでも発生する下痢および/または腹部の痙攣の症状については、ロペラミド(R)で患者を治療することができる。ロペラミドは、(1)不十分な有形便または軟便、または、(2)1日に普段より多い1〜2回を超える排便の発生、または、(3)便量または流動性の顕著な増加の初発徴候で開始させるべきである。ロペラミドは、以下の様式で摂取させるべきである:最初の下痢の発病時に4mg、次に、絶え間なく2時間毎に、下痢がなくなるまで少なくとも12時間、2mg摂取させる。夜の間は、患者は、ロペラミド4mgを4時間毎に摂取してもよい。下痢止めの補助が必要な場合に備えて手元に十分な量を置けるように、最初の診察で患者にロペラミド(提供者によって供給されると予想される)を供給すべきである。追加の下痢止めの手段は、治療する医師の裁量で用いてもよい。患者は、下痢の発症中に水分と電解質の平衡を維持できるように水分摂取を多くし、さらに、患者の日誌にその事象を記録するように指導されるべきである。
【0275】
制吐剤を用いた予防的治療は、最初のクールの治療第一日目には許容されないが、治療する医師の判断に基づき、その後の治療日、および、その後のサイクルで投与することができる。以下の吐き気および嘔吐を治療するための治療アプローチが提唱されている。重症度のグレードが1以上の吐き気または嘔吐の時点で、患者は、以下の物質のいずれか1種を摂取することが示唆されている:(i)チエチルペラジン(トレカン(Torecan(R)))、経口で10mgを1日1〜3回、または、(ii)プロクロルペラジン(コンパジン(Compazine(R)))、経口で5または10mgを1日3または4回、または、(ii)メトクロプラミド(レグラン(Reglan(R)))、投与の20分間前に経口で10〜20mg、または、(v)クロルプロマジン(トラジン(Thorazine(R)))、経口で10〜25mgを4〜6時間毎。
【0276】
患者が、この鎮吐薬の処方計画でもなお許容できない吐き気または嘔吐を有する場合、5HT3ブロッカーを含む処方計画を変更してもよく、このような5HT3ブロッカーとしては、例えば以下の一種が挙げられる:(i)塩酸オンダンセトロン(ゾフラン(R))、イリノテカン投与の1時間前までに経口で8mg、さらに追加は1日2回まで、または、(ii)塩酸グラニセトロン(カイトリル(R))、イリノテカン投与の1時間前までに経口で1mg、および、投与日に必要に応じて12時間後に1mg。
【0277】
上述したもの代わりに、その他のあらゆる5HT3−アンタゴニストが、治療する医師によって望ましいように用いることができる。
【0278】
再発の許容できない吐き気または嘔吐がある場合、追加の薬物療法を用いてもよい。可能な物質としては、以下が挙げられる:(i)ロラゼパム(アチバン(Ativan(R)))、経口で4時間毎に1〜2mg、または、(ii)デキサメタゾン(Decadron(R))、経口で4〜8mgを1日2回。
【0279】
予防のためにIVの制吐剤を必要とする吐き気および嘔吐は、DLTとみなされるべきである。
【0280】
イリノテカン摂取の直後に、初期のコリン作動性症候群の流涙、発汗、潮紅、腹部の痙攣、下痢またはその他の症状が起こる可能性がある。過去の研究において、静脈内または皮下投与されたアトロピン0.25〜1mgが、イリノテカンを静脈内投与された患者のこれらの症状の治療として用いられてきた。煩わしいコリン作動性の症状は、必要に応じて4時間毎の経口または舌下のヒオスシアミン0.125〜0.25mgで治療してもよい。
【0281】
その後のサイクルでの好中球減少を伴う再発性の困難に苦しむ患者において、または、重篤な好中球減少性の合併症(例えば組織感染、敗血症候群、真菌感染など)を有する患者を治療する用途において、G−CSFの予防的投与を利用してもよい。また、エリスロポイエチンも本発明と共に利用可能である。
【0282】
本発明において、以下の表2に示す以下の定義が、標的病変に適用される:
【表2】

【0283】
本発明において、以下の表3に示す以下の定義が、非標的病変に適用される:
【表3】

【0284】
あらゆる浸出物中の、測定可能な腫瘍が応答またはSDに関する基準に達した場合の治療中に出現または悪化する新生物源の細胞学的な確認は、応答またはSDと、PDとを区別することを必要とする。
【0285】
PRまたはCRの条件に割り当てるために、応答する腫瘍を有する患者での腫瘍測定における変化は、繰り返しの試験で確認しなければならず、このような試験は、最初に応答に関する基準が満たされてから4週間を過ぎて行われるべきである。SDの場合、経過観察の測定は、6週間の最小インターバルで試験開始後に少なくとも1回はSD基準を満たしていたはずである。
【0286】
標的病変と非標的病変の両方が存在する場合、個々の評価は、別々に記録されると予想される。応答の総合評価は、以下の表4に示される全てのパラメーターを含むと予想される。
【表4】

【0287】
最良の総合的な応答は、治療を開始してから記録された最小の測定記録を、腫瘍の進行の参照として用いた、治療開始時から病気の進行/再発までに記録された最良の応答である。患者の最良の応答の割り当ては、測定基準と確認基準の両方の達成に依存すると予想される。
【0288】
