説明

癌の治療のためのGSTA3−3およびGSTA1−1の阻害剤

本発明は、ステロイドホルモン生成阻害に応答性の癌および他の疾患の治療のためのターゲットとしての、新しい薬物ターゲットである、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)、好ましくはGST A3−3に関連する。加えて本発明は、GST活性を調節する、好ましくは阻害する化合物或いは薬物候補のスクリーニング方法に関連するものであり、当該方法においてGSTは薬物ターゲットとして用いられる。さらに本発明は例えば、癌、好ましくは前立腺癌或いは乳癌の治療のための、ステロイドホルモン依存性疾患の治療用の薬の製造のための、GST A3−3の阻害剤の使用に関連する。加えて本発明は、例えば、GST A3−3の組織濃度を調節する、或いは、GST A3−3の酵素活性を阻害する非ステロイド性化合物を、治療が必要なヒトに投与することを含む、癌或いはステロイドホルモン依存性疾患の治療方法に関連する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は新しい薬物ターゲットに関連する。より正確に言えば、ステロイドホルモン生成阻害に応答性の癌および他の疾患の治療のためのターゲットとしてのグルタチオントランスフェラーゼ(GST)である。好ましくは、GSTはステロイドイソメラーゼ活性を有するGST A3−3である。
【0002】
発明の背景
前立腺癌および乳癌は悪性疾患の2つの主要な型であり、人口比率に重大な影響を及ぼす。両症例における腫瘍の増殖は多くの場合ステロイドホルモンに依存し、重要な治療上の取り組みとしてはホルモン生成物の除去およびホルモンレセプターの遮断を含む。
【0003】
ステロイドホルモンの生合成は、一連の代謝中間体を経て、コレステロールからアンドロゲン(例えばテストステロンおよびジヒドロテストステロン)およびエストロゲン(例えばプロゲステロンおよびエストラジオール)へ進行する。各々のホルモンを導く各々の経路においての必須段階は、ステロイド構造におけるΔ−2重結合のΔ−2重結合への異性化を含む。異性化は、3β−ヒドロキシ化合物の3−ケトステロイドへの酸化により先行され、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼにより触媒される。当該デヒドロゲナーゼは関連するステロイドイソメラーゼ活性を有することが示されている。
【0004】
グルタチオントランスフェラーゼ、GSTsは多様な形態で存在し、すべての細胞分画に存在する(1)。哺乳類のGSTsは可溶性および膜結合酵素に分類されうる。伝統的にそれらは、突然変異、癌および他の変性疾患を引き起こす求電子性化合物に対する主要な細胞防御を構成している解毒酵素とみなされている。しかしながら、ヒトを含む真核生物細胞中のGST相同遺伝子の数は、30を超えると推定され、いくつかのGSTsは生理学的に重要な基質に関して、他の特異的な役割を有するということが明らかになっている。それゆえ、いくつかのGSTsは十分に限定した細胞基質の代謝において役割を有するので、GSTsを求電子性化合物の一般的な解毒に限定するものとみなすことは語弊がある。最近発見されたGST A3−3は明らかに、ホルモンの生合成におけるステロイドの2重結合の異性化において、かかる異なる役割を有し、正確には、解毒酵素ではなくむしろステロイドイソメラーゼとみなされるべきである(2)。
【0005】
該酵素は精巣、卵巣、胎盤および副腎のようなステロイド産生器官に存在するが、肝臓、胸腺、骨格筋および脳のような他の組織においては意味のある量ではない(2)。ヒト副腎株化細胞H295Rにおける推定上のGSTは明らかに、ステロイドホルモン合成を刺激する下垂体ペプチドである副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)により誘発される(3)。
【0006】
細胞解毒酵素としてのGSTs作用はin vitroにおいて、広い範囲にわたる種々の作用剤により阻害されることが知られている(1)。異なるGSTsは阻害剤に対する感受性において甚だしく異なり、あるGSTは、他のGSTに全く効力のない化合物によって強く阻害される場合がある。あるGSTs阻害剤は細胞組織および臨床試験において効力があることが示されている。しかしながら、最近発見されたGST A3−3/ステロイドイソメラーゼに対する阻害データはこれまで得られておらず(2)、既知の阻害剤はステロイドイソメラーゼ反応において効力がないかもしれない。
【0007】
発明の概要
本発明によれば、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)、好ましくはGST A3−3/ステロイドイソメラーゼは、ステロイド生合成において、2重結合の異性化への寄与に基づく化学療法のための新しいターゲットとして提供されている。GST A3−3は選択的組織分布を有し、Δ−アンドロステン−3,17−ジオンおよびΔ−プレグネン−3,20−ジオンの異性化において高い触媒活性を示す(図1)。本発明は、GST A3−3の触媒効率が、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼのステロイドイソメラーゼ活性の200倍も高いことを示している。本発明は主に前立腺における癌に関連しているが、加えてステロイドホルモン生成阻害の原理は胸部および他の器官におけるステロイド応答性の癌に応用できる。さらに、クッシング症候群のようなステロイドホルモン依存性疾患に応用できる。
【0008】
それゆえ第1の態様において、本発明は、癌、好ましくは前立腺癌および乳癌の治療のためのような、ステロイドホルモン依存性疾患の治療のための、GST活性を阻害する化合物のスクリーニングのための薬物ターゲットとしてのグルタチオントランスフェラーゼ(GST)の使用に関連する。加えて活性阻害は、該生合成阻害或いは該分解促進による触媒的活性を有するGSTタンパク質の組織レベルの低下を含むことを意味している。
【0009】
好ましくは、GSTはGST A3−3である。好ましくは、GST A3−3或いはGST A1−1の活性を阻害する、医薬上許容される化合物がスクリーニングされる。それゆえ本発明は、GSTを調節する、好ましくは、阻害する化合物或いは薬物候補のスクリーニング方法に関連するものであり、当該方法においてGSTは薬物ターゲットとして用いられる。かかるスクリーニングアッセイは例えば、ハイスループットスクリーニングとして実行される。
【0010】
第2の態様において、本発明は、該スクリーニング方法により同定可能な、GST A3−3或いはGST A1−1の阻害剤の薬剤としての使用に関連する。該薬は癌の治療、好ましくは、癌が前立腺癌或いは乳癌であるような、ステロイドホルモン依存性疾患の治療のために使用することができる。
【0011】
本発明により使用されうる化合物の例は次の式:
【化1】

