発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置
【課題】色再現性が高く、寿命を延長することができる発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置を提供する。
【解決手段】第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有する。
【解決手段】第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードユニットに関し、より詳細には、色再現性が高く、寿命を延長することができる発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)は、PN接合を有する固相(solid−state)の光源である。PN接合で、電子が有するエネルギは、光エネルギに変換されて外部に放射される。電極から半導体に注入された電子と正孔は、PN接合部の附近でバンドギャップを越えて再結合され、この時、バンドギャップに相当するエネルギが光として放射される。
【0003】
発光ダイオードは、理論的には、何れの波長の光でも設計することができるので、多くの商用アプリケーションが3原色の赤色、緑色、青色のうち、一つの色を出す発光ダイオードを使用する。一つの発光ダイオード出す光が単色であるので、白色光を出す発光ダイオードユニットを製造するための多様な方法が存在する。
【0004】
それらの方法によると、赤色、緑色及び青色発光ダイオードからの光が組み合わされて白色光を作ることができる。
また他の方法によると、単色発光ダイオードを励起状態から底状態に安定化されながら白色光を放射する蛍光物質を励起させることに用いることによって白色光を作ることができる。ここで、蛍光灯で白色光を発生させることと同様の方式に蛍光物質を利用して単色発光ダイオードの光を白色光に変換する。
【0005】
また他の方法によると、青色光を放射する発光ダイオードの場合には、その青色光の一部で赤色蛍光体と緑色蛍光体とを励起させて白色光を得ることができる。
しかし、発光ダイオードから出射された青色光は、半値幅(full−width half−maximum)が狭いので色再現性が良いが、赤色と緑色を放射する蛍光物質は、半値角が広いので色再現性が悪くて、周辺の色と混合するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2008−0026529号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2008−0057418号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来の発光ダイオードにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、色再現性が高く、寿命を延長することができる発光ダイオードユニットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記発光ダイオードを光源に使用することによって、色再現性が高く、寿命が延長された表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有することを特徴とする。
【0009】
前記量子ドットは、その直径が4nm〜10nmであり、コアと、前記コアを囲み、前記量子ドットのバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質によって構成されたシェルと、前記シェル上に付着されるリガンド(ligand)とを含むことが好ましい。
前記バッファ層は、樹脂と、前記樹脂内に分散させて、前記発光ダイオードから発光した光を拡散させる散乱剤とを含むことが好ましい。
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該各粒子の直径は、前記量子ドットの直径より大きいことが好ましい。
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該粒子の直径は、50nm〜10μmであることが好ましい。
前記散乱剤の各粒子の直径は、青色光の波長より大きいことが好ましい。
前記散乱剤は、前記樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度で含まれることが好ましい。
前記バッファ層は、複数のバッファサブ層からなり、各バッファサブ層は、前記散乱剤の濃度が互いに異なる散乱剤を有することが好ましい。
前記バッファ層は、前記発光ダイオード上の第1バッファサブ層と、前記第1バッファサブ層上の第2バッファサブ層との二重層からなり、前記第1バッファサブ層の散乱剤の濃度は、前記第2バッファサブ層の散乱剤の濃度より低いことが好ましい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに光を供給する発光ダイオードユニットとを有し、前記発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光を拡散させる散乱剤が含まれるバッファ層と、前記バッファ層上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置によれば、相対的に高い程度の色再現性を有する発光ダイオードユニットを提供できる。本発明の発光ダイオードユニットには、発光ダイオードから発光する光を拡散させるバッファ層が具備されることによって、量子ドットの劣化現象を減少させる、或いは防止することができ。これによって、色再現性が維持され、寿命が延長するという効果がある。
又、本発明の発光ダイオードユニットを表示装置に用いることによって、表示装置は、相対的に高い程度の色再現性と寿命を有することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図2】既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットの分光分布グラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットの分光分布グラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図5】散乱剤を使用しない場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を示すグラフである。
【図6】散乱剤を使用した場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を示すグラフである。
【図7】図5及び図6の空間的な光分布を視野角に対する輝度で表したグラフである。
【図8】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による光束特性グラフである。
【図9】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による色座標特性グラフである。
【図10】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による色座標特性グラフである。
【図11】本発明の第3の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態による発光ダイオードユニットを含む表示装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
本明細書の実施形態に対して参照する図面は、図示された形態に限定するように意図されたものではなく、これとは異なり、請求項によって定義された本発明の原理及び範囲内の全ての変形、等価物、及び代案を含むように意図されたものである。図面では、多様な層及び領域を明確に表現するために一部構成要素のスケールを誇張する、或いは縮小して示した。明細書全体にかけて同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットは、光を発光する少なくとも一つの発光ダイオード120と、発光ダイオード120上のバッファ層130と、バッファ層130上の量子ドット層140とを含む。
【0016】
発光ダイオード120、バッファ層130、及び量子ドット層140は、発光ダイオード120、バッファ層130及び量子ドット層140を収容するハウジング110内に収容される。
ハウジング110は、発光ダイオード120、バッファ層130及び量子ドット層140が内部に収容することができるように内部に空間を有し、一側(上方)が開放された形態に設けられる。
【0017】
即ち、ハウジング110は、発光ダイオード120を実装することができる底面部110aが形成され、底面部110aには、底面部110aの端部から上方向に延長されて形成された側面部110bが連結されている。ハウジング110は、プラスチックのような絶縁性高分子で形成することができる。例えば、ハウジング110は、ポリフタルアミド(PPA:Polyphthalamide)のようなプラスチックやセラミックのような物質で形成が可能である。底面部110aと側面部110bは、ハウジング110の製造の際にモールディング方法を利用して一体で形成することができる。
【0018】
発光ダイオード120は、光を発光する役割をし、ハウジングの底面部110a上に実装される。
発光ダイオード120は、ワイヤ122を通じて電源(図示せず)に接続される。ワイヤ122は、ハウジング110を貫通して外部の電源と接続させることができる。電源は、発光ダイオード120が駆動することができるように電圧を印加する役割をする。そして、図示していないが、発光ダイオード120の下部には、発光ダイオード120から発生した熱を放出させるための放熱パッド又は放熱板が具備させることもできる。
【0019】
発光ダイオード120上には、後述するバッファ層130を間に置いて量子ドット層140が形成される。量子ドット層140は、高分子樹脂を含み、高分子樹脂内には、複数の量子ドット142、144が分散されている。高分子樹脂は、絶縁性の高分子で構成することができ、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを使用することができる。
【0020】
量子ドット(142、144)は、ナノ物質のうちの一つとして、バンドギャップ(band gap)が小さい物質で構成されたコアと、コアを囲むバンドギャップが大きい物質で構成されたシェルと、シェル上に付着されたリガンドとで構成され、実質的に概略直径10nm程度の大きさの球形に形成されている。
【0021】
量子ドットは、このようなナノサイズを有するので、量子拘束効果(quantum confinement effect)を発生することができる。
量子拘束効果の最も著しい点は、量子拘束効果が起こると量子ドットのバンドギャップが大きくなり、バンドギャップがバルク(bulk)の結晶とは異なり、一つの個別的な原子のように不連続なバンドギャップ構造を有することである。
【0022】
このような量子ドットは、量子ドットの大きさによって不連続なバンドギャップの間隔を調節することができて、量子ドットを均一の大きさを持って分布を有するように合成すると、半値幅(full width at half maximum:FWHM)が狭い分光分布を有する光変換体を作ることができる。
