説明

発泡性エアゾール組成物

【課題】水性原液と液化ガスとが均一な状態であるため長時間放置しても分離せず、また、吐出により、弾力性があり、クリームのように滑らかに塗り伸ばすことができ、さらには、塗布面を水で洗い流すとスベスベ感のある泡を得ることのできる発泡性エアゾール組成物を提供する。
【解決手段】アミノ酸系界面活性剤0.3〜10重量%および炭素数2〜3個の1価のアルコール25〜60重量%を含有する水性原液80〜98重量%と、炭素数が3〜5個の炭化水素を含有する液化ガス2〜20重量%とからなる発泡性エアゾール組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性エアゾール組成物に関する。詳細には、水性原液と液化ガスとが均一な状態であるため長時間放置しても分離せず、また、吐出により、弾力性があり、クリームのように滑らかに塗り伸ばすことができ、さらには、塗布面を水で洗い流すとスベスベ感のある泡を得ることのできる発泡性エアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡性エアゾール組成物は、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含有する水性原液と液化石油ガスとからなっている。例えば、特許文献1には、タンパク質加水分解物、陰イオン型界面活性剤、精製水、噴射剤を含有する発泡性エアゾール組成物が開示されている。この発泡性エアゾール組成物によれば、弾力性を有し、乾燥性に優れた泡が得られるが、該水性原液と液化石油ガスとは分離しているため、使用する前に、製品を上下に振って水性原液と液化石油ガスとをエマルジョンにする必要があった。
【0003】
そこで、特許文献2には、特定のHLBを有する非イオン型界面活性剤を含有する水性原液と、炭素数が3〜6である炭化水素とからなり、水性原液と炭化水素とが均一な状態になる発泡性エアゾール組成物が開示されている。この発泡性エアゾール組成物は、水性原液と炭化水素とを均一にするために、多量の界面活性剤および多価アルコールを含有しており、乾燥性が悪く、さらに皮膚上に界面活性剤が残留しやすく使用感が悪い。
【0004】
また、特徴のある発泡性エアゾール組成物として下記の特許文献3および4がある。
【0005】
特許文献3には、アシルグルタミン酸系界面活性剤、水和発熱性物質を含有する原液と噴射剤とからなる泡沫状エアゾール洗浄料組成物が開示されている。特許文献3の泡沫状エアゾール洗浄料組成物は、使用時に温感が得られ、水を加えると泡立ち、洗浄後はつるつる感の得られるものである。しかし、組成物中に水を含有していないため、当然、組成物中の水性原液と炭化水素とを均一にすることについては、まったく考慮していない。
【0006】
特許文献4には、HLBが特定の範囲にある非イオン型界面活性剤とシリコーン誘導体とを含有し、エタノールと水の質量比が特定の範囲にある毛髪化粧料が開示されている。この実施例6には、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、エタノール、水および液化石油ガスを含有したフォーム剤組成物が記載されている。このエアゾール組成物は泡を形成するものであるが、エタノールの配合量が少ないため、弾力性のある泡が得られず、さらには、均一なエアゾール組成物を得ることもできない。
【0007】
【特許文献1】特開2001−106611号公報
【特許文献2】特開2003−286130号公報
【特許文献3】特開2004−292584号公報
【特許文献4】特開2002−302422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題を解決し、水性原液と液化ガスとが均一な状態であるため長時間放置しても分離せず、また、吐出により、弾力性があり、クリームのように滑らかに塗り伸ばすことができ、さらには、塗布面を水で洗い流すとスベスベ感のある泡を得ることのできる発泡性エアゾール組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、アミノ酸系界面活性剤0.3〜10重量%および炭素数2〜3個の1価のアルコール25〜60重量%を含有する水性原液80〜98重量%と、炭素数が3〜5個の炭化水素を含有する液化ガス2〜20重量%とからなる発泡性エアゾール組成物に関する。
【0010】
前記アミノ酸系界面活性剤が、N−アシルアミノ酸塩であることが好ましい。
【0011】
前記水性原液が、炭素数2〜6個の2〜3価のアルコールを0.1〜10重量%含有することが好ましい。
【0012】
前記炭素数2〜3個の1価のアルコールと、前記炭素数2〜6個の2〜3価のアルコールとの配合重量比が、2.5:1〜50:1であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のエアゾール組成物によれば、水性原液と液化ガスとが均一な状態であるため、使用前にエアゾール製品を振る操作が不要になり、据え置き式エアゾール製品としても使用することができる。
【0014】
本発明のエアゾール組成物を吐出することにより得られる泡は、弾力性があるため、必要量を指先で摘み取ることができ、細部にまで塗布しやすい。また、その泡はクリームのように塗り伸ばしやすく、薄い層を形成することができる。さらに、塗布面を水で洗い流すとスベスベ感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、アミノ酸系界面活性剤および炭素数が2〜3個の1価のアルコールを特定量含有する水性原液と、炭素数が3〜5個の炭化水素を含む液化ガスとからなり、前記水性原液と液化ガスとが均一な状態になっている。なお、本発明でいう「均一」とは、水とエタノールとの混合物のように完全溶解するものではなく、水性原液中に液化ガスが均一に分散して透光性を有し、かつ分離していないものをいう。
【0016】
