発光パネル及び発光パネルの製造方法
【課題】発光パネルの製造時に使用するフォトマスクの枚数を低減し、製造工程数を削減して製造コストの低減を図るとともに、加工精度の向上を図って開口率の向上を図る。
【解決手段】発光パネル10は、基板2の上面に形成された遮光膜4と、遮光膜4を被覆する層間絶縁膜5と、層間絶縁膜5の上面に形成された画素電極20a及び画素トランジスタ21,22と、複数の画素電極20aの外周部及び画素トランジスタ21,22を被覆するように形成された保護絶縁膜32と、画素電極20aの上部に形成された発光機能層20bと、保護絶縁膜32の上部に形成され、発光機能層20bの形成領域を画定する隔壁6と、を備える。遮光膜4は、保護絶縁膜32または隔壁6の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状である。
【解決手段】発光パネル10は、基板2の上面に形成された遮光膜4と、遮光膜4を被覆する層間絶縁膜5と、層間絶縁膜5の上面に形成された画素電極20a及び画素トランジスタ21,22と、複数の画素電極20aの外周部及び画素トランジスタ21,22を被覆するように形成された保護絶縁膜32と、画素電極20aの上部に形成された発光機能層20bと、保護絶縁膜32の上部に形成され、発光機能層20bの形成領域を画定する隔壁6と、を備える。遮光膜4は、保護絶縁膜32または隔壁6の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光パネル及び発光パネルの製造方法に関し、特に、画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子はアノードとカソードとの間に有機化合物層(発光機能層)が介在した積層構造を為しており、アノードとカソードの間に順バイアス電圧が印加されると、有機化合物層内で電子と正孔が再結合を引き起こして有機化合物層が発光する。それぞれ赤、緑、青に発光する複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の各々を画素として基板上にマトリクス状に配列し、画像表示を行うエレクトロルミネッセンスディスプレイパネルが実現化されている。
【0003】
アクティブ駆動の場合、画素トランジスタを基板上に形成した後、画素トランジスタを覆う保護絶縁膜を形成し、保護絶縁膜の上に画素電極を形成した後に画素電極上に有機化合物層を形成する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−234391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図59に示すように、製造プロセスの簡略化のために、基板上に画素トランジスタ121と画素電極120aとを形成し、画素トランジスタ121及び画素電極120aを覆う保護絶縁膜132に画素電極120aを露出させる開口部133を形成し、画素電極120a上に有機化合物層120bを形成して、開口部133を発光領域とする構造が検討されている。
また、隣接する他の画素電極120bに異なる色の有機化合物層120bを形成する場合には、混色を防ぐために隔壁106を形成する必要がある。
【0005】
しかし、このような構造では、保護絶縁膜132に開口部133を形成するためのフォトマスク、及び、隔壁106を形成するためのフォトマスクが必要となるとともに、フォトマスクを用いたステッパ等による露光、現像工程等が必要となる。更に、複数のマスク相互の位置合わせ精度に合わせたマージンを設ける必要があり、これらのマスク相互の位置合わせの精度が低いと、このマージンを比較的大きく設定することが必要となるため、1つの画素領域における開口部133の面積からなる発光領域の面積の比率(開口率)が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、発光パネルの製造時に使用するフォトマスクの枚数を低減すること、及び、製造工程数を削減して製造コストの低減を図るとともに、加工精度の向上を図って開口率の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、基板の上面に形成された遮光膜と、前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上面に形成された画素電極及び画素トランジスタと、前記複数の画素電極の外周部及び前記画素トランジスタを被覆するように形成された保護絶縁膜と、前記画素電極の上部に形成された発光機能層と、前記保護絶縁膜の上部に形成され、前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁と、を備え、前記遮光膜は、前記保護絶縁膜または前記隔壁の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状であることを特徴とする発光パネルが提供される。
【0008】
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなる。
好ましくは、前記金属膜はクロムからなり、前記反射防止膜は酸化クロムからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記金属膜はクロムからなり、前記第1の反射防止膜及び前記第2の反射防止膜は酸化クロムからなる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネルの製造方法であって、基板の上面に遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜の上面に前記画素電極及び該画素電極を駆動する画素トランジスタを形成する工程と、前記画素電極及び前記画素トランジスタを被覆する保護絶縁膜を形成する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する開口部形成工程、または前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁を形成する隔壁形成工程、の少なくともいずれか一方を含む裏面露光工程と、を含むことを特徴とする発光パネルの製造方法が提供される。
【0010】
好ましくは、前記裏面露光工程は前記開口部形成工程を含み、該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜の上部に前記隔壁を形成する工程を含む。
好ましくは、前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記裏面露光工程は前記開口部形成工程及び前記隔壁形成工程を含み、該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記隔壁形成工程は、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜及び前記画素電極の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む。
好ましくは、前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含み、更に、形成された前記隔壁をレジストマスクとして用いて前記保護絶縁膜をエッチングして、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する工程を含む。
好ましくは、前記隔壁を形成した後、前記画素電極の上部に前記発光機能層を形成する前に、前記隔壁に対しプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行う工程を含む。
好ましくは、前記感光性樹脂を露光して前記隔壁を形成する工程における前記感光性樹脂の露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くする。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記反射膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造時に使用するフォトマスクの枚数を低減すること、及び、製造工程数を削減して製造コストの低減を図るとともに、加工精度の向上を図って開口率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)という用語をELと略称する。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るELディスプレイパネル(発光パネル)10Aにおける1つの画素の回路図であり、図2は1つの画素及び端子部の平面図である。また、図3は図2のIII−III矢視断面図であり、図4は図2のIV−IV矢視断面図であり、図5は図2のV−V矢視断面図であり、図6は図2のVI−VI矢視断面図である。このELディスプレイパネル10Aにおいては、赤、青及び緑のサブピクセルによって1ドットの画素が構成され、このような画素がマトリクス状に配列されている。水平方向の配列に着目すると赤の画素、青の画素、緑の画素の順に繰り返し配列され、垂直方向の配列に着目すると同じ色が一列に配列されている。
【0015】
このELディスプレイパネル10Aにおいては、画素に各種の信号を出力するために、複数の走査線25、信号線24及び供給線26が設けられている。走査線25及び供給線26と、信号線24とは互いに直行する方向に延在している。
【0016】
1つの画素は、例えば2つのnチャネル型トランジスタ21,22と、キャパシタ27と、有機EL素子20とを有する。2つのnチャネル型トランジスタ21,22及びキャパシタ27は、走査線25、信号線24及び供給線26の入力信号に応じて有機EL素子20に電圧を印加する。
【0017】
図2〜図6に示すように、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分を除き、透明な絶縁基板2上の全面に、遮光膜4が形成されている。遮光膜4は、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなり、トランジスタ21,22へ光が入射するのを防止する。
遮光膜4はSiO2、SiN等の絶縁体を約100〜10000nmの厚さに成膜した層間絶縁膜5により被覆されている。
遮光膜4には、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分に開口が設けられている。
【0018】
また、遮光膜4は、マトリクス状に配列された画素の外周部に形成されたコンタクトホール28dにより、ソース・ドレインメタル29dと導通している。すなわち、コンタクトホール28dは、図4に示すように、層間絶縁膜5及びゲート絶縁膜31に設けられており、ソース・ドレインメタル29dがコンタクトホール28dを介して遮光膜4と接触している。端子51はソース・ドレインメタル29dの一部の上部に重なり、遮光膜4と導通している。
【0019】
層間絶縁膜5の上には、トランジスタ21,22のゲート電極21G,22Gが設けられるとともに、キャパシタ27の一方の電極27a、信号線24が設けられ、これらが共通のゲート絶縁膜31によって被覆されている。なお、図2に示すように、電極27aとゲート電極21とは一体に形成されている。
【0020】
また、信号線24の端部は、マトリクス状に配列された画素の外周部に形成されたコンタクトホール28eにより、ソース・ドレインメタル29eと導通している。すなわち、コンタクトホール28eは、ゲート絶縁膜31に設けられており、ソース・ドレインメタル29eがコンタクトホール28eを介して信号線24と接触している。端子52はソース・ドレインメタル29eの一部の上部に重なり、信号線24と導通している。
【0021】
ゲート絶縁膜31の上には、図3に示すように、トランジスタ21,22の半導体膜21a,22a、チャネル保護膜21b,22b、不純物半導体膜21c,21d,22c,22d、ソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26が設けられている。
【0022】
なお、図2に示すように、ソース電極21Sと電極27bとは一体に形成されており、ドレイン電極21Dは供給線26と一体に形成されており、ソース電極22Sはコンタクトホール28aによりゲート電極21G及び電極27aと導通されており、信号線24はコンタクトホール28bによりドレイン電極22Dと導通されており、走査線25はコンタクトホール28cによりゲート電極22と導通されている。
【0023】
コンタクトホール28cは、図5に示すように、ゲート絶縁膜31に設けられており、走査線25を形成する金属(ソース・ドレインメタル)がコンタクトホール28cを介してゲート電極22Gを形成する金属(ゲートメタル)と接触している。また、走査線25の端部には、図6に示すように、端子53が重なるように形成されており、走査線25は端子53と導通している。
【0024】
さらに、ゲート絶縁膜31の上には、画素電極20aがマトリクス状に配列されている。なお、これら画素電極20aは、気相成長法によってゲート絶縁膜31上に成膜された導電性膜(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO))をフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてパターニングすることによって形成されたものである。画素電極20aはトランジスタ21のソース電極21Sの一部と重なるように形成され、ソース電極21Sと導通している。
【0025】
トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、画素電極20aは共通の保護絶縁膜32によって被覆されている。保護絶縁膜32の画素電極20aの部分には画素電極20aを露出させる開口部33が形成され、端子51,52,53の部分には端子51,52,53を露出させる開口部34が形成されている。開口部33が形成されることにより保護絶縁膜32は画素電極20aの間を縫うように網目状に形成されるとともに画素電極20aの一部外縁部に重なり、画素電極20aを囲繞している。開口部33内に有機EL層20bが形成される。
【0026】
保護絶縁膜32上には、隔壁6が網目状に形成されている。隔壁6は、例えばポリイミド等の感光性樹脂により形成されたものであり、トランジスタ21,22の各電極、走査線25、信号線24及び供給線26よりも十分に厚い。隔壁6には、開口部33と対応する位置に開口部8が、開口部34と対応する位置に開口部9が設けられている。なお、本実施形態においては、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、図2に示すように、段差が形成されている。
なお、絶縁基板2から隔壁6までの積層構造がトランジスタアレイパネル50である。
【0027】
