説明

的当てゲーム装置

【課題】観覧車の搭乗者へ景色の観覧以外の楽しみを持たせると共に、何度でも観覧車に搭乗したくなる的当てゲーム装置の提供を目的とする。
【解決手段】多数の乗篭1を有する観覧車5の乗篭1に、外部に設けた標的3に向かって物体投下若しくは物体発射させる、又は、発射音若しくは発射光線を発生させる発射装置20を、付設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、的当てゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、観覧車は、人が搭乗する多数の乗篭を高所まで移動させて、乗篭に乗った搭乗者が高所での景色を観察し楽しむものであった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−68309号公報
【0003】
ところが、これら観覧車は、乗り場からすぐの低い箇所の風景は特別といって珍しくはなく、搭乗者は高所へ行くまで退屈していた。また、高所から戻ってきた降り場付近での低い箇所でも、降りるのを待つだけの退屈な時間を過ごしていた。
さらに、観覧車は高所での風景の観覧が最大の目的であるが、一度搭乗すると風景への感心は薄れ、たとえ、再び搭乗しても高所での風景の感動は薄いものであった。そのため、再搭乗する搭乗者は少なかった。しかし、観覧車等のレジャー施設において、再来場者(リピーター)の確保は、施設を運営していく上で重要であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、再搭乗者の景色への関心や感動は薄く、再び搭乗しても景色を楽しむことができないため観覧車の再搭乗者が少ないという点である。また、乗篭の移動速度が遅いために景色の変化がゆっくりとなってしまい搭乗者を退屈させてしまう点である。
【0005】
そこで、本発明は、搭乗者へ景色の観覧以外の楽しみを持たせると共に、何度でも観覧車に搭乗したくなる的当てゲーム装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成させるために本発明に係る的当てゲーム装置は、多数の乗篭を有する観覧車の該乗篭に、外部に設けた標的に向かって物体投下若しくは物体発射させる、又は、発射音若しくは発射光線を発生させる発射装置を、付設したものである。
【0007】
また、多数の乗篭を有する観覧車の該乗篭の下方に、複数の得点ゾーンに区画された標的を設置し、上記乗篭の搭乗者が上記標的に向けて投下物体を投下又は発射させる発射装置を上記乗篭に設け、さらに、上記投下物体が複数の上記得点ゾーンのいずれに投下されたかを検知する検知手段と、該検知手段からの信号によって得点を表示する得点表示部と、を備えたものである。
【0008】
また、上記得点表示部が上記乗篭に付設したものである。
また、上記得点表示部が上記観覧車の乗降場に設置されているものである。
また、上記標的に投下された上記投下物体を回収して上記乗降場へ自動搬送する回収搬送装置を備えたものである。
【0009】
また、多数の乗篭を有する観覧車の該乗篭に、外部に設けた標的を狙う発射装置を付設し、該発射装置は発射音若しくは発射光線を発生させるように構成し、かつ、上記標的は上記観覧車に向かってターゲット信号を発信可能な信号発信部を備え、
さらに、上記発射装置は、上記乗籠の搭乗者が操作して上記標的の方向を一致させた際に上記ターゲット信号が通過する指向性導入管と、該導入管の奥部に付設したターゲット信号を受信する受信器と、を備えているものである。
【0010】
また、上記乗篭が、上記受信器のターゲット信号を検出中において該ターゲット信号を発信している標的への射撃可表示を行うタイミング表示部と、該タイミング表示部の射撃可表示中に発射音又は発射光線を発生させる発射操作部の操作によって標的命中としてその命中回数を表示する得点表示部と、を備えているものである。
【0011】
また、上記受信器が上記ターゲット信号を受信したことを判断し命中信号を発する命中演算処理部と、該命中信号を受け得点として累積演算する射撃演算処理部と、累積された得点をカードに表示し発券するカード発券部と、を備えているものである。
【0012】
