説明

皮膚の表面外観を改善するための化粧料組成物

【課題】顔面のしわおよび欠陥部を長時間持続して隠すことを可能にする、皮膚上の心地よい堆積物を得るための新規な化粧料組成物を提案する。
【解決手段】総重量当たり少なくとも10重量%の1または複数のフィラー、少なくとも1のシリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)、および50℃以上の溶融開始点を有する少なくとも1のワックスを、生理学的に許容される媒体中に含有している、ペーストの形態をしている化粧料組成物。ならびに、皮膚の表面外観を改善するための、およびとりわけ皮膚の可視性および/または触知性の凹凸、たとえば皮膚表面のマイクロレリーフを低減するための化粧的処理方法において、上記の少なくとも1の組成物を当該凹凸を示す皮膚に少なくとも施与することを含む、上記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の、とりわけ顔面の皮膚の表面外観を改善するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に従う組成物は、詳細には皮膚の可視性および/もしくは触知性の凹凸、たとえば皮膚表面のマイクロレリーフ、または皮膚の深いしわさえをも低減するためのものである。
【0003】
老化の過程において、皮膚の構造および機能は損なわれていく。観察される主要な臨床的徴候は、皮膚のたるみに付随するしわおよび小じわの発現である。当業者は、このようなたるみは皮膚にテンショニング剤を施与することによって直ちに矯正されることができることを知っている。「テンショニング剤」の語は、張力効果を発揮する能力がある化合物、すなわち皮膚をピンと張らせ、そしてこの張力効果を通して皮膚を伸ばし、しわおよび小じわを直ちに低減し、またはこれらを消失さえさせることができる化合物を意味することが意図される。
【0004】
今日まで、しわを処理するための非常に多数のテンショニング剤の使用が当業者に知られている。残念ながら、このようなテンショニング剤の有効性はその日のうちに消失し、張力膜は顔によってつくられる表情、表情の間に壊れてバラバラになる。さらにその上、顔の最も深いしわへのこれらのテンショニング剤の有効性は不十分であり、また非常に長時間持続するわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、顔面上の最も深いしわでさえも、または傷跡さえも、終日にわたって顕著に縮小しておくことを可能にする化粧料組成物への大きな必要が存在する。
【0006】
本発明の目的は、まさにこの必要を満たすことである。
【0007】
より詳細には、本発明は、顔面のしわおよび欠陥部を長時間持続して隠すことを可能にする、皮膚上の心地よい堆積物を得るための新規な化粧料組成物を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かくして、本発明の中心的な主題は、総重量当たり少なくとも10重量%の1または複数のフィラー、シリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)、および50℃以上の溶融開始点を有する少なくとも1のワックスを、生理学的に許容される媒体中に含有している、ペーストの形態をしている化粧料組成物である。
【0009】
本発明の主題はまた、本発明の態様の他の一つに従うと、皮膚の表面外観を改善するための、ならびにとりわけ皮膚の可視性および/または触知性の凹凸、たとえば皮膚表面のマイクロレリーフを低減するための化粧的処理方法において、本発明に従う少なくとも1の組成物を当該凹凸を示す皮膚に少なくとも施与することを含む、上記方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明に従う方法は、好都合にも皮膚上に心地よい堆積物をもたらし、これは皮膚の可視性および/または触知性の凹凸を長時間持続して隠すことを可能にする。
【0011】
これは、しわおよび小じわ、ならびになによりもとりわけ皮膚の深いしわを処理するためにも有効である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記のように、本発明に従う組成物はペーストの形態をしている。
【0013】
「ペースト」の語は本明細書では、組成物であって、その粘度が測定されることができるものを意味することが意図され、これとは対照的に、ロッドやスティックの固形構造体ではその粘度は測定されることができない。
【0014】
本発明に従う組成物は、降伏点、弾性係数および粘性係数を含む特性的なレオロジーパラメータを有する。組成物の破壊降伏点または降伏点τの応力は、該組成物の巨視的流れを生じさせるのに必要な圧力と定義され、これは応力下の走査によって、たとえば実施例1に記載された25℃の温度においてHaake応力負荷CS150レオメータを使用する走査によって測定されることができる。
【0015】
その上、組成物の弾性係数および粘性係数は、測定の間に加えられる応力が組成物の破壊降伏応力未満であるという事実によって定義される「線形粘弾性」領域内の、1ヘルツの応力周波数について測定されることができる。
【0016】
一般に、本発明に従う組成物は、1ヘルツの応力周波数について25℃において、5000パスカル超、好ましくは10000パスカル超、さらにより好ましくは20000パスカル超の弾性係数、および弾性係数と粘性係数との比によって示される正接値(タンジェントδ)の0.2未満の値によって特性付けられる。
【0017】
本発明に従う組成物の降伏点は、50パスカル超、好ましくは100パスカル超、さらにより好ましくは500パスカル超である。
【0018】
加えられた応力が降伏点より下の場合、本発明に従う組成物の粘度は100000Pa・s超、好ましくは500000Pa・s超である。
【0019】
本発明に従う組成物の粘度は、10−3−1に等しいせん断速度について5000Pa・s以上、好ましくは10000Pa・s超、および特に10000000Pa・s未満であり、該粘度は応力下のコーン/プレート配置のHaake Rheostress RS 150測定装置を用いて25℃において測定される。
【0020】
その粘度に関していえば、本発明に従う組成物は好都合な変形能力、弾性および扱いやすさを示し、皮膚の、とりわけ顔面皮膚のモデリングを実施することを可能にし、これはしたがって顔面皮膚表面のマイクロレリーフを低減するのに有効である。
【0021】
本発明の目的のためには、「皮膚の可視性および/または触知性の凹凸」の表現は、皮膚の老化の徴候、たとえばしわ、とりわけ深いしわ、および小じわ、さらにまた、にきびまたは水痘の跡および傷跡を示すことが意図される。
【0022】
「深いしわ」の語は、皮膚の老化によるしわを示すことが意図され、これに対して「表情じわ」は、こちらの方は特に顔面筋の皮膚収縮によって生じるものである。表情じわに関与するのは張力であり、表情じわは真皮の深い表面を引っ張り続けることによって空洞をつくりそして長い時間をかけて深いしわを形成する傾向がある。
【0023】
本発明は、より詳細にはしわの、特に皮膚の深いしわの、とりわけ顔面皮膚の深いしわの化粧的処理に関する。
【0024】
シリコーンポリアミドブロックコポリマー
【0025】
上記のように、本発明に従う組成物は、少なくとも1のシリコーンポリアミドブロックコポリマーを含んでおり、これはシリコーンポリアミドとしても知られている。
【0026】
本発明の組成物のシリコーンポリアミドは、環境温度(25℃)および大気圧(760mmHg)において好ましくは固形である。
【0027】
本発明の目的のためには、「ポリマー」の語は、少なくとも2の繰返し単位、好ましくは少なくとも3の繰返し単位、なおさらにより良くは10の繰返し単位を有する化合物を意味することが意図される。
【0028】
本発明の組成物のシリコーンポリアミドは、ポリオルガノシロキサンタイプのポリマーであることができ、たとえば米国特許第5,874,069号、米国特許第5,919,441号、米国特許第6,051,216号および米国特許第5,981,680号の文献に記載されたものである。本発明に従うと、該シリコーンポリマーは以下の2の同属群に属することができる。すなわち、
(1)少なくとも2のアミド基を含んでいるポリオルガノシロキサンであって、これらの2の基がポリマー鎖の中に位置しているもの、および/または
(2)少なくとも2のアミド基を含んでいるポリオルガノシロキサンであって、これらの2の基がグラフト枝または分枝上に位置しているもの。
【0029】
A)第一の変形に従うと、シリコーンポリアミドは上記のポリオルガノシロキサンであり、この中でアミド単位はポリマー鎖の中に位置している。
【0030】
より詳細には、シリコーンポリアミドは、一般式I

に対応する少なくとも1の単位を含んでいるポリマーであることができ、
該式において、
1)Gが−C(O)−NH−Y−NH−を表すときは、G’はC(O)を表し、およびGが−NH−C(O)−Y−C(O)−を表すときは、G’は−NH−を表し、
2)R、R、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、
− 飽和または不飽和のC〜C40の、直鎖状、分枝鎖状または環式の、炭化水素に基づく基であって、該鎖中に1以上の、酸素、イオウおよび/または窒素の原子を有していてもよく、およびフッ素原子で部分的にまたは完全に置換されていてもよい基、
− 1以上のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいC〜C10のアリール基、または
− 1以上の、酸素、イオウおよび/または窒素の原子を任意的に有していてもよいポリオルガノシロキサン鎖
から選択された基を表し、
3)Xは、同一でも異なっていてもよく、C〜C30の、直鎖状または分枝鎖状のアルキレンジイル基を表し、該鎖中に1以上の、酸素および/または窒素の原子を有していてもよく、
4)Yは、飽和もしくは不飽和のC〜C50の、アリールアルキレン、アルキルアリーレン、シクロアルキレン、アリーレン、または直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンの二価基であって、1以上の、酸素、イオウおよび/もしくは窒素の原子を含んでいてもよく、および/もしくは置換基として、以下の原子もしくは原子群、すなわちフッ素、ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルキル、C〜C40のアルキル、C〜C10のアリール、1〜3のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル、C〜CのヒドロキシアルキルおよびC〜Cのアミノアルキルのうちの1を有していてもよいアルキレンの二価基であり、または
5)Yは、式

