説明

皮膚浸透性が改善された皮膚外用組成物

【課題】化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤分野において使用可能な、安全で無刺激の皮膚外用組成物の提供。
【解決手段】水系媒体中に、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を1μg/mL以上含有し、さらに界面活性剤を水溶性糖質に対して10質量%以上含有する、皮膚外用組成物。前記水溶性糖類として、セロビオース含量が50質量%以上であり、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース及びセロヘキサオースの合計の含量が50質量%以下であり、グルコース含量が30質量%以下であるセロオリゴ糖組成物が、また前記界面活性剤として、モノアシルアミノ酸又はその塩、及び/又はジアシルアミノ酸又はその塩が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤分野において、安全で無刺激の皮膚外用組成物に関する。即ち、本発明は、皮膚外用剤として使用することで、皮膚内で、ヒアルロン酸、コラーゲン合成を促進させ、老化防止作用を有するヒト線維芽細胞賦活及び保湿効果のある水溶性糖質を有効成分とする皮膚外用剤において、皮膚浸透性が改善された皮膚外用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類であるセロオリゴ糖、又はキシロオリゴ糖類は、上記の繊維芽細胞を、低濃度で賦活でき、保湿効果を有するため、抗老化用、保湿用の化粧品、医薬部外品、又は医薬品として期待される。
【0003】
ここで、線維芽細胞は、真皮に存在し、保湿成分であるヒアルロン酸の産生、及びコラーゲンの産生に寄与しており、この線維芽細胞を賦活することで、皮膚の保湿性の向上、老化の防止が抑制されることが期待される。従来、線維芽細胞の賦活に関し、種々の検討がなされてきた。
【0004】
しかしながら、上記の水溶性糖類を、水溶液として皮膚に投与した場合に、皮膚の角層がセラミドを主成分とする脂質であるために、浸透性が低く、線維芽細胞が存在する真皮まで到達しにくい問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤分野において使用可能な、安全で無刺激の皮膚外用組成物を提供することを解決すべき課題とした。特に、本発明は、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を配合する組成物において皮膚への浸透性を高めた皮膚外用組成物を提供することを解決すべき課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、2分子以上の糖がβ1−4結合した水溶性糖類を含有する皮膚外用組成物において、該水溶性糖類に加え、界面活性剤を水溶性糖質に対し10質量%以上を含有させることによって、水溶性糖類の皮膚への浸透性を促進することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1) 水系媒体中に、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を1μg/mL以上含有し、さらに界面活性剤を水溶性糖質に対して10質量%以上含有する、皮膚外用組成物。
(2) 前記水溶性糖類が構成糖として少なくとも1つのグルコース及び/またはキシロースを含み、β1−4結合がβ1−4グルコシド結合及び/またはβ1−4キシロシド結合である、(1)に記載の皮膚外用組成物。
(3) 前記水溶性糖類が、セロビオース含量が50質量%以上であり、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース及びセロヘキサオースの合計の含量が50質量%以下であり、グルコース含量が30質量%以下であるセロオリゴ糖組成物である、(1)又は(2)に記載の皮膚外用組成物。
【0008】
(4) 前記界面活性剤が、親水基と疎水基が共有結合した両親媒性化合物であり、親水基としてアミノ酸残基を含む化合物である、(1)から(3)の何れかに記載の皮膚外用組成物。
(5) 前記界面活性剤が、モノアシルアミノ酸又はその塩、及び/又はジアシルアミノ酸又はその塩である、(1)から(4)の何れかに記載の皮膚外用組成物。
(6) 前記モノアシルアミノ酸又はその塩が、アシルアスパラギン酸又はその塩、アシルグルタミン酸又はその塩、アシルサルコシン又はその塩、アシルメチルアラニン又はその塩、アシルプロリン又はその塩、アシルアラニン又はその塩、アシルトレオニン又はその塩、アシルメチオニンリシン又はその塩から選ばれる1種以上である、(5)に記載の皮膚外用組成物。
【0009】
(7) 前記ジアシルアミノ酸又はその塩が、ジアシルグルタミン酸リシン又はその塩である、(5)に記載の皮膚外用組成物。
(8) 老化防止用の組成物である、(1)から(7)の何れかに記載の皮膚外用組成物。
(9) (1)から(8)の何れかに記載の皮膚外用組成物を含有する化粧品、医薬部外品、又は医薬品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を配合する組成物において、該水溶性糖類に加え、その化学構造に親水基としてアミノ酸残基を有する界面活性剤を、水溶性糖質に対し10質量%以上を含有することで、皮膚への浸透性を高めた皮膚外用組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、テープにより採取された水溶性糖類の量を、添加した水溶性糖類の全量に対する百分率で表したものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明について、特にその好ましい態様を中心に、以下具体的に説明する。
本発明の皮膚外用組成物は、2分子以上の糖がβ1−4結合した水溶性糖類を含有する。上述の糖としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、またはマンノース等の公知のヘキソースまたはその異性体もしくは誘導体、キシロース、アラビノース等のペントースまたはその異性体あるいは誘導体、エリトロース、トレオース等のテトロースまたはその異性体あるいは誘導体が挙げられる。
