説明

発電システム

【課題】二酸化炭素を含むガスを利用して発電を行いつつ、このガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収できる発電システムを提供する。
【解決手段】二酸化炭素及び酸素を含むガスが加圧された状態で供給されるカソード111と、水素を含むガスが加圧された状態で供給されるアノード113とを有し、作動温度の下で、カソード111に供給された二酸化炭素を炭酸イオンとしてアノード113に移動させ、アノード113から二酸化炭素を含むアノード排ガスを加圧した状態で排出する燃料電池と、アノード排ガスを、アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化するまで冷却し、液体状の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスを生成する冷凍機44、45と、液化アノード排ガスから液体状の二酸化炭素を分離する分離器を備えている。そして、液化アノード排ガスを生成する冷凍機44、45は、アノード排ガスの排熱によって駆動される吸収式冷凍機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC;Molten Carbonate Fuel Cell)では、カソードで酸素と二酸化炭素とが反応して炭酸イオンとなり、アノードでカソードから電解質を通って移動してきた炭酸イオンと水素とが反応して二酸化炭素及び水となる。つまり、MCFCは、カソードに供給された二酸化炭素をアノードに集め、アノード排ガスとして排出するため、二酸化炭素を濃縮するいわゆる二酸化炭素濃縮機能を有している。
【0003】
そこで、MCFCの二酸化炭素濃縮機能を利用して、例えば、石炭火力発電所等から排出される二酸化炭素を含む排出ガス(以下発電所排ガスと称する)から、二酸化炭素を効率的に回収する発電システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この発電システムでは、発電所排ガスをMCFCのカソードに供給して発電すると共に、発電所排ガス中の二酸化炭素をMCFCのアノード排ガスとして濃縮する。そして、このアノード排ガスから二酸化炭素を分離することによって、効率よく発電所排ガスから二酸化炭素を回収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−43486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アノード排ガスから二酸化炭素を分離する方法としては、吸収剤に二酸化炭素を吸収させる化学吸収法や、吸着剤に二酸化炭素を吸着させる物理吸着法や、二酸化炭素と他のガスとが高分子膜を透過する際に生じる速度の差を利用する膜分離法や、アノード排ガスを圧縮及び冷却することで二酸化炭素を液化させて分離する深冷分離法等が知られている。
【0007】
しかしながら、化学吸収法、物理吸着法、膜分離法等によって、アノード排ガスから二酸化炭素を分離する場合、吸収剤、吸着剤、高分子膜等が高価であることや、処理できるアノード排ガスの容量が制限されシステムの大型化が困難であること等の問題があった。
【0008】
さらに、これらの方法では、二酸化炭素は気体で回収されるが、回収した二酸化炭素は輸送や貯留の際に液体とする必要があるため、気体の二酸化炭素を圧縮及び冷却して液体とするべく、別途に冷凍機等を駆動する必要がある。この冷凍機としては、圧縮機を備えたものが一般的であった。
【0009】
また、深冷分離法でアノード排ガスから二酸化炭素を分離する場合、二酸化炭素は液体で回収されるが、二酸化炭素を回収する際にアノード排ガスを冷却して二酸化炭素を液化するため、冷凍機等を駆動する必要があることにかわりはない。冷凍機を駆動する場合、特に冷凍機に備えられる圧縮機の消費電力が大きいため、大量のエネルギーが必要となってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、二酸化炭素を含むガスを利用して発電を行いつつ、このガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収できる発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための本発明の発電システムは、二酸化炭素及び酸素を含むガスが加圧された状態で供給されるカソードと、水素を含むガスが加圧された状態で供給されるアノードとを有し、作動温度の下で、前記カソードに供給された二酸化炭素を炭酸イオンとして前記アノードに移動させ、前記アノードから二酸化炭素を含むアノード排ガスを加圧した状態で排出する燃料電池と、前記アノード排ガスを、前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化するまで冷却し、液体状の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスを生成する冷凍機と、前記液化アノード排ガスから前記液体状の二酸化炭素を分離する分離器と、を備え、前記冷凍機は、前記アノード排ガスの排熱によって駆動される吸収式冷凍機であることを特徴とする。
