説明

皮膚光老化および光線性損傷の治療

皮膚光老化および光線性損傷の予防および/または治療のためのエクオル、デヒドロエクオルおよび他のイソフラバ−3−エンの使用が記載されている。これらの症状の治療方法も記載されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、皮膚光老化および光線性損傷の予防および/または治療のための、エクオル(equol)およびデヒドロエクオル、特にイソフラボノイド環構造を基礎とする化合物の使用に関する。
【0002】
(技術分野)
皮膚細胞におけるDNA損傷は、それが皮膚の外観および健康、特に皮膚発癌に大きな影響を及ぼすため、特に重要である。DNA損傷は太陽光の紫外線(UV)光成分(特にUV−BおよびUV−C)が表皮下層に至る際に起こる。紫外線光成分が表皮を通過する際に、UV照射が皮膚のあらゆる細胞のゲノムのDNA鎖にて突然変異を引き起こす。これらの変異はピリミジンダイマーとして知られており、通常、エンドヌクレアーゼなどのスペシャリストである核内酵素により自動的に修復され、約2日ないし3日で完全に修復される。修復は損傷セグメントの切除、新しいセグメントの挿入を含む。DNA損傷はUV−誘発の酸化的ストレスにより引き起こされ、それに続いて複雑で長いカスケードにて活性酸素種(ROS)が生成され、それには多くて3日を要する。
【0003】
このDNA損傷は、特に太陽光の暴露を長年にわたって繰り返して受けていれば、不利な結果となる可能性が大きい。これらの結果として、ダイマーのうち低い割合であるが誤って修復され、特にその誤修復がp53などの重要な質請負遺伝子にて起こると、変異原性損傷となりやすいことが挙げられる。一生涯にわたるこれらの誤修復遺伝子の蓄積が皮膚癌となる素因であると考えられる。
【0004】
UV誘発の皮膚でのDNA損傷または他のUV損傷の皮膚損傷の結果は、光老化、光線性損傷および発癌と関連付けることもできる。これらの用語は、一般に、以下の意味を有する:
1.光老化とは、太陽光に曝した皮膚で老化が促進される工程をいう。これは、細かい皺および襞、そばかす、皮膚の黄ばみ、たるみ、毛細血管の拡張(毛細血管拡張症)、サクランボ赤色斑(血管腫)および乾燥顏貌を含む。
2.光線性損傷とは、前癌性または良性皮膚増殖をいい、日光角化症または光線性角化症などの病変を含む。
3.皮膚癌とは悪性である可能性のある病変をいい、基底細胞癌、ボーエン病(インサイチュ扁平上皮癌)、扁平上皮癌および黒色腫を含む。
【0005】
抗炎症薬の使用、皮膚の再水和、コラーゲン注射、手術および皮膚剥離は、光老化および光線性損傷の結果を軽減する試みにて使用される多くの化粧品および美容操作の一つにすぎない。
