説明

発光装置及びその製造方法

【課題】有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚を均等にできるようにする。
【解決手段】発光装置1は、ゲート絶縁膜11の上に設けられたアノード9aと、アノード9aの片側に形成され、アノード9aとともに回路を成す駆動トランジスタ6と、アノード9aに関して駆動トランジスタ6の反対側に形成され、アノード9a及び駆動トランジスタ6と接続されずに配置されたダミートランジスタ20と、アノード9aの両側において駆動トランジスタ6及びダミートランジスタ20のそれぞれの上に設けられた一対の隔壁13と、アノード9aの上に形成された正孔注入層9bと、正孔注入層9bの上に形成された発光層9cと、発光層9c及び隔壁13の上に形成されたカソード9dと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置、ページプリンタその他の出力装置には、自発光型のEL(Electro Luminescence)素子を用いた発光装置が設けられている。例えば、表示装置には、EL素子をマトリクス状に配列してなるディスプレイパネルが設けられている。ページプリンタには、EL素子を線状に配列してなるライン型露光装置が設けられている。
【0003】
発光装置を製造するに際しては、複数の第一電極が基板の上に設けられたものを用いる。その基板には、1つの第一電極につき1又は複数のトランジスタが設けられている。トランジスタは第一電極の周囲の一部に配置されている。そして、樹脂を基板に塗布して、トランジスタ及び第一電極の上に樹脂膜を成膜し、その樹脂膜をパターニングすることによってその樹脂膜のうち第一電極の上の部分を除去し、トランジスタの上の部分を残留させる。そうすると、残留した樹脂膜が第一電極の周囲に設けられた状態となり、トランジスタが樹脂膜の下に設けられた状態となる。その後、露出した第一電極に向けて液体状のEL材料を塗布する。この時、残留した樹脂膜によって隣り合う第一電極が区分けされているから、液体状のEL材料が隣り合う第一電極同士で滲むことを防止することができ、残留した樹脂膜は隔壁として機能することとなる(例えば、特許文献1参照)。こうして第一電極の上に有機エレクトロルミネッセンス層を形成した後、有機エレクトロルミネッセンス層及び樹脂膜の上に第二電極を成膜して、発光装置が完成する。
【特許文献1】特開2002−75640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、隔壁(樹脂膜)の高さは、隔壁の下にトランジスタが設けられているか否かで異なり、第一電極の周囲に位置する隔壁の高さが異なると、有機エレクトロルミネッセンス層を形成する際、有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均一にならないといった問題があった。有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚が均等でないと、発光ムラが生じてしまう。
そこで、本発明は、上記問題点を解決しようとしてなされたものであり、有機エレクトロルミネッセンス層の膜厚を均等にできるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の一の態様によれば、
基板と、
前記基板の上に設けられた第一電極と、
前記第一電極の片側において前記基板の上に形成され、前記第一電極と接続された第一トランジスタと、
前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成され、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続されずに配置されたダミー部材と、
前記第一電極の両側において前記第一トランジスタ及び前記ダミー部材のそれぞれの上に設けられた一対の隔壁と、
前記第一電極の上に形成された有機エレクトロルミネッセンス層と、
前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第二電極と、を備えることを特徴とする発光装置が提供される。
【0006】
好ましくは、前記発光装置が、前記ダミー部材はトランジスタ構造を有し、
前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成され、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続され、前記ダミー部材とともに前記隔壁によって被覆された第二トランジスタ及び第三トランジスタを更に備え、
前記第二トランジスタ、前記第三トランジスタ及び前記ダミー部材は、チャネルを形成するそれぞれの半導体膜が所定の線上に位置しているように形成されている。
【0007】
好ましくは、前記第一のトランジスタのチャネル幅は、前記第二のトランジスタと前記第三トランジスタのチャネル幅の和よりも長い。
【0008】
好ましくは、前記ダミー部材は、前記第一トランジスタ、前記第二トランジスタ及び前記第三トランジスタと高さが等しくなるように形成されている。
【0009】
本発明の他の態様によれば、
基板と、
