説明

発泡樹脂積層金属板、発泡樹脂積層金属板からなる構造体、及びその製造方法

【課題】溶接等の加熱を伴う取り付け方法においても、構造物への取り付け施工性に優れた発泡樹脂積層金属板、発泡樹脂積層金属板からなる構造体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】発泡樹脂積層金属板1を製造する際には、先ず、加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材12を2枚の金属板11間の所定の位置に配置する。引き続き、断面がU溝状をなす金属製の縁部材のU溝内に金属板11の縁部を挿入する。発泡樹脂材12が金属板11の縁部に配置されている場合には、金属板11及び発泡樹脂材12により構成された積層体の縁部を縁部材のU溝内に挿入する。そして、縁部材13と金属板11とを固定する。必要に応じて、発泡樹脂材12を発泡温度まで加熱して発泡させる。縁部材13の固定方法としては、例えば縁部材13を1対の電極2により挟持して、電極2に通電することによるスポット溶接を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡樹脂材を金属板で挟み込んだ発泡樹脂積層金属板、発泡樹脂積層金属板からなる構造体、及びその製造方法に関し、特に、取り付け施工性が優れた発泡樹脂積層金属板、発泡樹脂積層金属板からなる構造体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡樹脂積層金属板は、加熱により発泡する樹脂を2枚の金属板で挟み込んだ構造の積層板であり、軽量で、また、金属板間に介在する発泡樹脂材の特性により、遮音性及び制振性能が優れているため、例えば航空機の機体又はトラックの荷台等の輸送機用の構造物に使用されたり(例えば特許文献1)、棚、床又は壁材等の建材として好適に使用されている(例えば特許文献2)。
【0003】
しかしながら、発泡樹脂積層板を輸送機等の構造物用部材、又は建材として使用する場合には、金属板間の発泡樹脂材が加熱により発泡してしまい、更に樹脂が焼損してしまうため、溶接等の加熱を伴う方法による構造物への取り付けを行うことができない。
【0004】
この問題点を解決する技術としては、例えば特許文献3及び4がある。特許文献3には、発泡樹脂積層金属板に貫通孔を設け、貫通孔の位置にて被取付部材に発泡樹脂積層金属板をボルトにより締結した後、発泡樹脂材を加熱により発泡させることが開示されている。
【0005】
同様に、特許文献4には、発泡樹脂積層金属板に貫通孔を設け、貫通孔の位置にて発泡樹脂積層金属板にブラインドナットを取り付け、ボルトにより被取付部材に締結する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−47084号公報
【特許文献2】特開2008−200985号公報
【特許文献3】特開2007−130772号公報
【特許文献4】特開2007−176018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術には以下のような問題点がある。上述の如く、特許文献3及び4の技術は、発泡樹脂積層金属板をボルト等の締結部材により被取付部材に固定した後、発泡樹脂材を加熱により発泡させるものであり、発泡樹脂材の加熱時には、貫通孔の位置には、ボルト等の締結部材が存在する。従って、ボルト等の締結部材を発泡樹脂材と共に例えば加熱炉に入れて加熱する必要があり、炉の大きさ等により、適用範囲が制限されてしまう。特に、大型の構造物への用途に発泡樹脂積層金属板を使う場合においては、発泡樹脂積層金属板の面積を広げる必要があり、特許文献3及び4の技術は、適用が更に困難となる。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、溶接等の加熱を伴う取り付け方法においても、構造物への取り付け施工性に優れた発泡樹脂積層金属板、発泡樹脂積層金属板からなる構造体、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法は、加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板間に配置し、前記発泡樹脂材が前記1対の金属板により挟持された積層体を得る工程と、断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記積層体の縁部を挿入する工程と、前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る他の発泡樹脂積層金属板の製造方法は、加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板の中央部の間に配置し、前記1対の金属板の縁部同士を重ね合わせる工程と、断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記重ね合わせた金属板の縁部を挿入する工程と、前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
上述の発泡樹脂積層金属板の製造方法において、前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程は、例えば前記縁部材を前記金属板に抵抗スポット溶接により固定するものであるか、回転工具の回転により前記縁部材を前記金属板に摩擦撹拌接合により固定するものであるか、又は前記縁部材を前記金属板にレーザー溶接により固定するものである。
