説明

監視対象端末装置及び監視プログラム及び監視システム及び監視方法

【課題】 例えば、何らかの障害により障害情報通知ができなくなった場合に、復旧後障害情報の送信を自動的に再開することにより、障害情報の通知漏れをなくし、かつ不必要な障害情報の再送による負荷を削減することを目的とする。
【解決手段】 各種デバイス監視プログラムは、デバイス制御用APIを使用して、一定間隔でデバイスの状態を取得し、障害を検知した場合は障害情報記憶部140の監視情報ログにその情報を記録する。ログ監視部150は監視情報ログを常時監視しており、ログに障害情報が記録されると、WAN190を通してログ監視制御部171にその情報を通知する。疎通確認部151と、確認応答部172は一定間隔で互いの生死を確認しており、生死確認が途絶えた場合には、障害情報の送信を停止する。再び生死確認が取れた場合には障害情報の送信を再開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象端末装置及び監視プログラム及び監視システム及び監視方法に関するものである。特に、特殊端末のデバイス監視方式に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報処理装置の障害通知方式では、装置に障害が発生した場合、ログ媒体に障害内容を書き込み、当該ログを保守センターなどに送信することにより、何らかの原因により保守センターへの通報ができなかった場合には当該ログ情報を再送することにより、装置の障害を確実に通知するという方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−113909号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の障害通知方式では、ネットワークが切断された場合、一定間隔で障害情報を再通知し続けるか、または一定時間再送を繰り返した後、障害情報の通知を停止(タイムアウト)するため、負荷が高かったり、障害情報の通知漏れがあったりするという課題があった。
【0004】
この発明は、例えば、何らかの障害により端末側から保守センターなどへの障害情報通知ができなくなった場合に、復旧後監視内容の送信を自動的に再開することにより、端末の障害情報の通知漏れをなくし、かつ不必要な障害情報の再送によるCPU(Central Processing Unit)負荷、ネットワーク負荷を削減することを目的とする。また、例えば、端末側のデバイス監視間隔を自動的に適切な値に設定することによって、端末のCPU負荷、メモリ使用量を調整し、他のアプリケーションの性能に影響を与えない監視方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の監視対象端末装置は、ネットワークを介して周辺装置を監視する監視サーバ装置と通信を行うとともに前記周辺装置を接続し、
前記周辺装置の状態を監視し、前記周辺装置の障害を検知する周辺装置監視部と、
前記周辺装置監視部により検知された障害に関する障害情報を記憶する障害情報記憶部と、
前記監視サーバ装置に問い合わせを送信し、前記監視サーバ装置から前記問い合わせに対する応答を受信した場合、前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断する疎通確認部と、
前記疎通確認部により前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が前記障害情報記憶部に記憶されている場合、前記監視サーバ装置に前記送信すべき障害情報を送信する障害情報送信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、監視対象端末装置の障害情報送信部が、疎通確認部により監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が障害情報記憶部に記憶されている場合に、監視サーバ装置に送信すべき障害情報を送信することにより、障害で端末側からサーバ側への障害情報通知ができなくなった場合に、端末の障害情報の通知漏れをなくし、かつ、不必要な障害情報の再送によるCPU負荷、ネットワーク負荷などを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0008】
図1は、下記実施の形態における監視対象端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0009】
図1において、監視対象端末装置100は、例えばコンピュータであり、プログラムを実行するCPU911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、コンパクトディスク装置(CDD)905、スキャナ装置110、プリンタ装置120、カードリーダ装置130と接続されている。
【0010】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは「〜記憶部」の一例である。
【0011】
通信ボード915は、ローカルエリアネットワーク(LAN)などに接続されている。
【0012】
例えば、通信ボード915は、「〜受信部」あるいは「〜送信部」の一例である。また、例えば、K/B902、スキャナ装置110、カードリーダ装置130、FDD904などは、「〜入力部」の一例である。また、例えば、プリンタ装置120、CRT表示装置901などは、「〜出力部」の一例である。
【0013】
ここで、通信ボード915は、LANに限らず、ゲートウェイを介して、または直接、インターネット、あるいはISDN(Integrated Services Digital Network)などのWAN(ワイドエリアネットワーク)190に接続されていても構わない。
【0014】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)160、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS160、ウィンドウシステム922により実行される。
【0015】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0016】
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
【0017】
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)などのその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0018】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、ハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0019】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD、DVDなどのその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0020】
実施の形態1.
