説明

監視システム及び監視方法

【課題】広域監視において人物など監視対象の検知能力の向上と、撮像画像の処理によって引き起こされるシステム負荷の増大の抑制とを両立させることができる監視システムを提供することを課題とする。
【解決手段】撮像素子から全体画像を第1の解像度で読み出す全体画像読み出し部(104)と、前記読み出された全体画像内の一部の部分画像の領域を選択する部分画像領域選択部(105)と、前記撮像素子から前記選択された領域の部分画像を第2の解像度で読み出す部分画像読み出し部(107)と、前記読み出された部分画像内に存在する特徴物の特徴領域を設定する特徴領域設定部(109)と、前記撮像素子から前記設定された特徴領域の画像を第3の解像度で読み出す特徴領域画像読み出し部(110)と、前記第1の解像度<前記第2の解像度<前記第3の解像度に設定する解像度設定部(106)とを有することを特徴とする監視システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム及び監視方法に関し、特に、撮像画像のデータ量を効率的に低減する監視システム及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像素子を用いた監視システムが様々な場所に配置され、侵入者の検知等に用いられている。
【0003】
監視システムは、撮像領域内で検知された人物の行動を監視することを目的として、広い領域の画像を取得するのと同時に、撮像領域内で検知された人物の特定をするために十分な画質の画像を取得することも併せて要求される。
【0004】
下記の特許文献1では、監視全領域を低解像度で読み出し、その低解像度画像を解析し、その結果から監視領域の中の特徴領域を特定し、その領域を高解像度で読み出すというシステム・方法が提案されている。
【0005】
また、下記の特許文献2では、監視領域の画像の中で注目領域とそうでない領域とを分離し、注目領域のみ高解像度で画像を取得するシステム・方法が提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2007−243660号公報
【特許文献2】特開2007−110289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明においては、撮像領域内を低解像度で撮影し、撮像領域内に人物などが検知された場合にのみ、人物の検知領域を高解像で撮影する方法をとっている。しかしながら、監視範囲がより広域になった場合、人物を検知するのに十分な解像度で画像を取得すると、データ量が膨大になり、また、データ量を抑制するために解像度を落としてしまうと、人物を検知すること自体が困難になる可能性が高い。また、必ずしも監視が必要でない背景などの情報も取得し続けるため、無駄な画像データによる、システム負荷の増大は避けられない。
【0008】
特許文献2に記載の発明においては、注目領域のみ高解像度で読み出し、それ以外の領域は低解像度で読み出す方法をとっている。この方法では注目領域を常に高解像度で読み出しているが、監視の場合、注目領域であっても、常時、高解像である必要はなく、監視すべき対象が存在する時にのみ高解像度であればよい。つまり、システムの負荷の観点から見て、この方法は非効率的である。
【0009】
以上より、従来の監視システム、監視方法では、広域監視において人物など監視対象の検知能力の向上と、取得画像の処理によって引き起こされるシステム負荷の増大を抑制する事の両立ができなかった。
【0010】
本発明の目的は、広域監視において人物など監視対象の検知能力の向上と、撮像画像の処理によって引き起こされるシステム負荷の増大の抑制とを両立させることができる監視システム及び監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の監視システムは、撮像素子から全体画像を第1の解像度で読み出す全体画像読み出し部と、前記読み出された全体画像内の一部の部分画像の領域を選択する部分画像領域選択部と、前記撮像素子から前記選択された領域の部分画像を第2の解像度で読み出す部分画像読み出し部と、前記読み出された部分画像内に存在する特徴物の特徴領域を設定する特徴領域設定部と、前記撮像素子から前記設定された特徴領域の画像を第3の解像度で読み出す特徴領域画像読み出し部と、前記第1の解像度<前記第2の解像度<前記第3の解像度に設定する解像度設定部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の監視方法は、撮像素子から全体画像を第1の解像度で読み出す全体画像読み出しステップと、前記読み出された全体画像内の一部の部分画像の領域を選択する部分画像領域選択ステップと、前記撮像素子から前記選択された領域の部分画像を第2の解像度で読み出す部分画像読み出しステップと、前記読み出された部分画像内に存在する特徴物の特徴領域を設定する特徴領域設定ステップと、前記撮像素子から前記設定された特徴領域の画像を第3の解像度で読み出す特徴領域画像読み出しステップとを有し、前記第1の解像度<前記第2の解像度<前記第3の解像度の関係を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
