説明

発光ユニットおよび表示装置

【課題】発光ユニットの樹脂内を伝播する光による悪影響を低減することの可能な発光ユニットおよびそれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】発光ユニット1は、3つの発光素子10R,10G,10Bと、各発光素子10R,10G,10Bを覆う絶縁体20と、各発光素子10R,10G,10Bに電気的に接続された端子電極31,32を備える。3つの発光素子10のうち少なくとも最も短波長の光を発する発光素子10Bの側面S1および下面には、第1絶縁層16、金属層17、第2絶縁層18およびパッド電極19からなる積層体が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光波長の互いに異なる複数種類の発光素子を備えた発光ユニット、ならびに発光ユニットを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、軽量で薄型のディスプレイとして、発光ダイオード(LED)を表示画素に用いたLEDディスプレイが注目を集めている。LEDディスプレイは、見る角度によってコントラストや色合いが変化する視野角依存性がなく、色を変化させる場合の反応速度が速いとった特徴がある。しかし、数百万個にも及ぶLEDチップを配線基板上に歩留まり良く実装し、結線することが要求される。そのため、簡易なプロセスで高歩留まりを実現できる方法が必要とされている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の方法では、まず、各色のLEDを同一ピッチで転写用基板上に転写したのち、複数色のLEDごとに樹脂で覆い、発光ユニットを形成する。次に、各発光ユニットを、表示パネル用基板上に行列状に転写する。このようにして、簡易な方法で表示パネルが製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−19467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の発光ユニットでは、各LEDで発生した光は、発光ユニットの上面から外部に出力されるだけでなく、発光ユニットの樹脂内も伝播する。このとき、樹脂内を伝播する光が波長の短い青色光であった場合に、青色光が赤色LEDに入射するときには、赤色LEDに含まれる材料(例えばポリイミド)が劣化し、赤色LEDの光出力が変動してしまうという問題があった。また、樹脂内を伝播する光が緑色光であった場合に、緑色光が赤色LEDに入射するときには、赤色LEDが緑色光によって励起され、発光することがある。その結果、表示映像にクロストークが生じたり、色温度が変化したり、色再現範囲が減少したりする虞があるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、発光ユニットの樹脂内を伝播する光による悪影響を低減することの可能な発光ユニットおよびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光ユニットは、発光波長の互いに異なる複数種類の発光素子を備えたものである。複数種類の発光素子のうち少なくとも1つの種類の発光素子は、第1導電型層、活性層および第2導電型層を積層してなる半導体層を有している。この発光素子は、第1導電型層と電気的に接続された第1電極と、第2導電型層と電気的に接続された第2電極とを有している。さらに、この半導体層は、第1導電型層、活性層および第2導電型層が露出した側面を有しており、半導体層の表面のうち少なくとも活性層の露出面に接する第1絶縁層と、第1絶縁層の表面のうち少なくとも活性層の露出面との対向面に接する金属層とを有している。この金属層は、第1電極および第2電極と電気的に分離されている。
【0008】
本発明の表示装置は、複数の発光ユニットを有する表示パネルと、映像信号に基づいて各発光ユニットを駆動する駆動回路とを備えたものである。本発明の表示装置において、各発光ユニットは、上記の発光ユニットと同一の構成要素を有している。
【0009】
本発明の発光ユニットおよび表示装置では、複数種類の発光素子のうち少なくとも1つの種類の発光素子の側面には、少なくとも活性層の露出面に接する第1絶縁層と、第1絶縁層の表面のうち少なくとも活性層の露出面との対向面に接する金属層とが設けられている。これにより、活性層から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光は、発光素子の側面に設けられた金属層によって反射され、隣接する発光素子への光入射が妨げられる。ここで、上記の金属層は、第1電極および第2電極と電気的に分離されているので、第1電極と第2電極とが金属層を介してショートする可能性はほとんどない。そのため、側面に設けた金属層が発光素子の耐圧に悪影響を及ぼす可能性もほとんどない。
【0010】
ところで、本発明において、第1絶縁層および金属層は、少なくとも発光素子の側面全体を覆っていることが好ましい。このようにした場合には、活性層から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光だけでなく、斜め方向に伝播する光も、発光素子の側面に設けられた金属層によって反射され、隣接する発光素子への光入射がより一層、妨げられる。
【0011】
また、本発明において、第1電極が、第1導電型層表面であって、かつ活性層とは反対側の表面に接して形成された金属電極であり、第1絶縁層および金属層が、側面との対向領域から、第1電極との対向領域に渡って形成されていてもよい。このようにした場合には、第1電極の一部と金属層の一部とが第1絶縁層を介して互いに重なり合うので、活性層からの光が、第1電極と金属層との間隙を介して直接、漏れ出ることが無い。
【0012】
また、本発明において、第1絶縁層のうち第1電極との対向領域に形成されている部分の表面の一部が、金属層に覆われていない露出面となっており、その露出面から金属層の表面に渡って第2絶縁層が形成されていることが好ましい。さらに、上記の場合に、第1電極の表面の一部が、第1絶縁層、金属層および第2絶縁層に覆われていない露出面となっており、その露出面から、第1絶縁層の表面および第2絶縁層の表面に渡ってパッド電極が形成されていることが好ましい。このようにした場合には、金属層の一部とパッド電極の一部とが第2絶縁層を介して互いに重なり合うので、活性層からの光が、第1電極と金属層との間隙、さらには、第1電極とパッド電極との間隙を介して漏れ出ることはほとんどない。
【0013】
また、本発明において、複数種類の発光素子が、青色光を発する発光素子、緑色光を発する発光素子および赤色光を発する発光素子を含んでいる場合には、これら3種類の発光素子のうち少なくとも青色光を発する発光素子および緑色光を発する発光素子が、上記の金属層を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の発光ユニットおよび表示装置によれば、活性層から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光を、発光素子の側面に設けられた金属層によって反射し、隣接する発光素子への光入射を妨げるようにしたので、発光ユニット内を伝播する光による悪影響を低減することができる。特に、第1絶縁層および金属層が、少なくとも発光素子の側面全体を覆っている場合には、活性層から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光だけでなく、斜め方向に伝播する光も金属層で反射させることができるので、発光ユニットの樹脂内を伝播する光による悪影響を格段に低減することができる。
【0015】
