説明

発光変換要素を備える半導体発光デバイスおよびそのパッケージング方法

半導体発光デバイスをパッケージングする方法は、発光デバイスを備える空洞中に第1の量の封入材料を分配することを含む。空洞中の第1の量の封入材料は、選択された形状を有する硬化された上面を形成するように処理される。処理された第1の量の封入材料の上面に、発光変換要素が提供される。発光変換要素は、波長変換材料を含み、空洞の中心領域において、空洞の側壁に近い領域よりも大きい厚さを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光デバイスおよびその製造方法に関し、より詳細には、半導体発光デバイスのパッケージおよびパッケージング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年3月31日に出願された「Reflector Packages and Methods for Forming Packaging of a Semiconductor Light Emitting Device」という名称の米国仮特許出願第60/558,314号、ならびに2004年12月21日に出願された「Semiconductor Light Emitting Devices Including a Luminescent Conversion Element and Methods for Packaging the Same」という名称の米国仮特許出願第60/637,700号の利益および優先権を主張する。これらの出願の開示は、あたかもその全体が記載されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
発光デバイスにより放射される光に保護、色選択、集束などを与えることができるパッケージ内に半導体発光デバイス型光源を設けることは知られている。例えば、発光デバイスは、発光ダイオード(「LED」)とすることができる。光源用のパワーLEDのパッケージング中に様々な問題に遭遇することがある。そのような起こり得る問題の例を、図1および2のパワーLEDの断面図を参照して説明する。図1および2に示すように、パワーLEDパッケージ100は、一般に、発光デバイス103が取り付けられている基板部材102を備える。発光デバイス103は、例えば、基板部材102に取り付けられたLEDチップ/サブマウントアセンブリ103b、およびLEDチップ/サブマウントアセンブリ103bの上に位置付けされたLED103aを備えることができる。基板部材102は、パッケージ100を外部回路に接続するための配線または金属リード線を備えることができる。基板102は、また、動作中にLED103から熱を伝導して除去するためのヒートシンクとしても作用することができる。
【0004】
反射カップ(reflector cup)104のような反射器が、基板102に取り付けられ、発光デバイス103を取り囲むことがある。図1に示す反射カップ104は、LED103で発生した光をLEDパッケージ100から上の方に向かって反射する、角度の付いた、すなわち傾斜した下部側壁106を備える。図示の反射カップ104は、また、LEDパッケージ100の中にレンズ120を保持するための溝として作用することができる上向きに延びる壁105、および水平な肩部分108を備える。
【0005】
図1に図示するように、発光デバイス103が基板102に取り付けられた後で、液体シリコーンゲルのような封入材料112が、反射カップ104の内部反射空洞(interior reflector cavity)115中に分配(dispense)される。図1に示す内部反射空洞115は、基板102で画定された底面を有し、液体封入材料112を保持することができる閉じた空洞を提供する。図1にさらに示すように、封入材料112が空洞115に分配されたとき、封入材料112は、反射カップ104の側壁105の内面に沿って吸い上げられて、図示の凹面形メニスカス(meniscus)を形成することがある。
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0041222号明細書
【特許文献2】米国特許第6,201,262号明細書
【特許文献3】米国特許第6,187,606号明細書
【特許文献4】米国特許第6,120,600号明細書
【特許文献5】米国特許第5,912,477号明細書
【特許文献6】米国特許第5,739,554号明細書
【特許文献7】米国特許第5,631,190号明細書
【特許文献8】米国特許第5,604,135号明細書
【特許文献9】米国特許第5,523,589号明細書
【特許文献10】米国特許第5,416,342号明細書
【特許文献11】米国特許第5,393,993号明細書
【特許文献12】米国特許第5,338,944号明細書
【特許文献13】米国特許第5,210,051号明細書
【特許文献14】米国特許第5,027,168号明細書
【特許文献15】米国特許第4,966,862号明細書
【特許文献16】米国特許第4,918,497号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2003/0006418A1号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2002/0123164A1号明細書
【特許文献19】米国特許出願第10/659,241号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ついで、図2に示すように、反射空洞115中にレンズ120を封入材料112と接触して配置することができる。レンズ120が空洞115中に配置されたとき、液体封入材料112は、位置をずらされ、レンズ120と側壁105との間のギャップ117を通って移動することがある。したがって、封入剤は、レンズ120の上面および/または反射カップ104の側壁105の上面に出てくることがある。押し出し(squeeze−out)と呼ばれることがあるこの移動は、一般に、多くの理由のために望ましくない。図示のパッケージ配置では、レンズ取付けステップの前に封入剤が半球メニスカス形状で硬化されていない場合、レンズは下にある棚状部分に載る。これにより、レンズが、熱サイクル中に浮動しなくなり、そして他の表面への封入の層間剥離(delamination)、または層間剥離内の凝集破壊(cohesive failure)によって機能しなくなることがある。これらの両方とも光出力に影響を及ぼす可能性がある。封入材料またはゲルは一般に粘着性であり、部品を製造するために使用される自動処理ツールに支障を与えることがある。さらにゲルは、例えば光分布パターンを変えることによって、および/またはレンズ120の一部を遮ることによって、レンズ120からの光出力に支障を与えることがある。粘着性のゲルは、また、LEDパッケージ100からの光出力を遮るかまたは減少させる可能性のある塵、汚れ、および/または他の汚染物を引き寄せることがある。また、ゲルは、実効的なレンズの形を変えることがあり、このことで発光パターン/ビーム形状が変わることがある。
【0008】
レンズ120の配置後、パッケージ100は一般に加熱硬化され、これによって、封入材料112が凝固し、レンズ120に付着するようになる。したがって、レンズ120を、硬化した封入材料112で所定の位置に保持することができる。しかし、シリコーンゲルなどの、硬化に伴う僅かな収縮率を有する封入材料は、一般に、熱硬化プロセス中に収縮する傾向がある。さらに、熱膨張係数(CTE)効果は、一般に、高温でレンズのより大きな浮動の原因となる。冷却中に、部品は層間剥離する傾向がある。図2に示したレンズ120の下の封入剤の図示の体積は比較的大きいので、この収縮によって、硬化プロセス中に、発光デバイス103、基板102の表面、反射カップ104の側壁105および/またはレンズ120を含むパッケージ100の部分から、封入材料112が層間剥離する(離れる)可能性がある。層間剥離は、特にダイからの層間剥離であるとき、内部全反射を引き起こす場合があり、光学性能に著しく影響しうる。この収縮により、封入材料112と発光デバイス103、レンズ120、および/または反射カップ104との間にギャップまたは空隙113が生じることがある。封入材料112中の3軸応力(tri−axial stress)は、また、封入材料112に凝集裂け(cohesive tear)113’を引き起こすことがある。これらのギャップ113および/または裂け113’は、発光デバイスパッケージ100で放射される光の量を実質的に減少させることがある。収縮は、すき間(crevice)(すなわち、反射器)から又はデバイス(すなわち、ダイ/サブマウント)の下から空気ポケットを引き出すこともあり、空気ポケットは、光空洞の性能に支障を与えることがある。
【0009】
ランプの動作中に、発光デバイス103によって大量の熱が発生される可能性がある。この熱の大部分は、基板102および反射カップ104により放散させることができ、これらの各々はパッケージ100のヒートシンクとして作用することができる。しかし、パッケージ100の温度は、動作中に依然としてかなり上昇することがある。シリコーンゲルなどの封入材料112は、一般に、大きな熱膨張係数を有している。そのために、パッケージ100が加熱すると、封入材料112は膨張する可能性がある。レンズ120は、反射カップ104の側壁105で画定された溝の中に取り付けられているので、封入材料112が膨張収縮するときに、側壁105の中で上下に動く可能性がある。封入材料112の膨張により封入剤が空間または空洞の外に押し出され、それによって、冷却したときに空洞内に戻らない可能性がある。これにより、層間剥離、空隙、より大きな3軸応力などが生じるかもしれず、これらは、発光デバイスを余り耐久性のないものする可能性がある。そのようなレンズの動きは、例えば特許文献1にさらに記載されている。側壁105は、また、機械的な衝撃および応力からレンズ120を保護するのに役立つことがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、半導体発光デバイスをパッケージングする方法を提供する。第1の量の封入材料が、発光デバイスを備える空洞中に分配される。発光デバイスは、発光ダイオードなどの複数の発光デバイスとすることができ、空洞は、反射空洞とすることができることができる。反射空洞中の第1の量の封入材料は処理され、選択された形状を有する硬化した上面を形成する。発光変換要素が、処理された第1の量の封入材料の上面の上に設けられる。発光変換要素は、蛍光体および/またはナノ結晶などの波長変換材料を含み、さらに反射空洞の中心領域で反射空洞の側壁に近い領域よりも大きな厚さを有する。
【0011】
発光変換要素の厚さは、発光変換要素が中心領域から側壁に向かって半径方向に外側に広がるにつれて連続的に減少することができる。発光変換要素の厚さは、発光変換要素の最大厚さの10パーセントよりも多く変化することができる。発光変換要素は、両凸、平凸または凹凸形状を有することができる。
【0012】
本発明の他の実施形態では、発光変換要素の上に第2の量の封入材料を分配し、レンズの所望の形状を実現する封入材料で構成された凸状メニスカスを反射空洞中に形成することをさらに含む。第2の量の封入材料を硬化させ、パッケージングされた発光デバイス用のレンズを封入材料で形成する。代替的実施形態では、本方法は、発光変換要素の上に第2の量の封入材料を分配することと、反射空洞中に、分配された第2の量の封入材料の上にレンズを位置付けすることとを含む。分配された第2の量の封入材料を硬化させ、レンズを反射空洞中に取り付ける。
【0013】