画素電極20a上には正孔注入層20e、発光層20fが順に積層されて有機EL層20b(有機化合物層:発光機能層)が形成されている。正孔注入層20eは、例えば、導電性高分子であるPEDOT及びドーパントであるPSSからなり、発光層20fは、ポリフェニレンビニレン系発光材料やポリフルオレン系発光材料等の共役ポリマーからなる。なお、有機EL層20bは発光層の上にさらに電子輸送層を設けても良い。また、有機EL層20bは画素電極20aの上に形成された発光層、電子輸送層からなる二層構造であっても良いし、担体輸送層と発光層との組合せは任意に設定できる。また、これらの層構造において適切な層間に担体輸送を制限するインタレイヤ層が介在した積層構造であっても良いし、その他の積層構造であっても良い。
【0028】
正孔注入層20e及び発光層20fは、湿式塗布法(例えば、インクジェット法)によって成膜される。この場合、正孔注入層20eとなるPEDOT及びPSSを含有する有機化合物含有液を画素電極20aに塗布して成膜し、その後、発光層20fとなる共役ポリマー発光材料を含有する有機化合物含有液を塗布して成膜するが、厚膜の隔壁6が設けられているので、隣り合う画素電極20aに塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合うことを防止することができる。
【0029】
なお、画素が赤の場合には発光層20fが赤色に発光し、画素が緑の場合には発光層20fが緑色に発光し、画素が青の場合には発光層20fが青色に発光するように、それぞれの材料を設定する。
【0030】
発光層20f、保護絶縁膜32及び隔壁6の上部には、対向電極20dが形成されている。対向電極20dは、例えばアルミニウム、クロム、銀やパラジウム銀系の合金等の導電性材料を気相成長法によって100nm以上成膜することで形成される。
【0031】
なお、対向電極20dの下面に、電子注入層を成膜してもよい。電子注入層には、画素電極20aよりも仕事関数の低い材料を用いる。例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金より1〜10nmの厚さに形成する。あるいは、上記各種材料の層を積層した積層構造としてもよい。
【0032】
画素電極20a、有機EL層20b、対向電極20dの順に積層されたものが有機EL素子20である。
【0033】
なお、端子51,52,53は、画素電極20aと同じ材料からなる。端子51,52,53の上部には保護絶縁膜32及び隔壁6が形成されず、端子51,52,53が露出される。端子51,52,53には図示しないドライバ等の配線が接続される。
【0034】
また、図示しないが、複数の有機EL素子20全体及び端子51,52,53を被覆するように封止層が形成されている。封止層は、絶縁性を有し、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂等からなり、これらの樹脂にシリカ充填材等を加えたものでもよい。封止層は有機EL素子20及び端子51,52,53が外気に露出されることを防ぐ役割を果たす。
【0035】
次に、ELディスプレイパネル10Aを製造する製造工程について説明する。まず、図7〜図18を用いてトランジスタアレイパネル50を製造する方法について説明する。なお、図7〜図18において、(a)は図3と同じ箇所の断面の図であり、(b)は図4と同じ箇所の断面の図であり、(c)は図5と同じ箇所の断面の図であり、(d)は図6と同じ箇所の断面の図である。
【0036】
まず、絶縁基板2の上面に金属膜を成膜し、パターニングすることで、図7に示すように、遮光膜4を形成する。次に、遮光膜4の上に層間絶縁膜5を形成する。
【0037】
次に、層間絶縁膜5の上面にゲート金属を成膜し、パターニングすることで、図8に示すように、ゲート21G,22G及び電極27a、信号線24を形成する。
【0038】
次に、図9に示すように、これらを被覆するゲート絶縁膜31を形成する。次に、半導体膜21a,22aとなるアモルファスシリコン又はポリシリコンからなる半導体層36を形成する。次に、半導体層36の上に窒化シリコン又は酸化シリコンの層を形成し、パターニングすることでチャネル保護膜21b,22bを形成する。次に、不純物半導体膜21c,21d,22c,22dとなるn型の不純物イオンを含むアモルファスシリコンからなる層(n+シリコン層37)を半導体層36上及びチャネル保護膜21b,22b上に形成する。
【0039】
次に、図10に示すように、コンタクトホール28a,28b,28c,28eが形成される位置のゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37にゲート金属が露出するように孔を形成する。また、図10(b)に示すように、コンタクトホール28dが形成される位置においては、遮光膜4が露出するように、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に孔を形成する。
【0040】
次に、ソース・ドレインメタルを上面全体に形成する。このとき、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に形成された孔の部分でゲート金属とソース・ドレインメタルとが接合され導通し、コンタクトホール28a,28b,28c,28d,28eが形成される。
【0041】
次に、図11に示すように、ソース・ドレインメタル及び半導体層36、n+シリコン層37をパターニングすることでソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26を形成する。
次に、図12に示すように、気相成長法によって導電性膜を成膜し、パターニングすることで画素電極20a及び端子51,52,53を形成する。
【0042】
次に、図13に示すように、トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、及び画素電極20aを覆う保護絶縁膜32を上面全体に形成する。
【0043】
次に、図14に示すように、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、遮光膜4があるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0044】
次に、図15に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図16に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0045】
次に、図17に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くする(オーバー露光)。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0046】
次に、図18に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
【0047】
次に、トランジスタアレイパネル50上へ有機EL素子20を形成し、ELディスプレイパネル10Aを製造する製造工程について説明する。
【0048】
まず、トランジスタアレイパネル50を洗浄する。次に、画素電極20aの表面を、有機EL層20bの形成に使用する有機化合物含有液に対して親液化させる。例えば有機化合物含有液に親水性の溶剤を用いる場合には、酸素プラズマ処理やUVオゾン処理等を施すことにより親水化させる。
次に、親水性の溶剤に対して溶解性を示し且つ疎水性の溶剤に対して難溶性又は不溶性である正孔注入材料(例えば導電性高分子であるPEDOT及びドーパントとなるPSS)を水に溶解した有機化合物含有液を画素電極20aに塗布する。塗布方法としては、インクジェット法(液滴吐出法)、その他の印刷方法を用いても良いし、ディップコート法、スピンコート法といったコーティング法を用いても良い。画素電極20aごとに独立して正孔注入層20eを成膜するためには、インクジェット法等の印刷方法が好ましい。
【0049】
このように湿式塗布法により正孔注入層20eを形成した場合、厚膜の隔壁6が設けられているから、隣り合う画素電極20aに塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合わない。そのため、画素電極20aごとに独立して正孔注入層20eを形成することができる。
【0050】
正孔注入層20eを形成した後、正孔注入層20eを大気に曝露した状態で、ホットプレートを用いてトランジスタアレイパネル50を160〜200℃の温度で乾燥させ、残留溶媒の除去を行う。
【0051】
次に、発光色が赤、緑、青の共役ポリマー発光材料をそれぞれ疎水性の有機溶剤(例えば、テトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン)に溶かし、赤、緑、青それぞれの有機化合物含有液を準備する。そして、赤の画素の正孔注入層20e上には赤の有機化合物含有液を塗布し、緑の画素の正孔注入層20e上には緑の有機化合物含有液を塗布し、青の画素の正孔注入層20e上には青の有機化合物含有液を塗布する。これにより、正孔注入層20e上に発光層20fを成膜する。塗布方法としてはインクジェット法(液滴吐出法)、その他の印刷方法を用いて、色ごとに塗り分けを行う。
【0052】
このように湿式塗布法により正孔注入層20e及び発光層20fを形成した場合、厚膜の隔壁6が設けられているから、隣り合う画素に塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合わない。そのため、画素ごとに独立して発光層20fを形成することができる。
【0053】
次に、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス雰囲気)下でホットプレートによってトランジスタアレイパネル50を乾燥させ、残留溶媒の除去を行う。なお、真空中でシーズヒータによる乾燥を行っても良い。
【0054】
次に、気相成長法により対向電極20dを発光層20f、保護絶縁膜32、隔壁6及び光吸収層8の上部に成膜する。このとき、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
なお、対向電極20dの成膜前に、気相成長法により電子注入層を成膜してもよい。具体的には、真空蒸着法によってCa又はBaの薄膜を成膜する。
以上により、図3に示すように、トランジスタアレイパネル50上に有機EL素子20が形成される。
【0055】
最後に、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂等を対向電極20dの上部に塗布し、硬化させて封止層を形成する。
以上により、ELディスプレイパネル10Aが完成する。
【0056】
本実施形態によれば、トランジスタ21,22の下部に遮光膜4が設けられているため、外部の光が絶縁基板2側からトランジスタ21,22に到達することを防止することができる。
また、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。さらに、絶縁基板2に形成された同一の遮光膜4をフォトマスクとして用いるので、加工精度を向上させることができ、従来の製造プロセスを適用した場合に比して、開口部33の大きさを大きくすることができて、開口率を向上させることができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0058】
<第2実施形態>
図19、図20は本発明の第2の実施形態に係るトランジスタアレイパネル50を製造する方法を示す説明図であり、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。また、図21は第2の実施形態に係るELディスプレイパネル10Bの図3に相当する断面図である。
【0059】
本変形例においては、隔壁6となる感光性樹脂39に対し、絶縁基板2の下面から光を照射する際に、露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間とする。この場合、図19に示すように、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口と等しくなる。このため、図20に示すように、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
その後、図21に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Bが完成する。
【0060】
本実施形態においても、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。さらに、絶縁基板2に形成された同一の遮光膜4をフォトマスクとして用いるために加工精度を向上させることができ、従来の製造プロセスを適用した場合に比して、開口部33の大きさを大きくすることができて、開口率を向上させることができる。
【0061】
〔第3実施形態〕
図22は本発明の第3の実施形態に係るELディスプレイパネル10Cの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された遮光膜4aと、遮光膜4aの上部に形成された反射防止膜4bとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4bは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0062】
本実施形態においては、遮光膜4aの上部(トランジスタ21,22側)に反射防止膜4bを設けることで、有機EL素子20から放射される光が遮光膜4aの上面で反射してトランジスタ21,22に届くことを防ぐことができ、光リークを防止することができる。
【0063】
〔第4実施形態〕
図23は本発明の第4の実施形態に係るELディスプレイパネル10Dの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された反射防止膜4bと、反射防止膜4bの上部に形成された遮光膜4aとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4bは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0064】
本実施形態においては、遮光膜4aと絶縁基板2との間に反射防止膜4bを設けることで、遮光膜4aと絶縁基板2との間での光反射が抑えられ、明るい場所におけるコントラスト等の表示特性を向上させることができる。
【0065】
〔第5実施形態〕
図24は本発明の第5の実施形態に係るELディスプレイパネル10Eの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された反射防止膜4bと、反射防止膜4bの上部に形成された遮光膜4aと、遮光膜4aの上部に形成された反射防止膜4cとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4b、4cは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0066】
本実施形態においては、遮光膜4aと絶縁基板2との間に反射防止膜4bを設けることで、遮光膜4aと絶縁基板2との間での光反射が抑えられ、明るい場所におけるコントラスト等の表示特性を向上させることができる。また、遮光膜4aの上部(トランジスタ21,22側)に反射防止膜4cを設けることで、有機EL素子20から放射される光が遮光膜4aの上面で反射してトランジスタ21,22に届くことを防ぐことができ、光リークを防止することができる。