【0023】
本実施形態において、量子ドット(142、144)は、発光ダイオード120から発光した光を吸収した後、各量子ドット(142、144)が有するバンドギャップに相当する光を放射する。発光ダイオード120が放射する光を第1光とし、量子ドット(142、144)が放射する光を第2光とすると、第1光の波長は、第2光の波長より短いか、または、同一である。これは、吸収したエネルギより大きいエネルギを放射することができないためであり、これによって第2光の波長は、第1光の波長と同一であるか、または長い。
【0024】
量子ドットには、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTeのようなII−VI族の量子ドットや、PbS、PbSe、PbTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbのようなIII−V族の量子ドットなどを使用することができる。
【0025】
発光ダイオード120が青色発光ダイオードである場合、発光ダイオード120上の量子ドット層140は、緑色量子ドット142及び/又は赤色量子ドット144を含むことができる。この時、量子ドット層140が緑色量子ドット142と赤色量子ドット144を全て有する場合、発光ダイオードユニットの外部に放射される最終的な出射光は白色光になる。
【0026】
上述のように、本発明の発光ダイオードユニットは、既存の発光ダイオードユニットより高品質の白色光を出す。これは、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットより高い分光学的色再現性を得ることができるためである。
【0027】
図2及び図3は、既存の蛍光物質を利用した従来の発光ダイオードユニットと本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットとを比較するための分光分布グラフである。
この二つのグラフは、各々青色発光ダイオードを使用した際の従来技術と本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットの出射光の分光分布を示す。
ここで、各グラフの縦軸は、各波長における相対的な光の強度を示している。ここで、R、G、Bは、赤色、緑色、青色カラーフィルタを使用した際の分光分布特性を示したものである。
【0028】
図2を参照すると、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットは、波長の大きさに従って、青色ピークBL、緑色ピークGF、赤色ピークRFが順次に現れる。青色、緑色、赤色ピークBL、GF、RFは、全てがカラーフィルタを使用した時より半値幅が狭い。
特に、青色ピークBLは、半値幅がカラーフィルタを使用した時より相対的に非常に狭いだけではなく、既存の発光ダイオードユニットの他の色の色ピーク、緑色ピークGF、或いは赤色ピークRFよりも狭い。これによって、狭い範囲で強い強度に現れるので、色再現性が他の色に比べて優秀である。これは、既存発明の発光ダイオードユニットは、青色発光ダイオードを基本に実装しているので、青色ピークBLは、発光ダイオード光源の半値幅を有する。
【0029】
ところが、従来の発光ダイオードユニットにおいて、グラフから分かるように緑色ピークGFと赤色ピークRFは、カラーフィルタを使用した時より、相対的に半値幅が狭いが、青色ピークBLよりは、半値幅が広く、強度も青色ピークBLより弱い。これは、緑色ピークGFと赤色ピークRFは、青色発光ダイオードから発光された光を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光体からの発光された光であるためである。
【0030】
これによって、青色ピークBLより半値幅が相対的に広く、隣接した他の色ピークと重なる。即ち、半値幅が広い蛍光体を適用した場合は、グラフから分かるように赤色ピークRFと緑色ピークGFが重なって、580nm附近の黄色領域の光の密度を高めるようになり、赤色と緑色のカラーフィルタを全て透過して純粋な赤色と緑色を具現することができないという問題が発生する。その結果、このような隣接光の間の混色によって白色光の品質が落ちるようになる。
【0031】
図3を参照すると、本発明の第1の実施形態による量子ドット発光ダイオードユニットの分光分布グラフでは、波長の大きさに従って、各々青色ピークBLと緑色ピークGQと、赤色ピークRQが順次に現れる。
青色、緑色、赤色ピークBL、GQ、RQは、全てがカラーフィルタR、G、Bを使用する際より半値幅が狭く、強度も相対的に強い。これによって、狭い範囲で強い強度に赤色、緑色、青色の全てが現れるので、高品質の白色光を得ることができる。
【0032】
このような結果は、青色ピークBLは、青色発光ダイオードに基づいて、緑色ピークRQと赤色ピークRQは、緑色量子ドットと赤色量子ドットに基づいたことであるためである。緑色量子ドット、或いは赤色量子ドットは、放射される光が特定範囲に限定されているので、半値幅が非常に狭く現れる。上述のように、半値幅が狭い量子ドットを適用した場合は、580nmの付近の黄色領域の光がほとんど存在しなくてカラーフィルタを通じて純粋な赤色と緑色を具現することができる。
このような理由で量子ドットを適用したダイオードユニットを表示装置の光源に適用する場合、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットより高い色再現性を具現することができる。
【0033】
既存の蛍光物質の発光半値幅と本発明の第1の実施形態による緑色量子ドットと赤色量子ドットの発光半値幅を比較した結果を、以下の表1に示す。
【表1】
上述のように、既存の発光ダイオードユニットより本発明の第1の実施形態の発光ダイオードユニットは、半値幅が約半分以下の値を有するので、高い色再現性を有する。これによって、本発明の第1の実施形態のように青色発光ダイオード120と、緑色量子ドット142と、赤色量子ドット144を利用した場合には、高品質の白色光を提供することができる。この時、緑色量子ドット142と赤色量子ドット144の量は、ホワイト色座標によって変わる。
【0034】
本発明の第1の実施形態によると青色発光ダイオード120と量子ドット層140との間には、バッファ層130が形成される。
バッファ層130は、発光ダイオード120から発光された光が直接的に垂直上部の量子ドット層140に到達しないように、量子ドット層140を発光ダイオード120から離隔させる。バッファ層130は、発光ダイオード120と量子ドット層140との間の距離を離隔させることによって、直接的に到達する光量を減らすことと同時に発光ダイオード120から出射された光の散乱度も増加させる。
【0035】
又、バッファ層130は、量子ドットの劣化現象を緩和させる。
量子ドットの劣化現象というのは、量子ドットが光、熱、又は化学物質との反応によって変性されることである。例えば、量子ドットが光、熱、又は化学物質のうちの、特に光に直接的に長時間露出される場合、光酸化(photooxidation)反応が発生して量子ドットが変性してしまう。
【0036】
特に、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層は、バッファ層がない場合に、発光ダイオードの垂直側面方向の量子ドット層より単位面積当たり強い光が入射するので、量子ドット層の異なる部分にある量子ドットに比べて、その部分の量子ドットが光によって劣化頻度が多くなる。劣化現象は、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層の寿命を低下させるようになり、結果的に発光ダイオードの白色光の品質を下げるのみではなく、寿命を短縮させる。従って、量子ドットの劣化を減少させると、白色光の品質を維持して寿命を増加させることができる。
バッファ層130は、高分子樹脂を含むことができる。高分子樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを使用することができる。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
本実施形態では、図4を参照して重複説明を避けるために第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。同様な番号は同様な構成要素を示す。例えば、量子ドット層240は図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(242、244)は図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部210aと側面部210bを有するハウジング210は図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、ワイヤ222は図1のワイヤ122と同様である。
【0038】
図4を参照すると、バッファ層220には、バッファ層220を形成する樹脂(以下、第1樹脂と称する)内に分散分布されて発光ダイオード220から発光した光を拡散させる散乱剤232が含まれる。
散乱剤232は、ガラス、酸化チタン、酸化アルミニウム、及び/又はシリカのような大きい表面積を有する粒子の形態で形成する。散乱剤232は、第1樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度に含まれる。散乱剤232が第1樹脂の重量の1重量%より低い濃度の場合には、光の散乱による光拡散効果が微小である。第1樹脂の重量の15重量%より大きい場合には、光の散乱効果は増加するが、光の散乱と反射による光損失が増加するので、実質的な光効率が落ちるようになる。
【0039】
散乱剤232の粒子の大きさは、量子ドット(242、244)より大きく形成する。これは、量子ドット(242、244)の直径より散乱剤232の粒子の大きさが小さく形成される場合には、量子ドット(242、244)から出射された光が散乱されなく、量子ドット層240を直ちに透過する比率が増えるためである。従って、散乱剤232の粒子大きさが量子ドット(242、244)より小さく形成された場合、光が散乱剤232と遭遇しないことで散乱程度が減少することを防止するためである。
【0040】
又、散乱剤232の粒子の大きさは、その平均直径が50nm〜10μmであり、平均直径が青色光の波長より大きく形成する。散乱剤232の粒子の大きさは、光を散乱させる表面積によって選択することができる。
光を散乱させる散乱剤232の粒子の直径が10μmを超える場合には、散乱剤232の粒子の大きさが青色光の波長より大きくなるので、散乱現象に比べてはるかに多くの回折が発生されうる。散乱現象より回折現象が多くなると、散乱度が減少する。又、散乱剤232の粒子が大きいのため、光を上部ではない異なる方向に反射させる比率が多くなり、これによって、光量が必要以上に減る。そして散乱度は、表面積が大きいほど光散乱の効果が大きいので、直径が10μm以下に形成することができる。これと反して、散乱剤232の粒子の直径が50nmより小さく形成される場合には、青色光の波長と対比して散乱剤232の粒子の大きさが小さくなるので、散乱程度が顕著に落ちる。