DNA保護および/または修復を促進し得た方法はいくつかの重要な利点を有した。第一に、DNA修復を行うための時間を減少させることにより、病理結果が減少するであろう。第二に、誤修復の起こる可能性の減少により修復工程はより効果的となるであろう。この方法の利点は遺伝的障害、色素性乾皮症の患者にてエンドヌクレアーゼを局所投与することで確認される。この症状の個体はエンドヌクレアーゼを製造することができず、その結果、太陽光に暴露されて、悪性皮膚癌および皮膚光老化となる危険性が高い。これらの個体の皮膚に外部からエンドヌクレアーゼを塗布すると、これらの個体が皮膚癌となる危険性は有意に減少し、光老化に対する処理を施すこととなる。第三に、皮膚にてフリーラジカルスカベンジャーの生成を増加させることで、DNAはUV暴露に応答して形成される酸化的ストレス病変から保護されるであろう。
【0006】
エクオルを含む、特定の化合物は、皮膚にて老化のいくつかの徴候の発症を妨げる能力を有する(米国特許第6060070号、Gorbach)。
そのゴルバッチ特許は、体のすべての組織と関連付けられる老化の自然工程に関するものであり、エストロゲン機能の減少を加齢と関連付ける。エストロゲンレベルの減少の結果としての、皮膚中のコラーゲン含量の低下、エラスチン繊維の数の減少は、年齢と関連する襞を惹起する主たる因子であると考えられる。正常な老化が光老化に特徴的な存在である。
【0007】
この度、本発明者らは、本発明の化合物、すなわち、エクオル、デヒドロエクオルおよび他のイソフラバ−3−エンおよびイソフラバン化合物が、皮膚に塗布されるか、または経口もしくは非経口投与されると、意外にも、ピリミジンダイマーの修復を促進し、皮膚における酸化的ストレス病変を減少させることを見出した。本発明の化合物がDNA修復を促進するとは全く考えられなかったことであり、さらに意外なことに、本発明の化合物がDNA修復と保護を促進することであり、皮膚光老化および光線性損傷の予防および/または治療に用いることができる。
【0008】
本発明の第一の態様によれば、UV暴露に付された対象の皮膚の光老化を予防および/または治療するためのエクオル、デヒドロエクオルまたは他のイソフラバ−3−エンまたはイソフラバン構造物の使用が提供される。光老化として、皺、襞、そばかす、皮膚の黄ばみ、皮膚のたるみ、毛細血管の拡張、サクランボ赤色斑および乾燥顏貌が挙げられる。
本発明のもう一つ別の態様において、本発明の化合物の、光線性損傷の予防および/または治療における使用が提供される。光線性損傷として日光角化症または光線性角化症が挙げられる。
【0009】
本発明のもう一つ別の態様によれば、UV暴露に付された対象の皮膚における光老化の予防および/または治療のための方法であって、1種またはそれ以上のエクオル、デヒドロエクオルまたは他のイソフラバ−3−エンまたはイソフラバン化合物を1種またはそれ以上の許容される担体および/または賦形剤と一緒に含有する組成物を対象に投与することを含む方法が提供される。
【0010】
本発明のもう一つ別の態様によれば、光線性損傷の予防および/または治療のための方法であって、1種またはそれ以上のエクオル、デヒドロエクオルまたは他のイソフラバ−3−エンまたはイソフラバン化合物を1種またはそれ以上の許容される担体および/または賦形剤と一緒に含有する組成物を対象に投与することを含む方法が提供される。
【0011】
イソフラバ−3−エンおよびイソフラバン化合物は、その医薬上許容される塩および誘導体を含め、一般式(II):
【化1】

