説明

白紙検知ユニット、画像処理装置および白紙検知方法

【課題】SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができる白紙検知ユニット、画像処理装置および白紙検知方法を提供する。
【解決手段】主走査方向1ライン分の画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成し、小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックの総和を求め、画像データを副走査方向に数ラインずつ分割した大ブロックそれぞれにおける有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定し、有色領域であると判定された大ブロックが無かった場合に、画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白紙検知ユニット、画像処理装置および白紙検知方法に関し、特にデジタル複写機、FAX、プリンタ等のデジタル画像信号の処理を高速に行う画像処理装置、この画像処理装置に用いられる白紙検知ユニット、白紙検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、FAXやスキャナなどの光学的ラインセンサを用いて画像を読み取る装置には、光源及びラインセンサを一定速度で移動させながら読取ガラス上に載置された原稿の画像を読み取るフラットヘッド方式と、所定位置に位置させた光源及びラインセンサ上を一定速度で原稿を移動させながら画像を読み取るシートフィード方式とがある。
【0003】
フラットヘッド方式の場合には、光源及びラインセンサが読取ガラスの下を移動する様子を利用者自身が目視できるため、原稿を読取ガラス上に載置する際には、読み取りたい面を読取ガラスに接する方向に載置すれば良いことも容易に判断できる。
【0004】
一方、シートフィード方式の場合には、原稿台に載置された原稿が、どの様に搬送されて光源及びラインセンサへ到達するのかは機器によって様々であるため、原稿を原稿台に載置する際の正しい向きを判断することが難しい。その結果、読み取りたい面の裏側をラインセンサが読み取ってしまうといった操作ミスが起こり易い。
【0005】
例えば、コピー動作のように原稿を読み取った機器から即座にその複写画像が出力される場合には、利用者が操作ミスを犯したとしてもすぐに気づく。しかしながら、FAX送信のように、原稿の複写画像が通信相手先の機器から出力される場合には、気づかないまま読み取り動作を済ませてしまうことが多い。いずれのケースも、原稿を正しく載置し直した後に、もう一度、読み取り動作をやり直さなくてはならないため、手間と時間が二重にかかる。また、使用料を支払って、複写機、FAXやスキャナなどを使用している場合にはコストも二重にかかる。
【0006】
そこで、上述した様な利用者の操作ミスを防止する目的で、画像処理機能を用いて原稿読み取り中に正しい面が読み取られているか否かを判定し、誤っていると判定された場合には、利用者へ警鐘する機能を搭載した画像処理装置が幾つか提案されている。このような画像処理機能を用いて正しい面が読み取られているか否かを判定する方法としては、「白紙検知」と呼ばれる方法が一般的であり、例えば特許文献1、2などに記載されている。より詳細には、片面原稿の場合には文字情報や画像情報が印刷されている面は1つと限られており、また一般的な文書は白い用紙に印刷するので、印刷面の裏側は全面白紙である可能性が高い。そういった特徴を利用し、原稿を読み取る際に、読み取った原稿画像に含まれる白領域の割合を算出し、ある一定率以上であった場合には、原稿の裏面を読み取っていると判定するものである。
【0007】
ところで、近年、DSP(Degital Signal Processor)の演算能力が飛躍的に向上したことにより、デジタル複写機、FAX機、プリンタなどの画像処理装置において、今までASIC(Application Specification Integrated Circuit)を用いて実現していた画像処理機能を、DSP、特にSIMD(Single Instruction Multi data stream)型のDSPを用いて実現させる事例が増えてきている。DSPを用いることで、画像処理装置の開発期間短縮や、画像処理機能のアップデート、オンデマンド機能の追加などが可能となり、市場のニーズに合致した画像処理装置を迅速に投入することができるようになる。
【0008】
【特許文献1】特開2000−156762号公報
【特許文献2】特開2000−287024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、SIMD型のDSPは、複数のデジタルデータに対して同じ演算処理を一度に行うことでプロセッサ自身の演算能力を高めているため、SIMD型のDSPを用いて画像処理装置の開発を行う際には、その特徴を生かせる様な画像処理アルゴリズムを出来る限り多く取り入れる必要がある。
【0010】