【0012】
本発明に係る更に他の発泡樹脂積層金属板の製造方法は、加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板間に配置し、前記発泡樹脂材が前記1対の金属板により挟持された積層体を得る工程と、前記積層体の縁部に複数個の金属棒を貫通させる工程と、断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記積層体の縁部を挿入する工程と、前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る更に他の発泡樹脂積層金属板の製造方法は、加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板の中央部の間に配置し、前記1対の金属板の縁部同士を重ね合わせる工程と、前記積層体の縁部に複数個の金属棒を貫通させる工程と、断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記金属板の縁部を挿入する工程と、前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0014】
複数個の金属棒を貫通させる工程を有する場合において、前記複数個の金属棒の長さは、例えば前記積層体の縁部又は前記金属板の縁部の厚さよりも長く、前記U溝の幅以下である。また、前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程は、例えば前記縁部材を前記金属棒に抵抗スポット溶接により固定するものであるか、回転工具の回転により前記縁部材を前記金属棒に摩擦撹拌接合により固定するものであるか、又は前記縁部材を前記金属棒にレーザー溶接により固定するものである。
【0015】
発泡樹脂積層金属板の製造方法は、例えば前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程の後に、更に、前記発泡樹脂材を発泡温度まで加熱する工程を有する。
【0016】
本発明に係る発泡樹脂積層金属板は、1対の金属板により発泡樹脂材が挟持された積層体と、断面がU溝状をなしこのU溝内に前記積層体の縁部が挿入された金属製の縁部材と、を有し、前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記1対の金属板に固定されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る他の発泡樹脂積層金属板は、縁部にて重ね合わせられた1対の金属板と、この1対の金属板の中央部の間に配置された発泡樹脂材と、断面がU溝状をなしこのU溝内に前記金属板の縁部が挿入された金属製の縁部材と、を有し、前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記1対の金属板に固定されていることを特徴とする。
【0018】
上述の発泡樹脂積層金属板において、例えば前記縁部材は前記1対の金属板に抵抗スポット溶接、摩擦撹拌接合又はレーザー溶接により固定されている。
【0019】
本発明に係る更に他の発泡樹脂積層金属板は、1対の金属板により発泡樹脂材が挟持された積層体と、前記積層体の縁部を貫通する複数個の金属棒と、断面がU溝状をなしこのU溝内に前記積層体の縁部が挿入された金属製の縁部材と、を有し、前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記複数個の金属棒に固定されていることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る更に他の発泡樹脂積層金属板は、縁部にて重ね合わせられた1対の金属板と、この1対の金属板の中央部の間に配置された発泡樹脂材と、前記金属板の縁部を貫通する複数個の金属棒と、断面がU溝状をなしこのU溝内に前記金属板の縁部が挿入された金属製の縁部材と、を有し、前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記複数個の金属棒に固定されていることを特徴とする。
【0021】
例えば前記縁部材は前記複数個の金属棒に抵抗スポット溶接、摩擦撹拌接合又はレーザー溶接により固定されている。また、例えば前記複数個の金属棒の長さは、前記積層体の縁部又は前記金属板の縁部の厚さよりも長く、前記U溝の幅以下である。
【0022】
発泡樹脂積層金属板において、例えば前記発泡樹脂材は未発泡状態である。
【0023】
例えば前記縁部材は、1枚の金属板をヘム曲げ加工することにより折曲され、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものである。又は、前記縁部材は、押し出しにより成形された押出形材であり、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものであり、前記2面間を接続する部分は、その表面が平坦に形成されている。
【0024】
発泡樹脂積層金属板において、例えば前記発泡樹脂材は未発泡状態である。
【0025】