ところで、本発明の発光ユニットおよび表示装置では、金属層と第1電極とがショートするのを避けるために、金属層と第1電極との間には間隙が存在する。しかし、第1絶縁層および金属層が、半導体層の側面との対向領域から、第1電極との対向領域に渡って形成されている場合には、第1電極の一部と金属層の一部とが第1絶縁層を介して互いに重なり合うので、活性層からの光が、第1電極と金属層との間隙を介して漏れ出ることが無い。これにより、発光素子の耐圧に悪影響を及ぼすことなく、発光ユニット内を伝播する光による悪影響を低減することができる。
【0016】
また、本発明の発光ユニットおよび表示装置において、第1絶縁層の露出面から金属層の表面に渡って第2絶縁層が形成されており、さらに、第1電極の露出面から、第1絶縁層の表面および第2絶縁層の表面に渡ってパッド電極が形成されている場合には、金属層の一部とパッド電極の一部とが第2絶縁層を介して互いに重なり合うので、活性層からの光が、第1電極と金属層との間隙、さらには、金属層とパッド電極との間隙を介して漏れ出ることはほとんどない。これにより、金属層と第1電極(またはパッド電極)とのショートを確実に防ぎつつ、発光ユニット内を伝播する光による悪影響をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る発光ユニットの構成の一例を表す斜視図および断面図である。
【図2】図1の光学素子の構成の一例を表す断面図である。
【図3】図1の光学素子の構成の他の例を表す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る発光ユニットの構成の一例を表す斜視図および断面図である。
【図5】図4の光学素子の構成の一例を表す断面図である。
【図6】図4の光学素子の構成の他の例を表す断面図である。
【図7】図5の光学素子の構成の一変形例を表す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る表示装置の構成の一例を表す斜視図である。
【図9】図8の実装基板の表面のレイアウトの一例を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.第1の実施の形態(発光ユニット)
素子電極が上下面に設けられている例
2.第2の実施の形態(発光ユニット)
素子電極が下面だけに設けられている例
3.第3の実施の形態(表示装置)
上記実施の形態の発光ユニットが画素として設けられている例
【0019】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る発光ユニット1について説明する。図1(A)は、発光ユニット1の概略構成の一例を斜視的に表したものである。図1(B)は、図1(A)の発光ユニット1のA−A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。発光ユニット1は、いわゆるLEDディスプレイと呼ばれる表示装置の表示画素として好適に適用可能なものであり、複数の発光素子を薄い肉厚の樹脂で被った微小パッケージである。
【0020】
(発光素子10)
発光ユニット1は、図1(A)に示したように、3つの発光素子10を備えている。各発光素子10は、所定の波長帯の光を上面から発する固体発光素子であり、具体的には、LEDチップである。LEDチップとは、結晶成長に用いたウェハから切り出した状態のものを指しており、成形した樹脂などで被われたパッケージタイプのものではないことを指している。LEDチップは、例えば、5μm以上、100mm以下のサイズとなっており、いわゆるマイクロLEDと呼ばれるものである。LEDチップの平面形状は、例えば、ほぼ正方形となっている。LEDチップは、薄片状となっており、LEDチップのアスペクト比(高さ/幅)は、例えば、0.1以上、1未満となっている。
【0021】
各発光素子10は、発光ユニット1内に配置されており、例えば、図1(A)に示したように、他の発光素子10と所定の間隙を介して一列に配置されている。このとき、発光ユニット1は、例えば、発光素子10の配列方向に延在する細長い形状となっている。互いに隣り合う2つの発光素子10の隙間は、例えば、各発光素子10のサイズと同等か、それよりも大きくなっている。なお、上記の隙間は、場合によっては、各発光素子10のサイズよりも狭くなっていてもよい。
【0022】
各発光素子10は、互いに異なる波長帯の光を発するようになっている。例えば、図1(A)に示したように、3つの発光素子10は、緑色帯の光を発する発光素子10Gと、赤色帯の光を発する発光素子10Rと、青色帯の光を発する発光素子10Bとにより構成されている。例えば、発光ユニット1が発光素子10の配列方向に延在する細長い形状となっている場合に、発光素子10Gは、例えば、発光ユニット1の短辺近傍に配置され、発光素子10Bは、例えば、発光ユニット1の短辺のうち発光素子10Gの近接する短辺とは異なる短辺の近傍に配置されている。発光素子10Rは、例えば、発光素子10Gと発光素子10Bとの間に配置されている。なお、発光素子10R,10G,10Bのそれぞれの位置は、上記に限定されるものではないが、以下では、発光素子10R,10G,10Bが上で例示した箇所に配置されているものとして、他の構成要素の位置関係を説明する場合がある。
【0023】
各発光素子10は、例えば、図2(A)に示したように、第1導電型層11、活性層12および第2導電型層13を順に積層してなる半導体層を有している。発光素子10G,10Bにおいては、第1導電型層11、活性層12および第2導電型層13は、例えば、InGaN系の半導体材料によって構成されている。一方、発光素子10Rにおいては、第1導電型層11、活性層12および第2導電型層13は、例えば、AlGaInP系の半導体材料によって構成されている。
【0024】
第2導電型層13の上面(つまり、光取り出し面S2)には第2電極15が設けられている。第2電極15は、例えば、発光素子10G,10Bにおいては、Ti(チタン)/Pt(白金)/Au(金)からなる。第2電極15は、例えば、発光素子10Rにおいては、AuGe(金とゲルマニウムの合金)/Ni(ニッケル)/Auからなる。第2電極15は、第2導電型層13に接するとともに第2導電型層13に電気的に接続されている。つまり、第2電極15は、第2導電型層13とオーミック接触している。一方、第1導電型層11の下面には第1電極14が設けられている。第1電極14は、金属電極である。第1電極14は、例えば、発光素子10G,10Bにおいては、Ti/Pt/Auからなる。第1電極14は、例えば、発光素子10Rにおいては、AuGe/Ni/Auからなる。第1電極14は、第1導電型層11に接するとともに第1導電型層11に電気的に接続されている。つまり、第1電極14は、第1導電型層11とオーミック接触している。第1電極14および第2電極15はともに、単一の電極によって構成されていてもよいし、複数の電極によって構成されていてもよい。なお、以下では、図2(A)に示したように、第1電極14および第2電極15がともに、単一の電極からなるものとする。第1電極14および第2電極15は、例えば、Ag(銀)やAl(アルミニウム)などの高反射性の金属材料を含んで構成されていてもよい。
【0025】
各発光素子10(具体的には半導体層)の側面S1は、例えば、図2(A)に示したように、積層方向と交差する傾斜面となっており、具体的には、当該発光素子10の断面が逆台形状となるような傾斜面となっている。このように、側面S1がテーパー状となっていることにより、正面方向の光取り出し効率を高くすることができる。なお、側面S1は、例えば、図2(B)に示したように、積層方向と直交する垂直面となっていてもよい。
【0026】
各発光素子10は、例えば、図2(A),(B)に示したように、第1絶縁層16、金属層17、第2絶縁層18およびパッド電極19からなる積層体を有している。この積層体は、半導体層の側面S1から下面に渡って形成された層である。この積層体のうち、少なくとも第1絶縁層16、金属層17および第2絶縁層18は、それぞれ、薄い層であり、例えば、CVD、蒸着、スパッタなどの薄膜形成プロセスによって形成されたものである。つまり、この積層体のうち、少なくとも第1絶縁層16、金属層17および第2絶縁層18は、スピンコートなどの厚膜形成プロセスや樹脂モールド、ポッティングなどによって形成されたものではない。
