発光ダイオードレンズ及びこれを備えたバックライトモジュール
【課題】
発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズ及びこのレンズを備えたバックライトモジュールに関するものである。
【解決手段】
上記発光ダイオードレンズは、対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び、上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端とに連結された出射面を含む。上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射し、上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する。
発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズ及びこのレンズを備えたバックライトモジュールに関するものである。
【解決手段】
上記発光ダイオードレンズは、対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び、上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端とに連結された出射面を含む。上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射し、上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズに関するものであって、より具体的には発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズ及びこのレンズを備えたバックライトモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器産業の発展に伴い、液晶表示装置(LCD: Liquid Crystal Display)が次世代ディスプレー装置として注目を浴びている。上記LCDは自ら光を発生するものではないので、通常LCDパネルの背面に光を発生するバックライト(backlight)モジュールを備える。
【0003】
図1は米国特許第6,679,621号において従来の側面放出型LCDバックライトモジュールの光源として提案された発光ダイオードを示す断面図である。図1によると、発光ダイオード(10)は、電気信号の入出力のためのリード(12)が形成され、その内部に熱伝導性物質を備えたプラスチック製パッケージ(11)内に発光ダイオードチップ(14)が実装され、上記発光ダイオードチップ(14)から発生した光の経路を水平方向に変更させるレンズ(13)が上記フレーム(11)の上部に結合されて成る。
【0004】
上記においてレンズ(13)は上記発光ダイオードチップ(14)から発生し全方向へ放出される夫々の光を水平方向に屈折させるよう光学的に設計されたものであって、上記図1においては外形が略臼形態のレンズを示すが、これは発光ダイオードチップ(14)から発生する光の放出角度に応じてより複雑になりかねなく、一部の設計範囲を外れた光が水平方向に屈折されないまま垂直方向に向かってしまう問題がある。
【0005】
さらに、こうした発光ダイオード素子(10)を用いてLCDバックライトモジュールを具現する場合、上記点光源の発光ダイオード素子(10)を先ず所定の長さの印刷回路基板(図示せず)上に一列に実装し、図2に示すように線光源の発光ダイオードアレー(20)を形成し、上記発光ダイオードアレー(20)を一つ以上所定間隔で平行配置した後、上記発光ダイオードアレー(20)の両側面に、上記発光ダイオードアレー(20)から水平に放出される光を垂直方向に反射するよう形成された反射板(31)を取り付けバックライトモジュール(30)を具現する。
【0006】
上記のように、従来の発光ダイオードを用いたバックライトモジュール(30)は実際に光源である発光ダイオードチップ(14)から最初に発生した光をレンズ(13)により水平方向へ屈折後再び反射板(31)で垂直方向に反射し、光経路が幾度も変更される。したがって、複雑な経路上において光損失が生じる。
【0007】
また、発光ダイオードチップ(14)から放出された光は図1の垂直方向である光軸を中心に360°放射するので、光源、即ち発光ダイオードチップ(14)から遠くなるほど明るさが大きく低下する。したがって、光度の減少を克服するために発光ダイオードアレー(20)もやはり相互隣接するよう配さなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は先述した従来の技術の問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズを提供することにある。
【0009】
本発明の他目的はバックライトモジュール内で発光ダイオードアレーモジュールの数を減少させられる発光ダイオードレンズを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は上記発光ダイオードレンズを備えるLCDバックライトモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
先述した本発明の目的を成し遂げるための本発明の特徴によると、発光ダイオードチップから放出された光を外部へ出射するための発光ダイオードレンズが設けられ、上記発光ダイオードレンズは対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び、上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端とに連結された出射面を含み、上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射させ、上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する。
【0012】
好ましくは、上記反射面は曲面である。これと異なり、上記反射面は上記底面に連結された曲面と上記出射面に連結された平面を夫々含むことができる。
【0013】
好ましくは、上記一対の反射面は互いに対称または非対称である。
【0014】
好ましくは、上記反射面中の少なくとも一つは上記基準線の一端から半折漏斗形状で延長される。
【0015】
好ましくは、上記出射面は凹んだ曲線から成る断面形状を有する。これと異なり、上記出射面は上記反射面に連結された一対の第1直線部、上記第1直線部から所定の角度で互いに対向するよう上記基準線側へ延長された一対の第2直線部、及び上記第2直線部に連結された膨らんだ曲線部から成る断面形状を有することができる。
【0016】
好ましくは、上記第2直線部と曲線部との間に直線または曲線の連結部が形成される。
【0017】
好ましくは、第2直線部は上記基準線に対して略平行か所定の角度で傾く。
【0018】
好ましくは、上記底面は上記基準線付近で幅が減少して縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は直線または曲線である。
【0019】
先述した本発明の目的を成し遂げるための本発明の他特徴によると、液晶表示装置の背面からLCDパネルに垂直方向に光を照射するバックライトモジュールが設けられるが、上記バックライトモジュールは略長方形の上記LCDパネル側が開放されたハウジング;上記ハウジング内で高さ方向へ緩やかな上向き傾斜を有する反射板;及び、上記ハウジングを横切って延長され、その高さ方向へ上記反射板上に設けられた基板と、この基板の両側に取り付けられた先述の発光ダイオードレンズを備える発光ダイオードアレーを含む。
【0020】
本発明の記述において、「反射面」という用語はレンズの屈折率と形状により光源から放出される光線に内部全反射を起こさせるレンズ表面のことであって、全ての光を反射することを意味するわけではない。「出射面」という用語は反射面で内部全反射されるか、または光源から直接到達した光を外部へ出射するレンズ表面のことをいう。また、「光軸」という用語はレンズの光源を通過する各断面での光の特定経路を意味し、レンズ全体から見れば半円形に連結される。
【発明の効果】
【0021】
先述したように、本発明の発光ダイオードレンズは発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射しながら光経路を単純化し光損失を減少させる。
【0022】
また、本発明のバックライトモジュールは一つの発光ダイオードアレーモジュールの両側に発光ダイオードレンズ及びチップを装着することにより、上記発光ダイオードアレーから放射される光量を2倍に増加することができる。したがって、発光ダイオードアレーの数を減少させられ、それに応じてバックライトモジュールの構造を単純化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましき実施例を添付の図を参照しながら詳しく説明する。
【0024】
第1実施例
図3ないし図8は本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの構造を示す。これら図において、図3は本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの斜視図で、図4は図3の発光ダイオードレンズの平面図で、図5は図3の発光ダイオードレンズの側面図で、図6は図3の発光ダイオードレンズの正面図で、図7は図3の発光ダイオードレンズの底面図で、図8は図3のA-A線に沿って切断した断面図である。
【0025】
図3ないし図8に示す本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)は透明素材から成り、底面に取り付けられる発光ダイオードチップ(120)から発生した光を特定の指向角に応じて外部へ放射するための構造を有する。
【0026】
本実施例の発光ダイオードレンズ(100)はピーナッツ形態の平坦な底面(102)、この底面(102)から上向きに延長された一対の反射面(110)及び上記底面(102)と反射面(110)との間に設けられた出射面(116)から成り、底面(102)と反射面(110)との間には第1稜(104)が、底面(102)と出射面(116)との間には第2稜(108)が、そして反射面(110)と出射面(116)との間には第3稜(112)が形成される。ここで、上記発光ダイオードレンズ(100)の全体形状は図8に示す断面形状(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させたものと同じである。