前記基板の上に設けられた第一電極と、
前記第一電極の両側に設けられ、相互に接続された複数のトランジスタと、
前記複数のトランジスタを覆い、前記第一電極の両側にそれぞれ設けられた一対の隔壁と、
前記第一電極の上に形成された有機エレクトロルミネッセンス層と、
前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第二電極と、を備え、
前記複数のトランジスタのうち、前記第一電極の一方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和と、前記第一電極の他方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和の短い方に、前記複数のトランジスタと同じ高さのダミー部材が設けられていることを特徴とする発光装置が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、
基板の上に第一電極を設け、
前記第一電極と接続された第一トランジスタを前記第一電極の片側において前記基板の上に形成するとともに、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続されずに配置されたダミー部材を前記第一トランジスタの形成工程と同工程で前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成し、
前記第一トランジスタ、前記ダミー部材及び前記第一電極の上に隔壁を成膜し、前記隔壁をパターニングすることで前記第一電極を露出させ、
有機エレクトロルミネッセンス層を湿式塗布法により前記第一電極の上に形成し、
第二電極を前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成することを特徴とする発光装置の製造方法が提供される。
【0011】
好ましくは、前記製造方法において、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続された第二トランジスタ及び第三トランジスタを前記第一トランジスタ及び前記ダミー部材の形成工程と同工程で前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成して、前記第二トランジスタ、前記第三トランジスタ及び前記ダミー部材が、チャネルを形成するそれぞれの半導体膜を所定の線上に位置させるように形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第一トランジスタ及びダミー部材が第一電極の両側にそれぞれ形成され、一対の隔壁がトランジスタ及びダミー部材のそれぞれの上に設けられているから、これら隔壁の高さをほぼ等しくすることができる。そのため、有機エレクトロルミネッセンス層を形成する際に第一電極の上に塗布された液体が隔壁に這い上がっても、その液体が均等の厚みで分布する。そのため、有機エレクトロルミネッセンス層の厚さを均等することができる。それゆえ、有機エレクトロルミネッセンス層の発光ムラを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0014】
図1は、発光装置1を概略的に示す平面図である。
【0015】
この発光装置1は、自発光型のディスプレイパネルである。発光領域となる画素Pがマトリクス状に配列されている。発光装置1がフルカラーのディスプレイパネルであり、画素PがR(赤),G(緑)又はB(青)に発光し、色の配列は特に限定されるものでない。なお、全ての画素Pが同じ色に発光するのであれば、発光装置1がモノカラーのディスプレイパネルとなる。
【0016】
複数の走査線2が行方向に延びており、複数の信号線3が列方向に延びており、複数の電圧供給線4が行方向に延びている。そして、複数の走査線2が互いに平行となるよう配列され、複数の信号線3が平面視して走査線2と直交するよう配列され、隣り合う走査線2の間において電圧供給線4が走査線2と平行になるよう設けられている。画素Pは、一組の走査線2及び電圧供給線4並びに隣り合う二本の信号線3によって囲われる領域に配置されている。
【0017】
また、各信号線3の上に複数の条状の隔壁13が設けられている。これら隔壁13が列方向に延びており、これら隔壁13が互いに平行となっている。複数の画素Pが、隣り合う2つの隔壁13の間において列方向に配列されている。
【0018】
図2は、アクティブマトリクス駆動方式で動作する発光装置1の1つの画素Pに係る回路を示した回路図である。
【0019】
図2に示すように、1つの画素Pにつき、3つのトランジスタ5〜7及びキャパシタ8及びEL素子9が設けられている。以下、第二トランジスタ5をスイッチトランジスタ5と、第一トランジスタ6を駆動トランジスタ6と、第三トランジスタ7を保持トランジスタ7という。
【0020】