【0067】
〔第6実施形態〕
図25は本発明の第6の実施形態に係るELディスプレイパネル10Fの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、フォトレジスト38を用いる代わりに、隔壁6となる感光性樹脂39を、エッチングを行う際のレジストマスクとして用いる。以下、ELディスプレイパネル10Fの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図26〜図28を用いて説明する。なお、図26〜図28において、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。
【0068】
まず、第1実施形態の図13と同様に、保護絶縁膜32を上面全体に形成する工程までを行う。
次に、図26に示すように、保護絶縁膜32の上部全面に、隔壁6となる感光性樹脂39を塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0069】
次に、図27に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、開口部8、9が形成される。
次に、図28に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。このとき、感光性樹脂39がエッチングを行う際のレジストマスクとして機能するため、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
以上により、隔壁6が形成される。
その後、図25に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Fが完成する。
【0070】
本実施形態によれば、フォトレジスト38を用いる代わりに、隔壁6となる感光性樹脂39をレジストマスクとして用いるので、露光・現像のプロセスが減り、製造コストを低減することができる。
【0071】
〔第7実施形態〕
図29は本発明の第7の実施形態に係るELディスプレイパネル10Gの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている。以下、ELディスプレイパネル10Gの製造方法のうち、第6実施形態と異なる点について図30を用いて説明する。なお、図30において、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。
【0072】
まず、第6の実施形態の図28と同様に、隔壁6を形成する工程までを行う。
次に、酸素プラズマを用いたプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行い、画素電極20a及び端子51,52,53の表面処理を行うとともに、隔壁6の表面の感光性樹脂30の一部を除去する。すると、図30に示すように、開口部33、34よりも開口部8、9のほうがやや大きくなり、段差が形成される。
【0073】
その後、第6実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Gが完成する。
本実施形態においても、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【0074】
〔第8実施形態〕
図31は本発明の第8の実施形態に係るELディスプレイパネル10Hの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、層間絶縁膜5の有機EL素子20が設けられる部分に孔7が形成されている。また、ゲート絶縁膜31の有機EL素子20が設けられる部分に孔35が形成されている。
【0075】
以下、ELディスプレイパネル10Hの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図32〜図37を用いて説明する。なお、図32〜図37は図3に相当する断面図である。
【0076】
まず、第1の実施形態の図9と同様に、n+シリコン層37を形成する工程までを行う。次に、図10(c)、(d)と同様に、コンタクトホール28a,28b,28c,28eが形成される位置のゲート絶縁膜31、半導体層、及びn+シリコン層にゲート金属が露出するように孔を形成する。
【0077】
また、図10(b)に示すように、コンタクトホール28dが形成される位置においては、遮光膜4が露出するように、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に孔を形成する。同様に、図32に示すように、ゲート絶縁膜31に孔35、層間絶縁膜5に孔7を設けるとともに、半導体層36及びn+シリコン層37の孔35、7と対応する位置に孔を設ける。
【0078】
次に、図11に示すのと同様に、ソース・ドレインメタルをパターニングすることでソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26を形成する。
次に、図33に示すように、気相成長法によって導電性膜を成膜し、パターニングすることで画素電極20a及び端子51,52,53を形成する。
【0079】
次に、トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、及び画素電極20aを覆う保護絶縁膜32を上面全体に形成する。
【0080】
次に、図34に示すように、保護絶縁膜32の上部全面に、隔壁6となる感光性樹脂39を塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0081】
次に、図35に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、開口部8、9が形成される。
次に、図36に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。このとき、感光性樹脂39がエッチングを行う際のレジストマスクとして機能するため、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
以上により、隔壁6が形成される。
【0082】
次に、酸素プラズマを用いたプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行い、画素電極20a及び端子51,52,53の表面処理を行うとともに、隔壁6の表面の感光性樹脂39の一部を除去する。すると、図37に示すように、開口部8、9が拡大し、開口部33、34よりもやや大きくなり、段差が形成される。
その後、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、図31に示すように、ELディスプレイパネル10Hが完成する。
【0083】
本実施形態においても、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、絶縁基板2上に有機EL素子20を形成するため、有機EL素子20から放射される光が層間絶縁膜5の界面において反射することがない。
【0084】
〔第9実施形態〕
図38は本発明の第9の実施形態に係るELディスプレイパネル10Iの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、保護絶縁膜32をエッチングする際に用いるフォトレジスト38を露光させる際に、フォトマスクを用いる点が異なる。
【0085】
以下、ELディスプレイパネル10Iの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図39〜図43を用いて説明する。なお、図39〜図43は図3に相当する断面図である。
【0086】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。次に、図39に示すように、フォトレジスト38の上部にフォトマスク40Aを配置する。なお、フォトマスク40Aは、完成したELディスプレイパネル10Iの保護絶縁膜32と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43A,44Aが設けられている。なお、孔43A,44Aは開口部8、9よりも大きい。
【0087】
次に、フォトマスク40Aの上部から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、フォトマスク40Aがあるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0088】
次に、図40に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図41に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0089】
次に、図42に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。
【0090】
次に、図43に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図38に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Iが完成する。
【0091】
本実施形態においても、隔壁6を形成するためのフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。
【0092】
〔第10実施形態〕
図44は本発明の第10の実施形態に係るELディスプレイパネル10Jの図3に相当する断面図である。本実施形態においても、第9の実施形態と同様に、保護絶縁膜32をエッチングする際に用いるフォトレジスト38を露光させる際に、フォトマスクを用いている。本実施形態に係るELディスプレイパネル10Jが第9の実施形態と異なるのは、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている点である。
【0093】
以下、ELディスプレイパネル10Jの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図45〜図49を用いて説明する。なお、図45〜図49は図3に相当する断面図である。
【0094】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。次に、図45に示すように、フォトレジスト38の上部にフォトマスク40Aを配置する。なお、フォトマスク40Bは、完成したELディスプレイパネル10Iの保護絶縁膜32と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43B,44Bが設けられている。なお、孔43B,44Bは開口部8、9よりも小さい。
【0095】
次に、フォトマスク40Bの上部から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、フォトマスク40Bがあるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0096】
次に、図46に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図47に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0097】
次に、図48に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。
【0098】
次に、図49に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図44に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Jが完成する。
【0099】
本実施形態においても、隔壁6を形成するためのフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【0100】
〔第11実施形態〕
図50は本発明の第11の実施形態に係るELディスプレイパネル10Kの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、隔壁6となる感光性樹脂39を露光させる際に、フォトマスクを用いる点が異なる。
【0101】
以下、ELディスプレイパネル10Kの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図51〜図55を用いて説明する。なお、図51〜図55は図3に相当する断面図である。
【0102】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。
次に、図51に示すように、絶縁基板2の下面から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、遮光膜4があるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0103】
次に、図52に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図53に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0104】
次に、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、図54に示すように、感光性樹脂39の上部にフォトマスク40Cを配置する。なお、フォトマスク40Cは、完成したELディスプレイパネル10Kの隔壁6と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43C,44Cが設けられている。なお、孔43C,44Cは開口部33、34よりも小さい。
【0105】
次に、フォトマスク40Cの上部から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、フォトマスク40Cがあるため、開口部8、9が形成される部分のみが露光される。
【0106】
次に、図55に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図50に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Kが完成する。
【0107】
本実施形態においても、フォトレジスト38のフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。
【0108】
〔第12実施形態〕
図56は本発明の第12の実施形態に係るELディスプレイパネル10Lの図3に相当する断面図である。本実施形態においても、第11の実施形態と同様に、隔壁6となる感光性樹脂39を露光させる際に、フォトマスクを用いている。本実施形態に係るELディスプレイパネル10Lが第9の実施形態と異なるのは、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている点である。
【0109】
以下、ELディスプレイパネル10Lの製造方法のうち、第11実施形態と異なる点について図57、図58を用いて説明する。なお、図57、58は図3に相当する断面図である。