【0013】
本発明で用いる2分子以上の糖がβ1−4結合した水溶性糖類で、公知のものとしては、例えば、2分子以上のグルコースがβ1−4結合したセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオース等のセロオリゴ糖類またはゲンチオオリゴ糖類、2分子以上のグルコースおよび/又はガラクトースがβ1−4結合したガラクトオリゴ糖類、2分子以上のキシロースがβ1−4結合したキシロオリゴ糖類、グルコース誘導体であるN−アセチルグルコサミンが複数β1−4結合したキチンオリゴ糖類、グルコース誘導体であるN−グルコサミンが複数β1−4結合したキトサンオリゴ糖類等が挙げられる。但し、2分子以上の糖がβ1−4結合したものであり、本発明の効果が得られるものについては、上記の公知の水溶性糖類以外に、新規に発見または合成されたものも本発明の水溶性糖類として用いることができる。
【0014】
上記の2分子以上の糖がβ1−4結合した水溶性糖類の中でも、最も本発明の効果が発揮される態様としては、2分子以上のグルコース及び/又はキシロースがβ1−4グルコシド結合又はβ1−4キシロシド結合した水溶性糖類が適している。
【0015】
2分子以上のグルコースがβ1−4グルコシド結合した水溶性糖類としては、例えば化粧品/医薬部外品/医薬品分野の組成物として容易に溶解しやすい分子量を持つという観点から、オリゴ糖類が好ましく、さらには二糖類であるセロビオースが好ましい。
【0016】
また、皮膚に投与した場合、皮膚表面から線維芽細胞まで効率的に届けるためには、水溶性糖類の分子量が小さい程有効であり、セロビオースを50質量%以上含むことが好ましい。セロビオースは、水性媒体中で、線維芽細胞を賦活する効果がある。従って、セロビオース含量が高いほど、線維芽細胞が賦活されるため好ましい。より好ましい含有量としては、70質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、95質量%以上が好ましい。
【0017】
本発明における水溶性糖類は、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース及びセロヘキサオースの合計を50質量%以下含むことができる。これらの糖類も、セロビオースと同様に、線維芽細胞の賦活効果がある。しかしながら、グルコース残基が増えるとともに、水性媒体への溶解度が低くなるため、セロオリゴ糖組成物として、本発明の効果を得るには、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース及びセロヘキサオースの合計は上述の範囲を満たす必要がある。好ましい含量範囲としては30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下である。
【0018】
また、セロビオースを、単糖であるグルコースにまで分解してしまうと、遊離したグルコースは、線維芽細胞のみならず、その他の細胞、もしくは皮膚常在の微生物まで賦活してしまうため、投与量当たりの効率が悪くなる。よって、遊離したグルコース含有量は、セロオリゴ糖とグルコースの全体量において30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下がより好ましく、4質量%以下であることが、特に好ましい。
【0019】
2分子以上のキシロースがβ1−4キシロシド結合した水溶性糖類としては、例えば、以下のキシロオリゴ糖が挙げられる。
【0020】
本発明におけるキシロオリゴ糖組成物は、キシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、キシロヘキサオース、キシロヘプタオース及び7を超える重合度を有する水溶性キシランの合計を30質量%以上含むことができる。これらの糖類も、セロビオースと同様に、線維芽細胞の賦活作用がある。好ましい含量範囲としては40質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは、70質量%以上である。
【0021】
本発明におけるキシロオリゴ糖組成物は、遊離のキシロース含量が70質量%以下であることが、粉末の吸湿性の点で好ましい。キシロースは、キシロオリゴ糖と共存下で乾燥すると、乾燥粉末が吸湿しやすくなる。従って、より好ましい範囲としては50質量%以下であり、さらに好ましい範囲としては40質量%以下であり、特に好ましくは、30質量%以下である。下限は特に設定されないが、簡便な操作で得られる範囲としては、10質量%以上である。
【0022】
以下に、本発明におけるセロオリゴ糖、グルコース含量、キシロオリゴ糖、キシロース含量の分析法を記す。本発明で用いることができるセロオリゴ糖及び/又はキシロオリゴ糖は、純水に1質量%濃度で溶解させた後、高速液体クロマトグラフィー(クロマトグラフィーシステム:島津製作所(株)製 商品名 SCL−10A、カラム:島津製作所製 商品名 Asahipak NH2P−50、移動相:アセトニトリル/水=75/25(容積比))で分析できる。セロオリゴ糖の糖組成は、上述の方法で得られたクロマトグラムにおけるセロビオース、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース、セロヘキサオース、グルコースのピーク面積を質量換算し、総質量に占めるそれぞれの質量百分率で表される。また、キシロオリゴ糖の糖組成は、上述の方法で得られたクロマトグラムにおけるキシロビオース、キシロトリオース、キシロテトラオース、キシロペンタオース、キシロヘキサオース、キシロヘプタオース、7を超える重合度を有する水溶性キシラン、又はキシロースのピーク面積を質量換算し、総質量に占めるそれぞれの質量百分率で表される。また、上記に関わらず、高速液体クロマトグラフィー法等の簡便な方法で、より精度よく各成分が定量できる方法があればその方法を採用してもよい。
【0023】