ここで、透光性を有するとは、25℃における透過度が70〜99.8%であることをいう。好ましくは75〜99.5%であり、より好ましくは80〜99%である。透過度が70%より低いと、保存条件によっては分離してしまう。なお、前記透過度は、色彩色差計CT−210(ミノルタカメラ(株)製)を用いて、透明なポリエチレンテレフタレート製の容器に精製水のみを充填したものを基準試料(100%)として測定した値である。
【0017】
本発明に使用するアミノ酸系界面活性剤は、水性原液と液化ガスとを均一な状態にし、弾力性がありクリームのように塗り伸ばすことができる泡を形成し、さらには、水で洗浄すると塗布面にスベスベ感を付与するための成分である。
【0018】
前記アミノ酸系界面活性剤としては、たとえば、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウムおよびN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩;N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸およびN−ステアロイル−L−グルタミン酸などのN−アシルグルタミン酸;N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウムおよびN−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩;N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミンなどのN−アシルアラニン塩;などがあげられる。
【0019】
また、水性原液に、前記N−アシルグルタミン酸と、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ剤とを配合し、水性原液中でN−アシルグルタミン酸塩にして用いてもよい。
【0020】
なかでも、とくに弾力性があり、塗り伸ばしやすい泡が得られやすい点から、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルグリシン塩およびN−アシルアラニン塩などのN−アシルアミノ酸塩が好ましい。
【0021】
前記アミノ酸系界面活性剤の配合量は、水性原液中0.3〜10重量%であり、0.5〜8重量%であることが好ましい。配合量が0.3重量%より少ないと、白濁したり、さらには水性原液と液化ガスとが分離するため、均一なエアゾール組成物が得られない。さらに、弾力性があり、クリームのように塗り伸ばしやすい泡を得ることが困難となる。一方、配合量が10重量%をこえると、エアゾール組成物の粘度が高くなるため、全量吐出することができなくなり、さらに、使用後に水で洗い流しても皮膚上に界面活性剤が残存するため、使用感が低下する。
【0022】
本発明で使用される炭素数が2〜3個の1価のアルコール(以下、低級アルコールと称す)は、水性原液と液化ガスとを均一にし、さらに弾力性のある泡を形成するための成分である。前記低級アルコールとしては、たとえば、エタノールおよびイソプロピルアルコールなどがあげられる。なかでも、水性原液と液化ガスとが均一になりやすい点で、エタノールが好ましい。
【0023】
前記低級アルコールの配合量は、水性原液中25〜60重量%であり、30〜55重量%であることが好ましい。配合量が25重量%より少ないと、白濁したり、さらには水性原液と液化ガスとが分離するため、均一なエアゾール組成物が得られない。さらに、弾力性があり、クリームのように塗り伸ばしやすい泡を得ることが困難となる。一方、配合量が60重量%をこえると、吐出したとき発泡しにくく液状になる。
【0024】
また、エアゾール組成物を長期間静置しても水性原液と液化ガスとが分離せず、均一な状態を維持しやすくするために、前記水性原液に炭素数2〜6個の2〜3価アルコール(以下、多価アルコールと称す)を含有することが好ましい。
【0025】
前記多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびグリセリンなどがあげられる。なかでも、とくに水性原液と液化ガスとを均一にする効果が得られやすい点から、エチレングリコール、プロピレングリコールおよび1,3−ブチレングリコールなどの2価のアルコールが好ましい。
【0026】
前記多価アルコールの配合量は、水性原液中0.1〜10重量%であることが好ましく、さらには1〜8重量%であることが好ましい。配合量が0.1重量%より少ないと、水性原液と液化ガスとが分離しやすい傾向がある。一方、配合量が10重量%をこえると乾燥性が悪くなりやすい傾向がある。
【0027】
また、前記低級アルコールと多価アルコールとの配合重量比(低級アルコール/多価アルコール)は、2.5:1〜50:1であることが好ましく、さらには3:1〜20:1であることが好ましい。多価アルコールに対して、低級アルコールの配合重量比が2.5より小さいと、長期間静置したときに水性原液と液化ガスとが分離しやすく、均一なエアゾール組成物が得られにくい傾向にある。一方、低級アルコールの配合重量比が50をこえると、均一なエアゾール組成物は得られやすいが、発泡しにくくなる傾向にある。
【0028】
前記水性原液は、前記アミノ酸系界面活性剤、低級アルコール、および必要に応じて用いられる多価アルコールに、水を配合することにより調製することができる。前記水としてはとくに限定が無く、たとえば、精製水、イオン交換水、滅菌水および生理食塩水などを用いることができる。
【0029】
さらに、前記水性原液には、エアゾール製品の用途、目的などに応じて、適宜有効成分や補助成分などを配合することができる。
【0030】
