発光装置及び発光装置の製造方法
【課題】発光装置において、製造が容易な構成で、基板と波長変換部材との間からの光漏れを抑制する。
【解決手段】発光ユニット10において、軟性材料で形成された介在部材14が、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。そして、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、筐体15の固定部15aが波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。
【解決手段】発光ユニット10において、軟性材料で形成された介在部材14が、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。そして、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、筐体15の固定部15aが波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関するものである。本発明は、特に、発光ダイオード(LED;Light・Emitting・Diode)等の半導体発光素子を光源とした発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで、青色光や近紫外光を発する光源を備え、その光により励起されて他の波長の光を発する蛍光体を用いて、光源光を、白色光や光源光とは異なる色の光に変換する発光装置の提案が数多くなされている。光源に青色LEDを用いた先行技術として、例えば特許文献1,2に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−110146号公報
【特許文献2】特表2011−501865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発光装置では、予め凹部を複数設け、凹部内にLEDを実装したLED基板と、蛍光部材を含む光学部材とを備える構成をとっており、LED基板の凹部間にできる凸部により光学部材を支持している。このような構造のLED基板は製造が容易ではないという課題がある。例えば、LED基板自体に凹部を設ける代わりに、LED基板の表面を平坦面とし、その表面に実装したLEDの周囲に別部品の凹部(リフレクタ)を設けることもできる。しかし、この場合、製造工程が増えたり、部品点数が増えたりすることによるコスト増という課題だけでなく、凹部とLED基板との間からの光漏れ対策、凹部の位置決め、固定方法といった技術的な課題が生じる。
【0005】
特許文献2の発光装置では、複数の青色LEDを実装した基板を、全体に蛍光体を混合した波長変換部材で覆うことにより、照明色を青色から他の色に変えている。この発光装置では、照明色の均一性を確保するために、LEDと波長変換部材との間の距離をある程度長くする必要がある。そのため、発光装置が厚くなり、装置内部での多重反射成分が多くなり、光損失が生じやすくなる。また、この発光装置では、消灯時に波長変換材料(蛍光体)の色がかなり目立つ。
【0006】
本発明は、例えば、発光装置において、製造が容易な構成で、基板と波長変換部材との間からの光漏れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係る発光装置は、
光を発する発光素子と、
前記発光素子が実装された基板と、
前記発光素子から発せられる光の波長を変換する波長変換部材と、
軟性材料で形成され、前記基板と前記波長変換部材との間に設置される介在部材と、
前記介在部材の一端が前記波長変換部材に当接し、かつ、前記介在部材の他端が前記基板に当接するように、前記波長変換部材を前記基板に近づく方向に押圧して、前記基板に対する前記波長変換部材の位置を固定する固定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一の態様では、発光装置において、軟性材料で形成された介在部材が、基板と波長変換部材との間に設置される。そして、介在部材の一端が波長変換部材に当接し、かつ、介在部材の他端が基板に当接するように、固定部が波長変換部材を基板に近づく方向に押圧して、基板に対する波長変換部材の位置を固定する。そのため、本発明の一の態様によれば、発光装置において、製造が容易な構成で、基板と波長変換部材との間からの光漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る発光ユニットの平面図。
【図2】実施の形態1に係る発光ユニットのA−A断面図。
【図3】実施の形態1に係る発光ユニットの部分断面図。
【図4】実施の形態1に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図5】実施の形態1に係る発光ユニットの発光スペクトルの一例を示すグラフ。
【図6】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの平面図。
【図7】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図8】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図9】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図10】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図11】実施の形態2に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図12】実施の形態3に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図13】実施の形態4に係る発光ユニットのA−A断面図。
【図14】実施の形態5の比較例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図15】実施の形態5に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図16】実施の形態6に係る発光ユニットの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る発光ユニット10(発光装置の一例)の平面図(発光方向から見た図)である。図2は、発光ユニット10のA−A断面図(長手方向に沿って見た図)である。
【0012】
発光ユニット10は、チップLED11(発光素子の一例)、光源基板12(基板の一例)、波長変換部材13、介在部材14、筐体15を備える。
【0013】
チップLED11は、青色光を発する。なお、チップLED11は、近紫外光等、青色以外の色の光を発するものであってもよい。また、チップLED11は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等、LED以外の発光素子であってもよい。
【0014】
光源基板12には、チップLED11が直線状に2列、1列につき4個ずつ(即ち、計8個)実装されている。なお、チップLED11の実装数は、発光ユニット10の用途等に応じて、1以上の任意の数に適宜変更することができる(即ち、8個でなくてもよい)。また、チップLED11の配置は、直線状に1列又は3列以上、リング状等、任意の配置とすることができる。
【0015】
波長変換部材13は、チップLED11から発せられる光の波長を変換する。本実施の形態において、波長変換部材13は、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17を有する。波長変換材料17は、透光性板材16のチップLED11に対応する位置に取り付けられる。波長変換材料17は、青色光により励起されて黄色光を発する蛍光体を含んでおり、この蛍光体を用いて、対応するチップLED11から発せられる青色光を白色光に変換する。なお、波長変換材料17に含まれる蛍光体は、チップLED11から発せられる光と異なる波長の光を発するものであれば、チップLED11の発光色や、発光ユニット10の所望の照明色等に応じて、任意の蛍光体に適宜変更することができる。透光性板材16は、長方形状の平板であり、波長変換材料17からの白色光を透過して、発光ユニット10の外部に放射する。透光性板材16から放射される光が発光ユニット10の照明光となる。
【0016】
介在部材14は、軟性材料(詳細については後述する)で形成されており、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。本実施の形態において、介在部材14は、チップLED11ごと(即ち、波長変換材料17ごと)に設けられ、対応するチップLED11(即ち、対応する波長変換材料17)を取り囲むように設置される。具体的には、介在部材14は、リング状に形成され、その内周面によってチップLED11を取り囲んでいる。この内周面(即ち、チップLED11を取り囲む面)は、反射率の高い材料で形成されており、チップLED11から発せられる光を反射する。即ち、本実施の形態では、介在部材14がリフレクタとしても機能する。
【0017】
本実施の形態では、介在部材14の内部に、波長変換材料17と同様の蛍光体が含まれている。即ち、介在部材14は、内部に、チップLED11から発せられる光と異なる波長の光を発する蛍光体を含んでいる。そのため、発光ユニット10における光源光の波長変換効率が向上する。なお、介在部材14の表面に、同様の蛍光体が含まれていてもよい。
【0018】
筐体15には、チップLED11が実装された光源基板12、波長変換部材13、介在部材14が収容される。筐体15は、爪状の固定部15aを波長変換部材13の透光性板材16の1辺につき1個ずつ(即ち、計4個)有している。なお、固定部15aの形状、配置、数は、適宜変更することができる。固定部15aは、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。
【0019】
本実施の形態では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に固定されている。波長変換部材13は、光源基板12に対して着脱可能であり、光源基板12に取り付けられる際には、介在部材14とともに光源基板12に取り付けられ、筐体15の固定部15aによって固定される。このとき、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで介在部材14の他端14bが光源基板12に押し当てられる。これにより、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間がなくなり、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制(又は防止)することができる。波長変換部材13は、光源基板12から取り外される際には、例えば介在部材14や光源基板12等とともに筐体15から取り出された後、介在部材14とともに光源基板12から取り外される。
【0020】
上記のように、本実施の形態では、軟性材料で形成された介在部材14が、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。そして、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、筐体15の固定部15aが波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。そのため、本実施の形態によれば、発光ユニット10において、製造が容易な構成で、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制することができる。
【0021】
図3は、発光ユニット10の部分断面図であり、具体的には、チップLED11及び光源基板12を示す図である。
【0022】
光源基板12は、ベース基板18上に導電路を形成し、導電路のうち、チップLED11の実装等で必要とされる導電部19の領域以外は高反射レジスト材20を塗布した構成となっている。ベース基板18には、ガラスエポキシ材、ガラスコンポジット材等が用いられる。なお、放熱性を高めるため、ベース基板18に金属材料等が用いられてもよい。導電部19は、銅等の薄いパタンとして作製され、その上に下地処理用の金属薄膜等を介して銀メッキや金メッキ処理が施されている。高反射レジスト材20は、アクリル、エポキシ、シリコーン系等の白色樹脂を用いて、厚みが略均一になるように形成されている。
【0023】
