説明

異常検出装置及び異常検出方法

【課題】テレビジョン受像機の異常検出の種類を識別しやすくするための異常表示方法を提供する。
【解決手段】チューナ部とモニタ部の二体型構成のテレビジョン受像機において、チューナ部で異常を検出し、異常内容をモニタ部に通知し、モニタ部でチューナ部の異常内容を表示する手段を備えることで、異常検出の種類を識別しやすくする。これにより、表示部において、エラーの内容、例えば、チューナ部の復調部において電源異常が生じた等の表示を行うことが可能になり、ユーザーは一見して、エラーの内容を把握することが可能になるとともに、その他の構成については電源がOFFされていることから、電源異常に対しても適切な処理を行うことが可能になるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、チューナ部とモニタ部が別装置により構成されている二体型の装置における異常検出装置及び異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン受像機の異常検出時は、安全のため電源をオフしランプを点滅させる方法と、異常の種類に応じてランプの点滅回数を変える方法が知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−220678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、チューナ部とモニタ部の二体型構成のテレビジョン受像機では、異常検出の種類が増加し、それに伴いランプの点滅回数も増加しているため、点滅回数を誤って数える可能性があるという課題があった。例えば、異常検出の種類が20種類の場合、ランプ点滅回数が最大20回となる。
また、上述した従来の技術においては、例えば、テレビジョン受像機の異常検出時において、テレビジョン受像機のモニタにエラー表示を行うことも考えられるが、この場合には、モニタに高電圧を印加する必要があり、例えば、電源異常が検出されている場合に、モニタに電源を供給することは適切ではない。従って、この場合には、ユーザーに対して、エラー表示を行うことができないという問題も生じる。
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑みて、生じている異常状態の内容に応じて、異常検出の種類を識別しやすくするための異常表示装置及び異常表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の二体型テレビジョン受信機は、チューナ部で異常を検出し、異常内容をモニタ部に通知し、モニタ部でチューナ部の異常内容を表示する手段を備えたことを特徴とする。例えば、チューナ部で異常Aを検出した場合、異常Aの情報をモニタ部に通知し、モニタ部で異常A発生の表示を行うことで、チューナ部の異常内容をモニタ部に表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の二体型テレビジョン受像機によれば、異常検出の種類を識別しやすくすることが可能となる。また、チューナ部においては、モニタ部への通知を行う際に必要な回路にのみ電源を供給すればよく、電源異常が生じた場合であっても、適切にユーザーにエラー内容を表示することが可能になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の二体型テレビジョン受像機を示すブロック図
【図2】本発明のチューナ部における処理手順を示すフローチャート
【図3】本発明モニタ部における処理手順を示すフローチャート
【図4】本発明の二体型テレビジョン受像機を示すブロック図
【図5】本発明のチューナ部における処理手順を示すフローチャート
【図6】本発明モニタ部における処理手順を示すフローチャート
【図7】本発明の電源制御部における処理内容を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例1)
実施例1について、図1から図3を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1による二体型テレビジョン受像機の構成を示すブロック図である。
【0010】
チューナ部101は、異常検出を行う異常検出部102と、異常内容をモニタ部105に通知する対モニタ通信部103と、前記異常検出部102、対モニタ通信部103を制御するチューナ部マイクロコンピュータ104で構成されている。
【0011】
モニタ部105は、チューナ部101から通知される異常内容を受信する対チューナ通信部106と、異常内容をモニタに表示する表示部107、前記対チューナ通信部106と、表示部107を制御するチューナ部マイクロコンピュータ108で構成されている。
【0012】
次に、本実施の形態1による二体型テレビジョン受像機のチューナ部の異常検出時の動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。
【0013】