【0012】
[式中
、R、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであるか、または
【0013】
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化2】

から選択される5員環を形成するか、
【0014】
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化3】

から選択される5員環を形成するか、または
【0015】
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化4】

から選択される5員環を形成し、
【0016】
、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであり、
は水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、アミノ、チオ、NR1112、CONR1112、C(O)R13(ここで、R13は水素、アルキル、アリール、アリールアルキルまたはアミノ酸である)またはCO14(ここで、R14は水素、アルキル、ハロアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)であり、
はアルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはSi(R15(ここで、R15は各々独立して水素、アルキルまたはアリールである)であり、
10は水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アミノ酸、アルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
【0017】
11は水素、アルキル、アリールアルキル、アルケニル、アリール、アミノ酸、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはCO14(ここで、R14は上記と同意義である)であって、
12は水素、アルキルまたはアリールであるか、または
11とR12はそれらの結合する窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニルを含み、
線図「−−−」は単結合または二重結合のいずれか、好ましくは二重結合を表し、
Tは独立して水素、アルキルまたはアリールであり、
XはO、NR12またはS、好ましくはOを意味する]
で示される。
【0018】
好ましくは、式IIの化合物はエクオルおよびデヒドロエクオルである。
子供、若者、成人および老人を含め、大抵の人々は、UV暴露および太陽光に曝されている。実際、太陽光が皮膚が受ける主たるUV暴露を提供する。大抵の人々は本発明の化合物の使用から利益を受けると考えられる。
本発明の化合物は光老化および光線性損傷を防止または治療する。
さらには、本発明の化合物は皮膚におけるDNA修復および保護の速度および程度の両方を容易にする。
本発明に係る化合物は、局所的、経口的または非経口的に、あるいは他の投与経路で投与することができる。
【0019】
好ましくは、1種またはそれ以上の本発明の化合物を含有する組成物は、UVまたは太陽光暴露の前に、その際に、あるいはその後に皮膚に塗布される。例えば、組成物は、顔用クリームまたは皮膚クリームを含め、クリーム、ローション、化粧品などの形態であってもよい。例えば、本発明の化合物は、適当な担体または基剤と混合、混練またはブレンドするだけで、皮膚への塗布に適する組成物とすることができる。
【0020】
式IIの化合物は、一般に、対象の体重1kg当たり20μgないし500mgの量にて用いることができる。局所用組成物は、式IIの化合物を、w/w%を基礎として、例えば、0.01ないし60%w/wにて含有し、残りは担体および/または賦形剤および/または当該分野にて公知の皮膚学的に許容される組成物にて用いられる標準的な成分からなる。
【0021】
本発明の化合物は、本明細書に記載されるような予防および/または治療的用途を有する。該化合物は、UV暴露および光線性損傷に付される対象の皮膚にて光老化を弱め、阻害または一般に防止する点で予防的である。本発明の化合物は、対象が1またはそれ以上の上記した症状に罹患したとしても、改善された結果をもたらす点において該治療にて有用である。本発明の化合物は光老化または光線性損傷あるいは皮膚癌を防止または緩和し、その一方で同時に該症状を治療する点において、上記症状の予防薬および治療薬の両方であると考えられる。
【0022】
本発明者らは、本発明の化合物がDNA修復を促進することを見出した。DNA修復の促進は、一またはそれ以上の、シクロブタンピリミジンダイマー(CPD)の修復速度を速くすること、P53発現を減少させることでDNA修復を促進すること、および/またはメタロチオネイン(MT)の形成を促進することによりなされる。これらの効果は、皮膚の健康および状態の促進、および皮膚細胞損傷の防止を介して、皮膚光老化および光線性損傷の予防および/または治療に関与している可能性がある。
【0023】
CPDの形成はUVR暴露の重要な致命的かつ突然変異発生の結果であると考えられる(Mitchellら、1989; Liardetら、2000)。動物実験は皮膚CPD修復と皮膚発癌の間にて逆の相関関係を示した(Youngら、1996)。P53蛋白(TP53)はUV照射によるDNA損傷後に発現された。P53はG1からS期への細胞の発達を遮断する転写因子であり、こうして損傷したDNAの複写を防止する(Campbellら、1993)。P53蛋白は腫瘍促進剤として作用する可能性がある(Murpheyら、2001)。
【0024】
本発明を以下の実施例を用いて説明するが、それは何ら本発明を限定するものではない。
実施例1
エクオルをUV照射の直後、4時間後および6時間後に5人のヒトボランティアの皮膚に塗布した。UV照射の24時間後に、MT産生を測定した。エクオル不含の対照となるローションも用いた。この実験により、エクオルが、照射されている皮膚の基底層にて(UV照射の24時間後)、照射されていない基線となる皮膚(UVR前)と比べてMTのレベルを統計的に有意に上昇させること(P=0.469)を証明した。ビヒクルそれ自体は、照射されていない基線となる皮膚と比べて、照射されている皮膚の基底層にてMTのレベルを統計的に変化させなかった。
皮膚の襞、毛細血管拡張および乾燥皮膚の減少も観察できた。
【0025】
実施例2
シクロブタンピリミジンダイマー(CPD):
UV暴露の直後に発生するCPDの形成(Viv Reeve, pers comm)は、UVR後に塗布されたいずれの治療薬でも何ら効果はなかった。しかしながら、エクオルによりCPDの修復速度は上昇した。この速度上昇が起こっているならば、ビヒクルだけで治療した皮膚でのCPDの数と比べてエクオルで処理した皮膚ではより少ない数のCPDが観察されるであろう。
【0026】
【化5】