スイッチトランジスタ5のゲート5aが走査線2に接続され、スイッチトランジスタ5のドレインとソースのうちの一方の電極5hが信号線3に接続され、他方の電極5iがキャパシタ8の一方の電極8b及び駆動トランジスタ6のドレインとソースのうち一方の電極6hに接続されている。駆動トランジスタ6のドレインとソースのうちの他方の電極6iが電圧供給線4に接続され、駆動トランジスタ6のゲート6aがキャパシタ8の他方の電極8a及び保持トランジスタ7のドレインとソースのうち一方の電極7hに接続されている。保持トランジスタ7のドレインとソースのうちの他方の電極7iが電圧供給線4及び駆動トランジスタ6の電極6iに接続され、保持トランジスタ7aのゲート7aが走査線2に接続されている。EL素子9のアノード9aがスイッチトランジスタ5の電極5i、キャパシタ8の電極8及び駆動トランジスタ6の電極6hに接続されている。全ての画素PのEL素子9のカソード9dは、一定電圧Vcomに保たれ、具体的には接地されている。
【0021】
また、この発光装置1の周囲において各走査線2が走査ドライバに接続され、各電圧供給線4が一定電圧源又は適宜電圧信号を出力するドライバに接続され、各信号線3がデータドライバに接続され、これらドライバによって発光装置1がアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。電圧供給線4には、一定電圧源又はドライバによって所定の電圧が印加される。
【0022】
図3は、発光装置1の3つの画素Pに相当する平面図であり、図4は、図3のIV−IVに沿った面の一部の矢視断面図であり、図5は、図3のV−Vに沿った面の一部の矢視断面図である。なお、図3においては、電極及び配線を主に示す。
【0023】
図3〜5に示すように、画素Pとなる発光領域は、EL素子9のアノード9a、正孔注入層9b、発光層9c及びカソード9dが平面視して重なり合った部分である。図3に示すように、駆動トランジスタ6が画素Pの両側の隔壁13のうち一方の隔壁13の下において画素Pの右側に沿うように形成され、スイッチトランジスタ5、保持トランジスタ7及びダミー部材(ダミートランジスタ)20が他方の隔壁13の下において画素Pの左側に沿うように配列されている。キャパシタ8が画素Pを囲繞する。
【0024】
信号線3が基板10上に形成され、ゲート絶縁膜11が基板10の一面に成膜され、信号線3が基板10とゲート絶縁膜11との間に形成されてゲート絶縁膜11によって被覆されている。走査線2及び電圧供給線4がゲート絶縁膜11の上に形成され、ゲート絶縁膜11の上に保護絶縁膜12が成膜されている。走査線2及び電圧供給線4が、ゲート絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に形成されて、保護絶縁膜12によって被覆されている。ゲート絶縁膜11は、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。保護絶縁膜12は、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。基板10の上にゲート絶縁膜11が成膜されたものが基板に相当する。
【0025】
また、スイッチトランジスタ5は、逆スタガ構造のトランジスタである。このスイッチトランジスタ5は、ゲート5a、半導体膜5b、保護膜5d、不純物半導体膜5f,5g、電極5h、電極5i等を有するものである。
【0026】
ゲート5aは、基板10とゲート絶縁膜11の間に形成されている。ゲート5aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。また、ゲート5aの上にゲート絶縁膜11が成膜されており、そのゲート絶縁膜11によってゲート5aが被覆されている。
ゲート絶縁膜11の上であってゲート5aに対応する位置に真性な半導体膜5bが形成されており、半導体膜5bがゲート絶縁膜11を挟んでゲート5aと相対している。
半導体膜5bは、例えば、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンからなり、この半導体膜5bにチャネルが形成される。また、半導体膜5bの中央部上には、絶縁性の保護膜5dが形成されている。この保護膜5dは、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
また、半導体膜5bの一端部の上には、不純物半導体膜5fが一部保護膜5dに重なるようにして形成されており、半導体膜5bの他端部の上には、不純物半導体膜5gが一部保護膜5dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜5f,5gは互いに離間して、半導体膜5bの両端側に形成されている。不純物半導体膜5f,5gはn型半導体又はp型半導体である。
不純物半導体膜5fの上には、電極5hが形成されている。不純物半導体膜5gの上には、電極5iが形成されている。電極5h,5iのうち一方がドレインであり、他方がソースである。電極5h,5iは、例えば、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護膜5d、電極5h,5iの上には、保護絶縁膜12が成膜され、保護膜5d及び電極5h,電極5iが保護絶縁膜12によって被覆されている。こうして、スイッチトランジスタ5が保護絶縁膜12によって覆われるようになっている。
【0027】
また、駆動トランジスタ6は、逆スタガ構造のトランジスタである。この駆動トランジスタ6は、ゲート6a、半導体膜6b、保護膜6d、不純物半導体膜6f,6g、電極6h、電極6i等を有するものである。
