説明

発光装置、露光装置及び画像形成装置

【課題】装置規模を大型化することなく、かつ、簡易な動作制御により、発光素子の特性劣化による輝度変化を抑制して製品寿命を長くすることができる発光装置、及び、該発光装置を適用した露光装置、並びに、該露光装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子OELは、1ドット分のEL素子形成領域が隔壁層15により分割され、各領域に異なる総厚の薄膜発光部16aと厚膜発光部16bが設けられている。これらの薄膜発光部16aと厚膜発光部16bは、共通するアノード電極13とカソード電極17間に並列に介在するように構成されている。そして、単一の発光駆動回路DCにより生成された駆動電流が、並列に接続された有機EL発光部OELaとOELbに供給され、有機EL発光部OELaとOELbとが同時に発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、露光装置及び画像形成装置に関し、特に、有機エレクトルミネッセント素子を発光素子として備える発光装置、及び、該発光装置を適用した露光装置、並びに、該露光装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやファクシミリ、コピー機をはじめとする画像形成装置においては、発光ダイオードやレーザダイオードを光源とする露光ヘッドを備えた露光装置を適用した電子写真方式が広く用いられている。近年、画像形成装置においては、解像度の向上に伴って、露光ヘッドに数千個以上の発光点を配置する必要が生じているが、上述した既存の発光ダイオードやレーザダイオードにおいては、微小化した発光点を精度よく均一に配列することが困難であった。
【0003】
そこで、基板上に微細化加工技術を用いて高精度に製造することができる有機エレクトルミネッセント素子(以下、「有機EL素子」と略記する)を、露光ヘッドに適用することが試みられている。例えば特許文献1に記載された印刷装置においては、有機EL素子がライン状に配列された露光ヘッドが、感光ドラムに対して一定の距離をおいて設置され、フォーカスされた光が感光体上に静電潜像を形成する構成を有している。
【0004】
ところで、上記のような露光ヘッドに適用される有機EL素子は、既存の光源に比較して、時間経過に伴う輝度の劣化が著しいため、製品寿命が短いという問題や、印字率による駆動時間の差異に起因して、各発光体間で濃度変化が発生するという問題を有していた。そのため、発光素子の特性劣化による輝度変化やヘッド全面にわたる点灯劣化に起因する輝度ばらつきの発生を抑える技術が提案されている。例えば特許文献2に記載されているように、露光ヘッド内に有機EL素子と、その発光量を測定する光量センサとを集積し、センサで検知した光量に応じて発光素子の光強度を制御(フィードバック制御)する方法が知られている。また、他の手法としては、複数の発光素子を定電流駆動する場合、発光素子の端子電圧を測定し、その端子電圧と予め記録した端子電圧との差に基づいて発光素子の発光状態を算出し、発光素子の駆動電流を補正する駆動方法も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−327217号公報
【特許文献2】特開2000−238333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような発光素子の特性劣化による輝度変化等を抑制する技術においては、次のような問題を有している。
露光ヘッド内に光検出用のセンサを集積する場合においては、十分な検出感度を得るためにはセンサの面積を大きくする必要があるため、露光ヘッドのサイズが大きくなるという問題を有していた。加えて、上述したようなフィードバック制御においては、輝度変化等を抑制するための動作制御が複雑になるという問題も有していた。また、測定された発光素子の端子電圧と、予め記録された端子電圧との差に基づいて、発光素子の駆動電流を補正する場合においては、端子電圧は温度によって大きく変化するため、微細部の温度検出も必要となり、周辺素子への配線等により露光ヘッドのサイズが大きくなるという問題を有していた。
【0007】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑み、装置規模を大型化することなく、かつ、簡易な動作制御により、発光素子の特性劣化による輝度変化を抑制して製品寿命を長くすることができる発光装置、及び、該発光装置を適用した露光装置、並びに、該露光装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、駆動信号に応じた光を出射する発光装置であって、第1の方向に沿って配列された複数の発光素子からなる発光素子アレイを備え、前記各発光素子は、一対の電極間に設けられ、並列に接続された、発光層を含んで互いに異なる総厚を有する複数の発光部を有し、前記各発光部は、前記各発光素子に前記駆動信号に対応した駆動電流が供給されたとき、該駆動電流が前記各発光部の抵抗値に応じて分配されて供給されて、同時に発光し、前記各発光素子は、前記各発光部が発光した光を合わせて出射光として出射することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発光装置において、前記複数の発光部は、第1の総厚を有する第1の発光部と前記第1の総厚より厚い第2の総厚を有する第2の発光部とからなり、前記駆動電流が印加されていない初期状態において、前記第1の発光部は第1の抵抗値を有し、前記第2の発光部は第2の抵抗値を有し、前記第2の抵抗値は前記第1の抵抗値より大きいことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発光装置において、前記第1の発光部の発光輝度を第1の輝度、前記第2の発光部の発光輝度を第2の輝度、前記出射光の輝度を第3の輝度としたとき、前記第3の輝度は前記第1の輝度と前記第2の輝度の合計であり、電流値が一定の値に設定された前記駆動電流が前記第1の発光部に供給されて、該第1の発光部の発光輝度の輝度値が、前記駆動電流の供給開始時の値の1/2になったときの、前記駆動電流の供給時間を所定時間とし、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、抵抗比をR2/R1としたとき、前記駆動電流が前記各発光素子に供給されているときの前記供給時間が前記所定時間に達するまでの期間において、前記第1の輝度は前記供給時間の経過に対して減少し、前記第2の輝度は前記供給時間の経過に対して増加し、前記抵抗比は、前記供給時間が前記所定時間に達したときの前記第3の輝度の値が、前記駆動電流の供給開始時の前記第3の輝度の値に対して90%〜110%となる値に設定されていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発光装置において、前記第2の抵抗値は、前記第1の抵抗値の2倍以上の値を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発光装置において、前記発光素子アレイは、前記第1の方向に延在して設けられた隔壁を有し、前記各発光素子の前記複数の発光部の各々は、前記隔壁を挟んで、前記第1の方向に直交する第2の方向に、隣接して設けられていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発光装置において、前記複数の発光素子は、各々、前記駆動信号に応じた階調電流が供給されて、前記駆動電流を当該発光素子に供給する発光駆動回路に接