白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ
本考案は、ある種の特殊な生体(または化学)物質の存在および変化を検出するための、白色光反射干渉の分光変化規則を応用した光ファイバアレイバイオチップを開示する。該チップは光ファイバをバイオセンサとして用いており、薄膜反射干渉測定装置の感知基準となり得るよう、光ファイバおよび被検物質とは異なる一層以上の材料を光ファイバの端部に塗布するものであって、このうちの少なくとも一層は被検目標生体(または化学)分子を吸着可能な相補材料である。被検分子が相補材料の表面または内部に吸着された後、反射干渉光の分光分布が変化する。このようなスペクトル線の偏移が、つまり試料分子の濃度、吸着速度、および幾何学的寸法の変化を量的または質的に分析するのに用いられる。複数の光ファイバを線状アレイまたは面状アレイに配列してバイオチップを形成するとともに、N:1の光ファイバカプラを合わせて、一台の検出装置による生化学物質の単一試薬の複数標識または複数試薬の複数標識の並行検出が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は光電検出技術分野における検出装置に関し、詳細にはある種の特殊な生体(または化学)物質の存在および変化を検出するための白色光反射の分光位相偏移を応用した光ファイバアレイバイオチップに関する。
【背景技術】
【0002】
試料中におけるある種の特殊な生体または化学物質の有無を検出するものは、ライフサイエンスの研究、医薬品開発および医学診断において常用される方法である。例えば、免疫検査においては、血漿中におけるある種の特殊な抗体の有無を検査する必要がある。抗原はその相補的な抗体とともに反応する物質であるため、これを用いて血漿中におけるその相補的な抗体の有無を検査することができる。生体検査では、拡散法、電気泳動法、蛍光法などの方法を用いてある種の抗体の有無を検出することができる。
【0003】
拡散法は通常免疫試験に用いられ、これは血清の処理プロセスであり、抗体と抗原の溶液を細胞ゲル層の互いの間に拡散させることにより、抗原とこれに相補する抗体との作用が二種類の液体の間に一本の沈澱線として現れるものである。電気泳動法は複数の生体検出に広く用いられている。これはある試料の処理プロセスであり、電気泳動により生じたイオン移動により被検成分を分離して、さらに相補的な生体の拡散または標識作用によりこれらを観察するものである。蛍光法は生体反応を識別するプロセスであり、ある種の抗原が特殊な標識上に付着し、ある種の波長の光(例えば紫外線)が照射されたときに蛍光発光が発生し、これによりこの種の抗原の識別が容易になるものであり、その他の標識には更に放射性同位元素、電子、磁性、酵素標識などがある。
【0004】
光ファイバ技術を用いて試験を行なう方法は、現在、主に光ファイバ蛍光と化学発光バイオセンサである。このような光ファイバのセンサは商品化応用および研究開発において最も広く汎用しているものとの一つとして考えられる。そしてそれぞれ異なる作用原理に基づくサンドイッチ型のバイオセンサおよびディスプレースメント型のバイオセンサという二種類のタイプの光ファイババイオセンサがすでに開発されている。これらの動作原理は図1a、図1b、図1cおよび図1dに示すとおりである。便宜上、抗原抗体の試験を例として、この二種類のバイオセンサの動作原理を説明する。
【0005】
図1aに示すように、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサは以下のように動作する。末端に試薬102(例えば抗原)が塗布された光ファイバ100を溶液104に浸し、溶液104中における試薬102と相補する抗体106の有無を検出する。もし溶液104中に相補的な抗体106が確かに存在している場合、該抗体は試薬102と結合する。光ファイバ100は、十分な長さの反応時間を確保するために溶液104中に十分な長さの時間分浸し、その後塩水類で洗浄することになる。
【0006】
図1bに示すように、符号112の蛍光標識剤が試薬110に吸着される。試薬102が塗布された光ファイバ100およびその上に結合した抗体106を試薬110(例えば抗原)内に浸すと、標識112を有する試薬110が抗体106と結合する。光源(図示しない)が光ファイバ100の根元部を照射すると、光ファイバ100に沿って末端にまで導光され、試薬102、抗体106の順に照射し、最終的には抗体106に結合した蛍光標識112を有する試薬110を照射する。試薬110は光により励起され、蛍光信号を発する。以上から理解できるように、光ファイババイオセンサの末端は試薬102、抗体106および蛍光標識112を有する試薬110などの三層の物質を備えているため、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサと呼ばれる。サンドイッチ型の光ファイババイオセンサについては、試料中の抗体106の濃度が高いほど、蛍光標識を有する試薬110と更に多く結合するため、発せられる蛍光信号はより強くなる。
【0007】
図1cに示すように、オフセット型の光ファイババイオセンサは光ファイバ100とその末端に塗布された試薬120(例えばある種の抗原)とから構成されている。酵素標識124を有する試薬122(抗体)は透析能力を持つ薄膜130内に密封されている。試薬122(抗体)と試薬層120(抗原)とが相補する。したがって、試薬122は常に試薬層と結合する傾向にある。この装置を試料溶液150中に浸し、試料溶液150中における試薬120と相補する抗体140の有無を検査する。図1dに示すように、もし試料溶液150中に該抗体があると、この抗体は蛍光標識を有する試薬122と競合し、光ファイバ100の末端の抗原層120と結合しようとする。このとき、光ファイバ100の根元部に光源(図示しない)を付与すると、試薬層120と結合し標識を有する試薬122が光の励起により、蛍光信号を発する。この場合、試料溶液150中の抗体140濃度が高いほど、より多くの抗体140と光ファイバ100末端の試薬120とが結合し、蛍光標識を有する試薬122と試薬120との結合量が減るほど、結果として発せられた蛍光信号の強度が弱くなる。したがって、抗体140の濃度と発せられる光強度とが反比例する。
【0008】
上記の光ファイババイオセンサには少なからず欠点がある。サンドイッチ型の光ファイババイオセンサについては、光ファイバ100を先ず試料溶液104に浸し、洗浄し、更に試薬110を含有する(標識112を有する)溶液108内に浸さなければならない。化学的検査では二つの異なる反応工程を経る必要があり、繁雑で、しかも、被検物の濃度がある閾値を超えたときのみ検出され、抗体106と試薬102の結合速度をリアルタイムで検出することはできない。さらに、化学的検査が繁雑で、そして大部分の標識(蛍光標識剤)は有毒で、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサは体内での直接の検出に用いることはできない。
【0009】
大部分の標識は保存時、特に光の下では不安定である。これ以外にも、上記方法中における光の強い信号は、例えば光源の不安定、温度変化、ファイバの屈曲に起因する光の損失など、環境およびノイズを含むシステムの影響を受けやすい。
【0010】
ディスプレースメント型の光ファイババイオセンサについては、薄膜130がバイオセンサのコストとサイズの増大を招く。このようなセンサは大型で、試薬の標識も有毒である可能性があり、これもまた体内での検出に不向きである。
【0011】
別のタイプの光学センサは表面プラズモン共鳴(SPRと略される)センサと呼ばれ、図2aに示すように、薄い金属層204でめっき処理されたプリズム202を備え、金属層204がプリズムと絶縁体208との界面とされている。横方向で磁化され単方向に偏光した一本の光がプリズム202の一面に入射すると、金属層204で反射され、プリズムの他面に達する。反射されたビームの強度が、入射ビーム206の入射角θの大きさを計算するために検出される。図2bに示すように、屈折したビームの強度はある特殊な入射角θSP箇所で突然下降するが、この角度において、入射光のエネルギーは金属絶縁体との境界面での励起により生じた表面プラズマ(またはSP)の波形と一致する。もし一層の薄膜が薄膜金属層204上に堆積していると、特に金属層近傍で絶縁物質の有効屈折係数が変化してしまう。有効屈折係数は絶縁物質と堆積膜との厚さおよび密度の大きさに依存することから、もし堆積膜の膜厚に変化が生じると、屈折率も変化するため、臨界入射角θSPも変化してしまう。臨界入射角θSPの値を試算することにより、堆積膜の膜厚および密度が導きだされる。
【0012】
さらに、別のタイプのバイオセンサは、グレーティングバイオセンサと呼ばれ、図3に示すように、入射した一本のレーザビーム302が平面導光体304の一端に進入する。平面導光体304は非常に薄い高屈折率膜306と、該膜の基体としてのガラス体308とを備える。薄膜306の一部表面にはグレーティング310が刻設されている。表面で突出したグレーティング310はレーザ光302をαの角度で平面導光体に射出するものであり、αは導光法線と光線との挟み角である。αの大きさはレーザ光の導光モードの有効屈折係数に関係する。
【0013】
表面で突出したグレーティング310には先ず試薬層が塗布される。液体試料314を収容した容器312をグレーティング310上に装着するが、もし試料314中の物質と試薬層とが反応した場合、有効屈折係数に変化が生じ、出射角αが変化してしまう。
【0014】
レンズ316は出射ビームを一次元の光センサ(またはPSD)318に集光させる。光センサ318の出力はA/Dコンバータ320によりサンプリングされ、コンピュータ322中に送られ分析される。有効屈折係数の変化による出射ビーム角度αの変化は、試薬およびそれに結合した物質が生成する薄膜の膜厚に関係することから、光点の移動量に基づいて該薄膜の膜厚を算出することができる。
【0015】
グレーティングバイオセンサには数々の欠点がある。まず、センサの反応速度が遅いという、「ドリフト現象」と呼ばれているものである。もし試料が含有する被検物の濃度が低い場合、有効屈折係数の増加がドリフト現象によるものか否かを判断するのが難しい。第二に、グレーティングバイオセンサは遠距離の測定には使用できない。また、センサのサイズが大きいことから、体内での検出に適さない。このような大きなサイズは単一試料の数回の検出に不利で、しかもセンサが長すぎるため、大量の試料が必要となる。最後に、特にマイクロ型の場合、グレーティング内蔵型の平面導光体は複雑で且つ製造コストが嵩む、というものである。
【0016】
また、微小溝薄膜の反射干渉を原理としたバイオセンサもある。図5に示すように、ガラスまたは石英からなる基板514上をポリスチレン膜502で被覆して生体基板500を形成する。図6に示すように、生体基板500を流路602の底部に配置し、シリコンを溝上部とする。複数本の石英光ファイバ604の一端を基板514の下面に接続する。光ファイバ604の他端の第一分岐606と分光測定装置610とを接続する。他の分岐608と光源612とを接続する( 例えばキセノンランプまたは20Wのハロゲンランプ)。
【0017】
続いて、一定濃度の試薬504を含有する溶液(例えばある種の免疫抗原)を流路602に流し、これにより膜502上に抗原層504が付着する。流路を洗浄し、増加された抗原層504の厚さを一定に保持するが、このときタンパク質でこれを凝固させる。その後再度洗浄する。
【0018】
最後に、試料溶液を流路602に一定時間内流す。もし試料溶液内に抗原504と相補する抗体506が含まれていると、これらは溝内で結合し、このようにして溝内膜の膜厚が増加することになる。タンパク質分子は通常、光源612が出射した光波の波長より短いため、増加した単一分子タンパク質層は膜厚を増加させたのみと見なされることができる。
【0019】
分光測定装置610は異なる時間内における反射光波のスペクトルまたは強度を測定するものである。図4に示すように、膜厚が増加したとき、分光測定装置610の一回目の出力がA、二回目の出力がBとされる。膜厚の増加量Δはフレネルの法則により確定する。つまり、薄膜反射の干渉光の強度Iは下記式により表すことができる。
【数1】
式中、Δは光路長であり、λは入射光の波長である。I1とI2の強度は近似していることから、両者は概ね等しいと考えることができる。
【0020】
I1=I2=IRとした場合、上記式は下記のように簡素化できる。
【数2】
したがって、有効光路長Δは反射光の光強度および光波の波長により確定できる。Δに基づいて膜厚を求めることができる。
【0021】
上記の微小溝の干渉測定装置では、標識を必要とせず、しかも検出結果が最終的なデータに限らない等という長所があるものの、しかし数々の問題点がある。まず、微小溝のサイズが依然大きく、多量の試料が必要となるか、または高濃度の試料が要求される。次にこの方法では大量の並行試験の実現が確実に困難となる。最後に、大きなサイズは体内での検出に適さない、というものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記した従来技術に存在する欠点または不足に基づいて、バイオセンサは下記するいくつかの面で改善を施さなければならない。
(1)複数種および並行での化学的検査の目的を同時に実現可能なアレイ型バイオチップ。
(2)不安定または有毒な試薬または標識剤を使用しない。
(3)連続的にサンプリングすることで反応工程を監視し、同時に反応の最終値も測定できる。
(4)製造コストが低廉で、サイズが小さく、使用に便利。
(5)高感度で、線形域が大きい。
(6)非相補的な吸着を防止可能である。
【0023】
本考案の目的は、白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップを提供するものであり、該チップは集積化された光ファイバが生体プローブとされ、プローブ上に塗布された生体または化学塗布層を薄膜反射干渉測定装置の感知基準とするものであり、このうちの少なくとも一層は被検目標生体(または化学)分子を吸着可能な相補材料である。被検分子が相補材料の表面または内部に吸着された後、反射干渉光の分光分布が変化する。このようなスペクトル線の偏移により、試料分子の濃度、吸着速度、および幾何学的寸法の変化を量的または質的に分析する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を実現するための技術において、白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップは、
a)線状アレイ光ファイババイオチップ、面状アレイ光ファイババイオチップ、面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップと、
b)前記チップに対応した微小流路と、
c)光ファイバアレイコンバータと、を備え、
前記線状アレイ光ファイババイオチップは、一つ以上の線状アレイ光ファイバモジュール1000がチップ本体1008内に封止されたものであり、前記線状アレイ光ファイバモジュール1000は線状アレイに配列された光ファイバ1001が密封器1002内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイババイオチップは面状アレイ光ファイバモジュール1010がチップ本体1019内に封止されたものであり、前記面状アレイ光ファイバモジュールは面状アレイに配列された光ファイバ1011が密封器1012内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップは、ガラス基板1022表面を所望の生体(化学)分子層1023で被覆したものであり、生体(化学)分子層はドットマトリクス状に配置され、ガラス基板1022は微小流路体1024と一体に封止されており、光ファイバモジュール1025または光ファイバコンバータ1300、1304はガラス基板1022の後面に配設され、これらの間に屈折率を一致させる液体1028が注入され、光ファイバモジュール1025または光ファイバコンバータ1300、1304の全ての光ファイバ1026、1301または1305は生体(化学)分子層のドットマトリクス1023に一対一で対向していることを特徴とする。