エクオル(CAS No.531−95−3)
【0027】
ヒトボランティアの照射されていない皮膚にはCPDはほとんどなく、その者はUVに暴露した10分後には期待通りの顕著な上昇を示した。処理に付したヒトは、エクオル処理の皮膚にてCPD+ve表皮細胞が低率であることを示した
CPDの低レベルは、皺、襞、そばかす、皮膚の黄ばみ、皮膚のたるみ、毛細血管の拡張、サクランボ赤色斑、乾燥顏貌、日光角化症または光線性角化症の予防および/または治療と関連付けることができる。
【0028】
実施例3
長期にわたってUV暴露に付す前または後のいずれかにエクオルまたはデヒドロエクオルで処理した無毛マウスは、未処理のマウスよりも皮膚の厚みが減少したことを示す。皮膚の厚みの増加は襞、皮膚の毛細血管拡張および皮膚乾燥ならびに光線性損傷と関連付けられる。
【0029】
本明細書および添付した特許請求の範囲を通して、特記しない限り、「含む」または「からなる」語は、所定の整数または工程または一群の整数または工程を含み、他の整数または工程または一群の整数または工程を排除するものではないことが理解されよう。
本明細書における従来技術における参考文献は、従来技術がオーストラリアの技術常識の一部を形成するとする、承認または示唆のいずれかの形態でもなく、その承認または示唆のいずれの形態としても捉えられるべきではない。
【0030】
参考文献
Campbell, C., Quinn, A.G., Angus, B., Farr, P.M. and Rees, J.L. (1993) "Wavelength specific patterns of p 53 induction in human skin following exposure to UV radiation" Cancer Research 52(12): 2697-9

Hanada, K., Baba, T., Hashimoto, I., Fukui, R. and Watanabe, S (1992) "Possible role of cutaneous metallothionein in protection against photo-oxiditative stress-epidermal localization and scavenging activity for superoxide and hydroxyl radicals" Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine 9(5): 209-13

Liardet, S., Scaletta, C., Panizzon, R., Hohlfeld, P., and Laurent-Applegate L. (2001) "Protection against pyrimidine dimers, p 53, and 8-hydroxy-2'-deoxyguaosine expressionin ultraviolet-irradiated human skin by sunscreens: Difference between UVB + UVA and UVA alone sunscreens" Journal of Investigative Dermatology 117: 1437-1441

Mitchell, D.L. and Nairn, R.S. (1989) "The biology of the (6-4) photoproduct" Photochemistry & Photobiology 49(6): 805-19

Murphey, R., Young, A.R., Wulf, H.C., Kulms, D. and Schwarz, T. (2001) "The molecular determinants of sunburn cell formation" Experimental Dermatology 10(3): 155-60

Young, A.R., Chadwick, C.A., Harrison, G.I., Hawk, J.J., Nikaido, O. and Potten, C.S. (1996) "The in situ repair kinetics of epidermal thymine dimers and 6-4 photoproducts in human skin types I and II" Journal of Investigative Dermatology 106(6): 1307-13

【特許請求の範囲】
【請求項1】
UV暴露に伴う皮膚光老化または光線性皮膚損傷の予防および/または治療のための式(II)の化合物の使用であって、式(II)で示される化合物が、その医薬上許容される塩または誘導体を含め、
【化1】

[式中
、R、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであるか、または
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化2】