前記有効成分としては、たとえば、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、パラクロルメタクレゾールおよびイソプロピルメチルフェノールなどの殺菌消毒・防腐剤、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸塩、レシチンおよび尿素などの保湿剤、アルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンおよびアクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどの頭髪用セット剤、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピルおよびパラメトキシケイ皮酸オクチルなどの紫外線吸収剤、グリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンなどのアミノ酸、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸d,l−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、d,l−α−トコフェロール、酢酸d,l−α−トコフェロール、パントテン酸およびビオチンなどのビタミン類、エラストラジオールおよびエチニルエストラジオールなどのホルモン類、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンおよびブチルヒドロキシアニソールなどの酸化防止剤、シャクヤクエキス、ハマメリスエキス、ローズマリーエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキスおよびシルク抽出液などの各種抽出液、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチルおよびフェニル酢酸メチルなどの消臭・防臭剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナクおよびケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、クロタミトンおよびd−カンフルなどの鎮痒剤、l−メントールおよびカンフルなどの清涼剤、酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸および乳酸などの収斂剤、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムおよびアズレンなどの抗炎症剤、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカインおよび塩酸リドカインなどの局所麻酔剤、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミンおよびマレイン酸クロルフェミラミンなどの抗ヒスタミン剤、アルブチンおよびコウジ酸などの美白剤、N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、カプリル酸ジエチルアミドおよびジメチルフタレートなどの害虫忌避剤、合成香料および天然香料などの各種香料などがあげられる。
【0031】
前記有効成分の配合量は、水性原液中0.001〜30重量%であることが好ましく、さらには0.005〜20重量%であることが好ましい。配合量が0.001重量%より少ないと、泡に含まれる有効成分濃度が低く、所望の効果が得られにくい傾向にある。一方、配合量が30重量%をこえると、泡に含まれる有効成分濃度が高く、過剰量塗布し易くなるため、有効成分によっては使用者に悪影響を及ぼす場合がある。
【0032】
前記補助成分としては、たとえば、アミノ酸系界面活性剤以外の界面活性剤、水溶性高分子、油性成分および粉末などがあげられる。
【0033】
前記アミノ酸系界面活性剤以外の界面活性剤は、水性原液と液化ガスとを均一にしやすくする、および、発泡性を向上させるなどの目的で用いられる。前記界面活性剤としては、たとえば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油およびポリオキシエチレンラノリンアルコールなどの非イオン型界面活性剤;アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸のケン化物およびα−オレフィンスルホン酸塩などの陰イオン型界面活性剤;アルキルアンモニウム塩およびアルキルベンジルアンモニウム塩などの陽イオン型界面活性剤;酢酸ベタインおよびレシチンなどの両性型界面活性剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体およびポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン型界面活性剤;サポニン、大豆リン脂質、大豆リゾリン脂質液およびサーファクチンナトリウムなどの天然型界面活性剤;などがあげられる。
【0034】
前記界面活性剤を配合する場合の配合量は、水性原液中0.1〜10重量%であることが好ましく、さらには0.5〜8重量%であることが好ましい。配合量が0.1重量%より少ないと、界面活性剤の配合効果が得られにくい傾向がある。一方、10重量%をこえると使用感が低下しやすい傾向がある。
【0035】
前記水溶性高分子は、泡の弾性を高くする、および、泡の保形成を向上させるなどの目的で用いられる。前記水溶性高分子としては、たとえば、ゼラチン、寒天、カゼイン、デキストリン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、変性ポテトスターチ、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムおよびキサンタンガムなどがあげられる。
【0036】
前記水溶性高分子の配合量は、水性原液中0.01〜10重量%であることが好ましく、さらには0.1〜5重量%であることが好ましい。配合量が0.01重量%より少ないと、水溶性高分子の配合効果が得られにくい傾向がある。一方、配合量が10重量%をこえると、水性原液の粘度が高くなりすぎ、液化ガスとの混合、および、吐出が困難となる傾向がある。