【0025】
本考案のその他の特徴は、前記光ファイババイオチップおよびこれに対応した微小流路の構造形式には、
1)線状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この線状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、
光ファイバ1001が密封器1002内に封止され光ファイバモジュール1000を構成し、二つの光ファイバモジュール1000aおよび1000bが相対的に平行に配置されて、微小流路1005を形成し、微小流路1005の両側が入口1006および出口1007に連通しており、出口1007は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
2)面状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この面状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、
光ファイバ1011が密封器1012内に封止され光ファイバモジュール1010を構成し、光ファイバ1011は線状アレイでも面状アレイでも配列可能であり、光ファイバモジュール1010はチップ本体1019の底部に垂直に嵌設されており、光ファイバ端面1013の前方は水平の微小流路1015であり、その両側は分配溝1014および1016にそれぞれ連通しており、分配溝1014および1016の上部はそれぞれ入口1017および出口1018であり、出口1018は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
3)面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型であって、
この面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型は、
ガラス基板1022上にドットマトリクス状に配置した生体(化学)分子層1023を作製し、これをもって前記チップの光ファイバモジュール表面1013と置換し、微小流路体1024がガラス基板1022上における生体(化学)分子層が作製された面に圧接され、ガラス基板1022の他面は光ファイバモジュール1025に接続され、両者の間には屈折率を一致させる液体1028が注入されているものと、
の三種類の基本型があり、
前記光ファイバチップおよびこれに対応する微小流路の構造形式は、前記三種類の基本型を基礎として、その他数種類の実用化されたチップ構造を開発することが可能である。
【0026】
前記その他の実用化されたチップ構造とは、
1)複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せであって、
光ファイバ1101を均等距離で密封器1102内に封止して光ファイバモジュール1100を構成し、光ファイバモジュールの上面が複数チャネルの微小流路体1103となり、その両端が入口1105および出口1106にそれぞれ連通し、押え板1107が下向きで微小流路体1103をチップ1100上に圧接し、押え板1107の下面にはキャビティ1108が設けられ、該キャビティは全ての出口1106の上に配設されており、キャビティの上方には何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ1109が設けられているもの、
2)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップであって、
線状アレイ光ファイバモジュール1200がチップ本体1203内に封止され、生体(化学)分子層が作製された光ファイバ端面1202を微小流路1205に対向させており、微小流路の一端が廃液室1207および出口1206に連通し、他端が吸引パイプ1204に連通しており、吸引パイプ1204の配列形態は試薬槽1210と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、押え体1209がチップ本体1203上に圧接され、吸気パイプ1208が押え体1209内に嵌設され、吸気パイプ1208は何らかの微流量ポンプに連通可能であるもの、
3)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールであって、
複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ1203’が押え体1212に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、また、押え体1215の下面に気体溝1213が設けられ、何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ1214が気体溝中央位置の上方に設けられ、全てのチップを一括に排気することも可能であるもの、
4)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップであって、
予めガラス基板1022’上面にドットマトリクス状の生体(化学)分子層1023’を作製し、そしてチップ本体1229上に嵌設し、光ファイバモジュール1027’をガラス基板1022’の後面に配置し、その間に屈折率を一致させる液体1028’を注入し、押え体1230がチップの排気孔1206’の上部に圧接され、押え体1230上の吸気パイプ1214’が何らかの微流量ポンプに連通可能であり、前記モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップと同様に、N個の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップ1229を並列にして組合せモジュールを構成することが可能であり、吸引パイプ1204’は試料容器1210’の位置と一致するように配列することが可能であり、Nの数は限定されないもの、
5)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップの組合せモジュールであって、
モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理で、複数の線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップ1229を組合せモジュールとして組立てるものであり、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよいもの、である。
【0027】
前記光ファイバモジュール1000、1010、1025、1100および1200の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、光ファイバ端面はさらに活性化処理、通常はシラン化処理が施されており、必要な際には最後に所望の生体(化学)分子層が被覆される。
【0028】
本考案の光ファイバアレイバイオチップは集積化された光ファイバが生体プローブとされ、プローブ上に塗布された生体または化学塗布層を薄膜反射干渉測定装置の感知基準とするものであり、このうちの少なくとも一層は被検目標生体(または化学)分子を吸着可能な相補材料である。被検分子が相補材料の表面または内部に吸着された後、反射干渉光の分光分布が変化する。このようなスペクトル線の偏移が、つまり試料分子の濃度、吸着速度、および幾何学的寸法の変化を量的または質的に分析するのに用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本考案の光ファイバアレイバイオチップを詳細に説明する前に、その光ファイバプローブのバイオセンサについて説明しなければならない。
白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバプローブのバイオセンサは、
a)光源804と、
b)光ファイバ生体プローブ700と、
c)反射ビームが形成する干渉分光パターンを検出する検出手段818、829と、
d)光源と光ファイバプローブを接合し、光ファイバプローブと検出手段とを接合するカプラまたはコネクタ802と、
e)検出手段818が二回検出した干渉分光パターンの位相を確定するとともに、二回のパターンの位相移動により確定された被検物質の濃度を検出する信号処理手段と、
信号処理手段は、マイクロプロセッサ830と、プログラム記憶手段832と、RAM834とを備え、通常の方法で接続されており、
f)位相トラッキング手段822と、
g)出力手段824と、
h)周期信号生成手段820と、
i)光学カプラ808、812と
j)導光手段806、828、816、814、810と、を備え、
光ファイバ生体プローブ700は末端に試薬が塗布されている光ファイバであり、その根元部が入射ビームを受光し、その末端には一層以上の材料および試薬が塗布されている一本の光ファイバを含み、光ファイバ生体プローブは少なくとも入射ビームにより生じた反射ビームを発生させるものであり、光ファイバ生体プローブ700はコネクタ802を介して光ファイバ生体検出装置の導光手段814に接続されている。
【0030】
光源804は広帯域光源である。光源が出射したビームは、例えば光ファイバといった導光体に入射するものであり、「Y」形の光学カプラ808を介して光学的な方法で導光手段806と他の導光手段828とを接続し、導光手段828は検出手段829に接続されており、前記検出手段829は分光測定装置であり、更に一次元の電荷結合素子(CCD)を備えている。検出手段829は周期信号生成手段820に接続されている。
【0031】
光学カプラ812は導光手段814と他の導光手段816とを接続しており、導光手段816は検出手段818に接続されており、前記検出手段818も分光測定装置であり、更に一次元の電荷結合素子(CCD)を備えている。検出手段818は周期信号生成手段820に接続されている。
【0032】
光学カプラ808は更に導光手段806と他の導光手段810とを光学的に接続し、光学カプラ812は導光手段810と他の導光手段814とを光学的に接続している。
導光手段814はカプラ802を介して生体プローブ700に接続されている。
【0033】
位相トラッキング手段822は周期信号生成手段820と、出力手段824と、信号処理手段とに接続されており、周期信号生成手段820もまた信号処理手段に接続されており、光源804と、検出手段818と、出力手段824はいずれも信号処理手段に接続されている。
導光手段806、828、816、814、810はシングルモードの光ファイバであるが、マルチモードの光ファイバを使用してもよく、光ファイバの直径は6μmないし600μmの間とされる。
【0034】
該光ファイバプローブの製造では、(a)光ファイバプローブの末端を試料溶液に浸し、(b)光ファイバの根元部に光源を配設し、(c)光ファイバ末端表面と試薬層との界面から反射して戻ってきた第一ビームと、試薬層と試料溶液との界面から反射して戻ってきた第二ビームとの二本のビームを少なくとも検出し、(d)二本のビームが形成した干渉模様を一回目として検査し、(e)二本のビームが形成した干渉模様を二回目として検査し、(f)干渉模様に移動が生じたか否かにより試料溶液中に被検物質を含有するか否かを確定する、ステップを含む。物質の濃度は干渉模様の移動量および二回の検査で得られた模様の相違により確定される。
【0035】
最良の結果を得るために、検出における各回は、(a)二本のビームが形成した干渉ビームを分光測定装置に送り、(b)スペクトル図の分布に基づき周期関数を確定し、(c)周期関数の位相を確定する、ステップが含まれるべきである。
【0036】
該検出装置がより良好に実現されるためには、信号処理手段は周期信号生成手段と、位相トラッキング手段と、コンピュータとを備える。周期信号生成手段は、検出手段が一回目で検出した干渉模様から得られる第一周期信号と、検出手段が二回目で検出した干渉模様から得られる第二周期信号の二つの周期信号を生成する。位相トラッキング手段は第一周期信号と第二周期信号との位相を確定するものであり、コンピュータは位相差を確定するとともに、位相差から試料溶液中における被検物質の濃度を算出する。
【0037】
該検出装置は更に他の実施形態を有する。検出装置は、光源に接続され、光源が提供するビームの周波数を調節する周波数調節手段を備える。この場合、信号処理手段は周波数調節手段と同期する。
【0038】
ここで、線状アレイ/リング状および面状アレイ/リング状の光ファイバのカップリングシステムを説明する。該カップリングシステムは、
a)線状アレイ/リング状光ファイバコンバータと、
b)面状アレイ/リング状光ファイバコンバータと、
c)リング状光ファイバカプラと、
d)N:1光ファイバカップリングシステムと、を備える。
線状アレイ/リング状光ファイバコンバータは線状アレイ光ファイバモジュール1301をリング状に配置された光ファイバモジュール1302に変換するための装置であり、二つの光ファイバモジュールは全てケーシング1304内に固定封止されており、該光ファイバコンバータの二つの端面はいずれも光学的に精密研磨されるとともに、広帯域の反射膜でめっき処理されている。
【0039】
面状アレイ/リング状光ファイバコンバータは面状アレイ光ファイバモジュール1305の光ファイバの後端を均等間隔で配列するリング状光ファイバモジュール1306であり、二つの光ファイバモジュールは全てケーシング1307内に固定封止されており、該光ファイバコンバータの二つの端面はいずれも光学的に精密研磨されるとともに、広帯域の反射膜でめっき処理されている。
【0040】
リング状光ファイバカプラは、以下の二つの部分から構成されている。
a)光ファイバ1404を円周運動させるための間欠回転手段であり、閉ループ制御のステップモータまたはサーボモータを駆動手段としつつ、機械式の間欠回転機構を駆動手段とすることも可能であり、溝付きカム1501と駆動カム1505を用いて構成される間欠回転機構は比較的理想的な方法の一つであり、また何らかの機械式の間欠駆動機構を駆動手段として用いることも可能であり、
b)光ファイバ1404の円周運動における絡まりを防止するために、クランクリンク機構の原理で絡まり防止手段を設計することも可能であり、絡まり防止手段はスリーブ1406と、方向規制ロッド1407と、スライドブッシュ1408と、支持部材1409などの部材から構成され、このような原理に基づいて、その他形態の機構を設計することも可能である。
【0041】
以下、図7a、7b、8、9a、9b、10a、10b、10c、11、12a、12b、12cおよび12d、13a、13bを合わせて本考案をより詳細に説明したい。
図7aおよび7bに示すものは単一チャネルの光ファイババイオセンサの原理である。図7aに示すように、光ファイバ生体プローブ700は一本の光ファイバ702および光ファイバ702の末端に塗布された試薬704を備える。試薬704は例えば免疫抗原などのある種の抗原や、特殊な抗体、化学物質、DNA断片、酵素またはタンパク質であり得る。一定濃度の試薬704を一定時間内で光ファイバ702の末端に塗布し、光ファイバ702に試薬層704が確実に形成されたのを確認した後、該装置を洗浄し包装する。当業者であれば、その他の方法で光ファイバ702の末端に試薬704を塗布することは可能であり、試薬の違いにより異なる塗布方法を決定すればよい。入射ビーム710が光ファイバの根元部から光ファイバの末端に伝搬される。試薬層704と光ファイバ702との境界面で第一ビーム反射光712が反射して戻され、同時に入射ビーム710の一部714が引続き試薬704を通過する。試薬704の露出した外面708上で、第二反射ビーム716が反射して戻され、そして入射ビーム710の他の一部718が引続き試薬層704近傍の媒体に向けて出射される。出入射ビーム710の一部714の反射した反射光716の一部760は光ファイバ702を介して根元部に伝搬され、反射光716の他の部分は境界面706で反射して試薬層704に戻される(図示しない)。