つまり、例えば特許文献1、2に記載されている方法は、SIMD型DSPへの実装に特化したものではないため、そのままSIMD型DSPで実行させた場合、複数のデジタルデータに対して同じ演算処理を一度に行うといった特徴を十分に生かすことができない。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができる白紙検知ユニット、画像処理装置および白紙検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、SIMD型プロセッサである白紙検知ユニットにおいて、前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成手段と、主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成手段と、前記小ブロック生成手段で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定手段と、前記大ブロック生成手段で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定手段により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定手段と、この有色領域判定手段により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙原稿判定手段と、を備える。
【0013】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1記載の白紙検知ユニットにおいて、前記大ブロック生成手段における前記大ブロック生成に係る副走査ライン数と、前記有色ブロック判定手段における閾値とは、前記画像データの拡縮率に従って可変である。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1記載の白紙検知ユニットにおいて、前記大ブロック生成手段と、前記小ブロック生成手段と、前記有色ブロック判定手段と、前記有色領域判定手段と、前記白紙原稿判定手段とは、先頭ページの前記画像データに対してのみ実行される。
【0015】
また、請求項4にかかる発明の画像処理装置は、原稿を読み取り、読み取った画像情報からデジタルの画像データを生成する画像読取手段と、この画像読取手段により読み取った前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成手段と、主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成手段と、前記小ブロック生成手段で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定手段と、前記大ブロック生成手段で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定手段により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定手段と、この有色領域判定手段により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙判定手段と、を備えるSIMD型プロセッサである白紙検知ユニットと、を備える。
【0016】
また、請求項5にかかる発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記白紙検知ユニットの前記大ブロック生成手段における前記大ブロック生成に係る副走査ライン数と、前記白紙検知ユニットの前記有色ブロック判定手段における閾値とは、前記画像データの拡縮率に従って可変である。
【0017】
また、請求項6にかかる発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記白紙検知ユニットの前記白紙判定手段により前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定された場合に、その旨を報知する報知手段を備える。
【0018】
また、請求項7にかかる発明は、SIMD型プロセッサである白紙検知ユニットにおける白紙検知方法であって、前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成工程と、主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成工程と、前記小ブロック生成工程で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定工程と、前記大ブロック生成工程で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定工程により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定工程と、この有色領域判定工程により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙原稿判定工程と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