【0027】
第1絶縁層16、金属層17および第2絶縁層18は、少なくとも側面S1全体を覆っており、側面S1との対向領域から、第1電極14との対向領域の一部に渡って形成されている。第1絶縁層16は、金属層17と半導体層との電気的な絶縁をとるためのものである。第1絶縁層16は、側面S1のうち、発光素子10の光取り出し面S2側の端部から、第1電極14の表面の外縁に渡って形成されている。つまり、第1絶縁層16は、発光素子10の側面S1全体に接して形成されており、さらに、第1電極14の表面の外縁に接して形成されている。第1絶縁層16は、活性層12から発せられる光に対して透明な材料、例えば、SiO2,SiN,Al23,TiO2,TiNなどからなる。第1絶縁層16は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、第1絶縁層16は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0028】
金属層17は、活性層12から発せられた光を遮蔽もしくは反射するためのものである。金属層17は、第1絶縁層16の表面に接して形成されている。金属層17は、第1絶縁層16の表面において、光取り出し面S2側の端部から、第1電極14側の端部よりも少し後退した箇所まで形成されている。つまり、第1絶縁層16は、第1電極14と対向する部分に、金属層17に覆われていない露出面16Aを有している。
【0029】
金属層17の光取り出し面S2側の端部は、第1絶縁層16の光取り出し面S2側の端部と同一面(つまり、光取り出し面S2と同一面)に形成されている。一方、金属層17の第1電極14側の端部は、第1電極14と対向する領域に形成されており、第1絶縁層16を間にして金属層17の一部と互いに重なり合っている。つまり、金属層17は、半導体層、第1電極14および第2電極15とは第1絶縁層16によって絶縁分離(電気的に分離)されている。
【0030】
金属層17の第1電極14側の端部と、金属層17との間には、第1絶縁層16の厚さの分だけ間隙が存在する。しかし、金属層17の第1電極14側の端部と、第1電極14とは第1絶縁層16を介して互いに重なり合っているので、上記の間隙は、積層方向(つまり厚さ方向)からは視認できない。さらに、第1絶縁層16の厚さは、厚くてもたかだか数μm程度である。従って、活性層12から発せられた光は、上記の間隙を介して直接に、外に漏れ出ることはほとんどない。
【0031】
金属層17は、活性層12から発せられる光を遮蔽もしくは反射する材料、例えば、Ti,Al,Cu,Au,Ni,またはそれらの合金からなる。金属層17は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、金属層17は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0032】
第2絶縁層18は、発光ユニット1を実装用の基板(図示せず)に実装したときに、パッド電極19と実装用の基板とを互いに接合する導電性材料(例えば、半田、めっき、スパッタ金属)と、金属層17とが互いにショートするのを防止するためのものである。第2絶縁層18は、金属層17の表面と、第1絶縁層16の表面(上記の露出面16A)に接して形成されている。第2絶縁層18は、金属層17の表面全体に形成されるとともに、第1絶縁層16の露出面16の全体または一部に形成されている。つまり、第2絶縁層18は、第1絶縁層16の露出面16Aから金属層17の表面に渡って形成されており、金属層17は、第1絶縁層16および第2絶縁層18によって覆われている。第2絶縁層18は、例えば、SiO2,SiN,Al23,TiO2,TiNなどからなる。また、第2絶縁層18は、上で上げた材料のうち複数の材料から形成されていてもよい。第2絶縁層18は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、第2絶縁層18は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0033】
パッド電極19は、第1電極14から引き出された電極(つまり引出電極)である。パッド電極19は、第1電極14の露出面14Aから、第1絶縁層16の表面および第2絶縁層18の表面に渡って形成されている。パッド電極19は、第1電極14と電気的に接続されており、パッド電極19の一部が、第2絶縁層18を介して金属層17の一部と重なり合っている。つまり、パッド電極19は、金属層17とは第2絶縁層18によって絶縁分離(電気的に分離)されている。パッド電極19は、活性層12から発せられる光を高反射率で反射する材料、例えば、Ti,Al,Cu,Au,Ni,またはそれらの合金からなる。また、パッド電極19は、上で上げた材料のうち複数の材料から形成されていてもよい。
【0034】
パッド電極19の端部と、金属層17との間には、第2絶縁層18の厚さの分だけ間隙が存在する。しかし、パッド電極19の端部と、金属層17の第1電極14側の端部とは互いに重なり合っているので、上記の間隙は、積層方向(つまり厚さ方向)からは視認できない。さらに、第2絶縁層18の厚さは、厚くてもたかだか数μm程度である。加えて、第1電極14と、金属層17の第1電極14側の端部と、パッド電極19の端部とが、互いに重なり合っており、第1絶縁層16および第2絶縁層18を介して活性層12から外部に通じる通路は、S字状に曲がりくねっている。つまり、活性層12から発せられた光が透過し得る通路がS字状に曲がりくねっている。以上のことから、金属層17の絶縁として用いられる第1絶縁層16および第2絶縁層18が、活性層12から外部に通じる通路になり得るものの、その通路は、極めて狭く、しかもS字状となっており、活性層12から発せられた光が外部に漏れ出ることのほとんどない構造となっているといえる。
【0035】
なお、活性層12から発せられた光が直接に他の発光素子10に入射するのを妨げるという観点からすれば、金属層17は、第1絶縁層16の表面のうち少なくとも活性層12の露出面との対向面に接して形成されていればよく、活性層12の露出面以外の部分まで覆っていなくてもよい。このとき、第1絶縁層16は、半導体層の表面のうち少なくとも活性層12の露出面に接して形成されていればよく、側面S1全体を覆っていなくてもよい。また、金属層17は、側面S1のうち、隣接する発光素子10側の面を少なくとも覆っていればよく、側面S1全体を覆っていなくてもよい。このとき、第1絶縁層16は、側面S1のうち、隣接する発光素子10側の面を少なくとも覆っていればよく、側面S1全体を覆っていなくてもよい。なお、金属層17を介して第1導電型層11および第2導電型層13が互いにショートするのを防止する観点から、いずれの場合においても、金属層17が第1絶縁層16の表面からはみ出さないことが好ましい。
【0036】
また、発光ユニット1に含まれる3つの発光素子10が発光素子10R,10G,10Bからなる場合に、全ての発光素子10が上述の積層体を有していることが好ましいが、全ての発光素子10が上述の積層体を有していなくてもよい。例えば、3つの発光素子10のうち最も短波長の光を発する発光素子10Bだけに、上述の積層体が設けられていてもよい。また、例えば、3つの発光素子10のうち、最も長波長の光を発する発光素子10R以外の発光素子10(具体的には、発光素子10G,10B)だけに、上述の積層体が設けられていてもよい。
【0037】
図3(A),(B)は、上述の積層体が設けられていない発光素子10の断面構成の一例を表したものである。なお、図3(A),(B)には、上述の積層体が設けられていない発光素子10として、最も長波長の光を発する発光素子10Rが例示されている。この発光素子10は、例えば、図3(A),(B)に示したように、上述の積層体において金属層17および第2絶縁層18が省略された構成となっている。なお、発光素子10は、場合によっては、第1絶縁層16およびパッド電極19さえも省略され、第1電極14全体が露出する構成となっていてもよい。