図2は、本実施の形態に係る監視システムの構成を示すブロック図である。
【0021】
図2において、監視対象端末装置100は監視対象の特殊端末であり、WAN190(ネットワークの一例)に複数接続されている。監視対象端末装置100にはスキャナ装置110、プリンタ装置120、カードリーダ装置130など、業務に必要なデバイス(周辺装置の例)が複数接続されている。監視対象端末装置100は、これらのデバイスを制御可能なOS160と、スキャナ制御用デバイスドライバ111、プリンタ制御用デバイスドライバ121、カードリーダ制御用デバイスドライバ131などのデバイスドライバと、スキャナ制御用API(Application Program Interface)112、プリンタ制御用API122、カードリーダ制御用API132などのデバイス制御用APIを備えている。
【0022】
また、監視対象端末装置100は、スキャナ用監視プログラム113、プリンタ用監視プログラム123、カードリーダ用監視プログラム133などのデバイス監視プログラム(周辺装置監視部の例)を備えており、これらのプログラムはスキャナ制御用API112、プリンタ制御用API122、カードリーダ制御用API132などのAPIを使用してデバイスの状態を取得する。
【0023】
さらに監視対象端末装置100は、監視情報ログ(障害情報の例)を記憶する障害情報記憶部140とログ監視部150を備え、ログ監視部150の中には疎通確認部151と障害情報送信部152を備える。
【0024】
また、図2において、監視サーバ装置170は、WAN190に接続されて監視対象端末装置100と通信可能となっている。また、監視サーバ装置170はログ監視制御部171を備え、ログ監視制御部171の中には確認応答部172と障害情報受信部173と障害情報出力部174を備える。監視端末装置180は、監視結果通知部181を備える。
【0025】
次に動作について説明する。
【0026】
図3は、本実施の形態に係る監視システムの動作を示すフロー図である。
【0027】
スキャナ用監視プログラム113は、スキャナ制御用API112を使用して、一定間隔でスキャナ装置110の状態を取得し(ステップS110)、障害を検知した場合(ステップS111)は障害情報記憶部140に記憶された監視情報ログにその情報を記録する(ステップS112)。同様にプリンタ用監視プログラム123は、プリンタ制御用API122を使用して、一定間隔でプリンタ装置120の状態を取得し(ステップS120)、障害を検知した場合(ステップS121)は障害情報記憶部140に記憶された監視情報ログにその情報を記録する(ステップS122)。同様にカードリーダ用監視プログラム133は、カードリーダ制御用API132を使用して、一定間隔でカードリーダ装置130の状態を取得し(ステップS130)、障害を検知した場合(ステップS131)は障害情報記憶部140に記憶された監視情報ログにその情報を記録する(ステップS132)。ここではスキャナ装置110、プリンタ装置120、カードリーダ装置130について述べたが、他のデバイス(例えば、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD904、磁気ディスク装置920、CDD905など)についても同様である。
【0028】
ログ監視部150は監視情報ログを常時監視しており、ログに障害情報が記録されると、障害情報送信部152はWAN190を通して監視サーバ装置170上で動作しているログ監視制御部171の障害情報受信部173にその情報を通知する(ステップS152)。
【0029】
監視端末装置180では、監視結果通知部181が動作し(ステップS171)、ログ監視制御部171の障害情報受信部173に通知された障害情報をシステム管理者などに通知する(ステップS180)。
【0030】