請求項1にかかる発明によれば、主走査方向1ライン分の画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成し、小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックの総和を求め、画像データを副走査方向に数ラインずつ分割した大ブロックそれぞれにおける有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定し、有色領域であると判定された大ブロックが無かった場合に、画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する。これにより、全ての画素が色を持った小ブロックの数を計測して閾値と比較するとともに、有色ブロックの総和と閾値との比較も、読み取り画像全体に対してではなくて大ブロックごとに行っていることから、一般的な印刷機器や鉛筆などの文具で描かれる線の太さ(数100nm)以上の幅に色付いた領域だけを計測し、かつ、読み取り画像から幾つかの有色ブロックが見つけられたとしても、それらがある密度をもって集まっていなければ(離散的に有色ブロックが存在していたならば)白紙原稿と判定しないことにより、実際は白紙原稿が読み取られているのにも関わらず、たまたま裏面に付着した異物やインク飛散などの画像までも元から原稿内に描かれていた情報とみなして白紙原稿と判定しない場合を排除することができるので、SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項2にかかる発明によれば、大ブロック生成手段における大ブロック生成に係る副走査ライン数と、有色ブロック判定手段における閾値とは、画像データの拡縮率に従って可変であることにより、副走査方向に拡縮した画像データが読み取られた場合には、大ブロックの副走査ライン数と有色ブロック判定手段における閾値を画像データの拡縮率に従って増減させれば、走査速度の違いによる判定むらを抑えることができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項3にかかる発明によれば、大ブロック生成手段と、小ブロック生成手段と、有色ブロック判定手段と、有色領域判定手段と、白紙原稿判定手段とは、先頭ページの画像データに対してのみ実行されることにより、原稿を見開きで閲覧し易いように、余白調整用の白紙原稿を挿入しているような場合に、白紙原稿と判定してしまう場合を排除することができるので、高精度の白紙判定処理を実行することができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項4にかかる発明によれば、画像読取手段により読み取った主走査方向1ライン分の画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成し、小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックの総和を求め、画像データを副走査方向に数ラインずつ分割した大ブロックそれぞれにおける有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定し、有色領域であると判定された大ブロックが無かった場合に、画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する。これにより、全ての画素が色を持った小ブロックの数を計測して閾値と比較するとともに、有色ブロックの総和と閾値との比較も、読み取り画像全体に対してではなくて大ブロックごとに行っていることから、一般的な印刷機器や鉛筆などの文具で描かれる線の太さ(数100nm)以上の幅に色付いた領域だけを計測し、かつ、読み取り画像から幾つかの有色ブロックが見つけられたとしても、それらがある密度をもって集まっていなければ(離散的に有色ブロックが存在していたならば)白紙原稿と判定しないことにより、実際は白紙原稿が読み取られているのにも関わらず、たまたま裏面に付着した異物やインク飛散などの画像までも元から原稿内に描かれていた情報とみなして白紙原稿と判定しない場合を排除することができるので、SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができるという効果を奏する。
【0023】
また、請求項5にかかる発明によれば、大ブロック生成手段における大ブロック生成に係る副走査ライン数と、有色ブロック判定手段における閾値とは、画像データの拡縮率に従って可変であることにより、副走査方向に拡縮した画像データが読み取られた場合には、大ブロックの副走査ライン数と有色ブロック判定手段における閾値を画像データの拡縮率に従って増減させれば、走査速度の違いによる判定むらを抑えることができるという効果を奏する。
【0024】
また、請求項6にかかる発明によれば、白紙検知ユニットの白紙判定手段により画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定された場合に、その旨を報知する報知手段を備えることにより、原稿の設置ミスによって裏面が読み取られた場合に迅速に利用者へ知らせることができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項7にかかる発明によれば、主走査方向1ライン分の画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成し、小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックの総和を求め、画像データを副走査方向に数ラインずつ分割した大ブロックそれぞれにおける有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定し、有色領域であると判定された大ブロックが無かった場合に、画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する。これにより、全ての画素が色を持った小ブロックの数を計測して閾値と比較するとともに、有色ブロックの総和と閾値との比較も、読み取り画像全体に対してではなくて大ブロックごとに行っていることから、一般的な印刷機器や鉛筆などの文具で描かれる線の太さ(数100nm)以上の幅に色付いた領域だけを計測し、かつ、読み取り画像から幾つかの有色ブロックが見つけられたとしても、それらがある密度をもって集まっていなければ(離散的に有色ブロックが存在していたならば)白紙原稿と判定しないことにより、実際は白紙原稿が読み取られているのにも関わらず、たまたま裏面に付着した異物やインク飛散などの画像までも元から原稿内に描かれていた情報とみなして白紙原稿と判定しない場合を排除することができるので、SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる白紙検知ユニット、画像処理装置および白紙検知方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