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の構造体は、上述の発泡樹脂積層板が複数枚接合された発泡樹脂積層金属板からなる構造体であって、前記複数枚の発泡樹脂積層板は、夫々前記縁部材同士が互いに隣接するように配置され、隣接する縁部材同士の境界が接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法においては、積層体の縁部を金属製の縁部材のU溝内に挿入し、発泡樹脂材が金属板に固定された状態で、縁部材と1対の金属板とを固定する。これにより、縁部材の固定の際に溶接等の加熱を伴う固定方法を使用しても、積層体は縁部材のU溝内にあり、発泡樹脂積層金属板の製造工程において、加熱による発泡樹脂材の発泡により積層体の厚さが増加しても、発泡樹脂積層金属板の縁部における厚さは縁部材の厚さ以上になることが防止される。
【0027】
また、本発明においては、上記のような構成の縁部材を設けているため、発泡樹脂積層金属板を構造物に取り付ける際には、縁部材にて例えば溶接等の方法により構造物に取り付けることができ、この場合においても、発泡樹脂材の発泡により発泡樹脂積層金属板の縁部における厚さが増加して構造物への取り付け作業が阻害されることが防止される。更に、複数枚の発泡樹脂積層金属板を接合して発泡樹脂積層板からなる構造体を製造する場合においても、縁部材同士を互いに隣接するように配置し、隣接する縁部材同士の境界を例えば溶接等の方法により接合すればよく、発泡樹脂材の発泡により発泡樹脂積層金属板の縁部における厚さが増加して構造物への取り付け作業が阻害されることが防止される。
【0028】
従って、本発明に係る発泡樹脂積層金属板及び発泡樹脂積層金属板からなる構造体は、構造物への取り付け施工性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】(a)乃至(f)は、本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の一例を示す斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板において、縁部材同士の接続部を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る発泡樹脂積層板同士をレーザー溶接により接合する場合を示す斜視図である。
【図5】(a)乃至(c)は、本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法において、ピアスメタルの長さを長くした場合を示す図である。
【図6】(a)乃至(d)は、本発明の第2実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【図7】(a)乃至(c)は、本発明の第3実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【図8】(a)乃至(f)は、本発明の第4実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【図9】(a)乃至(d)は、本発明の第5実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【図10】(a)乃至(f)は、本発明の第6実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。図1(a)乃至図1(f)は本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図、図2は本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の一例を示す斜視図である。
【0031】
先ず、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法において、発泡樹脂積層金属板の構成について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態の発泡樹脂積層金属板は、未発泡状態の発泡樹脂材12が2枚の金属板11により挟持されて、積層体として構成されている。金属板11は例えば鋼板又はJIS A 1000系乃至8000系の純アルミニウム又はアルミニウム合金であり、板厚は例えば0.1乃至2.0mmである。金属板11として例えばアルミニウム又はアルミニウム合金を使用することにより、発泡樹脂積層金属板全体を軽量化することができる。発泡樹脂材12は、例えば発泡ポリプロピレンであり、厚さは例えば0.1乃至2.0mmである。発泡樹脂材12と金属板11との固定は、例えば接着剤にて行う。
【0032】
本実施形態においては、図1(b)に示すように、この発泡樹脂積層金属板に対して、先ず、ピアスメタル(金属棒)14を打ち抜くことにより、ピアスメタル(金属棒)14を金属板11及び発泡樹脂材12からなる積層体に貫通させる(図1(c))。ピアスメタル14は、例えばボロン鋼又は硬質アルミニム(JIS7000系)等からなり、頭部と円柱状の軸部とを有する。図1(b)に示すように、軸部の先端は、例えばその周縁に沿って鋭利な形状に形成されており、軸部の先端を被取付部材側に向け、頭部に例えば打ち込み工具により打撃力を加えることにより、ピアスメタル(金属棒)14が被取付部材に打ち込まれ、積層体を貫通する。
【0033】
本実施形態においては、金属板11同士をその外縁部にてピアスメタル14により固定したら、金属板11の外縁部に金属板11を挟み込むように縁部材13を取り付ける(図1(d))。縁部材13は、1枚の金属板をヘム曲げ(180度折り曲げ)加工することにより対向する2面間にU溝が成形されたものであり、この2面間を接続する部分は例えば円弧状に形成されている。なお、ヘム曲げ加工は、ダイス又はローラーを用いて行うことができる。縁部材13は、例えば鋼板又はJIS A 1000系乃至8000系の純アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、板厚は例えば0.5乃至1.5mmである。
