説明

発生ガスの捕集方法、及び測定方法

【課題】 微量の発生ガスを効率よく捕集する。
【解決手段】 チャンバー内部を、予め、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露してから、発生ガスの捕集を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子装置等の内部で発生する発生ガスを捕集する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置を繰り返し使用すると、ディスク装置に使用される有機材料を含む部品、及び潤滑剤などに由来する発生ガスが放出される。放出された発生ガスは、例えば装置内の不所望な場所例えばヘッドのリードライト素子及びディスク媒体表面間、およびその周辺等に徐々に堆積し、ヘッドと摺動し、ヘッドの浮上姿勢を変動させる等の障害を引き起こし、ディスク装置の信頼性を低下させる。
【0003】
近年、磁気ディスク装置の高密度化、及び小型化に伴い、このような発生ガスが磁気ディスク装置に与える悪い影響が大きくなってきた。
【0004】
このようなことから、磁気ディスク装置の使用環境で、磁気ディスク装置の部品等から放出される微量の発生ガスについても調べる必要が出てきた。
【0005】
しかしながら、従来の捕集方法では、例えば炭素数24を超える炭素を含む炭化水素成分の10ng程度の微少量を捕集することは難しく、回収率が5%未満であった。特に,炭素数28以上の炭化水素以上は検出限界以下となり回収率は0%であった。
【0006】
回収率の改善を実施するためには,チャンバーを加熱する温度を上げることが考えられるが,現実的には、チャンバーのパッキンの材質により,温度を上げることが出来ない場合や,温度を上げすぎると熱分解する成分もあることから適切でない場合がある
このように、従来は、試料の温度を上げることなく、磁気ディスク装置の部品等から発生する微量の発生ガスを効率良く捕集する方法がなく、発生ガスの分析が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−266646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、微量の発生ガスを効率よく捕集することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態によれば、チャンバー内部を、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露する工程、及び
該チャンバー中に試料を載置して、該試料を加熱しながら該チャンバー内にキャリアーガスを流し、該チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させる工程を具備することを特徴とする発生ガスの捕集方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態にかかる捕集方法を行うための捕集装置の一例を表す概略図である。
【図2】図1の吸着部を拡大した図である。
【図3】実施形態にかかる発生ガスの分析方法の一例を表すフローである。
【図4】標準試料の質量分析データの一例である。
【図5】回収率調査試料の質量分析データの一例である。
【図6】炭化水素成分ごとの回収率を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態にかかる発生ガスの捕集方法は、チャンバー中に試料を載置して、試料を加熱しながらチャンバー内にキャリアーガスを流し、発生ガスをチャンバーから吸着部に搬送して吸着部に設けられた吸着部材に吸着させる工程を含み、チャンバー中に試料を載置する前に、予め、チャンバー内部を、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露することを特徴とする。
【0012】
実施形態によれば、使用するチャンバー内に、捕集すべき発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスを予め適用しておくことにより、発生ガスがチャンバー内に留まらずに、効率よく吸着部に搬送され、吸着部材に吸着して捕集され得る。
【0013】
捕集すべき発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスは、一般的に、捕集すべき発生ガスよりも蒸気圧が低いので,このような有機ガスを用いると、チャンバー内部に分散して付着した成分が剥がれ難く、発生ガスを効率良く吸着部材に吸着させる効果を持続することができると考えられる。
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に、実施形態にかかる捕集方法を行うための捕集装置の一例を表す概略図を示す。
【0016】
図示するように、この捕集装置10は、給気部2と排気部3を有するチャンバー1と、排気部3に接続され、吸着部材5を備えた吸着部4とを含む。チャンバー1は、任意に、その内表面が金コートされることにより、不活性化されている。あるいは、チャンバー1は、任意に、石英を用いて形成されている。
【0017】
吸着部材の構成としては,単一層の他,及び複数の吸着剤を詰めた吸着管等を使用することができる。
【0018】
図2は、図1の吸着部を拡大した図を示す。
【0019】
図示するように、吸着部4には吸着部材5が設けられている。
【0020】