MTDは、最初の治療サイクル中に、6人中0または1人の患者が、DLTを経験する開始用量レベルであり、次回のより高い用量で、少なくとも3人中2人または6人中2人の患者がDLTを経験する。実際には、MTDは、患者の33%超で、最初のサイクル中のDLTに伴う用量である。
【0289】
本発明の方法の一形態において、活性物質の量は、少なくとも、治療の相乗効果が生じるのに十分な量である。従って、本発明の方法の工程を組み合わせることは、いずれか単独での場合と比較して改善された癌治療である。
【0290】
本発明の組み合わせは、経口、頬側、舌下、経腟、十二指腸内、非経口、局所または直腸に投与することができる。本製剤は、好ましくは具体的な投与様式に適合させると予想される。本発明の抗体の組み合わせは、その組み合わせとは異なる化合物と実質的に同時に投与することができる。上記組み合わせの個々の成分の配合は、各物質の特性、および、担当者が要求する望ましい薬理学的な作用に依存する。
【0291】
本発明の方法は、ヒトに適用可能である。ヒト以外も治療することができる。例えば、このような哺乳動物としてはウマが挙げられる。
【0292】
本発明の方法は、雌の哺乳動物への投与に有用である。また、本方法は、雄にも有用な可能性がある。このような哺乳動物は、成人であり得る。その他の形態において、乳児、子供、若者または高齢者を本発明の方法で治療することができる。
【0293】
本発明の方法は、多種多様の異常な細胞増殖の状態に適用可能である。一形態において、本方法およびキットは、癌に有利に適用される。このような癌は、中皮腫、肝胆(肝管および胆管)癌、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)癌、乳癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、陰門癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、または、前述の癌1種もしくはそれ以上の組み合わせからなる群より選択することができる。
【0294】
また、その他の癌も、本発明の方法での治療を許容することが可能である。一形態において、癌は、卵巣癌、結腸癌、および、乳癌からなる群より選択される。その他の形態において、癌は、乳癌または結腸癌である。さらにその他の形態において、癌は、転移性乳癌または結腸癌である。
【0295】
また、本発明の方法は、アジュバント療法にも適用可能であり、ここで、例えば、哺乳動物は、化学療法クールを以前に受けているか、または、化学療法クールを受けている最中である。このような形態において、残存する癌は、微小残存病変であり得る。その他の形態において、本発明の方法は、予防手段として適用することができる。従って、例えば、本方法は、測定可能な病気が検出できない場合の癌の寛解期にある哺乳動物に適用させることができる。
【0296】
本発明はまた、癌を治療するために連続投与するための、(a)上述のような第一の物質(カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体)、および、(b)(a)に同封された書面の説明書を含むキットも含む。従って、この書面の説明書で、様投与式を詳細に述べ、条件を付けることができる。
【0297】
本発明はまた、癌を治療するために連続投与するための、(a)上述のような第二の物質(ピリミジン誘導体)、および、(b)(a)に同封された書面の説明書を含むキットも含む。従って、この書面の説明書で、様投与式を詳細に述べ、条件を付けることができる。
【0298】
本発明はまた、癌を治療するために連続投与するための、(a)上述のような第一の物質(カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体)、および、(b)第二の物質(ピリミジン誘導体)、および、(c)(a)および(b)のために同封された書面の説明書を含むキットも含む。従って、この書面の説明書で、様投与式を詳細に述べ、条件を付けることができる。
【0299】
開示された化合物は、経口投与してもよい。経口投与には、本化合物が消化管に入るように嚥下を含む場合があり、または、バッカルまたは舌下投与を用いてもよく、それにより本化合物は口から直接血流に入る。
【0300】
経口投与に適した製剤としては、固体製剤、例えば錠剤、微粒子、液体または粉末を含むカプセル、ロゼンジ(例えば、液体が充填されたもの)、噛むもの、マルチおよびナノ微粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(例えば、粘膜付着)、腔坐剤、スプレーおよび液体製剤が挙げられる。液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、および、エリキシルが挙げられる。このような製剤は、ソフトまたはハードカプセル中で充填剤として用いてもよく、さらに典型的には、キャリアー、例えば水、EtOH、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油、および、1またはそれ以上の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。また、例えば小袋から固体を再溶解させて液体製剤を製造することもできる。