【0012】
この発電システムでは、燃料電池を作動温度の下で加圧運転することで、燃料電池のアノード排ガス中に二酸化炭素を濃縮できる。このアノード排ガスは、燃料電池の作動温度(以下単に作動温度と称する)と同程度の温度を有するため、このアノード排ガスの排熱を利用して吸収式冷凍機を駆動できる。すなわち、消費電力の大きい圧縮機等を駆動することなく、アノード排ガスの排熱を利用してこの冷凍機を駆動できる。
【0013】
また、燃料電池が加圧運転されることに伴って、アノード排ガスは、加圧された状態で排出される。このため、二酸化炭素の分圧は、二酸化炭素の三重点の圧力よりも高くなっており、アノード排ガスを吸収式冷凍機で冷却することで、アノード排ガスに含まれる二酸化炭素を液体状にすることができ、二酸化炭素を液体の状態で効率よく回収できる。
従って、二酸化炭素を含むガスを利用して発電を行いつつ、このガスに含まれる二酸化炭素を効率よく回収できる。
【0014】
かかる発電システムにおいて、前記吸収式冷凍機は、前記アノード排ガスとの熱交換によって、吸収液に吸収された冷媒を気化し、前記吸収液から前記気化された冷媒を分離することで、前記吸収液を再生する再生器と、前記気化された冷媒を冷却して液体状にする凝縮器と、前記液体状の冷媒を気化させることによって、前記再生器で熱交換した後の前記アノード排ガスを冷却し、前記液化アノード排ガスを生成する蒸発器と、前記蒸発器で気化された前記冷媒を前記再生器で再生された吸収液に吸収させて前記再生器に戻す吸収器とを有することが好ましい。
この発電システムにおいて、吸収式冷凍機は、圧縮機のかわりに吸収器及び再生器を備え、吸収器で吸収液が冷媒を吸収すること及び再生器で冷媒を吸収した吸収液が加熱されて吸収液から冷媒が分離することによって、冷凍機内に冷媒が循環する。そして、再生器で吸収液を加熱するための熱源として、アノード排ガスを用いることで、吸収式冷凍機を効率よく駆動できる。
【0015】
かかる発電システムにおいて、前記液体状の二酸化炭素を前記アノード排ガスから分離して得られた残アノード排ガスと前記再生器で熱交換する前のアノード排ガスとを熱交換させ、前記残アノード排ガスを加熱すると共に、前記アノード排ガスを冷却する熱交換器と、前記熱交換器で加熱された残アノード排ガスと前記カソードから排出されるカソード排ガスとを燃焼反応させる燃焼器と、前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを加熱源として、燃料ガスと水蒸気とを改質反応させ、前記カソードに供給するための水素を生成する改質部とを更に備えることが好ましい。
この発電システムにおいて、分離器で得られる残アノード排ガスの温度は、アノード排ガスを二酸化炭素が液化するまで冷却して生成した液化アノード排ガスの温度と同程度となっている。このため、熱交換器によって、残アノード排ガスと、再生器に排熱を供給する前の作動温度と同程度の温度を有するアノード排ガスとを熱交換させることで、アノード排ガスを冷却して、例えば再生器で吸収液を加熱するのに適した温度にすることができる。これによって、吸収式冷凍機を効率よく駆動することができ、発電システムの効率を高めることができる。
【0016】
また、残アノード排ガスは、燃料電池のアノードで消費されずに排出された水素を含んでいる、このため、熱交換器によって加熱した残アノード排ガスを燃焼器に供給することで、残アノード排ガス中の水素と燃料電池のカソード排ガスに含まれる酸素とを燃焼反応させて、燃焼排ガスを生成することができる。この燃焼排ガスの排熱を加熱源として、改質部で燃料ガスと水蒸気とを改質反応させることで、残アノード排ガスに含まれる水素を有効に利用することができる。その結果、発電システムの効率を高めることができる。
【0017】
かかる発電システムにおいて、前記再生器で熱交換した後のアノード排ガスと前記残アノード排ガスとを熱交換させることで、前記アノード排ガスを冷却すると共に、前記残アノード排ガスを加熱する他の熱交換器を更に備えることが好ましい。
この発電システムでは、残アノード排ガスと、冷凍機の再生器に排熱を供給した後のアノード排ガスとを他の熱交換器によって熱交換させる。これによって、他の熱交換器で冷却された後のアノード排ガスを吸収式冷凍機の蒸発器に供給して液化アノード排ガスとすることができるため、冷凍機にかかる負荷を低減できる。また、他の熱交換器で加熱された後の残アノード排ガスを熱交換器に供給することができるため、熱交換器にかかる負荷も低減できる。よって、発電システムの効率を高めることができる。
【0018】