[式中、R、R、RおよびRはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルのようなアルキル基;フェニル或いは置換された、好ましくは低級アルキル、ヒドロキシル、或いはアルコキシ基で置換されたフェニルのようなアリル基;或いはこれらの基の化学誘導体或いは組み合わせであってよく;該R、R、RおよびR基は直鎖状;低級アルキル、ヒドロキシル或いはアルコキシ基で置換されたような枝分かれ状;或いはシクロペンチルおよびシクロヘキシルのような環状であってもよく;該R、R、RおよびR基はO、SおよびNのようなヘテロ原子を含んでもよい。該阻害剤はXの周りの基の性質および空間的な配向性によっては立体異性体であってよく;該R、R、RおよびR基の2つ、3つ或いは4つが一緒になって連結し、中心のX原子との2座、3座、或いは4座配位子を有してもよく;或いは、該R、R、RおよびR基の1つ、2つ、3つ或いは4つがCl、Br、I、O、S、Se、アセテートイオンのようなカルボキシレートイオンのイオンおよび相同体、或いはXと配位する電子供与基を有する他の化学リガンドであってもよい。
XはGe、Sn、Pb或いは類似な求電子性原子である。]
を有するGST阻害剤を含む。
【0012】
好ましくは、GST阻害剤は求電子性原子としてスズ(Sn)を含み、というのも、かかる化合物は適度な毒性とターゲット酵素の強力な阻害を兼ね備えているからである。阻害剤中のスズ原子はSn(II)或いはSn(IV)のように異なる酸化状態を有してよく、およびリガンドの配位数は2、3、4、5或いは6であってよい。
【0013】
好ましくは、RないしRの1つはCl、Br或いはアセテートイオン、もう1つの置換基はエチル、ブチル或いはフェニルである。
【0014】
阻害剤の第2のグループはステロイド、ステロイド誘導体或いはステロイド擬態化合物である。
【0015】
阻害剤の第3のグループはペプチド、ペプチド誘導体或いはグルタチオン(γ−グルタミル−システイニル−グリシン)と構造的に類似なペプチド擬態化合物である。
【0016】
第3の態様において、本発明は、治療の必要があるヒトに対して、GST A3−3/ステロイドイソメラーゼ(および/或いはGST A1−1)の酵素活性を阻害する化合物を投与することを含む、癌或いはステロイドホルモン依存性疾患の治療方法に関連する。加えて、かかる阻害は活性化したGST A3−3/ステロイドイソメラーゼタンパク質(および/或いはGST A1−1タンパク質)の組織レベルの低下も含む。当該低下は、GSTタンパク質の遺伝子発現および生合成に影響を有する、オリゴヌクレオチド、抑制性RNA(SiRNA或いはRNAi)或いはPNA(ペプチド核酸)のような抑制性核酸により達成されうる。ターゲット遺伝子或いは対応RNAに特異的に結合することによって遺伝子発現を抑制する方法は該分野内では十分に確立されており、当該目的のための試薬は商業的に入手可能である。
【0017】
上述した治療が必要なヒトは、ステロイドホルモン依存性癌の治療或いはクッシング症候群のような他のステロイドホルモン依存性疾患の治療の必要がある個体であってもよい。
【0018】
1つの具体例において、該ヒトは前立腺癌にかかっている男性である。別の具体例において、該ヒトは乳癌にかかっている女性である。
【0019】
さらに、ステロイドホルモン抑制の必要のある家畜(例えばウマ、イヌ)は、本発明が適用する生物種のもう1つのグループである。
【0020】
本発明は下記のいくつかの非限定的な実施例および図を参照することでより綿密に説明されるだろう。
【0021】
発明の詳細な記述
実験手順