続されていることを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、感光体ドラムに駆動信号に応じた光を照射して露光を行う露光装置において、前記露光の主走査方向に配列された複数の発光素子からなる発光素子アレイを備え、前記各発光素子は、一対の電極間に設けられ、並列に接続された、発光層を含んで互いに異なる総厚を有する複数の発光部を有し、前記各発光部は、前記各発光素子に前記駆動信号に対応した駆動電流が供給されたとき、前記駆動電流が前記各発光部の抵抗値に応じて分配されて供給されて、同時に発光し、前記各発光素子は、前記各発光部が発光した光を合わせて出射光として出射することを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の露光装置において、前記複数の発光部は、第1の総厚を有する第1の発光部と前記第1の総厚より厚い第2の総厚を有する第2の発光部とからなり、前記駆動電流が印加されていない初期状態において、前記第1の発光部は第1の抵抗値を有し、前記第2の発光部は第2の抵抗値を有し、前記第2の抵抗値は前記第1の抵抗値より大きいことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の露光装置において、前記第1の発光部の発光輝度を第1の輝度、前記第2の発光部の発光輝度を第2の輝度、前記出射光の輝度を第3の輝度としたとき、前記第3の輝度は前記第1の輝度と前記第2の輝度の合計であり、電流値が一定の値に設定された前記駆動電流が前記第1の発光部に供給されて、該第1の発光部の発光輝度の輝度値が、前記駆動電流の供給開始時の値の1/2になったときの、前記駆動電流の供給時間を所定時間とし、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、抵抗比をR2/R1としたとき、前記駆動電流が前記各発光素子に供給されているときの前記供給時間が前記所定時間に達するまでの期間において、前記第1の輝度は前記供給時間の経過に対して減少し、前記第2の輝度は前記供給時間の経過に対して増加し、前記抵抗比は、前記供給時間が前記所定時間に達したときの前記第3の輝度の値が、前記駆動電流の供給開始時の前記第3の輝度の値に対して90%〜110%となる値に設定されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項8記載の露光装置において、前記第2の抵抗値は、前記第1の抵抗値の2倍以上の値を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7乃至10のいずれかに記載の露光装置において、前記主走査方向に延在して設けられた隔壁を有し、前記各発光素子の前記複数の発光部の各々は、前記隔壁を挟んで、前記主走査方向に直交する副走査方向に、隣接して設けられていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項7乃至11のいずれかに記載の露光装置において、前記複数の発光素子は、各々、前記駆動信号に応じた階調電流が供給されて、前記駆動電流を当該発光素子に供給する発光駆動回路に接続されていることを特徴とする。
請求項13記載の発明に係る画像形成装置は、請求項7乃至12のいずれかに記載の露光装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、装置規模を大型化することなく、かつ、簡易な動作制御により、発光素子の特性劣化による輝度変化を抑制して製品寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る画像形成装置が適用された電子写真印刷装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】一実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子の基本的な構造を示す概略断面図である。
【図3】一実施形態に係る露光ヘッドの全体構成を示す斜視図である。
【図4】一実施形態に係る露光ヘッドの内部構造を示す概略断面図である。
【図5】一実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子アレイの要部を示す概略構成図である。
【図6】一実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光画素の一例を示す等価回路図である。
【図7】一実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光画素の発光駆動方法の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】一実施形態に係る有機EL素子の発光状態を概略的に示す等価回路図である。
【図9】有機EL素子における発光特性の変化を示す図(その1)である。
【図10】有機EL素子における発光特性の変化を示す図(その2)である。
【図11】有機EL素子における導通抵抗の変化を示す図(その1)である。
【図12】有機EL素子における導通抵抗の変化を示す図(その2)である。
【図13】一実施形態に係る有機EL素子における発光特性を示す図である。
【図14】一実施形態に係る有機EL素子における発光層の膜厚比及び面積比と、発光特性との関係を示す図(その1)である。
【図15】一実施形態に係る有機EL素子における発光層の膜厚比及び面積比と、発光特性との関係を示す図(その2)である。
【図16】一実施形態に係る有機EL素子における発光層の膜厚比及び面積比と、発光特性との関係を示す図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る発光装置、露光装置及び画像形成装置について、実施形態を示して詳しく説明する。
(画像形成装置)
まず、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置が適用された電子写真印刷装置の一例を示す概略構成図である。
【0015】
図1に示すように、本発明に係る画像形成装置が適用された電子写真印刷装置100は、概略、感光体ドラム110と、帯電ローラ120と、露光ヘッド130と、現像器140と、搬送ベルト150と、転写ローラ160と、定着ローラ170と、クリーニング部材180と、イレーサ光源190と、を備えて構成されている。
【0016】
本実施形態においては、感光体ドラム110は、ドラム形状の導電性支持体の外周表面に、例えば負帯電型のOPC(Organic Photo Conductor;有機光導電体)からなる感光体を積層した構造を有している。また、帯電ローラ120は、感光体ドラム110の帯電極性に対応した帯電器である。本実施形態においては、帯電ローラ120は、負帯電器であり、感光体ドラム110に接触した状態で、図示を省略した帯電用電源から供給されるマイナス高電圧を印加することにより、感光体ドラム110の外周表面が一様に負電位となるように帯電させる。
【0017】
露光ヘッド130は、ケース部31とロッドレンズ32から構成されている。詳しくは後述するが、ケース部31には、有機EL素子からなる複数の発光素子が一列にアレイ状に配列された基板が収納されている。この発光素子から放射された光が、ロッドレンズ32を介して感光体ドラム110に照射されることにより、感光体ドラム110の外周表面に駆動信号(印字情報、画像データ)に応じた静電潜像が形成される。
【0018】