ログ監視部150の中の疎通確認部151と、ログ監視制御部171の中の確認応答部172は一定間隔で互いの生死を確認しており(ステップS150及びステップS170)、生死確認が途絶えた場合には、ログ監視部150の障害情報送信部152に障害情報の送信を停止させる(ステップS151)。再び生死確認が取れた場合には、監視情報ログの前回送信が中断された場所から障害情報の送信を再開する(ステップS152)。
【0031】
このように、本実施の形態では、監視システム(または監視方法)において、監視対象端末装置100(または監視プログラムを実行する装置あるいはコンピュータ)は、周辺装置を接続し、監視サーバ装置170は、ネットワークを介して監視対象端末装置100に接続された周辺装置を監視する。
【0032】
また、監視対象端末装置100において、周辺装置監視部は、周辺装置の状態を監視し、周辺装置の障害を検知する(ステップS110、S111、S120、S121、S130、S131:周辺装置監視ステップ(処理))。障害情報記憶部140は、周辺装置監視部により検知された障害に関する障害情報を記憶する(ステップS112、S122、S132:障害情報記憶ステップ(処理))。疎通確認部151は、監視サーバ装置170に問い合わせを送信し、監視サーバ装置170から問い合わせに対する応答を受信した場合、監視サーバ装置170との通信が可能であると判断する(ステップS150、S151:疎通確認ステップ(処理))。障害情報送信部152は、疎通確認部151により監視サーバ装置170との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が障害情報記憶部140に記憶されている場合、監視サーバ装置170に送信すべき障害情報を送信する(ステップS152:障害情報送信ステップ(処理))。
【0033】
また、監視サーバ装置170において、確認応答部172は、監視対象端末装置100の疎通確認部151により送信された問い合わせに対する応答を返信する(ステップS170:確認応答ステップ(処理))。障害情報受信部173は、監視対象端末装置100の障害情報送信部152により送信された障害情報を受信する(ステップS171:障害情報受信ステップ(処理))。障害情報出力部174は、障害情報受信部173により受信された障害情報を出力する(障害情報出力ステップ(処理))。監視端末装置180において、監視結果通知部181は、ネットワークを介して、監視サーバ装置170の障害情報出力部174により出力された障害情報を受信し、受信した障害情報を、例えば画面に表示したり、電子メールで送付したりすることにより、システム管理者などに通知する(ステップS180:監視結果通知ステップ(処理))。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、通信経路などに障害が発生して、端末の障害情報を送信できない場合に、一旦障害情報の送信を停止し、障害が復旧した後に障害情報の送信を自動的に再開することが可能となり、障害情報の通知漏れをなくすことが可能となる。また、障害情報の再送を繰り返すことによるCPU負荷、メモリ使用量、ネットワーク負荷などのシステム負荷が軽減される。
【0035】
以上、本実施の形態では、
金融機関などの無人契約機、ATM(Automated Teller Machine)、窓口端末などの特殊端末(監視対象端末装置)に接続されているプリンタ、スキャナ、カードリーダ、TV(テレビ)電話などのデバイス(周辺装置)を遠隔から監視するシステムにおいて、特殊端末上に、
(a)各種デバイス用監視機構(周辺装置監視部)
(b)監視情報ログ(障害情報記憶部)
(c)ログ監視機構(ログ監視部)
(d)疎通確認機構(疎通確認部)
を設け、監視サーバ(監視サーバ装置)上に、
(e)ログ監視制御機構(ログ監視制御部)
(f)疎通確認機構(確認応答部)
を設け、(a)は(b)に監視情報(障害情報)を出力し、(c)は(e)に(b)の監視結果を出力する際、通信エラーなどの障害で結果が出力できない場合に(d)と(f)によって疎通状態を把握し、障害が解消した後に確実に再通知を可能とすることを特徴としたデバイス監視方式について説明した。
【0036】
実施の形態2.