本発明のさらなる実施形態では、発光変換要素を設けることは、第1の量の封入材料の上面に第2の量の封入材料を分配することを含む。第2の量の封入材料は、波長変換材料をその中に有している。第2の量の封入材料を硬化させ、発光変換要素を画定する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態では、発光変換要素は両凸形状を有する。選択された形状は凹状であり、第2の量の封入材料を分配し、硬化させることは、第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含む。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、発光変換要素は平凸形状を有し、選択された形状は凹状である。第2の量の封入材料を分配し、硬化させることは、第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、第2の量の封入材料の平面の上面を形成することを含む。代替的な平凸形状の実施形態では、選択された形状は平面であり、第2の量の封入材料を分配し、硬化させることは、第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含む。
【0016】
本発明の他の実施形態では、発光変換要素は凹凸形状を有し、選択された形状は凸状である。第2の量の封入材料を分配し、硬化させることは、第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含む。代替的な凹凸形状の実施形態では、選択された形状は凹状であり、第2の量の封入材料を分配し、硬化させることは、第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、第2の量の封入材料の凹状の上面を形成することを含む。
【0017】
本発明のさらなる実施形態では、第1の量の封入材料を処理することは、第1の量の封入材料を硬化させることを含む。代替的実施形態では、第1の量の封入材料を処理することは、第1の量の封入材料を予備硬化させ、その上面に固まった皮膜を形成することを含み、本方法は、発光変換要素を設けた後で第1の量の封入材料を硬化させることをさらに含む。波長変換材料は、蛍光体とすることができ、第1の量の封入材料は蛍光体を実質的に含まない。
【0018】
本発明の他の実施形態では、発光変換要素は、予備成形挿入物であり、予備成形挿入物は、処理された第1の量の封入材料の上面に配置される。予備成形挿入物は、成形プラスチック蛍光体充填片部分とすることができる。予備成形挿入物を上面に配置する前に、予備成形挿入物を試験することができる。
【0019】
本発明のさらに他の実施形態では、パッケージングされた半導体発光デバイスが、反射空洞などの空洞を画定する側壁部を有する反射器などの本体を備えることができる。発光デバイスは、空洞中に位置付けされている。第1の量の硬化された封入材料が、発光デバイスを備える空洞中に設けられる。発光変換要素が第1の量の封入材料の上面の上にある。発光変換要素は、波長変換材料を含み、空洞の中心領域で空洞の側壁に近い領域よりも大きな厚さを有している。発光変換要素の厚さは、発光変換要素が中心領域から側壁に向かって半径方向に外側に広がるにつれて、連続的に減少することができる。発光変換要素の厚さは、発光変換要素の最大厚さの10パーセントよりも多く変化することができる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、発光変換要素は、両凸、平凸または凹凸形状を有している。発光デバイスは、発光ダイオード(LED)とすることができる。
【0021】
本発明の他の実施形態では、デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、最大色温度より僅か30パーセント下の最小色温度を有している。デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、約1000K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有することができる。他の実施形態では、デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲または120(中心軸から+/−45)度範囲にわたって、約500Kの全CCT変化を有する主発光パターンを有することができる。さらに他の実施形態では、デバイスは、放射角のうち90(中心軸から+/−45)度範囲にわたって、約500K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有している。
【0022】
本発明のさらなる実施形態では、パッケージングされた半導体発光デバイスは、空洞を画定する側壁部を有する本体と、空洞中に位置付けされた発光デバイスとを備える。第1の量の硬化された封入材料は空洞の中にあり、発光デバイスおよび発光変換要素は、第1の量の封入材料の上面の上にある。パッケージされた半導体発光デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、2000K未満の相関色温度の変化を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、以下で、添付の図面を参照してより完全に説明される。図面には、本発明の実施形態が示されている。しかし、本発明は、多くの異なる形で具現することができ、本明細書で明らかにされる実施形態に制限されるものとして解釈すべきでない。むしろ、これらの実施形態は、この開示を徹底的で完全なものとし、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。図面において、層および領域の大きさおよび相対的な大きさは、明瞭性のために誇張されていることがある。全体を通して、同様な番号は同様な要素を参照する。
【0024】
層、領域または基板などの要素が、別の要素の「上に」あると言及されるとき、この要素はこの他の要素の直ぐ上にあることがあり、または介在要素も存在していることがあることを理解されたい。表面などの要素の一部が「内側の」と言及される場合、その一部は、その要素の他の部分よりもデバイスの外側から遠く離れていることを理解されたい。さらに、「下の」または「上にある」のような相対的な用語は、本明細書では、図に示されるように、基板層またはベース層を基準にして、ある層または領域のもう一方の層または領域に対する関係を記述するために使用されることがある。これらの用語は、図に示された方向付けのほかに、デバイスの異なる方向付けを含むことが意図されていることを理解されたい。最後に、「直ぐ」の用語は、介在要素がないことを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「および/または」は、1つまたは複数の関連付けられて列挙された要素の任意のすべての組合せを含む。
【0025】
第1、第2などの用語が、本明細書で、様々な要素、部品、領域、層および/または部分を記述するために使用されることがあるが、これらの要素、部品、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきでないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、部品、領域、層または部分を別の領域、層または部分と区別するために使用されるだけである。したがって、以下で述べられる第1の要素、部品、領域、層または部分を、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、部品、領域、層または部分と呼ぶこともできる。
【0026】
半導体発光デバイス103をパッケージングするための本発明の様々な実施形態が、本明細書で説明される。本明細書で使用されるとき、半導体発光デバイス103は、発光ダイオード、レーザダイオードおよび/または他の半導体デバイスを含むことができ、ここで他の半導体デバイスは、シリコン、炭化珪素、窒化ガリウムおよび/または他の半導体材料を含むことができる1つまたは複数の半導体層、サファイア、シリコン、炭化珪素および/または他のマイクロエレクトロニクス基板を備えることができる基板、および金属および/または他の導電層を備えることができる1つまたは複数のコンタクト層を備える。いくつかの実施形態では、紫外線、青色および/または緑色発光ダイオード(「LED」)を設けることができる。赤色および/または琥珀色LEDもまた設けることができる。半導体発光デバイス103の設計および製造は、当業者によく知られており、本明細書で詳細に説明する必要はない。
【0027】
例えば、半導体発光デバイス103は、ノースカロライナ州ダラムのCree,Inc.により製造販売されているデバイスのような、炭化珪素基板に製造された窒化ガリウムベースのLEDまたはレーザとすることができる。本発明は、特許文献2〜16に記載されているようなLEDおよび/またはレーザと共に使用するのに適している可能性がある。これらの特許文献の開示は、本明細書に完全に記載されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。他の適切なLEDおよび/またはレーザが、特許文献17および18に記載されている。さらに、特許文献19に記載されているような蛍光体塗布(phosphor coated)LEDも、本発明の実施形態で使用するのに適している可能性がある。特許文献19の開示は、完全に記載されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。LEDおよび/またはレーザは、発光が基板を通じて生じるように動作するよう構成することができる。そのような実施形態では、例えば前掲の特許文献18に記載されているように、基板をパターン形成しデバイスの光出力を高めることができる。
【0028】
ここで、本発明の実施形態を図3〜11に示した様々な実施形態を参照して説明する。より詳細には、発光デバイス103のパッケージングに使用するための二重硬化封入プロセスのいくつかの実施形態が、図3Aから3Cに示されている。そのような二重硬化封入プロセスは、硬化中の封入材料の収縮に関連した問題を低減することができる。本明細書で説明されるように、本発明のいくつかの実施形態では、二重硬化プロセスは、3つの分配工程および2つの硬化工程を含むことができる。しかし、本発明の他の実施形態において発光デバイスをパッケージングする際に、より多くの又はより少ない分配工程および硬化工程を使用することもできることを理解されたい。また、本明細書でさらに説明するように、本発明の実施形態は、第1の硬化工程の後に、レンズを取り付けるための別の組の分配工程および硬化工程が続くことになる複数分配工程を含む。
【0029】
図3Aに示すように、図示の実施形態では2つの封入材料部分112、114を含んだ第1の所定量の封入材料が、空洞115の中に分配される。封入材料112、114は、例えば、液体シリコーンゲル、エポキシなどとすることができる。第1の部分112は、発光デバイス103、より詳細には、発光デバイス103のLEDチップ/サブマウントアセンブリ101および基板102の露出表面部分をぬらすように分配することができる。また、最初の分配で反射カップ104の部分をぬらすこともできる。本発明のいくつかの実施形態では、第1の部分112として分配された封入材料の量は、発光デバイス103の高さを超える水準まで反射空洞を満たすことなく発光デバイス103をぬらすのに十分な量である。本発明のいくつかの他の実施形態では、第1の部分112として分配された封入材料の量は、封入材料112中に空気ポケットを1つも形成することなく、発光デバイス103を実質的に覆うのに十分な量である。
【0030】
図3Aに示すように、発光デバイスは、反射空洞115のほぼ中心点115mに位置付けされる。封入材料は、封入材料112が発光デバイス103の上に直接分配されないように、中心点115mから反射空洞115の側壁105の方にずれた点115dで分配装置200から分配することができる。発光デバイス103の上に直接封入材料112を分配すると、封入材料112が、発光デバイス103の構造を上から通過するときに、気泡の閉じ込めが起こることがある。しかし、本発明の他の実施形態では、片寄り分配(offset dispense)に加えて、または片寄り分配の代わりに、封入材料112が、発光デバイス103のダイの上に分配される。封入材料112の分配は、分配装置200の端部に封入材料112の液滴(bead)を形成し、この形成された液滴を反射空洞115および/または発光デバイス103と接触させて、分配装置からこの液滴を分配することを含むことができる。