また、上記発射装置が、地上観察及び上記標的の観察のための観察カメラを具備し、かつ、上記乗篭に、該カメラの映像を表示するモニタを設けたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の的当てゲーム装置によれば、観覧車の乗篭に搭乗者が操作できる発射装置と、発射装置に狙われる標的を備えているので、観覧車の搭乗者が景色を楽しむ以外にも的当てゲームを楽しむことができる。また、乗篭の下方に、複数の得点ゾーンに区画された標的を設置し、上記乗篭の搭乗者が上記標的に向けて投下物体を投下又は発射させる発射装置を上記乗篭に設けたので、搭乗者は的当てゲームができる共に、ゲームの結果を得点化でき、搭乗者のゲーム成績の向上心をあおり、再搭乗を促すことができる。また、発射装置は発射音若しくは発射光線を発生させるように構成しているので、あたかも、標的にレーザ光線や弾が命中したかのような演出ができると共に、より搭乗者を楽しませることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1〜図6に本発明に係る第1の実施の形態を示す。
図1〜図6において、1は、観覧車5に連結され、搭乗者10が乗り降り可能な乗篭である。また観覧車5の下方の中央部に搭乗者10が乗篭1へ乗り降りする乗降場50を設けている。観覧車5は図1〜図3及び図5に示す矢印Rの方向へ回転しながら、乗篭1を乗降場50から出発して高所へ上昇移動させた後、下降して再び乗降場50に到着させる。観覧車5の上昇側乗篭1の下方に柵で区切られた第1エリアAを設けると共に、下降側乗篭1の下方に柵で区切られた第2エリアBを設けている。この第1・2エリアA,Bに、複数の得点ゾーンZに区画された標的3を各々設置している。また、乗篭1に、搭乗者10が標的3に向けて投下させる球状の投下物体8を(投下方向・タイミングを)コントロールしながら投下させる発射装置20が付設している。
【0015】
標的3は、上向きの円板状取付板31に、径寸法の相違する複数の短円筒部32を同心状に固着して形成され、短円筒部32によって、複数の得点ゾーンZが区画されている。得点ゾーンZには、例えば、中央から外径方向に向かって順に100点、80点、50点、20点、が割り振られ、取付板31の上面には、得点ゾーン毎に夫々の得点が表示されている。 また、取付板31は、各得点ゾーンZにおける最も低い位置に投下物体8の回収用孔33を形成している。また、得点ゾーンZに投下された球状の投下物体8が、取付板31上を転がって回収用孔33に落ちるように傾斜状に設けられている(図2,図5,図6参照)。
【0016】
乗篭1に設けられた発射装置20は、上端に中間部がフレキシブルな筒状投入部19と、投下物体8を内部に滞留し投下させる発射制御部18と、下端に投下物体8を放射する筒状送り出し部17を連結して形成している。そして、乗篭1の外側壁部に取着され、発射制御部18の上部(あるいは、投入部19の下部)は、乗篭1の内側壁面に付設されたハンドル15と乗篭1の内外にわたり回転軸にて連結されている。つまり、ハンドル15を回転させると、発射制御部18及び送り出し部17は、ハンドル15の回転方向に合わせて揺動する。また、地上観察及び標的3の観察や狙う為の下向きの観察カメラ26を具備している。カメラ26は撮影方向が送り出し部17の発射方向と同一の方向を向くように発射制御部18に設けられている(図2,図3,図5参照)。
【0017】
また、乗篭1内部には、発射制御部18に投下物体8を投下させる操作部13と、搭乗者10に案内説明や標的3の命中音等の様々な効果音を発生させる第1スピーカ14Aと、送り出し部17を揺動させて投下方向をコントロールする円盤状ハンドル15と、景色の案内やゲームの説明やBGM等を第1スピーカ14Aから流すようにできる音声ナビゲーションボタン16と、カメラ26の映像を表示するモニタ27と、投下物体8を標的3の得点ゾーンZに落下させて得た得点を表示する第1得点表示部40Aと、を有している。さらに、発射装置20や第1スピーカ14Aや得点表示部40A等を制御可能な篭制御装置11を付設している(図4参照)。
【0018】
さらに、第1の実施の形態の的当てゲーム装置は、標的3に投下された投下物体8を回収して乗降場50へ自動搬送する回収搬送装置7を備えている。回収搬送装置7は、標的3の各々の回収用孔33から下方へ延びた短筒部に接続され、乗降場50の乗場まで延設された(透明チューブ等から成る)搬送パイプ48と、搬送パイプ48の中間部(標的3寄り)に設けられ投下物体8を乗場まで送る風をパイプ48内に発生させるモーターファン46と、を備えている。
【0019】
また、投下物体8は、回収搬送装置7のモーターファン46によって搬送可能となる程度の軽いものであり、例えば、ゴムやプラスチックから成る中空状のボール等である。また、標的に投下された時に爆発音を発するようなものでも良い。また、投下物体8を個々に識別可能なICチップが内蔵されたものでも良い。
【0020】