【0028】
ゲート6aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、AlTiNd合金膜またはMoNbからなる。ゲート6aは、ゲート5aと同様に基板10とゲート絶縁膜11の間に形成されて、ゲート絶縁膜11によって被覆されている。
このゲート絶縁膜11の上であってゲート6aに対応する位置には、半導体膜6bが形成されている。この半導体膜6bはゲート絶縁膜11を挟んでゲート6aと相対している。
半導体膜6bの中央部上には、保護膜6dが形成されている。この保護膜6dは、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
また、半導体膜6bの一端部の上には、不純物半導体膜6fが一部保護膜6dに重なるようにして形成されており、半導体膜6bの他端部の上には、不純物半導体膜6gが一部保護膜6dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜6f,6gは互いに離間して、半導体膜6bの両端側に形成されている。なお、不純物半導体膜6f,6gはn型半導体又はp型半導体である。
不純物半導体膜6fの上には、電極6hが形成され、不純物半導体膜6gの上には、電極6iが形成されている。電極6h,6iのうち一方がドレインであり、他方がソースである。電極6h,6iは、例えば、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護膜6d、電極6h及び電極6iの上に保護絶縁膜12が成膜され、保護膜6d、電極6h及び電極6iが保護絶縁膜12によって被覆されている。こうして、駆動トランジスタ6は保護絶縁膜12によって覆われている。
【0029】
ダミートランジスタ20は、ダミーゲート20a、半導体膜20b、保護膜20d、不純物半導体膜20f,20g、ダミー電極20h、電極20i等を有するものである。
【0030】
ゲート20aは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜、AlTiNd合金膜またはMoNbからなる。ダミーゲート20aは、ゲート5aと同様に基板10とゲート絶縁膜11の間に形成されて、ゲート絶縁膜11によって被覆されている。
このゲート絶縁膜11の上であってダミーゲート20aに対応する位置には、半導体膜20bが形成されている。この半導体膜20bはゲート絶縁膜11を挟んでダミーゲート20aと相対している。
半導体膜20bの中央部上には、保護膜20dが形成されている。この保護膜20dは、例えば、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
また、半導体膜20bの一端部の上には、不純物半導体膜20fが一部保護膜20dに重なるようにして形成されており、半導体膜20bの他端部の上には、不純物半導体膜20gが一部保護膜20dに重なるようにして形成されている。そして、不純物半導体膜20f,20gは互いに離間して、半導体膜20bの両端側に形成されている。なお、不純物半導体膜20f,20gはn型半導体又はp型半導体である。
不純物半導体膜20fの上には、ダミー電極20hが形成され、不純物半導体膜20gの上には、ダミー電極20iが形成されている。ダミー電極20h,20iは、例えば、Cr膜、Al膜、Cr/Al積層膜、AlTi合金膜又はAlTiNd合金膜からなる。
保護膜20d、ダミー電極20h及びダミー電極20iの上に保護絶縁膜12が成膜され、保護膜20d、ダミー電極20h及びダミー電極20iが保護絶縁膜12によって被覆されている。こうして、ダミートランジスタ20は保護絶縁膜12によって覆われている。
【0031】
保持トランジスタ7の断面の形状は、スイッチトランジスタ5及びダミートランジスタ20の断面形状と同じである。保持トランジスタ7も保護絶縁膜12によって覆われている。
【0032】
キャパシタ8は、図4、図6に示すように、対向する一対の電極8a、8b等で構成されている。そして、基板10とゲート絶縁膜11との間に一方の電極8aが形成され、ゲート絶縁膜11と保護絶縁膜12との間に他方の電極8bが形成されている。電極8aと電極8bが、誘電体であるゲート絶縁膜11を挟んで相対している。
キャパシタ8の電極8aは、スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6のゲート5a,6aと一体を成して、ゲート6aに連なっている。キャパシタ8の電極8bは、スイッチトランジスタ5及び駆動トランジスタ6の電極5i,6iと一体を成して、電極5i,6iに連なっている。
【0033】
信号線3、キャパシタ8の電極8a、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、保持トランジスタ7及びダミートランジスタ20のゲート5a,6a,20a(保持トランジスタ7のゲートの符号は省略)は、基板10に一面に成膜された導電膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで一括して形成されたものである。