【0037】
前記油性成分は、すべりを良くする、および、艶を付与するなどの目的で用いられる。前記油性成分としては、たとえば、ケロシン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィンおよびイソパラフィンなど液体炭化水素;ミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチルおよびコハク酸ジエトキシエチルなどのエステルオイル;メチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油およびヤシ油などの油脂;オレイン酸などの高級脂肪酸;オレイルアルコールおよびイソステアリルアルコールなどの高級アルコール;などの常温で液状であるものがあげられる。なお、前記油性成分として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などの高級脂肪酸;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびミリスチルアルコールなどの高級アルコール;ミツロウおよびパラフィンワックスなどのロウ(ワックス)などの常温で固体である油性成分を溶解させたものを用いても良い。
【0038】
前記油性成分の配合量は、水性原液中0.01〜5重量%であることが好ましく、さらには0.1〜3重量%であることが好ましい。配合量が0.01重量%より少ないと、油性成分の配合効果が得られにくい傾向がある。一方、配合量が5重量%をこえると、エアゾール組成物が分離しやすい傾向がある。
【0039】
前記粉末は、塗布面のすべりを良くする、および、艶を無くすなどの目的で用いられる。前記粉末としては、たとえばタルク、コーンスターチ、シリカ、ウンデシレン酸亜鉛、珪酸マグネシウム、マイカ、雲母チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムなどの無機粉末、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂などの有機粉末、ベントナイトおよびカオリナイトなどの粘土鉱物などがあげられる。
【0040】
前記粉末の配合量は、水性原液中0.1〜5重量%であることが好ましく、さらには0.3〜3重量%であることが好ましい。配合量が0.1重量%より少ないと、粉末の配合効果が得られにくい傾向がある。一方、配合量が5重量%をこえると、エアゾール組成物中での沈降量が多くなり、使用前に振る操作が必要になったり、エアゾールバルブや噴射部材で詰まりやすくなる傾向がある。
【0041】
前記水性原液は、エアゾール容器内で液化ガスと混合されて均一な状態となり、また、大気中に吐出されると、液化ガスが気化して水性原液を液膜とした泡を形成する。前記水性原液の配合量は、エアゾール組成物中80〜98重量%であり、85〜97重量%であることが好ましい。配合量が80重量%より少ないと、液化ガスと分離しやすくなる。一方、配合量が98重量%をこえると発泡性が低下する。
【0042】
また、前記水性原液のpHは、5〜9であることが好ましく、さらには5.2〜8.5であることが好ましい。pHが5より低いまたは9をこえると、泡の弾力性が弱く、クリームのように塗り伸ばし難くなる傾向がある。
【0043】
本発明で使用する液化ガスは、エアゾール容器内部では蒸気圧を有する液体であって、前記水性原液と共にエアゾール容器内で均一なエアゾール組成物を形成し、大気中に吐出されると、気化して容積が膨張し、水性原液を泡状にする発泡剤として作用する。
【0044】
前記液化ガスは、炭素数3〜5個の脂肪族炭化水素を含有するものである。前記炭素数3〜5個の脂肪族炭化水素としては、たとえば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンおよびこれらの混合物などがあげられる。配合量は、液化ガス中50〜100重量%であることが好ましく、さらには60〜100重量%であることが好ましい。配合量が50重量%より少ないと、発泡性が低下して泡になりにくい、さらには、弾力性のある泡が得られにくい傾向がある。
【0045】
また、前記液化ガスは、前記炭素数3〜5個の脂肪族炭化水素以外の、たとえば、ジメチルエーテル、テトラフルオロエタンおよびジフルオロエタンなどを含有してもよい。
【0046】
前記液化ガスの配合量は、エアゾール組成物中2〜20重量%であり、3〜15重量%であることが好ましい。配合量が2重量%より少ないと、発泡性が不充分になりやすい。一方、配合量が20重量%をこえると、水性原液と分離しやすくなる。
【0047】
本発明の発泡性エアゾール組成物の製造方法としては、たとえば、アミノ酸系界面活性剤、低級アルコール、および、必要に応じて多価アルコール、有効成分などを水に配合して水性原液を調製した後、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器に充填し、耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着する。ついで、容器を振とうするなどにより、容器内部で水性原液と液化ガスとを混合させて均一なエアゾール組成物を調製することができる。
【0048】
本発明の発泡性エアゾール組成物は、水性原液と液化ガスとが均一であり使用前に振る必要がないことから、たとえば洗面台などの固定面上に載置するエアゾール製品として使用できる。また、泡を皮膚上で塗り伸ばすと薄い泡の層を形成し、かつ塗布した個所を水で洗い流すとスベスベ感が得られることから、洗浄用、洗顔用、シェービング用、保湿用、鎮痒用および収斂用などの皮膚用エアゾール製品に好適に用いることができる。さらに、低級アルコールを比較的多く配合できるため、殺菌用、抗菌用、鎮痛用および抗炎症用などの医薬品用エアゾール製品にも好適に用いることができる。また、スタイリング用、トリートメント用およびカラーリング用などの頭髪用エアゾール製品にも適用してもよい。