【0042】
以下で詳述するように、光ファイバ702の根元部で、反射光712と760が検出および分析される。光ファイバ702におけるいずれかの所定点に沿って、光ファイバの根元部を備え、反射光712と760とには位相差が存在し、この位相差に基づいて、試薬層704の厚さを検出することができる。
【0043】
図7bに示すように、プローブ700を試料溶液734に浸し、抗原704に相補する抗体736の有無、および試料溶液734中における抗体736の濃度を検出する。抗体736と抗原704の特性によりこれらの間に特別な反応が生じるかが決定され、抗体736が試薬層704上に付着するので、一定時間内において、試薬層704上に抗体層732が形成される。しかしながら、非相補の抗体738は試薬層704上には付着しないよう、試料溶液734についてはプローブ700と(抗体を除く)その他物質とが結着する可能性を低減しなければならない。つまり、プローブ700上の試薬704においては非相補の抗体738とで結着が生じる可能性を減らす必要がある。
【0044】
例えば、典型的な例を述べるならば、検出される分子(例えば抗原および抗体)のサイズは入射光710の波長より大幅に小さくしなければならない。したがって、光学的な見地から見ると、試薬層704と抗体層732は単一の層と見なすことができる。つまり、光学的な見地で言えば、図7bに示す試薬層704と抗体層732の境界面730は通常明確ではないということである。このように、図7bに示す試薬層704と抗体層732との複合層と図7aにおける試薬層704とは相似性を有している。しかし、両層の合計厚さS2は単独の試薬層704よりも厚いため、したがって、図7a中のプローブ700に似て、入射光710が光ファイバ702の末端に進入すると、光ファイバ702と複合層との境界面706上で、入射光710の一部712が反射して戻され、同時に、入射光710の他の部分720は引続き複合層と試料溶液734を通過し、720の一部724が反射して戻され、一方720の他の部分722は引続き試料溶液734を通過しており、反射光724については、反射光の一部726が光ファイバ702中に戻され、一方他の部分(図示しない)は境界面706により複合層中に反射される。
【0045】
光ファイバ702におけるいずれかの所定点に沿って、光ファイバの根元部を備え、反射して戻ってきた反射光712と726とに位相差が現れ、この位相差に基づいて、複合層の厚さS2を検出することができる。
【0046】
複合層の厚さS2と試薬層704の厚さS1とを比較することで、抗体層704の厚さを確定することができる。この厚さに基づいて、相補的な抗体736の試料溶液734中における有無を確定することができる。更に言えば、複合層の厚さS2は離散時点でサンプリングすることができる。この方法を用いて、複合層の厚さS2と試薬層704の厚さS1との厚さ差の増加の速度(例えば、抗体層732の厚さの増加速度)を検出することができる。この速度に基づいて、短い培養時間内で相補的な抗体736の試料溶液734中における濃度を測定することができる。
【0047】
図8に記載するものは更に改善を施した前記生体プローブ700を応用したバイオセンサの実現方法であり、再度重複するが、光ファイバ702および光ファイバ702の末端に塗布された試薬層704を内包した生体プローブ700が、試料溶液734中に浸されるものであり、図中で拡大された部分から理解できるように、光ファイバの外被は光ファイバ芯から光ファイバ芯の末端までを覆っている。更に特別なことは、光ファイバの外被は光ファイバ芯を先端から尾端まで覆っており、試料溶液734は試験チューブ780内に収容され、光ファイバプローブ700はコネクタ802を介してバイオセンサの光学分析装置800に接続されているところである。
【0048】
バイオセンサの光学分析装置800は光源804と、分光測定装置818と、周期信号生成手段820と、位相トラッキング手段822と、出力手段824を備えている。バイオセンサの光学分析装置800は、例えば、(1)外部のコンピュータまたはコンピュータネットワーク826のコマンドによるもの、(2)RAM834を更に備え、プログラム記憶手段832が送出したコマンドを実行するマイクロプロセッサ830のコマンドによるもの、(3)特定用途向け集積回路(ASIC)830が送出したコマンドによるもの、など数々の方法で実現することが可能である。
【0049】
光源804は、例えば発光ダイオードなどの広帯域光源である。光源804はタングステンハロゲンランプでもよい。光源804が出射したビームは、例えば光ファイバといった導光体に入射するが、光学カプラ808を付加して、光学的な方法で導光手段806と他の導光手段828とを接続し、導光手段828が選択可能な分光測定装置829に接続されてもよい。分光測定装置829は、例えば1×1024の一次元の電荷結合素子(CCD)を備え、周期信号生成手段820に接続されていることが最も好ましい。
【0050】
光学カプラ808が導光手段806と他の導光手段810とを光学的に接合し、光学カプラ812は導光手段810と他の導光手段814とを光学的に接合し、導光手段814はカプラ802を介して生体プローブ700に接続されている。
光学カプラ812は更に導光手段814と導光手段816とを接続し、導光手段816は分光測定装置818に接続され、分光測定装置829と同様に、分光測定装置818は例えば1×1024の一次元のCCDを備え、周期信号生成手段に接続されていることが最も好ましい。
【0051】
光源804が発した光は、導光手段806、光学カプラ808、導光手段810、光学カプラ812、導光手段814および光学カプラ802を通過して生体プローブ700に受光される。上面から図7bを説明すると分かるように、反射して戻ってきた二本のビーム712および726は生体プローブを通過した後に戻され、しかもカプラ802、導光手段814および導光手段816を通過した後に分光測定装置818に受光される。上記のように、複合層は厚さS2を有するため、反射ビーム712と726とに微弱な位相偏移現象が見られる。したがって、フレネルの理論に基づき、反射ビーム712と726とで分光測定装置818上にて回折パターンが形成される。複合層の厚さS2の増加に伴い、回折パターンは移動する。
【0052】
分光測定装置818がCCDの画素を記録した後、周期信号生成手段820に周期信号波形が発生する。回折パターンにより決定された周期信号波形(例えば正弦波)の位相は位相トラッキング手段822により検出される。正弦波の位相を比較することで、この位相が異なる時間で分光測定装置によりサンプリングされ得られた回折パターンが決定され、複合層の厚さS2の増加速度が検出される。位相データを得た後または得たと同時に、S2の増加の速度を確定することができる。
【0053】
図7aに戻ると、生体プローブ700が試料溶液734に浸される前に、試薬層704の厚さS1により、反射ビーム712と760とが形成する回折パターンも得ることができる。図9に示すものは分光測定装置820上における一次元のCCD素子が表示する回折パターンの一部分である(つまり生体プローブが試料溶液734に浸される前)。図9bに示すものは分光測定装置820上における一次元のCCD素子が表示する回折パターンの一部分である。図9aと図9bとが示すパターンを比較すると、回折パターンに移動が見られる。移動量に基づいて、試料溶液734中における抗原704と相補する抗体736の有無が確定できる。生体プローブ700が試料溶液734中に浸された後には、異なる時間での分光測定装置による一次元のCCDに対するサンプリングの結果を通じて、パターンの移動変化の速度が検出されるとともに、これにより試料溶液734中における相補的な抗体736の濃度が確定される。
【0054】
図8に示す実施形態においては、導光手段806、810、814、816および828は例えば通信レベル程度のシングルモード光ファイバでも、例えば段差状の光ファイバであるマルチモードのものを使用してもよい。光ファイバの直径は最小で3μmで、通常は100〜600μmである。
【0055】
光学カプラ808および812は「Y」型光ファイバが最も好ましいが、「X」型の光学カプラでもよい。しかし、仮に後者の光学カプラを使用する場合には、開放端での反射雑音(ノイズ)を消除するためにゲル化のマッチング指数を高めなければならない。
【0056】
光源804と接合される分光測定装置829は、光源804であるレーザダイオードのスペクトルが不安定なときにのみ必要とされるものであり、特殊な状況とは、生体プローブ700の末端の厚さ変化に起因する位相偏移と光源周波数の移動がもたらす位相偏移とを峻別すべき場合に、分光測定装置829が用いられることである。しかし、光源804であるレーザダイオードのスペクトルが安定しているならば、光源804および光学カプラ808と導光手段828は必要なくなる。
【0057】
図10aに示すものは線状アレイ光ファイババイオチップの基本型の概略図である。光ファイバモジュール1000は均等間隔で配列された光ファイバ1001および密封器1002から構成されており、光ファイバ1001の二つの端面1003および1004は、最適の光伝搬および光コヒーレント性能を奏するために、それぞれ異なる媒体膜でめっき処理されている。光ファイバ端面1004は、端面と生体(化学)分子とに極力強い結合性能を持たせるよう更に特殊な活性化処理が施され、そして所望の生体(化学)分子層で覆われる。このような処理工程は以下にて「Bタイプ前処理」とする。最後に前記二つの線状アレイ光ファイバモジュール1000aおよび1000bをチップ本体1008内に対称に配置し、対称に配置された二組の線状アレイ光ファイバ端面1004aおよび1004bを微小距離で保持し、流体の微小流路1005を形成する。入口1006と出口1007がそれぞれ微小流路1005に連通され、位置決め用切欠き1009でチップの正確な動作方向を確保できる。試薬は入口1006から注入され、微小流路1005に流入すると、全ての光ファイバ端面1004と反応して、その後出口1007に流れる。流体を流動させるために、制御可能な何らかの微流量ポンプが出口1007に連通し、負圧吸引または加圧によって試薬を流動させている。
【0058】
図10bに示すものは面状アレイ光ファイババイオチップの基本型の概略図であり、光ファイバ1011が密封器1012内に封止されて光ファイバモジュール1010を構成しており、光ファイバモジュール1010はチップ本体1019の底部に垂直に嵌設されている。光ファイバモジュールの二つの端面1013および1020は、最適の光伝搬および光コヒーレント性能を奏するために、それぞれ異なる媒体膜でめっき処置され、そして端面1013は、端面と生体(化学)分子とに極力強い結合性能を持たせるよう更に特殊な活性化処理が施されており、このような処理工程は以下にて「Aタイプ前処理」とするが、引続き所望の生体(化学)分子層で覆われる、つまり「Bタイプ前処理」を行なってもよい。光ファイバ端面1013の前方は水平の微小流路1015であり、その両側は分配溝1014および1016にそれぞれ連通しており、分配溝1014および1016の上部はそれぞれ入口1017および出口1018であり、位置決め溝1021でチップの正確な動作方向を確保できる。試薬が入口1017に注入され、分配溝1014を介して水平の微小流路1015に進入すると、全ての光ファイバ端面1013と反応して、その後分配溝1016を介して垂直出口1018に流れる。流体を流動させるために、制御可能な何らかの微流量ポンプが出口1018に連通し、負圧吸引または加圧によって試薬を流動させている。
【0059】
図10cに示すものは面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップの組合せ基本型である。ガラス基板1022の上面にBタイプ前処理を施し、ドットマトリクス状に配置した生体(化学)分子層1023を形成し、これをもって図10bに示すチップの光ファイバ端面1013と置換する。ガラス基板1022の下面は光ファイバモジュール1025に連通し、両者の間に屈折率を一致させる液体1028が注入されている。微小流路体1024がガラス基板の上部に圧接されているため、図10bに示すチップに似た構造を構成している。試薬が入口1017’から注入された後、ガラス基板の表面を流れて、生体(化学)分子ドットマトリク1023と反応が生じるものであり、その反応プロセスの信号がガラス基板1022を透過して光ファイバモジュール1025に伝搬する。このモジュール中の全ての光ファイバ1026は当然のこと生体(化学)分子ドットマトリクス1023に一対一で対向しているため、信号は検出装置に伝送される。前記光ファイバモジュール1025には図13aの線状アレイ/リング状光ファイバコンバータまたは図13bの面状アレイ/リング状光ファイバコンバータを直接用いることができる。
【0060】
図11は複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せである。光ファイバ1101を均等距離で密封器1102内に封止して光ファイバモジュール1100を構成し、光ファイバの両端面1110および1111にAタイプ前処理を施す。複数チャネルの微小流路体1103が光ファイバモジュール1100上に圧接され、光ファイバ端面1110および複数チャネルの微小流路体1103とが微小流路1104を構成している。各種の試薬が各々の入口1105にそれぞれ注入された後、入口に連通している微小流路1104に進入し、対応する光ファイバ端面1110を流れ、各種試薬中の生体(化学)分子が光ファイバ端面1110をそれぞれ覆って、試薬は最終的に出口1106に流れ込む。押え板1107が下向きで複数チャネルの微小流路体1103と光ファイバモジュール1100上に圧接され、押え板1107の下面にはキャビティ1108が設けられ、このキャビティは全ての出口1106の上に配設されており、キャビティの上方には制御可能な何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ1109が設けられている。動作時にはキャビティ1108が負圧または正圧となるため、試薬を微小流路1104内で一方向または往復流動させる。押え板1107と微小流路1103とを持上げることで、被覆が完了した光ファイバモジュール1100を取出すことができる。
【0061】
図12aに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイバチップである。Bタイプ前処理済みの光ファイバモジュール1200がチップ本体1203内に嵌設される。押え体1209がチップ本体1203上に圧接され、吸気パイプ1208が押え体1209内に嵌設されており、その位置はちょうど排気孔1206と位置合わせされ、吸気パイプ1208が制御可能な何らかの微流量ポンプに連通しており、微流量ポンプが吸気を行なうと、チップ本体1203内が負圧となり、このとき、チップ本体1203に嵌設された吸引パイプ1204が試薬槽1210の試料溶液1211中に挿入され、試料が吸入されて微小流路1205に流れ、最終的には廃液室1207に流入する。このプロセスにて、各々の光ファイバ端面1202がそれぞれ試料と生体(化学)反応することで、単一試料の複数標識の検査が実現する。各々の光ファイバ端面1201は対応する光ファイバアレイコンバータに接合される。
【0062】
図12bに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールである。複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ1203’が押え体1212に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、全ての吸引パイプ1204は対応する試薬槽1210内に同時に延出し、複数試料の複数標識の検査が行なわれる。
