説明

発光制御装置、表示装置、電子機器、および発光装置の制御方法

【課題】発光素子の寿命を延ばす。
【解決手段】画像処理装置100Aの輝度調整部110は輝度制御信号CTL1に基づい
て入力画像信号Ginを補正して出力画像信号Goutを生成する。目標輝度生成部130は
、使用時間Dtに応じた目標輝度Laを生成する。輝度検出部140は発光装置10の輝
度を検出輝度Lbとして出力する。輝度劣化判定部150は目標輝度Laと検出輝度Lb
とを比較してOLED素子の劣化の程度を判定し、検出輝度Lbが目標輝度Laに近づく
ように輝度制御信号CTL1を生成する。目標輝度Laは使用時間Dtが長くなると大き
さが低下するように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光ダイオード(以下「OLED(Organic Light Emitting Diode
)」という)素子などの発光素子の輝度を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を含む複数の画素をマトリクス状に配列した発光装置が各種の電子機器の表示
装置として利用されている。この種の発光装置においては、各発光素子の特性がばらつく
と、各画素の輝度のムラが問題となる。また、発光素子は使用時間が経過すると、駆動信
号に対する発光輝度が低下する。このため、経時変化を含めて駆動信号の大きさを補正し
て所望の輝度で発光素子を発光させる技術が提案されている。
【0003】
くわえて、カラー表示においては、RGBの各色に対応した発光素子を用いることがあ
る。経時劣化の特性は、発光素子の発光色によって異なるのが一般的である。このため、
特許文献1には、使用時間が経過しても各色の発光輝度を一定に保つように駆動信号の大
きさを補正する技術が開示されている。この技術によれば、ホワイトバランスを維持でき
るという利点がある。
【特許文献1】特開平2003−325565号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、使用時間が経過しても常に駆動信号の大きさを一定に
保つため、発光素子の寿命を短くするといった欠点がある。この点について、図21を参
照して説明する。図21に示す劣化特性Q1は、ある発光素子を一定レベルの駆動信号で
駆動した場合の輝度の経時変化を示している。従来の技術では、時間の経過と共に初期状
態の目標輝度Rから輝度が低下するのを駆動信号の大きさを大きくすることによって補正
する。つまり、本来は劣化特性Q1であるところ、矢印分だけ輝度が高くなるように駆動
信号の大きさを制御する。この結果、発光素子に加わる負荷が増大し、劣化速度が加速さ
れ、劣化特性は図中Q2で示す特性に変化する。
【0005】
この点は、単色の表示でもカラー表示でも同様である。特に、カラー表示においては、
劣化が大きい色の発光素子の駆動信号の大きさをホワイトバランスが取れるように補正す
るので、他の色の発光素子について寿命が達する前に、劣化が大きい色の発光素子の寿命
が尽きてしまう。
このような事情に鑑みて、本発明は、発光素子の寿命が短くなるという課題の解決を目
的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明に係る発光制御装置は、複数の発光素子を備えた発
光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給するものであって、前記発光
素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前記使用時間
に応じて生成する目標輝度生成手段と、前記複数の発光素子の一部又は全部の輝度を検出
輝度として検出する輝度検出手段と、前記検出輝度と前記目標輝度とを比較した結果であ
る輝度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正
手段と(例えば、図1に示す輝度劣化判定部150及び輝度調整部110)を備える。
【0007】
この発明によれば、目標輝度を初期状態において発光素子が発光する輝度に固定するの
ではなく、使用時間に応じて大きさが低下するように設定する。発光素子は、使用時間が
経過すると発光輝度が低下する。初期状態の輝度を維持するためには、発光素子に供給す
る駆動信号の大きさを大きくする必要がある。しかしながら、駆動信号の大きさを大きく
すると、輝度劣化の速度が加速され、発光素子の寿命が短くなる。本発明は、使用時間に
応じて目標輝度の大きさが低下するように設定する。これにより、発光素子の寿命を延ば
すことができる。なお、輝度比較結果は、検出輝度と前記目標輝度との比である輝度比で
あることが好ましい。また、補正手段は、検出輝度が目標輝度に近づくように入力画像信
号を補正して出力画像信号を生成することが好ましい。ここで、使用時間は、点灯した時
間を発光素子ごとに累積した時間であってもよいし、発光装置の電源がオン状態となる期
間を累積した時間であってもよい。後者の場合は、発光素子ごとに使用時間を管理しなく
てもよいので、構成を簡素化できる。
【0008】
上述した発光制御装置において、前記輝度検出手段は、前記複数の発光素子の各々の輝
度を検出し前記検出輝度として出力し、前記目標輝度生成手段は、前記使用時間と目標輝
度係数とを対応付けて記憶した目標輝度係数保持手段と、前記使用時間に応じて前記目標
輝度係数保持手段から読み出した前記目標輝度係数と前記入力画像信号を演算して前記目
標輝度を生成する演算手段とを備えることが好ましい(例えば、第1実施形態の画像処理
装置100A)。この場合には、常に、目標輝度と検出輝度とを比較し(例えば、輝度比
の算出)、輝度比較結果に基づいて入力画像信号を補正することができる。しかも、例え
ば、測定用に全画面を最大輝度にするといった特別な画面を表示する必要もない。
【0009】
また、上述した発光制御装置において、表示モードにおいて前記出力画像信号を出力し
、測定モードにおいて所定の階調を表示させる基準画像信号を出力して、前記発光装置に
供給する選択手段(例えば、図5の選択部160)を備え、前記目標輝度生成手段は、前
記使用時間と前記目標輝度とを対応付けて記憶した目標輝度保持手段を備え、前記補正手
段は、前記測定モードにおいて前記検出輝度と前記目標輝度とを比較して輝度比較情報を
生成し、前記表示モードにおいて、前記輝度比較情報に基づいて前記入力画像信号を補正
して前記出力画像信号を生成することが好ましい。この場合には、測定モードにおいて発
光装置を基準画像信号で発光させるので、輝度検出手段が複数の発光素子の各々について
輝度を検出する必要がない。従って、輝度検出手段の構成を簡易にできる。なお、測定モ
ードは、発光装置の電源スイッチが操作されて電源が投入された直後、あるいは、電源ス
イッチが操作されて遮断の指示が入力されてから実際の電源が遮断されるまでの間に設定
することが、利用者に不自然な画像を見せない観点より好ましい。
【0010】
また、上述した発光制御装置において、前記複数の発光素子は画像の表示に寄与しない
特定の発光素子(例えば、図6に示すダミー画素13)を含み、前記輝度検出手段は、前
記特定の発光素子の輝度を検出して前記検出輝度として出力し、前記目標輝度生成手段は
、前記使用時間と前記目標輝度とを対応付けて記憶した目標輝度保持手段を備えることが
好ましい。この場合、特定の発光素子は、画像の表示に寄与しないので、表示画像の品質
を向上することができ、常に、輝度劣化を補正することが可能となる。
【0011】
次に、本発明に係る他の発光制御装置は、複数の発光素子を備えた発光装置に対して入
力画像信号を補正した出力画像信号を供給するものであって、前記発光素子の使用時間が
長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前記使用時間に応じて生成する
目標輝度生成手段と、前記複数の発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝
度を生成する推定輝度生成手段と、前記推定輝度と前記目標輝度とを比較した結果である
輝度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手
段とを備える(例えば、図7に示す発光制御装置100D)。この発明によれば、発光素