【0301】
開示された化合物はまた、速溶性、速崩壊性の投薬形態で用いることもでき、このような形態は、例えば、LiangおよびChen,Expert Opinion in Therapeutic Patents(2001)11(6):981〜986で説明されているものがある。
【0302】
錠剤の投薬形態に関して、用量に応じて、薬物は、投薬形態の1wt%〜80wt%を構成していてもよく、より典型的には投薬形態の5wt%〜60wt%を構成していてもよい。薬物に加えて、錠剤は、一般的に、崩壊剤を含む。崩壊剤の例としては、グリコール酸ナトリウムスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキルで置換されたヒドロキシプロピルセルロース、スターチ、α化デンプン、および、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般的に、崩壊剤は、投薬形態の1wt%〜25wt%、好ましくは5wt%〜20wt%で含まれると予想される。
【0303】
結合剤は、一般的に、錠剤の配合に粘着性を付与するために用いられる。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム類、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、および、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤はまた、希釈剤を含んでいてもよく、例えばラクトース(一水化物、スプレー乾燥させた一水化物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、スターチ、および、リン酸水素カルシウム二水和物が挙げられる。
【0304】
また、錠剤は、場合により、表面活性物質、例えばラウリル硫酸ナトリウム、および、ポリソルベート80、および、滑剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクを含んでいてもよい。それらが存在する場合、表面活性物質は、錠剤の0.2wt%〜5wt%で含まれて
いてもよく、滑剤は、錠剤の0.2wt%〜1wt%で含まれていてもよい。
【0305】
また、錠剤は、一般的に、潤滑剤も含み、このような潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、および、ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物が挙げられる。潤滑剤は、一般的に、錠剤の0.25wt%〜10wt%、好ましくは0.5wt%〜3wt%で含まれる。保存剤、抗酸化剤、矯味矯臭薬剤、および、着色剤などのその他の成分を含んでいてもよい。
【0306】
錠剤のブレンドを直接圧縮して、錠剤を形成してもよい。あるいは、錠剤のブレンドまたはブレンドの一部を、錠剤化する前に、湿式、乾式または溶融造粒してもよいし、溶融させて凍結させてもよしい、または、押出してもよい。最終的な製剤は1またはそれ以上の層を含んでいてもよく、さらに、コーティングされていてもよいし、または、コーティングされていなくてもよい。典型的な錠剤は、薬物を約80%まで、結合剤を約10wt%〜約90wt%、希釈剤を約0wt%〜約85wt%、崩壊剤を約2wt%〜約10wt%、および、潤滑剤を約0.25wt%〜約10wt%含む。錠剤の配合に関するさらなる詳細については、H.Lieberman and L.Lachman,Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1(1980)を参照。
【0307】
経口投与のための固体製剤は、即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。放出制御製剤としては、遅延型、持続型、パルス型、制御型、標的化、および、プログラム化された放出が挙げられる。適切な放出制御製剤の一般的な説明については、米国特許第6,106,864号を参照。高エネルギーの分散および浸透性を有するコーティングされた粒子のようなその他の有用な放出技術の詳細については、Verma等,Pharmaceutical Technology On−line(2001)25(2):1〜14を参照。制御放出を達成するためのチューインガム使用の考察については、WO00/35298を参照。
【0308】
また、開示された化合物(式1および塩)は、血流、筋肉または内臓に直接投与してもよい。非経口投与のための適切な手段としては、静脈内、動脈内、腹膜内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下が挙げられる。非経口投与に適切な装置としては、注射針(例えば微細針)の注入装置、無針注入装置、および、輸液技術が挙げられる。
【0309】
非経口製剤は、典型的には水溶液であり、このような水溶液は、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH3〜9)のような賦形剤を含んでいてもよいが、いくつかの用途では、このような水溶液は、滅菌したパイロジェンフリー水のような適切な基材と共に用いるために、滅菌非水溶液または乾燥形態でより適切に製剤化される場合がある。滅菌条件下での、例えば凍結乾燥による非経口製剤の製造は、当業者周知の標準的な製薬技術を用いて容易に達成することができる。
