説明

異物検出装置、異物検出方法、及びコンピュータプログラム

【課題】複雑な構成の機器を使用することなく、熟練者と同レベルの異物検出精度で短時間に表面異物の存在を検出することができる異物検出装置、異物検出方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する。画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、画素単位の色データの代表輝度値を画素単位で算出する。算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する。算出された画素単位の代表輝度値が、算出された輝度幅に含まれるか否かを判断し、含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状に成形されたプラスチック成形品等の表面の異物を、人による目視確認と同様の精度で迅速かつ確実に検出することができる異物検出装置、異物検出方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製品の成形品には、成形過程において微小な樹脂炭化物が混入する場合、周囲環境の粉塵等が混入する場合等がある。これらの異物が混入した場合、その程度によっては製品を出荷することができない。したがって、異物が混入しているか否かの判断を行う異物検出工程は、製造工程において極めて重要な工程の1つである。
【0003】
従来、異物検出工程では、射出成形の素材である粒状のペレットを用いて板状に射出成形されたサンプル成形品を用いている。すなわち、板状のサンプル成形品を、熟練した作業員が、目視観察を通して混入異物の個数を計数することにより、異物の存在を検出していた。具体的には、混入異物のサイズに応じて重み付け係数を乗算し、異物混入の程度を示す係数を算出する。該係数が所定の値より大きいか否かを判断し、大きいと判断した場合には、サンプル成形品に試用したペレットに異物が混入していると判断することができ、該ペレットの使用を控えることで歩留まりを向上させることができる。
【0004】
また、熟練した作業員の負荷を軽減するために、成形品の表面を撮像して、撮像された画像を解析することにより異物が存在するか否かを判断する異物検査装置も多々開発されている。例えば特許文献1では、照明装置によりプラスチック容器を透過してきた光をCCDカメラ等にて撮像し、撮像された画像を解析することにより、プラスチック容器に異物が存在するか否かを判断する可撓性プラスチック容器の異物検査装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−122550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されている装置では、異物であるか否かを判定する閾値の設定次第では、本来異物を検出したと判断してはならない範囲であっても異物が存在すると判断する等、過剰に異物の存在に反応するおそれがあった。特にプラスチック成形品のように一般消費者の手に渡る商品の表面検査では、肉眼で確認することができない大きさの異物までは検出する必然性が無く、検査装置の多くは過剰な検査精度を有している。
【0006】
一方で、閾値の設定によっては、肉眼で検査した場合と同様の精度で検出することも理論的には可能である。しかし、どの程度の閾値に設定すれば肉眼で検査する場合の検出精度と同等であるのか試行錯誤により決定する必要があるとともに、本来有している検出性能を敢えて低下させて使用するのでは、無駄な設備投資と言わざるを得ない。
【0007】
また、熟練者による異物検出作業は、検出精度は肉眼レベルとなるものの検出誤差が生じる可能性は低い。しかし、熟練者が行う場合であっても、その検出に要する時間は比較的長時間となり、作業による熟練者の眼精疲労は大きく、熟練者の健康保護にも配慮する必要があるという問題点があった。また、検出工程に要する時間の長さも無視できるレベルではない。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、複雑な構成の機器を使用することなく、熟練者と同レベルの異物検出精度で短時間に表面異物の存在を検出することができる異物検出装置、異物検出方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1発明に係る異物検出装置は、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出装置において、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段と、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段と、該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段と、該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する輝度幅算出手段と、前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記輝度幅算出手段で算出された輝度幅に含まれるか否かを判断する判断手段と、該判断手段で含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、第2発明に係る異物検出装置は、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出装置において、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段と、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段と、該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段と、該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出する確率密度関数算出手段と、前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記確率密度関数算出手段で算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、該判断手段で含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、第3発明に係る異物検出装置は、第1又は第2発明において、前記平均輝度値算出手段は、前記代表輝度値を、前記画像データ取得手段で取得した色データに基づいて、(式1)により算出するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(1)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0013】
また、第4発明に係る異物検出装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記画像データ取得手段は、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得するようにしてあることを特徴とする。
【0014】
また、第5発明に係る異物検出装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段と、前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する隣接画素判断手段と、該隣接画素判断手段で記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、第6発明に係る異物検出装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段と、記憶されている位置データの個数を計数する計数手段と、該計数手段で計数された個数が所定値より大きいか否かを判断する計数値判断手段と、該計数値判断手段で大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