また、現像器140は、現像ローラ41を有している。現像ローラ41は、現像器140に収容されている弱いマイナス電位に帯電したトナー(図示を省略)を、感光体ドラム110との対向部に回転搬送することにより、感光体ドラム110の外周表面に形成された静電潜像にトナーを付着させる。
【0019】
搬送ベルト150は、載置された印刷用紙210を、感光体ドラム110と転写ローラ160が対向する転写部を介して、定着ローラ170へ搬送する。また、転写ローラ160は、搬送ベルト150に載置された印刷用紙210を介して、感光体ドラム110に対向するように配置されている。転写ローラ160は、上記現像器140により感光体ドラム110外周表面の静電潜像に付着されたトナーを、印刷用紙210に転写する。
【0020】
定着ローラ170は、転写ローラ160により印刷用紙210に転写されたトナーを定着させて、電子写真印刷装置100の外部に排出する。クリーニング部材180は、トナー転写後の感光体ドラム110の外周表面に残留するトナーを除去する。イレーサ光源190は、感光体ドラム110の外周表面を一様に除電する。
【0021】
このような電子写真印刷装置100における駆動制御方法(印刷方法)は、概略、次のような工程からなる。まず、図示を省略した帯電用電源から所定の初期化電圧が印加された帯電ローラ120が、回転する感光体ドラム110の外周表面に接触することにより、当該外周表面が一様に負の高電位に帯電(マイナス帯電)して初期化する。次いで、感光体ドラム110の外周表面に、露光ヘッド130から駆動信号に応じた光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。具体的には、負の高電位に一様に帯電した感光体ドラム110の外周表面に、光照射による書込みを行うことにより、露光により負の低電位(例えば−50V)に帯電した露光帯電部と、露光されずに上述した初期化の際の負の高電位に帯電したままの初期化帯電部とからなる静電潜像が形成される。
【0022】
次いで、現像器140に収容されている弱いマイナス電位に帯電したトナーを、現像ローラ41により感光体ドラム110との対向部に回転搬送させて、当該トナーを感光体ドラム110の外周表面に付着させる。ここで、現像ローラ41は、図示を省略した電源から、上記露光帯電部よりもさらに低い現像電圧(例えば−250V)が印加される。すなわち、現像ローラ41は、例えば−50Vに帯電した上記露光帯電部との間に、例えば−200Vの電位差を形成する。これにより、現像ローラ41に対して相対的にプラス極性の電位となった静電潜像の露光帯電部に、マイナス極性に帯電しているトナーが転移してトナー像を形成する。このとき、上述した感光体ドラム110の外周表面の露光量に応じた電位の減衰量に基づいて、上記静電潜像へのトナーの付着量(現像された画像の濃度)が決定される。このトナー像は、感光体ドラム110の回転に伴って、感光体ドラム110と転写ローラ160とが対向する転写部へと搬送される。
【0023】
そして、この感光体ドラム110の回転に同期して、搬送ベルト150により印刷用紙210が転写部へ搬送されることにより、転写ローラ160が感光体ドラム110の外周表面のトナー像を印刷用紙210に転写する。トナー像が転写された印刷用紙210は、搬送ベルト150によりさらに搬送されて、定着ローラ170によりトナー像が熱定着された後、電子写真印刷装置100の外部に排出される。一方、転写動作後の感光体ドラム110は、その外周表面に残留する微量の転写漏れトナーがクリーニング部材180により除去された後、さらにイレーサ光源190により感光体ドラム110の外周表面が一様に除電される。
【0024】
(露光ヘッド)
次に、本実施形態に係る電子写真印刷装置に適用される露光ヘッド(露光装置)について、図面を参照して詳しく説明する。ここでは、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子のデバイス構造の特徴を明確するために、まず、周知の有機EL素子の基本的な構造について説明する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子の基本的な構造を示す概略断面図である。
本実施形態に係る発光素子として適用される有機EL素子の基本構造は、図2に示すように、ガラス等の透明な基板21上に、アノード電極22、正孔輸送層23、発光層24、電子輸送層25及びカソード電極26が順次形成されている。正孔輸送層23、発光層24及び電子輸送層25は本発明の発光部を構成している。ここで、アノード電極22は、例えば錫ドープ酸化インジウム(Indium Thin Oxide:ITO)や亜鉛ドープ酸化インジウム等の光透過率の高い透明な電極材料により形成されている。また、カソード電極26は、例えばアルミニウム合金等の光反射率の高い金属材料により形成されている。発光層24は、正孔輸送層23を介して注入された正孔と、電子輸送層25を介して注入された電子を再結合して発光する有機材料を含んでいる。
【0026】
このような構造を有する有機EL素子においては、発光層24に印加される電圧が発光しきい値を越えるように、アノード電極22とカソード電極26との間に電圧を印加することにより、正孔輸送層23及び電子輸送層25を介して注入されたホールと電子が、発光層24内で再結合する際に生じるエネルギーに基づいて光(励起光)hνが放射される。このとき、発光層24において発光した光hνは、図2に示すように、透明なアノード電極22を透過して直接、あるいは、カソード電極26で反射した後、基板21を透過して、基板21の他面側(図2の図面下方)に出射される。すなわち、図2に示した有機EL素子は、ボトムエミッション型の発光構造を有している。なお、有機EL素子を構成する発光材料は、水分の影響を受けて素子特性の劣化を生じやすいので、水分を含む外気に直接触れないように、図2に示すように、封止基板27により封止されている。また、有機EL素子は、カソード電極26の上面を、図示を省略した封止層によりさらに封止されていてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る露光ヘッドの全体構成を示す斜視図である。また、図4は、本実施形態に係る露光ヘッドの内部構造を示す概略断面図である。
本実施形態に適用される露光ヘッド130は、図3、図4に示すように、大別して、ケース部31と、ロッドレンズ32と、制御ケーブル33と、を有している。
【0028】
図4に示すように、ケース部31は、背面ケース31aと、前面ケース31bと、を備え、ケース部31の内部には、後述する発光素子アレイ10(図5参照)を構成する基板11や封止基板19、ドライバIC36等が収納されている。背面ケース31aにはケース部材を貫通するように中継コネクタ34が取り付けられている。中継コネクタ34と基板11上の配線(図示を省略)は、中継配線35により電気的に接続されている。また、中継コネクタ34は、制御ケーブル33を介して電子写真印刷装置本体に電気的に接続されている。これにより、発光素子アレイ10は、電子写真印刷装置本体からの制御信号に基づいて駆動制御される。
【0029】
ケース部31に収納された発光素子アレイ10は、詳しくは後述するが、ガラス等の透明な基板11上に、感光体ドラム110への露光走査の主走査方向(感光体ドラム110の幅方向;図3中に矢印で表記)に、発光素子である複数の有機EL素子OELが一列に配設されている。ここで、発光素子アレイ10は、具体的には、例えばA4サイズの印刷用紙を縦方向に用いて、その幅一杯に印字密度1200dpi(ドット/インチ)で印字可能なプリンタ装置に適用した場合、およそ14000個の発光素子(有機EL素子OEL)が配列されている。
【0030】