発光ユニット10の発光源となるチップLED11は、予めパタン形成された導電部19に、ダイボンド材21を用いて固定される。なお、チップLED11は、導電部19に、はんだを用いて固定されてもよい。また、チップLED11は、他の導電部19に、ワイヤ22を用いて電気的に接続される。本実施の形態において、チップLED11は、440〜475nm(ナノメートル)付近に発光ピークを有する青色LEDである。チップLED11は、チップLED11からの光の取り出し量を増大させ、また、チップLED11を保護する目的で、シリコーン等の透明樹脂である封止樹脂23(透光性材料の一例)により覆われている。封止樹脂23は、シリコーン等の透明樹脂であり、光源基板12の上側から見ると略円形状に形成されている。
【0024】
上記のように、本実施の形態では、光源基板12が、隣り合うチップLED11の封止樹脂23の間に、配光制御機能を有するリフレクタ(例えば、特許文献1の凹部)を備えておらず、構成が簡素である。そのため、低コストの発光ユニット10を提供することができる。しかも、ベース基板18に安価なガラスエポキシ材を用いれば、さらに低コストの発光ユニット10を提供することができる。
【0025】
図4は、発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0026】
前述したように、波長変換部材13は、光源基板12に実装されたチップLED11の発光方向に配置され、チップLED11の放つ青色の光を他の波長領域の光に変換する。波長変換部材13は、透光性板材16のチップLED11に対向する側に波長変換材料17を備えている。波長変換材料17は、チップLED11の封止樹脂23の形状に合わせて、封止樹脂23の直径に等しいか、やや大きめの円形状に形成されている。波長変換部材13には、個々の波長変換材料17を囲むように介在部材14が取り付けられている。
【0027】
透光性板材16は、例えば、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、シリコーン、ガラス等の材料で形成されている。波長変換材料17は、青色光によって励起され、他の波長領域の光(例えば、黄色)を発する蛍光体を、ベースバインド材料(透明樹脂等)に混合したものからなる。波長変換材料17は、透光性板材16に塗布、印刷、噴霧、あるいは、予めシート状に形成したものを貼り付ける等して構成される。例えば、波長変換材料17に黄色光を発する蛍光体を用いるのであれば、蛍光体の混合量を調整することで、チップLED11の青色光と一部波長変換された黄色光との合成により略白色の光が得られる。
【0028】
なお、透光性板材16は、表面がブラスト加工やシボ加工等により粗面として形成されていてもよい。また、透光性板材16は、光拡散材料が混入されて、それ自体が拡散機能を有するようなものであってもよい。いずれの場合にも、特に消灯時の波長変換材料17の色付きを緩和させる(波長変換材料17の色を低彩度に変換する)ことができる。また、波長変換材料17を離散配置する場合には、それによる色コントラストを抑えることができる。本実施の形態では、蛍光体を効率よく利用し、また、消灯時の蛍光体による色つきを目立たなくする目的で、波長変換材料17をチップLED11の位置に合わせて離散的に配置しているが、透光性板材16と波長変換材料17とを一体成形してもよい。
【0029】
図5は、発光ユニット10の発光スペクトルの一例を示すグラフである。
【0030】
図5において、点線は、チップLED11から放射されて封止樹脂23を透過する青色光のスペクトルを示す。実線は、その青色光の一部が波長変換部材13の波長変換材料17で吸収され、蛍光体を励起して黄色光(波長変換光)に変換され、この黄色光と、波長変換部材13に吸収されなかった青色光とが混合して得られる略白色の発光ユニット10の照明光(ユニット放射光)のスペクトルを示す。前述したように、蛍光体としては、発光ユニット10の所望の光質(色温度、色度、演色性等)に応じて、黄色以外(例えば、緑色や赤色等、あるいは、複数種を混合したもの)の蛍光体を用いることができる。例えば、黄色であればYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体、緑〜橙色ならシリケート蛍光体、赤色なら窒化物蛍光体等を用いることができる。
【0031】
波長変換部材13に設けられる介在部材14は、波長変換部材13を光源基板12に安定配置させる役割を持つが、本実施の形態では、それと同時に発光ユニット10の発光性能を高く維持させることができるものである。
【0032】
一般的には、特許文献2の発光装置のように、複数の青色LED光源の発光方向に光源間の仕切りを設けずに波長変換部材を配置する構成でも波長変換自体は可能であるが、個々の光源と波長変換部材との間の空間(体積)が広くなり、その分その領域での多重光反射損失が大きくなってしまう。
【0033】
そのため、本実施の形態では、少なくとも介在部材14の表面を、高反射性の樹脂材料を用いて構成し、各々の波長変換材料17の周囲を覆うように構成した。これにより、光源基板12と波長変換部材13とを組み合わせたときに、介在部材14がリフレクタとしても機能するため、各チップLED11の光を効率よく波長変換材料17の表面に照射させることができる。よって、光源基板12と波長変換部材13との間での光損失を抑えて高い発光効率を実現できる。
【0034】
また、本実施の形態では、波長変換材料17が介在部材14の内側(介在部材14で囲まれた領域)のみに備えられているので、特許文献2の発光装置のように波長変換部材の全体に蛍光体を含む構成に対して、相対的に低コストの装置が実現可能となる。また、本実施の形態では、介在部材14の反射率によらず、LED光源部(封止樹脂23)に接するような距離に波長変換部材13の波長変換材料17を配置させることができるので、構造面では薄型の発光ユニット10を提供することができる。
【0035】
例えば、本実施の形態において、介在部材14の代わりに、光源基板12上に別途成形した硬性樹脂の反射枠を設け、その上部に波長変換部材13を配置したとする。この場合、反射枠を光源基板12側に固定するための部品が必要となるため、本実施の形態に比べて、部品数が増えるという課題が生じる。また、反射枠を光源基板12に取り付ける際の位置精度や、反射枠と光源基板12との間に隙間ができないようにするためのしくみ等、技術的な課題も生じる。一方、本実施の形態によれば、介在部材14を軟性材料で構成しているため、そのような課題は生じない。
【0036】
介在部材14を硬性樹脂で形成すると、光源基板12上に介在部材14を配置した際に一部が光源基板12から浮き上がってしまい、その箇所からチップLED11の光が漏れることが考えられる。一方、本実施の形態のように、介在部材14を軟性樹脂で形成すれば、光源基板12上に介在部材14を配置する際に、筐体15の固定部15aによって外部からわずかな圧力を加えるだけで、光源基板12に触れる介在部材14の他端14b(先端)が変形して光源基板12に密着することになる。そのため、光源基板12の表面と介在部材14との間に隙間(光の抜け口)ができることなく、チップLED11の光を効率よく波長変換材料17に放射させることができ、光漏れが要因となって起こる発光ユニット10の色むらは生じない。
【0037】
ここで、チップLED11の高さは数十〜数百μm(マイクロメートル)程度であり、それを覆う封止樹脂23の高さ(光源基板12から封止樹脂23の頂点までの高さ)は数mm(ミリメートル)程度と低くすることができる。即ち、封止樹脂23は、薄く形成することができる。また、波長変換部材13の波長変換材料17の厚みが数百μm程度でも所望の色変換効果が得られる。したがって、介在部材14の高さが、例えば2mm程度としても、発光ユニット10の厚みをかなり薄くすることができる。
【0038】
図6は、本実施の形態の変形例に係る発光ユニット10の平面図である。
【0039】
図1に示した発光ユニット10と比べると、図6に示した発光ユニット10では、波長変換部材13が2つに分かれている。それぞれの波長変換部材13は、チップLED11の列に対応し、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17を有する。筐体15は、それぞれの波長変換部材13に対して固定部15aを4個有している。
【0040】
なお、本実施の形態及びその変形例では、波長変換部材13を固定するための固定部15aを筐体15に設けているが、固定部を筐体15以外の箇所に設けてもよい。例えば、固定部を光源基板12や波長変換部材13自体に設けてもよい。固定部は、光源基板12と波長変換部材13との隙間をなくし、かつ、発光ユニット10の発光効率の極端な低下を招くようなものでなければよい。
【0041】
本実施の形態では、筐体15の固定部15aで波長変換部材13にやや圧力を加えて波長変換部材13を固定するため、介在部材14を軟性材料とすることで、介在部材14で波長変換部材13や光源基板12の反りを吸収すると同時に、光源基板12と波長変換部材13との隙間をなくして光源基板12と波長変換部材13と介在部材14とを一体化させることができる。そのため、波長変換部材13の極端な上下位置変動を極力防ぐことができ、安定した光質の照明光を得ることができる。また、チップLED11から放射される光が隙間から抜け出るようなことがなく、チップLED11の光を効率よく波長変換材料17に照射でき、高発光効率の発光ユニット10が得られる。
【0042】
なお、本実施の形態において、介在部材14の他端14bを、接着剤等を介して光源基板12に接着することも可能であるが、接着しなければ、介在部材14とともに波長変換部材13を取り外し可能となる。よって、光源基板12は変更せず、構成(形状、大きさ、波長変換材料17の態様、特に蛍光体の含有率や種類等)の異なる波長変換部材13のみを交換して多様な光色の照明光を選択的に得られるようにしてもよい。
【0043】
以下、介在部材14に用いる軟性材料について説明する。
【0044】
前述したように、介在部材14を、波長変換部材13や光源基板12の反りを吸収し、光源基板12との間に隙間ができないように取り付け可能とする材料としては、例えば、使用温度領域において、エラストマー状の弾性率を持つ樹脂が好ましい。適した弾性率は、介在部材14の形状や波長変換部材13の剛性により異なるが、例えば、弾性率が1000MPa(メガパスカル)以下であれば、通常の基板の反りを吸収できるとともに、基板との隙間をなくした固定が可能となる。また、チップLED11から発せられた光が介在部材14の材料に吸収されることによる損失の減少や、波長変換材料17が形成されていない領域への光漏洩量の減少のため、チップLED11の発光波長領域における介在部材14の材料の拡散反射率は、70%以上であることが好ましい。
【0045】
具体的には、介在部材14に用いる軟性材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等のエラストマー、合成ゴム等の軟性樹脂を用いることができる。また、これらの軟性樹脂を発泡させることにより、弾性率を調整してもよい。なお、反射率を向上させるため、これらの軟性樹脂に、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マグネシア、シリカ等の白色フィラーを含めることが好ましい。
【0046】
以下、発光ユニット10(特に、介在部材14)の製造方法について説明する。
【0047】
例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂を各種の印刷方法で波長変換部材13上に形成することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することが可能である。適用できる印刷方法としては、フレキソ印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷等が挙げられる。また、例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂シートを所定の形状に打ち抜き、接着剤を介して波長変換部材13上に配置することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することも可能である。また、例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂をインサート成型により波長変換部材13上に形成することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することも可能である。
【0048】