に対応する基を表し、
該式において、
− Tは、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC〜C24の、三価もしくは四価の炭化水素に基づく基を表し、ポリオルガノシロキサン鎖で任意的に置換されていてもよく、およびO、NおよびSから選択された1以上の原子を有していてもよく、またはTは、N、PおよびAlから選択された三価の原子を表し、および
− Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C50のアルキル基、またはポリオルガノシロキサン鎖を表し、1以上の、エステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオ尿素および/もしくはスルホンアミドの基を可能性として含んでおり、該基は該ポリマーの他の鎖に結合されていてもされていなくてもよく、
6)nは2〜500、好ましくは2〜200の範囲にある整数であり、およびmは50〜1000、好ましくは50〜700、なおさらにより良くは50〜200の範囲にある整数である、
ところのポリマーである。
【0031】
「m」は、シリコーンポリアミドのシリコーン部分の平均重合度に対応することが指摘される。
【0032】
本発明の1の実施態様に従うと、ポリマーのR、R、RおよびRの80%は、好ましくはメチル、エチル、フェニルおよび3,3,3−トリフロオロプロピル基から選択される。本発明の他の実施態様に従うと、ポリマーのR、R、RおよびRの80%はメチル基である。
【0033】
本発明に従うと、Yは様々な二価の基を表すことができ、該ポリマーまたはコポリマーの他の単位との結合を構築する自由度を有する1または2の原子価を任意的に含んでいてもよい。好ましくは、Yは、
a) 直鎖状のC〜C20の、好ましくはC〜C10のアルキレン基
b) C30〜C56の分枝鎖状アルキレン基であって、環および非共役不飽和結合を可能性として含んでいるもの、
c) C〜Cのシクロアルキレン基、
d) 1以上のC〜C40のアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニレン基、
e) 1〜5のアミド基を含んでいるC〜C20のアルキレン基、
f) ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルカン、C〜CのヒドロキシアルキルおよびC〜Cのアルキルアミンの基から選択された1以上の置換基を含んでいるC〜C20のアルキレン基、および
g) 式

のポリオルガノシロキサン鎖であって、該式中のR、R、R、R、Tおよびmが上記の通りであるもの
から選択された基を表す。
【0034】
B) 第二の変形に従うと、本発明に適したシリコーンポリアミドは、式(II)

に対応する少なくとも1の単位を含んでいるポリマーであることができ、
該式において、
− RおよびRは同一でも異なっていてもよく、式(I)について上で定義された通りであり、
− R10は、RおよびRについて上で定義された基を表し、または式−X−G''−R12の基を表し、該式中、Xは式(I)について上で定義された通りであり、およびR12は水素原子、または直鎖状、分枝鎖状もしくは環式の、飽和もしくは不飽和のC〜C50の炭化水素に基づく基であって、該鎖中にO、SおよびNから選択された1以上の原子を任意的に含んでいてもよく、1以上のフッ素原子および/もしくは1以上のヒドロキシル基で任意的に置換されていてもよい基、または1以上のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基を表し、
およびG''は−C(O)NH−および−HN−C(O)−を表し、
− R11は式−X−G''−R12の基を表し、該式中のX、G''およびR12は上記の通りであり、
− mは50〜998の範囲にある整数であり、ならびに
− mは2〜500の範囲にある整数である。
【0035】
「m」は、シリコーンポリアミドのシリコーン部分の平均重合度に対応することが指摘される。
【0036】
本発明に従うと、シリコーンポリアミドはホモポリマー、すなわちいくつかの同一の単位、とりわけ式(I)または式(II)の単位を含んでいるポリマーであることができる。
【0037】
本発明に従うと、式(I)のいくつかの異なった単位を含んでいるコポリマーから形成されたポリマー、すなわちその中のR、R、R、R、X、G、Y、mおよびnのうちの少なくとも1が該単位のうちの1において異なっているポリマーを使用することも可能である。コポリマーは、式(II)のいくつかの単位であって、その中のR、R、R10、R11、mおよびmのうちの少なくとも1が該単位のうちの少なくとも1において異なっているものから形成されることもできる。
【0038】
式(I)のうちの少なくとも1の単位および式(II)のうちの少なくとも1の単位を含んでいるポリマーを使用することも可能であり、その場合に式(I)の単位および式(II)の単位が同一または互いに異なっていることが可能である。
【0039】
本発明の1の変形に従うと、上記に加えて、エステル、アミド、スルホンアミド、カルバメート、チオカルバメート、尿素、ウレタン、チオ尿素、オキサミド、グアジニノおよびビグアジニノの基、ならびにこれらの組み合わせから選択された、水素相互作用を構築する能力がある2の基を含んでいる、少なくとも1の、炭化水素に基づく単位を含んでいるシリコーンポリアミドを使用することも可能である。
【0040】
これらのコポリマーはブロックポリマーまたはグラフトポリマーであることができる。
【0041】
式(I)および式(II)において、XまたはYを表すアルキレン基は、そのアルキレン部分中に以下の成分、すなわち
1)1〜5の、アミド、尿素、ウレタンまたはカルバメート基
2)CまたはCのシクロアルキル基、および
3)1〜3の、同一または異なったC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニレン基
のうちの少なくとも1を任意的に有していてもよい。
【0042】
式(I)および式(II)において、アルキレン基はまた、
− ヒドロキシル基、
− C〜Cのシクロアルキル基、
− 1〜3のC〜C40のアルキル基、
− 1〜3のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基、
− C〜Cのヒドロキシアルキル基、および
− C〜Cのアミノアルキル基
から構成された群から選択された少なくとも1の成分で置換されていてもよい。
【0043】
式(I)において、Yはまた、

を表し、該式において、Rはポリオルガノシロキサン鎖を表し、およびTは式

の基を表し、これらの中で、a、bおよびcは独立に、1〜10の範囲にある整数であり、R13は水素原子、またはR、R、RおよびRについて定義されたような基である。
【0044】
式(I)および式(II)において、R、R、RおよびRは独立に、好ましくは直鎖状または分枝鎖状のC〜C40のアルキル基を、好ましくはCH、C、n−Cもしくはイソプロピル基、ポリオルガノシロキサン鎖、または1〜3のメチルもしくはエチル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基を表す。
【0045】
上で見たように、本発明のポリマーは、式(I)または式(II)の同一もしくは異なった単位を含んでいることができる。
【0046】
かくして、本発明のポリマーは、異なった長さの、式(I)または式(II)のいくつかの単位を有するポリアミド、または式(III)

に対応するポリアミドであることができ、式(III)中、X、Y、nおよびR〜Rは上記の意味を有し、mおよびmは異なっており、1〜1000の範囲内で選択され、およびpは2〜300の範囲にある整数である。
【0047】
この式において、ブロックコポリマーか、あるいはランダムコポリマー、あるいは交互コポリマーを形成するように、該単位は組織化されることができる。このコポリマーでは、該単位は異なった長さであるのみならず、異なった化学構造、たとえば異なったY基を有するものであることができる。この場合、本発明のポリマーは式IV

に対応することができ、該式中、R〜R、X、Y、m、m、nおよびpは上記の意味を有し、およびYはYとは異なっているが、Yについて定義された基から選択される。前と同じように、ブロックコポリマーか、あるいはランダムコポリマー、あるいは交互コポリマーを形成するように、様々な単位は組織化されることができる。
【0048】
本発明のこの第一の実施態様では、シリコーンポリマーはグラフトコポリマーから形成されることもできる。このようにして、シリコーン単位を有するポリアミドは、アミド基を有するシリコーン鎖にグラフトされ、任意的に架橋されることができる。このようなポリマーは三官能性アミンを用いて合成されることができる。
【0049】
本発明に従うと、前で見たように、シロキサン単位はポリマーの主鎖すなわち骨格中にあることができるが、グラフトされた鎖またはペンダントの鎖中に存在することもできる。主鎖中では、シロキサン単位は上記のセグメントの形態をしていることができる。ペンダントのまたはグラフトされた鎖中では、シロキサン単位は個々にまたはセグメントで出現することができる。
【0050】
本発明の1の実施態様の変形に従うと、シリコーンポリアミドと炭化水素に基づくポリアミドとのコポリマー、または式(I)もしくは式(II)の単位と炭化水素に基づくポリアミドの単位とを含んでいるコポリマーが使用されることができる。この場合、シリコーン−ポリアミド単位は炭化水素に基づくポリアミドの末端に位置することができる。
【0051】
好都合には、本発明の組成物は、少なくとも1のポリアミド/ポリジメチルシロキサンポリマー、特に10〜500、好ましくは10〜300の値を有する指数mを有する一般式(I)のポリマーを含んでいる。15、100、150および250に等しい重合度を有するシリコーンポリアミドが最もとりわけ有利であること、および特に100のDPを有するものが有利であることが発見された。
【0052】
好都合には、式(I)のシリコーンポリアミドは10000〜500000g/モルの範囲にある重量平均分子質量を有する。
【0053】
同様に好ましくは、XおよびYは独立に、直鎖状のC〜C20の、好ましくはC〜C10のアルキレン基から選択された基を表す。
【0054】
使用されることができるポリマーの例として、米国特許第5,981,680号文献の実施例1〜3に従って得られたシリコーンポリアミドのうちの1、たとえばDow Corning社によってDC 2−8179の商品名下に販売されている製品が挙げられることができる。
【0055】
ポリジメチルシロキサン(DP=100)とポリアミドとのブロックコポリマーであって、そのINCI名がナイロン611/ジメチコーンコポリマーであり、かつDC 2−8179シリコーンポリアミドの商品名下に販売されているものが、最もとりわけ適している。
【0056】
このポリマーは以下の式