【0041】
図5及び図6は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を各々示したグラフである。
この時、散乱剤として酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は200nmである。
【0042】
図7は、図5及び図6の空間的な光分布を視野角に対する輝度で表したグラフである。
グラフのx軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードユニットに対する視野角を意味し、y軸は、正規化された輝度を示す。
図7から分かるように、最高輝度に対して輝度が半分になる角度は、酸化チタンを適用した場合には、±40゜程度であるが、酸化チタンを適用しない場合には、±23゜程度の値を有する。この結果は、発光ダイオードから出た光が散乱剤によって散乱され、分散されて空間的に拡散されたことを意味する。
【0043】
上述の光の拡散は、発光ダイオード垂直上部の量子ドットに直接的に到達する光量が相対的に減少され、相対的に減少された光が発光ダイオードの上部ではない側方方面に分散されたことを意味する。
その結果、発光ダイオード垂直上部の量子ドットに直接的に伝えられる光量が減少し、光量の減少によって劣化現象が減少する。従って、全体的な白色光の品質が向上され、量子ドットを用いた発光ダイオードの寿命を長くすることができる。
【0044】
図8は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による光束(luminous flux)特性グラフである。ここで、x軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードの駆動時間(エージング時間)であり、y軸は、駆動時間による相対光束を示すものである。
散乱剤としては、酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は、200nmである。
【0045】
図8から分かるように、所定の時間周期において、駆動時間(エージング時間)による発光ダイオードユニットの光束は、酸化チタンを適用した場合が適用しない場合より光束低下量が少ない。即ち、酸化チタンを適用した場合の光束低下の傾斜が、適用しない場合の傾斜よりなだらかである。
【0046】
発光ダイオードユニットの寿命は、発光ダイオードユニットの光束が初期光束の50%になる場合の駆動時間(エージング時間)を意味する。このグラフの場合、酸化チタンを適用した場合、光束の低下が顕著になだらかであるので、寿命も延長されることがわかる。このような延長効果は、バッファ層に酸化チタンを適用した場合に量子ドットの劣化現象が緩和されて、その結果、寿命改善効果が現れたことを示す。
【0047】
図9と図10は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間(エージング時間)によるx及びy色座標特性グラフである。
ここで、x軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードユニットの駆動時間(エージング時間)であり、y軸は、駆動時間(エージング時間)による色座標の位置を示すものである。
【0048】
図9は、CIE1931標準表色系(CIE1931 standard colorimetric system)のx−色座標を示し、図10は、CIE1931標準表色系(CIE1931 standard colorimetric system)y−色座標を示すものである。
散乱剤としては、酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は、200nmである。
【0049】
図9と図10から分かるように、駆動時間(エージング時間)による発光ダイオードユニットの色座標の位置を所定の時間周期で測定した結果、酸化チタンを適用した場合が適用しない場合より色座標の位置変化量が少ない。
即ち、酸化チタンを適用した場合の色座標の変化量が適用しない場合より少ない。
【0050】
一般的に色座標の位置が変化する場合には、色が変化することを意味するので、色座標の変化量が大きいほど安定的な色を提供しにくい。これによって、酸化チタンが散乱剤として使われた場合には、散乱剤として酸化チタンが使われない場合より安定的な色を提供し、結局、高品質の白色光を持続的に提供することができるということを意味する。結局、本発明の一実施形態によると酸化チタンを適用した場合に、量子ドットの劣化現象が緩和され、その結果、白色光を安定的に供給することができる。
【0051】
以上では、本発明の第1及び第2の実施形態を説明したが、本発明がこれに限定されることではない。例えば、本発明の第2の実施形態では、バッファ層に散乱剤が均一に散布されているが、本発明の他の実施形態では、バッファ層が複数のバッファサブ層からなることもでき、散乱剤が各バッファサブ層に互いに異なる濃度で分散分布することもできる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
図11を参照して、重複説明を避けるために、図1及び図4と相違する部分のみを説明する。同様の番号は同様の構成要素を示す。例えば、量子ドット層340は、図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(342、344)は、図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部310aと側面部310bを有するハウジング310は、図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、ワイヤ322は、図1のワイヤ122と同様である。
【0053】
図に示すように、本実施形態による発光ダイオードユニットバッファ層は、第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bからなる。第1バッファサブ層330aは、発光ダイオード320上に形成され、第2バッファサブ層330bは、第1バッファサブ層330a上に形成される。
第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bは、ポリマ樹脂のような絶縁性物質からなり、二つの層に分散分布する散乱剤332の濃度は、互いに異なる濃度である。例えば、第1バッファサブ層330aに分散分布した散乱剤332の濃度は、第2バッファサブ層330bに分散分布した散乱剤332の濃度より低い。
【0054】
本実施形態では、発光ダイオード320から出射された光は、第1バッファサブ層330aで一次的に散乱されて拡散された後に、第2バッファサブ層330bで再び散乱されて拡散される。この時、第2バッファサブ層330bの散乱剤332の濃度は、第1バッファサブ層330aより高いので、第1バッファサブ層330aから第2バッファサブ層330bへ移動する光の散乱効果が増加して、これによって後続する量子ドット層340に入射する光量が均一に分散される。
このように、第1及び第2バッファサブ層330a、330bに、互いに異なる濃度で散乱剤330を分散分布させることで、供給される量子ドットの濃度や種類に従って拡散程度を容易に調節可能である。
【0055】
本実施形態では、ハウジング310の底面部310aと平行に第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bを区分したが、これに限定されることなく、例えば、底面部310aと垂直の方向に複数のバッファサブ層に区分することができる。例えば、図では示さなかったが、発光ダイオード320の垂直上部と発光ダイオードチップ320の側方部の二つの領域に区分することができ、この場合、三つのバッファサブ層に構成される。この時、発光ダイオード320の垂直上部領域のバッファサブ層に散乱剤332の濃度を最も高く維持することによって、最大限の光拡散効果を得ることができる。
【0056】
上述した本発明の実施形態は、単一発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットに関することであるが、本発明の第4の実施形態は、複数の発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットを含む。
図12は、本発明の第4の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。ここでは、ハウジング410に複数の発光ダイオード420a、420b、420cが実装されている。
【0057】
図12を参照して、重複説明を避けるために、図1、図4及び図11と相違する点を説明する。同様の番号は同様の構成要素を示す。例えば、量子ドット層440は、図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(442、444)は、図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部410aと側面部410bを有するハウジング410は、図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、バッファ層430は、図3のバッファ層230と同様であり、散乱剤432は、図4の散乱剤232と同様である。
【0058】
図12を参照すると、ハウジングの底面部410aが広く形成され、ハウジングの底面部410上には、複数個の発光ダイオード420a、420b、420cが具備される。
発光ダイオード420a、420b、420cは、ワイヤ422a、422b、422cを通じて同一の電源に接続される、或いは別個の電源に各々接続させることもできる。発光ダイオード420a、420b、420cは、所定の間隔をおいて配列され、必要に応じて任意の位置に配置することができる。
【0059】
複数個の発光ダイオード420a、420b、420c上には、一体に形成されたバッファ層430が具備される。バッファ層430上には、量子ドット(442、444)を含む量子ドット層440が具備される。
単一チップ420を利用した発光ダイオードユニットに比べて、光源の面積が広く、及び/又は長く形成された発光ダイオードユニットを提供することができる。
【0060】
上記のような構造を有する発光ダイオードユニットは、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層に直接的に入射される光量を拡散させて、量子ドット層に分散されて入射するようにすることで、量子ドット層の一部領域のみの量子ドットの劣化を減少させ、これによって発光ダイオードユニットの寿命が延長される。又、量子ドットの劣化の減少は、発光ダイオードユニットの色再現性を上昇させる効果がある。
【0061】
結果として、本発明の実施形態による発光ダイオードユニットは、高品質の光源を提供する。本発明による発光ダイオードユニットは、点光源に使用することができる。又、複数個を配列して面光源と近似する形態で使用することもできる。発光ダイオードユニットは、特別に用途が限定されることはないが、特に、液晶表示装置、或いは電気泳動装置などの光を別途に放射しない表示装置の場合の光源に使用することができる。