【0038】
(絶縁体20,端子電極31,32)
発光ユニット1は、さらに、図1(A)に示したように、各発光素子10を覆うチップ状の絶縁体20と、各発光素子10に電気的に接続された端子電極31,32とを備えている。端子電極31,32は、絶縁体20の底面側に配置されている。
【0039】
絶縁体20は、各発光素子10を、少なくとも各発光素子10の側面側から囲むとともに保持するものである。絶縁体20は、例えば、シリコーン,アクリル,エポキシなどの樹脂材料によって構成されている。絶縁体20は、一部にポリイミドなどの別材料を含んでいてもよい。絶縁体20は、各発光素子10の側面と、各発光素子10の上面のうち第2電極15の未形成領域に接して形成されている。絶縁体20は、各発光素子10の配列方向に延在する細長い形状(例えば直方体形状)となっている。絶縁体20の高さは、各発光素子10の高さよりも高くなっており、絶縁体20の横幅(短辺方向の幅)は、各発光素子10の幅よりも広くなっている。絶縁体20自体のサイズは、例えば1mm以下となっている。絶縁体20は、薄片状となっている。絶縁体20のアスペクト比(最大高さ/最大横幅)は、発光ユニット1を転写する際に発光ユニット1が横にならない程度に小さくなっており、例えば、1/5以下となっている。
【0040】
絶縁体20は、例えば、図1(A),(B)に示したように、各発光素子10の直上に対応する箇所に開口20Aを有している。各開口20Aの底面には、少なくとも第2電極15(図1(A),(B)では図示せず)が露出している。また、絶縁体20は、例えば、図1(A),(B)に示したように、各発光素子10の直下に対応する箇所にも開口20Bを有している。各開口20Bの底面には、少なくともパッド電極19(場合によっては第1電極14)(図1(A),(B)では図示せず)が露出している。
【0041】
パッド電極19(または第1電極14)は、所定の導電性部材(例えば、半田、めっき金属)を介して端子電極31に接続されている。一方、第2電極15は、図1(A)に示したバンプ33および接続部34を介して端子電極32に接続されている。バンプ33は絶縁体20に埋め込まれた柱状の導電性部材であり、接続部34は絶縁体20の上面に形成された帯状の導電性部材である。なお、第2電極15は、バンプ33および接続部34以外の導電性部材を介して端子電極32と接続されていてもよい。端子電極31,32は、例えば、主にCu(銅)を含んで構成されている。端子電極31,32の表面の一部が、例えば、Au(金)などの酸化されにくい材料で被覆されていてもよい。
【0042】
[効果]
次に、本実施の形態の発光ユニット1の効果について説明する。
【0043】
本実施の形態では、3つの発光素子10のうち少なくとも最も短波長の光を発する発光素子10Bに、上述の積層体が設けられている。これにより、上述の積層体が設けられた発光素子10内の活性層12から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光は、その発光素子10の側面に設けられた金属層17によって反射され、隣接する発光素子10への光入射が妨げられる。その結果、発光ユニット1の絶縁体20内を伝播する光による悪影響(例えば、青色光に対する耐光性を有しない樹脂の劣化)を低減することができる。また、3つの発光素子10のうち少なくとも発光素子10B,10Gに、上述の積層体が設けられている場合には、発光素子10Bや発光素子10Gから発せられた光による発光素子10Rの励起も妨げることができる。従って、色温度の変化や、色再現範囲の減少を小さくすることができる。
【0044】
特に、第1絶縁層16および金属層17が、少なくとも発光素子10の側面S1全体を覆っている場合には、活性層12から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光だけでなく、斜め方向に伝播する光も金属層17で反射させることができる。その結果、発光ユニット1の絶縁体20内を伝播する光による悪影響を格段に低減することができる。
【0045】
なお、側面S1に設けられた金属層17は、第1電極14および第2電極15と電気的に分離されているので、第1電極14と第2電極15とが金属層17を介してショートする可能性はほとんどない。そのため、側面S1に設けられた金属層17が発光素子10の耐圧に悪影響を及ぼす可能性もほとんどない。
【0046】
ところで、本実施の形態では、金属層17と第1電極14とがショートするのを避けるために、金属層17と第1電極14との間には間隙が存在する。しかし、第1絶縁層16および金属層17が、半導体層の側面S1との対向領域から、第1電極14との対向領域に渡って形成されており、第1電極14の一部と金属層17の一部とが第1絶縁層16を介して互いに重なり合っている。そのため、活性層12からの光が、第1電極14と金属層17との間隙を介して絶縁体20に直接、漏れ出ることが無い。これにより、発光素子10の耐圧に悪影響を及ぼすことなく、発光ユニット1の絶縁体内を伝播する光による悪影響を低減することができる。
【0047】
また、本実施の形態では、第1絶縁層16の露出面16Aから金属層17の表面に渡って第2絶縁層18が形成されており、さらに、第1電極14の露出面14Aから、第1絶縁層16の表面および第2絶縁層18の表面に渡ってパッド電極19が形成されている。これにより、金属層17の一部とパッド電極19の一部とが第2絶縁層18を介して互いに重なり合うので、活性層12からの光が、第1電極14と金属層17との間隙、さらには、金属層17とパッド電極19との間隙を介して、絶縁体20に漏れ出ることはほとんどない。その結果、金属層17と第1電極14(またはパッド電極19)とのショートを確実に防ぎつつ、発光ユニット1の絶縁体20内を伝播する光による悪影響をさらに低減することができる。
【0048】
<2.第2の実施の形態>
[構成]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る発光ユニット2について説明する。図4(A)は、発光ユニット2の概略構成の一例を斜視的に表したものである。図4(B)は、図4(A)の発光ユニット2のA−A矢視方向の断面構成の一例を表したものである。発光ユニット2は、上記実施の形態の発光ユニット1と同様、いわゆるLEDディスプレイと呼ばれる表示装置の表示画素として好適に適用可能なものであり、複数の発光素子を薄い肉厚の樹脂で被った微小パッケージである。
【0049】
(発光素子40)
発光ユニット2は、図4(A)に示したように、3つの発光素子40を備えている。各発光素子40は、所定の波長帯の光を上面から発する固体発光素子であり、具体的には、LEDチップである。LEDチップとは、結晶成長に用いたウェハから切り出した状態のものを指しており、成形した樹脂などで被われたパッケージタイプのものではないことを指している。LEDチップは、例えば、5μm以上、100mm以下のサイズとなっており、いわゆるマイクロLEDと呼ばれるものである。LEDチップの平面形状は、例えば、ほぼ正方形となっている。LEDチップは、薄片状となっており、LEDチップのアスペクト比(高さ/幅)は、例えば、0.1以上、1未満となっている。
【0050】
各発光素子40は、発光ユニット2内に配置されており、例えば、図4(A)に示したように、他の発光素子40と所定の間隙を介して一列に配置されている。このとき、発光ユニット2は、例えば、発光素子40の配列方向に延在する細長い形状となっている。互いに隣り合う2つの発光素子40の隙間は、例えば、各発光素子40のサイズと同等か、それよりも大きくなっている。なお、上記の隙間は、場合によっては、各発光素子40のサイズよりも狭くなっていてもよい。
【0051】