【0027】
図8の断面(S)は直線から成る底辺(A)、この底面(A)の両端から対向した形状で上向きに延長された膨らんだ円弧形状の側辺(B)及びこれら側辺(B)の上端間を連結する凹んだ円弧形状の上辺(C)から成る。一方、説明の便宜上、底辺(A)と側辺(B)との頂点aを第1連結点、側辺(B)と上辺(C)との頂点cを第2連結点とする。さらに、図面符号bは点(b、 c)を連結する側面(B)において最外側に位置する最外郭点を示す。
【0028】
このような図8の断面(S)は、図3の発光ダイオードレンズ(100)を、切断面が一対の連結地点(106)を通過するよう図3のI-I線に沿って切断して得たもので、発光ダイオードレンズ(100)はこれら連結地点(106)同士の直線、即ち図8の底辺(A)を通過するよう切断される限り、円周方向の如何なる位置で切断しても図8の断面形状と同一な切断面形状となる。
【0029】
以下、本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)の構造を上記図20の断面形状に係わり説明する。
【0030】
先ず、図7により明確に示すように、底面(102)は長さ方向へ対向して延長された一対の第1稜(104)とこれら第1稜(104)の両端を互いに連結するようより短い長さで対向して延長された一対の第2稜(108)とで成る。底面(102)は図8の断面(S)2個を底辺(A)を中心に相互結合したものと同一な形状を有する。夫々の第1稜(104)は膨らんだ一対の円弧が連結地点(106)を中心に相互対向するよう連結された形状であって、図8の側辺(B)2個を連結すると一つの第1稜(104)を得ることになる。これに比して、夫々の第2稜(108)は凹んだ形状を有し、図8の上辺(C)と同一な形状である。
【0031】
一方、反射面(110)は図8の断面(S)を底辺(A)を中心に180°回転させる際、対向する側辺(B)が描く軌跡と同一な形状を有する。即ち、反射面(110)は上記第1稜(104)と断面(S)の第2連結点(c)が描く第3稜(112)間に形成され、図3のx軸方向から見ると(図5により明確に示すように)半円形の平面形状を有する。一方、図3のy軸方向から見ると、断面(S)の最外郭点(b)が形成する点線で示した円弧(114)が上端に位置し、第3稜(112)と連結地点(106)が下端に位置する。ここで、反射面(110)の円弧(114)と連結地点(106)間の部分は全体形状が略半折の漏斗と同一である。
【0032】
また、出射面(116)は第2稜(108)と第3稜(112)間に形成され、図8の断面(S)の上辺(C)が描く軌跡に該当する。
【0033】
一方、レンズ(100)は一体型の中実型構造として記述したが、実質的に同一か類似する屈折率を有する多面発光ダイオードチップ(120)上部のレンズ(100)の一部はシリコンなどから成る透明樹脂で充填することができる。
【0034】
先述したように上記発光ダイオードレンズ(100)は発光ダイオードチップ(120)から発生する光を所定の指向角範囲で外部へ出射するよう構成されるが、以下に図9ないし図11を参照し、これを説明する。これら図において、図9は発光ダイオードレンズ(100)の断面(S)における指向角特性を示し、図10は発光ダイオードレンズ(100)における指向角特性を示す断面図で、図11は発光ダイオードレンズ(100)の底面(102)における指向角特性を示す。
【0035】
先ず図9によると、便宜上点光源で示そた発光ダイオードチップ(120)から放出される光線(L)は一部は直接出射面(116)を通して外部へ出射し、残りは先ず反射面(110)で反射した後、出射面(116)を通して外部へ出射する。この際、発光ダイオードチップ(120)において直前方へ向かう光線(L)の経路AOを便宜上「光軸」という。一方、全体発光ダイオードレンズ(100)において、図9のような断面形状は連結地点(106)同士の直線、即ち底辺(A)を中心に180°に亘って存在するので、この光軸(AO)もやはり180°に亘って半円を成すことになる。
この際、反射面(110)は少なくとも第1連結点(a)と第2連結点(b)間の部分(以下「反射面第1部分」という)が点光源の発光ダイオードチップ(120)から放出される光線(L)を内部全反射させるよう構成される。第1連結点(a)と第2連結点(b)間の反射面(110)の形状はレンズ(100)の屈折率と(通常は空気である)外部の屈折率との関係により定められる。一方、第2連結点(b)と第3連結点(c)間の反射面(110)の一部(以下「反射面第2部分」という)は光線(L)を必ず全反射させる必要は無く、必要に応じて光線(L)を所定の角度で光軸(AO)側へ屈折させ出射してもよい。
【0036】
これと異なって、第1及び第2連結点(b、c)間の反射面第2部分は光軸(AO)と平行に形成することもできる。これは、発光ダイオードチップ(120)から第2連結点(b)に到達する光線(L)が内部全反射するので、第2連結点(b)から光軸(AO)と平行に光源の逆方向に延長された面もやはり内部全反射面となることを考慮したものである。
【0037】
出射面(116)は発光ダイオードチップ(120)から直接到達した光線(L)と反射面(110)から反射し到達した光線(L)を外部へ出射する。ここで、出射面(116)が凹んでいるので光線(L)は出射面(116)から外部へ放射される際、光軸(AO)側へ集まらず拡散する傾向がある。こうした出射光線(L)は光軸に対して所定の角度範囲内で外部へ出射するが、この角度範囲はレンズ(100)の形状、具体的には反射面(110)と出射面(116)の形状とレンズ(100)の屈折率により定められる。
【0038】
図10に示すように、発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)の進行を平面図、即ち図3のx軸方向から見ると、光線(L)は光源から放射状で拡散しながら進む。これは先述したように、出射面(116)は図8の断面(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させる場合上辺(C)により形成される軌跡と同一な形状なので、同一平面上の出射面(116)の各地点は点光源である発光ダイオードチップ(120)から同一な位置にあるようになる。即ち、発光ダイオードチップ(120)が円の中心となり出射面(116)は半円となる。したがって、平面から見ると、発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)は出射面(116)に垂直に到達するので反射や屈折をせずに外部へ出射する。
【0039】
図11によると、発光ダイオードレンズ(100)の底面(102)における光線(L)の反射及び出射過程は図9のものと実質的に同一である。但し、底面(102)が断面(S)を軸線の底辺(A)を中心に2個連結したものと同じ形状なので、光線(L)は点光源の発光ダイオードチップ(120)を中心に対称形状で図の左右に出射する。
【0040】
したがって、本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)は発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)中レンズ(100)の半径方向、即ちy及びz軸方向の成分は最初の放出方向に沿って外部へ出射させるが軸線方向、即ちx軸方向の成分はy軸方向とz軸方向へ方向を変えて出射するようになる。その結果、光線(L)は発光ダイオードレンズ(100)の半径方向から見ると放射状で拡散しながら出射するが、断面及び底面から見ると光軸(AO)を中心に所定の角度範囲内で出射面(116)を通して外部へ出射する。こうした出射角度範囲はレンズ(100)の形状及び屈折率により定められる。例えば、反射面(110)の形状を非対称にすると光線の出射角度範囲を非対称にすることができる。
【0041】
このような発光ダイオードレンズ(100)は先述した従来の発光ダイオードレンズ(10)と比較すると、光経路が単純で光損失が減少する。
【0042】
以下、図12に基づいて本発明の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールについて説明する。
【0043】
図12に示すように、バックライトモジュール(140)はLCD(図示せず)の背面からLCDパネル(図示せず)に垂直方向に光を照射するためのものである。上記バックライトモジュール(140)は略長方形の上記LCDパネル側が開放されたハウジング(144)、このハウジング(144)内で高さ方向へ緩やかな曲線に沿って上向き傾斜を有する反射板(142)、及び上記ハウジング(144)を横切って延長されその高さ方向に上記反射板上に設けられた発光ダイオードアレー(130)を含む。上記反射板(142)は図においてハウジング(144)の平面方向、即ちx軸方向へ進みながらその高さ方向、即ちz軸方向へ緩やかに上向き傾斜を有するよう構成される。一方、発光ダイオードアレー(130)は反射板(142)の最低点に配され、バー形態の(通常印刷回路基板である)基板の両側に取り付けられた複数の発光ダイオードチップ(図示せず)、これら発光ダイオードチップ上に夫々配された複数の発光ダイオードレンズ(100)及び上記アレー(130)を反射板(142)に固定させるブラケット(132)を含む。
【0044】
こうすると、多重レンズ発光ダイオードアレー(130)から放射された光線(L)は指向角に応じてバックライトモジュール(140)内で進行する。即ち、バックライトモジュール(140)の平面方向へは拡散しながら進むが、高さ方向へは所定の角度以上拡散されない。光線(L)はこのようにバックライトモジュール(140)の平面方向へ進みながら相互混合された後、反射板(142)によりLCDパネル側へ反射されることによりLCDパネルにバックライトを提供するようになる。
【0045】
このように構成すると、先述した従来の技術と比較すると一つの発光ダイオードアレー(130)に2倍の発光ダイオードレンズ及びチップを装着できるので、この発光ダイオードアレー(130)から放射される光量を2倍に増加することができる。したがって、発光ダイオードアレー(130)の数を減少させることができ、そのことからバックライトモジュール(140)の構造を単純化することができる。
【0046】