【実施例】
【0049】
実施例1
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明な耐圧ガラス製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。透過度は、97.5%であった。
【0050】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム(*1) 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
エタノール 30.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
精製水 60.5
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
*1:商品名 アミソフトLS−11(F)、味の素(株)製
*2:商品名 NIKKOL TS−10V、日光ケミカルズ(株)製
*3:商品名 NIKKOL BS−4、日光ケミカルズ(株)製
*4:商品名 NIKKOL BS−2、日光ケミカルズ(株)製
*5:ブタンおよびプロパンの混合物(ブタン/プロパン=65/35(重量比)、25℃での蒸気圧0.45MPa)
【0051】
実施例2
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの代わりに、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン30%水溶液(商品名:アミソフトCT−12S、味の素(株)製)を6.7重量%(純分2.0重量%)用い、精製水を55.8重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、80.5%であった。
【0052】
実施例3
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの代わりに、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム(商品名:アミライトGCK−11(F)、味の素(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、94.1%であった。
【0053】
実施例4
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの代わりに、N−ヤシ油脂肪酸アシル−DL−アラニントリエタノールアミン30%水溶液(商品名:アミライトACT−12、味の素(株)製)を6.7重量%(純分2.0重量%)用い、精製水を55.8重量%ととした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、98.0%であった。
【0054】
実施例5
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの代わりに、N−ラウロイル−L−グルタミン酸(商品名:アミソフトLA−D、味の素(株)製)を用い、アルカリ剤としてトリエタノールアミンを水性原液のpHが5.7となるように適量添加した以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、71.2%であった。
【0055】
実施例6
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの配合量を5.0重量%、エタノールの配合量を50重量%、精製水の配合量を37.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、98.0%であった。
【0056】
実施例7
エタノールの配合量を50重量%、精製水の配合量を40.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、98.6%であった。
【0057】
実施例8
液化ガス(*5)の代わりに、液化ガス(ブタンおよびプロパンの混合物、ブタン/プロパン=85/15(重量比)、25℃での蒸気圧0.30MPa)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、96.2%であった。
【0058】
実施例9
液化ガス(*5)の代わりに、液化ガス(ブタン、プロパンおよびジメチルエーテルの混合物、ブタン/プロパン/ジメチルエーテル=28/52/20(重量比)、25℃での蒸気圧0.50MPa)を用いた以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、98.1%であった。
【0059】
実施例10
液化ガス(*5)の代わりに、液化ガス(ブタン、プロパンおよびジメチルエーテルの混合物、ブタン/プロパン/ジメチルエーテル=56/14/30(重量比)、25℃での蒸気圧0.45MPa)を用いた以外は、実施例8と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、98.8%であった。
【0060】
実施例11
1,3-ブチレングリコールを配合せず、精製水の配合量を63.5重量%とした以外は、実施例9と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、95.0%であった。
【0061】
実施例12
1,3-ブチレングリコールの代わりにグリセリンを用いた以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、95.5%であった。
【0062】
比較例1