各発光素子40は、互いに異なる波長帯の光を発するようになっている。例えば、図4(A)に示したように、3つの発光素子40は、緑色帯の光を発する発光素子40Gと、赤色帯の光を発する発光素子40Rと、青色帯の光を発する発光素子40Bとにより構成されている。例えば、発光ユニット2が発光素子40の配列方向に延在する細長い形状となっている場合に、発光素子40Gは、例えば、発光ユニット2の短辺近傍に配置され、発光素子40Bは、例えば、発光ユニット2の短辺のうち発光素子40Gの近接する短辺とは異なる短辺の近傍に配置されている。発光素子40Rは、例えば、発光素子40Gと発光素子40Bとの間に配置されている。なお、発光素子40R,40G,40Bのそれぞれの位置は、上記に限定されるものではないが、以下では、発光素子40R,40G,40Bが上で例示した箇所に配置されているものとして、他の構成要素の位置関係を説明する場合がある。
【0052】
各発光素子40は、例えば、図5(A)に示したように、第1導電型層41、活性層42および第2導電型層43を順に積層してなる半導体層を有している。なお、図5(A)は、図4(A)のA−A線と直交する方向で発光素子40を切断したときの断面構成の一例を表したものである。発光素子40G,40Bにおいては、第1導電型層41、活性層42および第2導電型層43は、例えば、InGaN系の半導体材料によって構成されている。一方、発光素子40Rにおいては、第1導電型層41、活性層42および第2導電型層43は、例えば、AlGaInP系の半導体材料によって構成されている。
【0053】
各発光素子40の半導体層において、第2導電型層43の一部と、活性層42と、第1導電型層41とを含む部分が、柱状のメサ部40−1となっている。半導体層のうちメサ部40−1の裾野には、第2導電型層43が露出する平坦面が広がっており、その平坦面の一部に第2電極45が形成されている。第2電極45は、金属電極である。第2電極45は、例えば、発光素子40G,40Bにおいては、Ti/Pt/Auからなる。第2電極45は、例えば、発光素子40Rにおいては、AuGe/Ni/Auからなる。第2電極45は、第2導電型層43に接するとともに第2導電型層43に電気的に接続されている。つまり、第2電極45は、第2導電型層43とオーミック接触している。なお、第2導電型層43の上面(つまり半導体のうちメサ部40−1とは反対側の面)は、光取り出し面S4となっており、電極などの遮光構造物は何も設けられていない。メサ部40−1の上面(つまり第1導電型層41の表面)には第1電極44が設けられている。第1電極44は、金属電極である。第1電極44は、例えば、発光素子40G,40Bにおいては、Ti/Pt/Auからなる。第1電極44は、例えば、発光素子40Rにおいては、AuGe/Ni/Auからなる。第1電極44は、第1導電型層41に接するとともに第1導電型層41に電気的に接続されている。つまり、第1電極44は、第1導電型層41とオーミック接触している。第1電極44および第2電極45はともに、単一の電極によって構成されていてもよいし、複数の電極によって構成されていてもよい。なお、以下では、図5(A)に示したように、第1電極44および第2電極45がともに、単一の電極からなるものとする。第1電極44および第2電極45は、例えば、AgやAlなどの高反射性の金属材料を含んで構成されていてもよい。
【0054】
メサ部40−1の側面S3は、例えば、図5(A)に示したように、積層方向と交差する傾斜面となっており、具体的には、メサ部40−1の断面が逆台形状となるような傾斜面となっている。このように、側面S3がテーパー状となっていることにより、正面方向の光取り出し効率を高くすることができる。なお、側面S3は、例えば、図5(B)に示したように、積層方向と直交する垂直面となっていてもよい。
【0055】
各発光素子40は、例えば、図5(A),(B)に示したように、第1絶縁層46、金属層47、第2絶縁層48からなる積層体を有している。この積層体は、メサ部40−1の側面S3から上面に渡って形成された層である。第1絶縁層46、金属層47および第2絶縁層48は、それぞれ、薄い層であり、例えば、CVD、蒸着、スパッタなどの薄膜形成プロセスによって形成されたものである。つまり、第1絶縁層46、金属層47および第2絶縁層48は、スピンコートなどの厚膜形成プロセスや樹脂モールド、ポッティングなどによって形成されたものではない。
【0056】
第1絶縁層46、金属層47および第2絶縁層48は、少なくとも側面S3全体を覆っており、側面S3との対向領域から、第1電極44との対向領域の一部に渡って形成されている。第1絶縁層46は、金属層47と半導体層との電気的な絶縁をとるためのものである。第1絶縁層46は、側面S3のうち、メサ部40−1の裾野側の端部から、第1電極44の表面の外縁に渡って形成されている。つまり、第1絶縁層46は、側面S3全体に接して形成されており、さらに、第1電極44の表面の外縁に接して形成されている。第1絶縁層46は、活性層42から発せられる光に対して透明な材料、例えば、SiO2,SiN,Al23,TiO2,TiNなどからなる。第1絶縁層46は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、第1絶縁層46は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0057】
金属層47は、活性層42から発せられた光を遮蔽もしくは反射するためのものである。金属層47は、第1絶縁層46の表面に接して形成されている。金属層47は、第1絶縁層46の表面において、光取り出し面S4側の端部から、第1電極44側の端部よりも少し後退した箇所まで形成されている。つまり、第1絶縁層46は、第1電極44と対向する部分に、金属層47に覆われていない露出面46Aを有している。
【0058】
金属層47の光取り出し面S4側の端部は、第1絶縁層46の光取り出し面S4側の端部上に形成されている。一方、金属層47の第1電極44側の端部は、第1電極44と対向する領域に形成されており、第1絶縁層46を間にして金属層47の一部と互いに重なり合っている。つまり、金属層47は、半導体層、第1電極44および第2電極45とは第1絶縁層46によって絶縁分離(電気的に分離)されている。
【0059】
金属層47の第1電極44側の端部と、金属層47との間には、第1絶縁層46の厚さの分だけ間隙が存在する。しかし、金属層47の第1電極44側の端部と、第1電極44とは互いに重なり合っているので、上記の間隙は、積層方向(つまり厚さ方向)からは視認できない。さらに、第1絶縁層46の厚さは、厚くてもたかだか数μm程度である。従って、活性層42から発せられた光は、上記の間隙を介して直接に、外に漏れ出ることはほとんどない。
【0060】
金属層47は、活性層42から発せられる光を遮蔽もしくは反射する材料、例えば、Ti,Al,Cu,Au,Ni,またはそれらの合金からなる。金属層47は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、金属層47は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0061】
第2絶縁層48は、発光ユニット2を実装用の基板(図示せず)に実装したときに、パッド電極49と実装用の基板とを互いに接合する導電性材料(例えば、半田、めっき、スパッタ金属)と、金属層47とが互いにショートするのを防止するためのものである。第2絶縁層48は、金属層47の表面と、第1絶縁層46の表面(上記の露出面46A)に接して形成されている。第2絶縁層48は、金属層47の表面全体に形成されるとともに、第1絶縁層46の露出面46Aの全体または一部に形成されている。つまり、第2絶縁層48は、第1絶縁層46の露出面46Aから金属層47の表面に渡って形成されており、金属層47は、第1絶縁層46および第2絶縁層48によって覆われている。第2絶縁層48は、例えば、SiO2,SiN,Al23,TiO2,TiNなどからなる。また、第2絶縁層48は、上で上げた材料のうち複数の材料から形成されていてもよい。第2絶縁層48は、例えば、0.1μm〜1μm程度の厚さであり、ほぼ均一な厚さとなっている。なお、第2絶縁層48は、製造誤差に起因する厚さの不均一性を有していてもよい。
