説明

癌および他の疾患または障害の治療のための医薬組成物

本発明は、経口医薬剤形の量産に適切である、式(I):


の化合物またはその薬学的に許容される塩の新規の医薬組成物;前記経口医薬剤形の生産の方法;および慢性炎症性の増殖性障害、増殖性眼障害、良性の増殖性障害、および癌を伴う疾患、障害または症状を患うか、罹っている患者を治療するための、その医薬組成物の使用を提供する。本発明によってまた、本発明の医薬組成物の治療有効量の投与を含む、癌を治療する方法もまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2009年7月31日に出願された米国特許仮出願第61/230,212号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、式(I):
【化1】


の4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸の医薬組成物、またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0003】
式(I)の化合物は、インビトロおよびインビボでのオーロラAキナーゼ活性を阻害するのに有用であり、様々な細胞増殖性疾患の治療に特に有用である。
【0004】
式(I)の薬学的に許容される塩の例は、式(II):
【化2】


の4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム、またはその結晶形態である。
【背景技術】
【0005】
アメリカ癌協会(American Cancer Society)によれば、推定148万人のアメリカ人が2009年に新しく癌と診断され、約562,000人がその疾患の犠牲になって亡くなった。医学の進歩により癌生存率は改善しているが、新規でより有効な治療に対する必要性が、引き続いて存在する。
【0006】
癌は制御できない細胞再生を特徴とする。有糸分裂は、一連の複雑な事象において、2個の娘細胞へ染色体を正確に分離させる細胞周期の一段階である。タキサンおよびビンカアルカロイドを包含するいくつかの現在の癌治療は、有系分裂の仕組みを阻害するように作用する。有系分裂の進行は、タンパク質分解によって、および有系分裂キナーゼが介在するリン酸化事象によって、主として調節される。オーロラキナーゼファミリーメンバー(例えば、オーロラA、オーロラB、オーロラC)は、中心体分離、紡錘体動力学、紡錘体集合チェックポイント、染色体整列および細胞質分裂の調節を通して有系分裂の進行を調節する。(非特許文献1(Dutertreetal.,Oncogene,21:6175(2002)));非特許文献2(Berdnik et al.,Curr.Biol.,12:640(2002)))。オーロラキナーゼの過剰発現および/または増幅は、大腸および乳房の癌を包含するいくつかの腫瘍タイプの腫瘍形成に関連づけられている。(非特許文献3(Warner et al.,Mol.Cancer Ther.,2:589(2003));非特許文献4(Bischoff et al.,EMBO,17:3062(1998));非特許文献5(Sen et al.,Cancer Res.,94:1320(2002))。さらに、腫瘍細胞のオーロラキナーゼ阻害は核分裂停止および細胞死をもたらし、これは、これらのキナーゼが癌治療の重要な標的であることを示唆している(非特許文献6(Ditchfield,J.Cell Biol.,161:267(2003));非特許文献7(Harrington et al.,Nature Med.,1(2004)))。事実上、あらゆる悪性腫瘍の進行において有糸分裂の中心的な役割を仮定すれば、オーロラキナーゼの阻害薬は、広範囲のヒト腫瘍にわたる用途を有すると予想される。
【0007】
特許文献1(米国特許第7,572,784号)、特許文献2(米国特許出願公開第2008/0045501号)、特許文献3(米国特許出願公開第2008/0167292号)、および2010年2月19日に出願された米国特許出願第61/306,047号は、オーロラキナーゼ酵素を阻害する化合物を開示し、これらは、参照によりそれらの全体が組み込まれる。これらの出願は、これらの化合物の調製の方法、これらの化合物を含有する医薬組成物、および癌などの細胞増殖の障害を含むが、これらに限定されないオーロラキナーゼの過剰発現および/または増幅に関連する疾患、障害または症状の予防および治療のための方法をさらに開示する。
【0008】
4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム(II)は、特許文献4(国際公開第08/063525号)および特許文献5(米国特許出願公開第2008/0167292号)に記載され、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
特に小児に投与するのに都合のよい、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の安定した医薬製剤を開発する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7,572,784号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0045501号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0167292号明細書
【特許文献4】国際公開第08/063525号
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0167292号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Dutertreetal.,Oncogene,21:6175(2002)
【非特許文献2】Berdnik et al.,Curr.Biol.,12:640(2002)
【非特許文献3】Warner et al.,Mol.Cancer Ther.,2:589(2003)
【非特許文献4】Bischoff et al.,EMBO,17:3062(1998)
【非特許文献5】Sen et al.,Cancer Res.,94:1320(2002)
【非特許文献6】Ditchfield,J.Cell Biol.,161:267(2003)
【非特許文献7】Harrington et al.,Nature Med.,1(2004)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
一態様において、本発明は、経口医薬剤形の量産に適切な、式(I)の化合物の医薬組成物またはその薬学的に許容される塩を対象とする。
【0013】
別の態様において、本発明は、液体の経口医薬剤形の量産に適切な、式(I)の化合物の医薬組成物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの緩衝剤、ならびに場合によって、防腐剤および界面活性剤からなる群から独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の経口医薬剤形の量産のプロセスを提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、慢性炎症性の増殖性障害、例えば、乾癬および関節リウマチ、増殖性眼障害、例えば、糖尿病性網膜症;良性の増殖性障害、例えば、血管腫;および癌を包含する増殖性障害を伴う疾患、障害または症状を患うか、罹っている患者を治療するために、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の医薬組成物を使用する方法を提供する。