また、第1の実施の形態の的当てゲーム装置は、投下物体8が複数の得点ゾーンZのいずれに投下されたかを検知する検知手段35を備えている。検知手段35は、標的3の得点ゾーンZ毎に形成された回収用孔33を投下物体8が通過したことを検知するセンサ36と、各々のセンサ36と接続されて検知信号が送信され検知信号を演算して得点化する検知制御装置43と、を備えている。
【0021】
また、乗降場50の近傍には得点をランプの点灯点滅で搭乗者10や係員に確認させる第2得点表示部40Bが取着している。第2得点表示部40Bは、第1・第2エリアA,Bの各々の標的3へ投下物体8を落下させて得た合計得点を確認させるものであり、第2得点表示部40Bに信号を送って表示ランプを切り換えて点灯・点滅させる信号制御装置45に接続されている。言い換えると、第1の実施の形態では、乗篭1と乗降場50とに得点表示部40を各々設けている。
【0022】
また、第2得点表示部40Bの近傍に得点をアナウンスする(音源アンプ内蔵の)第2スピーカ14Bを設けている。第2スピーカ14Bは再生する音源についての信号を信号制御装置45から受信可能に接続されている。言い換えると、第1の実施の形態では、乗篭1と乗降場50とに得点をアナウンス可能なスピーカ14を各々設けている。
【0023】
また、第1・第2エリアA,B内に、乗篭1に投下物体8の放出の許可信号を送信するエリア許可送信部71と、放出の不許可信号を送信する不許可送信部72と、得点等の情報を送信する得点送信部73と、乗篭1の個別の識別番号(ID)情報を受信するエリア受信部74と、を設けている。また、エリア受信部74と得点送信部73とを検知制御装置43に接続している。
【0024】
また、乗篭1には、投下物体8の放出の許可・不許可の許可信号と得点等の情報と各々を識別する個別の識別番号(ID)情報とを受信する篭受信部81と、乗篭1の個別の識別番号(ID)情報を送信する篭送信部82と、を設けている。また、篭受信部81と篭送信部82とは篭制御装置11に接続されている。
【0025】
また、乗降場50に乗篭1の個別の識別番号(ID)情報と総合結果を(合計得点)を受信する結果受信部61と、乗篭1の篭制御装置11にスタート及びリセット信号を送信する設定送信部62を備えている。
【0026】
また、乗降場50の近傍には、検知手段35(検知制御装置43)と、回収搬送装置7(モーターファン46)と、結果受信部61と、設定送信部62と、信号制御装置45と、許可送信部71と、不許可送信部72と、に接続されて信号が送受信されるメイン制御装置44が設けれている。
【0027】
次に第1の実施の形態の使用方法及び作用について説明する。
観覧車5の係員は、乗降場50から出発する乗篭1に搭乗者10を乗り込ませる。さらに、標的3の所定の数だけ投下物体8を乗篭1に付設されている発射装置20の投入部19に投入する。投下物体8は発射制御部18に貯えられる。乗篭1はゆっくりと大きな円弧状の軌跡を描きながら乗降場50を離れ上昇していく。
【0028】
乗篭1が第1エリアAの上方にさしかかると、乗篭1の篭送信部82から無線送信される個々の乗篭1固有の識別番号(ID)をエリア受信部74が受信する。また、第1エリアAの許可送信部71から送信される投下許可信号を乗篭1の篭受信部81が受信する。すると、許可信号を受信した乗篭1は、篭制御装置11を介して、発射操作部13を点滅させると共に、第1スピーカ14Aから投下(発射)許可の音声やゲームの説明案内が流れる。さらに、発射装置20の発射制御部18が許可信号を得て投下物体8を投下可能な状態にする。また、発射装置20に取着されたカメラ26は、第1エリアAや標的3等の地上の様子をモニタ27に映し出す。
【0029】
搭乗者10は、円盤状のハンドル15を舵をとるように左右に回転させて操作する。ハンドル15によって発射装置20の送り出し部17は、標的3の得点ゾーンZに投下物体8を投下可能な方向に揺動する。また、カメラ26も送り出し部17と同様の方向を向く。搭乗者10はモニタ27又は直接標的3を見ながら発射操作部13を操作する(例えば発射ボタンを押すといった操作)。発射操作部13によって発射装置20から投下物体8が投下され、標的3の得点ゾーンZに命中する。
【0030】
投下された投下物体8は、取付板31が傾斜状のため、得点ゾーンZに形成された回収用孔33に吸い込まれるように落ちる。回収用孔33に取着されたセンサ36が投下物体8を検知する。センサ36は検知信号を検知制御装置43に送信し、検知制御装置43が検知信号を演算処理して得点化する。そして、第1エリアAに設けられた得点送信部73は、得点化されたデータ(得点)と、エリア受信部74が受信した乗篭1のIDデータと、を送信する。乗篭1に設けられた篭受信部81は、得点とIDのデータを篭制御装置11で確認して第1得点表示部40Aに得点を表示する。つまり、言い換えると、検知手段35からの信号によって得点表示部40に得点を表示する。