本発明の皮膚外用組成物として、線維芽細胞を賦活するためには、組成物中に本発明の水溶性糖類を1μg/mL以上の濃度で、水系媒体に含有する必要がある。この水溶性糖類の濃度が大きいほど、線維芽細胞の賦活作用が大きくなるため、好ましい。水溶性糖類の含量としては、3μg/mL以上が好ましく、6μg/mL以上がより好ましく、10μg/mL以上が特に好ましい。上述のように、水溶性糖類の濃度が高いほど、本発明の効果が大きくなるため、その上限は特に設定されないが、好ましくは100000μg/mL以下である。
【0024】
本発明の皮膚外用組成物は、上述の水溶性糖類に加え、界面活性剤を水溶性糖類に対し10質量%以上含有する必要がある。界面活性剤を上記の濃度で含有することで、有効成分である水溶性糖類の皮膚への浸透性が充分になる。界面活性の濃度が高いほど、本発明の効果が促進される。従って、界面活性剤濃度としては、水溶性糖類に対し20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、100質量%以上が特に好ましい。界面活性の濃度について、その上限は特に設定されないが、実質的には、200質量%以下が好ましい。
【0025】
本発明で使用される界面活性剤としては、親水基と疎水基が共有結合した両親媒性化合物であり、親水基としてアミノ酸残基を含むことが好ましい。さらに、本発明の界面活性剤は、モノアシルアミノ酸又はその塩、及び/又はジアシルアミノ酸又はその塩であることが好ましい。
【0026】
本発明でいう、モノアシルアミノ酸系の界面活性剤としては、アミノ酸残基に、脂肪酸がペプチド結合した構造を有し、残るカルボン酸末端のプロトンは、水素、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン(TEA)等に置換された化学構造を有する。特にアミノ酸残基としてはL−アミノ酸が好ましい。
【0027】
アシルアスパラギン酸又はその塩、アシルグルタミン酸又はその塩、アシルサルコシン又はその塩、アシルメチルアラニン又はその塩、アシルプロリン又はその塩、アシルアラニン又はその塩、アシルトレオニン又はその塩、アシルメチオニンリシン又はその塩から選ばれる1種以上である。化合物を例示すると、アシルアスパラギン酸TEA、アシルアスパラギン酸Na、ウンデシレイルグリシン、アレオイルサルコシン、カプリロイルグリシン、カプリロイルグルタミン酸2Na、カプロイルカラチンアミノ酸、ココイルアミノ酸Na、ココイルアラニンTEA、ココイルグリシンK、ココイルグリシンTEA、ココイルグリシンNa、ココイルグルタミン、ココイルグルタミンTEA、ココイルグルタミンNa、ココイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸(K/Na)、ココイルグルタミン酸2Na、ココイルコムギアミノ酸Na、ココイルサルコシン、ココイルサルコシンK、ココイルサルコシンTEA、ココイルサルコシンNa、ココイルメチルアラニン、ココイルメチルアラニンNa、ココイルリンゴアミノ酸Na、水添タロウグルタミン酸TEA、水添タロウグルタミン酸Na、水添タロウグルタミン酸2Na、ステアロイルロイシン、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、馬油脂肪酸グルタミン酸TEA、パルミトイルアスパラギン酸2TEA、パルミトイルサルコシンNa、パルミトイルグルタミン酸Mg、パルミトイルシルクアミノ酸、パルミトイウルプロリン、パルミトイルプロリンNa、ミリストイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸K、ミリストイルグルタミン酸Na、ミリストイルサクシニルアテロコラーゲン、ミリストイルサルコシンNa、ミリストイルメチルアラニン、ミリストイルメチルアラニンNa、ラウロアンホジ酢酸2Na/ラウロイルサルコシン、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルアラニン、ラウロイルカラスムギアミノ酸Na、ラウロイルグルタミン酸、ラウロイルグルタミン酸K、ラウロイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸2Na、ラウロイルコムギアミノ酸K、ラウロイルコムギアミノ酸Na、ラウロイルコラーゲンアミノ酸TEA、ラウロイルコラーゲンアミノ酸Na、ラウロイルコラーゲンアミノ酸(Na/TEA)、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンK、ラウロイルサルコシンTEA、ラウロイルサルコシンNa、ラウロイルシルクアミノ酸、ラウロイルシルクアミノ酸K、ラウロイルシルクアミノ酸Na、ラウロイルトレオニンK、ラウロイルメチルアラニン、ラウロイルメチルアラニンK、ラウロイルメチルアラニンTEA、ラウロイルメチルアラニンNa等である。
【0028】
モノアシルアミノ酸の中でも、特に、アシルグルタミン酸塩類、アシルアスパラギン酸塩類が、皮膚への親和性、浸透性、安全性の点で優れている。
【0029】
アシルグルタミン酸塩類としては、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸(Na/K)、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、ミリストイルグルタミン酸Naが好ましい。また、アシルアスパラギン酸としては、ラウロイルアスパラギン酸Naが好ましい。
【0030】
本発明でいう、ジアシルアミノ酸又はその塩とは、1分子内に1つ以上のアミノ酸残基と、2つの脂肪酸残基を有する界面活性剤のことである。ここで脂肪酸残基とは、−CH2−で示されるメチレン基が2つ以上共有結合で繋がった構造のことを指す。従って、ここでは、一般的な脂肪酸に加え、分岐鎖脂肪酸、リシン中のメチレン鎖も、脂肪酸残基に含まれる。
【0031】
本発明のジアシルアミノ酸又はその塩としては、ジアシルグルタミン酸リシン又はその塩、ジラウロイルグルタミン酸Mg、ラウロイルメチオニンリシンが含まれる。また、皮膚への親和性、浸透性、安全性の点で、ジアシルグルタミン酸リシン又はそのナトリウム塩が優れている。
【0032】
特に、モノアシルアミノ酸又はその塩は、水系媒体に水溶性糖類を含む本発明の組成物の皮膚への浸透速度に優れている。また、ジアシルアミノ酸又はその塩は、皮膚への親和性が高く、本発明の水溶性糖類を皮膚の深層まで、到達できる点で優れている。