【0063】
図12cに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュール一括吸気装置である。押え体1215が、複数のチップ本体1203’から構成されたモジュール上に圧接され、押え体1215の下方の凹溝1213が全てのチップの排気孔1206’に位置合わせされており、凹溝の上方は制御可能な何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ1214であり、全てのチップを一括して吸気する。組合せモジュールのチップ数が多い場合には、このような一括吸気装置を用いて、吸気システムを簡素化できる。
【0064】
図12dに示すものは線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップである。ガラス基板1022’上面に、ドットマトリクス状に配置された生体(化学)分子層1023’をBタイプ前処理により作製した後、チップ本体1229上に嵌設し、光ファイバモジュール1027’がガラス基板1022’の後面に配置され、その間に屈折率を一致させる液体1028’が注入されるものであり、光ファイバアレイ1026’は干渉層ドットマトリクス1023’に一対一で対向しなければならない。押え体1230がシップの排気孔1206’の上部に圧接されている。吸気する場合、試薬が生体(化学)分子層1023’を流れるとともに、これと反応して、信号がガラス基板後面の光ファイバモジュール1025’内の光ファイバアレイ1026’を介して測定装置に送られる。
【0065】
また、モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理を用いて、複数の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップを組合せモジュールに組立てることも可能である。
【0066】
以上をまとめると、本考案が開示する白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップは、構造が簡単、小型化、製造コストが低廉、検出感度が高く、直線性が高く、標識または標識剤を必要とせずに、微量の試料を必要とするのみである等の長所を備える。しかも多種多様な形態の光ファイババイオチップを作製可能で、一回の動作プロセスにて単一試料の複数標識または複数標識の検査を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1a】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1b】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1c】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1d】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図2a】従来の表面プラズモンセンサの断面概略図。
【図2b】従来の表面プラズモンセンサのおける入射光の入射角と反射光の強度との間の関係曲線を示す図。
【図2c】従来の光ファイバ表面プラズモンセンサのプローブの断面図。
【図2d】従来の光ファイバ表面プラズモン反応生体プローブを用いたシステムブロック図。
【図3】従来のグレーティング出力の生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図4】従来の微小溝の反射干渉測定計であり、バイオセンサの第一時間t1および第二時間t2の反射波長と光強度との関係曲線を示す図。
【図5】従来の微小溝のバイオセンサに用いられる流路の断面概略図であり、このうちOは抗体(すなわち目標分子)、Yは抗体(すなわちプローブ分子)を表す図。
【図6】従来の微小溝のバイオセンサにおける方法のシステム実現図。
【図7a】バイオセンサに用いられる生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図7b】バイオセンサに用いられる生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図8】バイオセンサの基本実施形態を示す図。
【図9a】このバイオセンサで用いられる分光測定装置が受光する移動した分光分布図。
【図9b】このバイオセンサで用いられる分光測定装置が受光する移動した分光分布図。
【図10a】三種類の光ファイバアレイバイオチップの1つの基本型を示す図。
【図10b】三種類の光ファイバアレイバイオチップの別の1つの基本型を示す図。
【図10c】三種類の光ファイバアレイバイオチップの更に別の1つの基本型を示す図。
【図11】複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せを示す図。
【図12a】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12b】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12c】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12d】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図13a】線状アレイ/リング状光ファイバアレイのコンバータを示す図。
【図13b】面状アレイ/リング状光ファイバアレイのコンバータを示す図。
【図14a】線状アレイ/リング状光ファイバアレイのカップリングシステムを示す図。
【図14b】面状アレイ/リング状光ファイバアレイのカップリングシステムを示す図。
【図15】機械式の精密位置決め間欠回転機構を示す図。
【技術分野】
【0001】
本考案は光電検出技術分野における検出装置に関し、詳細にはある種の特殊な生体(または化学)物質の存在および変化を検出するための白色光反射の分光位相偏移を応用した光ファイバアレイバイオチップに関する。
【背景技術】
【0002】
試料中におけるある種の特殊な生体または化学物質の有無を検出するものは、ライフサイエンスの研究、医薬品開発および医学診断において常用される方法である。例えば、免疫検査においては、血漿中におけるある種の特殊な抗体の有無を検査する必要がある。抗原はその相補的な抗体とともに反応する物質であるため、これを用いて血漿中におけるその相補的な抗体の有無を検査することができる。生体検査では、拡散法、電気泳動法、蛍光法などの方法を用いてある種の抗体の有無を検出することができる。
【0003】
拡散法は通常免疫試験に用いられ、これは血清の処理プロセスであり、抗体と抗原の溶液を細胞ゲル層の互いの間に拡散させることにより、抗原とこれに相補する抗体との作用が二種類の液体の間に一本の沈澱線として現れるものである。電気泳動法は複数の生体検出に広く用いられている。これはある試料の処理プロセスであり、電気泳動により生じたイオン移動により被検成分を分離して、さらに相補的な生体の拡散または標識作用によりこれらを観察するものである。蛍光法は生体反応を識別するプロセスであり、ある種の抗原が特殊な標識上に付着し、ある種の波長の光(例えば紫外線)が照射されたときに蛍光発光が発生し、これによりこの種の抗原の識別が容易になるものであり、その他の標識には更に放射性同位元素、電子、磁性、酵素標識などがある。
【0004】
光ファイバ技術を用いて試験を行なう方法は、現在、主に光ファイバ蛍光と化学発光バイオセンサである。このような光ファイバのセンサは商品化応用および研究開発において最も広く汎用しているものとの一つとして考えられる。そしてそれぞれ異なる作用原理に基づくサンドイッチ型のバイオセンサおよびディスプレースメント型のバイオセンサという二種類のタイプの光ファイババイオセンサがすでに開発されている。これらの動作原理は図1a、図1b、図1cおよび図1dに示すとおりである。便宜上、抗原抗体の試験を例として、この二種類のバイオセンサの動作原理を説明する。
【0005】
図1aに示すように、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサは以下のように動作する。末端に試薬102(例えば抗原)が塗布された光ファイバ100を溶液104に浸し、溶液104中における試薬102と相補する抗体106の有無を検出する。もし溶液104中に相補的な抗体106が確かに存在している場合、該抗体は試薬102と結合する。光ファイバ100は、十分な長さの反応時間を確保するために溶液104中に十分な長さの時間分浸し、その後塩水類で洗浄することになる。
【0006】
図1bに示すように、符号112の蛍光標識剤が試薬110に吸着される。試薬102が塗布された光ファイバ100およびその上に結合した抗体106を試薬110(例えば抗原)内に浸すと、標識112を有する試薬110が抗体106と結合する。光源(図示しない)が光ファイバ100の根元部を照射すると、光ファイバ100に沿って末端にまで導光され、試薬102、抗体106の順に照射し、最終的には抗体106に結合した蛍光標識112を有する試薬110を照射する。試薬110は光により励起され、蛍光信号を発する。以上から理解できるように、光ファイババイオセンサの末端は試薬102、抗体106および蛍光標識112を有する試薬110などの三層の物質を備えているため、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサと呼ばれる。サンドイッチ型の光ファイババイオセンサについては、試料中の抗体106の濃度が高いほど、蛍光標識を有する試薬110と更に多く結合するため、発せられる蛍光信号はより強くなる。
【0007】
図1cに示すように、オフセット型の光ファイババイオセンサは光ファイバ100とその末端に塗布された試薬120(例えばある種の抗原)とから構成されている。酵素標識124を有する試薬122(抗体)は透析能力を持つ薄膜130内に密封されている。試薬122(抗体)と試薬層120(抗原)とが相補する。したがって、試薬122は常に試薬層と結合する傾向にある。この装置を試料溶液150中に浸し、試料溶液150中における試薬120と相補する抗体140の有無を検査する。図1dに示すように、もし試料溶液150中に該抗体があると、この抗体は蛍光標識を有する試薬122と競合し、光ファイバ100の末端の抗原層120と結合しようとする。このとき、光ファイバ100の根元部に光源(図示しない)を付与すると、試薬層120と結合し標識を有する試薬122が光の励起により、蛍光信号を発する。この場合、試料溶液150中の抗体140濃度が高いほど、より多くの抗体140と光ファイバ100末端の試薬120とが結合し、蛍光標識を有する試薬122と試薬120との結合量が減るほど、結果として発せられた蛍光信号の強度が弱くなる。したがって、抗体140の濃度と発せられる光強度とが反比例する。
【0008】
上記の光ファイババイオセンサには少なからず欠点がある。サンドイッチ型の光ファイババイオセンサについては、光ファイバ100を先ず試料溶液104に浸し、洗浄し、更に試薬110を含有する(標識112を有する)溶液108内に浸さなければならない。化学的検査では二つの異なる反応工程を経る必要があり、繁雑で、しかも、被検物の濃度がある閾値を超えたときのみ検出され、抗体106と試薬102の結合速度をリアルタイムで検出することはできない。さらに、化学的検査が繁雑で、そして大部分の標識(蛍光標識剤)は有毒で、サンドイッチ型の光ファイババイオセンサは体内での直接の検出に用いることはできない。
【0009】
大部分の標識は保存時、特に光の下では不安定である。これ以外にも、上記方法中における光の強い信号は、例えば光源の不安定、温度変化、ファイバの屈曲に起因する光の損失など、環境およびノイズを含むシステムの影響を受けやすい。
【0010】
ディスプレースメント型の光ファイババイオセンサについては、薄膜130がバイオセンサのコストとサイズの増大を招く。このようなセンサは大型で、試薬の標識も有毒である可能性があり、これもまた体内での検出に不向きである。
【0011】
別のタイプの光学センサは表面プラズモン共鳴(SPRと略される)センサと呼ばれ、図2aに示すように、薄い金属層204でめっき処理されたプリズム202を備え、金属層204がプリズムと絶縁体208との界面とされている。横方向で磁化され単方向に偏光した一本の光がプリズム202の一面に入射すると、金属層204で反射され、プリズムの他面に達する。反射されたビームの強度が、入射ビーム206の入射角θの大きさを計算するために検出される。図2bに示すように、屈折したビームの強度はある特殊な入射角θSP箇所で突然下降するが、この角度において、入射光のエネルギーは金属絶縁体との境界面での励起により生じた表面プラズマ(またはSP)の波形と一致する。もし一層の薄膜が薄膜金属層204上に堆積していると、特に金属層近傍で絶縁物質の有効屈折係数が変化してしまう。有効屈折係数は絶縁物質と堆積膜との厚さおよび密度の大きさに依存することから、もし堆積膜の膜厚に変化が生じると、屈折率も変化するため、臨界入射角θSPも変化してしまう。臨界入射角θSPの値を試算することにより、堆積膜の膜厚および密度が導きだされる。
【0012】
さらに、別のタイプのバイオセンサは、グレーティングバイオセンサと呼ばれ、図3に示すように、入射した一本のレーザビーム302が平面導光体304の一端に進入する。平面導光体304は非常に薄い高屈折率膜306と、該膜の基体としてのガラス体308とを備える。薄膜306の一部表面にはグレーティング310が刻設されている。表面で突出したグレーティング310はレーザ光302をαの角度で平面導光体に射出するものであり、αは導光法線と光線との挟み角である。αの大きさはレーザ光の導光モードの有効屈折係数に関係する。
【0013】
表面で突出したグレーティング310には先ず試薬層が塗布される。液体試料314を収容した容器312をグレーティング310上に装着するが、もし試料314中の物質と試薬層とが反応した場合、有効屈折係数に変化が生じ、出射角αが変化してしまう。
【0014】
レンズ316は出射ビームを一次元の光センサ(またはPSD)318に集光させる。光センサ318の出力はA/Dコンバータ320によりサンプリングされ、コンピュータ322中に送られ分析される。有効屈折係数の変化による出射ビーム角度αの変化は、試薬およびそれに結合した物質が生成する薄膜の膜厚に関係することから、光点の移動量に基づいて該薄膜の膜厚を算出することができる。
【0015】
グレーティングバイオセンサには数々の欠点がある。まず、センサの反応速度が遅いという、「ドリフト現象」と呼ばれているものである。もし試料が含有する被検物の濃度が低い場合、有効屈折係数の増加がドリフト現象によるものか否かを判断するのが難しい。第二に、グレーティングバイオセンサは遠距離の測定には使用できない。また、センサのサイズが大きいことから、体内での検出に適さない。このような大きなサイズは単一試料の数回の検出に不利で、しかもセンサが長すぎるため、大量の試料が必要となる。最後に、特にマイクロ型の場合、グレーティング内蔵型の平面導光体は複雑で且つ製造コストが嵩む、というものである。
【0016】
また、微小溝薄膜の反射干渉を原理としたバイオセンサもある。図5に示すように、ガラスまたは石英からなる基板514上をポリスチレン膜502で被覆して生体基板500を形成する。図6に示すように、生体基板500を流路602の底部に配置し、シリコンを溝上部とする。複数本の石英光ファイバ604の一端を基板514の下面に接続する。光ファイバ604の他端の第一分岐606と分光測定装置610とを接続する。他の分岐608と光源612とを接続する( 例えばキセノンランプまたは20Wのハロゲンランプ)。
【0017】