に相当し、nは可能性として15、100、150および250に等しく、好ましくは100に等しく、かつR、R'およびR''は飽和アルキル基を表す。
【0057】
一般に、本発明に従う組成物は0.1重量%〜15重量%、よりとりわけ0.5重量%〜10重量%のシリコーンポリアミドを有することができる。
【0058】
上で定義されたように、本発明に従う組成物はさらに、少なくとも1の、好ましくはいくつかのフィラーを含んでいる。
【0059】
フィラー
【0060】
「フィラー」の語は、無機または有機の、無色または白色の粒子であって、組成物が製造される温度にかかわらずその媒体中に不溶性であり、かつ該組成物を着色しない粒子を意味すると理解されなければならない。
【0061】
フィラーは、結晶学的形態(たとえば、ラメラ晶系、立方晶系、六方晶系、斜方晶系等)にかかわらず、任意の形態、たとえば小板形、球形、繊維状、半球形または長方形であることができる。
【0062】
これらのフィラーの例示として、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ−β−アラニンの粉体およびポリエチレン粉体、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(商標))粉体、ラウロイルリシン、デンプン、窒化ホウ素、中空ポリマーマイクロスフェア、たとえばポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルマイクロスフェア、たとえばExpancel(商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマー、シリコーン樹脂マイクロビーズ(たとえば、東芝シリコーン社からのTospearls(商標))、エラストマーポリオルガノシロキサン粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ハイドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタンの粒子、複合フィラー、中空シリカマイクロスフェア、およびガラスまたはセラミックのマイクロカプセルが挙げられることができる。
【0063】
上記のように、本発明に従う組成物はその総重量当たり、とりわけ、少なくとも5重量%の繊維を含んでいることができる。
【0064】
「繊維」の語は、長さLが直径Dよりも大きく、好ましくは長さLがDよりもはるかに大きいようなLおよびDの物体を意味すると理解されなければならず、Dとはその中に繊維の断面が含まれる円の直径である。とりわけ、L/D比(すなわち、形状係数)は、3.5〜2500、好ましくは5〜500、さらにより良くは5〜150の範囲内で選択される。
【0065】
本発明の組成物に使用されることができる繊維は、合成または天然由来の、および無機または有機由来の繊維であることができ、これらは可撓性でも剛直性でもよい。繊維は短くても長くても、単一でも組織化されていても、たとえば編まれていてもよい。繊維は任意の形状を有することができ、想定される特定の用途に応じて、特に円形または多角形(四角形、六角形または八角形)の断面を有することができる。特に、繊維の末端は、損傷を防ぐために尖っておらずおよび/またはその表面を滑らかにされている。
【0066】
とりわけ、本発明に従う繊維は好ましくは円形の断面を有する。
【0067】
とりわけ、繊維は1μm〜10mm、好ましくは0.1mm〜5mm、さらにより良くは0.1mm〜3mmの範囲にある長さを有する。これらの断面は、2nm〜500μmの範囲、好ましくは100nm〜100μmの範囲にある直径の円内にある。繊維の重量は、しばしばデニールまたはデシテックス単位で示される。
【0068】
繊維は布地の製造に用いられるもの、とりわけ絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、たとえば木材から、植物からもしくは藻から抽出されたセルロ−ス繊維、ポリアミド繊維(Nylon(商標)、とりわけナイロン6=ポリアミド6;ナイロン6,6もしくはナイロン66=ポリアミド6,6;ナイロン12=ポリアミド12の名称下のもの)、レーヨン繊維、ビスコース繊維、アセテート繊維、とりわけレーヨンアセテート繊維、セルロ−スアセテート繊維または絹アセテート繊維、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維、アクリルポリマー繊維、とりわけポリメチルメタクリレート繊維またはポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)繊維、ポリオレフィン繊維、およびとりわけポリエチレンもしくはポリプロピレン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、炭素繊維、とりわけ黒鉛構造のもの、ポリテトラフルオロエチレン(たとえば、Teflon(商標))繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維またはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、および上述されたようなポリマーのブレンドから形成された繊維、たとえば三葉形のポリアミド/ポリエステル繊維、ならびにこれらの繊維の混合物であることができる。
【0069】
外科で用いられる繊維、たとえばグリコール酸とカプロラクトンとから調製された生体吸収性合成繊維(Johnson & Johnson社からのMonocryl)、乳酸/グリコール酸コポリマータイプの生体吸収性合成繊維(Johnson & Johnson社からのVicryl)、テレフタル酸ポリエステル繊維(Johnson & Johnson社からのEthibond)およびステンレス鋼線材(Johnson & Johnson社からのAcier)が使用されることもできる。
【0070】
その上、繊維は表面処理されていても表面が処理されていなくてもよく、また被覆されていてもされていなくてもよい。本発明に使用されることができる被覆された繊維として、硫化銅で被覆されて帯電防止効果を示すポリアミド繊維(たとえば、Rhodia社からのR−STAT繊維)、またはその繊維の特定の組織化を可能にする他のポリマーで被覆された繊維(特定の表面処理)もしくは色彩/ホログラム効果を生じさせる表面処理を可能にする他のポリマーで被覆された繊維(たとえば、Sildorex社からのLurex繊維)が挙げられることができる。
【0071】
本発明に従う組成物に使用されることができる繊維は、ポリアミド繊維、セルロース繊維およびポリエチレン繊維、ならびにこれらの混合物から好ましくは選択される。これらの長さは0.1〜5mm、好ましくは0.25〜1.6mmの範囲にあることができ、およびその平均直径は5〜50μmの範囲にあることができる。
【0072】
ナイロン6(すなわち、ポリアミド6)、ナイロン6,6またはナイロン66(すなわち、ポリアミド6,6)およびナイロン12(すなわち、ポリアミド12)繊維、ならびにこれらの混合物から選択された繊維が最もとりわけ適している。
【0073】
とりわけ、6μmの平均直径、約0.9デシテックスの重量および0.3mm〜3mmの範囲にある長さを有する、Etablissements P.Bonte社によってポリアミド0.9デシテックス0.3mm(INCI名:ナイロン6,6)の名称下に販売されているポリアミド繊維、あるいは約0.9デシテックスの番手および約0.3mmの長さを有する、LCW社によってFiberlon 931−D1−Sの名称下に販売されているポリアミド繊維が使用されることができる。約2デシテックスの番手および約0.3mmの長さを有する、Utexbel社によって3葉形ブリリアントポリアミドの名称下に販売されているナイロン−66繊維(INCI名:ナイロン−66)が使用されることもできる。
【0074】
50μmの平均直径および0.5mm〜6mmの範囲にある長さを有するセルロース(またはレーヨン)繊維、たとえばClaremont Flock社によって天然レーヨンフロック繊維RC1BE−N003−M04の名称下に販売されているものが使用されることもできる。ポリエチレン繊維、たとえばMini Fibers社によってShurt Stuff 13 099Fの名称下に販売されているものが使用されることもできる。
【0075】
本発明に最もとりわけ適しているフィラーは以下から選択されたものである。すなわち
− 多孔性シリカ微粒子、たとえば5ミクロンの平均サイズを有する、三好化成社からのシリカビーズSB150(商標)およびSB700(商標);旭硝子社からのSunspheres(商標)シリーズ−H、たとえば3、5および5ミクロンのそれぞれのサイズを有するSunspheres H33(商標)、H51(商標)およびH53(商標)、
− ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉体、たとえば8ミクロンの平均サイズを有する、Clariant社からのPTFE Ceridust 9205F(商標)、
− シリコーン樹脂粉体、たとえば4.5ミクロンの平均サイズを有する、GE Silicone社からのTospearl 145A(商標)シリコーン樹脂、
− 中空半球状シリコーン粒子、たとえば竹本油脂社からのNLK 500、NLK 506およびNLK 510、
− アクリルコポリマーの粉体、とりわけポリメチル(メタ)アクリレート(PMMA)のもの、たとえば8ミクロンの平均サイズを有する、日本純薬社からのPMMA粒子Jurymer MBI(商標)、中空PMMAビーズ、たとえばWacker社によってCovabead LH85(商標)の名称下に販売されているもの、およびExpancel(商標)の名称下に販売されている塩化ビニリデン/アクリロニトリル/メチレンメタクリレート発泡マイクロスフェア、
− ポリエチレン粉体、とりわけ少なくとも1のエチレン/アクリル酸コポリマーを含んでいるもの、特にエチレン/アクリル酸コポリマーから成るもの、たとえばAC540(商標)ポリエチレン粒子、あるいは10ミクロンの平均サイズを有する、住友精化社からのFlobeads EA 209(商標)粒子、
− シリコーン樹脂で、とりわけ、たとえば米国特許第5,538,793号に記載されたシルセスキオキサン樹脂で被覆された架橋エラストマー性オルガノポリシロキサン粉体。このようなエラストマー粉体は、とりわけ信越化学社によってKPS−100(商標)、KPS−101(商標)、KPS−102(商標)、KPS−103(商標)、KPS−104(商標)およびKPS−105(商標)の名称下に販売されている、
− 架橋ポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとのブレンド、たとえば信越化学社によってKSG−6(商標)およびKSG−16(商標)の名称下に販売されているもの、
− タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカの複合粉体、たとえばCayalyst & Chemicals社によってCoverleaf AR−80(商標)の名称下に販売されているもの、
− ポリアミド(Nylon(商標))粉体、たとえば10ミクロンの平均サイズを有する、Atofina社からのOrgasol(商標)タイプのナイロン12粒子、
− 発泡粉体、たとえば中空マイクロスフェア、とりわけ塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよびメタクリレートのターポリマーから形成されたマイクロスフェア、たとえばKemanord Plast社によってExpancel(商標)の名称下に、551 DE 12(商標)(約12μmの粒子サイズおよび40kg/mの密度)、551 DE 20(商標)(約30μmの粒子サイズおよび65kg/mの密度)および551 DE 50(商標)(約40μmの粒子サイズ)の参照番号下に販売されているもの、
− 松本油脂製薬社によってMicropearl F 80 ED(商標)の名称下に販売されているマイクロスフェア、
− 天然有機物質の粉体、たとえばデンプン粉体、とりわけ架橋もしくは非架橋のトウモロコシ、小麦または米のデンプン粉体、たとえばオクテニルコハク酸無水物で架橋されたデンプン粉体、とりわけNational Starch社によってDry−Flo(商標)の名称下に販売されているもの、
− およびこれらの混合物。
【0076】
1の好まれる実施態様に従うと、本発明に従う組成物は、シリカ、多孔性シリカ微粒子、シリコーン樹脂粉体、ポリエチレン粉体、架橋ポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとのブレンド、および発泡粉体、ならびにこれらの混合物から選択された少なくとも1のフィラーを含んでいる。
【0077】
導入されるこれらのフィラーの量は、もちろん所望の効果に依存するが、組成物の総重量当たり一般に10重量%〜65重量%、好ましくは15重量%〜50重量%、さらに20重量%〜45重量%を占めることができる。
【0078】
50℃以上の溶融開始点を有するワックス
【0079】
上記のように、本発明に従う組成物は、50℃以上の溶融開始点を有する少なくとも1のワックス、さらにより良くはその溶融開始点が65℃以上であるところの少なくとも1のワックスを含有する。
【0080】
本明細書では、「溶融開始点」の語は、ワックスが溶融し始める温度を意味することが意図される。この温度はDTA(示差熱分析法)によって測定されることができ、DTAによって、検討中のワックスのサーモグラム(すなわち、融解曲線)が得られることが可能になる。溶融開始点は、サーモグラムの傾きの感知し得るほどの変化が観察されることができる温度に相当する。融点自体は当該サーモグラムの最小点を表す。
【0081】
より具体的には、このようなワックスは、カルナウバワックス、特定のポリエチレンワックスおよび特定の微結晶ワックス、たとえばParamelt社によってMicrowax(商標)の名称下に販売されているもの、とりわけMicrowax HW(商標)の名称下に販売されている製品から選択されることができる。
【0082】
本発明の組成物は、その総重量当たり少なくとも3重量%のこのようなワックスを含有する。
【0083】
本発明の組成物中の1または複数のワックスの量は、組成物の総重量当たり、よりとりわけ3重量%〜30重量%、さらにより良くは5重量%〜15重量%の範囲にあることができる。ワックスおよびフィラーを効率的に取り込むためには、組成物の調製またはこの調製の少なくとも1の段階、とりわけ油相の調製または油相を調製するための段階を、100℃から20℃までにわたる温度勾配に付されたスクリューミキサー−押出機中で実施することが好都合である。フィラー、ワックスおよび少なくとも1の油を、100℃から20℃までにわたる温度勾配に付されたスクリューミキサー−押出機中で混合することがとりわけ好都合である。このような調製は、とりわけ欧州特許出願公開第1005856号、欧州特許出願公開第1005857号および欧州特許出願公開第1013267号に記載されている。
【0084】
干渉粒子
【0085】
本発明に従う組成物は、好都合には干渉粒子、たとえば小さい真珠光沢剤または干渉顔料を含んでいることもできる。
【0086】
上記は、このような干渉粒子が、本発明の組成物の膜で被覆された皮膚に、皮膚を明るくし、皮膚を均一にし、または皮膚の欠陥部をカモフラージュさえする補足的効果を一緒に与えることができる故である。このようにして、干渉粒子はその存在によって好都合にも、本発明に従って検討中の組成物によってもたらされた皮膚の改善された表面外観の視覚的認知を補強することを可能にする。
【0087】
とりわけ、上記のフィラーと一緒に用いられると、本発明に従う干渉粒子は、皮膚上にもたらされた最終的な効果が皮膚の自然な生身の色調に実質的に影響を与えない、または全く影響を与えなくさえあるような透明の効果を得ることを可能にすることができる。
【0088】
本発明の目的のためには、「干渉粒子」の表現は一般に、光線の干渉によって色彩効果を生み出すことを許すような多層構造を有する粒子を表し、光線は該層の性質に応じて異なる回折および散乱をする。このようにして、これらの粒子は、観察角度および光の入射角度に従って変化する色を有することができる。得られる色彩効果はこれらの粒子の多層構造に関連付けられ、たとえばR.Maisch、M.Weigand、「真珠光沢顔料−物理的原理、特性、用途」、Verlag Moderne Industrie社刊に記載された薄膜光学の物理法則から誘導される。
【0089】
本発明の目的のためには、「多層構造」の語は、単一層で被覆された基体から形成された構造体、または少なくとも2もしくはさらにいくつかの逐次層で被覆された基体から形成された構造体を差別なく表すことが意図される。
【0090】
多層構造体はしたがって、1の層、または少なくとも2の層さえをも含んでいることができ、各層は他の層とは任意的に独立であってもよく、以下の物質、すなわちMgF、CeF、ZnS、ZnSe、Si、SiO、Ge、Te、Fe、Pt、Va、Al、MgO、Y、S、SiO、HfO、ZrO、CeO、Nb、Ta、TiO、Ag、Al、Au、Cu、Rb、Ti、Ta、W、Zn、MoS、氷晶石、合金、ポリマーおよびこれらの組み合わせから成る群から選択された少なくとも1の物質からつくられている。
【0091】
一般に、多層構造体は無機的性質を有する。
【0092】
より詳細には、本発明に従って検討中の干渉粒子は、干渉顔料あるいは真珠光沢剤であることができる。
【0093】
本発明に従う干渉粒子は、一般に40μm未満、特に0.5〜40μmの範囲、より特に30μm未満、とりわけ20μm未満の体積平均サイズを有することができる。