広域監視において人物など監視対象の検知能力の向上と、撮像画像の処理によって引き起こされるシステム負荷の増大の抑制とを両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による監視システム(監視カメラ)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。101は、監視領域を撮像するCMOS等の撮像素子である。102は、撮像素子101の駆動及び信号処理に必要なタイミング信号を生成するタイミング発生部である。103は、タイミング発生部102の動作をコントロールする制御部である。104は、監視領域全体を低解像度で撮像する全体画像読み出し部である。105は、任意のサイズで注目領域として部分画像領域を選択する部分画像領域選択部である。106は、部分画像領域選択部105にて選択された部分画像領域の解像度を設定する部分画像解像度設定部である。107は、部分画像領域選択部105にて選択された部分画像領域を、部分画像解像度設定部106にて設定した中解像度で読み出す部分画像読み出し部である。108は、部分画像を解析し、部分画像領域内に人物などの侵入者がいるかどうか検知するための特徴物検知部(人物検知部)である。109は、特徴物検知部108にて侵入者があったと検知された場合にその領域を特徴領域として設定する特徴領域設定部である。110は、特徴領域設定部109で設定された領域を高解像度で読み出す特徴領域画像読み出し部である。111は、読み出されたそれぞれの画像を格納するための画像格納部である。112は、格納された画像データを表示器に表示するための画像表示部である。以上のように構成された監視システムを用いて、以下にその動作の詳細を説明する。
【0015】
図2は、本実施形態による監視システムの監視方法の一例を示す図である。撮像素子101は、タイミング発生部102からの駆動信号により撮像領域の全体画像201を出力する。全体画像読み出し部104は、撮像素子101から上記の全体画像201を解像度Aで読み出し、画像格納部111に格納する。画像表示部112は、画像格納部111内の全体画像201を表示する。このとき、監視システムは、撮像領域の全体を表示できればよい。つまり監視領域全体を認識できればよく、細部の情報は必要ないので、全体画像読み出し部104は、画素を間引いて低解像度(解像度A)で全体画像201を読み出す方がデータ処理の負荷の観点から好ましい。また、一般に監視領域全体の背景は、急速な変化は起こらないのでフレームレートは遅くても良い。
【0016】
そして、全体画像201の領域内において、特に監視が必要な注目領域を部分画像領域選択部105と、部分画像解像度設定部106にて部分画像202の詳細を設定する。部分画像領域選択部105は、全体画像201内の一部の注目領域を部分画像202の領域として選択する。部分画像解像度設定部106は、部分画像領域選択部105により選択された部分画像202の領域の解像度Bを設定する。制御部103は、部分画像解像度設定部106により設定された解像度Bで、部分画像領域選択部105により選択された部分画像202の領域を撮像素子101から読み出すようにタイミング発生部102を制御する。タイミング発生部102は、制御部103の制御に従い、撮像素子101にタイミング信号を出力する。撮像素子101は、タイミング発生部102からタイミング信号を入力し、部分画像202を解像度Bで出力する。部分画像読み出し部107は、撮像素子101から部分画像202を解像度Bで読み出し、画像格納部111に格納する。画像表示部112は、画像格納部111内の部分画像202を表示する。
【0017】
部分画像202は人物が注目領域に居るかどうかの人物検知する事を目的としているため、全体画像201の解像度Aよりも高解像度(解像度B)である方が良い。また、部分画像202の解像度は必要に応じて設定可能である。この場合、解像度Bは、人物かそうでないかを検知できる程度の解像度でよい。更に、部分画像202の領域は1領域だけである必要はなく、複数の部分画像202を取得することも可能である。