【0031】
乗篭1が標的3の上方を通過すると、第1エリアAに設置された不許可送信部72から発信され、投下を禁止する(投下を不許可とする)信号を乗篭1の篭受信部81が受信し、不許可信号を篭制御装置11に送る。篭制御装置11は発射操作部13を消灯させると共に、第1スピーカ14Aから投下(発射)不許可の音声や最初のゲームの終了を伝える案内が流れる。さらに、発射装置20の発射制御部18が不許可信号を得て残りの投下物体8を投下不可能な状態にする。発射装置20は、次の許可信号を受信するまで投下不可能な状態が続く。
【0032】
また、検知センサ36によって投下物体8を検知すると、検知センサ36は検知信号をメイン制御装置44に送信する。メイン制御装置44は検知信号を確認してモーターファン46を起動する。モーターファン46は、回収用孔33と接続されている透明パイプ48内の投下物体8を空気圧送によって乗降場50に搬送する。即ち、投下物体8を回収搬送装置7によって乗降場50へ自動搬送する。
【0033】
第1エリアAでの的当てゲーム終了後、乗篭1は高所へ移動し、搭乗者10に風景を楽しませる。また、次(最後)の標的3の設置されている第2エリアBでゲームをするまでの間、乗篭1では、発射装置20に付設しているカメラ26によってモニタ27に地上の映像を映し出す。また、搭乗者10が音声ナビゲーションボタン16を操作(押す)と、第1スピーカ14から景色の説明(山や建物の名称等)が流れる。また、別の音声ナビゲーションボタン16を操作(押せば)BGMが流れる。
【0034】
乗篭1が再び降下して乗降場50の手前にある第2エリアBに近づくと、第1エリアAの際と同様に、乗篭1は、IDを送信すると共に、第2エリアB内に設置された許可送信部71からの発射許可信号を受信して、第2エリアB内で的当てゲームがプレイ可能となる。搭乗者10は、第1エリアAと同様にハンドル15や発射操作部13を操作して投下物体8を標的3に投下する。投下物体3が標的3に命中したことで得られる得点は、第1エリアAと同様に第2エリアB内に設置された得点送信部73から乗篭1の篭受信部81にIDデータと共に送信される。乗篭1は、IDデータと得点を篭受信部81で受信した後に篭制御装置11によって確認及び演算され、第1得点表示部40Aに第1エリアAで得た得点と、第2エリアBで得た得点と、第1・2エリアA,Bで得た得点の合計得点を表示する。乗篭1が第2エリアB内の標的3を通過すると、第2エリアB内に設置された不許可送信部72から不許可(発射禁止)信号を受信して、投下物体8の投下が禁止となる。
【0035】
また、第1・2エリアA,Bに設置された標的3の上方を通過する乗篭1は、円弧状の軌跡を描くように上昇移動するので、第1エリアAの標的3と第2エリアBの標的3の上方をそれぞれ2度通過するが、乗篭1が高所の際は、第1・2エリアA,Bに設置された許可送信部71から発信される許可信号は受信できず、乗篭1からのID(認識番号)信号はエリア受信部74に受信されない。つまり、高所の乗篭1の発射装置20は投下物体8を投下可能な状態にしない。また、エリア受信部74は他の乗篭1のIDと混信しない。
【0036】
乗篭1が乗降場50に到着すると、篭送信部82から合計得点やIDといった結果データを乗降場50に設置された結果受信部61に送信する。結果受信部61は結果データをメイン制御装置44で結果信号に演算して信号制御装置45に送信する。信号制御装置45は結果信号を演算し、第2得点表示部40Bに得点信号として伝達し得点を表示させると共に第2スピーカ14Bにアナウンス信号を伝達し得点に対応する音声や効果音を発生させる。
【0037】
また、結果データを送信後に、乗篭1は、乗降場50に付設された設定送信部62から送信されるリセット及びスタート信号を篭受信部81で受信して、搭乗者10の得点結果を削除し、新たな搭乗者が的当てゲームをできるようにスタート設定の状態になる。ここで、図8は、上述した信号及びデータの送受信の関係をブロック図として示したものである。
【0038】
また、係員は、得点結果に応じて搭乗者10に景品を渡す。新たな搭乗者10を再び出発する乗篭1に乗せ、回収搬送装置7によって乗降場50に搬送されてきた投下物体8を発射装置20の投入部19に投入する。
【0039】
