監視カメラ装置
【構成】パン回転機構32またはチルト回転機構34は、方位変更指示に応答して監視カメラ10の方位を変更する。メインCPU30は、方位変更指示に従う方位情報を作成し、監視カメラ10の方位の基準方位への到達を検知する。メインCPU30はまた、パン回転機構32またはチルト回転機構34の変更処理による監視カメラ10の方位変更動作の速度を検知処理に関連して減速し、作成された方位情報が示す方位を監視カメラ10の方位の基準方位への到達の検知に応答して基準方位に修正する。
【効果】方位情報の精度を向上させることができる。
【効果】方位情報の精度を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視カメラ装置に関し、特に方位情報を監視カメラの制御に用いる、監視カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、制御サーバは、固定カメラおよび移動カメラの方位情報を保持する。監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの位置情報を取得する。監視カメラは、固定カメラと移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、制御サーバに保持されている固定カメラおよび移動カメラの方位情報を比較する。また、監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの方位が同一と判断した場合、固定カメラの方位が逆方向になるように、固定カメラを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−188740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、監視カメラの外部からの振動および機械的な原因等によって方位情報に影響が生じた場合に、方位情報の精度が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、方位情報の精度を向上させることができる、監視カメラ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う監視カメラ装置(10, 40:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更手段(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成手段(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知手段(S99, S111, S129, S141)、変更手段の変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知手段の検知処理に関連して減速する減速手段(S55, S75)、および作成手段によって作成された方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して基準方位に修正する修正手段(S101, S131)を備える。
【0007】
好ましくは、監視カメラの方位を既定要領で変更する特定監視モードの下での監視動作と並列して検知手段を起動する起動手段(S97, S127)をさらに備える。
【0008】
さらに好ましくは、起動手段による起動時期は作成手段によって作成された方位情報が示す方位が基準方位を含む既定角度範囲に属する時期に相当する。
【0009】
好ましくは、起動手段は既定周期ごとに起動処理を実行する。
【0010】
好ましくは、変更手段は、監視カメラの撮像面に直交する光軸の水平角を回転動作によって調整する水平調整手段(32)、および撮像面に直交する光軸の垂直角を回転動作によって調整する垂直調整手段(34)を含む。
【0011】
この発明に従うカメラ校正プログラムは、監視カメラ装置(10, 40)のプロセッサ(30)に、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ(S99, S111, S129, S141)、変更ステップの変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ(S55, S75)、および作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を検知ステップの検知に応答して基準方位に修正する修正ステップ(S101, S131)を実行させるための、カメラ校正プログラムである。
【0012】
この発明に従うカメラ校正方法は、監視カメラ装置(10, 40)によって実行されるカメラ校正方法であって、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ(S99, S111, S129, S141)、変更ステップの変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ(S55, S75)、および作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を検知ステップの検知に応答して基準方位に修正する修正ステップ(S101, S131)を備える。
【発明の効果】
【0013】
監視カメラの方位変更動作の速度を減速することで、検知手段の検知精度が向上する。また、修正手段は方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して修正する。これによって、方位情報の精度を向上させることができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例に適用される監視カメラの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例に適用される外部装置の構成を示すブロック図である。
【図4】撮像面のパン/チルト動作の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はパン回転動作の一部を示す図解図であり、(B)はチルト回転動作の一部を示す図解図である。
【図6】図2実施例の構成を示す側面図である。
【図7】図2実施例の構成を示す正面図である。
【図8】図2実施例の構成を示す上面図である。
【図9】図2実施例に適用されるフォトインタラプタの構成の一例を示す斜視図である。
【図10】図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの構成の一例を示す斜視図である。
【図11】(A)は図2実施例のパン動作とフォトインタラプタとの位置関係の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例のパン動作とフォトインタラプタとの位置関係の他の一例を示す図解図である。
【図12】(A)は図2実施例のチルト動作と他のフォトインタラプタとの位置関係の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例のチルト動作と他のフォトインタラプタとの位置関係の他の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は図2実施例に適用されるフォトインタラプタの出力の推移の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例に適用されるフォトインタラプタの出力の推移の他の一例を示す図解図である。
【図14】(A)は図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの出力の推移の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの出力の推移の他の一例を示す図解図である。
【図15】図3実施例に適用されるコントローラCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0017】
図1を参照して、この実施例の監視カメラ装置は、基本的に次のように構成される。変更手段1は、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する。作成手段2は、方位変更指示に従う方位情報を作成する。検知手段3は、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する。減速手段4は、変更手段の変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知手段の検知処理に関連して減速する。修正手段5は、作成手段によって作成された方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して基準方位に修正する。
[実施例]
【0018】
図2を参照して、この実施例の監視カメラ10は、屋内の天井に設置されて屋内を上方から監視するカメラであり、光学レンズ12およびイメージセンサ14を含む。監視ゾーンの一部である被写界を表す光学像は、光学レンズ12を経てイメージセンサ14の撮像面に照射される。
【0019】
電源投入操作が行われると、カメラCPU28は、露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ16bに命令する。ドライバ16bは、周期的に発生するタイミング信号に応答して、撮像面の露光とこれによって生成された電荷の読み出しとを実行する。イメージセンサ14からは、撮像面から読み出された電荷に基づく生画像データが繰り返し出力される。
【0020】
カメラ処理回路18は、イメージセンサ14から出力された生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。映像I/F24は、SDRAM22に格納された画像データをメモリ制御回路20を通して読み出し、読み出された画像データを図3に示す外部装置40に向けて送出する。
【0021】
図3を参照して、監視カメラ10から送出された画像データは、映像I/F44によって受信され、メモリ制御回路46によってDRAM48に書き込まれる。映像出力回路54は、DRAM48に格納された画像データをメモリ制御回路46を通して読み出し、読み出された画像データに基づく画像を映像モニタ56に表示する。この結果、監視ゾーンを表すリアルタイム動画像がモニタ画面に表示される。
【0022】
監視カメラ10の動作モードは、操作パネル52に設けられたモード切替スイッチ52mdの操作に応答して、マニュアルモードおよびオートマチックモードのいずれか一方に設定される。操作パネル52にはまた、マニュアルモードの下で監視カメラ10のパン回転またはチルト回転を指示するためのジョイスティック52jが設けられる。ただし、パン回転またはチルト回転は、GUI操作によって指示するようにしてもよい。
【0023】
操作者がジョイスティック52jを傾けると、カメラ管理タスクの下でコントローラCPU50は、ジョイスティック52jの傾斜方向および傾斜角度に対応するパラメータが記述されたパン/チルト操作情報を繰り返し作成し、作成されたパン/チルト操作情報を通信I/F42を介して監視カメラ10に送出する。
【0024】
図2に戻って、通信I/F36は、外部装置40から送信されたパン/チルト操作情報を取り込み、メインCPU30に与える。メインタスクの下でメインCPU30は、現在の撮像面の方向を示すパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntを取得する。メインCPU30はまた、パン/チルト操作情報に記述されたパラメータと取得されたパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntとを考慮して、パン目標角度θp_trgまたはチルト目標角度θt_trgを算出する。
【0025】
メインCPU30は、メインタスクの下、パン/チルト操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うパン/チルト回転指示を、パン回転機構32またはチルト回転機構34に向けて発行する。この結果、撮像面の向きが所望の方向に変更される。