ドライバIC36は、発光素子アレイ10が形成される基板11上に載置され、発光素子アレイ10の各発光素子に電気的に接続されている。ドライバIC36は、電子写真印刷装置本体から制御ケーブル33、中継コネクタ34及び中継配線35を介して供給される制御信号や駆動信号等に基づいて、発光素子アレイ10の各発光素子(厳密には、有機EL素子OELを含む発光画素)に選択信号や階調電流を供給することにより、個々の発光素子を発光制御する。なお、ドライバIC36による有機EL素子OELの発光駆動方法については、詳しく後述する。
【0031】
一方、前面ケース31bには発光素子アレイ10からの光の放射経路上にロッドレンズ32が取り付けられている。これにより、発光素子アレイ10の各発光素子から出射された光がロッドレンズ32を介して、例えば数mmの距離を隔てた感光体ドラム110の外周表面に集光されて小径の光スポットを形成し、光照射による書込みが行われる。
【0032】
次に、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子アレイ(発光装置)、及び、各発光素子を含む発光画素について具体的に説明する。
図5は、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光素子アレイの要部を示す概略構成図である。ここで、図5(a)は、発光素子アレイの要部(有機EL素子OELの配列状態)を示す概略平面図であり、図5(b)は、図5(a)に示した発光素子アレイにおけるVA−VA線(本明細書においては、図5中に示したローマ数字の「5」に対応する記号として便宜的に「V」を用いて示す)に沿った断面を示す概略断面図である。なお、図5(a)においては、発光素子を構成する有機EL素子の構造のうち、対向電極であるカソード電極を省いた平面構造を示す。また、発光素子の構成を明確にするため隔壁層及び発光部に便宜的にハッチングを施して示す。図6は、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光画素の一例を示す等価回路図である。
【0033】
図5(a)に示すように、発光素子アレイ10は、感光体ドラム110への露光走査の主走査方向(図5(a)中に矢印で表記;図3中の矢印に対応する)に、発光素子である複数の有機EL素子OELが一列に配設されている。ここで、本実施形態に係る各有機EL素子OELは、図5(a)、(b)に示すように、ガラス等の透明な基板11の一面側(図5(b)上面側)に形成されたゲート絶縁膜12上に、アノード電極13と、上述の発光層24を含んで総厚の異なる薄膜発光部16a及び厚膜発光部16bと、カソード電極17が順次積層された構成を有している。薄膜発光部16a及び厚膜発光部16bとの間には、ポリイミド等の感光性樹脂材料からなる隔壁層15が設けられている。すなわち、有機EL素子OELは、発光素子アレイ10の主走査方向に延在して設けられた隔壁層15により、1ドット分のEL素子形成領域(発光領域)が2分割され、各領域に異なる(すなわち2種類の)総厚の薄膜発光部16a及び厚膜発光部16bが設けられている。
【0034】
具体的には、図5(a)、(b)に示すように、隔壁層15により分割された領域の一方側(図面左方側)には、総厚の薄い発光部(薄膜発光部16a)が形成され、他方側(図面右方側)には、総厚の厚い発光部(厚膜発光部16b)が形成されている。ここで、薄膜発光部16a及び厚膜発光部16bは、同一の有機発光材料を用いて形成されている。また、各有機EL素子OELは、これらの異なる総厚の発光部(薄膜発光部16a、厚膜発光部16b)に対して、共通の画素電極となるアノード電極13、及び、共通の対向電極となるカソード電極17(図5(a)においては省略)を有している。アノード電極13は、後述する発光駆動回路の駆動トランジスタであるトランジスタTr13のソース電極Tr13sに接続されている。また、カソード電極17は、発光素子アレイ10に配列された複数の(又は、全ての)有機EL素子OELに対して、共通の対向電極となるように形成されている。このように、本実施形態に係る有機EL素子OELは、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部をOELbとから構成されている。
【0035】
なお、各有機EL素子OEL及びトランジスタTr13を含む発光駆動回路は、図5(b)に示すように、直接、又は、層間絶縁膜14を介して、封止層18により表面が保護されている。さらに、発光素子アレイ10は、基板11に対向して貼り合わせられたガラス等の封止基板19により封止されている。
【0036】
また、図5(b)に示した断面図においては、本実施形態に係る有機EL素子OELの特徴を明確にするために、有機EL層として便宜的に発光層のみを示したが、上述した有機EL素子の基本構造(図2参照)と同様に、担体輸送層として、アノード電極と発光層との間に正孔輸送層が設けられ、また、カソード電極と発光層との間に電子輸送層が設けられていることはいうまでもない。なお、有機EL素子OELの担体輸送層は、正孔輸送層と発光層と電子輸送層からなる三層構造に限定されるものではなく、例えば正孔輸送層及び電子輸送性発光層の二層構造でもよく、正孔輸送兼電子輸送性発光層のみでもよく、正孔輸送性発光層及び電子輸送層でもよく、また、層間にその他の担体輸送層が介在する構造を有するものであってもよい。本発明においては発光層として機能する担体輸送層が異なる膜厚を有しているものであればよい。
【0037】
本実施形態に係る発光素子アレイ10においては、上述したような有機EL素子OELを発光制御するために、各ドットの有機EL素子OELごとに例えば図6に示すような発光駆動回路DCを備えている。換言すると、本実施形態に係る露光ヘッドの各ドットを構成する発光画素PIXは、図6に示すように、発光駆動回路DCと、有機EL素子OELと、を有している。
【0038】
図6に示す発光駆動回路DCは、具体的には、トランジスタTr11〜Tr14と、キャパシタCsとを備えている。トランジスタTr11〜Tr14はゲート端子、ドレイン端子及びソース端子を有し、ドレイン端子とソース端子間に形成される電流路を有するものである。トランジスタTr11(選択トランジスタ)は、ゲート端子が選択ラインLsel1に接続され、また、ソース端子がデータラインLdに接続され、また、ドレイン端子が接点N11に接続されている。トランジスタTr12(選択トランジスタ)は、ゲート端子が選択ラインLsel1に接続され、また、ソース端子がデータラインLdに接続され、また、ドレイン端子が接点N12に接続されている。トランジスタTr13(駆動トランジスタ)は、ゲート端子が接点N11に接続され、ドレイン端子が接点N12に接続され、ソース端子が接点N13に接続されている。トランジスタTr14(電源スイッチトランジスタ)は、ゲート端子が選択ラインLsel2に接続され、ソース端子が電源ラインLaに接続され、ドレイン端子が接点N12に接続されている。また、キャパシタCs(容量素子)は、トランジスタTr13のゲート端子(接点N11)及びドレイン端子(接点N13)間に接続されている。すなわち、本実施形態においては、各ドットの発光画素PIXに対して、一対(2本)の選択ラインLsel1及びLsel2が接続されている。
【0039】