かかる発電システムにおいて、前記蒸発器に供給される前の前記アノード排ガスを前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化する温度よりも高い冷却温度まで冷却する他の吸収式冷凍機を更に備え、前記他の吸収式冷凍機は、前記アノード排ガスとの熱交換によって、吸収液に吸収された冷媒を気化し、前記吸収液から前記気化された冷媒を分離することで、前記吸収液を再生する他の再生器と、前記気化された冷媒を冷却して液体状にする他の凝縮器と、前記液体状の冷媒を気化させることによって、前記他の再生器で熱交換した後のアノード排ガスを前記冷却温度まで冷却する他の蒸発器と、前記蒸発器で気化された前記冷媒を前記再生器で再生された吸収液に吸収させて前記再生器に戻す吸収器とを有することが好ましい。
この発電システムでは、他の吸収式冷凍機によって冷却されたアノード排ガスを、吸収式冷凍機によってさらに冷却して液化アノード排ガスにすることができる。よって、より効率的にアノード排ガスを冷却することができる。
【0019】
前記課題を解決するための本発明の発電システムは、二酸化炭素及び酸素を含むガスが加圧された状態で供給されるカソードと、水素を含むガスが加圧された状態で供給されるアノードとを有し、作動温度の下で、前記カソードに供給された二酸化炭素を炭酸イオンとして前記アノードに移動させ、前記アノードから二酸化炭素を含むアノード排ガスを加圧した状態で排出する燃料電池と、前記アノード排ガスと水とを熱交換させることで、前記アノード排ガスを冷却すると共に、前記水を水蒸気とする蒸気発生部と、前記蒸気発生部で熱交換した後の前記アノード排ガスを前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化するまで冷却し、液体状の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスを生成する冷凍機と、前記液化アノード排ガスから前記液体状の二酸化炭素を分離する分離器と、を備え、前記冷凍機は、前記アノード排ガスの排熱によって駆動される吸収式冷凍機であることを特徴とする。
この発電システムでは、作動温度と同程度の温度を有するアノード排ガスの排熱を利用して、蒸気発生部で水蒸気を発生させ、この水蒸気の排熱を利用して吸収式冷凍機を駆動する。このため、吸収式冷凍機に適した温度の熱源を確保でき、冷却を効率化できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、二酸化炭素を含むガスを利用して効率よく発電を行いつつ、このガスに含まれる二酸化炭素を効率よく液化回収できる発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態に係る発電システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】燃料電池の発電反応を説明するための模式図である。
【図3】冷凍機の構成例を示す模式図である。
【図4】状態図の一例である。
【図5】第2の実施形態にかかる発電システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
===第1の実施形態に係る発電システムについて===
以下、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の第1の実施形態に係る発電システム1について説明する。図1は、発電システム1の構成例を示すブロック図である。図2は、図1に示す発電システム1に備えられた溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)110の発電反応について説明するための模式図である。図3は、発電システム1に備えられた冷凍機44,45の構成例を示す模式図である。図4は、二酸化炭素の状態図の一例である。
【0023】
発電システム1は、MCFC110を含む第1発電部10と、冷凍機44,45及び気液分離器47(分離器)等を含む二酸化炭素回収部40とを備えている。この発電システム1では、発電所排ガス中の二酸化炭素を利用してMCFC110で発電を行うと共に、この二酸化炭素をMCFC110のアノード排ガスに集めて、冷凍機44,45及び気液分離器47によって液化回収する。
【0024】
また、発電システム1は、MCFC110のカソード111から排出されるカソード排ガスを利用して発電する第2発電部20と、第2発電部20で動力が回収されたカソード排ガスを利用して水蒸気を発生させ、この水蒸気を利用して発電する第3発電部30とを備えている。
以下、発電システム1の各構成について説明する。
【0025】
<<<第1発電部>>>
第1発電部10は、コンプレッサ100と、MCFC110と、圧力容器120と、循環ブロワ130と、燃料ガス調整部140とを備えている。
【0026】
コンプレッサ100は、二酸化炭素を含む発電所排ガスを空気と混合した混合排ガスを、例えば1.2MPaまで加圧してMCFC110のカソード111に供給する。
【0027】
MCFC110は、カソード111に混合排ガスが供給されると共に、アノード113に燃料ガス調整部140から後述する改質燃料ガスが例えば1.2MPaまで加圧された状態で供給される。そして、MCFC110は、例えば600度の作動温度において、混合排ガスに含まれる二酸化炭素及び酸素と、改質燃料ガスに含まれる水素とを電気化学反応させて発電する。尚、MCFC110では、混合排ガス及び改質燃料ガスが加圧された状態で供給されて加圧運転するため、電気化学反応の効率を高めて発電効率を高めることができる。