子の輝度を推定するので、輝度検出手段を省略して構成を簡易にすることができる。輝度
比較結果は推定輝度と目標輝度との比である輝度比であることが好ましい。
【0012】
より具体的には、前記目標輝度生成手段は、前記使用時間と目標輝度係数とを対応付け
て記憶した目標輝度係数保持手段と、前記使用時間に応じて前記目標輝度係数保持手段か
ら読み出した前記目標輝度係数と前記入力画像信号を演算して前記目標輝度を生成する演
算手段とを備え、前記推定輝度生成手段は、前記使用時間と推定輝度係数とを対応付けて
記憶した推定輝度係数保持手段と、前記使用時間に応じて前記推定輝度係数保持手段から
読み出した前記推定輝度係数と前記入力画像信号を算出して前記推定輝度を生成する算出
手段とを備えることが好ましい。この場合には、目標輝度係数と推定輝度係数を使用時間
に対応付けて記憶し、これらに基づいて目標輝度と推定輝度を生成することができる。
【0013】
また、上述した発光制御装置は、複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信
号を補正した出力画像信号を供給するものであって、前記発光素子の使用時間が長くなる
と大きさが低下するように設定された目標輝度と前記複数の発光素子の輝度を前記使用時
間に応じて推定した推定輝度との比較結果である輝度比較情報を前記使用時間に対応付け
て記憶した記憶手段と、前記使用時間に応じて前記記憶手段から読み出した前記輝度比較
情報に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段とを備
える。この発明によれば、輝度比較情報を記憶手段に記憶するので、目標輝度係数や推定
輝度係数といった2種類の変数を記憶する必要がない。従って、記憶手段の記憶容量を削
減することができる。
【0014】
次に、本発明に係わる他の発光制御装置は、各々がRGB色のいずれかを発光する複数
の発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給するも
のであって、前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するよ
うに目標色度を生成する目標色度生成手段と、前記複数の発光素子の一部又は全部の色度
を検出色度として検出する色度検出手段と、前記検出色度と前記目標色度と比較した結果
である色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する
補正手段とを備える。
【0015】
この発明によれば、発光素子の使用時間が経過した場合に、白色の色度を一定に保つの
ではなく、使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するように目標色度を設
定する。RGB色を発光する発光素子の劣化の程度は、発光色によって相違する。このた
め、ホワイトバランスを初期状態に維持しようとすると、劣化の程度の大きい発光素子に
供給する駆動信号の大きさを大きくする必要がある。すると、当該発光素子の劣化速度が
より大きくなり、他の発光素子に比較して寿命がより一層短くなる。この発明によれば、
使用時間に応じて白色の色度を変化させるため、劣化の程度の大きい発光素子の寿命を延
ばすことができる。しかも、目標とする白色の輝度は、黒体放射軌跡上を推移するように
設定されるので、表示される画像は自然な白色となる。ここで、目標の色度を黒体放射軌
跡上に沿って推移させる方向は、色温度の低い方向と高い方向の2方向が考えられ、いず
れを選択するかは、発光素子の劣化を小さくする方向とすればよい。すなわち、RGB色
の発光素子うち最も劣化速度の大きい発光素子の発光色が白色に寄与する割合が少なくな
る方向を選択すればよい。例えば、B色の発光素子の劣化速度が最も大きい場合には、色
温度が低くなる方向に目標色度を推移させればよい。なお、色度比較結果は検出色度と目
標色度との比である色度比であってもよい。
【0016】
この発光制御装置において、前記複数の発光素子の一部又は全部の輝度を検出輝度とし
て検出する輝度検出手段と、前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するよう
に設定された目標輝度を前記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段とを備え、前記
補正手段は、前記検出輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較結果及び前記
色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成することが
好ましい。この場合には、白色の色度のみならず白色の輝度も考慮して、補正を施すこと
ができるので、発光素子の寿命をより一層延ばすことが可能となる。
【0017】
次に、本発明に係る他の発光制御装置は、各々がRGB色のいずれかを発光する複数の
発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給するもの
であって、前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するよう
に目標色度を生成する目標色度生成手段と、前記複数の発光素子の色度を前記使用時間に
応じて推定して推定色度を生成する推定色度生成手段と、前記推定色度と前記目標色度と
を比較した結果である色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像
信号を生成する補正手段とを備える。この発明によれば、発光装置の色度を直接検出する
のではなく、これを推定するので、色度検出手段を省略することができる。
【0018】
さらに、発光制御装置は、前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するよう
に設定された目標輝度を前記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段と、前記複数の
発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝度を生成する推定輝度生成手段と
を備え、前記補正手段は、前記推定輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較
結果及び前記色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生
成することが好ましい。この場合には、白色の輝度を考慮して、補正を施すことができる
ので、発光素子の寿命をより一層延ばすことができる。くわえて、発光装置の輝度を直接
検出するのではなく、これを推定するので、輝度検出手段を省略することができる。
【0019】
次に、本発明に係る表示装置は、複数の発光素子を備え、供給される画像信号の大きさ
に応じた輝度で前記複数の発光素子を発光させる発光装置と、上述した発光制御装置とを
備える。この表示装置によれば、発光素子の寿命が延びるので、表示装置全体の寿命を延
ばすことができる。
次に、本発明に係る電子機器は、上述した表示装置を備える。このような電子機器とし
ては、パーソナルコンピュータや携帯電話機などがある。
【0020】
次に、本発明に係る発光装置の制御方法は、複数の発光素子を備え、供給される画像信
号に従って前記複数の発光素子を発光させる発光装置を制御する方法であって、前記発光
素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように目標輝度を生成し、前記複数の発光
素子の一部又は全部の輝度を検出輝度として検出し、前記検出輝度と前記目標輝度とを比
較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記発光装置に供給することを特徴とする
。この発明によれば、目標輝度を固定して補正するのではなく、使用時間に応じて目標輝
度の大きさが低下するように変化させるので、発光素子の寿命を延ばすことができる。
【0021】
また、本発明に係る他の発光装置の制御方法は、複数の発光素子を備え、供給される画
像信号に従って前記複数の発光素子を発光させる発光装置を制御する発光装置の制御方法