【0110】
まず、第11実施形態の図53と同様に、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成した後、残ったフォトレジスト38を除去する工程までを行う。
【0111】
次に、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、図57に示すように、感光性樹脂39の上部にフォトマスク40Dを配置する。なお、フォトマスク40Dは、完成したELディスプレイパネル10Lの隔壁6と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43D,44Dが設けられている。なお、孔43D,44Dは開口部33、34よりも大きい。
【0112】
次に、フォトマスク40Dの上部から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、フォトマスク40Dがあるため、開口部8、9が形成される部分のみが露光される。
【0113】
次に、図58に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図56に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Lが完成する。
【0114】
本実施形態においても、フォトレジスト38のフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施形態に係るELディスプレイパネル10Aにおける1つの画素の回路図である。
【図2】ELディスプレイパネル10Aの1つの画素の平面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図2のV−V矢視断面図である。
【図6】図2のVI−VI矢視断面図である。
【図7】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図8】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図9】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図10】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図11】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図12】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図13】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図14】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図15】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図16】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図17】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図18】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図19】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図20】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図21】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、第2の実施形態に係るELディスプレイパネル10Bの断面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るELディスプレイパネル10Cの図3に相当する断面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係るELディスプレイパネル10Dの図3に相当する断面図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係るELディスプレイパネル10Eの図3に相当する断面図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係るELディスプレイパネル10Fの図3に相当する断面図である。
【図26】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図27】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図28】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態に係るELディスプレイパネル10Gの図3に相当する断面図である。
【図30】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Gの製造方法について説明するための断面図である。
【図31】第8の実施形態に係るELディスプレイパネル10Hの図3に相当する断面図である。
【図32】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図33】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図34】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図35】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図36】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図37】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図38】本発明の第9の実施形態に係るELディスプレイパネル10Iの図3に相当する断面図である。
【図39】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図40】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図41】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図42】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図43】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図44】本発明の第10の実施形態に係るELディスプレイパネル10Jの図3に相当する断面図である。
【図45】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図46】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図47】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図48】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図49】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図50】本発明の第11の実施形態に係るELディスプレイパネル10Kの図3に相当する断面図である。
【図51】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図52】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図53】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図54】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図55】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図56】本発明の第12の実施形態に係るELディスプレイパネル10Lの図3に相当する断面図である。
【図57】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Lを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図58】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Lを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図59】従来のELディスプレイパネル110を示す断面図である。
【符号の説明】
【0116】
2 基板
4 遮光膜
5 層間絶縁膜
6 隔壁
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I、10J、10K、10L ELディスプレイパネル
20 エレクトロルミネッセンス素子
21,22 画素トランジスタ
21a 画素電極
32 保護絶縁膜
33 開口部
20b 有機化合物層
20d 対向電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光パネル及び発光パネルの製造方法に関し、特に、画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子はアノードとカソードとの間に有機化合物層(発光機能層)が介在した積層構造を為しており、アノードとカソードの間に順バイアス電圧が印加されると、有機化合物層内で電子と正孔が再結合を引き起こして有機化合物層が発光する。それぞれ赤、緑、青に発光する複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の各々を画素として基板上にマトリクス状に配列し、画像表示を行うエレクトロルミネッセンスディスプレイパネルが実現化されている。
【0003】
アクティブ駆動の場合、画素トランジスタを基板上に形成した後、画素トランジスタを覆う保護絶縁膜を形成し、保護絶縁膜の上に画素電極を形成した後に画素電極上に有機化合物層を形成する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−234391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、図59に示すように、製造プロセスの簡略化のために、基板上に画素トランジスタ121と画素電極120aとを形成し、画素トランジスタ121及び画素電極120aを覆う保護絶縁膜132に画素電極120aを露出させる開口部133を形成し、画素電極120a上に有機化合物層120bを形成して、開口部133を発光領域とする構造が検討されている。
また、隣接する他の画素電極120bに異なる色の有機化合物層120bを形成する場合には、混色を防ぐために隔壁106を形成する必要がある。
【0005】
しかし、このような構造では、保護絶縁膜132に開口部133を形成するためのフォトマスク、及び、隔壁106を形成するためのフォトマスクが必要となるとともに、フォトマスクを用いたステッパ等による露光、現像工程等が必要となる。更に、複数のマスク相互の位置合わせ精度に合わせたマージンを設ける必要があり、これらのマスク相互の位置合わせの精度が低いと、このマージンを比較的大きく設定することが必要となるため、1つの画素領域における開口部133の面積からなる発光領域の面積の比率(開口率)が低下するという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、発光パネルの製造時に使用するフォトマスクの枚数を低減すること、及び、製造工程数を削減して製造コストの低減を図るとともに、加工精度の向上を図って開口率の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一の態様によれば、基板の上面に形成された遮光膜と、前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の上面に形成された画素電極及び画素トランジスタと、前記複数の画素電極の外周部及び前記画素トランジスタを被覆するように形成された保護絶縁膜と、前記画素電極の上部に形成された発光機能層と、前記保護絶縁膜の上部に形成され、前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁と、を備え、前記遮光膜は、前記保護絶縁膜または前記隔壁の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状であることを特徴とする発光パネルが提供される。
【0008】
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなる。
好ましくは、前記金属膜はクロムからなり、前記反射防止膜は酸化クロムからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記金属膜はクロムからなり、前記第1の反射防止膜及び前記第2の反射防止膜は酸化クロムからなる。
【0009】
本発明の他の態様によれば、画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネルの製造方法であって、基板の上面に遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜の上面に前記画素電極及び該画素電極を駆動する画素トランジスタを形成する工程と、前記画素電極及び前記画素トランジスタを被覆する保護絶縁膜を形成する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する開口部形成工程、または前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁を形成する隔壁形成工程、の少なくともいずれか一方を含む裏面露光工程と、を含むことを特徴とする発光パネルの製造方法が提供される。
【0010】
好ましくは、前記裏面露光工程は前記開口部形成工程を含み、該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜の上部に前記隔壁を形成する工程を含む。
好ましくは、前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む。
【0011】
好ましくは、前記裏面露光工程は前記開口部形成工程及び前記隔壁形成工程を含み、該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記隔壁形成工程は、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜及び前記画素電極の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む。