また、走査線2、電圧供給線4、キャパシタ8の電極8b、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、保持トランジスタ7及びダミートランジスタ20の電極5h,5i,6h,6i,20h,20i(保持トランジスタ7のドレイン・ソースの符号は省略)は、ゲート絶縁膜11に一面に成膜された導電膜をフォトリソグラフィー法及びエッチング法等によって形状加工することで形成されたものである。
【0034】
保護絶縁膜12には、1画素Pにつき1つの開口部12aが形成されている。複数の開口部12aが隣り合う隔壁13の間において列方向に配列され、全体として、複数の開口部12aがマトリクス状に配列されることで保護絶縁膜12が網状に形成されている。
開口部12aの周囲に、スイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6、保持トランジスタ7、ダミートランジスタ20及びキャパシタ8が配置されている。
【0035】
ここで、ダミートランジスタ20は、図2に示された回路には接続されずに配置されている。そうすると、図3に示すようにスイッチトランジスタ5と保持トランジスタ7との間にダミートランジスタ20が形成されていなくともよいとも考えられる。ところが、駆動トランジスタ6、スイッチトランジスタ5及び保持トランジスタ7のチャネル幅は回路設計に基づき決められている。駆動トランジスタ6は、後述する選択期間より十分長い期間である後述する非選択期間に直接EL素子9を発光させるための電流をEL素子9に流し続けることになるので、駆動トランジスタ6のチャネル幅を長くすることで大きな電流を流せるように設定することが好ましい。即ち、駆動トランジスタ6のチャネル幅は、スイッチトランジスタ5と保持トランジスタ7のチャネル幅の和よりも長く設定されている。そうすると、仮にダミートランジスタ20が形成されていなければ、駆動トランジスタ6と反対側にスイッチトランジスタ5と保持トランジスタ7の半導体膜5b,7bが所定の線上に位置し且つ前記半導体膜のチャネル幅方向が一致したとしても、駆動トランジスタ6と反対側の隔壁13に、駆動トランジスタ6側の隔壁13よりも低い部分ができてしまい、隔壁13の表面が凸凹になってしまう。そこで、画素Pの一方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和と、画素Pの他方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和の短い方に、ダミートランジスタ20を設ける。即ち、ここでは画素Pの左側において、スイッチトランジスタ5、保持トランジスタ7及びダミートランジスタ20が、チャネルを形成するそれぞれの半導体膜5b,7b,20bが所定の線上に位置するように形成する。所定の線とは、連続した線であれば、直線であっても曲線であっても良く、また屈曲した線であってもよい。特に半導体膜5b,7b,20bが直線上であって且つチャネル幅方向が一致しているように形成されている方が好ましい。更に、ダミートランジスタ20の半導体膜20bは、スイッチトランジスタ5及び保持トランジスタ7の半導体膜5b,7bと同じ所定の線上に位置しているのであれば、チャネル幅方向と直交するチャネル長方向に多少ずれていても良い。また、ダミートランジスタは、駆動トランジスタ6、スイッチトランジスタ5及び保持トランジスタ7と高さが等しくなるように形成されている方が好ましい。
【0036】
図3〜図5に示すように、保護絶縁膜12の上に隔壁13が形成されている。隔壁13は、絶縁性の樹脂材料、特に感光性の樹脂材料からなる。ここで、画素Pの右側の隔壁13の下には、駆動トランジスタ6が形成されている。一方、画素Pの左側の隔壁13の下には、図2の回路と接続されずに配置されたダミートランジスタ20が形成されている。そうすると、図5に示す断面において、画素Pの両側の隔壁13の高さがほぼ等しくなる。仮にダミートランジスタ20が無いものとした場合、画素Pの左側の隔壁13が右側の隔壁13よりも低くなる。
【0037】
EL素子9は、アノード9a、正孔注入層9b、発光層9c及びカソード9dからなる。アノード9aは第一電極であり、カソード9dが第二電極である。カソード9dは全ての画素Pに共通にした単一な電極であり、アノード9a、正孔注入層9b及び発光層9cは画素Pごとに区切られて、画素Pごとに独立している。なお、正孔注入層9b及び発光層9cが有機エレクトロルミネッセンス層である。
【0038】
アノード9aはゲート絶縁膜11上に形成されており、アノード9aの中央部が開口部12a内にあり、アノード9aの外縁部分が保護絶縁膜12によって覆われている。このアノード9aは、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウム−錫酸化物(CTO)、アルミその他の導電性材料からなる。アノード9aの端部分が保護絶縁膜12とゲート絶縁膜11の層において、その部分がキャパシタ8の電極8bに接触している。
【0039】