【0017】
本明細書中で言及される特許および科学文献は、当業者に利用可能な知見を確立する。他に定義されない限り、本明細書において使用される技術および科学用語はすべて、本発明が関係する当業者によって共通して理解されるのと同一の意味を有している。本明細書で説明するものと類似または等価の方法および材料を、本発明の方法の実施または試験において使用できるが、好ましい方法および材料を本明細書で説明する。本明細書中で引用されるすべての特許、特許出願および参考文献は、これらの各々が具体的かつ個々に参照として組み込まれることが示されるのと同様に、本明細書によって参照として組み込まれる。一致しない場合、定義を包含する本開示が優先である。さらに、材料、方法および実施例は単なる例示であって、限定するようには意図されない。
【0018】
定義
【0019】
用語「約」は、本明細書において、およそ、〜の範囲で、概算で、または〜のあたりでを意味するように用いられる。用語「約」が数字の範囲と組み合わせて使用される場合、それは、述べられる数値より上および下の境界を拡大することにより、その範囲を修正する。一般には、用語「約」は、本明細書において、明示された値より上および下の数値を、10%の変動で修正するために使用される。
【0020】
本明細書において使用されるとき、用語「含む」は、「含むが、限定されない」ことを意味する。
【0021】
本明細書において使用されるとき、「対象」は、好ましくは鳥またはヒトなどの哺乳動物であるが、獣医の治療を必要とする動物、例えば、家庭動物(例えば、イヌ、猫など)、家畜(例えば、雌ウシ、ヒツジ、鳥、ブタ、馬など)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)であってもよい。
【0022】
用語「薬学的に許容される賦形剤」は、本明細書において、レシピエント対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトと適合し、また、薬剤活性を終わらせずに、標的部位に活性薬剤を送達するのに適切である材料を指すために使用される。賦形剤に関連する毒性または副作用は、もしあったとしても、好ましくは、活性成分の意図する使用に対して、妥当なリスク・ベネフィット比と釣り合っている。薬学的に許容される賦形剤の種類は、界面活性剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、充填剤、緩衝剤、溶媒、防腐剤および味覚隠蔽剤を含むが、これらに限定されない。小児用の経口製剤の総説については、例えば、Strickley RG et al.,J.Pharm.Sci.,97(5):1731−1774(2007)参照。
【0023】
用語「味覚隠蔽剤」は、本明細書において、望ましくない味覚または臭気を隠蔽することにより医薬組成物の嗜好性を改善する薬剤を記載するために使用される。味覚隠蔽剤は、甘味剤、芳香剤、抗苦味隠蔽成分、粘性強化剤、着色剤、および芳香賦形剤(例えば、メントール、黄色プラムレモン芳香)を含むが、これらに限定されない。甘味剤の例は、スクロース、デキストロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、マルトール、転化糖、ソルビトール、サッカリン、マルチトール、キシリトール、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(およびシクラメートなどの天然および合成甘味料を含むが、これらに限定されない。芳香剤は、ブドウ、チェリー、ベリー、柑橘類、他の果物、ミント、バニラ、チョコレート、風船ガムおよびシナモンを含むがこれらに限定されない、香りを与えると当業者に既知の、何らかの天然または合成化合物を含む。例えば、Fenaroli’s Handbook of Flavor Ingredients,5th Edition,edited by George A.Burdock,Ph.D.,CRC Press参照。
【0024】
本明細書において使用されるとき、単回の医薬剤形の合計重量は、医薬剤形の成分の重量すべての加算により求められる。単回の医薬剤形の合計重量は、医薬剤形を含む各成分の重量百分率を算定する基準として使用される。
【0025】
本明細書において使用されるとき、「%w/w」は、重量で合計重量の百分率として意味するように用いられている。
【0026】
本明細書において使用されるとき、「治療」または「治療すること」は、疾患、障害または症状の予防、部分的な軽減または治癒を意味する。本発明の化合物および組成物は、オーロラキナーゼ介在性障害に関係する治療用途に有用である。本明細書において使用されるとき、用語「オーロラキナーゼ介在性障害」は、オーロラキナーゼの発現または活性の増加を原因とするもしくは特徴とする、またはオーロラキナーゼ活性を必要とする、何らかの障害、疾患または症状を含む。用語「オーロラキナーゼ介在性障害」はまた、オーロラキナーゼ活性の阻害が有益である何らかの疾患、障害、または症状を含む。オーロラキナーゼ介在性障害は増殖性障害を含む。増殖性障害の限定されない例は、慢性炎症性の増殖性障害、例えば、乾癬および関節リウマチ;増殖性眼障害、例えば、糖尿病性網膜症;良性の増殖性障害、例えば、血管腫;および癌を含む。
【0027】
本明細書において使用されるとき、用語「オーロラキナーゼ」は、有系分裂の進行に関与する、関連セリン/トレオニンキナーゼのファミリーのいずれか1つを指す。細胞分裂で役割を果たす様々な細胞タンパク質は、ヒストンH3、p53、CENP−A、ミオシンII調節軽鎖、プロテインホスファターゼ1、TPX−2、INCENP、サバイビン、トポイソメラーゼIIアルファ、ビメンチン、MBD−3、MgcRacGAP、デスミン、Ajuba、XIEg5(ツメガエル中の)、Ndc10p(出芽酵母中の)およびD−TACC(ショウジョウバエ中の)を含むが、これらに限定されない、オーロラキナーゼ酵素によるリン酸化の基質である。オーロラキナーゼ酵素はまた、それ自体、例えば、Thr288での、自己リン酸化の基質である。文脈によって特に断らなければ、用語「オーロラキナーゼ」は、オーロラA、オーロラBおよびオーロラC、好ましくはオーロラAまたはBを包含するが、これらに限定されない、何らかの種からの任意のオーロラキナーゼタンパク質を指すことを意味する。好ましくは、オーロラキナーゼはヒトオーロラキナーゼである。
【0028】
用語「オーロラキナーゼ阻害薬」または「オーロラキナーゼの阻害薬」は、オーロラキナーゼと相互作用することができ、その酵素活性を阻害することができる本明細書に定義される構造を有する化合物を示すために使用される。オーロラキナーゼ酵素活性の阻害は、オーロラキナーゼが基質ペプチドまたはタンパク質をリン酸化する能力を減少させることを意味する。様々な実施形態において、オーロラキナーゼ活性のそのような減少は、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または、少なくとも約99%である。様々な実施形態において、オーロラキナーゼ酵素活性を減少させるのに必要とするオーロラキナーゼ阻害薬の濃度は、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、または約50nM未満である。
【0029】