好ましくは、前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含み、更に、形成された前記隔壁をレジストマスクとして用いて前記保護絶縁膜をエッチングして、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する工程を含む。
好ましくは、前記隔壁を形成した後、前記画素電極の上部に前記発光機能層を形成する前に、前記隔壁に対しプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行う工程を含む。
好ましくは、前記感光性樹脂を露光して前記隔壁を形成する工程における前記感光性樹脂の露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くする。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなる。
好ましくは、前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記反射膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造時に使用するフォトマスクの枚数を低減すること、及び、製造工程数を削減して製造コストの低減を図るとともに、加工精度の向上を図って開口率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence)という用語をELと略称する。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るELディスプレイパネル(発光パネル)10Aにおける1つの画素の回路図であり、図2は1つの画素及び端子部の平面図である。また、図3は図2のIII−III矢視断面図であり、図4は図2のIV−IV矢視断面図であり、図5は図2のV−V矢視断面図であり、図6は図2のVI−VI矢視断面図である。このELディスプレイパネル10Aにおいては、赤、青及び緑のサブピクセルによって1ドットの画素が構成され、このような画素がマトリクス状に配列されている。水平方向の配列に着目すると赤の画素、青の画素、緑の画素の順に繰り返し配列され、垂直方向の配列に着目すると同じ色が一列に配列されている。
【0015】
このELディスプレイパネル10Aにおいては、画素に各種の信号を出力するために、複数の走査線25、信号線24及び供給線26が設けられている。走査線25及び供給線26と、信号線24とは互いに直行する方向に延在している。
【0016】
1つの画素は、例えば2つのnチャネル型トランジスタ21,22と、キャパシタ27と、有機EL素子20とを有する。2つのnチャネル型トランジスタ21,22及びキャパシタ27は、走査線25、信号線24及び供給線26の入力信号に応じて有機EL素子20に電圧を印加する。
【0017】
図2〜図6に示すように、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分を除き、透明な絶縁基板2上の全面に、遮光膜4が形成されている。遮光膜4は、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなり、トランジスタ21,22へ光が入射するのを防止する。
遮光膜4はSiO2、SiN等の絶縁体を約100〜10000nmの厚さに成膜した層間絶縁膜5により被覆されている。
遮光膜4には、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分に開口が設けられている。
【0018】
また、遮光膜4は、マトリクス状に配列された画素の外周部に形成されたコンタクトホール28dにより、ソース・ドレインメタル29dと導通している。すなわち、コンタクトホール28dは、図4に示すように、層間絶縁膜5及びゲート絶縁膜31に設けられており、ソース・ドレインメタル29dがコンタクトホール28dを介して遮光膜4と接触している。端子51はソース・ドレインメタル29dの一部の上部に重なり、遮光膜4と導通している。
【0019】
層間絶縁膜5の上には、トランジスタ21,22のゲート電極21G,22Gが設けられるとともに、キャパシタ27の一方の電極27a、信号線24が設けられ、これらが共通のゲート絶縁膜31によって被覆されている。なお、図2に示すように、電極27aとゲート電極21とは一体に形成されている。
【0020】
また、信号線24の端部は、マトリクス状に配列された画素の外周部に形成されたコンタクトホール28eにより、ソース・ドレインメタル29eと導通している。すなわち、コンタクトホール28eは、ゲート絶縁膜31に設けられており、ソース・ドレインメタル29eがコンタクトホール28eを介して信号線24と接触している。端子52はソース・ドレインメタル29eの一部の上部に重なり、信号線24と導通している。
【0021】
ゲート絶縁膜31の上には、図3に示すように、トランジスタ21,22の半導体膜21a,22a、チャネル保護膜21b,22b、不純物半導体膜21c,21d,22c,22d、ソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26が設けられている。
【0022】
なお、図2に示すように、ソース電極21Sと電極27bとは一体に形成されており、ドレイン電極21Dは供給線26と一体に形成されており、ソース電極22Sはコンタクトホール28aによりゲート電極21G及び電極27aと導通されており、信号線24はコンタクトホール28bによりドレイン電極22Dと導通されており、走査線25はコンタクトホール28cによりゲート電極22と導通されている。
【0023】
コンタクトホール28cは、図5に示すように、ゲート絶縁膜31に設けられており、走査線25を形成する金属(ソース・ドレインメタル)がコンタクトホール28cを介してゲート電極22Gを形成する金属(ゲートメタル)と接触している。また、走査線25の端部には、図6に示すように、端子53が重なるように形成されており、走査線25は端子53と導通している。
【0024】
さらに、ゲート絶縁膜31の上には、画素電極20aがマトリクス状に配列されている。なお、これら画素電極20aは、気相成長法によってゲート絶縁膜31上に成膜された導電性膜(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO))をフォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてパターニングすることによって形成されたものである。画素電極20aはトランジスタ21のソース電極21Sの一部と重なるように形成され、ソース電極21Sと導通している。
【0025】
トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、画素電極20aは共通の保護絶縁膜32によって被覆されている。保護絶縁膜32の画素電極20aの部分には画素電極20aを露出させる開口部33が形成され、端子51,52,53の部分には端子51,52,53を露出させる開口部34が形成されている。開口部33が形成されることにより保護絶縁膜32は画素電極20aの間を縫うように網目状に形成されるとともに画素電極20aの一部外縁部に重なり、画素電極20aを囲繞している。開口部33内に有機EL層20bが形成される。
【0026】
保護絶縁膜32上には、隔壁6が網目状に形成されている。隔壁6は、例えばポリイミド等の感光性樹脂により形成されたものであり、トランジスタ21,22の各電極、走査線25、信号線24及び供給線26よりも十分に厚い。隔壁6には、開口部33と対応する位置に開口部8が、開口部34と対応する位置に開口部9が設けられている。なお、本実施形態においては、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、図2に示すように、段差が形成されている。
なお、絶縁基板2から隔壁6までの積層構造がトランジスタアレイパネル50である。
【0027】
画素電極20a上には正孔注入層20e、発光層20fが順に積層されて有機EL層20b(有機化合物層:発光機能層)が形成されている。正孔注入層20eは、例えば、導電性高分子であるPEDOT及びドーパントであるPSSからなり、発光層20fは、ポリフェニレンビニレン系発光材料やポリフルオレン系発光材料等の共役ポリマーからなる。なお、有機EL層20bは発光層の上にさらに電子輸送層を設けても良い。また、有機EL層20bは画素電極20aの上に形成された発光層、電子輸送層からなる二層構造であっても良いし、担体輸送層と発光層との組合せは任意に設定できる。また、これらの層構造において適切な層間に担体輸送を制限するインタレイヤ層が介在した積層構造であっても良いし、その他の積層構造であっても良い。
【0028】
正孔注入層20e及び発光層20fは、湿式塗布法(例えば、インクジェット法)によって成膜される。この場合、正孔注入層20eとなるPEDOT及びPSSを含有する有機化合物含有液を画素電極20aに塗布して成膜し、その後、発光層20fとなる共役ポリマー発光材料を含有する有機化合物含有液を塗布して成膜するが、厚膜の隔壁6が設けられているので、隣り合う画素電極20aに塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合うことを防止することができる。
【0029】
なお、画素が赤の場合には発光層20fが赤色に発光し、画素が緑の場合には発光層20fが緑色に発光し、画素が青の場合には発光層20fが青色に発光するように、それぞれの材料を設定する。
【0030】
発光層20f、保護絶縁膜32及び隔壁6の上部には、対向電極20dが形成されている。対向電極20dは、例えばアルミニウム、クロム、銀やパラジウム銀系の合金等の導電性材料を気相成長法によって100nm以上成膜することで形成される。
【0031】
なお、対向電極20dの下面に、電子注入層を成膜してもよい。電子注入層には、画素電極20aよりも仕事関数の低い材料を用いる。例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属の少なくとも一種を含む単体又は合金より1〜10nmの厚さに形成する。あるいは、上記各種材料の層を積層した積層構造としてもよい。
【0032】
画素電極20a、有機EL層20b、対向電極20dの順に積層されたものが有機EL素子20である。
【0033】
なお、端子51,52,53は、画素電極20aと同じ材料からなる。端子51,52,53の上部には保護絶縁膜32及び隔壁6が形成されず、端子51,52,53が露出される。端子51,52,53には図示しないドライバ等の配線が接続される。
【0034】
また、図示しないが、複数の有機EL素子20全体及び端子51,52,53を被覆するように封止層が形成されている。封止層は、絶縁性を有し、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂等からなり、これらの樹脂にシリカ充填材等を加えたものでもよい。封止層は有機EL素子20及び端子51,52,53が外気に露出されることを防ぐ役割を果たす。
【0035】
次に、ELディスプレイパネル10Aを製造する製造工程について説明する。まず、図7〜図18を用いてトランジスタアレイパネル50を製造する方法について説明する。なお、図7〜図18において、(a)は図3と同じ箇所の断面の図であり、(b)は図4と同じ箇所の断面の図であり、(c)は図5と同じ箇所の断面の図であり、(d)は図6と同じ箇所の断面の図である。
【0036】
まず、絶縁基板2の上面に金属膜を成膜し、パターニングすることで、図7に示すように、遮光膜4を形成する。次に、遮光膜4の上に層間絶縁膜5を形成する。
【0037】
次に、層間絶縁膜5の上面にゲート金属を成膜し、パターニングすることで、図8に示すように、ゲート21G,22G及び電極27a、信号線24を形成する。
【0038】
次に、図9に示すように、これらを被覆するゲート絶縁膜31を形成する。次に、半導体膜21a,22aとなるアモルファスシリコン又はポリシリコンからなる半導体層36を形成する。次に、半導体層36の上に窒化シリコン又は酸化シリコンの層を形成し、パターニングすることでチャネル保護膜21b,22bを形成する。次に、不純物半導体膜21c,21d,22c,22dとなるn型の不純物イオンを含むアモルファスシリコンからなる層(n+シリコン層37)を半導体層36上及びチャネル保護膜21b,22b上に形成する。
【0039】
次に、図10に示すように、コンタクトホール28a,28b,28c,28eが形成される位置のゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37にゲート金属が露出するように孔を形成する。また、図10(b)に示すように、コンタクトホール28dが形成される位置においては、遮光膜4が露出するように、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に孔を形成する。
【0040】
次に、ソース・ドレインメタルを上面全体に形成する。このとき、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に形成された孔の部分でゲート金属とソース・ドレインメタルとが接合され導通し、コンタクトホール28a,28b,28c,28d,28eが形成される。
【0041】
次に、図11に示すように、ソース・ドレインメタル及び半導体層36、n+シリコン層37をパターニングすることでソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26を形成する。
次に、図12に示すように、気相成長法によって導電性膜を成膜し、パターニングすることで画素電極20a及び端子51,52,53を形成する。
【0042】
次に、図13に示すように、トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、及び画素電極20aを覆う保護絶縁膜32を上面全体に形成する。
【0043】
次に、図14に示すように、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、遮光膜4があるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0044】
次に、図15に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図16に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0045】
次に、図17に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くする(オーバー露光)。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0046】
次に、図18に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
【0047】
次に、トランジスタアレイパネル50上へ有機EL素子20を形成し、ELディスプレイパネル10Aを製造する製造工程について説明する。
【0048】