波長変換材料17と封止樹脂23(又はチップLED11)との間の距離を一定に保ち、均一な光量を得るため、また、介在部材14のリフレクタとしての反射機能を効率よく発揮させるためには、波長変換部材13に固定される介在部材14同士の形状のばらつきを抑制する必要がある。そのためには、特に、凹版印刷による軟性樹脂の形成、軟性樹脂シートを打ち抜いたものの配置、インサート成型による軟性樹脂の形成により、介在部材14を波長変換部材13に固定することが好ましい。
【0049】
以下、凹版印刷による波長変換部材13上への軟性樹脂の形成方法を具体的に述べる。
【0050】
まず、介在部材14の形状を凹型に形成した型に、紫外線硬化型軟性樹脂を配置する。次に、その上に透光性板材16を配置し、ローラー等の押し付け冶具により、波長変換部材13と型の間にある余分な紫外線硬化型軟性樹脂を押し出す。その後、紫外線を照射して軟性樹脂を硬化させ、介在部材14が一体化された波長変換部材13として取り外す。これにより、形状精度が高く、波長変換部材13とチップLED11との間の距離を一定に保つことのできる介在部材14を形成することができる。本方法では、型から取り外せる形状の介在部材14を形成することができる。例えば、図4に示したもの以外にも、図7に示すような形状の介在部材14を形成することができる。図7の例では、介在部材14の内周面が平坦になっており、また、介在部材14の一端14a側の幅(径方向における内周と外周との間の長さ)が他端14b側の幅より大きくなっている。即ち、介在部材14の開口領域が光源基板12側から波長変換部材13側に向かって狭くなっている。
【0051】
反射率を向上させるため、白色フィラーを含む軟性樹脂を用いる場合には、内部まで所定の紫外線を照射することが困難となる場合もある。その場合には、湿気硬化を併用できる紫外線硬化型軟性樹脂を用いれば、高反射性を持った軟性樹脂であっても、その内部まで硬化を進展させることができる。そのため、外寸の大きな介在部材14も形成できることになり、封止樹脂23より高さのある介在部材14を成形することも容易となる。
【0052】
また、型からの取り外し(脱型)を容易にし、かつ、完全に波長変換部材13に軟性樹脂を転写するためには、紫外線が透過する素材からなる型を用いることが好ましい。この場合、型を介して紫外光を照射することにより、容易に脱型できるとともに、完全に軟性樹脂を転写することが容易になり、安定した形状の介在部材14を形成することができる。さらに、完全に軟性樹脂を転写するためには、例えば、型にポリカーボネートを用い、波長変換部材13の透光性板材16にPETを用いる、といったように軟性樹脂の型に対する密着力と軟性樹脂の透光性板材16に対する密着力とに十分な差をつけることが好ましい。
【0053】
以下、軟性樹脂シートを打ち抜いたものの波長変換部材13上への配置方法を具体的に述べる。
【0054】
軟性樹脂シートの打ち抜きは、トムソン刃、金型で行うことができる。あるいは、レーザー加工により、軟性樹脂シートをテーパ状に打ち抜くことも可能である。こういった手法により、軟性樹脂シートに1個もしくは複数個の打ち抜き加工を行い、波長変換部材13に接着剤や粘着剤を介して貼り付ける。接着剤や粘着剤は、予め打ち抜き前の軟性樹脂シートに形成しておくと、生産性が向上する。また、複数の波長変換部材13が一体となったシートに、打ち抜いた軟性樹脂シートを貼り付けた後、所定の形状に切り出し、介在部材14が一体化された波長変換部材13とすると、生産性が向上する。軟性樹脂シートの材料は、前述したエラストマー、合成ゴム等でよい。接着剤や粘着剤は、軟性樹脂シートと波長変換部材13との密着力を確保できるものを適宜選択すればよい。
【0055】
上記のように、本方法では、チップLED11と波長変換部材13との間に所定の形状の空間が形成されるように、軟性材料を打ち抜いて当該所定の形状の部分を除去することにより、介在部材14を形成する。本方法を用いると、前述した凹版印刷による軟性樹脂の形成方法では実現が難しい、図8や図9に示すような形状の介在部材14を形成することができる。図8及び図9の例では、介在部材14の一端14a側の幅(径方向における内周と外周との間の長さ)が他端14b側の幅より小さくなっている。即ち、介在部材14の開口領域が光源基板12側から波長変換部材13側に向かって広くなっている。図8の例では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13の透光性板材16に固定されているが、図9の例では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13の波長変換材料17に固定されている。即ち、介在部材14が波長変換材料17の上に形成されている。図8及び図9の例では、介在部材14の形状が、光源基板12側からの青色光を波長変換材料17側に制御しやすいものとなっているため、介在部材14をリフレクタとしてみたときに望ましい形状である。よって、本方法を用いることで、さらに発光効率のよい安価で薄型の発光ユニット10を提供することができる。
【0056】
以下、インサート成型による波長変換部材13上への軟性樹脂の形成方法を具体的に述べる。
【0057】
成型材料としては、前述したエラストマー、合成ゴムのうち、架橋できるゴム、熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。波長変換部材13の波長変換材料17が形成されていない領域にランナー、ゲートを形成することにより、インサート成型により、高さが一定の介在部材14を形成することができる。
【0058】
その他、製造方法は問わないが、例えば、図10に示すような形状の介在部材14を形成することもできる。図10の例では、透光性板材16と介在部材14の支柱24とが同一材料で一体成形されており、介在部材14の表面部分のみが軟性樹脂で形成されている。このような構成でも、前述した他の構成と同様に、光源基板12と介在部材14との間に隙間ができないため、高い発光効率を得ることができる。
【0059】
前述したように、介在部材14の材料の中に蛍光体を混合したり、介在部材14の内側表面(内周面)に、蛍光体を混合した透光性樹脂を塗布したりして、介在部材14に波長変換機能を持たせてもよい。チップLED11から封止樹脂23を通して介在部材14を照射する1次青色光が少なからず存在するが、介在部材14に波長変換機能を持たせることにより、その1次青色光を直接波長変換することができる。そのため、波長変換の効率が上がり、さらには波長変換材料17と介在部材14とで囲まれる領域で生じる色むら(例えば、チップLED11の青色光と蛍光体の黄色光とのコントラスト)が低減される。介在部材14に用いる蛍光体としては、透光性板材16を通る放射光の均一性を高めるため、波長変換材料17に用いる蛍光体と同じものを用いることが望ましい。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態において、発光ユニット10は、チップLED11の実装箇所の周辺に凹部を持たない簡素な構成の光源基板12と、その上部に配設される波長変換部材13とを備える。波長変換部材13は、光源基板12上の個々のチップLED11の封止樹脂23に対応する位置に離散的に設けた波長変換材料17を有する。波長変換部材13には、その波長変換材料17を囲むとともに、光源基板12上の個々のチップLED11の封止樹脂23を囲む、軟性材料からなる高反射性の介在部材14が設けられる。光源基板12と介在部材14とは、隙間なく接触するように組み合わされる。これにより、光源基板12を低コストで製造できるとともに、波長変換部材13を、封止樹脂23と同程度の厚みを持つ介在部材14を介して、光源基板12に容易かつ装着性よく取り付けることができ、その際に、波長変換部材13と光源基板12との間から光漏れがないようにすることができる。そのため、発光効率が高く、薄型で安価な発光ユニット10を提供できる。
【0061】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0062】
図11は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0063】
本実施の形態では、介在部材14が、波長変換部材13に固定される一端14a側の第1部分14cと、光源基板12に固定される他端14b側の第2部分14dとで構成される。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0064】
波長変換部材13は、光源基板12に対して着脱可能であり、光源基板12に取り付けられる際には、介在部材14の第1部分14cとともに光源基板12に取り付けられ、筐体15の固定部15a(図11には示していないが、実施の形態1と同様)によって固定される。このとき、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで、介在部材14の第1部分14cの先端14eと第2部分14dの先端14eとが密着する。即ち、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで、介在部材14の第1部分14cが第2部分14dに押し当てられる。これにより、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間がなくなり、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制(又は防止)することができる。波長変換部材13は、光源基板12から取り外される際には、例えば介在部材14や光源基板12等とともに筐体15から取り出された後、介在部材14の第1部分14cとともに光源基板12から取り外される。
【0065】
本実施の形態では、光源基板12側にも軟性材料で形成された介在部材14(第2部分14d)が設けられているため、実施の形態1に比べて、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間をより確実になくすことができる。
【0066】
図11において、光源基板12の封止樹脂23の周辺には、介在部材14の第1部分14cの先端14eが連続する形状(ここでは、円筒形)・寸法に合わせて円形リング状に形成された介在部材14の第2部分14dが設けられている。介在部材14の第2部分14dは、介在部材14の第1部分14cと同様に、前述したエラストマー、合成ゴム等の軟性樹脂からなり、介在部材14の第1部分14cを受け止める。介在部材14の第2部分14dは、実施の形態1における介在部材14の形成方法と同様の方法で光源基板12上に形成することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態では、互いに柔軟性のある介在部材14の第1部分14cと第2部分14dとを広い面積で密着させることにより、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを確実になくすことができ、発光効率の高い発光ユニット10を提供することができる。
【0068】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0069】
図12は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0070】
本実施の形態では、チップLED11を覆う封止樹脂23の波長変換部材13に対向する面23aが平坦になっている。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0071】
実施の形態1では、図4に示したように、封止樹脂23が楕円形状であるが、これと波長変換部材13とを組み合わせたとき、波長変換材料17の表面と封止樹脂23の表面との間に空気層が生じる場合がある。この空気層の周辺では、空気層(屈折率は1.0)と、それを囲む材料(封止樹脂23及び波長変換材料17のバインド樹脂の屈折率は1.4〜1.6程度)との間に屈折率差が生じるため、界面での光の透過反射則に従い、光多重反射による光損失が大きくなる場合がある。これに対し、本実施の形態では、封止樹脂23の少なくとも最上面を平坦に形成しているため、波長変換材料17の表面と封止樹脂23の表面とが略全体の領域で接触する。そのため、界面での屈折率差を小さくすることができ、光損失が低減される。即ち、本実施の形態によれば、空気層の領域を減らすことで、高い発光効率を得ることができる。
【0072】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0073】
図13は、本実施の形態に係る発光ユニット10のA−A断面図である。
【0074】
本実施の形態では、チップLED11を覆う封止樹脂23と波長変換部材13と介在部材14との間に形成される空間に透光性樹脂25が充填されている。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0075】