チューナ部マイクロコンピュータ104の制御により、異常検出の有無の判定を行い、異常検出有りの場合(ステップ201で「Y」)、異常内容を取得し(ステップ202)、異常内容をモニタ部に通知する(ステップ203)。異常検出無しの場合(ステップ201で「N」)、何も行わない。
【0014】
次に、本実施の形態1による二体型テレビジョン受像機のモニタ部の異常検出時の動作を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0015】
モニタ部マイクロコンピュータ108の制御により、チューナ部からの異常通知の有無の判定を行い、異常通知有りの場合(ステップ301で「Y」)、異常内容を受信し(ステップ302)、異常内容を表示する(ステップ303)。異常通知無しの場合(ステップ301で「N」)、何も行わない。
【0016】
以上のように、二体型テレビジョン受像機は、異常検出の種類を識別しやすくすることが可能となる。
【0017】
なお、本実施例では、コンピュータプログラムによってそれぞれの手段が制御されることで実現したが、このコンピュータプログラムをDVD等の記録媒体に記録しておくことにより、移送が可能となり、独立した他のテレビジョン受像機においても容易に実施することが可能である。
(実施例2)
実施例2について、図4から図7を参照しながら説明する。なお、上述した実施例1と同じ内容については、重複した内容となるため、その説明を省略する。ここで、実施例1と実施例2とが異なる部分は、実施例2は、実施例1に加えて、チューナ部101に電源制御部400及びLED発光部402を設けた点である。以下この点を中心に説明する。
【0018】
電源制御部400は、異常検出部102により異常を検出した場合に、検出した異常の内容に応じて、チューナ部101及びモニタ部105を構成する各回路に対する電源供給を制御する。ここで、検出した異常の内容とは、例えば、異常な電源が供給されている場合の他、ソフトウェアのバグによりエラーが生じている場合、モニタとの通信にエラーが生じている場合等、チューナ部101において生じるあらゆるエラーを意味している。また、チューナ部101において生じるエラーのみならず、モニタ部105において生じるあらゆるエラーも対象とするものである。
【0019】
次に、図5から図7を参照しながら、電源制御部400の動作について説明する。チューナ部マイクロコンピュータ104の制御により、異常検出の有無の判定を行い、異常検出有りの場合(ステップ201で「Y」)、異常内容を取得し(ステップ202)、次に、ステップ202において取得した異常内容に応じた電源制御を行う(ステップ500)。異常内容に応じた処理を行う(ステップ503)。一方、異常検出無しの場合(ステップ201で「N」)、何も行わない。
【0020】
ここで、電源制御の詳細について、図7を参照しながら説明する。図7は、電源制御部400が備えるメモリ(図示せず)の内容を記載している。ここで、図7に示すように、メモリには、エラーの種別に応じて、チューナ部101及びモニタ部105の各構成の電源のON/OFFが記載されている。
例えば、エラー1は、チューナ部101に電源異常が生じた場合を示しており、エラー2は、チューナ部101の通信部に異常が生じた場合を示しており、エラー3は、LED発光部402に異常が生じた場合を示しており、エラー4は、モニタ部105の表示部107に異常が生じた場合又はモニタ部105において電源異常が生じた場合を示しており、エラー5は、モニタ部105の通信部に異常が生じた場合を示している。
図7に示すように、チューナ部101に電源異常が生じた場合(エラー1)においては、チューナ部101においては、復調部及びLEDの電源がOFFとなり、一方、通信部の電源がONとなる。さらに、モニタ部105においては、表示部及び通信部の電源がONとなる。このような制御により、チューナ部101においては、図1における対モニタ通信部103から、モニタ部105の対チューナ通信部106を介して、表示部107において、エラーの内容、例えば、チューナ部101の復調部において電源異常が生じた等の表示を行うことが可能になり、ユーザーは一見して、エラーの内容を把握することが可能になるとともに、比較的高電圧が必要となる復調部の電源がOFFされていることから、電源異常に対しても適切な処理を行うことが可能になるものである。
さらに、図7に示すように、チューナ部101の通信部に異常が生じた場合(エラー2)においては、チューナ部101においては、復調部及び通信部の電源がOFFとなり、一方、LED発光部の電源がONとなる。このような制御により、仮に、通信部に異常な状態が生じた場合であっても、チューナ部101においては、LED発光部402を介して、ユーザーはエラーの内容を把握することが可能になるものである。また、モニタ部105においては、所定時間後に表示部と通信部の電源をOFFする処理を行うことも可能である。これにより、省エネルギー化を実現することが可能になるものである。
【0021】