図13は図3の発光ダイオードレンズの変形例を示す平面図である。図13によると、本変形例による発光ダイオードレンズ(100A)は発光ダイオードチップ(120)に対向する第3稜(112)の一部領域に直線部(112A)が形成され、この直線部(112A)は発光ダイオードチップ(120)の長さと同一に形成される。さらに、同一な形状の直線部が出射面(図示せず)の対応部分に形成されることができる。こうした構造の発光ダイオードレンズ(100A)は発光ダイオードチップ(120)が長い場合、適宜に用いることができる。
【0047】
図14は図3の発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。図14によると、本変形例による発光ダイオードレンズ(100B)は第1稜(104)間に直線の連結部(106B)が形成された点で図3ないし図8に示した発光ダイオードレンズ(100)と相異する。連結部(106B)を線に形成すると、レンズ(100B)を成型するための金型製造がより容易である。また、連結部を湾曲させるのもやはり可能である。
【0048】
本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズは先述した実施形態(100、100A、100B)に限定されない。例えば、反射面(110)形状は必ずしも対称である必要は無い。この場合、先述した連結地点(106)または連結部(106B)は反射面(110)中のいずれか一方にのみ形成され、他方の反射面には半折漏斗形状が形成されなくてもよい。
【0049】
第2実施例
図15ないし図20は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの構造を示す。これら図において、図15は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの斜視図で、図16は図15の発光ダイオードレンズの平面図で、図17は図15の発光ダイオードレンズの正面図で、図18は図15の発光ダイオードレンズの側面図で、図19は図15の発光ダイオードレンズの底面図で、図20は図15のII-II線に沿って切断した断面図である。
【0050】
図15ないし図20に示した本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(200)は透明素材から成り、底面に取り付けられる発光ダイオードチップ(210)から発生した光を特定の指向角に応じて外部へ放出するための構造を有する。
【0051】
本実施例の発光ダイオードレンズ(200)は対向した冠状の平坦な底面(202)、この底面(202)から上向きに延長された一対の第1及び第2反射面(204、206)及び上記底面(202)と第2反射面(206)間に形成された第1及び第2出射面(210、214)と中間面(212)から成り、その全体形状は図20に示した断面形状(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させたものと同じである。
図20の断面(S)は直線から成る底辺(A)、この底辺(A)の両端から対向した形状で上向きに延長された一対の膨らんだ円弧形状の第1側辺(B1)、これら第1側辺(B1)から直線で上向きに延長された一対の第2側辺(B2)、これら第2側辺(B2)の上端から内側に直線で延長された一対の第1上辺(C1)、これら第1上辺(C1)の内側端部から直線で下向きに延長された一対の第2上辺(C2)及びこれら第2上辺(C2)の下端を相互連結する膨らんだ円弧形状の第3上辺(C3)から成る。一方、説明の便宜上底辺(A)と第1側辺(B1)との頂点aを第1連結点(a)、第1側辺(B1)と第2側辺(B2)との頂点bを第2連結点(b)、第2側辺(B2)と第1上辺(C1)との頂点cを第3連結点(c)、第1上辺(C1)と第2上辺(C2)との頂点dを第4連結点(d)、そして第2上辺(C2)と第3上辺(C3)との頂点eを第5連結点(e)とする。
【0052】
このような図20の断面(S)は図15の発光ダイオードレンズ(200)を切断面が(図19に明確に示された)一対の連結地点(208)間に形成された直線、即ち図20の底辺(A)を通過するよう図15のII-II線に沿って切断して得たもので、発光ダイオードレンズ(200)はこの底辺(A)を通過するよう切断される限り、円周方向の如何なる位置から切断されても図20の断面形状と同一な切断面形状を有するようになる。
【0053】
以下、本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の構造を上記図20の断面形状(S)に係わり説明する。
【0054】
上記発光ダイオードレンズ(200)は先述したように、図20の断面形状(S)を底辺(A)を中心に180°回転させて得た軌跡と同一な構造を有する。
【0055】
先ず、図19により明確に示した底面(202)は図20の断面(S)を回転させた状態の底面、即ち断面(S)2個を底辺(A)を中心に相互結合させたものと同一な形状となる。
【0056】
反射面(204、206)は図20の断面(S)を底辺(A)を中心に180°回転させる場合対向した第1及び第2側辺(B1、B2)が描く軌跡と同一な形状となる。即ち、第1反射面(204)は図20の断面(S)の上記第1連結点(a)と第2連結点(b)間の第1側辺(B1)が描く軌跡により形成され、第2反射面(206)は断面(S)の第2連結点(b)と第3連結点(c)間の第2側辺(B2)が描く軌跡により形成される。したがって、夫々の第1反射面(204)はその全体形状が略半折の漏斗に該当し、連結地点(208)はこの漏斗の頂点に該当する。
【0057】
また、出射面(210、214)と中間面(212)は図20の断面(S)の上辺(C1、C2、C3)が描く軌跡により夫々形成される。
【0058】
このような構造のレンズ(200)は一体型の中実型構造として記載するが、実質的に同一か類似する屈折率を有する多面発光ダイオードチップ(220)上部のレンズ(200)の一部はシリコンなどから成る透明樹脂で充填することができる。
【0059】
先述したように上記発光ダイオードレンズ(200)は発光ダイオードチップ(220)から発生する光を所定の指向角範囲で外部へ出射させるよう構成されるが、以下図21と図22を参照し、これを説明する。これら図面において、図21は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の断面(S)における指向角特性を示し、図22は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の底面(202)における指向角特性を示す。
【0060】
先ず、図21によると、便宜上点光源で示した発光ダイオードチップ(220)から放出される光線(L)は直接または第1及び第2反射面(204、206)で反射後第1及び第2出射面(210、214)を通して外部へ出射する。この際、発光ダイオードチップ(220)から直前方に向かった光線(L)の経路AOを便宜上「光軸」という。
【0061】
この際、第1及び第2反射面(204、206)は、少なくとも第1連結点(a)と第2連結点(b)間の第1反射面(204)が点光源の発光ダイオードチップ(220)から放出される光線(L)を内部全反射させるよう構成される。第1反射面(204)の形状はレンズ(200)の屈折率と(通常は空気である)外部の屈折率との関係により定められる。一方、第2連結点(b)と第3連結点(c)間の第2反射面(206)は光線(L)を必ずしも全反射させる必要は無く、必要に応じて光線(L)を所定の角度で光軸(AO)側へ屈折させ出射してもよい。
【0062】
出射面(210、214)は反射面(204)から反射され到達した光線(L1)と発光ダイオードチップ(220)から直接到達した光線(L2)を外部に出射する。第2出射面(214)は発光ダイオードチップ(220)から放出され直接到達した光線(L3)を外部へ出射し、その膨らんだ形状により光線(L3)を光軸(AO)方向に集める傾向がある。一方、全体発光ダイオードレンズ(200)において図21のような断面形状は連結地点(208)間の直線、即ち底辺(A)を中心に180°に亘って存在するので、この光軸(AO)もやはり180°に亘って半円を成すことになる。
【0063】
こうした出射光線(L)は光軸(AO)に対して所定の角度範囲内で外部へ出射するが、この角度範囲はレンズ(200)の形状、具体的には反射面(204、206)と出射面(210、214)及び中間面(212)?形状とレンズ(200)の屈折率により定められる。
【0064】
図22によると、発光ダイオードレンズ(200)の底面(202)での光線(L)の反射及び出射過程は図21のものと実質的に同一である。但し、底面(202)が断面(S)を軸線である底辺(A)を中心に2個連結したものと同じ形状なので、光線(L)は点光源である発光ダイオードチップ(220)を中心に対称形状で図の左右に出射する。
【0065】
一方、たとえ図示はしなかったが、発光ダイオードチップ(220)から発光ダイオードレンズ(200)の半径方向、即ち図15のy軸及びz軸方向へ出射された光線は図10に基づき第1実施例を通して説明したように光源から放射状で拡散し進行する。これは発光ダイオードレンズ(200)が、図18に示すようにx軸方向から見ると半円形の平面形状を有するので発光ダイオードレンズ(220)から放出された光線はy軸及びz軸方向には反射または屈折せずに外部へ放射するようになる。
【0066】
したがって、本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)は発光ダイオードチップ(220)から放出された光線(L)中レンズ(200)に対する半径方向、即ちy及びz軸方向の成分は最初の放出方向に沿って外部へ出射するが軸線方向、即ちx軸方向の成分はy軸とz軸方向へ方向を変えて出射するようになる。その結果、光線(L)は発光ダイオードレンズ(200)の半径方向には放射状で拡散しながら出射するが、x軸方向には光軸(AO)を中心に所定の角度範囲内で出射面(210、214)を通して外部へ出射する。こうした出射角度範囲はレンズ(200)の形状及び屈折率により定められる。
【0067】
このような構成の発光ダイオードレンズ(200)は図12に示すものと同一な方式により発光ダイオードアレーの両面に複数個配列されLCDバックライトモジュールに設けられる。こうすると発光ダイオードチップから放出された光線は図12と同一な方式によりLCDパネルにバックライトを提供するようになる。
【0068】