【0062】
図13は、本発明による発光ダイオードユニットを光源として利用した表示装置の分解斜視図である。
図13で、表示パネルの一実施形態として液晶表示装置を示した。
図13を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、前方に画像を表示する表示パネル520を含んで形成される。表示パネル520の周端には、表示パネル520を支持するモールドフレーム530が具備される。モールドフレーム530の下部及び表示パネル520の後方には、光学シート部540が具備される。光学シート部540は、表示パネル520の背面に位置する保護シート541と、プリズムシート543と、拡散シート545とを含むことができる。
【0063】
光学シート部540の少なくとも一側、即ち光学シート部540の後方、或いは側面には、光学シート部540を通じて表示パネル520に光を供給する本発明の実施形態による発光ダイオードユニット100が配置される。
本発明の一実施形態では、発光ダイオードユニット100が光学シート部540の後方ではなく、側面に位置したエッジ(edge)タイプを示しているが、これに限定されるものではない。即ち、本発明は、発光ダイオードユニット100が表示パネル520の後方の一側に位置したエッジタイプのみではなく、発光ダイオードユニット100が表示パネル520の後方に位置した直下タイプの表示装置(図示せず)も含む。
発光ダイオードユニット100と光学シート部540との間には、発光ダイオードユニット100から出射された光を光学シート部540と表示パネル520に導くための導光板550が具備される。
【0064】
導光板550の下部には、表示パネル520の方向ではない方向へ進行する光を反射するための反射シート570が具備され、反射シート570の下部には、表示パネル520と、光学シート部540と、導光板550と、発光ダイオードユニット100と、反射シート570などを相互にカップリングさせ、これらを内部に受納する下部カバー580と、下部カバー580と結合する上部カバー510が具備されている。
上部カバー510は、表示パネル520の前面の周囲の端部を支持する構造物である。上部カバー510には、表示パネル520の表示領域を露出させる表示窓が形成されている。そして、上部カバー510の側面には、後述する下部カバー570と結合するためのねじ孔(図示せず)などの結合手段が設けられている。
【0065】
表示パネル520は、長辺と短辺を有する長方形の平板状に設けられる。表示パネル520は、第1基板521と、第1基板521に対向する第2基板522と、二つの基板の間に形成された液晶層(図示せず)とを含む。表示パネル520は、液晶層を駆動して前方に画像を表示する役割をする。ここで、本実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを使用したが、これに限定されることなく、光源が必要であるような異なる表示パネルを使用することもできる。例えば、電気泳動表示パネルを使用することもできる。
【0066】
図には示さなかったが、表示パネル520の一側には、表示パネル520の薄膜トランジスタと接続される印刷回路基板が具備されるが、印刷回路基板から出た信号は、配線を通じて薄膜トランジスタに伝達され、薄膜トランジスタは、信号によって画素に電圧を印加して液晶層の液晶分子を駆動させる。
【0067】
上述のように、本発明による発光ダイオードユニットは、高品質の白色光を供給するのみだけでなく、耐久年限が長いので、上記のように表示装置の光源に発光ダイオードユニットを使用する場合には、高品質の表示装置を提供することができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットの製造方法を図3を参照して説明すると次の通りである。
先ず、発光ダイオードを実装するハウジングを準備する。
ハウジング210は、底面部210aと底面部210aから上向きに折曲されて延長された側面部210bを有するように形成する。ハウジング210は、PPAのような絶縁性高分子樹脂で、例えば、モールディング工程を利用して製造することができる。
この際、ハウジングの底面部210aを貫通して放熱板、或いは放熱パッドを具備することができるが、これは、後に実装される発光ダイオード210の放熱のためである。
【0069】
次に、ハウジングの底面部210a上に発光ダイオード220を実装する。発光ダイオード220は、ワイヤ222を利用して電源(図示せず)と接続する。電源は、ハウジング210を貫通するワイヤ222を有するように具備されることができ、外部の電源と接続することもできる。ワイヤ222は、また発光ダイオードユニットがPCB(Printed Circuit Board)のような異なる構成要素上に装着される際、そのPCB上の電極と各々接続されて外部からの電力を発光ダイオード220に印加する役割をする。
【0070】
次に、発光ダイオード220上にバッファ層230を形成する。発光ダイオード220上にバッファ層230を形成するためには、先ずバッファ層230は、固体相の散乱剤232を第1樹脂に混合して第1混合液を作る。第1樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂などを使用することができる。
【0071】
次に、第1混合液を発光ダイオード220を含むハウジングの底面部210a上に塗布する。第1混合液を発光ダイオード220上に塗布する方法は、液状の第1混合液を発光ダイオード上に配置させることができるのであれば、特別に限定されることではない。例えば、インクジェットの方法で形成することもできる。塗布後、第1混合液を硬化させてバッファ層230を形成する。この時、硬化の際に熱を加えてバッファ層230を形成するか、必要であれば、紫外線を用いた光硬化も可能である。
【0072】
バッファ層230は、単一バッファ層に形成する場合には、1回の塗布で形成することができるが、複数のバッファサブ層で形成する場合には、塗布及び硬化を複数回を実施することによって形成することができる。
例えば、散乱剤の濃度が互いに異なる第1バッファサブ層と第2バッファサブ層を形成する場合には、先ず第1樹脂に所定の濃度で散乱剤を混合させた第3混合液を準備する。第3混合液を発光ダイオードが形成された底面部に塗布して硬化させて第1バッファサブ層を形成する。次に、第1樹脂に第3混合液とは散乱剤の濃度が異なる濃度になるように所定の濃度に散乱剤を混合させた第4混合液を準備する。第4混合液を第1バッファサブ層上に塗布して硬化させて第2バッファサブ層を形成する。
【0073】
次に、バッファ層230上に、量子ドット層240を形成する。量子ドットは、例えば、トルエンのような揮発性の溶媒に混合して準備する。溶媒は、揮発性が大きいので、後の混合の際に容易に除去することができる。次に、準備した量子ドットを第2樹脂に混合して第2混合液を作る。第2樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などを使用することができる。
【0074】
次に、第2混合液をバッファ層230上に塗布する。第2混合液をバッファ層230上に塗布する方法は、液状の混合液をバッファ層上に配置させることができれば、特別に限定されることではない。例えば、インクジェットの方法で形成することができる。塗布後に、第2混合液を硬化させて量子ドット層240を形成する。この時、硬化の際に熱を加えて、量子ドット層240を形成し、光硬化は利用しない。量子ドットは、光によって劣化する特性があるためである。
【0075】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
110、210、310、410 ハウジング
120、220、320、420a、420b、420c 発光ダイオード
122、222、322、422a、422b、422c ワイヤ
130、230、330、430 バッファ層
140、240、340、440 量子ドット層
142、144 (緑色、及び赤色)量子ドット
232、332、432 散乱剤
330a、330b (第1及び第2)バッファサブ層
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードユニットに関し、より詳細には、色再現性が高く、寿命を延長することができる発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED:light emitting diode)は、PN接合を有する固相(solid−state)の光源である。PN接合で、電子が有するエネルギは、光エネルギに変換されて外部に放射される。電極から半導体に注入された電子と正孔は、PN接合部の附近でバンドギャップを越えて再結合され、この時、バンドギャップに相当するエネルギが光として放射される。
【0003】
発光ダイオードは、理論的には、何れの波長の光でも設計することができるので、多くの商用アプリケーションが3原色の赤色、緑色、青色のうち、一つの色を出す発光ダイオードを使用する。一つの発光ダイオード出す光が単色であるので、白色光を出す発光ダイオードユニットを製造するための多様な方法が存在する。
【0004】
それらの方法によると、赤色、緑色及び青色発光ダイオードからの光が組み合わされて白色光を作ることができる。
また他の方法によると、単色発光ダイオードを励起状態から底状態に安定化されながら白色光を放射する蛍光物質を励起させることに用いることによって白色光を作ることができる。ここで、蛍光灯で白色光を発生させることと同様の方式に蛍光物質を利用して単色発光ダイオードの光を白色光に変換する。
【0005】
また他の方法によると、青色光を放射する発光ダイオードの場合には、その青色光の一部で赤色蛍光体と緑色蛍光体とを励起させて白色光を得ることができる。
しかし、発光ダイオードから出射された青色光は、半値幅(full−width half−maximum)が狭いので色再現性が良いが、赤色と緑色を放射する蛍光物質は、半値角が広いので色再現性が悪くて、周辺の色と混合するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2008−0026529号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2008−0057418号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は上記従来の発光ダイオードにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、色再現性が高く、寿命を延長することができる発光ダイオードユニットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記発光ダイオードを光源に使用することによって、色再現性が高く、寿命が延長された表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明による発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有することを特徴とする。
【0009】