まず、トランジスタアレイパネル50を洗浄する。次に、画素電極20aの表面を、有機EL層20bの形成に使用する有機化合物含有液に対して親液化させる。例えば有機化合物含有液に親水性の溶剤を用いる場合には、酸素プラズマ処理やUVオゾン処理等を施すことにより親水化させる。
次に、親水性の溶剤に対して溶解性を示し且つ疎水性の溶剤に対して難溶性又は不溶性である正孔注入材料(例えば導電性高分子であるPEDOT及びドーパントとなるPSS)を水に溶解した有機化合物含有液を画素電極20aに塗布する。塗布方法としては、インクジェット法(液滴吐出法)、その他の印刷方法を用いても良いし、ディップコート法、スピンコート法といったコーティング法を用いても良い。画素電極20aごとに独立して正孔注入層20eを成膜するためには、インクジェット法等の印刷方法が好ましい。
【0049】
このように湿式塗布法により正孔注入層20eを形成した場合、厚膜の隔壁6が設けられているから、隣り合う画素電極20aに塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合わない。そのため、画素電極20aごとに独立して正孔注入層20eを形成することができる。
【0050】
正孔注入層20eを形成した後、正孔注入層20eを大気に曝露した状態で、ホットプレートを用いてトランジスタアレイパネル50を160〜200℃の温度で乾燥させ、残留溶媒の除去を行う。
【0051】
次に、発光色が赤、緑、青の共役ポリマー発光材料をそれぞれ疎水性の有機溶剤(例えば、テトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン)に溶かし、赤、緑、青それぞれの有機化合物含有液を準備する。そして、赤の画素の正孔注入層20e上には赤の有機化合物含有液を塗布し、緑の画素の正孔注入層20e上には緑の有機化合物含有液を塗布し、青の画素の正孔注入層20e上には青の有機化合物含有液を塗布する。これにより、正孔注入層20e上に発光層20fを成膜する。塗布方法としてはインクジェット法(液滴吐出法)、その他の印刷方法を用いて、色ごとに塗り分けを行う。
【0052】
このように湿式塗布法により正孔注入層20e及び発光層20fを形成した場合、厚膜の隔壁6が設けられているから、隣り合う画素に塗布された有機化合物含有液が隔壁6を越えて混ざり合わない。そのため、画素ごとに独立して発光層20fを形成することができる。
【0053】
次に、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス雰囲気)下でホットプレートによってトランジスタアレイパネル50を乾燥させ、残留溶媒の除去を行う。なお、真空中でシーズヒータによる乾燥を行っても良い。
【0054】
次に、気相成長法により対向電極20dを発光層20f、保護絶縁膜32、隔壁6及び光吸収層8の上部に成膜する。このとき、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
なお、対向電極20dの成膜前に、気相成長法により電子注入層を成膜してもよい。具体的には、真空蒸着法によってCa又はBaの薄膜を成膜する。
以上により、図3に示すように、トランジスタアレイパネル50上に有機EL素子20が形成される。
【0055】
最後に、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂又は光硬化性樹脂等を対向電極20dの上部に塗布し、硬化させて封止層を形成する。
以上により、ELディスプレイパネル10Aが完成する。
【0056】
本実施形態によれば、トランジスタ21,22の下部に遮光膜4が設けられているため、外部の光が絶縁基板2側からトランジスタ21,22に到達することを防止することができる。
また、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。さらに、絶縁基板2に形成された同一の遮光膜4をフォトマスクとして用いるので、加工精度を向上させることができ、従来の製造プロセスを適用した場合に比して、開口部33の大きさを大きくすることができて、開口率を向上させることができる。
【0057】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0058】
<第2実施形態>
図19、図20は本発明の第2の実施形態に係るトランジスタアレイパネル50を製造する方法を示す説明図であり、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。また、図21は第2の実施形態に係るELディスプレイパネル10Bの図3に相当する断面図である。
【0059】
本変形例においては、隔壁6となる感光性樹脂39に対し、絶縁基板2の下面から光を照射する際に、露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間とする。この場合、図19に示すように、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口と等しくなる。このため、図20に示すように、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
その後、図21に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Bが完成する。
【0060】
本実施形態においても、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。さらに、絶縁基板2に形成された同一の遮光膜4をフォトマスクとして用いるために加工精度を向上させることができ、従来の製造プロセスを適用した場合に比して、開口部33の大きさを大きくすることができて、開口率を向上させることができる。
【0061】
〔第3実施形態〕
図22は本発明の第3の実施形態に係るELディスプレイパネル10Cの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された遮光膜4aと、遮光膜4aの上部に形成された反射防止膜4bとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4bは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0062】
本実施形態においては、遮光膜4aの上部(トランジスタ21,22側)に反射防止膜4bを設けることで、有機EL素子20から放射される光が遮光膜4aの上面で反射してトランジスタ21,22に届くことを防ぐことができ、光リークを防止することができる。
【0063】
〔第4実施形態〕
図23は本発明の第4の実施形態に係るELディスプレイパネル10Dの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された反射防止膜4bと、反射防止膜4bの上部に形成された遮光膜4aとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4bは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0064】
本実施形態においては、遮光膜4aと絶縁基板2との間に反射防止膜4bを設けることで、遮光膜4aと絶縁基板2との間での光反射が抑えられ、明るい場所におけるコントラスト等の表示特性を向上させることができる。
【0065】
〔第5実施形態〕
図24は本発明の第5の実施形態に係るELディスプレイパネル10Eの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、遮光膜4が絶縁基板2の上部に形成された反射防止膜4bと、反射防止膜4bの上部に形成された遮光膜4aと、遮光膜4aの上部に形成された反射防止膜4cとからなる。遮光膜4aは、例えばクロム等の金属を約50〜150nmの厚さに成膜した薄膜からなる。反射防止膜4b、4cは、例えば酸化クロム等の金属酸化物を10〜100nmの厚さに成膜した薄膜からなる。
【0066】
本実施形態においては、遮光膜4aと絶縁基板2との間に反射防止膜4bを設けることで、遮光膜4aと絶縁基板2との間での光反射が抑えられ、明るい場所におけるコントラスト等の表示特性を向上させることができる。また、遮光膜4aの上部(トランジスタ21,22側)に反射防止膜4cを設けることで、有機EL素子20から放射される光が遮光膜4aの上面で反射してトランジスタ21,22に届くことを防ぐことができ、光リークを防止することができる。
【0067】
〔第6実施形態〕
図25は本発明の第6の実施形態に係るELディスプレイパネル10Fの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、フォトレジスト38を用いる代わりに、隔壁6となる感光性樹脂39を、エッチングを行う際のレジストマスクとして用いる。以下、ELディスプレイパネル10Fの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図26〜図28を用いて説明する。なお、図26〜図28において、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。
【0068】
まず、第1実施形態の図13と同様に、保護絶縁膜32を上面全体に形成する工程までを行う。
次に、図26に示すように、保護絶縁膜32の上部全面に、隔壁6となる感光性樹脂39を塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0069】
次に、図27に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、開口部8、9が形成される。
次に、図28に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。このとき、感光性樹脂39がエッチングを行う際のレジストマスクとして機能するため、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
以上により、隔壁6が形成される。
その後、図25に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Fが完成する。
【0070】
本実施形態によれば、フォトレジスト38を用いる代わりに、隔壁6となる感光性樹脂39をレジストマスクとして用いるので、露光・現像のプロセスが減り、製造コストを低減することができる。
【0071】
〔第7実施形態〕
図29は本発明の第7の実施形態に係るELディスプレイパネル10Gの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている。以下、ELディスプレイパネル10Gの製造方法のうち、第6実施形態と異なる点について図30を用いて説明する。なお、図30において、(a)は図3に相当する断面図、(b)は図6に相当する断面図である。
【0072】
まず、第6の実施形態の図28と同様に、隔壁6を形成する工程までを行う。
次に、酸素プラズマを用いたプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行い、画素電極20a及び端子51,52,53の表面処理を行うとともに、隔壁6の表面の感光性樹脂30の一部を除去する。すると、図30に示すように、開口部33、34よりも開口部8、9のほうがやや大きくなり、段差が形成される。
【0073】
その後、第6実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Gが完成する。
本実施形態においても、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【0074】
〔第8実施形態〕
図31は本発明の第8の実施形態に係るELディスプレイパネル10Hの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、層間絶縁膜5の有機EL素子20が設けられる部分に孔7が形成されている。また、ゲート絶縁膜31の有機EL素子20が設けられる部分に孔35が形成されている。
【0075】
以下、ELディスプレイパネル10Hの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図32〜図37を用いて説明する。なお、図32〜図37は図3に相当する断面図である。
【0076】
まず、第1の実施形態の図9と同様に、n+シリコン層37を形成する工程までを行う。次に、図10(c)、(d)と同様に、コンタクトホール28a,28b,28c,28eが形成される位置のゲート絶縁膜31、半導体層、及びn+シリコン層にゲート金属が露出するように孔を形成する。
【0077】
また、図10(b)に示すように、コンタクトホール28dが形成される位置においては、遮光膜4が露出するように、層間絶縁膜5、ゲート絶縁膜31、半導体層36、及びn+シリコン層37に孔を形成する。同様に、図32に示すように、ゲート絶縁膜31に孔35、層間絶縁膜5に孔7を設けるとともに、半導体層36及びn+シリコン層37の孔35、7と対応する位置に孔を設ける。
【0078】
次に、図11に示すのと同様に、ソース・ドレインメタルをパターニングすることでソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26を形成する。
次に、図33に示すように、気相成長法によって導電性膜を成膜し、パターニングすることで画素電極20a及び端子51,52,53を形成する。
【0079】
次に、トランジスタ21,22のソース電極21S,22S及びドレイン電極21D,22D、キャパシタ27の他方の電極27b、走査線25及び供給線26、及び画素電極20aを覆う保護絶縁膜32を上面全体に形成する。
【0080】
次に、図34に示すように、保護絶縁膜32の上部全面に、隔壁6となる感光性樹脂39を塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。これにより、感光性樹脂39の露光される部分が遮光膜4の開口よりも広くなる。
【0081】
次に、図35に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、開口部8、9が形成される。
次に、図36に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。このとき、感光性樹脂39がエッチングを行う際のレジストマスクとして機能するため、開口部33の側面と開口部8の側面とが面一に形成され、開口部34と開口部9とが面一に形成される。
以上により、隔壁6が形成される。
【0082】
次に、酸素プラズマを用いたプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行い、画素電極20a及び端子51,52,53の表面処理を行うとともに、隔壁6の表面の感光性樹脂39の一部を除去する。すると、図37に示すように、開口部8、9が拡大し、開口部33、34よりもやや大きくなり、段差が形成される。
その後、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、図31に示すように、ELディスプレイパネル10Hが完成する。
【0083】