【0062】
各発光素子40は、さらに、メサ部40−1を覆う埋め込み層49と、埋め込み層49内に形成されたバンプ50,51と、埋め込み層49上に形成されたパッド電極52,53とを有している。バンプ50は、第1電極44と電気的に接続されており、バンプ50の上面が、例えば、埋め込み層49の上面と同一面内に形成されている。バンプ51は、第2電極45と電気的に接続されており、バンプ51の上面が、例えば、埋め込み層49の上面と同一面内に形成されている。パッド電極52は、バンプ50に接しており、バンプ50を介して第1電極44と電気的に接続されている。パッド電極53は、バンプ51に接しており、バンプ51を介して第2電極45と電気的に接続されている。バンプ50,51およびパッド電極52,53は、埋め込み層49および第2絶縁層48によって金属層47とは電気的に分離されている。
【0063】
埋め込み層49は、例えば、シリコーン,アクリル,エポキシなどの樹脂材料や、SiO2,SiN,Al23,TiO2,TiNなどの無機材料からなる。なお、埋め込み層49は、必要に応じて省略することも可能である。バンプ50,51は、例えば、Cu,半田などの金属材料からなる。なお、バンプ50,51は、必要に応じて省略することも可能である。パッド電極52,53は、例えば、Ti,Al,Cu,Au,Ni,またはそれらの合金などの金属材料からなる。また、パッド電極52,53は、上で上げた材料のうち複数の材料から形成されていてもよい。
【0064】
パッド電極52は、第1電極44から引き出された電極(つまり引出電極)である。パッド電極52は、少なくとも第1電極44との対向領域に形成されており、具体的には、第1電極44との対向領域と、金属層47のうち第1電極44側の端部との対向領域とを含む領域に形成されている。つまり、パッド電極52の一部が、埋め込み層49および第2絶縁層48を介して金属層47の一部と重なり合っている。
【0065】
パッド電極52の端部と、金属層47との間には、埋め込み層49および第2絶縁層48の厚さの分だけ間隙が存在する。しかし、パッド電極52の端部と、金属層47の第1電極44側の端部とは互いに重なり合っているので、上記の間隙は、積層方向(つまり厚さ方向)からは視認できない。さらに、パッド電極52の端部と金属層47との距離(つまり、埋め込み層49および第2絶縁層48の厚さ)は、厚くてもたかだか数μm程度である。加えて、第1電極44と、金属層47の第1電極44側の端部と、パッド電極52の端部とが、互いに重なり合っており、第1絶縁層46、第2絶縁層48および埋め込み層49を介して活性層42から外部に通じる通路は、S字状に曲がりくねっている。つまり、活性層42から発せられた光が透過し得る通路がS字状に曲がりくねっている。以上のことから、金属層47の絶縁として用いられる第1絶縁層46、第2絶縁層48および埋め込み層49が、活性層42から外部に通じる通路になり得るものの、その通路は、極めて狭く、しかもS字状となっており、活性層42から発せられた光が外部に漏れ出ることのほとんどない構造となっているといえる。
【0066】
なお、活性層42から発せられた光が直接に他の発光素子40に入射するのを妨げるという観点からすれば、金属層47は、第1絶縁層46の表面のうち少なくとも活性層42の露出面との対向面に接して形成されていればよく、活性層42の露出面以外の部分まで覆っていなくてもよい。このとき、第1絶縁層46は、半導体層の表面のうち少なくとも活性層42の露出面に接して形成されていればよく、側面S3全体を覆っていなくてもよい。また、金属層47は、側面S3のうち、隣接する発光素子40側の面を少なくとも覆っていればよく、側面S3全体を覆っていなくてもよい。このとき、第1絶縁層46は、側面S3のうち、隣接する発光素子40側の面を少なくとも覆っていればよく、側面S3全体を覆っていなくてもよい。
【0067】
また、発光ユニット2に含まれる3つの発光素子40が発光素子40R,40G,40Bからなる場合に、全ての発光素子40が上述の積層体を有していることが好ましいが、全ての発光素子40が上述の積層体を有していなくてもよい。例えば、3つの発光素子40のうち最も短波長の光を発する発光素子40Bだけに、上述の積層体が設けられていてもよい。また、例えば、3つの発光素子40のうち、最も長波長の光を発する発光素子40Rだけに、上述の積層体が設けられていてもよい。
【0068】
図6(A),(B)は、上述の積層体が設けられていない発光素子40の断面構成の一例を表したものである。なお、図6(A),(B)には、上述の積層体が設けられていない発光素子40として、最も長波長の光を発する発光素子40R以外の発光素子40(具体的には、発光素子40G,40B)が例示されている。この発光素子40は、例えば、図6(A),(B)に示したように、上述の積層体において金属層47および第2絶縁層48が省略された構成となっている。
【0069】
(絶縁体50,端子電極61,62)
発光ユニット2は、さらに、図4(A)に示したように、各発光素子40を覆うチップ状の絶縁体50と、各発光素子40に電気的に接続された端子電極61,62とを備えている。端子電極61,62は、絶縁体50の底面側に配置されている。
【0070】
絶縁体50は、各発光素子40を、少なくとも各発光素子40の側面側から囲むとともに保持するものである。絶縁体50は、例えば、シリコーン、アクリル、エポキシなどの樹脂材料によって構成されている。絶縁体50は、一部にポリイミドなどの別材料を含んでいてもよい。絶縁体50は、各発光素子40の側面と、各発光素子40の上面に接して形成されている。絶縁体50は、各発光素子40の配列方向に延在する細長い形状(例えば直方体形状)となっている。絶縁体50の高さは、各発光素子40の高さよりも高くなっており、絶縁体50の横幅(短辺方向の幅)は、各発光素子40の幅よりも広くなっている。絶縁体50自体のサイズは、例えば1mm以下となっている。絶縁体50は、薄片状となっている。絶縁体50のアスペクト比(最大高さ/最大横幅)は、発光ユニット2を転写する際に発光ユニット2が横にならない程度に小さくなっており、例えば、1/5以下となっている。
【0071】
絶縁体50は、例えば、図4(A),(B)に示したように、各発光素子40の直下に対応する箇所に開口50Aを有している。各開口50Aの底面には、少なくともパッド電極52(図4(A),(B)では図示せず)が露出している。パッド電極52は、所定の導電性部材(例えば、半田、めっき金属)を介して端子電極61に接続されている。一方、パッド電極53は、所定の導電性部材(例えば、半田、めっき金属)を介して端子電極62に接続されている。端子電極61,62は、例えば、主にCu(銅)を含んで構成されている。端子電極61,62の表面の一部が、例えば、Au(金)などの酸化されにくい材料で被覆されていてもよい。
【0072】
[効果]
次に、本実施の形態の発光ユニット2の効果について説明する。
【0073】
本実施の形態では、3つの発光素子40のうち少なくとも最も短波長の光を発する発光素子40Bに、上述の積層体が設けられている。これにより、上述の積層体が設けられた発光素子40内の活性層42から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光は、その発光素子40の側面に設けられた金属層47によって反射され、隣接する発光素子40への光入射が妨げられる。その結果、発光ユニット2の絶縁体50内を伝播する光による悪影響(例えば、青色光に対する耐光性を有しない樹脂の劣化)を低減することができる。また、3つの発光素子40のうち少なくとも発光素子40B,40Gに、上述の積層体が設けられている場合には、発光素子40Bや発光素子40Gから発せられた光による発光素子40Rの励起も妨げることができる。従って、色温度の変化や、色再現範囲の減少を小さくすることができる。
【0074】
特に、第1絶縁層46および金属層47が、少なくともメサ部40−1の側面S3全体を覆っている場合には、活性層42から発せられた光のうち、積層面内方向に伝播する光だけでなく、斜め方向に伝播する光も金属層47で反射させることができる。その結果、発光ユニット2の絶縁体50内を伝播する光による悪影響を格段に低減することができる。