材料−1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(CDNB)および還元型グルタチオン(GSH)はSigma(St.Louis,MO)、フェネチルイソチオシアナートはAldrich(Milwaukee,WI)、およびΔ−アンドロステン−3,17−ジオンはSteraloids Inc.(Newport,RI)から購入できる。
【0022】
GSTsの発現および精製−ヒトGST A3−3およびアルファクラス(Alpha class)の相同GSTタンパク質が、E.coli BL−21(DE3)においてpET−21a(+)ベクターにより担持されている対応cDNAから発現された(2)。該細胞はOD600=0.7まで培養し、発現は1mM IPTGの添加により誘導した。該細胞は4時間培養し、遠心分離により収集し、その後超音波処理により溶解した。該溶解物はPD−10 ゲル濾過カラム(Amersham Biosciences)で脱塩し、次いで該タンパク質は、20mMリン酸ナトリウム、pH7.0において溶出し、その後HiTrap SP陽イオン交換体(Amersham Biosciences)に負荷した。該タンパク質は塩勾配を使用して溶出した。この1段階精製工程は、クーマシーブリリアントブルーで染色したSDS−PAGEにより確認されるように、高く精製された酵素を産出した。
【0023】
比活性測定−GST A3−3の比活性はΔ−ADの異性化反応(図2A)、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン(CDNB)とGSHの接合(conjugation)反応(図2B)、およびGSHのフェネチルイソチオシアナートへの付加(図2C)によって決定される。該反応は30℃で分光測光法により測定した。100μM Δ−ADの異性化は1mM GSHの存在において、pH8.0、25mMリン酸ナトリウムバッファー中、248nmで追跡した。該生成物Δ−ADの吸光係数は16,300M−1cm−1である。比活性測定は記述されているように1mM GSHの存在において、1mM CDNBと共に(4)、および、1mM GSHの存在においては、0.1mM フェネチルイソチオシアナートと共に(2)、pH6.5、0.1Mリン酸ナトリウム中で実施した。
【0024】
アルファクラスGSTsの特異的阻害剤の例
酵素活性は標準分析システムにより決定し、次いで、活性の50%阻害を与える阻害剤の濃度(IC50)を決定した。
【0025】
たとえ化合物がいくつかのGSTsを阻害していても、ある阻害剤は特定のGSTに高い選択性を示す(1)。本発明者はこのことが同様のGSTクラスの相同体にもまた適用できることを示している(表1)。選択的阻害はターゲットでないGSTが触媒する反応の干渉を回避し、ならびに、起こりうる毒性の副作用を最小にすることが望ましい。拡張スクリーニングがなくても、ナノモル濃度範囲において効力のあるGST A3−3の阻害剤はすでに同定されている。加えて、これらの阻害剤はGST A3−3および他のヒトアルファクラスメンバー間で選択性を示す(表1)。しかしながら、関連するGST A1−1はアンドロステンジオンの異性化において、GST A3−3の比活性の約5%を有し(2)、GST A3−3に加えて、GST A1−1を阻害することは有利であるかもしれない。阻害データの多変量群解析を使用することにより、酵素間の識別を最適化することが可能である。
【0026】
表1.有機金属化合物を使用することにより示されたアルファクラスのグルタチオントランスフェラーゼの異なる阻害。IC50値はGSTが触媒する反応における50%阻害を与える阻害剤濃度である。