なお、本発明に係る第1の実施の形態は、設計変更可能であって、例えば、累積された得点をカード41に表示して発行できるカード発券部42を、乗篭1や乗降場50に付設しても良い。また、回収搬送装置7は、コンベア式の回収装置としても良い。また、信号やデータの各々の伝達は有線や無線のどちらでも良い。
【0040】
また、図7は標的3の他の一例を示し、ビンゴゲームを楽しむものである。他の一例の標的3は正方形状を有するとともに、縦・横の2条ずつの区分け線をもって9つの正方形状の得点ゾーンZに区画されている。そして、(例えば、)4隅の得点ゾーンZの左右の得点ゾーンZを80点とし、100 の得点ゾーンZの前後の得点ゾーンZを20とする。標的3の取付板31,回収用孔33の構造や傾斜状に設けられる等の構成は、第1の実施の形態で説明した標的3と同様である。第1・2エリアA,Bに標的を合計で3箇所設置する。
【0041】
標的3の他の一例の作用及び効果としては、夫々の標的3に向けて順次1つずつの投下物体8を投下させる。そして、各標的3で命中(落下)した得点ゾーンZが一列に並んだならばビンゴとし、この場合にボーナス得点を付加される等の特別待遇を与えるように得点の演算をおこなって得点表示部40(第1・2得点表示部40A,40B)に表示させる。つまり、ゲーム性を向上させ、搭乗者10にボーナス得点を目指させ、よりゲームに熱中させることができる。また、第1の実施の形態と同様に、投下物体8が得点ゾーンZに命中した得点の合計の大小や真ん中の得点ゾーンZに命中した回数で競うように演算処理して得点表示部40に表示させるようにしても良い。
【0042】
次に図9〜図11に本発明に係る第2の実施の形態を示す。
1は、第1の実施の形態と同様の観覧車5に連結され、搭乗者10が乗り降り可能な乗篭である。また観覧車5の下方の中央部に乗篭1が搭乗者10が乗り降りする乗降場50を設けている。乗篭1を乗降場50から出発して高所へ上昇移動させた後、下降して再び乗降場50に到着させるものである。
【0043】
観覧車5の外部の建物や地上には、自らの位置を示すかのようなターゲット信号Fを観覧車5に向けて発信する信号発信部30を備えた標的3を複数設置している。
【0044】
乗篭1の内部には、観覧車5の外部に設置した標的3を狙う狙撃銃のような形状をした発射装置20が付設されている。発射装置20は、先端部12(銃口)の向きを自由に向けることができるように乗篭1に取着されている。また、トリガー状の発射操作部13と、操作部13を操作する(トリガーを引く)ことで、発射装置20の向いた方向(銃口の向いた方向)に、標的3へ発射するかのようなレーザ状の可視光線を発光させる発光部29と、操作部13を操作する(トリガーを引く)ことで、標的3にレーザ光線(又は弾)が発射されたかのような発射音(効果音)や的当てゲームの説明や得点の案内等の音声を発生させる第1スピーカ14Aと、を備えている。さらに、発射装置20は、先端部12から標的3のターゲット信号Fを導入する指向性導入管22を形成している。また、乗篭1の搭乗者10が発射装置20の先端部12の向く方向をかえるように操作して標的3の方向と一致した際に導入管22を通過したターゲット信号Fを受信する受信器を導入管22の奥部に設けている。
【0045】
また、乗篭1に付設された発射装置20には、導入管22を通過した標的3からのターゲット信号Fを受信している際に、射撃可表示(ロックオン表示)が表示(点灯)されるタイミング表示部23を設けている。また、タイミング表示部23に射撃可表示が表示されている際に、発射音や発射光線をさせる操作部13を操作する(トリガーを引く)と、その操作によって標的3に仮想の弾やレーザが当たったと判断し、その標的命中回数や、標的3の点数(ターゲット信号Fに含まれる点数信号)を得点として表示する第1得点表示部40Aを設けている。また、発射装置20は、先端部12の向いた方向(銃口の向いた方向)の景色や標的3を撮影する観察カメラ26と、カメラ26の映像を表示するモニタ27と、を備えている。
【0046】
また、乗篭1の内部に、受信器21が標的3のターゲット信号Fを受信し、操作部13が操作されたことを判断して標的命中信号を発信する命中演算処理部24と、命中信号を受けて得点として累積演算する射撃演算処理部25とを設けている。また、累積された得点をカード41に表示させる発券部42を設けている。
【0047】
また、図示省略するが、乗降場50に累積演算した得点や命中回数や命中率等表示する第2得点表示部40Bを設けると共にゲームの結果をアナウンスする第2スピーカ14Bを設けている。言い換えると、第2の実施の形態では、乗篭1と乗降場50とに得点表示部40(第1・2得点表示部40A,40B)を各々設けている。さらに、乗篭1と乗降場50とに結果をアナウンスできるスピーカ14(第1・2スピーカ14A,14B)を各々設けている。