さらに、図7に示すように、LED発光部402に異常が生じた場合(エラー3)においては、チューナ部101においては、復調部及び通信部の電源がONとなり、一方、LED発光部の電源がOFFとなる。さらに、モニタ部105においては、表示部及び通信部の電源がONとなる。このような制御により、仮にLED発光部402に異常が生じた場合であっても、図1における対モニタ通信部103から、モニタ部105の対チューナ通信部106を介して、表示部107において、エラーの内容、例えば、チューナ部101のLED発光部402において異常が生じた等の表示を行うことが可能になるものである。なお、この際には、復調部、対モニタ通信部103、対チューナ通信部106、表示部107のいずれも電源が供給されていることから、通常通り、映像を表示することが可能になるものである。
【0022】
さらに、図7に示すように、モニタ部105の表示部107に異常が生じた場合又はモニタ部105において電源異常が生じた場合(エラー4)においては、チューナ部101においては、復調部及び通信部の電源がOFFとなり、一方、LED発光部の電源がONとなる。さらに、モニタ部105においては、表示部及び通信部の電源がOFFとなる。このような制御により、表示部107に異常が生じた場合であっても、チューナ部101においては、LED発光部402を介して、ユーザーはエラーの内容を把握することが可能になるものである。さらに、チューナ部101の復調部及び通信部の電源をOFFすることにより、省エネルギー化を図ることも可能になるものである。
【0023】
さらに、図7に示すように、モニタ部105の通信部に異常が生じた場合(エラー5)においては、上述したエラー4の場合と同様に、チューナ部101においては、復調部及び通信部の電源がOFFとなり、一方、LED発光部の電源がONとなる。さらに、モニタ部105においては、表示部及び通信部の電源がOFFとなる。このような制御により、通信部に異常が生じた場合であっても、チューナ部101においては、LED発光部402を介して、ユーザーはエラーの内容を把握することが可能になるものである。さらに、チューナ部101の復調部及び通信部の電源をOFFすることにより、省エネルギー化を図ることも可能になるものである。
【0024】
なお、上述した設定は一例であり、その他の設定にすることも可能である。また、ユーザーがリモコン等を用いて、その設定を変更することも可能である。また、新たなエラー種別についても追加することも可能である。
【0025】
次に、図5に示すように、ステップ202で取得したエラーの種別に基づいて、ステップ500においてエラーの種別に対応する電源制御のコマンドを生成し、そのステップ500で生成したコマンドに基づいて、上述したように、チューナ部101及びモニタ部105の各構成の電源の制御を行う(ステップ503)。
【0026】
一方、図6に示すように、モニタ部105においても、上述した電源制御のコマンドに基づいて、対チューナ通信部106及び表示部107等の電源制御を行う(ステップ603)。
このような構成により、異常の生じた内容に応じて、適切に対応する回路の電源を制御することが可能になるものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明のテレビジョン受像機は、例えば、チューナ部とモニタ部が別装置により構成されている二体型の装置における異常検出装置及び異常検出方法において有用である。
【符号の説明】
【0028】
101 チューナ部
102 異常検出部
103 対モニタ通信部
104 チューナ部マイクロコンピュータ
105 モニタ部
106 対チューナ通信部
107 表示部
108 モニタ部マイクロコンピュータ
400 電源制御部
402 LED発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューナ部とモニタ部の二体型構成のテレビジョン受像機において、チューナ部で異常を検出し、異常内容をモニタ部に通知し、モニタ部でチューナ部の異常内容を表示する手段を備えたテレビジョン受像機。
【請求項2】
前記異常表示手段に、チューナ部の異常内容に応じてモニタ部の表示を変更する手段をさらに備えた請求項1記載のテレビジョン受像機。
【請求項3】
チューナ部とモニタ部の二体型構成のテレビジョン受像機において、チューナ部で異常を検出し、異常内容をモニタ部に通知し、モニタ部でチューナ部の異常内容を表示するステップを備えたテレビジョン受像機における異常検出方法。
【請求項4】
前記異常表示手段に、チューナ部の異常内容に応じてモニタ部の表示を変更するステップをさらに備えた請求項1記載のテレビジョン受像機における異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−252223(P2010−252223A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101819(P2009−101819)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】