図4は、本実施の形態に係る監視システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図4において、CPU使用率測定部191は、OS160のCPU負荷(使用率)を測定する。CPU使用率閾値設定部193は、CPU負荷の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、それぞれのデバイス監視プログラムの監視間隔を設定する。なお、図1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0038】
次に動作について説明する。
【0039】
図5は、本実施の形態に係る監視システムの動作を示すフロー図である。
【0040】
CPU使用率測定部191は常時OS160上のCPU負荷を測定し、CPU使用率閾値設定部193に測定値を送信する(ステップS190)。また、CPU使用率閾値設定部193は、予め閾値(CPU使用率の上限)を設定しておく。CPU使用率測定部191によって測定されたCPU使用率が、設定された閾値になると、CPU使用率閾値設定部193は監視間隔制御部195〜197に対して監視間隔を広げる様に指示し、監視間隔制御部195〜197はそれぞれのデバイス監視プログラムの監視間隔を広げる(ステップS191、S192)。また、CPU負荷の測定値が閾値を下回った場合には上記と同様にして監視間隔を狭くする。なお、その他の動作は図3に示したものと同様のため説明を省略する。
【0041】
このように、本実施の形態では、監視対象端末装置100において、CPU使用率測定部191は、CPUの使用率を測定し、当該測定値を出力する(ステップS190:CPU使用率測定ステップ(処理))。CPU使用率閾値設定部193は、予めCPUの使用率の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、CPU使用率測定部191により出力された測定値とCPU使用率閾値設定部193により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて周辺装置監視部が周辺装置の状態を監視する間隔を制御する(ステップS191、S192:監視間隔制御ステップ(処理))。
【0042】
以上のように、本実施の形態によれば、各種デバイス監視プログラムの監視間隔をCPU使用率などのシステムの負荷に対応して設定してデバイスの監視を行うため、デバイス監視プログラム自身の負荷が他のアプリケーションの性能に影響を与えることが無くなり、業務アプリケーションのスループットを維持するための最適な監視間隔でデバイス監視を実施することが可能となる。
【0043】
実施の形態3.
図4において、実施の形態2では、CPU使用率測定部191がシステムのCPU負荷を測定していたが、本実施の形態では、CPU使用率測定部191がデバイス監視プログラム(スキャナ用監視プログラム113、プリンタ用監視プログラム123、カードリーダ用監視プログラム133)それぞれのCPU負荷を測定する。また、CPU使用率閾値設定部193には、デバイス監視プログラム全体で利用可能なCPU使用率を設定する。本実施の形態に係る監視システムの構成は図4と同様である。
【0044】
次に動作について説明する。
【0045】
CPU使用率閾値設定部193に、デバイス監視プログラム全体で利用可能なCPU使用率を設定する。CPU使用率測定部191がそれぞれのデバイス監視プログラム(スキャナ用監視プログラム113、プリンタ用監視プログラム123、カードリーダ用監視プログラム133)の負荷を測定し、CPU使用率閾値設定部193に通知する。それぞれのデバイス監視プログラムのCPU使用率の合計が閾値を超えた場合は、デバイス監視プログラムそれぞれの監視間隔を長くする指示を監視間隔制御部195〜197のいずれか(または複数)に送信する。また、CPU負荷が設定した閾値を下回った場合は上記と同様にして監視間隔を短くする。
【0046】
このように、本実施の形態では、監視対象端末装置100において、CPU使用率測定部191は、各周辺装置監視部によるCPUの使用率を測定する。CPU使用率閾値設定部193は、各周辺装置監視部によるCPUの使用率を合計した値の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、CPU使用率測定部191により出力された各周辺装置監視部の測定値の合計とCPU使用率閾値設定部193により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御する。
【0047】
以上のように、本実施の形態によれば、CPU使用率測定部191でデバイス監視プログラム毎のCPU使用率を測定し、CPU使用率閾値設定部193がデバイス監視プログラム全体で使用可能なCPU使用率を設定することにより、デバイス監視プログラムが使用可能なCPU使用率が厳密に設定可能となり、より細かくデバイス監視プログラムの負荷制御を実施することが可能となる。
【0048】
本実施の形態では、CPU使用率閾値設定部193は、各周辺装置監視部によるCPUの使用率を合計した値の閾値を設定しているが、各周辺装置監視部によるCPUの使用率に対する閾値を別々に設定してもよい。このとき、監視間隔制御部195〜197は、CPU使用率測定部191により出力された各周辺装置監視部の測定値とCPU使用率閾値設定部193により設定された各周辺装置監視部に対応する閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御する。
【0049】
実施の形態4.