本発明の実施の一形態を図1ないし図7に基づいて説明する。本実施の形態は画像処理装置としてMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機を適用した例である。
【0028】
[画像情報システムの概略構成]
図1は、本実施の形態にかかる画像情報システム1の概略構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、画像情報システム1は、イーサネット(登録商標)などのIPネットワーク20に、MFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機3、画像ファイルサーバ4、クライアントコンピュータ5,6、プリンタ7などの各種機器群が接続されて構成される。画像ファイルサーバ4は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ(PC)などであり、IPネットワーク20上で利用される画像を管理する中心的な装置である。クライアントコンピュータ5,6は画像クライアントであり、画像検索、画像処理、画像編集、画像印刷等の画像に関する処理を利用者が行うことができる。クライアントコンピュータ5,6としては、ワークステーション、PCが考えられる。プリンタ7は、IPネットワーク20を介して送られてきた画像を印刷出力する。
【0029】
[複合機の構成]
ここで、複合機3について説明する。図2は、複合機3の構成を示すブロック図である。複合機3は、原稿を光学的に読み取るスキャナである読み取りユニット11を備え、この読み取りユニット11は、原稿に対する光源からのランプ照射の反射光をミラーおよびレンズなどからなる光学系により光学的ラインセンサであるCCD(電荷結合素子)などの光電変換素子に集光する。この光電変換素子は、SBU(センサ・ボード・ユニット)12に搭載され、光電変換素子において電気信号に変換された画像信号はデジタル画像信号に変換された後、SBU12から出力される。なお、光源とCCDの位置は固定されていて、原稿を一定速度で動かすことにより流し読みをする。SBU12から出力されるデジタル画像信号は、WIU(白紙検知ユニット)13へ転送される。すなわち読み取りユニット11及びSBU12により画像読取手段が構成されている。
【0030】
WIU(白紙検知ユニット)13は、白紙検知処理を行うためのSIMD(Single Instruction Multiple Data)型プロセッサである。まず、WIU13は、図3に示すように、SBU12から転送されたデジタル画像データについて、端部が重なり合う様にしてWIU13が一度に処理出来る画素数に矩形分割する。次に、分割した矩形画像ごとに、白紙検知アルゴリズムをSIMD演算によって実施する。そして、SBU12から転送された画像データが白紙原稿と判定された場合には、後述するプロセスコントローラ14に、その旨を通知する。尚、WIU13は白紙検知アルゴリズムを実行する過程で、SBU12から転送された画像データを、そのままCDIC(圧縮/伸長およびデータインターフェイス制御部)15へ転送する。
【0031】
機能デバイスおよびデータバス間における画像データの伝送は、CDIC15が全て制御する。CDIC15は画像データに関し、SBU12、パラレルバス16、IPP(画像処理プロッセッサ)17間のデータ転送、本システムの全体制御を司るシステムコントローラ(CPU)18と画像データに対するプロセスコントローラ14間の通信を行なう。符号18a,18bは、システムコントローラ18が使用するROM、RAMである。それぞれSBU12からの画像信号は、CDIC15を経由してIPP17に転送され、光学系およびデジタル画像信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化とする)が補正されて、再度CDIC15へ出力される。
【0032】
IPP17は、CDIC15から転送されたデジタルの画像データに対して画像処理を行うためのユニットである。画像の周波数特性や階調特性などを、自機の特徴や利用者の要求に併せて最適化する。IPP17において最適化処理が終了したデジタル画像は、再びCDIC15へ転送される。
【0033】
CDIC15は、各ユニット間で行われる種々のデータ転送を円滑に行うためのユニットである。後述するNetwork to Memory動作やMemory to Print動作を行う時に、データパスの切り替えを行う。
【0034】
NCU(ネットワーク制御ユニット)19は、IPネットワーク20に接続された自機以外の端末と通信するためのユニットである。NCU19は、データ送信時においては、IPネットワーク20の通信プロトコルに従って送信データをパケット分割し、IPネットワーク20へ出力する。また受信時においては、IPネットワーク20の通信プロトコルに従ってパケット分割されたデータから、本来の受信データを再生する。