この場合も、先述した従来の技術と比較すると、一つの発光ダイオードアレーに2倍の発光ダイオードレンズ及びチップを装着できるので、この発光ダイオードアレーから放射される光量を増加させることができる。したがって、発光ダイオードアレーの数を減少させることができ、そのことからバックライトモジュールの構造を単純化することができる。
【0069】
図23ないし図25は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの様々な変形例を示す平面図である。
【0070】
図23に示した発光ダイオードレンズ(200A)は中間面(212)と第2出射面(214)とが出会う部分に連結面(216)が形成されることを除けば、先述した第2実施例の発光ダイオードレンズ(200)と同一な構造を有する。このように連結面(216)を形成すると、レンズ(200A)を成型するための金型製造がより容易となる。
【0071】
図24に示した発光ダイオードレンズ(200B)は第1出射面(210B)が傾くよう、即ち内側より外側が突出するよう形成したことを除けば、図24の発光ダイオードレンズ(200A)と同一な構造を有する。上記第1出射面(210B)は通過する光線を光軸側へより集めることができ、図24の発光ダイオードレンズ(200A)の中間面(212)との角度は約30°ないし60°が好ましい。一方、上記第1出射面(210B)は第2発光ダイオードレンズ(200)にも適用することができる。
【0072】
図25に示した発光ダイオードレンズ(200C)は中間面(212)と第2出射面(214)とが出会う部分に曲面の連結面(216C)が形成される。このような連結面(216C)もやはりレンズ(200C)を成型するための金型製造をより容易にする。
【0073】
図26は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。この発光ダイオードレンズ(200D)は第1反射面(204)が集まる連結部(208D)が曲面に形成され、中間面(212)と第2出射面(214)との間に曲面の連結面(216D)が形成されたことを除けば、第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)における図19の底面形状と同一である。このように連結部(208D)と連結面(216D)を形成するとレンズ(200D)を成型するための金型製造がより容易になる。
【0074】
図27は図26の発光ダイオードレンズ(200D)を図上から観察した場合の出射光線の強度を示したグラフである。ここで、角度は光源の発光ダイオードチップ(220)から発光ダイオードレンズ(200D)の幅方向への角度を意味し、強度はカンデラである。図27から分かるように、出射光線はx軸方向へ±15°以内に集中され、これは全体光量の約70%以上に該当する。
【0075】
ここで、図26の発光ダイオードレンズ(200D)を使用して実験したのはこの形態が最も容易に具現されるからである。例えば、図15ないし図20の発光ダイオードレンズ(200)を使用すれば、その効率を一層高められるであろう。
【0076】
本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズは先述した実施形態(200、200A、200B、200C、200D)に限定されない。例えば、反射面(204、206)の形状は必ず対称である必要は無い。この場合、先述した連結地点(208)または連結部(208D)は第1反射面(204)中のいずれか一方にのみ形成され、他方の反射面には半折漏斗形状が形成されなくてもよい。また、第2反射面(206)を光軸(AO)と平行にさせず所定の角度で傾斜させてもよい。あるいは両側の第2反射面を相異する角度で形成することもできる。
【0077】
上記においては本発明の好ましき実施例を参照して説明したが、該当技術分野において通常の知識を有する者であれば、本願特許請求範囲に記載された本願発明の思想及び領域から外れない範囲内において本願発明を多様に修正及び変更できることを明かしておく。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来の技術による発光ダイオードレンズの断面図である。
【図2】図1の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの斜視図である。
【図4】図3の発光ダイオードレンズの平面図である。
【図5】図3の発光ダイオードレンズの側面図である。
【図6】図3の発光ダイオードレンズの正面図である。
【図7】図3の発光ダイオードレンズの底面?である。
【図8】図3のI-I線に沿って切断した断面図である。
【図9】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図11】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す底面図である。
【図12】本発明の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールの一部を示す斜視図である。
【図13】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す平面図である。
【図14】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。
【図15】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの斜視図である。
【図16】図15の発光ダイオードレンズの平面図である。
【図17】図15の発光ダイオードレンズの正面図である。
【図18】図15の発光ダイオードレンズの側面図である。
【図19】図15の発光ダイオードレンズの底面図である。
【図20】図15のII-II線に沿って切断した断面図である。
【図21】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図22】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す底面図である。
【図23】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図24】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図25】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図26】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。
【図27】図26の発光ダイオードレンズから出射される光線の強度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0079】
100.200 発光ダイオードレンズ
102、202 底面
110、204、206 反射面
116、210、214 出射面
220 発光ダイオードチップ
AO 光軸
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズに関するものであって、より具体的には発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズ及びこのレンズを備えたバックライトモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器産業の発展に伴い、液晶表示装置(LCD: Liquid Crystal Display)が次世代ディスプレー装置として注目を浴びている。上記LCDは自ら光を発生するものではないので、通常LCDパネルの背面に光を発生するバックライト(backlight)モジュールを備える。
【0003】
図1は米国特許第6,679,621号において従来の側面放出型LCDバックライトモジュールの光源として提案された発光ダイオードを示す断面図である。図1によると、発光ダイオード(10)は、電気信号の入出力のためのリード(12)が形成され、その内部に熱伝導性物質を備えたプラスチック製パッケージ(11)内に発光ダイオードチップ(14)が実装され、上記発光ダイオードチップ(14)から発生した光の経路を水平方向に変更させるレンズ(13)が上記フレーム(11)の上部に結合されて成る。
【0004】
上記においてレンズ(13)は上記発光ダイオードチップ(14)から発生し全方向へ放出される夫々の光を水平方向に屈折させるよう光学的に設計されたものであって、上記図1においては外形が略臼形態のレンズを示すが、これは発光ダイオードチップ(14)から発生する光の放出角度に応じてより複雑になりかねなく、一部の設計範囲を外れた光が水平方向に屈折されないまま垂直方向に向かってしまう問題がある。
【0005】
さらに、こうした発光ダイオード素子(10)を用いてLCDバックライトモジュールを具現する場合、上記点光源の発光ダイオード素子(10)を先ず所定の長さの印刷回路基板(図示せず)上に一列に実装し、図2に示すように線光源の発光ダイオードアレー(20)を形成し、上記発光ダイオードアレー(20)を一つ以上所定間隔で平行配置した後、上記発光ダイオードアレー(20)の両側面に、上記発光ダイオードアレー(20)から水平に放出される光を垂直方向に反射するよう形成された反射板(31)を取り付けバックライトモジュール(30)を具現する。
【0006】
上記のように、従来の発光ダイオードを用いたバックライトモジュール(30)は実際に光源である発光ダイオードチップ(14)から最初に発生した光をレンズ(13)により水平方向へ屈折後再び反射板(31)で垂直方向に反射し、光経路が幾度も変更される。したがって、複雑な経路上において光損失が生じる。
【0007】
また、発光ダイオードチップ(14)から放出された光は図1の垂直方向である光軸を中心に360°放射するので、光源、即ち発光ダイオードチップ(14)から遠くなるほど明るさが大きく低下する。したがって、光度の減少を克服するために発光ダイオードアレー(20)もやはり相互隣接するよう配さなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は先述した従来の技術の問題を解決するために案出されたものであって、本発明の目的は発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射するための発光ダイオードレンズを提供することにある。
【0009】