図6は、本実施の形態に係る監視システムの構成を示すブロック図である。
【0050】
図6において、メモリ使用量測定部192は、OS160のメモリ使用量を測定する。メモリ使用量閾値設定部194は、メモリ使用量の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、それぞれのデバイス監視プログラムの監視間隔を設定する。なお、図1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0051】
図7は、本実施の形態に係る監視システムの動作を示すフロー図である。
【0052】
メモリ使用量測定部192は常時OS160上のメモリ使用量を測定し、メモリ使用量閾値設定部194に測定値を送信する(ステップS193)。また、メモリ使用量閾値設定部194は、予め閾値(メモリ使用量の上限)を設定しておく。メモリ使用量測定部192によって測定されたメモリ使用量が、設定された閾値になると、メモリ使用量閾値設定部194は監視間隔制御部195〜197に対して監視間隔を長くする様に指示し、監視間隔制御部はそれぞれのデバイス監視プログラムの監視間隔を長くする(ステップS194、S195)。また、メモリ使用量の測定値が閾値を下回った場合には上記と同様にして監視間隔を短くする。なお、その他の動作は図3に示したものと同様のため説明を省略する。
【0053】
このように、本実施の形態では、監視対象端末装置100において、メモリ使用量測定部192は、メモリの使用量を測定し、当該測定値を出力する(ステップS193:メモリ使用量測定ステップ(処理))。メモリ使用量閾値設定部194は、予めメモリの使用量の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、メモリ使用量測定部192により出力された測定値とメモリ使用量閾値設定部194により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて周辺装置監視部が周辺装置の状態を監視する間隔を制御する(ステップS194、S195:監視間隔制御ステップ(処理))。
【0054】
以上のように、本実施の形態によれば、各種デバイス監視プログラムの監視間隔をメモリ使用量などのシステムの負荷に対応して設定してデバイスの監視を行うため、デバイス監視プログラム自身の負荷が他のアプリケーションの性能に影響を与えることが無くなり、業務アプリケーションのスループットを維持するための最適な監視間隔でデバイス監視を実施することが可能となる。
【0055】
実施の形態5.