【0310】
非経口溶液の製造で用いられる開示された化合物の溶解性は、溶解促進剤の取り込みのような適切な配合技術を用いることによって高めてもよい。非経口投与のための製剤は、上述のように即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。従って、開示された化合物は、活性化合物の長期放出を提供する埋め込まれたデポー剤として投与するための、より固形の形態で製剤化されてもよい。
【0311】
また、本発明の化合物は、皮膚上または経皮のいずれかで、皮膚または粘膜に局所投与してもよい。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯剤、発泡体、フィルム、皮膚用パッチ剤、ウェハー、インプラント、スポンジ、繊維、包帯、および、マイクロエマルジョンが挙げられる。また、リポソームを用いてもよい。典型的なキャリアーとしては、アルコール、水、ミネラルオイル、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および、プロピレングリコールが挙げられる。また、局所用製剤は、浸透促進剤を含んでいてもよい。例えば、FinninおよびMorgan,J Pharm Sci(1999)88(10):955〜958を参照。
【0312】
その他の局所投与の手段としては、イオン導入、エレクトロポレーション、音波泳動法、超音波導入法、および、無針(例えばPOWDERJECT)注射または微細針による注射による送達が挙げられる。局所投与のための製剤は、上述のように即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。
【0313】
また、開示された化合物は、鼻腔内に、または、吸入法によって投与することもでき、典型的には、乾燥粉末の吸入器からの乾燥粉末の形態で(単独、混合物として(例えばラクトースとの乾燥ブレンドで)、または、混合成分の粒子として(例えばリン脂質との混合で)のいずれか)、または、加圧された容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは微細なミストを生産する電気流体力学を用いたアトマイザー)またはネブライザーからのエアロゾルスプレーとして(ジクロロフルオロメタンのような適切な噴射剤を使用してもよいし、または、使用しなくてもよい)投与される。加圧された容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーには、活性化合物、活性化合物を分散する、活性化合物を可溶化する、または、活性化合物の放出を延長するための物質(例えば、EtOHまたは水性EtOH)、1またはそれ以上の溶媒(噴射剤として役立つ)、および、任意の界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンまたはオリゴ乳酸を含む溶液または懸濁液が含まれる。
【0314】
乾燥粉末または懸濁液の配合に用いる前に、薬物生成物を、吸入法による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉末化する。これは、あらゆる適切な粉砕法、例えばスパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体プロセシング、高圧均質化、または、噴霧乾燥によって達成することもできる。
【0315】
吸入器または注入器で使用するための、カプセル、ブリスターおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースで製造された)は、活性化合物の粉末混合物、適切な粉末基材、例えばラクトースまたはスターチ、および、性能調節剤、例えばL−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムが含まれるように製剤化されてもよい。ラクトースは無水でもよく、または、好ましくは一水和物である。その他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、および、トレハロースが挙げられる。
【0316】
微細なミストを生産する電気流体力学を用いたアトマイザーで使用するための適切な溶液製剤は、1回作動あたり本発明の化合物を1μg〜20mg含んでいてもよく、作動体積は、1μl〜100μlの範囲で様々であってよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、EtOHおよびNaClを含んでいてもよい。プロピレングリコールの代わりに用いてもよいその他の溶媒としては、グリセロール、および、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0317】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えばDL−乳酸−グリコール酸共重合体(PGLA)を用いて即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。適切な矯味矯臭薬剤、例えばメントール、および、レボメントール(levomenthol)、または、甘味料、例えばサッカリン、または、サッカリンナトリウムを、吸入/鼻腔内投与を目的とする製剤に添加してもよい。