【0031】
分配に使用される材料の粘性および/または他の特性は、例えば、気泡の形成なしにぬれが起こるように選ぶことができる。本発明のさらなる実施形態では、分配材料が接触する表面に被膜を塗布して、ぬれ速度を速める/遅くすることができる。例えば、油膜などの微小な残留物が残る特定の知られた洗浄手順を使用して選択した表面を処理し、それによりぬれ作用の力学を設計するために利用することができる。
【0032】
空洞115を画定する反射カップ104、発光デバイス103および封入材料112の内面の表面特性のために、空洞115の中心点115mからずれた点115dから分配されたときでも、分配された封入材料112は、依然として封入材料112中に気泡を生じさせるかもしれないような態様で空洞115の中を流れる可能性がある。特に、封入材料112は、反射カップ104の内面および発光デバイス103の側壁の近くで、発光デバイス103の上よりも速く動き又はより素早く「吸い上げられる」と予想される。その結果として、側面を流れる封入材料が出会い、そして封入材料が発光デバイス103の上を覆って流れ、このようにして空気の流れ(air flow)に側面出口(side outlet)のない状態で局部的に上から分配されるとき、空洞115の、封入材料が分配されたのと反対側に気泡が閉じ込められるかもしれない。したがって、分配される封入材料112の第1の部分の量は、そのような気泡を形成する危険を低減または防止するように選ぶことができる。本明細書で使用されるとき、発光デバイス103を「実質的に」覆うことへの言及は、第1の量の封入材料112、114の残り部分114が分配されたときそのような気泡が生じないように、発光デバイス103の構造の十分な量を覆うことを意味する。
【0033】
最初に分配された封入材料112を静置させた後、第1の所定量の封入材料の第2の部分114が反射空洞115の中に分配される。本発明のいくつかの特定の実施形態では、封入材料の第2の部分は、第1の部分112の約2倍である。
【0034】
第1の量の封入材料112、114すべてを分配した後、第1の量の封入材料112、114は、例えば熱処理によって硬化され、封入材料112、114が凝固する。硬化後、反射空洞115中の封入材料112、114の水準は、封入材料112、114の収縮の結果としてレベル114Aからレベル114Bに下がる可能性がある。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の部分112は、第2の部分114が反射空洞115の中に分配される前に硬化される。例えば、パッケージ100から放射される光の特性に影響を及ぼすために、蛍光体、ナノ結晶などの光変換材料を封入材料112、114に添加することが知られている。本明細書における説明の目的のために、光変換材料として蛍光体に言及する。しかし、蛍光体の代わりに他の光変換材料を使用することができることを理解されたい。パッケージ100に対する所望の色スペクトルおよび/または色温度調整に応じて、蛍光体は、発光体103bに隣接して位置付けされたとき、言い換えると、発光デバイス103の上に直接位置付けされたとき、最も有益に利用することができる。したがって、第2の部分114に蛍光体を含み、第1の部分112に蛍光体を含まないことが望ましいことがある。しかし、第1の部分112は第2の部分114の下にあるので、蛍光体は、第2の部分114から第1の部分112に沈降し、第2の部分114への蛍光体の添加の有効性が減少する可能性がある。したがって、そのような沈降を制限するために蛍光体を第1の部分112に添加することができ、および/または第2の部分114を分配する前に第1の部分112を硬化させることができる。
【0036】
複数分配(multiple dispense)の使用は、また、光変換用の所望の構成の蛍光体予備成形物(preform)/ウエハの添加を可能にすることもできる。さらに、複数分配は、異なる屈折率を有する材料を使用し、例えば埋込みレンズ(すなわち、異なる屈折率の材料の2つの分配の界面で形成されたレンズ)を設けることを可能にすることができる。
【0037】
図3Bに示すように、反射空洞115中の硬化された第1の量の封入材料112、114の上に、第2の量の封入材料116が所定量で分配される。本発明のいくつかの特定の実施形態では、第2の量116は、第1の量の封入材料112、114の第1の部分112にほぼ等しい。第2の量116は蛍光体が実質的に含まなくてもよいが、本発明の他の実施形態では、第2の量116にも蛍光体を含むことができる。
【0038】
図3Cに示すように、第2の量の封入材料116が硬化される前に、レンズ120が、反射空洞115の中に第2の量の封入材料116に接して位置付けされる。それから、第2の量の封入材料116が、例えば加熱によって硬化され、封入材料116を固めかつレンズ120を反射空洞115に取り付ける。本発明のいくつかの実施形態では、上述した二重硬化プロセスを使用して発光デバイス103をパッケージ100内に封入することにより、硬化された封入材料112、114、116の発光デバイス103、レンズ120および/または反射カップ104からの層間剥離を減少させることができる。
【0039】
図3A〜3Bに示す反射カップ104を図4A〜4Bにさらに示す。図4Aは、反射カップ104の平面図であり、上部側壁105、下部側壁106、および上部側壁105と下部側壁106との間の実質的に水平な肩側壁部108の上面を示している。図4Bは、図4Aの線B−Bに沿った反射カップ104の断面図である。
【0040】
本発明の様々な実施形態による代替的反射カップ構成、ならびにそのような代替的反射カップ構成を使用する発光デバイスのパッケージング方法をこれから説明する。本発明の様々な実施形態では、これらの代替的反射カップ構成により、反射カップの封入材料中にレンズを挿入するときに封入材料の押し出しの発生率および/または押し出し量を減少させることができる。図5A〜5B、6および7は、これから説明するように、様々な代替的反射器構成を示している。図5Aは、反射カップ4の平面図であり、図5Bは、図5Aの線B−Bに沿った反射カップ4の断面図である。図6は、反射カップ4Aの断面図であり、図7は反射カップ4Bの断面図である。図示の反射カップ4、4A、4Bの各々は、上部側壁5、傾斜した下部側壁6、および上部側壁5と下部側壁6との間の水平肩部8を備え、これらは一緒に反射空洞15を画定する。本明細書で肩部8に言及して使用されるとき、「水平な」は、下部側壁部6と上部側壁部8との間を肩部8が延びる大体の方向(すなわち、下部側壁部6および上部側壁部5と比較して)を意味し、肩部8の中間部分における肩部8の特定の角度を意味しない(例えば、水平肩部が、実際には、他の特徴に対応するように、下部側壁部6と上部側壁部5との間で垂直方向の高さにいくらかの変化がある図7を参照されたい)。さらに、反射カップ4、4A、4Bの各々は、下部側壁6を取り囲む少なくとも1つのモート18を備えることができ、このモート18はリップ(すなわち、突出する縁)22で下部側壁6から分離されている。モート18は、肩部8に形成されているものとして図示されている。
【0041】
図5A〜5Bの実施形態では、モート18は、押し型(stamping)で形成されることができ、この場合には、モート18と下部側壁6との間のリップ22は、平らな表面ではなく尖った縁部を備えている可能性がある。しかし、使用される製造プロセスの限界に起因して、図5Bに模式的に示すリップ22の平らな表面は、実際には、より丸みのある輪郭を有する可能性があることを理解されたい。図8A〜8Cを参照してさらに説明するように、余りにも丸みのある輪郭は望ましくないことがある。
【0042】
反射カップ4Aというさらなる実施形態を、図6の断面図を参照して、これから説明する。図6に示すように、第1のモート18が上部側壁5と下部側壁6との間に形成され、第1すなわち内側リップ22が下部側壁6と第1のモート18とを分離している。第2のモート24が、上部側壁5と第1のモート18との間に形成されている。第2すなわち外側リップ26が、第2のモート24を第1のモート18から分離している。
【0043】
反射カップ4Bというさらにまた他の実施形態を、図7の断面図を参照して、これから説明する。図7に示すように、第1のモート18は上部側壁5と下部側壁6との間に形成され、第1すなわち内側リップ22が下部側壁6と第1のモート18とを分離している。第2のモート24は、上部側壁5と第1のモート18との間に形成されている。第2すなわち外側リップ26’が、第2のモート24を第1のモート18から分離している。図7に示すように、第2のリップ26’は、第1のリップ22に対して高くなっている。
【0044】
本発明の特定の実施形態では、第1のリップ22は、約50マイクロメートル(μm)未満の曲率半径を有する突出部を有し、第2のリップ26、26’は、約50μm未満の曲率半径を有する突出部を有する。第1のモート18および第2のモート24は、水平肩部8上の押し型で付けられた特徴(stamped feature)とすることができる。図6および7に示すように、第2のモート24は、第2のリップ26、26’から上部側壁部5まで延びる幅を有することができる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、傾斜した下部側壁部6は、実質的に円錐状とすることができ、500μm発光デバイスチップの場合の約1.9ミリメートル(mm)から900μm発光デバイスチップの場合の約3.2mmまでの最小直径、500μm発光デバイスチップの場合の約2.6mmから900μm発光デバイスチップの場合の約4.5mmまでの最大直径、および約0.8mmから約1.0mmまでの高さを有することができる。上部側壁部は、実質的に楕円形とすることができ、約3.4mmから約5.2mmの内径および約0.6mmから約0.7mmの高さを有することができる。水平肩部は、約0.4mmから約0.7mmの、下部側壁部から上部側壁部までの幅を有することができる。本明細書で使用されるとき、用語「楕円形」および「円錐状」は、円形、円筒形、および他の形状を包含することが意図されており、ここで他の形状は、反射カップ4、4A、4Bを形成するために使用される製造技術に基づいた不規則な形状であるが、それでも基板2との組合せでまたは別の方法で、発光デバイス103のための反射器を実現するように動作し、かつ封入材料12、14、16をその中に保持し固めることができるものを含む。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、第1のモート18は約0.3mmから約0.4mmの幅を有し、第2のモート24は約0.3mmから約0.4mmの幅を有する。図6に示すように、第1のモート18の縁は、下部側壁部6の下端(すなわち、基板2の上面)に対して約0.79mmから約0.85mmの高さを有する第1のリップ22とすることができ、第2のモート24の縁は、下部側壁部6の下端に対して約0.79mmから約0.85mmの高さを有する第2のリップ26とすることができる。図7に示すような本発明の他の実施形態では、第1のリップ22は、下部側壁部の下端に対して約0.79mmから約0.85mmの高さを有し、第2のリップ26’は、下部側壁部の下端に対して約0.9から約1.0mmの高さを有している。
【0047】
本発明の様々な実施形態では、反射カップ4、4A、4Bは、発光デバイス103を反射カップ4、4A、4B中にパッケージングするとき、メニスカス制御(meniscus control)を可能にすることができる。さらに説明するように、上述の二重硬化方法と組み合わされたとき、封入材料の異なる分配に対して明確な凸状メニスカスを実現することもでき、その結果として、半球状に膨らむ(doming)故障の発生率を減少させることができる。本発明の他の実施形態では、実現されたメニスカス制御により、所望の深さおよび/または角度でレンズを配置することの困難さを減少し、レンズの吸い上げ(lens wicking)すなわちレンズ上への封入材料の押し出しを減少させ、かつ/またはパッケージングされた発光デバイスの光学的特性の設定(configuration)を可能にすることができる。例えば、蛍光体は、蛍光体充填封入材料をパッケージの中心点の上に半球形にすること(凸状メニスカス)によって、パッケージの中心(中心点)で濃くすることができる。