【0026】
オートマチックモードにおいては、メインCPU30は、フラッシュメモリ26に記憶された複数の回転命令の組み合わせから各々の回転命令を順に1つずつ読み出す。各々の回転命令には予め定められた回転方向および目標角度が記述されている。メインCPU30は、メインタスクの下、読み出された回転方向および目標角度に沿うパン/チルト回転指示を、パン回転機構32またはチルト回転機構34に向けて発行する。この結果、撮像面の向きが回転命令に基づく方向に変更される。
【0027】
図4に示すゾーンが監視ゾーンに相当するとき、撮像面によって捉えられる被写界の画角は、このようなパン/チルト動作によってたとえば“FP1”から“FP2”に遷移する。
【0028】
図5(A)を参照して、パン角度θpは、撮像面に直交する光軸の水平角を定義するパラメータであり、撮像面を真北に向けたときの水平角をパン方向の原点角度(=0°または360°)として、反時計回り方向に沿って増大する。したがって、パン角度θpは、真西,真南および真東に対応してそれぞれ90°,180°および270°を示す。なお、パン角度θpの可変範囲に制限はなく、パン回転指示が与えられる限り、パン回転動作はエンドレスで実行される。
【0029】
図5(B)を参照して、チルト角度θtは、撮像面に直交する光軸の垂直角を定義するパラメータであり、イメージセンサ14の上端を上にして撮像面を水平方向に向けたときの垂直角をチルト方向の原点角度(=0°)として、下方向に沿って増大する。チルト角度θtは、撮像面を真下に向けたとき90°を示し、イメージセンサ14の上端を下にして撮像面を水平方向に向けたとき180°を示す。なお、チルト角度θtの可変範囲は−20°≦θt≦200°である。
【0030】
パン回転機構32およびチルト回転機構34の各々にはステッピングモータ(図示せず)が設けられる。パン回転機構32のステッピングモータの回転によって監視カメラ10のパン回転が実現され、チルト回転機構34のステッピングモータの回転によって監視カメラ10のチルト回転が実現される。
【0031】
メインCPU30は、パン角度管理タスクの下、パン回転指示の発行後パン回転機構32のステッピングモータの回転制御用パルスが発生する毎に、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、パン角度情報θp_crntを更新する。
【0032】
パン角度情報θp_crntがパン目標角度θp_trgに近づいてθp_trg±αの範囲内に含まれるようになると、メインCPU30は、監視カメラ10のパン回転を停止させるべく、パン速度調節処理において速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。速度変更指示を受けたパン回転機構32は、ステッピングモータの回転速度を徐々に減速させ、最終的にパン回転を停止させる。この結果、パン角度情報θp_crntはパン目標角度θp_trgと一致し、撮像面の向きは操作者の所望の方向または回転命令に基づく方向に変更される。
【0033】
メインCPU30は、チルト角度管理タスクの下、チルト回転指示の発行後チルト回転機構34のステッピングモータの回転制御用パルスが発生する毎に、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、チルト角度情報θt_crntを更新する。
【0034】
チルト角度情報θt_crntがチルト目標角度θt_trgに近づいてθt_trg±αの範囲内に含まれるようになると、メインCPU30は、監視カメラ10のチルト回転を停止させるべく、チルト速度調節処理において速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。速度変更指示を受けたチルト回転機構34は、ステッピングモータの回転速度を徐々に減速させ、最終的にチルト回転を停止させる。この結果、チルト角度情報θt_crntはチルト目標角度θt_trgと一致し、撮像面の向きは操作者の所望の方向または回転命令に基づく方向に変更される。
【0035】
監視カメラ10の外観を示す図6〜図8を参照して、カメラ筐体CBの上面,左側面および右側面は、U字状に屈曲した板状のカバーCVによって覆われる。カバーCVの外側面のうちカメラ筐体CBの上面を覆う面には、鉛直方向に延びるシャフトST1の一方端が結合される。シャフトST1はパン回転機構32を構成する部材の一部であり、シャフトST1の他方端は天井裏に設けられてパン回転機構32を構成する他の部材と結合される。
【0036】
一方、カメラ筐体CBの左側面および右側面には、光軸に直交するように水平方向に突出するシャフトST2およびST3が設けられる。シャフトST2およびST3はチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、シャフトST2の先端はカバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの左側面を覆う面に結合される一方、シャフトST3の先端はカバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの右側面を覆う面に結合される。
【0037】
リングRGは、シャフトST1の長さ方向に直交する断面の中心とリングRGの厚み方向に直交する断面の中心とが互いに一致し、かつシャフトST1の長さ方向とリングRGの厚み方向とが互いに一致するように、天井に設けられる。
【0038】
リングRGの内側面には短冊状のブレードBPが取り付けられる。ブレードBPはパン回転機構32を構成する部材の一部であり、ブレードBPの長さ方向および幅方向が水平方向と一致するようにリングRGに取り付けられる。
【0039】
カバーCVの外側面のうちリングRGによって覆われる面には、ブレードBPの高さ位置に対応して、透過型のフォトインタラプタPIT1が設けられる。図9を参照して、フォトインタラプタPIT1はパン回転機構32を構成する部材の一部であり、ブレードBPの厚みよりも大きい幅を有して水平方向に延びるギャップGP1を有する。発光素子EM1および受光素子RC1は、互いに対向するようにギャップGP1に設けられる。
【0040】
シャフトST1を基準としてカメラ筐体CBがパン方向に回転すると、ブレードBPがフォトインタラプタPIT1のギャップGP1を通過する。発光素子EM1から受光素子RC1に向かう光は、ブレードBPによって間欠的に遮断される。受光素子RC1の出力つまりフォトインタラプタPIT1の出力は、ブレードBPが光を遮断しないときにHレベルを示し、ブレードBPが光を遮断するときにLレベルを示す。
【0041】
したがって、カメラ筐体CBが図11(A)に示す回転方向に回転する場合は、フォトインタラプタPIT1の位置が図11(A)に示す位置に達してから図11(B)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。また、カメラ筐体CBが図11(B)に示す回転方向に回転する場合は、フォトインタラプタPIT1の位置が図11(B)に示す位置に達してから図11(A)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。これらの場合以外は、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示す。
【0042】
図6〜図8に戻って、カメラ筐体CBの左側面には、短冊状のブレードBTが取り付けられる。ブレードBTはチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、シャフトST2の長さ方向に直交する断面の中心からシャフトST2の径方向に向かって既定距離を隔てた位置に取り付けられる。このとき、ブレードBTの幅方向は、シャフトST2の周方向と一致する。
【0043】
カバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの左側面を覆う面には、シャフトST2の断面中心からブレードBTまでの距離に相当する位置に対応して、透過型のフォトインタラプタPIT2が設けられる。図10を参照して、フォトインタラプタPIT2はチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、ブレードBTの厚みよりも大きい幅を有して水平方向に延びるギャップGP2を有する。発光素子EM2および受光素子RC2は、互いに対向するようにギャップGP2に設けられる。
【0044】
シャフトST2を基準としてカメラ筐体CBがチルト方向に回転すると、ブレードBTがフォトインタラプタPIT2のギャップGP2を通過する。発光素子EM2から受光素子RC2に向かう光は、ブレードBTによって間欠的に遮断される。フォトインタラプタPIT2の出力は、ブレードBTが光を遮断しないときにHレベルを示し、ブレードBTが光を遮断するときにLレベルを示す。
【0045】
したがって、カメラ筐体CBが図12(A)に示す回転方向に回転する場合は、ブレードBTの位置が図12(A)に示す位置に達してから図12(B)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。また、カメラ筐体CBが図12(B)に示す回転方向に回転する場合は、ブレードBTの位置が図12(B)に示す位置に達してから図12(A)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。これらの場合以外は、フォトインタラプタPIT2の出力はHレベルを示す。
【0046】
フォトインタラプタPIT1が図11(A)に示す位置にあるときのパン角度θpを“θp_def1”とすると、フォトインタラプタPIT1の出力とパン角度情報θp_crntが示す角度との関係は、図13(A)のように表される。図13(A)を参照して、θp_crntが0からθp_def1に達するまでの間は、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示す。一方、パン角度情報θp_crntがθp_def1以上のときフォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。また、フォトインタラプタPIT1が図11(B)に示す位置にあるときのパン角度θpをθp_def2とすると、パン角度情報θp_crntがθp_def2を超えるとフォトインタラプタPIT1の出力は再びHレベルを示す。
【0047】
ブレードBTが図12(A)に示す位置にあるときのチルト角度θtを“θt_def1”とすると、フォトインタラプタPIT2の出力とチルト角度情報θt_crntが示す角度との関係は、図14(A)のように表される。図14(A)を参照して、θt_crntが0からθt_def1に達するまでの間は、フォトインタラプタPIT2の出力はHレベルを示す。一方、チルト角度情報θt_crntがθt_def1以上のときフォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。また、ブレードBTが図12(B)に示す位置にあるときのチルト角度θtをθt_def2とすると、チルト角度情報θt_crntがθt_def2を超えるとフォトインタラプタPIT1の出力は再びHレベルを示す。
【0048】
しかし、監視カメラ10の外部からの振動および機械的な原因等により、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間において、ずれが生じる場合がある。例えば、図13(B)に示す例によると、パン角度情報θp_crntがθp_def1を超えてもなお、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示し続ける。パン角度情報θp_crntが“θp_def1+θp_sp”に達したときにフォトインタラプタPIT1の出力がLレベルに変化しているので、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間にθp_spのずれが生じている。
【0049】