本発明の他目的はバックライトモジュール内で発光ダイオードアレーモジュールの数を減少させられる発光ダイオードレンズを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は上記発光ダイオードレンズを備えるLCDバックライトモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
先述した本発明の目的を成し遂げるための本発明の特徴によると、発光ダイオードチップから放出された光を外部へ出射するための発光ダイオードレンズが設けられ、上記発光ダイオードレンズは対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び、上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端とに連結された出射面を含み、上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射させ、上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する。
【0012】
好ましくは、上記反射面は曲面である。これと異なり、上記反射面は上記底面に連結された曲面と上記出射面に連結された平面を夫々含むことができる。
【0013】
好ましくは、上記一対の反射面は互いに対称または非対称である。
【0014】
好ましくは、上記反射面中の少なくとも一つは上記基準線の一端から半折漏斗形状で延長される。
【0015】
好ましくは、上記出射面は凹んだ曲線から成る断面形状を有する。これと異なり、上記出射面は上記反射面に連結された一対の第1直線部、上記第1直線部から所定の角度で互いに対向するよう上記基準線側へ延長された一対の第2直線部、及び上記第2直線部に連結された膨らんだ曲線部から成る断面形状を有することができる。
【0016】
好ましくは、上記第2直線部と曲線部との間に直線または曲線の連結部が形成される。
【0017】
好ましくは、第2直線部は上記基準線に対して略平行か所定の角度で傾く。
【0018】
好ましくは、上記底面は上記基準線付近で幅が減少して縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は直線または曲線である。
【0019】
先述した本発明の目的を成し遂げるための本発明の他特徴によると、液晶表示装置の背面からLCDパネルに垂直方向に光を照射するバックライトモジュールが設けられるが、上記バックライトモジュールは略長方形の上記LCDパネル側が開放されたハウジング;上記ハウジング内で高さ方向へ緩やかな上向き傾斜を有する反射板;及び、上記ハウジングを横切って延長され、その高さ方向へ上記反射板上に設けられた基板と、この基板の両側に取り付けられた先述の発光ダイオードレンズを備える発光ダイオードアレーを含む。
【0020】
本発明の記述において、「反射面」という用語はレンズの屈折率と形状により光源から放出される光線に内部全反射を起こさせるレンズ表面のことであって、全ての光を反射することを意味するわけではない。「出射面」という用語は反射面で内部全反射されるか、または光源から直接到達した光を外部へ出射するレンズ表面のことをいう。また、「光軸」という用語はレンズの光源を通過する各断面での光の特定経路を意味し、レンズ全体から見れば半円形に連結される。
【発明の効果】
【0021】
先述したように、本発明の発光ダイオードレンズは発光ダイオードチップから発生した光を一定の出射角度で外部へ出射しながら光経路を単純化し光損失を減少させる。
【0022】
また、本発明のバックライトモジュールは一つの発光ダイオードアレーモジュールの両側に発光ダイオードレンズ及びチップを装着することにより、上記発光ダイオードアレーから放射される光量を2倍に増加することができる。したがって、発光ダイオードアレーの数を減少させられ、それに応じてバックライトモジュールの構造を単純化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の好ましき実施例を添付の図を参照しながら詳しく説明する。
【0024】
第1実施例
図3ないし図8は本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの構造を示す。これら図において、図3は本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの斜視図で、図4は図3の発光ダイオードレンズの平面図で、図5は図3の発光ダイオードレンズの側面図で、図6は図3の発光ダイオードレンズの正面図で、図7は図3の発光ダイオードレンズの底面図で、図8は図3のA-A線に沿って切断した断面図である。
【0025】
図3ないし図8に示す本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)は透明素材から成り、底面に取り付けられる発光ダイオードチップ(120)から発生した光を特定の指向角に応じて外部へ放射するための構造を有する。
【0026】
本実施例の発光ダイオードレンズ(100)はピーナッツ形態の平坦な底面(102)、この底面(102)から上向きに延長された一対の反射面(110)及び上記底面(102)と反射面(110)との間に設けられた出射面(116)から成り、底面(102)と反射面(110)との間には第1稜(104)が、底面(102)と出射面(116)との間には第2稜(108)が、そして反射面(110)と出射面(116)との間には第3稜(112)が形成される。ここで、上記発光ダイオードレンズ(100)の全体形状は図8に示す断面形状(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させたものと同じである。
【0027】
図8の断面(S)は直線から成る底辺(A)、この底面(A)の両端から対向した形状で上向きに延長された膨らんだ円弧形状の側辺(B)及びこれら側辺(B)の上端間を連結する凹んだ円弧形状の上辺(C)から成る。一方、説明の便宜上、底辺(A)と側辺(B)との頂点aを第1連結点、側辺(B)と上辺(C)との頂点cを第2連結点とする。さらに、図面符号bは点(b、 c)を連結する側面(B)において最外側に位置する最外郭点を示す。
【0028】
このような図8の断面(S)は、図3の発光ダイオードレンズ(100)を、切断面が一対の連結地点(106)を通過するよう図3のI-I線に沿って切断して得たもので、発光ダイオードレンズ(100)はこれら連結地点(106)同士の直線、即ち図8の底辺(A)を通過するよう切断される限り、円周方向の如何なる位置で切断しても図8の断面形状と同一な切断面形状となる。
【0029】
以下、本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)の構造を上記図20の断面形状に係わり説明する。
【0030】
先ず、図7により明確に示すように、底面(102)は長さ方向へ対向して延長された一対の第1稜(104)とこれら第1稜(104)の両端を互いに連結するようより短い長さで対向して延長された一対の第2稜(108)とで成る。底面(102)は図8の断面(S)2個を底辺(A)を中心に相互結合したものと同一な形状を有する。夫々の第1稜(104)は膨らんだ一対の円弧が連結地点(106)を中心に相互対向するよう連結された形状であって、図8の側辺(B)2個を連結すると一つの第1稜(104)を得ることになる。これに比して、夫々の第2稜(108)は凹んだ形状を有し、図8の上辺(C)と同一な形状である。
【0031】
一方、反射面(110)は図8の断面(S)を底辺(A)を中心に180°回転させる際、対向する側辺(B)が描く軌跡と同一な形状を有する。即ち、反射面(110)は上記第1稜(104)と断面(S)の第2連結点(c)が描く第3稜(112)間に形成され、図3のx軸方向から見ると(図5により明確に示すように)半円形の平面形状を有する。一方、図3のy軸方向から見ると、断面(S)の最外郭点(b)が形成する点線で示した円弧(114)が上端に位置し、第3稜(112)と連結地点(106)が下端に位置する。ここで、反射面(110)の円弧(114)と連結地点(106)間の部分は全体形状が略半折の漏斗と同一である。
【0032】
また、出射面(116)は第2稜(108)と第3稜(112)間に形成され、図8の断面(S)の上辺(C)が描く軌跡に該当する。
【0033】
一方、レンズ(100)は一体型の中実型構造として記述したが、実質的に同一か類似する屈折率を有する多面発光ダイオードチップ(120)上部のレンズ(100)の一部はシリコンなどから成る透明樹脂で充填することができる。
【0034】
先述したように上記発光ダイオードレンズ(100)は発光ダイオードチップ(120)から発生する光を所定の指向角範囲で外部へ出射するよう構成されるが、以下に図9ないし図11を参照し、これを説明する。これら図において、図9は発光ダイオードレンズ(100)の断面(S)における指向角特性を示し、図10は発光ダイオードレンズ(100)における指向角特性を示す断面図で、図11は発光ダイオードレンズ(100)の底面(102)における指向角特性を示す。
【0035】
先ず図9によると、便宜上点光源で示そた発光ダイオードチップ(120)から放出される光線(L)は一部は直接出射面(116)を通して外部へ出射し、残りは先ず反射面(110)で反射した後、出射面(116)を通して外部へ出射する。この際、発光ダイオードチップ(120)において直前方へ向かう光線(L)の経路AOを便宜上「光軸」という。一方、全体発光ダイオードレンズ(100)において、図9のような断面形状は連結地点(106)同士の直線、即ち底辺(A)を中心に180°に亘って存在するので、この光軸(AO)もやはり180°に亘って半円を成すことになる。
この際、反射面(110)は少なくとも第1連結点(a)と第2連結点(b)間の部分(以下「反射面第1部分」という)が点光源の発光ダイオードチップ(120)から放出される光線(L)を内部全反射させるよう構成される。第1連結点(a)と第2連結点(b)間の反射面(110)の形状はレンズ(100)の屈折率と(通常は空気である)外部の屈折率との関係により定められる。一方、第2連結点(b)と第3連結点(c)間の反射面(110)の一部(以下「反射面第2部分」という)は光線(L)を必ず全反射させる必要は無く、必要に応じて光線(L)を所定の角度で光軸(AO)側へ屈折させ出射してもよい。
【0036】