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの配合量を0.2重量%、精製水の配合量を62.3重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、66.0%であった。
【0063】
比較例2
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの配合量を12.0重量%、精製水の配合量を50.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、測定不可能であった。
【0064】
比較例3
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの代わりに、ミリスチン酸を1.5重量%、トリエタノールアミンを0.49重量%配合し、精製水の配合量を60.51重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、測定不可能であった。
【0065】
比較例4
エタノールの配合量を20.0重量%、精製水の配合量を70.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、41.9%であった。
【0066】
比較例5
エタノールの配合量を65.0重量%、精製水の配合量を25.5重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、99. 8%であった。
【0067】
比較例6
水性原液の配合量を70.0重量%、液化ガス(*5)の配合量を30.0重量%とした以外は、実施例1と同様にして水性原液およびエアゾール組成物を調製した。透過度は、測定不可能であった。
【0068】
試験項目
1.水性原液のpH
得られた水性原液を20℃に調整し、pHを測定した。
【0069】
2.エアゾール組成物の外観
得られたエアゾール製品を25℃に調整した恒温水槽中に1時間保存し、エアゾール組成物の外観を評価した。また、エアゾール組成物の透過度は、透明なポリエチレンテレフタレート製の耐圧容器(満注量40ml)に充填したエアゾール製品を、25℃の恒温水槽に1時間保持した後、色彩色差計CT−210(ミノルタカメラ(株)製)を用いて、測定した。なお、前記透過度は、同じポリエチレンテレフタレート製の容器に精製水のみを充填したときの透過度を100%としたときの視感透過率である。
評価基準
◎:均一(無色透明、透過度90〜99%)
○:均一(ほぼ透明、透過度80〜90%)
○’:均一(わずかに白濁、透過度70〜80%)
×1:不均一(2層に分離、透過度測定不可能)
×2:不均一(全体が白濁、透過度70%以下)
×3:不均一(全体が白く固化、透過度測定不可能)
【0070】
3.エアゾール組成物の保存安定性
25℃に保った室内にエアゾール製品を1ヶ月静置し、エアゾール組成物の外観について評価した。
評価基準
◎:保存前と変化なく、透明で均一な状態であった。
○:わずかに濁りが見られるが、分離していない。
×:上部に液化ガスが分離し、2層になった。
−:固化したままの状態
【0071】
4.泡質
25℃に調整した恒温水槽中に1時間保存したエアゾール製品からエアゾール組成物を1g手のひらに吐出し、泡を指先で軽く叩いたときの弾力性および泡の外観を評価した。
評価基準
◎:弾力があり、クリームのようにキメの細かな泡
○1:弾力はあるが、泡の1粒1粒が大きい
○2:弾力は弱いものの、クリームのようにキメの細かな泡
△1:弾力がなく、泡の1粒1粒が大きい
(非イオン型界面活性剤を配合した従来の発泡性エアゾール組成物の泡と同程度)
△2:ねっとりとした泡
△3:非常に粗く、保形性の悪い泡
×:泡にならない
【0072】
5.泡の塗り伸ばしやすさ
25℃に調整した恒温水槽中に1時間保存したエアゾール製品からエアゾール組成物を1g手のひらに吐出し、泡を人差し指で薄くなるまで塗り伸ばしたときの状態を評価した。
◎:クリームのように滑らかに塗り伸ばすことができ、キメ細かな泡の薄い層が途切れなくできる。
○:クリームのように滑らかに塗り伸ばすことができ、やや粗い泡の薄い層ができる。
○’:塗り伸ばすことができたが、消泡がやや早く、泡の薄い層が途切れる。
×:塗り伸ばしにくく、泡の薄い層を形成できない。
−:泡にならないため評価できず。
【0073】
6.泡の使用感
25℃に調整した恒温水槽中に1時間保存したエアゾール製品からエアゾール組成物を1g手のひらに吐出し、泡を手のひらで塗り伸ばした後、水で洗い流したときの使用感を評価した。
○:スベスベ感があり、非常に優れた使用感が得られた。
△:スベスベ感はなく、使用感に優れているとはいえない。
×:べたつきがあり、使用感に劣る。
−:泡にならないため評価できず。
【0074】
【表1】

【0075】
(エアゾール製品例)
以下に、本発明の発泡性エアゾール組成物を用いたエアゾール製品の製造例を示す。
【0076】
製造例1(洗浄用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0077】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム(*1) 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 40.0
濃グリセリン 1.5
1,3−ブチレングリコール 1.5
ジポリプロピレングリコール−2−ミレス−10−アジベート(*6)1.0
精製水 49.5
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
*6:商品名 クロモリエントSCE、クローダ社製
【0078】
製造例2(収斂化粧用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0079】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム(*1) 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 30.0