本実施の形態では、光源基板12と介在部材14との間にできる空気層に透光性樹脂25(例えば、封止樹脂23と同じ材料、又は、同質の材料で屈折率も同程度のものを用いる)が充填されている。そのため、実施の形態3と同様に、界面での屈折率差を小さくすることができ、光損失が低減される。即ち、本実施の形態によれば、空気層の領域を減らすことで、高い発光効率を得ることができる。
【0076】
例えば、波長変換部材13が光源基板12より下側にくるように向きを調整して、波長変換部材13と介在部材14とでできる空間に透光性樹脂25を注入し、その上から光源基板12を設置する方法で、上記のような構成を実現することができる。その際、溢れ出る樹脂があっても、それは光源の存在しない介在部材14の外側に出て行くので光質には影響しない。注入する樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いてもよいし、室温である程度硬化するゲル状の樹脂を用いてもよい。
【0077】
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0078】
実施の形態1において、介在部材14は、透光性板材16に波長変換材料17が取り付けられた波長変換部材13の上に形成されている。介在部材14は、図4等に示したように透光性板材16の上に形成されてもよいし、図9に示したように波長変換材料17の上に形成されてもよい。介在部材14が透光性板材16の上に形成される場合、波長変換材料17は、介在部材14の形成前に透光性板材16に取り付けられてもよいし、介在部材14の形成後に透光性板材16に取り付けられてもよい。波長変換材料17が介在部材14の形成後に取り付けられるのであれば、その方法によっては波長変換材料17の厚みの均一性が損なわれないように注意が必要な場合がある。
【0079】
図14は、本実施の形態の比較例に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0080】
波長変換材料17を介在部材14の形成後にポッティング等により透光性板材16に膜状に形成する場合、図14に示すように、波長変換材料17と介在部材14の一端14aとの境目付近で波長変換材料17の厚みが増した部分30ができる可能性がある。極端な場合には、それが発光ユニット10の光特性に影響を与え、色むらや輝度むら等が生じるおそれがある。
【0081】
図15は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0082】
本実施の形態において、波長変換部材13は、図15に示すように、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17と壁部材31とを有する。透光性板材16及び波長変換材料17については、実施の形態1と同様である。壁部材31は、波長変換材料17を取り囲むように透光性板材16に取り付けられる。介在部材14は、その一端14aが波長変換部材13の壁部材31に固定されている。
【0083】
壁部材31は、予め目的とする波長変換材料17の厚みに近い厚み(波長変換材料17の厚みと同じか、やや厚いものが望ましい)となるように透光性板材16に形成する。その後、壁部材31により囲まれる空間に、蛍光体を含む液状樹脂(例えば、シリコーン樹脂やエポキシ変性シリコーン樹脂といった熱硬化性樹脂に蛍光体を混合したもの)を注入して(流し込んで)レベリングした上で、この液状樹脂を硬化させる。これにより、透光性板材16の上の壁部材31により囲まれる空間内に波長変換材料17を形成する。波長変換材料17の形成後、介在部材14を壁部材31に重ねて形成する。この介在部材14は、チップLED11を覆う封止樹脂23の厚み以上の厚みを持っているものとする。
【0084】
本実施の形態では、上記のような手順で波長変換材料17や介在部材14を形成するため、蛍光体を含む液状樹脂(硬化前の波長変換材料17)が、レベリング時に介在部材14の内周面を這い上がること(図14参照)がない。よって、波長変換材料17の厚みを容易かつ確実に均一化でき、色むら(色温度ばらつき)や輝度むら等の発生を抑制することができる。
【0085】
壁部材31は、介在部材14、透光性板材16、波長変換材料17のいずれかと同じ材料で形成されてもよいし、いずれとも異なる材料で形成されてもよいが、透光性板材16と略同じ熱膨張率を持つ材料で形成されることが望ましい。壁部材31の材料を透光性板材16と同程度の熱膨張率を持つ材料とすれば、蛍光体を含む液状樹脂(硬化前の波長変換材料17)を硬化させる際に材料の反りを抑制することができるため、より厚みの均一な波長変換材料17の層(膜)が得られ、より確実に色むら(色温度ばらつき)や輝度むら等の発生を抑制することができる。また、壁部材31の材料として、例えばシリカ等の白色顔料が含まれるシリコーン樹脂やウレタン樹脂等の軟性樹脂を用いれば、介在部材14を光源基板12に当接させる際に、介在部材14(リクレクタ)の高さのばらつきを吸収させることができ、介在部材14の外部への光漏れを抑制する効果も得られる。さらには、光源基板12や波長変換部材13の反りを抑制できるという利点もある。
【0086】
壁部材31は、例えば、透光性板材16の波長変換材料17を配置する領域の周囲にシート状の樹脂(予め成型した薄い樹脂)を接着することにより形成する。あるいは、例えば、透光性板材16の波長変換材料17を配置する領域の周囲に樹脂をスクリーン印刷することにより形成する。このような方法で壁部材31を形成することにより、壁部材31の厚みをむらなく略一定に保つことができるため、介在部材14と光源基板12とを合わせたときの高さの違いによる光漏れ、光むら、色むら等をなくすことができる。壁部材31をスクリーン印刷により形成する場合、波長変換材料17を同時にスクリーン印刷により形成してもよく、この場合、壁部材31と波長変換材料17との厚みを均一にすることが容易となる。
【0087】
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0088】
図16は、本実施の形態に係る発光ユニット10の部分断面図である。
【0089】
実施の形態1では、チップLED11が透明な封止樹脂23により覆われているが、本実施の形態では、図16に示すように、チップLED11が蛍光体含有樹脂23bにより覆われている。蛍光体含有樹脂23bは、波長変換材料17に含まれる蛍光体とは異なる種類の蛍光体を含む材料である。
【0090】
蛍光体含有樹脂23bに含まれる蛍光体としては、任意の蛍光体を用いることができる。例えば、チップLED11が青色光を発し、蛍光体含有樹脂23bが、この青色光により励起されて黄色光を発する蛍光体(例えば、YAG蛍光体やシリケート蛍光体)を含むとすると、チップLED11及び蛍光体含有樹脂23bからなる発光部は略白色の光を呈することとなる。このような構成の発光部に対して、青〜黄色発光成分の少なくとも一波長領域により励起される赤色発光成分を含む蛍光体(例えば、窒化物蛍光体)を波長変換材料17に適用すると、発光ユニット10の照明光の演色性が向上する。
【0091】
このように、発光部の蛍光体含有樹脂23bと波長変換部材13の波長変換材料17とに、互いに異なる光特性(励起、吸収、発光スペクトル等)を持つ蛍光体を適用することで、発光ユニット10の照明光を所望の光に変換することができる。例えば、波長変換材料17の蛍光体として蛍光体含有樹脂23bの蛍光体より赤み(長波長成分)の強いものを用いれば、昼光色、昼白色、白色といった比較的高色温度の発光部の光色を、温白色、電球色といった低色温度の光色に変換できる。また、必要に応じて波長変換部材13を交換(着脱)することで、簡単に光色を変更することができる。即ち、本実施の形態によれば、発光ユニット10を照明装置として用いる場合に、その演出効果により用途展開の幅を広げることができる。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 発光ユニット、11 チップLED、12 光源基板、13 波長変換部材、14 介在部材、14a 一端、14b 他端、14c 第1部分、14d 第2部分、14e 先端、15 筐体、15a 固定部、16 透光性板材、17 波長変換材料、18 ベース基板、19 導電部、20 高反射レジスト材、21 ダイボンド材、22 ワイヤ、23 封止樹脂、23a 面、23b 蛍光体含有樹脂、24 支柱、25 透光性樹脂、30 厚みが増した部分、31 壁部材。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関するものである。本発明は、特に、発光ダイオード(LED;Light・Emitting・Diode)等の半導体発光素子を光源とした発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまで、青色光や近紫外光を発する光源を備え、その光により励起されて他の波長の光を発する蛍光体を用いて、光源光を、白色光や光源光とは異なる色の光に変換する発光装置の提案が数多くなされている。光源に青色LEDを用いた先行技術として、例えば特許文献1,2に示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−110146号公報
【特許文献2】特表2011−501865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発光装置では、予め凹部を複数設け、凹部内にLEDを実装したLED基板と、蛍光部材を含む光学部材とを備える構成をとっており、LED基板の凹部間にできる凸部により光学部材を支持している。このような構造のLED基板は製造が容易ではないという課題がある。例えば、LED基板自体に凹部を設ける代わりに、LED基板の表面を平坦面とし、その表面に実装したLEDの周囲に別部品の凹部(リフレクタ)を設けることもできる。しかし、この場合、製造工程が増えたり、部品点数が増えたりすることによるコスト増という課題だけでなく、凹部とLED基板との間からの光漏れ対策、凹部の位置決め、固定方法といった技術的な課題が生じる。
【0005】
特許文献2の発光装置では、複数の青色LEDを実装した基板を、全体に蛍光体を混合した波長変換部材で覆うことにより、照明色を青色から他の色に変えている。この発光装置では、照明色の均一性を確保するために、LEDと波長変換部材との間の距離をある程度長くする必要がある。そのため、発光装置が厚くなり、装置内部での多重反射成分が多くなり、光損失が生じやすくなる。また、この発光装置では、消灯時に波長変換材料(蛍光体)の色がかなり目立つ。
【0006】
本発明は、例えば、発光装置において、製造が容易な構成で、基板と波長変換部材との間からの光漏れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の態様に係る発光装置は、
光を発する発光素子と、
前記発光素子が実装された基板と、
前記発光素子から発せられる光の波長を変換する波長変換部材と、
軟性材料で形成され、前記基板と前記波長変換部材との間に設置される介在部材と、
前記介在部材の一端が前記波長変換部材に当接し、かつ、前記介在部材の他端が前記基板に当接するように、前記波長変換部材を前記基板に近づく方向に押圧して、前記基板に対する前記波長変換部材の位置を固定する固定部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一の態様では、発光装置において、軟性材料で形成された介在部材が、基板と波長変換部材との間に設置される。そして、介在部材の一端が波長変換部材に当接し、かつ、介在部材の他端が基板に当接するように、固定部が波長変換部材を基板に近づく方向に押圧して、基板に対する波長変換部材の位置を固定する。そのため、本発明の一の態様によれば、発光装置において、製造が容易な構成で、基板と波長変換部材との間からの光漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る発光ユニットの平面図。
【図2】実施の形態1に係る発光ユニットのA−A断面図。
【図3】実施の形態1に係る発光ユニットの部分断面図。
【図4】実施の形態1に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図5】実施の形態1に係る発光ユニットの発光スペクトルの一例を示すグラフ。
【図6】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの平面図。