であって、前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように目標輝度を生成
し、前記発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝度を生成し、前記推定輝
度と前記目標輝度とを比較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記発光装置に供
給することを特徴とする。この発明によれば、発光装置の輝度を推定するので、輝度を検
出しなくてもすむ。
【0022】
また、本発明に係る他の発光装置の制御方法は、各々がRGB色のいずれかを発光する
複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従って前記複数の発光素子を発光させる発
光装置を制御する方法であって、前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射
軌跡上を推移するように目標色度を生成し、前記複数の発光素子の一部又は全部の色度を
検出色度として検出し、前記検出色度と前記目標色度とを比較し、比較結果に基づいて画
像信号を補正して前記発光装置に供給することを特徴とする。この発明によれば、白色の
色度を使用時間に応じて変化させるので、発光素子の寿命を延ばすことができる。しかも
、目標色度を黒体放射軌跡に沿って推移させるので、自然な白色を表示させることができ
る。
【0023】
また、本発明に係る他の発光装置の制御方法は、各々がRGB色のいずれかを発光する
複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従って前記複数の発光素子を発光させる発
光装置を制御する発光方法であって、前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体
放射軌跡上を推移するように目標色度を生成し、前記複数の発光素子の色度を前記使用時
間に応じて推定して推定色度を生成し、前記推定色度と前記目標色度とを比較し、比較結
果に基づいて画像信号を補正して前記発光装置に供給することを特徴とする。この発明に
よれば、発光装置の色度を推定するので、色度を検出しなくてもすむ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
<1:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この表
示装置1Aは、各種の電子機器に搭載されて画像を表示するために用いられ、図1に示さ
れるように、複数の画素Pが配列された発光装置10と、発光装置10が表示する画像に
ついて所定の処理を実行する画像処理装置100Aとを含む。
【0025】
発光装置10は、X方向(行方向)に延在するm本の走査線12と、X方向と直交する
Y方向(列方向)に延在するn本のデータ線14とを含む(mおよびnは自然数)。各画
素Pは、発光装置10に画定された所定の領域(以下「表示領域」という)11のうち走
査線12とデータ線14との各交差に対応する位置に配置される。したがって、これらの
画素Pは、X方向およびY方向にわたって縦m行×横n列のマトリクス状に配列する。ひ
とつの画素Pは、発光装置10が出力する画像の最小の単位となる要素であり、電気エネ
ルギの付与によって駆動される発光素子を含む。本実施形態の発光素子は、相互に対向す
る陽極と陰極との間隙に有機EL(ElectroLuminescent)材料からなる発光層を介在させ
た構造のOLED素子(発光素子)である。このOLED素子は白色で発光し、その前面
に設けられたRGB色のカラーフィルターによって、カラー表示が可能となっている。な
お、OLED素子はRGBの各色で発光する発光素子を用いてもよい。
【0026】
発光装置10は、各画素Pを駆動する走査線駆動回路16およびデータ線駆動回路18
を含む。走査線駆動回路16は、複数の走査線12の各々を順番に選択する回路である。
データ線駆動回路18は、各画素Pに指定される階調に応じたレベル(電圧値または電流
値)のデータ信号を各データ線14に出力する。各画素Pの輝度は、画像処理装置100
Aから出力される出力画像信号Goutによって指定される。走査線駆動回路16が選択し
た走査線12に対応する各画素Pは、その選択時のデータ信号に応じた電気エネルギが発
光素子に付与されることで、所定の輝度に制御される。
【0027】
画像処理装置100Aには入力画像信号Ginが供給される。この入力画像信号Ginは、
表示装置1Aが搭載される電子機器のCPU(Central Processing Unit)など各種の
上位装置から供給されるデジタル信号である。入力画像信号Ginは、画素Pの輝度を指定
する。画像処理装置100Aは、発光素子の劣化を考慮して、入力画像信号Ginを補正し
て得た出力画像信号Goutをデータ線駆動回路18に出力する。なお、図1においては画
像処理装置100Aが発光装置10とは別個の要素として図示されているが、画像処理装
置100Aの一部または全部は、発光装置10に実装されていてもよいし、走査線駆動回
路16やデータ線駆動回路18のICチップに搭載されていてもよい。
【0028】
画像処理装置100Aは、輝度調整部110、時間計測部120、目標輝度生成部13
0、輝度検出部140、及び輝度劣化判定部150を備える。時間計測部120は、装置
を使用している期間に時間を計測し、累算した時間を使用時間Dtとして出力する。より
詳細には、使用時間Dtは、点灯した時間をOLED素子ごとに累積した時間であっても
よいし、発光装置10の電源がオン状態となる期間を累積した時間であってもよい。後者
の場合は、OLED素子ごとに使用時間Dtを管理しなくてもよいので、構成を簡素化で
きる。目標輝度生成部130は、目標輝度係数保持部131と演算部132とを備える。
目標輝度係数保持部131は使用時間Dtと目標輝度係数Xaとを対応付けて記憶してお
り、使用時間Dtに対応する目標輝度係数Kaを出力する。目標輝度係数Xaとは、入力
画像信号Ginが所定の階調を指示するとき、初期状態(劣化がない状態)におけるOLE
D素子の発光輝度をX、補正を施した現在の状態においてOLED素子を発光させる輝度
をXaとしたとき、Ka=Xa/Xで与えられる。演算部132は入力画像信号Ginに目
標輝度係数Xaを乗算して、入力画像信号Ginに応じた目標輝度Laを生成する。
【0029】
図2に入力画像信号Ginが最大の階調を指示する場合の目標輝度Lamaxと劣化特性Q
1の関係を示す。本実施形態においては、目標輝度Lamaxを一定に設定するものではな
く、使用時間に応じて変化させている。図示する例では、目標輝度Lamaxは時間経過に
ともなって単調に減少する。この場合、画像処理装置100Aは発光輝度を矢印分だけ下
げるように入力画像信号Ginを補正して出力画像信号Goutを生成する。発光装置10は
、上述したように出力画像信号Goutの値に応じてOLED素子の駆動信号の大きさを設
定する。ここで、劣化特性Q1は一定の大きさでOLED素子を駆動した場合の使用時間
と輝度の関係を示すものである。この例では、駆動信号の大きさを時間経過にともなって
減少させるのでOLED素子の劣化速度は、一定レベルで駆動する場合より延びる。
【0030】
図3に劣化特性Q1と補正後の劣化特性Q2を示す。この図に示されるように、目標輝
度Lamaxを使用時間の経過に伴って単調に減少させると、OLED素子の劣化速度が遅
くなり、寿命を延ばすことができる。即ち、本実施形態では、ある程度の輝度劣化を許容
することによって発光装置10の寿命を大幅に延ばすことが可能となる。
ここで、発光輝度として許容できる最低の輝度を許容輝度Lminとすると、目標輝度L
amaxは劣化特性Q2の許容輝度Lminに対応する点Zを通過することが好ましい。この場
合には、OLED素子の発光輝度が許容輝度Lminに達した時間Txに至る時点で、補正
量が「0」となり、寿命に達することになる。もっとも、目標輝度Lamaxの傾きを図に
示すものより緩やかにしてもよい。
【0031】
説明を図1に戻す。輝度検出部140は表示領域11の輝度を検出し、検出輝度Lbと
して出力する。輝度劣化判定部150は目標輝度Laと検出輝度Lbに基づいてOLED