図14(B)に示す例によると、チルト角度情報θt_crntがθt_def1に達する前にフォトインタラプタPIT2の出力はLレベルに変化している。チルト角度情報θt_crntが“θt_def1―θt_sp”に達したときにフォトインタラプタPIT2の出力がLレベルに変化しているので、実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間にθt_spのずれが生じている。
【0050】
このような実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間のずれを補正するべく、メインCPU30は、補正時期管理タスクの下でタイマTMを用いて補正実行のタイミングを調整する。例えば12時間を設定時間とすると、タイマTMのスタート後12時間が経過してタイムアウトしたとき、メインCPU30は、フラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“1”を設定する。
【0051】
フラグFLGrv_pに“1”が設定されかつ動作モードがオートマチックモードに設定されているとき、パン角度管理タスクの下でメインCPU30は、パン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれるか否かを繰り返し検出する。
【0052】
既定パン角度はフォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したときのパン角度θpを示し、カメラ筐体CBが図11(A)に示す回転方向に回転する場合はθp_def1が既定パン角度に相当する。また、カメラ筐体CBが図11(B)に示す回転方向に回転する場合はθp_def2が既定パン角度に相当する。よって、フォトインタラプタPIT1がブレードBPに近付いたときに、検出結果が肯定的なものとなる。
【0053】
パン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれると、フラグFLGlow_pに“1”が設定される。フラグFLGlow_pに“1”が設定されると、メインCPU30は、フォトインタラプタPIT1の出力が変化するタイミングを高精度で検出するべく、監視カメラ10のパン回転速度を低下させる。メインCPU30はこのため、パン速度調節処理において速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。
【0054】
メインCPU30は、パン角度管理タスクの下で、フォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを繰り返し検出し、出力が変化したときにパン角度情報θp_crntを既定パン角度に更新する。その後メインCPU30は、パン回転速度を通常速度に戻すべく、速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。
【0055】
フラグFLGrv_tに“1”が設定されかつ動作モードがオートマチックモードに設定されているとき、チルト角度管理タスクの下でメインCPU30は、チルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれるか否かを繰り返し検出する。
【0056】
既定チルト角度はフォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したときのチルト角度θtを示し、カメラ筐体CBが図12(A)に示す回転方向に回転する場合はθt_def1が既定チルト角度に相当する。また、カメラ筐体CBが図12(B)に示す回転方向に回転する場合はθt_def2が既定チルト角度に相当する。よって、ブレードBTがフォトインタラプタPIT2に近付いたときに、検出結果が肯定的なものとなる。
【0057】
チルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれると、フラグFLGlow_tに“1”が設定される。フラグFLGlow_tに“1”が設定されると、メインCPU30は、フォトインタラプタPIT2の出力が変化するタイミングを高精度で検出するべく、監視カメラ10のチルト回転速度を低下させる。メインCPU30はこのため、チルト速度調節処理において速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。
【0058】
メインCPU30は、チルト角度管理タスクの下で、フォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを繰り返し検出し、出力が変化したときにチルト角度情報θt_crntを既定チルト角度に更新する。その後メインCPU30は、チルト回転速度を通常速度に戻すべく、速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。
【0059】
外部装置40に設けられたコントローラCPU50は、図15に示すカメラ管理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ58に記憶される。
【0060】
図15を参照して、ステップS1では操作パネル52に設けられたモード切替スイッチ52mdのスイッチ位置がオートマチックモードに対応する位置か否かを判別する。判別結果がYESであれば、ステップS3でフラグFLGatに“1”を設定する。ステップS5では監視カメラ10の動作モードをオートマチックモードに設定し、その後にステップS15に進む。
【0061】
ステップS1の判別結果がNOであれば、ステップS7でフラグFLGatに“0”を設定する。ステップS9では監視カメラ10の動作モードをマニュアルモードに設定し、ステップS11では操作者によってジョイスティック52jが傾けられて操作されたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS15に進む一方、判別結果がYESであればステップS13で、ジョイスティック52jの傾斜方向および傾斜角度に対応するパラメータが記述されたパン/チルト操作情報を作成し、作成されたパン/チルト操作情報を通信I/F42を介して監視カメラ10に送出する。
【0062】
ステップS15では、操作者によってモード切替スイッチ52mdが操作されたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS1に戻る一方、判別結果がNOであればステップS17でフラグFLGatに“0”が設定されているか否かを判別する。ステップS17の判別結果がNOであればステップS15に戻る一方、ステップS17の判別結果がYESであればステップS11に戻る。
【0063】
監視カメラ10に設けられたメインCPU30は、図16に示すメインタスク,図19〜20に示すパン角度管理タスク,図21〜22に示すチルト角度管理タスクおよび図23に示す補正時期管理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ26に記憶される。
【0064】
図16を参照して、ステップS21ではオートマチックモードで用いられる回転命令の数にNmaxを設定し、ステップS23では変数Nを“1”に設定する。ステップS25では動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS31に進む一方、判別結果がYESであればステップS27に進む。
【0065】
ステップS27ではN番目の回転命令を読み出し、ステップS29では変数Nをインクリメントし、その後にステップS37に進む。
【0066】
ステップS31ではパン操作情報またはチルト操作情報を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS23に戻る一方、判別結果がYESであればステップS33でパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntを取得する。ステップS35では、パン/チルト操作情報に記述されたパラメータと取得されたパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntとを考慮して、パン目標角度θp_trgまたはチルト目標角度θt_trgを算出する。
【0067】
ステップS37ではパン/チルト操作情報または読み出された回転命令がパン回転を指すものであるか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS39に進む一方、判別結果がNOであればステップS43に進む。
【0068】
ステップS39では、パン操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うパン回転指示、または回転命令に記述された回転方向および目標角度に沿うパン回転指示を、パン回転機構32に向けて発行する。ステップS41ではパン速度調節処理を実行し、処理の完了後にステップS47に進む。
【0069】
ステップS43では、チルト操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うチルト回転指示、または回転命令に記述された回転方向および目標角度に沿うチルト回転指示を、チルト回転機構34に向けて発行する。ステップS45ではチルト速度調節処理を実行し、処理の完了後にステップS47に進む。
【0070】
ステップS47では変数NがNmaxを超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS25に戻る一方、判別結果がYESであればステップS23に戻る。
【0071】
図16に示すステップS41のパン速度調節処理は、図17に示すサブルーチンに従って実行される。
【0072】
ステップS51ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS63に進む一方、判別結果がNOであればステップS53で、フラグFLGlow_pに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS53の判別結果がNOであればステップS51に戻る一方、ステップS53の判別結果がYESであればステップS55に進む。
【0073】
ステップS55では、監視カメラ10のパン回転速度を低下させるべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。ステップS57ではフラグFLGlow_pに“0”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS61に進む一方、判別結果がNOであればステップS59でフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS59の判別結果がNOであればステップS57に戻る一方、ステップS59の判別結果がYESであればステップS63に進む。
【0074】
ステップS61ではパン回転速度を通常速度に戻すべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行し、その後にステップS51に戻る。
【0075】
ステップS63では、監視カメラ10のパン回転を停止させるべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。速度変更指示を受けたパン回転機構32は、ステッピングモータの回転速度を徐々に低下させ、最終的にパン回転を停止させる。ステップS65ではフラグFLGstp_pに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0076】
図16に示すステップS45のチルト速度調節処理は、図18に示すサブルーチンに従って実行される。
【0077】
ステップS71ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS83に進む一方、判別結果がNOであればステップS73で、フラグFLGlow_tに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS73の判別結果がNOであればステップS71に戻る一方、ステップS73の判別結果がYESであればステップS75に進む。
【0078】