本明細書において使用されるとき、「治療有効量」は、所望の治療効果を与えるのに有効な、化合物、組成物、医薬または他の活性成分の量を記載するために意図される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの緩衝剤、ならびに場合によって、防腐剤および界面活性剤からなる群から独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0031】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は味覚隠蔽剤をさらに含む。
【0032】
さらに別の実施形態において、式(I)の化合物の医薬組成物またはその薬学的に許容される塩は、液体の経口医薬剤形の量産に適切である。液体の経口医薬剤形の例は、溶液、懸濁液およびコロイドを含むが、これらに限定されない。
【0033】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、約0.05%w/w〜約5%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約50%w/w〜約99.2%w/wの溶媒、約0.01%w/w〜約30%w/wの緩衝剤、約5%w/w以下の防腐剤、および約5%w/w以下の界面活性剤を含む。別の実施形態において、医薬組成物は、約0.05%w/w〜約5%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約50%w/w〜約99%w/wの溶媒、約0.01%w/w〜約30%w/wの緩衝剤、約60%w/w以下の味覚隠蔽剤、約5%w/w以下の防腐剤および約5%w/w以下の界面活性剤を含む。なお別の実施形態において、医薬組成物は、約0.10%w/w〜約2%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約65%w/w〜約99%w/wの溶媒、約0.20%w/w〜約3%w/wの緩衝剤および約15%w/w〜約50%w/wの味覚隠蔽剤を含む。
【0034】
別の実施形態において、医薬組成物は、約0.44%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約99.14%w/wの溶媒および約0.42%w/wの緩衝剤を含む。
【0035】
別の実施形態において、医薬組成物は、約0.47%w/wの式(II)の化合物またはその結晶形態、約77.36%w/wの溶媒、約21.75%w/wの味覚隠蔽剤および約0.42%w/wの緩衝剤を含む。
【0036】
別の実施形態において、医薬組成物は、約0.47%w/wの式(II)の化合物またはその結晶形態、約98.41%w/wの溶媒、約0.7%w/wの味覚隠蔽剤および約0.42%w/wの緩衝剤を含む。
【0037】
別の実施形態において、医薬組成物は、約0.47%w/wの式(II)の化合物またはその結晶形態、約78.11%w/wの溶媒、約21%w/wの味覚隠蔽剤および約0.42%w/wの緩衝剤を含む。
【0038】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は液体の経口医薬剤形である。別の実施形態において、医薬組成物剤形は小児への投薬のためのものである。別の実施形態において、医薬組成物剤形は成人への投薬のためのものである。
【0039】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)化合物の塩、好ましくは式(II)のナトリウム塩、またはその結晶形態を含む。
【0040】
実施例9で記載される分析法を使用し、試験サンプル中に存在する式(I)の化合物の量またはその薬学的に許容される塩は、式(II)の化合物またはその結晶形態の標準品との比較によって測定することができる。式(I)の化合物から式(II)の化合物への変換における1:1分子比率に基づいて、分子量変換から、試験サンプル中に存在する式(I)の化合物の量が得られる。
【0041】
いくつかの実施形態において、医薬組成物に存在する式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の量は、式(I)の化合物および式(II)の化合物の相対的分子量に基づいて、式(II)の化合物の当量として表わされる。例えば、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、0.47%w/wの化合物式(II)を含み、分子量変換を考慮に入れると、これは0.44%w/wの化合物式(I)と等価である。
【0042】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約0.05%w/w〜約5%w/wの量で存在する式(I)の化合物または式(II)の化合物を含む。いくつかの他の実施形態において、式(I)の化合物または、式(II)の化合物は、約0.10%w/w〜約2%w/wの量で存在する。さらにいくつかの他の実施形態において、式(I)の化合物または式(II)の化合物は、約0.10%w/w、または約0.20%w/w、または約0.30%w/w、または約0.40%w/w、または約0.50%w/w、または約1.0%w/w、または約1.5%w/w、または約2.0%w/w、または約2.5%w/w、または約3.0%w/w、または約3.5%w/w、または約4.0%w/w、または約4.5%w/w、または約5.0%w/wの量で存在する。さらにいくつかの他の実施形態において、式(I)の化合物または式(II)の化合物は、約0.10%w/w、または約0.15%w/w、または約0.20%w/w、0.25%w/w、または約0.30%w/w、または約0.35%w/w、または約0.40%w/w、または約0.45%w/w、または約0.50%w/w、または約0.55%w/w、または約0.60%w/w、または約0.65%w/w、または約0.70%w/w、または約0.75%w/w、約0.80%w/w、または約0.85%w/w、または約0.90%w/w、または約0.95%w/w、または約1.0%w/w、または約1.05%w/w、または約1.10%w/w、または約1.15%w/w、または約1.20%w/w、または約1.25%w/w、または約1.30%w/w、約1.35%w/w、または約1.40%w/w、または約1.45%w/w、または約1.50%w/w、または約1.55%w/w、または約1.60%w/w、または約1.65%w/w、または約1.70%w/w、または約1.75%w/w、または約1.80%w/w、または約1.85%w/w、または約1.90%w/w、約1.95%w/w、または約2.0%w/wの量で存在する。さらにいくつかの他の実施形態において、式(I)の化合物または式(II)の化合物は、約0.40%w/w〜約0.50%w/wの量で存在する。さらにいくつかの他の実施形態において、式(I)の化合物または式(II)の化合物は、約0.21%w/w、または約0.22%w/w、または約0.23%w/w、または約0.24%w/w、または約0.25%w/w、または約0.26%w/w、または約0.27%w/w、または約0.28%w/w、約0.29%w/w、または約0.30%w/w、または約0.31%w/w、または約0.32%w/w、または約0.33%w/w、または約0.34%w/w、または約0.35%w/w、または約0.36%w/w、または約0.37%w/w、または約0.38%w/w、または約0.39%w/w、約0.40%w/w、または約0.41%w/w、または約0.42%w/w、または約0.43%w/w、または約0.44%w/w、または約0.45%w/w、または約0.46%w/w、または約0.47%w/w、または約0.48%w/w、または約0.49%w/wの量で存在する。