上述した発光駆動回路DCにおいて、選択ラインLsel1及びLsel2は、各発光画素PIXごとに接続され、各々の一端が図示を省略した選択ドライバに接続されている。詳しくは後述するが、選択ドライバから選択ラインLsel1及びLsel2に印加される選択信号Vsel1及びVsel2は、相互に反転関係にある電圧に設定される。また、データラインLdも、各発光画素PIXごとに接続され、その一端が図示を省略したデータドライバに接続されている。データラインLdには、データドライバから駆動信号に応じた電流値を有する階調電流Idataが供給される。電源ラインLaは、発光素子アレイ10に配列された全ての発光画素PIXに共通に接続され、その一端が図示を省略した駆動電圧供給電源に直接又は間接的に接続されている。ここで、少なくとも選択ドライバ及びデータドライバは、上述したドライバIC36として基板11上に搭載されて、露光ヘッド130内に収納されている。
【0040】
有機EL素子OELは、アノード(アノード電極)が上記発光駆動回路DCの接点N13に接続され、カソード(カソード電極)が基準電位Vc(例えば接地電位Vgnd)に接続されている。ここで、本実施形態においては、上述したように(図5参照)、各発光画素PIXの有機EL素子OELが、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbとから構成されている。有機EL発光部OELaとOELbは、共通のアノード電極13と共通のカソード電極17との間に形成されているので、その等価回路は、図6に示すように、接点N13と基準電位Vcとの間に、有機EL発光部OELaとOELbが並列に接続された回路構成となる。これにより、有機EL発光部OELaとOELbは、各ドットの発光画素PIXに設けられる発光駆動回路DCにより、同時に発光駆動する。
【0041】
なお、図6に示した発光画素PIXにおいて、トランジスタTr11〜Tr14については、特に限定するものではないが、例えば全て同一のチャネル型を有する周知の薄膜トランジスタ(TFT)を適用することができる。図6においては、トランジスタTr11〜Tr14がnチャネル型の薄膜トランジスタからなる場合を示す。また、トランジスタTr11〜Tr14は、アモルファスシリコン薄膜トランジスタであっても、多結晶(ポリ)シリコン薄膜トランジスタであってもよい。
【0042】
特に、上記トランジスタTr11〜Tr14をnチャネル型アモルファスシリコン薄膜トランジスタにより構成した場合には、すでに確立されたアモルファスシリコン製造技術を適用して、多結晶型や単結晶型の薄膜トランジスタに比較して、簡易な製造プロセスで動作特性(電子移動度等)が均一で安定したトランジスタを実現することができる。また、キャパシタCsは、トランジスタTr13のゲート・ドレイン間に形成される寄生容量であってもよいし、当該寄生容量に加えて別個の容量素子を並列に接続したものであってもよい。
【0043】
また、上述した発光画素PIXにおいては、発光駆動回路DCとして4個のトランジスタTr11〜Tr14を備えた回路構成を示したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、有機EL素子OEL(有機EL発光部OELa、OELb)を定電流駆動することができるものであれば、他の回路構成を有するものであってもよい。
【0044】
図7は、本実施形態に係る露光ヘッドに適用される発光画素の発光駆動方法(駆動制御方法)の一例を示すタイミングチャートである。
上述したような回路構成を有する発光駆動回路DCを備えた発光画素PIXにおける駆動制御方法は、次のように実行される。
【0045】
図7に示すように、まず、書込期間Twrtにおいて、図示を省略した選択ドライバ(ドライバIC36)から選択ラインLsel1を介して、発光駆動回路DCに選択レベル(ハイレベル)の選択信号Vsel1が印加されるとともに、選択ラインLsel2を介して、非選択レベル(ローレベル)の選択信号Vsel2が印加される。これにより、トランジスタTr11及びTr12がオン動作して、発光駆動回路DCとデータラインLdが接続されて、発光駆動回路DCが選択状態に設定される。また、トランジスタTr14がオフ動作して、発光駆動回路DCへの電源電圧Vaの供給が遮断される。このタイミングに同期して、図示を省略したデータドライバ(ドライバIC36)から、駆動信号に応じた電流値を有する階調電流IdataがデータラインLdに供給される。
【0046】
これにより、データラインLdからトランジスタTr12及び接点N12を介して、トランジスタTr13に階調電流Idataが流れる。トランジスタTr13に階調電流Idataが流れ始めると、有機EL素子OEL(有機EL発光部OELa、OELb)の容量成分の影響によりトランジスタTr13の動作状態(導通状態)が安定するように、階調電流Idataに応じたトランジスタTr13のゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)VgsがキャパシタCsに充電される。このとき、ゲート電圧Vgsは、Vgs=Vdata−V13sで表される。ここで、Vdataは接点N11の電圧であり、トランジスタTr11を介して接続されるデータラインLdに、階調電流Idataを流すために印加される電圧に相当する。また、V13sはトランジスタTr13のソース電圧であり、接点N13の電圧に相当する。これにより、トランジスタTr13のゲート電圧Vgsが一定に保持されるので、トランジスタTr13のドレイン・ソース間に流れるドレイン電流Idの電流値が定まる。
【0047】
次いで、図7に示すように、発光期間Temにおいて、選択ドライバ(ドライバIC36)から選択ラインLsel1を介して、非選択レベル(ローレベルレベル)の選択信号Vsel1が印加されるとともに、選択ラインLsel2を介して、選択レベル(ハイレベル)の選択信号Vsel2が印加される。これにより、トランジスタTr11及びTr12がオフ動作して、発光駆動回路DCとデータラインLdが切り離されて、発光駆動回路DCが非選択状態に設定される。また、トランジスタTr14がオン動作して、発光駆動回路DCに電源ラインLaが接続されて電源電圧Vaが供給される。なお、このとき、データラインLdへの階調電流Idataの供給は、遮断されていてもよいし、継続されていてもよい。
【0048】
これにより、電源ラインLaからトランジスタTr14、接点N12及びトランジスタTr13を介して、有機EL素子OELに電流が流れ、有機EL素子OELを構成する有機EL発光部OELa及びOELbが、この電流に基づいて同時に発光駆動する。このとき、トランジスタTr13により制御され、有機EL素子OEL(有機EL発光部OELa及びOELb)に流れる電流(駆動電流)は、トランジスタTr13のドレイン・ソース間に流れるドレイン電流Idであって、その電流値は、上述したように、キャパシタCsに充電されたゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)Vgsに基づいて決まる。したがって、有機EL素子OEL(有機EL発光部OELa及びOELb)は、駆動信号に応じた輝度階調で発光駆動する。
【0049】
なお、本実施形態に係る発光画素PIXにおける駆動制御動作においては、上述した発光動作の終了後(又は、書込動作の実行前)に、図7に示すように、リセット期間Trstを設けて、発光画素PIXに残留する電荷を放電してリセット(初期化)する動作を実行するものであってもよい。リセット動作は、具体的には、選択ドライバ(ドライバIC36)から選択ラインLsel1を介して、選択レベル(ハイレベル)の選択信号Vsel1を印加するとともに、選択ラインLsel2を介して、非選択レベル(ローレベル)の選択信号Vsel2を印加する。また、このタイミングに同期して、データドライバ(ドライバIC36)からデータラインLdに初期化電圧(例えば接地電位)を印加する。これにより、トランジスタTr11及びTr12がオン動作して、発光駆動回路DCとデータラインLdが接続されて、発光駆動回路DC(特にキャパシタCs)及びデータラインLdに残留する電荷が放電される。