【0018】
特徴物検知部108は、そのように選択された部分画像202において、部分画像202の領域内に人物が撮影された場合には、部分画像202の領域内の人物を検知する。特徴物検知部108における人物検知方法を説明する。特徴物検知部108は、あらかじめ取得された背景のみの部分画像202と、連続して取得している部分画像202の減算処理を行う。そして、この2枚の部分画像202の差から、画像信号の変化量が一定レベルを超えた画素領域が存在した場合に、その変化画素領域において侵入者があったと判断し、人物を検知する。特徴領域設定部109は、特徴物検知部108により人物が検知されると、上記の変化画素領域を含む領域を特徴領域203として設定する。特徴領域設定部109は、特徴領域203及び解像度Cを制御部103に出力する。制御部103は、部分画像202に存在している人物を特定、認識するために更に高解像度(解像度C)で特徴領域203の特徴画像204を撮像素子101から読み出すようにタイミング発生部102を制御する。タイミング発生部102は、制御部103の制御に従ってタイミング信号を撮像素子101に出力する。撮像素子101は、特徴画像204を解像度Cで出力する。特徴領域画像読み出し部110は、撮像素子101から特徴画像204を解像度Cで読み出し、画像格納部111に格納する。画像表示部112は、画像格納部111内の特徴画像204を表示する。このとき、特徴画像204は、特徴物を含むように部分画像202とは独立に設定される。
【0019】
本実施形態では解像度A<解像度B<解像度Cとなるような解像度で、各領域での読み出し制御を行うことが特徴的である。よって、必要なとき、必要な領域のみ高解像で読み出しをするので、読み出しデータ量を少なくすることができる。よってシステム負荷を重くすることなく、人物の顔情報の特定などもする事が可能になる。
【0020】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態による監視システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。301は、監視領域を撮像するCMOS等の撮像素子である。302は、撮像素子301の駆動及び信号処理に必要なタイミング信号を生成するタイミング発生部である。303は、タイミング発生部302の動作をコントロールする制御部である。304は、撮像領域全体を撮像する全体画像読み出し部である。305は、任意のサイズで部分画像領域を選択する部分画像領域選択部である。313は、部分画像領域選択部305にて選択された領域情報から、監視システムから被写地点までの距離を算出する距離算出部である。306は、距離算出部313にて算出された被写地点までの距離から、部分画像解像度を設定する部分画像解像度設定部である。307は、部分画像領域選択部305にて選択された部分画像領域を、部分画像解像度設定部306にて設定した解像度で読み出す部分画像読み出し部である。308は、部分画像を解析し、部分画像領域内に人物などの侵入者がいるかどうかを検知するための特徴物検知部である。309は、特徴物検知部308にて侵入者があったと検知された場合にその領域を特徴領域として設定する特徴領域設定部である。310は、特徴領域設定部309で設定された領域を高解像度で読み出す特徴領域画像読み出し部である。311は、読み出されたそれぞれの画像を格納するための画像格納部である。312は、格納された画像データを表示器に表示するための画像表示部である。314は、人物の特徴を認識する人物特徴認識部である。以上のように構成された監視システムを用いて、以下にその動作の詳細を説明する。
【0021】
図4は、本実施形態による監視システムの監視方法の一例を示す図である。撮像素子301は、タイミング発生部302からの駆動信号により撮像領域の全体画像401を出力する。全体画像読み出し部304は、撮像素子301から全体画像401を解像度Aで読み出し、画像格納部311に格納する。画像表示部312は、画像格納部311内の全体画像401を表示する。このとき、監視システムは、撮像領域の全体を表示できればよいため、全体画像読み出し部304は、画素を間引いて低解像度(解像度A)で全体画像401を読み出す方がデータ処理の負荷の観点から好ましい。また、全体画像401は常にモニターしている必要が無いので、フレームレートは遅くても良い。
【0022】
部分画像領域選択部305は、全体画像401の領域内において、監視が必要な領域を部分画像(X)402及び部分画像(Y)403として選択する。距離算出手段313は、部分画像領域選択部305で選択された部分画像402及び403の領域の画像中の座標位置から、監視システムから被写地点までの距離を算出する。