【0048】
次に第2の実施の形態の使用方法及び作用について説明する。
搭乗者10は、乗降場50から観覧車5の乗篭1に乗り込む。移動中の乗篭1の第1スピーカ14Aから、標的3を狙う的当てゲームがプレイ可能な案内が流れる。搭乗者10は、発射装置20で標的3を狙うように操作する。この際、発射装置20に付設されているカメラ26の映像がモニタ27に映し出される。搭乗者10はモニタ27を見ながら標的3を狙うように操作しても良い。そして、タイミング表示部23に射撃可表示(ロックオン表示)が表示(点灯)した際に、操作部13を操作する(トリガーを引く)。すると射撃装置20の発光部29から標的3に向かってレーザ状の光線が発光すると共に、レーザ光線の発射音が第1スピーカ14Aから流れる。その直後、標的3に命中した命中音が流れると共に得点をアナウンスする。さらに、第1得点表示部40Aが得点を表示する。
【0049】
また、射撃可表示が表示されていない状態で、操作部13を操作する(トリガーを引く)と発光部29から標的3に向かってレーザ状の光線が発光すると共に、レーザ光線の発射音が第1スピーカ14Aから流れる。その直後、標的3を外したような効果音が流れると共に、標的3への狙いが外れたこと(零点)をアナウンスする。
【0050】
搭乗者は所定数の標的3を狙い、得点を重ねる。最後の標的3でプレイし、的当てゲームのプレイが終了すると、発券部42から累計得点や命中回数や命中率さらに(優秀かどうかの)ランクが表示されたカード41が発行される。
【0051】
つまり、標的3の信号発信部30からターゲット信号Fが発信されている。標的3と先端部12を向かい合わせることで、発射装置20の導入管22を通過したターゲット信号Fを受信器21が受信する。受信器21が受信したことで、タイミング表示部23は射撃可表示を表示する。射撃可表示中に操作部13を操作すると、発光部29から標的3に向かってレーザ状の光線が発光するが、実際には、標的3に当たる必要はなく視覚演出のためのダミー光線を発光しているといえる。また、射撃可表示中に操作部13を操作すると、命中演算処理部24が標的3からのターゲット信号Fを読み取る。命中演算処理部24はターゲット信号Fを読み取ることで、命中信号を射撃演算処理部25に伝達する。射撃演算処理部25は命中信号を得点化処理し得点信号を得点表示部40に送信する。得点信号を受けた得点表示部40は得点を表示する。ここで、図12に処理の流れを説明するフロー図を示す。また、命中信号を受けてスピーカ14は命中音を流すと共に、得点信号を受けて得点をアナウンスする。そして、的当てゲームが終了すると、射撃演算処理部25は累積演算した得点や命中回数や命中率等の信号をカード発券部42に伝達しカード41が発行される。その後、搭乗者10が乗篭1から降りた際に、累積演算した得点や命中回数や命中率等を第2得点表示部40Bに表示すると共に第2スピーカ14Bでアナウンスする。
【0052】
なお、本発明に係る第2の実施の形態は設計変更可能であって、乗降場50にカード発券部42を設けて、カード41を発行するようにしても良い。また、乗篭1に命中信号を送信する命中信号送信部92を設け、標的3の色を変化させたり動作させる標的動作部90(図示省略)と、命中信号を受信して標的動作部90に信号を送信する標的送受信部91(図示省略)とを設けて、標的3が命中信号を受信して、色を変化させたり、文字を表示させたり、倒れる等の動作をするように構成しても良い。ここで、図13に標的3に動作させる処理の流れを説明するフロー図を示す。また、標的3は、観覧車5の外部に標的3が設置可能な標的用建築物を設置しても良い。また、発射装置20の形状は第2の実施の形態で述べた銃型以外にも、大砲型等とし、操作部13はボタン型等種々に設計変更自由である。また、発射装置20から個々の乗篭1を識別可能なIDレーザー光線(波長等を個々に換えてID信号とするような光線)を発射させて、標的3に設けたID受信部にて個々の乗篭1を認識(識別)し、電波等で該当する乗篭1へ返して、ヒット(命中)を演出するようにしても良い。
また、本発明に係る第1の実施の形態は、設計変更可能であって、投下物体8に個々に識別可能なICチップを内蔵しても良い。
【0053】
以上のように本発明は、多数の乗篭1を有する観覧車5の乗篭1に、外部に設けた標的3に向かって物体投下若しくは物体発射させる、又は、発射音若しくは発射光線を発生させる発射装置20を、付設したので、搭乗者10は景色や風景を楽しむ以外に的当てゲームをすることができる。