濃グリセリン 1.5
1,3−ブチレングリコール 1.5
ジポリプロピレングリコール−2−ミレス−10−アジベート(*6)1.0
ハマメリス抽出液(*7) 0.05
ローズマリーエキス(*8) 0.05
ヘチマエキス(*9) 0.05
精製水 59.35
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
*7:商品名 ハマメリスB、一丸ファルコス(株)製
*8:商品名 ローズマリーE、一丸ファルコス(株)製
*9:商品名 ヘチマリキッド、一丸ファルコス(株)製
【0080】
製造例3(鎮痒用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0081】
<水性原液>
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン液(*10)
6.7
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 30.0
濃グリセリン 1.5
1,3−ブチレングリコール 1.5
尿素 10.0
クロタミトン 5.0
ジフェンヒドラミン 1.0
酢酸トコフェロール 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
精製水 39.1
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
*10 商品名:アミソフトCT−12S、味の素(株)製
【0082】
製造例4(殺菌消毒用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0083】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム(*11) 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 50.0
濃グリセリン 1.5
1,3−ブチレングリコール 1.5
塩化ベンザルコニウム 0.1
精製水 40.4
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
*11 商品名:アミソフトLK−11(F)、味の素(株)製
【0084】
製造例5(消炎鎮痛用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0085】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム(*1) 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 40.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
サリチル酸メチル 1.0
サリチル酸グリコール 0.7
ジフェンヒドラミン 1.0
l−メントール 1.5
精製水 47.3
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)
【0086】
製造例6(シェービング用エアゾール製品)
下記の水性原液を調製し、得られた水性原液と液化ガスとを耐圧容器(透明なポリエチレンテレフタレート製、満注量100ml)に充填し、該耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着した。ついで、前記耐圧容器を上下に数回振ってエアゾール組成物を調製した。
【0087】
<水性原液>
N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム(*1) 3.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(*2) 1.5
ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル(*3) 1.5
ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(*4) 1.5
95%エタノール 25.0
濃グリセリン 5.0
l−メントール 0.2
精製水 62.3
合計 100.0(重量%)
<エアゾール組成物>
前記水性原液 95.0
液化ガス(*5) 5.0
合計 100.0(重量%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸系界面活性剤0.3〜10重量%および炭素数2〜3個の1価のアルコール25〜60重量%を含有する水性原液80〜98重量%と、炭素数が3〜5個の炭化水素を含有する液化ガス2〜20重量%とからなる発泡性エアゾール組成物。
【請求項2】
前記アミノ酸系界面活性剤が、N−アシルアミノ酸塩である請求項1記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項3】
前記水性原液が、炭素数2〜6個の2〜3価のアルコールを0.1〜10重量%含有する請求項1または2記載の発泡性エアゾール組成物。
【請求項4】
前記炭素数2〜3個の1価のアルコールと、前記炭素数2〜6個の2〜3価のアルコールとの配合重量比が、2.5:1〜50:1である請求項3記載の発泡性エアゾール組成物。

【公開番号】特開2006−213682(P2006−213682A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30460(P2005−30460)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(391021031)株式会社ダイゾー (130)
【Fターム(参考)】