【図7】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図8】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図9】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図10】実施の形態1の変形例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図11】実施の形態2に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図12】実施の形態3に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図13】実施の形態4に係る発光ユニットのA−A断面図。
【図14】実施の形態5の比較例に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図15】実施の形態5に係る発光ユニットの波長変換部材を光源基板に取り付ける前の状態を示す図。
【図16】実施の形態6に係る発光ユニットの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る発光ユニット10(発光装置の一例)の平面図(発光方向から見た図)である。図2は、発光ユニット10のA−A断面図(長手方向に沿って見た図)である。
【0012】
発光ユニット10は、チップLED11(発光素子の一例)、光源基板12(基板の一例)、波長変換部材13、介在部材14、筐体15を備える。
【0013】
チップLED11は、青色光を発する。なお、チップLED11は、近紫外光等、青色以外の色の光を発するものであってもよい。また、チップLED11は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)等、LED以外の発光素子であってもよい。
【0014】
光源基板12には、チップLED11が直線状に2列、1列につき4個ずつ(即ち、計8個)実装されている。なお、チップLED11の実装数は、発光ユニット10の用途等に応じて、1以上の任意の数に適宜変更することができる(即ち、8個でなくてもよい)。また、チップLED11の配置は、直線状に1列又は3列以上、リング状等、任意の配置とすることができる。
【0015】
波長変換部材13は、チップLED11から発せられる光の波長を変換する。本実施の形態において、波長変換部材13は、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17を有する。波長変換材料17は、透光性板材16のチップLED11に対応する位置に取り付けられる。波長変換材料17は、青色光により励起されて黄色光を発する蛍光体を含んでおり、この蛍光体を用いて、対応するチップLED11から発せられる青色光を白色光に変換する。なお、波長変換材料17に含まれる蛍光体は、チップLED11から発せられる光と異なる波長の光を発するものであれば、チップLED11の発光色や、発光ユニット10の所望の照明色等に応じて、任意の蛍光体に適宜変更することができる。透光性板材16は、長方形状の平板であり、波長変換材料17からの白色光を透過して、発光ユニット10の外部に放射する。透光性板材16から放射される光が発光ユニット10の照明光となる。
【0016】
介在部材14は、軟性材料(詳細については後述する)で形成されており、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。本実施の形態において、介在部材14は、チップLED11ごと(即ち、波長変換材料17ごと)に設けられ、対応するチップLED11(即ち、対応する波長変換材料17)を取り囲むように設置される。具体的には、介在部材14は、リング状に形成され、その内周面によってチップLED11を取り囲んでいる。この内周面(即ち、チップLED11を取り囲む面)は、反射率の高い材料で形成されており、チップLED11から発せられる光を反射する。即ち、本実施の形態では、介在部材14がリフレクタとしても機能する。
【0017】
本実施の形態では、介在部材14の内部に、波長変換材料17と同様の蛍光体が含まれている。即ち、介在部材14は、内部に、チップLED11から発せられる光と異なる波長の光を発する蛍光体を含んでいる。そのため、発光ユニット10における光源光の波長変換効率が向上する。なお、介在部材14の表面に、同様の蛍光体が含まれていてもよい。
【0018】
筐体15には、チップLED11が実装された光源基板12、波長変換部材13、介在部材14が収容される。筐体15は、爪状の固定部15aを波長変換部材13の透光性板材16の1辺につき1個ずつ(即ち、計4個)有している。なお、固定部15aの形状、配置、数は、適宜変更することができる。固定部15aは、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。
【0019】
本実施の形態では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に固定されている。波長変換部材13は、光源基板12に対して着脱可能であり、光源基板12に取り付けられる際には、介在部材14とともに光源基板12に取り付けられ、筐体15の固定部15aによって固定される。このとき、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで介在部材14の他端14bが光源基板12に押し当てられる。これにより、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間がなくなり、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制(又は防止)することができる。波長変換部材13は、光源基板12から取り外される際には、例えば介在部材14や光源基板12等とともに筐体15から取り出された後、介在部材14とともに光源基板12から取り外される。
【0020】
上記のように、本実施の形態では、軟性材料で形成された介在部材14が、光源基板12と波長変換部材13との間に設置される。そして、介在部材14の一端14aが波長変換部材13に当接し、かつ、介在部材14の他端14bが光源基板12に当接するように、筐体15の固定部15aが波長変換部材13を光源基板12に近づく方向に押圧して、光源基板12に対する波長変換部材13の位置を固定する。そのため、本実施の形態によれば、発光ユニット10において、製造が容易な構成で、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制することができる。
【0021】
図3は、発光ユニット10の部分断面図であり、具体的には、チップLED11及び光源基板12を示す図である。
【0022】
光源基板12は、ベース基板18上に導電路を形成し、導電路のうち、チップLED11の実装等で必要とされる導電部19の領域以外は高反射レジスト材20を塗布した構成となっている。ベース基板18には、ガラスエポキシ材、ガラスコンポジット材等が用いられる。なお、放熱性を高めるため、ベース基板18に金属材料等が用いられてもよい。導電部19は、銅等の薄いパタンとして作製され、その上に下地処理用の金属薄膜等を介して銀メッキや金メッキ処理が施されている。高反射レジスト材20は、アクリル、エポキシ、シリコーン系等の白色樹脂を用いて、厚みが略均一になるように形成されている。
【0023】
発光ユニット10の発光源となるチップLED11は、予めパタン形成された導電部19に、ダイボンド材21を用いて固定される。なお、チップLED11は、導電部19に、はんだを用いて固定されてもよい。また、チップLED11は、他の導電部19に、ワイヤ22を用いて電気的に接続される。本実施の形態において、チップLED11は、440〜475nm(ナノメートル)付近に発光ピークを有する青色LEDである。チップLED11は、チップLED11からの光の取り出し量を増大させ、また、チップLED11を保護する目的で、シリコーン等の透明樹脂である封止樹脂23(透光性材料の一例)により覆われている。封止樹脂23は、シリコーン等の透明樹脂であり、光源基板12の上側から見ると略円形状に形成されている。
【0024】
上記のように、本実施の形態では、光源基板12が、隣り合うチップLED11の封止樹脂23の間に、配光制御機能を有するリフレクタ(例えば、特許文献1の凹部)を備えておらず、構成が簡素である。そのため、低コストの発光ユニット10を提供することができる。しかも、ベース基板18に安価なガラスエポキシ材を用いれば、さらに低コストの発光ユニット10を提供することができる。
【0025】
図4は、発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0026】
前述したように、波長変換部材13は、光源基板12に実装されたチップLED11の発光方向に配置され、チップLED11の放つ青色の光を他の波長領域の光に変換する。波長変換部材13は、透光性板材16のチップLED11に対向する側に波長変換材料17を備えている。波長変換材料17は、チップLED11の封止樹脂23の形状に合わせて、封止樹脂23の直径に等しいか、やや大きめの円形状に形成されている。波長変換部材13には、個々の波長変換材料17を囲むように介在部材14が取り付けられている。
【0027】
透光性板材16は、例えば、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、シリコーン、ガラス等の材料で形成されている。波長変換材料17は、青色光によって励起され、他の波長領域の光(例えば、黄色)を発する蛍光体を、ベースバインド材料(透明樹脂等)に混合したものからなる。波長変換材料17は、透光性板材16に塗布、印刷、噴霧、あるいは、予めシート状に形成したものを貼り付ける等して構成される。例えば、波長変換材料17に黄色光を発する蛍光体を用いるのであれば、蛍光体の混合量を調整することで、チップLED11の青色光と一部波長変換された黄色光との合成により略白色の光が得られる。
【0028】
なお、透光性板材16は、表面がブラスト加工やシボ加工等により粗面として形成されていてもよい。また、透光性板材16は、光拡散材料が混入されて、それ自体が拡散機能を有するようなものであってもよい。いずれの場合にも、特に消灯時の波長変換材料17の色付きを緩和させる(波長変換材料17の色を低彩度に変換する)ことができる。また、波長変換材料17を離散配置する場合には、それによる色コントラストを抑えることができる。本実施の形態では、蛍光体を効率よく利用し、また、消灯時の蛍光体による色つきを目立たなくする目的で、波長変換材料17をチップLED11の位置に合わせて離散的に配置しているが、透光性板材16と波長変換材料17とを一体成形してもよい。
【0029】
図5は、発光ユニット10の発光スペクトルの一例を示すグラフである。
【0030】
図5において、点線は、チップLED11から放射されて封止樹脂23を透過する青色光のスペクトルを示す。実線は、その青色光の一部が波長変換部材13の波長変換材料17で吸収され、蛍光体を励起して黄色光(波長変換光)に変換され、この黄色光と、波長変換部材13に吸収されなかった青色光とが混合して得られる略白色の発光ユニット10の照明光(ユニット放射光)のスペクトルを示す。前述したように、蛍光体としては、発光ユニット10の所望の光質(色温度、色度、演色性等)に応じて、黄色以外(例えば、緑色や赤色等、あるいは、複数種を混合したもの)の蛍光体を用いることができる。例えば、黄色であればYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体、緑〜橙色ならシリケート蛍光体、赤色なら窒化物蛍光体等を用いることができる。
【0031】
波長変換部材13に設けられる介在部材14は、波長変換部材13を光源基板12に安定配置させる役割を持つが、本実施の形態では、それと同時に発光ユニット10の発光性能を高く維持させることができるものである。
【0032】
一般的には、特許文献2の発光装置のように、複数の青色LED光源の発光方向に光源間の仕切りを設けずに波長変換部材を配置する構成でも波長変換自体は可能であるが、個々の光源と波長変換部材との間の空間(体積)が広くなり、その分その領域での多重光反射損失が大きくなってしまう。
【0033】
そのため、本実施の形態では、少なくとも介在部材14の表面を、高反射性の樹脂材料を用いて構成し、各々の波長変換材料17の周囲を覆うように構成した。これにより、光源基板12と波長変換部材13とを組み合わせたときに、介在部材14がリフレクタとしても機能するため、各チップLED11の光を効率よく波長変換材料17の表面に照射させることができる。よって、光源基板12と波長変換部材13との間での光損失を抑えて高い発光効率を実現できる。