ステップS75では、監視カメラ10のチルト回転速度を低下させるべく速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。ステップS77ではフラグFLGlow_tに“0”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS81に進む一方、判別結果がNOであればステップS79でフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS79の判別結果がNOであればステップS77に戻る一方、ステップS79の判別結果がYESであればステップS83に進む。
【0079】
ステップS81ではパン回転速度を通常速度に戻すべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行し、その後にステップS71に戻る。
【0080】
ステップS83では、監視カメラ10のチルト回転を停止させるべく速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。速度変更指示を受けたチルト回転機構34は、ステッピングモータの回転速度を徐々に低下させ、最終的にチルト回転を停止させる。ステップS85ではフラグFLGstp_tに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0081】
図19を参照して、ステップS91ではパン回転機構32のステッピングモータの回転制御用パルスが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されるとステップS93で、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算してパン角度情報θp_crntを更新する。
【0082】
ステップS95ではフラグFLGrv_pに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであれば、監視カメラ10の動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かをステップS97で判別する。ステップS95またはステップS97の判別結果がNOであればステップS115に進み、ステップS97の判別結果がYESであればステップS99に進む。
【0083】
ステップS99では、フォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に進む一方、判別結果がYESであればステップS101でパン角度情報θp_crntを既定パン角度に更新する。
【0084】
ステップS103ではフラグFLGrv_pを“0”に設定し、ステップS105ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に戻る一方、判別結果がNOであればステップS107でフラグFLGlow_pを“0”に設定する。
【0085】
ステップS109ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に戻る一方、判別結果がNOであればパン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれるか否かをステップS111で判別する。ステップS111の判別結果がNOであればステップS107に進み、ステップS111の判別結果がYESであればステップS113でフラグFLGlow_pを“1”に設定し、その後にステップS115に進む。
【0086】
ステップS115ではパン角度情報θp_crntがパン目標角度θp_trg±αの範囲内に含まれるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS91に戻る一方、判別結果がYESであればステップS117でフラグFLGstp_pを“1”に設定する。
【0087】
図20を参照して、ステップS121ではチルト回転機構34のステッピングモータの回転制御用パルスが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、チルト角度情報θt_crntをステップS123で更新する。
【0088】
ステップS125ではフラグFLGrv_tに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであれば、監視カメラ10の動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かをステップS127で判別する。ステップS125またはステップS127の判別結果がNOであればステップS145に進み、ステップS127の判別結果がYESであればステップS129に進む。
【0089】
ステップS129では、フォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS139に進む一方、判別結果がYESであればステップS131でチルト角度情報θt_crntを既定チルト角度に更新する。
【0090】
ステップS133ではフラグFLGrv_tを“0”に設定し、ステップS135ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS121に戻る一方、判別結果がNOであればステップS137でフラグFLGlow_tを“0”に設定する。
【0091】
ステップS139ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS121に戻る一方、判別結果がNOであればチルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれるか否かをステップS141で判別する。ステップS141の判別結果がNOであればステップS137に進み、ステップS141の判別結果がYESであればステップS143でフラグFLGlow_tを“1”に設定し、その後にステップS145に進む。
【0092】
ステップS145ではチルト角度情報θt_crntがチルト目標角度θt_trg±αの範囲内に含まれるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS121に戻る一方、判別結果がYESであればステップS147でフラグFLGstp_tを“1”に設定する。
【0093】
図23を参照して、ステップS151ではフラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“0”を設定する。ステップS153では、パン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntの補正実行のタイミングを調整するべく、タイマTMのリセット&スタートを実行する。
【0094】
ステップS155ではタイマTMにタイムアウトが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、パン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntのずれを補正するべく、ステップS157でフラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“1”を設定する。
【0095】
ステップS159では、パン角度情報θp_crntの更新の完了まで待機するべく、フラグFLGrv_pに“0”が設定されているか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、チルト角度情報θt_crntの更新の完了まで待機するべく、フラグFLGrv_tに“0”が設定されているか否かをステップS161で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS153に戻る。
【0096】
以上の説明から分かるように、パン回転機構32またはチルト回転機構34は、方位変更指示に応答して監視カメラ10の方位を変更する。メインCPU30は、方位変更指示に従う方位情報を作成し、監視カメラ10の方位の基準方位への到達を検知する。メインCPU30はまた、パン回転機構32またはチルト回転機構34の変更処理による監視カメラ10の方位変更動作の速度を検知処理に関連して減速し、作成された方位情報が示す方位を監視カメラ10の方位の基準方位への到達の検知に応答して基準方位に修正する。
【0097】
なお、この実施例では、タイマを用いて、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間のずれの補正実行のタイミングを調整している。しかし、他のタイミングで補正処理を実行するようにしてもよい。例えば、ステッピングモータの回転数が既定回数を超えた場合に補正処理を実行するようにしてもよいし、ずれの有無を定期的に検出してずれ量が閾値を超えた場合に補正処理を実行するようにしてもよい。
【0098】
また、この実施例では、フォトインタラプタの出力がHレベルからLレベルに変化したときの監視カメラの角度を既定パン角度または既定チルト角度としている。しかし、フォトインタラプタの出力がLレベルからHレベルに変化したときの監視カメラの角度を既定パン角度または既定チルト角度としてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 … 監視カメラ
30 … メインCPU
32 … パン回転機構
34 … チルト回転機構
40 … 外部装置
50 … コントローラCPU
TM … タイマ
【技術分野】
【0001】
この発明は、監視カメラ装置に関し、特に方位情報を監視カメラの制御に用いる、監視カメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、制御サーバは、固定カメラおよび移動カメラの方位情報を保持する。監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの位置情報を取得する。監視カメラは、固定カメラと移動カメラとの位置が一定の範囲になったと判断した場合、制御サーバに保持されている固定カメラおよび移動カメラの方位情報を比較する。また、監視カメラは、固定カメラおよび移動カメラの方位が同一と判断した場合、固定カメラの方位が逆方向になるように、固定カメラを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−188740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、監視カメラの外部からの振動および機械的な原因等によって方位情報に影響が生じた場合に、方位情報の精度が低下するおそれがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、方位情報の精度を向上させることができる、監視カメラ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う監視カメラ装置(10, 40:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更手段(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成手段(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知手段(S99, S111, S129, S141)、変更手段の変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知手段の検知処理に関連して減速する減速手段(S55, S75)、および作成手段によって作成された方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して基準方位に修正する修正手段(S101, S131)を備える。
【0007】
好ましくは、監視カメラの方位を既定要領で変更する特定監視モードの下での監視動作と並列して検知手段を起動する起動手段(S97, S127)をさらに備える。
【0008】
さらに好ましくは、起動手段による起動時期は作成手段によって作成された方位情報が示す方位が基準方位を含む既定角度範囲に属する時期に相当する。
【0009】