次に、上記目的を達成するために第7発明に係る異物検出方法は、コンピュータが、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出方法において、前記コンピュータは、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出し、算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出し、算出された画素単位の代表輝度値が、算出された輝度幅に含まれるか否かを判断し、含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶することを特徴とする。
【0017】
また、第8発明に係る異物検出方法は、コンピュータが、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出方法において、前記コンピュータは、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出し、算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出し、算出された画素単位の代表輝度値が、算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断し、含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶することを特徴とする。
【0018】
また、第9発明に係る異物検出方法は、第7又は第8発明において、前記コンピュータは、前記代表輝度値を、取得した色データに基づいて、(式2)により算出することを特徴とする。
【0019】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(2)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0020】
また、第10発明に係る異物検出方法は、第7乃至第9発明のいずか1つにおいて、前記コンピュータは、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得することを特徴とする。
【0021】
また、第11発明に係る異物検出方法は、第7乃至第10発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータは、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断し、記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶することを特徴とする。
【0022】
また、第12発明に係る異物検出方法は、第7乃至第10発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータは、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、記憶されている位置データの個数を計数し、計数された個数が所定値より大きいか否かを判断し、大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶することを特徴とする。
【0023】
次に、上記目的を達成するために第13発明に係るコンピュータプログラムは、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物の存在位置を検出するコンピュータで実行可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段、該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段、該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する輝度幅算出手段、前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記輝度幅算出手段で算出された輝度幅に含まれるか否かを判断する判断手段、及び該判断手段で含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0024】
また、第14発明に係るコンピュータプログラムは、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、取得した画像データに基づいて異物の存在位置を検出するコンピュータで実行可能なコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段、該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段、該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出する確率密度関数算出手段、前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記確率密度関数算出手段で算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断する判断手段、及び該判断手段で含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0025】
また、第15発明に係るコンピュータプログラムは、第13又は第14発明において、前記平均輝度値算出手段を、前記代表輝度値を、前記画像データ取得手段で取得した色データに基づいて、(式3)により算出する手段として機能させることを特徴とする。
【0026】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(3)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0027】
また、第16発明に係るコンピュータプログラムは、第13乃至第15発明のいずれか1つにおいて、前記画像データ取得手段を、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得する手段として機能させることを特徴とする。
【0028】
また、第17発明に係るコンピュータプログラムは、第13乃至第16発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータを、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段、前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する隣接画素判断手段、及び該隣接画素判断手段で記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0029】
また、第18発明に係るコンピュータプログラムは、第13乃至第16発明のいずれか1つにおいて、前記コンピュータを、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段、記憶されている位置データの個数を計数する計数手段、該計数手段で計数された個数が所定値より大きいか否かを判断する計数値判断手段、及び該計数値判断手段で大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0030】
第1発明、第7発明、及び第13発明では、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する。算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する。算出された画素単位の代表輝度値が、算出された輝度幅に含まれるか否かを判断し、含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する。ここで、「板状の検査対象物」とは、異物が存在しているか否かを検査する対象物一般を意味しており、プラスチック成形に用いるペレットの良否を判定するためのサンプル成形品も含む広い概念である。また、「色データ」とは、ビットマップデータにおけるRGBそれぞれの成分値を意味しており、「代表輝度値」とはRGBそれぞれの成分値に基づいて算出した代表値を意味している。さらに、「輝度幅」とは、代表輝度値を挟む上下の数値幅を意味している。
【0031】
表面の画像データを画素単位のデータ(位置データ及び色データ)、すなわちビットマップデータとして取得することにより、色データが周囲の画素の色データと比べて突出している画素を特定すれば、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を調整することにより、容易に人間による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0032】