【0034】
また、本実施の形態では、波長変換材料17が介在部材14の内側(介在部材14で囲まれた領域)のみに備えられているので、特許文献2の発光装置のように波長変換部材の全体に蛍光体を含む構成に対して、相対的に低コストの装置が実現可能となる。また、本実施の形態では、介在部材14の反射率によらず、LED光源部(封止樹脂23)に接するような距離に波長変換部材13の波長変換材料17を配置させることができるので、構造面では薄型の発光ユニット10を提供することができる。
【0035】
例えば、本実施の形態において、介在部材14の代わりに、光源基板12上に別途成形した硬性樹脂の反射枠を設け、その上部に波長変換部材13を配置したとする。この場合、反射枠を光源基板12側に固定するための部品が必要となるため、本実施の形態に比べて、部品数が増えるという課題が生じる。また、反射枠を光源基板12に取り付ける際の位置精度や、反射枠と光源基板12との間に隙間ができないようにするためのしくみ等、技術的な課題も生じる。一方、本実施の形態によれば、介在部材14を軟性材料で構成しているため、そのような課題は生じない。
【0036】
介在部材14を硬性樹脂で形成すると、光源基板12上に介在部材14を配置した際に一部が光源基板12から浮き上がってしまい、その箇所からチップLED11の光が漏れることが考えられる。一方、本実施の形態のように、介在部材14を軟性樹脂で形成すれば、光源基板12上に介在部材14を配置する際に、筐体15の固定部15aによって外部からわずかな圧力を加えるだけで、光源基板12に触れる介在部材14の他端14b(先端)が変形して光源基板12に密着することになる。そのため、光源基板12の表面と介在部材14との間に隙間(光の抜け口)ができることなく、チップLED11の光を効率よく波長変換材料17に放射させることができ、光漏れが要因となって起こる発光ユニット10の色むらは生じない。
【0037】
ここで、チップLED11の高さは数十〜数百μm(マイクロメートル)程度であり、それを覆う封止樹脂23の高さ(光源基板12から封止樹脂23の頂点までの高さ)は数mm(ミリメートル)程度と低くすることができる。即ち、封止樹脂23は、薄く形成することができる。また、波長変換部材13の波長変換材料17の厚みが数百μm程度でも所望の色変換効果が得られる。したがって、介在部材14の高さが、例えば2mm程度としても、発光ユニット10の厚みをかなり薄くすることができる。
【0038】
図6は、本実施の形態の変形例に係る発光ユニット10の平面図である。
【0039】
図1に示した発光ユニット10と比べると、図6に示した発光ユニット10では、波長変換部材13が2つに分かれている。それぞれの波長変換部材13は、チップLED11の列に対応し、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17を有する。筐体15は、それぞれの波長変換部材13に対して固定部15aを4個有している。
【0040】
なお、本実施の形態及びその変形例では、波長変換部材13を固定するための固定部15aを筐体15に設けているが、固定部を筐体15以外の箇所に設けてもよい。例えば、固定部を光源基板12や波長変換部材13自体に設けてもよい。固定部は、光源基板12と波長変換部材13との隙間をなくし、かつ、発光ユニット10の発光効率の極端な低下を招くようなものでなければよい。
【0041】
本実施の形態では、筐体15の固定部15aで波長変換部材13にやや圧力を加えて波長変換部材13を固定するため、介在部材14を軟性材料とすることで、介在部材14で波長変換部材13や光源基板12の反りを吸収すると同時に、光源基板12と波長変換部材13との隙間をなくして光源基板12と波長変換部材13と介在部材14とを一体化させることができる。そのため、波長変換部材13の極端な上下位置変動を極力防ぐことができ、安定した光質の照明光を得ることができる。また、チップLED11から放射される光が隙間から抜け出るようなことがなく、チップLED11の光を効率よく波長変換材料17に照射でき、高発光効率の発光ユニット10が得られる。
【0042】
なお、本実施の形態において、介在部材14の他端14bを、接着剤等を介して光源基板12に接着することも可能であるが、接着しなければ、介在部材14とともに波長変換部材13を取り外し可能となる。よって、光源基板12は変更せず、構成(形状、大きさ、波長変換材料17の態様、特に蛍光体の含有率や種類等)の異なる波長変換部材13のみを交換して多様な光色の照明光を選択的に得られるようにしてもよい。
【0043】
以下、介在部材14に用いる軟性材料について説明する。
【0044】
前述したように、介在部材14を、波長変換部材13や光源基板12の反りを吸収し、光源基板12との間に隙間ができないように取り付け可能とする材料としては、例えば、使用温度領域において、エラストマー状の弾性率を持つ樹脂が好ましい。適した弾性率は、介在部材14の形状や波長変換部材13の剛性により異なるが、例えば、弾性率が1000MPa(メガパスカル)以下であれば、通常の基板の反りを吸収できるとともに、基板との隙間をなくした固定が可能となる。また、チップLED11から発せられた光が介在部材14の材料に吸収されることによる損失の減少や、波長変換材料17が形成されていない領域への光漏洩量の減少のため、チップLED11の発光波長領域における介在部材14の材料の拡散反射率は、70%以上であることが好ましい。
【0045】
具体的には、介在部材14に用いる軟性材料としては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム等のエラストマー、合成ゴム等の軟性樹脂を用いることができる。また、これらの軟性樹脂を発泡させることにより、弾性率を調整してもよい。なお、反射率を向上させるため、これらの軟性樹脂に、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マグネシア、シリカ等の白色フィラーを含めることが好ましい。
【0046】
以下、発光ユニット10(特に、介在部材14)の製造方法について説明する。
【0047】
例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂を各種の印刷方法で波長変換部材13上に形成することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することが可能である。適用できる印刷方法としては、フレキソ印刷、凹版印刷、オフセット印刷、孔版印刷等が挙げられる。また、例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂シートを所定の形状に打ち抜き、接着剤を介して波長変換部材13上に配置することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することも可能である。また、例えば、介在部材14を構成する軟性樹脂をインサート成型により波長変換部材13上に形成することにより、介在部材14を波長変換部材13に固定することも可能である。
【0048】
波長変換材料17と封止樹脂23(又はチップLED11)との間の距離を一定に保ち、均一な光量を得るため、また、介在部材14のリフレクタとしての反射機能を効率よく発揮させるためには、波長変換部材13に固定される介在部材14同士の形状のばらつきを抑制する必要がある。そのためには、特に、凹版印刷による軟性樹脂の形成、軟性樹脂シートを打ち抜いたものの配置、インサート成型による軟性樹脂の形成により、介在部材14を波長変換部材13に固定することが好ましい。
【0049】
以下、凹版印刷による波長変換部材13上への軟性樹脂の形成方法を具体的に述べる。
【0050】
まず、介在部材14の形状を凹型に形成した型に、紫外線硬化型軟性樹脂を配置する。次に、その上に透光性板材16を配置し、ローラー等の押し付け冶具により、波長変換部材13と型の間にある余分な紫外線硬化型軟性樹脂を押し出す。その後、紫外線を照射して軟性樹脂を硬化させ、介在部材14が一体化された波長変換部材13として取り外す。これにより、形状精度が高く、波長変換部材13とチップLED11との間の距離を一定に保つことのできる介在部材14を形成することができる。本方法では、型から取り外せる形状の介在部材14を形成することができる。例えば、図4に示したもの以外にも、図7に示すような形状の介在部材14を形成することができる。図7の例では、介在部材14の内周面が平坦になっており、また、介在部材14の一端14a側の幅(径方向における内周と外周との間の長さ)が他端14b側の幅より大きくなっている。即ち、介在部材14の開口領域が光源基板12側から波長変換部材13側に向かって狭くなっている。
【0051】
反射率を向上させるため、白色フィラーを含む軟性樹脂を用いる場合には、内部まで所定の紫外線を照射することが困難となる場合もある。その場合には、湿気硬化を併用できる紫外線硬化型軟性樹脂を用いれば、高反射性を持った軟性樹脂であっても、その内部まで硬化を進展させることができる。そのため、外寸の大きな介在部材14も形成できることになり、封止樹脂23より高さのある介在部材14を成形することも容易となる。
【0052】
また、型からの取り外し(脱型)を容易にし、かつ、完全に波長変換部材13に軟性樹脂を転写するためには、紫外線が透過する素材からなる型を用いることが好ましい。この場合、型を介して紫外光を照射することにより、容易に脱型できるとともに、完全に軟性樹脂を転写することが容易になり、安定した形状の介在部材14を形成することができる。さらに、完全に軟性樹脂を転写するためには、例えば、型にポリカーボネートを用い、波長変換部材13の透光性板材16にPETを用いる、といったように軟性樹脂の型に対する密着力と軟性樹脂の透光性板材16に対する密着力とに十分な差をつけることが好ましい。
【0053】
以下、軟性樹脂シートを打ち抜いたものの波長変換部材13上への配置方法を具体的に述べる。
【0054】
軟性樹脂シートの打ち抜きは、トムソン刃、金型で行うことができる。あるいは、レーザー加工により、軟性樹脂シートをテーパ状に打ち抜くことも可能である。こういった手法により、軟性樹脂シートに1個もしくは複数個の打ち抜き加工を行い、波長変換部材13に接着剤や粘着剤を介して貼り付ける。接着剤や粘着剤は、予め打ち抜き前の軟性樹脂シートに形成しておくと、生産性が向上する。また、複数の波長変換部材13が一体となったシートに、打ち抜いた軟性樹脂シートを貼り付けた後、所定の形状に切り出し、介在部材14が一体化された波長変換部材13とすると、生産性が向上する。軟性樹脂シートの材料は、前述したエラストマー、合成ゴム等でよい。接着剤や粘着剤は、軟性樹脂シートと波長変換部材13との密着力を確保できるものを適宜選択すればよい。
【0055】
上記のように、本方法では、チップLED11と波長変換部材13との間に所定の形状の空間が形成されるように、軟性材料を打ち抜いて当該所定の形状の部分を除去することにより、介在部材14を形成する。本方法を用いると、前述した凹版印刷による軟性樹脂の形成方法では実現が難しい、図8や図9に示すような形状の介在部材14を形成することができる。図8及び図9の例では、介在部材14の一端14a側の幅(径方向における内周と外周との間の長さ)が他端14b側の幅より小さくなっている。即ち、介在部材14の開口領域が光源基板12側から波長変換部材13側に向かって広くなっている。図8の例では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13の透光性板材16に固定されているが、図9の例では、介在部材14の一端14aが波長変換部材13の波長変換材料17に固定されている。即ち、介在部材14が波長変換材料17の上に形成されている。図8及び図9の例では、介在部材14の形状が、光源基板12側からの青色光を波長変換材料17側に制御しやすいものとなっているため、介在部材14をリフレクタとしてみたときに望ましい形状である。よって、本方法を用いることで、さらに発光効率のよい安価で薄型の発光ユニット10を提供することができる。
【0056】
以下、インサート成型による波長変換部材13上への軟性樹脂の形成方法を具体的に述べる。
【0057】
成型材料としては、前述したエラストマー、合成ゴムのうち、架橋できるゴム、熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等を用いることができる。波長変換部材13の波長変換材料17が形成されていない領域にランナー、ゲートを形成することにより、インサート成型により、高さが一定の介在部材14を形成することができる。
【0058】