好ましくは、起動手段は既定周期ごとに起動処理を実行する。
【0010】
好ましくは、変更手段は、監視カメラの撮像面に直交する光軸の水平角を回転動作によって調整する水平調整手段(32)、および撮像面に直交する光軸の垂直角を回転動作によって調整する垂直調整手段(34)を含む。
【0011】
この発明に従うカメラ校正プログラムは、監視カメラ装置(10, 40)のプロセッサ(30)に、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ(S99, S111, S129, S141)、変更ステップの変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ(S55, S75)、および作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を検知ステップの検知に応答して基準方位に修正する修正ステップ(S101, S131)を実行させるための、カメラ校正プログラムである。
【0012】
この発明に従うカメラ校正方法は、監視カメラ装置(10, 40)によって実行されるカメラ校正方法であって、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ(32, 34)、方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ(S93, S123)、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ(S99, S111, S129, S141)、変更ステップの変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ(S55, S75)、および作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を検知ステップの検知に応答して基準方位に修正する修正ステップ(S101, S131)を備える。
【発明の効果】
【0013】
監視カメラの方位変更動作の速度を減速することで、検知手段の検知精度が向上する。また、修正手段は方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して修正する。これによって、方位情報の精度を向上させることができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例に適用される監視カメラの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例に適用される外部装置の構成を示すブロック図である。
【図4】撮像面のパン/チルト動作の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はパン回転動作の一部を示す図解図であり、(B)はチルト回転動作の一部を示す図解図である。
【図6】図2実施例の構成を示す側面図である。
【図7】図2実施例の構成を示す正面図である。
【図8】図2実施例の構成を示す上面図である。
【図9】図2実施例に適用されるフォトインタラプタの構成の一例を示す斜視図である。
【図10】図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの構成の一例を示す斜視図である。
【図11】(A)は図2実施例のパン動作とフォトインタラプタとの位置関係の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例のパン動作とフォトインタラプタとの位置関係の他の一例を示す図解図である。
【図12】(A)は図2実施例のチルト動作と他のフォトインタラプタとの位置関係の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例のチルト動作と他のフォトインタラプタとの位置関係の他の一例を示す図解図である。
【図13】(A)は図2実施例に適用されるフォトインタラプタの出力の推移の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例に適用されるフォトインタラプタの出力の推移の他の一例を示す図解図である。
【図14】(A)は図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの出力の推移の一例を示す図解図であり、(B)は図2実施例に適用される他のフォトインタラプタの出力の推移の他の一例を示す図解図である。
【図15】図3実施例に適用されるコントローラCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図16】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図17】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるメインCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるメインCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0017】
図1を参照して、この実施例の監視カメラ装置は、基本的に次のように構成される。変更手段1は、方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する。作成手段2は、方位変更指示に従う方位情報を作成する。検知手段3は、監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する。減速手段4は、変更手段の変更処理による監視カメラの方位変更動作の速度を検知手段の検知処理に関連して減速する。修正手段5は、作成手段によって作成された方位情報が示す方位を検知手段の検知に応答して基準方位に修正する。
[実施例]
【0018】
図2を参照して、この実施例の監視カメラ10は、屋内の天井に設置されて屋内を上方から監視するカメラであり、光学レンズ12およびイメージセンサ14を含む。監視ゾーンの一部である被写界を表す光学像は、光学レンズ12を経てイメージセンサ14の撮像面に照射される。
【0019】
電源投入操作が行われると、カメラCPU28は、露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ16bに命令する。ドライバ16bは、周期的に発生するタイミング信号に応答して、撮像面の露光とこれによって生成された電荷の読み出しとを実行する。イメージセンサ14からは、撮像面から読み出された電荷に基づく生画像データが繰り返し出力される。
【0020】
カメラ処理回路18は、イメージセンサ14から出力された生画像データに色分離,白バランス調整,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路20を通してSDRAM22に書き込む。映像I/F24は、SDRAM22に格納された画像データをメモリ制御回路20を通して読み出し、読み出された画像データを図3に示す外部装置40に向けて送出する。
【0021】
図3を参照して、監視カメラ10から送出された画像データは、映像I/F44によって受信され、メモリ制御回路46によってDRAM48に書き込まれる。映像出力回路54は、DRAM48に格納された画像データをメモリ制御回路46を通して読み出し、読み出された画像データに基づく画像を映像モニタ56に表示する。この結果、監視ゾーンを表すリアルタイム動画像がモニタ画面に表示される。
【0022】
監視カメラ10の動作モードは、操作パネル52に設けられたモード切替スイッチ52mdの操作に応答して、マニュアルモードおよびオートマチックモードのいずれか一方に設定される。操作パネル52にはまた、マニュアルモードの下で監視カメラ10のパン回転またはチルト回転を指示するためのジョイスティック52jが設けられる。ただし、パン回転またはチルト回転は、GUI操作によって指示するようにしてもよい。
【0023】
操作者がジョイスティック52jを傾けると、カメラ管理タスクの下でコントローラCPU50は、ジョイスティック52jの傾斜方向および傾斜角度に対応するパラメータが記述されたパン/チルト操作情報を繰り返し作成し、作成されたパン/チルト操作情報を通信I/F42を介して監視カメラ10に送出する。
【0024】
図2に戻って、通信I/F36は、外部装置40から送信されたパン/チルト操作情報を取り込み、メインCPU30に与える。メインタスクの下でメインCPU30は、現在の撮像面の方向を示すパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntを取得する。メインCPU30はまた、パン/チルト操作情報に記述されたパラメータと取得されたパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntとを考慮して、パン目標角度θp_trgまたはチルト目標角度θt_trgを算出する。
【0025】
メインCPU30は、メインタスクの下、パン/チルト操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うパン/チルト回転指示を、パン回転機構32またはチルト回転機構34に向けて発行する。この結果、撮像面の向きが所望の方向に変更される。
【0026】
オートマチックモードにおいては、メインCPU30は、フラッシュメモリ26に記憶された複数の回転命令の組み合わせから各々の回転命令を順に1つずつ読み出す。各々の回転命令には予め定められた回転方向および目標角度が記述されている。メインCPU30は、メインタスクの下、読み出された回転方向および目標角度に沿うパン/チルト回転指示を、パン回転機構32またはチルト回転機構34に向けて発行する。この結果、撮像面の向きが回転命令に基づく方向に変更される。
【0027】
図4に示すゾーンが監視ゾーンに相当するとき、撮像面によって捉えられる被写界の画角は、このようなパン/チルト動作によってたとえば“FP1”から“FP2”に遷移する。
【0028】
図5(A)を参照して、パン角度θpは、撮像面に直交する光軸の水平角を定義するパラメータであり、撮像面を真北に向けたときの水平角をパン方向の原点角度(=0°または360°)として、反時計回り方向に沿って増大する。したがって、パン角度θpは、真西,真南および真東に対応してそれぞれ90°,180°および270°を示す。なお、パン角度θpの可変範囲に制限はなく、パン回転指示が与えられる限り、パン回転動作はエンドレスで実行される。
【0029】
図5(B)を参照して、チルト角度θtは、撮像面に直交する光軸の垂直角を定義するパラメータであり、イメージセンサ14の上端を上にして撮像面を水平方向に向けたときの垂直角をチルト方向の原点角度(=0°)として、下方向に沿って増大する。チルト角度θtは、撮像面を真下に向けたとき90°を示し、イメージセンサ14の上端を下にして撮像面を水平方向に向けたとき180°を示す。なお、チルト角度θtの可変範囲は−20°≦θt≦200°である。
【0030】
パン回転機構32およびチルト回転機構34の各々にはステッピングモータ(図示せず)が設けられる。パン回転機構32のステッピングモータの回転によって監視カメラ10のパン回転が実現され、チルト回転機構34のステッピングモータの回転によって監視カメラ10のチルト回転が実現される。
【0031】
メインCPU30は、パン角度管理タスクの下、パン回転指示の発行後パン回転機構32のステッピングモータの回転制御用パルスが発生する毎に、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、パン角度情報θp_crntを更新する。
【0032】
パン角度情報θp_crntがパン目標角度θp_trgに近づいてθp_trg±αの範囲内に含まれるようになると、メインCPU30は、監視カメラ10のパン回転を停止させるべく、パン速度調節処理において速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。速度変更指示を受けたパン回転機構32は、ステッピングモータの回転速度を徐々に減速させ、最終的にパン回転を停止させる。この結果、パン角度情報θp_crntはパン目標角度θp_trgと一致し、撮像面の向きは操作者の所望の方向または回転命令に基づく方向に変更される。