これと異なって、第1及び第2連結点(b、c)間の反射面第2部分は光軸(AO)と平行に形成することもできる。これは、発光ダイオードチップ(120)から第2連結点(b)に到達する光線(L)が内部全反射するので、第2連結点(b)から光軸(AO)と平行に光源の逆方向に延長された面もやはり内部全反射面となることを考慮したものである。
【0037】
出射面(116)は発光ダイオードチップ(120)から直接到達した光線(L)と反射面(110)から反射し到達した光線(L)を外部へ出射する。ここで、出射面(116)が凹んでいるので光線(L)は出射面(116)から外部へ放射される際、光軸(AO)側へ集まらず拡散する傾向がある。こうした出射光線(L)は光軸に対して所定の角度範囲内で外部へ出射するが、この角度範囲はレンズ(100)の形状、具体的には反射面(110)と出射面(116)の形状とレンズ(100)の屈折率により定められる。
【0038】
図10に示すように、発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)の進行を平面図、即ち図3のx軸方向から見ると、光線(L)は光源から放射状で拡散しながら進む。これは先述したように、出射面(116)は図8の断面(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させる場合上辺(C)により形成される軌跡と同一な形状なので、同一平面上の出射面(116)の各地点は点光源である発光ダイオードチップ(120)から同一な位置にあるようになる。即ち、発光ダイオードチップ(120)が円の中心となり出射面(116)は半円となる。したがって、平面から見ると、発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)は出射面(116)に垂直に到達するので反射や屈折をせずに外部へ出射する。
【0039】
図11によると、発光ダイオードレンズ(100)の底面(102)における光線(L)の反射及び出射過程は図9のものと実質的に同一である。但し、底面(102)が断面(S)を軸線の底辺(A)を中心に2個連結したものと同じ形状なので、光線(L)は点光源の発光ダイオードチップ(120)を中心に対称形状で図の左右に出射する。
【0040】
したがって、本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(100)は発光ダイオードチップ(120)から放出された光線(L)中レンズ(100)の半径方向、即ちy及びz軸方向の成分は最初の放出方向に沿って外部へ出射させるが軸線方向、即ちx軸方向の成分はy軸方向とz軸方向へ方向を変えて出射するようになる。その結果、光線(L)は発光ダイオードレンズ(100)の半径方向から見ると放射状で拡散しながら出射するが、断面及び底面から見ると光軸(AO)を中心に所定の角度範囲内で出射面(116)を通して外部へ出射する。こうした出射角度範囲はレンズ(100)の形状及び屈折率により定められる。例えば、反射面(110)の形状を非対称にすると光線の出射角度範囲を非対称にすることができる。
【0041】
このような発光ダイオードレンズ(100)は先述した従来の発光ダイオードレンズ(10)と比較すると、光経路が単純で光損失が減少する。
【0042】
以下、図12に基づいて本発明の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールについて説明する。
【0043】
図12に示すように、バックライトモジュール(140)はLCD(図示せず)の背面からLCDパネル(図示せず)に垂直方向に光を照射するためのものである。上記バックライトモジュール(140)は略長方形の上記LCDパネル側が開放されたハウジング(144)、このハウジング(144)内で高さ方向へ緩やかな曲線に沿って上向き傾斜を有する反射板(142)、及び上記ハウジング(144)を横切って延長されその高さ方向に上記反射板上に設けられた発光ダイオードアレー(130)を含む。上記反射板(142)は図においてハウジング(144)の平面方向、即ちx軸方向へ進みながらその高さ方向、即ちz軸方向へ緩やかに上向き傾斜を有するよう構成される。一方、発光ダイオードアレー(130)は反射板(142)の最低点に配され、バー形態の(通常印刷回路基板である)基板の両側に取り付けられた複数の発光ダイオードチップ(図示せず)、これら発光ダイオードチップ上に夫々配された複数の発光ダイオードレンズ(100)及び上記アレー(130)を反射板(142)に固定させるブラケット(132)を含む。
【0044】
こうすると、多重レンズ発光ダイオードアレー(130)から放射された光線(L)は指向角に応じてバックライトモジュール(140)内で進行する。即ち、バックライトモジュール(140)の平面方向へは拡散しながら進むが、高さ方向へは所定の角度以上拡散されない。光線(L)はこのようにバックライトモジュール(140)の平面方向へ進みながら相互混合された後、反射板(142)によりLCDパネル側へ反射されることによりLCDパネルにバックライトを提供するようになる。
【0045】
このように構成すると、先述した従来の技術と比較すると一つの発光ダイオードアレー(130)に2倍の発光ダイオードレンズ及びチップを装着できるので、この発光ダイオードアレー(130)から放射される光量を2倍に増加することができる。したがって、発光ダイオードアレー(130)の数を減少させることができ、そのことからバックライトモジュール(140)の構造を単純化することができる。
【0046】
図13は図3の発光ダイオードレンズの変形例を示す平面図である。図13によると、本変形例による発光ダイオードレンズ(100A)は発光ダイオードチップ(120)に対向する第3稜(112)の一部領域に直線部(112A)が形成され、この直線部(112A)は発光ダイオードチップ(120)の長さと同一に形成される。さらに、同一な形状の直線部が出射面(図示せず)の対応部分に形成されることができる。こうした構造の発光ダイオードレンズ(100A)は発光ダイオードチップ(120)が長い場合、適宜に用いることができる。
【0047】
図14は図3の発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。図14によると、本変形例による発光ダイオードレンズ(100B)は第1稜(104)間に直線の連結部(106B)が形成された点で図3ないし図8に示した発光ダイオードレンズ(100)と相異する。連結部(106B)を線に形成すると、レンズ(100B)を成型するための金型製造がより容易である。また、連結部を湾曲させるのもやはり可能である。
【0048】
本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズは先述した実施形態(100、100A、100B)に限定されない。例えば、反射面(110)形状は必ずしも対称である必要は無い。この場合、先述した連結地点(106)または連結部(106B)は反射面(110)中のいずれか一方にのみ形成され、他方の反射面には半折漏斗形状が形成されなくてもよい。
【0049】
第2実施例
図15ないし図20は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの構造を示す。これら図において、図15は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの斜視図で、図16は図15の発光ダイオードレンズの平面図で、図17は図15の発光ダイオードレンズの正面図で、図18は図15の発光ダイオードレンズの側面図で、図19は図15の発光ダイオードレンズの底面図で、図20は図15のII-II線に沿って切断した断面図である。
【0050】
図15ないし図20に示した本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズ(200)は透明素材から成り、底面に取り付けられる発光ダイオードチップ(210)から発生した光を特定の指向角に応じて外部へ放出するための構造を有する。
【0051】
本実施例の発光ダイオードレンズ(200)は対向した冠状の平坦な底面(202)、この底面(202)から上向きに延長された一対の第1及び第2反射面(204、206)及び上記底面(202)と第2反射面(206)間に形成された第1及び第2出射面(210、214)と中間面(212)から成り、その全体形状は図20に示した断面形状(S)を底辺(A)を軸線として180°回転させたものと同じである。
図20の断面(S)は直線から成る底辺(A)、この底辺(A)の両端から対向した形状で上向きに延長された一対の膨らんだ円弧形状の第1側辺(B1)、これら第1側辺(B1)から直線で上向きに延長された一対の第2側辺(B2)、これら第2側辺(B2)の上端から内側に直線で延長された一対の第1上辺(C1)、これら第1上辺(C1)の内側端部から直線で下向きに延長された一対の第2上辺(C2)及びこれら第2上辺(C2)の下端を相互連結する膨らんだ円弧形状の第3上辺(C3)から成る。一方、説明の便宜上底辺(A)と第1側辺(B1)との頂点aを第1連結点(a)、第1側辺(B1)と第2側辺(B2)との頂点bを第2連結点(b)、第2側辺(B2)と第1上辺(C1)との頂点cを第3連結点(c)、第1上辺(C1)と第2上辺(C2)との頂点dを第4連結点(d)、そして第2上辺(C2)と第3上辺(C3)との頂点eを第5連結点(e)とする。
【0052】
このような図20の断面(S)は図15の発光ダイオードレンズ(200)を切断面が(図19に明確に示された)一対の連結地点(208)間に形成された直線、即ち図20の底辺(A)を通過するよう図15のII-II線に沿って切断して得たもので、発光ダイオードレンズ(200)はこの底辺(A)を通過するよう切断される限り、円周方向の如何なる位置から切断されても図20の断面形状と同一な切断面形状を有するようになる。
【0053】
以下、本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の構造を上記図20の断面形状(S)に係わり説明する。
【0054】
上記発光ダイオードレンズ(200)は先述したように、図20の断面形状(S)を底辺(A)を中心に180°回転させて得た軌跡と同一な構造を有する。
【0055】
先ず、図19により明確に示した底面(202)は図20の断面(S)を回転させた状態の底面、即ち断面(S)2個を底辺(A)を中心に相互結合させたものと同一な形状となる。
【0056】