【0094】
これらの干渉粒子の選択は、その上、本発明に従って求められる充填(フィリング)に関する要求と両立し得るような様式で行われるべきことが理解される。一般に、これらの干渉粒子は、着色の点において均一な効果を得ると同時に、他方において皮膚および/または口唇の自然な生身の色調を保つのに十分な量で存在する。
【0095】
真珠光沢剤は、本発明に最もとりわけ適している。
【0096】
真珠光沢剤
【0097】
「真珠光沢剤」の語は、任意の形の虹色の粒子、とりわけある種の貝殻内軟体動物によって生成されたもの、または合成されたものを意味することが理解されなければならない。
【0098】
天然または合成の真珠光沢剤は、単層または多層の、特に、とりわけマイカに基づく天然基体から形成されたものであって、金属酸化物の1以上の層で被覆されているものであることができる。
【0099】
このようにして、真珠光沢剤は、白色真珠光沢剤、たとえばチタンでまたはオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色真珠光沢剤、たとえば酸化鉄で、フェリックブルー(ferric blue)で、酸化クロムで、または上述のタイプの有機顔料で被覆されたチタンマイカ、およびまたオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢剤から選択されることができる。
【0100】
真珠光沢剤は好都合には、マイカ/酸化スズ/酸化チタン真珠光沢剤、たとえばMerck社によって提案されTimiron Silk Blue(商標)、Timiron Silk Red(商標)、Timiron Silk Green(商標)、Timiron Silk Gold(商標)およびTimiron Super Silk(商標)の名称下に販売されているもの、およびマイカ/酸化鉄/酸化チタン真珠光沢剤、たとえばEngelhard社によって提案されたFlamenco Satin Blue(商標)、Flamenco Satin Red(商標)およびFlamenco Satin Violet(商標)ならびにこれらの混合物から選択されることができる。
【0101】
真珠光沢剤は本発明に従う組成物中に、組成物の総重量当たり0.1重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜40重量%、優先的には0.1重量%〜30重量%の範囲にある含有量で存在することができる。
【0102】
より特定すると、これらの真珠光沢剤は、組成物の総重量当たり0.1重量%〜15重量%、よりとりわけ0.1重量%〜7重量%、よりとりわけ0.1重量%〜5重量%を占めることができる。
【0103】
上述の化合物に加えて、本発明に従う組成物は、顔料または染料タイプの他の有機物質、あるいは特有の光学効果を有する他の有機物質を含有することができる。
【0104】
これらの補助的物質は本発明に従う組成物中に、その総重量当たり0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜12重量%、優先的には1重量%〜10重量%の範囲にある含有量で存在することができる。
【0105】
色彩効果および/または光学効果を有する物質
【0106】
「染料」の語は、一般に有機質であり、かつ脂肪性物質、たとえば油の中に、または水性アルコール相中に可溶性である化合物を意味すると理解されなければならない。
【0107】
脂溶性染料は、スダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、βカロチン、スダンブラウン、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5およびキノリンイエローから選択されることができる。水溶性染料は、たとえばビートルートジュースおよびメチレンブルーである。
【0108】
「顔料」の語は、無機または有機の、白色または着色された任意の形状の粒子であって、本発明の組成物中に不溶性でありかつそれを着色することが意図されているものを意味すると理解されなければならない。
【0109】
無機顔料の中では、任意的に表面処理されていてもよい二酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、およびまた酸化亜鉛、(黒色、黄色もしくは赤色)酸化鉄または酸化クロム、たとえばSunpuro社によってPFX 5 Sunpuro黄色酸化鉄、およびSunpuro赤色酸化鉄の商品名下に販売されているもの、マンガンバイレット、群青、クロム水和物およびフェリックブルー、金属粉体、たとえばアルミニウム粉体および銅粉体が挙げられることができる。顔料は、金属酸化物、たとえば二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、およびこれらの混合物のナノ顔料から選択されることもできる。「ナノ顔料」の語は、1nm〜500nmの範囲、好ましくは10nm〜100nmの範囲にある平均粒子サイズを有する顔料を意味することが意図される。
【0110】
有機顔料の中では、カーボンブラック、D&C顔料、およびレーキ、とりわけコチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウムおよびアルミニウムに基づくレーキが挙げられることができる。
【0111】
特有の光学効果を有する物質
【0112】
光学効果は、単純な従来の色相効果、すなわち慣用の着色剤、たとえば単色顔料によって生み出されるような類の統一的なかつ安定化された効果とは異なる。本発明の目的のためには、「安定化された」の語は、観察角度によって、あるいは温度変化に応答して色彩が変動する効果が存在しないことを意味する。
【0113】
たとえば、この効果をもたらす能力がある物質は、メタリック光輝粒子、ゴニオクロマチック(視角呈色性)着色剤、回折性顔料、サーモクロマチック(熱変色)剤および光学的明色化剤から選択されることができる。
【0114】
本発明に使用されることができるメタリック光輝粒子は、とりわけ
− 少なくとも1の金属および/または少なくとも1の金属誘導体の粒子、
− 少なくとも1の金属および/もしくは少なくとも1の金属誘導体を含んでいる少なくとも1のメタリック光輝層で少なくとも部分的に被覆された、単一物質または多物質の、有機または無機の基体を含んでいる粒子、ならびに
− 当該粒子の混合物
から選択される。
【0115】
当該粒子中に存在することができる金属の中で、たとえばAg、Au、Cu、Al、Ni、Sn、Mg、Cr、Mo、Ti、Zr、Pt、Va、Rb、W、Zn、Ge、TeおよびSe、ならびにこれらの混合物または合金が挙げられることができる。Ag、Au、Cu、Al、Zn、Ni、MoおよびCr、ならびにこれらの混合物または合金(たとえば、青銅および黄銅)が好まれる金属である。
【0116】
「金属誘導体」の語は、金属から誘導された化合物、とりわけ酸化物、フッ化物、塩化物および硫化物を示す。
【0117】
これらの粒子の例示として、アルミニウム粒子、たとえばSiberline社によってStarbrite 1200 EAC(商標)、およびEckart社によってMetalure(商標)の名称下に販売されているものが挙げられることができる。
【0118】
銅のまたは合金混合物の金属粉体、たとえばRadium Bronze社によって販売されている参照番号2844のもの、金属顔料、たとえばアルミニウムまたは青銅の顔料、たとえばEckart社からRotosafe 700の名称下に販売されているもの、Eckart社からVisionaire Bright Silverの名称下に販売されているシリカ被覆アルミニウム粒子、および金属合金粒子、たとえばEckart社からVisionaire Bright Natural Goldの名称下に販売されているシリカ被覆青銅(銅および亜鉛の合金)粉体が挙げられることもできる。
【0119】
本発明に従う複合顔料は、とりわけ
− 無機質の核、および
− 少なくとも1の有機着色剤による、少なくとも1の、少なくとも部分的なコーティング
を含んでいる粒子から構成されることができる。
【0120】
少なくとも1のバインダーが、無機質の核への有機着色剤の接着に好都合に参加することができる。このバインダーは好都合には共有結合の形成なしに作用することができる。
【0121】
複合顔料の粒子は様々な形状を有することができる。これらの粒子は、とりわけ小板形または球形、特に球形であることができ、また中空または中実であることができる。「小板形」の語は、最大長さと厚さとの比が5以上である粒子を示す。
【0122】
本発明に従う複合顔料は、たとえば1〜1000m/g、とりわけ概略として10〜600m/g、特に概略として20〜400m/gの比表面積を有する。比表面積はBET法によって測定された値である。
【0123】
本発明の1の特定の実施態様に従うと、無機質の核は酸化チタンである。
【0124】
酸化チタン、とりわけTiO、酸化鉄、とりわけFe、酸化セリウム、酸化亜鉛および酸化アルミニウム、ならびにシリケート、とりわけアルミノシリケートおよびボロシリケートは、無機質の核として最もとりわけ適している。
【0125】
有機着色剤は、たとえば以下の化合物から選択されることができる有機顔料およびこれらの混合物を含んでいることができる。すなわち
− コチニールカルミン、
− アゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタンまたはフルオランの染料の有機顔料、および
− 不溶性有機のナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ストロンチウムもしくはチタンの塩、または酸性染料のレーキ、たとえばアゾ、アントラキノン、インジゴイド、キサンテン、ピレン、キノリン、トリフェニルメタンもしくはフルオランの染料であって、これらの染料が少なくとも1のカルボン酸基またはスルホン酸基を含んでいることが可能であるもののレーキ。
【0126】
有機顔料の中では、とりわけ以下の名称下に知られているものが挙げられることができる。すなわち、D&CブルーNo.4、D&CブラウンNo.1、D&CグリーンNo.5、D&CグリーンNo.6、D&CオレンジNo.4、D&CオレンジNo.5、D&CオレンジNo.10、D&CオレンジNo.11、D&CレッドNo.6、D&CレッドNo.7、D&CレッドNo.17、D&CレッドNo.21、D&CレッドNo.22、D&CレッドNo.27、D&CレッドNo.28、D&CレッドNo.30、D&CレッドNo.31、D&CレッドNo.33、D&CレッドNo.34、D&CレッドNo.36、D&CバイオレットNo.2、D&CイエローNo.7、D&CイエローNo.8、D&CイエローNo.10、D&CイエローNo.11、FD&CブルーNo.1、FD&CグリーンNo.3、FD&CレッドNo.40、FD&CイエローNo.5およびFD&CイエローNo.6。
【0127】
1の特定の実施態様に従うと、D&CレッドNo.7有機顔料が使用される。
【0128】
他の実施態様に従うと、D&CレッドNo.28有機顔料が使用される。
【0129】
他の特定の実施態様に従うと、FD&CイエローNo.5有機顔料が使用される。
【0130】
1の特定の実施態様に従うと、有機FD&CブルーNo.1アルミニウムレーキが使用される。
【0131】
他の実施態様に従うと、有機FD&CイエローNo.5アルミニウムレーキが使用される。
【0132】
1の特定の実施態様に従うと、有機バインダーはポリメチルハイドロジェンシロキサンである。
【0133】
このタイプの複合顔料の例示として、とりわけ以下のように構成されたものが挙げられることができる。すなわち
− 二酸化チタン(CI77891)、FD&Cブルーアルミニウムレーキ(CI42090)およびポリメチルハイドロジェンシロキサン(58.1/40.7/1.2)、
− 二酸化チタン(CI77891)、D&CレッドNo.7(CI15850)およびポリメチルハイドロジェンシロキサン(65.8/32.9/1.3)、
− 二酸化チタン(CI77891)、D&CレッドNo.28(CI45410)およびポリメチルハイドロジェンシロキサン(65.8/32.9/1.3)、および
− 二酸化チタン(CI77891)、FD&Cイエロー5アルミニウムレーキ(CI191140)およびポリメチルハイドロジェンシロキサン(65.8/32.9/1.3)。
【0134】
1の代替物に従うと、本発明に適した複合顔料は、無機質の核であって、その中に少なくとも1の有機または無機着色剤が分散されているものから構成され、たとえば鈴木松年タイプまたはエルコラーノタイプの顔料であることもできる。
【0135】
本発明に適した複合顔料の例示として、三好化成社によってPC−LS−14またはPC−LS−19の名称下に流通されている顔料、およびまたDolci−Colori社からのRosso Er Colano顔料が挙げられることもできる。
【0136】
問題とされている粒子は、ガラス基体を含んでいる粒子、たとえば日本板硝子社によってMicroglass Metashineの名称下に販売されているものであることもできる。
【0137】
ゴニオクロマチック着色剤は、たとえば多層干渉構造体および液晶着色剤から選択されることができる。
【0138】
本発明に従って調製される組成物に使用されることができる対称形多層干渉構造体は、たとえば以下の構造体、すなわちAl/SiO/Al/SiO/Al(この構造を有する顔料はDuPont De Nemours社によって販売されている。);Cr/MgF/Al/MgF/Cr(この構造を有する顔料はFlex社によってChromaflairの名称下に販売されている。);MoS/SiO/Al/SiO/MoS;Fe/SiO/Al/SiO/FeおよびFe/SiO/Fe/SiO/Fe(この構造を有する顔料はBASF社によってSicopearlの名称下に販売されている。);MoS/SiO/マイカ−酸化物/SiO/MoS;Fe/SiO/マイカ−酸化物/SiO/Fe;TiO/SiO/TiOおよびTiO/Al/TiO;SnO/TiO/SiO/TiO/SnO;Fe/SiO/Fe;SnO/マイカ/TiO/SiO/TiO/マイカ/SnO(これらの構造を有する顔料はMerck社(ドイツ国、Darmstadt)によってXironaの名称下に販売されている。)である。例として、これらの顔料は、Merck社によってXirona Magicの名称下に販売されているシリカ/酸化チタン/酸化スズ構造の顔料、Merck社によってXirona Indian Summerの名称下に販売されているシリカ/ブラウン酸化鉄構造の顔料、およびMerck社によってXirona Carribean Blueの名称下に販売されているシリカ/酸化チタン/マイカ/酸化スズ構造の顔料であることができる。資生堂社からのInfinite Colors顔料が挙げられることもできる。様々な層の厚さおよび性質に応じて、様々な効果が得られる。このようにして、Fe/SiO/Al/SiO/Fe構造体を用いると、320〜350nmのSiO層の場合、緑がかった金色から赤がかった灰色に;380〜400nmのSiO層の場合、赤色から金色に;410〜420nmのSiO層の場合、バイオレット色から緑色に;430〜440nmのSiO層の場合、銅色から赤色に、色が変化する。
【0139】
ポリマー性多層構造を有する顔料の例として、3M社によってColor Glitterの名称下に販売されているものが挙げられることができる。
【0140】
使用されることができる液晶ゴニオクロマチック粒子の例は、Chinex社によって販売されているもの、およびまたWacker社によってHelicone(商標)HCの名称下に販売されているものを含む。
【0141】
これらの物質は、組成物の総重量当たり20重量%〜75重量%、好ましくは20重量%〜50重量%の範囲にある含有量で存在することができる。
【0142】
生理学的に許容される媒体
【0143】
上記のように、本発明に従う組成物は生理学的に許容される媒体、すなわち人のケラチン物質に施与されることができ、かつ心地よい外観、臭いおよび感触を有する非毒性媒体を含んでいる。
【0144】
本発明に従う組成物は好都合には、少なくとも1の油から形成された少なくとも1の液状脂肪相を含有している。
【0145】
本発明の組成物中の油相の量は、組成物の総重量当たり一般に10重量%〜70重量%、好ましくは20重量%〜50重量%の範囲にある。
【0146】
1の実施態様の変形に従うと、本発明に従う組成物は無水の形態をしていることができる。
【0147】
本発明の目的のためには、「無水組成物」の表現は、その総重量当たり2重量%未満、さらに0.5重量%未満の水を含有する組成物、およびとりわけ水を含んでいない組成物を示す。
【0148】
本発明に従う組成物に使用されることができる油の例として、以下のものが挙げられることができる。すなわち
− 動物由来の炭化水素に基づく油、たとえばパーヒドロスクアレン、
− 植物由来の炭化水素に基づく油、たとえば4〜10の炭素原子を有する脂肪酸の液状トリグリセリド、たとえばヘプタン酸またはオクタン酸のトリグリセリド、あるいはたとえばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロウ油、ぶどう種子油、ごま油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカデミア油、アララ油、ひまし油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸のトリグリセリド、たとえば、Stearineries Dubois社によって販売されているもの、またはDynamit Nobel社によってMiglyol 810、812および818の名称下に販売されているもの、ホホバ油、シアバター油、