【0033】
本発明における水系媒体とは、水単独もの、又は水を主成分として、アルコール等の水溶性媒体を溶解させたものを使用してもよい。ここでいうアルコールとは、脂肪酸一価アルコール、ステロール、多価アルコール、糖アルコール等から選ばれる1種以上であり、必要に応じて併用することも可能である。具体的には、「日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダームリサーチ発行 新化粧品ハンドブック」にアルコールとして分類されるものが該当する。
【0034】
以下に、本発明の皮膚外用組成物と、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む化粧品/医薬品部外品/医薬品の製造方法について記述するが、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
【0035】
各成分の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、1)本発明の水溶性糖類、界面活性剤と、構成成分を同時に添加し、混合/分散しても、2)本発明の水溶性糖類と本発明の界面活性剤を予め混合/分散した後に、別の構成成分を添加し、混合/分散しても、3)2種以上の構成成分を予め混合/分散した後、本発明の水溶性糖類、界面活性剤を順次添加し、混合/分散しても、これらの添加方法を組み合わせた方法でもよい。
【0036】
ここで用いる装置としては、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。また、各成分の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
分散方法としては、通常行われる分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよく、これらを組み合わせた方法でもよい。
【0037】
上記の方法で得られた水溶液、分散体、乳液等の各液状、ペースト、ゲル等の各半固形状の化粧品/医薬部外品/医薬品は、必要に応じて乾燥し、造粒、コーティング、成型等の加工を施してもよい。
【0038】
造粒・コーティング方法としては、公知の方法であれば特に制限はないが、攪拌式または流動層式のいずれでもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。攪拌式造粒機としては、例えばポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式の攪拌機、流動層式としては上部噴霧式、中央噴霧式、下部噴霧式、攪拌併用式、中央缶噴流式、ワースター式等が挙げられる。また、ローラーコンパクタを使用した乾式造粒を施してもよい。
【0039】
コーティングについては、予め造粒物を得、それに公知のコーティングを施してもよく、コーティングを施した後、さらに別のコーティングを施し多層状としてもよい。コーティング剤の噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、水溶性糖類粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、本発明の水溶性糖類に担持させてもよく、構成成分溶液/分散液を結合液として、本発明の水溶性糖類と他の構成成分の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
【0040】
成型方法としては、通常行われている方法であれば特に制限はないが、型枠を用いてもよく、圧縮、溶融、射出、圧延等の公知の成型方法が適用でき、これらを組み合わせた方法でもよい。ここで用いられる成型機としては、圧縮成型機、溶融成型機、射出成型機、圧延成型機等が挙げられ、製菓用/化粧品/医薬品用成型機、米飯成型機、コンプレスド成型機、包あん機、蒲鉾製造装置、餃子・包子成型機、ファンデーション基材用圧縮成型機等の公知の成型機が使用できる。特に圧縮成型に関しては、型枠を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。
【0041】
圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
【0042】
次に、本発明の皮膚外用組成物と、化粧品素材、医薬品薬効成分、またはそれらで使用される添加物の中から選択される1種以上の構成成分を含む化粧品/医薬品部外品/医薬品の製造方法において使用される構成成分の一例を記す。
【0043】
例えば、化粧品素材またはそこで使用される添加剤としては、必要に応じて、保湿剤、アミノ酸、ビタミン類、炭化水素、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン、アミノ酸系以外の界面活性剤、pH調整剤、水を添加してもよい。これらの化粧品素材または添加剤は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0044】
例えば、保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、乳酸ナトリウム、dl−ピロリドンカルボン酸、ヨクイニン抽出物、大豆レシチン等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に保湿剤として分類されるものが挙げられる。
【0045】
アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、スレオニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルタミン、アスパラギン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、ヒドロキシリジン等の塩基性アミノ酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にアミノ酸として分類されるものが挙げられる。
【0046】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンCを使用することができる。ビタミンAとしては、レチノール、レチナール、レチノイン酸、3−デヒドロレチノール、3−デヒドロレチナール、3−デヒドロレチノイン酸、β−カテキンが挙げられ、ビタミンDとしては、エルゴカルシフェロール(D2)、コレカルシフェロール(D3)、エルゴステロール、7−ヒドロコレステロールが挙げられ、ビタミンEとしてはα−トコフェロールが挙げられ、ビタミンKとしては、フィロキノン(K1)、メナキノン(K2)、メナジオン(K3)が挙げられ、ビタミンB1としてはチアミン(アノイリン)が挙げられ、ビタミンB2としてはリボフラビンが挙げられ、ビタミンB6としてはピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミンが挙げられ、ビタミンB12としてはコバラミンが挙げられ、葉酸としてはプテロイルグルタミン酸が挙げられ、ナイアシンとしてはニコチン酸、ニコチンアミド(ニコチン酸アミド)が挙げられ、ビタミンCとしてはアスコルビン酸が挙げられる。これらのビタミンは、1種を単独で用いても、2種以上を併用することも自由である。また、これらのビタミンは、脂溶性であっても、水溶性であってもよく、通常、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品に用いられるものを使用することが好ましい。「日本薬局方」(廣川書店発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)に分類されるものを用いることが好ましい。
【0047】
炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィン、スクラワン、ワセリン等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に炭化水素として分類されるものが挙げられる。
【0048】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に高級脂肪酸として分類されるものが挙げられる。
【0049】
エステル類としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミスチリン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、鳥居素ステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油四郷産メチルエステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にエステルとして分類されるものが挙げられる。
【0050】
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、架橋した編み目構造のシリコン樹脂等が挙げられる。
【0051】
界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩等のアニオン性界面活性剤に加え、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化(N,N'−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピチジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル4級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体等のカチオン性界面活性剤、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホバタイン等のベタイン系両性界面活性剤等の両性界面活性剤、ソルビタンノモオレエート、ソルビタンモノモイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、パンタ−2−エチルヘキシル酸時グリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエート等のポリオキシエチレン−ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレート等のポリオキシエチレン−グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸等のポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体等の非イオン性界面活性剤等の「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられる。
【0052】
pH調整剤としては、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、Mclvine試薬等の緩衝剤が挙げられる。
【0053】
医薬品薬効成分としては、例えば、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経皮または経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0054】
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポリビニルピロリドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、セトポリエチレングリコール、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色ワセリン、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、フィチン酸、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0055】
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポリビニルピロリドン、クロスポリビニルピロリドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0056】
結合剤としては、白糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0057】
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)および「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0058】
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0059】
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0060】
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0061】
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「食品添加物公定書」、(廣川書店発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0062】
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)および「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0063】
溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものでは、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に溶剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0064】
油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ ン酸トリグリセリド、ステアリン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0065】
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)に記載される増粘剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0066】
ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン等の動物性ゲル化剤、寒天、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、カードラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース、微結晶セルロース等植物性多糖類、ポリビニルピロリドン等の化学合成高分子等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)、「化粧品原料基準」(薬事日報社発行)、「化粧品種別成分配合規格」(薬事日報社発行)にゲル化剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
【0067】
本発明の皮膚外用組成物を含有する化粧品/医薬部外品/医薬品の例としては、以下のものが挙げられる。
【0068】
化粧品としては、例えば、香油、ヘアオイル、つや出し油、スキ油、びん油、セットローション、ヘアスティック、ヘアクリーム、ポマード、ヘアスプレー、ヘアリキッド等の整髪料、ヘアトニック、ヘアトリートメント、ヘアローション等の養毛料、カラースプレー、カラーリンス等の毛髪着色料、頭皮料、髪洗粉、シャンプー等の洗髪料、ヘアリンス、オイルリンス、クリームリンス、ボディリンス、フェイシャルリンス等のリンス、クレンジングクリーム、洗顔クリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、洗粉等の洗顔料、パック、油性クリーム、中性クリーム、弱酸性クリーム等のクリーム、ミルクローション、スキンミルク等の乳液、乾性肌用化粧水、普通肌用化粧水、脂肌用化粧水、男性用化粧水、男性ローション、アフターシェーブローション等の化粧水、メイクアップベース、ファンデーション、おしろい、口紅、リップスティック、リップルージュ、リップグロス、リップクリーム等の口紅類、アイシャドー、アイライナー、アイクリーム、眉墨、まつげ化粧料、アイメイクアップリムーバー、アイメイクアップ、頬紅、アイブロウペンシル、アイブロウブラッシュ、マスカラ等の眉目頬化粧料、ネイルエナメル、ネイルクリーム、マニキュア、ペディキュア、エナメルリムーバー、除光液等の美爪料、香水、オーデコロン、パヒュームコロン、オードトワレ等のオーデコロン、バスソルト、バスオイル等の浴用化粧品、オリーブ油、椿油、ベビーオイル等を配合した化粧油、日焼け用化粧品、コールドクリーム、日焼けどめ化粧品、ひげそりクリーム、シェービングフォーム等のシェービングクリーム、プレシェーブ化粧品、タルカムパウダー、ボディパウダー、バスパウダー、パヒュームパウダー等の打粉等の「化粧品科学ガイドブック」(日本化粧品技術者会編、薬事日報社発行)に記載される化粧品が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
【0069】
医薬部外品/医薬品としては、例えば、エキス剤、懸濁剤、乳剤、酒精剤、浸剤、煎剤、チンキ剤、芳香剤、流エキス剤、液剤、エアゾール剤等の液状製剤/ガレヌス製剤、浣腸剤、洗口剤、吸入剤、湿布剤、消毒剤、耳鼻用液剤、清拭剤、注入剤、塗布剤、噴霧剤、浴剤、油脂性、乳剤性、懸濁性、水溶性、ヒドロゲル性、リオゲル性等の軟膏剤、硬膏剤、パップ剤、ローション剤、リニメント剤等の外用剤、点眼剤等の「薬剤学マニュアル第二版」(南山堂発行)に記載される液剤、外用剤、点眼剤等の剤形が挙げられ、これらに分類されるものに使用してもよい。
【0070】
本発明の皮膚外用組成物としては、上記の化粧品/医薬部外品/医薬品の剤形のうち、皮膚に投与しうる剤形のものを指し、形状は、液状、ペースト状、個体状のいずれでもよい。使用方法も、投与した後に皮膚に滞留させて使用しても、投与後に、目的が達成できれば、水等で洗い流してもよい。