本実施形態においても、遮光膜4をフォトレジスト38のフォトマスクとして用いるとともに、隔壁6を形成するためのフォトマスクとしても用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、絶縁基板2上に有機EL素子20を形成するため、有機EL素子20から放射される光が層間絶縁膜5の界面において反射することがない。
【0084】
〔第9実施形態〕
図38は本発明の第9の実施形態に係るELディスプレイパネル10Iの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、保護絶縁膜32をエッチングする際に用いるフォトレジスト38を露光させる際に、フォトマスクを用いる点が異なる。
【0085】
以下、ELディスプレイパネル10Iの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図39〜図43を用いて説明する。なお、図39〜図43は図3に相当する断面図である。
【0086】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。次に、図39に示すように、フォトレジスト38の上部にフォトマスク40Aを配置する。なお、フォトマスク40Aは、完成したELディスプレイパネル10Iの保護絶縁膜32と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43A,44Aが設けられている。なお、孔43A,44Aは開口部8、9よりも大きい。
【0087】
次に、フォトマスク40Aの上部から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、フォトマスク40Aがあるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0088】
次に、図40に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図41に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0089】
次に、図42に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。
【0090】
次に、図43に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図38に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Iが完成する。
【0091】
本実施形態においても、隔壁6を形成するためのフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。
【0092】
〔第10実施形態〕
図44は本発明の第10の実施形態に係るELディスプレイパネル10Jの図3に相当する断面図である。本実施形態においても、第9の実施形態と同様に、保護絶縁膜32をエッチングする際に用いるフォトレジスト38を露光させる際に、フォトマスクを用いている。本実施形態に係るELディスプレイパネル10Jが第9の実施形態と異なるのは、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている点である。
【0093】
以下、ELディスプレイパネル10Jの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図45〜図49を用いて説明する。なお、図45〜図49は図3に相当する断面図である。
【0094】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。次に、図45に示すように、フォトレジスト38の上部にフォトマスク40Aを配置する。なお、フォトマスク40Bは、完成したELディスプレイパネル10Iの保護絶縁膜32と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43B,44Bが設けられている。なお、孔43B,44Bは開口部8、9よりも小さい。
【0095】
次に、フォトマスク40Bの上部から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、フォトマスク40Bがあるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0096】
次に、図46に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図47に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0097】
次に、図48に示すように、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、絶縁基板2の下面から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。
【0098】
次に、図49に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図44に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Jが完成する。
【0099】
本実施形態においても、隔壁6を形成するためのフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【0100】
〔第11実施形態〕
図50は本発明の第11の実施形態に係るELディスプレイパネル10Kの図3に相当する断面図である。本実施形態においては、隔壁6となる感光性樹脂39を露光させる際に、フォトマスクを用いる点が異なる。
【0101】
以下、ELディスプレイパネル10Kの製造方法のうち、第1実施形態と異なる点について図51〜図55を用いて説明する。なお、図51〜図55は図3に相当する断面図である。
【0102】
まず、第1実施形態の図14と同様に、保護絶縁膜32の上部全面にポジ型のフォトレジスト38を塗布し、プリベークする工程までを行う。
次に、図51に示すように、絶縁基板2の下面から光を照射し、フォトレジスト38を露光させる。このとき、遮光膜4があるため、有機EL素子20及び端子51,52,53が形成される部分のみが露光される。
【0103】
次に、図52に示すように、フォトレジスト38を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。次に、図53に示すように、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成する。その後、残ったフォトレジスト38を除去する。
【0104】
次に、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、図54に示すように、感光性樹脂39の上部にフォトマスク40Cを配置する。なお、フォトマスク40Cは、完成したELディスプレイパネル10Kの隔壁6と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43C,44Cが設けられている。なお、孔43C,44Cは開口部33、34よりも小さい。
【0105】
次に、フォトマスク40Cの上部から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、フォトマスク40Cがあるため、開口部8、9が形成される部分のみが露光される。
【0106】
次に、図55に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図50に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Kが完成する。
【0107】
本実施形態においても、フォトレジスト38のフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。
【0108】
〔第12実施形態〕
図56は本発明の第12の実施形態に係るELディスプレイパネル10Lの図3に相当する断面図である。本実施形態においても、第11の実施形態と同様に、隔壁6となる感光性樹脂39を露光させる際に、フォトマスクを用いている。本実施形態に係るELディスプレイパネル10Lが第9の実施形態と異なるのは、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されている点である。
【0109】
以下、ELディスプレイパネル10Lの製造方法のうち、第11実施形態と異なる点について図57、図58を用いて説明する。なお、図57、58は図3に相当する断面図である。
【0110】
まず、第11実施形態の図53と同様に、保護絶縁膜32のエッチングを行い、開口部33,34を形成した後、残ったフォトレジスト38を除去する工程までを行う。
【0111】
次に、隔壁6となる感光性樹脂39を上面全体に塗布する。次に、図57に示すように、感光性樹脂39の上部にフォトマスク40Dを配置する。なお、フォトマスク40Dは、完成したELディスプレイパネル10Lの隔壁6と平面視において同じ形状をしており、開口部33,34と対応する位置に孔43D,44Dが設けられている。なお、孔43D,44Dは開口部33、34よりも大きい。
【0112】
次に、フォトマスク40Dの上部から光を照射し、感光性樹脂39を露光させる。このとき、フォトマスク40Dがあるため、開口部8、9が形成される部分のみが露光される。
【0113】
次に、図58に示すように、感光性樹脂39を現像・リンスし、露光部分を除去し、ポストベークを行う。これにより、隔壁6及び開口部8、9が形成される。以上により、トランジスタアレイパネル50が完成する。
その後、図56に示すように、第1実施形態と同様の手順で有機EL素子20を形成することで、ELディスプレイパネル10Lが完成する。
【0114】
本実施形態においても、フォトレジスト38のフォトマスクとして遮光膜4を用いるので、フォトマスクの数を減らし製造コストを低減することができる。また、開口部33よりも開口部8のほうがやや大きく、段差が形成されているため、対向電極20dのステップカバレッジを良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の実施形態に係るELディスプレイパネル10Aにおける1つの画素の回路図である。
【図2】ELディスプレイパネル10Aの1つの画素の平面図である。
【図3】図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図である。
【図5】図2のV−V矢視断面図である。
【図6】図2のVI−VI矢視断面図である。
【図7】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図8】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図9】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図10】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図11】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図12】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図13】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図14】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図15】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図16】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図17】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図18】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、(c)は図5と同じ断面における、(d)は図6と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図19】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図20】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、トランジスタアレイパネル50を製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図21】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、第2の実施形態に係るELディスプレイパネル10Bの断面図である。
【図22】本発明の第3の実施形態に係るELディスプレイパネル10Cの図3に相当する断面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係るELディスプレイパネル10Dの図3に相当する断面図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係るELディスプレイパネル10Eの図3に相当する断面図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係るELディスプレイパネル10Fの図3に相当する断面図である。
【図26】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図27】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図28】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Fを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図29】本発明の第7の実施形態に係るELディスプレイパネル10Gの図3に相当する断面図である。
【図30】(a)は図3と同じ断面における、(b)は図4と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Gの製造方法について説明するための断面図である。
【図31】第8の実施形態に係るELディスプレイパネル10Hの図3に相当する断面図である。
【図32】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図33】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図34】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図35】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図36】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図37】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Hを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図38】本発明の第9の実施形態に係るELディスプレイパネル10Iの図3に相当する断面図である。