【0048】
異なる光パターン(視角、カスタム(custom)色スペクトル、色温度調整など)は、プロセスにおける分配および/または硬化の変化と組み合わせて複数メニスカス制御技術を使用することによって、実現することができる。例えば、蛍光体充填材料の高い尖ったドームは、発光デバイスから蛍光体充填材料を通過する光路をより一様な長さに設けることによって、反射カップの縁に向かうにつれ黄色へずれることを減らしつつ、白色温度発光の色スペクトル一様性をより優れたものにすることができる。同様に、望ましい場合には、比較的平らなドームにより、中心点の白色から縁部の黄色までのより大きな色スペクトル変化を実現することができる。レンズ以外の特徴によって保護関連機能が実現される本発明のいくつかの他の実施形態では、メニスカス制御は、封入材料をレンズとして使用することによって、メニスカスが所望のレンズ形状を実現するように構成されている状態で、レンズなしで発光デバイスをパッケージングすることを可能にすることができる。
【0049】
図8A〜8Cは、本発明のいくつかの実施形態に従って、メニスカス制御に反射カップの構造上の特徴を使用して発光デバイスをパッケージングする方法を示している。図8A〜8Cに示す工程は、図5A〜5Bに示す反射カップ、および前述した二重硬化工程を利用する。図8Aに示すように、封入材料の第1の量14が、パッケージ10Aの反射空洞15の中に堆積される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の量14は、別個の(ぬれ)分配および第2の分配を使用して分配することができる。分配される封入材料の量を適切に制御することで、液体の封入材料14は表面張力によってリップ22に固着するようになって、図8Aに示すような14Aに示された高さの凸状メニスカスを形成する。したがって、リップ22は、分配された封入材料14が上部側壁5に接触し上部側壁5に沿って吸い上げられそして図1に示すような凹状メニスカスを形成するのを防止するために使用することができる。
【0050】
分配された封入材料14は、例えば加熱することによって硬化され、14Bに示された高さまで縮む可能性がある。図8Bに示すように、第2の量16の封入材料が、空洞15の中に、硬化した第1の量14の封入材料の上に分配される。いくつかの実施形態では、図8Bに示すように、第2の量16の封入材料も、リップ22の同じ縁に固着して、凸状メニスカスを形成することができる。他の実施形態では、リップ22は内縁および外縁を有し、第2の量16の封入材料が外縁に固着し、第1の量14が内縁に固着することができる。したがって、第2の量16の封入材料も、上部側壁5に接触しないか又は上部側壁5に沿って吸い上げられず、凹状メニスカスを形成しないようにすることができる。
【0051】
図8Cを参照すると、レンズ20が反射空洞15に挿入され、未硬化の液体封入材料16と接触する。したがって、封入材料16は、レンズ20の下から押し出されることがある。しかし、本発明のいくつかの実施形態では、(図2に示すように)反射カップおよびレンズの露出された上面にはみ出す代わりに、封入材料16の過剰分は、モート18の中に押し込まれてそこで収容され、それによって、レンズ20が挿入され図8Bに示す凸状メニスカスに取って代わった後でも、側壁5に沿った封入材料16の吸い上げを制限している。ついで封入材料16が硬化されて、レンズ20がパッケージ10Aに取り付けられ、また封入材料16が凝固される。
【0052】
図9A〜9Cは、本発明のいくつかの実施形態に従って、メニスカス制御のために反射カップの構造上の特徴を使用して発光デバイスをパッケージングする方法を示している。図9A〜9Cに示した工程は、図6に示した反射カップ4A、および上述した二重硬化工程を利用する。図9Aに示すように、第1の量14の封入材料が、パッケージ10Bの反射空洞15中に堆積される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の量14は、別個の第1の(ぬれ)分配および発光デバイスをぬらした後の第2の分配を使用して分配することができる。分配される封入材料の量を適切に制御することで、液体の封入材料14は表面張力によって内側リップ22に固着するようになって、図9Aに示すような14Aに示された高さの凸状メニスカスを形成する。したがって、内側リップ22を使用して、分配された封入材料14が上部側壁5に接触し上部側壁5に沿って吸い上げられそして図1に示すような凹状メニスカスを形成するのを防止することができる。
【0053】
分配された封入材料14は、例えば加熱することによって硬化され、14Bに示された高さまで縮む可能性がある。図9Bに示すように、第2の量16の封入材料が、反射空洞15の中に、硬化した第1の量14の封入材料の上に分配される。いくつかの実施形態では、図9Bに示すように、第2の量16の封入材料は外側リップ26に固着して、凸状メニスカスを形成する。したがって、外側リップ26を使用して、分配された第2の量16の封入材料が上部側壁5に接触し上部側壁5に沿って吸い上げられそして図1に示すような凹状メニスカスを形成するのを防止することができる。
【0054】
図9Cを参照すると、レンズ20が反射空洞15の中に挿入され、未硬化の液体封入材料16と接触する。したがって、封入材料16は、レンズ20の下から押し出されることがある。しかし、本発明のいくつかの実施形態では、(図2に示すように)反射カップおよびレンズの露出された上面にはみ出す代わりに、封入材料16の過剰分は、第2のモート24の中に押し込められそこで収容されて、それによって、レンズ20が挿入されて図9Bに示す凸状メニスカスに取って代わった後でも側壁5に沿った封入材料16の吸い上げを制限している。それから、封入材料16が硬化されて、レンズ20がパッケージ10Bに取り付けられ、また封入材料16が凝固される。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、硬化された封入材料14は、レンズ20のレベル(配置の深さ)制御を可能にする止め具(stop)として使用することができることを、図9Cはさらに示している。レンズ20の位置付けに対するそのような制御は、いっそう一定した光学的性能を有する部品の製造を容易にすることができる。
【0056】
図9Cに示すように、本発明のいくつかの実施形態では、レンズ20は、硬化した第1の量14の封入材料に接触するまで空洞の中に進むことなく、封入材料16の膜がレンズと第1との量の間に残っている状態で、位置付けされる。このようにして、本発明のいくつかの実施形態で、デバイスは、レンズ20が第1の量の封入材料14で確立された位置まで進むことができるように構成され、この位置は、本発明の様々な実施形態で、レンズ20が硬化封入材料14に接触した状態で、または接触しない状態で確立することができる。
【0057】
図10A〜10Cは、本発明のいくつかの実施形態に従って、メニスカス制御のために反射カップの構造上の特徴を使用して発光デバイスをパッケージングする方法を示している。図10A〜10Cに示した工程は、図7に示した反射カップ4B、および上述した二重硬化工程を利用する。図10Aに示すように、第1の量14の封入材料はパッケージ10Cの反射空洞15中に堆積される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の量14は、別個の(ぬれ)分配および第2の分配を使用して分配することができる。分配される封入材料の量を適切に制御することで、液体の封入材料14が表面張力によって内側リップ22に固着するようになって、図10Aに示すような14Aに示された高さの凸状メニスカスを形成する。したがって、内側リップ22を使用して、分配された封入材料14が上部側壁5に接触し上部側壁5に沿って吸い上げられそして図1に示すような凹状メニスカスを形成するのを防止することができる。
【0058】
分配された封入材料14は、例えば加熱することによって硬化され、14Bに示された高さまで縮む可能性がある。図10Bに示すように、第2の量16の封入材料が、反射空洞15の中に、硬化した第1の量14の封入材料の上に分配される。いくつかの実施形態では、図10Bに示すように、第2の量16の封入材料が、外側リップ26’に固着して、凸状メニスカスを形成する。したがって、外側リップ26’により、分配された第2の量16の封入材料が上部側壁5に接触し上部側壁5に沿って吸い上げられそして図1に示すような凹状メニスカスを形成するのを防止することができる。
【0059】
図10Cを参照すると、レンズ20が反射空洞15に挿入され、未硬化の液体封入材料16と接触する。したがって、封入材料16は、レンズ20の下から押し出されることがある。しかし、本発明のいくつかの実施形態では、(図2に示すように)反射カップおよびレンズの露出された上面にはみ出す代わりに、封入材料16の過剰分は、第2のモート24の中に押し込められそこで収容されて、それによって、レンズ20が挿入されて図10Bに示す凸状メニスカスと置き換わった後でも側壁5に沿った封入材料16の吸い上げを制限している。それから、封入材料16が硬化されて、レンズ20がパッケージ10Cに取り付けられ、また封入材料16が凝固される。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、外側リップ26’は、レンズ20のレベル(配置の深さ)制御を可能にする止め具として使用することができることを、図10Cはさらに示している。レンズ20の位置付けに対するそのような制御は、いっそう一定した光学的性能を有する部品の製造を容易にすることができる。この実施形態では、レンズの配置は、第1の硬化ステップ中の封入材料の収縮量に依存しない。図10Cに示す実施形態では、配置の深さが外側リップ26’の高さによって画定されるので、図9Cに示すものと違って、レンズ20の配置は、第1の量14の封入材料の収縮量に依存する必要がない。したがって、本発明のいくつかの実施形態では、配置をいっそう正確にすることができ、このことは、パッケージ10Cの光学的性能の改善をもたらす可能性がある。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態による、第1の(ぬれ)分配を使用して発光デバイスをパッケージングする方法を、これから、図11の流れ図を参照してさらに説明する。図11に示すように、工程は、発光デバイスを反射空洞の底面に取り付けることによって、ブロック1100で始まることができる。取り付けられた発光デバイスは、反射空洞の底面に対して関連した高さを有している。発光デバイスを備えた反射空洞の中に、第1の量の封入材料が分配される(ブロック1120)。
【0062】
第1の量は、封入材料中に空気ポケットを1つも形成することなく発光デバイスを実質的に覆うのに十分な量とすることができる。本発明のいくつかの実施形態では、第1の量は、発光デバイスの高さを超える水準まで反射空洞を満たすことなく、発光デバイスをぬらすのに十分な量とすることができる。本発明の他の実施形態では、封入材料の分配の時間/速度は、封入材料中の空気ポケットの形成を減少させるために変えることができる。さらにまた他の実施形態では、例えば低分配速度、低圧力で小さな分配針から、などの条件で単一の分配を使用して、空気ポケットがことによると生じ、そのときは十分な封入材料が分配されて空気ポケットのつぶれを防止する前にへこみ/つぶれるようにすることができる。したがって、第1の(ぬれ)分配および第2の分配は、生じた空気ポケットが分配工程中にへこむ/つぶれることを可能とする選ばれた粘性の封入材料を選ばれた速度で連続的に分配することで提供することができる。第1の量は、発光デバイスの高さを超える水準まで反射空洞を満たすことなく発光デバイスをぬらすのに十分な量とすることができる。