開口部12a内において、アノード9a、正孔注入層9b、発光層9c及びカソード9dが下からアノード9a、正孔注入層9b、発光層9c、カソード9dの順に積層されている。これらが重なり合った部分が、発光領域(画素P)である。正孔注入層9b及び発光層9cが開口部12aから保護絶縁膜12の上に盛り上がっている。しかし、正孔注入層9b及び発光層9cは、隔壁13によって区切られて、隣の画素Pの正孔注入層9b及び発光層9cに接触していない。そのため、いわゆる混色が起きていない。
【0040】
また、画素Pの左側の隔壁13と右側の隔壁13はほぼ等しい高さであるから、正孔注入層9b及び発光層9cの厚さがほぼ均等である。
【0041】
正孔注入層9bは、例えば導電性高分子であるPEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)及びドーパントであるPSS(ポリスチレンスルホン酸)からなる材料があげられる。
発光層9cは、例えばポリフェニレンビニレン系発光材料又はポリフルオレン系発光材料からなる。なお、R(赤)に発光する画素P、G(緑)に発光する画素P、B(青)に発光する画素Pは、それぞれ発光層9cの発光材料を異にする。
【0042】
発光層9cの上にカソード9dが形成されている。カソード9dは、発光層9cのほかに隔壁13も被覆している。カソード9dは、例えば、インジウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、バリウム、希土類金属又はそれらの化合物等と、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、カドミウム−錫酸化物(CTO)、金属(例えば、アルミ、銀)、金属合金(例えば、アルミ合金、銀合金)又は金属化合物(例えば、アルミ化合物、銀化合物)等との積層からなる。
【0043】
アノード9aとカソード9dのどちらか一方又は両方が透明電極である。アノード9aが透明電極である場合、基板10及びゲート絶縁膜11も透明であることが好ましい。アノード9a、基板10及びゲート絶縁膜11が透明である場合、発光層9cで発した光が基板10からその下に出射し、このような発光装置1をボトムエミッション型の発光装置という。一方、カソード9dが透明電極である場合、発光層9cで発した光がカソード9dからその上に出射し、このような発光装置1をトップエミッション型の発光装置という。また、アノード9a及びカソード9dの両方が透明電極である場合、アノード9aの下に反射膜(例えば、アルミ)が形成されていれば、発光装置1がトップエミッション型の発光装置となり、カソード9dの上に反射膜が形成されていれば、発光装置1がボトムエミッション型の発光装置となる。なお、アノード9a、カソード9dが透明電極である場合、その材料は錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム、酸化インジウム(In23)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)又はカドミウム−錫酸化物(CTO)であることが好ましい。
【0044】
隔壁13は、正孔注入層9b又は発光層9cを湿式法により形成するに際して、正孔注入層9b又は発光層9cとなる材料が溶媒に溶解または分散された液体が隣接する画素Pに滲み出ないようにするためのものである。
【0045】
この発光装置1は、次のように駆動されて発光する。
所定レベルの電圧が全ての電圧供給線4に印加された状態で、走査ドライバによって走査線2に順次電圧が印加されることで、これら走査線2が順次選択される。走査線2の選択に同期して、電圧供給線4に順次電圧が印加されることで、これら電圧供給線4が順次選択される。なお、電圧供給線4が選択される際の電圧供給線4の電圧レベルがVcomよりも低く、電圧供給線4が選択される際の電圧供給線4の電圧レベルがVcomよりも高い。
【0046】
各走査線2が選択されている時に、データドライバによって指定電流が全ての信号線3に流れる。データドライバは電流制御型のドライバであり、各信号線3に流れる指定電流のレベルはデータドライバによって階調に応じたレベルである。
【0047】
或る行の走査線2が選択されている時(選択期間)には、その走査線2に接続されたスイッチトランジスタ5及び保持トランジスタ7がオンになる。その行の電圧供給線4に指定電流が流れる。指定電流の向きは、電圧供給線4から駆動トランジスタ6、スイッチトランジスタ5及び信号線3を通ってデータドライバに向かう向きである。指定電流が駆動トランジスタ6の電極6i,6h間を流れることによって、指定電流のレベルがゲート6aの電圧のレベルに変換される。また、選択された電圧供給線4の電圧レベルがVcomよりも低いから、EL素子9には電流が流れない。
【0048】
その後、その走査線2の選択が解除される(非選択期間)と、スイッチトランジスタ5がオフとなるので、その指定電流はそのスイッチトランジスタ5に流れない。その際、保持トランジスタ7がオフとなるので、駆動トランジスタ6のゲート6aの電圧レベルが保持される。また、その際には、その電圧供給線4の選択が解除されて、電圧供給線4の電圧レベルがVcomよりも高くなるから、駆動電流が電圧供給線4から駆動トランジスタ6を通ってEL素子9に流れ、EL素子9が駆動電流のレベルに従った強度で発光する。駆動トランジスタ6のゲート6aの電圧レベルが保持されているから、選択解除時の駆動電流のレベルは選択時の指定電流のレベルに等しい。