【0035】
IMAC(メモリ制御ユニット)21は、デジタル画像の圧縮や伸張処理を行い、デジタル画像を保存するためのユニットであるMEM(メモリ)22にデジタル画像を読み書きするためのユニットである。
【0036】
液晶タッチパネル23は、利用者が複合機3を使用する際に必要となる情報を表示するためのユニットで、利用者が表示画面に触れる事で、種々の設定を行う事も出来る。図4は、液晶タッチパネル23の表示例を示す平面図である。図4に示す表示例は、読み取り範囲指定、読み取り解像度設定、読み取り画質などの種々の読み取り条件設定画面である。また、液晶タッチパネル23には、スピーカ(図示せず)が設けられており、利用者が液晶タッチパネル23上のソフトキーに触れた時の確認音や、その他の理由で利用者の注意をひくために音を鳴らす。詳細は後述するが、WIU13が読み取り画像の中から白紙原稿を検知した場合には、液晶タッチパネル23にメッセージが表示される。
【0037】
プロセスコントローラ14は、SBU12、CDIC15、WIU13、IPP17の動作を制御して、画像データの流れを制御する。それぞれに必要な設定を行ったり、起動、終了、処理経過などを監視する。また、システムコントローラ18は、IMAC21やMEM22、NCU19、液晶タッチパネル23の動作を制御して、システム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。それぞれに必要な設定を行ったり、起動、終了、処理の経過を監視する。システムコントローラ18とプロセスコントローラ14はパラレルバス16、CDIC15およびシリアルバス25を介して相互に通信を行なう。この際、CDIC15内においては、パラレルバス16とシリアルバス25とのデータインターフェイスのためのデータフォーマット変換を行なう。
【0038】
ローカルバス24によってIMAC21と接続されているRAM18b及びROM18aには、システムコントローラ18やIMAC21、液晶タッチパネル23、MEM22、NCU19が処理を行う際に必要となる情報が保存されている。例えばNCU19がIPネットワーク20を経由して画像データを受信するためのプロトコル情報や、液晶タッチパネル23に文字や図柄を表示するための文字情報やビットマップ情報、またMEM22に蓄積可能なデジタル画像の総量や残量、利用者が液晶タッチパネル23から入力した情報などが保存されている。
【0039】
シリアルバス25に接続されているRAM14b及びROM14aには、SBU12、CDIC15、WIU13、IPP17、プロセスコントローラ14が処理を行う際に必要となる情報が保存されている。例えば、SBU12に搭載するCCDの特性値などが保存されている。また、詳細は後述するが、WIU13がSIMD演算で白紙検知処理を行うためのプログラムも保存されている。
【0040】
なお、転写紙上に画像を形成する場合には、画質処理後の画像データがIPP17からVDC(ビデオ・データ制御)26に転送され、面積階調に変化された信号に対し、ドット配置に関する後処理およびドットを再現するためのパルス制御を行い、電子写真方式で画像形成するプリンタエンジンである作像ユニット27により、転写紙上に再生画像を形成する。なお、作像ユニット27の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、様々な方式を用いることができる。
【0041】
[Scan to Memory 動作とMemory to Network動作についての説明]
次に、複合機3の基本動作であるScan to Memory 動作とMemory to Network動作について説明する。
【0042】
Scan to Memory動作とは、読み取りユニット11を介してSBU12で原稿を読み取り、そのデジタル画像をMEM22へ蓄積する動作のことである。利用者は、読み取りユニット11内に設置された原稿台に原稿を置き、液晶タッチパネル23から種々の読み取り条件を設定する(図4参照)。液晶タッチパネル23において確定ボタンが操作されると、利用者が設定した読み取り条件は、プロセスコントローラ14とシステムコントローラ18へ転送される。プロセスコントローラ14は、転送された読み取り条件をRAM14bへ保存し、また読み取り条件に従った動作をSBU12とCDIC15とWIU13とIPP17へ指示する。システムコントローラ18は、転送された読み取り条件をRAM18bへ保存し、また読み取り条件に従った動作を、IMAC21とMEM22とNCU19へ指示する。各ユニットへの指示が完了すると、SBU12は読み取りユニット11を介して原稿台に置かれた文書を読み取り、デジタル画像データをWIU13へ転送する。WIU13は、デジタル画像に対して白紙検知アルゴリズムを実行し、CDIC15を経由してデジタル画像データをIPP17へ転送する。ここでIPP17は、SBU12の光学特性を補償するための画像処理を行い、デジタル画像データをCDIC15へ戻す。CDIC15は、IPP17から受け取ったデジタル画像データをパラレルバス16を経由してIMAC21へ転送する。IMAC21は、デジタル画像データをMEM22に蓄積可能な保存形式へ圧縮してMEM22へ保存する。動作中、SBU12とWIU13とIPP17とCDIC15の状態は、逐次プロセスコントローラ14へ通知され、またIMAC21とMEM22の状態は、逐次システムコントローラ18へ通知される。デジタル画像データの保存が完了すると、プロセスコントローラ14は、液晶タッチパネル23にその旨を表示し、Scan to Memory動作を終了する。