【0063】
第2の量の封入材料が、第1の量の封入材料の上に分配される(ブロック1130)。それから、分配された第1および第2の量の封入材料が硬化される(ブロック1140)。本発明のいくつかの実施形態では、第1の分配されたぬれ量(wetting quantity)の封入材料は、封入材料の残り部分が分配される前に硬化することができる。
【0064】
第1の量12、14および第2の量16の封入材料は、同じ材料であっても、または異なる材料であってもよい。同様に、第1の量の封入材料の第1の部分12および第2の部分14は、同じ材料であっても、または異なる材料であってもよい。本発明の様々な実施形態で封入材料として使用することができる材料の例にシリコーンがある。
【0065】
メニスカス制御を使用する本発明のいくつかの実施形態による半導体発光デバイスのパッケージングに関連した工程を、これから、図12の流れ図を参照して説明する。図12に示すように、工程は、反射器5の反射空洞15中に発光デバイス103を取り付けることで、ブロック1200で始まることができる。封入材料が、発光デバイス103を備えた反射空洞15の中に分配されて発光デバイス103を覆い、そして反射器4、4A、4Bの上部側壁5に接触することなくモートの縁に延在する封入材料で構成された凸状メニスカスを反射空洞中に形成する(ブロック1210)。より一般的には、ブロック1210の工程は、メニスカスの外縁を反射空洞15内に位置付けする高さである、メニスカスの外縁に延在する凸状メニスカスの形成を可能にする。例えば、上部側壁5および封入材料12、14、16に使用される材料を選ぶことで、反射空洞15の中に延びる凹状でなく凸状のメニスカスの形成を容易にすることができる。封入材料12、14、16は反射空洞15の中にある(ブロック1220)。レンズ20がパッケージ10A、10B、10C中に備えられている実施形態では、レンズ20の挿入は、レンズ20で凸状メニスカスをつぶし封入材料12、14、16の一部をモート18、24の中に入れ、そして封入材料12、14、16を硬化してレンズ20を反射空洞15に取り付けることを含むことができる。あるいは、封入材料12、14、16を硬化して、パッケージングされた発光デバイス103のレンズを封入材料12、14、16で形成することができ、また、封入材料12、14、16を分配して、レンズの所望の形状を実現する凸状メニスカスを形成することができる。
【0066】
複数分配および/または硬化工程を使用して、反射空洞15を画定する下部側壁6と上部側壁5との間に位置付けされたモート18、24を有する反射器4、4A、4Bに半導体発光デバイス103をパッケージングする方法の実施形態を、これから、図13を参照してさらに説明する。図13の実施形態に示すように、工程は、第1の量14の封入材料を反射空洞15の中に分配することによって第1の凸状メニスカスを形成することで、ブロック1300で始まる。第1の量14の封入材料が硬化される(ブロック1310)。第2の量16の封入材料が、硬化された第1の量14の封入材料の上に分配されて、反射器4、4A、4Bの上部側壁5に接触することなくモート18、24の縁に延在する封入材料で構成された第2の凸状メニスカスを反射空洞15の中に形成する(ブロック1320)。
【0067】
図8Bに示すように、封入材料で構成された第2の凸状メニスカスおよび第1の凸状メニスカスは、両方とも、モート18の同じ縁に延在することができる。しかし、本発明の他の実施形態では、モート18、24は、第1のリップ22および第2のリップ26、26’のような内縁および外縁を有することができ、封入材料で構成された第2の凸状メニスカスはモート18、24の外縁(第2のリップ26、26’)に延在し、封入材料で構成された第1の凸状メニスカスはモート18、24の内縁(第1のリップ22)に延在している。したがって、第1のリップ22を使用して、水平肩部8に沿って外へ向かう封入材料14の吸い上げを制限して、反射空洞15の中に分配された封入材料で構成された第1の凸状メニスカスの形成を可能にするように、内側モート18を構成することができる。第2のリップ26、26’を使用して、水平肩部8に沿って外へ向かう封入材料の吸い上げを制限して反射空洞15の中に分配された封入材料で構成された第2の凸状メニスカスの形成を可能にするように、外側モート24を構成することができる。
【0068】
レンズを備えた本発明のいくつかの実施形態では、レンズ20は、反射空洞15の中に、分配された第2の量16の封入材料に近接して位置付けされる(ブロック1330)。レンズ20の位置付けは、図9Cおよび10Cに示すように、レンズ20で第2の凸状メニスカスをつぶし第2の量16の封入材料の一部を外側モート24の中に入れることを含むことができる。さらに、図10Cに示すように、第2のリップ26’の高さを、第1のリップ22の高さよりも大きくすることができる。第2のリップ26’の高さは、レンズ20に所望の位置を与えるように選ぶことができ、レンズ20は、第2のリップ26’に接触するまで反射空洞15の中に入れることができる。本発明の他の実施形態では、図9Cに示すように、レンズ20は、硬化された第1の量14の封入材料に接触するまで反射空洞15の中に進められ、分配された第1の量14の封入材料は、反射空洞15の中にレンズ20の所望の位置を確立するのに十分な量である。分配された第2の量16の封入材料が硬化されて、反射空洞15の中にレンズ20が取り付けられる(ブロック1340)。
【0069】
図11〜13の流れ図、ならびに図8A〜8C、9A〜9Cおよび10A〜10Cの模式的な図は、本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法の可能な実施の機能および工程を示している。留意すべきことであるが、いくつかの代替的実施では、図を説明する際に指摘された動作は、図で指摘された順序から外れて行われることがある。例えば、連続して示された2つのブロック/工程は、実際には、関係している機能に応じて、実質的に同時に実行するか、または逆の順序で実行することができる。
【0070】
上で述べたように、異なる光パターン(視角、カスタム色スペクトル、色温度調整等)は、プロセスにおける分配および/または硬化の変化と組み合わせて複数メニスカス制御技術を使用することによって、実現することができる。例えば、蛍光体充填材料の高い尖ったドームは、発光デバイスから蛍光体充填材料を通過する光路をより一様な長さに設けることによって、反射カップの縁に向かうにつれ黄色へずれることを減らしつつ、白色温度発光の色スペクトル一様性をより優れたものにすることができる。
【0071】
本発明の実施形態は、発光デバイスに近接して(すなわち、隣接して、または間隔をあけた関係で)形成された蛍光体充填発光変換層を、光空洞中に取り付けられた1つまたは複数の発光デバイス(チップ)に設ける。従来のパッケージング技術は、発光変換層の厚さ変化が発光変換層の平均厚さの10パーセント(%)以下であるべきと教示している。しかし、そのような条件は、光空洞からの発光の進む発光変換層を通過する経路長が、放射角に応じて実質的に異なり、結果として、視角の関数として不均一な波長変換(したがって、不均一な相関色温度またはCCT)を生じる可能性があることを意味している。例えば、厚さtを有する発光変換層に対して垂直な方向に進む光は、可能な最短経路長であるtに等しい経路長(PL)で光変換層を通って進む。しかし、図14に模式的に示すように、発光デバイス103で放射され入射角αで発光変換層を通過する光は、厚さtを入射角の余弦で割ったものに等しい経路長を有している。したがって、例えば、60°の入射角で発光変換層を通過する光は、垂直方向に進む光の経路長の2倍の経路長でその層を通過するだろう。図15は、発光パターンの極座標プロットであり、発光ダイオード(LED)を含む従来のグロブトップ(glob−top)型半導体発光デバイスから生じることがある、軸外放射角における顕著なサイドローブを示している。
【0072】
本明細書で開示されたメニスカス制御の方法は、色均一性の改善をもたらすことができる、成形発光変換領域または要素を形成するために使用することができる。色均一性の改善は、例えば、相関色温度の角度均一性の改善、または全視角にわたったCCT変化の減少によって定量化することができる。あるいは、均一性の改善は、LEDの発光面全体にわたった空間的なCCT変化の減少として近接場光学測定によって証明される。
【0073】
いくつかの実施形態では、蛍光体充填発光変換領域または要素は、光空洞の中心部でより大きく光空洞の側壁の近くでより小さいという、不均一な厚さで特徴付けられる。いくつかの実施形態では、蛍光体充填発光変換領域または要素は、光空洞の中心で最も厚く、発光変換領域の縁の方に半径方向に外側に広がるにつれて薄くなる。いくつかの実施形態では、蛍光体充填発光変換領域の厚さ変化は、発光変換領域の最大厚さの10%よりも大きい。いくつかの実施形態では、発光変換領域または要素は、両凸領域、平凸領域または凹凸領域の形で形作られる。いくつかの実施形態では、発光変換要素は、パッケージの反射空洞の中に挿入される成形プラスチック蛍光体充填片部分のような予備成形構造物を含む。
【0074】
蛍光体充填領域が色均一性の改善を実現するように形作られる本発明の実施形態を、図16A〜16Cに示す。これらの図は、メニスカス制御のために反射カップの構造上の特徴を使用する発光デバイスのパッケージング方法および結果として得られたデバイスを示している。図16A〜16Cに示す工程は、図5A〜5Bに示す反射カップ4および前述したのと同様な複数硬化工程を利用する。図16Aに示すように、第1の量14の封入材料が、パッケージ10の反射空洞15の中に堆積される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の量14は、別個の(ぬれ)予備分配と、これに続く別の分配とを使用して分配することができる。分配される封入材料の量を適切に制御することで、表面張力によって液体封入材料14がリップ22に固着して、図16Aに示すような14Aに示された高さのメニスカスを形成するようになる。封入材料14で形成された最初のメニスカスは、凹状、凸状、または図16Aに示すように実質的に平らであってもよい。
【0075】
分配された封入材料14は、例えば加熱することによって硬化され、14Bに示されたより低い高さまで縮む可能性がある。図示の実施形態では、硬化された封入材料14は、凹状表面14Cを形成するように縮み、これは、3次元で実質的にボウル状(すなわち、中心で最も低く半径方向で上向きに傾斜している)である場合がある。いくつかの実施形態(特に、第1の封入材料14が硬化前に凹状表面を形成するように分配される実施形態)では、封入材料14を予備硬化させること、すなわち、より低い温度に又はより短い硬化時間にさらすことにより、封入材料が完全には凝固せずどちらかと言えばただ単にその表面に固い「皮膜」を形成するだけであるようにすることができる。皮膜を形成する目的は、後で分配される封入材料が第1の封入材料14と混合するのを防止することである。後の封入剤分配は、(蛍光体などの)波長変換材料を含むことができ、上で述べたように、蛍光体充填発光変換領域は第1の封入材料14と混合されるのではなく特有の形を維持すことが望ましいことがある。第1の封入剤層14を完全硬化ではなく予備硬化にかけることで、製造プロセスを速くすることができ、また、第1の封入材料と後の封入剤領域との間の界面の改善をもたらすことができる。
【0076】