続いて、一定濃度の試薬504を含有する溶液(例えばある種の免疫抗原)を流路602に流し、これにより膜502上に抗原層504が付着する。流路を洗浄し、増加された抗原層504の厚さを一定に保持するが、このときタンパク質でこれを凝固させる。その後再度洗浄する。
【0018】
最後に、試料溶液を流路602に一定時間内流す。もし試料溶液内に抗原504と相補する抗体506が含まれていると、これらは溝内で結合し、このようにして溝内膜の膜厚が増加することになる。タンパク質分子は通常、光源612が出射した光波の波長より短いため、増加した単一分子タンパク質層は膜厚を増加させたのみと見なされることができる。
【0019】
分光測定装置610は異なる時間内における反射光波のスペクトルまたは強度を測定するものである。図4に示すように、膜厚が増加したとき、分光測定装置610の一回目の出力がA、二回目の出力がBとされる。膜厚の増加量Δはフレネルの法則により確定する。つまり、薄膜反射の干渉光の強度Iは下記式により表すことができる。
【数1】
式中、Δは光路長であり、λは入射光の波長である。I1とI2の強度は近似していることから、両者は概ね等しいと考えることができる。
【0020】
I1=I2=IRとした場合、上記式は下記のように簡素化できる。
【数2】
したがって、有効光路長Δは反射光の光強度および光波の波長により確定できる。Δに基づいて膜厚を求めることができる。
【0021】
上記の微小溝の干渉測定装置では、標識を必要とせず、しかも検出結果が最終的なデータに限らない等という長所があるものの、しかし数々の問題点がある。まず、微小溝のサイズが依然大きく、多量の試料が必要となるか、または高濃度の試料が要求される。次にこの方法では大量の並行試験の実現が確実に困難となる。最後に、大きなサイズは体内での検出に適さない、というものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
上記した従来技術に存在する欠点または不足に基づいて、バイオセンサは下記するいくつかの面で改善を施さなければならない。
(1)複数種および並行での化学的検査の目的を同時に実現可能なアレイ型バイオチップ。
(2)不安定または有毒な試薬または標識剤を使用しない。
(3)連続的にサンプリングすることで反応工程を監視し、同時に反応の最終値も測定できる。
(4)製造コストが低廉で、サイズが小さく、使用に便利。
(5)高感度で、線形域が大きい。
(6)非相補的な吸着を防止可能である。
【0023】
本考案の目的は、白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップを提供するものであり、該チップは集積化された光ファイバが生体プローブとされ、プローブ上に塗布された生体または化学塗布層を薄膜反射干渉測定装置の感知基準とするものであり、このうちの少なくとも一層は被検目標生体(または化学)分子を吸着可能な相補材料である。被検分子が相補材料の表面または内部に吸着された後、反射干渉光の分光分布が変化する。このようなスペクトル線の偏移により、試料分子の濃度、吸着速度、および幾何学的寸法の変化を量的または質的に分析する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を実現するための技術において、白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップは、
a)線状アレイ光ファイババイオチップ、面状アレイ光ファイババイオチップ、面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップと、
b)前記チップに対応した微小流路と、
c)光ファイバアレイコンバータと、を備え、
前記線状アレイ光ファイババイオチップは、一つ以上の線状アレイ光ファイバモジュール1000がチップ本体1008内に封止されたものであり、前記線状アレイ光ファイバモジュール1000は線状アレイに配列された光ファイバ1001が密封器1002内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイババイオチップは面状アレイ光ファイバモジュール1010がチップ本体1019内に封止されたものであり、前記面状アレイ光ファイバモジュールは面状アレイに配列された光ファイバ1011が密封器1012内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップは、ガラス基板1022表面を所望の生体(化学)分子層1023で被覆したものであり、生体(化学)分子層はドットマトリクス状に配置され、ガラス基板1022は微小流路体1024と一体に封止されており、光ファイバモジュール1025または光ファイバコンバータ1300、1304はガラス基板1022の後面に配設され、これらの間に屈折率を一致させる液体1028が注入され、光ファイバモジュール1025または光ファイバコンバータ1300、1304の全ての光ファイバ1026、1301または1305は生体(化学)分子層のドットマトリクス1023に一対一で対向していることを特徴とする。
【0025】
本考案のその他の特徴は、前記光ファイババイオチップおよびこれに対応した微小流路の構造形式には、
1)線状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この線状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、
光ファイバ1001が密封器1002内に封止され光ファイバモジュール1000を構成し、二つの光ファイバモジュール1000aおよび1000bが相対的に平行に配置されて、微小流路1005を形成し、微小流路1005の両側が入口1006および出口1007に連通しており、出口1007は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
2)面状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この面状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、
光ファイバ1011が密封器1012内に封止され光ファイバモジュール1010を構成し、光ファイバ1011は線状アレイでも面状アレイでも配列可能であり、光ファイバモジュール1010はチップ本体1019の底部に垂直に嵌設されており、光ファイバ端面1013の前方は水平の微小流路1015であり、その両側は分配溝1014および1016にそれぞれ連通しており、分配溝1014および1016の上部はそれぞれ入口1017および出口1018であり、出口1018は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
3)面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型であって、
この面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型は、
ガラス基板1022上にドットマトリクス状に配置した生体(化学)分子層1023を作製し、これをもって前記チップの光ファイバモジュール表面1013と置換し、微小流路体1024がガラス基板1022上における生体(化学)分子層が作製された面に圧接され、ガラス基板1022の他面は光ファイバモジュール1025に接続され、両者の間には屈折率を一致させる液体1028が注入されているものと、
の三種類の基本型があり、
前記光ファイバチップおよびこれに対応する微小流路の構造形式は、前記三種類の基本型を基礎として、その他数種類の実用化されたチップ構造を開発することが可能である。
【0026】
前記その他の実用化されたチップ構造とは、
1)複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せであって、
光ファイバ1101を均等距離で密封器1102内に封止して光ファイバモジュール1100を構成し、光ファイバモジュールの上面が複数チャネルの微小流路体1103となり、その両端が入口1105および出口1106にそれぞれ連通し、押え板1107が下向きで微小流路体1103をチップ1100上に圧接し、押え板1107の下面にはキャビティ1108が設けられ、該キャビティは全ての出口1106の上に配設されており、キャビティの上方には何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ1109が設けられているもの、
2)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップであって、
線状アレイ光ファイバモジュール1200がチップ本体1203内に封止され、生体(化学)分子層が作製された光ファイバ端面1202を微小流路1205に対向させており、微小流路の一端が廃液室1207および出口1206に連通し、他端が吸引パイプ1204に連通しており、吸引パイプ1204の配列形態は試薬槽1210と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、押え体1209がチップ本体1203上に圧接され、吸気パイプ1208が押え体1209内に嵌設され、吸気パイプ1208は何らかの微流量ポンプに連通可能であるもの、
3)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールであって、
複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ1203’が押え体1212に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、また、押え体1215の下面に気体溝1213が設けられ、何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ1214が気体溝中央位置の上方に設けられ、全てのチップを一括に排気することも可能であるもの、
4)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップであって、
予めガラス基板1022’上面にドットマトリクス状の生体(化学)分子層1023’を作製し、そしてチップ本体1229上に嵌設し、光ファイバモジュール1027’をガラス基板1022’の後面に配置し、その間に屈折率を一致させる液体1028’を注入し、押え体1230がチップの排気孔1206’の上部に圧接され、押え体1230上の吸気パイプ1214’が何らかの微流量ポンプに連通可能であり、前記モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップと同様に、N個の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップ1229を並列にして組合せモジュールを構成することが可能であり、吸引パイプ1204’は試料容器1210’の位置と一致するように配列することが可能であり、Nの数は限定されないもの、
5)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップの組合せモジュールであって、
モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理で、複数の線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップ1229を組合せモジュールとして組立てるものであり、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよいもの、である。
【0027】
前記光ファイバモジュール1000、1010、1025、1100および1200の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、光ファイバ端面はさらに活性化処理、通常はシラン化処理が施されており、必要な際には最後に所望の生体(化学)分子層が被覆される。
【0028】
本考案の光ファイバアレイバイオチップは集積化された光ファイバが生体プローブとされ、プローブ上に塗布された生体または化学塗布層を薄膜反射干渉測定装置の感知基準とするものであり、このうちの少なくとも一層は被検目標生体(または化学)分子を吸着可能な相補材料である。被検分子が相補材料の表面または内部に吸着された後、反射干渉光の分光分布が変化する。このようなスペクトル線の偏移が、つまり試料分子の濃度、吸着速度、および幾何学的寸法の変化を量的または質的に分析するのに用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本考案の光ファイバアレイバイオチップを詳細に説明する前に、その光ファイバプローブのバイオセンサについて説明しなければならない。
白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバプローブのバイオセンサは、
a)光源804と、
b)光ファイバ生体プローブ700と、
c)反射ビームが形成する干渉分光パターンを検出する検出手段818、829と、
d)光源と光ファイバプローブを接合し、光ファイバプローブと検出手段とを接合するカプラまたはコネクタ802と、
e)検出手段818が二回検出した干渉分光パターンの位相を確定するとともに、二回のパターンの位相移動により確定された被検物質の濃度を検出する信号処理手段と、
信号処理手段は、マイクロプロセッサ830と、プログラム記憶手段832と、RAM834とを備え、通常の方法で接続されており、
f)位相トラッキング手段822と、
g)出力手段824と、
h)周期信号生成手段820と、
i)光学カプラ808、812と
j)導光手段806、828、816、814、810と、を備え、
光ファイバ生体プローブ700は末端に試薬が塗布されている光ファイバであり、その根元部が入射ビームを受光し、その末端には一層以上の材料および試薬が塗布されている一本の光ファイバを含み、光ファイバ生体プローブは少なくとも入射ビームにより生じた反射ビームを発生させるものであり、光ファイバ生体プローブ700はコネクタ802を介して光ファイバ生体検出装置の導光手段814に接続されている。
【0030】
光源804は広帯域光源である。光源が出射したビームは、例えば光ファイバといった導光体に入射するものであり、「Y」形の光学カプラ808を介して光学的な方法で導光手段806と他の導光手段828とを接続し、導光手段828は検出手段829に接続されており、前記検出手段829は分光測定装置であり、更に一次元の電荷結合素子(CCD)を備えている。検出手段829は周期信号生成手段820に接続されている。
【0031】
光学カプラ812は導光手段814と他の導光手段816とを接続しており、導光手段816は検出手段818に接続されており、前記検出手段818も分光測定装置であり、更に一次元の電荷結合素子(CCD)を備えている。検出手段818は周期信号生成手段820に接続されている。
【0032】
光学カプラ808は更に導光手段806と他の導光手段810とを光学的に接続し、光学カプラ812は導光手段810と他の導光手段814とを光学的に接続している。
導光手段814はカプラ802を介して生体プローブ700に接続されている。
【0033】
位相トラッキング手段822は周期信号生成手段820と、出力手段824と、信号処理手段とに接続されており、周期信号生成手段820もまた信号処理手段に接続されており、光源804と、検出手段818と、出力手段824はいずれも信号処理手段に接続されている。
導光手段806、828、816、814、810はシングルモードの光ファイバであるが、マルチモードの光ファイバを使用してもよく、光ファイバの直径は6μmないし600μmの間とされる。
【0034】