前記量子ドットは、その直径が4nm〜10nmであり、コアと、前記コアを囲み、前記量子ドットのバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質によって構成されたシェルと、前記シェル上に付着されるリガンド(ligand)とを含むことが好ましい。
前記バッファ層は、樹脂と、前記樹脂内に分散させて、前記発光ダイオードから発光した光を拡散させる散乱剤とを含むことが好ましい。
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該各粒子の直径は、前記量子ドットの直径より大きいことが好ましい。
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該粒子の直径は、50nm〜10μmであることが好ましい。
前記散乱剤の各粒子の直径は、青色光の波長より大きいことが好ましい。
前記散乱剤は、前記樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度で含まれることが好ましい。
前記バッファ層は、複数のバッファサブ層からなり、各バッファサブ層は、前記散乱剤の濃度が互いに異なる散乱剤を有することが好ましい。
前記バッファ層は、前記発光ダイオード上の第1バッファサブ層と、前記第1バッファサブ層上の第2バッファサブ層との二重層からなり、前記第1バッファサブ層の散乱剤の濃度は、前記第2バッファサブ層の散乱剤の濃度より低いことが好ましい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明による表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに光を供給する発光ダイオードユニットとを有し、前記発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光を拡散させる散乱剤が含まれるバッファ層と、前記バッファ層上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置によれば、相対的に高い程度の色再現性を有する発光ダイオードユニットを提供できる。本発明の発光ダイオードユニットには、発光ダイオードから発光する光を拡散させるバッファ層が具備されることによって、量子ドットの劣化現象を減少させる、或いは防止することができ。これによって、色再現性が維持され、寿命が延長するという効果がある。
又、本発明の発光ダイオードユニットを表示装置に用いることによって、表示装置は、相対的に高い程度の色再現性と寿命を有することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図2】既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットの分光分布グラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットの分光分布グラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図5】散乱剤を使用しない場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を示すグラフである。
【図6】散乱剤を使用した場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を示すグラフである。
【図7】図5及び図6の空間的な光分布を視野角に対する輝度で表したグラフである。
【図8】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による光束特性グラフである。
【図9】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による色座標特性グラフである。
【図10】散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による色座標特性グラフである。
【図11】本発明の第3の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態による発光ダイオードユニットを含む表示装置を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る発光ダイオードユニット及びこれを含む表示装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0014】
本明細書の実施形態に対して参照する図面は、図示された形態に限定するように意図されたものではなく、これとは異なり、請求項によって定義された本発明の原理及び範囲内の全ての変形、等価物、及び代案を含むように意図されたものである。図面では、多様な層及び領域を明確に表現するために一部構成要素のスケールを誇張する、或いは縮小して示した。明細書全体にかけて同様の参照符号は同様の構成要素を示す。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットは、光を発光する少なくとも一つの発光ダイオード120と、発光ダイオード120上のバッファ層130と、バッファ層130上の量子ドット層140とを含む。
【0016】
発光ダイオード120、バッファ層130、及び量子ドット層140は、発光ダイオード120、バッファ層130及び量子ドット層140を収容するハウジング110内に収容される。
ハウジング110は、発光ダイオード120、バッファ層130及び量子ドット層140が内部に収容することができるように内部に空間を有し、一側(上方)が開放された形態に設けられる。
【0017】
即ち、ハウジング110は、発光ダイオード120を実装することができる底面部110aが形成され、底面部110aには、底面部110aの端部から上方向に延長されて形成された側面部110bが連結されている。ハウジング110は、プラスチックのような絶縁性高分子で形成することができる。例えば、ハウジング110は、ポリフタルアミド(PPA:Polyphthalamide)のようなプラスチックやセラミックのような物質で形成が可能である。底面部110aと側面部110bは、ハウジング110の製造の際にモールディング方法を利用して一体で形成することができる。
【0018】
発光ダイオード120は、光を発光する役割をし、ハウジングの底面部110a上に実装される。
発光ダイオード120は、ワイヤ122を通じて電源(図示せず)に接続される。ワイヤ122は、ハウジング110を貫通して外部の電源と接続させることができる。電源は、発光ダイオード120が駆動することができるように電圧を印加する役割をする。そして、図示していないが、発光ダイオード120の下部には、発光ダイオード120から発生した熱を放出させるための放熱パッド又は放熱板が具備させることもできる。
【0019】
発光ダイオード120上には、後述するバッファ層130を間に置いて量子ドット層140が形成される。量子ドット層140は、高分子樹脂を含み、高分子樹脂内には、複数の量子ドット142、144が分散されている。高分子樹脂は、絶縁性の高分子で構成することができ、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを使用することができる。
【0020】
量子ドット(142、144)は、ナノ物質のうちの一つとして、バンドギャップ(band gap)が小さい物質で構成されたコアと、コアを囲むバンドギャップが大きい物質で構成されたシェルと、シェル上に付着されたリガンドとで構成され、実質的に概略直径10nm程度の大きさの球形に形成されている。
【0021】
量子ドットは、このようなナノサイズを有するので、量子拘束効果(quantum confinement effect)を発生することができる。
量子拘束効果の最も著しい点は、量子拘束効果が起こると量子ドットのバンドギャップが大きくなり、バンドギャップがバルク(bulk)の結晶とは異なり、一つの個別的な原子のように不連続なバンドギャップ構造を有することである。
【0022】
このような量子ドットは、量子ドットの大きさによって不連続なバンドギャップの間隔を調節することができて、量子ドットを均一の大きさを持って分布を有するように合成すると、半値幅(full width at half maximum:FWHM)が狭い分光分布を有する光変換体を作ることができる。
【0023】
本実施形態において、量子ドット(142、144)は、発光ダイオード120から発光した光を吸収した後、各量子ドット(142、144)が有するバンドギャップに相当する光を放射する。発光ダイオード120が放射する光を第1光とし、量子ドット(142、144)が放射する光を第2光とすると、第1光の波長は、第2光の波長より短いか、または、同一である。これは、吸収したエネルギより大きいエネルギを放射することができないためであり、これによって第2光の波長は、第1光の波長と同一であるか、または長い。
【0024】
量子ドットには、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTeのようなII−VI族の量子ドットや、PbS、PbSe、PbTe、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSbのようなIII−V族の量子ドットなどを使用することができる。
【0025】
発光ダイオード120が青色発光ダイオードである場合、発光ダイオード120上の量子ドット層140は、緑色量子ドット142及び/又は赤色量子ドット144を含むことができる。この時、量子ドット層140が緑色量子ドット142と赤色量子ドット144を全て有する場合、発光ダイオードユニットの外部に放射される最終的な出射光は白色光になる。
【0026】
上述のように、本発明の発光ダイオードユニットは、既存の発光ダイオードユニットより高品質の白色光を出す。これは、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットより高い分光学的色再現性を得ることができるためである。
【0027】
図2及び図3は、既存の蛍光物質を利用した従来の発光ダイオードユニットと本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットとを比較するための分光分布グラフである。
この二つのグラフは、各々青色発光ダイオードを使用した際の従来技術と本発明の第1の実施形態による発光ダイオードユニットの出射光の分光分布を示す。
ここで、各グラフの縦軸は、各波長における相対的な光の強度を示している。ここで、R、G、Bは、赤色、緑色、青色カラーフィルタを使用した際の分光分布特性を示したものである。
【0028】
図2を参照すると、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットは、波長の大きさに従って、青色ピークBL、緑色ピークGF、赤色ピークRFが順次に現れる。青色、緑色、赤色ピークBL、GF、RFは、全てがカラーフィルタを使用した時より半値幅が狭い。