第2発明、第8発明、及び第14発明では、画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、画素単位の色データの代表輝度値を画素単位で算出する。算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出する。算出された画素単位の代表輝度値が、算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断し、含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する。表面の画像データを画素単位のデータ(位置データ及び色データ)、すなわちビットマップデータとして取得することにより、色データが周囲の画素の色データと比べて突出している画素を特定すれば、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を確率密度関数により調整することで、容易に人間による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0033】
第3発明、第9発明、及び第15発明では、代表輝度値を、取得した色データに基づいて、(式4)により算出する。
【0034】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(4)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0035】
異物が存在する場合、異物が存在する位置に対応する画素の色データの数値は、該画素の周囲の画素の色データの数値よりも突出している。(式4)に従って代表輝度値を算出することにより、熟練者が目視した場合と同様の精度で異物が存在する位置に対応する画素の色データの数値が該画素の周囲の画素の色データの数値よりも突出していると判断することができ、熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。
【0036】
第4発明、第10発明、及び第16発明では、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得する。解像度が略150dpiである場合、一画素の大きさが略0.169mmとなる。この大きさは、熟練者が目視で確認することができる異物の最小単位、例えば0.1mm程度の大きさと略一致することから、熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。また、解像度が略150dpi程度で異物を検出することができるので、高価なセンサ、カメラ等を必要とすることなく、例えば安価な市販のスキャナ等を用いても熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。
【0037】
第5発明、第11発明、及び第17発明では、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する。記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する。位置データが記憶してある画素には異物が存在しており、該画素に隣接する画素にも異物が存在すると判断された場合、一画素領域を超えた大きさの異物が検出されたおそれがある。したがって、このような検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0038】
第6発明、第12発明、及び第18発明では、検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、記憶されている位置データの個数を計数する。計数された個数が所定値より大きいか否かを判断し、大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する。位置データが記憶してある、すなわち異物が存在すると判断された画素数を計数し、計数された値が所定値より大きい場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶する。位置データが記憶されている画素には異物が存在しており、異物が存在する画素の個数が一定数以上存在する場合には、異物が一定量以上混入しているおそれがあることから、このような検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0039】
なお、後述する実施の形態では、画像データ取得手段は入力手段を介したCPU11のステップS301、ステップS601の処理が、代表輝度値算出手段はCPU11のステップS304、ステップS308、ステップS604、ステップS608の処理が、平均輝度値算出手段はCPU11のステップS305、ステップS605の処理が、それぞれ該当する。輝度幅算出手段はCPU11のステップS306の処理が、確率密度関数算出手段はCPU11のステップS606の処理が、判断手段はCPU11のステップS309、ステップS609の処理が、位置データ記憶手段はCPU11のステップS310、ステップS610の処理が、それぞれ該当する。
【0040】
さらに、隣接画素判断手段はCPU11のステップS903の処理が、計数手段はCPU11のステップS1201の処理が、計数値判断手段はCPU11のステップS1202の処理が、識別データ記憶手段はCPU11のステップS904、ステップS1203の処理が、それぞれ該当する。
【発明の効果】
【0041】
第1発明、第7発明、及び第13発明によれば、表面の画像データを画素単位のデータ、すなわちビットマップデータとして取得することにより、色データが周囲の画素の色データと比べて突出している画素を特定すれば、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を調整することにより、容易に人間による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0042】
第2発明、第8発明、及び第14発明によれば、表面の画像データを画素単位のデータ、すなわちビットマップデータとして取得することにより、色データが周囲の画素の色データと比べて突出している画素を特定すれば、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を確率密度関数により調整することで、容易に人間による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0043】
第3発明、第9発明、及び第15発明によれば、(式5)に従って代表輝度値を算出することにより、熟練者が目視した場合と同様の精度で異物が存在する位置に対応する画素の色データの数値が該画素の周囲の画素の色データの数値よりも突出していると判断することができ、熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。
【0044】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(5)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0045】
第4発明、第10発明、及び第16発明によれば、解像度が略150dpiである場合、一画素の大きさが略0.169mmとなる。この大きさは、熟練者が目視で確認することができる異物の最小単位、例えば0.1mm程度の大きさと略一致することから、熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。また、解像度が略150dpi程度で異物を検出することができるので、高価なセンサ、カメラ等を必要とすることなく、例えば安価な市販のスキャナ等を用いても熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。
【0046】
第5発明、第11発明、及び第17発明によれば、位置データが記憶してある画素には異物が存在しており、該画素に隣接する画素にも異物が存在すると判断された場合、一画素領域を超えた大きさの異物が検出されたおそれがある。したがって、このような検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0047】