【0318】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投与単位は、定量吐出バルブによって決定される。本発明に係る単位は、典型的には、活性薬剤成分が100〜1000μg含まれる測定量または「一吹き」が投与されるように調整される。全体の1日用量は、典型的には100μg〜10mgの範囲と予想され、これらは、単回投与で投与してもよいし、または、より一般的には、一日数回に分けた用量で投与される。
【0319】
活性化合物は、直腸または経腟的に、例えば坐剤、膣坐剤または浣腸の形態で投与してもよい。カカオバターが従来の坐剤基剤であるが、必要に応じて様々な代替物を用いてもよい。直腸の/経腟投与のための製剤は、上述のように即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。
【0320】
また、開示された化合物は、眼または耳に直接投与してもよく、典型的には、等張のpH調節した滅菌生理食塩水中の微粉末化した懸濁液または溶液の滴剤の形態で投与される。眼および耳への投与に適したその他の製剤としては、軟膏、生分解性(例えば、吸収性のゲルスポンジ、コラーゲン)、および、非生分解性(例えば、シリコーン)のインプラント、ウェハー、レンズ、および、微粒子または小胞系、例えばニオゾーム(niosome)またはリポソームが挙げられる。塩化ベンザルコニウムのような保存剤と共に、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロース)、または、ヘテロ多糖ポリマー(例えばジェランガム)のようなポリマーが包含されていてもよい。このような製剤はまた、イオン導入で送達することもできる。眼/耳への投与のための製剤は、上述のように即時放出および/または放出調節されるように製剤化してもよい。
【0321】
開示された化合物は、それらの溶解性、溶解速度、味のマスキング、生物学的利用能および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンまたはポリエチレングリコールを含むポリマーのような可溶性高分子物質に結合させてもよい。例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般的にほとんどの投薬形態および投与経路に有用であることがわかっている。包接錯体と非包接錯体の両方が使用可能である。薬物との直接の錯化に代わる方法として、シクロデキストリンを、補助的な添加剤として、すなわちキャリアー、希釈剤または可溶化剤として用いてもよい。これらの目的には、アルファ、ベータおよびガンマシクロデキストリンが一般的に使用される。例えば、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、および、WO98/55148を参照。
【0322】
当然ながら、上記の説明は、説明することを目的としており、限定的なものではない。当業者であれば、上記の説明を読めば多くの実施形態が明白であると思われる。それゆえに、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、その代わりに、添付の請求項を参照して、さらにこのような請求項が権利を有するあらゆる等価体も共に用いて決定されるべきである。特許、特許出願および特許公報などを含む全ての記事および参考文献の開示は、この参照によりそれらの全体が開示に含まれる。
【0323】
〔実施例〕
実施例1:経口イリノテカンの製剤
経口イリノテカン製剤は、ハードゼラチンカプセルに供給され、ここにおいて、イリノテカンは、半固体マトリックス中に、塩酸イリノテカン三水和物として5、20または50mgが含まれる。
表5に、5、20および50mgカプセルの組成を示す。
【表5】

【0324】
5、20および50mgのカプセルを区別するために、以下のようにカプセルの殻の外表面に色付きのバンドを付けた(すなわち、色付きのバンドは、カプセル内容物に直接接触しないと予想される):
5mgの用量、サイズ2、自己ロックするハードゼラチンカプセル、リキャップス(R)タイプ、不透明な白色の本体と蓋を有する。
20mgの用量、サイズ2、自己ロックするハードゼラチンカプセル、リキャップス(R)タイプ、不透明な白色の本体と、不透明な赤と白の縞模様が印刷された蓋を有する。
50mgの用量、サイズ0、自己ロックするハードゼラチンカプセル、リキャップス(R)タイプ、不透明な白色の本体と、不透明な白と黒の縞模様が印刷された蓋を有する。
【0325】
この薬物製剤を、制御された室温で、子供が操作できない不正開封防止機能の付いたプラスチック製ねじ蓋で密封された不透明な白色のHDPEボトル中で保存した。
【0326】
実施例2:経口イリノテカン、および、カペシタビンの投与方法