【0043】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は約50%w/w〜約99.2%w/wの量で存在する溶媒を含む。他のいくつかの実施形態において、医薬組成物は約65%w/w〜約99%w/wの量で存在する溶媒を含む。他のいくつかの実施形態において、医薬組成物は約75%w/w〜約99%w/wの量で存在する溶媒を含む。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約65%w/w、または約66%w/w、または約67%w/w、または約68%w/w、または約69%w/w、または約70%w/w、または約71%w/w、または約72%w/w、または約73%w/w、約74%w/w、または約75%w/w、または約76%w/w、または約77%w/w、または約78%w/w、または約79%w/w、または約80%w/w、または約81%w/w、または約82%w/w、または約83%w/w、または約84%w/w、約85%w/w、または約86%w/w、または約87%w/w、または約88%w/w、または約89%w/w、または約90%w/w、または約91%w/w、または約92%w/w、または約93%w/w、または約94%w/w、または約95%w/w、または約96%w/w、または約97%w/w、または約98%w/w、または約99%w/wの量で存在する溶媒を含む。さらに他の実施形態において、医薬組成物は、約99.11%w/w、または約99.12%w/w、または約99.13%w/w、または約99.14%w/w、または約99.15%w/w、または約99.16%w/w、または約99.17%w/w、または約99.18%w/w、または約99.19%w/w、または約99.2%w/wの量で存在する溶媒を含む。さらに他の実施形態において、医薬組成物は、約77.65%w/w、または約77.66%w/w、または約77.67%w/w、または約77.68%w/w、または約77.69%w/w、または約77.70%w/w、または約77.71%w/w、または約77.72%w/w、または約77.73%w/w、または約77.74%w/w、または約77.75%w/wの量で存在する溶媒を含む。
【0044】
好適な溶媒は、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG400)、ポリエチレングリコール(PEG3350)、エタノール、シクロデキストリン(例えば、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン(HPBCD)、植物油、ヒマシ油、中鎖トリグリセリド(tryglycerides)、精製水およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、溶媒は、PEG400、プロピレングリコールおよび精製水の混合物である。
【0045】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は約30%w/w以下の量で存在する緩衝剤を含む。他のいくつかの実施形態において、医薬組成物は約0.20%w/w〜約3%w/wの量で存在する緩衝剤を含む。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約1.0%w/w、または約1.5%w/w、または約2.0%w/w、または約2.5%w/w、または約3.0%w/w、または約3.5%w/w、または約4.0%w/w、または約4.5%w/w、または約5.0%w/w、または約5.5%w/w、または約6.0%w/w、または約6.5%w/w、または約7.0%w/w、または約7.5%w/w、または約8.0%w/w、または約8.5%w/w、または約9.0%w/w、または約9.5%w/w、または約10.0%w/wの量で存在する緩衝剤を含む。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約15%w/w、または約20%w/w、または約25%w/w、または約30%w/wの量で存在する緩衝剤を含む。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約0.01%w/w、または約0.05%w/w、または約0.10%w/w、または約0.15%w/w、または約0.20%w/w、または約0.25%w/w、または約0.30%w/w、または約0.35%w/w、または約0.40%w/w、または約0.45%w/w、または約0.50%w/w、または約0.55%w/w、または約0.60%w/w、または約0.65%w/w、または約0.70%w/w、または約0.75%w/w、または約0.80%w/w、または約0.85%w/w、または約0.90%w/w、または約0.95%w/wの量で存在する緩衝剤を含む。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約0.41%w/w、または約0.42%w/w、または約0.43%w/w、または約0.44%w/wの量で存在する緩衝剤を含む。
【0046】
好適な緩衝剤は、重炭酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、緩衝剤は重炭酸ナトリウムである。
【0047】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5%w/w以下の量で存在してもよい防腐剤を場合によって含む。他のいくつかの実施形態において、防腐剤は約2%w/w以下の量で存在する。他のいくつかの実施形態において、防腐剤は約1%w/w以下の量で存在する。他のいくつかの実施形態において、防腐剤は、約0.5%w/w、または約1.0%w/w、または約1.5%w/w、または約2.0%w/w、または約2.5%w/w、または約3.0%w/w、または約3.5%w/w、または約4.0%w/w、または約4.5%w/w、または約5.0%w/wの量で存在する。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約0.01%w/w、または約0.05%w/w、または約0.10%w/w、または約0.15%w/w、または約0.20%w/w、または約0.25%w/w、または約0.30%w/w、または約0.35%w/w、または約0.40%w/w、または約0.45%w/w、または約0.50%w/w、または約0.55%w/w、または約0.60%w/w、または約0.65%w/w、または約0.70%w/w、または約0.75%w/w、または約0.80%w/w、または約0.85%w/w、または約0.90%w/w、または約0.95%w/wの量で存在する防腐剤を含む。
【0048】
好適な防腐剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、ベンジルパラベンなどのパラベン、およびこれらのナトリウム塩、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、EDTA、ホルムアルデヒド発生性誘導体、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、防腐剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンの混合物である。