【0028】
このMCFC110は、例えば、図2に示すように、多孔質の酸化ニッケル板からなるカソード111と、炭酸リチウム及び炭酸ナトリウムの混合物の炭酸塩からなる電解質112と、多孔質のニッケル板からなるアノード113とを有している。そして、カソード111とアノード113との間は、MCFC110で得られる電力を消費する負荷114を介して、外部回路115により接続されている。
【0029】
カソード111では、酸素(O)と、二酸化炭素(CO)と、外部回路115から供給される電子(2e)とが反応して、炭酸イオン(CO2−)が発生する。カソード111で反応に消費されなかった二酸化炭素及び酸素や、後述する燃焼排ガス等に由来する水蒸気は、カソード排ガスとして排出される。このカソード排ガスは、例えば作動温度と同程度の温度となっている。カソード排ガスの一部は、燃料ガス調整部140に供給される。残りのカソード排ガスの一部は、循環ブロア130によって、カソード111に戻される。このように、カソード排ガスの一部をカソード111に戻すことで、カソード排ガスをMCFC110の電気化学反応に再利用することができると共に、カソード111に供給されるガスの温度を作動温度付近まで上昇させることができるため、発電システム1の効率を高めることができる。そして、残りのカソード排ガスは、第2発電部20に供給される。
【0030】
電解質112は、作動温度において溶融状態となり、カソード111で発生した炭酸イオンをアノード113に移動させる。
【0031】
アノード113では、改質燃料ガス中の水素(H)と、電解質112を介してカソード111から移動してきた炭酸イオンとが反応することで、二酸化炭素(CO)及び水蒸気(HO)が発生し、同時に電子(2e)が放出される。放出された電子は、外部回路115を通ってカソード111に移動し、これが繰り返されることで電気が発生する。
【0032】
このように、MCFC110では、カソード111に供給された二酸化炭素が炭酸イオンとなってアノード113に移動し、この炭酸イオンがアノード113で二酸化炭素となる。よって、MCFC110では、カソード111に供給されるガス成分のうち、二酸化炭素が選択的にアノード113に移動するため、アノード113に二酸化炭素を集めることができる。このアノード113に集められた二酸化炭素と、アノード113で発生した水蒸気と、アノード113で反応に消費されなかった水素とは、アノード排ガスとして排出される。このアノード排ガスもまた作動温度と同程度の温度となっている。そして、アノード排ガスの一部は燃料ガス調整部140に供給され、残りのアノード排ガスは二酸化炭素回収部40に供給される。
【0033】
燃料ガス調整部140は、天然ガス等の燃料ガスと第3発電部30から供給される水蒸気とを改質反応させることで、アノード113に供給するための水素を含む改質燃料ガスを生成する。燃料ガス調整部140は、燃料予熱器141と、燃焼器142と、改質部145とを備えている。
【0034】
燃焼器142には、MCFC110からカソード排ガス及びアノード排ガスが供給され、カソード排ガス中の酸素とアノード排ガス中の水素とが燃焼反応をする。この燃焼反応により、燃焼器142からは、水蒸気及び二酸化炭素を主に含む燃焼排ガスが排出される。この燃焼排ガスは、改質部145の加熱室143に供給される。
【0035】
燃料予熱器141には、燃料ガスと水蒸気との混合燃料ガスが供給され、この混合燃料ガスと改質部145の改質器144から排出される改質燃料ガスとが熱交換される。これによって、混合燃料ガスは加熱されて改質器144に供給され、改質燃料ガスは例えば作動温度に調整された状態でMCFC110のアノード113に供給される。
【0036】
改質部145は、加熱室143と、改質器144とを有している。改質器144では、次式に示すように、燃料予熱器141で加熱された混合燃料ガスに含まれるメタン及び水蒸気が改質反応し、水素及び一酸化炭素が発生する。これによって、水素を含む改質燃料ガスが生成される。
CH+HO→CO+3H
改質器144から排出された改質燃料ガスは、燃料予熱器141で温度が調整された後、MCFC110のアノード113に供給される。
【0037】
加熱室143は、燃焼器142から排出された燃焼排ガスの排熱によって、改質器144の温度を改質反応に適した温度に維持する。加熱室143から排出された燃焼排ガスは循環ブロワ130によってMCFC110のカソード111に供給される。これによって、燃焼排ガスをMCFC110の電気化学反応に利用することができると共に、カソード111に供給されるガスの温度を作動温度付近まで上昇させることができる。その結果、発電システム1の効率を高めることができる。
【0038】