【表1】


Et、BuおよびPhはそれぞれエチル、n−ブチル、およびフェニルであり;Nd=測定されていない。
【0027】
GST A3−3を阻害する化合物の他の例はΔ5-アンドロステン−3β−オール−17−オンのようなステロイド、或いは構造的に類似な化合物である。
【0028】
GST A3−3を阻害する他のありうる阻害剤は、ペプチド、ペプチド誘導体、或いはグルタチオン(すなわち、γ−グルタミル−システイニル−グリシン)、およびSが置換された、或いは他の様式で置換されたグルタチオン誘導体と構造的に類似性を有するペプチド擬態化合物の中で、発見されうる。
【0029】
参照文献
1. B. Mannervik and U.H. Danielson (1988) Glutathione transferases - structure and catalytic activity, CRC Crit. Rev. Biochem. 23, 283-337.

2. A.-S. Johansson and B. Mannervik (2001) Human glutathione transferase A3-3, a highly efficient catalyst of double-bond isomerization in the biosynthetic pathway of steroid hormones, J. Biol. Chem. 276, 33061-33065.

3. T. Stark, L. Mankowitz and J.W. DePierre (2002) Expression of glutathione transferase isoenzymes in the human H295R adrenal cell line and the effect of forskolin, J. Biochem. Mol. Toxicol. 16, 169-173.

4. B. Mannervik and P. Jemth (1999) Measurement of glutathione transferases, in "Current Protocols in Toxicology" (M.D. Maines, L.G. Costa, D.J. Reed, S. Sassa, and I.G. Sipes, eds.), pp. 6.4.1-6.4.10, John Wiley & Sons, New York.
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1はコレステロールからテストステロン(およびさらにはジヒドロテストステロン)およびプロゲステロン(およびさらにはエストラジオール)のようなステロイドホルモンを導く代謝経路である。該ホルモンはアンドロゲンおよびエストロゲンレセプターにそれぞれ結合することにより作用し、ホルモン応答性の前立腺および乳癌の増殖を促進する。GST A3−3はそれぞれの経路において必須であるステロイド異性化を触媒し、本発明はホルモン応答性疾患に対するターゲットとしての当該酵素を含む。
【図2】図2はin vitro におけるGST A3−3の阻害測定のための代替反応である。3つの反応はすべて精製酵素およびグルタチオン(GSH)を使用して分光測光法により測定されうる。:(A)Δ−アンドロステン−3,17−ジオン;(B)1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン;および(C)フェネチルイソチオシアナート 阻害剤の添加により、GST A3−3により触媒される反応の速度が低下するだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性のあるグルタチオントランスフェラーゼ(GST)タンパク質の濃度を抑制する、或いは、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)のステロイドイソメラーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニング方法であって、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)が薬物ターゲットとして使用される方法。
【請求項2】
使用するGSTがGST A3−3である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
使用するGSTがGST A1−1である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法により同定されうる、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)のステロイドイソメラーゼ活性を阻害する阻害剤。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法により同定されうる、活性のあるグルタチオントランスフェラーゼ(GST)の組織濃度を低下する阻害剤。
【請求項6】
次の式:
【化1】