− 合成エステルおよび合成エーテル、とりわけ脂肪酸のもの、たとえば、式RCOORおよびRORの油(これらの式中、Rは8〜29の炭素原子を有する脂肪酸の残基を表し、Rは3〜30の炭素原子を有する分枝状または非分枝状の炭化水素に基づく鎖を表す。)、たとえばパーセリン油、イソノニルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルステアレート、2−オクチルドデシルエルケート、イソステアリルイソステアレート、ヒドロキシル化エステル、たとえばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート、脂肪族アルコールヘプタノエート、オクタノエートおよびデカノエート;ポリオールエステル、たとえばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエートおよびジエチレングリコールジイソノナノエート;およびペンタエリスリトールエステル、たとえばペンタエリスリトールテトライソステアレート、
− 鉱物または合成由来の直鎖状もしくは分枝鎖状炭化水素、たとえば揮発性または非揮発性液状パラフィン、およびこれらの誘導体、イソヘキサデカン、イソドデカン、黄色ワセリン(petroleum jelly)、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、たとえばパーレアム(Parleam(商標))油、
− 天然または合成精油、たとえばユーカリ油、ラバンジン油、ラベンダー油、ベチベル油、リツェアクベバ油、レモン油、ビャクダン油、ローズマリー油、カモミール油、セイボリー油、ニクズク油、シナモン油、ヒソップ油、キャラウェー油、オレンジ油、ゲラニオール油、ジュニパータール油およびベルガモット油、
− 8〜26の炭素原子を有する脂肪族アルコール、たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2−ブチルオクタノール、2−ヘキシルデカノール、2−ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコールまたはリノレイルアルコール、
− 部分的に炭化水素に基づくおよび/または部分的にシリコーンに基づくフルオロ油、たとえば特開平2−295912号文献に記載されたもの、
− シリコーン油、たとえば直鎖状または環式シリコーン鎖を含んでおり、環境温度で液状またはペースト状である、揮発性または非揮発性ポリメチルシロキサン(PDMS)、とりわけシクロポリジメチルシロキサン(シクロメチコーン)、たとえばシクロヘキサシロキサンおよびシクロペンタシロキサン;ペンダントのアルキル、アルコキシもしくはフェニル基を、またはアルキル、アルコキシもしくはフェニル基をシリコーン鎖の末端に含んでいるポリジメチルシロキサンであって、該基が2〜24の炭素原子を有するもの;フェニル化シリコーン、たとえばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン、(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケートおよびポリメチルフェニルシロキサン、
− ならびにこれらの混合物。
【0149】
上述の油のリスト中の「炭化水素に基づく油」の語は、主に炭素および水素原子を有し、任意的にエステル、エーテル、フルオロ、カルボン酸および/またはアルコールの基を有する任意の油を意味することが意図される。
【0150】
本発明に従う組成物は、揮発性油を含んでいることができる。
【0151】
本発明の目的のためには、「揮発性油」の語は、環境温度および大気圧においてケラチン物質と接触すると1時間未満で蒸発する能力がある油を意味することが意図される。本発明の揮発性油は、環境温度において液状であり、かつ環境温度および大気圧において、とりわけ0.13Pa〜40000Pa(10−3〜300mmHg)の範囲にある、特に1.3Pa〜13000Pa(0.01〜100mmHg)の範囲にある、より特に1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の範囲にある零でない蒸気圧を有する揮発性化粧油である。
【0152】
揮発性油として、とりわけ2〜6のケイ素原子を有する環式または直鎖状シリコーン、たとえばシクロヘキサシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ブチルトリシロキサンおよびエチルトリシロキサンが挙げられることができる。分枝状炭化水素が使用されることもでき、たとえばイソドデカン、およびまた揮発性パーフルオロアルカン、たとえば3M社によってPF 5050(商標)およびPF 5060(商標)の名称下に販売されているドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサン、ならびにパーフルオロモルホリン誘導体、たとえば3M社によってPF 5052(商標)の名称下に販売されている4−トリフルオロメチルパーフルオロモルホリンである。
【0153】
本発明に従う組成物中に存在する油相の量は、組成物の総重量当たり、たとえば0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜30重量%の範囲にあることができる。
【0154】
本発明に従う組成物の脂肪相は、とりわけペースト状化合物および上記のワックス以外のワックスから選択された1以上の固形脂肪物質を含んでいることもできる。
【0155】
ワックス
【0156】
本発明の目的のためには、ワックスは親油性脂肪化合物であり、これは環境温度(25℃)において固形であり、可逆的な固体/液体の状態変化をし、(DSCによって測定された)約45℃超の、さらにより良くは50℃超の、および200℃までであることができる融点を有し、かつ固体状態では異方性結晶組織を有する。
【0157】
本発明に適しているワックスは、一般に化粧料および皮膚科の分野で使用されるものである。すなわち、これらは炭化水素に基づくワックス、シリコーンに基づくワックスおよび/またはフルオロワックスであることができ、任意的にエステルまたはヒドロキシルの官能基を含んでいてもよい。
【0158】
本発明の組成物に使用されることができるワックスとして、たとえば鉱物ワックス、たとえば微結晶ワックス、パラフィン、黄色ワセリン、オゾケライト、モンタンワックス;動物由来のワックス、たとえば蜜ロウ、ラノリンおよびその誘導体;植物由来のワックス、たとえばカンデリラワックス、オーリキュリーワックス、木ロウ、カカオバター、コルクファイバーワックスまたはさとうきびワックス;25℃において固形である水素化油;25℃において固形である脂肪族エステルおよびグリセリド;合成ワックス、たとえばポリエチレンワックスおよびフィッシャー・トロプシュ合成によって得られたワックス;シリコーンワックス;ならびにこれらの混合物が挙げられることができる。
【0159】
ペースト状化合物
【0160】
本発明に従う組成物は、かくして上述の炭化水素に基づく化合物以外のペースト状化合物を含んでいる。たとえば、このような化合物は、ポリマー状または非ポリマー状シリコーン化合物およびポリマー状または非ポリマー状フルオロ化合物から選択されることができる。
【0161】
本発明に従う組成物は、上述の化合物に加えて、半結晶質ポリマー、親油性ゲル化剤およびこれらの混合物から選択された少なくとも1の構造化剤を含んでいることができる。
【0162】
したがって、1の実施態様に従うと、本発明に従う組成物は少なくとも1のゲル化剤を含んでいることができる。本発明に従う組成物に使用されることができるゲル化剤は、ポリマー状または分子状の、有機または無機の親油性ゲル化剤であることができる。
【0163】
無機親油性ゲル化剤として、任意的に修飾されていてもよいクレイ、たとえばC10〜C22アンモニウムクロライドで修飾されたヘクトライト、たとえばジステアリルジメチルアンモニウムクロライドで修飾されたヘクトライト、たとえばElementis社によってBenton 38V(商標)の名称下に販売されている製品が挙げられることができる。
【0164】
任意的に疎水性に表面処理されており、その粒子サイズが1μm未満であるヒュームドシリカが挙げられることもできる。
【0165】
これらのヒュームドシリカは、たとえばDegussa社によってAerosil R812(商標)の、Cabot社によってCab−O−Sil TS−530(商標)の、さらにDegussa社によってAerosil R972(商標)およびAerosil R974(商標)の、Cabot社によってCab−O−Sil TS−610(商標)およびCab−O−Sil TS−720(商標)の商品名下に販売されている。
【0166】
疎水性ヒュームドシリカは、とりわけナノメートルレベル〜マイクロメートルレベル、たとえば約5〜200nmの範囲にあることができる粒子サイズを有する。
【0167】
本発明に従う組成物は任意の普通の化粧料成分を含んでいることもでき、これらは、とりわけ酸化防止剤、香料、保存料、中和剤、海面活性剤、日焼け止め剤、甘味料、ビタミン、保湿剤、および皮膚軟化剤、ならびにこれらの混合物から選択されることができる。
【0168】
1の有利な実施態様に従うと、本発明に従う組成物は少なくとも1の活性剤を含んでいることができる。
【0169】
活性剤
【0170】
多種多様な活性剤が、本発明に従って考慮されることができる。
【0171】
これらの活性剤は、とりわけ落屑剤;抗糖化剤;NOシンターゼ阻害剤;真皮もしくは表皮の巨大分子の合成を刺激しおよび/またはこれらの分解を防止するための薬剤;線維芽細胞および/またはケラチノサイトの増殖を刺激するための薬剤;ケラチノサイトの分化を刺激しまたは低減するための薬剤;筋弛緩剤および/または皮膚収縮剤;フリーラジカル捕捉剤;ならびにこれらの混合物から選択されることができる。
【0172】
本発明の1の好まれる変形に従うと、活性剤は老化防止活性剤、すなわち少なくとも1の皮膚の老化の徴候への少なくとも1の予防的および/または治療的効果を有する薬剤である。これらの化合物は、表皮および/または真皮に作用する活性剤である。
【0173】
本発明に従って使用されることができるしわ防止活性剤の例は、レチノールおよびその誘導体、たとえばレチニルパルミテート;アスコルビン酸およびその誘導体、たとえばマグネシウムアスコルビルホスフェートおよびアスコルビルグルコシド;アデノシンおよびその誘導体、とりわけその非ホスフェート化誘導体;トコフェロールおよびその誘導体、たとえばトコフェロールアセテート;ニコチン酸およびその前駆体、たとえばニコチンアミド;ユビキノン;グルタチオンおよびその前駆体、たとえばL−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸;C−グリコシド化合物およびその誘導体、とりわけ国際公開第02/051828号に記載されたもの;植物エキス、およびとりわけシーフェンネル抽出物およびオリーブ葉抽出物、およびまた植物性タンパク質およびその加水分解物、たとえば米または大豆のタンパク質の加水分解物;藻類抽出物およびとりわけコンブの抽出物;細菌抽出物;サポゲニン、たとえばジオスゲニンおよびジオスコレア植物の抽出物、とりわけこれを含有する自然薯の抽出物;α−ヒドロキシ酸;β−ヒドロキシ酸、たとえばサリチル酸および5−n−オクタノイルサリチル酸;オリゴペプチドおよび擬ジペプチドおよびそのアシル誘導体、とりわけ{2−[アセチル(3−トリフルオロメチルフェニル)アミノ]−3−メチルブチリルアミノ}酢酸およびSederma社によってMatrixyl 500およびMatrixyl 3000の名称下に販売されているリポペプチド;リコピン;マンガン塩およびマグネシウム塩、とりわけグルコン酸塩;ならびにこれらの混合物である。ビタミン、たとえばビタミンB3またはビタミンPP、ビタミンB5、ビタミンEおよびビタミンK1が挙げられることもできる。
【0174】
本発明に最もとりわけ適している活性剤として、特にレチニルパルミテート、トコフェロール、トコフェリルアセテート、リコピン、およびSederma社によってMatrixyl 500およびMatrixyl 3000の商品名下に販売されているリポペプチド、およびC−グリコシド誘導体、ならびにとりわけC−β−D−キシロピラノシド−2−ヒドロキシプロパンが挙げられることができる。
【0175】
好ましくは、老化防止活性剤は、アデノシンおよびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、ならびにC−グリコシドおよびその誘導体、たとえばC−α−D−キシロピラノシド−2−ヒドロキシプロパンから選択される。
【0176】
活性剤は、脂肪分の多い皮膚に作用する活性剤であることもできる。
【0177】
「脂肪分の多い皮膚のための活性剤」の語は、本発明の文脈では、それ自体で、すなわちそれを活性化するための外部薬剤の関与を要求することなく生物活性を有する化合物を意味することが意図され、該生物活性は、とりわけ
− 落屑活性、これはとりわけ面皰を開放することを可能にする、および/または
− 抗菌活性、とりわけアクネ菌へのもの、および/または
− 沈静または抗炎症活性、および/または
− 皮脂抑制活性、および/または
− 抗酸化活性、これはとりわけスクアレンの酸化および面皰の形成を防止する、および/または
− 瘢痕形成活性、および/または
− 収斂補強活性
であることができる。
【0178】
したがって、本発明の組成物に使用されることができる上記に対応する活性剤の例として、とりわけ落屑剤、抗菌剤、沈静剤、消炎剤、皮脂抑制剤および酸化防止剤、ならびにこれらの混合物が挙げられることができる。
【0179】
「皮脂抑制または抗脂漏」剤の表現は、とりわけ皮脂腺活性を抑制する能力がある薬剤を意味することが意図される。これらは、とりわけレチノイン酸、亜鉛塩、銅塩またはアルミニウム塩、フタルイミドパーオキシヘキサン酸、Sasol社によってCosmacol(商標)ECIの名称下に販売されているトリ(C12〜C13)アルキルシトレート;Sasol社によってCosmacol(商標)ECLの名称下に販売されているトリ(C14〜C15)アルキルシトレート、あるいは10−ヒドロキシデカン酸であることができる。
【0180】
「抗菌剤」の語は、脂肪分の多い皮膚の特定の細菌フローラ、たとえばアクネ菌に対する効能を有する薬剤を意味することが意図される。
【0181】
これらの効能は、殺菌性か、あるいは細菌付着に抗する効能、すなわち微生物の付着を防止しおよび/または低減する効能、または細菌の生体膜に作用してその増殖を妨げる効能であることができる。
【0182】
落屑剤として、よりとりわけベータヒドロキシ酸、たとえば5−n−オクタノイルサリチル酸;尿素;グリコール酸;クエン酸;乳酸、酒石酸、リンゴ酸またはマンデル酸;N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N−(2−エタンスルホン酸)(HEPES);エンジュの抽出物;蜂蜜;N−アセチルグルコサミン;ナトリウムメチルグリシンジアセテート、およびこれらの混合物が挙げられることができる。
【0183】
鎮静剤として、とりわけバラの抽出物、クローブの抽出物、Vincience社からのModulene(商標)におけるようなデキストラン、ミントの抽出物、たとえばSilab社からのCalmiskin(商標)、セイヨウスイレンの抽出物とナトリウムパルミトイルプロリンとの混合物、たとえばSeppic社からのSeppicalm VG(商標)、アニシード誘導体、ボタンおよび/またはシャクヤクの抽出物、ならびにこれらの混合物から選択された薬剤が使用されることができる。
【0184】
「酸化防止剤」の語は、スクアレンの酸化および面皰の形成を防止する薬剤を意味することが意図される。
【0185】
とりわけ、トコフェロールおよびそのエステル、特にトコフェリルアセテート、BHTおよびBHAが挙げられることができる。
【0186】
活性剤の量は、もちろん該活性剤の性質および所望の効果に依存するが、当該活性剤は組成物の総重量当たり、一般に0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%を占める。
【0187】
もちろん、当業者は任意的な付加的成分および/またはその量を選択するのに、本発明に従う組成物の有利な特性が、想定される該付加によって損なわれないように、または実質的に損なわれないように注意を払うだろう。
【0188】
好都合には、本発明に従う組成物は、クリーム、顆粒、凝集性粉体、またはスティックとしてもしくは皿状に成型された製品の形態をしていることができる。
【0189】
本発明に従う組成物は、化粧品または皮膚科の分野で一般的に使用される公知の方法によって製造されることができる。
【0190】
本発明に従う組成物は、上記方法のうちの少なくとも1の段階について、混合機、たとえば異方向に回転する2のローラーを含んでおりその間をペーストが通過するロールミル、またはスクリューミキサー−押出機を使用することによって好都合に調製されることができる。スクリューミキサー−押出機が好ましくは使用される。
【0191】
脂溶性成分の残余は、次にほぼ100℃程度の温度で混合されることができる。磨砕された物質または予備分散された活性剤が次に油相に添加されることができる。
【0192】
本発明は、例示として示された以下の実施例においてより詳細に説明されるが、該実施例は決して限定的なものではない。パーセントは重量パーセントである。
【実施例1】
【0193】