【0075】
ところで、側面S3に設けられた金属層47は、第1電極44および第2電極45と電気的に分離されているので、第1電極44と第2電極45とが金属層47を介してショートする可能性はほとんどない。そのため、側面S3に設けられた金属層47が発光素子40の耐圧に悪影響を及ぼす可能性もほとんどない。
【0076】
ところで、本実施の形態では、金属層47と第1電極44とがショートするのを避けるために、金属層47と第1電極44との間には間隙が存在する。しかし、第1絶縁層46および金属層47が、メサ部40−1の側面S3との対向領域から、第1電極44との対向領域に渡って形成されており、第1電極44の一部と金属層47の一部とが第1絶縁層46を介して互いに重なり合っている。そのため、活性層42からの光が、第1電極44と金属層47との間隙を介して絶縁体50に直接、漏れ出ることが無い。これにより、発光素子40の耐圧に悪影響を及ぼすことなく、発光ユニット2の絶縁体内を伝播する光による悪影響を低減することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、第1絶縁層46の露出面46Aから金属層47の表面に渡って第2絶縁層48が形成されており、さらに、第1電極44との対向領域と、金属層47のうち第1電極44側の端部とを含む領域にパッド電極52が形成されている。これにより、金属層47の一部とパッド電極52の一部とが第2絶縁層48および埋め込み層49を介して互いに重なり合うので、活性層42からの光が、第1電極44と金属層47との間隙、さらには、金属層47とパッド電極52との間隙を介して、絶縁体50に漏れ出ることはほとんどない。その結果、金属層47と第1電極44(またはパッド電極52)とのショートを確実に防ぎつつ、発光ユニット2の絶縁体50内を伝播する光による悪影響をさらに低減することができる。
【0078】
[第2の実施の形態の変形例]
上記第2の実施の形態では、第1絶縁層46、金属層47および第2絶縁層48は、主としてメサ部40−1の側面S3に形成され、発光素子40の側面全体には設けられていなかったが、発光素子40の側面全体に設けられていてもよい。例えば、図7(A),(B)に示したように、第1絶縁層46、金属層47および第2絶縁層48の端部が、発光素子40の側面のうち、光取り出し面S4側の端部から、第1電極44の表面の外縁に渡って形成されていてもよい。
【0079】
上記第2の実施の形態では、メサ部40−1を覆う埋め込み層49が設けられていたが、省略されていてもよい。例えば、図7(A),(B)に示したように、埋め込み層49と、バンプ50,51とが省略され、さらに、パッド電極52が直接、第1電極44に接するとともに、パッド電極53が直接、第2電極45に接するように形成されていてもよい。
【0080】
<3.第3の実施の形態>
[構成]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る表示装置3について説明する。表示装置3は、上記実施の形態に係る発光ユニット1または発光ユニット2を表示画素として備えたものである。図8は、表示装置3の概略構成の一例を斜視的に表したものである。表示装置3は、いわゆるLEDディスプレイと呼ばれるものであり、表示画素としてLEDが用いられたものである。表示装置3は、例えば、図8に示したように、表示パネル310と、表示パネル310を駆動する駆動回路(図示せず)とを備えている。
【0081】
(表示パネル310)
表示パネル310は、実装基板320と、透明基板330とを互いに重ね合わせたものである。透明基板330の表面が映像表示面となっており、中央部分に表示領域3Aを有し、その周囲に、非表示領域であるフレーム領域3Bを有している。
【0082】
(実装基板320)
図9は、実装基板320の透明基板330側の表面のうち表示領域3Aに対応する領域のレイアウトの一例を表したものである。実装基板320の表面のうち表示領域3Aに対応する領域には、例えば、図9に示したように、複数のデータ配線321が所定の方向に延在して形成されており、かつ所定のピッチで並列配置されている。実装基板320の表面のうち表示領域3Aに対応する領域には、さらに、例えば、複数のスキャン配線322がデータ配線321と交差(例えば直交)する方向に延在して形成されており、かつ所定のピッチで並列配置されている。データ配線321およびスキャン配線322は、例えば、Cu(銅)などの導電性材料からなる。
【0083】
スキャン配線322は、例えば、最表層に形成されており、例えば、基材表面に形成された絶縁層(図示せず)上に形成されている。なお、実装基板320の基材は、例えば、ガラス基板、または樹脂基板などからなり、基材上の絶縁層は、例えば、SiN、SiO2、またはAl23からなる。一方、データ配線321は、スキャン配線322を含む最表層とは異なる層(例えば、最表層よりも下の層)内に形成されており、例えば、基材上の絶縁層内に形成されている。絶縁層の表面上には、スキャン配線322の他に、例えば、必要に応じて、ブラックが設けられている。ブラックは、コントラストを高めるためのものであり、光吸収性の材料によって構成されている。ブラックは、例えば、絶縁層の表面のうち少なくとも後述のパッド電極321B,322Bの非形成領域に形成されている。なお、ブラックは、必要に応じて省略することも可能である。
【0084】
データ配線321とスキャン配線322との交差部分の近傍が表示画素323となっており、複数の表示画素323が表示領域3A内においてマトリクス状に配置されている。各表示画素323には、複数の発光素子40を含む発光ユニット1または複数の発光素子40を含む発光ユニット2が実装されている。なお、図9には、3つの発光素子10R,10G,10Bまたは3つの発光素子40R,40G,40Bで一つの表示画素323が構成されており、発光素子10Rまたは発光素子40Rから赤色の光を、発光素子10Gまたは発光素子40Gから緑色の光を、発光素子10Bまたは発光素子40Bから青色の光をそれぞれ出力することができるようになっている場合が例示されている。
【0085】
発光ユニット1,2には、発光素子10R,10G,10Bまたは発光素子40R,40G,40Bごとに一対の端子電極31,32または一対の端子電極61,62が設けられている。そして、一方の端子電極31または端子電極61がデータ配線321に電気的に接続されており、他方の端子電極32または端子電極62がスキャン配線322に電気的に接続されている。例えば、端子電極31または端子電極61は、データ配線321に設けられた分枝321Aの先端のパッド電極321Bに電気的に接続されている。また、例えば、端子電極32または端子電極62は、スキャン配線322に設けられた分枝322Aの先端のパッド電極322Bに電気的に接続されている。
【0086】
各パッド電極321B,322Bは、例えば、最表層に形成されており、例えば、図9に示したように、各発光ユニット1,2が実装される部位に設けられている。ここで、パッド電極321B,322Bは、例えば、Au(金)などの導電性材料からなる。
【0087】
実装基板320には、さらに、例えば、実装基板320と透明基板330との間の間隔を規制する複数の支柱(図示せず)が設けられている。支柱は、表示領域3Aとの対向領域内に設けられていてもよいし、フレーム領域3Bとの対向領域内に設けられていてもよい。
【0088】
(透明基板330)
透明基板330は、例えば、ガラス基板、または樹脂基板などからなる。透明基板330において、発光ユニット1,2側の表面は平坦となっていてもよいが、粗面となっていることが好ましい。粗面は、表示領域3Aとの対向領域全体に渡って設けられていてもよいし、表示画素323との対向領域にだけ設けられていてもよい。粗面は、発光素子10R,10G,10Bまたは発光素子40R,40G,40Bから発せられた光が当該粗面に入射したときに入射光を散乱させる程度に細かな凹凸を有している。粗面の凹凸は、例えば、サンドブラストや、ドライエッチングなどによって作製可能である。