3週間の治療サイクルそれぞれの1〜5日目に、経口の1日用量のイリノテカンを1回で投与した。毎朝ほぼ同じ時間にイリノテカンを水と共に投与し、イリノテカン摂取前の1時間と、イリノテカン摂取後の1時間絶食した。絶食には、治験薬ではない処方箋を必要とする薬、または、処方箋のいらない薬を摂取しないことが含まれる。グレープフルーツジュースは、腸壁における所定の薬物のチトクロームP450 3A4が介在する代謝を阻害することが示されている[Greenblatt,D,von Moltke,L,Harmatz,J等.Time course of recovery of cytochrome P450 3A function after single doses of grapefruit juice.Clinical Pharmacology and Therapeutics9:74:2 121〜129,2003年4月]。経口イリノテカン代謝の成分にP450 3A4が介在するため、グレープフルーツジュースは、経口イリノテカン投与前の少なくとも3日間、または、経口イリノテカン投与後の4時間は摂取しなかった。実際に計算した体表面積に基づくイリノテカンカプセルの適切な1日用量は、コップ一杯の水(150〜200mL)で全て飲み込めた。各サイクルの治療1日目は、診療所で投与された。その後、それぞれ1回の治療クールの期間中自宅で摂取できるように、患者に十分量のカプセルを与えた。
【0327】
カペシタビンは、ロシュ・ラボラトリーズ(Roche Labratories,ナトリー,ニュージャージー州07110)から商品名ゼローダ(Zeloda(R))で市販されている。カペシタビンを、3週間の治療サイクルそれぞれの6〜14日目に(1〜5日目の経口イリノテカンの投与後)、1日2回に分けて、経口投与した。カペシタビンを、水(フルーツジュースではなく)で、毎朝および毎晩ほぼ同じ時間に、食後30分間以内に、各用量は約12(2時間間隔あけて投与した。実際に計算した体表面積に基づくカペシタビン錠剤の適切な用量、は、コップ一杯の水(150〜200mL)で全て飲み込めた。それぞれ1回の治療クールの期間中自宅で摂取できるように、患者に十分量の錠剤を与えた。
【0328】
実施例3:進行した固形癌を有する患者における、経口イリノテカンおよびカペシタビンの半固体マトリックス製剤の、安全性、薬物動態学的および生物学的利用能の試験
経口イリノテカンは、安全かつ、便利に、細胞分裂する腫瘍細胞をSN−38(イリノテカンの活性代謝産物)に長期的に接触させることを達成させる可能性がある。イリノテカンのSSMの最大許容用量(MTD)は、60mg/m2/日×5であった(Proc ASCO22:130,2003(#521))。この試験は、1〜5日目に経口イリノテカンSSMカプセルの投与、それに続く6〜14日目に経口カペシタビンの投与、それに続く15〜21日目の休止期間の、最大許容用量(MTD)、用量規制毒性(DLT)を評価した。
【0329】
連続した患者群に、3週間毎に、経口イリノテカンを5日連続で1日1回投与し、続いてカペシタビンを9日連続投与した。MTDは、3人中2人未満、または、6人中2人未満の患者がDLTを経験する最大用量レベルと定義した。追加の11人の患者を、MTDで治療した。以下の表6に、本試験に関するグレード3または4の有害反応のパーセンテージの要約を示す。本試験では、顕著な好中球減少性の発熱は報告されなかった。
【表6】

【0330】
MTDを決定するために、用量漸増試験からなる第1期Aでは以下の試験設計を用いた。試験段階Bの第2期では、10人を超える被験者に関するMTDでの試験設計の実行可能性を評価した。この試験において、3週間の試験サイクルで、イリノテカンをカプセルとして1〜5日目に1日1回、それに続いてカペシタビンを6〜14日目に1日2回、経口投与した。カペシタビンを、朝1回と晩1回に投与した。以下の用量レベル(体表面積のmg/m2)を用いた:(a)40mg/m2のイリノテカンを1日1回(QD)、および、800mg/m2のカペシタビンを1日2回(BID);および、(b)50mg/m2のイリノテカンをQD、および、800mg/m2のカペシタビンをBID。用量漸増は、3〜6人の被験者からなる連続する同齢集団で行われた。MTDは、6人中2人未満の用量規制毒性(DLT)での最大用量レベルと定義された。DLTは、試験のサイクル1中の以下の有害反応のいずれかと定義された;(a)血液学的な毒性:グレード4の好中球減少、好中球減少性の発熱、好中球減少性の感染、または、グレード4の血小板減少、(b)最大限のロペラミドでの治療にもかかわらず、グレード3より大きい、またはそれと同等の下痢;(c)最大限の鎮吐薬での治療にもかかわらず、グレード2より大きい、またはそれと同等の吐き気または嘔吐;(d)グレード3より大きい、またはそれと同等の非血液学的な毒性;(e)治療クールが完了できないこと;および、(f)35日までに、グレード1未満またはそれに等しい毒性に回復しないこと。
【0331】
以下の適格基準を用いて、被験者(患者)を以下の表7に示される試験に対して適格とした。表8に、この試験における適格基準を示す。
【0332】
【表7】

【0333】
【表8】

【0334】
以下の表9に、この試験に参加した患者に関する特徴の一覧を示す。
【表9】

【0335】