【0033】
メインCPU30は、チルト角度管理タスクの下、チルト回転指示の発行後チルト回転機構34のステッピングモータの回転制御用パルスが発生する毎に、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、チルト角度情報θt_crntを更新する。
【0034】
チルト角度情報θt_crntがチルト目標角度θt_trgに近づいてθt_trg±αの範囲内に含まれるようになると、メインCPU30は、監視カメラ10のチルト回転を停止させるべく、チルト速度調節処理において速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。速度変更指示を受けたチルト回転機構34は、ステッピングモータの回転速度を徐々に減速させ、最終的にチルト回転を停止させる。この結果、チルト角度情報θt_crntはチルト目標角度θt_trgと一致し、撮像面の向きは操作者の所望の方向または回転命令に基づく方向に変更される。
【0035】
監視カメラ10の外観を示す図6〜図8を参照して、カメラ筐体CBの上面,左側面および右側面は、U字状に屈曲した板状のカバーCVによって覆われる。カバーCVの外側面のうちカメラ筐体CBの上面を覆う面には、鉛直方向に延びるシャフトST1の一方端が結合される。シャフトST1はパン回転機構32を構成する部材の一部であり、シャフトST1の他方端は天井裏に設けられてパン回転機構32を構成する他の部材と結合される。
【0036】
一方、カメラ筐体CBの左側面および右側面には、光軸に直交するように水平方向に突出するシャフトST2およびST3が設けられる。シャフトST2およびST3はチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、シャフトST2の先端はカバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの左側面を覆う面に結合される一方、シャフトST3の先端はカバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの右側面を覆う面に結合される。
【0037】
リングRGは、シャフトST1の長さ方向に直交する断面の中心とリングRGの厚み方向に直交する断面の中心とが互いに一致し、かつシャフトST1の長さ方向とリングRGの厚み方向とが互いに一致するように、天井に設けられる。
【0038】
リングRGの内側面には短冊状のブレードBPが取り付けられる。ブレードBPはパン回転機構32を構成する部材の一部であり、ブレードBPの長さ方向および幅方向が水平方向と一致するようにリングRGに取り付けられる。
【0039】
カバーCVの外側面のうちリングRGによって覆われる面には、ブレードBPの高さ位置に対応して、透過型のフォトインタラプタPIT1が設けられる。図9を参照して、フォトインタラプタPIT1はパン回転機構32を構成する部材の一部であり、ブレードBPの厚みよりも大きい幅を有して水平方向に延びるギャップGP1を有する。発光素子EM1および受光素子RC1は、互いに対向するようにギャップGP1に設けられる。
【0040】
シャフトST1を基準としてカメラ筐体CBがパン方向に回転すると、ブレードBPがフォトインタラプタPIT1のギャップGP1を通過する。発光素子EM1から受光素子RC1に向かう光は、ブレードBPによって間欠的に遮断される。受光素子RC1の出力つまりフォトインタラプタPIT1の出力は、ブレードBPが光を遮断しないときにHレベルを示し、ブレードBPが光を遮断するときにLレベルを示す。
【0041】
したがって、カメラ筐体CBが図11(A)に示す回転方向に回転する場合は、フォトインタラプタPIT1の位置が図11(A)に示す位置に達してから図11(B)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。また、カメラ筐体CBが図11(B)に示す回転方向に回転する場合は、フォトインタラプタPIT1の位置が図11(B)に示す位置に達してから図11(A)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。これらの場合以外は、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示す。
【0042】
図6〜図8に戻って、カメラ筐体CBの左側面には、短冊状のブレードBTが取り付けられる。ブレードBTはチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、シャフトST2の長さ方向に直交する断面の中心からシャフトST2の径方向に向かって既定距離を隔てた位置に取り付けられる。このとき、ブレードBTの幅方向は、シャフトST2の周方向と一致する。
【0043】
カバーCVの内側面のうちカメラ筐体CBの左側面を覆う面には、シャフトST2の断面中心からブレードBTまでの距離に相当する位置に対応して、透過型のフォトインタラプタPIT2が設けられる。図10を参照して、フォトインタラプタPIT2はチルト回転機構34を構成する部材の一部であり、ブレードBTの厚みよりも大きい幅を有して水平方向に延びるギャップGP2を有する。発光素子EM2および受光素子RC2は、互いに対向するようにギャップGP2に設けられる。
【0044】
シャフトST2を基準としてカメラ筐体CBがチルト方向に回転すると、ブレードBTがフォトインタラプタPIT2のギャップGP2を通過する。発光素子EM2から受光素子RC2に向かう光は、ブレードBTによって間欠的に遮断される。フォトインタラプタPIT2の出力は、ブレードBTが光を遮断しないときにHレベルを示し、ブレードBTが光を遮断するときにLレベルを示す。
【0045】
したがって、カメラ筐体CBが図12(A)に示す回転方向に回転する場合は、ブレードBTの位置が図12(A)に示す位置に達してから図12(B)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。また、カメラ筐体CBが図12(B)に示す回転方向に回転する場合は、ブレードBTの位置が図12(B)に示す位置に達してから図12(A)に示す位置を超えるまでの間、フォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。これらの場合以外は、フォトインタラプタPIT2の出力はHレベルを示す。
【0046】
フォトインタラプタPIT1が図11(A)に示す位置にあるときのパン角度θpを“θp_def1”とすると、フォトインタラプタPIT1の出力とパン角度情報θp_crntが示す角度との関係は、図13(A)のように表される。図13(A)を参照して、θp_crntが0からθp_def1に達するまでの間は、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示す。一方、パン角度情報θp_crntがθp_def1以上のときフォトインタラプタPIT1の出力はLレベルを示す。また、フォトインタラプタPIT1が図11(B)に示す位置にあるときのパン角度θpをθp_def2とすると、パン角度情報θp_crntがθp_def2を超えるとフォトインタラプタPIT1の出力は再びHレベルを示す。
【0047】
ブレードBTが図12(A)に示す位置にあるときのチルト角度θtを“θt_def1”とすると、フォトインタラプタPIT2の出力とチルト角度情報θt_crntが示す角度との関係は、図14(A)のように表される。図14(A)を参照して、θt_crntが0からθt_def1に達するまでの間は、フォトインタラプタPIT2の出力はHレベルを示す。一方、チルト角度情報θt_crntがθt_def1以上のときフォトインタラプタPIT2の出力はLレベルを示す。また、ブレードBTが図12(B)に示す位置にあるときのチルト角度θtをθt_def2とすると、チルト角度情報θt_crntがθt_def2を超えるとフォトインタラプタPIT1の出力は再びHレベルを示す。
【0048】
しかし、監視カメラ10の外部からの振動および機械的な原因等により、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間において、ずれが生じる場合がある。例えば、図13(B)に示す例によると、パン角度情報θp_crntがθp_def1を超えてもなお、フォトインタラプタPIT1の出力はHレベルを示し続ける。パン角度情報θp_crntが“θp_def1+θp_sp”に達したときにフォトインタラプタPIT1の出力がLレベルに変化しているので、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間にθp_spのずれが生じている。
【0049】
図14(B)に示す例によると、チルト角度情報θt_crntがθt_def1に達する前にフォトインタラプタPIT2の出力はLレベルに変化している。チルト角度情報θt_crntが“θt_def1―θt_sp”に達したときにフォトインタラプタPIT2の出力がLレベルに変化しているので、実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間にθt_spのずれが生じている。
【0050】
このような実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間のずれを補正するべく、メインCPU30は、補正時期管理タスクの下でタイマTMを用いて補正実行のタイミングを調整する。例えば12時間を設定時間とすると、タイマTMのスタート後12時間が経過してタイムアウトしたとき、メインCPU30は、フラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“1”を設定する。
【0051】
フラグFLGrv_pに“1”が設定されかつ動作モードがオートマチックモードに設定されているとき、パン角度管理タスクの下でメインCPU30は、パン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれるか否かを繰り返し検出する。
【0052】
既定パン角度はフォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したときのパン角度θpを示し、カメラ筐体CBが図11(A)に示す回転方向に回転する場合はθp_def1が既定パン角度に相当する。また、カメラ筐体CBが図11(B)に示す回転方向に回転する場合はθp_def2が既定パン角度に相当する。よって、フォトインタラプタPIT1がブレードBPに近付いたときに、検出結果が肯定的なものとなる。
【0053】
パン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれると、フラグFLGlow_pに“1”が設定される。フラグFLGlow_pに“1”が設定されると、メインCPU30は、フォトインタラプタPIT1の出力が変化するタイミングを高精度で検出するべく、監視カメラ10のパン回転速度を低下させる。メインCPU30はこのため、パン速度調節処理において速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。
【0054】
メインCPU30は、パン角度管理タスクの下で、フォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを繰り返し検出し、出力が変化したときにパン角度情報θp_crntを既定パン角度に更新する。その後メインCPU30は、パン回転速度を通常速度に戻すべく、速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。
【0055】
フラグFLGrv_tに“1”が設定されかつ動作モードがオートマチックモードに設定されているとき、チルト角度管理タスクの下でメインCPU30は、チルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれるか否かを繰り返し検出する。
【0056】