特に、青色ピークBLは、半値幅がカラーフィルタを使用した時より相対的に非常に狭いだけではなく、既存の発光ダイオードユニットの他の色の色ピーク、緑色ピークGF、或いは赤色ピークRFよりも狭い。これによって、狭い範囲で強い強度に現れるので、色再現性が他の色に比べて優秀である。これは、既存発明の発光ダイオードユニットは、青色発光ダイオードを基本に実装しているので、青色ピークBLは、発光ダイオード光源の半値幅を有する。
【0029】
ところが、従来の発光ダイオードユニットにおいて、グラフから分かるように緑色ピークGFと赤色ピークRFは、カラーフィルタを使用した時より、相対的に半値幅が狭いが、青色ピークBLよりは、半値幅が広く、強度も青色ピークBLより弱い。これは、緑色ピークGFと赤色ピークRFは、青色発光ダイオードから発光された光を吸収して異なる波長の光を発光する蛍光体からの発光された光であるためである。
【0030】
これによって、青色ピークBLより半値幅が相対的に広く、隣接した他の色ピークと重なる。即ち、半値幅が広い蛍光体を適用した場合は、グラフから分かるように赤色ピークRFと緑色ピークGFが重なって、580nm附近の黄色領域の光の密度を高めるようになり、赤色と緑色のカラーフィルタを全て透過して純粋な赤色と緑色を具現することができないという問題が発生する。その結果、このような隣接光の間の混色によって白色光の品質が落ちるようになる。
【0031】
図3を参照すると、本発明の第1の実施形態による量子ドット発光ダイオードユニットの分光分布グラフでは、波長の大きさに従って、各々青色ピークBLと緑色ピークGQと、赤色ピークRQが順次に現れる。
青色、緑色、赤色ピークBL、GQ、RQは、全てがカラーフィルタR、G、Bを使用する際より半値幅が狭く、強度も相対的に強い。これによって、狭い範囲で強い強度に赤色、緑色、青色の全てが現れるので、高品質の白色光を得ることができる。
【0032】
このような結果は、青色ピークBLは、青色発光ダイオードに基づいて、緑色ピークRQと赤色ピークRQは、緑色量子ドットと赤色量子ドットに基づいたことであるためである。緑色量子ドット、或いは赤色量子ドットは、放射される光が特定範囲に限定されているので、半値幅が非常に狭く現れる。上述のように、半値幅が狭い量子ドットを適用した場合は、580nmの付近の黄色領域の光がほとんど存在しなくてカラーフィルタを通じて純粋な赤色と緑色を具現することができる。
このような理由で量子ドットを適用したダイオードユニットを表示装置の光源に適用する場合、既存の蛍光物質を利用した発光ダイオードユニットより高い色再現性を具現することができる。
【0033】
既存の蛍光物質の発光半値幅と本発明の第1の実施形態による緑色量子ドットと赤色量子ドットの発光半値幅を比較した結果を、以下の表1に示す。
【表1】
上述のように、既存の発光ダイオードユニットより本発明の第1の実施形態の発光ダイオードユニットは、半値幅が約半分以下の値を有するので、高い色再現性を有する。これによって、本発明の第1の実施形態のように青色発光ダイオード120と、緑色量子ドット142と、赤色量子ドット144を利用した場合には、高品質の白色光を提供することができる。この時、緑色量子ドット142と赤色量子ドット144の量は、ホワイト色座標によって変わる。
【0034】
本発明の第1の実施形態によると青色発光ダイオード120と量子ドット層140との間には、バッファ層130が形成される。
バッファ層130は、発光ダイオード120から発光された光が直接的に垂直上部の量子ドット層140に到達しないように、量子ドット層140を発光ダイオード120から離隔させる。バッファ層130は、発光ダイオード120と量子ドット層140との間の距離を離隔させることによって、直接的に到達する光量を減らすことと同時に発光ダイオード120から出射された光の散乱度も増加させる。
【0035】
又、バッファ層130は、量子ドットの劣化現象を緩和させる。
量子ドットの劣化現象というのは、量子ドットが光、熱、又は化学物質との反応によって変性されることである。例えば、量子ドットが光、熱、又は化学物質のうちの、特に光に直接的に長時間露出される場合、光酸化(photooxidation)反応が発生して量子ドットが変性してしまう。
【0036】
特に、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層は、バッファ層がない場合に、発光ダイオードの垂直側面方向の量子ドット層より単位面積当たり強い光が入射するので、量子ドット層の異なる部分にある量子ドットに比べて、その部分の量子ドットが光によって劣化頻度が多くなる。劣化現象は、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層の寿命を低下させるようになり、結果的に発光ダイオードの白色光の品質を下げるのみではなく、寿命を短縮させる。従って、量子ドットの劣化を減少させると、白色光の品質を維持して寿命を増加させることができる。
バッファ層130は、高分子樹脂を含むことができる。高分子樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などを使用することができる。
【0037】
図4は、本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
本実施形態では、図4を参照して重複説明を避けるために第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。同様な番号は同様な構成要素を示す。例えば、量子ドット層240は図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(242、244)は図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部210aと側面部210bを有するハウジング210は図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、ワイヤ222は図1のワイヤ122と同様である。
【0038】
図4を参照すると、バッファ層220には、バッファ層220を形成する樹脂(以下、第1樹脂と称する)内に分散分布されて発光ダイオード220から発光した光を拡散させる散乱剤232が含まれる。
散乱剤232は、ガラス、酸化チタン、酸化アルミニウム、及び/又はシリカのような大きい表面積を有する粒子の形態で形成する。散乱剤232は、第1樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度に含まれる。散乱剤232が第1樹脂の重量の1重量%より低い濃度の場合には、光の散乱による光拡散効果が微小である。第1樹脂の重量の15重量%より大きい場合には、光の散乱効果は増加するが、光の散乱と反射による光損失が増加するので、実質的な光効率が落ちるようになる。
【0039】
散乱剤232の粒子の大きさは、量子ドット(242、244)より大きく形成する。これは、量子ドット(242、244)の直径より散乱剤232の粒子の大きさが小さく形成される場合には、量子ドット(242、244)から出射された光が散乱されなく、量子ドット層240を直ちに透過する比率が増えるためである。従って、散乱剤232の粒子大きさが量子ドット(242、244)より小さく形成された場合、光が散乱剤232と遭遇しないことで散乱程度が減少することを防止するためである。
【0040】
又、散乱剤232の粒子の大きさは、その平均直径が50nm〜10μmであり、平均直径が青色光の波長より大きく形成する。散乱剤232の粒子の大きさは、光を散乱させる表面積によって選択することができる。
光を散乱させる散乱剤232の粒子の直径が10μmを超える場合には、散乱剤232の粒子の大きさが青色光の波長より大きくなるので、散乱現象に比べてはるかに多くの回折が発生されうる。散乱現象より回折現象が多くなると、散乱度が減少する。又、散乱剤232の粒子が大きいのため、光を上部ではない異なる方向に反射させる比率が多くなり、これによって、光量が必要以上に減る。そして散乱度は、表面積が大きいほど光散乱の効果が大きいので、直径が10μm以下に形成することができる。これと反して、散乱剤232の粒子の直径が50nmより小さく形成される場合には、青色光の波長と対比して散乱剤232の粒子の大きさが小さくなるので、散乱程度が顕著に落ちる。
【0041】
図5及び図6は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の発光ダイオードユニットの空間的な光分布を各々示したグラフである。
この時、散乱剤として酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は200nmである。
【0042】
図7は、図5及び図6の空間的な光分布を視野角に対する輝度で表したグラフである。
グラフのx軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードユニットに対する視野角を意味し、y軸は、正規化された輝度を示す。
図7から分かるように、最高輝度に対して輝度が半分になる角度は、酸化チタンを適用した場合には、±40゜程度であるが、酸化チタンを適用しない場合には、±23゜程度の値を有する。この結果は、発光ダイオードから出た光が散乱剤によって散乱され、分散されて空間的に拡散されたことを意味する。
【0043】
上述の光の拡散は、発光ダイオード垂直上部の量子ドットに直接的に到達する光量が相対的に減少され、相対的に減少された光が発光ダイオードの上部ではない側方方面に分散されたことを意味する。
その結果、発光ダイオード垂直上部の量子ドットに直接的に伝えられる光量が減少し、光量の減少によって劣化現象が減少する。従って、全体的な白色光の品質が向上され、量子ドットを用いた発光ダイオードの寿命を長くすることができる。
【0044】
図8は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間による光束(luminous flux)特性グラフである。ここで、x軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードの駆動時間(エージング時間)であり、y軸は、駆動時間による相対光束を示すものである。
散乱剤としては、酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は、200nmである。
【0045】
図8から分かるように、所定の時間周期において、駆動時間(エージング時間)による発光ダイオードユニットの光束は、酸化チタンを適用した場合が適用しない場合より光束低下量が少ない。即ち、酸化チタンを適用した場合の光束低下の傾斜が、適用しない場合の傾斜よりなだらかである。
【0046】
発光ダイオードユニットの寿命は、発光ダイオードユニットの光束が初期光束の50%になる場合の駆動時間(エージング時間)を意味する。このグラフの場合、酸化チタンを適用した場合、光束の低下が顕著になだらかであるので、寿命も延長されることがわかる。このような延長効果は、バッファ層に酸化チタンを適用した場合に量子ドットの劣化現象が緩和されて、その結果、寿命改善効果が現れたことを示す。
【0047】
図9と図10は、各々散乱剤を使用しない場合及び散乱剤を使用した場合の駆動時間(エージング時間)によるx及びy色座標特性グラフである。
ここで、x軸は、本発明の第1及び第2の実施形態による発光ダイオードユニットの駆動時間(エージング時間)であり、y軸は、駆動時間(エージング時間)による色座標の位置を示すものである。
【0048】
図9は、CIE1931標準表色系(CIE1931 standard colorimetric system)のx−色座標を示し、図10は、CIE1931標準表色系(CIE1931 standard colorimetric system)y−色座標を示すものである。
散乱剤としては、酸化チタンが第1樹脂層に対して5重量%の濃度で使用され、酸化チタンの平均直径は、200nmである。
【0049】
図9と図10から分かるように、駆動時間(エージング時間)による発光ダイオードユニットの色座標の位置を所定の時間周期で測定した結果、酸化チタンを適用した場合が適用しない場合より色座標の位置変化量が少ない。
即ち、酸化チタンを適用した場合の色座標の変化量が適用しない場合より少ない。
【0050】
一般的に色座標の位置が変化する場合には、色が変化することを意味するので、色座標の変化量が大きいほど安定的な色を提供しにくい。これによって、酸化チタンが散乱剤として使われた場合には、散乱剤として酸化チタンが使われない場合より安定的な色を提供し、結局、高品質の白色光を持続的に提供することができるということを意味する。結局、本発明の一実施形態によると酸化チタンを適用した場合に、量子ドットの劣化現象が緩和され、その結果、白色光を安定的に供給することができる。
【0051】
以上では、本発明の第1及び第2の実施形態を説明したが、本発明がこれに限定されることではない。例えば、本発明の第2の実施形態では、バッファ層に散乱剤が均一に散布されているが、本発明の他の実施形態では、バッファ層が複数のバッファサブ層からなることもでき、散乱剤が各バッファサブ層に互いに異なる濃度で分散分布することもできる。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。
図11を参照して、重複説明を避けるために、図1及び図4と相違する部分のみを説明する。同様の番号は同様の構成要素を示す。例えば、量子ドット層340は、図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(342、344)は、図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部310aと側面部310bを有するハウジング310は、図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、ワイヤ322は、図1のワイヤ122と同様である。
【0053】
図に示すように、本実施形態による発光ダイオードユニットバッファ層は、第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bからなる。第1バッファサブ層330aは、発光ダイオード320上に形成され、第2バッファサブ層330bは、第1バッファサブ層330a上に形成される。
第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bは、ポリマ樹脂のような絶縁性物質からなり、二つの層に分散分布する散乱剤332の濃度は、互いに異なる濃度である。例えば、第1バッファサブ層330aに分散分布した散乱剤332の濃度は、第2バッファサブ層330bに分散分布した散乱剤332の濃度より低い。
【0054】
本実施形態では、発光ダイオード320から出射された光は、第1バッファサブ層330aで一次的に散乱されて拡散された後に、第2バッファサブ層330bで再び散乱されて拡散される。この時、第2バッファサブ層330bの散乱剤332の濃度は、第1バッファサブ層330aより高いので、第1バッファサブ層330aから第2バッファサブ層330bへ移動する光の散乱効果が増加して、これによって後続する量子ドット層340に入射する光量が均一に分散される。
このように、第1及び第2バッファサブ層330a、330bに、互いに異なる濃度で散乱剤330を分散分布させることで、供給される量子ドットの濃度や種類に従って拡散程度を容易に調節可能である。
【0055】
本実施形態では、ハウジング310の底面部310aと平行に第1バッファサブ層330aと第2バッファサブ層330bを区分したが、これに限定されることなく、例えば、底面部310aと垂直の方向に複数のバッファサブ層に区分することができる。例えば、図では示さなかったが、発光ダイオード320の垂直上部と発光ダイオードチップ320の側方部の二つの領域に区分することができ、この場合、三つのバッファサブ層に構成される。この時、発光ダイオード320の垂直上部領域のバッファサブ層に散乱剤332の濃度を最も高く維持することによって、最大限の光拡散効果を得ることができる。
【0056】
上述した本発明の実施形態は、単一発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットに関することであるが、本発明の第4の実施形態は、複数の発光ダイオードを実装した発光ダイオードユニットを含む。
図12は、本発明の第4の実施形態による発光ダイオードユニットを示す断面図である。ここでは、ハウジング410に複数の発光ダイオード420a、420b、420cが実装されている。
【0057】
図12を参照して、重複説明を避けるために、図1、図4及び図11と相違する点を説明する。同様の番号は同様の構成要素を示す。例えば、量子ドット層440は、図1の量子ドット層140と同様であり、量子ドット(442、444)は、図1の量子ドット(142、144)と同様であり、底面部410aと側面部410bを有するハウジング410は、図1の底面部110aと側面部110bを有するハウジング110と同様であり、バッファ層430は、図3のバッファ層230と同様であり、散乱剤432は、図4の散乱剤232と同様である。
【0058】
図12を参照すると、ハウジングの底面部410aが広く形成され、ハウジングの底面部410上には、複数個の発光ダイオード420a、420b、420cが具備される。
発光ダイオード420a、420b、420cは、ワイヤ422a、422b、422cを通じて同一の電源に接続される、或いは別個の電源に各々接続させることもできる。発光ダイオード420a、420b、420cは、所定の間隔をおいて配列され、必要に応じて任意の位置に配置することができる。
【0059】
複数個の発光ダイオード420a、420b、420c上には、一体に形成されたバッファ層430が具備される。バッファ層430上には、量子ドット(442、444)を含む量子ドット層440が具備される。
単一チップ420を利用した発光ダイオードユニットに比べて、光源の面積が広く、及び/又は長く形成された発光ダイオードユニットを提供することができる。
【0060】
上記のような構造を有する発光ダイオードユニットは、発光ダイオードの垂直上部の量子ドット層に直接的に入射される光量を拡散させて、量子ドット層に分散されて入射するようにすることで、量子ドット層の一部領域のみの量子ドットの劣化を減少させ、これによって発光ダイオードユニットの寿命が延長される。又、量子ドットの劣化の減少は、発光ダイオードユニットの色再現性を上昇させる効果がある。
【0061】
結果として、本発明の実施形態による発光ダイオードユニットは、高品質の光源を提供する。本発明による発光ダイオードユニットは、点光源に使用することができる。又、複数個を配列して面光源と近似する形態で使用することもできる。発光ダイオードユニットは、特別に用途が限定されることはないが、特に、液晶表示装置、或いは電気泳動装置などの光を別途に放射しない表示装置の場合の光源に使用することができる。
【0062】
図13は、本発明による発光ダイオードユニットを光源として利用した表示装置の分解斜視図である。
図13で、表示パネルの一実施形態として液晶表示装置を示した。
図13を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、前方に画像を表示する表示パネル520を含んで形成される。表示パネル520の周端には、表示パネル520を支持するモールドフレーム530が具備される。モールドフレーム530の下部及び表示パネル520の後方には、光学シート部540が具備される。光学シート部540は、表示パネル520の背面に位置する保護シート541と、プリズムシート543と、拡散シート545とを含むことができる。
【0063】
光学シート部540の少なくとも一側、即ち光学シート部540の後方、或いは側面には、光学シート部540を通じて表示パネル520に光を供給する本発明の実施形態による発光ダイオードユニット100が配置される。
本発明の一実施形態では、発光ダイオードユニット100が光学シート部540の後方ではなく、側面に位置したエッジ(edge)タイプを示しているが、これに限定されるものではない。即ち、本発明は、発光ダイオードユニット100が表示パネル520の後方の一側に位置したエッジタイプのみではなく、発光ダイオードユニット100が表示パネル520の後方に位置した直下タイプの表示装置(図示せず)も含む。
発光ダイオードユニット100と光学シート部540との間には、発光ダイオードユニット100から出射された光を光学シート部540と表示パネル520に導くための導光板550が具備される。
【0064】
導光板550の下部には、表示パネル520の方向ではない方向へ進行する光を反射するための反射シート570が具備され、反射シート570の下部には、表示パネル520と、光学シート部540と、導光板550と、発光ダイオードユニット100と、反射シート570などを相互にカップリングさせ、これらを内部に受納する下部カバー580と、下部カバー580と結合する上部カバー510が具備されている。
上部カバー510は、表示パネル520の前面の周囲の端部を支持する構造物である。上部カバー510には、表示パネル520の表示領域を露出させる表示窓が形成されている。そして、上部カバー510の側面には、後述する下部カバー570と結合するためのねじ孔(図示せず)などの結合手段が設けられている。
【0065】
表示パネル520は、長辺と短辺を有する長方形の平板状に設けられる。表示パネル520は、第1基板521と、第1基板521に対向する第2基板522と、二つの基板の間に形成された液晶層(図示せず)とを含む。表示パネル520は、液晶層を駆動して前方に画像を表示する役割をする。ここで、本実施形態では、表示パネルとして液晶パネルを使用したが、これに限定されることなく、光源が必要であるような異なる表示パネルを使用することもできる。例えば、電気泳動表示パネルを使用することもできる。
【0066】
図には示さなかったが、表示パネル520の一側には、表示パネル520の薄膜トランジスタと接続される印刷回路基板が具備されるが、印刷回路基板から出た信号は、配線を通じて薄膜トランジスタに伝達され、薄膜トランジスタは、信号によって画素に電圧を印加して液晶層の液晶分子を駆動させる。
【0067】
上述のように、本発明による発光ダイオードユニットは、高品質の白色光を供給するのみだけでなく、耐久年限が長いので、上記のように表示装置の光源に発光ダイオードユニットを使用する場合には、高品質の表示装置を提供することができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施形態による発光ダイオードユニットの製造方法を図3を参照して説明すると次の通りである。