図6において、実施の形態4では、メモリ使用量測定部192がシステムのメモリ使用量を測定していたが、本実施の形態では、メモリ使用量測定部192がデバイス監視プログラム(スキャナ用監視プログラム113、プリンタ用監視プログラム123、カードリーダ用監視プログラム133)それぞれのメモリ使用量を測定する。また、メモリ使用量閾値設定部194には、デバイス監視プログラム全体で利用可能なメモリ使用量を設定する。本実施の形態に係る監視システムの構成は図6と同様である。
【0056】
次に動作について説明する。
【0057】
メモリ使用量閾値設定部194に、デバイス監視プログラム全体で利用可能なメモリ使用量を設定する。メモリ使用量測定部192がそれぞれのデバイス監視プログラム(スキャナ用監視プログラム113、プリンタ用監視プログラム123、カードリーダ用監視プログラム133)のメモリ使用量を測定し、メモリ使用量閾値設定部194に通知する。それぞれのデバイス監視プログラムのメモリ使用量の合計が閾値を超えた場合は、それぞれのデバイス監視プログラムの監視間隔を長くする指示を監視間隔制御部195〜197のいずれか(または複数)に送信する。また、メモリ使用量が設定した閾値を下回った場合は上記と同様にして監視間隔を短くする。
【0058】
このように、本実施の形態では、監視対象端末装置100において、メモリ使用量測定部192は、各周辺装置監視部によるメモリの使用量を測定する。メモリ使用量閾値設定部194は、各周辺装置監視部によるメモリの使用量を合計した値の閾値を設定する。監視間隔制御部195〜197は、メモリ使用量測定部192により出力された各周辺装置監視部の測定値の合計とメモリ使用量閾値設定部194により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御する。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、メモリ使用量測定部でデバイス監視プログラム毎のメモリ使用量を測定し、メモリ使用量閾値設定部がデバイス監視プログラム全体で使用可能なメモリ使用量を設定することにより、デバイス監視プログラムが使用可能なメモリ使用量が厳密に設定可能となり、より細かくデバイス監視プログラムの負荷制御を実施することが可能となる。
【0060】
本実施の形態では、メモリ使用量閾値設定部194は、各周辺装置監視部によるメモリ使用量を合計した値の閾値を設定しているが、各周辺装置監視部によるメモリ使用量に対する閾値を別々に設定してもよい。このとき、監視間隔制御部195〜197は、メモリ使用量測定部192により出力された各周辺装置監視部の測定値とメモリ使用量閾値設定部194により設定された各周辺装置監視部に対応する閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御する。
【0061】
実施の形態6.
本実施の形態に係る監視システムは、実施の形態2または3と、実施の形態4または5を組み合わせたものである。本実施の形態では、監視対象端末装置100は、図4に示したCPU使用率測定部191、CPU使用率閾値設定部193と、図6に示したメモリ使用量測定部192、メモリ使用量閾値設定部194とを備える。その他の構成については、図4及び図6と同様である。
【0062】
また、本実施の形態に係る監視システムの動作は、実施の形態2〜5と同様である。
【0063】
本実施の形態によれば、各種デバイス監視プログラムの監視間隔をCPU使用率とメモリ使用量の両方に対応して設定してデバイスの監視を行うため、さらに的確なデバイス監視プログラムの負荷制御を実施することが可能となる。
【0064】
以上、本実施の形態では、実施の形態1と同様のシステムにおいて、特殊端末上に、
(g)CPU負荷測定機構(CPU使用率測定部)
(h)メモリ使用量測定機構(メモリ使用量測定部)
(i)CPU負荷閾値検知機構(CPU使用率閾値設定部)
(j)メモリ使用量閾値検知機構(メモリ使用量閾値設定部)
(k)監視間隔測定機構(監視間隔制御部)
を設け、(g)(h)により常時CPU負荷(使用率)、メモリ使用量を測定し、(i)(j)に設定した閾値に対応して(k)が各種デバイス用監視機構に対する監視間隔を調整することを特徴としたデバイス監視方式について説明した。
【0065】
また、本実施の形態に係るデバイス監視方式は、実施の形態3と同様に、CPU負荷閾値検知機構に対して、各種デバイス用監視機構が使用可能なCPU使用率を設定し、設定したCPU使用率を上回らない様に動作する形態であってもよい。
【0066】
また、本実施の形態に係るデバイス監視方式は、実施の形態5と同様に、メモリ使用量閾値検知機構に対して、各種デバイス用監視機構が使用可能なメモリ使用量を設定可能とし、設定したメモリ使用量を上回らない様に動作する形態であってもよい。
【0067】
また、本実施の形態をプログラムにより実施する場合、監視対象端末装置で実行されるプログラムは、
各種デバイス用監視機構と、