既定チルト角度はフォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したときのチルト角度θtを示し、カメラ筐体CBが図12(A)に示す回転方向に回転する場合はθt_def1が既定チルト角度に相当する。また、カメラ筐体CBが図12(B)に示す回転方向に回転する場合はθt_def2が既定チルト角度に相当する。よって、ブレードBTがフォトインタラプタPIT2に近付いたときに、検出結果が肯定的なものとなる。
【0057】
チルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれると、フラグFLGlow_tに“1”が設定される。フラグFLGlow_tに“1”が設定されると、メインCPU30は、フォトインタラプタPIT2の出力が変化するタイミングを高精度で検出するべく、監視カメラ10のチルト回転速度を低下させる。メインCPU30はこのため、チルト速度調節処理において速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。
【0058】
メインCPU30は、チルト角度管理タスクの下で、フォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを繰り返し検出し、出力が変化したときにチルト角度情報θt_crntを既定チルト角度に更新する。その後メインCPU30は、チルト回転速度を通常速度に戻すべく、速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。
【0059】
外部装置40に設けられたコントローラCPU50は、図15に示すカメラ管理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ58に記憶される。
【0060】
図15を参照して、ステップS1では操作パネル52に設けられたモード切替スイッチ52mdのスイッチ位置がオートマチックモードに対応する位置か否かを判別する。判別結果がYESであれば、ステップS3でフラグFLGatに“1”を設定する。ステップS5では監視カメラ10の動作モードをオートマチックモードに設定し、その後にステップS15に進む。
【0061】
ステップS1の判別結果がNOであれば、ステップS7でフラグFLGatに“0”を設定する。ステップS9では監視カメラ10の動作モードをマニュアルモードに設定し、ステップS11では操作者によってジョイスティック52jが傾けられて操作されたか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS15に進む一方、判別結果がYESであればステップS13で、ジョイスティック52jの傾斜方向および傾斜角度に対応するパラメータが記述されたパン/チルト操作情報を作成し、作成されたパン/チルト操作情報を通信I/F42を介して監視カメラ10に送出する。
【0062】
ステップS15では、操作者によってモード切替スイッチ52mdが操作されたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS1に戻る一方、判別結果がNOであればステップS17でフラグFLGatに“0”が設定されているか否かを判別する。ステップS17の判別結果がNOであればステップS15に戻る一方、ステップS17の判別結果がYESであればステップS11に戻る。
【0063】
監視カメラ10に設けられたメインCPU30は、図16に示すメインタスク,図19〜20に示すパン角度管理タスク,図21〜22に示すチルト角度管理タスクおよび図23に示す補正時期管理タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ26に記憶される。
【0064】
図16を参照して、ステップS21ではオートマチックモードで用いられる回転命令の数にNmaxを設定し、ステップS23では変数Nを“1”に設定する。ステップS25では動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS31に進む一方、判別結果がYESであればステップS27に進む。
【0065】
ステップS27ではN番目の回転命令を読み出し、ステップS29では変数Nをインクリメントし、その後にステップS37に進む。
【0066】
ステップS31ではパン操作情報またはチルト操作情報を受信したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS23に戻る一方、判別結果がYESであればステップS33でパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntを取得する。ステップS35では、パン/チルト操作情報に記述されたパラメータと取得されたパン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntとを考慮して、パン目標角度θp_trgまたはチルト目標角度θt_trgを算出する。
【0067】
ステップS37ではパン/チルト操作情報または読み出された回転命令がパン回転を指すものであるか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS39に進む一方、判別結果がNOであればステップS43に進む。
【0068】
ステップS39では、パン操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うパン回転指示、または回転命令に記述された回転方向および目標角度に沿うパン回転指示を、パン回転機構32に向けて発行する。ステップS41ではパン速度調節処理を実行し、処理の完了後にステップS47に進む。
【0069】
ステップS43では、チルト操作情報に記述された回転方向および算出された目標角度に沿うチルト回転指示、または回転命令に記述された回転方向および目標角度に沿うチルト回転指示を、チルト回転機構34に向けて発行する。ステップS45ではチルト速度調節処理を実行し、処理の完了後にステップS47に進む。
【0070】
ステップS47では変数NがNmaxを超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS25に戻る一方、判別結果がYESであればステップS23に戻る。
【0071】
図16に示すステップS41のパン速度調節処理は、図17に示すサブルーチンに従って実行される。
【0072】
ステップS51ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS63に進む一方、判別結果がNOであればステップS53で、フラグFLGlow_pに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS53の判別結果がNOであればステップS51に戻る一方、ステップS53の判別結果がYESであればステップS55に進む。
【0073】
ステップS55では、監視カメラ10のパン回転速度を低下させるべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。ステップS57ではフラグFLGlow_pに“0”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS61に進む一方、判別結果がNOであればステップS59でフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS59の判別結果がNOであればステップS57に戻る一方、ステップS59の判別結果がYESであればステップS63に進む。
【0074】
ステップS61ではパン回転速度を通常速度に戻すべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行し、その後にステップS51に戻る。
【0075】
ステップS63では、監視カメラ10のパン回転を停止させるべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行する。速度変更指示を受けたパン回転機構32は、ステッピングモータの回転速度を徐々に低下させ、最終的にパン回転を停止させる。ステップS65ではフラグFLGstp_pに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0076】
図16に示すステップS45のチルト速度調節処理は、図18に示すサブルーチンに従って実行される。
【0077】
ステップS71ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS83に進む一方、判別結果がNOであればステップS73で、フラグFLGlow_tに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS73の判別結果がNOであればステップS71に戻る一方、ステップS73の判別結果がYESであればステップS75に進む。
【0078】
ステップS75では、監視カメラ10のチルト回転速度を低下させるべく速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。ステップS77ではフラグFLGlow_tに“0”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS81に進む一方、判別結果がNOであればステップS79でフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。ステップS79の判別結果がNOであればステップS77に戻る一方、ステップS79の判別結果がYESであればステップS83に進む。
【0079】
ステップS81ではパン回転速度を通常速度に戻すべく速度変更指示をパン回転機構32に向けて発行し、その後にステップS71に戻る。
【0080】
ステップS83では、監視カメラ10のチルト回転を停止させるべく速度変更指示をチルト回転機構34に向けて発行する。速度変更指示を受けたチルト回転機構34は、ステッピングモータの回転速度を徐々に低下させ、最終的にチルト回転を停止させる。ステップS85ではフラグFLGstp_tに“0”を設定し、その後に上階層のルーチンに復帰する。
【0081】
図19を参照して、ステップS91ではパン回転機構32のステッピングモータの回転制御用パルスが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されるとステップS93で、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算してパン角度情報θp_crntを更新する。
【0082】
ステップS95ではフラグFLGrv_pに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであれば、監視カメラ10の動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かをステップS97で判別する。ステップS95またはステップS97の判別結果がNOであればステップS115に進み、ステップS97の判別結果がYESであればステップS99に進む。
【0083】
ステップS99では、フォトインタラプタPIT1の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS109に進む一方、判別結果がYESであればステップS101でパン角度情報θp_crntを既定パン角度に更新する。
【0084】
ステップS103ではフラグFLGrv_pを“0”に設定し、ステップS105ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に戻る一方、判別結果がNOであればステップS107でフラグFLGlow_pを“0”に設定する。
【0085】
ステップS109ではフラグFLGstp_pに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS91に戻る一方、判別結果がNOであればパン角度情報θp_crntが既定パン角度±βの範囲内に含まれるか否かをステップS111で判別する。ステップS111の判別結果がNOであればステップS107に進み、ステップS111の判別結果がYESであればステップS113でフラグFLGlow_pを“1”に設定し、その後にステップS115に進む。