【0049】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約5%w/w以下の量で存在してもよい界面活性剤を場合によって含む。他のいくつかの実施形態において、界面活性剤は約2%w/w以下の量で存在する。他のいくつかの実施形態において、界面活性剤は約1%w/w以下の量で存在する。他のいくつかの実施形態において、界面活性剤は、約0.5%w/w、または約1.0%w/w、または約1.5%w/w、または約2.0%w/w、または約2.5%w/w、または約3.0%w/w、または約3.5%w/w、または約4.0%w/w、または約4.5%w/w、または約5.0%w/wの量で存在する。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約0.01%w/w、または約0.05%w/w、または約0.10%w/w、または約0.15%w/w、または約0.20%w/w、または約0.25%w/w、または約0.30%w/w、または約0.35%w/w、または約0.40%w/w、または約0.45%w/w、または約0.50%w/w、または約0.55%w/w、または約0.60%w/w、または約0.65%w/w、または約0.70%w/w、または約0.75%w/w、または約0.80%w/w、または約0.85%w/w、または約0.90%w/w、または約0.95%w/wの量で存在する界面活性剤を含む。
【0050】
好適な界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート(例えば、Tween20およびTween80)、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー331およびポロキサマー407)、モノオレイン酸グリセリル、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0051】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約60%w/w以下の量で存在してもよい味覚隠蔽剤を場合によって含む。他のいくつかの実施形態において、味覚隠蔽剤は、約15%w/w〜約50%w/wの量で存在する。他のいくつかの実施形態において、味覚隠蔽剤は、約0.05%w/w、または約0.10%w/w、または約0.15%w/w、または約0.20%w/w、または約0.25%w/w、または約0.50%w/w、または約0.60%w/w、または約0.70%w/w、または約0.80%w/w、または約0.90%w/w、または約1%w/w、または約2%w/w、または約3%w/w、または約4%w/w、または約5%w/w、または約10%w/w、または約15%w/w、または約20%w/w、または約25%w/w、または約30%w/w、または約35%w/w、または約40%w/w、または約45%w/w、または約50%w/w、または約55%w/w、または約60%w/wの量で存在する。さらに別の実施形態において、医薬組成物は、約21%w/w、または約22%w/w、または約23%w/w、または約24%w/w、または約25%w/w、または約26%w/w、または約27%w/w、または約28%w/w、または約29%w/w、または約30%w/w、または約31%w/w、または約32%w/w(または約33%w/w、または約34%w/w、または約35%w/w、または約36%w/w、または約37%w/w、または約38%w/w、または約39%w/w量で存在する味覚隠蔽剤を場合によって含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、味覚隠蔽剤は甘味料を含む。好適な甘味料は、スクロース、デキストロース、フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、マルトール、転化糖、ソルビトール、サッカリン、マルチトール、キシリトール、サッカリンナトリウム、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(、およびシクラメートおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。甘味料は、水溶液、例えば、70%ソルビトール水溶液、またはシロップ剤、例えば、Lycasin(登録商標)の形態で製剤に添加することができる。一実施形態において、甘味料はソルビトールである。別の実施形態において、甘味料はアセスルファムカリウムである。なお別の実施形態において、甘味料はソルビトールおよびアセスルファムカリウムの混合物である。
【0053】
いくつかの実施形態において、味覚隠蔽剤は芳香剤を含む。好適な芳香剤は、イチゴ、オレンジ、混合ベリーまたはバブルガム(Ungerer & Co.,Lincoln Park,NJ)などの人工調味料系を含むが、これらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は抗発泡剤を含む。好適な抗発泡剤は、シメチコン、ジメチコンおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0055】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウムおよび精製水を含む。
【0056】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、PEG400、重炭酸ナトリウムおよび精製水を含む。
【0057】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよび精製水を含む。
【0058】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベンおよび精製水を含む。
【0059】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、グリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベンおよび精製水を含む。
【0060】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、PEG400、重炭酸ナトリウム、グリセリンおよび精製水を含む。
【0061】
さらに別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0062】
別の実施形態において、本発明の医薬組成物は含む、式(I)の化合物、プロピレングリコール、PEG400、重炭酸ナトリウム、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0063】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0064】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0065】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、重炭酸ナトリウム、グリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0066】
なお別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、PEG400、重炭酸ナトリウム、グリセリン、味覚隠蔽剤および精製水を含む。
【0067】
本発明の一実施形態は、約0.05mg/mL〜約25mg/mLのその薬学的に許容される塩を含む単位用量医薬組成物を対象とする。別の実施形態において、単位用量医薬組成物は、約0.1mg/mL〜約3mg/mLの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a−1)少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの緩衝剤、および、場合によって1つ以上の味覚隠蔽剤を含む混合物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を溶解するステップ;