【0050】
次に、本実施形態に適用される有機EL素子における発光状態について具体的に説明する。
図8は、本実施形態に係る有機EL素子の発光状態を概略的に示す等価回路図である。
【0051】
本実施形態に係る有機EL素子OELは、図5、図6に示したように、1ドット分のEL素子形成領域が隔壁層15により分割され、各領域に異なる総厚の薄膜発光部16aと厚膜発光部16bが設けられている。そして、これらの薄膜発光部16aと厚膜発光部16bが、共通するアノード電極13とカソード電極17間に並列に介在するように構成されている。すなわち、本実施形態に係る発光画素PIXにおいては、単一の発光駆動回路DCにより生成された駆動電流(ドレイン電流Id)が、並列に接続された有機EL発光部OELaとOELbに同時に供給される回路構成を有している。これを模式的に示すと、図8に示すように、定電流源CCSから供給される電流Ic(上述したドレイン電流Id又は駆動電流に相当する)が分流されて、並列に接続された有機EL発光部OELa及びOELbの各々に、電流Ia及びIbが流れる状態に相当する。すなわち、並列抵抗体を定電流駆動する回路に近似する。ここで、電流Ia及びIbの電流値は、有機EL発光部OELa及びOELbの抵抗比に基づいて決まる。また、電流Ia及びIbの合計は電流Icである。これにより、有機EL発光部OELa、OELbは、各々に流れる電流Ia、Ibの電流値に基づいて同時に発光駆動する。すなわち、1ドットの発光画素PIXから放射される光の強度は、同時に発光する有機EL発光部OELa及びOELbからの光の強度を略合計(総和)した値となる。
【0052】
次に、本実施形態に適用される有機EL素子の素子特性について具体的に説明する。
図9、図10は、有機EL素子における発光特性の変化を示す図である。図11、図12は、有機EL素子における導通抵抗の変化を示す図である。ここで、図9は、有機EL素子の発光部の総厚を80μmに設定した場合の、発光エネルギー(発光輝度)の経時変化を示す図であり、図10は、発光部の総厚を120μmに設定した場合の、発光エネルギー(発光輝度)の経時変化を示す図である。また、図11は、有機EL素子の発光部の総厚を80μmに設定した場合の、導通抵抗の経時変化を示す図であり、図12は、有機EL素子の発光部の総厚を120μmに設定した場合の、導通抵抗の経時変化を示す図である。すなわち、図9及び図11は、上述した薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaにおける素子特性の経時変化に対応し、図10及び図12は、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbにおける素子特性の経時変化に対応する。また、図13は、本実施形態に係る有機EL素子における発光特性を示す図である。
【0053】
まず、有機EL素子の発光特性について、図9及び図10を用いて説明する。ここでは、同一の面積を有し、総厚が異なる発光部(薄膜発光部、厚膜発光部)を備えた2種類の有機EL素子に対して、同一の電流値の電流を供給して発光駆動させた場合の発光エネルギーEn(すなわち、発光輝度)の経過時間に対する変化について検証する。なお、発光部の総厚の違いと発光特性の関係を明確にするために、薄膜発光部を有する有機EL素子を基準として、図9に示すように、初期状態(t=0)の発光エネルギーEnを「1.0」と規定し、半減(「0.5」)するまでの時間tを「100」と規格化した。ここで、t=100となる時間tは、有機EL素子の寿命に相当する。
【0054】
図9及び図10に示すように、有機EL素子を発光駆動させた場合の発光エネルギーEn(発光輝度)は、発光部の総厚に関わらず、時間tの経過とともに略線形性を有して下降する傾向を示す。ここで、薄膜発光部を有する有機EL素子における規格化された時間t(=100)で、厚膜発光部を有する有機EL素子の発光エネルギーの変化を検証すると、図10に示すように、薄膜発光部を有する有機EL素子に比較して、初期状態(t=0)の発光エネルギーEnに対する下降分が小さいことがわかる。すなわち、薄膜発光部を有する有機EL素子に比較して、厚膜発光部を有する有機EL素子の方が、寿命が長いことがわかる。また、厚膜発光部を有する有機EL素子から放射される光は、薄膜発光部を有する有機EL素子からの光に比較して、発光波長が長いためそのエネルギーの値も大きい。具体的には、厚膜発光部を有する有機EL素子の初期発光時のエネルギーは、薄膜発光部を有する有機EL素子に比較して、約1.35倍の差があった。
【0055】
次いで、有機EL素子の導通抵抗について、図11及び図12を用いて説明する。ここでは、同一の面積を有し、総厚が異なる発光部を備えた2種類の有機EL素子を発光駆動させた場合の、電流の電流値と導通抵抗の変化との関係について検証する。なお、有機EL素子の寿命となる導通抵抗の抵抗値をRmaxとし、初期状態(t=0)の抵抗値RstがRmaxに到達するまでの時間を寿命Tlfa、Tlfbと規定した。
【0056】
図11及び図12に示すように、有機EL素子の導通抵抗は、発光部の総厚に関わらず、時間tの経過とともに略線形性を有して増加する傾向を示す。ここで、有機EL素子を発光駆動する際の電流の電流値を大きく設定した場合には、有機EL素子の寿命となる抵抗値Rmaxに到達するまでの時間tが短く(t=Tlfa)、一方、電流値を小さく設定した場合には、抵抗値Rmaxに到達するまでの時間tが長くなる(t=Tlfb)ことがわかる。また、有機EL素子の発光部の総厚が薄い方が、抵抗値の変化(増加)が急峻になり、一方、総厚が厚い方が、抵抗値の変化(増加)が緩やかになる傾向を示す。すなわち、有機EL素子の発光部の総厚が薄く、かつ、発光駆動時の電流値が大きいほど寿命が短く(図11のt=Tlfa)、発光部の総厚が厚く、かつ、発光駆動時の電流値が小さいほど寿命が長くなる(図12のt=Tlfb)ことがわかる。
【0057】
本実施形態においては、1ドット分の発光素子(有機EL素子OEL)として、上述したような薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbを並列に接続した構成を適用し、図8に示したように、これに定電流Ic(駆動電流)を供給することにより同時に発光駆動する。このとき、有機EL発光部OELa及びOELbに流れる電流Ia、Ibは、上述したように、有機EL発光部OELa及びOELbの導通抵抗の抵抗値の比(抵抗比)に基づいて決まる。そこで、本実施形態においては、有機EL発光部OELa及びOELbの抵抗比は、初期状態においては、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaに比較して、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbの方が大きくなるように設定する。
【0058】
これにより、初期状態(t=0)においては、低抵抗側となる薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaに、電流Iaが多く流れて発光画素PIXの主発光部として機能する。ここで、有機EL発光部OELaに流れる電流Iaは、発光駆動時間の経過とともに薄膜発光部16aが劣化して高抵抗化するため、徐々に減少する。すなわち、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaの発光エネルギーEn(発光輝度)は、図13に示すように、時間tの経過とともに、下降する傾向を示す。