圧力容器120は、MCFC110及び燃料ガス調整部140を収容している。そして、圧力容器120の内部は、例えば窒素等の不活性ガスによって、MCFC110に供給される混合排ガス及び改質燃料ガスの圧力(例えば1.2MPa)と同程度若しくはこの圧力よりも高い圧力に昇圧されている。これによって、MCFC110の内部から外部へガスがリークすること等を防止できるため、MCFC110を効率よく加圧運転でき、発電効率を高めることができる。
【0039】
循環ブロワ130は、前述したようにカソード排ガスの一部及び燃焼排ガスを循環させてMCFC110のカソード111に供給する。
【0040】
<<<二酸化炭素回収部>>>
二酸化炭素回収部40は、第1発電部10から供給されるアノード排ガスに含まれる二酸化炭素を液化して回収する。この二酸化炭素回収部40は、熱交換器41と、熱交換器42(他の熱交換器)と、冷却器43と、冷凍機44(他の冷凍機)と、冷凍機45(メインの冷凍機)と、除湿器46と、気液分離器47とを備えている。
【0041】
二酸化炭素回収部40に供給されたアノード排ガスは、先ず、熱交換器41で温度が下げられた後、冷凍機44、45を駆動するべく冷凍機44の有する再生器440及び冷凍機45の有する再生器450に夫々排熱を供給する。再生器440、450で冷却されたアノード排ガスは、更に、冷却器43、熱交換器42、冷凍機44(蒸発器442)によって例えば0度付近まで冷却される。そして、0度付近まで冷却されたアノード排ガスは、除湿器46によって水分が除去された後、冷凍機45(蒸発器452)で例えば−56度付近まで冷却される。これによって、アノード排ガスは、液体の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスとなる。液化アノード排ガスは、気液分離器47で液体の二酸化炭素が分離され、残アノード排ガスとなる。残アノード排ガスは、熱交換器42、41で加熱された後、第1発電部10の燃焼器142に供給され、この残アノード排ガスに含まれる水素が燃焼器142での燃焼反応に利用される(後述する)。
【0042】
つまり、気液分離器47で分離された液体の二酸化炭素を回収することで、アノード排ガスから二酸化炭素を液化回収することができる。
【0043】
以下、二酸化炭素回収部40の各構成について説明する。
熱交換器41は、MCFC110のアノード113から排出され作動温度と同程度となっているアノード排ガスと、熱交換器42で加熱された後の残アノード排ガス(気液分離器47を通過したガス)とを熱交換させる。これによって、熱交換器41では、例えば、再生器440、450に排熱を供給するのに適した温度付近までアノード排ガスを冷却することができるため、冷凍機44、45を効率よく駆動することができる。その結果、発電システム1の効率を高めることができる。また、熱交換器41では、例えば、燃焼器142における燃焼反応に適した温度に残アノード排ガスを加熱することができる。
【0044】
冷凍機45は、例えば、アンモニアを冷媒とし、水を吸収液とする、いわゆるアンモニア吸収冷凍機であり、図3に示すように、再生器450と、凝縮器451と、蒸発器452と、吸収器453とを備えている。
【0045】
再生器450は、熱交換器41から排出されたアノード排ガスと、冷媒を吸収した吸収液とを熱交換させることで、吸収液に含まれる冷媒を気化させて吸収液から気体の冷媒を分離する。再生器450によって気化された冷媒は凝縮器451に供給され、冷媒が分離されることで再生された再生液は吸収器453に供給される。
【0046】
凝縮器451は、再生器450で気化された冷媒を冷却水等によって冷却することで液体状にする。凝縮器451で液体状となった冷媒は蒸発器452に供給される。
【0047】
蒸発器452は、凝縮器451で液体状となった冷媒をアノード排ガスの排熱によって気化させる。つまり、この蒸発器452では、冷媒がアノード排ガスから熱を奪って蒸発することで、アノード排ガスが冷却される。蒸発気452は、例えば−56度付近までアノード排ガスを冷却することによって、アノード排ガスに含まれる二酸化炭素を液化し、液化アノード排ガスを生成する。
【0048】
このとき、MCFC110が加圧運転されることに伴って、アノード排ガスは、例えば1.2MPaに加圧された状態で排出される。また、MCFC110の二酸化炭素濃縮機能により、アノード排ガスの二酸化炭素の組成は例えば80%となっている。このため、二酸化炭素の分圧は例えば0.96MPaであり、図4に示すように二酸化炭素の三重点の圧力である0.518MPaよりも高くなっている。このため、−56度付近までアノード排ガスを冷却することで、アノード排ガスに含まれる二酸化炭素を液体状にすることができ、二酸化炭素を液体の状態で効率よく回収できる。
【0049】
吸収器453は、蒸発器452で気化された冷媒を再生器450で再生された吸収液に吸収させる。これによって、蒸発器452内の冷媒の分圧が上昇することを防ぎ、蒸発器452で冷媒が気化し続けるように維持できる。そして、冷媒を吸収した吸収液は、再生器450に戻される。
【0050】