反射面(204、206)は図20の断面(S)を底辺(A)を中心に180°回転させる場合対向した第1及び第2側辺(B1、B2)が描く軌跡と同一な形状となる。即ち、第1反射面(204)は図20の断面(S)の上記第1連結点(a)と第2連結点(b)間の第1側辺(B1)が描く軌跡により形成され、第2反射面(206)は断面(S)の第2連結点(b)と第3連結点(c)間の第2側辺(B2)が描く軌跡により形成される。したがって、夫々の第1反射面(204)はその全体形状が略半折の漏斗に該当し、連結地点(208)はこの漏斗の頂点に該当する。
【0057】
また、出射面(210、214)と中間面(212)は図20の断面(S)の上辺(C1、C2、C3)が描く軌跡により夫々形成される。
【0058】
このような構造のレンズ(200)は一体型の中実型構造として記載するが、実質的に同一か類似する屈折率を有する多面発光ダイオードチップ(220)上部のレンズ(200)の一部はシリコンなどから成る透明樹脂で充填することができる。
【0059】
先述したように上記発光ダイオードレンズ(200)は発光ダイオードチップ(220)から発生する光を所定の指向角範囲で外部へ出射させるよう構成されるが、以下図21と図22を参照し、これを説明する。これら図面において、図21は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の断面(S)における指向角特性を示し、図22は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)の底面(202)における指向角特性を示す。
【0060】
先ず、図21によると、便宜上点光源で示した発光ダイオードチップ(220)から放出される光線(L)は直接または第1及び第2反射面(204、206)で反射後第1及び第2出射面(210、214)を通して外部へ出射する。この際、発光ダイオードチップ(220)から直前方に向かった光線(L)の経路AOを便宜上「光軸」という。
【0061】
この際、第1及び第2反射面(204、206)は、少なくとも第1連結点(a)と第2連結点(b)間の第1反射面(204)が点光源の発光ダイオードチップ(220)から放出される光線(L)を内部全反射させるよう構成される。第1反射面(204)の形状はレンズ(200)の屈折率と(通常は空気である)外部の屈折率との関係により定められる。一方、第2連結点(b)と第3連結点(c)間の第2反射面(206)は光線(L)を必ずしも全反射させる必要は無く、必要に応じて光線(L)を所定の角度で光軸(AO)側へ屈折させ出射してもよい。
【0062】
出射面(210、214)は反射面(204)から反射され到達した光線(L1)と発光ダイオードチップ(220)から直接到達した光線(L2)を外部に出射する。第2出射面(214)は発光ダイオードチップ(220)から放出され直接到達した光線(L3)を外部へ出射し、その膨らんだ形状により光線(L3)を光軸(AO)方向に集める傾向がある。一方、全体発光ダイオードレンズ(200)において図21のような断面形状は連結地点(208)間の直線、即ち底辺(A)を中心に180°に亘って存在するので、この光軸(AO)もやはり180°に亘って半円を成すことになる。
【0063】
こうした出射光線(L)は光軸(AO)に対して所定の角度範囲内で外部へ出射するが、この角度範囲はレンズ(200)の形状、具体的には反射面(204、206)と出射面(210、214)及び中間面(212)?形状とレンズ(200)の屈折率により定められる。
【0064】
図22によると、発光ダイオードレンズ(200)の底面(202)での光線(L)の反射及び出射過程は図21のものと実質的に同一である。但し、底面(202)が断面(S)を軸線である底辺(A)を中心に2個連結したものと同じ形状なので、光線(L)は点光源である発光ダイオードチップ(220)を中心に対称形状で図の左右に出射する。
【0065】
一方、たとえ図示はしなかったが、発光ダイオードチップ(220)から発光ダイオードレンズ(200)の半径方向、即ち図15のy軸及びz軸方向へ出射された光線は図10に基づき第1実施例を通して説明したように光源から放射状で拡散し進行する。これは発光ダイオードレンズ(200)が、図18に示すようにx軸方向から見ると半円形の平面形状を有するので発光ダイオードレンズ(220)から放出された光線はy軸及びz軸方向には反射または屈折せずに外部へ放射するようになる。
【0066】
したがって、本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)は発光ダイオードチップ(220)から放出された光線(L)中レンズ(200)に対する半径方向、即ちy及びz軸方向の成分は最初の放出方向に沿って外部へ出射するが軸線方向、即ちx軸方向の成分はy軸とz軸方向へ方向を変えて出射するようになる。その結果、光線(L)は発光ダイオードレンズ(200)の半径方向には放射状で拡散しながら出射するが、x軸方向には光軸(AO)を中心に所定の角度範囲内で出射面(210、214)を通して外部へ出射する。こうした出射角度範囲はレンズ(200)の形状及び屈折率により定められる。
【0067】
このような構成の発光ダイオードレンズ(200)は図12に示すものと同一な方式により発光ダイオードアレーの両面に複数個配列されLCDバックライトモジュールに設けられる。こうすると発光ダイオードチップから放出された光線は図12と同一な方式によりLCDパネルにバックライトを提供するようになる。
【0068】
この場合も、先述した従来の技術と比較すると、一つの発光ダイオードアレーに2倍の発光ダイオードレンズ及びチップを装着できるので、この発光ダイオードアレーから放射される光量を増加させることができる。したがって、発光ダイオードアレーの数を減少させることができ、そのことからバックライトモジュールの構造を単純化することができる。
【0069】
図23ないし図25は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの様々な変形例を示す平面図である。
【0070】
図23に示した発光ダイオードレンズ(200A)は中間面(212)と第2出射面(214)とが出会う部分に連結面(216)が形成されることを除けば、先述した第2実施例の発光ダイオードレンズ(200)と同一な構造を有する。このように連結面(216)を形成すると、レンズ(200A)を成型するための金型製造がより容易となる。
【0071】
図24に示した発光ダイオードレンズ(200B)は第1出射面(210B)が傾くよう、即ち内側より外側が突出するよう形成したことを除けば、図24の発光ダイオードレンズ(200A)と同一な構造を有する。上記第1出射面(210B)は通過する光線を光軸側へより集めることができ、図24の発光ダイオードレンズ(200A)の中間面(212)との角度は約30°ないし60°が好ましい。一方、上記第1出射面(210B)は第2発光ダイオードレンズ(200)にも適用することができる。
【0072】
図25に示した発光ダイオードレンズ(200C)は中間面(212)と第2出射面(214)とが出会う部分に曲面の連結面(216C)が形成される。このような連結面(216C)もやはりレンズ(200C)を成型するための金型製造をより容易にする。
【0073】
図26は本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。この発光ダイオードレンズ(200D)は第1反射面(204)が集まる連結部(208D)が曲面に形成され、中間面(212)と第2出射面(214)との間に曲面の連結面(216D)が形成されたことを除けば、第2実施例による発光ダイオードレンズ(200)における図19の底面形状と同一である。このように連結部(208D)と連結面(216D)を形成するとレンズ(200D)を成型するための金型製造がより容易になる。
【0074】
図27は図26の発光ダイオードレンズ(200D)を図上から観察した場合の出射光線の強度を示したグラフである。ここで、角度は光源の発光ダイオードチップ(220)から発光ダイオードレンズ(200D)の幅方向への角度を意味し、強度はカンデラである。図27から分かるように、出射光線はx軸方向へ±15°以内に集中され、これは全体光量の約70%以上に該当する。
【0075】
ここで、図26の発光ダイオードレンズ(200D)を使用して実験したのはこの形態が最も容易に具現されるからである。例えば、図15ないし図20の発光ダイオードレンズ(200)を使用すれば、その効率を一層高められるであろう。
【0076】
本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズは先述した実施形態(200、200A、200B、200C、200D)に限定されない。例えば、反射面(204、206)の形状は必ず対称である必要は無い。この場合、先述した連結地点(208)または連結部(208D)は第1反射面(204)中のいずれか一方にのみ形成され、他方の反射面には半折漏斗形状が形成されなくてもよい。また、第2反射面(206)を光軸(AO)と平行にさせず所定の角度で傾斜させてもよい。あるいは両側の第2反射面を相異する角度で形成することもできる。
【0077】
上記においては本発明の好ましき実施例を参照して説明したが、該当技術分野において通常の知識を有する者であれば、本願特許請求範囲に記載された本願発明の思想及び領域から外れない範囲内において本願発明を多様に修正及び変更できることを明かしておく。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】従来の技術による発光ダイオードレンズの断面図である。
【図2】図1の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールの斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの斜視図である。
【図4】図3の発光ダイオードレンズの平面図である。
【図5】図3の発光ダイオードレンズの側面図である。
【図6】図3の発光ダイオードレンズの正面図である。
【図7】図3の発光ダイオードレンズの底面?である。
【図8】図3のI-I線に沿って切断した断面図である。
【図9】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図10】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図11】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す底面図である。