【0034】
次に、本実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について説明する。本実施形態においては、先ず、図1(b)に示すように、この発泡樹脂積層金属板に対してピアスメタル14を打ち抜くことにより、金属板11及び発泡樹脂材12からなる積層体を貫通させる(図1(c))。このとき、ピアスメタル14を貫通させる位置を金属板11の縁部とする。本実施形態においては、ピアスメタル14は、金属板11に貫通させた状態で、その両端部の位置が金属板11の表面とほぼ等しくなる長さである。
【0035】
金属板11の縁部にピアスメタル14を貫通させたら、金属板11の縁部を縁部材13のU溝に挿入する(図1(d))。本実施形態においては、縁部材13は、対向する2面間に形成されたU溝の幅は、金属板11により発泡樹脂材12を挟持した状態の積層体の厚さとほぼ等しく、縁部材13によりピアスメタル14が覆われるように金属板11の縁部を縁部材13のU溝に挿入する。
【0036】
次に、図1(e)に示すように、縁部材13の上から1対の電極2を配置し、縁部材13、金属板11及びピアスメタル14を電極2により挟持する。本実施形態においては、電極2は、ピアスメタル14の設置位置に対応して配置する。そして、電極2に通電すると、縁部材13及びピアスメタル14が溶融し、縁部材13とピアスメタル14との接触部にはナゲット15が形成される。これにより、縁部材13とピアスメタル14との間には、ナゲット15が冷却されることによる接合部15aが形成され、抵抗スポット溶接により縁部材13がピアスメタル14に固定される。なお、ピアスメタル14の径が小さい場合においては、ナゲット15は縁部材13と金属板11との間にも形成され、縁部材13と金属板11とが固定される。これにより、発泡樹脂材12が未発泡状態である発泡樹脂積層金属板1が製造される。
【0037】
抵抗スポット溶接時には、電極2間の領域に近接した位置の発泡樹脂材12には、スポット溶接時の加熱による熱が伝わるが、本実施形態においては、発泡樹脂材12が発泡温度に達して発泡しても、発泡樹脂材12は、金属板11及び縁部材13、更には電極2により挟持されている。従って、発泡樹脂材12の発泡により発泡樹脂積層金属板の縁部における板厚が縁部材の厚さ以上に増加し、膨張変形が発生することを抑制することができる。
【0038】
縁部材13の接合が終了したら、必要に応じて、例えば金属板11の両面を加熱することにより、発泡樹脂材12を発泡温度まで加熱して発泡させる。図1(f)に示すように、発泡樹脂材12の発泡により、金属板は縁部材13の端部を起点として板厚方向に変形し、発泡樹脂積層金属板は、例えば縁部材13が設置されていない領域の板厚と縁部材13が設置された領域の板厚とがほぼ等しくなる。これにより、図2に示すように、発泡樹脂材12が発泡した状態の発泡樹脂金属板1が製造される。
【0039】
本実施形態の縁部材13は、図2に示すように、発泡樹脂積層金属板1の縁部の1辺だけに設けてもよく、図3に示すように、発泡樹脂積層金属板1の縁部の2辺以上に設けてもよい。縁部材13を発泡樹脂積層金属板1の縁部の2辺以上に設ける場合においては、図3(a)に示すように、縁部材13の端部をその長手方向に対して例えば45度傾斜するように一部を切り欠いてもよく、図3(b)に示すように、隣接する縁部材13の一方の長さを他方の縁部材13の幅だけ短く設けてもよい。これらの場合において、縁部材13同士の境界を例えばレーザー溶接により接合すれば、縁部材13による金属板11の挟持は更に確実となる。
【0040】
本実施形態の製造方法により製造された発泡樹脂積層金属板1は、例えば図4に示すように、複数個並置し、相互間の境界、即ち、縁部材13同士が接触している部分に例えばレーザー光源4によりレーザー光5を照射して、レーザー溶接により接合し、発泡樹脂積層金属板からなる構造体を形成することができる。この場合においても、本実施形態においては、金属板11及び発泡樹脂材12からなる積層体は、縁部材13により挟持されているため、加熱による発泡樹脂材12の発泡により発泡樹脂積層金属板の縁部における厚さが縁部材の厚さ以上になることが防止される。従って、発泡樹脂積層金属板1の構造物への取り付け作業が発泡樹脂材12の発泡により阻害されることを防止することができる。従って、本実施形態の発泡樹脂積層金属板1は、取り付け施工性が優れている。
【0041】
また、本実施形態においては、ピアスメタル13の長さにより、発泡樹脂積層金属板1の寸法を精度よく決定することができ、発泡樹脂積層金属板1同士を接合する場合においても、接合を精度よく行うことができる。
【0042】
なお、発泡樹脂積層金属板1同士の接合を容易にするために、本実施形態の発泡樹脂積層金属板1は、複数個の縁部材13を互いに隣接して配置する位置、即ち、対向する2面間を接続する円弧状部分において、その形状を、適宜、接合に適した形状に加工することができる。例えば、縁部材13の円弧状部分の形状を例えば段差状に設け、複数個の縁部材13を相互に係合可能な形状とすることができる。また、縁部材13は、対向する2面間を接続する部分が円弧状に限らず、前記2面に対して90度程度の角度をなすように折り曲げ加工されていてもよい。
【0043】
また、発泡樹脂積層金属板1同士を接合して発泡樹脂積層金属板からなる構造体を形成する場合においては、相互間の接合は、レーザー溶接のみに限らず、例えばアーク溶接によって行ってもよく、アーク溶接とレーザー溶接とを組み合わせたハイブリッド溶接により行ってもよい。