【0054】
また、多数の乗篭1を有する観覧車5の乗篭1の下方に、複数の得点ゾーンZに区画された標的3を設置し、乗篭1の搭乗者10が標的3に向けて投下物体8を投下又は発射させる発射装置20を乗篭1に設け、さらに、投下物体8が複数の上記得点ゾーンZのいずれに投下されたかを検知する検知手段35と、検知手段35からの信号によって得点を表示する得点表示部40と、を備えているので、的当てゲームができると共に、ゲームの結果を得点として搭乗者10に伝えることができ、搭乗者10のゲーム成績の向上心をあおり、再搭乗を促すことができる。また、複数の得点ゾーンZを設けているので、ゲームの得点に個人差をつけることができると共に景品のプレゼント等の付加サービスの差別化ができる。また、乗篭1が低位置であっても、搭乗者10は退屈することなく楽しむことができる。
【0055】
また、得点表示部40が乗篭1に付設されているのでゲーム結果を即座に搭乗者10に伝えることができ、搭乗者10をより楽しませることができる。
また、得点表示部40が観覧車5の乗降場50に設置されているので、係員や搭乗者に確実に同じ情報を伝達できる。また、周囲の人にも聞え、搭乗する興味を促す(宣伝効果を得る)ことができる。
また、標的3に投下された投下物体8を回収して乗降場50へ自動搬送する回収搬送装置7を備えているので、少人数で運営及び管理ができる。
【0056】
また、多数の乗篭1を有する観覧車5の乗篭1に、外部に設けた標的3を狙う発射装置20を付設し、発射装置20は発射音若しくは発射光線を発生させるように構成し、かつ、標的3は観覧車5に向かってターゲット信号Fを発信可能な信号発信部30を備え、さらに、発射装置20は、乗籠1の搭乗者10が操作して標的3の方向を一致させた際にターゲット信号Fが通過する指向性導入管22と、該導入管22の奥部に付設したターゲット信号Fを受信する受信器21と、を備えているので、実物のボールや弾やレーザー光線を実際には標的3に当てる必要がなく、周囲の安全性をより確保して的当てゲームをすることができる。また、乗篭1から標的3を遠くに設置することや、搭乗者10からみて前後上下左右と立体的に標的3を3次元的に設置できる。また、発射装置20は発射音若しくは発射光線を発生させるように構成しているので、あたかも、標的3にレーザ光線や弾が命中したかのような演出ができると共に、より搭乗者10を楽しませることができる。
【0057】
また、乗篭1が、受信器21のターゲット信号Fを検出中においてターゲット信号Fを発信している標的3への射撃可表示を行うタイミング表示部23と、タイミング表示部23の射撃可表示中に発射音又は発射光線を発生させる発射操作部13の操作によって標的命中としてその命中回数を表示する得点表示部40と、を備えているので、搭乗者10に標的3へ命中可能かどうかを的確に知らせることができ、あたかも、乗篭1側から物体を発射するかのような演出ができる。つまり、搭乗者10に臨場感を与え、よりゲームを楽しませることができる。また、得点表示部40を備えているので、搭乗者10の成績向上心や他の搭乗者10との競争心をあおり、再搭乗を促すことができる。
【0058】
また、受信器21がターゲット信号Fを受信したことを判断し命中信号を発する命中演算処理部24と、命中信号を受け得点として累積演算する射撃演算処理部25と、累積された得点をカード41に表示し発券するカード発券部42と、を備えているので、得点を記録として残すことができ、搭乗後の搭乗者10同士を競わせ、再搭乗を促すことができる。また、記録に応じた景品プレゼント等の付加サービスへの展開を容易にできる。
【0059】
また、発射装置20が、地上観察及び標的3の観察のための観察カメラ26を具備し、かつ、乗篭1に、カメラ26の映像を表示するモニタ27を設けているので、標的3を確実に狙うことができると共に、的当てゲーム中以外は地上の景色等を観察することができる。つまり、見慣れた景色でも新たな関心を持たせ搭乗者10の好奇心をあおり、再搭乗を促すことができる。
【0060】
また、乗篭1に投下物体8の投下(発射)を不許可(禁止)とする信号を受信して発射装置20からの投下(発射)を不可能状態にするように、篭受信部81と、許可送信部71と、不許可送信部72と、を設ければ、搭乗者10が投下物体8を投下(発射)させる区域を管理でき、より安全に運営できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】第1の実施の形態を示す正面図である。
【図2】第1の実施の形態を示す要部拡大斜視図である。