【0089】
(駆動回路)
駆動回路は、映像信号に基づいて各表示画素323(各発光ユニット1,2)を駆動するものである。駆動回路は、例えば、表示画素323に接続されたデータ配線321を駆動するデータドライバと、表示画素323に接続されたスキャン配線322を駆動するスキャンドライバとにより構成されている。駆動回路は、例えば、実装基板320上に実装されていてもよいし、表示パネル310とは別体で設けられ、かつ配線(図示せず)を介して実装基板320と接続されていてもよい。
【0090】
[表示装置3の動作・効果]
本実施の形態では、発光ユニット1,2が駆動回路によって、単純マトリクス配置されたデータ配線321およびスキャン配線322を介して駆動(単純マトリクス駆動)される。これにより、データ配線321とスキャン配線322との交差部分近傍に設けられた発光ユニット1,2に順次、電流が供給され、表示領域3Aに画像が表示される。
【0091】
ところで、本実施の形態では、表示画素323として、上記実施の形態の発光ユニット1,2が用いられている。これにより、発光ユニット1,2の絶縁体20,50内を伝播する光による悪影響(例えば、青色光に対する耐光性を有しない樹脂の劣化)を低減したり、発光素子10B,40Bから発せられた光による発光素子10R,40Rの励起も妨げることができる。その結果、色温度の変化や、色再現範囲の減少を小さくすることができるので、画像品質の経年劣化を少なくすることができる。
【0092】
また、本実施の形態において、透明基板330の表面が粗面となっている場合には、発光ユニット1,2から斜め方向に発せられた光の一部が粗面で散乱される。これにより、散乱光の一部が透明基板330を透過し、外部に射出されるので、発光ユニット1,2から斜め方向に発せられた光が透明基板330の裏面で反射されたり、透明基板330内に閉じ込められ、迷光が発生したりするのを低減することができる。従って、透明基板330に起因する光取り出し効率の低下を抑制することができる。
【0093】
以上、複数の実施の形態およびそれらの変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
【0094】
例えば、上記実施の形態等では、発光ユニット1,2が3つの発光素子10,40を含んでいたが、2つの発光素子10だけを含んでいてもよいし、4つ以上の発光素子10,40を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1,2…発光ユニット、3…表示装置、3A…表示領域、3B…フレーム領域、10,10B,10G,10R,40B,40G,40R…発光素子、11,41…第1導電型層、12,42…活性層、13,43…第2導電型層、14,44…第1電極、14A,16A,44A,46A…露出面、15,45…第2電極、16,46…第1絶縁層、17,47…金属層、18,48…第2絶縁層、19,52,53…パッド電極、20,50…絶縁体、20A,20B…開口、31,32,61,62…端子電極、33,50,51…バンプ、34…接続部、40−1…メサ部、49…埋め込み層、310…表示パネル、320…実装基板、330…透明基板、321…データ配線、321A,322A…分枝、322…スキャン配線、323…表示画素、S1,S3…光取り出し面、S2,S4…側面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光波長の互いに異なる複数種類の発光素子を備え、
前記複数種類の発光素子のうち少なくとも1つの種類の発光素子は、
第1導電型層、活性層および第2導電型層を積層してなり、かつ前記第1導電型層、前記活性層および前記第2導電型層が露出した側面を有する半導体層と、
前記第1導電型層と電気的に接続された第1電極と、
前記第2導電型層と電気的に接続された第2電極と、
前記半導体層の表面のうち少なくとも前記活性層の露出面に接する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の表面のうち少なくとも前記活性層の露出面との対向面に接し、かつ前記第1電極および前記第2電極と電気的に分離された金属層と
を有する
発光ユニット。
【請求項2】
前記第1絶縁層および前記金属層は、少なくとも前記側面全体を覆っている
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項3】
前記第1絶縁層は、CVD、蒸着またはスパッタにより形成されたものである
請求項2に記載の発光ユニット。
【請求項4】
前記第1電極は、前記第1導電型層の表面であって、かつ前記活性層とは反対側の表面に接して形成された金属電極であり、
前記第1絶縁層および前記金属層は、前記側面との対向領域から、前記第1電極との対向領域に渡って形成されている
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光ユニット。
【請求項5】
前記第1絶縁層のうち前記第1電極との対向領域に形成されている部分の表面の一部が、前記金属層に覆われていない露出面となっており、
前記複数種類の発光素子のうち前記第1絶縁層および前記金属層を有する発光素子は、前記露出面から前記金属層の表面に渡って形成された第2絶縁層を有する
請求項4に記載の発光ユニット。
【請求項6】
前記第1電極は、前記第1絶縁層および前記金属層に覆われていない露出面を有し、
前記複数種類の発光素子のうち前記第1絶縁層および前記金属層を有する発光素子は、前記第1電極の露出面から、前記第1絶縁層の表面および前記第2絶縁層の表面に渡って形成されたパッド電極を有する
請求項5に記載の発光ユニット。
【請求項7】
前記第1電極は、前記第1絶縁層および前記金属層に覆われていない露出面を有し、
前記複数種類の発光素子のうち前記第1絶縁層および前記金属層を有する発光素子は、前記第1電極の露出面に電気的に接続されると共に、前記第1電極との対向領域および前記金属層の一部との対向領域に形成されたパッド電極を有する
請求項5に記載の発光ユニット。
【請求項8】
前記複数種類の発光素子は、青色光を発する発光素子、緑色光を発する発光素子および赤色光を発する発光素子を含み、
これら3種類の発光素子のうち少なくとも青色光を発する発光素子および緑色光を発する発光素子が、前記半導体層、前記第1電極、前記第2電極、前記第1絶縁層および前記金属層を有する
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光ユニット。
【請求項9】
各発光素子を同一部材で囲む絶縁体をさらに備えた
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の発光ユニット。
【請求項10】
複数の発光ユニットを有する表示パネルと、
映像信号に基づいて各発光ユニットを駆動する駆動回路と
を備え、
各発光ユニットは、発光波長の互いに異なる複数種類の発光素子を有し、
前記複数種類の発光素子のうち少なくとも1つの種類の発光素子は、
第1導電型層、活性層および第2導電型層を積層してなり、かつ前記第1導電型層、前記活性層および前記第2導電型層が露出した側面を有する半導体層と、
前記第1導電型層と電気的に接続された第1電極と、
前記第2導電型層と電気的に接続された第2電極と、
前記半導体層の表面のうち少なくとも前記活性層の露出面に接する第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の表面のうち少なくとも前記活性層の露出面との対向面に接し、かつ前記第1電極および前記第2電極と電気的に分離された金属層と
を有する
表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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