冷凍機44は、例えば、水を冷媒とし、臭化リチウムを吸収液とする、いわゆる臭化リチウム吸収冷凍機であり、冷凍機45よりも冷却温度が高いこの冷凍機44は、再生器440と、凝縮器441と、蒸発器442と、吸収器443とを備えている。冷凍機44は、冷凍機45と同様に、再生器440によって、冷媒を吸収した吸収液とアノード排ガスとを熱交換させることで吸収液を再生し、凝縮器441によって、再生器440で気体となった冷媒を冷却して液体の冷媒とする。そして、蒸発器442によって、液体の冷媒を気化させてアノード排ガスを例えば0度付近まで冷却し、これによって気体となった冷媒を吸収器443によって吸収液に吸収させて再生器440に戻す。この冷凍機44の蒸発器442によってアノード排ガスを0度付近まで冷却した後に、冷凍機45の蒸発器452によって二酸化炭素が液化するように−56度まで冷却することができるため、より効率的にアノード排ガスを冷却することができる。
【0051】
冷却器43は、例えば冷却水によって、冷凍機45の再生器450及び冷凍機44の再生器440において、吸収液と熱交換した後のアノード排ガスを冷却する。
【0052】
熱交換器42は、冷却器43で冷却されたアノード排ガスと、気液分離器47から排出された残アノード排ガスとを熱交換させることで、アノード排ガスを冷却して冷凍機44の蒸発器442に供給すると共に、残アノード排ガスを加熱して熱交換器41に供給する。これによって、熱交換器42で冷却された後のアノード排ガスを蒸発器442、452に供給して液化アノード排ガスとすることができるため、冷凍機44、45にかかる負荷を低減できる。また、熱交換器42で加熱された後の残アノード排ガスを熱交換器41に供給することができるため、熱交換器41にかかる負荷も低減できる。よって、発電システム1の効率を高めることができる。
【0053】
除湿器46は、冷凍機44の蒸発器442で冷却されたアノード排ガスから水分を除去する。この除湿器46には、例えば活性アルミナが用いられる。
【0054】
気液分離器47は、液化アノード排ガスから液体の二酸化炭素を分離する。気液分離器47によって分離された液体の二酸化炭素は回収される。気液分離器47で液化アノード排ガスから二酸化炭素が回収された残りの残アノード排ガスは、除湿器46で水分が除去されているため、水素と気体の二酸化炭素とを主に含む。よって、残アノード排ガスを熱交換器41、42で加熱して、第1発電部10の燃焼器142に供給することで、残アノード排ガスに含まれる水素を前述した燃焼器142での燃焼反応に利用することができる。これにより、発電システム1の効率を高めることができる。
【0055】
<<<第2発電部>>>
第2発電部20は、第1発電部10から供給されるカソード排ガスを利用して発電する。この第2発電部20は、例えば同一の回転軸に接続された、ガスタービン21及び発電機22を備えている。ガスタービン21は、カソード排ガスが供給されることによって回転軸を回転させる。発電機22は、ガスタービン21が回転軸を回転させることによって発電する。尚、コンプレッサ100も、ガスタービン21及び発電機22と同一の回転軸に接続されており、ガスタービン21の回転に連動して駆動される。
ガスタービン21を駆動することで動力が回収されたカソード排ガスは、第3発電部30に供給される。
【0056】
<<<第3発電部>>>
第3発電部30は、第2発電部20から供給されるカソード排ガスを利用して水蒸気を発生させる共に、この水蒸気を利用して発電する。この第3発電部30は、排熱回収ボイラ31と、気液分離器32と、循環ポンプ33と、蒸気タービン34と、発電機35と、復水器36とを備えている。
【0057】
排熱回収ボイラ31は、第2発電部20のガスタービン21から排出されたカソード排ガスと、循環ポンプ33によって供給される冷却水とを熱交換させることで、カソード排ガスを冷却してカソード排ガス中の水蒸気を水とすると共に、冷却水を加熱して水蒸気とする。排熱回収ボイラ31で発生した水蒸気の一部は蒸気タービン34に供給され、残りの水蒸気は燃料ガスと混合されて第1発電部10の燃料予熱器141に供給される。また、排熱回収ボイラ31で冷却されたカソード排ガスは、気液分離器32に供給される。
【0058】
気液分離器32は、排熱回収ボイラ31で冷却されることで液体となったカソード排ガス中の水をカソード排ガスから分離する。尚、気液分離器32で水が分離されたカソード排ガスは排気される。また、気液分離器32で分離された水は、第2発電部20のガスタービン21から排出されるカソード排ガスを冷却するための冷却水として、循環ポンプ33により排熱回収ボイラ31に供給される。
【0059】
循環ポンプ33は、気液分離器32から排出される水と、復水器36から排出される水とを排熱回収ボイラ31に冷却水として供給する。
【0060】
蒸気タービン34は、例えば発電機35と同一の回転軸に接続され、排熱回収ボイラ31から供給される水蒸気によって回転軸を回転させる。蒸気タービン34を駆動した後の水蒸気は、復水器36に供給される。発電機35は、蒸気タービン34が回転軸を回転させることで発電する。
【0061】
復水器36は、蒸気タービン34から供給される水蒸気を液体の水に変化させる。復水器36から排出された水は、気液分離器32から排出された水に混合され、前述したように、ガスタービン21から排出されたカソード排ガスを冷却する冷却水として、循環ポンプ33により排熱回収ボイラ31に供給される。