素子の劣化の程度を特定し、輝度制御信号CTL1を生成する。具体的には、La/Lb
を輝度制御係数n(輝度比)として算出し、輝度制御係数nを示す輝度制御信号CTL1
とする。輝度調整部110は、輝度制御信号CTL1に基づいて、OLED素子の発光輝
度(検出輝度Lb)が目標輝度Laとなるように出力画像信号Goutを生成する。具体的
には、入力画像信号Ginに輝度制御係数nを乗算して、出力画像信号Goutを生成する。
【0032】
上述した画像処理装置100Aの機能は、CPU等のコンピュータにおける処理で実現
することも可能である。
図4は、CPUを用いて画像処理装置100Aを構成した場合の動作を示すフローチャ
ートである。まず、CPUは、表示輝度を検出し(ステップS1)、輝度劣化を判定する
(ステップS2)。そして、輝度劣化の程度に応じて、表示輝度が目標輝度となるように
輝度制御信号を生成し(ステップS3)、輝度制御信号に基づいて入力画像信号を補正し
て出力画像信号を生成する(ステップS4)。続いて、出力画像信号を発光装置10に供
給して画像を表示させる(ステップS5)。CPUは表示終了か否かを判定し、表示終了
でない場合には処理をスッテプS1に戻し、ステップS1〜S6までの処理を繰り返す。
一方、表示終了である場合には処理を終了する。
このように本実施形態においては、使用時間に応じて目標輝度を低下させることにより
、OLED素子の劣化速度を制御したので、OLED素子の寿命を大幅に延ばすことが可
能となる。
【0033】
<2:第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この表
示装置1Bは、画像処理装置100Aの替わりに画像処理装置100Bを用いる点を除い
て、図1に示す第1実施形態の表示装置1Aと同様に構成されている。上述した第1実施
形態においては、リアルタイムで輝度の劣化を測定し、この測定結果を表示輝度に反映さ
せていた。このため、輝度検出部140は各画素Pの輝度を各々検出する必要があった。
第2実施形態では、所定のタイミングで表示輝度を測定し、輝度制御信号CTL1を生成
する点で第1実施形態と相違する。
【0034】
画像処理装置100Bは、選択部160が追加された点と目標輝度生成部130の替わ
りに目標輝度生成部130aを用いる点が画像処理装置100Aと相違する。選択部16
0は、通常の表示モードでは入力画像信号Ginを選択する一方、測定モードでは基準画像
信号Grefを選択する。すなわち、測定モードでは基準画像信号Grefが発光装置10に供
給される一方、表示モードでは補正が施された出力画像信号Goutが発光装置10に供給
される。基準画像信号Grefは所定の階調(例えば、最大階調)を指定する。輝度調整部
110は測定モードにおいて基準画像信号Grefをそのまま出力画像信号Goutとして出力
する一方、表示モードでは、第1実施形態と同様に輝度制御信号CTL1に基づいて、入
力画像信号Ginを補正して出力画像信号Goutを生成する。
【0035】
また、目標輝度生成部130aは目標輝度保持部133を備える。目標輝度保持部13
3は、基準画像信号Grefの階調における目標輝度Laを使用時間Dtに対応付けて記憶
しており、使用時間Dtが時間計測部120から供給されると、対応する目標輝度Laを
出力する。例えば、基準画像信号Grefが最大階調を指示する場合には、目標輝度Laは
図2に示す目標輝度Lamaxと一致する。輝度劣化判定部150は、測定モードにおいて
検出輝度Lbと目標輝度Laに基づいて輝度制御信号CTL1を生成する。具体的にはL
a/Lb(輝度比)を算出して、この算出結果を示す輝度制御信号CTL1を生成し、こ
れを図示せぬメモリに記憶する。そして、輝度劣化判定部150は、表示モードにおいて
輝度制御信号CTL1をメモリから読み出して、輝度調整部110に供給する。なお、輝
度劣化判定部CTLは、測定モードにおいて輝度制御信号CTL1の値を可変させ、目標
輝度Laと検出輝度Lbが一致したときの値をメモリに記憶するようにしてもよい。なお
、一旦、記憶された輝度制御信号CTL1は、次の測定モードにおいて、その値が更新さ
れるまで維持される。
【0036】
この表示装置1Bによれば、画面全体を同一の輝度で発光させ、これを輝度検出部14
0で検出すればよいので、画素Pごとに表示輝度を検出しなくてもよい。このため、輝度
検出部140の構成を簡易なものにすることができる。
なお、測定モードは、例えば、表示装置1Aに電源が投入された直後の所定期間、ある
いは、電源の遮断指示が入力されてから実際に電源が遮断されるまでの期間の一部又は全
部に設定すればよい。前者は、表示に先立って補正することが可能となるので、表示輝度
をより正確に目標輝度に近づけることができる。一方、後者は、ユーザが画像表示を希望
するときに以前の測定結果を用いて直ちに画像を表示することが可能となる。
【0037】
<3:第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この表
示装置1Cは、発光パネル10において、表示領域11の外側で画像が表示されない非表
示領域にダミー画素13を設け、これに隣接してセンサ15を設けた点を除いて、図5に
示す第2実施形態の表示装置1Bと同様に構成されている。
【0038】
この画像処理装置100Bにおいて、選択部160は、1フレームに1回、基準画像信
号Grefを選択する。ダミー画素13は、基準画像信号Grefの指示する階調に応じた輝度
で発光する。センサ15はダミー画素13のOLED素子の光量を電気信号に変換して輝
度検出部140に出力する。センサ15は例えばフォトトランジスタで構成される。
以上の構成によれば、表示すべき画像と無関係に発光させるダミー画素13を用いて、
輝度劣化を常時計測することができるので、測定モードと表示モードを分けて表示装置1
Cを動作させる必要はなく、リアルタイムで輝度劣化を補正することが可能となる。なお
、ダミー画素のOLED素子を常時、一定のレベルで駆動して選択部160を省略しても
よい。
【0039】
<4:第4実施形態>
図7は、本発明の第4実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この表
示装置1Dは、画像処理装置100Aの替わりに画像処理装置100Dを用いる点を除い
て、図1に示す第1実施形態の表示装置1Aと同様に構成されている。上述した第1実施
形態では、リアルタイムで輝度の劣化を測定し、この測定結果を表示輝度に反映させてい
た。このため、画像処理装置100Aは輝度検出部140を備える。本実施形態の画像処
理装置100Dは、輝度検出部160の替わりに推定輝度生成部180を備える点で、上
述した画像処理装置100Aと相違する。
【0040】
推定輝度生成部180は、使用時間Dtに基づいてOLED素子の劣化を予測して、現
在の状態のOLED素子の発光輝度を推定し、推定輝度Leを生成する。推定輝度生成部
180は、算出部181と推定輝度係数保持部182を備える。推定輝度係数保持部18
2は、推定輝度係数Kbを使用時間Dtに対応付けて記憶しており、使用時間Dtが時間
計測部120から供給されると、推定輝度係数Kbを出力する。推定輝度係数Kbは、入
力画像信号Ginが所定の階調を指示するとき、初期状態(劣化がない状態)においてOL
ED素子の発光輝度をX、現在の状態において補正なしにOLED素子を発光させた場合
の輝度をXbとしたとき、Kb=Xb/Xで与えられる。算出部181は、入力画像信号
Ginに推定輝度係数Kbを乗算して推定輝度Leを算出する。図8にある使用時間Taに
おける初期状態の輝度Xと現在の輝度Xbの関係を示す。
【0041】
輝度劣化判定部150は目標輝度Laと推定輝度Leに基づいてOLED素子の劣化の
程度を特定し、輝度制御信号CTL1を生成する。具体的には、La/Le(輝度比)を
輝度制御係数nとして算出し、輝度制御係数nを示す輝度制御信号CTL1とする。
このように本実施形態においては、推定輝度生成部180によって現在のOLED素子
の劣化を推定して推定輝度Leを生成したので、輝度検出部160を省略することができ
、構成を簡易にできる。
【0042】
なお、輝度制御係数nは以下に示す式(1)で与えられる。
n=La/Le=(Gin*Ka)/(Gin*Kb)=Ka/Kb…(1)