【0059】
一方、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbに流れる電流Ibは、初期状態では、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaに電流Iaが多く流れるため、相対的に電流値が低くなる。そのため、有機EL発光部OELbの発光エネルギーEn(発光輝度)は、有機EL発光部OELaに比較して低い状態に設定される。ここで、上述したように、有機EL発光部OELaに流れる電流Iaは、薄膜発光部16aの劣化(高抵抗化)に伴って徐々に減少するため、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbに流れる電流Ibは、徐々に増加する。すなわち、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbの発光エネルギーEn(発光輝度)は、図13に示すように、時間tの経過とともに、上昇する傾向を示す。
【0060】
そして、有機EL発光部OELaの発光特性の劣化により薄膜発光部16aの抵抗値が、厚膜発光部16bの抵抗値よりも高くなると、厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbに流れる電流Ibが、有機EL発光部OELaに流れる電流Iaよりも相対的に大きくなる。これにより、有機EL発光部OELaに代わって、有機EL発光部OELbが発光画素PIXの主発光部として機能する。
【0061】
このような発光状態の変化傾向を示す有機EL発光部OELa及びOELbを並列接続し、一定の駆動電流で同時に発光駆動させると、有機EL発光部OELaとOELbの発光エネルギーの合成値(総和)は、図13に示すように、経過時間に対して略一定に維持される。したがって、有機EL素子OELの発光部を、任意の単一の総厚で形成した場合(図9、図10参照)に比較して、発光特性の劣化(発光輝度の低下)が抑制されるので、寿命を長くすることができるとともに、有機EL素子OEL相互の輝度ばらつきの発生を抑制することができる。
【0062】
ここで、上述したような本実施形態の効果をより確実にするためには、薄膜発光部及び厚膜発光部の面積比を適切な値に設定することが有効である。以下に、薄膜発光部及び厚膜発光部の面積比と発光特性との関係について検証する。
【0063】
図14〜図16は、本実施形態に係る有機EL素子における発光部の総厚比及び面積比と、発光特性との関係を示す図である。ここで、図14(a)〜図16(a)は、有機EL素子OELに設けられる薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbとの面積比を示す概略平面図である。図14(b)〜図16(b)は、有機EL素子OELに設けられる薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbとの総厚比、面積比及び抵抗比を示す図である。図14(c)〜図16(c)は、図14(b)〜図16(b)に示した構成を有する有機EL素子OELにおける発光特性を示す図である。ここでは、有機EL素子OELを構成する有機EL発光部OELa及び有機EL発光部OELbに設けられる薄膜発光部16aと厚膜発光部16bの総厚比を2:3に固定した状態で、隔壁層15により分割される両者の面積比を変化させた場合に、有機EL発光部OELa及び有機EL発光部OELbの規格化された発光エネルギーの合成値が、経過時間に対して概ね「1.0」に維持される条件について検証する。
【0064】
図14(a)、(b)に示すように、薄膜発光部16aと厚膜発光部16bの総厚比を2:3に設定し、かつ、同面積比を3:2に設定した場合、初期状態における同抵抗比は総厚比と面積比に基づいて1:1となる。この場合の有機EL発光部OELa及びOELbの発光特性は、図14(c)に示すように、時間tの経過に伴って、いずれも発光エネルギーEn(発光輝度)が略線形性を有して緩やかに下降する傾向を示す。したがって、このような変化傾向を示す有機EL発光部OELa及びOELbの発光エネルギーEnの合成値も、時間tの経過に伴って略線形性を有して下降する傾向を示す。
【0065】
次いで、図15(a)、(b)に示すように、薄膜発光部16aと厚膜発光部16bの総厚比を2:3に設定し、かつ、同面積比を1:1に設定した場合、その抵抗比は2:3となる。この場合の有機EL発光部OELaの発光特性は、図15(c)に示すように、時間tの経過に伴って、発光エネルギー(発光輝度)Enが略線形性を有して下降する傾向を示し、一方、有機EL発光部OELbの発光特性は、図15(c)に示すように、時間tの経過に伴って、発光エネルギー(発光輝度)Enが略線形性を有してわずかに上昇する傾向を示す。したがって、このような変化傾向を示す有機EL発光部OELa及びOELbの発光エネルギーEnの合成値は、図14(c)に示した場合に比較して、変化傾向はやや緩やかになるものの、時間tの経過に伴って略線形性を有して下降する傾向を示す。
【0066】
次いで、図16(a)、(b)に示すように、薄膜発光部16aと厚膜発光部16bの総厚比を2:3に設定し、かつ、同面積比を2:3に設定した場合、その抵抗比は4:9となる。この場合の有機EL発光部OELaの発光特性は、図16(c)に示すように、時間tの経過に伴って、発光エネルギー(発光輝度)Enが略線形性を有して急峻に下降する傾向を示し、一方、有機EL発光部OELbの発光特性は、図15(c)に示すように、時間tの経過に伴って、発光エネルギー(発光輝度)Enが略線形性を有して急峻に上昇する傾向を示す。したがって、このような変化傾向を示す有機EL発光部OELa及びOELbの発光エネルギーEnの合成値は、双方の変化傾向が相殺されて、時間tの経過に関わらず、略一定に維持される。
なお、有機EL素子OELの発光部を単一の総厚(薄膜、厚膜)で形成し、定電流駆動した場合の発光特性は、図9、図10に示した通りである。
【0067】
このように、薄膜発光部16aを有する有機EL発光部OELaと厚膜発光部16bを有する有機EL発光部OELbにおける発光部の総厚比及び面積比、もしくは、該総厚比及び面積比に基づく抵抗比を、適宜調整することにより、発光エネルギーEnの合成値(すなわち、有機EL素子OELの寿命特性)を経過時間に対して略一定に維持することができる。なお、上記の発光部の総厚比及び面積比の最適値は、発光部として用いる材料や、有機EL素子OELに用いられる電極材料や絶縁性材料、発光駆動の際に印加される制御電圧等、種々の条件に基づいて変化するものであることはいうまでもないが、少なくとも、発光部の総厚比及び面積比以外の条件を固定した場合には、上述したように、総厚比と面積比の組み合わせを適宜選択することにより、有機EL素子OELの発光エネルギーEnを略一定化して、寿命特性を改善することができる。
【0068】
したがって、本実施形態によれば、有機EL素子を光源として用いた発光素子アレイ(発光装置)において、従来技術に示したように、光検出用のセンサ等を設けることなく、また、フィードバック制御等の複雑な動作制御を行うことなく、長期にわたり発光特性を安定させることができる。このような発光素子アレイを用いることにより、露光ヘッドの装置規模を大型化することなく、かつ、簡易な動作制御で、製品寿命を長くすることができる。これにより、プリンタ等の画像形成装置の露光装置として、従来一般に用いられている発光ダイオードやレーザダイオードに替えて、有機EL素子を光源として良好に用いることができる。