【0062】
以上より、第1の実施形態にかかる発電システム1では、発電所排ガスに含まれる二酸化炭素を利用して、MCFC110で発電を行うと共に、アノード排ガス中に二酸化炭素を濃縮する。そして、二酸化炭素が濃縮されたアノード排ガスから二酸化炭素を分離する際に、吸収剤、吸着剤、高分子膜等を用いる必要がない。さらに、消費電力の大きい圧縮機等を駆動することなく、MCFC110の作動温度と同程度の温度を有するアノード排ガスの排熱を利用して冷凍機44、45を駆動させることができる。その結果、発電所排ガス中の二酸化炭素を利用して発電を行いつつ、発電所排ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく容易に液化回収することができる。
【0063】
また、MCFC110のカソード排ガスを利用して発電する第2発電部20及び第3発電部30によって、複合的に発電を行うため、発電システム1の発電効率を高めることができる。
【0064】
===第2の実施形態に係る発電システムについて===
以下、図5を参照しつつ、本発明の第2の実施形態に係る発電システム2について説明する。図5は、発電システム2の構成例を示すブロック図である。尚、図5において、図1に示す構成と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
発電システム2では、前述した発電システム1における二酸化炭素回収部40のかわりに二酸化炭素回収部40Aを備えている。二酸化炭素回収部40Aでは、前述した二酸化炭素回収部40に加えて、蒸気発生部50を備えている。この蒸気発生部50は、熱交換器41で冷却された後のアノード排ガスを利用して水蒸気を発生させるものであり、排熱回収ボイラ51と、循環ポンプ52と、復水器53とを備えている。
【0066】
排熱回収ボイラ51は、熱交換器41で冷却された後のアノード排ガスと、循環ポンプ52から供給される水とを熱交換させることで、アノード排ガスを冷却して冷却器43に供給すると共に、冷却水を加熱して水蒸気とする。排熱回収ボイラ51で発生した水蒸気は再生器440、450に夫々供給される。そして、再生器440、450では、この水蒸気と、冷媒を吸収した吸収液とが熱交換することで、冷媒から吸収液が分離して吸収液が再生される。
【0067】
復水器53は、再生器440、450で熱交換した後の水蒸気を冷却して液体の水に変化させる。循環ポンプ52は、復水器53から排出される水を排熱回収ボイラ51に供給する。
【0068】
以上より、第2の実施形態に係る発電システム2では、アノード排ガスの排熱を利用して蒸気発生部50で水蒸気を発生させ、この水蒸気の排熱を利用して冷凍機44、45を駆動させることができる。このように、水蒸気の排熱を利用して冷凍機44、45を駆動することで、再生器440、450において、より適正な温度で吸収液を再生することができる。
【0069】
===その他の実施形態===
前述した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0070】
例えば、前述した発電システム1、2では、冷凍機44を備え、冷凍機44の蒸発器442で冷却した後のアノード排ガスを冷凍機45の蒸発器452で冷却して液化アノード排ガスを生成することとした。しかし、特にこれに限定されるものではなく、発電システム1の場合、例えば、冷凍機44を備えず、熱交換器41、42と、再生器450と、冷却器43とによって、アノード排ガスを例えば0度付近まで冷却した後に、蒸発器452で冷却して液化アノード排ガスを生成することとしてもよい。また、発電システム2の場合、例えば、冷凍機44を備えず、熱交換器41、42と、排熱回収ボイラ51と、冷却器43とによって、アノード排ガスを例えば0度付近まで冷却した後に、蒸発器452で冷却して液化アノード排ガスを生成することとしてもよい。
【0071】
また、前述した発電システム1、2の冷却器43では、冷却水によってアノード排ガスを冷却することとしたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば空冷等によってアノード排ガスを冷却してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1、2…発電システム 10…第1発電部 20…第2発電部
21…ガスタービン 22、35…発電機 30…第3発電部
31、51…排熱回収ボイラ 32、47…気液分離器
33、52…循環ポンプ 34…蒸気タービン 36、53…復水器
40、40A…二酸化炭素回収部 41、42…熱交換器 43…冷却器
44、45…冷凍機 46…除湿器 100…コンプレッサ
110…MCFC 111…カソード 112…電解質
113…アノード 114…負荷 115…外部回路
120…圧力容器 130…循環ブロワ 140…燃料ガス調整部
141…燃料予熱器 142…燃焼器 143…加熱室
144…改質器 145…改質部 440、450…再生器