吸着部材5は、例えば吸着剤を,ガラスまたはステレンス製の円筒状の中空管中に入れて,両端を石英ウールやステンレス製の網で押さえることにより、金網11、石英ウール12、吸着剤13、石英ウール12、及び金網11を順に配置した構成を有する。あるいは、中空管の片方がガラスが焼結された網の様になっている物で吸着剤を飛び出さない構成を有するものもある。
【0021】
吸着剤としては,TenaxTA(商標登録)(ジーエルサイエンス株式会社製) 20/35メッシュ 100mgを用いることができる。その他TenaxGR(Supelco社製),Carbotrap(Supelco社製)、Carboxen1000(Sipelco社製)、Carbopack B(Supelco社製)、Carbosieve S−III(Supelco社製)等があげられる。例えばTenaxTA自体は,2,6-diphenylen oxideポリマー(表面積35 m2/g)を基材とする多孔質樹脂である。また、TenaxGRは,TenaxTAに20〜30%の炭素が加えられたものである。
【0022】
捕集しようとするガスとしては、磁気ディスク装置に使用される部品、半導体やその関連製品・構成材料,建築部材・建物の内装材,自動車内装材など一般的な製品・部品・構成材料等における発生ガスがあげられる。発生ガスとして例えば炭素数7から34程度のC2n+2(nは40未満である)で表されるアルカンガスがあげられる。このとき、発生ガスの沸点よりも高沸点な有機ガスとして、例えばC4082があげられる。吸着剤と加熱脱着GC/MSとを含む加熱脱着システムにより,これらの炭化水素を捕集することができる。
【0023】
磁気ディスク装置内部から発生するガスは,低沸点から高沸点成分と多数存在する。そして,障害に至った装置の中の磁気ヘッド表面を機器分析すると,炭素数20以上の炭化水素の分子量の成分が付着していることが判明した。そこで,障害を無くすためには磁気ディスク装置内部部品からの発生ガスを評価し,発生源を特定した後,対策する必要がある。そのためには,実施例の様に炭素数20以上の炭化水素の回収率が悪いと最終的な分析感度が下がるため,これを改善することが望まれる。
【0024】
また,チャンバー温度を高温にすればするほど,ガスは脱離し易くなるが,物質が熱分解を起し,本来の物質として捕集出来ない場合があるため,高沸点の有機ガスを適用する。
【0025】
また、実施形態にかかる発生ガスの分析方法は、チャンバー中を加熱しながら、チャンバー内にキャリアーガスを流し、チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させ、吸着部材中の有機成分を分析し、第1の有機成分分析値を得る工程
チャンバー中に試料を載置して、試料を加熱しながらチャンバー内にキャリアーガスを流し、チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させ、吸着部材中の有機成分を分析し、第2の有機成分分析値を得る工程、
第2の有機成分分析値と第1の有機成分分析値との差分から
該発生ガスの有機成分分析値を求める工程を含み、
チャンバー中に試料を載置する前に、予め、チャンバー内部を、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露する工程を具備することを特徴とする。
【0026】
図3に、実施形態にかかる発生ガスの分析方法の一例を表すフローを示す。
【0027】
図示するように、例えば、まず、チャンバー内に溶剤を導入し、加熱することにより、チャンバー内の洗浄を行う(BL 1)。
【0028】
その後、チャンバーを例えば30℃以下から250℃に昇温し、給気口からキャリアーガス流量例えば100mL/minをチャンバー内に流しながら、昇温開始から30分捕集する。30分後加熱停止し,チャンバーの温度が250℃から30℃以下に低下したら(加熱停止後10分)、キャリアーガスを止めて吸着管を取り外す。取り外した吸着管を過熱脱着GC/MS法で分析する。チャンバー内の発生ガスが一定になるまで繰り返す(BL 2)。
【0029】
例えば高沸点ガス材料としてC4082をチャンバー内に適用し、キャリアーガスを流しながら250℃で1時間加熱してガス化させ、チャンバー内をC4082ガスで暴露する(BL 3)。
【0030】
続いて、BL 2と同様にして、チャンバー内のみを加熱した場合の発生ガスを分析する(BL 4)。
【0031】
さらに、チャンバー内に試料を載置し、BL 2と同様にして、試料を加熱した場合の発生ガスを分析する(BL 5)。
【0032】
試料を加熱した場合の発生ガスの分析値と、チャンバー内のみを加熱した場合の発生ガスの分析値との差分を求め、評価を行う(BL 6)。
【0033】
以下、実施例を示し、実施形態をより具体的に説明する。
【実施例1】
【0034】
図1と同様の構成を有する装置を用意する。
【0035】
チャンバー内は金コートにより不活性化されている。
【0036】
また、吸着剤として、例えばTenaxTAを用いる。
【0037】
発生ガスとして、C3062までの炭化水素を捕集する目的で、C3062と同系統で沸点の高いC4082を使用してチャンバー内を暴露する。
【0038】
高沸点ガスによるチャンバー内の暴露
まず、前処理を行う。
【0039】
チャンバーの中に磁気ディスクを入れる。
【0040】
キャリアーガスを流しながら,チャンバーを250℃に加熱する。任意の時間加熱する。
【0041】