【0069】
なお、上述した実施形態においては、露光ヘッドに設けられる発光素子アレイとして、総厚の異なる有機EL発光部からなる有機EL素子OELを、主走査方向に直線上に一列配置した構成を示したが、本発明はこれに限定されるものはない。すなわち、本発明は、上述した実施形態に示した有機EL素子OELを、主走査方向に複数列配置した構成を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10 発光素子アレイ
11 基板
13 アノード電極
15 隔壁層
16a 薄膜発光部
16b 厚膜発光部
17 カソード電極
19 封止基板
31 ケース部
32 ロッドレンズ
36 ドライバIC
100 電子写真印刷装置
110 感光体ドラム
120 帯電ローラ
130 露光ヘッド
140 現像器
150 搬送ベルト
160 転写ローラ
170 定着ローラ
PIX 発光画素
DC 発光駆動回路
OEL 有機EL素子
OELa、OELb 有機EL発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号に応じた光を出射する発光装置であって、
第1の方向に沿って配列された複数の発光素子からなる発光素子アレイを備え、
前記各発光素子は、一対の電極間に設けられ、並列に接続された、発光層を含んで互いに異なる総厚を有する複数の発光部を有し、
前記各発光部は、前記各発光素子に前記駆動信号に対応した駆動電流が供給されたとき、該駆動電流が前記各発光部の抵抗値に応じて分配されて供給されて、同時に発光し、
前記各発光素子は、前記各発光部が発光した光を合わせて出射光として出射することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記複数の発光部は、第1の総厚を有する第1の発光部と前記第1の総厚より厚い第2の総厚を有する第2の発光部とからなり、
前記駆動電流が印加されていない初期状態において、前記第1の発光部は第1の抵抗値を有し、前記第2の発光部は第2の抵抗値を有し、
前記第2の抵抗値は前記第1の抵抗値より大きいことを特徴とする請求項1記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1の発光部の発光輝度を第1の輝度、前記第2の発光部の発光輝度を第2の輝度、前記出射光の輝度を第3の輝度としたとき、前記第3の輝度は前記第1の輝度と前記第2の輝度の合計であり、
電流値が一定の値に設定された前記駆動電流が前記第1の発光部に供給されて、該第1の発光部の発光輝度の輝度値が、前記駆動電流の供給開始時の値の1/2になったときの、前記駆動電流の供給時間を所定時間とし、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、抵抗比をR2/R1としたとき、
前記駆動電流が前記各発光素子に供給されているときの前記供給時間が前記所定時間に達するまでの期間において、前記第1の輝度は前記供給時間の経過に対して減少し、前記第2の輝度は前記供給時間の経過に対して増加し、
前記抵抗比は、前記供給時間が前記所定時間に達したときの前記第3の輝度の値が、前記駆動電流の供給開始時の前記第3の輝度の値に対して90%〜110%となる値に設定されていることを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2の抵抗値は、前記第1の抵抗値の2倍以上の値を有することを特徴とする請求項2記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光素子アレイは、前記第1の方向に延在して設けられた隔壁を有し、
前記各発光素子の前記複数の発光部の各々は、前記隔壁を挟んで、前記第1の方向に直交する第2の方向に、隣接して設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光装置。
【請求項6】
前記複数の発光素子は、各々、前記駆動信号に応じた階調電流が供給されて、前記駆動電流を当該発光素子に供給する発光駆動回路に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】
感光体ドラムに駆動信号に応じた光を照射して露光を行う露光装置において、
前記露光の主走査方向に配列された複数の発光素子からなる発光素子アレイを備え、
前記各発光素子は、一対の電極間に設けられ、並列に接続された、発光層を含んで互いに異なる総厚を有する複数の発光部を有し、
前記各発光部は、前記各発光素子に前記駆動信号に対応した駆動電流が供給されたとき、前記駆動電流が前記各発光部の抵抗値に応じて分配されて供給されて、同時に発光し、
前記各発光素子は、前記各発光部が発光した光を合わせて出射光として出射することを特徴とする露光装置。
【請求項8】
前記複数の発光部は、第1の総厚を有する第1の発光部と前記第1の総厚より厚い第2の総厚を有する第2の発光部とからなり、
前記駆動電流が印加されていない初期状態において、前記第1の発光部は第1の抵抗値を有し、前記第2の発光部は第2の抵抗値を有し、
前記第2の抵抗値は前記第1の抵抗値より大きいことを特徴とする請求項7記載の露光装置。
【請求項9】
前記第1の発光部の発光輝度を第1の輝度、前記第2の発光部の発光輝度を第2の輝度、前記出射光の輝度を第3の輝度としたとき、前記第3の輝度は前記第1の輝度と前記第2の輝度の合計であり、
電流値が一定の値に設定された前記駆動電流が前記第1の発光部に供給されて、該第1の発光部の発光輝度の輝度値が、前記駆動電流の供給開始時の値の1/2になったときの、前記駆動電流の供給時間を所定時間とし、前記第1の抵抗値をR1、前記第2の抵抗値をR2として、抵抗比をR2/R1としたとき、
前記駆動電流が前記各発光素子に供給されているときの前記供給時間が前記所定時間に達するまでの期間において、前記第1の輝度は前記供給時間の経過に対して減少し、前記第2の輝度は前記供給時間の経過に対して増加し、
前記抵抗比は、前記供給時間が前記所定時間に達したときの前記第3の輝度の値が、前記駆動電流の供給開始時の前記第3の輝度の値に対して90%〜110%となる値に設定されていることを特徴とする請求項8記載の露光装置。
【請求項10】
前記第2の抵抗値は、前記第1の抵抗値の2倍以上の値を有することを特徴とする請求項8記載の露光装置。
【請求項11】
前記主走査方向に延在して設けられた隔壁を有し、
前記各発光素子の前記複数の発光部の各々は、前記隔壁を挟んで、前記主走査方向に直交する副走査方向に、隣接して設けられていることを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の露光装置。
【請求項12】
前記複数の発光素子は、各々、前記駆動信号に応じた階調電流が供給されて、前記駆動電流を当該発光素子に供給する発光駆動回路に接続されていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれかに記載の露光装置。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれかに記載の露光装置を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−124505(P2011−124505A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283124(P2009−283124)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】