441、451…凝縮器 442、452…蒸発器
443、453…吸収器 50…蒸気発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素及び酸素を含むガスが加圧された状態で供給されるカソードと、水素を含むガスが加圧された状態で供給されるアノードとを有し、作動温度の下で、前記カソードに供給された二酸化炭素を炭酸イオンとして前記アノードに移動させ、前記アノードから二酸化炭素を含むアノード排ガスを加圧した状態で排出する燃料電池と、
前記アノード排ガスを、前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化するまで冷却し、液体状の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスを生成する冷凍機と、
前記液化アノード排ガスから前記液体状の二酸化炭素を分離する分離器と、を備え、
前記冷凍機は、
前記アノード排ガスの排熱によって駆動される吸収式冷凍機であることを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記吸収式冷凍機は、
前記アノード排ガスとの熱交換によって、吸収液に吸収された冷媒を気化し、前記吸収液から前記気化された冷媒を分離することで、前記吸収液を再生する再生器と、
前記気化された冷媒を冷却して液体状にする凝縮器と、
前記液体状の冷媒を気化させることによって、前記再生器で熱交換した後の前記アノード排ガスを冷却し、前記液化アノード排ガスを生成する蒸発器と、
前記蒸発器で気化された前記冷媒を前記再生器で再生された吸収液に吸収させて前記再生器に戻す吸収器と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記液体状の二酸化炭素を前記アノード排ガスから分離して得られた残アノード排ガスと前記再生器で熱交換する前のアノード排ガスとを熱交換させ、前記残アノード排ガスを加熱すると共に、前記アノード排ガスを冷却する熱交換器と、
前記熱交換器で加熱された残アノード排ガスと前記カソードから排出されるカソード排ガスとを燃焼反応させる燃焼器と、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを加熱源として、燃料ガスと水蒸気とを改質反応させ、前記カソードに供給するための水素を生成する改質部と、
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記再生器で熱交換した後のアノード排ガスと前記残アノード排ガスとを熱交換させることで、前記アノード排ガスを冷却すると共に、前記残アノード排ガスを加熱する他の熱交換器を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の発電システム。
【請求項5】
前記蒸発器に供給される前の前記アノード排ガスを前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化する温度よりも高い冷却温度まで冷却する他の吸収式冷凍機を更に備え、
前記他の吸収式冷凍機は、
前記アノード排ガスとの熱交換によって、吸収液に吸収された冷媒を気化し、前記吸収液から前記気化された冷媒を分離することで、前記吸収液を再生する他の再生器と、
前記気化された冷媒を冷却して液体状にする他の凝縮器と、
前記液体状の冷媒を気化させることによって、前記他の再生器で熱交換した後のアノード排ガスを前記冷却温度まで冷却する他の蒸発器と、
前記蒸発器で気化された前記冷媒を前記再生器で再生された吸収液に吸収させて前記再生器に戻す吸収器と、
を有することを特徴とする請求項2乃至4の何れか一に記載の発電システム。
【請求項6】
二酸化炭素及び酸素を含むガスが加圧された状態で供給されるカソードと、水素を含むガスが加圧された状態で供給されるアノードとを有し、作動温度の下で、前記カソードに供給された二酸化炭素を炭酸イオンとして前記アノードに移動させ、前記アノードから二酸化炭素を含むアノード排ガスを加圧した状態で排出する燃料電池と、
前記アノード排ガスと水とを熱交換させることで、前記アノード排ガスを冷却すると共に、前記水を水蒸気とする蒸気発生部と、
前記蒸気発生部で熱交換した後の前記アノード排ガスを前記アノード排ガスに含まれる二酸化炭素が液化するまで冷却し、液体状の二酸化炭素を含む液化アノード排ガスを生成する冷凍機と、
前記液化アノード排ガスから前記液体状の二酸化炭素を分離する分離器と、を備え、
前記冷凍機は、
前記アノード排ガスの排熱によって駆動される吸収式冷凍機であることを特徴とする発電システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−141967(P2011−141967A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−752(P2010−752)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】