該光ファイバプローブの製造では、(a)光ファイバプローブの末端を試料溶液に浸し、(b)光ファイバの根元部に光源を配設し、(c)光ファイバ末端表面と試薬層との界面から反射して戻ってきた第一ビームと、試薬層と試料溶液との界面から反射して戻ってきた第二ビームとの二本のビームを少なくとも検出し、(d)二本のビームが形成した干渉模様を一回目として検査し、(e)二本のビームが形成した干渉模様を二回目として検査し、(f)干渉模様に移動が生じたか否かにより試料溶液中に被検物質を含有するか否かを確定する、ステップを含む。物質の濃度は干渉模様の移動量および二回の検査で得られた模様の相違により確定される。
【0035】
最良の結果を得るために、検出における各回は、(a)二本のビームが形成した干渉ビームを分光測定装置に送り、(b)スペクトル図の分布に基づき周期関数を確定し、(c)周期関数の位相を確定する、ステップが含まれるべきである。
【0036】
該検出装置がより良好に実現されるためには、信号処理手段は周期信号生成手段と、位相トラッキング手段と、コンピュータとを備える。周期信号生成手段は、検出手段が一回目で検出した干渉模様から得られる第一周期信号と、検出手段が二回目で検出した干渉模様から得られる第二周期信号の二つの周期信号を生成する。位相トラッキング手段は第一周期信号と第二周期信号との位相を確定するものであり、コンピュータは位相差を確定するとともに、位相差から試料溶液中における被検物質の濃度を算出する。
【0037】
該検出装置は更に他の実施形態を有する。検出装置は、光源に接続され、光源が提供するビームの周波数を調節する周波数調節手段を備える。この場合、信号処理手段は周波数調節手段と同期する。
【0038】
ここで、線状アレイ/リング状および面状アレイ/リング状の光ファイバのカップリングシステムを説明する。該カップリングシステムは、
a)線状アレイ/リング状光ファイバコンバータと、
b)面状アレイ/リング状光ファイバコンバータと、
c)リング状光ファイバカプラと、
d)N:1光ファイバカップリングシステムと、を備える。
線状アレイ/リング状光ファイバコンバータは線状アレイ光ファイバモジュール1301をリング状に配置された光ファイバモジュール1302に変換するための装置であり、二つの光ファイバモジュールは全てケーシング1304内に固定封止されており、該光ファイバコンバータの二つの端面はいずれも光学的に精密研磨されるとともに、広帯域の反射膜でめっき処理されている。
【0039】
面状アレイ/リング状光ファイバコンバータは面状アレイ光ファイバモジュール1305の光ファイバの後端を均等間隔で配列するリング状光ファイバモジュール1306であり、二つの光ファイバモジュールは全てケーシング1307内に固定封止されており、該光ファイバコンバータの二つの端面はいずれも光学的に精密研磨されるとともに、広帯域の反射膜でめっき処理されている。
【0040】
リング状光ファイバカプラは、以下の二つの部分から構成されている。
a)光ファイバ1404を円周運動させるための間欠回転手段であり、閉ループ制御のステップモータまたはサーボモータを駆動手段としつつ、機械式の間欠回転機構を駆動手段とすることも可能であり、溝付きカム1501と駆動カム1505を用いて構成される間欠回転機構は比較的理想的な方法の一つであり、また何らかの機械式の間欠駆動機構を駆動手段として用いることも可能であり、
b)光ファイバ1404の円周運動における絡まりを防止するために、クランクリンク機構の原理で絡まり防止手段を設計することも可能であり、絡まり防止手段はスリーブ1406と、方向規制ロッド1407と、スライドブッシュ1408と、支持部材1409などの部材から構成され、このような原理に基づいて、その他形態の機構を設計することも可能である。
【0041】
以下、図7a、7b、8、9a、9b、10a、10b、10c、11、12a、12b、12cおよび12d、13a、13bを合わせて本考案をより詳細に説明したい。
図7aおよび7bに示すものは単一チャネルの光ファイババイオセンサの原理である。図7aに示すように、光ファイバ生体プローブ700は一本の光ファイバ702および光ファイバ702の末端に塗布された試薬704を備える。試薬704は例えば免疫抗原などのある種の抗原や、特殊な抗体、化学物質、DNA断片、酵素またはタンパク質であり得る。一定濃度の試薬704を一定時間内で光ファイバ702の末端に塗布し、光ファイバ702に試薬層704が確実に形成されたのを確認した後、該装置を洗浄し包装する。当業者であれば、その他の方法で光ファイバ702の末端に試薬704を塗布することは可能であり、試薬の違いにより異なる塗布方法を決定すればよい。入射ビーム710が光ファイバの根元部から光ファイバの末端に伝搬される。試薬層704と光ファイバ702との境界面で第一ビーム反射光712が反射して戻され、同時に入射ビーム710の一部714が引続き試薬704を通過する。試薬704の露出した外面708上で、第二反射ビーム716が反射して戻され、そして入射ビーム710の他の一部718が引続き試薬層704近傍の媒体に向けて出射される。出入射ビーム710の一部714の反射した反射光716の一部760は光ファイバ702を介して根元部に伝搬され、反射光716の他の部分は境界面706で反射して試薬層704に戻される(図示しない)。
【0042】
以下で詳述するように、光ファイバ702の根元部で、反射光712と760が検出および分析される。光ファイバ702におけるいずれかの所定点に沿って、光ファイバの根元部を備え、反射光712と760とには位相差が存在し、この位相差に基づいて、試薬層704の厚さを検出することができる。
【0043】
図7bに示すように、プローブ700を試料溶液734に浸し、抗原704に相補する抗体736の有無、および試料溶液734中における抗体736の濃度を検出する。抗体736と抗原704の特性によりこれらの間に特別な反応が生じるかが決定され、抗体736が試薬層704上に付着するので、一定時間内において、試薬層704上に抗体層732が形成される。しかしながら、非相補の抗体738は試薬層704上には付着しないよう、試料溶液734についてはプローブ700と(抗体を除く)その他物質とが結着する可能性を低減しなければならない。つまり、プローブ700上の試薬704においては非相補の抗体738とで結着が生じる可能性を減らす必要がある。
【0044】
例えば、典型的な例を述べるならば、検出される分子(例えば抗原および抗体)のサイズは入射光710の波長より大幅に小さくしなければならない。したがって、光学的な見地から見ると、試薬層704と抗体層732は単一の層と見なすことができる。つまり、光学的な見地で言えば、図7bに示す試薬層704と抗体層732の境界面730は通常明確ではないということである。このように、図7bに示す試薬層704と抗体層732との複合層と図7aにおける試薬層704とは相似性を有している。しかし、両層の合計厚さS2は単独の試薬層704よりも厚いため、したがって、図7a中のプローブ700に似て、入射光710が光ファイバ702の末端に進入すると、光ファイバ702と複合層との境界面706上で、入射光710の一部712が反射して戻され、同時に、入射光710の他の部分720は引続き複合層と試料溶液734を通過し、720の一部724が反射して戻され、一方720の他の部分722は引続き試料溶液734を通過しており、反射光724については、反射光の一部726が光ファイバ702中に戻され、一方他の部分(図示しない)は境界面706により複合層中に反射される。
【0045】
光ファイバ702におけるいずれかの所定点に沿って、光ファイバの根元部を備え、反射して戻ってきた反射光712と726とに位相差が現れ、この位相差に基づいて、複合層の厚さS2を検出することができる。
【0046】
複合層の厚さS2と試薬層704の厚さS1とを比較することで、抗体層704の厚さを確定することができる。この厚さに基づいて、相補的な抗体736の試料溶液734中における有無を確定することができる。更に言えば、複合層の厚さS2は離散時点でサンプリングすることができる。この方法を用いて、複合層の厚さS2と試薬層704の厚さS1との厚さ差の増加の速度(例えば、抗体層732の厚さの増加速度)を検出することができる。この速度に基づいて、短い培養時間内で相補的な抗体736の試料溶液734中における濃度を測定することができる。
【0047】
図8に記載するものは更に改善を施した前記生体プローブ700を応用したバイオセンサの実現方法であり、再度重複するが、光ファイバ702および光ファイバ702の末端に塗布された試薬層704を内包した生体プローブ700が、試料溶液734中に浸されるものであり、図中で拡大された部分から理解できるように、光ファイバの外被は光ファイバ芯から光ファイバ芯の末端までを覆っている。更に特別なことは、光ファイバの外被は光ファイバ芯を先端から尾端まで覆っており、試料溶液734は試験チューブ780内に収容され、光ファイバプローブ700はコネクタ802を介してバイオセンサの光学分析装置800に接続されているところである。
【0048】
バイオセンサの光学分析装置800は光源804と、分光測定装置818と、周期信号生成手段820と、位相トラッキング手段822と、出力手段824を備えている。バイオセンサの光学分析装置800は、例えば、(1)外部のコンピュータまたはコンピュータネットワーク826のコマンドによるもの、(2)RAM834を更に備え、プログラム記憶手段832が送出したコマンドを実行するマイクロプロセッサ830のコマンドによるもの、(3)特定用途向け集積回路(ASIC)830が送出したコマンドによるもの、など数々の方法で実現することが可能である。
【0049】
光源804は、例えば発光ダイオードなどの広帯域光源である。光源804はタングステンハロゲンランプでもよい。光源804が出射したビームは、例えば光ファイバといった導光体に入射するが、光学カプラ808を付加して、光学的な方法で導光手段806と他の導光手段828とを接続し、導光手段828が選択可能な分光測定装置829に接続されてもよい。分光測定装置829は、例えば1×1024の一次元の電荷結合素子(CCD)を備え、周期信号生成手段820に接続されていることが最も好ましい。
【0050】
光学カプラ808が導光手段806と他の導光手段810とを光学的に接合し、光学カプラ812は導光手段810と他の導光手段814とを光学的に接合し、導光手段814はカプラ802を介して生体プローブ700に接続されている。
光学カプラ812は更に導光手段814と導光手段816とを接続し、導光手段816は分光測定装置818に接続され、分光測定装置829と同様に、分光測定装置818は例えば1×1024の一次元のCCDを備え、周期信号生成手段に接続されていることが最も好ましい。
【0051】
光源804が発した光は、導光手段806、光学カプラ808、導光手段810、光学カプラ812、導光手段814および光学カプラ802を通過して生体プローブ700に受光される。上面から図7bを説明すると分かるように、反射して戻ってきた二本のビーム712および726は生体プローブを通過した後に戻され、しかもカプラ802、導光手段814および導光手段816を通過した後に分光測定装置818に受光される。上記のように、複合層は厚さS2を有するため、反射ビーム712と726とに微弱な位相偏移現象が見られる。したがって、フレネルの理論に基づき、反射ビーム712と726とで分光測定装置818上にて回折パターンが形成される。複合層の厚さS2の増加に伴い、回折パターンは移動する。
【0052】
分光測定装置818がCCDの画素を記録した後、周期信号生成手段820に周期信号波形が発生する。回折パターンにより決定された周期信号波形(例えば正弦波)の位相は位相トラッキング手段822により検出される。正弦波の位相を比較することで、この位相が異なる時間で分光測定装置によりサンプリングされ得られた回折パターンが決定され、複合層の厚さS2の増加速度が検出される。位相データを得た後または得たと同時に、S2の増加の速度を確定することができる。
【0053】
図7aに戻ると、生体プローブ700が試料溶液734に浸される前に、試薬層704の厚さS1により、反射ビーム712と760とが形成する回折パターンも得ることができる。図9に示すものは分光測定装置820上における一次元のCCD素子が表示する回折パターンの一部分である(つまり生体プローブが試料溶液734に浸される前)。図9bに示すものは分光測定装置820上における一次元のCCD素子が表示する回折パターンの一部分である。図9aと図9bとが示すパターンを比較すると、回折パターンに移動が見られる。移動量に基づいて、試料溶液734中における抗原704と相補する抗体736の有無が確定できる。生体プローブ700が試料溶液734中に浸された後には、異なる時間での分光測定装置による一次元のCCDに対するサンプリングの結果を通じて、パターンの移動変化の速度が検出されるとともに、これにより試料溶液734中における相補的な抗体736の濃度が確定される。
【0054】
図8に示す実施形態においては、導光手段806、810、814、816および828は例えば通信レベル程度のシングルモード光ファイバでも、例えば段差状の光ファイバであるマルチモードのものを使用してもよい。光ファイバの直径は最小で3μmで、通常は100〜600μmである。
【0055】
光学カプラ808および812は「Y」型光ファイバが最も好ましいが、「X」型の光学カプラでもよい。しかし、仮に後者の光学カプラを使用する場合には、開放端での反射雑音(ノイズ)を消除するためにゲル化のマッチング指数を高めなければならない。
【0056】
光源804と接合される分光測定装置829は、光源804であるレーザダイオードのスペクトルが不安定なときにのみ必要とされるものであり、特殊な状況とは、生体プローブ700の末端の厚さ変化に起因する位相偏移と光源周波数の移動がもたらす位相偏移とを峻別すべき場合に、分光測定装置829が用いられることである。しかし、光源804であるレーザダイオードのスペクトルが安定しているならば、光源804および光学カプラ808と導光手段828は必要なくなる。
【0057】
図10aに示すものは線状アレイ光ファイババイオチップの基本型の概略図である。光ファイバモジュール1000は均等間隔で配列された光ファイバ1001および密封器1002から構成されており、光ファイバ1001の二つの端面1003および1004は、最適の光伝搬および光コヒーレント性能を奏するために、それぞれ異なる媒体膜でめっき処理されている。光ファイバ端面1004は、端面と生体(化学)分子とに極力強い結合性能を持たせるよう更に特殊な活性化処理が施され、そして所望の生体(化学)分子層で覆われる。このような処理工程は以下にて「Bタイプ前処理」とする。最後に前記二つの線状アレイ光ファイバモジュール1000aおよび1000bをチップ本体1008内に対称に配置し、対称に配置された二組の線状アレイ光ファイバ端面1004aおよび1004bを微小距離で保持し、流体の微小流路1005を形成する。入口1006と出口1007がそれぞれ微小流路1005に連通され、位置決め用切欠き1009でチップの正確な動作方向を確保できる。試薬は入口1006から注入され、微小流路1005に流入すると、全ての光ファイバ端面1004と反応して、その後出口1007に流れる。流体を流動させるために、制御可能な何らかの微流量ポンプが出口1007に連通し、負圧吸引または加圧によって試薬を流動させている。
【0058】
図10bに示すものは面状アレイ光ファイババイオチップの基本型の概略図であり、光ファイバ1011が密封器1012内に封止されて光ファイバモジュール1010を構成しており、光ファイバモジュール1010はチップ本体1019の底部に垂直に嵌設されている。光ファイバモジュールの二つの端面1013および1020は、最適の光伝搬および光コヒーレント性能を奏するために、それぞれ異なる媒体膜でめっき処置され、そして端面1013は、端面と生体(化学)分子とに極力強い結合性能を持たせるよう更に特殊な活性化処理が施されており、このような処理工程は以下にて「Aタイプ前処理」とするが、引続き所望の生体(化学)分子層で覆われる、つまり「Bタイプ前処理」を行なってもよい。光ファイバ端面1013の前方は水平の微小流路1015であり、その両側は分配溝1014および1016にそれぞれ連通しており、分配溝1014および1016の上部はそれぞれ入口1017および出口1018であり、位置決め溝1021でチップの正確な動作方向を確保できる。試薬が入口1017に注入され、分配溝1014を介して水平の微小流路1015に進入すると、全ての光ファイバ端面1013と反応して、その後分配溝1016を介して垂直出口1018に流れる。流体を流動させるために、制御可能な何らかの微流量ポンプが出口1018に連通し、負圧吸引または加圧によって試薬を流動させている。