【図3】第1の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図4】第1の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図5】第1の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図6】第1の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図7】第1の実施の形態の標的の他の一例を示す要部拡大図である。
【図8】第1の実施の形態を説明するブロック図である。
【図9】第2の実施の形態を示す側面図である。
【図10】第2の実施の形態を示す要部拡大図である。
【図11】第2の実施の形態を説明するブロック図である。
【図12】第2の実施の形態を説明するフロー図である。
【図13】第2の実施の形態の設計変更の一例を説明するフロー図である。
【符号の説明】
【0062】
1 乗篭
3 標的
5 観覧車
7 回収搬送装置
8 投下物体
10 搭乗者
13 発射操作部
20 発射装置
21 受信器
22 導入管
23 タイミング表示部
24 命中演算処理部
25 射撃演算処理部
26 カメラ
27 モニタ
30 信号発信部
35 検知手段
40 得点表示部
41 カード
42 発券部
50 乗降場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の乗篭(1)を有する観覧車(5)の該乗篭(1)に、外部に設けた標的(3)に向かって物体投下若しくは物体発射させる、又は、発射音若しくは発射光線を発生させる発射装置(20)を、付設したことを特徴とする的当てゲーム装置。
【請求項2】
多数の乗篭(1)を有する観覧車(5)の該乗篭(1)の下方に、複数の得点ゾーン(Z)に区画された標的(3)を設置し、上記乗篭(1)の搭乗者(10)が上記標的(3)に向けて投下物体(8)を投下又は発射させる発射装置(20)を上記乗篭(1)に設け、 さらに、上記投下物体(8)が複数の上記得点ゾーン(Z)のいずれに投下されたかを検知する検知手段(35)と、該検知手段(35)からの信号によって得点を表示する得点表示部(40)と、を備えたことを特徴とする的当てゲーム装置。
【請求項3】
上記得点表示部(40)が上記乗篭(1)に付設されている請求項1及び2記載の的当てゲーム装置。
【請求項4】
上記得点表示部(40)が上記観覧車(5)の乗降場(50)に設置されている請求項1及び2記載の的当てゲーム装置。
【請求項5】
上記標的(3)に投下された上記投下物体(8)を回収して上記乗降場(50)へ自動搬送する回収搬送装置(7)を備えた請求項1,2,3及び4記載の的当てゲーム装置。
【請求項6】
多数の乗篭(1)を有する観覧車(5)の該乗篭(1)に、外部に設けた標的(3)を狙う発射装置(20)を付設し、該発射装置(20)は発射音若しくは発射光線を発生させるように構成し、かつ、上記標的(3)は上記観覧車(5)に向かってターゲット信号(F)を発信可能な信号発信部(30)を備え、
さらに、上記発射装置(20)は、上記乗籠(1)の搭乗者(10)が操作して上記標的(3)の方向を一致させた際に上記ターゲット信号(F)が通過する指向性導入管(22)と、該導入管(22)の奥部に付設したターゲット信号(F)を受信する受信器(21)と、を備えていることを特徴とする的当てゲーム装置。
【請求項7】
上記乗篭(1)が、上記受信器(21)のターゲット信号(F)を検出中において該ターゲット信号(F)を発信している標的(3)への射撃可表示を行うタイミング表示部(23)と、該タイミング表示部(23)の射撃可表示中に発射音又は発射光線を発生させる発射操作部(13)の操作によって標的命中としてその命中回数を表示する得点表示部(40)と、を備えている請求項6記載の的当てゲーム装置。
【請求項8】
上記受信器(21)が上記ターゲット信号(F)を受信したことを判断し命中信号を発する命中演算処理部(24)と、該命中信号を受け得点として累積演算する射撃演算処理部(25)と、累積された得点をカード(41)に表示し発券するカード発券部(42)と、を備えている請求項6記載の的当てゲーム装置。
【請求項9】
上記発射装置(20)が、地上観察及び上記標的(3)の観察のための観察カメラ(26)を具備し、かつ、上記乗篭(1)に、該カメラ(26)の映像を表示するモニタ(27)を設けた請求項1〜8記載の的当てゲーム装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate