説明

皮膚外用剤

【課題】 皮膚外用剤の使用感を改善する。
【解決手段】アスコルビン酸又はその誘導体、グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に、アセチルアミノ糖を配合することによって、皮膚に適用した後のしっとり感があり、肌へのなじみがよい製剤を調製することができる。また、アスコルビン酸又はその誘導体を安定に配合した皮膚外用剤を得ることができ、アスコルビン酸が本来有する各種作用をその配合量に応じて有効に発揮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用感が改善された皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アスコルビン酸またはその誘導体は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して皮膚外用剤として広く用いられている。しかしアスコルビン酸またはその誘導体は、水溶液中など水の存在下で容易に酸化してしまうため、製剤中の水をできるだけ減らすことが求められるが、少量の水ではアスコルビン酸またはその誘導体を十分可溶化できなかったり、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子がうまく膨潤せずに製剤が不均一になるため、製剤の安定性を損なったり、使用感を向上させることができないという問題があった。このため、アスコルビン酸またはその誘導体を配合し安定性、使用感を改善するためのいくつかの方法が検討されており、例えば、L−アスコルビン酸リン酸または硫酸エステル塩とアルキルメチルタウリン塩との併用による、安定性及び使用感に優れた乳化化粧料が知られている(特許文献1:特開平11−228378号公報)。
【0003】
一方、アセチルヒアルロン酸やN−アセチルグルコサミンなどのアセチルアミノ糖は、保湿剤として皮膚外用剤に用いられており、例えば、アセチルヒアルロン酸とアスコルビン酸誘導体を配合することにより、アスコルビン酸誘導体の経皮吸収性が向上すること(特許文献2:特開平10−279421号公報)、N−アセチルグルコサミンとビタミンC誘導体との併用により、しみ、ソバカスなどの各種色素沈着に優れた改善又は防止効果が得られること(特許文献3:特開2003−252748号公報)等が知られている。しかし、含水量が低くアスコルビン酸またはその誘導体を含有する皮膚外用剤の使用感改善については何ら知見がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アスコルビン酸又はその誘導体を含有する皮膚外用剤において、使用感が改善した皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、アスコルビン酸又はその誘導体、グリコールエーテル又は特定の多価アルコール、水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に、アセチルアミノ糖を併用することで、皮膚に適用した後しっとり感があり、肌へのなじみがよい製剤を調製することができることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)に示す皮膚外用剤である。
(1)(A)アスコルビン酸又はその誘導体、(B)グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、(C)水30重量%以下、および(D)アセチルアミノ糖を含有する皮膚外用剤。
(2)アセチルアミノ糖が、アセチルヒアルロン酸、アセチルグルコサミン、アセチルキチン、アセチルキトサンである(1)記載の皮膚外用剤。
(3)アスコルビン酸誘導体が、水溶性アスコルビン酸である(1)または(2)に記載の皮膚外用剤。
(4)グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンの合計重量が、皮膚外用剤全体の30〜95重量%である(1)〜(3)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(5)さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
また、本発明は以下の(6)に示すアスコルビン酸又はその誘導体の安定化方法をも包含する。
(6)(A)アスコルビン酸又はその誘導体、(B)グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、(C)水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に、アセチルアミノ糖を併用することによる、皮膚外用剤の使用感改善方法。
なお、本明細書中、特に言及しない限り、%は重量%を意味するものとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、アスコルビン酸又はその誘導体、グリコールエーテル又は特定の多価アルコール、水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に、アセチルアミノ糖を配合することによって、皮膚に適用した後のべたつき感がなく、しっとり感があり肌へのなじみがよい製剤を調製することができるうえ、製剤の着色を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明で用いられるアスコルビン酸は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として市販されているアスコルビン酸を用いることができ、これらは通常L体のものを指す。
また、本発明で用いられるアスコルビン酸誘導体は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されず、アスコルビン酸のエステル誘導体またはエーテル誘導体を挙げることができる。
具体的には、エステル誘導体としてはL−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸ジリン酸エステル、L−アスコルビン酸トリリン酸エステル、DL−α−トコフェノール−2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル等のL−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体;L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−3−硫酸エステル等のL−アスコルビン酸の硫酸エステル誘導体;パルミチン酸L−アスコルビル、イソパルミチン酸L−アスコルビル、ステアリン酸L−アスコルビル、イソステアリン酸L−アスコルビル、ミリスチン酸L−アスコルビル、イソミリスチン酸L−アスコルビル、2−エチルヘキサン酸L−アスコルビル、オレイン酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、ジイソパルミチン酸L−アスコルビル、ジステアリン酸L−アスコルビル、ジイソステアリン酸L−アスコルビル、ジミリスチン酸L−アスコルビル、ジイソミリスチン酸L−アスコルビル、ジ2−エチルヘキサン酸L−アスコルビル、ジオレイン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸の脂肪酸エステル誘導体等が例示できる。また、エーテル誘導体としてはL−アスコルビン酸−2−グルコシド等が例示できる。
中でも好ましくは、リン酸エステル誘導体、硫酸エステル誘導体、エーテル誘導体などの水溶性アスコルビン酸であり、具体的にはL−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸ジリン酸エステル、L−アスコルビン酸トリリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−3−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドであり、皮膚や粘膜に対する安全性の高さと作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドである。
【0009】
また、アスコルビン酸又はその誘導体は、薬学上許容される塩としても使用でき、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)などが挙げられ、特に好ましい塩は、ナトリウム塩、カリウム塩である。具体的には、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸モノリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸ジリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸トリリン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム等が挙げられる。
【0010】
本発明で用いるアスコルビン酸又はその誘導体の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%であれば良い。
【0011】
本発明においてグリコールとは、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられている25℃で液体であるジオールであり、例えば一般式CnH2n(OH)2で表されるジオールや単一または2種以上の前記ジオールの縮合体などが挙げられる。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンチレングリコール、1,2−ヘキシレングリコール、オクチレングリコールなど、縮合体としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどが挙げられる。好ましくはプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールである。
また、本発明で用いられるグリセリンおよびジグリセリンは、皮膚外用剤などに頻用されている公知の化合物である。
【0012】
本発明で用いるグリコール、グリセリンまたはジグリセリンの配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常1〜95重量%、好ましくは5〜90重量%、特に好ましくは10〜80重量%であれば良い。
【0013】
本発明においてグリコールエーテルとは、グリコールの水酸基の片方または両方がエーテル化した化合物であり、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に制限されす、グリコールは25℃で液体であるジオールであり、例えば一般式CnH2n(OH)2で表されるジオールや単一または2種以上の前記ジオールの縮合体であっても良い。例えば、エチレングリコールモノエーテル、エチレングリコールジエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールジエーテル、トリエチレングリコールモノエーテル、トリエチレングリコールジエーテル、テトラエチレングリコールモノエーテル、テトラエチレングリコールジエーテル、プロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ジプロピレングリコールモノエーテル、ジプロピレングリコールジエーテル、トリプロピレングリコールモノエーテル、トリプロピレングリコールジエーテル、ブチレングリコールモノエーテル、ブチレングリコールジエーテル、アルキレングリコールエーテルアセタート等が挙げられる。また、エーテルとしてはアルキルエーテル、アルコキシエーテル、芳香族エーテル、アリルエーテルなどが例示でき、具体的にはメチルエーテル、エチルエーテル、n-プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t-ブチルエーテル、n-ペンチルエーテル、n-ヘキシルエーテル、フェニルエーテル、ビニルエーテル等が挙げられる。
【0014】
グリコールエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-2-メチルペンチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2,4-ヘキサジエンエーテル、エチレングリコールモノ-2,6,8-トリメチル-4-ノニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、及びエチレングリコールモノメチルフェニルエーテル等のエチレングリコールモノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、及びエチレングリコールジエチルエーテル等のエチレングリコールジエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールエチルビニルエーテル、及びジエチレングリコールモノメチルフェニルエーテル等のジエチレングリコールモノエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル等のジエチレングリコールジエーテル;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル及びトリエチレングリコールモノビニルエチルエーテル等のトリエチレングリコールモノエーテル;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のトリエチレングリコールジエーテル;テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル等のテトラエチレングリコールモノエーテル;テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のテトラエチレングリコールジエーテル等;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のプロピレングリコールモノエーテル;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールジイソブチルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジフェニルエーテル等のプロピレングリコールジエーテル;ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールアリルエーテル等のジプロピレングリコールモノエーテル;ジプロピレングリコールジエチルエーテル、及びジプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールアリルエーテル等のジプロピレングリコールジエーテル;トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル等のトリプロピレングリコールモノエーテル;トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、及びトリプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールジアリルエーテル等のトリプロピレングリコールジエーテル等;ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、及びブチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル等のブチレングリコールモノエーテル;ブチレングリコールジメチルエーテル、ブチレングリコールジエチルエーテル、及びブチレングリコールジ-n-ブチルエーテル等のブチレングリコールジエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールエーテルアセタート;等が挙げられる。
【0015】
グリコールエーテルとして好ましくは、エチレングリコールモノエーテル、エチレングリコールジエーテル、ジエチレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールジエーテル、トリエチレングリコールモノエーテル、テトラエチレングリコールモノエーテル、テトラエチレングリコールジエーテル、プロピレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールジエーテル、ジプロピレングリコールモノエーテル、ジプロピレングリコールジエーテル、トリプロピレングリコールモノエーテルであり、具体的にはエチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-2-メチルペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールジイソブチルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、及びジプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノ-ブチルエーテルである。
【0016】
グリコールエーテルとしてさらに好ましくは、エチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコールモノエーテル、ジプロピレングリコールモノエーテルであり、具体的にはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルである。
【0017】
本発明で用いるグリコールエーテルの配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されず、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択して用いることができるが、皮膚外用剤全体に対して、通常1〜95重量%、好ましくは5〜90重量%、特に好ましくは10〜80重量%であれば良い。
【0018】
これらのグリコール、グリコールエーテルグリセリンおよびジグリセリンは、1種又は2種以上を組み合わせて使用でき、グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンの合計量として、皮膚外用剤全体に対して、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%、さらに好ましくは45〜80重量%、特に好ましくは50〜75重量%であればよいが、本発明の効果を奏すれば特に制限されない。
【0019】
本発明の皮膚外用剤中に配合される水の配合量は、アスコルビン酸またはその誘導体の水溶液中の不安定性から鑑みて、皮膚外用剤全体に対して30重量%以下である。かかる範囲内において適宜選択して用いることができるが、好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは10〜20重量%の範囲である。
本発明の皮膚外用剤中における水の配合割合は、アスコルビン酸またはその誘導体1重量部に対して10重量部以下であればよく、8重量以下がより好ましく、5重量以下がさらに好ましい。10重量部を超えるとアスコルビン酸又はその誘導体の分解が許容できなくなる傾向にある。
【0020】
本発明においてアセチルアミノ糖とは、アミノ糖がアセチル化したものであり、好ましくはアミノ糖の水酸基がアセチル化したものである。具体的には、アセチルヒアルロン酸、アセチルコンドロイチン硫酸、アセチルキチン、アセチルキトサン、アセチルグルコサミンなどが挙げられ、好ましくはアセチルヒアルロン酸、N−アセチルグルコサミンである。
ヒアルロン酸は構成単位あたり4個の水酸基を有しており、アセチルヒアルロン酸としては、アセチル基の置換数が2〜4のものが好ましい。また、アセチルヒアルロン酸の分子量は、ヒアルロン酸換算で、1〜100万程度のものが好ましい。
コンドロイチン硫酸は構成単位あたり3個の水酸基を有しており、アセチルコンドロイチン硫酸としては、水酸基に対するアセチル基の置換数が1〜3のものが好ましい。また、アセチルコンドロイチン硫酸の分子量は、コンドロイチン硫酸換算で、1〜100万程度のものが好ましい。
キチンは構成単位あたり2個の水酸基を有しており、アセチルキチンとしては、水酸基に対するアセチル基の置換数が1〜2のものが好ましい。また、アセチルキチンの分子量は、キチン換算で、1〜100万程度のものが好ましい。
キトサンは構成単位あたり2個の水酸基を有しており、アセチルキトサンとしては、水酸基に対するアセチル基の置換数が1〜2のものが好ましい。また、アセチルキトサンの分子量は、キトサン換算で、1〜100万程度のものが好ましい。
グルコサミンは分子内に4個の水酸基と1個のアミノ基を有しており、アセチルグルコサミンとしては、グルコサミンの水酸基に対するアセチル基の置換数が1〜4のもの、またはN−アセチルグルコサミンの水酸基に対するアセチル基の置換数が0〜4のものが好ましい。
【0021】
本発明の皮膚外用剤においてアセチルアミノ糖の配合量は、アセチルアミノ糖を配合することによって製剤の使用感を改善するため、皮膚外用剤全重量に対して0.0001〜10重量%であり、かかる範囲内において皮膚外用剤の用途に応じて適宜選択することができる。本発明の効果から鑑みて、好ましくは0.0002〜6重量%、特に好ましくは0.0005〜3重量%の範囲である。
【0022】
本発明の皮膚外用剤には、皮膚外用剤に他の有用な作用を付加するため美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの成分の組み合わせとして特に好ましいものとしては、アスコルビン酸又はその誘導体と美白成分との組み合わせ、アスコルビン酸又はその誘導体と美白成分と抗酸化成分との組み合わせ、アスコルビン酸又はその誘導体と抗酸化成分との各組み合わせ、アスコルビン酸又はその誘導体と老化防止成分との組み合わせ、アスコルビン酸又はその誘導体と美白成分と老化防止成分との各組み合わせを挙げることができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として従来から使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0023】
例えば、美白成分としては、アルブチン;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0024】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分である。
これらの植物成分を本発明の皮膚外用剤に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0025】
上記美白成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、美白成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
美白成分として美白作用のある植物成分を用いる場合は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を美白成分として用いる場合、本発明の皮膚外用剤への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。また、植物成分はアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.0001〜100重量部、好ましくは0.001〜50重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0026】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0027】
上記抗炎症成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗炎症成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0028】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0029】
上記抗菌成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗菌成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0030】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0031】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、細胞賦活成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0032】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0033】
収斂成分を用いる場合、その本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、収斂成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0034】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、トコフェロール及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0035】
抗酸化成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。また本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0036】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0037】
上記老化防止成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、老化防止成分は本発明の皮膚外用剤中に含まれるアスコルビン酸又はその誘導体100重量部に対して0.001〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0038】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分のほか、ポリグルタミン酸などがあげられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ポリグルタミン酸である。
【0039】
保湿成分を用いる場合、本発明の皮膚外用剤に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0040】
本発明の皮膚外用剤には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に配合することができる。
【0041】
本発明の皮膚外用剤は、上記グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、アスコルビン酸又はその誘導体、水30重量%以下、アセチルアミノ糖、並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。
【0042】
本発明の皮膚外用剤は、通常pH1〜8の液性を備えていればよいが、アスコルビン酸又はその誘導体の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2〜6の酸性領域であることが望ましい。
【0043】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品または外用医薬部外品の分野に属する各種の外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。
【0044】
また本発明は、皮膚外用剤の使用感改善方法をも包含する。本発明の方法において、皮膚外用剤の使用感改善は、アスコルビン酸又はその誘導体とグリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に対して、アセチルアミノ糖を併用することによって達成できる。
本発明の方法において、アスコルビン酸又はその誘導体、グリコール、グリコールエーテル、グリセリン、ジグリセリンおよびアセチルアミノ糖やこれらの含有量などについては、前記皮膚外用剤で用いたものと同様である。さらに本方法にて得られた物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【実施例】
【0045】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0046】
試験例1 使用感試験および製剤安定性試験
表1に記載の処方(重量%)に従って、アスコルビン酸を除いた各成分の混合溶液に、アスコルビン酸を添加して加温・混合して溶解させて、製剤を調製した。
《使用感》
10名の女性被験者を対象に、下記の項目について、調製直後の各製剤を顔面に塗布した時の使用感(塗布時の製剤のしっとり感、のび、肌なじみ)について、3:非常に良い、2:良い、1:普通、0:悪いの4段階評価を行った。評点の平均値を表1に示す。
《製剤安定性》
調整直後の製剤の均一性について、目視で判定した。
結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
実施例1〜3において、比較例1よりも使用感が改善され、アセチルヒアルロン酸ナトリウムの含有量が高くなるにつれて使用感が向上する傾向が見られた。特に、実施例1ではごく少量のアセチルヒアルロン酸ナトリウムであっても使用感改善効果が確認された。また、比較例2、3からヒアルロン酸、カルボキシビニルポリマーなどの頻用されている水溶性高分子は、含水量が低いため十分に膨潤できずに沈殿が生じてしまい、配合できなかった。
このように、アセチルアミノ糖を配合した本発明の皮膚外用剤は、使用感に優れ、製剤が安定であることが確認された。
【0049】
以下に製剤実施例を挙げる。なお、以下の実施例中の配合量は、特に単位の記載のないものについてはすべて重量%を表す。
【0050】

【0051】

【0052】

【0053】

【0054】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アスコルビン酸又はその誘導体、(B)グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、(C)水30重量%以下、および(D)アセチルアミノ糖を含有する皮膚外用剤。
【請求項2】
アセチルアミノ糖が、アセチルヒアルロン酸、アセチルグルコサミン、アセチルキチン、アセチルキトサンである請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
(A)アスコルビン酸又はその誘導体、(B)グリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびジグリセリンから選択される1種または2種以上、(C)水30重量%以下を含有する皮膚外用剤に、アセチルアミノ糖を併用することによる、皮膚外用剤の使用感改善方法。


【公開番号】特開2006−83165(P2006−83165A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238523(P2005−238523)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】