【0049】
次に、発光装置1の製造方法について説明する。
まず、基板10上にゲートメタル層をスパッタリング法によって堆積させ、フォトリソグラフィー法・エッチング法によりそのゲートメタル層を形状加工して信号線3、キャパシタ8の電極8a、スイッチトランジスタ5のゲート5a、駆動トランジスタ6のゲート6a、保持トランジスタ7のゲート及びダミートランジスタ20のダミーゲートを形成する。
次いで、プラズマCVDによって窒化シリコン又は酸化シリコンのゲート絶縁膜11を堆積する。
次いで、ITO膜を堆積した後にそのITO膜をアノード9aに形状加工する。
次いで、アモルファスシリコン又はポリシリコンの半導体層(半導体膜5b,6b,7b,20bのもとになるもの)、窒化シリコン又は酸化シリコンの絶縁層(保護膜5d,6dのもとになるもの)を順に堆積した後、フォトリソグラフィー法・エッチング法によってその絶縁膜を保護膜5d,6d,20dに形状加工する。続いて、不純物層(不純物半導体膜5f,5g,6f,6g,20f,20gのもとになるもの)を堆積した後、フォトリソグラフィー法・エッチング法によってその不純物層を不純物半導体膜5f,5g,6f,6g,20f,20gに形状加工するとともに、それに連続してその半導体層を半導体膜5b,6b,20bに形状加工する。保持トランジスタ7の不純物半導体膜及び半導体膜も同時に形状加工する。
次いで、気相成長法によってソース・ドレインメタル層をゲート絶縁膜11等の上に堆積して、フォトリソグラフィー法・エッチング法によってそのソース・ドレインメタル層を走査線2、電圧供給線4、キャパシタ8の電極bb、スイッチトランジスタ5の電極5h,5i、駆動トランジスタ6の電極6h,6i、保持トランジスタ7のドレイン・ソース及びダミートランジスタ20の電極20h,20iに形状加工する。以上のようにして、駆動トランジスタ6をアノード9aの右側に沿ってパターニングし、スイッチトランジスタ5、ダミートランジスタ20及び保持トランジスタ7をアノード9aの左側に沿って配列させるようパターニングする。
次いで、気相成長法により保護絶縁膜12を成膜し、保護絶縁膜12をフォトリソグラフィー法・気相成長法で形状加工することによって保護絶縁膜12に開口部12aを形成する。保護絶縁膜12によってスイッチトランジスタ5、駆動トランジスタ6及びキャパシタ8等が覆われ、開口部12aが形成されると、アノード9aの中央部が開口部12a内で露出する。
【0050】
次いで、感光性の樹脂材料を保護絶縁膜12の上に及び開口部12a内に塗布し、その樹脂材料を硬化させて感光性樹脂膜を形成する。次いで、その感光性樹脂膜をステッパーで露光して、その感光性樹脂膜を現像すると、その感光性樹脂膜が複数の隔壁13に形状加工される。アノード9aの左側にスイッチトランジスタ5、ダミートランジスタ20及び保持トランジスタ7が形成され、アノード9aの右側にスイッチングトランジスタ5が形成されているから、アノード9aの両側の隔壁13の高さがほぼ等しくなる。
【0051】
次いで、液体塗布機を用いて液体を開口部12a内に塗布する。特に、液体塗布機のなかでも特に液滴吐出機(例えば、インクジェットプリンタ)を用いて、液体を滴状にして開口部12a内に吐出することが好ましい。塗布する液体は、有機材料(正孔注入層9bの原材料)が溶媒又は分散媒に溶解され、又は分散されたものである。塗布された液体が乾燥することで、正孔注入層9bがアノード9aの上に形成される。開口部12aの両側の隔壁13の高さが等しいから、液体が隔壁13に這い上がっても、アノード9aの上において液体が均等の厚み(深さ)で分布する。そのため、アノード9aの上においては、正孔注入層9bの厚さが均等になる。
【0052】
そして、液体の塗布を繰り返すことで全ての開口部12a内に液体を塗布し、正孔注入層9bをマトリクス状に印刷する。隔壁13が形成されているから、正孔注入層9bの印刷の際には、隔壁13を間に置いて隣り合う開口部12a同士で液体が滲まない。
【0053】
次いで、正孔注入層9bの印刷と同様にして、発光層9cをマトリクス状に印刷する。塗布する液体は、有機材料(発光層9cの原材料)が溶媒又は分散媒に溶解され、又は分散されたものである。発光層9cについても、開口部12aの両側の隔壁13の高さが等しいから、厚さが均等になる。
【0054】
次いで、隔壁13及び発光層9cの上にカソード9dを成膜する。
以上により、発光装置1を完成させる。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、正孔注入層9b、発光層9cの厚さを均等にすることができるから、発光ムラを抑えることができる。
【0056】
本実施形態によれば、ダミー部材をダミートランジスタとしたが、トランジスタと同じ高さのダミー部材であればこれに限らない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態における発光装置を示した概略平面図である。
【図2】上記発光装置の1画素の等価回路図である。
【図3】上記発光装置の3画素を示した平面図である。
【図4】図3に示されたIV−IVに沿った面の矢視断面図である。