[式中、R、R、RおよびRはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルのようなアルキル基;フェニル或いは置換された、好ましくは低級アルキル、ヒドロキシル或いはアルコキシ基で置換されたフェニルのようなアリル基;或いはこれらの基の化学誘導体或いは組み合わせであってよく;該R、R、RおよびR基は直鎖状;低級アルキル、ヒドロキシル或いはアルコキシ基で置換されたような枝分かれ状;或いはシクロペンチルおよびシクロヘキシルのような環状であってよく;該R、R、RおよびR基はO、SおよびNのようなヘテロ原子を含んでよく;或いは、R、R、RおよびRの1つ、2つ、3つ或いは4つがCl、Br、I、O、S、Se、アセテートイオンのようなカルボキシレートイオンおよび相同体、或いはXと配位する電子供与基を有する他の化学リガンドであってよく;
XはGe、Sn、Pb或いは類似の求電子性原子であってよい]
を有する化合物である請求項4に記載の阻害剤;
ならびに該阻害剤の立体異性体。
【請求項7】
XがSnである、請求項6に記載の阻害剤。
【請求項8】
ないしRの1つがCl、Br或いはアセテートイオンであり、もう1つの置換基がエチル、ブチル或いはフェニルである、請求項6或いは7に記載の阻害剤。
【請求項9】
ステロイド、ステロイド誘導体或いはステロイド擬態化合物である、請求項4に記載の阻害剤。
【請求項10】
Δ5−アンドロステン−3β−オール−17−オン或いは構造的に類似な化合物である、請求項9に記載の阻害剤。
【請求項11】
ペプチド、ペプチド誘導体或いはグルタチオンに構造的な類似性を有するペプチド擬態化合物である、請求項4に記載の阻害剤。
【請求項12】
Sが置換された、および/または、他の様式で置換されたグルタチオン誘導体であって、置換基がアルキル、アリルおよびアラルキル基であってよい、請求項11に記載の阻害剤。
【請求項13】
S−ヘキシル−グルタチオン或いはS−p−ブロモベンジル−グルタチオンである、請求項12に記載の阻害剤。
【請求項14】
オリゴヌクレオチド、抑制性RNA(siRNA或いはRNAi)或いはPNA(ペプチド核酸)のような抑制性核酸である、請求項5に記載の阻害剤。
【請求項15】
医薬として使用される、請求項4ないし14に記載の阻害剤。
【請求項16】
哺乳類において、ステロイドホルモン依存性疾患の治療に使用される、請求項15に記載の薬剤。
【請求項17】
ステロイドホルモン依存性癌の治療に使用される、請求項16に記載の薬剤。
【請求項18】
前立腺癌の治療に使用される、請求項17に記載の薬剤。
【請求項19】
乳癌の治療に使用される、請求項17に記載の薬剤。
【請求項20】
クッシング症候群の治療に使用される、請求項16に記載の薬剤。
【請求項21】
活性のあるグルタチオントランスフェラーゼ(GST)タンパク質の濃度を抑制する、或いは、GST A3−3および/或いはGST A1−1のグルタチオントランスフェラーゼ(GST)のステロイドイソメラーゼ活性を阻害する化合物を、治療が必要であるヒトに対して投与することを含む、癌、或いはステロイドホルモン依存性疾患の治療方法。
【請求項22】
ヒトが前立腺癌にかかっている男性である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ヒトが乳癌にかかっている女性である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ヒトがクッシング症候群にかかっている、請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2006−506998(P2006−506998A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−555203(P2004−555203)
【出願日】平成15年11月24日(2003.11.24)
【国際出願番号】PCT/SE2003/001817
【国際公開番号】WO2004/048577
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(501354233)ビオヴィトルム・アクチボラゲット (25)
【氏名又は名称原語表記】Biovitrum AB
【Fターム(参考)】