【0071】
本発明の皮膚外用組成物の投与方法は特に限定されず、非経口投与又は経口投与の何れでもよく、好ましくは非経口投与であり、さらに好ましくは経皮投与を挙げることができる。
【0072】
本発明の皮膚外用組成物は、線維芽細胞に対する賦活作用を有し、老化防止用の組成物として使用することができる。
【0073】
本発明の水溶性糖類及び界面活性剤を含む皮膚外用組成物の投与量は、線維芽細胞に対する賦活作用を発揮できる限り特に限定されず、当業者であれば適宜設定できる。例えば化粧水または乳液を想定した場合の投与量としては、皮膚への1回の使用当たり、0.01mL以上が好ましく、0.1mL以上がより好ましく、1.0mL以上が特に好ましい。投与量が多い程、効果は高いので、その上限は設定されないが、現実的な投与量としては、1回の使用当たり、1000mL以下である。浴用剤等として使用する際には、上記の投与量を超えてもよい。
【0074】
本発明を以下の実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0075】
[実施例1]
普通寒天培地にトリコデルマ リーセイ(Tricoderma reesei)GL−1株(独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター、受領番号FERM BP−10323)を接種し、28℃で7日間培養後、その培地表面から胞子を1白金耳取り、ポリペプトン1g、酵母エキス0.5g、リン酸1カリウム2g、硫酸アンモニウム1.5g、硫酸マグネシウム0.3g、塩化カルシウム0.3g、トレースエレメント1mL(硼酸6mg、モリブデン酸アンモニウム4水和物26mg、塩化鉄(3)6水和物100mg、硫酸銅5水和物40mg、硫酸マンガン4水和物8mg、硫酸亜鉛7水和物200mgを全量100mLの精製水に溶解させたもの)、アデカノール1mL、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ製 商品名PH−101)10gを全量1Lの精製水に懸濁および溶解させた培地に植菌し、28℃で5日間通気攪拌培養した。培養中は、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、培地のpHを2.8−4.7となるように調節した。培養後の液を遠心分離し、上清を目開き0.46μmの精密ろ過膜で除菌し、ろ液を分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)で体積比で10倍濃縮し粗酵素を得た。
【0076】
次に、市販針葉樹由来の溶解パルプを使用し、加水分解条件を塩酸濃度0.4%塩酸水溶液、120℃、1時間として、加水分解し、酸不溶性残渣を洗浄、ろ過し、ウェットケークを得た。このウェットケークをセルロース10%濃度の水分散体とし、超高性能分散機・湿式微粉砕機(アシザワ(株)製、商品名 パールミルRL φ1mmジルコニアビーズ使用 充填率80%)を使用し、圧密・摩砕処理を施し、セルロース微粒子分散体を得た(平均重合度220、ジエチルエーテル可溶物含有率0.7%、平均粒子径0.7μm、コロイド状成分含有率51.5%)。
【0077】
この摩砕セルロースが2質量%、粗酵素をタンパク質濃度0.25%になるように50mM酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に懸濁溶解させ、全量1000mLとし、ガラス製フラスコに仕込んだ。このガラス製フラスコを、55℃の水槽に仕込み、内部を攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後、反応液を懸濁状態で300μL分注し、限外ろ過モジュール(分画分子量10000)を使用し、酵素、未分解セルロースを取り除いた後、高速液体クロマトグラフィーで糖濃度を分析した。該反応液の糖濃度は、セロトリオース〜セロヘキサオース0.2質量%、セロビオース1.5質量%、グルコース0.3質量%であった。
【0078】
該反応液を、分画分子量13000の限外ろ過膜(旭化成ケミカルズ製 商品名マイクローザペンシル型モジュール ACP−0013)でろ過し、得られたろ液を陽・陰イオン交換樹脂で脱イオン処理し、70℃、減圧下で蒸留し、20倍の糖濃度の水溶液を得た。
上記で得られたセロオリゴ糖水溶液100mLを、200mLのガラス製フラスコに導入し、攪拌しながら、毎時10℃の速度で、70℃から5℃まで冷却した後、エタノールを水に加え晶析した。水溶液中に晶出したセロオリゴ糖を、減圧ろ過、乾燥、粉砕、篩下し、製造例1のセロオリゴ糖粉末を得た。得たれたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。
【0079】
[製造例2]
市販のセロビオース、セロトリオース(以上Sigma Aldrich製)を、カラム分離した後、混合し、製造例2のセロオリゴ糖粉末を得た。得られたセロオリゴ糖粉末の糖組成を表1に記す。
【0080】
【表1】

【0081】
[製造例3]
キシロオリゴ糖(サントリー製キシロオリゴ95P)を実施例3とした。用いたキシロオリゴ糖の糖組成は、以下の通り、キシロビオース36.4%、キシロトリオース以上のキシロオリゴ糖類7.11%、その他キシロース。
【0082】
<ヒト皮膚への浸透性の評価>
[実施例1]
製造例1の水溶性糖類を0.5質量%(固形分濃度)、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム(商品名ペリセア 旭化成ケミカルズ製)を0.5質量%(固形分濃度)加えて、水溶液を調整した。
この水溶液を、被験者が、前腕内側(被検部位)を消毒用エタノールで軽く拭き取り、恒温恒湿室(室温22℃、湿度45%)で15分間馴化した後、上記の水溶液を25μL/cm2の量を塗布した。
30分間、恒温恒湿室で、安静にしたのち、市販のセロファンテープを用いて、被検部位のテープストリッピングを実施した。このテープストリッピングを10回繰り返した。