監視情報ログと、
ログ監視機構と、
疎通確認機構と、
CPU負荷測定機構と、
メモリ使用量測定機構と、
CPU負荷閾値検知機構と、
メモリ使用量閾値検知機構と、
監視間隔測定機構とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施の形態1から6までにおける監視対象端末装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図2】実施の形態1に係る監視システムの構成を示すブロック図。
【図3】実施の形態1に係る監視システムの動作を示すフロー図。
【図4】実施の形態2及び3に係る監視システムの構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態2及び3に係る監視システムの動作を示すフロー図。
【図6】実施の形態4及び5に係る監視システムの構成を示すブロック図。
【図7】実施の形態4及び5に係る監視システムの動作を示すフロー図。
【符号の説明】
【0069】
100 監視対象端末装置、110 スキャナ装置、111,121,131 デバイスドライバ、112 スキャナ制御用API、113 スキャナ用監視プログラム、120 プリンタ装置、122 プリンタ制御用API、123 プリンタ用監視プログラム、130 カードリーダ装置、132 カードリーダ制御用API、133 カードリーダ用監視プログラム、140 障害情報記憶部、150 ログ監視部、151 疎通確認部、152 障害情報送信部、160 OS、170 監視サーバ装置、171 ログ監視制御部、172 確認応答部、173 障害情報受信部、174 障害情報出力部、180 監視端末装置、181 監視結果通知部、190 WAN、191 CPU使用率測定部、192 メモリ使用量測定部、193 CPU使用率閾値設定部、194 メモリ使用量閾値設定部、195,196,197 監視間隔制御部、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して周辺装置を監視する監視サーバ装置と通信を行うとともに前記周辺装置を接続する監視対象端末装置において、
前記周辺装置の状態を監視し、前記周辺装置の障害を検知する周辺装置監視部と、
前記周辺装置監視部により検知された障害に関する障害情報を記憶する障害情報記憶部と、
前記監視サーバ装置に問い合わせを送信し、前記監視サーバ装置から前記問い合わせに対する応答を受信した場合、前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断する疎通確認部と、
前記疎通確認部により前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が前記障害情報記憶部に記憶されている場合、前記監視サーバ装置に前記送信すべき障害情報を送信する障害情報送信部とを備えることを特徴とする監視対象端末装置。
【請求項2】
前記監視対象端末装置は、CPU(Central Processing Unit)を有し、さらに、
CPUの使用率を測定し、当該測定値を出力するCPU使用率測定部と、
予めCPUの使用率の閾値を設定するCPU使用率閾値設定部と、
前記CPU使用率測定部により出力された測定値と前記CPU使用率閾値設定部により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて前記周辺装置監視部が前記周辺装置の状態を監視する間隔を制御する監視間隔制御部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の監視対象端末装置。
【請求項3】
前記監視対象端末装置は、メモリを有し、さらに、
メモリの使用量を測定し、当該測定値を出力するメモリ使用量測定部と、
予めメモリの使用量の閾値を設定するメモリ使用量閾値設定部と、
前記メモリ使用量測定部により出力された測定値と前記メモリ使用量閾値設定部により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて前記周辺装置監視部が前記周辺装置の状態を監視する間隔を制御する監視間隔制御部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の監視対象端末装置。
【請求項4】
前記監視対象端末装置は、
複数の周辺装置を接続し、周辺装置ごとに前記周辺装置監視部を備え、
前記CPU使用率測定部は、各周辺装置監視部によるCPUの使用率を測定し、
前記CPU使用率閾値設定部は、各周辺装置監視部によるCPUの使用率を合計した値の閾値を設定し、
前記監視間隔制御部は、
前記CPU使用率測定部により出力された各周辺装置監視部の測定値の合計と前記CPU使用率閾値設定部により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御することを特徴とする請求項2に記載の監視対象端末装置。
【請求項5】
前記監視対象端末装置は、