その他、製造方法は問わないが、例えば、図10に示すような形状の介在部材14を形成することもできる。図10の例では、透光性板材16と介在部材14の支柱24とが同一材料で一体成形されており、介在部材14の表面部分のみが軟性樹脂で形成されている。このような構成でも、前述した他の構成と同様に、光源基板12と介在部材14との間に隙間ができないため、高い発光効率を得ることができる。
【0059】
前述したように、介在部材14の材料の中に蛍光体を混合したり、介在部材14の内側表面(内周面)に、蛍光体を混合した透光性樹脂を塗布したりして、介在部材14に波長変換機能を持たせてもよい。チップLED11から封止樹脂23を通して介在部材14を照射する1次青色光が少なからず存在するが、介在部材14に波長変換機能を持たせることにより、その1次青色光を直接波長変換することができる。そのため、波長変換の効率が上がり、さらには波長変換材料17と介在部材14とで囲まれる領域で生じる色むら(例えば、チップLED11の青色光と蛍光体の黄色光とのコントラスト)が低減される。介在部材14に用いる蛍光体としては、透光性板材16を通る放射光の均一性を高めるため、波長変換材料17に用いる蛍光体と同じものを用いることが望ましい。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態において、発光ユニット10は、チップLED11の実装箇所の周辺に凹部を持たない簡素な構成の光源基板12と、その上部に配設される波長変換部材13とを備える。波長変換部材13は、光源基板12上の個々のチップLED11の封止樹脂23に対応する位置に離散的に設けた波長変換材料17を有する。波長変換部材13には、その波長変換材料17を囲むとともに、光源基板12上の個々のチップLED11の封止樹脂23を囲む、軟性材料からなる高反射性の介在部材14が設けられる。光源基板12と介在部材14とは、隙間なく接触するように組み合わされる。これにより、光源基板12を低コストで製造できるとともに、波長変換部材13を、封止樹脂23と同程度の厚みを持つ介在部材14を介して、光源基板12に容易かつ装着性よく取り付けることができ、その際に、波長変換部材13と光源基板12との間から光漏れがないようにすることができる。そのため、発光効率が高く、薄型で安価な発光ユニット10を提供できる。
【0061】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0062】
図11は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0063】
本実施の形態では、介在部材14が、波長変換部材13に固定される一端14a側の第1部分14cと、光源基板12に固定される他端14b側の第2部分14dとで構成される。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0064】
波長変換部材13は、光源基板12に対して着脱可能であり、光源基板12に取り付けられる際には、介在部材14の第1部分14cとともに光源基板12に取り付けられ、筐体15の固定部15a(図11には示していないが、実施の形態1と同様)によって固定される。このとき、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで、介在部材14の第1部分14cの先端14eと第2部分14dの先端14eとが密着する。即ち、筐体15の固定部15aにより波長変換部材13が押圧されることで、介在部材14の第1部分14cが第2部分14dに押し当てられる。これにより、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間がなくなり、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを抑制(又は防止)することができる。波長変換部材13は、光源基板12から取り外される際には、例えば介在部材14や光源基板12等とともに筐体15から取り出された後、介在部材14の第1部分14cとともに光源基板12から取り外される。
【0065】
本実施の形態では、光源基板12側にも軟性材料で形成された介在部材14(第2部分14d)が設けられているため、実施の形態1に比べて、光源基板12と波長変換部材13との間の隙間をより確実になくすことができる。
【0066】
図11において、光源基板12の封止樹脂23の周辺には、介在部材14の第1部分14cの先端14eが連続する形状(ここでは、円筒形)・寸法に合わせて円形リング状に形成された介在部材14の第2部分14dが設けられている。介在部材14の第2部分14dは、介在部材14の第1部分14cと同様に、前述したエラストマー、合成ゴム等の軟性樹脂からなり、介在部材14の第1部分14cを受け止める。介在部材14の第2部分14dは、実施の形態1における介在部材14の形成方法と同様の方法で光源基板12上に形成することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態では、互いに柔軟性のある介在部材14の第1部分14cと第2部分14dとを広い面積で密着させることにより、光源基板12と波長変換部材13との間からの光漏れを確実になくすことができ、発光効率の高い発光ユニット10を提供することができる。
【0068】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0069】
図12は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0070】
本実施の形態では、チップLED11を覆う封止樹脂23の波長変換部材13に対向する面23aが平坦になっている。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0071】
実施の形態1では、図4に示したように、封止樹脂23が楕円形状であるが、これと波長変換部材13とを組み合わせたとき、波長変換材料17の表面と封止樹脂23の表面との間に空気層が生じる場合がある。この空気層の周辺では、空気層(屈折率は1.0)と、それを囲む材料(封止樹脂23及び波長変換材料17のバインド樹脂の屈折率は1.4〜1.6程度)との間に屈折率差が生じるため、界面での光の透過反射則に従い、光多重反射による光損失が大きくなる場合がある。これに対し、本実施の形態では、封止樹脂23の少なくとも最上面を平坦に形成しているため、波長変換材料17の表面と封止樹脂23の表面とが略全体の領域で接触する。そのため、界面での屈折率差を小さくすることができ、光損失が低減される。即ち、本実施の形態によれば、空気層の領域を減らすことで、高い発光効率を得ることができる。
【0072】
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0073】
図13は、本実施の形態に係る発光ユニット10のA−A断面図である。
【0074】
本実施の形態では、チップLED11を覆う封止樹脂23と波長変換部材13と介在部材14との間に形成される空間に透光性樹脂25が充填されている。その他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0075】
本実施の形態では、光源基板12と介在部材14との間にできる空気層に透光性樹脂25(例えば、封止樹脂23と同じ材料、又は、同質の材料で屈折率も同程度のものを用いる)が充填されている。そのため、実施の形態3と同様に、界面での屈折率差を小さくすることができ、光損失が低減される。即ち、本実施の形態によれば、空気層の領域を減らすことで、高い発光効率を得ることができる。
【0076】
例えば、波長変換部材13が光源基板12より下側にくるように向きを調整して、波長変換部材13と介在部材14とでできる空間に透光性樹脂25を注入し、その上から光源基板12を設置する方法で、上記のような構成を実現することができる。その際、溢れ出る樹脂があっても、それは光源の存在しない介在部材14の外側に出て行くので光質には影響しない。注入する樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いてもよいし、室温である程度硬化するゲル状の樹脂を用いてもよい。
【0077】
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0078】
実施の形態1において、介在部材14は、透光性板材16に波長変換材料17が取り付けられた波長変換部材13の上に形成されている。介在部材14は、図4等に示したように透光性板材16の上に形成されてもよいし、図9に示したように波長変換材料17の上に形成されてもよい。介在部材14が透光性板材16の上に形成される場合、波長変換材料17は、介在部材14の形成前に透光性板材16に取り付けられてもよいし、介在部材14の形成後に透光性板材16に取り付けられてもよい。波長変換材料17が介在部材14の形成後に取り付けられるのであれば、その方法によっては波長変換材料17の厚みの均一性が損なわれないように注意が必要な場合がある。
【0079】
図14は、本実施の形態の比較例に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0080】
波長変換材料17を介在部材14の形成後にポッティング等により透光性板材16に膜状に形成する場合、図14に示すように、波長変換材料17と介在部材14の一端14aとの境目付近で波長変換材料17の厚みが増した部分30ができる可能性がある。極端な場合には、それが発光ユニット10の光特性に影響を与え、色むらや輝度むら等が生じるおそれがある。
【0081】
図15は、本実施の形態に係る発光ユニット10の波長変換部材13を光源基板12に取り付ける前の状態を示す図である。
【0082】
本実施の形態において、波長変換部材13は、図15に示すように、透光性板材16を有するとともに、チップLED11ごとに波長変換材料17と壁部材31とを有する。透光性板材16及び波長変換材料17については、実施の形態1と同様である。壁部材31は、波長変換材料17を取り囲むように透光性板材16に取り付けられる。介在部材14は、その一端14aが波長変換部材13の壁部材31に固定されている。
【0083】
壁部材31は、予め目的とする波長変換材料17の厚みに近い厚み(波長変換材料17の厚みと同じか、やや厚いものが望ましい)となるように透光性板材16に形成する。その後、壁部材31により囲まれる空間に、蛍光体を含む液状樹脂(例えば、シリコーン樹脂やエポキシ変性シリコーン樹脂といった熱硬化性樹脂に蛍光体を混合したもの)を注入して(流し込んで)レベリングした上で、この液状樹脂を硬化させる。これにより、透光性板材16の上の壁部材31により囲まれる空間内に波長変換材料17を形成する。波長変換材料17の形成後、介在部材14を壁部材31に重ねて形成する。この介在部材14は、チップLED11を覆う封止樹脂23の厚み以上の厚みを持っているものとする。
【0084】
本実施の形態では、上記のような手順で波長変換材料17や介在部材14を形成するため、蛍光体を含む液状樹脂(硬化前の波長変換材料17)が、レベリング時に介在部材14の内周面を這い上がること(図14参照)がない。よって、波長変換材料17の厚みを容易かつ確実に均一化でき、色むら(色温度ばらつき)や輝度むら等の発生を抑制することができる。
【0085】
壁部材31は、介在部材14、透光性板材16、波長変換材料17のいずれかと同じ材料で形成されてもよいし、いずれとも異なる材料で形成されてもよいが、透光性板材16と略同じ熱膨張率を持つ材料で形成されることが望ましい。壁部材31の材料を透光性板材16と同程度の熱膨張率を持つ材料とすれば、蛍光体を含む液状樹脂(硬化前の波長変換材料17)を硬化させる際に材料の反りを抑制することができるため、より厚みの均一な波長変換材料17の層(膜)が得られ、より確実に色むら(色温度ばらつき)や輝度むら等の発生を抑制することができる。また、壁部材31の材料として、例えばシリカ等の白色顔料が含まれるシリコーン樹脂やウレタン樹脂等の軟性樹脂を用いれば、介在部材14を光源基板12に当接させる際に、介在部材14(リクレクタ)の高さのばらつきを吸収させることができ、介在部材14の外部への光漏れを抑制する効果も得られる。さらには、光源基板12や波長変換部材13の反りを抑制できるという利点もある。
【0086】
壁部材31は、例えば、透光性板材16の波長変換材料17を配置する領域の周囲にシート状の樹脂(予め成型した薄い樹脂)を接着することにより形成する。あるいは、例えば、透光性板材16の波長変換材料17を配置する領域の周囲に樹脂をスクリーン印刷することにより形成する。このような方法で壁部材31を形成することにより、壁部材31の厚みをむらなく略一定に保つことができるため、介在部材14と光源基板12とを合わせたときの高さの違いによる光漏れ、光むら、色むら等をなくすことができる。壁部材31をスクリーン印刷により形成する場合、波長変換材料17を同時にスクリーン印刷により形成してもよく、この場合、壁部材31と波長変換材料17との厚みを均一にすることが容易となる。