得られたセロファンテープ(10枚)を2枚ずつ、5mLのメタノールに浸漬し、超音波処理を5分間実施し、セロファンテープに付着した水溶性糖類を溶解させた。このメタノール溶液を、HPLCで水溶性糖類を測定した。
【0083】
[比較例1]
製造例1の水溶性糖類を0.5質量%(固形分濃度)を用いる以外は、実施例1と同様の操作でテープストリッピングし、HPLCにて測定を行った。
【0084】
実施例1及び比較例1の結果を図1に示す。
図1は、それぞれのテープにより採取された水溶性糖類の量を、添加した水溶性糖類の全量に対する百分率で表したものであり、テープ番号が大きくなるほど、皮膚の深部を表している。
図1に示すように、比較例1(製造例1の水溶性糖質のみで、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを添加しない水溶液を塗布)に対して、実施例1(製造例1の水溶性糖質とジラウロイルグルタミン酸ナトリウムを添加した水溶液を塗布)は、皮膚の深部まで、多量に水溶性糖類が浸透していることが分かる。
【0085】
[実施例2]
実施例1の方法において、水溶性糖類を製造例1の代わりに、製造例2の水溶性糖質を用い、水溶性糖質0.5質量%とジラウロイルグルタミン酸ナトリウムの水溶液0.5質量%を含む水溶液を調整した。実施例1と同様の操作で、皮膚に塗布し、テープストリッピングした後、HPLCで水溶性糖類を測定した。
その結果、テープ番号7+8の水溶性糖類の残存比率は、4%であり、比較例1に対し、皮膚の深部まで浸透しやすいことを確認した。
【0086】
[実施例3]
実施例2の方法において、水溶性糖類を製造例3に代える以外は、実施例2と同様に、水溶液を調整した。また、実施例2と同様の操作で、皮膚に塗布し、テープストリッピングした後、HPLCで水溶性糖類を測定した。
実施例3は、テープ番号7+8の水溶性糖類の残存比率は、4%であった。
【0087】
[比較例2]
実施例2の方法において、水溶性糖類として製造例3を使用し、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを加えず、水溶液を調整し、実施例2と同様の操作で、皮膚への浸透性を評価した。
比較例2は、テープ番号7+8の水溶性糖類の残存比率は、1%であり、実施例3は、水溶性糖類をセロオリゴ糖から、キシロオリゴ糖に代えても、同様の効果が得られた。
【0088】
[実施例4]
実施例2の方法において、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム(商品名アミノサーファクタント 旭化成ケミカルズ製)に代えて、同様に評価した。
その結果、テープ番号7+8の水溶性糖類の残存比率は、4%であり、比較例1に対して、皮膚への浸透性が向上することを確認した。
【0089】
[実施例5]
実施例2の方法において、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム(商品名アミノフォーマー 旭化成ケミカルズ製)に代えて、同様に評価した。
その結果、テープ番号7+8の水溶性糖類の残存比率は、5%であり、比較例1に対して、皮膚への浸透性が向上することを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を配合する皮膚外用組成物において、該水溶性糖類に加え、その化学構造に親水基としてアミノ酸残基を有する界面活性剤を、水溶性糖質に対し10質量%以上を含有することで、皮膚への浸透性を高めた皮膚外用組成物を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系媒体中に、2分子以上の糖がβ1−4結合している水溶性糖類を1μg/mL以上含有し、さらに界面活性剤を水溶性糖質に対して10質量%以上含有する、皮膚外用組成物。
【請求項2】
前記水溶性糖類が構成糖として少なくとも1つのグルコース及び/またはキシロースを含み、β1−4結合がβ1−4グルコシド結合及び/またはβ1−4キシロシド結合である、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
前記水溶性糖類が、セロビオース含量が50質量%以上であり、セロトリオース、セロテトラオース、セロペンタオース及びセロヘキサオースの合計の含量が50質量%以下であり、グルコース含量が30質量%以下であるセロオリゴ糖組成物である、請求項1又は2に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が、親水基と疎水基が共有結合した両親媒性化合物であり、親水基としてアミノ酸残基を含む化合物である、請求項1から3の何れかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、モノアシルアミノ酸又はその塩、及び/又はジアシルアミノ酸又はその塩である、請求項1から4の何れかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項6】
前記モノアシルアミノ酸又はその塩が、アシルアスパラギン酸又はその塩、アシルグルタミン酸又はその塩、アシルサルコシン又はその塩、アシルメチルアラニン又はその塩、アシルプロリン又はその塩、アシルアラニン又はその塩、アシルトレオニン又はその塩、アシルメチオニンリシン又はその塩から選ばれる1種以上である、請求項5に記載の皮膚外用組成物。
【請求項7】
前記ジアシルアミノ酸又はその塩が、ジアシルグルタミン酸リシン又はその塩である、請求項5に記載の皮膚外用組成物。
【請求項8】
老化防止用の組成物である、請求項1から7の何れかに記載の皮膚外用組成物。
【請求項9】
請求項1から8の何れかに記載の皮膚外用組成物を含有する化粧品、医薬部外品、又は医薬品。

【図1】
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【公開番号】特開2010−215556(P2010−215556A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63855(P2009−63855)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】