【0023】
ここで、距離の算出方法の一例を図5を用いて説明する。監視システム501は、角度504で、高さ502に設置されている。また、監視システム501の使用するレンズの画角を503で表す。
【0024】
全体画像401から、部分画像402と部分画像403を部分画像領域として選択した時、部分画像402の垂直方法の座標範囲をX1〜X2とし、部分画像403の垂直方向の座標範囲をY1〜Y2とする。例えば、監視システム501から部分画像403のY2点との距離を算出する場合、まず、画像上でのY2点の垂直方向の座標から、撮像システム501とY2点を結ぶ直線が画角503の範囲のどの位置にいるかがわかる。この時、監視システム501の設置角度504と、設置高さ502、画角503は確定しているので、Y2点と監視システム501と地点0を結ぶ直線が作る角度505が分かり、監視システム501からY2点までの距離を算出する事ができる。
【0025】
部分画像解像度設定部306は、このように算出された距離情報に基づいて、部分画像402及び403の解像度を設定する。この時、部分画像402及び403の解像度設定に使用する距離情報は、選択された部分画像402及び403の領域内で最も遠い地点の距離情報を基に解像度を設定する方が検知能力確保の観点から好ましい。このように、距離が比較的近い領域である部分画像(X)402は低解像(解像度B1)でよく、距離が比較的遠い領域である部分画像(Y)403は高解像(解像度B2)に設定する。これにより、部分画像選択領域によって、最適な解像度設定(ここでは解像度B1<解像度B2に設定)をすることが出来る。また、部分画像402又は403の選択領域が広範囲に設定されている場合は、一つの部分画像402又は403を距離情報に基づき複数に分類・分割し、分割された部分画像の解像度をそれぞれ設定してもよい。制御部303は、部分画像領域選択部305にて選択された部分画像402及び403の領域を入力し、部分画像解像度設定部306にて設定された部分画像解像度設定情報を入力する。そして、制御部303は、入力した情報に応じてタイミング発生部302を制御する。タイミング発生部302は、制御部303の制御に従ってタイミング信号を撮像素子301に出力する。撮像素子301は、部分画像402を解像度B1で出力し、部分画像403を解像度B2で出力する。部分画像読み出し部307は、撮像素子402から解像度B1の部分画像402及び解像度B2の部分画像403を読み出し、画像格納部311に格納する。画像表示部312は、画像格納部311内の部分画像402及び403を表示する。
【0026】
そのように読み出される部分画像において、部分画像402又は部分画域403の領域内に人物が撮影された場合には、特徴物検知部303は、部分画像402又は403の領域内の人物を検知する。特徴物検知部308は、あらかじめ取得された背景のみの部分画像と、連続して取得している部分画像の減算処理を行う。そして、この2枚の部分画像の差から、部分画像の画素信号レベルの変化量が一定レベルを超えた画素領域が存在した場合に、その領域には侵入者があったと判断し、人物を検知する。特徴領域設定部309は、特徴物検知部308により人物が検知されると、その検知された領域を特徴領域404として設定する。制御部303は、特徴領域設定部309により設定された特徴領域4040を入力すると、特徴領域404を解像度Cで読み出すようにタイミング発生部302を制御する。タイミング発生部302は、制御部303の制御に従ってタイミング信号を撮像素子301に出力する。撮像素子301は、特徴領域404の特徴画像405を解像度Cで出力する。特徴領域画像読み出し部310は、撮像素子301から解像度Cの特徴画像405を読み出し、画像格納部311に格納する。画像表示部312は、画像格納部311内の特徴画像405を表示する。以上のように、特徴領域画像読み出し部310は、侵入した人物を特定、認識するために、高解像度(解像度C)で特徴画像405を読み出す。
【0027】
人物特徴認識部314は、解像度Cで読み出した特徴画像405を用い、人物の特徴認識を行う。人物特徴認識部314が人物の特徴認識を達成できない場合には、人物特徴認識部314は、特徴画像405を更に高解像度(解像度D)にて読み出すことを制御部303に指示することも可能である。すると、制御部303は、タイミング発生部302を介して撮像素子301に特徴画像405を解像度Dで読み出すように制御する。特徴領域画像読み出し部310は、特徴画像405を解像度Dで撮像素子301から読み出し、画像格納部311に格納する。画像表示部は、画像格納部311内の高解像度Dの特徴画像405を表示する。