【0087】
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0088】
図16は、本実施の形態に係る発光ユニット10の部分断面図である。
【0089】
実施の形態1では、チップLED11が透明な封止樹脂23により覆われているが、本実施の形態では、図16に示すように、チップLED11が蛍光体含有樹脂23bにより覆われている。蛍光体含有樹脂23bは、波長変換材料17に含まれる蛍光体とは異なる種類の蛍光体を含む材料である。
【0090】
蛍光体含有樹脂23bに含まれる蛍光体としては、任意の蛍光体を用いることができる。例えば、チップLED11が青色光を発し、蛍光体含有樹脂23bが、この青色光により励起されて黄色光を発する蛍光体(例えば、YAG蛍光体やシリケート蛍光体)を含むとすると、チップLED11及び蛍光体含有樹脂23bからなる発光部は略白色の光を呈することとなる。このような構成の発光部に対して、青〜黄色発光成分の少なくとも一波長領域により励起される赤色発光成分を含む蛍光体(例えば、窒化物蛍光体)を波長変換材料17に適用すると、発光ユニット10の照明光の演色性が向上する。
【0091】
このように、発光部の蛍光体含有樹脂23bと波長変換部材13の波長変換材料17とに、互いに異なる光特性(励起、吸収、発光スペクトル等)を持つ蛍光体を適用することで、発光ユニット10の照明光を所望の光に変換することができる。例えば、波長変換材料17の蛍光体として蛍光体含有樹脂23bの蛍光体より赤み(長波長成分)の強いものを用いれば、昼光色、昼白色、白色といった比較的高色温度の発光部の光色を、温白色、電球色といった低色温度の光色に変換できる。また、必要に応じて波長変換部材13を交換(着脱)することで、簡単に光色を変更することができる。即ち、本実施の形態によれば、発光ユニット10を照明装置として用いる場合に、その演出効果により用途展開の幅を広げることができる。
【0092】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 発光ユニット、11 チップLED、12 光源基板、13 波長変換部材、14 介在部材、14a 一端、14b 他端、14c 第1部分、14d 第2部分、14e 先端、15 筐体、15a 固定部、16 透光性板材、17 波長変換材料、18 ベース基板、19 導電部、20 高反射レジスト材、21 ダイボンド材、22 ワイヤ、23 封止樹脂、23a 面、23b 蛍光体含有樹脂、24 支柱、25 透光性樹脂、30 厚みが増した部分、31 壁部材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光素子と、
前記発光素子が実装された基板と、
前記発光素子から発せられる光の波長を変換する波長変換部材と、
軟性材料で形成され、前記基板と前記波長変換部材との間に設置される介在部材と、
前記介在部材の一端が前記波長変換部材に当接し、かつ、前記介在部材の他端が前記基板に当接するように、前記波長変換部材を前記基板に近づく方向に押圧して、前記基板に対する前記波長変換部材の位置を固定する固定部と
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記介在部材は、前記発光素子を取り囲むように設置され、前記発光素子を取り囲む面が前記発光素子から発せられる光を反射することを特徴とする請求項1の発光装置。
【請求項3】
前記介在部材は、前記一端が前記波長変換部材に固定され、前記固定部により前記波長変換部材が押圧されることで前記他端が前記基板に押し当てられることを特徴とする請求項1又は2の発光装置。
【請求項4】
前記介在部材は、前記波長変換部材に固定される前記一端側の第1部分と前記基板に固定される前記他端側の第2部分とで構成され、前記固定部により前記波長変換部材が押圧されることで前記第1部分が前記第2部分に押し当てられることを特徴とする請求項1又は2の発光装置。
【請求項5】
前記発光装置は、前記発光素子を複数備え、
前記波長変換部材は、光を透過する透光性板材を有するとともに、前記発光素子ごとに、前記透光性板材の前記発光素子に対応する位置に取り付けられ、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含む波長変換材料を有し、
前記介在部材は、前記波長変換材料ごとに、前記波長変換材料を取り囲むように設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【請求項6】
前記介在部材は、内部と表面との少なくともいずれかに、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかの発光装置。
【請求項7】
前記発光素子は、光を透過する透光性材料によって前記基板に封止され、前記透光性材料の前記波長変換部材に対向する面が平坦であることを特徴とする請求項1から6のいずれかの発光装置。
【請求項8】
前記発光素子は、光を透過する透光性材料によって前記基板に封止され、前記透光性材料と前記波長変換部材と前記介在部材との間に形成される空間に透光性樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかの発光装置。
【請求項9】
前記発光素子と前記波長変換部材との間に所定の形状の空間が形成されるように、前記軟性材料を打ち抜いて前記所定の形状の部分を除去することにより、前記介在部材を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれかの発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記波長変換部材は、光を透過する透光性板材と、前記透光性板材の前記発光素子に対応する位置に取り付けられ、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含む波長変換材料と、前記波長変換材料を取り囲むように前記透光性板材に取り付けられる壁部材とを有し、
前記介在部材は、前記一端が前記壁部材に固定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【請求項11】
前記壁部材は、前記透光性板材と略同じ熱膨張率を持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項10の発光装置。
【請求項12】
前記透光性板材に前記壁部材を取り付けた後、前記壁部材により囲まれる空間に、前記蛍光体を含む液状樹脂を注入し、注入した液状樹脂を硬化させることにより、前記波長変換材料を形成し、
前記波長変換材料を形成した後、前記介在部材を前記壁部材に重ねて形成することを特徴とする請求項10又は11の発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記透光性板材にシート状の樹脂を接着し、又は、前記透光性板材に樹脂をスクリーン印刷することにより、前記壁部材を形成することを特徴とする請求項10又は11の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記波長変換部材は、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含み、
前記発光素子は、前記蛍光体と異なる種類の蛍光体を含む材料によって覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【請求項1】
光を発する発光素子と、
前記発光素子が実装された基板と、
前記発光素子から発せられる光の波長を変換する波長変換部材と、
軟性材料で形成され、前記基板と前記波長変換部材との間に設置される介在部材と、
前記介在部材の一端が前記波長変換部材に当接し、かつ、前記介在部材の他端が前記基板に当接するように、前記波長変換部材を前記基板に近づく方向に押圧して、前記基板に対する前記波長変換部材の位置を固定する固定部と
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記介在部材は、前記発光素子を取り囲むように設置され、前記発光素子を取り囲む面が前記発光素子から発せられる光を反射することを特徴とする請求項1の発光装置。
【請求項3】
前記介在部材は、前記一端が前記波長変換部材に固定され、前記固定部により前記波長変換部材が押圧されることで前記他端が前記基板に押し当てられることを特徴とする請求項1又は2の発光装置。
【請求項4】
前記介在部材は、前記波長変換部材に固定される前記一端側の第1部分と前記基板に固定される前記他端側の第2部分とで構成され、前記固定部により前記波長変換部材が押圧されることで前記第1部分が前記第2部分に押し当てられることを特徴とする請求項1又は2の発光装置。
【請求項5】
前記発光装置は、前記発光素子を複数備え、
前記波長変換部材は、光を透過する透光性板材を有するとともに、前記発光素子ごとに、前記透光性板材の前記発光素子に対応する位置に取り付けられ、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含む波長変換材料を有し、
前記介在部材は、前記波長変換材料ごとに、前記波長変換材料を取り囲むように設置されることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【請求項6】
前記介在部材は、内部と表面との少なくともいずれかに、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかの発光装置。
【請求項7】
前記発光素子は、光を透過する透光性材料によって前記基板に封止され、前記透光性材料の前記波長変換部材に対向する面が平坦であることを特徴とする請求項1から6のいずれかの発光装置。
【請求項8】
前記発光素子は、光を透過する透光性材料によって前記基板に封止され、前記透光性材料と前記波長変換部材と前記介在部材との間に形成される空間に透光性樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかの発光装置。
【請求項9】
前記発光素子と前記波長変換部材との間に所定の形状の空間が形成されるように、前記軟性材料を打ち抜いて前記所定の形状の部分を除去することにより、前記介在部材を形成することを特徴とする請求項1から8のいずれかの発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記波長変換部材は、光を透過する透光性板材と、前記透光性板材の前記発光素子に対応する位置に取り付けられ、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含む波長変換材料と、前記波長変換材料を取り囲むように前記透光性板材に取り付けられる壁部材とを有し、
前記介在部材は、前記一端が前記壁部材に固定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【請求項11】
前記壁部材は、前記透光性板材と略同じ熱膨張率を持つ材料で形成されていることを特徴とする請求項10の発光装置。
【請求項12】
前記透光性板材に前記壁部材を取り付けた後、前記壁部材により囲まれる空間に、前記蛍光体を含む液状樹脂を注入し、注入した液状樹脂を硬化させることにより、前記波長変換材料を形成し、
前記波長変換材料を形成した後、前記介在部材を前記壁部材に重ねて形成することを特徴とする請求項10又は11の発光装置の製造方法。
【請求項13】
前記透光性板材にシート状の樹脂を接着し、又は、前記透光性板材に樹脂をスクリーン印刷することにより、前記壁部材を形成することを特徴とする請求項10又は11の発光装置の製造方法。
【請求項14】
前記波長変換部材は、前記発光素子から発せられる光により励起されて異なる波長の光を発する蛍光体を含み、
前記発光素子は、前記蛍光体と異なる種類の蛍光体を含む材料によって覆われていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−65812(P2013−65812A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52579(P2012−52579)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
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