図16Bに示すように、次いで第2の量16の封入材料が、空洞15の中に、ボウル状表面14Cの上に分配される。第2の封入材料16は、図示の実施形態では、蛍光体などの発光波長変換材料を含む。いくつかの実施形態では、第1の封入材料14は発光波長変換材料を含まない。他の実施形態では、第1の封入材料14は、第2の封入材料16よりも低い濃度の発光波長変換材料を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、図16Bに示すように、第2の封入材料16も、リップ22の同じ縁に固着して凸状メニスカスを形成することができる。それから、第2の封入材料16は(第2の封入材料16が分配される前に第1の封入材料14が予備硬化されているだけの場合には、第1の封入材料14と共に)硬化される。いくつかの実施形態では、第2の封入材料16も予備硬化、すなわち、より低い温度に又はより短い硬化時間にさらし、後で分配される封入材料が第2の封入材料16と混合する危険を防止または減少させることができる。しかし、他の実施形態では、第2の封入材料16をより完全に硬化させ、レンズ20が空洞15に挿入される前に材料を凝固させることができる。以下で述べるように、いったん凝固されると、第2の封入材料16は、レンズ20の適正な配置を支援する機械的な止め具として作用することができる。
【0078】
結果として得られた硬化された(または予備硬化された)第2の封入材料16は、光空洞の中心近くで最も大きく発光変換要素19の外縁の方に向かって半径方向で減少する不均一な厚さを特徴とする発光変換要素19を画定する。図示の実施形態では、発光変換要素19は、凸状上面19Aおよび凸状下面19Bを備えた両凸構造である。
【0079】
上で言及したように、本明細書で説明したメニスカス制御方法を使用して発光変換要素19を形成することができるが、他の実施形態では、発光変換要素19は、パッケージ10の反射空洞15の中に配置された予備成形蛍光体充填挿入物(insert)とすることができる。そのような構造物は、デバイス性能および製造可能性に関していくつかの利点を有することがある。特に、予備成形挿入物として発光変換要素19を形成することは、予備成形挿入物を挿入前に個々に試験することができるので、品質制御の改善をもたらすことができる。さらに、蛍光体充填発光変換要素19を予備成形挿入物として形成することによって、液体の蛍光体充填材料を最終組立プロセスで使用する必要がなくなる。蛍光体充填材料は研磨性であることがあり、自動機械の工程に支障をもたらすことがあるので、このことは利益をもたらすことができる。最後に、蛍光体充填発光変換要素19を予備成形挿入物として形成することによって、硬化ステップをなくすことができる。
【0080】
さらなる実施形態では、透明な凸状半球型(図示しない)を、第1の封入剤14が第2の封入剤16を収容するために硬化される前に、または後に、第1の封入剤14の上に置くことができる。硬化させたとき、第2の封入剤16は凸状半球型の形をとり、このことは、発光変換要素19の最終的な形に対する制御の改善を行うことができる。
【0081】
発光変換要素19の形成または挿入の後で、図16Bにさらに示すように、第3の封入材料17のある量が空洞15の中に分配される。第3の封入材料17は、シリコーンまたはエポキシなどの光学的に透明な材料であって、発光変換材料を有しないか又は低濃度の発光変換材料を有するものとすることができる。第3の封入材料17は、硬化ステップまたは予備硬化ステップの後で分配されるので、発光変換要素19に埋め込まれた蛍光体変換材料は、第3の封入材料17と実質的に混合しない可能性がある。
【0082】
いくつかの実施形態では、図16Bに示すように、リップ22は、内縁および外縁を有することがあり、第3の量17の封入材料はリップ22の外縁に固着して、発光変換要素19の上に凸状メニスカス形成することができる。したがって、第3の封入材料17も、上部側壁5に接触することがなく又は上部側壁5に沿って吸い上げられることがなく、凸状メニスカスを形成することができる。
【0083】
図16Cを参照すると、レンズ20が反射空洞15の中に挿入され、未硬化で液体の第3の封入材料17と接触する。したがって、第3の封入材料17は、レンズ20の下から押し出されることがある。しかし、本発明のいくつかの実施形態では、(図2に示すように)反射カップおよびレンズの露出された上面にはみ出す代わりに、第3の封入材料17の過剰分はモート18の中に押し込められてそこに収容され、その結果、レンズ20が挿入され図16Bに示す第3の封入材料17の凸状メニスカスに取って代わった後でも、側壁5に沿った封入材料17の吸い上げが制限される。それから、封入材料17が硬化されて、レンズ20がパッケージ10に取り付けられ、さらに封入材料17が凝固される。
【0084】
いくつかの実施形態では、レンズ20は、発光変換要素19に接触するまで反射空洞15の中に進められ、反射空洞15中にレンズ20の所望の位置が確立される。言い換えると、発光変換要素19は、レンズ20の適正な配置を保証する機械的な止め具として作用することができる。他の実施形態では、レンズ20は、図10Cに示すように、反射空洞15中にレンズ20の所望の位置を確立するのに十分な、空洞に形成されたリップに接触するまで反射空洞15の中へ進められる。
【0085】
いくつかの実施例では、第1の封入材料14は、そこを通過する光を散乱させるために埋め込まれた散乱材料を含むことができ、これによって、発光の角度均一性をさらに改善することができる。
【0086】
いくつかの実施例では、第1の封入材料14は、デバイス103から光をいっそう有効に引き出すために高屈折率を有することができる。発光変換要素19が第1の封入材料14の屈折率と異なる屈折率を有する場合、2つの領域の界面を通過する光線は、屈折され、デバイスの発光パターンを変えることがある。発光変換要素19の屈折率が第1の封入材料14の屈折率よりも小さい場合、光線は垂線方向から離れるように屈折される傾向があり、これは、より顕著な経路長差をもたらすことがある。発光変換要素19の形は、そのような効果を相殺するように選ぶことができ、または変えることができる。例えば、上で述べたように、発光変換要素19は、両凸、平凸、または凹凸状とすることができる。
【0087】
本明細書で説明したメニスカス制御技術を使用して平凸発光変換要素を形成する例を、図17A〜17Cに示す。そこに示すように、第1の封入材料14のある量がパッケージ10の反射空洞15の中に堆積される。分配される封入材料の量を適正に制御することで、表面張力によって液体封入材料14がリップ22に固着して、図17Aに示すような14Aに示された高さの凸状メニスカスを形成する。硬化後、第1の封入材料14は、14Bに示された高さに緩和して、ほぼ平らな表面14Cを形成する。次いで、第2の封入材料16が分配され、リップ22の内縁または外縁に固着する凸状メニスカスを形成する。硬化後、第2の封入材料16が、平面19Bの上に凸状表面19Aを有する平凸発光変換要素19を形成する。残りの製造ステップは、図16A〜16Cに関連して上で説明したものと大体同じである。
【0088】
同様な技術を使用して、発光変換要素19は、凸状表面の上に平面領域を有する平凸領域(図18A)、凹状表面の上に凸状表面を有する凹凸領域(図18B)、または凸状表面の上に凹状表面を有する凹凸領域(図18C)として形成することができる。上で述べたように、各実施形態において、発光変換要素19は、蛍光体材料などの波長変換材料を含む。第1の封入材料14および第3の封入材料17は、波長変換材料を有しなくてもよく、または発光変換要素19に比べてより低い濃度の波長変換材料を有してもよい。図16A〜C、17A〜C、および18A〜Cの実施形態は、図5A〜Bに示す反射カップ4に関連して説明したが、上で説明した技術は、複数のモートを備えた反射カップおよびモートを備えない反射カップを含む、他の反射カップ設計に応用可能である。
【0089】
反射空洞15を画定する下部側壁6および上部側壁5を有しかつ不均一な厚さの蛍光体充填発光変換要素19を組み込んだ反射器4の中に、半導体発光デバイス103をパッケージングする方法の実施形態を、これから図19を参照してさらに説明する。図19の実施形態に示すように、工程は、第1の量14の封入材料を反射空洞15中に分配して、第1のメニスカスを形成することによりブロック1900で始まる。メニスカスは、発光変換要素19の所望の最終形状に応じて、凸状、凹状、または実質的に平面の形状を有することができる。メニスカスの形状は、反射器4の物理的な寸法および空洞中に分配される封入剤の量によって決定される。次いで、第1の量14の封入材料が、硬化されるか、または予備硬化される(ブロック1910)。次に、メニスカス制御方法を使用して発光変換要素19を形成することが望ましい場合、図19の流れ図の枝Aに従うことができる。予備成形挿入物を使用して発光変換要素19を形成することが望ましい場合、枝Bに従うことができる。
【0090】
枝Aに従うと、第1の封入材料14の濃度よりも高い濃度の波長変換材料を含む第2の量16の封入材料が、硬化された第1の封入材料14の上に分配される(ブロック1920)。
【0091】
次いで、第2の封入材料16は、硬化されるか、または予備硬化され、発光変換要素19を形成する(ブロック1930)。
【0092】
経路Bに従う場合には、予備成形発光変換要素19が、第1の封入材料14に接触するように空洞15の中に挿入される(ブロック1950)。いくつかの実施形態では、第1の量の封入材料を硬化させるステップは、予備成形発光変換要素19の挿入後に行うことができる。
【0093】
発光変換要素19の形成または挿入(ブロック1930またはブロック1950)の後で、第3の封入材料17が空洞15の中に分配される(ブロック1960)。レンズを含んだ本発明のいくつかの実施形態では、レンズ20が、反射空洞15の中に、分配された第3の量17の封入材料に近接して位置付けされる(ブロック1970)。レンズ20の位置付けは、図9C、10C、16Cおよび17Cに示すように、レンズ20で第3の封入材料17のメニスカスをつぶし第3の量17の封入材料の一部をモート18、24の中に入れることを含むことができる。さらに、図10Cに示すように、パッケージは、第1のリップ22の高さよりも大きな高さを有する第2のリップ26’を備えることができる。第2のリップ26’の高さは、レンズ20に所望の位置を与えるように選ぶことができ、レンズ20は、第2のリップ26’に接触するまで反射空洞15の中に入れることができる。本発明の他の実施形態では、図9C、16Cおよび17Cに示すように、レンズ20は、反射空洞15中にレンズ20の所望の位置を確立するのに十分な発光変換要素19に接触するまで、反射空洞15の中へ進められる。分配された第3の量17の封入材料が硬化され、レンズ20が反射空洞15中に取り付けられる(ブロック1980)。
【0094】
図19の流れ図および図16A〜16C、17A〜17Cおよび18A〜18Cの模式的な図は、本発明のいくつかの実施形態に従って発光デバイスをパッケージングする方法の可能な実施の機能および工程を示している。留意すべきことであるが、いくつかの代替的実施では、図を説明する際に指摘された動作は、図で指摘された順序からはずれて行われる可能性がある。例えば、連続して示された2つのブロック/工程は、実際は、関係している機能に応じて、実質的に同時に実行することができ、または逆の順序で実行することができる。
【0095】
発光デバイスパッケージの発光パターンを、これから、図20A、20Bおよび21を参照してさらに述べる。図20Aは、ゴニオメータを使用して生成された、本発明の発光変換要素のないグロブトップ発光ダイオード(LED)の発光パターンに対する色温度の極座標プロットである。図20Bは、本発明のいくつかの実施形態に従った発光変換要素を有する発光ダイオード(LED)の発光パターンに対する色温度の極座標プロットである。図20Bと図20Aの比較は、発光変換領域で実現された均一性の改善を示す(すなわち、発光パターンの半径は図20Bの方がより均一である)。図20Bで理解されるように、パッケージングされた半導体発光デバイスは、放射角のうち測定された180(垂線すなわち中心軸から+/−90)度範囲にわたって、最大色温度(約0°で7.2kK)よりほぼ26パーセント下の最小色温度(ほぼ−85°で5.3kK)を有している。本発明の様々な実施形態は、半導体発光デバイスパッケージについて、放射角のうち測定された180(垂線すなわち中心軸から+/−90)度範囲、または放射角のうち測定された120(垂線すなわち中心軸から+/−45)度範囲にわたって、最大色温度より僅か30パーセント下の最小色温度を実現することができる。