このため、演算部131および算出部181を省略して目標輝度係数Kaと推定輝度係
数Kbを輝度劣化判定部150に供給し、輝度劣化判定部150において式(1)を演算
することによって、輝度制御係数nを算出してもよい。
【0043】
さらに、式(1)は以下に示す式(2)に変形できる。
n=Ka/Kb=Xa/Xb…(2)
すなわち、輝度制御係数nは、現在の使用時間Dtにおいて、所定の階調が入力された
ときにOLED素子を発光させる目標輝度と、補正がないとした場合にOLED素子が発
光する発光輝度を推定して得られた推定輝度の輝度比である。そこで、画像処理装置10
0Eを図9に示すように構成してもよい。輝度制御係数保持部190は、輝度制御係数n
を使用時間Dtに対応付けて記憶している。輝度制御係数保持部190に使用時間Dtが
時間計測部120から供給されると、輝度制御係数nが読み出され、これが輝度制御信号
CTL1として輝度調整部110に供給される。この例によれば、画像処理装置100E
の構成を簡易なものにすることができる。
【0044】
<5:第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この
表示装置2Bは、画像処理装置100Bの替わりに画像処理装置200Bを用いる点、発
光素子としてRGB各色を発光する3種類のOLED素子を用いる点を除いて、図5に示
す第2実施形態の表示装置1Bと同様に構成されている。上述した第1乃至第4実施形態
では、輝度を補正するものであったが、本実施形態は、輝度と色度の双方を補正し、これ
によって、OLED素子の高寿命化を図るものである。
【0045】
画像処理装置200Bは、時間計測部120、目標輝度保持部133、選択部160、
輝度・色度調整部210、目標色度保持部230、輝度・色度検出部240、及び制御信
号生成部250を備える。このうち、時間計測部120、目標輝度保持部133及び選択
部160は、第2実施形態と同様に構成されている。目標輝度保持部133は、白色の目
標輝度Laと使用時間Dtとを対応付けて記憶している。また、目標色度保持部230は
使用時間Dtと白色の目標色度Caとを対応付けて記憶している。
【0046】
図11に、白色の目標色度Caと使用時間Dtの関係を示す。この図に示す黒四角は、
使用時間Dtが相違する白色の目標色度Caである。本実施形態では、白色の目標色度C
aを使用時間Dtに応じて変化させている。より詳細には、使用時間Dtに応じて、白色
の目標色度Caが黒体放射軌跡Vに沿って推移するように設定している。黒体放射軌跡V
とは、完全黒体(外部の光を一切反射しない物質)を想定し、その黒体が高温になったと
きに放つ色の変化を色度図上にプロットした場合の軌跡である。また、第1乃至第4実施
形態と同様に白色の目標輝度Laを使用時間Dtに応じて変化させている。
【0047】
このように目標色度Ca及び目標輝度Laを使用時間Dtに応じて変化させるのは、以
下の理由による。例えば、図12(A)に示すように、初期状態においてRGB各色のO
LED素子の発光色の色度が、r(0.67、0.33)、g(0.21、0.71)、b(0.14、0.08)
であったとする。白色の色度WはW(0.30、0.30)であり、白色の輝度Lwは104cd
/mとなる。ここで、B色の輝度が104cd/mから同図(B)に示すように52c
d/mに半減したとする。この場合、初期状態と同じ白色の輝度を維持するためには、
B色のOLED素子に2倍の駆動電流を供給して、これを104cd/mで発光させる
必要がある。しかしながら、2倍の駆動電流を供給すると、B色のOLED素子の劣化が
より一層加速され、発光パネル10の寿命が短くなってしまう。
【0048】
そこで、本実施形態においては、使用時間Dtが経過すると、例えば、同図(C)に示
すように目標色度Caを設定する。この例では、白色の目標色度CaをW(0.32、0.33)
としている。この場合、B色のOLED素子の輝度は、78cd/mとなり、初期状態
と比較して駆動電流を約1.3倍に設定すればよい。つまり、図13に示すようにB色の
OLED素子は初期状態Z0から経時変化によって状態Z1に移行する。このとき、初期
状態Z0を目標とするのでなく、白色の色度に関する条件を緩和して状態Z2となるよう
に補正する。ここで、目標色度Caが黒体放射軌跡上を推移するように設定する。人が白
と感ずる色は黒体放射軌跡上にあり、これを外れると人は色味を感ずる。従って、黒体放
射軌跡上に目標色度Caを設定することによって、自然な色を表示しつつ、発光装置10
の寿命を延ばすことが可能となる。
【0049】
説明を図10に戻す。輝度・色度検出部240は、RGB色の各々に対応した複数のセ
ンサを備える。選択部160は、上述した第2実施形態と同様に測定モードにおいて、白
色の画像を表示させる基準画像信号Grefを選択する。測定モードにおいて、輝度・色度
検出部240は、各色の光量を計測し、計測結果に基づいて検出輝度Lb及び検出色度C
bを生成する。ここで、検出色度Cbは、RGB各色の成分Ctr(Xtr,Ytr)、
Ctg(Xtg,Ytg)、Ctb(Xtb,Ytb)から構成される。
【0050】
制御信号生成部250は、上述した実施形態と同様に、白色の目標輝度Laと白色の検
出輝度Lbに基づいて輝度制御信号CTL1を生成する。具体的には、輝度制御信号CT
L1は以下に示す式(3)で与えられる。
CTL1=La/Lb……(3)
【0051】
また、制御信号生成部250は、OLED素子の 初期状態における白色の色度IniCrmW
に対する各成分色群の初期比率を保持する。なお、比の総和は「1」になるように調整さ
れている。初期状態におけるRGB色の各光量をri,gi,biとし、調整された初期
比率をRx,Gx,Bxとすると、初期比率をRx,Gx,Bxは、以下の式(4)〜(
6)で与えられる。
Rx=ri/(ri+gi+bi)……(4)
Gx=gi/(ri+gi+bi)……(5)
Bx=bi/(ri+gi+bi)……(6)
【0052】
制御信号生成部250は、検出色度Ctr(Xtr,Ytr)、Ctg(Xtg,Yt
g)、Ctb(Xtb,Ytb)並びに目標色度Ca(Xw,Yw)に基づいて、RGB
色の各成分rt、gt、btを以下の式(7)〜(9)に従って算出する。
rt={(Xw−Xtg)(Yw−Ytb)−(Xw−Xtb)(Yw−Ytg)}×
Ytr…(7)
gt={(Xw−Xtb)(Yw−Ytr)−(Xw−Xtr)(Yw−Ytb)}×
Ytg…(8)
bt={(Xw−Xtr)(Yw−Ytg)−(Xw−Xtg)(Yw−Ytr)}×
Ytb…(9)
ここで、RGB色の各成分rt、gt、btは、検出色度Cbと目標色度Caとを比較
した比較結果である。
【0053】
また、制御信号生成部250は、RGB色の各成分rt、gt、btの比率の総和が「
1」になるように調整した目標比率Rn、Gn、Bnを、以下に示す式(10)〜(12
)に従って算出する。
Rn=rt/(rt+gt+bt)……(10)
Gn=gt/(rt+gt+bt)……(11)
Bn=bt/(rt+gt+bt)……(12)
【0054】
さらに、制御信号生成部250は、目標比率Rn、Gn、Bnを、初期比率Rx,Gx
,Bxで除算して色度制御信号CTL2を算出する。色度制御信号CTL2は、以下の式
で与えられる。
CTL2(r,g,b)=(Rn/Rx,Gn/Gx,Bn/Bx)……(13)
次に、輝度・色度調整部210は、以下に示す式(14)に従って出力画像信号Gout
を生成する。
Gout=Gin×CTL1×CTL2……(14)
【0055】
上述した画像処理装置200Bの機能は、CPU等のコンピュータにおける処理で実現
することも可能である。
図14は、CPUを用いて画像処理装置200Bを構成した場合の動作を示すフローチ
ャートである。まず、CPUは、輝度及び色度を検出し(ステップS11)、輝度及び色
度の劣化を判定する(ステップS12)。そして、輝度及び色度の劣化の程度に応じて、
表示輝度及び表示色度が目標輝度及び目標色度となるように輝度制御信号及び色度制御信
号を生成し(ステップS13)、輝度制御信号及び色度制御信号に基づいて入力画像信号
を補正して出力画像信号を生成する(ステップS14)。続いて、出力画像信号を発光パ
ネル10に供給して画像を表示させる(ステップS15)。CPUは表示終了か否かを判