【0044】
次に、本発明の第1実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法において、その変形例について説明する。図5(a)乃至図5(c)は、ピアスメタルの長さを長くした場合を示す図である。第1実施形態においては、ピアスメタル14の両端部の位置を、金属板11に貫通させた状態で、金属板11の表面とほぼ等しくし、縁部材13の対向する2面間の幅を、金属板11により発泡樹脂材12を挟持した状態の積層体の厚さとほぼ等しくしたが、本変形例においては、図5(a)に示すように、ピアスメタル14によって金属板11を固定した状態において、ピアスメタル14の端部は金属板11の表面よりも突出している。また、図5(b)に示すように、本変形例においては、縁部材13の対向する2面間(U溝)の幅は、金属板11に打ち込まれた状態のピアスメタル14の長さとほぼ等しく設けられている。即ち、本実施形態においては、縁部材13の2面間(U溝)の領域に位置する発泡樹脂材12については、発泡後の厚さを見込んでピアスメタル14の長さと縁部材13の2面間(U溝)の幅が決められている。その他の構成については、第1実施形態と同じである。
【0045】
本変形例においては、縁部材13間の領域に位置する発泡樹脂材12の、発泡後の厚さを見込んでピアスメタル14の長さ及び縁部材13の2面間(U溝)の幅が決められているため、例えば、スポット溶接時の加熱により、発泡樹脂材12が発泡温度となるまで加熱されても、発泡樹脂材12は自在に発泡することができ、例えば発泡樹脂材12の発泡時の押圧力により、縁部材13が押圧されて変形することを防止することができる。従って、本実施形態においては、発泡樹脂積層金属板1の厚さは第1実施形態に比して大きくなるが、第1実施形態に比して縁部材13の接合強度を向上させることができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について説明する。図6(a)乃至図6(d)は、本発明の第2実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。第1実施形態においては、金属板11及び発泡樹脂材12による積層体にピアスメタル14を貫通させたが、図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態においては、積層体へのピアスメタル14の貫通を行わない。その他の構成については、第1実施形態と同じである。
【0047】
本実施形態においては、図6(b)に示すように、金属板11の縁部を縁部材13のU溝に挿入し、図6(c)に示すように、縁部材13の上から1対の電極2を配置し、縁部材13及び金属板11を電極2により挟持する。そして、電極2に通電することにより、縁部材13を金属板11に抵抗スポット溶接により接合する。第1実施形態においては、ピアスメタル14に対応する位置にて抵抗スポット溶接を行ったが、ピアスメタル14の設置位置は、縁部材13により覆われると、確認が若干困難となる。本実施形態においては、ピアスメタル14の設置位置を確認することなく、縁部材13を積層体上の任意の位置で金属板11に接合することができる。
【0048】
また、本実施形態においても、発泡樹脂材12は、金属板11及び縁部材13、更には電極2により挟持されているため、発泡樹脂材12にスポット溶接時の加熱による熱が伝わり、発泡樹脂材12が発泡温度に達しても、発泡樹脂材12の発泡により発泡樹脂積層金属板の縁部における板厚が縁部材の厚さ以上に増加することを防止することができる。そして、複数個の発泡樹脂積層金属板1同士を接合して発泡樹脂積層金属板からなる構造体を形成する場合においても、金属板11は縁部材13により挟持されているため、発泡樹脂積層金属板1の構造物への取り付け作業が発泡樹脂材12の発泡により阻害されることを防止することができ、取り付け施工性が優れている。
【0049】
なお、本実施形態においては、縁部材13の金属板11への接合を抵抗スポット溶接により行っているが、縁部材13を金属板11に点接合する場合においては、抵抗スポット溶接に限らず、アークスポット溶接、レーザースポット溶接又は摩擦撹拌点接合により接合を行ってもよい。また、縁部材13の金属板11への接合は、点接合に限らず、線接合により行ってもよく、この場合においては、アーク溶接又はレーザー溶接を採用することができる。なお、アーク溶接は、溶接時の熱歪みがレーザー溶接に比して若干大きいため、高い寸法精度が要求されない場合に好適であり、高い溶接精度が求められる場合におちえは、レーザー溶接が好適である。レーザー溶接方法としては、YAG溶接、CO溶接又はファイバー溶接等を用いることができる。
【0050】
次に、本発明の第3実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について説明する。図7(a)乃至図7(c)は、本発明の第3実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。図7に示すように、本第3実施形態においては、第2実施形態における電極2の代わりに、縁部材13の上に摩擦撹拌接合用の回転工具3を配置し、回転工具3を回転させることにより、回転工具3と縁部材13との間に摩擦熱を発生させて縁部材13及び金属板11を軟化させると共に、縁部材13及び金属板11に塑性流動を発生させて撹拌し、摩擦撹拌接合により縁部材13を金属板11に接合する。