【0086】
ステップS115ではパン角度情報θp_crntがパン目標角度θp_trg±αの範囲内に含まれるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS91に戻る一方、判別結果がYESであればステップS117でフラグFLGstp_pを“1”に設定する。
【0087】
図20を参照して、ステップS121ではチルト回転機構34のステッピングモータの回転制御用パルスが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、回転制御用パルス1周期あたりの回転角度を回転方向に応じて加算または減算して、チルト角度情報θt_crntをステップS123で更新する。
【0088】
ステップS125ではフラグFLGrv_tに“1”が設定されているか否かを判別し、判別結果がYESであれば、監視カメラ10の動作モードがオートマチックモードに設定されているか否かをステップS127で判別する。ステップS125またはステップS127の判別結果がNOであればステップS145に進み、ステップS127の判別結果がYESであればステップS129に進む。
【0089】
ステップS129では、フォトインタラプタPIT2の出力がHレベルからLレベルに変化したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS139に進む一方、判別結果がYESであればステップS131でチルト角度情報θt_crntを既定チルト角度に更新する。
【0090】
ステップS133ではフラグFLGrv_tを“0”に設定し、ステップS135ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS121に戻る一方、判別結果がNOであればステップS137でフラグFLGlow_tを“0”に設定する。
【0091】
ステップS139ではフラグFLGstp_tに“1”が設定されているか否かを判別する。判別結果がYESであればステップS121に戻る一方、判別結果がNOであればチルト角度情報θt_crntが既定チルト角度±βの範囲内に含まれるか否かをステップS141で判別する。ステップS141の判別結果がNOであればステップS137に進み、ステップS141の判別結果がYESであればステップS143でフラグFLGlow_tを“1”に設定し、その後にステップS145に進む。
【0092】
ステップS145ではチルト角度情報θt_crntがチルト目標角度θt_trg±αの範囲内に含まれるか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS121に戻る一方、判別結果がYESであればステップS147でフラグFLGstp_tを“1”に設定する。
【0093】
図23を参照して、ステップS151ではフラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“0”を設定する。ステップS153では、パン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntの補正実行のタイミングを調整するべく、タイマTMのリセット&スタートを実行する。
【0094】
ステップS155ではタイマTMにタイムアウトが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、パン角度情報θp_crntまたはチルト角度情報θt_crntのずれを補正するべく、ステップS157でフラグFLGrv_pおよびフラグFLGrv_tの各々に“1”を設定する。
【0095】
ステップS159では、パン角度情報θp_crntの更新の完了まで待機するべく、フラグFLGrv_pに“0”が設定されているか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、チルト角度情報θt_crntの更新の完了まで待機するべく、フラグFLGrv_tに“0”が設定されているか否かをステップS161で繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS153に戻る。
【0096】
以上の説明から分かるように、パン回転機構32またはチルト回転機構34は、方位変更指示に応答して監視カメラ10の方位を変更する。メインCPU30は、方位変更指示に従う方位情報を作成し、監視カメラ10の方位の基準方位への到達を検知する。メインCPU30はまた、パン回転機構32またはチルト回転機構34の変更処理による監視カメラ10の方位変更動作の速度を検知処理に関連して減速し、作成された方位情報が示す方位を監視カメラ10の方位の基準方位への到達の検知に応答して基準方位に修正する。
【0097】
なお、この実施例では、タイマを用いて、実際のパン角度θpとパン角度情報θp_crntとの間または実際のチルト角度θtとチルト角度情報θt_crntとの間のずれの補正実行のタイミングを調整している。しかし、他のタイミングで補正処理を実行するようにしてもよい。例えば、ステッピングモータの回転数が既定回数を超えた場合に補正処理を実行するようにしてもよいし、ずれの有無を定期的に検出してずれ量が閾値を超えた場合に補正処理を実行するようにしてもよい。
【0098】
また、この実施例では、フォトインタラプタの出力がHレベルからLレベルに変化したときの監視カメラの角度を既定パン角度または既定チルト角度としている。しかし、フォトインタラプタの出力がLレベルからHレベルに変化したときの監視カメラの角度を既定パン角度または既定チルト角度としてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 … 監視カメラ
30 … メインCPU
32 … パン回転機構
34 … チルト回転機構
40 … 外部装置
50 … コントローラCPU
TM … タイマ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更手段、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成手段、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知手段、
前記変更手段の変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知手段の検知処理に関連して減速する減速手段、および
前記作成手段によって作成された方位情報が示す方位を前記検知手段の検知に応答して前記基準方位に修正する修正手段を備える、監視カメラ装置。
【請求項2】
前記監視カメラの方位を既定要領で変更する特定監視モードの下での監視動作と並列して前記検知手段を起動する起動手段をさらに備える、請求項1記載の監視カメラ装置。
【請求項3】
前記起動手段による起動時期は前記作成手段によって作成された方位情報が示す方位が前記基準方位を含む既定角度範囲に属する時期に相当する、請求項2記載の監視カメラ装置。
【請求項4】
前記起動手段は既定周期ごとに起動処理を実行する、請求項1ないし3のいずれかに記載の監視カメラ装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記監視カメラの撮像面に直交する光軸の水平角を回転動作によって調整する水平調整手段、および前記撮像面に直交する光軸の垂直角を回転動作によって調整する垂直調整手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の監視カメラ装置。
【請求項6】
監視カメラ装置のプロセッサに、
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ、
前記変更ステップの変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ、および
前記作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を前記検知ステップの検知に応答して前記基準方位に修正する修正ステップを実行させるための、カメラ校正プログラム。
【請求項7】
監視カメラ装置によって実行されるカメラ校正方法であって、
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ、
前記変更ステップの変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ、および
前記作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を前記検知ステップの検知に応答して前記基準方位に修正する修正ステップを備える、カメラ校正方法。
【請求項1】
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更手段、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成手段、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知手段、
前記変更手段の変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知手段の検知処理に関連して減速する減速手段、および
前記作成手段によって作成された方位情報が示す方位を前記検知手段の検知に応答して前記基準方位に修正する修正手段を備える、監視カメラ装置。
【請求項2】
前記監視カメラの方位を既定要領で変更する特定監視モードの下での監視動作と並列して前記検知手段を起動する起動手段をさらに備える、請求項1記載の監視カメラ装置。
【請求項3】
前記起動手段による起動時期は前記作成手段によって作成された方位情報が示す方位が前記基準方位を含む既定角度範囲に属する時期に相当する、請求項2記載の監視カメラ装置。
【請求項4】
前記起動手段は既定周期ごとに起動処理を実行する、請求項1ないし3のいずれかに記載の監視カメラ装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記監視カメラの撮像面に直交する光軸の水平角を回転動作によって調整する水平調整手段、および前記撮像面に直交する光軸の垂直角を回転動作によって調整する垂直調整手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の監視カメラ装置。
【請求項6】
監視カメラ装置のプロセッサに、
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ、
前記変更ステップの変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ、および
前記作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を前記検知ステップの検知に応答して前記基準方位に修正する修正ステップを実行させるための、カメラ校正プログラム。
【請求項7】
監視カメラ装置によって実行されるカメラ校正方法であって、
方位変更指示に応答して監視カメラの方位を変更する変更ステップ、
前記方位変更指示に従う方位情報を作成する作成ステップ、
前記監視カメラの方位の基準方位への到達を検知する検知ステップ、
前記変更ステップの変更処理による前記監視カメラの方位変更動作の速度を前記検知ステップの検知処理に関連して減速する減速ステップ、および
前記作成ステップによって作成された方位情報が示す方位を前記検知ステップの検知に応答して前記基準方位に修正する修正ステップを備える、カメラ校正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2012−109646(P2012−109646A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254628(P2010−254628)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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