定し、表示終了でない場合には処理をスッテプS11に戻し、ステップS11〜S16ま
での処理を繰り返す。一方、表示終了である場合には処理を終了する。
【0056】
このように第5実施形態においては、輝度だけでなく色度についても、使用時間Dtに
応じて変化する目標を設定して、入力画像信号Ginを補正して出力画像信号Goutを生成
したので、発光パネル10の寿命を大幅に延ばすことができる。しかも、目標色度は黒体
放射軌跡上を推移するように設定したので、白色の品質を損なうこともない。
【0057】
なお、第5実施形態の画像処理装置200Bは、目標輝度保持部133及び目標色度保
持部230を備えるものであったが、第1実施形態と同様に、これらの替わりに入力画像
信号Ginの大きさに応じた目標輝度を生成する目標輝度生成部と目標色度生成部を備える
ものであってもよい。この場合には、輝度・色度検出部240は、各画素Pに各々対応し
てOLED素子の光量を検出する。そして、目標輝度生成部は、目標輝度係数を使用時間
と対応付けて記憶した目標輝度係数保持部と目標輝度算出部とを備える。使用時間に応じ
た目標輝度係数が目標輝度係数保持部から読み出されると、目標輝度算出部は目標輝度係
数と入力画像信号とを乗算して目標輝度を生成する。また、目標色度生成部は、目標色度
係数を使用時間と対応付けて記憶した目標色度係数保持部と目標色度算出部とを備える。
使用時間に応じた目標色度係数が目標色度係数保持部から読み出されると、目標色度算出
部は目標色度係数と入力画像信号とを乗算して目標色度を生成する。この場合には、測定
モードを設けることなく、常時、補正をすることが可能となる。
【0058】
<6:第6実施形態>
図15は、本発明の第6実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この
表示装置2Cは、画像処理装置100Bの替わりに画像処理装置200Cを用いる点、発
光パネル10において、表示領域11の外側で画像が表示されない非表示領域にダミー画
素13を設け、これに隣接してセンサ15を設けた点を除いて、図10に示す第5実施形
態の表示装置2Bと同様に構成されている。
この画像処理装置200Bにおいて、選択部160は、1フレームに1回、基準画像信
号Grefを選択する。ダミー画素13は、RGB各色を発光する3種類のOLED素子を
備える、基準画像信号Grefの指示する階調に応じた輝度で発光する。センサ15はダミ
ー画素13のOLED素子の光量を電気信号に変換して輝度・色度検出部240に出力す
る。センサ15は例えばフォトトランジスタで構成される。
以上の構成によれば、表示すべき画像と無関係に発光させるダミー画素13を用いて、
輝度の劣化及び色度の劣化を常時計測することができるので、測定モードと表示モードを
分けて表示装置2Cを動作させる必要はなく、リアルタイムで画質劣化を補正することが
可能となる。
【0059】
<7:第7実施形態>
図16は、本発明の第7実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。この
表示装置2Dは、画像処理装置200Bの替わりに画像処理装置200Dを用いる点を除
いて、図10に示す第5実施形態の表示装置2Bと同様に構成されている。上述した第5
実施形態では、リアルタイムで輝度及び色度の劣化を測定し、この測定結果を出力画像信
号Goutに反映させていた。このため、画像処理装置200Bは輝度・色度検出部240
を備える。本実施形態の画像処理装置200Dは、輝度・色度検出部160の替わりに輝
度・色度推定部280を備える点で、上述した画像処理装置200Bと相違する。
【0060】
目標輝度生成部130は、目標輝度係数を使用時間Dtと対応付けて記憶した目標輝度
係数保持部135と目標輝度算出部136とを備える。使用時間Dtに応じた目標輝度係
数が目標輝度係数保持部135から読み出されると、目標輝度算出部136は目標輝度係
数と入力画像信号Ginとを乗算して目標輝度Laを生成する。また、目標色度生成部26
0は、目標色度係数を使用時間Dtと対応付けて記憶した目標色度係数保持部265と目
標色度算出部266とを備える。使用時間Dtに応じた目標色度係数が目標色度係数保持
部265から読み出されると、目標色度算出部266は目標色度係数と入力画像信号Gin
とを乗算して目標色度Caを生成する。
【0061】
輝度・色度推定部280は、使用時間Dtに基づいてOLED素子の劣化を予測して、
現在の状態のOLED素子の発光輝度を推定し、推定輝度Le及び推定色度Ceを生成す
る。輝度・色度推定部280は、推定輝度算出部281、推定色度算出部282、推定輝
度係数保持部283、及び推定色度係数保持部284を備える。推定輝度係数保持部28
3は、推定輝度係数Kfを使用時間Dtに対応付けて記憶しており、使用時間Dtが時間
計測部120から供給されると、推定輝度係数Kfを出力する。推定輝度係数Kfは、入
力画像信号Ginが白色を指示するとき、初期状態(劣化がない状態)においてOLED素
子の発光輝度をX、現在の状態において補正なしにOLED素子を発光させた場合の輝度
をXbとしたとき、Kf=Xb/Xで与えられる。輝度算出部281は、入力画像信号G
inに推定輝度係数Kfを乗算して推定輝度Leを算出する。
【0062】
推定色度係数保持部284は、推定色度係数Kgを使用時間Dtに対応付けて記憶して
おり、使用時間Dtが時間計測部120から供給されると、推定色度係数Kgを出力する
。推定色度係数Kgは、入力画像信号Ginが白色の色度を指示するとき、初期状態(劣化
がない状態)においてOLED素子が発光して得られ色度をXw、現在の状態において補
正なしにOLED素子を発光させた場合の色度をXcとしたとき、Kg=Xc/Xwで与
えられる。色度算出部282は、入力画像信号Ginに推定色度係数Kgを乗算して推定色
度Ceを算出する。
【0063】
制御信号生成部250は、検出輝度Lbの替わりに推定輝度Leを用い、検出色度Cb
の替わりに推定色度Ceを用いて、輝度制御信号CTL1と色度制御信号CTL2とを生
成する。
このように本実施形態においては、輝度・色度推定部280によって現在のOLED素
子の劣化を予測して推定輝度Le及び推定色度Ceを生成したので、輝度・色度検出部2
40を省略することができ、構成を簡易にできる。
【0064】
なお、画像処理装置200Dの替わりに図17に示す画像処理装置200Eを用いても
よい。この場合、輝度・色度制御係数保持部290は、輝度制御係数と色度制御係数を使
用時間Dtに対応付けて記憶している。輝度・色度制御係数保持部290に使用時間Dt
が時間計測部120から供給されると、輝度制御係数と色度制御係数が読み出され、これ
が輝度制御信号CTL1及び色度制御信号CTL2として輝度・色度調整部210に供給
される。この例によれば、画像処理装置200Eの構成を簡易なものにすることができる

【0065】
<8:変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる変形が可
能である。
(1)上述した実施形態においては、OLED素子を含む画素Pを例示したが、画素Pに
含まれる発光素子はこの例示に限定されない。例えば、無機EL材料からなる発光層を含
む素子やLED(Light Emitting Diode)素子あるいはプラズマの放電によって発光する
プラズマ発光素子など様々な素子を採用することができる。
【0066】
(2)上述した実施形態は、OLED素子の特性劣化をその寿命という長期的な観点から
補正したが、比較的短期間の輝度変動を併せて補正してもよい。例えば、OLED素子の
発光輝度は、温度や一日の使用時間によっても変動する。輝度検出部140を有する第1
乃至第3実施形態、並びに輝度・色度検出部240を有する第5及び第6実施形態では、
短期的な変動も補正することができる。一方、輝度を推定する第4実施形態及び輝度・色
度を推定する第7実施形態では、推定輝度Le及び推定色度Ceに短期的な変動が反映さ
れるようにすればよい。より具体的には、短期的な変動成分を時間と対応付けて記憶した
記憶部を設け、短期的な時間に応じた変動成分を記憶部から読み出し、これを推定輝度L
e及び推定色度Ceに反映させるようにすればよい。
【0067】
<9:応用例>
次に、本発明に係る表示装置を利用した電子機器について説明する。図18は、以上に