【0028】
本実施形態では解像度A<解像度B1もしくは解像度B2<解像度Cとなるような、各領域での読み出し方を行うことが特徴的である。部分画像の解像度は選択された部分画像選択領域の位置によって、自動的に最適な解像度を設定することが可能である。また、解像度Cにて読み出した特徴画像において人物の特徴認識することが不十分であれば、解像度D(解像度C<解像度D)で特徴画像を読み出すことも可能である。以上のように、必要なとき、必要な領域のみ高解像で読み出しをするので、読み出しデータ量を少なくすることができる。よってシステム負荷を重くすることなく、人物の顔情報の特定などもする事が可能になる。
【0029】
上記の監視システムは、監視領域を認識するために低解像度で全体画像を読み出しする手段、人物などの存在する特徴領域を選別するために部分画像領域を中間の解像度で読み出しする手段、特徴領域を人物判別するために高解像度で読み出しする手段を有する。
【0030】
また、上記の監視方法は、低解像度で読み出した全体画像により監視領域を認識し、中間の解像度で読み出した部分画像により人物など特徴物を選別する。さらに高解像度で読み出した特徴画像により人物を判別特定する。
【0031】
以上のように、第1及び第2の監視システムにおいて、全体画像読み出し部104,304は、撮像素子101,301から全体画像201,401を第1の解像度Aで読み出す。部分画像領域選択部105,305は、前記読み出された全体画像201,401内の一部の部分画像202,402,403の領域を選択する。部分画像読み出し部107,307は、撮像素子101,301から前記選択された領域の部分画像202,402,403を第2の解像度Bで読み出す。特徴領域設定部109,309は、前記読み出された部分画像202,402内に存在する特徴物の特徴領域203,404を設定する。特徴領域画像読み出し部110,310は、撮像素子101,301から前記設定された特徴領域203,404の画像204,405を第3の解像度Cで読み出す。解像度設定部106,306は、第1の解像度A<第2の解像度B<第3の解像度Cになるように解像度を設定する。
【0032】
特徴物検知部108,308は、前記読み出された部分画像202,402,403内の特徴物を検知する。特徴領域設定部109,309は、前記検知された特徴物の領域を特徴領域203,404として設定する。
【0033】
部分画像領域選択部105,305は、複数の部分画像402,403の領域を選択する。解像度設定部306は、複数の部分画像402,403の領域に対し、個別の第2の解像度B1,B2を設定する。
【0034】
距離算出部313は、撮像素子301から部分画像402,403の被写地点までの距離を算出する。解像度設定部306は、距離算出部313により算出された距離に基づいて第2の解像度B1,B2を設定する。
【0035】
全体画像201,401のフレームレートは、部分画像202,402,403のフレームレートよりも遅い。
【0036】
特徴認識部314は、読み出された特徴領域404の画像405から特徴物の特徴を認識し、認識の結果に基づき第3の解像度Cより高い第4の解像度Dで特徴領域404の画像の再度の読み出しを制御部303に指示する。
【0037】
第1及び第2の実施形態によれば、広域監視において人物など監視対象の検知能力の向上と、撮像画像の処理によって引き起こされるシステム負荷の増大の抑制とを両立させることができる。
【0038】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態による監視システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による監視システムの監視方法の一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による監視システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による監視システムの監視方法の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による距離算出方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
101 撮像素子
102 タイミング発生部
103 制御部
104 全体画像読み出し部
105 部分画像領域選択部
106 部分画像解像度設定部
107 部分画像読み出し部
108 特徴物検知部
109 特徴領域設定部
110 特徴領域画像読み出し部