【0096】
図21Aおよび21Bならびに22Aおよび22Bは、本発明のいくつかの実施形態に従って得られた色均一性の改善をさらに示す。図21Aおよび21Bは、Cree,Inc.で製造された発光ダイオードModelC460XB900が取り付けられた基板/反射器アセンブリを備えた第1のパッケージングされたデバイスの近接場発光パターンのディジタル解析のプロットである。Ce蛍光体(例:Philipsから)をドープした4%YAGと混合された0.0030ccシリコーン(例:仕入先、例えばNye Synthetic Lubicants)が発光デバイスの上に予備分配され、その後に0.0070ccの同じ封入剤の分配が続いた。次に、分配された封入剤は、70Cの温度で60分間硬化された。それから、0.0050ccの第2の量の透明な封入材料が光空洞の中に分配され、レンズが、光空洞の中に、第2の量の封入剤と接触して位置付けされた。それから、第2の量の封入剤は、70Cの温度で60分間硬化された。それから、結果として得られた構造物に電圧を加え、近接場発光パターンを記録し解析した。発光パターンは、放射角のうち測定された180(垂線すなわち中心軸から+/−90)度範囲にわたってほぼ2000Kの全CCT変化(total CCT variation)を示した。
【0097】
図22Aおよび22Bは、Cree,Inc.で製造された発光ダイオードModelC460XB900が取り付けられた基板/反射器アセンブリを備えた第2のパッケージングされたデバイスの近接場発光パターンのディジタル解析のプロットである。0.0020ccの透明(clear)シリコーン(例:仕入先、例えばNye Synthetic Lubicants)が発光デバイスの上に予備分配され、その後に0.0035ccの同じ封入剤の第1の分配が続いた。第1の封入剤(予備分配封入剤を含む)は波長変換材料を含まなかった。次に、第1の封入剤が、70Cの温度で60分間硬化され、凹状メニスカスを形成した。それから、波長変換蛍光体、すなわちCe蛍光体(例:Philipsからの)をドープした7重量%のYAGを含んだ0.0045ccの第2の量の封入材料が第1の封入剤で形成された凹状メニスカス中に分配された。次いで、第2の封入剤は、70Cの温度で60分間硬化され、光空洞の中心で最も大きく外に向かって半径方向に減少する厚さを有する発光変換要素を形成した。それから、0.0050ccの第3の量の封入剤(どんな波長変換材料も含まない)が光空洞の中に分配され、レンズが、光空洞の中に、第3の量の封入剤と接触して位置付けされた。第3の量の封入剤は、ついで70Cの温度で60分間硬化された。結果として得られた構造物に電圧を加え、近接場発光パターンを記録し解析した。発光パターンは、放射角のうち同じ範囲にわたってほぼ500Kの全CCT変化を示した。
【0098】
本発明のいくつかの実施形態では、放射角のうち測定された180、120または90(垂線すなわち中心軸を中心とした)度範囲にわたって、約1000K未満のCCT変化が実現された。本発明の他の実施形態では、放射角のうち測定された180、120または90(垂線すなわち中心軸を中心とした)度範囲にわたって、約2000K未満のCCT変化が実現された。本発明のさらにまた他の実施形態では、放射角のうち測定された120または90(垂線すなわち中心軸を中心とした)度範囲にわたって、約500K未満のCCT変化が実現された。本明細書で言及されるCCT変化は、色変化を改善するためにパッケージングされた半導体発光デバイスに追加されるか又は組み合わせて使用されるどんな追加の2次的な光学部品も使用することなく、デバイスと共に加工された主光学部品を備えたデバイスの主発光パターンに基づいていることを理解されたい。主光学部品は、本明細書において本発明の様々な実施形態に関して説明したように、デバイスに組み込まれたレンズと組み合わせた発光変換要素などの、デバイスに一体化された光学部品を意味する。
【0099】
前述したものは、本発明の例示であり、本発明を限定するものと解釈すべきでない。本発明のいくつかの例示的実施形態を説明したが、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく例示的実施形態に多くの修正が可能であることを、当業者は容易に理解するだろう。したがって、全てのそのような修正は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内に含まれることが意図されている。それゆえ、前述したものは、本発明を例示するものであり、開示された特定の実施形態に限定されるように解釈すべきでなく、また、他の実施形態だけでなく開示された実施形態の修正も添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本発明は、添付の特許請求の範囲、および特許請求の範囲に含まれるべき均等物(equivalents)によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】従来の発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図2】従来の発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図3A】本発明のいくつかの実施形態による、発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図3B】本発明のいくつかの実施形態による、発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図3C】本発明のいくつかの実施形態による、発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図4A】本発明のいくつかの実施形態と共に使用するのに適した発光デバイスパッケージを示す上面図である。
【図4B】図4Aの発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図5A】本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスパッケージを示す上面図である。
【図5B】図5Aの発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図6】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図7】本発明の他の実施形態による発光デバイスパッケージを示す断面側面図である。
【図8A】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図8B】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図8C】本発明のさらなる実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図9A】本発明の他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図9B】本発明の他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図9C】本発明の他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図10A】本発明のさらにまた他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図10B】本発明のさらにまた他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図10C】本発明のさらにまた他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図11】本発明のいくつかの実施形態による発光デバイスをパッケージングする工程を示す流れ図である。
【図12】本発明のいくつかの他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする工程を示す流れ図である。
【図13】本発明のさらにまた他の実施形態による発光デバイスをパッケージングする工程を示す流れ図である。
【図14】層を通過する光の経路長を示す模式図である。
【図15】発光ダイオード(LED)の発光パターンに対する色温度の極座標プロットである。
【図16A】本発明のさらなる実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図16B】本発明のさらなる実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図16C】本発明のさらなる実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図17A】本発明の他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図17B】本発明の他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図17C】本発明の他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図18A】本発明のいくつかの他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図18B】本発明のいくつかの他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図18C】本発明のいくつかの他の実施形態による、発光変換要素を備える発光デバイスをパッケージングする方法を示す断面側面図である。
【図19】本発明のいくつかのさらなる実施形態による発光デバイスをパッケージングする方法の工程を示す流れ図である。
【図20A】本発明の発光変換要素のないグロブトップ発光デバイスの発光ダイオード(LED)発光パターンに対する色温度の極座標プロットである。
【図20B】本発明のいくつかの実施形態による発光変換要素を有する発光デバイスの発光ダイオード(LED)発光パターンに対する色温度の極座標プロットである。
【図21A】発光変換要素を有しない、パッケージングされた半導体発光デバイスの近接場発光パターンのデジタル解析のプロットである。
【図21B】発光変換要素を有しない、パッケージングされた半導体発光デバイスの近接場発光パターンのデジタル解析のプロットである。
【図22A】本発明のいくつかの実施形態による、発光変換要素を有する、パッケージングされた半導体発光デバイスの近接場発光パターンのデジタル解析のプロットである。
【図22B】本発明のいくつかの実施形態による、発光変換要素を有する、パッケージングされた半導体発光デバイスの近接場発光パターンのデジタル解析のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光デバイスをパッケージングする方法であって、
第1の量の封入材料を、前記発光デバイスを備える空洞中に分配するステップと、
前記空洞中の前記第1の量の封入材料を処理して、選択された形状を有する硬化した上面を形成するステップと、
前記処理された第1の量の封入材料の前記上面の上に発光変換要素を設けるステップであって、前記発光変換要素は、波長変換材料を含み、さらに前記反射空洞の中心領域で前記空洞の側壁に近い領域よりも大きな厚さを有するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記発光変換要素の厚さは、前記発光変換要素が前記中心領域から前記側壁に向かって半径方向に外側に広がるにつれて連続的に減少することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発光変換要素の厚さは、前記発光変換要素の最大厚さの10パーセントよりも多く変化することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記発光変換要素は、両凸、平凸または凹凸形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記発光変換要素の上に第2の量の封入材料を分配し、レンズの所望の形状を実現する封入材料で構成された凸状メニスカスを前記空洞中に形成するステップと、