説明した何れかの形態に係る表示装置1A〜1D、又は2B〜2Dを表示装置Dとして採
用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコン
ピュータ2000は、表示装置Dと本体部2010とを備える。本体部2010には、電
源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この表示装置Dは画素
PにOLED素子を使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図19に、表示装置Dを適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複
数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示装置Dを備える
。スクロールボタン3002を操作することによって、表示装置Dに表示される画面がス
クロールされる。
図20に、表示装置Dを適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant
s)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイ
ッチ4002、ならびに表示装置Dを備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所
録やスケジュール帳といった各種の情報が表示装置Dに表示される。
【0068】
なお、本発明に係る表示装置が適用される電子機器としては、図18から図20に示し
たもののほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置
、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、
テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネル
を備えた機器等などがある。また、本発明に係る発光装置の用途は画像の表示に限定され
ない。例えば、光書込み型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用
紙などの記録材に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する書込みヘッドが使用され
るが、この種の書込みヘッドとしても本発明の表示装置は利用される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置1Aの構成を示すブロック図である。
【図2】目標輝度Lamaxと劣化特性Q1の関係を示すグラフである。
【図3】劣化特性Q1及びQ2の関係を示すグラフである。
【図4】CPUを用いて画像処理装置100Aを構成した場合の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る表示装置1Bの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る表示装置1Cの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る表示装置1Dの構成を示すブロック図である。
【図8】ある使用時間Taにおける初期状態の輝度Xと現在の輝度Xbの関係を示すグラフである。
【図9】画像処理装置100Eの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る表示装置2Bの構成を示すブロック図である。
【図11】白色の目標色度Caと使用時間Dtの関係を示す説明図である。
【図12】使用時間Dtに応じた白色の色度の例を示す説明図である。
【図13】目標色度Caを説明するための説明図である。
【図14】CPUを用いて画像処理装置200Bを構成した場合の動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第5実施形態に係る表示装置2Cの構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第6実施形態に係る表示装置2Dの構成を示すブロック図である。
【図17】画像処理装置200Eの構成を示すブロック図である。
【図18】本発明に係る電子機器の形態(パーソナルコンピュータ)を示す斜視図である。
【図19】本発明に係る電子機器の形態(携帯電話機)を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る電子機器の形態(携帯情報端末)を示す斜視図である。
【図21】従来の輝度補正を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1A,1B,1C,1D,2B,2C,2D……表示装置、100A,100B,100D,1
00E,200B,200C,200D,200E……画像処理装置(発光制御装置)、1
0……発光装置、130……目標輝度生成部、133……目標輝度保持部、140……輝
度検出部、150……輝度劣化判定部、160……選択部、180……推定輝度生成部、
210……輝度・色度調整部、240……輝度・色度検出部、250……制御信号生成部
、La……目標輝度、Ca……目標色度、Lb……検出輝度、Cb……検出色度、Le…
…推定輝度、Ce……推定色度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給
する発光制御装置であって、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前
記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段と、
前記複数の発光素子の一部又は全部の輝度を検出輝度として検出する輝度検出手段と、
前記検出輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較結果に基づいて前記入力
画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段と、
を備える発光制御装置。
【請求項2】
前記輝度検出手段は、前記複数の発光素子の各々の輝度を検出し前記検出輝度として出
力し、
前記目標輝度生成手段は、
前記使用時間と目標輝度係数とを対応付けて記憶した目標輝度係数保持手段と、
前記使用時間に応じて前記目標輝度係数保持手段から読み出した前記目標輝度係数と前
記入力画像信号を演算して前記目標輝度を生成する演算手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光制御装置。
【請求項3】
表示モードにおいて前記出力画像信号を出力し、測定モードにおいて所定の階調を表示
させる基準画像信号を出力して、前記発光装置に供給する選択手段を備え、
前記目標輝度生成手段は、前記使用時間と前記目標輝度とを対応付けて記憶した目標輝
度保持手段を備え、
前記補正手段は、前記測定モードにおいて前記検出輝度と前記目標輝度とを比較して輝
度比較情報を生成し、前記表示モードにおいて、前記輝度比較情報に基づいて前記入力画
像信号を補正して前記出力画像信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光制御装置。
【請求項4】
前記複数の発光素子は画像の表示に寄与しない特定の発光素子を含み、
前記輝度検出手段は、前記特定の発光素子の輝度を検出して前記検出輝度として出力し

前記目標輝度生成手段は、前記使用時間と前記目標輝度とを対応付けて記憶した目標輝
度保持手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の発光制御装置。
【請求項5】
複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給
する発光制御装置であって、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前
記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段と、