以下の表10は、表9の同齢集団#1および#2における患者の治療中に観察された用量規制毒性を示す。
【表10】

【0336】
以下の表11は、表9の同齢集団#1および#2における患者の治療中に観察されたグレード3および4の用量規制毒性を示す。
【表11】

【0337】
以下の表12は、表9の同齢集団#1および#2の治療中に必要な用量の減少を示す。
【表12】

【0338】
以下の表13は、表9の同齢集団#1および#2の治療中に治療を中止した理由を示す。
【表13】

【0339】
以下の表14は、表9の同齢集団#1および#2の治療中の段階2からの最良の応答を示す。
【表14】

【0340】
以下の表15は、表9の同齢集団#1および#2の治療中の最良の腫瘍応答を示す。
【表15】

【0341】
出願人は、カプセル中の半固体マトリックス製剤としての経口イリノテカンの投与が、その後のカペシタビンの投与との併用により、多種多様な癌を治療する有効な方法を提供し、イリノテカンおよび5−FUでの静脈内療法に代わる便利な代替法を提供することを発見した。
【0342】
3週間毎に、1日1回×5、用量40mg/m2/日で投与される経口イリノテカン、それに続いて9日間、800mg/m2(BID)で投与されるカペシタビンの投与計画は、患者が十分に許容できることが見出された。有利な安全性プロファイルは、有害反応の低い発生率、および、用量の減少数がわずかであること(128サイクルから2サイクル)によって示されている。驚くべきことに、これらの試験の間、好中球減少性の発熱は報告されなかった。
【0343】
イリノテカンとカペシタビンのその他の用量の組み合わせも使用可能であることが想定され、例えば、50mg/m2/日のイリノテカン、それに続いて800または1000mg/m2(BID)のカペシタビンである。加えて、UGT1A1、および、イリノテカンの代謝および処理に関連するその他の遺伝子に関して登録された患者の遺伝薬理学的評価を利用して、関連する逆の現象を制限してもよい。
【0344】
実施例4:癌患者のための経口での治療計画
被検体は、イリノテカン、カペシタビンおよび抗癌剤の用量の組み合わせを投与することによって治療することもできる。イリノテカンは、50mg/m2/日で1日1回投与され、それに続いてカペシタビンは800または1250mg/m2(BID)で、および、抗癌剤(例えばイレッサ)は250mg錠剤を1日1回投与される。あるいは、イレッサの代わりに、100mgまたは400mgのグリーベック錠剤のような抗癌剤を用いてもよい。
【0345】
実施例5:癌患者のための併用療法の治療計画
被検体は、イリノテカン、カペシタビンおよび抗癌剤の用量の組み合わせを投与することによって治療することもできる。イリノテカンは、50mg/m2/日で1日1回投与され、それに続いて、カペシタビンは800または1250mg/m2(BID)で、および、抗癌剤(例えばアバスチンまたはエルビタックス)は輸液で投与される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常な細胞増殖を有する被検体に、(a)カンプトテシン、カンプトテシン誘導体、インドロピロカルバゾール誘導体からなる群より選択される化合物、または、該化合物の製薬上許容できる塩、溶媒化合物またはプロドラッグ;(b)ピリミジン誘導体、または、該ピリミジン誘導体の製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグ;および、(c)増殖抑制剤、キナーゼ阻害剤、血管新生阻害剤、増殖因子阻害剤、cox−I阻害剤、cox−II阻害剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝産物、抗生物質の挿入薬、増殖因子阻害剤、放射線、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答調整物質、抗体、細胞毒性物質、抗ホルモン、抗アンドロゲン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む、被検体における異常な細胞増殖を治療する方法。
【請求項2】
カンプトテシンまたはカンプトテシン誘導体は、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、イリノテカン、イリノテカン塩、SN−38、CPT−11、トポテカン、または、それらの製薬上許容できる塩、溶媒化合物もしくはプロドラッグからなる群より選択され、インドロピロカルバゾール誘導体はエドテカリンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