(a−2)得られた(a−1)からの溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ
を含む、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の経口液体医薬剤形の量産プロセスを提供する。
【0069】
いくつかの実施形態において、本発明は、
(a−1)少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの味覚隠蔽剤、および少なくとも1つの緩衝剤を含む混合物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を溶解するステップ;
(a−2)(a−1)から得られた溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ
を含む、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の経口液体医薬剤形の量産プロセスを提供する。
【0070】
いくつかの他の実施形態において、
(a−1)プロピレングリコール、精製水、PEG400、ソルビトール、アセスルファムカリウム、および重炭酸ナトリウムを含む混合物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を溶解するステップ;
(a−2)(a−1)から得られた溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ
を含む、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の経口液体医薬剤形の量産プロセスを提供する。
【0071】
いくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の式(I)の化合物は、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。式(I)の化合物の薬学的に許容される塩が本発明の組成物を調製する際に使用される場合、塩は好ましくは塩基付加塩である。
【0072】
好適な塩基添加塩は、アンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミンおよびコリンなどの有機塩基との塩、およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩を含むが、これらに限定されない。
【0073】
いくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の活性成分は、式(I)の化合物またはそのナトリウムもしくはカリウム塩である。いくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の活性成分は、式(II)のナトリウム塩またはその結晶形態である。
【0074】
いくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の活性成分は式(I)の化合物の結晶形態である。他のいくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の活性成分は、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩の結晶形態である。式(I)の化合物の薬学的に許容される塩およびその結晶形態のいくつかの例は、米国特許第7,572,784号、米国特許出願公開第2008/0167292号および2010年2月19日に出願された米国特許出願第61/306,047号に見出すことができ、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、ステップ(a−1)の活性成分は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第08/063525号、および米国特許出願公開第2008/0167292号に記載されているように、式(II)のナトリウム塩の多形、例えば形態1、形態2である。
【0075】
上に略述した生産工程は従来の設備または装置を使用する。本明細書において略述した溶解ステップ(a−1)は、任意の従来の設備または装置で行うことができる。そのような装置の例は、IKA(登録商標)ミキサーおよびLIGHTNIN Stainless Steel Enhanced classic Line(ECL)ポータブルミキサーなどのオーバーヘッドミキサーを含むが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書において略述した、ろ過ステップ(a−2)は、任意の従来の設備または装置で行うことができる。そのような装置の例は、10μMポリプロピレンフィルター、およびナイロンフィルターを含むが、これらに限定されない。
【0077】
本明細書において略述した充填ステップ(a−3)は、任意の従来の設備または装置を使用して行うことができる。当業者は、所望の量の医薬組成物を保持し、かつ安定した貯蔵条件を与えるのに適切な瓶を選択することができるであろう。適切な瓶の例は、USPタイプIホウケイ酸ガラス瓶、USPタイプIIIソーダ石灰ガラス瓶およびポリエチレンテレフタレート(PETE)プラスチックボトルを含むが、これらに限定されない。前述の瓶に適切な寸法の蓋が備え付けてあってもよく、それは、場合によって、子供に安全なものであってよい。適切な蓋の例は、20−400または24−400ポリプロピレン蓋を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、前述の蓋はライナー、例えば、F217発泡ポリエチレンライナー、またはTRI−Foil(登録商標)WPF−217ライナー(Tri−Seal Holdings Inc.,Blauvelt,NY)を有する。蓋サイズが瓶サイズに応じて変化し得ることは当業者によって理解される。
【0078】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、スプーン、点滴器、計量カップ、円筒状計量スプーン、目盛り付きピペットおよび経口注射器(これらは本発明の医薬組成物で、場合によって前もって充填されていてもよい)を含むが、これらに限定されない、用量送達器具経由で投与されてもよい。
【0079】
医薬組成物は、本発明の方法によれば、その疾患の治療に有効な任意の量を使用して投与されてもよい。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および全身状態、感染症の重症度、特定の薬剤、投与の様式などに応じて、対象毎に変動する。医薬組成物は、好ましくは、投与のしやすさおよび用量の均一性のために、経口医薬剤形に製剤化される。本明細書において使用される表現「単位剤形」は、対象を治療するのに適切な薬剤の物理的に別々の単位を指す。しかし、本発明の医薬組成物の毎日の使用の合計は、主治医によって正しい医学的判断の範囲内で決定されることが理解されよう。何らかの特定の患者または生命体のための具体的な有効量レベルは、治療されている疾患およびその疾患の重症度;使用される具体的な化合物の活性;使用される具体的な組成物;患者の年齢、体重、健康状態、性別および食事制限;投与の時間、投与経路、および使用される具体的な化合物の排泄の速度;治療の期間;使用される具体的な化合物と併用してまたは同時に使用される薬物、および医学分野で周知の類似の因子を包含する様々な因子に依存する。用語「患者」は、本明細書において使用されるとき、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日当たりの対象体重の、約1.0mg/kg〜約7.0mg/kg、好ましくは約1.4mg/kg〜約6.2mg/kgの合計用量レベルで経口投与され、その日に1つまたは複数の用量で投与されてもよい。