前記第2の量の封入材料を硬化させ、前記パッケージングされた発光デバイス用のレンズを前記封入材料で形成するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記発光変換要素の上に第2の量の封入材料を分配するステップと、
前記空洞中に、前記分配された第2の量の封入材料の上にレンズを位置付けするステップと、
前記分配された第2の量の封入材料を硬化させ、前記レンズを前記空洞中に取り付けるステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
発光変換要素を設けるステップは、
前記第1の量の封入材料の上面に第2の量の封入材料を分配するステップであって、前記第2の量の封入材料は前記波長変換材料をその中に有しているステップと、
前記第2の量の封入材料を硬化させ、前記発光変換要素を画定するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記発光変換要素は両凸形状を有し、前記選択された形状は凹状であり、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させるステップは、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、前記第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記発光変換要素は平凸形状を有し、前記選択された形状は凹状であり、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させるステップは、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、前記第2の量の封入材料の平面の上面を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記発光変換要素は平凸形状を有し、前記選択された形状は平面であり、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させるステップは、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、前記第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記発光変換要素は凹凸形状を有し、前記選択された形状は凸状であり、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させるステップは、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、前記第2の量の封入材料の凸状の上面を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記発光変換要素は凹凸形状を有し、前記選択された形状は凹状であり、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させるステップは、前記第2の量の封入材料を分配し、硬化させ、前記第2の量の封入材料の凹状の上面を形成することを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記波長変換材料は、蛍光体および/またはナノ結晶を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の量の封入材料を処理する前記ステップは、前記第1の量の封入材料を硬化させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の量の封入材料を処理するステップは、前記第1の量の封入材料を予備硬化させ、その上面に固まった皮膜を形成することを含み、前記方法は、前記発光変換要素を設けた後で前記第1の量の封入材料を硬化させることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記波長変換材料は、蛍光体を含み、さらに前記第1の量の封入材料は蛍光体を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記波長変換材料は、蛍光体を含み、前記第1の量の封入材料は蛍光体を含み、前記第1の量の封入材料が前記発光変換要素よりも重量で低いパーセント値の蛍光体を有していることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記発光変換要素は、予備成形挿入物を含み、前記発光変換要素を前記上面に設けるステップは、前記予備成形挿入物を前記処理された第1の量の封入材料の上面に配置することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記予備成形挿入物は、成形プラスチック蛍光体充填片部分を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記予備成形挿入物を前記上面に配置する前に、前記予備成形挿入物を試験することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
パッケージングされた半導体発光デバイスであって、
空洞を画定する側壁部を有する本体と、
前記空洞中に位置付けされた発光デバイスと、
前記発光デバイスを備える前記空洞の中の、第1の量の硬化された封入材料と、
前記第1の量の封入材料の上面の上の発光変換要素であって、波長変換材料を含み、前記空洞の中心領域で前記空洞の側壁に近い領域よりも大きな厚さを有している発光変換要素と
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項22】
前記発光変換要素の厚さは、前記発光変換要素が前記中心領域から前記側壁に向かって半径方向に外側に広がるにつれて、連続的に減少することを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記発光変換要素の厚さは、前記発光変換要素の最大厚さの10パーセントよりも多く変化していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記発光変換要素は、両凸、平凸または凹凸形状を有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項25】
前記発光デバイスは、発光ダイオード(LED)を備えることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項26】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、最大色温度より僅か30パーセント下の最小色温度を有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項27】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、約1000K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項28】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、約500Kの全CCT変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項29】
前記デバイスは、放射角のうち120(中心軸から+/−45)度範囲にわたって、約1000K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項30】
前記デバイスは、放射角のうち90(中心軸から+/−45)度範囲にわたって、約500K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項31】
前記本体は反射器を備え、前記空洞は反射空洞を備えていることを特徴とする請求項21に記載のデバイス。
【請求項32】
パッケージングされた半導体発光デバイスであって
空洞を画定する側壁部を有する本体と、
前記空洞中に位置付けされた発光デバイスと、
前記発光デバイスを備える前記空洞の中の、第1の量の硬化された封入材料と、
前記第1の量の封入材料の上面の上の発光変換要素であって、波長変換材料を含む発光変換要素と
を備え、
放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、2000K未満の相関色温度の変化を示すことを特徴とするパッケージングされた半導体発光デバイス。
【請求項33】
前記発光変換要素は、前記空洞の中心領域で前記空洞の側壁に近い領域よりも大きな厚さを有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記発光変換要素の厚さは、前記発光変換要素の最大厚さの10パーセントよりも多く変化していることを特徴とする請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記発光変換要素は、両凸、平凸または凹凸形状を有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項36】
前記発光デバイスは、発光ダイオード(LED)を備えることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項37】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、最大色温度より僅か30パーセント下の最小色温度を有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項38】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、約1000K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項39】
前記デバイスは、放射角のうち180(中心軸から+/−90)度範囲にわたって、約500Kの全CCT変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項40】
前記デバイスは、放射角のうち120(中心軸から+/−45)度範囲にわたって、約1000K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項41】
前記デバイスは、放射角のうち90(中心軸から+/−45)度範囲にわたって約500K未満の全相関色温度(CCT)変化を有する主発光パターンを有していることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。
【請求項42】
前記本体は反射器を備え、前記空洞は反射空洞を備えていることを特徴とする請求項32に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【公表番号】特表2007−531317(P2007−531317A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506264(P2007−506264)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009778
【国際公開番号】WO2005/098976
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】