【図39】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図40】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図41】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図42】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図43】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Iを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図44】本発明の第10の実施形態に係るELディスプレイパネル10Jの図3に相当する断面図である。
【図45】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図46】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図47】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図48】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図49】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Jを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図50】本発明の第11の実施形態に係るELディスプレイパネル10Kの図3に相当する断面図である。
【図51】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図52】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図53】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図54】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図55】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Kを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図56】本発明の第12の実施形態に係るELディスプレイパネル10Lの図3に相当する断面図である。
【図57】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Lを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図58】図3と同じ断面における、ELディスプレイパネル10Lを製造する製造工程について説明するための断面図である。
【図59】従来のELディスプレイパネル110を示す断面図である。
【符号の説明】
【0116】
2 基板
4 遮光膜
5 層間絶縁膜
6 隔壁
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10I、10J、10K、10L ELディスプレイパネル
20 エレクトロルミネッセンス素子
21,22 画素トランジスタ
21a 画素電極
32 保護絶縁膜
33 開口部
20b 有機化合物層
20d 対向電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上面に形成された遮光膜と、
前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上面に形成された画素電極及び画素トランジスタと、
前記複数の画素電極の外周部及び前記画素トランジスタを被覆するように形成された保護絶縁膜と、
前記画素電極の上部に形成された発光機能層と、
前記保護絶縁膜の上部に形成され、前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁と、
を備え、
前記遮光膜は、前記保護絶縁膜または前記隔壁の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状であることを特徴とする発光パネル。
【請求項2】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項3】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項4】
前記金属膜はクロムからなり、前記反射防止膜は酸化クロムからなることを特徴とする請求項2または3に記載の発光パネル。
【請求項5】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項6】
前記金属膜はクロムからなり、前記第1の反射防止膜及び前記第2の反射防止膜は酸化クロムからなることを特徴とする請求項5記載の発光パネル。
【請求項7】
画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネルの製造方法であって、
基板の上面に遮光膜を形成する工程と、
前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の上面に前記画素電極及び該画素電極を駆動する画素トランジスタを形成する工程と、
前記画素電極及び前記画素トランジスタを被覆する保護絶縁膜を形成する工程と、
前記基板の下側から光を照射して、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する開口部形成工程、または前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁を形成する隔壁形成工程、の少なくともいずれか一方を含む裏面露光工程と、
を含むことを特徴とする発光パネルの製造方法。
【請求項8】
前記裏面露光工程は前記開口部形成工程を含み、
該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜の上部に前記隔壁を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項9】
前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、
該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項10】
前記裏面露光工程は前記開口部形成工程及び前記隔壁形成工程を含み、
該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、
前記隔壁形成工程は、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜及び前記画素電極の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項11】
前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、
該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含み、
更に、形成された前記隔壁をレジストマスクとして用いて前記保護絶縁膜をエッチングして、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する工程を含む、ことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項12】
前記隔壁を形成した後、前記画素電極の上部に前記発光機能層を形成する前に、前記隔壁に対しプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項13】
前記感光性樹脂を露光して前記隔壁を形成する工程における前記感光性樹脂の露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くすることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項14】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項15】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項16】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記反射膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項1】
基板の上面に形成された遮光膜と、
前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜の上面に形成された画素電極及び画素トランジスタと、
前記複数の画素電極の外周部及び前記画素トランジスタを被覆するように形成された保護絶縁膜と、
前記画素電極の上部に形成された発光機能層と、
前記保護絶縁膜の上部に形成され、前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁と、
を備え、
前記遮光膜は、前記保護絶縁膜または前記隔壁の少なくともいずれか一方と平面視において同一形状であることを特徴とする発光パネル。
【請求項2】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項3】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項4】
前記金属膜はクロムからなり、前記反射防止膜は酸化クロムからなることを特徴とする請求項2または3に記載の発光パネル。
【請求項5】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなることを特徴とする請求項1記載の発光パネル。
【請求項6】
前記金属膜はクロムからなり、前記第1の反射防止膜及び前記第2の反射防止膜は酸化クロムからなることを特徴とする請求項5記載の発光パネル。
【請求項7】
画素電極上に形成された発光機能層を有してなる発光素子を備える発光パネルの製造方法であって、
基板の上面に遮光膜を形成する工程と、
前記遮光膜を被覆する層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の上面に前記画素電極及び該画素電極を駆動する画素トランジスタを形成する工程と、
前記画素電極及び前記画素トランジスタを被覆する保護絶縁膜を形成する工程と、
前記基板の下側から光を照射して、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する開口部形成工程、または前記発光機能層の形成領域を画定する隔壁を形成する隔壁形成工程、の少なくともいずれか一方を含む裏面露光工程と、
を含むことを特徴とする発光パネルの製造方法。
【請求項8】
前記裏面露光工程は前記開口部形成工程を含み、
該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜の上部に前記隔壁を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項9】
前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、
該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項10】
前記裏面露光工程は前記開口部形成工程及び前記隔壁形成工程を含み、
該開口部形成工程は、前記保護絶縁膜の上面にフォトレジストを塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記フォトレジストを露光する工程と、現像された前記フォトレジストを用いて前記保護絶縁膜に前記開口部を形成する工程と、を含み、
前記隔壁形成工程は、前記開口部が形成された前記保護絶縁膜及び前記画素電極の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含む
ことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項11】
前記裏面露光工程は前記隔壁形成工程を含み、
該隔壁形成工程は、前記保護絶縁膜の上面に感光性樹脂を塗布する工程と、前記基板の下側から光を照射して、前記遮光膜を通過した光により前記感光性樹脂を露光することで前記隔壁を形成する工程と、を含み、
更に、形成された前記隔壁をレジストマスクとして用いて前記保護絶縁膜をエッチングして、前記保護絶縁膜に前記画素電極を露出させる開口部を形成する工程を含む、ことを特徴とする請求項7記載の発光パネルの製造方法。
【請求項12】
前記隔壁を形成した後、前記画素電極の上部に前記発光機能層を形成する前に、前記隔壁に対しプラズマアッシングまたはプラズマエッチングによる表面処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項13】
前記感光性樹脂を露光して前記隔壁を形成する工程における前記感光性樹脂の露光時間を、マスク線幅と仕上がり線幅が同じになる適正な露光時間よりも長くすることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項14】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された金属膜と、前記金属膜の上面に形成された反射防止膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項15】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された反射防止膜と、前記反射防止膜の上面に形成された金属膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【請求項16】
前記遮光膜は、前記基板の上面に形成された第1の反射防止膜と、前記第1の反射防止膜の上面に形成された金属膜と、前記反射膜の上面に形成された第2の反射防止膜とからなることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載の発光パネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【公開番号】特開2010−56025(P2010−56025A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222013(P2008−222013)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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