【0051】
本実施形態においては、摩擦撹拌接合による線接合により、縁部材13を金属板11に接合するが、第2実施形態と同様に、縁部材13を積層体上の任意の位置で金属板11に接合することができる。その他の効果についても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、摩擦撹拌接合により縁部材13を金属板11に固定する場合においても、第1実施形態と同様に、ピアスメタル14を積層体に貫通させ、縁部材13をピアスメタル14に固定してもよい。この場合においては、摩擦撹拌接合する位置を特に限定する必要はない。ピアスメタル14を積層体に貫通させてから、摩擦撹拌接合により縁部材13を金属板11に固定すれば、第1実施形態と同様に、ピアスメタルの長さにより、発泡樹脂積層金属板1の寸法を精度よく決定することができ、また、発泡樹脂積層金属板1同士を接合する場合においても、接合を精度よく行うことができる。同様に、レーザー溶接により縁部材13を金属板11に固定する場合においても、ピアスメタル14を積層体に貫通させ、縁部材13をピアスメタル14に固定してもよく、ピアスメタルの長さにより、発泡樹脂積層金属板1の寸法を精度よく決定することができ、発泡樹脂積層金属板1同士を接合する場合においても、接合を精度よく行うことができる。
【0053】
次に、本発明の第4実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について説明する。図8(a)乃至図8(f)は、本発明の第4実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。第1乃至第3実施形態においては、発泡樹脂材12は縁部材13のU溝間の領域に配置されていたが、本実施形態においては、図8に示すように、発泡樹脂材12は、例えば金属板11の中央部の間に配置され、金属板11の縁部同士は重ね合わせられており、縁部材13のU溝間には、金属板11の重ね合わせた縁部を挿入する。これにより、本実施形態においては、縁部材13のU溝間の領域には、発泡樹脂材12は配置されていない。その他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0054】
本実施形態においては、スポット溶接時に、加熱される領域に近接した部分には発泡樹脂材12は配置されていない。従って、例えば発泡樹脂材12がスポット溶接時に発泡することが防止され、発泡樹脂材12の発泡による押圧力により、縁部材13が押圧されて変形することを防止することができる。よって、本実施形態においては、第1実施形態による効果に加えて、第1実施形態に比して縁部材13を金属板11に強固に固定することができる。
【0055】
次に、本発明の第5実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法について説明する。図9(a)乃至図9(d)は、本発明の第5実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。図9に示すように、本実施形態においては、第2実施形態の構成において、発泡樹脂材12は、例えば金属板11の中央部の間に配置し、金属板11の縁部同士を重ね合わせ、縁部材13のU溝間には、金属板11の重ね合わせた縁部を挿入する。これにより、本実施形態においては、縁部材13のU溝間の領域には、発泡樹脂材12は配置されていない。
【0056】
本実施形態においても、スポット溶接時に、加熱される領域に近接した部分には発泡樹脂材12は配置されておらず、例えば発泡樹脂材12がスポット溶接時に発泡することが防止され、発泡樹脂材12発泡時による押圧力により、縁部材13が押圧されて変形することを防止することができる。よって、本実施形態においても、第2実施形態による効果に加えて、第2実施形態に比して縁部材13を金属板11に強固に固定することができる。
【0057】
上記第4及び第5実施形態においては、発泡樹脂材12は、縁部材13のU溝間の領域に配置されておらず、縁部材13を金属板11にスポット溶接により接合する例を説明したが、第3実施形態の摩擦撹拌接合において、例えば発泡樹脂材12を金属板11の中央部の間に配置し、発泡樹脂材12が縁部材13のU溝間の領域に配置されていない状態としてもよく、第3実施形態による効果に加えて、縁部材13を金属板11に強固に固定することができる。なお、縁部材13を金属板11にレーザー溶接により接合した場合においても、同様の効果を得ることができる。
【0058】
なお、縁部材13を金属板に摩擦撹拌接合又はレーザー溶接により固定する場合においては、第4実施形態と同様に、ピアスメタル14を金属板11の縁部に貫通させ、縁部材13をピアスメタル14に固定してもよく、ピアスメタルの長さにより、発泡樹脂積層金属板1の寸法を精度よく決定することができ、また、発泡樹脂積層金属板1同士を接合する場合においても、接合を精度よく行うことができる。
【0059】
以上説明してきた第1乃至第5実施形態においては、縁部材13は、1枚の金属板をヘム曲げ(180度折り曲げ)加工することにより、例えば対向する2面間にU溝が成形され、2面間を接続する部分は例えば円弧状に形成されたものであるが、縁部材13は、押し出しにより成形された押出形材により形成することができる。図10(a)乃至図10(f)は、本発明の第6実施形態に係る発泡樹脂積層金属板の製造方法をその工程順に示す図である。
【0060】