【0059】
図10cに示すものは面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップの組合せ基本型である。ガラス基板1022の上面にBタイプ前処理を施し、ドットマトリクス状に配置した生体(化学)分子層1023を形成し、これをもって図10bに示すチップの光ファイバ端面1013と置換する。ガラス基板1022の下面は光ファイバモジュール1025に連通し、両者の間に屈折率を一致させる液体1028が注入されている。微小流路体1024がガラス基板の上部に圧接されているため、図10bに示すチップに似た構造を構成している。試薬が入口1017’から注入された後、ガラス基板の表面を流れて、生体(化学)分子ドットマトリク1023と反応が生じるものであり、その反応プロセスの信号がガラス基板1022を透過して光ファイバモジュール1025に伝搬する。このモジュール中の全ての光ファイバ1026は当然のこと生体(化学)分子ドットマトリクス1023に一対一で対向しているため、信号は検出装置に伝送される。前記光ファイバモジュール1025には図13aの線状アレイ/リング状光ファイバコンバータまたは図13bの面状アレイ/リング状光ファイバコンバータを直接用いることができる。
【0060】
図11は複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せである。光ファイバ1101を均等距離で密封器1102内に封止して光ファイバモジュール1100を構成し、光ファイバの両端面1110および1111にAタイプ前処理を施す。複数チャネルの微小流路体1103が光ファイバモジュール1100上に圧接され、光ファイバ端面1110および複数チャネルの微小流路体1103とが微小流路1104を構成している。各種の試薬が各々の入口1105にそれぞれ注入された後、入口に連通している微小流路1104に進入し、対応する光ファイバ端面1110を流れ、各種試薬中の生体(化学)分子が光ファイバ端面1110をそれぞれ覆って、試薬は最終的に出口1106に流れ込む。押え板1107が下向きで複数チャネルの微小流路体1103と光ファイバモジュール1100上に圧接され、押え板1107の下面にはキャビティ1108が設けられ、このキャビティは全ての出口1106の上に配設されており、キャビティの上方には制御可能な何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ1109が設けられている。動作時にはキャビティ1108が負圧または正圧となるため、試薬を微小流路1104内で一方向または往復流動させる。押え板1107と微小流路1103とを持上げることで、被覆が完了した光ファイバモジュール1100を取出すことができる。
【0061】
図12aに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイバチップである。Bタイプ前処理済みの光ファイバモジュール1200がチップ本体1203内に嵌設される。押え体1209がチップ本体1203上に圧接され、吸気パイプ1208が押え体1209内に嵌設されており、その位置はちょうど排気孔1206と位置合わせされ、吸気パイプ1208が制御可能な何らかの微流量ポンプに連通しており、微流量ポンプが吸気を行なうと、チップ本体1203内が負圧となり、このとき、チップ本体1203に嵌設された吸引パイプ1204が試薬槽1210の試料溶液1211中に挿入され、試料が吸入されて微小流路1205に流れ、最終的には廃液室1207に流入する。このプロセスにて、各々の光ファイバ端面1202がそれぞれ試料と生体(化学)反応することで、単一試料の複数標識の検査が実現する。各々の光ファイバ端面1201は対応する光ファイバアレイコンバータに接合される。
【0062】
図12bに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールである。複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ1203’が押え体1212に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ1204’の配列形態は試薬槽1210’と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、全ての吸引パイプ1204は対応する試薬槽1210内に同時に延出し、複数試料の複数標識の検査が行なわれる。
【0063】
図12cに示すものはモスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュール一括吸気装置である。押え体1215が、複数のチップ本体1203’から構成されたモジュール上に圧接され、押え体1215の下方の凹溝1213が全てのチップの排気孔1206’に位置合わせされており、凹溝の上方は制御可能な何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ1214であり、全てのチップを一括して吸気する。組合せモジュールのチップ数が多い場合には、このような一括吸気装置を用いて、吸気システムを簡素化できる。
【0064】
図12dに示すものは線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップである。ガラス基板1022’上面に、ドットマトリクス状に配置された生体(化学)分子層1023’をBタイプ前処理により作製した後、チップ本体1229上に嵌設し、光ファイバモジュール1027’がガラス基板1022’の後面に配置され、その間に屈折率を一致させる液体1028’が注入されるものであり、光ファイバアレイ1026’は干渉層ドットマトリクス1023’に一対一で対向しなければならない。押え体1230がシップの排気孔1206’の上部に圧接されている。吸気する場合、試薬が生体(化学)分子層1023’を流れるとともに、これと反応して、信号がガラス基板後面の光ファイバモジュール1025’内の光ファイバアレイ1026’を介して測定装置に送られる。
【0065】
また、モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理を用いて、複数の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップを組合せモジュールに組立てることも可能である。
【0066】
以上をまとめると、本考案が開示する白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップは、構造が簡単、小型化、製造コストが低廉、検出感度が高く、直線性が高く、標識または標識剤を必要とせずに、微量の試料を必要とするのみである等の長所を備える。しかも多種多様な形態の光ファイババイオチップを作製可能で、一回の動作プロセスにて単一試料の複数標識または複数標識の検査を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1a】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1b】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1c】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図1d】従来のサンドイッチ型、ディスプレースメント型、競合型の光ファイバ蛍光バイオセンサを示す図。
【図2a】従来の表面プラズモンセンサの断面概略図。
【図2b】従来の表面プラズモンセンサのおける入射光の入射角と反射光の強度との間の関係曲線を示す図。
【図2c】従来の光ファイバ表面プラズモンセンサのプローブの断面図。
【図2d】従来の光ファイバ表面プラズモン反応生体プローブを用いたシステムブロック図。
【図3】従来のグレーティング出力の生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図4】従来の微小溝の反射干渉測定計であり、バイオセンサの第一時間t1および第二時間t2の反射波長と光強度との関係曲線を示す図。
【図5】従来の微小溝のバイオセンサに用いられる流路の断面概略図であり、このうちOは抗体(すなわち目標分子)、Yは抗体(すなわちプローブ分子)を表す図。
【図6】従来の微小溝のバイオセンサにおける方法のシステム実現図。
【図7a】バイオセンサに用いられる生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図7b】バイオセンサに用いられる生体プローブの動作プロセスを示す図。
【図8】バイオセンサの基本実施形態を示す図。
【図9a】このバイオセンサで用いられる分光測定装置が受光する移動した分光分布図。
【図9b】このバイオセンサで用いられる分光測定装置が受光する移動した分光分布図。
【図10a】三種類の光ファイバアレイバイオチップの1つの基本型を示す図。
【図10b】三種類の光ファイバアレイバイオチップの別の1つの基本型を示す図。
【図10c】三種類の光ファイバアレイバイオチップの更に別の1つの基本型を示す図。
【図11】複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せを示す図。
【図12a】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12b】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12c】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図12d】モスキート型光ファイババイオチップおよびその組合せモジュールを示す図。
【図13a】線状アレイ/リング状光ファイバアレイのコンバータを示す図。
【図13b】面状アレイ/リング状光ファイバアレイのコンバータを示す図。
【図14a】線状アレイ/リング状光ファイバアレイのカップリングシステムを示す図。
【図14b】面状アレイ/リング状光ファイバアレイのカップリングシステムを示す図。
【図15】機械式の精密位置決め間欠回転機構を示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状アレイ光ファイババイオチップと、面状アレイ光ファイババイオチップと、面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップとを含む白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップであって、
前記線状アレイ光ファイババイオチップは、一つ以上の線状アレイ光ファイバモジュール(1000)がチップ本体(1008)内に封止されたものであり、前記線状アレイ光ファイバモジュール(1000)は線状アレイに配列された光ファイバ(1001)が密封器(1002)内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイババイオチップは面状アレイ光ファイバモジュール(1010)がチップ本体(1019)内に封止されたものであり、前記面状アレイ光ファイバモジュールは面状アレイに配列された光ファイバ(1011)が密封器(1012)内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップは、ガラス基板(1022)表面を所望の生体または化学分子層(1023)で被覆したものであり、生体または化学分子層はドットマトリクス状に配置され、ガラス基板(1022)は微小流路体(1024)と一体に封止されており、光ファイバモジュール(1025)または光ファイバコンバータ(1300)、(1304)はガラス基板(1022)の後面に配設され、これらの間に屈折率を一致させる液体(1028)が注入され、光ファイバモジュール(1025)または光ファイバコンバータ(1300)、(1304)の全ての光ファイバ(1026)、(1301)または(1305)は生体または化学分子層のドットマトリクス(1023)に一対一で対向していることを特徴とする白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項2】
前記光ファイババイオチップおよびこれに対応した微小流路の構造形式には、
1)線状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この線状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、光ファイバ(1001)が密封器(1002)内に封止され光ファイバモジュール(1000)を構成し、二つの光ファイバモジュール(1000a)および(1000b)が相対的に平行に配置されて、微小流路(1005)を形成し、微小流路(1005)の両側が入口(1006)および出口(1007)に連通しており、出口(1007)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
2)面状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この面状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、光ファイバ(1011)が密封器(1012)内に封止され光ファイバモジュール(1010)を構成し、光ファイバ(1011)は線状アレイでも面状アレイでも配列可能であり、光ファイバモジュール(1010)はチップ本体(1019)の底部に垂直に嵌設されており、光ファイバ端面(1013)の前方は水平の微小流路(1015)であり、その両側は分配溝(1014)および(1016)にそれぞれ連通しており、分配溝(1014)および(1016)の上部はそれぞれ入口(1017)および出口(1018)であり、出口(1018)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
3)面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型であって、
この面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型は、ガラス基板(1022)上にドットマトリクス状に配置した生体または化学分子層(1023)を作製し、これをもって前記チップの光ファイバモジュール表面(1013)と置換し、微小流路体(1024)がガラス基板(1022)上における生体または化学分子層が作製された面に圧接され、ガラス基板(1022)の他面は光ファイバモジュール(1025)に接続され、両者の間には屈折率を一致させる液体(1028)が注入されているものと、
の三種類の基本型があり、
前記光ファイバチップおよびこれに対応する微小流路の構造形式は、前記三種類の基本型を基礎として、その他数種類の実用化されたチップ構造を開発することが可能であることを特徴とする請求項1記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項3】
前記その他の実用化されたチップ構造とは、
1)複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せであって、