第6発明、第12発明、及び第18発明によれば、色データの数値が周囲の画素の色データの数値から突出している、すなわち異物が存在すると判断された画素数を計数し、計数された値が所定値より大きい場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶する。位置データが記憶されている画素には異物が存在しており、異物が存在する画素の個数が一定数以上存在する場合には、異物が一定量以上混入しているおそれがあることから、このような検査対象物の識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態に係る異物検出装置について図面に基づいて具体的に説明する。本発明の実施の形態に係る異物検出装置は、プラスチック成形に用いる素材である、粉状のペレットの良否を判断するために、出荷単位、例えば袋単位で一定量のペレットをサンプル抽出し、板状のサンプル成形品を射出成形する。射出成形された板状のサンプル成形品について、表面にて異物の存在が検出されるか否かを判断する。
【0049】
図1は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10の機能を模式的に示す機能ブロック図である。図1において、本実施の形態に係る異物検出装置10は、画像データ取得手段101にて、板状のサンプル成形品の表面の画像データを、画素単位の位置データ及び色データ(RGB値)として取得する。代表輝度値算出手段102は、画像データ取得手段101にて取得した画素単位の色データの代表輝度値を算出する。
【0050】
平均輝度値算出手段103は、代表輝度値算出手段102にて算出した画素単位の色データの代表輝度値の平均値を算出する。輝度幅算出手段104は、平均輝度値算出手段103で算出された平均輝度値を中心として、上下所定幅を有する輝度幅を算出する。
【0051】
判断手段105は、取得した色データに基づいて代表輝度値算出手段102で算出された代表輝度値が、輝度幅算出手段104で算出された輝度幅に含まれるか否かを画素単位で判断する。位置データ記憶手段106は、判断手段105で代表輝度値が輝度幅に含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する。
【0052】
図2は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10を、CPU11を用いて具現化した場合のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態に係る異物検出装置10は、少なくとも、CPU(中央演算装置)11、記憶手段12、RAM13、補助記憶手段14、入力手段15、出力手段16、画像データ入力手段17、通信手段18及び上述したハードウェアを接続する内部バス19で構成されている。
【0053】
CPU11は、内部バス19を介して異物検出装置10の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶手段12に記憶されているコンピュータプログラム80に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM13は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成され、コンピュータプログラム80の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム80の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0054】
記憶手段12は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶手段12に記憶されているコンピュータプログラム80は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、補助記憶手段14によりダウンロードされ、実行時には記憶手段12からRAM13へ展開して実行される。もちろん、通信手段18を介して外部コンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0055】
通信手段18は内部バス19に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワーク網に接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。すなわち、上述した記憶手段12は、異物検出装置10に内蔵される構成に限定されるものではなく、通信手段18を介して接続されている外部のサーバコンピュータ等に設置されているハードディスク等の外部記録媒体であっても良い。
【0056】
入力手段15は、キーボード及びマウス等のデータ入力媒体であり、出力手段16は、CRTモニタ、LCD等の表示装置、あるいはレーザプリンタ、ドットプリンタ等の印刷装置等である。画像データ入力手段17は、板状のサンプル成形品の表面の画像データを取得することができる入力媒体、例えばフラットベッド型のイメージスキャナである。
【0057】
上述した構成の異物検出装置10の処理の流れについて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10のCPU11の処理手順を示すフローチャートである。異物検出装置10のCPU11は、画像データ入力手段17を介して、検査対象物の表面の画像データを、ビットマップデータとして、すなわち画素単位の色データ及び位置データとして取得する(ステップS301)。
【0058】
画像データ入力手段17としてスキャナを用いる場合、列単位で走査されて色データ及び位置データを取得する。列幅は設定されている解像度に応じて変化する。ビットマップデータは、画素単位の位置データと色データとが対応付けられていることから、色データが画像のどの位置のデータであるのか一意に特定することができ、例えばスキャナで走査する長方形の四隅の1点を原点とした座標値として位置データを取得することができる。
【0059】
なお、スキャナの解像度は略150dpiとなるよう設定することが好ましい。解像度が略150dpiである場合、取得したビットマップデータの一画素の大きさは略0.169mmとなる。この大きさは、熟練者が目視で確認することができる異物の最小単位、例えば0.1mm程度の大きさと略一致する。したがって、熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。また、解像度が略150dpi程度であることから、高価なセンサ、カメラ等を必要とすることなく、例えば安価な市販のスキャナ等を用いても熟練者と同等の精度で異物を検出することが可能となる。
【0060】
色データは、RGB値として取得する。具体的には、R(レッド)値を0〜255、G(グリーン)値を0〜255、B(ブルー)値を0〜255の範囲の数値として、検査対象物表面の色を特定する。
【0061】
CPU11は、取得した画像データの不連続部分であるエッジを抽出して(ステップS302)、エッジを境界として画像データ中の成形品表面部分である成形品存在領域を特定する(ステップS303)。エッジ抽出の方法は、周知の方法であれば特に限定されるものではない。例えば濃度の変化点を抽出するための2次微分処理、ハフ変換処理等を行ってエッジを抽出する。
【0062】
CPU11は、特定された成形品存在領域内の画素単位の色データの代表輝度値を算出する(ステップS304)。代表輝度値の算出方法は特に限定されるものではないが、例えば(式6)を用いて算出する。
【0063】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(6)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0064】
具体的な係数a、b、cについては、実験等を繰り返すことにより確定するが、G値を強調して代表輝度値を算出したほうが、突出している画素を検出しやすいことが経験的に知られている。CPU11は、算出された代表輝度値の平均値である平均輝度値を算出し(ステップS305)、算出された平均輝度値を中心として、上下所定幅を有する輝度幅を算出する(ステップS306)。
【0065】