【0194】
この組成物は、BC21ミキサー/押出機を使用して調製される。
【0195】
実施例1の組成物が、成熟した皮膚を有する女性被験者のしわ、小じわおよび皮膚表面のレリーフの欠陥部に施与される。これらの女性のしわおよび小じわの有意の減少が、その後観察される。
【実施例2】
【0196】
レオロジーパタメータ
【0197】
実施例1の組成物が、以下のレオロジーパタメータによって特性解析された。すなわち
− 破壊降伏点または降伏点τの応力が、25℃の温度においてHaake応力負荷CS150レオメータを使用して応力下の走査によって測定された。
− 測定の間に加えられる応力が組成物の破壊降伏応力未満であるという事実によって定義される「線形粘弾性」領域内の、1ヘルツの応力周波数について、弾性係数および粘性係数が測定された。
【0198】
実施例1の組成物について測定されたレオロジーパタメータが、以下の表1に報告される。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
総重量当たり少なくとも10重量%の1または複数のフィラー、少なくとも1のシリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)、および50℃以上の溶融開始点を有する少なくとも1のワックスを、生理学的に許容される媒体中に含有している、ペーストの形態をしている化粧料組成物。
【請求項2】
シリコーンポリアミドブロックコポリマーが、式(I)

に対応する少なくとも1の単位を含んでいる少なくとも1のポリマーであって、
該式において、
1)Gが−C(O)−NH−Y−NH−を表すときは、G’はC(O)を表し、およびGが−NH−C(O)−Y−C(O)−を表すときは、G’は−NH−を表し、
2)R、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、
− 飽和または不飽和のC〜C40の、直鎖状、分枝鎖状または環式の、炭化水素に基づく基であって、該鎖中に1以上の、酸素、イオウおよび/または窒素の原子を有していてもよく、ならびにフッ素原子で部分的にまたは完全に置換されていてもよい基、
− 1以上のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいC〜C10のアリール基、および
− 1以上の、酸素、イオウおよび/または窒素の原子を任意的に有していてもよいポリオルガノシロキサン鎖
から選択された基を表し、
3)Xは、同一でも異なっていてもよく、C〜C30の、直鎖状または分枝鎖状のアルキレンジイル基を表し、該鎖中に1以上の、酸素および/または窒素の原子を有していてもよく、
4)Yは、飽和もしくは不飽和のC〜C50の、アリールアルキレン、アルキルアリーレン、シクロアルキレン、アリーレン、または直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン二価基であって、1以上の、酸素、イオウおよび/もしくは窒素の原子を含んでいてもよく、および/もしくは置換基として以下の原子もしくは原子群、すなわちフッ素、ヒドロキシル、C〜Cのシクロアルキル、C〜C40のアルキル、C〜C10のアリール、1〜3のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル、C〜CのヒドロキシアルキルおよびC〜Cのアミノアルキルのうちの1を有していてもよいアルキレン二価基であり、または
5)Yは、式