【図12】本発明の発光ダイオードレンズを備えたバックライトモジュールの一部を示す斜視図である。
【図13】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す平面図である。
【図14】本発明の第1実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。
【図15】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの斜視図である。
【図16】図15の発光ダイオードレンズの平面図である。
【図17】図15の発光ダイオードレンズの正面図である。
【図18】図15の発光ダイオードレンズの側面図である。
【図19】図15の発光ダイオードレンズの底面図である。
【図20】図15のII-II線に沿って切断した断面図である。
【図21】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す断面図である。
【図22】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズにおける指向角特性を示す底面図である。
【図23】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図24】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図25】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの変形例を示す断面図である。
【図26】本発明の第2実施例による発光ダイオードレンズの他変形例を示す底面図である。
【図27】図26の発光ダイオードレンズから出射される光線の強度を示すグラフである。
【符号の説明】
【0079】
100.200 発光ダイオードレンズ
102、202 底面
110、204、206 反射面
116、210、214 出射面
220 発光ダイオードチップ
AO 光軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードチップから放出された光を所定の指向角に応じて外部へ出射するための発光ダイオードレンズにおいて、
対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;
上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び
上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端に連結された出射面を含み、
上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射し、
上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する発光ダイオードレンズ。
【請求項2】
上記反射面は曲面から成ることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
上記反射面は上記底面に連結された曲面と上記出射面に連結された平面を夫々含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項4】
上記一対の反射面は互いに対称であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項5】
上記一対の反射面は互いに非対称であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項6】
上記反射面中少なくとも一つは上記基準線の端部から半折漏斗形状で延長されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項7】
上記出射面は凹んだ曲線から成る断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項8】
上記出射面は上記反射面に連結された一対の第1直線部、上記第1直線部において所定の角度で互いに対向するよう上記基準線側へ延長された一対の第2直線部、及び上記第2直線部に連結され膨らんだ曲線部から成る断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項9】
上記第2直線部と曲線部間に直線の連結部が形成されることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項10】
上記第2直線部と曲線部間に曲線の連結部が形成されることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項11】
第2直線部は上記基準線に対して略平行であることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項12】
第2直線部は上記基準線に対して所定の角度で傾斜することを特徴とする請求項7に記載のレンズ。
【請求項13】
上記底面は上記基準線付近で幅が減少し縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は直線であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項14】
上記底面は上記基準線付近で幅が減少して縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は曲線であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項15】
液晶表示装置の背面においてLCDパネルに垂直方向に光を照射するバックライトモジュールにおいて、
略長方形の、上記LCDパネル側が開放されたハウジング;
上記ハウジング内において高さ方向へ緩やかに上向き傾斜となった反射板;及び、
上記ハウジングを横切って延長されその高さ方向へ上記反射板上に設けられた基板と、この基板の両側に付着された第1項ないし第14項中いずれかに記載の発光ダイオードレンズを備える発光ダイオードアレーを含むバックライトモジュール。
【請求項1】
発光ダイオードチップから放出された光を所定の指向角に応じて外部へ出射するための発光ダイオードレンズにおいて、
対称となる一対の半折部が基準線に沿って互いに連結され、上記基準線付近で幅が減少する平坦な底面;
上記基準線の両端に連結された上記底面の両辺から略半円形状で上向きに延長される一対の反射面;及び
上記底面の残りの縁端らと上記反射面らの半円形縁端に連結された出射面を含み、
上記反射面は上記底面を通して入射した光を上記出射面側へ反射し、
上記出射面は上記反射面から反射され入射した光と上記底面から直接入射した光を外部へ出射する発光ダイオードレンズ。
【請求項2】
上記反射面は曲面から成ることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
上記反射面は上記底面に連結された曲面と上記出射面に連結された平面を夫々含むことを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項4】
上記一対の反射面は互いに対称であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項5】
上記一対の反射面は互いに非対称であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項6】
上記反射面中少なくとも一つは上記基準線の端部から半折漏斗形状で延長されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項7】
上記出射面は凹んだ曲線から成る断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項8】
上記出射面は上記反射面に連結された一対の第1直線部、上記第1直線部において所定の角度で互いに対向するよう上記基準線側へ延長された一対の第2直線部、及び上記第2直線部に連結され膨らんだ曲線部から成る断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項9】
上記第2直線部と曲線部間に直線の連結部が形成されることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項10】
上記第2直線部と曲線部間に曲線の連結部が形成されることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項11】
第2直線部は上記基準線に対して略平行であることを特徴とする請求項8に記載のレンズ。
【請求項12】
第2直線部は上記基準線に対して所定の角度で傾斜することを特徴とする請求項7に記載のレンズ。
【請求項13】
上記底面は上記基準線付近で幅が減少し縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は直線であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項14】
上記底面は上記基準線付近で幅が減少して縮頚部を形成し、上記縮頚部の両端は曲線であることを特徴とする請求項1に記載のレンズ。
【請求項15】
液晶表示装置の背面においてLCDパネルに垂直方向に光を照射するバックライトモジュールにおいて、
略長方形の、上記LCDパネル側が開放されたハウジング;
上記ハウジング内において高さ方向へ緩やかに上向き傾斜となった反射板;及び、
上記ハウジングを横切って延長されその高さ方向へ上記反射板上に設けられた基板と、この基板の両側に付着された第1項ないし第14項中いずれかに記載の発光ダイオードレンズを備える発光ダイオードアレーを含むバックライトモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図8】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−54407(P2006−54407A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291969(P2004−291969)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】
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