上下所定幅の大きさは、実験等を繰り返すことにより、熟練者の判断と略一致する値を選択する。例えば平均輝度値を中心として±10であることが好ましい。CPU11は、成形品存在領域内の画素の色データが色データ幅に含まれているか否かを判断すべく、初期位置に存在する画素の色データを取得し(ステップS307)、代表輝度値Zを算出して(ステップS308)、代表輝度値Zが算出された輝度幅に含まれているか否かを判断する(ステップS309)。
【0066】
CPU11が、該画素の代表輝度値Zが輝度幅に含まれていないと判断した場合(ステップS309:NO)、CPU11は、該画素の代表輝度値が周囲の画素の代表輝度値から突出していることから異物が存在しているものと判断し、該画素の位置データを記憶手段12又はRAM13に記憶する(ステップS310)。CPU11が、該画素の代表輝度値が輝度幅に含まれていると判断した場合(ステップS309:YES)、CPU11は、ステップS310をスキップし、全ての画素について上述の処理が完了したか否かを判断する(ステップS311)。
【0067】
CPU11が、未処理の画素が存在すると判断した場合(ステップS311:NO)、CPU11は、次の画素の色データを取得し(ステップS312)、処理をステップS308へ戻して上述の処理を繰り返す。CPU11が、全ての画素について処理が完了したと判断した場合(ステップS311:YES)、CPU11は、処理を終了する。
【0068】
図4は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10の異物検出結果を示す模式図である。図4に示すように、輝度幅は、平均輝度値を中心として±10の幅であり、画素ごとに算出した代表輝度値Zが輝度幅に含まれているか否かを判断する。斯かる輝度幅内であることは、すなわち設計指定色差の範囲内であることと同義である。ここで「設計指定色差」とは設計段階にて決定した色を意味する。図4では、点41、41が設計指定色差範囲外の点として検出され、異物が検出されたものと判断することができる。
【0069】
以上のように、検査対象物の表面の画像データを画素単位のデータ、すなわちビットマップデータとして取得することにより、色データの代表輝度値が周囲の画素の代表輝度値と比べて突出している画素を特定すれば、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を調整することにより、容易に人間による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0070】
異物を検出する方法は、代表輝度値が所定の輝度幅に含まれているか否かで判断する方法に限定されるものではなく、例えば代表輝度値の分布が正規分布に従うと仮定した確率密度関数を用いても良い。図5は、確率密度関数を用いる場合の本発明の実施の形態に係る異物検出装置10の機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【0071】
図5において、本実施の形態に係る異物検出装置10は、画像データ取得手段101にて、板状のサンプル成形品の表面の画像データを、画素単位の位置データ及び色データ(RGB値)として取得する。代表輝度値算出手段102は、画像データ取得手段101にて取得した画素単位の色データの代表輝度値を算出する。
【0072】
平均輝度値算出手段103は、代表輝度値算出手段102にて算出した画素単位の色データの代表輝度値の平均値を算出する。確率密度関数算出手段501は、平均輝度値算出手段103で算出された平均輝度値に基づいて、代表輝度値が正規分布に従うと仮定して確率密度関数fを算出する。
【0073】
判断手段502は、取得した色データに基づいて代表輝度値算出手段102で算出された代表輝度値が、確率密度関数算出手段501で算出された確率密度関数fの最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを画素単位で判断する。位置データ記憶手段106は、判断手段502で含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する。
【0074】
上述した構成の異物検出装置10の処理の流れについて説明する。図6は、確率密度関数を用いる場合の本発明の実施の形態に係る異物検出装置10のCPU11の処理手順を示すフローチャートである。異物検出装置10のCPU11は、画像データ入力手段17を介して、検査対象物の表面の画像データを、ビットマップデータとして、すなわち画素単位の色データ及び位置データとして取得する(ステップS601)。
【0075】
CPU11は、取得した画像データの不連続部分であるエッジを抽出して(ステップS602)、エッジを境界として画像データ中の成形品表面部分である成形品存在領域を特定する(ステップS603)。エッジ抽出の方法は、周知の方法であれば特に限定されるものではない。
【0076】
CPU11は、特定された成形品存在領域内の画素単位の色データの代表輝度値を算出する(ステップS604)。代表輝度値の算出方法は特に限定されるものではないが、例えば(式7)を用いて算出する。
【0077】
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(7)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【0078】
具体的な係数a、b、cについては、実験等を繰り返すことにより確定するが、G値を強調して代表輝度値を算出したほうが、突出している画素を検出しやすいことが経験的に知られている。CPU11は、算出された代表輝度値の平均値である平均輝度値を算出し(ステップS605)、算出された平均輝度値を用いて、代表輝度値が正規分布に従うと仮定した確率密度関数f(Z)を算出する(ステップS606)。
【0079】
CPU11は、成形品存在領域内の画素の色データの代表輝度値Zが、確率密度関数f(Z)の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを画素単位で判断すべく、初期位置に存在する画素の色データを取得し(ステップS607)、代表輝度値Zを算出して(ステップS608)、代表輝度値Zが確率密度関数f(Z)の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断する(ステップS609)。
【0080】
図7は、確率密度関数f(Z)の例示図である。図7に示すように、平均輝度値と分散とを算出することにより、確率密度関数70を算出する。確率密度関数は、(式8)のように表すことができる。なお、(式8)におけるσは代表輝度値Zの標準偏差であり、(式9)により算出される。
【0081】
【数1】

【0082】
【数2】

【0083】
異物が存在するのは、確率密度関数70の最大値側の領域71又は最小値側の領域72、若しくは両方の領域で、全体の数%、例えば2乃至5%に相当する。したがって、代表輝度値Zが領域71又は72、若しくは両方の領域に含まれる場合には、代表輝度値Zが設計指定色差範囲外であると判断することができる。
【0084】
CPU11が、該画素の代表輝度値Zが確率密度関数f(Z)の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれると判断した場合(ステップS609:YES)、CPU11は、該画素の代表輝度値Zが設計指定色差の範囲外であることから異物が存在しているものと判断し、該画素の位置データを記憶手段12又はRAM13に記憶する(ステップS610)。CPU11が、該画素の代表輝度値Zが確率密度関数f(Z)の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれないと判断した場合(ステップS609:NO)、CPU11は、ステップS610をスキップし、全ての画素について上述の処理が完了したか否かを判断する(ステップS611)。
【0085】
CPU11が、未処理の画素が存在すると判断した場合(ステップS611:NO)、CPU11は、次の画素の色データを取得し(ステップS612)、処理をステップS608へ戻して上述の処理を繰り返す。CPU11が、全ての画素について処理が完了したと判断した場合(ステップS611:YES)、CPU11は、処理を終了する。
【0086】
このように、確率密度関数を用いた場合であっても、色データの代表輝度値が周囲の画素の代表輝度値と比べて突出している画素を特定することができ、該画素の物理的な位置を一意に特定することができる。そして、ビットマップデータを取得する解像度を調整することにより、容易に熟練者による作業精度と同等の精度にて異物の存在を検出することが可能となる。
【0087】
異物が存在しているものと判断され、記憶手段12又はRAM13に記憶されている画素の位置データは、検査対象物に応じて処理される。例えば本実施の形態のように、検査対象物が板状のサンプル成形品である場合、一定の割合以上に異物が検出されたときには、該サンプル成形品の成形に用いたペレットを、プラスチック製品の成形に用いてはならない。
【0088】
そこで、サンプル抽出元であるペレット袋を識別する識別データを読み取っておき、異物が検出されたサンプル成形品を押出成形した時点で使用したペレットをサンプル抽出したペレット袋を、所定の条件を具備した場合にプラスチック成形工程から排除するような拡張機能を有することが好ましい。このようにすることで、プラスチック成形品の歩留まりを向上させることができるからである。
【0089】
図8は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10の拡張機能を模式的に示す機能ブロック図である。図8に示すように、ペレットが詰められている出荷前のペレット袋81から、一定量のペレット83をサンプル抽出し、サンプル抽出されたペレット83を押出成形して板状のサンプル成形品84を生成する。異物検出装置10は、上述した処理を実行することにより、異物を検出する。
【0090】
ペレット袋81には、ペレット袋を識別する識別データが記憶されているICタグ82を貼付しておき、識別データ読取手段801は、例えばタグリーダ等を用いてサンプル成形品84の素材であるペレット83の出所を示す識別データ、すなわち検査対象物の識別データとして、ICタグ82に記憶されているペレット袋81を識別する識別データを読み取る。もちろん、識別データを記憶するのはICタグに限定されるものではなく、ICカードが内蔵されても良いし、表面に貼付されたバーコード、QRコード等から読み取るものであっても良い。
【0091】
異物検出装置10で異物が検出された場合、隣接画素判断手段802は、位置データが記憶手段12又はRAM13に記憶されている画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する。隣接画素判断手段802が記憶されていると判断した場合、識別データ記憶手段803は、この時点で検査の対象となっている検査対象物の識別データを記憶手段12又はRAM13に記憶する。このように隣接する画素の位置データが記憶されている場合には、大きな異物が混入している可能性があり、サンプル抽出されたペレット袋81内のペレット83は製品の製造に使用するべきではない。したがって、記憶されている識別データに対応するペレット袋81を、所定の時点で使用できないペレット袋81であるとして、プラスチック成形工程から排除することで製造歩留まりを改善することができる。
【0092】
図9は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10のCPU11の図3又は図6以後の処理手順を示すフローチャートである。異物検出装置10のCPU11が、全ての画素について処理が完了したと判断した場合(ステップS309:YES、ステップS609:YES)、CPU11は、記憶手段12又はRAM13に記憶されている画素の位置データを全て読み出し(ステップS901)、初めに処理を実行する位置データを所定の条件に基づいて選定する(ステップS902)。所定の条件は特に限定されるものではなく、例えば座標原点からの距離が短い位置データから順次選定しても良い。
【0093】
CPU11は、選定された位置データに対応する画素に隣接する画素の位置データが記憶手段12又はRAM13に記憶されているか否かを判断する(ステップS903)。ここで、「画素に隣接する画素」とは、選定された画素の上下左右及び斜め方向に隣接している画素を意味する。
【0094】
図10は、隣接する画素を説明する模式図である。選定された位置データに対応する画素61に隣接する画素62、62、・・・は、画素61の上下左右に辺接触している画素だけでなく、点接触している画素も含んでいる。
【0095】
CPU11が、記憶されていないと判断した場合(ステップS903:NO)、CPU11は、熟練者が目視で確認することができる最小の大きさの異物しか存在しないものと判断し、記憶されている全ての位置データについて上述の処理を完了したか否かを判断する(ステップS905)。CPU11が、未処理の位置データが存在すると判断した場合(ステップS905:NO)、CPU11は、次の位置データを選定して(ステップS906)、処理をステップS903へ戻して上述した処理を繰り返す。
【0096】
CPU11が、記憶されている全ての位置データについて上述の処理を完了したと判断した場合(ステップS905:YES)、CPU11は、混入している異物は許容範囲内の大きさである、すなわち検査対象物であるサンプル成形品は正常であると判断し、サンプル成形品の元となったペレット袋81に詰められているペレット83には一定量以上の異物が混入しておらず、プラスチック製品の成形に用いることができると判断することができる。
【0097】
CPU11が、記憶されていると判断した場合(ステップS903:YES)、CPU11は、検査の対象となっている検査対象物の識別データを記憶手段12又はRAM13に記憶する(ステップS904)。すなわち、熟練者が目視で確認することができる最小の大きさよりも大きな異物が存在する可能性が高く、検査対象物であるサンプル成形品84は正常ではないと判断し、サンプル成形品84の元となったペレット袋81に詰められているペレット83には許容範囲を超えた大きさの異物が混入していると考えられる。したがって、記憶されている識別データが示すペレット袋81は、プラスチック製品の成形に用いることができず、廃棄又は再生成する必要があると判断することができる。
【0098】
ペレット袋81を、プラスチック成形工程から排除する条件は、上述の条件に限定されるものではない。例えば、異物が存在すると検出された位置データの個数が一定数を超えた場合にプラスチック成形工程から排除しても良い。
【0099】
図11は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10の他の拡張機能を模式的に示す機能ブロック図である。図11に示すように、ペレット83が詰められている出荷前のペレット袋81から、一定量のペレット83をサンプル抽出し、サンプル抽出されたペレット83を押出成形して板状のサンプル成形品84を生成する。異物検出装置10は、上述した処理を実行することにより、異物を検出する。
【0100】
ペレット袋81には、ペレット袋を識別する識別データが記憶されているICタグ82を貼付しておき、識別データ読取手段801は、例えばタグリーダ等を用いてサンプル成形品84の素材であるペレットの出所を示す識別データ、すなわち検査対象物の識別データとして、ICタグ82に記憶されているペレット袋81を識別する識別データを読み取る。もちろん、識別データを記憶するのはICタグに限定されるものではなく、ICカードが内蔵されても良いし、表面に貼付されたバーコード、QRコード等から読み取るものであっても良い。
【0101】
異物検出装置10で異物が検出された場合、計数手段1101は、記憶手段12又はRAM13に記憶されている位置データの個数を計数する。計数値判断手段1102は、記憶されている位置データの計数値が所定値を超えているか否かを判断する。計数値判断手段1102が超えていると判断した場合、識別データ記憶手段803は、この時点で検査の対象となっている検査対象物の識別データを記憶手段12又はRAM13に記憶する。このように異物が検出されたとして記憶されている位置データの個数が所定値を超えている場合には、多量の異物が混入している可能性があり、サンプル抽出されたペレット袋81内のペレット83はプラスチック製品の製造に使用するべきではない。したがって、記憶されている識別データに対応するペレット袋81を、所定の時点で使用できないペレット袋81であるとして、プラスチック成形工程から排除することで製造歩留まりを改善することができる。
【0102】
図12は、本発明の実施の形態に係る異物検出装置10のCPU11の図3又は図6以後の処理手順を示すフローチャートである。異物検出装置10のCPU11が、全ての画素について処理が完了したと判断した場合(ステップS309:YES、ステップS609:YES)、CPU11は、記憶手段12又はRAM13に記憶されている位置データの個数を計数する(ステップS1201)。