予め、吸着剤が入った吸着管を窒素やHeガスを流しながら300℃で1時間程度ベークし,サンプル測定条件と同一条件で分析し清浄であることを確認しておく。清浄でない場合は,ベークを繰り返し確認測定を行う。
【0042】
チャンバーを30℃以下から250℃に昇温し,キャリアーガス流量100mL/minとし、昇温開始から30分捕集,30分後加熱停止し,加熱停止後10分でチャンバー内の温度が250℃から30℃以下になったところでキャリアーガスを止めて吸着管を取り外す。
【0043】
取り外した吸着管を過熱脱着GC/MS法で分析する。
【0044】
チャンバーと磁気ディスクからの発生ガスが一定になるまで繰り返す。
【0045】
例えば250℃、キャリアーガス流量100mL/minで,3時間程度コンディショニングする。
【0046】
測定系に関わるピーク以外が検出されないことを確認する。
【0047】
確認した吸着管を加熱したチャンバーに取り付ける。
【0048】
再び、チャンバーを30℃以下から250℃に昇温し,キャリアーガス流量100mL/minとし、昇温開始から30分捕集,30分後加熱停止し,加熱停止後10分でチャンバー内の温度が250から30℃以下になったところでキャリアーガスを止めて吸着管を取り外す。
【0049】
取り外した吸着管を過熱脱着GC/MS法で分析する。
【0050】
チャンバーと磁気ディスクからの発生ガスが一定になるまで繰り返す。
【0051】
ここまでを前処理とする。
【0052】
発生ガスが一定になった後,磁気ディスク表面にC4082を約1mgを載せて,キャリアーガスを流しながら250℃に加熱する。1時間加熱する。
【0053】
4082が残留したまま磁気ディスクを取り出す。C40を磁気ディスク表面に載せて,コートした後ディスクを取り出すのは,チャンバー内部に直接C40を置くと発生ガス量が過剰すぎて,邪魔になる場合があるためである。
【0054】
発生ガス捕集準備
キャリアーガスを流しながら,チャンバーを250℃に任意の時間加熱する。
【0055】
また、チャンバーのみの発生ガス分析を行う。すなわち、チャンバーを30℃以下から250℃に昇温し,キャリアーガス流量100mL/minとし、昇温開始から30分捕集,30分後加熱停止し,加熱停止後10分でチャンバー内の温度が250から30℃以下になったところでキャリアーガスを止めて吸着管を取り外す。
【0056】
この時,C4084のピークとその分解物,チャンバー由来のピークと測定系に関わるピーク以外が検出されない事を確認する。
【0057】
4084以外のピークが一定になるまでチャンバーのベークを繰り返す。
【0058】
4084以外のピークがほぼ一定になったのを確認した後,実際のサンプル捕集作業に入る。
【0059】
サンプルからの発生ガス捕集と分析手順
サンプル捕集の直前に,必ずチャンバーのみの発生ガスを捕集し分析する。それで,C4084が検出されることの確認とチャンバーからの発生ガス確認を行う。(ブランク測定)
ブランク測定後,実際のサンプルをチャンバーに入れる。
【0060】
チャンバーを30℃以下から250℃に昇温し,キャリアーガス流量100mL/minとし、昇温開始から30分捕集,30分後加熱停止し,加熱停止後10分でチャンバー内の温度が250から30℃以下になったところでキャリアーガスを止めて吸着管を取り外す。
【0061】
取り外した吸着管を過熱脱着GC/MS法で分析する。
【0062】
定量−標準試料測定
予め、吸着剤が入った吸着管を窒素やHeガスを流しながら300℃で1時間程度ベークし,サンプル測定条件と同一条件で分析し清浄であることを確認しておく。清浄でない場合は,ベークを繰り返し確認測定を行う。
【0063】
標準試料として,ここでは各10ng/μLの濃度でn−ヘキサンに希釈された、炭化水素の炭素数が10〜30の偶数数のアルカン成分を用意する。
【0064】
マイクロシリンジを標準試料を炭化水素の希釈に使用されているn−ヘキサンで洗浄する。
【0065】
標準試料でマイクロシリンジを供洗いする。
【0066】
標準試料を1μL採取し,吸着管の吸着剤めがけてスパイクする。
【0067】
速やかに,測定条件と同一条件で加熱脱着GC/MS法で測定する。
【0068】
図4に、質量分析データの一例を示す。
【0069】
質量分析データ
なお、図中、縦軸の相対強度は、検出している試料がイオンで電荷を持っていることから,電流強度に対する相対値に相当するものである。
【0070】
同様の動作を数回繰り返す。
【0071】
得られたピーク面積の平均値を算出する。使用する標準試料の単位質量当たりのエリアカウント/ngが得られる。
【0072】
サンプルの測定結果より,C20成分の定量値を求めたい場合は,サンプルのピークのエリアカウントと標準試料を測定した際のC20成分のエリアカウント/ngの係数とから発生ガスの量を算出することができる。この時,求めたいピーク成分と標準として使用した成分が同じであれば特に明記しないが,異なる場合は標準成分からの換算値となるので、使用した成分の換算であることを明記する。
【0073】
発生ガス量は、下記式で表される。
【0074】
発生ガス量(ng)=サンプルの求めたい成分のピークエリアカウント÷(標準試料の求めたい成分のピークエリアカウント÷標準試料中の求めたい成分の質量)
定量補正−回収率
成分によって回収率が異なるので,求めたい成分そのものか,クロマト上で保持時間(R.T)が近い成分の既知量を高沸点ガスによるチャンバー内の暴露の前処理の要領で前処理したチャンバー内の磁気ディスクに載せる。
【0075】