に対応する基を表し、
該式において、
− Tは、直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和のC〜C24の、三価もしくは四価の炭化水素に基づく基を表し、ポリオルガノシロキサン鎖で任意的に置換されていてもよく、およびO、NおよびSから選択された1以上の原子を有していてもよく、またはTは、N、PおよびAlから選択された三価の原子を表し、および
− Rは、直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C50のアルキル基、またはポリオルガノシロキサン鎖を表し、1以上の、エステル、アミド、ウレタン、チオカルバメート、尿素、チオ尿素および/もしくはスルホンアミドの基を含んでいてもよく、該基は該ポリマーの他の鎖に結合されていてもされていなくてもよく、
6)nは2〜500の範囲にある整数であり、およびmは50〜1000の範囲にある整数である、
ところのポリマーである、請求項1に従う組成物。
【請求項3】
シリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)が、式(II)

に対応する少なくとも1の単位を含んでいる少なくとも1のコポリマーであって、
該式において、
− RおよびRは同一でも異なっていてもよく、式(I)について請求項2で定義された通りであり、
− R10は、RおよびRについて請求項2で定義された基を表し、または式−X−G''−R12の基を表し、該式中、Xは請求項2で定義された通りであり、およびR12は水素原子、または直鎖状、分枝鎖状もしくは環式の、飽和もしくは不飽和のC〜C50の炭化水素に基づく基であって、該鎖中にO、SおよびNから選択された1以上の原子を任意的に含んでいてもよく、1以上のフッ素原子および/もしくは1以上のヒドロキシル基で任意的に置換されていてもよい基、または1以上のC〜Cのアルキル基で任意的に置換されていてもよいフェニル基を表し、および
− G''は−C(O)NH−および−HN−C(O)−を表し;
− R11は式−X−G''−R12の基を表し、該式中のX、G''およびR12は上記の通りであり、
− mは50〜998の範囲にある整数であり、ならびに
− mは2〜500の範囲にある整数である、
コポリマーである、請求項1に従う組成物。
【請求項4】
シリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)が、10000〜500000g/モルの範囲にある重量平均分子質量を有する式(I)のシリコーンポリアミドである、請求項1または2に従う組成物。
【請求項5】
シリコーンポリアミドブロックコポリマー(PSPA)が、以下の式