【0103】
CPU11は、計数値が所定値を超えているか否かを判断し(ステップS1202)、CPU11が、超えていると判断した場合(ステップS1202:YES)、CPU11は、検査の対象となっている検査対象物の識別データを記憶手段12又はRAM13に記憶する(ステップS1203)。すなわち、熟練者が目視で確認することができる大きさの異物が多数存在しており、検査対象物であるサンプル成形品84は正常ではないと判断し、サンプル成形品84の元となったペレット袋81に詰められているペレット83には許容範囲を超えた量の異物が混入していると考えられる。したがって、記憶されている識別データが示すペレット袋81は、プラスチック製品の成形に用いることができず、廃棄又は再生成する必要があると判断することができる。
【0104】
CPU11が、超えていないと判断した場合(ステップS1202:NO)、CPU11は、混入している異物は許容範囲内の量である、すなわち検査対象物であるサンプル成形品は正常であると判断し、サンプル成形品84の元となったペレット袋81に詰められているペレット83には一定量以上の異物が混入しておらず、プラスチック製品の成形に用いることができると判断することができる。
【0105】
以上のように本実施の形態によれば、一画素領域を超えた大きさの異物が検出された場合、このような検査対象物の識別データ、すなわち検査対象物であるサンプル成形品84を生成するのに用いたペレット83を抽出したペレット袋81を識別する識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物の素材となったペレット83をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0106】
また、異物が存在している画素の個数が一定数以上存在する場合には、異物が一定量以上混入しているおそれがあることから、このような検査対象物の識別データ、すなわち検査対象物であるサンプル成形品84を生成するのに用いたペレット83を抽出したペレット袋81を識別する識別データを、使用できない検査対象物に関する情報として記憶しておくことで、該検査対象物の素材となったペレット83をプラスチック製品の成形時に用いることを確実に回避することができ、成形品の歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0107】
なお、本発明は上記実施例のようにプラスチック成形品のサンプル成形品84の異物検出に限定されるものではなく、板状の検査対象物の表面の異物を検出する処理、及び板状の検査対象物を成形する素材の品質評価に広く適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の形態に係る異物検出装置の機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る異物検出装置を、CPUを用いて具現化した場合のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る異物検出装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る異物検出装置の異物検出結果を示す模式図である。
【図5】確率密度関数を用いる場合の本発明の実施の形態に係る異物検出装置の機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【図6】確率密度関数を用いる場合の本発明の実施の形態に係る異物検出装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】確率密度関数の例示図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る異物検出装置の拡張機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【図9】本本発明の実施の形態に係る異物検出装置のCPUの図3又は図6以後の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】隣接する画素を説明する模式図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る異物検出装置の他の拡張機能を模式的に示す機能ブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る異物検出装置のCPUの図3又は図6以後の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0109】
10 異物検出装置
11 CPU
12 記憶手段
13 RAM
14 補助記憶手段
15 入力手段
16 出力手段
17 画像データ入力手段
18 通信手段
19 内部バス
80 コンピュータプログラム
90 可搬型記録媒体
101 画像データ取得手段
102 代表輝度値算出手段
103 平均輝度値算出手段
104 輝度幅算出手段
105、502 判断手段
106 位置データ記憶手段
501 確率密度関数算出手段
801 識別データ読取手段
802 隣接画素判断手段
803 識別データ記憶手段
1101 計数手段
1102 計数値判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出装置において、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段と、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段と、
該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段と、
該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する輝度幅算出手段と、
前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記輝度幅算出手段で算出された輝度幅に含まれるか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段と
を備えることを特徴とする異物検出装置。
【請求項2】
板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出装置において、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段と、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段と、
該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段と、
該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出する確率密度関数算出手段と、
前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記確率密度関数算出手段で算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、
該判断手段で含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段と
を備えることを特徴とする異物検出装置。
【請求項3】
前記平均輝度値算出手段は、
前記代表輝度値を、前記画像データ取得手段で取得した色データに基づいて、(式1)により算出するようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の異物検出装置。
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(1)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【請求項4】
前記画像データ取得手段は、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得するようにしてあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項5】
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段と、