前記複数の発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝度を生成する推定輝
度生成手段と、
前記推定輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較結果に基づいて前記入力
画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段と、
を備える発光制御装置。
【請求項6】
前記目標輝度生成手段は、
前記使用時間と目標輝度係数とを対応付けて記憶した目標輝度係数保持手段と、
前記使用時間に応じて前記目標輝度係数保持手段から読み出した前記目標輝度係数と前
記入力画像信号を演算して前記目標輝度を生成する演算手段とを備え、
前記推定輝度生成手段は、
前記使用時間と推定輝度係数とを対応付けて記憶した推定輝度係数保持手段と、
前記使用時間に応じて前記推定輝度係数保持手段から読み出した前記推定輝度係数と前
記入力画像信号を算出して前記推定輝度を生成する算出手段とを備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の発光制御装置。
【請求項7】
複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画像信号を補正した出力画像信号を供給
する発光制御装置であって、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度と前
記複数の発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定した推定輝度との比較結果である輝
度比較情報を前記使用時間に対応付けて記憶した記憶手段と、
前記使用時間に応じて前記記憶手段から読み出した前記輝度比較情報に基づいて前記入
力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段と、
を備える発光制御装置。
【請求項8】
各々がRGB色のいずれかを発光する複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画
像信号を補正した出力画像信号を供給する発光制御装置であって、
前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するように目標色
度を生成する目標色度生成手段と、
前記複数の発光素子の一部又は全部の色度を検出色度として検出する色度検出手段と、
前記検出色度と前記目標色度とを比較した結果である色度比較結果に基づいて前記入力
画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段と、
を備える発光制御装置。
【請求項9】
前記複数の発光素子の一部又は全部の輝度を検出輝度として検出する輝度検出手段と、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前
記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段とを備え、
前記補正手段は、前記検出輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較結果及
び前記色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する

ことを特徴とする請求項8に記載の発光制御装置。
【請求項10】
各々がRGB色のいずれかを発光する複数の発光素子を備えた発光装置に対して入力画
像信号を補正した出力画像信号を供給する発光制御装置であって、
前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するように目標色
度を生成する目標色度生成手段と、
前記複数の発光素子の色度を前記使用時間に応じて推定して推定色度を生成する推定色
度生成手段と、
前記推定色度と前記目標色度とを比較した結果である色度比較結果に基づいて前記入力
画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する補正手段と、
を備える発光制御装置。
【請求項11】
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように設定された目標輝度を前
記使用時間に応じて生成する目標輝度生成手段と、
前記複数の発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝度を生成する推定輝
度生成手段とを備え、
前記補正手段は、前記推定輝度と前記目標輝度とを比較した結果である輝度比較結果及
び前記色度比較結果に基づいて前記入力画像信号を補正して前記出力画像信号を生成する

ことを特徴とする請求項10に記載の発光制御装置。
【請求項12】
複数の発光素子を備え、供給される画像信号の大きさに応じた輝度で前記複数の発光素
子を発光させる発光装置と、
請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載した発光制御装置と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置を備えた電子機器。
【請求項14】
複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従って前記複数の発光素子を発光させる
発光装置を制御する発光装置の制御方法であって、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように目標輝度を生成し、
前記複数の発光素子の一部又は全部の輝度を検出輝度として検出し、
前記検出輝度と前記目標輝度とを比較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記
発光装置に供給する、
ことを特徴とする発光装置の制御方法。
【請求項15】
複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従って前記複数の発光素子を発光させる
発光装置を制御する発光装置の制御方法であって、
前記発光素子の使用時間が長くなると大きさが低下するように目標輝度を生成し、
前記発光素子の輝度を前記使用時間に応じて推定して推定輝度を生成し、
前記推定輝度と前記目標輝度とを比較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記
発光装置に供給する、
ことを特徴とする発光装置の制御方法。
【請求項16】
各々がRGB色のいずれかを発光する複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従
って前記複数の発光素子を発光させる発光装置を制御する発光装置の制御方法であって、
前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するように目標色
度を生成し、
前記複数の発光素子の一部又は全部の色度を検出色度として検出し、
前記検出色度と前記目標色度とを比較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記
発光装置に供給する、
ことを特徴とする発光装置の制御方法。
【請求項17】
各々がRGB色のいずれかを発光する複数の発光素子を備え、供給される画像信号に従
って前記複数の発光素子を発光させる発光装置を制御する発光装置の制御方法であって、
前記発光素子の使用時間に応じて白色の色度が黒体放射軌跡上を推移するように目標色
度を生成し、
前記複数の発光素子の色度を前記使用時間に応じて推定して推定色度を生成し、
前記推定色度と前記目標色度とを比較し、比較結果に基づいて画像信号を補正して前記
発光装置に供給する、
ことを特徴とする発光装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−140325(P2007−140325A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336648(P2005−336648)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】