複数の周辺装置を接続し、周辺装置ごとに前記周辺装置監視部を備え、
前記メモリ使用量測定部は、各周辺装置監視部によるメモリの使用量を測定し、
前記メモリ使用量閾値設定部は、各周辺装置監視部によるメモリの使用量を合計した値の閾値を設定し、
前記監視間隔制御部は、
前記メモリ使用量測定部により出力された各周辺装置監視部の測定値の合計と前記メモリ使用量閾値設定部により設定された閾値とを比較し、当該比較結果に応じて各周辺装置監視部が各周辺装置の状態を監視する間隔を制御することを特徴とする請求項3に記載の監視対象端末装置。
【請求項6】
ネットワークを介して周辺装置を監視する監視サーバ装置と通信を行うとともに前記周辺装置を接続する監視対象端末装置により実行される監視プログラムにおいて、
前記周辺装置の状態を監視し、前記周辺装置の障害を検知する周辺装置監視処理と、
前記周辺装置監視処理により検知された障害に関する障害情報を記憶する障害情報記憶処理と、
前記監視サーバ装置に問い合わせを送信し、前記監視サーバ装置から前記問い合わせに対する応答を受信した場合、前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断する疎通確認処理と、
前記疎通確認処理により前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が前記監視対象端末装置に記憶されている場合、前記監視サーバ装置に前記送信すべき障害情報を送信する障害情報送信処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする監視プログラム。
【請求項7】
周辺装置を接続する監視対象端末装置と、ネットワークを介して前記監視対象端末装置に接続された周辺装置を監視する監視サーバ装置とを備える監視システムにおいて、
前記監視対象端末装置は、
前記周辺装置の状態を監視し、前記周辺装置の障害を検知する周辺装置監視部と、
前記周辺装置監視部により検知された障害に関する障害情報を記憶する障害情報記憶部と、
前記監視サーバ装置に問い合わせを送信し、前記監視サーバ装置から前記問い合わせに対する応答を受信した場合、前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断する疎通確認部と、
前記疎通確認部により前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が前記障害情報記憶部に記憶されている場合、前記監視サーバ装置に前記送信すべき障害情報を送信する障害情報送信部とを備え、
前記監視サーバ装置は、
前記監視対象端末装置の疎通確認部により送信された問い合わせに対する応答を返信する確認応答部と、
前記監視対象端末装置の障害情報送信部により送信された障害情報を受信する障害情報受信部と、
前記障害情報受信部により受信された障害情報を出力する障害情報出力部とを備えることを特徴とする監視システム。
【請求項8】
周辺装置を接続する監視対象端末装置と、ネットワークを介して前記監視対象端末装置に接続された周辺装置を監視する監視サーバ装置とを備える監視システムを用いる監視方法において、
前記監視対象端末装置が、前記周辺装置の状態を監視し、前記周辺装置の障害を検知する周辺装置監視ステップと、
前記監視対象端末装置が、前記周辺装置監視ステップにより検知された障害に関する障害情報を記憶する障害情報記憶ステップと、
前記監視対象端末装置が、前記監視サーバ装置に問い合わせを送信し、前記監視サーバ装置から前記問い合わせに対する応答を受信した場合、前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断する疎通確認ステップと、
前記監視サーバ装置が、前記疎通確認ステップにより送信された問い合わせに対する応答を返信する確認応答ステップと、
前記監視対象端末装置が、前記疎通確認ステップにより前記監視サーバ装置との通信が可能であると判断され、かつ、送信すべき障害情報が前記監視対象端末装置に記憶されている場合、前記監視サーバ装置に前記送信すべき障害情報を送信する障害情報送信ステップと、
前記監視サーバ装置が、前記障害情報送信ステップにより送信された障害情報を受信する障害情報受信ステップと、
前記監視サーバ装置が、前記障害情報受信ステップにより受信された障害情報を出力する障害情報出力ステップとを備えることを特徴とする監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−5905(P2007−5905A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180822(P2005−180822)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(394013002)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】