に相当し、該式中、nが15、100、150または250に等しく、かつR、R'およびR''が飽和アルキル基を表すものである、請求項1、2または4のいずれか1項に従う組成物。
【請求項6】
− 多孔性シリカ微粒子、
− ポリテトラフルオロエチレン粉体、
− シリコーン樹脂粉体、
− 中空半球状シリコーン粒子、
− アクリルコポリマーの粉体、
− ポリエチレン粉体、
− シリコーン樹脂で被覆された、架橋されたエラストマー性オルガノポリシロキサン粉体、
− 架橋されたポリジメチルシロキサンとポリジメチルシロキサンとの混合物、
− タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカの複合粉体、
− ポリアミド粉体、
− 発泡粉体、たとえば中空マイクロスフェア、
− 天然有機物質の粉体、たとえばデンプン粉体、
− およびこれらの混合物
から選択された少なくとも1の化合物をフィラーとして含んでいる、請求項1〜5のいずれか1項に従う組成物。
【請求項7】
組成物の総重量当たり15重量%〜50重量%の1または複数のフィラーを含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に従う組成物。
【請求項8】
干渉粒子をさらに含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に従う組成物。
【請求項9】
ワックスとして、65℃以上の溶融開始点を有する少なくとも1のワックスを含んでいる、請求項1〜8のいずれか1項に従う組成物。
【請求項10】
50℃以上の溶融開始点を有する少なくとも3重量%の1または複数のワックスを含んでいる、請求項1〜9のいずれか1項に従う組成物。
【請求項11】
当該50℃以上の溶融開始点を有するワックスが、カルナウバワックス、ポリエチレンワックスおよび微結晶ワックスから選択されたものである、請求項1〜10のいずれか1項に従う組成物。
【請求項12】
25℃において、10−3−1に等しいせん断速度において5000Pa・s以上の粘度を有する、請求項1〜11のいずれか1項に従う組成物。
【請求項13】
皮膚の表面外観を改善するための、ならびにとりわけ皮膚の可視性および/または触知性の凹凸、たとえば皮膚表面のマイクロレリーフを低減するための化粧的処理方法において、請求項1〜12のいずれか1項に従う少なくとも1の組成物を当該凹凸を示す皮膚に少なくとも施与することを含む、上記方法。

【公開番号】特開2010−174010(P2010−174010A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−14614(P2010−14614)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】