【0043】
一方、Memory to Network動作とは、MEM22に蓄積されたデジタル画像データを自機以外の情報処理端末へ送信する動作のことである。IMAC21は、MEM22からデジタル画像データを読み出して、保存する前の画像形式へ伸張する。その後、IMAC21は、パラレルバス16を経由してCDIC15にデジタル画像データを転送する。CDIC15は、IMAC21から転送されたデジタル画像データをIPP17へ転送する。IPP17では、デジタル画像データの周波数特性や階調特性などを最適化するための画像処理が行われる。IPP17で画像処理されたデジタル画像データは、再びCDIC15へ転送される。CDIC15は、IPP17から転送されたデジタル画像データをパラレルバス16を経由してNCU19へ転送する。NCU19は、デジタル画像を、例えばTIFF形式やJPEG形式といった汎用のファイル形式に変換して画像ファイルを生成する。そして、IPネットワーク20の通信プロトコルに従って、送信先の情報処理端末へ画像ファイルを送信する。動作中、IMAC21とMEM22とNCU19の状態は、逐次システムコントローラ18へ通知される。NCU19によるデジタル画像の送信が完了すると、システムコントローラ18は液晶タッチパネル23にその旨を表示し、Memory to Network動作を終了する。
【0044】
なお、上述したようなScan to MemoryのジョブとMemory to Networkのジョブは、必ずしも交互に実施する必要はない。例えば、IPネットワーク20が混雑している時は、Scan to Memoryのジョブだけを先行して行っても良い。その様にすれば、IPネットワーク20の混雑状況に関わらず、安定した速度で原稿の読み取り動作を行う事が出来る。またPDF形式やマルチTIFF形式の様に1つの画像ファイルに複数の読み取り画像を格納できるファイル形式もあるので、Scan to Memoryのジョブを実施する回数とMemory to Networkのジョブを実施する回数は必ずしも等しくならない。これらのジョブ管理はシステムコントローラ18が行う。
【0045】
[白紙検知処理のシステム動作についての説明]
次に、利用者が複合機3を使って原稿を読み取り、その画像ファイルを外部に設けられた画像ファイルサーバ4へ転送するまでの動作事例を紹介しながら、白紙検知処理のシステム動作について説明する。
【0046】
まず、利用者はIPネットワーク20に接続されている画像ファイルサーバ4の中に、これから読み取りを行う原稿の画像ファイルが保存出来る場所を確保しておく。そして、複合機3側においては、液晶タッチパネル23を使って、画像ファイルサーバ4のIPアドレスと画像ファイルの保存先のパス名を設定しておく。
【0047】
次に、利用者は読み取りユニット11の原稿台の上に原稿を置いて、液晶タッチパネル23から種々の読取条件を入力する。そして、全ての入力が完了したら確定ボタンを操作する。液晶タッチパネル23は確定ボタンが操作されると、その旨をプロセスコントローラ14に通知して読取条件をRAM14bに保存する。読取条件がRAM14bに保存されると、複合機3は、設置された原稿の枚数分だけScan to Memory動作を繰り返し、MEM22に画像データを蓄積する。この時、WIU13は、先頭ページの読み取り画像に対してのみ白紙検知アルゴリズムを実行する。2枚目以降の読み取り画像については実行しない。そして、先頭ページが白紙原稿と判断された場合には、その旨をプロセスコントローラ14に通知する。プロセスコントローラ14は、先頭ページが白紙原稿であった場合には、図5に示すように、液晶タッチパネル23上に原稿の表裏が逆に設置されていることを示唆するメッセージを表示するとともに、スピーカを使って警告音を鳴らす。ここに、報知手段が実行される。
【0048】
ここで、Scan to Memory動作中は、全ての読み取り画像がSBU12からWIU13へ転送されるのにも関わらず、先頭ページに対してのみ白紙検知アルゴリズムを実行する理由は、原稿の設置ミスを検知することを目的としているためである。もし2枚目以降の原稿が白紙原稿と判定されたとしても、それが原稿の設置ミスによるものとは限らない。図6に示すように、原稿を見開きで閲覧し易いように、余白調整用の白紙原稿を挿入していることが考えられるからである。それに対して、先頭が白紙ページから始まる原稿はまず無い。また、仮にその様な原稿が存在した場合でも、先頭の白紙ページを除いてコピーをとり、最後に白紙を追加するのが一般的な操作といえる。
【0049】
Scan to Memory動作が終了すると、次は、送信する画像ファイルの数だけMemory to Network動作を繰り返し、画像ファイルサーバ4へ画像ファイルを送信する。画像ファイルサーバ4は画像ファイルを受信すると、先に利用者が作成した場所に、固有のファイル名を付けて保存する。ここで固有のファイル名とは、個々の画像ファイルが識別出来る名称のことである。例えば同時刻に複数の画像ファイルを保存することが無いのであれば、固有の名称に受信時刻を含める案もある。一例を示すと2010年10月01日12時25分40秒にTIFF形式の画像ファイルを保存したのであれば、それぞれの数字を羅列した20101001122540.TIFFという名称で保存することも出来る。画像ファイルの保存が完了した後は、利用者自身が都合の良い時に、クライアントコンピュータ5,6にインストールされている画像閲覧ソフトを使って、画像ファイルサーバ4に保存された画像を閲覧したり、また別の情報処理端末へ画像ファイルを移動/コピーする事ができる。
【0050】
[白紙検知アルゴリズムについての説明]
次に、WIU13で実施している白紙検知アルゴリズムの一例を図7を用いて説明する。まず、SBU12から転送されたデジタルの画像データは、図3に示す様に矩形分割される。次に、この矩形画像を一定画素数でさらに分割する(以降、分割した領域を小ブロックと称する)。この時、WIU13が一度に処理する画素数の公約数となる画素数を選び等分割する。ここに、小ブロック生成手段が実行される。そして、小ブロック内の全画素の画素値が一定の濃さ(以降、有色画素判定閾値と称する)を持っている小ブロックがあれば、それを有色ブロックとみなす。ここに、有色ブロック判定手段が実行される。そして、図7に示す様な一定ライン数の画像領域(以降、大ブロックと称する)について有色ブロックの総和を求め、総和が一定の個数(以降、有色領域判定閾値)以上であった場合には、その大ブロックを有色領域とみなす。ここに、大ブロック生成手段および有色領域判定手段が実行される。これらの動作を、1枚分の読み取り画像について行い、1つも有色領域が見つからなかった場合には、その原稿を白紙と判定する。ここに、白紙原稿判定手段が実行される。
【0051】
本実施の形態のWIU13では、従来技術で多く見られるような、色を持つ画素の数を計測して、ある一定閾値以上であれば非白紙原稿、閾値未満であれば白紙原稿といった判定を行わず、全ての画素が色を持った小ブロックの数を計測して閾値と比較している。この様な処理にしている理由は、原稿の設置ミスを検知する目的で、読取画像の白紙判定を行っているからである。もし色を持った画素を画素単位で計測し、閾値比較を行ったとすれば、実際は原稿の裏面が読み取られているのにも関わらず、たまたま裏面に付着した異物やインク飛散などの画像までも、元から原稿内に描かれていた情報とみなし、白紙と判定しない可能性が考えられる。全面が綺麗な白紙であるか否かを判定することが目的であれば正しい判定ともいえるが、本実施の形態では文字や図柄といった情報が印字されている面(表面)であるのか、そうでないのか(裏面)を判定することが目的であるため、一般的な印刷機器や鉛筆などの文具で描かれる線の太さ(数100nm)以上の幅に色付いた領域だけを計測する方法が適していると考えられる。また、同様の理由から、有色ブロックの総和と閾値との比較も、読み取り画像全体に対してではなくて大ブロックごとに行っている。もし読み取り画像から幾つかの有色ブロックが見つけられたとしても、それらがある密度をもって集まっていなければ(離散的に有色ブロックが存在していたならば)、何らかの原因で読み取り画像に混入した異物である事が考えられる。この様に、不要な画像情報は排除しながら白紙判定を行うことによって判定精度を高めている。
【0052】
また、本実施の形態の複合機3の読み取りユニット11の様に、原稿を一定速度で動かしながら画像を読み取るユニットを搭載した画像処理装置では、原稿を動かす速度を変えることで副走査方向に拡縮した画像を読み取ることが出来るため、原稿の拡大画像や縮小画像などを作る時に、この手法が良く用いられている。この場合、SBU12からWIU13に転送される画像は副走査方向に拡縮した物であるため、大ブロックのライン数を拡縮率に応じて増減させ、原稿内の同じ領域が区切れるようにする(図7参照)。そして、大ブロックのライン数が変化することで、1つの大ブロック内に存在する小ブロックの数が変化するため、拡縮率に応じて有色領域判定閾値を増減させて、拡縮率による判定ムラを防止する。
【0053】
このように本実施の形態によれば、主走査方向1ライン分の画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成し、小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックの総和を求め、画像データを副走査方向に数ラインずつ分割した大ブロックそれぞれにおける有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定し、有色領域であると判定された大ブロックが無かった場合に、画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する。これにより、全ての画素が色を持った小ブロックの数を計測して閾値と比較するとともに、有色ブロックの総和と閾値との比較も、読み取り画像全体に対してではなくて大ブロックごとに行っていることから、一般的な印刷機器や鉛筆などの文具で描かれる線の太さ(数100nm)以上の幅に色付いた領域だけを計測し、かつ、読み取り画像から幾つかの有色ブロックが見つけられたとしても、それらがある密度をもって集まっていなければ(離散的に有色ブロックが存在していたならば)白紙原稿と判定しないことにより、実際は白紙原稿が読み取られているのにも関わらず、たまたま裏面に付着した異物やインク飛散などの画像までも元から原稿内に描かれていた情報とみなして白紙原稿と判定しない場合を排除することができるので、SIMD型DSPの演算能力を効率よく利用した高精度の白紙判定処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の一形態の画像情報システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【図2】複合機の構成を示すブロック図である。
【図3】主走査方向1ライン分の画像データをSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割する様子を示す説明図である。
【図4】液晶タッチパネルの表示例を示す平面図である。
【図5】原稿の表裏が逆に設置されていることを示唆するメッセージの表示例を示す平面図である。
【図6】余白調整用の白紙原稿を挿入している様子を示す説明図である。
【図7】大ブロックを模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0055】
3 画像処理装置
11,12 画像読取手段
13 白紙検知ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIMD型プロセッサである白紙検知ユニットにおいて、
前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成手段と、
主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成手段と、
前記小ブロック生成手段で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定手段と、
前記大ブロック生成手段で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定手段により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定手段と、
この有色領域判定手段により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙原稿判定手段と、
を備えることを特徴とする白紙検知ユニット。
【請求項2】
前記大ブロック生成手段における前記大ブロック生成に係る副走査ライン数と、前記有色ブロック判定手段における閾値とは、前記画像データの拡縮率に従って可変である、
ことを特徴とする請求項1記載の白紙検知ユニット。
【請求項3】
前記大ブロック生成手段と、前記小ブロック生成手段と、前記有色ブロック判定手段と、前記有色領域判定手段と、前記白紙原稿判定手段とは、先頭ページの前記画像データに対してのみ実行される、
ことを特徴とする請求項1記載の白紙検知ユニット。
【請求項4】
原稿を読み取り、読み取った画像情報からデジタルの画像データを生成する画像読取手段と、
この画像読取手段により読み取った前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成手段と、主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成手段と、前記小ブロック生成手段で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定手段と、前記大ブロック生成手段で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定手段により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定手段と、この有色領域判定手段により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙判定手段と、を備えるSIMD型プロセッサである白紙検知ユニットと、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記白紙検知ユニットの前記大ブロック生成手段における前記大ブロック生成に係る副走査ライン数と、前記白紙検知ユニットの前記有色ブロック判定手段における閾値とは、前記画像データの拡縮率に従って可変である、
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記白紙検知ユニットの前記白紙判定手段により前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定された場合に、その旨を報知する報知手段を備える、
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項7】
SIMD型プロセッサである白紙検知ユニットにおける白紙検知方法であって、
前記画像データを、副走査方向に数ラインずつ分割して大ブロックを生成する大ブロック生成工程と、
主走査方向1ライン分の前記画像データを、SIMD演算を用いて1度に処理可能なSIMD画素数の公約数に等しい画素数で分割して小ブロックを生成する小ブロック生成工程と、
前記小ブロック生成工程で生成された前記小ブロック内の全画素の画素値が一定の閾値以上の濃度を有する有色ブロックであるか否かを判定する有色ブロック判定工程と、
前記大ブロック生成工程で生成された前記各大ブロックについて前記有色ブロック判定工程により判定された前記有色ブロックの総和を求め、前記各大ブロックにおける前記有色ブロックの総和が一定の閾値以上の個数であった場合には、当該大ブロックを有色領域と判定する有色領域判定工程と、
この有色領域判定工程により有色領域であると判定された前記大ブロックが無かった場合に、前記画像データは白紙原稿を読み取ったものと判定する白紙原稿判定工程と、
を含むことを特徴とする白紙検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−74270(P2007−74270A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−258178(P2005−258178)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】