前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する隣接画素判断手段と、
該隣接画素判断手段で記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項6】
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段と、
記憶されている位置データの個数を計数する計数手段と、
該計数手段で計数された個数が所定値より大きいか否かを判断する計数値判断手段と、
該計数値判断手段で大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の異物検出装置。
【請求項7】
コンピュータが、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出方法において、
前記コンピュータは、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出し、
算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、
算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出し、
算出された画素単位の代表輝度値が、算出された輝度幅に含まれるか否かを判断し、
含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶することを特徴とする異物検出方法。
【請求項8】
コンピュータが、板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物が存在する位置を検出する異物検出方法において、
前記コンピュータは、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得し、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出し、
算出された代表輝度値の平均輝度値を算出し、
算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出し、
算出された画素単位の代表輝度値が、算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断し、
含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶することを特徴とする異物検出方法。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記代表輝度値を、取得した色データに基づいて、(式2)により算出することを特徴とする請求項7又は8記載の異物検出方法。
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(2)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【請求項10】
前記コンピュータは、解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の異物検出方法。
【請求項11】
前記コンピュータは、
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、
前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断し、
記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の異物検出方法。
【請求項12】
前記コンピュータは、
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取り、
記憶されている位置データの個数を計数し、
計数された個数が所定値より大きいか否かを判断し、
大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の異物検出方法。
【請求項13】
板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物の存在位置を検出するコンピュータで実行可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段、
該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段、
該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、上下所定の幅からなる輝度幅を算出する輝度幅算出手段、
前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記輝度幅算出手段で算出された輝度幅に含まれるか否かを判断する判断手段、及び
該判断手段で含まれないと判断された場合、含まれないと判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
板状の検査対象物の表面の画像データを取得し、
取得した画像データに基づいて異物の存在位置を検出するコンピュータで実行可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
画像データとして、画素単位で位置データ及び色データを取得する画像データ取得手段、
取得した色データの代表輝度値を画素単位で算出する代表輝度値算出手段、
該代表輝度値算出手段で算出された代表輝度値の平均輝度値を算出する平均輝度値算出手段、
該平均輝度値算出手段で算出された平均輝度値に基づいて、正規分布に従う確率密度関数を算出する確率密度関数算出手段、
前記代表輝度値算出手段で算出された画素単位の代表輝度値が、前記確率密度関数算出手段で算出された確率密度関数の最大側又は最小側、若しくは両方の所定の範囲に含まれるか否かを判断する判断手段、及び
該判断手段で含まれると判断された場合、含まれると判断された画素の位置データを記憶する位置データ記憶手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記平均輝度値算出手段を、
前記代表輝度値を、前記画像データ取得手段で取得した色データに基づいて、(式3)により算出する手段として機能させることを特徴とする請求項13又は14記載のコンピュータプログラム。
代表輝度値=a×R+b×G+c×B ・・・(3)
ただし、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦1、a+b+c=1
【請求項16】
前記画像データ取得手段を、
解像度が略150dpiとなるよう画像データを取得する手段として機能させることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータを、
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段、
前記位置データが記憶してある画素に隣接する画素の位置データが記憶されているか否かを判断する隣接画素判断手段、及び
該隣接画素判断手段で記憶されていると判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段
として機能させることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記コンピュータを、
検査対象物ごとに検査対象物を識別する識別データを読み取る識別データ読取手段、
記憶されている位置データの個数を計数する計数手段、
該計数手段で計数された個数が所定値より大きいか否かを判断する計数値判断手段、及び
該計数値判断手段で大きいと判断された場合、画像データを取得した検査対象物の識別データを記憶する識別データ記憶手段
として機能させることを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−92626(P2009−92626A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266297(P2007−266297)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(591141784)学校法人大阪産業大学 (49)
【出願人】(390032067)新興化成株式会社 (1)
【Fターム(参考)】