111 画像格納部
112 画像表示部
201 全体画像
202 部分画像
203 特徴領域
204 特徴画像
301 撮像素子
302 タイミング発生部
303 制御部
304 全体画像読み出し部
305 部分画像領域選択部
306 部分画像解像度設定部
307 部分画像読み出し部
308 特徴物検知部
309 特徴領域設定部
310 特徴領域画像読み出し部
311 画像格納部
312 画像表示部
313 距離算出部
314 人物特徴認識部
401 全体画像
402 部分画像X
403 部分画像Y
404 特徴領域
405 特徴画像
501 監視システム
502 監視システムの設置高さ
503 使用レンズの画角
504 監視システムの設置角度
505 Y2点、監視システム、地点0が形成する角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子から全体画像を第1の解像度で読み出す全体画像読み出し部と、
前記読み出された全体画像内の一部の部分画像の領域を選択する部分画像領域選択部と、
前記撮像素子から前記選択された領域の部分画像を第2の解像度で読み出す部分画像読み出し部と、
前記読み出された部分画像内に存在する特徴物の特徴領域を設定する特徴領域設定部と、
前記撮像素子から前記設定された特徴領域の画像を第3の解像度で読み出す特徴領域画像読み出し部と、
前記第1の解像度<前記第2の解像度<前記第3の解像度になるように解像度を設定する解像度設定部と
を有することを特徴とする監視システム。
【請求項2】
さらに、前記読み出された部分画像内の特徴物を検知する特徴物検知部を有し、
前記特徴領域設定部は、前記検知された特徴物の領域を前記特徴領域として設定することを特徴とする請求項1記載の監視システム。
【請求項3】
前記部分画像領域選択部は、複数の部分画像の領域を選択し、
前記解像度設定部は、前記複数の部分画像の領域に対し、個別の前記第2の解像度を設定すること特徴とする請求項1又は2記載の監視システム。
【請求項4】
さらに、前記撮像素子から前記部分画像の被写地点までの距離を算出する距離算出部を有し、
前記解像度設定部は、前記距離算出部により算出された距離に基づいて前記第2の解像度を設定することを特徴とする請求項3記載の監視システム。
【請求項5】
前記全体画像のフレームレートは、前記部分画像のフレームレートよりも遅いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
さらに、前記読み出された特徴領域の画像から特徴物の特徴を認識し、前記認識の結果に基づき前記第3の解像度より高い第4の解像度で前記特徴領域の画像の再度の読み出しを指示する特徴認識部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項7】
撮像素子から全体画像を第1の解像度で読み出す全体画像読み出しステップと、
前記読み出された全体画像内の一部の部分画像の領域を選択する部分画像領域選択ステップと、
前記撮像素子から前記選択された領域の部分画像を第2の解像度で読み出す部分画像読み出しステップと、
前記読み出された部分画像内に存在する特徴物の特徴領域を設定する特徴領域設定ステップと、
前記撮像素子から前記設定された特徴領域の画像を第3の解像度で読み出す特徴領域画像読み出しステップとを有し、
前記第1の解像度<前記第2の解像度<前記第3の解像度になるように解像度が設定されることを特徴とする監視方法。
【請求項8】
さらに、前記撮像素子から前記部分画像の被写地点までの距離を算出する距離算出ステップを有し、
前記部分画像領域選択ステップは、複数の部分画像の領域を選択し、
前記複数の部分画像の領域は、前記算出された距離に基づいて個別の前記第2の解像度で読み出されること特徴とする請求項7記載の監視方法。
【請求項9】
前記全体画像のフレームレートは、前記部分画像のフレームレートよりも遅いこと特徴とする請求項7又は8記載の監視方法。
【請求項10】
さらに、前記読み出された特徴領域の画像から特徴物の特徴を認識し、前記認識の結果に基づき前記第3の解像度より高い第4の解像度で前記特徴領域の画像の再度の読み出しを指示する特徴認識ステップを有することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−130087(P2010−130087A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299785(P2008−299785)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】