【図5】図3に示されたV−Vに沿った面の矢視断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 発光装置
5 スイッチトランジスタ
6 駆動トランジスタ
7 保持トランジスタ
9a アノード
9b 正孔注入層
9c 発光層
9d カソード
13 隔壁
20 ダミートランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に設けられた第一電極と、
前記第一電極の片側において前記基板の上に形成され、前記第一電極と接続された第一トランジスタと、
前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成され、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続されずに配置されたダミー部材と、
前記第一電極の両側において前記第一トランジスタ及び前記ダミー部材のそれぞれの上に設けられた一対の隔壁と、
前記第一電極の上に形成された有機エレクトロルミネッセンス層と、
前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第二電極と、を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記ダミー部材はトランジスタ構造を有し、
前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成され、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続され、前記ダミー部材とともに前記隔壁によって被覆された第二トランジスタ及び第三トランジスタを更に備え、
前記第二トランジスタ、前記第三トランジスタ及び前記ダミー部材は、チャネルを形成するそれぞれの半導体膜が所定の線上に位置しているように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第一のトランジスタのチャネル幅は、前記第二のトランジスタと前記第三トランジスタのチャネル幅の和よりも長いことを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記ダミー部材は、前記第一トランジスタ、前記第二トランジスタ及び前記第三トランジスタと高さが等しくなるように形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
基板と、
前記基板の上に設けられた第一電極と、
前記第一電極の両側に設けられ、相互に接続された複数のトランジスタと、
前記複数のトランジスタを覆い、前記第一電極の両側にそれぞれ設けられた一対の隔壁と、
前記第一電極の上に形成された有機エレクトロルミネッセンス層と、
前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成された第二電極と、を備え、
前記複数のトランジスタのうち、前記第一電極の一方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和と、前記第一電極の他方側に設けられたトランジスタのチャネル幅の総和の短い方に、前記複数のトランジスタと同じ高さのダミー部材が設けられていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
基板の上に第一電極を設け、
前記第一電極と接続された第一トランジスタを前記第一電極の片側において前記基板の上に形成するとともに、前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続されずに配置されたダミー部材を前記第一トランジスタの形成工程と同工程で前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成し、
前記第一トランジスタ、前記ダミー部材及び前記第一電極の上に隔壁を成膜し、前記隔壁をパターニングすることで前記第一電極を露出させ、
有機エレクトロルミネッセンス層を湿式塗布法により前記第一電極の上に形成し、
第二電極を前記有機エレクトロルミネッセンス層上に形成することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記第一電極及び前記第一トランジスタと接続された第二トランジスタ及び第三トランジスタを前記第一トランジスタ及び前記ダミー部材の形成工程と同工程で前記第一電極に関して前記第一トランジスタの反対側において前記基板の上に形成して、前記第二トランジスタ、前記第三トランジスタ及び前記ダミー部材が、チャネルを形成するそれぞれの半導体膜を所定の線上に位置させるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−49159(P2010−49159A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215176(P2008−215176)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】