そして、回収率を求めたい成分の既知量(定量−標準試料測定の際と同一量)を、磁気ディスク上にスパイクする。
【0076】
その後,サンプルと同様に捕集し、測定する。
【0077】
図5に測定された質量分析データの一例を示す。
【0078】
図示するように、C40のピークとともに炭素数C9ないしC30の炭化水素のピークがはっきり現れており、炭化水素が吸着部材に十分捕集されていることがわかる。
【0079】
先に定量−標準試料で測定した結果と比較し、定量−標準試料で測定した結果を分母として,比率を求める。
【0080】
なお,回収率調査を求める際に使用した成分を標準試料として使用していない場合は,別途測定する。
【0081】
求めたい成分の回収率を発生ガス量に乗算して,実際の発生量を算出する。
【0082】
回収率は、下記式で表される。
【0083】
回収率(%)=(求めたい成分の定量補正−回収率でのピークエリアカウント/求めたい成分の定量−標準試料測定でのピークエリアカウント)×100
図6に改善した例を示す。
【0084】
図6では、C20からC30の炭化水素について、実施例1と同様にして、各10ngの成分の回収率を測定した。炭素数が偶数の炭化水素のみ測定した。グラフ101が実施例で、試料の測定前にチャンバー内をC4082で暴露しており、グラフ102は比較例で、チャンバー内をC4082で暴露していない。C24以降の炭化水素の回収率は,比較例では5%未満であったのに対して実施例では30%以上に改善された。
【実施例2】
【0085】
次に、発生ガスとして、フタル酸ジオクチル(DEHP)までの可塑剤(過去に主に使用されていた可塑剤としてフタル酸ジエチル(DEP),フタル酸ジブチル(DBP),フタル酸ジオクチル(DEHP)が上げられる)を捕集する目的で,フタル酸エステルと同系統で沸点の高い成分フタル酸ジイソノニルを使用してチャンバー内を暴露する。
【0086】
以下,実施例1の炭化水素の場合と同様にして、測定を行い、発生ガス量、回収率を計算することができる。
【0087】
これにより、C26と同様のR.Tにピークが出現し、極性物質であるためC26よりチャンバー内壁に吸着し易く回収率が悪いDEHPであっても回収率が改善される結果が得られる。
【0088】
以上の様に,これらの実施形態又は実施例によれば、測定したい成分より同系統で,より沸点の高い成分を用いて予めチャンバー内を暴露することで,より高回収率で目的成分を測定する事が可能となる。場合によっては,測定出来なかった成分の測定が可能となる。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
半導体やその関連製品・構成材料,建築部材・建物の内装材,自動車内装材など一般的な製品・部品・構成材料における発生ガスの検査・評価。
【符号の説明】
【0091】
1…チャンバー、2…給気部、3…排気部、4…吸着部、5…吸着部材、10…捕集装置、13…吸着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内部を、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露する工程、及び
該チャンバー中に試料を載置して、該試料を加熱しながら該チャンバー内にキャリアーガスを流し、該チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させる工程を具備することを特徴とする発生ガスの捕集方法。
【請求項2】
前記チャンバーは、少なくとも内面の材質が、金または石英である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記有機ガスは、C4082である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記発生ガスは、C2n+2(nは40未満である)で表される炭化水素を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記nは、7ないし34である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記吸着部材は、多孔質樹脂である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
チャンバー内部を、発生ガスの沸点よりも高い沸点を有する有機ガスに暴露する工程、及び
該チャンバー中を加熱しながら、該チャンバー内にキャリアーガスを流し、該チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させ、吸着部材中の有機成分を分析し、第1の有機成分分析値を得る工程
該チャンバー中に試料を載置して、該試料を加熱しながら該チャンバー内にキャリアーガスを流し、該チャンバーから吸着部に設けられた吸着部材に接触させ、吸着部材中の有機成分を分析し、第2の有機成分分析値を得る工程、
第2の有機成分分析値と第1の有機成分分析値との差分から
該発生ガスの有機成分分析値を求める工程を具備することを特徴とする発生ガスの分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−251799(P2012−251799A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122780(P2011−122780)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】