から選択される5員環を形成するか、
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化3】

から選択される5員環を形成するか、または
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化4】

から選択される5員環を形成し、
、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであり、
は水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、アミノ、チオ、NR1112、CONR1112、C(O)R13(ここで、R13は水素、アルキル、アリール、アリールアルキルまたはアミノ酸である)またはCO14(ここで、R14は水素、アルキル、ハロアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)であり、
はアルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはSi(R15(ここで、R15は各々独立して水素、アルキルまたはアリールである)であり、
10は水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アミノ酸、アルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
11は水素、アルキル、アリールアルキル、アルケニル、アリール、アミノ酸、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはCO14(ここで、R14は上記と同意義である)であって、
12は水素、アルキルまたはアリールであるか、または
11とR12はそれらの結合する窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニルを含み、
線図「−−−」は単結合または二重結合のいずれか、好ましくは二重結合を表し、
Tは独立して水素、アルキルまたはアリールであり、
XはO、NR12またはS、好ましくはOを意味する]
であるところの、使用。
【請求項2】
皺、襞、そばかす、皮膚の黄ばみ、皮膚のたるみ、毛細血管の拡張、サクランボ赤色斑および乾燥顏貌から選択される皮膚光老化の予防および/または治療のための請求項1記載の使用。
【請求項3】
日光角化症または光線性角化症から選択される光線性損傷の予防および/または治療のための請求項1記載の使用。
【請求項4】
式(II)の化合物がエクオルまたはデヒドロエクオルからなるところの請求項1記載の使用。
【請求項5】
皮膚光老化または皮膚の光線性損傷の予防および/または治療のための方法であって、一般式(II):
【化5】

[式中
、R、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであるか、または
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化6】

から選択される5員環を形成するか、
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化7】

から選択される5員環を形成するか、または
とRは上記と同意義であり、RおよびRはそれらの結合する炭素原子と一緒になって
【化8】

から選択される5員環を形成し、
、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロキシ、OR、OC(O)R10、OS(O)R10、CHO、C(O)R10、COOH、CO10、CONR1112、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、チオ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロまたはハロであり、
は水素、ヒドロキシ、アルキル、アリール、アミノ、チオ、NR1112、CONR1112、C(O)R13(ここで、R13は水素、アルキル、アリール、アリールアルキルまたはアミノ酸である)またはCO14(ここで、R14は水素、アルキル、ハロアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)であり、
はアルキル、ハロアルキル、アリール、アリールアルキル、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはSi(R15(ここで、R15は各々独立して水素、アルキルまたはアリールである)であり、
10は水素、アルキル、ハロアルキル、アミノ、アリール、アリールアルキル、アミノ酸、アルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
11は水素、アルキル、アリールアルキル、アルケニル、アリール、アミノ酸、C(O)R13(ここで、R13は上記と同意義である)またはCO14(ここで、R14は上記と同意義である)であって、
12は水素、アルキルまたはアリールであるか、または
11とR12はそれらの結合する窒素と一緒になってピロリジニルまたはピペリジニルを含み、
線図「−−−」は単結合または二重結合のいずれか、好ましくは二重結合を表し、
Tは独立して水素、アルキルまたはアリールであり、
XはO、NR12またはS、好ましくはOを意味する]
で示される1種またはそれ以上の化合物(その医薬上許容される塩もしくは誘導体を含む)を対象に投与することを含む、方法。
【請求項6】
1種またはそれ以上の式(II)の化合物がエクオルまたはデヒドロエクオルからなるところの、請求項5記載の方法。
【請求項7】
皺、襞、そばかす、皮膚の黄ばみ、皮膚のたるみ、毛細血管の拡張、サクランボ赤色斑および乾燥顏貌から選択される皮膚光老化の予防および/または治療のための方法であるところの、請求項5記載の方法。
【請求項8】
日光角化症または光線性角化症から選択される光線性損傷の予防および/または治療のための方法であるところの、請求項5記載の方法。
【請求項9】
1種またはそれ以上の式(II)の化合物が、皮膚暴露の前および/または後で、経口的、非経口的または局所的投与されるところの、請求項5記載の方法。

【公表番号】特表2006−508058(P2006−508058A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536692(P2004−536692)
【出願日】平成15年9月23日(2003.9.23)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001265
【国際公開番号】WO2004/026274
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505081076)ノボジェン・リサーチ・プロプライエタリー・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】NOVOGEN RESEARCH PTY LTD
【Fターム(参考)】