【0080】
経口医薬剤形の物理的および化学的安定性は、従来の方式で、例えば、外観、または式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、種々の温度で種々の延時間で保管した後の分解生成物の分析によって試験することができる。
【0081】
医薬組成物の薬理学的性質は、オーロラキナーゼ、特にオーロラAまたはBが介在する疾患、障害または症状を患うか、罹っている患者の治療に使用するのに適切である。オーロラキナーゼ活性、特にオーロラAまたはBの阻害は、慢性炎症性の増殖障害、例えば、乾癬および関節リウマチ;増殖性眼障害、例えば、糖尿病性網膜症;良性の増殖性障害、例えば、血管腫;および癌を包含する細胞生存、増殖および転移を伴ういくつかの疾患を治療する役目を果たすことができる。
【0082】
別の態様において、本発明は、本発明の医薬組成物の治療有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、癌は固形腫瘍である。本発明の方法によって治療することができる固形腫瘍の非限定的な例は、膵癌;膀胱癌;結腸直腸癌;転移性乳癌を包含する乳癌;アンドロゲン依存性、およびアンドロゲン非依存性の前立腺癌を包含する前立腺癌;例えば、転移性腎細胞を含む癌腎癌;肝細胞性癌;例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、細気管支肺胞上皮癌(BAC)および肺の腺癌を含む肺癌:例えば、進行性の上皮または原発性腹膜癌を含む卵巣癌;子宮頚癌;胃癌;食道癌;例えば、頭頸部の扁平上皮癌を含む頭頸部癌;黒色腫;転移性神経内分泌腫瘍を包含する神経内分泌系の癌;例えば、神経膠腫、退生の乏突起神経膠腫、成人の多形膠芽腫および成人の退形成星細胞腫を含む脳腫瘍;骨癌;および軟部組織肉腫を含む。
【0083】
いくつかの他の実施形態において、癌は血液系悪性腫瘍である。血液系悪性腫瘍の非限定的な例は、急性骨髄性白血病(AML);促進CMLおよびCML急性転化(CML−BP)を包含する慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ性白血病(ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);ホジキン病(HD);濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を包含する非ホジキンリンパ腫(NHL);B細胞系リンパ腫;T細胞リンパ腫;多発性骨髄腫(MM);ワルデンストレームマクログロブリン血症;不応性貧血(RA)を包含する骨髄異形成症候群(MDS)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血、過剰芽細胞を伴う不応性貧血(RAEB)、および移行期のRAEB(RAEB−T);および骨髄増殖症候群を含む。
【0084】
さらに別の実施形態において、癌は、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、前立腺癌および膵癌からなる群から選択される。さらに別の実施形態において、癌は神経芽細胞腫またはALLからなる群から選択される。特定の具体的な実施形態において、癌は小児神経芽細胞腫または小児ALLである。
【0085】
医薬組成物は、障害、疾患または症候を治療する単独療法の用途において使用されてもよいが、また、本発明の化合物または組成物(治療剤)の使用を、同じおよび/または他のタイプの障害、症候および疾患を治療するための1つ以上の他の治療剤の使用と組み合わせる、併用治療において使用されてもよい。併用治療は、その治療剤の投与を同時にまたは連続して含む。あるいは、治療剤は、患者に投与される1つの組成物に組み合わされることができる。
【0086】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、キナーゼ、特にセリン/トレオニンキナーゼの他の阻害薬などの他の治療剤と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、細胞毒性薬、放射線療法および免疫療法からなる群から選択される治療剤と共に投与される。他の組み合わせが、本発明の範囲内で残されているが、企図されてもよいことが理解される。
【0087】
本発明がより完全に理解されるように、調製の実施例を以下に述べる。これらの実施例は、具体的な組成物を製造しまたは試験する方法を示すが、決して本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0088】
式(II)の4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム多形形態1または多形形態2を、全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第08/063525号、および米国特許出願公開第08/0167292号記載されている合成法に従って、調製することができる。式(II)の4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム多形形態2を、本明細書に記載された実施例において使用する場合、本発明の医薬組成物を調製するために、式(II)の多形形態1、または式(II)の任意の多形形態も使用されてもよいことが理解される。式(II)の多形のさらなる例は、2010年2月19日に出願された米国特許仮出願第61/306,047号に見出すことができ、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0089】
実施例1:25.0kgのバッチを次のプロセスによって製造した。式(II)の4−{[9−クロロ−7−(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イル]アミノ}−2−メトキシ安息香酸ナトリウム多形形態2(0.119kg)をふるいにかけ、ポリエチレングリコール400(7.5kg)およびプロピレングリコール(7.5kg)で可溶化し、ステンレス鋼海用プロペラを備えるIKAミキサーモデルRW−20を使用して、混合物#1を得た。重炭酸ナトリウム(0.105kg)、ソルビトール70%水溶液(7.5kg)および精製水(2.285kg)を別に混合し、ステンレス鋼海用プロペラを備えるIKAミキサーモデルRW−20を使用して、混合物#2を得た。最終混合ステップにおいて、混合物#1および#2を一緒に混合し、ステンレス鋼海用プロペラを備えるIKAミキサーモデルRW−20を使用して、均質溶液を得た。次いで、この溶液を10μMポリプロピレンフィルターに通してろ過し、バルク貯蔵用のPTFEライナーを有する4Lガラス製褐色瓶で保管した。次いで、バルク溶液を、F217発泡ポリエチレンライナーを有する、20−400白色ポリプロピレン蓋付き20mLUSPタイプIホウケイ酸ガラス褐色瓶へ分注した。バッチ組成物は表1に示される。
【表1】