図10(d)に示すように、本実施形態においては、縁部材13は、金属板11に夫々面するように配置される第1及び第2部分13a、13bと、第1部分13aと第2部分13bとを接続する第3部分13cにより構成されている。また、第3部分13cは、その表面が平坦に形成されている。縁部材13をこのように構成することにより、図4に示すような発泡樹脂積層金属板1同士の接合において、縁部材13同士を確実に面接触させることができるため、第1乃至第5実施形態の夫々の効果に加えて、発泡樹脂積層金属板の構造体を形成する際に、縁部材13同士の接合を強固にすることができる。また、縁部材13を押出型材により構成することにより、板材をヘム曲げ加工した場合に比して、寸法精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1:発泡樹脂積層金属板、11:金属板、12発泡樹脂材、13:縁部材、14:ピアスメタル、15:ナゲット、15a:接合部、2:電極、3:回転工具、4:レーザー光源、5:レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板間に配置し、前記発泡樹脂材が前記1対の金属板により挟持された積層体を得る工程と、
断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記積層体の縁部を挿入する工程と、
前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程と、
を有することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項2】
加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板の中央部の間に配置し、前記1対の金属板の縁部同士を重ね合わせる工程と、
断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記金属板の縁部を挿入する工程と、
前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程と、
を有することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項3】
前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程は、前記縁部材を前記金属板に抵抗スポット溶接により固定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項4】
前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程は、回転工具の回転により前記縁部材を前記金属板に摩擦撹拌接合により固定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項5】
前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程は、前記縁部材を前記金属板にレーザー溶接により固定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項6】
加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板間に配置し、前記発泡樹脂材が前記1対の金属板により挟持された積層体を得る工程と、
前記積層体の縁部に複数個の金属棒を貫通させる工程と、
断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記積層体の縁部を挿入する工程と、
前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程と、
を有することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項7】
加熱により発泡する未発泡状態の発泡樹脂材を1対の金属板の中央部の間に配置し、前記1対の金属板の縁部同士を重ね合わせる工程と、
前記積層体の縁部に複数個の金属棒を貫通させる工程と、
断面がU溝状をなす金属製の縁部材の前記U溝内に前記金属板の縁部を挿入する工程と、
前記発泡樹脂材が前記金属板に固定された状態で前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程と、
を有することを特徴とする発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項8】
前記複数個の金属棒の長さは、前記積層体の縁部又は前記金属板の縁部の厚さよりも長く、前記U溝の幅以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項9】
前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程は、前記縁部材を前記金属棒に抵抗スポット溶接により固定するものであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項10】
前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程は、回転工具の回転により前記縁部材を前記金属棒に摩擦撹拌接合により固定するものであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項11】