光ファイバ(1101)を均等距離で密封器(1102)内に封止して光ファイバモジュール(1100)を構成し、光ファイバモジュールの上面が複数チャネルの微小流路体(1103)となり、その両端が入口(1105)および出口(1106)にそれぞれ連通し、押え板(1107)が下向きで微小流路体(1103)をチップ(1100)上に圧接し、押え板(1107)の下面にはキャビティ(1108)が設けられ、該キャビティは全ての出口(1106)の上に配設されており、キャビティの上方には何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ(1109)が設けられているもの、
2)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップであって、
線状アレイ光ファイバモジュール(1200)がチップ本体(1203)内に封止され、生体(化学)分子層が作製された光ファイバ端面(1202)を微小流路(1205)に対向させており、微小流路の一端が廃液室(1207)および出口(1206)に連通し、他端が吸引パイプ(1204)に連通しており、吸引パイプ(1204)の配列形態は試薬槽(1210)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、押え体(1209)がチップ本体(1203)上に圧接され、吸気パイプ(1208)が押え体(1209)内に嵌設され、吸気パイプ(1208)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるもの、
3)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールであって、
複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ(1203’)が押え体(1212)に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ(1204’)の配列形態は試薬槽(1210’)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、また、押え体(1215)の下面に気体溝(1213)が設けられ、何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ(1214)が気体溝中央位置の上方に設けられ、全てのチップを一括に排気することも可能であるもの、
4)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップであって、
予めガラス基板(1022’)上面にドットマトリクス状の生体(化学)分子層(1023’)を作製し、そしてチップ本体(1229)上に嵌設し、光ファイバモジュール(1027’)をガラス基板(1022’)の後面に配置し、その間に屈折率を一致させる液体(1028’)を注入し、押え体(1230)がチップの排気孔(1206’)の上部に圧接され、押え体(1230)上の吸気パイプ(1214’)が何らかの微流量ポンプに連通可能であり、前記モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップと同様に、N個の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップ(1229)を並列にして組合せモジュールを構成することが可能であり、吸引パイプ(1204’)は試料容器(1210’)の位置と一致するように配列することが可能であり、Nの数は限定されないもの、
5)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップの組合せモジュールであって、
モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理で、複数の線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップ(1229)を組合せモジュールとして組立てるものであり、吸引パイプ(1204’)の配列形態は試薬槽(1210’)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよいもの、
であることを特徴とする請求項2記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項4】
前記光ファイバモジュール(1000)、(1010)、(1025)の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、または広帯域の反射防止膜上を更に生体または化学分子層で被覆したことを特徴とする請求項1または2記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項5】
前記光ファイバモジュール(1100)および(1200)の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、または広帯域の反射防止膜上を更に生体または化学分子層で被覆したことを特徴とする請求項3記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項1】
線状アレイ光ファイババイオチップと、面状アレイ光ファイババイオチップと、面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップとを含む白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップであって、
前記線状アレイ光ファイババイオチップは、一つ以上の線状アレイ光ファイバモジュール(1000)がチップ本体(1008)内に封止されたものであり、前記線状アレイ光ファイバモジュール(1000)は線状アレイに配列された光ファイバ(1001)が密封器(1002)内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイババイオチップは面状アレイ光ファイバモジュール(1010)がチップ本体(1019)内に封止されたものであり、前記面状アレイ光ファイバモジュールは面状アレイに配列された光ファイバ(1011)が密封器(1012)内に封止されたものであり、
前記面状アレイ光ファイバ−ガラス基板バイオチップは、ガラス基板(1022)表面を所望の生体または化学分子層(1023)で被覆したものであり、生体または化学分子層はドットマトリクス状に配置され、ガラス基板(1022)は微小流路体(1024)と一体に封止されており、光ファイバモジュール(1025)または光ファイバコンバータ(1300)、(1304)はガラス基板(1022)の後面に配設され、これらの間に屈折率を一致させる液体(1028)が注入され、光ファイバモジュール(1025)または光ファイバコンバータ(1300)、(1304)の全ての光ファイバ(1026)、(1301)または(1305)は生体または化学分子層のドットマトリクス(1023)に一対一で対向していることを特徴とする白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項2】
前記光ファイババイオチップおよびこれに対応した微小流路の構造形式には、
1)線状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この線状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、光ファイバ(1001)が密封器(1002)内に封止され光ファイバモジュール(1000)を構成し、二つの光ファイバモジュール(1000a)および(1000b)が相対的に平行に配置されて、微小流路(1005)を形成し、微小流路(1005)の両側が入口(1006)および出口(1007)に連通しており、出口(1007)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
2)面状アレイ光ファイババイオチップの基本型であって、
この面状アレイ光ファイババイオチップの基本型は、光ファイバ(1011)が密封器(1012)内に封止され光ファイバモジュール(1010)を構成し、光ファイバ(1011)は線状アレイでも面状アレイでも配列可能であり、光ファイバモジュール(1010)はチップ本体(1019)の底部に垂直に嵌設されており、光ファイバ端面(1013)の前方は水平の微小流路(1015)であり、その両側は分配溝(1014)および(1016)にそれぞれ連通しており、分配溝(1014)および(1016)の上部はそれぞれ入口(1017)および出口(1018)であり、出口(1018)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるものと、
3)面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型であって、
この面状アレイ光ファイバ/ガラス基板バイオチップの組合せの基本型は、ガラス基板(1022)上にドットマトリクス状に配置した生体または化学分子層(1023)を作製し、これをもって前記チップの光ファイバモジュール表面(1013)と置換し、微小流路体(1024)がガラス基板(1022)上における生体または化学分子層が作製された面に圧接され、ガラス基板(1022)の他面は光ファイバモジュール(1025)に接続され、両者の間には屈折率を一致させる液体(1028)が注入されているものと、
の三種類の基本型があり、
前記光ファイバチップおよびこれに対応する微小流路の構造形式は、前記三種類の基本型を基礎として、その他数種類の実用化されたチップ構造を開発することが可能であることを特徴とする請求項1記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項3】
前記その他の実用化されたチップ構造とは、
1)複数チャネルの微小流路および線状アレイ光ファイババイオチップの組合せであって、
光ファイバ(1101)を均等距離で密封器(1102)内に封止して光ファイバモジュール(1100)を構成し、光ファイバモジュールの上面が複数チャネルの微小流路体(1103)となり、その両端が入口(1105)および出口(1106)にそれぞれ連通し、押え板(1107)が下向きで微小流路体(1103)をチップ(1100)上に圧接し、押え板(1107)の下面にはキャビティ(1108)が設けられ、該キャビティは全ての出口(1106)の上に配設されており、キャビティの上方には何らかの微流量ポンプに連通可能である吸気パイプ(1109)が設けられているもの、
2)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップであって、
線状アレイ光ファイバモジュール(1200)がチップ本体(1203)内に封止され、生体(化学)分子層が作製された光ファイバ端面(1202)を微小流路(1205)に対向させており、微小流路の一端が廃液室(1207)および出口(1206)に連通し、他端が吸引パイプ(1204)に連通しており、吸引パイプ(1204)の配列形態は試薬槽(1210)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、押え体(1209)がチップ本体(1203)上に圧接され、吸気パイプ(1208)が押え体(1209)内に嵌設され、吸気パイプ(1208)は何らかの微流量ポンプに連通可能であるもの、
3)モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールであって、
複数のモスキート型線状アレイ光ファイバチップ(1203’)が押え体(1212)に並列に組合され、二次元の面状アレイチップが形成されており、吸引パイプ(1204’)の配列形態は試薬槽(1210’)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよく、また、押え体(1215)の下面に気体溝(1213)が設けられ、何らかの微流量ポンプに連通可能である排気パイプ(1214)が気体溝中央位置の上方に設けられ、全てのチップを一括に排気することも可能であるもの、
4)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップであって、
予めガラス基板(1022’)上面にドットマトリクス状の生体(化学)分子層(1023’)を作製し、そしてチップ本体(1229)上に嵌設し、光ファイバモジュール(1027’)をガラス基板(1022’)の後面に配置し、その間に屈折率を一致させる液体(1028’)を注入し、押え体(1230)がチップの排気孔(1206’)の上部に圧接され、押え体(1230)上の吸気パイプ(1214’)が何らかの微流量ポンプに連通可能であり、前記モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップと同様に、N個の線状アレイ光ファイバ−ガラス基板のモスキート型バイオチップ(1229)を並列にして組合せモジュールを構成することが可能であり、吸引パイプ(1204’)は試料容器(1210’)の位置と一致するように配列することが可能であり、Nの数は限定されないもの、
5)線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップの組合せモジュールであって、
モスキート型線状アレイ光ファイババイオチップの組合せモジュールと同じ原理で、複数の線状アレイ光ファイバ/ガラス基板のモスキート型バイオチップ(1229)を組合せモジュールとして組立てるものであり、吸引パイプ(1204’)の配列形態は試薬槽(1210’)と一致すべきであるが、一次元でも二次元的配列のいずれでもよいもの、
であることを特徴とする請求項2記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項4】
前記光ファイバモジュール(1000)、(1010)、(1025)の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、または広帯域の反射防止膜上を更に生体または化学分子層で被覆したことを特徴とする請求項1または2記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【請求項5】
前記光ファイバモジュール(1100)および(1200)の端面はいずれも広帯域の反射防止膜でめっき処理され、または広帯域の反射防止膜上を更に生体または化学分子層で被覆したことを特徴とする請求項3記載の白色光反射干渉の分光変化規則に基づく光ファイバアレイバイオチップ。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15】
【公表番号】特表2007−501403(P2007−501403A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529550(P2006−529550)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000390
【国際公開番号】WO2004/102170
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505398778)フォルテバイオ,インク. (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000390
【国際公開番号】WO2004/102170
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(505398778)フォルテバイオ,インク. (6)
【Fターム(参考)】
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