【0090】
実施例2:下記表2に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表2】

【0091】
実施例3:下記表3に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表3】

【0092】
実施例4:下記表4に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表4】

【0093】
実施例5:下記表5に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表5】

【0094】
実施例6:下記表6に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表6】

【0095】
実施例7:下記表7に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表7】

【0096】
実施例8:下記表8に示す医薬組成物は、実施例1に記載したものとおおむね同様の手順を使用して調製した。
【表8】

【0097】
実施例9:分析法
【0098】
常温でC18カラムを使用し312nmで紫外線(UV)検出する逆相HPLC
【0099】
移動相:勾配は、75%の移動相A(水中0.1%triflouroacetic酸)および25%の移動相B(アセトニトリル中の0.1%triflouroacetic酸)から始め、42分後15%の移動相Aで終了する。
【0100】
試験サンプルを、アセトニトリル:水50:50(v/v)である希釈剤中に医薬組成物のアリコートを溶解することにより調製する。試験サンプル中の式(I)の化合物の存在は、サンプル保持時間と標準品のそれとの比較によって確認する。使用する標準品は、既知純度で既知量の式(II)の化合物である。標準品は、アセトニトリル:水50:50(v/v)中に式(II)の化合物を溶解することにより調製する。サンプル中に存在する式(I)の化合物の量は、分子量変換を含む、標準品のピーク面積との、重量対重量の比較をしてピーク面積から算定する。分子量変換は、式(I)対式(II)の分子量比率を説明する。あるいは、使用する標準品は、既知純度で既知量の式(I)の化合物であってもよく、それは、式(II)の化合物の標準品として同一条件下に調製することができる。この方法の定量の限界は0.05%であり、算定の検出限界は0.02%である。
【0101】
本発明者らは、本発明のいくつかの実施形態を記載したが、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために、本発明者らの基本的な実施例を変えることができることは明らかである。したがって、例として表された具体的な実施形態によってではなく、添付された特許請求の範囲によって本発明の範囲が定義されるべきであることが認識されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化3】


の化合物またはその薬学的に許容される塩、少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの緩衝剤、ならびに、場合によって、防腐剤および界面活性剤からなる群から独立して選択される1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
味覚隠蔽剤をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記医薬組成物が、約0.05%w/w〜約5%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約50%w/w〜約99.2%w/wの溶媒、約0.01%w/w〜約30%w/wの緩衝剤、約5%w/w以下の防腐剤、および約5%以下の界面活性剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物が、約0.05%w/w〜約5%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約50%w/w〜約99%w/wの溶媒、約0.01%w/w〜約30%w/wの緩衝剤、約60%w/w以下の味覚隠蔽剤、約5%w/w以下の防腐剤、および約5%以下の界面活性剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物が、約0.10%w/w〜約2%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約65%w/w〜約99%w/wの溶媒、約0.20%w/w〜約3%w/wの緩衝剤、および約15%w/w〜約50%w/wの味覚隠蔽剤を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物が、約0.44%w/wの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、約99.14%w/wの溶媒、および約0.42%w/wの緩衝剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記医薬組成物が液体の経口医薬剤形である、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記剤形が小児への投薬のためのものである、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
式(I)の塩が式(II):
【化4】


のナトリウム塩またはその結晶形態である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物が、約0.47%w/wの式(II)の化合物またはその結晶形態、約77.36%w/wの溶媒、約21.75%w/wの味覚隠蔽剤、および約0.42%w/wの緩衝剤を含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
式(I)の化合物が約0.05%w/w〜約5%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項12】
式(I)の化合物が約0.10%w/w〜約2%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記溶媒が約50%w/w〜約99%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記溶媒が約65%w/w〜約99%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記溶媒が、プロピレングリコール、グリセリン、PEG400、PEG3350、精製水およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記溶媒が、PEG400、プロピレングリコールおよび精製水の混合物である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記緩衝剤が約0.01%w/w〜約30%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記緩衝剤が約0.20%w/w〜約3%w/wの量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記緩衝剤が、重炭酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記緩衝剤が重炭酸ナトリウムである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記防腐剤が、存在する場合、約5%w/w以下の量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記防腐剤が、存在する場合、パラベンおよびそれらのナトリウム塩、安息香酸ナトリウムならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記防腐剤が、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記界面活性剤が、存在する場合、約5%w/w以下の量で存在する、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記界面活性剤が、存在する場合、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、ポロキサマー、モノオレイン酸グリセリルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウムである、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記味覚隠蔽剤が、約5%w/w〜約60%w/wの量で存在する、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記味覚隠蔽剤が、ソルビトール、マルチトール、スクロース、アセスルファムカリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記味覚隠蔽剤がソルビトールである、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
約0.05mg/mL〜約25mg/mLの式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む単位用量医薬組成物。
【請求項31】
(a−1)少なくとも1つの溶媒、少なくとも1つの緩衝剤、および、場合によって、1つ以上の味覚隠蔽剤を含む混合物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を溶解するステップ;
(a−2) (a−1)から得られた溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ;
を含む、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の経口液体医薬剤形の量産プロセス。
【請求項32】
(a−1)プロピレングリコール、精製水、PEG400、ソルビトール、アセスルファムカリウム、および重炭酸ナトリウムを含む混合物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を溶解するステップ;
(a−2) (a−1)から得られた溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ;
を含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
(a−1)プロピレングリコール、水、PEG400、ソルビトール、アセスルファムカリウム、および重炭酸ナトリウムを含む混合物に、式(II)の化合物またはその結晶形態を溶解するステップ;
(a−2) (a−1)から得られた溶液を適切な寸法のフィルターに通してろ過するステップ;および
(a−3)(a−2)から得られたろ過溶液を適切な瓶に充填するステップ;
を含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項34】
請求項1に記載の医薬組成物の治療有効量の投与を含む、癌を治療する方法。
【請求項35】
前記癌が、結腸直腸癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、前立腺癌、膵癌、神経芽細胞腫およびALLからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。

【公表番号】特表2013−500965(P2013−500965A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522810(P2012−522810)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/002109
【国際公開番号】WO2011/014248
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(500287639)ミレニアム ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (98)
【氏名又は名称原語表記】MILLENNIUM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】