前記縁部材と前記複数個の金属棒とを固定する工程は、前記縁部材を前記金属棒にレーザー溶接により固定するものであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項12】
前記縁部材は、1枚の金属板をヘム曲げ加工することにより折曲され、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項13】
前記縁部材は、押し出しにより成形された押出形材であり、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものであり、前記2面間を接続する部分は、その表面が平坦に形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項14】
前記縁部材と前記1対の金属板とを固定する工程の後に、更に、前記発泡樹脂材を発泡温度まで加熱する工程を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板の製造方法。
【請求項15】
1対の金属板により発泡樹脂材が挟持された積層体と、
断面がU溝状をなしこのU溝内に前記積層体の縁部が挿入された金属製の縁部材と、
を有し、
前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記1対の金属板に固定されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板。
【請求項16】
縁部にて重ね合わせられた1対の金属板と、
この1対の金属板の中央部の間に配置された発泡樹脂材と、
断面がU溝状をなしこのU溝内に前記金属板の縁部が挿入された金属製の縁部材と、
を有し、
前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記1対の金属板に固定されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板。
【請求項17】
前記縁部材は前記1対の金属板に抵抗スポット溶接、摩擦撹拌接合又はレーザー溶接により固定されていることを特徴とする請求項又15又は16に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項18】
1対の金属板により発泡樹脂材が挟持された積層体と、
前記積層体の縁部を貫通する複数個の金属棒と、
断面がU溝状をなしこのU溝内に前記積層体の縁部が挿入された金属製の縁部材と、
を有し、
前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記複数個の金属棒に固定されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板。
【請求項19】
縁部にて重ね合わせられた1対の金属板と、
この1対の金属板の中央部の間に配置された発泡樹脂材と、
前記金属板の縁部を貫通する複数個の金属棒と、
断面がU溝状をなしこのU溝内に前記金属板の縁部が挿入された金属製の縁部材と、
を有し、
前記発泡樹脂材は、前記金属板に固定され、前記縁部材は前記複数個の金属棒に固定されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板。
【請求項20】
前記縁部材は前記複数個の金属棒に抵抗スポット溶接、摩擦撹拌接合又はレーザー溶接により固定されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項21】
前記複数個の金属棒の長さは、前記積層体の縁部又は前記金属板の縁部の厚さよりも長く、前記U溝の幅以下であることを特徴とする請求項18乃至20のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項22】
前記縁部材は、1枚の金属板をヘム曲げ加工することにより折曲され、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものであることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項23】
前記縁部材は、押し出しにより成形された押出形材であり、相互に対向する2面とこの2面間を接続する部分とを有するように成形されたものであり、前記2面間を接続する部分は、その表面が平坦に形成されていることを特徴とする請求項15乃至21のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項24】
前記発泡樹脂材は未発泡状態であることを特徴とする請求項15乃至23のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層金属板。
【請求項25】
前記請求項15乃至24のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層板が複数枚接合された発泡樹脂積層金属板からなる構造体であって、
前記複数枚の発泡樹脂積層板は、夫々前記縁部材同士が互いに隣接するように配置され、隣接する縁部材同士の境界が接合されていることを特徴とする発泡樹脂積層金属板からなる構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−189698(P2011−189698A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59634(P2010−59634)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】