先ず、発光ダイオードを実装するハウジングを準備する。
ハウジング210は、底面部210aと底面部210aから上向きに折曲されて延長された側面部210bを有するように形成する。ハウジング210は、PPAのような絶縁性高分子樹脂で、例えば、モールディング工程を利用して製造することができる。
この際、ハウジングの底面部210aを貫通して放熱板、或いは放熱パッドを具備することができるが、これは、後に実装される発光ダイオード210の放熱のためである。
【0069】
次に、ハウジングの底面部210a上に発光ダイオード220を実装する。発光ダイオード220は、ワイヤ222を利用して電源(図示せず)と接続する。電源は、ハウジング210を貫通するワイヤ222を有するように具備されることができ、外部の電源と接続することもできる。ワイヤ222は、また発光ダイオードユニットがPCB(Printed Circuit Board)のような異なる構成要素上に装着される際、そのPCB上の電極と各々接続されて外部からの電力を発光ダイオード220に印加する役割をする。
【0070】
次に、発光ダイオード220上にバッファ層230を形成する。発光ダイオード220上にバッファ層230を形成するためには、先ずバッファ層230は、固体相の散乱剤232を第1樹脂に混合して第1混合液を作る。第1樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂などを使用することができる。
【0071】
次に、第1混合液を発光ダイオード220を含むハウジングの底面部210a上に塗布する。第1混合液を発光ダイオード220上に塗布する方法は、液状の第1混合液を発光ダイオード上に配置させることができるのであれば、特別に限定されることではない。例えば、インクジェットの方法で形成することもできる。塗布後、第1混合液を硬化させてバッファ層230を形成する。この時、硬化の際に熱を加えてバッファ層230を形成するか、必要であれば、紫外線を用いた光硬化も可能である。
【0072】
バッファ層230は、単一バッファ層に形成する場合には、1回の塗布で形成することができるが、複数のバッファサブ層で形成する場合には、塗布及び硬化を複数回を実施することによって形成することができる。
例えば、散乱剤の濃度が互いに異なる第1バッファサブ層と第2バッファサブ層を形成する場合には、先ず第1樹脂に所定の濃度で散乱剤を混合させた第3混合液を準備する。第3混合液を発光ダイオードが形成された底面部に塗布して硬化させて第1バッファサブ層を形成する。次に、第1樹脂に第3混合液とは散乱剤の濃度が異なる濃度になるように所定の濃度に散乱剤を混合させた第4混合液を準備する。第4混合液を第1バッファサブ層上に塗布して硬化させて第2バッファサブ層を形成する。
【0073】
次に、バッファ層230上に、量子ドット層240を形成する。量子ドットは、例えば、トルエンのような揮発性の溶媒に混合して準備する。溶媒は、揮発性が大きいので、後の混合の際に容易に除去することができる。次に、準備した量子ドットを第2樹脂に混合して第2混合液を作る。第2樹脂は、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などを使用することができる。
【0074】
次に、第2混合液をバッファ層230上に塗布する。第2混合液をバッファ層230上に塗布する方法は、液状の混合液をバッファ層上に配置させることができれば、特別に限定されることではない。例えば、インクジェットの方法で形成することができる。塗布後に、第2混合液を硬化させて量子ドット層240を形成する。この時、硬化の際に熱を加えて、量子ドット層240を形成し、光硬化は利用しない。量子ドットは、光によって劣化する特性があるためである。
【0075】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0076】
110、210、310、410 ハウジング
120、220、320、420a、420b、420c 発光ダイオード
122、222、322、422a、422b、422c ワイヤ
130、230、330、430 バッファ層
140、240、340、440 量子ドット層
142、144 (緑色、及び赤色)量子ドット
232、332、432 散乱剤
330a、330b (第1及び第2)バッファサブ層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、
前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有することを特徴とする発光ダイオードユニット。
【請求項2】
前記量子ドットは、その直径が4nm〜10nmであり、
コアと、
前記コアを囲み、前記量子ドットのバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質によって構成されたシェルと、
前記シェル上に付着されるリガンド(ligand)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項3】
前記バッファ層は、樹脂と、
前記樹脂内に分散させて、前記発光ダイオードから発光した光を拡散させる散乱剤とを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項4】
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該各粒子の直径は、前記量子ドットの直径より大きいことを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項5】
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該粒子の直径は、50nm〜10μmであることを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項6】
前記散乱剤の各粒子の直径は、青色光の波長より大きいことを特徴とする請求項5に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項7】
前記散乱剤は、前記樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度で含まれることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項8】
前記バッファ層は、複数のバッファサブ層からなり、各バッファサブ層は、前記散乱剤の濃度が互いに異なる散乱剤を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項9】
前記バッファ層は、前記発光ダイオード上の第1バッファサブ層と、
前記第1バッファサブ層上の第2バッファサブ層との二重層からなり、
前記第1バッファサブ層の散乱剤の濃度は、前記第2バッファサブ層の散乱剤の濃度より低いことを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項10】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルに光を供給する発光ダイオードユニットとを有し、
前記発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光を拡散させる散乱剤が含まれるバッファ層と、
前記バッファ層上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットとを有することを特徴とする表示装置。
【請求項1】
第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットを含む量子ドット層と、
前記発光ダイオードと前記量子ドット層との間に介在して前記発光ダイオードと前記量子ドット層を離隔させるバッファ層とを有することを特徴とする発光ダイオードユニット。
【請求項2】
前記量子ドットは、その直径が4nm〜10nmであり、
コアと、
前記コアを囲み、前記量子ドットのバンドギャップより大きいバンドギャップを有する物質によって構成されたシェルと、
前記シェル上に付着されるリガンド(ligand)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項3】
前記バッファ層は、樹脂と、
前記樹脂内に分散させて、前記発光ダイオードから発光した光を拡散させる散乱剤とを含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項4】
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該各粒子の直径は、前記量子ドットの直径より大きいことを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項5】
前記散乱剤は、複数の粒子からなり、該粒子の直径は、50nm〜10μmであることを特徴とする請求項3に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項6】
前記散乱剤の各粒子の直径は、青色光の波長より大きいことを特徴とする請求項5に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項7】
前記散乱剤は、前記樹脂の重量に対して1重量%〜15重量%の濃度で含まれることを特徴とする請求項2に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項8】
前記バッファ層は、複数のバッファサブ層からなり、各バッファサブ層は、前記散乱剤の濃度が互いに異なる散乱剤を有することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項9】
前記バッファ層は、前記発光ダイオード上の第1バッファサブ層と、
前記第1バッファサブ層上の第2バッファサブ層との二重層からなり、
前記第1バッファサブ層の散乱剤の濃度は、前記第2バッファサブ層の散乱剤の濃度より低いことを特徴とする請求項8に記載の発光ダイオードユニット。
【請求項10】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルに光を供給する発光ダイオードユニットとを有し、
前記発光ダイオードユニットは、第1光を発光する少なくとも一つの発光ダイオードと、
前記発光ダイオード上に設けられ、前記第1光を拡散させる散乱剤が含まれるバッファ層と、
前記バッファ層上に設けられ、前記第1光の一部を吸収して前記第1光と波長が異なる第2光を発光する複数の量子ドットとを有することを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−177656(P2010−177656A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207521(P2009−207521)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
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