抗癌剤は、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、pan erbB2阻害剤、CTLA4モノクローナル抗体、IGF1Rモノクローナル抗体、CD40モノクローナル抗体、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、PD−0325901、エクセムスタン、エピルビシン、デクスラゾキサン、エルロチニブHCl、ゲンフィチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、パーツズマブ、トシツモマブ、ブリツマブ、チウキセタン、リツキシマブ、パニツムマブ、パクリタキセル、ドキソルビシン、セレコキシブ、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、RS57067、NS−398、バルデコキシブ、パラコキシブ、ロフェコキシブ、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、エトリコキシブ、および、放射線からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
抗癌剤は、エルロチニブHCl、ベバシズマブ、セツキシマブ、パーツズマブ、および、トラスツズマブからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
抗癌剤は、放射線である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化合物(a)、(b)および(c)は、治療サイクルの間、同時に、または、部分的に同時に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
化合物(a)、(b)および(c)は、治療サイクルの間、別々に、または、連続的に投与される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
異常な細胞増殖は、中皮腫、肝胆(肝管および胆管)癌、原発性もしくは続発性CNS腫瘍、原発性もしくは続発性脳腫瘍、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚黒色腫もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸および十二指腸)癌、乳癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、膣癌、陰門癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性または急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓癌もしくは尿管癌、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊髄軸の腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽腫、または、前述の癌1種もしくはそれ以上の組み合わせからなる群より選択される癌である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
癌を有する被検体に、経口CPT−11、カペシタビン、および、SU−11248、CP−547,632、CP−868,596、CP−724,714、CI−1033、GW−572016、pan erbB2阻害剤、CTLA4モノクローナル抗体、IGF1Rモノクローナル抗体、CD40モノクローナル抗体、AG−013736、AG−002037、PD−0332991、PD−0325901、エクセムスタン、エピルビシン、デクスラゾキサン、エルロチニブHCl、ゲンフィチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、パーツズマブ、トシツモマブ、ブリツマブ、チウキセタン、リツキシマブ、パニツムマブ、パクリタキセル、ドキソルビシン、セレコキシブ、パレコキシブ、デラコキシブ、ABT−963、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、RS57067、NS−398、バルデコキシブ、パラコキシブ、ロフェコキシブ、SD−8381、4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)−1−(4−スルファモイル−フェニル)−1H−ピロール、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)−1H−ピロール、T−614、JTE−522、S−2474、SVT−2016、CT−3、SC−58125、エトリコキシブ、および、放射線からなる群より選択される抗癌剤を投与することを含む、被検体における癌を治療する方法。
【請求項10】
3週間サイクルの1〜5日目に40〜50mg/m2の経口CPT−11が投与され、3週間サイクルの6〜14日目に800〜1250mg/m2のカペシタビンが投与される、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2008−501677(P2008−501677A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514187(P2007−514187)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001527
【国際公開番号】WO2005/117980
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】